(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
(構成)
第1の発明は、開口部から底部にかけて内向きに傾斜する周壁を含む本体と、開口部から頂部にかけて内向きに傾斜する周壁を含む蓋体とで構成された容器を集成場所へ移送し、集成場所に移送した所定数の容器を梱包箱に詰める箱詰め装置であって、周壁を対向させた状態で移送方向の前後に並んだ複数の容器のうち、最後に並んだ容器を押して移送する移送部と、前記移送部が集成場所に移送した容器を所定数保持し、保持した容器を梱包箱に詰める保持部とを備え、前記移送部は、蓋体の周壁を押す押圧部材、または蓋体を押さえる押さえ部材の少なくとも一方を含む、箱詰め装置である。
【0014】
(作用)
第1の発明に係る箱詰め装置は、移送方向の前後に並んだ複数の容器のそれぞれの周壁を対向させて移送し、移送方向の前後に並んだ複数の容器のうち、最後に並んだ容器を構成する蓋体の周壁を押すことで容器を押さえる方向に力を加える押圧部材、または蓋体を押さえる押さえ部材の少なくとも一方の部材によって、容器を構成する本体の傾斜する周壁が、他の容器を構成する蓋体の傾斜する周壁の上に乗り上げるなどの容器の浮き上がりを防ぐ。
【0015】
(効果)
第1の発明によれば、移送する容器の浮き上がりを防いで正確に移送することができるため、安定した箱詰めが行える。
【0016】
(構成)
第2の発明は、開口部から底部にかけて内向きに傾斜する周壁を含む本体と、開口部から頂部にかけて内向きに傾斜する周壁を含む蓋体とで構成された容器を集成場所へ移送し、集成場所に移送した所定数の容器を梱包箱に詰める箱詰め装置であって、周壁を対向させた状態で移送方向の前後に並んだ複数の容器を移送する移送部と、容器の移送方向と直行する方向の両側に設けられた規制部材によって、移送方向と直行する方向への容器の動きを規制する幅規制部と、集成場所の上方に設けられ、前記移送部が移送する容器が集成場所から浮き上がることを規制する浮き上がり規制部と、前記移送部が集成場所に移送した容器を所定数保持し、保持した容器を梱包箱に詰める保持部とを備える、箱詰め装置である。
【0017】
ここで、「規制」とは、容器の動きや位置を一定範囲に制限することを指す。
【0018】
(作用)
第2の発明に係る箱詰め装置は、容器が集成場所へ正確に整列するように、移送部が移送する容器の移送方向と直行する方向の両側に設けられ、移送される容器が移送方向と直行する方向へ動くことを規制する規制部材を備えている。そうすると、容器を移送する時に、容器と規制部材とが接する部分に摩擦力が生じ、容器がその場に留まろうとするため、容器を構成する本体の傾斜する周壁が、他の容器を構成する蓋体の傾斜する周壁の上に乗り上げるなど、容器が浮き上がる方向に力が加わるが、集成場所の上方に設けた浮き上がり規制部によって容器が集成場所から浮き上がることを防ぐ。
【0019】
(効果)
第2の発明によれば、集成場所において容器の浮き上がりを防いで正確に移送することができるため、安定した箱詰めが行える。
【0020】
(構成)
第3の発明は、特に第2の発明に係る箱詰め装置において、前記浮き上がり規制部が、前記保持部が容器を保持することを妨げない位置で、容器が集成場所から浮き上がることを規制する、箱詰め装置である。
【0021】
(作用)
第3の発明に係る箱詰め装置は、保持部が容器を保持することを妨げない位置に浮き上がり規制部が設けられているため、浮き上がり規制部によって規制されている状態の容器を保持する。
【0022】
(効果)
第3の発明によれば、集成場所の上方に備えられた浮き上がり規制部を集成場所から退避させなくとも、保持部が容器を保持することができる。
【0023】
(構成)
第4の発明は、特に第2または第3の発明に係る箱詰め装置において、前記移送部が、移送方向の前後に並んだ複数の容器のうち、最後に並んだ容器を押して移送し、前記移送部は、蓋体の周壁を押す押圧部材、または蓋体を押さえる押さえ部材の少なくとも一方を含む、箱詰め装置である。
【0024】
(作用)
第4の発明に係る箱詰め装置は、移送方向の前後に並んだ複数の容器のそれぞれの周壁を対向させて移送し、移送方向の前後に並んだ複数の容器のうち、最後に並んだ容器を構成する蓋体の周壁を押すことで容器を押さえる方向に力を加える押圧部材、または蓋体を押さえる押さえ部材の少なくとも一方の部材によって、容器を構成する本体の傾斜する周壁が、他の容器を構成する蓋体の傾斜する周壁の上に乗り上げるなどの容器が浮き上がりを防ぐ。
【0025】
(効果)
第4の発明によれば、移送する容器の浮き上がりを防いで正確に移送することができるため、安定した箱詰めが行える。
【0026】
(構成)
第5の発明は、開口部から底部にかけて内向きに傾斜する周壁を含む本体と、開口部から頂部にかけて内向きに傾斜する周壁を含む蓋体とで構成された容器を集成場所へ移送し、集成場所に移送した所定数の容器を梱包箱に詰める方法であって、周壁を対向させた状態で移送方向の前後に並んだ複数の容器のうち、最後に並んだ容器を押して移送するステップと、集成場所に移送した容器を所定数保持するステップと、保持した容器を梱包箱に詰めるステップとを備え、前記移送するステップは、蓋体の周壁を押すステップ、または蓋体を押さえるステップの少なくとも一方のステップを含む、箱詰め方法である。
【0027】
(作用)
第5の発明に係る箱詰め方法は、移送方向の前後に並んだ複数の容器のそれぞれの周壁を対向させて移送し、移送方向の前後に並んだ複数の容器のうち、最後に並んだ容器を構成する蓋体の周壁を押すこと、または蓋体を押さえることの少なくとも一方を行うことで、容器を構成する本体の傾斜する周壁が、他の容器を構成する蓋体の傾斜する周壁の上に乗り上げるなどの容器の浮き上がりを防ぐ。
【0028】
(効果)
第5の発明によれば、移送する容器の浮き上がりを防いで正確に移送することができるため、安定した箱詰めが行える。
【0029】
(構成)
第6の発明は、開口部から底部にかけて内向きに傾斜する周壁を含む本体と、開口部から頂部にかけて内向きに傾斜する周壁を含む蓋体とで構成された容器を集成場所へ移送し、集成場所に移送した所定数の容器を梱包箱に詰める方法であって、周壁を対向させた状態で移送方向の前後に並んだ複数の容器を移送するステップと、容器の移送方向と直行する方向の両側に設けられた規制部材によって、移送方向と直行する方向への容器の動きを規制するステップと、移送される容器が集成場所から浮き上がることを規制するステップと、
集成場所に移送した容器を所定数保持するステップと、保持した容器を梱包箱に詰めるステップとを備える、箱詰め方法である。
【0030】
(作用)
第6の発明に係る箱詰め方法は、移送する容器の移送方向と直行する方向の両側に設けられ、移送される容器が移送方向と直行する方向へ動くことを規制する規制部材によって、容器を移送する時に、容器と規制部材とが接する部分に摩擦力が生じ、容器がその場に留まろうとするため、容器を構成する本体の傾斜する周壁が、他の容器を構成する蓋体の傾斜する周壁の上に乗り上げるなど、容器が浮き上がる方向に力が加わるが、集成場所の上方で浮き上がりを規制することによって容器が集成場所から浮き上がることを防ぐ。
【0031】
(効果)
第6の発明によれば、集成場所において容器の浮き上がりを防いで正確に移送することができるため、安定した箱詰めが行える。
【0032】
(実施の形態1)
以下、本発明の第1の実施の形態に係る箱詰め装置の構成について、
図1から
図4を参照して説明する。
図1および
図2に示すように、本実施の形態に係る箱詰め装置1は、容器Pを容器搬送方向60へ搬送する容器搬送部2と、容器搬送部2の終端部分3で容器Pを移送方向61へ移送する移送部6と、一対の規制部材15からなる幅規制部13と、集成場所12の上方で容器Pの浮き上がりを規制する浮き上がり規制部14と、所定数の容器Pを吸盤18による吸着によって保持して梱包箱Sに詰める保持部16と、梱包箱Sを梱包箱搬送方向62へ搬送する梱包箱搬送部20とを備える。
【0033】
本実施の形態に係る箱詰め装置1が箱詰めを行う容器および梱包箱の例として、
図7に示す、卵Eを収容する容器Pおよび、
図8に示す梱包箱Sがある。
【0034】
本実施の形態に係る容器Pは、
図7(a)に示すように、合成樹脂製の本体31と蓋体32とからなる。容器Pは、卵Eを収容した後に本体31と蓋体32がテープ39などによって綴じられて
図7(b)の状態になる。容器Pが綴じられた後、蓋体32の上部にはラベル40が貼付され、
図7(c)の状態で梱包箱Sに詰められて出荷される。
【0035】
容器Pの本体31は、卵Eを収容する部分に卵Eの形状に沿った10箇所の凹部が形成されており、1箇所の凹部に1個の卵Eを収容できる。また、本体31は、底部34と、開口部33aから底部34にかけて内向きに傾斜する周壁36aと、フランジ37aによって構成されている。また、蓋体32は、頂部35と、開口部33bから頂部35にかけて内向きに傾斜する周壁36bと、フランジ37bによって構成されており、本体31と蓋体32とは連結部分38で連結され、フランジ37の部分でテープ39によって綴じられているが、開放部分41は連結されておらず、また、綴じられてもいない。なお、
図7および
図8以外の図面に記載されている容器Pは形状を簡略化している。
【0036】
本実施の形態に係る容器Pは、物品として10個の卵Eを収容しているが、これに限らず、8個や、6個など様々な個数に対応した容器であってよい。また、容器の材質も合成樹脂に限らず、たとえば、紙製であってもよい。さらに、収容する物品も卵に限らず、農畜産物や工業製品等を収容する容器であってもよい。
【0037】
本実施の形態に係る梱包箱Sは、
図8(a)に示すように、容器Pを市場に流通させるために、輸送および管理を容易にすべく、所定数の容器Pを梱包箱Sの内部に不要のスペースが生じない効率のよい配置で詰めることができるように側壁50の幅51および奥行き52が規定された合成樹脂製コンテナである。
図8(b)に示すように、本実施の形態に係る梱包箱Sは、幅51の方向に2個の容器Pをそれぞれの開放部分41が接触する状態で詰めることができ、また、奥行き52の方向に6個の容器をそれぞれの連結部分38またはフランジ37部分が接触する状態で詰めることができる。したがって、梱包箱Sは12個の容器Pを隙間なく詰めることができる。
【0038】
本実施の形態に係る梱包箱Sは、容器Pを12個詰められるように幅51と奥行き52が規定されているが、これに限らず、容器の大きさや数量に合わせて様々な幅と奥行きの梱包箱であってもよい。また、梱包箱Sの側壁50を高くして、2段以上容器Pを積み上げるようにしてもよいし、合成樹脂製のコンテナに限らず、段ボール箱であってもよい。
【0039】
次に、容器搬送部2について説明する。
図1に示すように、容器搬送部2は、卵Eを収容して綴じた後の容器Pを容器搬送方向60へ搬送するベルトコンベアである。容器搬送部2には容器Pを容器搬送部2の終端部分3の手前で停留させるための可動ストッパ4aが設けられている。
図1に示すように、容器搬送部2の終端部分3に2個の容器P1が搬送されると、可動ストッパ4aが作動して容器P2を容器搬送部2の終端部分3の手前で止め、容器搬送方向60の上流側に存在する容器P2,P3,P4,・・・を停留させる。また、容器搬送部2の終端部分3には、容器Pを終端部分3で停止させるための固定ストッパ5aが設けられている。
【0040】
次に、移送部6について説明する。移送部6は、容器搬送部2の終端部分3に隣接して設けられている。
図2に示すように、移送部6は、可動台11に設けられている集成場所12へ向けて容器Pを移送する移送装置である。移送部6は、容器Pを押して移送するための押圧部材7を有しており、押圧部材7は、電動アクチュエータ9によって移送方向61に動くことで、容器Pを構成する蓋体32の周壁36bを押して移送する。なお、本実施の形態では、電動アクチュエータ9が押圧部材7を動かしているが、これに限らず、同様の機能を有していれば、エアシリンダなどの他の駆動装置を用いてもよい。
【0041】
可動台11は、水平に移動して退避するための駆動装置(図示せず)が設けられており、
図4(a),(b)に示すように、保持部16が容器P1〜6を梱包箱Sへ詰める時に、可動台11が保持部16と干渉しないように退避することができる。この時、可動台11は
図1および
図2において二点鎖線で示す位置まで退避している。また、可動台11には集成場所12が設けられており、移送部6は、容器P1〜6を可動台11上の集成場所12へ移送する。
【0042】
容器搬送部2の終端部分3と、可動台11との間には、移送部6によって押し出された容器Pの待機場所である固定台10が設けられている。可動台11と固定台10とは、容器Pを滑らせて移送することができるように隣接して設けられている。また、固定台10は、容器搬送部2の終端部分3にも隣接する位置に設けられている。なお、可動台11および固定台10は容器搬送部2の終端部分3と同じ高さで設けられている。
【0043】
移送部6は、
図1に示すように、容器搬送部2によって搬送されてくる容器Pを終端部分3から2個ずつ押し出して固定台10上に移送するように構成されている。また、
図3(a),(b)に示すように、移送部6は容器P1を固定台10上に押し出した後、容器P2を固定台10上に押し出す。この時、移送部6は容器P2を押すことで、固定台10上に先に押し出されている容器P1を固定台10から可動台11上へ押して移送する。
【0044】
移送部6は、
図3(c)に示すように、固定台10および可動台11上に容器P1〜5が押し出される間は固定台10上までしか容器Pを押し出さないが、容器P6を押し出す時は、
図3(d)に示すように、可動台11上に設けられている集成場所12まで容器P6を押して移送する。このように、移送部6が移送方向61の前後に並んだ容器P1〜6のそれぞれの周壁36(
図7に示す容器Pの構成を参照)を対向させて移送し、容器P1〜6のうち、最後に並んだ容器P6を構成する蓋体32の周壁36bを押すことで、容器Pを押さえる方向に力が加わり、移送する容器P6の浮き上がりを防いで、集成場所12に正確に移送することができる。
【0045】
また、移送部6には、容器Pを構成する蓋体32を押さえる押さえ部材8が設けられている。押さえ部材8は、容器Pに対して浮き上がる方向に力が加えられた時に蓋体32を押さえるように、移送部6によって移送される容器Pの上方に設けられている。なお、本実施の形態に係る押さえ部材8は幅が狭い板状の部材であるが、これに限らず、容器Pに対して浮き上がる方向に力が加えられた時に、浮き上がりを押さえることができる部材であればよい。
【0046】
なお、移送部6は、容器Pを構成する蓋体32の周壁36bを押す押圧部材7および容器Pを構成する蓋体32を押さえる押さえ部材8のうち、少なくとも一方を備えていれば、移送方向61の前後に並んだ容器P1〜6のうち、最後に並んだ容器P6の浮き上がりを防ぐことができる。たとえば、押圧部材7が蓋体32の周壁36bを押せば容器Pに対して浮き上がりを押さえる方向に力が加えられるため、押さえ部材8を備えていなくとも、容器Pの浮き上がりを防ぐことができる。また、押圧部材7が蓋体32の周壁36bを押さず、その他の部分を押す場合であっても、押さえ部材8を備えていれば、容器Pの浮き上がりを防ぐことができる。さらに、本実施の形態に係る押さえ部材8は、容器P一個の蓋体32を押さえる長さで構成されているが、これに限らず、容器P二個以上の蓋体32を押さえる長さにしてもよい。このようにすることで、より多くの容器Pの浮き上がりを防ぐことができる。
【0047】
次に、幅規制部13について説明する。幅規制部13は、容器Pの移送方向61と直交する方向の両側に設けられた規制部材15で構成されている。規制部材15は、移送方向61と直交する方向への容器Pの動きを規制している。本実施の形態に係る規制部材15は板状の部材であるが、これに限らず、移送方向61と直交する方向への容器Pの動きを規制することができる形状の部材であればよい。また、規制部材15の素材としては金属に限らず樹脂等で構成された部材を用いてもよい。なお、規制部材15は摩擦係数の低い素材で構成されることが好ましい。
【0048】
本実施の形態において、規制部材15は可動台11の上に固定されており、
図4に示すように、可動台11が退避する時には可動台11とともに退避する。また、一対の規制部材15が固定されている幅は、
図8に示す梱包箱Sの幅51よりもわずかに狭くなっている。このようにすることで、移送方向61と直交する方向に並んだ容器Pを密着させることができ、所定数の容器Pを可動台11の中央に寄せた状態で集成場所12に整列させることができる。そうすると、所定数の容器Pを一括して梱包箱Sに詰める時に、容器Pが梱包箱Sの側壁50に接触することが減り、安定した箱詰めが行える。
【0049】
また、規制部材15は、
図1に示すように固定台10の近傍で外向きに湾曲している。このようにすることで、移送部6が容器Pを固定台10から可動台11へ移送する時に、容器Pが規制部材15の端部に接触するおそれがなくなる。
【0050】
次に、浮き上がり規制部14について説明する。浮き上がり規制部14は、可動台11上に設けられた集成場所12の上方に設けられ、移送部6が移送する容器Pが可動台11から浮き上がることを規制している。本実施の形態に係る浮き上がり規制部14は、規制部材15と同様に摩擦係数の低い素材で構成されることが好ましい。また、浮き上がり規制部14は、規制部材15を介して可動台11に固定されており、
図4に示すように、可動台11が退避する時には可動台11とともに退避する。
【0051】
図9(d)に示すように、複数の容器Pを移送すると、容器P5に容器P6が乗り上げたり、容器P3および容器P4のように互いに押し合ったりするなどして、容器Pの一部がテーブル211上から浮き上がることがあるが、浮き上がり規制部14を備えることで、容器Pの浮き上がりを防ぐことができる。特に、本実施の形態に係る箱詰め装置1は、幅規制部13を備えているため、容器Pが幅規制部13と接触することで、容器Pと幅規制部13との間に摩擦が生じて容器Pが浮き上がりやすい状態になるが、浮き上がり規制部14が容器Pの浮き上がりを防ぐことで、安定した箱詰めが行える。
【0052】
また、浮き上がり規制部14は、
図2に示すように固定台10の近傍で上向きに湾曲している。このようにすることで、移送部6が容器Pを固定台10から可動台11へ移送する時に、容器Pが浮き上がり規制部14の端部に接触するおそれがなくなる。なお、浮き上がり規制部14は、板状の部材で構成されているが、これに限らず、可動台11上から容器Pが浮き上がることを規制することができればよいので、たとえば、ローラー状の部材やブラシ状の部材であってもよい。
【0053】
さらに、可動台11には固定ストッパ5bが設けられており、固定ストッパ5bは、移送部6によって移送されてきた容器Pを可動台11上から落ちないように止める位置に固定されている。また、固定ストッパ5bは、可動台11に固定されており、
図4に示すように、可動台11が退避する時には可動台11とともに退避する。
【0054】
次に、保持部16について説明する。
図2および
図4に示すように、保持部16は、吸着ヘッド17と、吸着ヘッド17に取り付けられた吸盤18によって構成されている。吸着ヘッド17は、吸着ヘッド17に取り付けられた吸盤18によって容器P1〜6を吸着して保持し、下方に設けられた梱包箱搬送部20によって搬送される梱包箱Sに容器P1〜6を一括して詰める。なお、
図1では保持部16の記載を省略しているが、実際には、
図2に示すように集成場所12の上方に設けられている。本実施の形態に係る保持部16は、吸盤18によって容器Pを吸着することで容器Pを保持しているが、これに限らず、移送部6が集成場所12まで移送した所定数の容器Pを保持して、梱包箱Sに詰めることができればよいので、たとえば、容器を掴んで保持する把持機構であってもよい。
【0055】
保持部16には、吸着ヘッド17を上下させるためのアーム19が設けられており、アーム19は、アーム19を駆動することで吸着ヘッド17を上下に動かすための駆動装置(図示せず)に取り付けられている。
【0056】
本実施の形態において、浮き上がり規制部14は、移送部6によって移送される容器P1〜6の浮き上がりを規制するために集成場所12の全体を覆うのではなく、保持部16が容器P1〜6を吸着して保持することを妨げない位置、すなわち、幅規制部13の近傍で、容器P1〜6が集成場所12から浮き上がることを規制している。これにより、浮き上がり規制部14が容器P1〜6の浮き上がりを規制した状態のまま、保持部16が容器P1〜6を保持することができるように構成されている。
【0057】
また、本実施の形態に係る浮き上がり規制部14は、可動台11が退避する時に、保持部16と接触しない位置に設けられている。このようにすることで、
図4(a),(b)に示すように、保持部16が容器P1〜6を保持した状態のまま、浮き上がり規制部14が可動台11とともに集成場所12から退避することができる。
【0058】
次に、梱包箱搬送部20について説明する。梱包箱搬送部20は、
図1に示すように梱包箱Sをローラー21の回転によって梱包箱搬送方向62へ搬送する駆動ローラーコンベアである。梱包箱搬送部20には、梱包箱Sを集成場所12の下方で、梱包箱Sに所定数の容器Pが詰められるまで停止させるための可動ストッパ4cと、集成場所12の下方に梱包箱Sが停止している時に梱包箱Sを梱包箱搬送方向62の上流側で停留させるための可動ストッパ4bが設けられている。
【0059】
次に、本発明の第1の実施の形態に係る箱詰め装置1が、容器Pを集成場所12まで移送する時の動作について、
図1および
図3を参照して説明する。
【0060】
図1に示すように、容器Pは、容器搬送方向60の上流から容器搬送部2によって搬送され、容器搬送部2の終端部分3に到達する。終端部分3に2個の容器P1が搬送されると、容器搬送部2に設けられている可動ストッパ4aが作動することで容器P2が止められ、容器搬送方向60の上流側に存在する複数の容器Pは容器搬送部2上に停留する。
【0061】
容器搬送部2の終端部分3に搬送された2個の容器P1は、移送部6の押圧部材7によって固定台10上に押し出され、固定台10上で待機する。押圧部材7は、固定台10上に容器P1を押し出すと、容器搬送部2上に戻る。押圧部材7が容器搬送部2上に戻ると、可動ストッパ4aが作動して、停留させられていた容器P2は、容器搬送部2の終端部分3に送られる。
図3(a)は最初に固定台10上に押し出され、固定台10上で待機する容器P1と、容器搬送部2の終端部分3に搬送されてきた容器P2を示している。
【0062】
その後、容器P2は、移送部6の押圧部材7によって固定台10上に押し出され、押し出された容器P2は固定台10上で待機する。固定台10上で待機していた容器P1は、移送部6の押圧部材7によって押し出されてきた容器P2によって押され、可動台11上に押し出される。
図3(b)は、容器P2が固定台10上に押し出され、固定台10上で待機していた容器P1が可動台11上に押し出された状態を示している。
【0063】
上記の移送部6の動作は、移送部6の押圧部材7によって可動台11および固定台10の上に容器P1〜5が押し出されるまで繰り返される。
図3(c)は、固定台10および可動台11上に容器P1〜5が押し出された後に、容器搬送方向60の上流から容器搬送部2によって搬送されてきた容器P6を示している。
【0064】
容器P6が容器搬送部2の終端部分3に到達すると、移送部6の押圧部材7によって、
図3(d)に示す位置まで容器P6が押される。この時、押圧部材7によって押される容器P6が、さらに容器P1〜5押すことで、容器P1〜6は可動台11上を滑りながら、集成場所12まで移送される(ステップ1)。
【0065】
また、移送される容器Pは、移送方向61と直交する方向の両側に設けられた規制部材15によって、移送方向と直交する方向への容器Pの動きを規制され(ステップ2)、さらに、浮き上がり規制部14によって、容器Pは可動台11から浮き上がることを規制される(ステップ3)。
【0066】
次に、本発明の第1の実施の形態に係る箱詰め装置1が、集成場所12に移送された容器P1〜6を梱包箱Sに詰める動作について、
図1および
図4を参照して説明する。
【0067】
容器P1〜6は、可動台11上に設けられた集成場所12まで移送されると、
図4(a)に示すように、吸着ヘッド17に取り付けられた複数の吸盤18によって吸着されることで、保持部16に一括して保持される(ステップ4)。
【0068】
複数の吸盤18によって容器P1〜6が吸着された状態で、可動台11は
図4(a)示す初期位置から矢印方向へ水平に移動して退避する。
図4(b)は、可動台11が退避した後の状態を示している。この時、容器搬送部2の終端部分3には次に集成場所12に移送される最初の容器Pである容器P7(
図3(a)の容器P1に対応)が、容器搬送部2によって搬送されている。可動台11の退避が完了すると吸着ヘッド17が下降し、容器P1〜6は梱包箱搬送部20上の梱包箱Sに一括して詰められる。(ステップ5)
【0069】
図4(c)は、吸着ヘッド17が下降し、容器P1〜6が梱包箱Sに詰められている状態を示している。この時、容器搬送部2の終端部分3に搬送されていた容器P7は、移送部6の押圧部材7によって固定台10上に押し出され、固定台10上で待機している。
【0070】
容器P1〜6が梱包箱Sに詰められると、吸着ヘッド17は
図4(a)に示す初期位置まで上昇する。吸着ヘッド17が初期位置まで上昇すると、可動台11は矢印方向へ水平にスライドして、
図3(a)に示す状態まで戻ることで、梱包箱Sへの箱詰め動作が完了する。
【0071】
梱包箱Sに容器P1〜6が詰められると、可動ストッパ4cが梱包箱Sの停止を解き、梱包箱Sは、
図1に示す梱包箱搬送方向62へと梱包箱搬送部20によって搬送される。同時に、梱包箱搬送方向62の上流側に設けられている可動ストッパ4bが停留させている梱包箱Sの停留を解き、上流側で停留させられていた梱包箱Sは梱包箱搬送方向62へと梱包箱搬送部20によって搬送され、可動ストッパ4cによって集成場所12の下方で停止させられる。
【0072】
上記動作説明では、移送部6の押圧部材7が、移送方向61の前後に並んだ複数の容器Pのうち、最後に並んだ容器Pを構成する蓋体32の周壁36bを押す(ステップ1a)場合について説明を行っているが、押さえ部材8によって、浮き上がろうとする容器Pの蓋体32を押さえる(ステップ1b)ようにしてもよい。また、押圧部材7および、押さえ部材8の両方を備え、少なくとも一方によって容器Pの浮き上がりを押さえるようにしてもよい。
【0073】
(実施の形態2)
以下、本発明の第2の実施の形態に係る箱詰め装置の構成について、
図5および
図6を参照して説明する。
図5および
図6に示すように、本実施の形態に係る箱詰め装置101は、容器Pを容器搬送方向60へ搬送する容器搬送部102と、容器搬送部102の終端部分103で容器Pを移送方向61へ移送する移送部106と、一対の規制部材115からなる幅規制部113と、集成場所112の上方で容器Pの浮き上がりを規制する浮き上がり規制部114と、所定数の容器Pを保持して梱包箱Sに詰める保持部116と、梱包箱Sを梱包箱搬送方向62へ搬送する梱包箱搬送部120とを備える。
【0074】
本実施の形態に係る箱詰め装置101においても、箱詰めを行う容器および梱包箱は、
図7および
図8に示す容器Pおよび梱包箱Sとなっている。
【0075】
容器搬送部102は、卵Eを収容し、綴じられた後の容器Pを容器搬送方向60へ搬送するベルトコンベアである。容器搬送部102には容器Pを容器搬送部102の終端部分103の手前で停留させるための可動ストッパ104aが設けられている。
図5に示すように、容器搬送部102の終端部分103に6個の容器P8が搬送されると、可動ストッパ104aが作動して容器P9を止め、容器搬送方向60の上流側に存在する容器P9,10,・・・を停留させる。また、容器搬送部102の終端部分103には、容器Pを終端部分103で停止させるための固定ストッパ105aが設けられている。
【0076】
次に、移送部106について説明する。移送部106は、容器搬送部102の終端部分103に隣接して設けられている。
図6に示すように、移送部106は、可動台111に設けられている集成場所112へ向けて容器Pを移送する移送装置である。移送部106は、容器Pを押して移送するための押圧部材107を有しており、押圧部材107は、電動アクチュエータ109によって移送方向61に動くことで、容器Pを構成する蓋体32の周壁36bを押して移送する。なお、本実施の形態では、電動アクチュエータ109が押圧部材107を動かしているが、これに限らず、同様の機能を有していれば、エアシリンダなどの他の駆動装置を用いてもよい。
【0077】
可動台111は、
図5および
図6に二点鎖線で示す位置まで水平に移動するように構成されており、可動台111には退避するための駆動装置(図示せず)が設けられている。駆動装置が設けられていることにより、保持部116が所定数の容器Pを梱包箱Sへ詰める時に、可動台111が保持部116と干渉しないよう退避することができる。この時、可動台111は
図5および
図6において二点鎖線で示す位置に退避している。また、可動台111には集成場所112が設けられており、移送部106は、所定数の容器Pを可動台111上の集成場所112へ移送する。
【0078】
容器搬送部102の終端部分103と、可動台111との間には、移送部106によって押し出された容器Pの待機場所である固定台110が設けられている。可動台111と固定台110とは、容器Pを滑らせて移送することができるように隣接して設けられている。また、固定台110は、容器搬送部102の終端部分103にも隣接する位置に設けられている。なお、可動台111および固定台110は容器搬送部102の終端部分103と同じ高さで設けられている。
【0079】
移送部106は、
図5に示すように、容器搬送部102によって搬送されてくる容器Pを終端部分103から6個ずつ押し出して固定台110上に移送するように構成されている。また、移送部106は容器P8を固定台110上に押し出した後、容器搬送方向60の上流側から搬送されてくる6個の容器P9を固定台110上に押し出す。この時、移送部106は容器P9を押すことで、固定台110上に先に押し出されている容器P8を固定台110から可動台111上へ押して移送する。
【0080】
また、移送部106には、容器Pを構成する蓋体32を押さえる押さえ部材108が設けられている。押さえ部材108は、容器Pに対して浮き上がる方向に力が加えられた時に蓋体32を押さえるように、移送部106によって移送される容器Pの上方に設けられている。なお、本実施の形態に係る押さえ部材108は、幅の狭い板状の部材であるが、これに限らず、容器Pに対して浮き上がる方向に力が加えられた時に、浮き上がりを押さえることができる部材であればよい。
【0081】
なお、移送部106は、容器Pを構成する蓋体32の周壁36bを押す押圧部材107および容器Pを構成する蓋体32を押さえる押さえ部材108のうち、少なくとも一方を備えていれば、容器Pの浮き上がりを防ぐことができる。たとえば、押圧部材107が蓋体32の周壁36bを押せば容器Pに対して浮き上がりを押さえる方向に力が加えられるため、押さえ部材108を備えていなくとも、容器Pの浮き上がりを防ぐことができる。また、押圧部材107が蓋体32の周壁36bを押さず、その他の部分を押す場合であっても、押さえ部材108を備えていれば、容器Pの浮き上がりを防ぐことができる。さらに、本実施の形態に係る押さえ部材108は、容器P一個の蓋体32を押さえる長さで構成されているが、これに限らず、容器P二個の蓋体32を押さえる長さにしてもよい。このようにすることで、移送部106が移送する所定数の容器Pの浮き上がりを防ぐことができる。
【0082】
次に、幅規制部113について説明する。幅規制部113は、容器Pの移送方向と直交する方向の両側に設けられた規制部材115で構成されている。規制部材115は、移送方向61と直交する方向への容器Pの動きを規制している。本実施の形態に係る規制部材115は板状の部材であるが、これに限らず、移送方向61と直交する方向への容器Pの動きを規制することができる形状の部材であればよい。また、規制部材115の素材としては金属に限らず樹脂等で構成された部材を用いてもよい。なお、規制部材115は摩擦係数の低い素材で構成されることが好ましい。
【0083】
本実施の形態において、規制部材115は、可動台111の上に固定されており、
図5および
図6に二点鎖線で示すように、可動台111が退避する時には可動台111とともに退避する。また、一対の規制部材115が固定されている幅は、
図8に示す梱包箱Sの奥行き52よりもわずかに狭くなっている。このようにすることで、移送方向61と直交する方向に並んだ容器Pを密着させることができ、所定数の容器Pを可動台111の中央に寄せた状態で集成場所112に整列させることができる。そうすると、所定数の容器Pを一括して梱包箱Sに詰める時に、容器Pが梱包箱Sの側壁50に接触することが減り、安定した箱詰めが行える。
【0084】
また、規制部材115は、
図5に示すように固定台110の近傍で外向きに湾曲している。このようにすることで、移送部106が容器Pを固定台110から可動台111へ移送する時に、容器Pが規制部材115の端部に接触するおそれがなくなる。
【0085】
次に、浮き上がり規制部114について説明する。浮き上がり規制部114は、可動台111上に設けられた集成場所112の上方に設けられ、移送部106が移送する容器Pが可動台111から浮き上がることを規制している。本実施の形態に係る浮き上がり規制部114は、規制部材115と同様に摩擦係数の低い素材で構成されることが好ましい。
【0086】
また、浮き上がり規制部114は、
図6に示すように固定台110の近傍で上向きに湾曲している。このようにすることで、移送部106が容器Pを固定台110から可動台111へ移送する時に、容器Pが浮き上がり規制部114の端部に接触するおそれがなくなる。なお、浮き上がり規制部114は、板状の部材で構成されているが、これに限らず、可動台111上から容器Pが浮き上がることを規制することができればよいので、たとえば、ローラー状の部材やブラシ状の部材であってもよい。
【0087】
さらに、可動台111には固定ストッパ105bが設けられており、固定ストッパ105bは、移送部106によって移送されてきた容器Pを可動台111上から落ちないように止める位置に固定されている。また、浮き上がり規制部114は、規制部材115または固定ストッパ105bを介して可動台111に固定されており、
図5および
図6に示すように、可動台111が退避する時には可動台111とともに退避する。
【0088】
次に、保持部116について説明する。
図6に示すように、保持部116は、吸着ヘッド117と、吸着ヘッド117に取り付けられた吸盤118によって構成されている。吸着ヘッド117は、吸着ヘッド117に取り付けられた吸盤118によって所定数の容器Pを吸着して保持し、下方に設けられた梱包箱搬送部120によって搬送される梱包箱Sに所定数の容器Pを一括して詰める。なお、
図5では保持部116の記載を省略しているが、実際には集成場所112の上方に設けられている。本実施の形態に係る保持部116は、吸盤118によって容器Pを吸着することで容器Pを保持しているが、これに限らず、移送部106が集成場所112まで移送した所定数の容器Pを保持して、梱包箱Sに詰めることができればよいので、たとえば、容器を掴んで保持する把持機構であってもよい。
【0089】
保持部116には、吸着ヘッド117を上下させるためのアーム119が設けられており、アーム119は、アーム119を駆動することで吸着ヘッド117を上下に動かすための駆動装置(図示せず)に取り付けられている。
【0090】
本実施の形態において、浮き上がり規制部114は、移送部106によって移送される容器P全ての浮き上がりを規制するために集成場所112の全体を覆うのではなく、保持部116が吸盤118によって容器Pを吸着する時に妨げない位置である、4箇所に設けて容器Pが集成場所112から浮き上がることを規制している。これにより、浮き上がり規制部114が容器Pの浮き上がりを規制した状態のまま、保持部116が所定数の容器Pを保持することができるように構成されている。
【0091】
また、本実施の形態に係る浮き上がり規制部114は、可動台111が退避する時に、保持部116と接触しない位置に設けられている。このようにすることで、保持部16が所定数の容器Pを保持した状態のまま、浮き上がり規制部114が可動台111とともに集成場所112から退避することができる。
【0092】
次に、梱包箱搬送部120について説明する。梱包箱搬送部120は、
図1に示すように梱包箱Sをローラー121の回転によって梱包箱搬送方向62へ搬送する駆動ローラーコンベアである。梱包箱搬送部20には、梱包箱Sを集成場所112の下方で、梱包箱Sに所定数の容器Pが詰められるまで停止させるための可動ストッパ4cと、集成場所112の下方に梱包箱Sが停止している時に梱包箱Sを梱包箱搬送方向62の上流側で停留させるための可動ストッパ4bが設けられている。
【0093】
本実施の形態に係る箱詰め装置101であれば、移送部106による二回の移送動作によって集成場所112に所定数の容器Pを整列させることができるため、短時間で多くの容器Pを梱包箱Sに箱詰めすることができ、箱詰めに要する時間を大幅に短縮することができる。
【0094】
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。