(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記組成物供給ステップは、前記隙間における前記電子機器の内方側の1または複数の供給用のゲートから前記電子機器の内方側の1または複数の排出用のゲートへと前記液状の硬化性組成物を流し込むステップである請求項1に記載の画像表示部パネルユニットの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る画像表示部パネルユニットおよびその製造方法の各実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0020】
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態に係る画像表示部パネルユニットを備える電子機器の平面図を示す。
図2は、
図1の電子機器のI−I線縦断面であって主なパーツの組み立て図およびその組み立て図における一部(A−B−C−Dで囲まれた領域)の拡大断面図をそれぞれ示す。
【0021】
図1および
図2に示すように、電子機器1は、電源のオン/オフを操作するためのキー5と、筺体10と透光性の表示板20とを接合した画像表示部パネルユニット2と、画像表示部パネルユニット2の
図1の紙面裏側にある裏蓋49と、を備える。筐体10は、その厚さ方向に貫通する開口部15を備え、その開口部15に表示板20を備える。画像表示部パネルユニット2は、その開口部15の内周端面16と表示板20の外周端面21との隙間に、その隙間を閉塞し、かつ内周端面16および外周端面21に接合する弾性部材30を備える。
【0022】
弾性部材30は、表示板20の外周端面21を取り囲む形態にて表示板20に固着する。また、弾性部材30は、筐体10の開口部15の内周端面16に沿う形態で筐体10に固着する。筐体10は、好ましくは、その内周端面16の下方(すなわち、電子機器1の内部の方向)に、段差部35を備える。段差部35は、開口部15の内側に向かって突出する鍔部である。表示板20は、段差部35の上面35a(すなわち、電子機器1の表側の方向にある面)に接している。本願において、「上面」とは、段差部35における電子機器1の表側の面の方向にある面であって、物理的に接触可能な面のみならず、例えば、段差部35に後述の貫通孔37が存在する場合にはその貫通孔37の開口面(接触し得ない仮想の面)をも含むように広義に解釈される。弾性部材30は、開口部15の内周端面16と、表示板20の外周端面21と、段差部35の上面35aとに接合する。ここで、弾性部材30は、好ましくは、表示板20の裏側の面(例えば、段差部35の上面35aと表示板20の裏側の面との間など)には存在しない。なお、
図1に示すように、電子機器1は、好ましくは、表示板20の平面視にて外周囲に、遮光層25を備える。遮光層25で囲まれた矩形領域は、表示領域と操作領域とを兼ねる領域である。ただし、その矩形領域は、表示領域のみの機能を有する領域でも良い。
【0023】
筐体10は、好ましくは、その下方端面に、環状のシール部材40を備える。シール部材40は、筐体10と裏蓋49との間にあって、その隙間からの水あるいは粉塵の侵入を防止する機能を有する。裏蓋49は、ネジ(不図示)等によって筐体10の裏側と固定され、筐体10から着脱容易な構造を有する。ただし、シール部材40は必須の構成部材ではなく、裏蓋49と筐体10とは、接着剤あるいは両面テープ等により着脱不可の状態で固着しても良い。
【0024】
筐体10と裏蓋49とで囲まれた内部には、タッチセンサ部材46、電子回路基板47、バッテリー48が備えられている。タッチセンサ部材46は、表示板20の直下にあって、好ましくは、表示板20の表側の面における指の操作を可能とする静電容量センサを備える。ただし、電子機器1は、その内部において、タッチセンサ部材46に変えて、単に表示のみを可能とする液晶表示部材を備えても良い。
【0025】
表示板20は、この実施の形態では、ガラス製の薄板である。ただし、表示板20は、ガラス以外に、PMMAやPETなどの樹脂から成る薄板でも良い。また、弾性部材30は、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、エチレンプロピレンジエンゴムあるいはスチレンブタジエンゴム等の熱硬化性エラストマー; ウレタン系、エステル系、スチレン系、オレフィン系、ブタジエン系あるいはフッ素系等の熱可塑性エラストマー; あるいはそれらの複合物等などから好適に構成され、特にシリコーンゴムにて特に好適に構成される。シール部材40も、弾性部材30と同様の上記材料の1つから構成される。筐体10および裏蓋49は、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂といった樹脂から好適に構成される。ただし、筐体10または裏蓋49は、金属、セラミックス等の樹脂以外の材料から構成することもできる。
【0026】
この実施の形態に係る画像表示部パネルユニット2の特徴は、筐体10と表示板20とを弾性部材30を挟んで一体化していることである。ここで、「一体化」は、弾性部材30が筐体10および表示板20と固着し、筐体10から弾性部材30付きの表示板20を容易に分離できない状態で、かつ弾性部材30付きの筐体10から表示板20をも容易に分離できない状態を意味する。筐体10の内周端面16および表示板20の外周端面21の少なくともいずれか1つは、弾性部材30との接着性を高めるために、易接着処理を施した面であっても良い。易接着処理とは、シランカップリング剤に代表されるカップリング剤の塗布、火炎処理、プラズマ処理、紫外線の照射、火炎形成のための燃料ガス中にシラン化合物を含め、その火炎を用いて表面処理を行うイトロ処理(登録商標)に代表される表面改質処理を意味する。
【0027】
筐体10と表示板20とを弾性部材30を挟んで一体化している限り、段差部35は必須の構成ではない。ただし、段差部35を筐体10に形成すると、表示板20を段差部35に載置した状態で弾性部材30を形成でき、弾性部材30を、表示板20の外周端面21、筐体10の開口部15の内周端面16および段差部35の上面35aの3つの面に固着できる。この結果、表示板20の高さ方向のズレを防止でき、かつ弾性部材30の筐体10および表示板20への強固な接着を実現できる。
【0028】
<第2の実施の形態>
次に、本発明に係る画像表示部パネルユニットの第2の実施の形態について説明する。この実施の形態では、第1の実施の形態と共通する構成部分については、同一の符号を付し、適宜、その説明を省略する。
【0029】
図3は、第2の実施の形態に係る画像表示部パネルユニットの
図2と同様の縦断面図およびその一部(一点鎖線で囲まれた2箇所)の拡大断面図をそれぞれ示す。
【0030】
第2の実施の形態に係る画像表示部パネルユニット2は、第1の実施の形態と異なり、段差部35の上下厚さ方向に貫通する貫通孔37を備え、貫通孔37を埋設する柱状部30aを有する弾性部材30を備える。貫通孔37は、この実施の形態では、画像表示部パネルユニット2の縦断面に2個存在する。しかし、貫通孔37は、3個以上で、かつ当該縦断面以外の箇所に1個以上配置されていても良い。また、貫通孔37を1個のみ備えても良い。貫通孔37の好ましい個数は、2個以上であり、その一部を硬化性組成物の供給口とし、その他を硬化性組成物の排出口とするのが好ましい。筐体10aの内周端面16と表示板20の外周端面21との隙間に硬化性組成物を供給する際、その隙間に存在する空気を追い出しながら、硬化性組成物をその隙間に充填する方が、欠けや硬化性組成物の合流線などのない弾性部材30を形成しやすいからである。硬化性組成物は、弾性部材30の材料により種々選択である。例えば、弾性部材30をシリコーンゴムとする場合には、硬化性オルガノポリシロキサンおよび硬化剤等を含む硬化性組成物を選択するのが好ましい。
【0031】
第2の実施の形態に係る画像表示部パネルユニット2を製造する際には、後述するように、段差部35に形成される貫通孔37の一つから、矢印G1で示すように、硬化性組成物を供給し、他の貫通孔37から、矢印G2に示すように、硬化性組成物を空気とともに排出するのが好ましい。このような方法を用いると、弾性部材30の表側の面(電子機器1の表側の面)にゲート部位(製造工程中に生じたゲートの切断部位)を生じさせない。1または複数のゲート部位36は、弾性部材30における電子機器1の内方側の面に存在する。この実施の形態では、ゲート部位36は、具体的には、段差部35の厚さ方向に貫通する柱状部30aの下端である。段差部35を設けない場合には、段差部35の厚さ方向に柱状部30aを備えないが、ゲート部位36は、弾性部材30の下面に存在する。このように、ゲート部位36は、弾性部材30の下方に存在し、上方には存在しないので、電子機器1のデザイン低下を防止できると共に、指等が弾性部材30に引っ掛かり、弾性部材30が剥がれ、あるいは弾性部材30と筐体10a若しくは弾性部材30と表示板20との間に隙間が生じる危険性が低くなる。さらに、柱状部30aが段差部35を貫通している場合には、弾性部材30と筐体10aとの接触面積がより大きくなり、弾性部材30が容易に剥がれなくなる。
【0032】
<第3の実施の形態>
次に、本発明に係る画像表示部パネルユニットの第3の実施の形態について説明する。この実施の形態では、第1および第2の各実施の形態と共通する構成部分については、同一の符号を付し、適宜、その説明を省略する。
【0033】
図4は、第3の実施の形態に係る画像表示部パネルユニットの
図2と同様の拡大断面図の一つを示す。
【0034】
第3の実施の形態に係る画像表示部パネルユニット2は、第2の実施の形態と同様に、段差部35の上下厚さ方向に貫通する貫通孔37を備えるが、第2の実施の形態と異なり、弾性部材30の最表面を、筐体10bおよび表示板20aの各最表面よりも内方(電子機器1の内部側の方向)に窪ませている。具体的には、筐体10bは、開口部15の内周端面16の表側縁に、表側に向かって拡がるように第一斜面部位50を備える。また、表示板20aは、その外周端面21の表側縁に、表側に向かって拡がるように第二斜面部位51を備える。弾性部材30は、第一斜面部位50および第二斜面部位51より内方の隙間を閉塞する。これにより、金型の一部(突出部)を、第一斜面部位50および第二斜面部位51から当該隙間に入れて底上げの状態にして、貫通孔37側から液状の硬化性組成物を当該隙間に供給できるので、液状の硬化性組成物が筐体10bおよび表示板20aの最表面側に漏れて、弾性部材30のバリが電子機器1の表側の面に形成される事態を低減できる。また、金型内における表示板20aの位置合わせを、金型の上記突出部を利用して行うことができるので、表示板20aの開口部15における正確な位置決めが可能となる。また、表示板20aごとの厚みのバラツキがある場合でも、第二斜面部位51がそれを吸収してくれるので、製造時に、表示板20aが破損する危険性を低減できる。
【0035】
<第4の実施の形態>
次に、本発明に係る画像表示部パネルユニットの第4の実施の形態について説明する。この実施の形態では、第1、第2および第3の各実施の形態と共通する構成部分については、同一の符号を付し、適宜、その説明を省略する。
【0036】
図5は、第4の実施の形態に係る画像表示部パネルユニットの
図2と同様の拡大断面図の一つを示す。
【0037】
第4の実施の形態に係る画像表示部パネルユニット2は、第3の実施の形態と同様に、段差部35の上下厚さ方向に貫通する貫通孔37を備え、弾性部材30の最表面を筐体10bおよび表示板20bの各最表面よりも内方(電子機器1の内部側の方向)に窪ませているが、第3の実施の形態と異なり、表示板20bの厚さを第3の実施の形態における表示板20aのそれよりも薄くしている。具体的には、筐体10bは、開口部15の内周端面16の表側縁に、表側に向かって拡がるように第一斜面部位50を備え、表示板20bは、その外周端面21の表側縁に、表側に向かって拡がるように第二斜面部位52を備え、表示板20bの最表面を筐体10bの最表面よりも厚さDだけ小さくしている。この結果、筐体10bの表側の面は、表示板20bの表側の面に比べて、厚さDだけ突出している。弾性部材30は、第一斜面部位50および第二斜面部位52より内方の隙間を閉塞する。これにより、第3の実施の形態と同様の効果が得られる。さらに、表示板20bの最表面を筐体10bの最表面より厚さDだけ電子機器1の内方に位置にさせることによって、電子機器1をその表示板20bから落下させ、地面等に衝突した際に、表示板20bが地面等に直接的に衝突する危険性を低くすることができる。よって、表示板20bの破損確率を低減できる。
【0038】
2.画像表示部パネルユニットの製造方法
次に、本発明に係る画像表示部パネルユニットの製造方法の各実施の形態について説明する。
【0039】
<第1の実施の形態>
図6は、本発明の実施の形態に係る画像表示部パネルユニットの製造方法の主なステップを含むフローチャートを示す。
【0040】
この実施の形態に係る画像表示部パネルユニットの製造方法は、先に説明した第1の実施の形態に係る画像表示部パネルユニット2を製造する方法である。この実施の形態に係る画像表示部パネルユニットの製造方法は、金型内に、電子機器1の筐体10と、透光性の表示板20とをセットするインサートステップ(ステップS110)と、筐体10および表示板20をインサートした金型を型締めする型締めステップ(ステップS120)と、筐体10の開口部15の内周端面16と表示板20の外周端面21とを含む隙間であって開口部15と表示板20との隙間に、硬化して弾性部材30となる液状の硬化性組成物を供給する組成物供給ステップ(ステップS130)と、硬化性組成物を硬化する硬化ステップ(ステップS140)と、金型を開いて、筐体10と表示板20とを弾性部材30により接合した画像表示部パネルユニット2を取り出す型開きステップ(ステップS150)と、弾性部材30からゲート部材(特に、ゲート部材の残り)を除去するゲート部材除去ステップ(ステップS160)と、を含む。
【0041】
詳細については後述するが、この実施の形態では、筐体10の表側から硬化性組成物を供給するため、ゲート部材の一部が弾性部材30の表側の面に残る可能性が高い。そこで、ゲート部材の一部が残らないように、研磨等の手法によってゲート部材除去ステップ(ステップS160)を行っている。ただし、ゲート部材除去ステップ(ステップS160)は、本発明にとっては必須のステップではない。ゲート部材が弾性部材30の表面にほとんど残らない場合、あるいは残ったとしてもデザイン上問題のない場合には、ゲート部材除去ステップ(ステップS160)を行う必要はない。
【0042】
図7は、第1の実施の形態に係る画像表示部パネルユニットの製造工程の主な工程を断面視にて示す。
【0043】
インサートステップ(ステップS110)にて用いる金型60は、上下方向に型締め可能なインサート成形用の金型であって、上金型61と、下金型62とを備える。ただし、型締め方向は、
図7の紙面上下方向に限定されるものではなく、上下方向に代えて若しくは上下方向とともに左右方向などでも良い。上金型61は、筐体10の内側からセットする金型である。下金型62は、その内底部に表示板20をセットし、さらに筐体10の上方の面を該内底部に向けてセットする金型である。下金型62は、硬化性組成物を金型60内部に供給する供給口としてのゲート63を備える。ゲート63の形状は、好ましくは、下金型62の下面から金型60の内部に向かって径を小さくする略円錐形状である。ただし、ゲート63の形状を略角錐形状等の他の形状としても良い。インサートステップ(ステップS110)に先立ち、筐体10の内周端面16および/または表示板20の外周端面21に易接着処理を施すのが好ましい。
【0044】
下金型62内に、表示板20と、筐体10をインサートし、その上から上金型61をかぶせて、上金型61と下金型62との型締めを行うと、表示板20の外周端面21、筐体10の開口部15の内周端面16、段差部35の上面35aの一部とで囲まれた隙間64が形成される。隙間64は、ゲート63とつながっているため、ゲート63を通じて、硬化性組成物を隙間64に供給可能である。
図7では、画像表示部パネルユニット2の一端側のみを拡大して示し、縦の破線より図中右側を省略しているが、画像表示部パネルユニット2の反対側端部も同様の形態を備える。このため、例えば、ゲート63は、図示されている端部のみならず、他の端部にも存在する。1つのゲート63から液状の硬化性組成物を供給すると(
図7中の矢印G1で示す方向からの供給)、その硬化性組成物は環状の隙間64を流れ、かつ満たし、別のゲート63から流れ出る。これにより、環状の隙間64内の空気を排除しながら硬化性組成物を隙間64に充填できる。
【0045】
硬化性組成物を隙間64とゲート63に充填後、硬化組成物を硬化する。硬化条件は、硬化組成物の種類により異なるが、この実施の形態の硬化条件は、室温からの加温を含む。この結果、隙間64およびゲート63内にそれぞれ弾性部材30およびゲート部材65が形成される。ゲート部材65は、ゲート痕65とも称する。
【0046】
次に、金型60を開き、画像表示部パネルユニット2を金型60から取り出す。この際、ゲート痕65の大部分は、下金型62内に残る。しかし、ゲート痕65の一部は、弾性部材30の表側の面に残る場合がある。そこで、弾性部材30の表側の面を研磨して、ゲート痕65の一部を完全に除去する。
【0047】
<第2の実施の形態>
次に、本発明に係る画像表示部パネルユニットの製造方法の第2の実施の形態について説明する。この実施の形態では、第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を付し、適宜、その説明を省略する。
【0048】
この実施の形態に係る製造方法は、画像表示部パネルユニット2の第2の実施の形態を製造する方法である。この製造方法は、先に説明した第1の実施の形態に係る画像表示部パネルユニットの製造方法と類似するが、
図6のフローチャートにおいて、ゲート部材除去ステップ(ステップS160)が無い点で、第1の実施の形態と異なる。したがって、第2の実施の形態に係る画像表示部パネルユニットの製造方法は、
図6のフローチャート中のインサートステップ(ステップS110)、型締めステップ(ステップS120)、組成物供給ステップ(ステップS130)、硬化ステップ(ステップS140)および型開きステップ(ステップS150)を有する。また、後述するように、組成物供給ステップ(ステップS130)において、第1の実施の形態と硬化性組成物の供給方法が異なる。
【0049】
図8は、第2の実施の形態に係る画像表示部パネルユニットの製造工程の主な工程を断面視にて示す。
【0050】
この実施の形態で用いる金型60は、上下方向に型締め可能なインサート成形用の金型であって、上金型61と、下金型62とを備える。上金型61は、筐体10aの内側からセットする金型である。下金型62は、その内底部に表示板20をセットし、さらに筐体10aの上方の面を該内底部に向けてセットする金型である。上金型61は、第1の実施の形態と異なり、硬化性組成物を金型60内部に供給するゲート71を備える。ゲート71の形状は、前述のゲート63の形状と同様であり、好ましくは、上金型61の上面から金型60の内部に向かって径を小さくする形状である。このため、下金型62にはゲートを備えていない。インサートステップ(ステップS110)に先立ち、筐体10aの内周端面16および/または表示板20の外周端面21に易接着処理を施すのが好ましい点は、第1の実施の形態と同様である。
【0051】
下金型62内に、表示板20と、筐体10aをインサートし、その上から上金型61をかぶせて、上金型61と下金型62との型締めを行うと、表示板20の外周端面21、筐体10aの開口部15の内周端面16、段差部35の上面35aの一部とで囲まれた隙間64が形成される。隙間64は、貫通孔37に通じている。貫通孔37は、ゲート71とつながっている。このため、ゲート71を通じて、硬化性組成物を貫通孔37および隙間64に供給可能である。
図8では、画像表示部パネルユニット2の一端側のみを拡大して示し、縦の破線より図中右側を省略しているが、画像表示部パネルユニット2の反対側端部も同様の形態を備える。このため、例えば、ゲート71は、図示されている端部のみならず、他の端部にも存在する。1つのゲート71から液状の硬化性組成物を供給すると(
図8中の矢印G1で示す方向からの供給)、その硬化性組成物は貫通孔37から環状の隙間64へと流れ、かつ貫通孔37と隙間64とを満たし、別のゲート71から流れ出る。これにより、貫通孔37と環状の隙間64内の空気を排除しながら硬化性組成物を貫通孔37と隙間64に充填できる。このように、組成物供給ステップ(ステップS130)は、隙間64における電子機器1の内方側の1または複数の供給用のゲート71から電子機器1の内方側の1または複数の排出用のゲート71へと液状の硬化性組成物を流し込むステップとなる。
【0052】
次に、硬化性組成物を貫通孔37、隙間64およびゲート71に充填後、硬化組成物を硬化する。硬化条件は、硬化組成物の種類により異なるが、この実施の形態の硬化条件は、室温からの加温を含む。この結果、貫通孔37、隙間64およびゲート71内にそれぞれ柱状部30a、弾性部材30およびゲート部材72が形成される。
【0053】
次に、金型60を開き、画像表示部パネルユニット2を金型60から取り出す。この際、ゲート部材72は、上金型61内に残る。しかし、ゲート部材72の一部は、柱状部30aの表面に残存する可能性がある。しかし、当該一部が残存しても、その箇所が筐体10aの内部であるため、除去する必要はない。
【0054】
<第3の実施の形態>
次に、本発明に係る画像表示部パネルユニットの製造方法の第3の実施の形態について説明する。この実施の形態では、第1および第2の各実施の形態と共通する部分については、同一の符号を付し、適宜、その説明を省略する。
【0055】
この実施の形態に係る製造方法は、画像表示部パネルユニット2の第3の実施の形態を製造する方法である。この製造方法は、先に説明した第2の実施の形態に係る画像表示部パネルユニットの製造方法とほぼ同一であり、インサートステップ(ステップS110)、型締めステップ(ステップS120)、組成物供給ステップ(ステップS130)、硬化ステップ(ステップS140)および型開きステップ(ステップS150)を有する。ただし、後述するように、この実施の形態で使用する下金型62の構造が第2の実施の形態で使用するものと異なる。
【0056】
図9は、第3の実施の形態に係る画像表示部パネルユニットの製造工程の主な工程を断面視にて示す。
【0057】
この実施の形態で用いる金型60は、上下方向に型締め可能なインサート成形用の金型であって、上金型61と、下金型62とを備える。上金型61は、筐体10bの内側からセットする金型である。下金型62は、その内底部に表示板20aをセットし、さらに筐体10bの上方の面を該内底部に向けてセットする金型である。上金型61は、第2の実施の形態と同様、硬化性組成物を金型60内部に供給するゲート71を備える。このため、下金型62にはゲートを備えていない。下金型62は、
図9のインサート工程を説明する図中の拡大図に示すように、段差部35の貫通孔37に向かって突出する突出部75を備える。突出部75は、突出方向に徐々に細くなる断面略台形状で、平面視にて環状の突出部である。表示板20aは、突出部75の内側斜面76に隙間なくあるいはほとんど隙間のない状態で接する第二斜面部位51を備える。また、筐体10bは、内周端面16のさらに表側の面に、突出部75の外側斜面77に隙間なくあるいはほとんど隙間のない状態で接する第一斜面部位50を備える。このため、突出部75は、少なくとも表示板20aの位置合わせの役割を有し、かつ硬化性組成物を表示板20aおよび筐体10bの最表面より内方の位置まで供給し、それ以上表側に供給しないようにするストッパーとしての役割も有する。インサートステップ(ステップS110)に先立ち、筐体10bの内周端面16および/または表示板20aの外周端面21に易接着処理を施すのが好ましい点は、第1および第2の各実施の形態と同様である。
【0058】
下金型62内にて、突出部75の内側および外側の斜面76,77に合わせて、表示板20aと、筐体10bをインサートし、その上から上金型61をかぶせて、上金型61と下金型62との型締めを行うと、表示板20aの外周端面21、筐体10bの開口部15の内周端面16、段差部35の上面35aの一部とで囲まれた隙間64が形成される。隙間64は、貫通孔37に通じている。貫通孔37は、ゲート71とつながっている。このため、ゲート71を通じて、矢印G1で示すように、硬化性組成物を貫通孔37および隙間64に供給可能である。第2の実施の形態と同様、組成物供給ステップ(ステップS130)は、隙間64における電子機器1の内方側の1または複数の供給用のゲート71から電子機器1の内方側の1または複数の排出用のゲート71へと液状の硬化性組成物を流し込むステップとなる。
【0059】
その後の硬化ステップ(ステップS140)および型開きステップ(ステップS150)は、第2の実施の形態と同様である。ゲート部材72は、型開きステップ(ステップS150)の際に、柱状部30aと切り離される。ゲート部材72の一部が柱状部30aの端面に残存する可能性はあるが、その箇所が筐体10bの内部であるため、デザイン上の問題も少なく、必ずしもその除去を要しない。
【0060】
<第4の実施の形態>
次に、本発明に係る画像表示部パネルユニットの製造方法の第4の実施の形態について説明する。この実施の形態では、第1〜第3の各実施の形態と共通する部分については、同一の符号を付し、適宜、その説明を省略する。
【0061】
この実施の形態に係る製造方法は、画像表示部パネルユニット2の第4の実施の形態を製造する方法である。この製造方法は、先に説明した第3の実施の形態に係る画像表示部パネルユニットの製造方法とほぼ同一であり、インサートステップ(ステップS110)、型締めステップ(ステップS120)、組成物供給ステップ(ステップS130)、硬化ステップ(ステップS140)および型開きステップ(ステップS150)を有する。なお、後述するように、この実施の形態で使用する下金型62の構造は、第3の実施の形態で使用するものと異なる。
【0062】
図10は、第4の実施の形態に係る画像表示部パネルユニットの製造工程の主な工程を断面視にて示す。
【0063】
この実施の形態で用いる金型60は、上下方向に型締め可能なインサート成形用の金型であって、上金型61と、下金型62とを備える。上金型61は、筐体10bの内側からセットする金型である。下金型62は、その内底部に表示板20bをセットし、さらに筐体10bの上方の面を該内底部に向けてセットする金型である。上金型61は、第3の実施の形態と同様、硬化性組成物を金型60内部に供給するゲート71を備える。このため、下金型62にはゲートを備えていない。下金型62は、
図10のインサート工程を説明する図中の拡大図に示すように、段差部35の貫通孔37に向かって突出する突出部75aを備える。突出部75aは、突出方向に徐々に細くなる断面略台形状で、平面視にて環状の突出部である。ただし、突出部75aは、第3の実施の形態と異なり、内側斜面76aの裾野の位置と外側斜面77aの裾野の位置とが同一高さではなく、
図10の紙面において、内側斜面76aの裾野の位置の方が厚さDだけ外側斜面77aの裾野の位置より高くなっている。すなわち、内側斜面76aの裾野の位置は、厚さDだけ、外側斜面77aの裾野の位置よりも電子機器1の内方側にある。
【0064】
表示板20bは、突出部75aの内側斜面76aに隙間なくあるいはほとんど隙間のない状態で接する第二斜面部位52を備える。また、筐体10bは、内周端面16のさらに表側の面に、突出部75aの外側斜面77aに隙間なくあるいはほとんど隙間のない状態で接する第一斜面部位50を備える。表示板20bは、第3の実施の形態の表示板20aに比べて薄厚である。ただし、表示板20bは、表示板20aに比べて薄厚であることは必須ではない。筐体10bの開口部15の内周端面16の長さを変え、あるいは段差部35の形状を変えることにより、表示板20bの厚さを表示板20aと同一あるいはそれ以上に設計することもできる。この実施の形態で重要な点は、表示板20bの最表面が筐体10bの最表面より電子機器1の内方に位置していることである。この点を実現するために、突出部75aの形状を第3の実施の形態における突出部75の形状から変更し、突出部75aから外側の面より、突出部75aから内側の面を電子機器1の内方になるように下金型62を設計している。この点が担保されている限り、表示板20bの厚さは如何なる厚さでも良い。
【0065】
突出部75aは、少なくとも表示板20bの位置合わせの役割を有し、かつ硬化性組成物を表示板20bおよび筐体10bの最表面より内方の位置まで供給し、それ以上表側に供給しないようにするストッパーとしての役割も有する。インサートステップ(ステップS110)に先立ち、筐体10bの内周端面16および/または表示板20bの外周端面21に易接着処理を施すのが好ましい点は、第1、第2および第3の各実施の形態と同様である。
【0066】
下金型62内にて、突出部75aの内側および外側の斜面76a,77aに合わせて、表示板20bと、筐体10bをインサートし、その上から上金型61をかぶせて、上金型61と下金型62との型締めを行うと、表示板20bの外周端面21、筐体10bの開口部15の内周端面16、段差部35の上面35aの一部とで囲まれた隙間64が形成される。隙間64は、貫通孔37に通じている。貫通孔37は、ゲート71とつながっている。このため、ゲート71を通じて、矢印G1で示すように、硬化性組成物を貫通孔37および隙間64に供給可能である。第3の実施の形態と同様、組成物供給ステップ(ステップS130)は、隙間64における電子機器1の内方側の1または複数の供給用のゲート71から電子機器1の内方側の1または複数の排出用のゲート71へと液状の硬化性組成物を流し込むステップとなる。
【0067】
その後の硬化ステップ(ステップS140)および型開きステップ(ステップS150)は、第3の実施の形態と同様である。ゲート部材72の除去に関しては、第3の実施の形態と同様である。
【0068】
3.その他の実施の形態
本発明は、上述の各実施の形態に限定されず、種々変形実施可能である。
【0069】
例えば、第3または第4の実施の形態に係る画像表示部パネルユニット2は、貫通孔37を閉塞する柱状部30aを連接する弾性部材30を備えるが、第1の実施の形態と同様の弾性部材30を備えていても良い。すなわち、開口部15の内周端面16の表側縁に第一斜面部位50を備え、表示板20a(または20b)の外周端面21の表側縁に第二斜面部位51(または52)を備え、弾性部材30が第一斜面部位50および第二斜面部位51(または52)より内方の隙間64を閉塞するのみとし、段差部35の上面35aに接する形態であっても良い。その場合には、電子機器1の表側の下金型62にゲート63から硬化性組成物を供給して弾性部材30を形成することができる。また、第4の実施の形態における第二傾斜部位52は、第一傾斜部位50に比べて水平方向に対する角度(鋭角)が小さいが、これとは逆に、第一傾斜部位50に比べ、同一若しくは大きくても良い。
【0070】
段差部35は、必須の構成ではなく、その場合には、硬化性組成物の供給が筐体10,10a,10bの外側から若しくは内側からのいずれであっても、柱状部30aを有さない弾性部材30が形成される。また、第2〜第4の実施の形態における弾性部材30は、
図3〜
図5における断面視にてT字形状であるが、同図において、表示板20,20a,20bの外周端面21と面一の貫通孔37を有する筐体10a,10bにより逆L字形状の弾性部材を形成しても良い。
【0071】
第1の実施の形態における表示板20を表示板20bのように薄厚にして筐体10よりも電子機器1の内方に窪ませ、弾性部材30の表側の面を筐体10の内周端面16の最上部から表示板20の外周端面21の最上部を繋ぐ傾斜面としても良い。