【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明により、多層物品を製造する方法を提供する。本方法は、第1型穴を定めて第1型穴内に取り出し可能な要素を含む金型を与える段階と、第1型穴に第1粒子状成分を入れる段階と、第1粒子状成分に第1圧縮力を印加することにより、第1圧縮段階で第1粒子状成分を第1軸に沿って圧縮して多層物品の第1層を形成する段階と、第1層の形成後に第1型穴から取り出し可能要素を取り出す段階と、金型に1つ又はそれよりも多くの追加粒子状成分を入れ、1つ又はそれよりも多くの追加粒子状成分の一部分が、それまで取り出し可能要素が占めていた空間を占める段階と、取り出し可能要素の取り出し後に1つ又はそれよりも多くの追加圧縮段階で1つ又はそれよりも多くの追加粒子状成分を第1軸に沿って圧縮して多層物品の1つ又はそれよりも多くの追加層を形成し、第1層が、実質的に第1軸と平行な第1インタフェースに沿って1つ又はそれよりも多くの追加層のうちの1つに接触し、かつ第1層が、実質的に第1軸と垂直な第2インタフェースに沿って1つ又はそれよりも多くの追加層のうちの1つと接触する段階と、金型から多層物品を取り出す段階とを含む。1つ又はそれよりも多くの追加圧縮段階は、金型から多層物品を取り出す前に、第1層を形成するために第1粒子状成分に印加する第1圧縮力よりも大きい圧縮力を1つ又はそれよりも多くの追加粒子状成分に印加する段階を含む。
【0007】
本明細書に使用する「粒子状成分」という用語は、限定するわけではないが、紛体及び顆粒を含むあらゆる流動性の粒子状材料又は粒子状材料の組合せを説明するのに使用する。本発明による方法に使用する粒子状成分は、タイプが異なる2つ又はそれよりも多くの粒子状材料を含むことができる。それに代えて又はそれに加えて、本発明による方法に使用する粒子状成分は、組成が異なる2つ又はそれよりも多くの粒子状材料を含むことができる。
【0008】
本明細書に使用する「異なる組成」という用語は、異なる化合物、又は化合物の異なる組合せ、又は化合物の同じ組合せの異なる調製から形成された材料、成分、又は層を指すのに使用する。
【0009】
本明細書に使用する「層」及び「複数の層」という用語は、本発明による方法によって製造されてインタフェースに沿って互いに接触する多層物品の異なる部分を指すのに使用する。「層」及び「複数の層」という用語の使用は、本発明による方法によって製造されていずれかの絶対的又は相対的な寸法を有する多層物品の異なる部分に限定されない。特に、本発明による方法によって製造される多層物品の層は、積層又は非積層とすることができる。
【0010】
本発明による方法で製造される多層物品の異なる層の組成は、同じか又は異なる場合がある。それに代えて又はそれに加えて、本発明による方法で製造される多層物品の異なる層の物理特性は、同じか又は異なる場合がある。例えば、本発明による方法で製造される多層物品の異なる層の密度は異なる場合がある。
【0011】
本発明による方法で製造される多層物品の異なる層の寸法は、同じか又は異なる場合がある。
【0012】
本発明により、多層物品の第1層は、第1粒子状成分を第1圧縮段階で圧縮することによって形成され、多層物品の1つ又はそれよりも多くの追加層は、1つ又はそれよりも多くの追加粒子状成分をその後の1つ又はそれよりも多くの圧縮段階で圧縮することによって形成される。
【0013】
第1圧縮段階は、第1粒子状成分に第1圧縮力を印加する段階を含む。1つ又はそれよりも多くの追加圧縮段階は、金型から多層物品を取り出す前に、第1粒子状成分に印加する第1圧縮力よりも大きい圧縮力を1つ又はそれよりも多くの追加粒子状成分に印加する段階を含む。
【0014】
本発明の方法は、独立自立型多層物品を製造するのに有利に使用することができる。金型から多層物品を取り出す前に、第1層を形成するために第1粒子状成分に印加する第1圧縮力よりも大きい圧縮力を1つ又はそれよりも多くの追加粒子状成分に印加することは、本発明による方法を使用する独立自立型多層物品の製造を有利に容易にする。
【0015】
以下で詳しく説明するように、第1層を形成するのに使用する第1圧縮段階と1つ又はそれよりも多くの追加層を形成するのに使用する1つ又はそれよりも多くのその後の圧縮段階との間に第1型穴から取り出し可能要素を取り出すことにより、本発明による方法は、直交する層を含む多層物品を製造することを有利に可能にする。
【0016】
本明細書に使用する「直交層」という用語は、多層物品の第1層と多層物品の1つ又はそれよりも多くの追加層のうちの1つとの間の第1インタフェースが、多層物品の第1層と多層物品の1つ又はそれよりも多くの追加層のうちの1つとの間の第2インタフェースと実質的に垂直であることを意味するのに使用する。
【0017】
ある一定の実施形態において、本発明による方法は、細長い多層物品を製造するのに使用することができる。そのような実施形態において、第1の軸は、多層物品の縦方向軸又は多層物品の横断方向軸に対応する場合がある。
【0018】
本明細書に使用する「横断方向層」という用語は、本発明による方法によって製造された細長い多層物品の幅を横切って延びるインタフェースに沿って接触する層を指すのに使用する。
【0019】
本明細書に使用する「縦方向層」という用語は、本発明による方法によって製造された細長い多層物品の長さに沿って延びるインタフェースに沿って接触する層を指すのに使用する。
【0020】
本方法は、第1の軸に垂直なあらゆる適切な断面形状を有する第1型穴を定める金型を与える段階を含むことができる。
【0021】
例えば、本発明による方法が細長い多層物品を製造するのに使用され、かつ第1の軸が多層物品の縦方向軸に対応する場合に、第1型穴の横断面は、実質的に円形、三角形、正方形、ひし形、台形、又は八角形とすることができる。
【0022】
本方法は、第1の軸に垂直な断面があらゆる適切な形状を有する取り出し可能要素を含む金型を与える段階を含むことができる。
【0023】
例えば、本発明による方法が細長い多層物品を製造するのに使用され、かつ第1の軸が多層物品の縦方向軸に対応する場合に、取り出し可能要素の横断面は、実質的に円形、三角形、正方形、ひし形、台形、又は八角形とすることができる。
【0024】
ある一定の好ましい実施形態において、第1の軸は、多層物品の縦方向軸に対応し、第1型穴及び取り出し可能要素は、実質的に円形横断面のものである。
【0025】
本発明による方法は、第1粒子状成分に第1圧縮力を印加することにより、第1の圧縮で第1粒子状成分を第1の軸に沿って圧縮して多層物品の第1層を形成する段階を含む。
【0026】
多層物品の第1層の形成後の第1型穴からの取り出し可能要素の取り出しは、金型の一部分及び第1層の一部分によって定められた第2型穴を作成する。
【0027】
ある一定の実施形態において、本方法は、第1層の形成後に第1型穴から取り出し可能要素を取り出す段階と、金型の一部分及び第1層の一部分によって定められる第2型穴に第2粒子状成分を入れる段階と、第2圧縮段階で第2粒子状成分を第1の軸に沿って圧縮して多層物品の第2層を形成し、第1層が、第1の軸と実質的に平行な第1インタフェースに沿って第2層と接触し、かつ第1層が、第1の軸と実質的に垂直な第2インタフェースに沿って第2層と接触する段階とを含む。
【0028】
そのような実施形態において、本方法は、第1粒子状成分に第1圧縮力を印加することにより、第1圧縮段階で第1粒子状成分を第1軸に沿って圧縮して多層物品の第1層を形成する段階と、第2粒子状成分に第2圧縮力を印加することにより、第2の圧縮で第2粒子状成分を第1軸に沿って圧縮して第2層を形成する段階とを含む。
【0029】
そのような実施形態において、第2層を形成するために第2粒子状成分に印加する第2圧縮力は、第1層を形成するために第1粒子状成分に印加する第1圧縮力よりも大きい。
【0030】
他の実施形態において、本方法は、取り出し可能要素の取り出し後に1つ又はそれよりも多くの追加圧縮段階で1つ又はそれよりも多くの追加粒子状成分を第1軸に沿って圧縮して多層物品の第2層及び多層物品の第3層を形成し、第1層が、第1軸と実質的に平行な第1インタフェースに沿って第2層と接触し、かつ第1層が、第1軸に実質的に垂直な第2インタフェースに沿って第3層と接触する段階を含む。
【0031】
そのような実施形態において、第1層及び第2層は、横断方向層とすることができ、第3層は、縦方向層とすることができる。
【0032】
これに代えて、第1層及び第2層は、縦方向層とすることができ、第3層は、横断方向層とすることができる。
【0033】
多層物品の第2層及び多層物品の第3層は、単一の追加圧縮段階で同時に形成することができる。
【0034】
例えば、ある一定の実施形態において、本方法は、第1層の形成後に第1型穴から取り出し可能要素を取り出す段階と、金型の一部分及び第1層の一部分によって定められる第2型穴に第2粒子状成分を入れる段階と、金型の一部分、第1層の一部分、及び第2粒子状成分の一部分によって定められる第3型穴に第3粒子状成分を入れる段階と、第2圧縮段階で同時に第2粒子状成分を第1軸に沿って圧縮して多層物品の第2層を形成し、かつ第3粒子状成分を第1軸に沿って圧縮して多層物品の第3層を形成する段階とを含むことができる。
【0035】
そのような実施形態において、本方法は、第1粒子状成分に第1圧縮力を印加することにより、第1圧縮段階で第1粒子状成分を第1軸に沿って圧縮して多層物品の第1層を形成する段階と、第3粒子状成分に第2圧縮力を印加することにより、第2圧縮段階で同時に第2粒子状成分を第1軸に沿って圧縮して多層物品の第2層を形成し、かつ第3粒子状成分を第1軸に沿って圧縮して多層物品の第3層を形成する段階とを含む。
【0036】
そのような実施形態において、第2層及び第3層を形成するために第3粒子状成分に印加する第2圧縮力は、第1層を形成するために第1粒子状成分に印加する第1圧縮力よりも大きい。
【0037】
これに代えて、多層物品の第2層と多層物品の第3層は、2つの別々の圧縮段階で形成することができる。
【0038】
ある一定の実施形態において、本方法は、第1層の形成後に第1型穴から取り出し可能要素を取り出す段階と、金型の一部分及び第1層の一部分によって定められる第2型穴に第2粒子状成分を入れる段階と、第2圧縮段階で第2粒子状成分を第1軸に沿って圧縮して多層物品の第2層を形成する段階と、金型の一部分、第1層の一部分、及び第2層の一部分によって定められる第3型穴に第3粒子状成分を入れる段階と、第3の圧縮段階で第3粒子状成分を第1軸に沿って圧縮して多層物品の第3層を形成する段階とを含む。
【0039】
ある一定の好ましい実施形態において、本方法は、第1型穴内の取り出し可能要素の周りに第1粒子状成分を入れる段階と、第1圧縮段階で第1粒子状成分を第1軸に沿って圧縮して取り出し可能要素に外接する多層物品の外側第1層を形成する段階と、外側第1層の形成後に第1型穴から取り出し可能要素を取り出す段階と、金型の一部分及び外側第1層の内面によって定められる第2型穴に第2粒子状成分を入れる段階と、第2粒子状成分を第1軸に沿って圧縮して外側第1層によって外接される多層物品の内側第2層を形成する段階と、金型の一部分、外側第1層の一部分、及び内側第2層の一部分によって定められる第3型穴に第3粒子状成分を入れる段階と、第3の圧縮段階で第3粒子状成分を第1軸に沿って圧縮して多層物品の第3層を形成する段階とを含む。
【0040】
ある一定の好ましい実施形態において、本方法は、第1型穴内の取り出し可能要素の周りに第1粒子状成分を入れる段階と、第1圧縮段階で第1粒子状成分を第1軸に沿って圧縮して取り出し可能要素に外接する多層物品の環状外側第1層を形成する段階と、環状外側第1層の形成後に第1型穴から取り出し可能要素を取り出す段階と、金型の一部分及び環状外側第1層の内側環状面によって定められる第2型穴に第2粒子状成分を入れる段階と、第2圧縮段階で第2粒子状成分を第1軸に沿って圧縮して環状外側第1層によって外接される多層物品の内側第2層を形成する段階と、金型の一部分、環状外側第1層の一部分、及び内側第2層の一部分によって定められる第3型穴に第3粒子状成分を入れる段階と、第3の圧縮段階で第3粒子状成分を第1軸に沿って圧縮して多層物品の第3層を形成する段階とを含む。
【0041】
ある一定の特に好ましい実施形態において、本方法は、実質的に円筒形の第1型穴を定めて実質的に円筒形の第1型穴に実質的に円筒形の取り出し可能要素を含む金型を与える段階と、実質的に円筒形の第1型穴内の実質的に円筒形の取り出し可能要素の周りに第1粒子状成分を入れる段階と、第1圧縮段階で第1粒子状成分を第1軸に沿って圧縮して実質的に円筒形の取り出し可能要素に外接する多層成分の実質的に円筒形の環状外側第1層を形成する段階と、実質的に円筒形の環状外側第1層の形成後に実質的に円筒形の第1型穴から実質的に円筒形の取り出し可能要素を取り出す段階と、金型の一部分及び実質的に円筒形の環状外側第1層の内側環状面によって定められる実質的に円筒形の第2型穴に第2粒子状成分を入れる段階と、第2圧縮段階で第2粒子状成分を第1軸に沿って圧縮して実質的に円筒形の環状第1層によって外接される多層物品の実質的に円筒形の第2層を形成する段階と、金型の一部分、実質的に円筒形の環状外側第1層の一部分、及び実質的に円筒形の内側第2層の一部分によって定められる第3型穴に第3粒子状成分を入れる段階と、第3の圧縮段階で第3粒子状成分を第1軸に沿って圧縮して多層物品の第3層を形成する段階とを含む。
【0042】
そのような特に好ましい実施形態において、本方法は、好ましくは、第2圧縮段階で第2粒子状成分を第1軸に沿って圧縮して実質的に円筒形の環状外側第1層と比べて高さが減少した実質的に円筒形の内側第2層を形成する段階と、金型の一部分、実質的に円筒形の環状外側第1層の内側環状面及び端面、及び実質的に円筒形の内側第2層の端面によって定められる第3型穴に第3粒子状成分を入れる段階と、第3の圧縮段階で第3粒子状成分を第1軸に沿って圧縮して多層物品の第3層を形成する段階とを含む。そのような実施形態において、実質的に円筒形の内側第2層の高さを実質的に円筒形の環状外側第1層に比べて減少したことにより、多層物品の第3層と実質的に円筒形の環状外側第1層と実質的に円筒形の内側第2層との間に段付きインタフェースがもたらされる。これは、形成された多層物品の機械的一体性を有利に増大する。
【0043】
本発明による方法は、第1粒子状成分に第1圧縮力を印加することにより、第1圧縮で第1粒子状成分を第1軸に沿って圧縮して多層物品の第1層を形成する段階を含む。
【0044】
多層物品の第2層と多層物品の第3層が2つの別々の追加圧縮段階で形成される実施形態において、本方法は、第1粒子状成分に第1圧縮力を印加することにより、第1圧縮段階で第1粒子状成分を第1軸に沿って圧縮して多層物品の第1層を形成する段階と、第2粒子状成分に第2圧縮力を印加することにより、第2圧縮段階で第2粒子状成分を第1軸に沿って圧縮して多層物品の第2層を形成する段階と、第3粒子状成分に第3圧縮力を印加することにより、第3の圧縮段階で第3粒子状成分を第1軸に沿って圧縮して多層物品の第3層を形成する段階とを含む。
【0045】
そのような実施形態において、第2層を形成するために第2粒子状成分に印加する第2圧縮力は、第1層を形成するために第1粒子状成分に印加する第1圧縮力と同じか又は異なる場合がある。そのような実施形態において、第3層を形成するために第3粒子状成分に印加する第3圧縮力は、第1層を形成するために第1粒子状成分に印加する第1圧縮力及び第2層を形成するために第2粒子状成分に印加する第2圧縮力よりも大きい。
【0046】
本発明による方法は、第1粒子状成分、第2粒子状成分、及び存在する場合に第3粒子状成分のうちの1つ又はそれよりも多くにあらゆる適切な公知の手段を使用して圧縮力を印加する段階を含むことができる。例えば、本発明による方法は、第1粒子状成分、第2粒子状成分、及び存在する場合に第3粒子状成分のうちの1つ又はそれよりも多くにパンチを使用して圧縮力を印加する段階を含むことができる。
【0047】
本発明による方法は、あらゆる適切な公知の手段を使用して金型から多層物品を取り出す段階を含むことができる。例えば、本発明による方法は、パンチを使用して金型から多層物品を取り出す段階を含むことができる。
【0048】
本発明による方法は、限定するわけではないが、製薬、洗剤、セラミック、及び爆発産業を含む様々な産業に使用される多層物品を製造するのに使用することができる。
【0049】
当業技術では、タバコを燃焼させるのではなく加熱する喫煙物品がいくつか提案されてきた。このような「加熱式」喫煙物品の1つの目的は、従来のシガレットの燃焼及び熱分解劣化によって発生する公知の有害な煙成分を低減することである。公知のタイプの1つの加熱式喫煙物品において、可燃性熱源からこの可燃性炭素質熱源の下流に位置付けられたエアロゾル形成基材へ伝達される熱によってエアロゾルが発生する。喫煙中に、可燃性熱源からの熱伝達によってエアロゾル形成基材から揮発性化合物が放出され、喫煙物品を通って吸い込まれる空気中に同伴される。放出された化合物は、冷えると凝縮し、ユーザによって吸引されるエアロゾルを形成する。
【0050】
本発明による方法は、上述のタイプの喫煙物品のための多層可燃性熱源を製造するのに有利に使用することができる。特に、本発明による方法は、喫煙物品のための多層可燃性炭素質熱源を製造するのに有利に使用することができる。
【0051】
本明細書に使用する「炭素質」という用語は、熱源と炭素を含む粒子状成分とを説明するのに使用する。
【0052】
本発明による方法は、金型によって定められる第1型穴の形状及び寸法を適切に選択すれば、異なる望ましい形状及び寸法を有する多層物品を製造するのに有利に使用することができる。
【0053】
本発明による方法が喫煙物品のための可燃性熱源を製造するのに使用される場合に、第1型穴は、実質的に円筒形であることが好ましく、実質的に円形断面で実質的に円筒形であることがより好ましく、実質的に円形断面かつ直径が約5mmから約10mmで実質的に円筒形であることが最も好ましい。
【0054】
本発明による方法は、第1型穴内の取り出し可能要素の形状、寸法、及び位置を適切に選択すれば、異なる望ましい形状、寸法、及び位置を有する第1層及び第2層を含む多層物品を製造するのに有利に使用することができる。
【0055】
本発明による方法が喫煙物品のための可燃性熱源を製造するのに使用される場合に、取り出し可能要素は、実質的に円筒形であることが好ましく、実質的に円形断面で実質的に円筒形であることがより好ましく、実質的に円形断面かつ直径が約0.5mmから約6.5mmで実質的に円筒形であることが最も好ましい
【0056】
第1粒子状成分、第2粒子状成分、及び存在する場合に第3粒子状成分は、組成が同じか又は異なる場合がある。第1粒子状成分及び第2粒子状成分の組成は異なることが好ましい。
【0057】
それに代えて又はそれに加えて、第1粒子状成分、第2粒子状成分、及び存在する場合に第3粒子状成分は、物理特性が同じか又は異なる場合がある。例えば、第1粒子状成分、第2粒子状成分、及び存在する場合に第3粒子状成分の密度及び粒子サイズは、同じか又は異なる場合がある。
【0058】
本発明による方法は、第1粒子状成分、第2粒子状成分、及び存在する場合に第3粒子状成分の組成及び物理特性を適切に選択すれば、所望特性が異なる第1粒子状成分、第2粒子状成分、及び存在する場合に第3粒子状成分を含む多層物品を製造するのに有利に使用することができる。例えば、本発明による方法は、化学特性、電気特性、磁気特性、及び物理特性が異なる第1粒子状成分、第2粒子状成分、及び存在する場合に第3粒子状成分を含む多層物品を製造するのに有利に使用することができる。
【0059】
本発明による方法が喫煙物品のための可燃性炭素質熱源を製造するのに使用される場合に、第1粒子状成分、第2粒子状成分、及び存在する場合に第3粒子状成分のうちの1つ又はそれよりも多くは、炭素質とすることができる。ある一定の好ましい実施形態において、第1粒子状成分、第2粒子状成分、及び存在する場合に第3粒子状成分は炭素質である。
【0060】
他の好ましい実施形態において、第1粒子状成分は、炭素質であり、第2粒子状成分及び存在する場合に第3粒子状成分の一方又は両方は、非炭素質である。
【0061】
第1粒子状成分が炭素質である実施形態において、第1粒子状成分の炭素含有量は、第1粒子状成分の乾燥重量で少なくとも約35パーセントであることが好ましく、少なくとも約45パーセントであることがより好ましく、少なくとも約55パーセントであることが最も好ましい。ある一定の好ましい実施形態において、第1粒子状成分の炭素含有量は、第1粒子状成分の乾燥重量で少なくとも約65パーセントである。
【0062】
第2粒子状成分が炭素質である実施形態において、第2粒子状成分の炭素含有量は、約55乾燥重量パーセントよりも少ないか又はこれに等しいことが好ましく、約45乾燥重量パーセントよりも少ないか又はこれに等しいことがより好ましく、約35乾燥重量パーセントよりも少ないか又はこれに等しいことが最も好ましい。ある一定の好ましい実施形態において、第2粒子状成分の炭素含有量は、好ましくは、約25乾燥重量パーセントよりも少ない。
【0063】
第3粒子状成分が炭素質である実施形態において、第3粒子状成分の炭素含有量は、約55乾燥重量パーセントよりも少ないか又はこれに等しいことが好ましく、約45乾燥重量パーセントよりも少ないか又はこれに等しいことがより好ましく、約35乾燥重量パーセントよりも少ないか又はこれに等しいことが最も好ましい。ある一定の好ましい実施形態において、第3粒子状成分の炭素含有量は、好ましくは、約25乾燥重量パーセントよりも少ないか又はこれに等しい。
【0064】
多層可燃性炭素質熱源を製造するための本発明による方法に使用する炭素質粒子状成分は、1つ又はそれよりも多くの適切な炭素含有材料から形成することができる。
【0065】
必要に応じて、1つ又はそれよりも多くの炭素含有材料と1つ又はそれよりも多くの結合剤を組み合わせることができる。1つ又はそれよりも多くの結合剤は、有機結合剤であることが好ましい。公知の好ましい有機結合剤は、限定するわけではないが、ゴム(例えば、グアルゴム)、変性セルロース及びセルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ハイドロキシプロピルセルロース、及びハイドロキシプロピルメチルセルロース)、小麦粉、でんぷん、砂糖、植物油、及びこれらの組合せを含む。
【0066】
1つ又はそれよりも多くの結合剤に代えて又はそれに加えて、多層可燃性炭素質熱源を製造するための本発明による方法に使用する炭素質粒子状成分は、可燃性炭素質熱源の特性を改善するために1つ又はそれよりも多くの添加剤を含むことができる。適切な添加剤は、以下に限定されるものではないが、可燃性炭素質熱源の固化を促進する添加剤(例えば、焼結補助剤)、可燃性炭素質熱源の発火を促進する添加剤(例えば、過塩素酸塩、塩素酸塩、硝酸塩、過酸化物のような酸化剤、過マンガン酸塩、ジルコニウム、及びその組合せ)、可燃性炭素質熱源の燃焼を促進する添加剤(例えば、カリウム、及びクエン酸カリウムのようなカリウム塩)、及び可燃性炭素質熱源の燃焼によって発生する1つ又はそれよりも多くのガスの分解を促進する添加剤(例えば、酸化銅(CuO)、酸化鉄(Fe
2O
3)、酸化鉄ケイ酸粉末、及び酸化アルミニウム(Al
2O
3)のような触媒)を含む。
【0067】
本発明による方法が喫煙物品のための可燃性炭素質熱源を製造するのに使用される場合に、粒子状成分のうちの少なくとも1つは、炭素を含む。粒子状成分のうちの少なくとも1つは、発火補助剤を含むことが好ましい。ある一定の実施形態において、粒子状成分のうちの少なくとも1つは、炭素及び発火補助剤を含むことができる。
【0068】
第1粒子状成分が発火補助剤を含む実施形態において、第1粒子状成分の発火補助剤含有量は、約60乾燥重量パーセントよりも少ないか又はこれに等しいことが好ましく、約50乾燥重量パーセントよりも少ないか又はこれに等しいことがより好ましく、約40乾燥重量パーセントよりも少ないか又はこれに等しいことが最も好ましい。ある一定の好ましい実施形態において、第1粒子状成分の発火補助剤含有量は、約30乾燥重量パーセントよりも少ないか又はこれに等しいことが好ましい。
【0069】
第2粒子状成分が発火補助剤を含む実施形態において、第2粒子状成分の発火補助剤含有量は、少なくとも約35乾燥重量パーセントであることが好ましく、少なくとも約45乾燥重量パーセントであることがより好ましく、少なくとも約55乾燥重量パーセントであることが最も好ましい。ある一定の好ましい実施形態において、第2粒子状成分の発火補助剤含有量は、少なくとも約65乾燥重量パーセントであることが好ましい。
【0070】
第3粒子状成分が少なくとも1つの発火補助剤を含む実施形態において、第3粒子状成分の発火補助剤含有量は、少なくとも約30乾燥重量パーセントであることが好ましく、少なくとも約40乾燥重量パーセントであることがより好ましく、少なくとも約50乾燥重量パーセントであることが最も好ましい。
【0071】
本明細書に使用する「発火補助剤」という用語は、可燃性熱源の発火中にエネルギ及び酸素の一方又は両方を放出する材料を意味するのに使用し、この材料によるエネルギ及び酸素の一方又は両方の放出速度は、周囲酸素の拡散で制限されない。換言すれば、可燃性熱源の発火中の材料からのエネルギ及び酸素の一方又は両方の放出速度は、周囲酸素が材料に到達することができる速度とはほとんど無関係である。本明細書に使用する「発火補助剤」という用語は、可燃性熱源の発火中にエネルギを放出する元素金属を意味するためにも使用し、この元素金属の発火温度は、約500℃未満であり、元素金属の燃焼熱は、少なくとも約5kJ/gである。
【0072】
本明細書に使用する「発火補助剤」という用語は、いずれも炭素燃焼を修正すると考えられるカルボン酸のアルカリ金属塩(アルカリ金属クエン酸塩、アルカリ金属アセテート塩、及びアルカリ金属コハク酸エステル塩のような)、アルカリ金属ハロゲン化物塩(アルカリ金属塩化物塩のような)、アルカリ金属炭酸塩、又はアルカリ金属リン酸塩を含まない。このようなアルカリ金属燃焼塩は、たとえ可燃性熱源の総重量に対して大量に存在する時でも、可燃性熱源の発火中に初期吸煙中に満足することができるエアロゾルを生成するほど十分なエネルギを放出しない。
【0073】
適切な酸化剤の例は、限定するわけではないが、例えば、硝酸カリウム、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸ナトリウム、硝酸バリウム、硝酸リチウム、硝酸アルミニウム及び硝酸鉄のような硝酸塩、亜硝酸塩、他の有機又は無機ニトロ化合物、例えば、塩素酸ナトリウム及び塩素酸カリウムのような塩素酸塩、例えば、過塩素酸ナトリウムのような過塩素酸塩、亜塩素酸塩、例えば、臭素酸ナトリウム及び臭素酸カリウムのような臭素酸塩、過臭素酸塩、亜臭素酸塩、例えば、ホウ素酸ナトリウム及びホウ素酸カリウムのようなホウ素酸塩、例えば、鉄酸バリウムのような鉄酸塩、フェライト、例えば、マンガン酸カリウムのようなマンガン酸塩、例えば、過マンガン酸カリウムのような過マンガン酸塩、例えば、過酸化ベンゾイル及び過酸化アセトンのような有機過酸化物、例えば、過酸化水素、過酸化ストロンチウム、過酸化マグネシウム、過酸化カルシウム、過酸化バリウム、過酸化亜鉛及び過酸化リチウムのような無機過酸化物、例えば、超酸化カリウム及び超酸化ナトリウムのような超酸化物、ヨード酸塩、過ヨード酸塩、亜ヨード酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、他のスルホキシド、リン酸塩、ホスホン酸塩、亜リン酸塩、及び亜ホスフィン酸エステルを含む。
【0074】
本発明による方法によって製造される多層可燃性熱源の見かけの密度は、約0.6/cm
3から約1/cm
3であることが好ましい。
【0075】
本発明による方法によって生成される多層可燃性熱源の長さは、約5mmから約20mmであることが好ましく、約7mmから約15mmであることがより好ましく、約7mmから約13mmであることが最も好ましい。
【0076】
本発明による方法によって生成される多層可燃性熱源の直径は、約5mmから約10mmであることが好ましく、約7mmから約8mmであることがより好ましい。
【0077】
本発明による方法によって製造される多層可燃性熱源は、直径が実質的に均一であることが好ましい。しかし、本発明による方法は、多層可燃性熱源の第1端部の直径がその反対側の第2のものの直径よりも大きいように先細にされた多層可燃性熱源を製造するのに使用することができる。
【0078】
本発明による方法によって製造される多層可燃性熱源は、実質的に円筒形であることが好ましい。例えば、本発明による方法は、実質的に円形断面又は実質的に楕円形断面の円筒形可燃性熱源を製造するのに使用することができる。
【0079】
以下に添付図面を参照して本発明を単に一例として更に説明する。