特許第6461531号(P6461531)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6461531
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】塩化ビニル系樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 27/06 20060101AFI20190121BHJP
   C08K 5/12 20060101ALI20190121BHJP
   B65D 65/02 20060101ALI20190121BHJP
   B65D 85/50 20060101ALI20190121BHJP
【FI】
   C08L27/06
   C08K5/12
   B65D65/02 E
   B65D85/50 100
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-191644(P2014-191644)
(22)【出願日】2014年9月19日
(65)【公開番号】特開2016-60873(P2016-60873A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2017年7月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000250384
【氏名又は名称】リケンテクノス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184653
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬田 寧
(72)【発明者】
【氏名】坂井昂次
【審査官】 尾立 信広
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−155612(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0260113(US,A1)
【文献】 特開2009−299010(JP,A)
【文献】 特開2012−166483(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/013284(WO,A1)
【文献】 特開2007−262267(JP,A)
【文献】 特開2012−025851(JP,A)
【文献】 特表2012−511071(JP,A)
【文献】 特表2013−513477(JP,A)
【文献】 特開2015−209465(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0188601(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 27/00− 27/24
C08K 5/00− 5/59
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分(a)塩化ビニル系樹脂 100質量部;及び
成分(b)casNo.28553−12−0のフタル酸ジイソノニルエステルを水素添加して得られるシス異性体90〜100モル%、トランス異性体10〜0モル%のシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ(イソノニル)エステル 15〜150質量部;
を含む食品関連製品用塩化ビニル系樹脂組成物。
ここで上記食品関連製品は食品と直接接する製品である。
【請求項2】
更に安定剤を、上記成分(a)塩化ビニル系樹脂 100質量部に対して、0.1〜10質量部を含む請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
上記食品関連製品が、油脂又は脂肪を多く含む食品と直接接する製品である請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の樹脂組成物を含む食品関連製品。
【請求項5】
上記食品関連製品が、油脂又は脂肪を多く含む食品と直接接する製品である請求項4に記載の食品関連製品。
【請求項6】
上記食品関連製品が、包装用フィルム、包装用チューブ、収納瓶、獣肉の加工用装置の搬送ベルト、錠剤の包装用シート、カプセルの包装用シート、食品のデリバリー用ホース、飲料水のデリバリー用ホース、食品を取り扱う手袋、食品用液体収納タンク、及びハンディポンプからなる群から選択される何れか1種である請求項4に記載の食品関連製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塩化ビニル系樹脂組成物に関する。更に詳しくは、成形性、及び耐ブリード性に優れ、かつ食品衛生法に基づく食品、添加物等の規格基準昭和57年厚生省告示20号に定める蒸発残留物試験法にて測定したn−ヘプタン抽出量(以下、「ヘプタン抽出量」と略すことがある。)が少なく、そのため食品関連製品、特に食品と直接接する製品の材料として、好適に用いることのできる塩化ビニル系樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、食品関連製品、特に精肉、鮮魚、及び青果などの生鮮食品と直接接する製品の材料としては、透明性、柔軟性、及びヒートシール性に優れていることから、塩化ビニル系樹脂、アジピン酸エステル系可塑剤、及びエポキシ化植物油を含む塩化ビニル系樹脂組成物が広く用いられている。
【0003】
食品と直接接する製品は、衛生性、安全性、及び食品等への非移行性が、重要である。そのため食品と直接接する製品の材料には、その原材料として、米国のFDA規格(Food and Drug Administration)や日本のPL規格(塩化ビニル樹脂製包装容器包装等に関する自主規制基準)等に記載された物質を用いることが求められている。また昭和57年厚生省告示20号は、油脂、及び脂肪性食品の疑似抽出溶媒としてn−ヘプタンを用いた蒸発残留物試験を定め、これが少量であることを求めている。
【0004】
近年、プラスチック材料、及びその添加剤の安全性に対する関心の高まりから、食品と直接接する製品の材料には、ヘプタン抽出量が少ないこと(材料中の成分が食品等へ移行しないこと)、及び用いられる原材料そのものの安全性が極めて高いことが求められている。
【0005】
そこで、「1,2−シクロヘキサンジカルボン酸若しくはその無水物と、炭素数9の分岐鎖のアルコールを必須成分とする炭素数4〜13の脂肪族一価混合アルコールとをエステル化反応して得られる1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジエステルであって、前記脂肪族一価混合アルコール中の炭素数9の分岐鎖のアルコールの含有率が70〜97重量%であり、炭素数9の分岐鎖のアルコール以外のアルコールの含有率が3〜30重量%であることを特徴とする1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジエステルを含む塩化ビニル系樹脂用可塑剤。」を用いることが提案されている(特許文献1)。しかし、成形性、及び耐ブリードに優れ、かつヘプタン抽出量の少ない塩化ビニル系樹脂組成物を得ることはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−207002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、成形性、及び耐ブリードに優れ、かつヘプタン抽出量が少なく、そのため食品関連製品、特に食品と直接接する製品の材料として、好適に用いることのできる塩化ビニル系樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、鋭意研究した結果、特定の可塑剤を含む塩化ビニル系樹脂組成物により、上記課題を達成できることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は、
成分(a)塩化ビニル系樹脂 100質量部;及び
成分(b)casNo.28553−12−0のフタル酸ジイソノニルエステルを水素添加して得られるシス異性体90〜100モル%、トランス異性体10〜0モル%のシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ(イソノニル)エステル 15〜150質量部;
を含む食品関連製品用塩化ビニル系樹脂組成物である。
【0010】
第2の発明は、上記食品関連製品が、食品と直接接する製品であることを特徴とする第1の発明に記載の樹脂組成物である。
【0011】
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明に記載の樹脂組成物を含む食品関連製品である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、成形性、及び耐ブリードに優れ、かつヘプタン抽出量が少ない。そのため食品関連製品、特に食品と直接接する製品、中でも油脂や脂肪を多く含む食品、例えば、ソーセージ、ベーコン、ハム、バター、マーガリン、獣肉、魚肉、鶏肉、食用油、及び飲料水(水、ジュースなど)などの食品と直接接する製品、例えば、包装用フィルム、包装用チューブ、収納瓶、獣肉等の搬送/加工用装置の搬送ベルト等、錠剤やカプセルの包装用シート、各種食品や飲料水等のデリバリー用ホース、食品を取り扱う手袋、食品用液体収納タンク、及びハンディポンプなどの製品の材料として、好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
成分(a)「塩化ビニル樹脂」(必須成分):
本発明の成分(a)として用いる塩化ビニル系樹脂は、−CH−CHCl−で表される基を有する全ての重合体を指し、塩化ビニルの単独重合体;塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・(メタ)アクリル酸共重合体、塩化ビニル・(メタ)アクリル酸メチル共重合体、塩化ビニル・(メタ)アクリル酸エチル共重合体、塩化ビニル・マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル・エチレン共重合体、塩化ビニル・プロピレン共重合体、塩化ビニル・スチレン共重合体、塩化ビニル・イソブチレン共重合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル・スチレン・無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル・スチレン・アクリロニトリル三元共重合体、塩化ビニル・ブタジエン共重合体、塩化ビニル・イソプレン共重合体、塩化ビニル・塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン・酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル・アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル・各種ビニルエーテル共重合体等の塩化ビニルと塩化ビニルと共重合可能な他のモノマーとの共重合体;後塩素化ビニル共重合体等の塩化ビニル単独重合体や塩化ビニル系共重合体を改質したもの;さらには塩素化ポリエチレン等の構造上塩化ビニル樹脂と類似の塩素化ポリオレフィンを包含する。
【0014】
上記成分(a)は、成形性、耐ブリード性、及びヘプタン抽出量の観点から、数平均重合度が、好ましくは300〜7000、より好ましくは1000〜2500である。
【0015】
上記成分(a)としては、これらの塩化ビニル系樹脂の1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
【0016】
成分(b)「casNo.28553−12−0のフタル酸ジイソノニルエステルを水素添加して得られるシス異性体90〜100モル%、トランス異性体10〜0モル%のシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ(イソノニル)エステル」(必須成分):
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、成分(b)casNo.28553−12−0のフタル酸ジイソノニルエステル(以下、DINPと略すことがある。)を水素添加して得られるシス異性体90〜100モル%、トランス異性体10〜0モル%のシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ(イソノニル)エステルを含む。上記成分(b)が、DINPを水素添加して得られるものであるため、本発明の樹脂組成物は、成形性、及び耐ブリード性に優れ、かつヘプタン抽出量の少ない樹脂組成物になる。
【0017】
上記DINPとしては、特に制限されず、公知の方法で合成されたDINPを用いることができる。
【0018】
上記成分(b)は、シス異性体90〜100モル%と、トランス異性体10〜0モル%との混和物である。そのため成形性、及び耐ブリード性に優れ、かつヘプタン抽出量の極めて少ない樹脂組成物を得ることができる。好ましくは、シス異性体95〜100モル%と、トランス異性体5〜0モル%との混和物である。ここでシス異性体とトランス異性体との和は100モル%である。
【0019】
上記シス異性体と、トランス異性体との混和物は、DINPを公知の方法(例えば、特表2013−513477号公報に記載された技術。)で水素添加することにより得ることができる。
【0020】
上記成分(b)のシス異性体とトランス異性体との比率は、プロトンの核磁気共鳴スペクトル(以下、H−NMRと略すことがある。)により求めることができる。ジアルキルヘキサヒドロフタレートのメチンのプロトンは2.5〜3.0ppmにシグナルが現れ、該シグナルのうち2.7〜3.0ppmはシス異性体に、2.5〜2.7ppmはトランス異性体に帰属される。従って、シス異性体の比率は2.5〜3.0ppmの積分面積に対する2.7〜3.0ppmの積分面積として、トランス異性体の比率は2.5〜3.0ppmの積分面積に対する2.5〜2.7ppmの積分面積として、求めることができる。H−NMRの測定は、例えば、特表2005−504119号公報などを参照して行うことができる。また株式会社三井化学分析センターなどに測定を依頼して行うこともできる。
【0021】
上記成分(b)の配合量は、成形性、耐ブリード性、及びヘプタン抽出量の観点から、成分(a)100質量部に対して、成分(b)15〜150質量部、好ましくは20〜120質量部である。
【0022】
本発明の樹脂組成物には、本発明の目的に反しない限度において、上記成分(b)以外の可塑剤、例えば、シス異性体とトランス異性体との比が規定範囲外のシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ(イソノニル)エステル、casNo.68515−48−0のフタル酸ジイソノニルエステルを水素添加して得られるシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ(イソノニル)エステル、フタル酸エステル、トリメリット酸エステル、脂肪酸2塩基性エステル、リン酸エステル、エポキシ系可塑剤、及びポリエステル系可塑剤を1種又は2種以上含ませてもよい。
【0023】
本発明の樹脂組成物には、塩化ビニル系樹脂及びその樹脂組成物に通常用いられる安定剤を、更に含ませることができる。上記安定剤としては、例えば、有機スズ化合物系、バリウム−亜鉛系、カルシウム−亜鉛系、及び鉛系の安定剤などをあげることができる。これらの中で、環境問題の観点から、有機スズ化合物系、バリウム−亜鉛系、及びカルシウム−亜鉛系の安定剤が好ましい。安定剤としては、これらの1種、又は2種以上の混合物を用いることができる。安定剤の配合量は、上記成分(a)100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。
【0024】
本発明の樹脂組成物には、各種金属セッケン、脂肪酸、及びポリエチレンワックスなどの滑剤を、更に含ませることができる。滑剤の配合量は、上記成分(a)100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。
【0025】
本発明の樹脂組成物には、本発明の目的に反しない限度において、所望により、塩化ビニル系樹脂及びその樹脂組成物に通常用いられる各種添加剤(例えば、熱安定剤、充填剤、滑剤、発泡剤、顔料、紫外線吸収剤など。)や各種充填材(例えば、炭酸カルシウム、クレー、タルクなど。)を更に含ませることができる。
【0026】
本発明の樹脂組成物は、上記成分(a)、上記成分(b)、及び所望に応じて用いる任意成分を、任意の溶融混練機(例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、ミキサー、及び各種のニーダーなど。)を使用して溶融混練することにより得ることができる。好ましくは加圧ニーダーを用い、樹脂温度150〜180℃で溶融混練することにより得ることができる。
【実施例】
【0027】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】
使用した原材料
成分(a):
(a−1)数平均重合度P=1050の塩化ビニル単独重合体。
(a−2)数平均重合度P=1400の塩化ビニル単独重合体。
(a−3)数平均重合度P=1700の塩化ビニル単独重合体。
(a−4)数平均重合度P=2000の塩化ビニル単独重合体。
(a−5)数平均重合度P=2500の塩化ビニル単独重合体。
【0029】
成分(b):
(b−1)DINPを水素添加して得られるシス異性体92モル%、トランス異性体8モル%のジイソノニルシクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレート可塑剤。
(b−2)DINPを水素添加して得られるシス異性体100モル%、トランス異性体0モル%のジイソノニルシクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレート可塑剤。
【0030】
比較成分(b’):
(b’−1)DINPを水素添加して得られるシス異性体85モル%、トランス異性体15モル%のジイソノニルシクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレート可塑剤。
(b’−2)casNo.68515−48−0のフタル酸ジイソノニルエステルを水素添加して得られるシス異性体95モル%、トランス異性体5モル%のジイソノニルシクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレート可塑剤。
【0031】
任意成分(C):
(C−1)株式会社ADEKAのジオクチル錫メルカプト系安定剤「アデカスタブ465(商品名)」。
(C−2)株式会社ADEKAのバリウム−亜鉛系複合安定性。
(C−3)三井化学株式会社のポリエチレンワックス系滑剤「ハイワックス4202E(商品名)」。
【0032】
試験方法
(1)押出フィルム製膜性:
40mmφの単軸押出機、ダイ幅500mmのTダイ、及び引巻取装置を備える装置を使用し、ダイス出口樹脂温度200℃の条件で、厚み10μmのフィルムを製膜した。該フィルムの外観を目視観察し、以下の基準で評価した。
〇:透明性良好。色調問題なし。ブツなし。
△:透明性やや劣る。色調やや赤みがかっている。ブツあり。
×:透明性劣る。色調赤く焼けている。ブツ多い
【0033】
(2)耐ブリード性:
上記で得られたフィルムを10cm×10cmの大きさに裁断し、温度70℃、相対湿度95%の環境下に7日間曝した後、フィルムの表面を目視観察し、以下の基準で評価した。
〇:試験前と変化なし。
△:試験前と比較してフィルム表面に若干の曇り感がある。しかし可塑剤等のブリードアウトは認められない。
×:可塑剤等のブリードアウトが認められる。
【0034】
(3)ヘプタン抽出量:
上記で得られたフィルムを45mm×85mmの大きさに裁断したものを2枚用意して、昭和57年厚生省告示20号に定める蒸発残留物試験法に従い、n−ヘプタン抽出量を測定した。得られたヘプタン抽出量から、以下の基準で評価した。
○:ヘプタン抽出量が150ppm未満である。
×:ヘプタン抽出量が150ppm以上である。
【0035】
実施例1〜12、比較例1〜2
表1又は2に示す量(質量部)の成分を、加圧ニーダーを使用して排出時樹脂温度160℃の条件で溶融混練し、塩化ビニル樹脂組成物を得た。上記(1)〜(3)の評価を行った。結果を表1又は2に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、成形性、及び耐ブリード性に優れ、かつ昭和57年厚生省告示20号に定める蒸発残留物試験法にて測定したn−ヘプタン抽出量が150ppm未満である。
【0039】
一方、成分(b)の替わりに、シス/トランス比が規定範囲外の可塑剤を用いた比較例1は、成形性、及び耐ブリード性に劣る。成分(b)(DINP(casNo.28553−12−0のフタル酸ジイソノニルエステル)を水素添加して得た可塑剤)の替わりに、casNo.68515−48−0のフタル酸ジイソノニルエステルを水素添加して得た可塑剤を用いた比較例2は、成形性、及び耐ブリード性に劣る。