(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記周囲圧力は大気圧であり、前記試験セルは、前記大気圧よりも大きい圧力刺激を加えることなく前記センスセルの感度を推定するのに利用される、請求項1に記載のMEMS圧力センサ。
前記センスセルはセンスキャビティを含み、前記センスキャビティおよび前記試験キャビティの各々は、前記シール構造が破られる前に前記初期キャビティ圧力を呈する、請求項1に記載のMEMS圧力センサ。
前記センスセルはセンスキャビティを含み、前記試験キャビティは、前記センスセルの前記センスキャビティから物理的に分離されている、請求項1に記載のMEMS圧力センサ。
前記試験セルのセット内の前記試験セルの各々は、前記試験キャビティを有し、前記シール構造は前記試験キャビティの各々と連通しており、それによって、前記シール構造が破られるとき、各前記試験キャビティ内の前記初期キャビティ圧力が前記周囲圧力に変化する、請求項8に記載のMEMS圧力センサ。
基板上に微小電気機械システム(MEMS)圧力センサのセンスセルを形成するステップであって、前記センスセルはセンスキャビティを有する、センスセルを形成するステップと、
前記センスセルに近接して、前記基板上に前記MEMS圧力センサの試験セルを形成するステップであって、前記試験セルは試験キャビティを有し、前記センスキャビティおよび試験キャビティの各々は初期キャビティ圧力を呈し、前記試験キャビティは前記センスキャビティから物理的に分離され、前記センスセルおよび試験セルの各々は周囲圧力に対して感度を有する、試験セルを形成するステップと、
前記試験キャビティと連通するシール構造を形成するステップであって、前記シール構造は、前記センスキャビティは前記初期キャビティ圧力のままで、前記試験キャビティ内の前記初期キャビティ圧力を前記周囲圧力に変化させるために破られるように構成される、シール構造を形成するステップと、
を有し、
前記シール構造を形成するステップは、
シール構造キャビティを生成するように、前記基板の上に重なって前記基板から離間されるシール膜を形成するステップと、
前記試験キャビティと前記シール構造キャビティとの間に置かれるチャネルを形成するステップと
を有する、
方法。
前記センスセルを形成するステップは、前記センスキャビティを生成するように、前記基板の上に重なって前記基板から離間されるセンスダイヤフラムを形成するステップを含み、
前記試験セルを形成するステップは、前記試験キャビティを生成するように、前記基板の上に重なって前記基板から離間される試験ダイヤフラムを形成するステップを含み、
前記センスダイヤフラム、前記試験ダイヤフラム、および前記シール膜は共通の構造層内に形成される、
請求項11に記載の方法。
周囲圧力に応答して微小電気機械システム(MEMS)圧力センサの試験セルのセンス電極と試験ダイヤフラムとの間で第1のセンス信号を取得するステップであって、前記試験セルは、前記センス電極が中に位置する試験キャビティを含み、前記試験キャビティは初期キャビティ圧力を呈する、取得するステップと、
前記試験キャビティ内の前記初期キャビティ圧力を前記周囲圧力に変化させるステップと、
前記変化させる処理の後に前記センス電極と前記試験ダイヤフラムとの間で第2のセンス信号を取得するステップと、
前記第1のセンス信号および前記第2のセンス信号を使用して前記試験セルの試験セル感度を計算するステップと、
前記試験セル感度を使用して前記MEMS圧力センサのセンスセルの感度を推定するステップであり、前記周囲圧力は大気圧であり、前記推定する処理は、前記大気圧よりも大きい圧力刺激を加えることなく実行される、ステップと、
を有する方法。
前記MEMS圧力センサのセンスセルおよび前記試験セルは互いに近接して1つの基板上に形成され、前記変化させる処理は、前記センスセルのセンスキャビティ内の前記初期キャビティ圧力を前記周囲圧力に変化させない、請求項15に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0006】
医療用途、代替エネルギー、エンジン制御(たとえば、ガスおよび燃料吸入圧力)、および、タイヤ監視システムのような自動車セーフティ用途におけるクリティカルシステムは、動作の変化を、それらの変化が重大なものになる前に追跡するために、耐用年限にわたって正確で予測可能な出力を送達する圧力センサを必要とする。微小電気機械システム(MEMS)圧力センサは、それらのサイズがコンパクトであることに起因して、および、高生産量におけるそれらの費用が相対的に安価であることに起因して、一般的に使用されている圧力センサ技術である。
【0007】
しかしながら、小型化が進行するにつれて、MEMS圧力センサについて問題が生じている。これらの問題は、感度の低さ、不正確性および信号ドリフトに関する。特に、すべてのMEMSデバイスが均一に配置されるか、または同一の幾何形状を有することを保証することは困難である。MEMS圧力センサダイヤフラムの幅のような、重要な設計パラメータに対するプロセス変動が、圧力センサの感度に影響を与える可能性がある。たとえば、MEMS圧力センサダイヤフラムの幅のわずかな差が結果として、圧力センサの所定の公称または設計上の感度と比較して、大きな感度の差をもたらす可能性がある。
【0008】
重要な設計パラメータに対するプロセス変動に起因して、いかなる2つのMEMS圧力センサデバイスも、厳密に同じではない。従って、各MEMS圧力センサの感度は一般的に、プロセス変動に起因する何らかの信号不一致を相殺するために、工場試験中、基板取り付け前、および/または基板取り付け後に較正される。MEMS圧力センサは、産業製造環境においてハンドラ/テスタ機器を利用して較正され得る。ハンドラ/テスタ機器は、圧力センサに既知の物理的刺激較正信号を印加し得る。圧力センサの出力が測定され、既知の較正信号の値と比較され得る。その後、この較正情報が使用されて、後続の圧力センサ読み値が補正され得る。産業製造環境において個々のデバイスパラメータ、たとえば、外部から加えられる力に関係するたわみプロファイルを測定することは実際的ではない。すなわち、この従来の技術は、較正信号を課すためにハンドラ/テスタ機器が必要であることに起因して、費用および時間がかかる可能性がある。
【0009】
実施形態は、内蔵較正機能を含むMEMS圧力センサ、MEMS圧力センサを製造する方法、および、MEMS圧力センサを較正する方法を含む。圧力センサは、同じ設計パラメータおよびプロセスによって製造される複数のセンスセルおよび試験セルを単一のダイ上に含む。それゆえ、センスセルおよび試験セルの各々は理想的には、課される圧力刺激に対して同じ感度を有する。シール構造が、1つ以上の試験セルの1つ以上の試験キャビティと連通している。シール構造は、試験キャビティ内の圧力を変化させるために破られるように構成されている。試験セルの感度は、シール構造を破る前および後に圧力読み値をとることによって計算することができる。試験セルおよびセンスセルは同じ感度を有すると仮定されるため、試験セルからのセンス信号が、センスセルの感度を推定するために利用され得る。そのような圧力センサおよび方法は、試験費用を低減することができ、物理的刺激較正信号を課すことなく感度推定および関連するセンサ較正を可能にする。
【0010】
図1〜
図3を参照すると、
図1は、例示的な従来技術の圧力センサ20の簡略上面図を示しており、
図2は、
図1の切断線2−2に沿った圧力センサ20のセンス構造22の一部分の側断面図を示しており、
図3は、
図1の切断線3−3に沿った圧力センサ20の基準構造24の一部分の側断面図を示している。概して、センス構造22は、
図2において矢印26によって表され且つP
Aとラベリングされている周囲圧力に反応する。逆に、基準構造24は周囲圧力26に概して反応しない。センス構造22は、従来の堆積、パターニング、およびエッチングの処理を使用して基板32上の構造層30内に形成された1つ以上のセンス電極28を含む。
【0011】
絶縁層、たとえば、窒化物層34が、センス電極28の少なくとも一部および下層の基板32の露出した領域の上に形成され得る。センス構造22は、例えばリンシリケートガラス(PSG)などの犠牲層37を堆積、パターニング、およびエッチングする従来のプロセスによって形成され得るキャビティ36を含む。犠牲層37が適切に形成された後、別の構造層38が、犠牲層37、ならびに、下層の窒化物層34および/または基板32の露出した領域の上に形成される。構造層38は、キャビティ36によって下層のセンス電極28から離間されているセンス構造22の1つ以上のダイヤフラム40を形成するように処理される。その後、キャビティ36内の犠牲層37が、従来のプロセスによってエッチ開口部42を介して除去され得る。
図2に示す製造後のセンス構造22において、犠牲層37はもはやキャビティ36内に存在しない。それゆえ、犠牲層37が除去される前に存在していた箇所を表すために、参照符号37から点線がキャビティ36の内部に向けられている。
【0012】
基準構造24はセンス構造22と同様である。従って、基準構造24は、基板32上の構造層30内に形成された1つ以上の基準電極44と、基準電極44の少なくとも一部および下層の基板32の露出した領域の上に形成された窒化物層34と、キャビティ46とを含む。構造層38は上述のように処理され、キャビティ46によって基準電極44から離間されている1つ以上のダイヤフラム48を形成するように、キャビティ46内の犠牲層37が除去される。ここでも、
図3に示す製造後の基準構造24において、犠牲層37はもはやキャビティ46内に存在しない。それゆえ、犠牲層37が除去される前に存在していた箇所を表すために、参照符号37から点線がキャビティ46の内部に向けられている。ダイヤフラム48と接触してキャップ層50が形成される。キャップ層50は、たとえば、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)から成る相対的に厚い層とすることができ、これによって、ダイヤフラム48は圧力に概して反応しなくなる。そのため、ダイヤフラム48を以下で基準電極48と称する場合がある。
【0013】
MEMS圧力センサは一般的に、そのキャビティの各々の中の圧力が大気圧を下回るように、より詳細には真空に近くなるように製造される。従って、圧力センサ20は、キャビティ36および46の各々の中の、
図2および
図3においてP
Cとラベリングされている初期キャビティ圧力51が、周囲圧力26を著しく下回るように製造される。たとえば、初期キャビティ圧力51はおおよそ真空である。
【0014】
図1において、破線パターンを使用して示されている細長い楕円が、センス構造22の電極28を表している。破線の細長い楕円はまた、基準構造24の電極44をも表している。加えて、狭く細長い楕円、および、電極28を囲む一般化された矩形形状を含む点線パターンは、たとえば、圧力キャビティ36、46の側壁52などの、窒化物層34に結合している構造層38(
図2〜
図3も参照されたい)の部分を表す。すなわち、側壁52(
図2〜
図3も参照されたい)は、窒化物層34に結合してセンス構造22および基準構造24それぞれの個々のキャビティ36、46を形成する構造層38の部分である。
図1において一点鎖線パターンによって示されている四角形は、キャパシタプレート、すなわち、それぞれセンス構造22および基準構造24のダイヤフラム40、48(
図2〜
図3に最もよく見られる)を含む
図2および
図3の層38の外縁を表している。ダイヤフラム40の上にキャップ層50は形成されておらず、それによって、ダイヤフラム40は周囲圧力26に反応することを留意されたい。従って、
図1において実線パターンにて示されている四角形53は窓(すなわち、キャップ層50がないこと)を表し、それによって、ダイヤフラム40は圧力26に対して露出している。これらのさまざまなパターンの形状は、各要素または機構の互いに対するサイズを表しているのではなく、代わりに、要素または機構の各々の積層関係を表している。
【0015】
概して、センス構造22は、ダイヤフラム40およびセンス電極28の各々の間にキャパシタを形成する。すなわち、周囲圧力26に応答して変化するセンスキャパシタンス54、C
Sが、ダイヤフラム40とセンス電極28との間に形成される(すなわちC
S+とC
S−との間の差)。基準構造24も、基準電極48および基準電極44の各々の間にキャパシタを形成する。従って、キャップ層50が存在することに起因して周囲圧力26に応答して変化しない基準キャパシタンス56、C
Rが、基準電極48と44との間に形成される(すなわちC
R+とC
R−との間の差)。ダイヤフラム40および基準電極48は、センス構造22および基準構造24の各々の間に共通ノード58を形成するように相互接続され得る。制御回路60は、センスキャパシタンス54と基準キャパシタンス56との間の比(すなわち、C
S/C
R)を測定するように構成されている。より高い圧力26はセンスキャパシタンス54、C
Sを増大させるが、基準キャパシタンス56、C
Rにはほとんど影響を及ぼさない。それゆえ、圧力26が増大すると、センスキャパシタンス54と基準キャパシタンス56との間の比(すなわち、C
S/C
R)は増大する。この値を、圧力26を示す尺度に変換することができる。
【0016】
示されている実施形態において、センス構造22の重要な寸法は、ダイヤフラム40の幅62(
図2参照)である。所望の感度を得るために、幅62に対して所定の設計値が確立されている。しかしながら、たとえば、犠牲層の堆積/パターニング/エッチングの間、および/または、キャビティ36および46内の犠牲材料が除去される解放プロセスの間のプロセス変動の結果として、側壁が斜めになること、および/または、ダイヤフラム40の幅62を所定の設計値よりも大きくもしくは小さくする他の寸法変動がもたらされる可能性がある。幅62に生じる可能性のある変動によって、キャパシタンスのシフトとして反映される、圧力センサ20の感度のシフトが生じる可能性がある。下記により詳細に説明するように、試験セルおよびシール構造が、圧力センサの中に形成され、すなわち内蔵され、何らかのプロセス変動に応じたセンスセルの感度を推定し、最終的に、推定感度に基づいて圧力センサを較正するのに使用される。
【0017】
幅62の変動が、圧力センサの感度のシフトを発生させる可能性があるものとして説明される。しかしながら、圧力検知ダイヤフラムの厚さ、圧力キャビティの幾何形状などのような、他の幾何形状の変動も、圧力センサの感度のシフトを発生させる場合がある。それにもかかわらず、内蔵試験セルおよびシール構造は、特定のプロセス変動にかかわらず較正機能を提供するために圧力センサ内に実装することができる。
【0018】
図4および
図5を参照すると、
図4は一実施形態に応じたMEMS圧力センサ70の簡略上面図を示しており、
図5は
図4の切断線5−5に沿った圧力センサ70の側断面図を示している。圧力センサ70は概して、少なくともセンス構造72と基準構造74とを有する検知アセンブリ71を含む。
図5は、特に、圧力センサ70のセンス構造72の側断面図を示す。センス構造72および基準構造74は、基板78の表面76上に形成され得る。センス構造72は、1つ以上のセンスセル80と、1つ以上の試験セル82およびシール構造84の形態の内蔵較正機能とを含む。試験セル82およびシール構造84は、たとえばプロセス変動に起因して、センスセル80に対する設計感度から変化している場合があるセンスセル80の感度を推定するために実装される。
【0019】
センス構造72のセンスセル80および試験セル82は、基板78上で互いに近接して形成される。示されている実施形態において、センスセル80および試験セル82は、インターリーブ配置、すなわち、センスセル80が試験セル82と交互になった配列にて構成されている。センスセル80および試験セル82は、同じ幾何形状寸法を有するように同時に製造され、個々のセンスセル80および試験セル82は周囲圧力26に反応する。それらの同じ幾何形状寸法に起因して、センスセル80および試験セル82の周囲圧力26に対する感度はほぼ同一であると仮定される。
【0020】
基準構造74は基準セル86を含む。センスセル80および試験セル82とは異なり、基準構造74の基準セル86は、周囲圧力26に対して概して反応しない。基準構造74は、構造的に
図1および
図3に示す基準構造24と同様である。従って、各基準セル86は、基板78上に形成されている基準電極88と、キャビティ(
図3に示すキャビティ46など)と、真空キャビティによって基準電極44から離間されている基準電極90とを含むことができる。各基準電極90と接触してキャップ層92が形成される。ここでも、キャップ層92は、たとえば、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)から成る相対的に厚い層とすることができ、これによって、基準電極90は周囲圧力26に概して反応しなくなる。基準構造74のさらなる説明は、そのような基準構造74の説明は基準構造24に提供されたものに対応するため、ここでは簡潔にするために省略される。
【0021】
圧力センサ70は、4つのセンスセル80、4つの試験セル82、および4つの基準セル86を含むものとして
図4および
図5に示されている。しかしながら、圧力センサ70は、如何なる適切な数量のセンスセル80、試験セル82、および基準セル86を含んでもよい。加えて、基準構造74は、図解を簡単にするために、センス構造72から物理的に分離されているものとして示されている。代替的な実施形態において、基準構造74の基準セル86もまた、センスセル80および試験セル82と交互配置されてもよい。また他の実施形態において、センスセル80および試験セル82は交互配置される必要はなく、代わりに、他の構造的構成にて互いに近接して配列されてもよい。圧力センサ70はまた、例えばシールド線及びガードリングなど、図解を簡単にするために
図4および
図5に含まれていない他の機構を基板78上に含んでもよい。
【0022】
センス構造72および基準構造74は、基板78の表面76上に製造され得る。その後、基板78の残りの露出した表面76上に絶縁層94(
図5に最もよく見られる)が堆積され得る。絶縁層94は、所与の圧力センサ実施態様の要件に応じて選択される例えば窒化物材料などの適切な絶縁または誘電体材料層を含むことができる。
【0023】
センスセル80の各々は、基板78上に形成された電極96を含み、試験セル82の各々は、基板78上に形成された電極98を含む。
図4において、電極96および98は、それらが構造層100の下に位置することに起因して、点線を使用して幻影として示されている。同様に、基準構造74の基準電極88も、それらが基準電極90およびキャップ層92の下に位置することに起因して、点線を使用して幻影として示されている。
図5は、下記に説明するように、デバイスの構造層内に作製される種々の要素を区別するためにさまざまな陰影および/または網掛けを使用して示されている。構造層内のこれらの種々の要素は、堆積、パターニング、エッチングなどの、現行のおよび近い将来の表面マイクロマシニング技法を利用して生成されることができる。従って、図解において異なる陰影および/または網掛けが利用されている場合があるが、構造層内の異なる要素が、ポリシリコン、単結晶シリコンなどのような同じ材料から形成されることもある。
【0024】
電極96は、センスセル80のためのセンスキャパシタ下部平板電極のセットを表し、一方で電極98は、試験セル82のためのセンスキャパシタ下部平板電極の別のセットを表す。試験セル82はセンスセル80と交互配置されているため、電極96は対応して電極98と交互配置された配列にて構成されている。いくつかの実施形態において、個々の電極96の幾何形状は、個々の電極98の幾何形状に一致する、すなわち、それらの幾何形状は実質的に同一である。
【0025】
なおもセンス構造72を参照するに、構造層100は、センスセル80および試験セル82の各々のためのキャパシタ上部平板電極を表す。構造層100は、センスセル80のためのセンスキャビティ102および試験セル82のための試験キャビティ104を生成するように、電極96および98の上に重なり、それらから離間され、それらと接続して構成されている(特に
図5参照)。試験セル82の試験キャビティ104はセンスセル80のセンスキャビティ102から側方に離間されており、物理的に分離(アイソレート)されている。キャビティ102および104は、ほぼ真空の初期キャビティ圧力51を有する真空室とし得る。他の例では、キャビティ102および104は最初に、所与の制御された圧力で製造中に適切な気体を充填されたチャンバであり、それゆえ、この圧力を本明細書においては初期キャビティ圧力51と称する。
【0026】
構造層100は、センスセル80のためのセンスダイヤフラム106に対応する構造層100の部分を画定し、且つ試験セル82のための試験ダイヤフラム108に対応する構造層100の他の部分を画定するように、絶縁層94の表面に固定されている。たとえば、構造層100は、キャビティ102および104を構築するように、また、センスダイヤフラム106を試験ダイヤフラム108から区別するように、構造層100の周縁110付近と、参照符号112によって示されるような周縁の内部の所望の固定箇所とで絶縁層94に固定されている。
【0027】
概して、センスダイヤフラム106の各々の領域は、試験ダイヤフラム108の各々の領域に幾何学的に等しくなるように形成される。たとえば、センスダイヤフラム106および試験ダイヤフラム108の各々は、幅114および長さ116によって特徴付けられ、各センスダイヤフラム106の幅114は各試験ダイヤフラム108の幅114に概して等しく、各センスダイヤフラム106の長さ116は各試験ダイヤフラム108の長さに概して等しい。センスダイヤフラム106および試験ダイヤフラム108の幾何学的特性(たとえば、幅114および長さ116)は等しいため、センスダイヤフラム106および試験ダイヤフラム108の面積は等しいということになり、それゆえ、各試験セル82の感度は理想的には各センスセル80の感度と同一である。従って、示されている実施形態において、幅114および長さ116は、それぞれセンスセル80および試験セル82の感度に直接影響を与える重要な寸法である。
【0028】
圧力センサ70は、概して矩形のダイヤフラムを有して示されており、このダイヤフラムは、当該矩形ダイヤフラムの長さよりも小さい幅を有する。しかしながら、ダイヤフラムは矩形である必要はなく、センスダイヤフラム106および試験ダイヤフラム108の幾何学的特性が同じであり、それによって、センスセル80および試験セル82の感度が概して同じである限り、代わりに他の形状(たとえば、正方形、円、多辺形要素など)であってもよい。
【0029】
ここでシール構造84を参照すると、シール構造84は、下層の基板78から離間されているシール膜118を含み、それによって、シール膜118と基板78との間にシールキャビティ120が生成される。一実施形態において、シール膜118は、シールキャビティ120の周縁の周りで基板78に固定されている構造層100の部分とし得る。シール構造84は、試験キャビティ104の少なくとも1つとシールキャビティ120の間に置かれているチャネル122をさらに含む。
図4において、チャネル122は、上に重なっている構造層100、および、箇所によっては、キャップ層92の一部分によって覆い隠されているため、右端の試験セル82とシール構造84との間の破線によって表されている。
図5の断面図において、チャネル122は、右端の試験セル82の試験キャビティ104とシール構造84のシールキャビティ120とを相互接続して示されている。
【0030】
さらに、チャネル構造124が試験キャビティ104の各々を相互接続する。チャネル構造124は、上に重なっている構造層100、および、箇所によっては、キャップ層92の一部分によって覆い隠されているため、
図4において破線によって表されている。従って、チャネル122およびチャネル構造124を含むシール構造84は、結果として、試験キャビティ104の各々がシールキャビティ120と流体連通する構成をもたらす。
【0031】
図4および
図5に関連して
図6を参照すると、
図6は、処理の中間段階における圧力センサ70の部分上面図を示す。特に、
図6は、製造の中間段階における圧力センサ70のセンス構造72の上面図を示す。MEMS製造方法に従って、センス電極96、試験電極98、および基準電極88(いずれも見えていない)、ならびに絶縁層94が、基板78の表面76上に形成され得る。そして、例えばリンシリケートガラス(PSG)などの犠牲材料層126が、センス電極96、試験電極98、および基準電極88、ならびに絶縁層94の表面にわたって堆積され得る。明瞭にするために、絶縁層94は点描パターンによって表されており、犠牲材料層126は右下がり方向の狭い網掛けによって表されている。
【0032】
犠牲層126は、結果もたらされるMEMS圧力センサ70において中空空間になる領域を形成するように、従来のプロセスによって適切にパターニングおよびエッチングされる。言い換えれば、犠牲層パターニングおよびエッチング後、構造層100を、絶縁層94上に残っている犠牲材料層126の上、および、絶縁層94の露出した領域の上に堆積することができる。この残存している犠牲材料層126は、MEMS圧力センサ70内の中空領域、すなわち、センスキャビティ102、試験キャビティ104、シールキャビティ120、チャネル122、およびチャネル構造124を生成するように、従来の慣例によって構造層100の堆積後に除去することができる。
【0033】
センスキャビティ102、試験キャビティ104、シールキャビティ120、チャネル122、およびチャネル構造124は
図6において説明を目的としてラベリングされている。構造層100の堆積および犠牲材料層126の除去はまだ行われていないことを留意されたい。そうとはいえ、
図6の犠牲材料層126の構成は、チャネル122およびチャネル構造124が、シールキャビティ120と試験キャビティ104の各々を相互接続することになることを明らかにしている。逆に、センスキャビティ102は、試験キャビティ104およびシールキャビティ120から物理的に分離されたままになる。
【0034】
下記により詳細に説明するように、センスキャビティ102、試験キャビティ104、シールキャビティ120、チャネル122、およびチャネル構造124の各々は、それらすべてが、例えばほぼ真空など、同じ初期キャビティ圧力51を有することになるような環境内で製造される。しかしながら、シール膜118は破られるように構成されている。シール膜118が破られると、試験キャビティ104は、それらがチャネル122およびチャネル構造124を介してシールキャビティ120と相互接続されていることに起因して「開く」。従って、シール膜118が破られると、試験キャビティ104内部の圧力が、初期キャビティ圧力51から周囲圧力26へと変化する。この試験キャビティ104内の圧力の変化は、シール膜118が破られる前、および、試験キャビティ104内の圧力が周囲圧力26に常態化した後に試験セル82から圧力測定値をとることによって利用される。これらの圧力測定値は、試験セル82の感度を計算するのに使用することができ、それらが近接しており、幾何学的特性が等しいことに起因して、試験セル82の感度をセンスセル80の感度を推定するのに使用することができる。
【0035】
特に
図4を参照すると、MEMS圧力センサ70は、センス構造72のセンスセル80の外部で電極96に対する電気接続を提供するように電極96に電気的に結合されている導電性ランナ128をさらに含む。別の導電性ランナ130が、試験セル82の外部で電極98に対する電気接続を提供するように電極98に電気的に結合されている。加えて、導電性ランナ132が、センス構造72の共通電極を形成するように、センス構造72の構造層100に電気的に結合されている。導電性ランナ134も、基準構造74の基準セル86の外部で基準電極88に対する電気接続を提供するように基準電極88に電気的に結合されている。別の導電性ランナ136が、基準構造74の共通電極を形成するように、基準電極90に電気的に結合されている。導電性ランナ128、130、および134の部分は、それらが構造層100、基準電極90、および/またはキャップ層92の下に位置することに起因して、点線を使用して幻影として示されていることが、
図4において観察されるはずである。一実施形態において、センス構造72のための導電性ランナ132および基準構造74のための導電性ランナ136は、センス構造72と基準構造74との間に共通ノード138を形成するように相互接続されている。
【0036】
概して、センスセル80は、センスダイヤフラム106と電極96との間にキャパシタを形成する。すなわち、本明細書においてセンスキャパシタンス信号140と称され且つ
図4においてC
Sとラベリングされた、周囲圧力26に応答して変化するセンス信号が、センスダイヤフラム106と電極96との間に生成される(すなわち、C
S+とC
S−との間の差)。同様に、試験セル82は、試験ダイヤフラム108と電極98との間にキャパシタを形成する。すなわち、本明細書において試験キャパシタンス信号142と称され且つ
図4においてC
TESTとラベリングされた、同じく周囲圧力26に応答して変化する試験信号が、試験ダイヤフラム108と電極98との間に生成される(すなわち、C
TEST+とC
TEST−との間の差)。基準セル86も、基準電極90および基準電極88の各々の間にキャパシタを形成する。従って、
図4においてC
Rとラベリングされた基準キャパシタンス信号144が、電極90と基準電極88との間に生成される(すなわち、C
R+とC
R−との間の差)。しかしながら、基準キャパシタンス信号144は、キャップ層92が存在することに起因して、周囲圧力26に応答して変化しない。
【0037】
制御回路145が、センスキャパシタンス信号140と基準キャパシタンス信号144との間の比(すなわち、C
S/C
R)を測定するように構成されている。周囲圧力26が高くなると、センスダイヤフラム106のたわみが大きくなり、このようにたわみが大きくなることによって、センスキャパシタンス信号140、C
Sが増大するが、基準キャパシタンス信号144、C
Rにはほとんど影響がない。それゆえ、周囲圧力26が増大すると、センスキャパシタンス信号140と基準キャパシタンス信号144との間の比(すなわち、C
S/C
R)は増大する。この値は、
図4においてP
SENSとラベリングされているセンス信号146、すなわち、センスセル80によって検知された周囲圧力26を示す尺度に変換することができる。制御回路145はまた、試験キャパシタンス信号142と基準キャパシタンス信号144との比(すなわち、C
TEST/C
R)を測定し、この値を
図4においてP
TESTとラベリングされている試験信号148、すなわち、試験セル82によって検知された周囲圧力26を示す尺度に変換するように構成され得る。
【0038】
図7は、別の実施形態に応じた製造プロセス150のフローチャートを示す。一実施形態において、センス構造72および基準構造74は共通の基板上に同時に形成される。より重要なことには、センスセル80および試験セル82が同じ基板上に同時に形成されるとともに、センスセル80および試験セル82が同じ幾何学的特性を有して製造される。従って、センスセル80に影響を与える任意のプロセス変動は、同様に試験セル82に影響を与えるはずである。圧力センサ70は、構造層内の要素と、構造層内の要素の間に間隙すなわちキャビティを画定するのに使用される犠牲層とを形成するために、薄膜堆積、パターニング、およびエッチングの表面マイクロマシニングプロセスを使用して製造され得る。
【0039】
製造プロセス150は、概して、同じ基板78上に1つ以上の圧力センサ70を形成することの一連の処理(サブプロセス152と総称する)によって開始する。より詳細には、サブプロセス152は、基板78の各圧力センサ70のセンスセル80、試験セル82、シール構造84、および基準セル86(
図4)を形成することを含む。以下の製造方法は、簡潔にするために単一の圧力センサ70の製造を説明する。無論、既知のバッチ加工技法に従って複数の圧力センサ70が共通の基板上に同時に製造されてもよいことを当業者は容易に認識しよう。
【0040】
サブプロセス152の処理はタスク154を含み、ここで、構造層が、センスセル80のセンス電極96と、試験セル82の試験電極98と、基準セル86の基準電極88(
図4)とを含むように基板78上に形成される。これらの構造は、既知のおよび将来の堆積、パターニング、およびエッチングプロセスを利用して形成され得る。サブプロセス152はタスク156によって継続し、絶縁層94(
図5)が、たとえば、堆積、パターニング、およびエッチングプロセスを利用して基板78の上に適切に形成される。
【0041】
タスク156に続いて、タスク158が実行される。タスク158において、犠牲層126(
図6)が、既知の堆積、パターニング、およびエッチングプロセスに従って、絶縁層94と、露出した、センスセル80のセンス電極96、試験セル82の試験電極98、および基準セルの基準電極88との上に形成される。サブプロセス152はタスク160によって継続する。タスク160において、構造層100(
図5)が、センスダイヤフラム106、試験ダイヤフラム108、基準電極90、およびシール構造84のシール膜118(
図4および
図5参照)を含むように形成される。
【0042】
次に、タスク162において、犠牲層126が、当業者には既知であるようにエッチ開口(
図1に示すエッチ開口42など)を介して除去され得る。従って、タスク162の後、センスセル80のセンスキャビティ102、試験セル82の試験キャビティ104、シール構造84のシールキャビティ120、基準セル86の基準キャビティ、チャネル122、およびチャネル構造124が、
図6に関連して上述されたように生成される。サブプロセス152はタスク164によって継続する。タスク164において、キャップ層92(
図4および
図5)が、基準電極88と接触し、且つセンスダイヤフラム106と試験ダイヤフラム108との間の領域において構造層100と接触するように、たとえば、TEOSを堆積することによって形成される。しかしながら、キャップ層92はセンスダイヤフラム106および試験ダイヤフラム108ならびにシール膜118とは接触しない。
【0043】
MEMS圧力センサは一般的に、そのキャビティ内の圧力が大気圧を下回るように、より詳細には真空に近くなるように製造される。従って、サブプロセス152は、センスキャビティ102、試験キャビティ104、シールキャビティ120、基準セル86の基準キャビティ、チャネル122、およびチャネル構造124の各々の中の初期キャビティ圧力51(
図5)が周囲圧力または大気圧よりも著しく小さくなるように、真空条件下で実行され得る。たとえば、犠牲材料層126が除去された後、センスキャビティ102、試験キャビティ104、シールキャビティ120、基準セル86の基準キャビティ、チャネル122、およびチャネル構造124は、それらのエッチ開口(
図1に示すエッチ開口42など)を介して脱気され得る。従って、その後、キャップ層92を堆積することによって、センスキャビティ102、試験キャビティ104、シールキャビティ120、基準セル86の基準キャビティ、チャネル122、およびチャネル構造124の初期キャビティ圧力51がほぼ真空のままになるように、エッチ開口がシールされ得る。
【0044】
記載の例示的なプロセスによって、初期キャビティ圧力51がほぼ真空であるキャビティを生成することができる。ほぼ真空の初期キャビティ圧力を有するキャビティをもたらすことができるさまざまなMEMS処理技法があることを当業者は認識しよう。さらに、初期キャビティ圧力51が真空である必要はなく、代わりに、圧力センサ70の特定の設計パラメータに応じて別の適切な圧力であってもよいことを当業者は認識しよう。
【0045】
タスク164の後、サブプロセス152に従った圧力センサ70(
図4)の製造は概して完了する。しかしながら、圧力センサ70を製造するためにさまざまな追加の処理が実行されてもよいことを当業者は認識しよう。それらのさまざまな追加の処理は、説明を明瞭にするために本明細書においては省略する。
【0046】
サブプロセス152のタスク164の後、製造プロセス150はタスク166によって継続し得る。タスク166において、圧力センサ較正プロセスが実行され得る。較正プロセスは
図9に関連して詳細に説明する。タスク166のタスクブロックは、サブプロセス152の実行直後に実行されてもよく、またはされなくてもよいことを示すために破線によって示されている。いくつかの実施形態において、タスク166は、サブプロセス152の直後で、かつ後続のダイシングすなわち個片化タスク168の前に実行されてもよい。タスク166がプローブ試験においてダイシングタスク168の前に実行される場合、求められた値は、データベース(図示せず)内に保存されて、その後、最終試験において取り出されることができる。
【0047】
従って、サブプロセス152またはタスク166の後、製造プロセス150はタスク168によって継続する。タスク168において、たとえば複数の圧力センサ70を含むウェハの形態の基板78が、個々の圧力センサ70へとダイシングされる。
【0048】
タスク168の後、タスク170が実行されてもよく、ここで、較正プロセス(
図9)が実行されてもよい。ここでも、タスク170のタスクブロックは、ダイシングタスク168の実行直後に実行されてもよく、またはされなくてもよいことを示すために破線によって示されている。いくつかの実施形態において、タスク170は、特定の試験要件および手順に応じて、タスク166の代わりに最終試験においてダイシングタスク168の後に実行されてもよい。タスク170の後、製造プロセス150は終了する。ここでも、ダイシングタスク168またはタスク170の後にさまざまな追加の処理が実行されてもよく、それらは説明を明瞭にするために本明細書においては省略されていることを当業者は認識しよう。
【0049】
図8は、
図4の圧力センサの感度を推定するための試験構成172の簡略ブロック図を示す。試験構成172は、検知アセンブリ71および制御回路145を有する少なくとも部分的にパッケージングされた圧力センサ70を含む。圧力センサ70は、測定回路174と電気的に結合されている。概して、測定回路174は、圧力センサ70から出力信号を受信し、試験セル82(
図4)の感度を計算し、試験セル82の計算された感度に基づいてセンスセル80(
図4)の感度を推定するように構成されている。そして、測定回路174は、センスセルの推定された感度に応答して圧力センサ70の較正係数を計算し得る。これらの較正係数は、圧力センサ70の制御回路145に通信されることができ、そこで、較正係数は圧力センサ70を較正するのに利用されることができる。
【0050】
試験構成172は、多くの形態を有することができ、特定の産業試験環境に応じて測定回路174として機能するために多様なシステムを使用して実装されることができる。たとえば、測定回路174は、(たとえば、
図7に示す製造プロセス150のタスク166において)デバイス個片化の前に圧力センサ70の感度を測定して圧力センサを較正するためのウェハプローブシステムとして実装されてもよい。代替的に、測定回路174は、パッケージング後であるがゲル充填前に(たとえば、
図7に示す製造プロセス150のタスク170において)圧力センサ70の感度を測定して圧力センサを較正するための計測制御装置(MCU)回路として実装されてもよい。さらに、そのような産業試験環境は、複数の圧力センサ70を同時に試験および較正するように適応されてもよい。特定の試験環境にかかわらず、圧力センサ70の感度を推定することができ、物理的刺激較正信号を課すことなく較正パラメータを計算することができる。
【0051】
図9は、別の実施形態に応じた圧力センサ較正プロセス180のフローチャートを示す。圧力センサ較正プロセス180は、試験セル82(
図4)を使用して圧力センサ70のセンスセル80の感度を推定するために実行される。そして、推定された感度は、試験されている圧力センサ70に特有の較正係数を計算するのに利用され得る。較正プロセス180は測定回路174(
図8)を使用して試験環境172(
図8)内で実行されることができ、周囲圧力を上回る物理的圧力較正刺激を課すことなく、周囲圧力条件下で、たとえば、標準的な大気圧下で実行されることができる。
【0052】
較正プロセス180はタスク182によって開始する。タスク182において、測定回路174が、試験セル82を測定するように、すなわち、試験セルから圧力読み値をとるように構成される。すなわち、測定回路174は、試験信号P
TEST148(
図4)を受信するように構成される。
【0053】
較正プロセス180はタスク184によって継続する。タスク184において、周囲圧力26(
図5)が圧力センサ70の試験セル82において検出され、測定回路174が周囲圧力26を示す試験信号148(
図4)を取得する。この初期試験信号148は、
図9においては未加工(ロー)試験信号P
TEST−0186によって表されている。試験セル82は真空基準、すなわち、ほぼ真空の初期キャビティ圧力51(
図5)を有するため、試験セル82の試験ダイヤフラム108(
図5)に加えられる正味の圧力は周囲圧力26、たとえば、約100kPaになる。
【0054】
タスク188がタスク184に関連して実行される。タスク188において、圧力センサ70が試験されている位置における周囲圧力26が測定される。周囲圧力26は、如何なる適切な高精度の圧力測定デバイスを使用して測定されてもよい。この周囲圧力測定値は、
図9においては周囲圧力測定値P
AMB190として表されている。
【0055】
プロセス180はタスク192によって継続する。タスク192において、試験セル82の試験キャビティ104内の初期キャビティ圧力51(
図5)が周囲圧力26に変更される。一実施形態において、タスク192は、シール構造84のシール膜118(
図5)を破ることによって達成され得る。シール膜118を破るための技法は、シール膜118を機械的に割ること、レーザを使用してシール膜118内に開口を穿孔すること、または、シール膜118内の金属もしくはポリシリコンヒューズを焼くことを含むことができる。
【0056】
また別の技法は、各シール構造84を物理的にウェハ基板のソーストリート上に位置付けて、ウェハ基板上に複数の圧力センサ70を形成することであってもよい。従って、較正プロセス180のタスク182、184、および188は、製造プロセス150のダイシング処理168(
図7)の前に実行されてもよい。タスク192は、ダイシング処理168と同時に実行されてもよい。そのため、シール膜118はウェハ基板がダイシングされるときに破られることができる。較正プロセス180の残りの処理は、ダイシング処理168後に実行され得る。
【0057】
使用される特定の技法にかかわらず、シール膜118がタスク192において破られると、周囲圧力26にある空気または別の適切な気体がシール膜118内の破れ目を通じてシールキャビティ120内へと流れる(
図5)。空気または他の適切な気体は、試験キャビティ104内の圧力が周囲圧力26へと常態化すなわち変化するまで、シールキャビティ120からチャネル122およびチャネル構造124を通じて試験キャビティ104(
図5)の各々の中へと流れる。しかしながら、センスキャビティ102は試験キャビティ104、シールキャビティ120、チャネル122およびチャネル構造124から物理的に分離されているため、センスキャビティ102内のキャビティ圧力は初期キャビティ圧力51(
図5)、たとえば真空のままである。
【0058】
タスク192の後、較正プロセス180はタスク194によって継続する。タスク194において、測定回路174が再び試験信号148(
図4)を取得する。シール膜118(
図5)が破られた後のこの試験信号148は、
図9においては未加工試験信号P
TEST−1196によって表されている。試験セル82の試験キャビティ104はこの時点では周囲圧力26に等しい圧力を有するため、試験セル82の試験ダイヤフラム108(
図5)に加えられる正味の圧力は約0kPaになる。
【0059】
タスク194に続いて、タスク198が実行される。タスク198において、試験セル82の周囲圧力26に対する感度が、測定回路174によって、シール膜118が破られる前の未加工試験信号P
TEST−0186と、シール膜118が破られた後の未加工試験信号P
TEST−1196とを使用して計算され得る。試験セル82の計算された感度は、
図9においては試験セル感度値SENS
TEST200によって表されている。試験セル82の感度の計算は、次式:
SENS
TEST=(P
TEST−0−P
TEST−1)/P
AMB (1)
によって例示される。式中、P
TEST−0はシール膜118が破られる前の未加工試験信号186であり、P
TEST−1はシール膜118が破られた後の未加工試験信号196であり、P
AMBは周囲圧力測定値190であり、SENS
TESTは試験セル感度200である。
【0060】
タスク198の後、較正プロセス180はタスク202によって継続する。タスク202において、測定回路174は、試験セル感度200を使用してセンスセル80(
図5)の感度を推定する。一実施形態において、センスセルおよび試験セルの幾何形状パラメータが等しく、それらが同じ半導体製造プロセスを使用して同時に製造されることに起因して、センスセル80の感度は試験セル感度200にほぼ等しい。センスセル80の推定感度は、
図9においては、センスセル感度SENS
SENSE204によって表されている。このようにほぼ等しいことは、次式:
SENS
SENSE≒SENS
TEST (2)
によって例示することができる。しかしながら、実際には、この理想からの逸脱が存在することがあり、これによって、1つ以上のスケーリング係数C
0および/または他の項を含めることが必要になる場合がある。その結果として、推定センスセル感度204を、例示的な次式:
SENS
SENSE=C
0*SENS
TEST (3)
によって、より正確に推定することができる。 推定タスク202の後、推定センスセル感度204は、圧力センサ70の較正係数を計算するのに利用される。従って、較正プロセス180はタスク206によって継続する。タスク206において、測定回路174(
図8)が、センスセル80を測定するように、すなわち、センスセル80(
図5)から圧力読み値をとるように構成される。すなわち、測定回路174は、センス信号146(
図4)を受信するように構成される。
【0061】
プロセス180はタスク208によって継続する。タスク208において、周囲圧力26(
図5)が圧力センサ70のセンスセル80において検出され、測定回路174が周囲圧力26を示すセンス信号146(
図4)を取得する。このセンス信号146は、
図9においては未加工センス信号P
SENSE210によって表されている。センスセル80のセンスキャビティ102は真空基準、すなわち、ほぼ真空の初期キャビティ圧力51(
図5)を有するため、センスセル80のセンスダイヤフラム106(
図4)に加えられる正味の圧力は周囲圧力26、たとえば、約100kPaになる。
【0062】
タスク208の後、較正プロセス180はタスク212によって継続する。タスク212において、測定回路174がセンスセル80の較正係数を計算する。これらの較正係数は、未加工センス信号210、センスセル感度204、および周囲圧力測定値190の関数として既知のようにして計算され得る。較正係数は、
図9においてはβ214によって表されている。較正係数214の計算は、例示的な次の関数:
β=f(P
SENSE,SENS
SENSE,P
AMB) (4)
によって特徴付けられることができる。 上記で提示された説明から、計算された試験セル感度200(SENS
TEST)に応答してセンスセル感度204(SENS
SENSE)が推定されることが観察されるはずである。それゆえ、センスセル80の較正係数214が試験セル感度200に応答して求められるということになる。
【0063】
タスク212において較正係数214が求められた後、較正プロセス180はタスク216によって継続する。タスク216において、較正係数214が圧力センサ70を較正するのに利用される。たとえば、較正係数214は、制御回路145に関連付けて記憶されることができ、それによって、センスキャパシタンス140(
図4)を処理するときに較正係数214を適用して、較正されたセンス信号146を生成することができる。タスク216の後、較正プロセス180は終了する。
【0064】
このように、シール構造84および試験セル82をセンス構造72(
図4)の一部として含め、関連して圧力センサ較正プロセス180を実行することによって、試験セル82の計算された感度200を利用して圧力センサ70のセンスセル80の感度204を容易に推定することができる。その後、試験されている圧力センサ70に特有の較正係数214を適用して圧力センサ70を較正し、プロセス変動から生じる不一致を相殺することができる。
【0065】
要約すると、実施形態は、内蔵較正機能を含むMEMS圧力センサ、MEMS圧力センサを製造する方法、および、MEMS圧力センサの感度を推定してMEMS圧力センサを較正する方法を含む。圧力センサは、同じ幾何学的特性およびプロセスによって製造される複数のセンスセルおよび試験セルを単一のダイ上に含む。それゆえ、センスセルおよび試験セルの各々は理想的には、課される圧力刺激に対して同じ感度を有する。シール構造が、1つ以上の試験セルの1つ以上の試験キャビティと連通している。シール構造は、試験キャビティ内の圧力を変化させるために破られるように構成されている。試験セルの感度は、シール構造を破る前および後に圧力読み値をとることによって測定することができる。試験セルおよびセンスセルは同じ感度を有すると仮定されるため、試験セルからのセンス信号が、センスセルの感度を推定するために利用され得る。センスセルの推定感度はその後、較正係数を計算し、最終的には圧力センサを較正するのに利用され得る。そのような圧力センサおよび方法は、物理的刺激較正信号を課すことなく感度推定および関連するセンサ較正を可能にし、それによって、試験および機器費用を低減することができる。
【0066】
図7および
図9に示すプロセスブロックのうちの特定のものは互いに並行して、または他のプロセスの実行とともに実行されてもよいことは理解されたい。加えて、
図7および
図9に示すプロセスブロック特定の順序は、実質的に同じ結果を達成しながら変更され得ることは理解されたい。従って、そのような変更は本発明の主題の範囲内に含まれるものとして意図されている。加えて、上記で
図4〜
図6に関連して特定のシステム構成が説明されたが、実施形態は他のアーキテクチャを有するシステムにおいて実装されてもよい。これらのおよび他の変形形態は本発明の主題の範囲内に含まれるように意図されている。
【0067】
本発明の主題の原理が特定の装置および方法に関連して上記で説明されてきたが、この説明は例示のみを目的として為されており、本発明の主題の範囲に対する限定としてではないことは明瞭に理解されたい。本明細書において述べられ図面内に示されたさまざまな機能または処理ブロックは、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアまたはそれらの任意の組み合わせにおいて実装されることができる。さらに、本明細書において採用されている表現または専門用語は説明を目的としており、限定ではない。
【0068】
特定の実施形態の上記の記載は、他者が、現在の知識を適用することによって、一般的な概念から逸脱することなくさまざまな用途のためにそれを容易に改変および/または適応するのに十分に本発明の主題の一般的性質を公開している。従って、そのような適応および改変は開示されている実施形態の均等物の意図および範囲内にある。本発明の主題は、すべてのそのような代替形態、改変形態、均等物、および変形形態を、添付の特許請求の範囲の精神および広い範囲内に入るものとして包含する。