(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記内周部は、中空形状を有し、前記最低限の圧力を起点として、前記外周部と前記内周部との間の圧力の増減にともなって、径方向に拡張収縮する、請求項1に記載のバルーン。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されて実際の比率と異なる。
【0020】
<第1実施形態>
図1に示すように、第1実施形態のバルーン100は、外周部110と、内周部120と、支持部130と、流体給排部140と、を有する。
【0021】
外周部110は、筒形状を有する。外周部110は、柔軟性を有する。外周部110は、伸縮性を有する材料によって形成されている。外周部110を形成する材料は、例えば、シリコーンゴム、ラテックスゴム、ポリオレフィン、ポリオレフィンの架橋体、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリスチレンエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、フッ素樹脂、ポリイミドなどの高分子材料またはこれらの混合物である。ポリオレフィンは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、またはこれら2種以上の混合物である。
【0022】
外周部110の端部111は、内周部120と一体的に形成されている。端部111と内周部120との間は、密封されている。
【0023】
内周部120は、筒形状を有する。内周部120は、柔軟性を有する。内周部120は、伸縮性を有する材料によって形成されている。内周部120は、外周部110と同じ材料によって形成されている。
【0024】
支持部130は、中実な円柱形状を有する。支持部130は内周部120に沿って直線状に配置されている。支持部130は、スポンジによって形成されている。スポンジは、例えば、気泡がスポンジの表面および内部に形成されたオープンセル型の気泡構造を有するが、これに限定されない。また、支持部130を形成する材料は、特に限定されず、ウレタン、ポリエチレン、EPDM等の各種のエラストマーを含む。
【0025】
流体給排部140は、管141と、コネクタ142と、を有する。
【0026】
管141は、柔軟性を有する。管141の先端は、外周部110の端部111と内周部120との間に挿入されている。管141は、外周部110と内周部120との間に形成される空間に連通している。
【0027】
コネクタ142は、管141の基端に取り付けられている。コネクタ142は、例えばシリンジ等の圧力調節機器と接続する。圧力調節機器から管141を通じて作動流体が供給されることによって、外周部110と内周部120との間の空間の圧力が増す。管141を通じて圧力調節機器に作動流体が排出されることによって、外周部110と内周部120との間の空間の圧力が低下する。作動流体は、例えば空気等の気体、または例えば蒸留水、生理食塩水等の液体である。
【0028】
図2に示すように、外周部110は、拡張時、中空な円形断面を有する。内周部120は、外周部110の中空な円形断面の内側に設けられている。
【0029】
支持部130は、外周部110と内周部120との間に挟まれている。支持部130は、外周部110の内面に当接し、外周部110を内周部120から離間させて支持している。支持部130は、内周部120を径方向内側に押圧し、内周部120を外周部110の円形断面の略中央に支持している。
【0030】
支持部130は、周方向に離間して複数配置されることによって、圧縮変形率が相対的に大きい高圧縮部(第1圧縮部)150と、圧縮変形率が相対的に小さい低圧縮部(第2圧縮部)151と、を周方向に複数形成している。高圧縮部150は、支持部130と支持部130との間の空間である。低圧縮部151は、支持部130からなる。高圧縮部150は、周方向に3つ等間隔に形成されている。低圧縮部151は、周方向に3つ等間隔に形成されている。
【0031】
外周部110は、伸縮性を有する材料によって形成されているため、内側を増圧すればするほど径方向外側に同心円状に拡張する。外周部110を収縮した状態から拡張させて断面を円形にするのに必要な最低限の圧力(以下、単にこれを最小拡張圧と称す)は、バルーン100に大気圧以外の外力が加わっていない状態において、例えば、0.75atm〜1.5atmである。
【0032】
外周部110は増圧すればするほど拡張するが、その際、支持部130は外周部110と内周部120との間に挟まれているため、位置ずれしない。なお、支持部130は、外周部110および内周部120のうちの少なくとも一方に接着されていてもよい。
【0033】
図3に示すように、外周部110は、内側を最小拡張圧よりも減圧されると、高圧縮部150および低圧縮部151を圧縮しつつ収縮する。このとき、高圧縮部150においては、外周部110を支えるものがないため、高圧縮部150は内側に凹む。
【0034】
内周部120は、外周部110との間の空間が最小拡張圧よりも減圧され、径方向内側にかかっていた力が弱まると、径方向外側へと拡張する。
【0035】
支持部130は、構成材料であるスポンジに含まれていた気体または液体が減圧によって抜けることによって、径が小さくなるように自ら収縮し、また収縮する外周部110および拡張する内周部120によって押圧される。支持部130は、収縮する外周部110を、圧縮されつつ支持している。
【0036】
図4に示すように、さらに減圧されると、高圧縮部150を構成していた空間の大部分は、収縮した外周部110と拡張して円形断面となった内周部120とが接することによって潰され、支持部130はさらに細径化する。
【0037】
このとき、外周部110の拡張時の円形断面の中心Oを基準として、そこから径方向外側に最も突出した最大外径部112までの大きさr1は、最小拡張圧が内側に加えられたときの外周部110の半径R1よりも小さい(r1<R1)。
【0038】
次に、管腔の狭窄部に対するバルーン100を用いた処置について、尿道狭窄症を例として説明する。
【0039】
図5に示すように、バルーン100は、尿カテーテルCとともに用いられる。
【0040】
尿カテーテルCは、管形状であり、可撓性を有する材料で形成されている。尿カテーテルCの先端近傍の外周に開口部C1が形成されている。尿カテーテルCの基端C2にも開口部が形成されている。開口部C1は、尿カテーテルCの内部、および基端C2の開口部と連通している。尿カテーテルCとしては従来公知のものを使用できる。
【0041】
尿カテーテルCは、内周部120を通じてバルーン100に取り付けられる。このときバルーン100は収縮している。バルーン100が収縮した状態のとき、内周部120は拡張しているため、尿カテーテルCを内周部120に通し易い。
【0042】
バルーン100の外周には、上皮機能を提供する医療材料Mが配置される。医療材料Mは、シートを筒状にした形状を有する。医療材料Mは、生体から採取された上皮が加工されたものである。上皮としては、生体のいずれの部位から採取されたものでもよいが、好ましくは口腔粘膜である。口腔粘膜は、上皮細胞を含む。
【0043】
図6に示すように、尿道狭窄症は、陰茎P内の尿道P1に、瘢痕組織によって狭窄部P2が形成される疾患である。瘢痕組織は、尿道P1の粘膜についた傷が修復される過程において、尿道P1の粘膜や尿道P1の粘膜を取り囲む尿道海綿体が瘢痕化することによって形成される。
【0044】
術者は、まず、尿道P1に内視鏡を挿入し、これを介して、狭窄部P2に対し、切開、切削、切除等の処置を行う。処置後、術者は内視鏡を抜去する。
【0045】
その後、
図7に示すように、術者は、外尿道口P4から尿カテーテルCとともにバルーン100を尿道P1に挿入する。バルーン100は処置部P5に配置される。処置部P5は、狭窄部P2に対して切開等の前述の処置が施されて瘢痕組織が除去された部位である。尿カテーテルCの先端の開口部C1は、膀胱P3内に配置される。膀胱P3に溜まった尿は、開口部C1を通じて尿カテーテルCの基端側へと排出される。
【0046】
開口部C1が膀胱P3内に配置され、かつバルーン100が処置部P5に配置された後、術者は、バルーン100を拡張させる。
図7では図示していないが、バルーン100の内部と連通する
図1および
図2に示した管141は、外尿道口P4から体外に引き出される。
【0047】
バルーン100が拡張することによって、医療材料Mは処置部P5に押し付けられて圧着する。処置部P5が尿等の液体に晒されると、瘢痕組織が肥厚して尿道狭窄症が再発する虞があるため、好ましくない。医療材料Mが処置部P5に圧着することによって、上皮細胞が処置部P5で再建または生着する。これによって上皮機能が提供(供与・獲得)される。具体的に、上皮機能は、液体(尿や炎症惹起成分)、その他の生体内分泌物、雑菌等から処置部P5を保護することを含む。
【0048】
医療材料Mを処置部P5に圧着させた後、術者は、バルーン100を収縮させて尿カテーテルCとともに尿道P1から抜去する。
【0050】
本実施形態のバルーン100と異なり支持部130がない場合、外周部110は、減圧された際、内周部120を挟み込むように扁平に潰れる。扁平に潰れた外周部110の断面形状は楕円形状である。その断面の短軸方向においては、外周部110は径方向内側に収縮するが、長軸方向においては、外周部110は収縮することなく径方向外側に突出し、最小拡張圧が加えられたときの半径R1よりも外径が大きくなる。そのため、その突出した部分が尿道P1と干渉し易い。
【0051】
一方、本実施形態では、外周部110は、高圧縮部150および低圧縮部151を圧縮しつつ収縮することによって、前述のように扁平に潰れることなく周方向の全体で収縮する。そして、最大外径部112では、中心Oからの距離r1が、最小拡張圧が加えられたときの半径R1よりも小さくなる(r1<R1)。
【0052】
このように、バルーン100は、最小拡張圧が加えられて断面円形に拡張したときよりも周方向の全体が小さく収縮するため、尿道P1と干渉し難く、抜去し易い。
【0053】
また、本実施形態のバルーン100では、高圧縮部150および低圧縮部151が、偏って設けられることなく、それぞれ3つ周方向に等間隔に設けられるため、外周部110は、減圧時、周方向全体で比較的均一に収縮し、大きく突出するような箇所が生じない。従って、バルーン100と尿道P1との干渉抑制効果が高い。
【0054】
バルーン100においては、内周部120の拡張収縮によって、内周部120を通る尿カテーテルCへの締め付けが変化する。このため、尿カテーテルCに対する保持力を調節できる。内周部120を拡張させて保持力を弱めることによって、尿カテーテルCとバルーン100との相対的な位置調整およびこれらの着脱が容易になる。尿カテーテルCおよびバルーン100が尿道P1の所望の位置に留置された際、内周部120を収縮させて保持力を高めることによって、尿カテーテルCの位置ずれが防止される。
【0055】
バルーン100は、外周部110が伸縮性を有する材料によって形成されているため、内側を増圧すればするほど拡張する。従って、バルーン100は、医療材料Mに対して大きな力を加えられる。医療材料Mは、バルーン100からより大きな力が加えられ、強く処置部P5に押し付けられることによって、処置部P5に対してより均一に圧着する。
【0056】
バルーン100においては、支持部130がスポンジによって形成されており、支持部130の収縮性が優れるため、外周部110の収縮が支持部130によって妨げられ難い。
【0057】
<第2実施形態>
図8に示すように、第2実施形態のバルーン200は、第1実施形態と異なる支持部230および内周部220を有する。他の構成および使用方法については、バルーン200は第1実施形態のバルーン100と同様である。共通する構成には図中で同じ符号を付し、ここでの重複する説明を省略する。
【0058】
図9に示すように、支持部230は、周方向に広がる外周面において外周部110と面接触する。外溝231が外周面に形成されている。溝231は
図8に示すように軸方向に伸びている。支持部230はスポンジによって形成されている。支持部230は、支持部130と同様、オープンセル型の気泡構造を有し、また支持部130と同様の材料によって形成されるが、気泡構造および形成材料はこれらに限定されない。
【0059】
溝231によって、圧縮変形率が相対的に大きい高圧縮部(第1圧縮部)250が形成される。溝231と溝231との間の部分は、圧縮変形率が相対的に小さい低圧縮部(第2圧縮部)251を形成している。高圧縮部250は、周方向に3つ等間隔に形成されている。低圧縮部251は、周方向に3つ等間隔に形成されている。
【0060】
内周部220は、
図9に示すように、収縮時、第1実施形態の内周部120と異なる断面形状を有するが、材質および機能等については第1実施形態の内周部120と同様である。
【0061】
図10に示すように、外周部110は、内側を最小拡張圧よりも減圧されると、溝231に密着するように変形して高圧縮部250を圧縮するとともに、低圧縮部251を圧縮しつつ収縮する。
【0062】
内周部220は、外周部110と内周部220との間が最小拡張圧よりも減圧され、径方向内側にかかっていた力が弱まると、径方向外側へ拡張する。
【0063】
支持部230は、構成材料であるスポンジに含まれていた気体または液体が減圧によって抜けて自ら収縮するとともに、収縮する外周部110および拡張する内周部220によって押圧される。支持部230は、収縮する外周部110を、圧縮されつつ支持している。
【0064】
図11に示すように、さらに減圧されると、収縮した外周部110と拡張して円形断面となった内周部220と間で、支持部230はさらに圧縮される。
【0065】
このとき、外周部110の拡張時の円形断面の中心Oを基準として、そこから径方向外側に最も突出した最大外径部212までの大きさr2は、最小拡張圧が内側に加えられたときの外周部110の円形断面の半径R1よりも小さい(r2<R1)。
【0066】
本実施形態のバルーン200では、内周部220および支持部230の形状が、第1実施形態の内周部120および支持部130と異なるが、これらは、第1実施形態の内周部120および支持部130と同様に機能する。また、内周部220および支持部230以外の構成については、本実施形態のバルーン200は、第1実施形態のバルーン100と共通する。従って、本実施形態のバルーン200によっても、第1実施形態のバルーン100と同様の作用効果が発揮できる。
【0067】
また、本実施形態では、支持部230が周方向に広がる外周面で外周部110に面接触することによって、外周部110は、支持部230から広範囲に支持される。このため、バルーン200が尿道Pの処置部P5で拡張して留置された際、医療材料Mは、より均一に力を加えられながら支持される。
【0068】
<第3実施形態>
図12に示すように、第3実施形態のバルーン300は、支持部330が、径方向と直交する軸方向において分割された構成を有する点で、第2実施形態のバルーン200と異なる。他の構成については、バルーン300は第2実施形態のバルーン200と同様である。共通する構成には図中で同じ符号を付し、ここでの重複する説明を省略する。
【0069】
支持部330は、軸方向に分割されて並ぶ複数の分割片332によって構成されている。分割片332は、スポンジによって形成されている。分割片332は、拡張時、
図9に示す第2実施形態の支持部230と同じ断面形状を有する。また、減圧時、分割片332は、
図10および
図11に示した支持部230と同様に変形する。
【0070】
本実施形態では、支持部330が、軸方向に分割された分割片332によって構成されているため、バルーン300が曲った際、それに応じて支持部330が円滑に曲がる。従って、
図13に示すような、尿道P1における曲った箇所P6にバルーン300を挿入し易い。
【0071】
<第4実施形態>
図14に示すように、第4実施形態のバルーン400は、第1実施形態と異なる内周部420および支持部430を有する。他の構成については、バルーン400は第1実施形態のバルーン100と同様である。共通する構成には図中で同じ符号を付し、ここでの重複する説明を省略する。
【0072】
内周部420は、外周部110と内周部420との間の圧力の増減によって拡張収縮しない。内周部420は、外周部110と内周部420との間の圧力に係らず一定の径を有する。内周部420を形成する材料は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、ポリアミドエラストマー、ポリスチレンエラストマー、シリコーンゴム、ラテックスゴム等である。
【0073】
支持部430は、第1実施形態の支持部130と異なる径を有するが、他の点については第1実施形態の支持部130と同様である。
【0074】
図15に示すように、減圧時、外周部110および支持部430は、第1実施形態と同様に収縮する。このとき、内周部420の径は減圧前と変わらない。
【0075】
本実施形態では、内周部420が拡張収縮しないが、これ以外の構成によって奏される作用効果は、第1実施形態と同様である。
【0076】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変できる。
【0077】
例えば、本発明は、
図9に示した第2実施形態の支持部230を変更した
図16および
図17に示す変形例を含む。これらの変形例の支持部530、630は、第2実施形態の支持部230と異なり、周方向において分割された構成を有する。
図16および
図17に示す変形例の支持部530、630以外の構成は、第2実施形態と同様であり、図中において第2実施形態と同様の符号を付している。
【0078】
支持部530には孔531が形成されている。孔531は軸方向に支持部530を貫通している。孔531は、高圧縮部(第1圧縮部)を形成する。支持部530において孔531以外の部分は、低圧縮部(第2圧縮部)を形成する。
【0079】
支持部630には孔631が形成されている。また、支持部630には溝632が形成されている。孔631は軸方向に支持部630を貫通する。溝632は軸方向に伸びている。孔631および溝632は、高圧縮部(第1圧縮部)を形成する。支持部630において、孔631および溝632以外の部分は、低圧縮部(第2圧縮部)を形成する。
【0080】
支持部530および支持部630は、第2実施形態の支持部230と同様、外周面において外周部110と広範囲に面接触するため、第2実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0081】
また、本発明は、
図14に示した第4実施形態の支持部430を変更した
図18および
図19に示す変形例を含む。
図18に示す支持部730、および
図19に示す支持部830は、いずれも外周面において外周部110と面接触する。
図18および
図19に示す変形例の支持部730、830以外の構成は、第4実施形態と同様であり、図中において第4実施形態と同様の符号を付している。
【0082】
支持部730には孔731が形成されている。孔731は軸方向に支持部730を貫通する。孔731は高圧縮部(第1圧縮部)を形成し、孔731と孔731との間の部分は低圧縮部(第2圧縮部)を形成する。支持部830は、周方向に離間して設けられており、これによって高圧縮部と低圧縮部とが交互に形成される。
【0083】
図20に示すように、支持部730は、減圧時、孔731が押し潰されるように圧縮される。
【0084】
図21に示すように、支持部830は、減圧時、外周部110によって圧縮され、また、それらの間の高圧縮部(第1圧縮部)が外周部110によって押し潰される。
【0085】
支持部730および支持部830は、外周面で外周部110と面接触することによって、第4実施形態の支持部430に比べ広範囲に外周部110を支持する。従って、これらの変形例によれば、第4実施形態の作用効果に加え、第2実施形態の支持部230と同様の作用効果が得られる。
【0086】
また、本発明は、
図22に示すように球930を支持部として有するバルーン900を含む。この場合、球930と球930との間の隙間が高圧縮部(第1圧縮部)となり、球930が低圧縮部(第2圧縮部)となる。球930は例えばスポンジによって形成される。球930以外の構成については、バルーン900は第2実施形態と同様であり、それらについては図中で第2実施形態と同様の符号を付している。
【0087】
本発明は、尿道狭窄症に対する処置において用いられるバルーンに限定されず、例えば、PTAバルーンカテーテル、気管切開チューブ、胃瘻、尿カテーテル、膀胱ろうカテーテル、腎ろうカテーテル、副鼻腔炎治療用バルーン、胃静脈瘤止血バルーンカテーテル、子宮止血バルーン、各種ドレナージチューブ等において用いられるバルーンを含む。
【0088】
また、上記実施形態および変形例では、外周部は伸縮性を有しており、増圧すればするほど拡張するが、本発明はこれに限定されない。外周部が伸縮性を有さず、所定の径まで拡張した後、さらに増圧しても外周部が拡張しない形態を本発明は含む。
【0089】
また、上記実施形態および変形例では、高圧縮部が、孔もしくは溝によって形成される空間、または部材間に形成される隙間からなるが、本発明は、これに限定されない。例えば、
図18に示す孔731の内部に、硬質な部材を配置すれば、その部分では圧縮変形率が相対的に小さくなって低圧縮部が構成され、その他のスポンジ部分では圧縮変形率が相対的に大きくなって高圧縮部が構成される。より具体的に、支持部730における孔731以外の部分をオープンセル型の相対的に柔らかいスポンジによって形成し、孔731に設けたスポンジを相対的に硬いクローズドセル型にすれば、オープンセル型のスポンジ部分が高圧縮部を構成し、クローズドセル型のスポンジ部分が低圧縮部を構成する。クローズドセル型のスポンジは、気泡がスポンジの表面に露出することなく内部だけに形成された気泡構造を有する。また、クローズドセル型のスポンジの代わりに、硬質なプラスチックパイプを孔731の内部に設けてもよい。
【0090】
このように、本発明は、周方向において支持部の材質を変えて高圧縮部および低圧縮部を形成した形態を含む。
【0091】
また、高圧縮部および低圧縮部のそれぞれは周方向に等間隔に設けられる形態に限定されず、高圧縮部および低圧縮部のそれぞれは周方向に異なる間隔で設けられてもよい。
【0092】
また、支持部は、
図1に示す第1実施形態の支持部130のような内周部に沿って軸方向に直線状に延びる形態に限定されず、内周部のまわりに螺旋状に巻回されるようにねじれた形態であってもよい。