【文献】
「緑ドンVIVA2」,パチスロ攻略マガジンドラゴン 2014年6月号,株式会社プラントピア,2014年 4月21日,p.6-p.17,[p.13の「X-RUSHカーニバル」欄]、等を参照。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記追加上乗せ決定手段により予め定められた特別な組み合わせであると判定された場合、前記遊技区間に、当該判定の対象とされた複数の前記通常上乗せ区間及び前記追加上乗せ決定手段により決定された前記追加上乗せ区間が加算され、
前記追加上乗せ決定手段により予め定められた特別な組み合わせではないと判定された場合、前記遊技区間に、当該判定の対象とされた複数の前記通常上乗せ区間が加算されることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向及び「上」や「下」等の上下方向も、遊技者から見た場合の左方向や右方向、又は上方向や下方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した場合における遊技者から見た方向を意味する。
【0051】
(第1の実施の形態)
(遊技機10)
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、
図1及び
図3を参照しながら説明する。本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
【0052】
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、3個の回転リール62(正面から向かって左側の左回転リール64、中央の中回転リール66、右側の右回転リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。この図柄表示窓部16は、3個全ての回転リール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、回転リール62の正面側に設けられており、回転リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認することが可能に形成されている。回転リール62は、複数の図柄61を図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
【0053】
前記図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、3個のリール駆動モータ65と、この各リール駆動モータ65によってそれぞれ回転させられる合計3個の前記回転リール62と、前記リール駆動モータ65及び前記回転リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有するリールユニット60が配置されている。また、リールユニット60には、回転リール62の回転位置が基準となる位置(基準位置)であることを検出するためリール位置センサ63が設けられている。このリール駆動モータ65は、メイン制御基板110から出力されるリール駆動モータ65を駆動するための駆動信号に基づき駆動する。さらに、リールユニット60には、回転リール62上の図柄61を照らすためのバックランプ67が設けられている。
【0054】
前記図柄表示窓部16の下方には、クレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器87と、このクレジット表示器87の左側に配置され、遊技機10から払い出されたメダルの総数を表示する払出枚数表示器88とが設けられている。これらの表示器は、例えば2個の7セグメントLEDで構成されており、クレジット表示器87は2桁の貯留枚数、払出枚数表示器88は2桁の貯留枚数が表示可能になっている。
【0055】
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上部に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
【0056】
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として投入するためのメダルを後述するメダル投入口38からあらかじめ投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
【0057】
前記操作部30の上面右側には、遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口38が設けられている。
【0058】
筐体12内部であって、前記メダル投入口38の近傍には、メダル投入口38に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して、正規のメダルのみをホッパーユニット24に導くメダルセレクタ17が設けられている。このメダルセレクタ17には、メダル投入口38に投入されたメダルを1枚ずつ検出する投入センサ92が設けられている。
【0059】
なお、筐体12内部には図示しないメダル通路が設けられており、メダルセレクタ17において非正規のメダルとして排除されたメダルや、ホッパーユニット24から払い出されたメダルが、このメダル通路を通過してメダル払出口28から払い出される。
【0060】
メダル投入口38の下方には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。
【0061】
前記操作部30の中央には、操作により対応する回転リール62の回転を停止させるため、3個の回転リール62のそれぞれに対応する3個のストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左回転リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中回転リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右回転リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数の回転リール62それぞれに対応して設けられ、複数の回転リール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
【0062】
このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又はベットスイッチ32の操作を条件に回転リール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。
【0063】
このスタートスイッチ40の上方には、クレジットしたメダル数から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34と、クレジットしたメダル数から1枚のメダル数を減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチ35とが設けられている。
【0064】
マックスベットスイッチ34の右側には、所定の演出において遊技者が操作可能な演出用ボタンスイッチ42が設けられている。
【0065】
前記前扉14の裏側には、扉開閉用スイッチ19、設定変更スイッチ46、設定表示器89などが配置されている(
図3参照)。
【0066】
扉開閉用スイッチ19は前扉14が閉じているか否かを検知するためのものである。この扉開閉用スイッチ19は、前扉14が閉塞している場合に、前扉14の背面と扉開閉用スイッチ19の前面とが押圧されることでオンとなり、前扉14が開放するに従って、前扉14の背面が扉開閉用スイッチ19の前面から離間して押圧が解除されることでオフとなる。
【0067】
設定変更スイッチ46は、後述する電源ユニット43の設定キースイッチ45と共に設定変更を行うためのものである。
【0068】
設定表示器89は、例えば7セグメントの小型のLEDにより、大当り確率の設定値を表示するものである。設定表示器89には、当該遊技機10の設定値が表示されるが、外部から視認できないようにすべく、設定後一定時間が経過するとその表示は解除される。
【0069】
前記前扉14の下部に相当する筐体12の内部には、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができるホッパーユニット24と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44を有すると共に各部品に電力を供給するための電源ユニット43とが配置されている(
図3参照)。
【0070】
このホッパーユニット24には、その駆動によりメダルをメダル払出口28に向けて払い出すホッパーモータ95と、ホッパーユニット24の出口に設けられ、メダル払出口28に払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ94と、ホッパーユニット24のメダルタンクから溢れたメダルを収納するための補助タンクの近傍に設けられ、補助タンク内のメダルが満杯になったことを検出してメイン制御基板110へ信号を出力するオーバーフローセンサ96とが設けられている。
【0071】
この電源ユニット43には、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44と、設定変更処理のための設定キースイッチ45とが設けられている。
【0072】
前記前扉14の下部には、所定の場合にホッパーユニット24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
【0073】
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34やシングルベットスイッチ35等の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、回転リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、回転リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。当該遊技機10は、停止時の図柄61の組み合わせによって、当選した役を構成する図柄61の組み合わせが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組み合わせが当該ライン上に揃ったときに所定の利益が付与されるラインのことであり、以下、有効ライン86とする。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
【0074】
この有効ライン86は、具体的には3個の回転リール62にそれぞれ表示されている図柄61のうち図柄表示窓部16から視認可能な図柄61を各回転リール62につき1個ずつ繋いでできる、複数の回転リール62の全てを貫くライン(途中で折れ曲がりも可)のうち、入賞等するために有効となる図柄61の組み合わせの並びを規定したラインである。このラインは、規定の賭け数(予め定められた数であって本実施の形態では3)のメダルをベットすることにより有効ライン86になる。本実施の形態の有効ライン86は、左回転リール64の下段と中回転リール66の中段と右回転リール68の上段とを結んだ1本のみからなるものである。
【0075】
本実施の形態では、メイン制御基板110により制御/管理される遊技状態の情報に応じて、1回の遊技につき、メダルを3枚ベットすることが可能となっており、3枚のメダルをベットした場合、上述した有効ライン86が有効となる。
【0076】
図2に示すように、左回転リール64、中回転リール66及び右回転リール68の表面には、「赤7」や「青7」等の複数の種々の図柄61が形成されている。具体的には、回転リール62の表面には、赤7図柄(赤色で7が描かれた絵柄)、青7図柄(青色で7が描かれた絵柄)、白7図柄(白色で7が描かれた絵柄)、バー図柄(長方形にBARが描かれた絵柄)、リプレイ図柄(REPの文字が描かれた絵柄)、ベル図柄(ベルを模して描かれた絵柄)、チェリー図柄(チェリーを模して描かれた絵柄)、スイカ1図柄(スイカを模して描かれた絵柄)、スイカ2図柄(スイカ1図柄のスイカとは異なる形状のスイカを模して描かれた絵柄)、スイカ3図柄(スイカ1図柄及びスイカ2図柄のスイカとは異なる形状のスイカを模して描かれた絵柄)が形成されている。同図において、赤7図柄は「RS」、青7図柄は「BS」、白7図柄は「WS」、バー図柄は「BR」、リプレイ図柄は「RP」、ベル図柄は「BE」、チェリー図柄は「CY」、スイカ1図柄は「W1」、スイカ2図柄は「W2」、スイカ3図柄は「W3」として記載している。
【0077】
これら図柄61は、それぞれの絵柄がプリントされたテープを回転リール62の外周表面に貼付することで形成されている。なお、
図2の図柄番号(コマ番号)は、回転リール62の外周表面に物理的に付されているものではなく、仮想的な番号であって、各図柄61の停止表示を制御するためのプログラムで特定の図柄61を指定するためのものである。
【0078】
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させるための演出装置70が形成されている。この演出装置70は、スピーカー72と、演出用ランプ78、表示装置84とを備えている。
【0079】
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
【0080】
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82とを備えている。
【0081】
前記表示装置84は、その画面に種々の映像を表示するための液晶表示装置である。
【0082】
(制御装置100)
図3に示すように、遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、遊技を進行させて遊技状態を制御するメイン制御基板110と、このメイン制御基板110からの情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うための制御を行うサブ制御基板300とを備えている。
【0083】
なお、メイン制御基板110とサブ制御基板300との間は、メイン制御基板110への不正操作を防止するために、メイン制御基板110からサブ制御基板300への一方向の通信により行われ、サブ制御基板300からメイン制御基板110への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。メイン制御基板110は、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50、マックスベットスイッチ34、精算スイッチ36の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60及びホッパーユニット24の作動を制御する。サブ制御基板300は、メイン制御基板110から信号を入力し、表示装置84等の演出装置70の作動を制御する。サブ制御基板300の出力側には、演出装置70としての表示装置84、スピーカー72、演出用ランプ78の各パーツが接続されている。
【0084】
なお、特に図示していないが、メイン制御基板110とサブ制御基板300は、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、メイン制御基板110は、メイン基板ケースの内部に収納され、サブ制御基板300は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
【0085】
また、筐体12内部の正面から向かって右側には、店舗等において遊技機10の稼動状況を集計管理するために設置されるコンピュータなどの外部装置に必要な信号を出力する基板であって、メダルの投入、払い出し、ボーナスの発生、アシストタイム状態(AT)の発生等があった場合にメイン制御基板110から信号が出力される外部集中端子板18が固定されている。
【0086】
メイン制御基板110及びサブ制御基板300は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
【0087】
本実施の形態では、メイン制御基板110により制御される遊技として、
図6を用いて後述するが、大別すると、通常に(一般的に)行われる「一般遊技」、この一般遊技において役抽選手段120の役抽選により特別ボーナス移行役に当選したにもかかわらず当該特別ボーナス移行役に係る図柄61が有効ライン86上に停止しなかった場合に、一般遊技から移行する「内部当選中遊技(RT)」、この内部当選中遊技において特別ボーナス移行役に係る図柄61が有効ライン86上に停止した場合に移行し、一般遊技よりも遊技者へ付与される利益がより大きくなり得る「特別ボーナス遊技(RBB、RB)」と、一般遊技中の「ノーマル遊技」において役抽選の結果、移行可能なシングルボーナス移行役に当選し、シングルボーナス移行役に係る図柄61が有効ライン86上に停止した場合に移行する「シングルボーナス遊技(SB)」とが設けられている。
【0088】
本実施の形態では、役抽選の結果により当選可能な複数のシングルボーナス移行役が設けられている。例えば、「RS(赤7)、RS(赤7)、W1(スイカ1)」が有効ライン86上に揃うと、揃った遊技の次回の遊技からシングルボーナス遊技(SB)が1ゲームだけ開始されるように形成されている。
【0089】
特別ボーナス遊技には、ビッグボーナス(RBB)とレギュラーボーナス(RB)がある。RBBは、特別ボーナス移行役としてのRBBに当選し、さらに当該特別ボーナス移行役に対応した図柄61の組み合せ、例えば、「RS(赤7)、RS(赤7)、RS(赤7)」が有効ライン86上に揃うと、揃った遊技の次回の遊技から開始される遊技である。RBは、特別ボーナス移行役としてのRBに当選し、さらに当該特別ボーナス移行役に対応した図柄61の組み合せ、例えば、「RS(赤7)、W1(スイカ1)、RS(赤7)」が有効ライン86上に揃うと、揃った遊技の次回の遊技から開始される遊技である。
【0090】
なお、特別ボーナス移行役は、当選時の遊技で有効ライン86上に特別ボーナス移行役に対応する図柄61の組み合せが揃わなくても、次回の遊技以降、有効ライン86上に特別ボーナス移行役に対応する図柄61の組み合わせが揃うまで特別ボーナス移行役に当選した状態が有効である(なお、SBは有効とならない)。その他の役(SBも含まれる)は、当選時の遊技で有効ライン86上に役に対応する図柄61の組み合わせが揃わなければ、次回の遊技以降は無効となる。特別ボーナス遊技は、特別ボーナス遊技中に遊技者へ払い出したメダルの総枚数が予め設定された枚数を超えたときに終了する。
【0091】
本実施の形態では、特別ボーナス遊技としてビッグボーナス(RBB)が設けられているが、ビッグボーナス(RBB)は、全ての小役の抽選確率が通常状態よりも高確率にすることで小役の入賞を容易にしているものである。本実施の形態に係るビッグボーナス(RBB)は200枚を超える払出枚数で終了する。もちろん、この終了条件は200枚に限定されるものではなく、他の枚数でも良いものである。
【0092】
サブ制御基板300の制御により実行される遊技状態としては、
図7を用いて後述するが、大別すると、通常に行われる「通常遊技状態」、ストップスイッチ50の押し順や当選図柄61等を報知することによって役に係る図柄61の組み合わせを有効ライン86上に揃って停止させるためのアシストをするアシストタイム(AT)状態である「有利遊技状態」が設けられている。
【0093】
有利遊技状態は、所定の開始条件を達成したときに開始可能であり、所定の終了条件を達成したときに終了可能に形成されている。具体的には、AT遊技(ART状態)は、後述するAT抽選手段180により所定の移行抽選に当選した場合に開始可能であり、所定のゲーム数を消化することで終了されるものである。なお、これらの開始条件や終了条件に限定されるものではなく、他の内容の条件に設定してもよいものである。
【0094】
AT遊技(ART状態)は、予め定められた所定のゲーム数だけ実行可能であるが、この実行可能なゲーム数は、所定の抽選により上乗せ可能に設定されている。
【0095】
本実施の形態の演出には、リール演出と表示演出がある。
【0096】
リール演出は、回転リール62を用いた演出であって、3個の回転リール62の回転や停止、回転方向の変更、回転速度の変更、回転加速度の変更、所定図柄61を揃えた状態で回転させる等の種々の手段により行われるものである。表示演出は、液晶表示装置である表示装置84に表示される動画像や静止画像等により行われる演出である。なお、表示演出に伴ってスピーカー72からの音声や音楽や効果音等は適宜行われる。
【0097】
(メイン制御基板110)
図4に示すように、メイン制御基板110は、役抽選手段120、リール制御手段130、一般遊技制御手段150、RT制御手段160、ボーナス制御手段170、AT抽選手段180、AT制御手段190、リール演出制御手段200、及び払出制御手段210の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
【0098】
なお、これらの手段、特に、AT抽選手段180、AT制御手段190は、メイン制御基板110ではなく、サブ制御基板300が有しても良い。その際、サブ制御基板300からメイン制御基板110へのデータの直接的な送信は行われていないので、そのような送信が必要な場合は、サブ制御基板300によりストップスイッチ50による停止操作の順番を演出装置70により遊技者に報知して、遊技者がその停止操作順番で停止操作すること等の間接的な伝達手段を介して、サブ制御基板300からの情報がメイン制御基板110へ伝達される。
【0099】
以上の構成をもって、メイン制御基板110は、役の抽選を行い、回転リール62の回転及び停止を制御し、回転リール62がすべて停止したときに停止図柄の判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
【0100】
メイン制御基板110は、遊技を制御するためのものであって、遊技を進行させるためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
【0101】
規定の賭け数(3枚)が設定されると、1本の有効ライン86(
図1参照)が設定される。なお、本実施の形態に係る遊技機10は、規定の賭け数として3が設定されている。賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、マックスベットスイッチ34又はシングルベットスイッチ35を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。そして、規定の賭け数(3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段120により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技での回転リール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個すべての回転リール62の回転が開始する。
【0102】
本実施の形態では、役として、大別すると、ベル役(メダルの払い出しが15枚の役)、1枚役(メダルの払い出しが1枚の役)、再遊技役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆるリプレイ役)、特別ボーナス移行役(特別ボーナス遊技への移行を伴う役)が設けられている。
【0103】
具体的には、再遊技役には回転リール62が停止した際の図柄61の表示によって、「弱チェリー」、「強チェリー」、「中段チェリー」、「弱スイカ」、「強スイカ」、「チャンス目」と呼ばれる態様がある。また、ベル役には、特別ボーナス遊技(RBB、RB)の当選を示唆する図柄61が表示される「リーチ目」と、シングルボーナス遊技(SB)中に当選する「SB中15枚役」とがある。さらに、1枚役には、シングルボーナス遊技(SB)中に当選する「SB中1枚役」がある。
【0104】
回転リール62の回転開始後、所定の条件(本実施の形態では、回転リール62を加速する処理を実行した後、所定のセンサにより回転リール62の回転位置が基準位置であることを検出すること)が成立すると、ストップスイッチ50の操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
【0105】
その後に、3個のストップスイッチ50のうち1個を操作すると、当該ストップスイッチ50に対応した回転リール62の回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ50の操作を終えると、3個すべての回転リール62の回転が停止する。
【0106】
このとき、有効ライン86上に所定の図柄61の組み合わせが揃うと、当該図柄61の組み合わせに対応した処理が行われる。本実施の形態に係る遊技機10は、有効ライン86上に予め定められた図柄61の組み合わせが揃うと遊技者に利益が付与されるように形成されている。例えば小役に対応した図柄61の組み合わせが有効ライン86上に揃うと、小役に対応した枚数のメダルが遊技者に対して付与される。
【0107】
また、有効ライン86上に再遊技役(リプレイ役)に対応する図柄61の組み合わせが揃うと、メダルの払い出しはないものの、次回の遊技において遊技者所有のメダルを使用することなく賭け数が自動的に設定され遊技を行うことができる。
【0108】
(役抽選手段120)
前記役抽選手段120は、メイン制御基板110が備える手段であり、スタートスイッチ40の操作を契機に、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの抽選(役抽選)を行うためのものである。役抽選手段120は、メイン制御基板110のROM上に記憶され、役に当選したか否かを決定するための役抽選テーブルと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)とを備えている。役抽選手段120は、メダルの想定払い出し枚数、いわゆる出玉率と関連づけられている設定値に対応する役抽選テーブルと乱数発生手段が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して当選か否かを判定する。
【0109】
本実施の形態は、内部当選中遊技(RT)におけるリプレイ役の当選確率が一般遊技よりも高く設定している。したがって、内部当選中遊技(RT)におけるリプレイ役の当選領域が一般遊技のものよりも広くなっている。
【0110】
役抽選の当選確率は、複数段階、本実施の形態では、6段階(設定1〜設定6)設定されており、設定1が最も低く、設定6が最も高くなるように設定されている。
【0111】
(リール制御手段130)
リール制御手段130は、メイン制御基板110が備える手段であり、各回転リール62の回転を停止させるためのものである。リール制御手段130は、役抽選手段120の抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応する回転リール62の回転位置とに基づいて、各回転リール62の回転を停止させる。なお、リール制御手段130は、必要に応じて各ストップスイッチ50が停止操作されるときの順番(停止操作順番)が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。リール制御手段130による処理は、後述するステップ105(
図14参照)において行われる。
【0112】
また、リール制御手段130は、遊技の進行が停止している、いわゆるフリーズ状態において、所定のリール演出を実行可能なものである。
【0113】
(一般遊技制御手段150)
一般遊技制御手段150は、後述する一般遊技の進行を制御するものである。ここで、一般遊技とは、RT制御手段160による内部当選中遊技(RT)や、ボーナス制御手段170による特別ボーナス遊技(RBB、RB)以外の遊技をいう。
【0114】
(RT制御手段160)
RT制御手段160は、リプレイ役の当選確率の高い内部当選中遊技(RT)を制御するものである。
【0115】
(ボーナス制御手段170)
ボーナス制御手段170は、特別ボーナス遊技、具体的には、ビッグボーナス(RBB)とレギュラーボーナス(RB)を制御するものである。
【0116】
(AT抽選手段180)
AT抽選手段180は、所定の役に当選したことを契機に遊技状態を有利遊技状態であるAT状態に移行させるか否かの決定を行うものである。具体的には、AT抽選手段180は、AT状態への移行契機となる抽選(AT抽選)を行い、当該抽選に当選することでAT状態への移行を決定する。
【0117】
ここで、AT抽選に当選すると、まず遊技状態がAT準備状態に移行する。そして、AT準備状態において予め定められたゲーム数を消化することにより、有利遊技状態であるART状態になるように形成されている。
【0118】
(AT制御手段190)
前記AT制御手段190は、有利遊技状態であるAT状態(ART状態)の遊技を制御するものである。AT制御手段190は、AT抽選手段180によるAT抽選に当選すると遊技状態を有利遊技状態に移行させる。また、後述するカウント手段360のゲーム数が0になると、ストップスイッチ50の押し順等による間接的な伝達手段を介して、サブ制御基板300から有利遊技状態が終了した旨の情報を取得し、遊技状態を通常遊技状態に移行させる。
【0119】
(リール演出制御手段200)
リール演出制御手段200は、遊技者の操作を要し、複数の回転リール62の回転から疑似停止までを1単位とするリール演出を実行するものである。このリール演出は遊技(本遊技)の進行が停止しているフリーズ状態において実行されるものである。
【0120】
「遊技者の操作」としては、スタートスイッチ40と、3個のストップスイッチ50との操作がある。スタートスイッチ40を操作すると、複数、例えば3個の回転リール62の回転が同時に開始し、3個のストップスイッチ50の一つを操作すると、対応する回転中の回転リール62が疑似停止し、3個のストップスイッチ50を全て操作すると、3個の回転リール62の回転を全て疑似停止する。
【0121】
なお、「遊技者の操作」としては、例えばスタートスイッチ40及びストップスイッチ50の操作を契機としたが、これに限定されず、リール演出を所定回数連続して実行する場合には、初回だけでスタートスイッチ40を操作させ、次回以降のスタートスイッチ40の操作を省略してもよいし、初回、次回以降に関わらず、スタートスイッチ40の操作を省略してもよい。
【0122】
「疑似停止」としては、回転リール62の回転を微振動させた状態で停止させている。
【0123】
なお、「疑似停止」としては、回転リール62の回転を微振動させた状態で停止させたが、これに限定されず、遊技者が回転リール62の図柄61をおおむね識別可能な状態と、視認可能な状態であれば足り、回転リール62を逆転させたり、或いは複数の回転リール62の回転を同期させるようにしてもよい。
【0124】
(払出制御手段210)
前記払出制御手段210は、遊技の結果に基づいて、メダル払い出し等の所定の処理を行うためのものである。払出制御手段210は、リール制御手段130による回転リール62の停止制御の結果、メダルの払い出しがあると判定するとホッパーユニット24の払出動作を制御して、入賞した役に応じた枚数のメダルを遊技者に対して払い出す。
【0125】
(サブ制御基板300)
図5に示すように、サブ制御基板300には、演出制御手段310、画像記憶手段330、通常上乗せ決定手段340、追加上乗せ決定手段350及びカウント手段360の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
【0126】
以上の構成をもって、サブ制御基板300は、演出の有無や態様を決定し、遊技の状態に応じた演出を制御する手段として機能することとなる。
【0127】
(演出制御手段310)
前記演出制御手段310は、液晶表示装置を有する表示装置84、スピーカー72及び演出用ランプ78を制御して、役抽選の結果や遊技の進行に応じた演出を行うものである。演出制御手段310は、表示装置84に特定の画像を表示させたり、スピーカー72から所定の音を出力させたり、演出用ランプ78を点灯又は点滅させたりすることにより演出を実行する。
【0128】
この演出制御手段310は、報知手段315を備えている。
【0129】
(報知手段315)
報知手段315は、表示装置84、スピーカー72及び演出用ランプ78において実行される報知演出を制御するものである。ここで、報知演出には、ストップスイッチ50の正解の押し順を報知するいわゆる押し順ナビと、役抽選に当選している役に対応する図柄61を報知するいわゆる図柄ナビとがある。
【0130】
押し順ナビを実行する場合、報知手段315は、メイン制御基板110から役抽選手段120による役抽選の結果を受信し、押し順が設定されている役に当選している場合は、当該当選役の正解の押し順を決定する。そして、報知手段315は、表示装置84に停止操作順序を数字や矢印で表示させたり、停止操作すべきストップスイッチ50の位置を左、中、右などの文字で表示させたり、それらをスピーカー72から音声により指示したり、ストップスイッチ50のボタンの内部に設けた発光体の発光色を変化させたりして、最初に操作すべきストップスイッチ50を報知する。
【0131】
また、図柄ナビを実行する場合、報知手段315は、メイン制御基板110から役抽選手段120による役抽選の結果を受信し、入賞させるべき図柄61の組み合わせを決定する。そして、報知手段315は、表示装置84に停止させるべき図柄61を表示させたり、スピーカー72から音声により指示したりして報知する。
【0132】
さらに、報知手段315は特殊上乗せ表示処理を実行する。特殊上乗せ表示処理では、後述する通常上乗せ決定手段340により通常上乗せゲーム数が決定している場合、ストップスイッチ50が停止操作されたことを契機に、当該停止操作されたストップスイッチ50の停止操作順序に対応する通常上乗せゲーム数を表示装置84に表示させたり、スピーカー72から音声により遊技者に対して報知する。また、後述する追加上乗せ決定手段350により追加上乗せゲーム数が決定している場合、演出用ボタンスイッチ42が操作されたことを契機に、追加上乗せゲーム数を表示装置84に表示させたり、スピーカー72から音声により遊技者に対して報知する。この特殊上乗せ表示処理の詳細については後述する。
【0133】
(画像記憶手段330)
画像記憶手段330は、表示装置84に表示される画像データを記憶するものである。この画像データとしては、遊技状態に対応する背景画像やキャラクタ画像、通常上乗せゲーム数や追加上乗せゲーム数を報知する際に表示される画像が含まれている。
【0134】
(通常上乗せ決定手段340)
通常上乗せ決定手段340は、有利遊技状態のゲーム数に加算可能であり、かつストップスイッチ50の属性に対応する通常上乗せゲーム数を決定するものである。具体的には、有利遊技状態に上乗せするゲーム数であって、ストップスイッチ50の停止操作順番に対応する通常上乗せゲーム数を決定するものである。ここで、各ストップスイッチ50の停止操作順番に対応する通常上乗せゲーム数は、5ゲーム、10ゲーム、20ゲーム、30ゲーム、50ゲーム及び100ゲームの中から決定される。本実施の形態では、有利遊技状態における上乗せ状態に移行し、上乗せ実行抽選に当選したことを契機に、上乗せレベル抽選、第1停止用上乗せ抽選、第2停止用上乗せ抽選、第3停止用上乗せ抽選の各抽選が実行される。各抽選の詳細を以下に示す。
【0135】
(1)上乗せレベル抽選
上乗せレベル抽選は、上乗せ実行抽選に当選した際に実行される抽選であって、当該上乗せ実行抽選に当選した際の役抽選の結果を基に実行される。より詳しくは、
図8に示すように、上乗せ実行抽選に当選した際の役抽選結果を基に、上乗せレベル抽選における抽選種別が、「種別0」、「種別1」、「種別2」から1つが決定する。ここで、当選役には上述した「弱チェリー」、「強チェリー」、「中段チェリー」、「弱スイカ」、「強スイカ」、「チャンス目」、「SB中1枚役」、「SB中15枚役」、及び「リーチ目」がある。そして、抽選種別が決定されると、引き続き、
図9に示すように、各種別に応じて上乗せレベル抽選が実行される。ここで、上乗せレベル抽選において決定されるレベルには、レベル1からレベル4までの4段階があり、レベル1からレベル4に向かってレベルが上がるほど獲得可能な通常上乗せゲーム数や追加上乗せゲーム数が大きくなる。
図9は、上乗せレベル抽選における上乗せレベル抽選テーブルの全領域を32768とした場合の当選領域の範囲を数値で示したものである。種別0を基に上乗せレベル抽選が実行された場合は、レベル1からレベル4の4つのレベルの中から1のレベルが決定する。なお、レベル1が最も当選確率が高く設定されている。種別1を基に上乗せレベル抽選が実行された場合は、レベル2からレベル4の3つのレベルの中から1のレベルが決定する。なお、レベル2が最も当選確率が高く設定されている。種別2を基に上乗せレベル抽選が実行された場合は、レベル3及びレベル4の2つのレベルの中から1のレベルが決定する。なお、レベル3が最も当選確率が高く設定されている。
【0136】
(2)第1停止用上乗せ抽選
第1停止用上乗せ抽選は、回転リール62の回転中におけるストップスイッチ50の第1停止操作時に報知される通常上乗せゲーム数である第1上乗せゲーム数を決定する抽選である。
図10に示すように、第1停止用上乗せ抽選では、上乗せレベル抽選により決定された上乗せレベルと、設定値により定まる第1停止用上乗せ抽選テーブルが用意されている。ここで、
図10は、第1停止用上乗せ抽選テーブルの全領域を16384とした場合の当選領域の範囲を数値で示したものである。
【0137】
レベル1及びレベル2に係る第1停止用上乗せ抽選テーブルにおいては、抽選結果「0」が当選領域から除外されている。また、レベル3に係る第1停止用上乗せ抽選テーブルにおいては、抽選結果「0」及び「5」が当選領域から除外されている。また、レベル4に係る第1停止用上乗せ抽選テーブルにおいては、抽選結果「0」、「5」及び「10」が当選領域から除外されている。さらに、ゲーム数が多くなるほど、当選領域は狭くなっている。すなわち、ゲーム数が多くなるほど当選確率は低く設定されている。なお、同一のレベルにおいては、設定値が異なっていても当選領域に違いはないが、これに限らず、設定値が大きくなるほど(設定1から設定6になるにつれて)、より多いゲーム数に当選し易くなるよう、当選領域を調節してもよい。
【0138】
(3)第2停止用上乗せ抽選
第2停止用上乗せ抽選は、回転リール62の回転中におけるストップスイッチ50の第2停止操作時に報知される通常上乗せゲーム数である第2上乗せゲーム数を決定する抽選である。
図11に示すように、第2停止用上乗せ抽選では、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数と、設定値により定まる第2停止用上乗せ抽選テーブルが用意されている。ここで、
図11は、第2停止用上乗せ抽選テーブルの全領域を16384とした場合の当選領域の範囲を数値で示したものである。
【0139】
各上乗せ抽選テーブルでは、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数と同じゲーム数以外は、当選領域から除外されている。したがって、例えば、第1停止用上乗せ抽選により第1上乗せゲーム数が10ゲームに決定されている場合は、第2停止用上乗せ抽選においても、第2上乗せゲーム数は10ゲームに決定されることになる。
【0140】
なお、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数と異なるゲーム数を当選領域に加えてもよい。この場合、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数より少ないゲーム数を当選領域から除外するのが望ましい。
【0141】
また、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数と異なる値のゲーム数を当選領域に加えた場合、設定値が大きくなるほど(設定1から設定6になるにつれて)、より多いゲーム数に当選し易く設定してもよい。
【0142】
(4)第3停止用上乗せ抽選
第3停止用上乗せ抽選は、回転リール62の回転中におけるストップスイッチ50の第3停止操作時に報知される通常上乗せゲーム数である第3上乗せゲーム数を決定する抽選である。
【0143】
図12に示すように、第3停止用上乗せ抽選では、上乗せレベル抽選により決定された上乗せレベルと、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数により定まる第3停止用上乗せ抽選テーブルが用意されている。ここで、
図12は、第3停止用上乗せ抽選テーブルの全領域を16384とした場合の当選領域の範囲を数値で示したものである。
【0144】
各上乗せ抽選テーブルにおいては、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数より少ないゲーム数が当選領域から除外されている。したがって、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数が5ゲームの場合、第3停止用上乗せ抽選テーブルの当選領域から0ゲームが除外される(レベル2、レベル3及びレベル4に係る第3停止用上乗せ抽選テーブルにおいては、10ゲームも当選領域から除外されている)。また、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数が10ゲームの場合、第3停止用上乗せ抽選テーブルの当選領域から0ゲーム及び5ゲームが除外される。また、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数が20ゲームの場合、第3停止用上乗せ抽選テーブルの当選領域から0ゲーム、5ゲーム及び10ゲームが除外される。また、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数が30ゲームの場合、第3停止用上乗せ抽選テーブルの当選領域から0ゲーム、5ゲーム、10ゲーム及び20ゲームが除外される。また、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数が50ゲームの場合、第3停止用上乗せ抽選テーブルの当選領域から0ゲーム、5ゲーム、10ゲーム、20ゲーム及び30ゲームが除外される。また、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数が100ゲームの場合、第3停止用上乗せ抽選テーブルの当選領域から0ゲーム、5ゲーム、10ゲーム、20ゲーム、30ゲーム及び50ゲームが除外される。すなわち、100ゲームの場合は、必ず同じゲーム数に当選することになる。以上のように、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数が多い場合、第3停止用上乗せ抽選における当選の対象数が少なくなるように形成されている。
【0145】
さらに、各上乗せ抽選テーブルにおいては、原則として、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数の1つ上(レベル2、レベル3又はレベル4であって、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数が5ゲームの場合、2つ上)のゲーム数の当選領域が大きく、さらにゲーム数が多くなるにつれて、次第に当選領域が狭くなるように設定されている。例えば、上乗せレベルがレベル2で、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数が20ゲームの場合、20ゲームの一つ上のゲーム数である30ゲームの当選領域が最も大きく、50ゲーム、100ゲームになるにつれて次第に小さくなっている。なお、例外としては、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数が50ゲームの場合、50ゲームより100ゲームの当選領域が大きく設定されている。また、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数が100ゲームの場合、100ゲームのみの当選領域となるが、これは上述のとおりである。
【0146】
(追加上乗せ決定手段350)
追加上乗せ決定手段350は、所定の判定結果に基づいて有利遊技状態のゲーム数に加算可能な追加上乗せゲーム数を決定するものである。具体的に、追加上乗せ決定手段350は、第1停止用上乗せ抽選、第2停止用上乗せ抽選、及び第3停止用上乗せ抽選により決定された通常上乗せゲーム数が特別な組み合わせであるかを判定し、予め定められた特別な組み合わせであると判定した場合には、さらに追加上乗せ抽選を実行し、追加上乗せゲーム数を決定する。ここで、本実施の形態における「特別な組み合わせ」とは、第1停止用上乗せ抽選、第2停止用上乗せ抽選、及び第3停止用上乗せ抽選により決定された通常上乗せゲーム数が全て一致する場合をいう。すなわち、追加上乗せ決定手段350は、第1停止用上乗せ抽選、第2停止用上乗せ抽選、及び第3停止用上乗せ抽選により決定された通常上乗せゲーム数が全て一致するか否かの判定(組み合わせ判定)を実行し、一致していると判定した場合には、さらに追加上乗せ抽選を実行し、追加上乗せゲーム数を決定する。追加上乗せ抽選により決定される追加上乗せゲーム数は、20ゲーム、30ゲーム、50ゲーム、100ゲーム及び200ゲームの中から決定される。
【0147】
組み合わせ判定及び追加上乗せ抽選の詳細を以下に示す。
【0148】
(1)組み合わせ判定
組み合わせ判定は、通常上乗せ決定手段340により決定された、第1上乗せゲーム数、第2上乗せゲーム数、第3上乗せゲーム数が全て一致するか否かを判定するものである。ただし、本実施の形態では、第2上乗せゲーム数が必ず第1上乗せゲーム数と同じになるように形成されているため、第1上乗せゲーム数と第3上乗せゲーム数とが一致するか否かの判定のみが行われる(ステップ208参照)。そして、第1上乗せゲーム数と第3上乗せゲーム数とが一致する場合、第1上乗せゲーム数、第2上乗せゲーム数、第3上乗せゲーム数が全て一致すると判定される。
【0149】
なお、上述のとおり、第1停止用上乗せ抽選、第2停止用上乗せ抽選、及び第3停止用上乗せ抽選においては、各抽選テーブルにおける当選領域から「0ゲーム」が除外されている。ここで、仮に各抽選テーブルにおける当選領域に0ゲームを含めた場合、第1上乗せゲーム数、第2上乗せゲーム数、及び第3上乗せゲーム数が全て0ゲームで一致したとしても、追加上乗せ決定手段350は「一致する」と判定しない。
【0150】
(2)追加上乗せ抽選
追加上乗せ抽選は、前記組み合わせ判定により、通常上乗せゲーム数が全て一致すると判定された場合に実行される追加上乗せゲーム数を決定するための抽選である。
【0151】
図13に示すように、追加上乗せ抽選では、上乗せレベル抽選により決定された上乗せレベルと、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数により定まる追加上乗せ抽選テーブルが用意されている。ここで、
図13は、追加上乗せ抽選テーブルの全領域を16384とした場合の当選領域の範囲を数値で示したものである。
【0152】
ここで、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数が5ゲームの場合、20ゲームから100ゲームまでが当選領域に設定されており、ゲーム数が大きくなるほど当選領域が狭く、当選確率が低くなっている。また、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数が10ゲームの場合、30ゲームから100ゲームまでが当選領域に設定されており、ゲーム数が大きくなるほど当選領域が狭く、当選確率が低くなっている。また、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数が20ゲームの場合、30ゲームから100ゲームまでが当選領域に設定されており、ゲーム数が大きくなるほど当選領域が狭く、当選確率が低くなっている。また、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数が30ゲームの場合、50ゲームから200ゲームまでが当選領域に設定されており、ゲーム数が大きくなるほど当選領域が狭く、当選確率が低くなっている。また、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数が50ゲームの場合、100ゲーム及び200ゲームが当選領域に設定されており、100ゲームより200ゲームの方が当選領域が狭く、当選確率が低くなっている。また、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数が100ゲームの場合、100ゲーム及び200ゲームが当選領域に設定されており、100ゲームと200ゲームの当選領域は等しく、当選確率は同じである。
【0153】
(カウント手段360)
カウント手段360は、有利遊技状態の初期ゲーム数に対し、通常上乗せ決定手段340により決定された3つの通常上乗せゲーム数(第1上乗せゲーム数〜第3上乗せゲーム数)、及び追加上乗せ決定手段350が決定した追加上乗せゲーム数を合算することが可能に形成されている。また、カウント手段360は、有利遊技状態のゲーム数をカウントするものである。具体的に、カウント手段360は、有利遊技状態のゲーム数をカウントするゲーム数カウンタを備えており、ストップスイッチ50の操作に伴い通常上乗せゲーム数が報知された場合はゲーム数カウンタに通常上乗せゲーム数が加算され、追加上乗せゲーム数が付与された場合はゲーム数カウンタに追加上乗せゲーム数が加算される。また、有利遊技状態では、遊技が終了する毎にゲーム数カウンタから「1」が減算される。
【0154】
(メイン制御基板110における遊技の移行)
次に、
図6を用いてメイン制御基板110の遊技について説明する。
【0155】
メイン制御基板110により管理される遊技は、
図6に示すように、大別すると「一般遊技」、「内部当選中遊技(RT)」及び「特別ボーナス遊技(RBB、RB)」がある。また、「一般遊技」には、さらに、「ノーマル遊技」と、「シングルボーナス遊技(SB)」が含まれている。
【0156】
なお、各遊技におけるリプレイ役への当選確率は、一般遊技においては1/7.3に設定されており、内部当選中遊技(RT)では一般遊技よりも高く、特別ボーナス遊技ではリプレイ役が当選しない、すなわち当選確率が0に設定されている。
【0157】
一般遊技は、一般遊技制御手段150により制御される。ノーマル遊技又はシングルボーナス遊技(SB)において役抽選手段120による役抽選により特別ボーナス(RBB、RB)に当選した場合に、ノーマル遊技又はシングルボーナス遊技(SB)から内部当選中遊技(RT)に移行する。
【0158】
この内部当選中遊技(RT)、RT制御手段160により制御される再遊技が高確率で当選する状態である。この内部当選中遊技(RT)において、RBBやRBの特別ボーナス移行役の図柄61の組み合わせが揃った場合は、内部当選中遊技(RT)から特別ボーナス遊技(RBB、RB)に移行する。この特別ボーナス遊技(RBB、RB)は、ボーナス制御手段170により制御される。
【0159】
なお、AT制御手段190により遊技状態がAT状態に制御されている時、メイン制御基板110の遊技が「RT遊技」に設定されることで、遊技状態が「ART状態」となる。「ART状態」は、「RT」(再遊技確率の高確率状態)で、かつ「AT」の遊技状態をいう。
【0160】
(遊技状態の移行)
次に、
図7を用いて遊技状態について説明する。
【0161】
本実施の形態における遊技状態には、
図7に示すように、「通常遊技状態」、「ボーナス状態」、「AT準備状態」及び「有利遊技状態」がある。「有利遊技状態」には、さらに、「上乗せ状態」が設けられている。
【0162】
通常遊技状態は、ボーナス状態、AT準備状態、及び有利遊技状態等の特殊な状態を除いた遊技状態である。
【0163】
通常状態では、強チェリー役などのレア役などの当選を契機にAT抽選手段180によるAT抽選が行われている。そして、AT移行抽選に当選した場合はAT準備状態に移行する。
【0164】
ボーナス状態は、通常遊技状態において、役抽選手段120による役抽選により特別ボーナス(RBB、RB)に当選し、遊技が
図6に示す特別ボーナス遊技(RBB、RB)が開始された場合に移行する状態である。特別ボーナス遊技(RBB、RB)が所定の枚数の払出で終了すると、遊技状態は原則、通常遊技状態に戻るが、特別ボーナス遊技(RBB、RB)にAT移行抽選に当選した場合はAT準備状態に移行する。
【0165】
AT準備状態は、ATを実行するための準備状態である。このAT準備状態中に、有利遊技状態の初期ゲーム数を抽選により決定する。AT準備状態において予め定められたゲーム数を消化することにより、有利遊技状態に移行する。
【0166】
有利遊技状態は、通常遊技状態より遊技者に有利な遊技状態である。有利遊技状態に移行すると、当選した小役の押し順が報知される押し順ナビが開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。
【0167】
有利遊技状態は、AT制御手段190により制御される状態である。有利遊技状態では、カウント手段360のゲーム数カウンタが0になると、すなわち、ゲーム数が0になると、AT制御手段190はAT状態を終了させるとともに、遊技状態は有利遊技状態から通常遊技状態に移行する。
【0168】
なお、上述のとおり、有利遊技状態には、上乗せ状態が設けられている。この上乗せ状態は、有利遊技状態中に上乗せ状態への移行抽選に当選した場合に移行し、所定ゲーム数の間、有利遊技状態のゲーム数を上乗せするか否か及び上乗せするゲーム数を抽選により決定する。通常上乗せゲーム数及び追加上乗せゲーム数は、この上乗せ状態の遊技において付与されるものである。
【0169】
そして、上乗せ状態は、移行時の抽選で決定されたゲーム数を消化した後、有利遊技状態に戻る。
【0170】
(遊技機10の作動)
図14に示すフローチャートに基づいて、制御装置100が1回の遊技毎に実行する処理について説明する。
【0171】
先ず、ステップ100において、賭け数設定処理が行われる。この賭け数設定処理では、賭け数として規定の賭け数が設定されたか否かが判定されるものである。具体的には、メイン制御基板110により、当該遊技の賭け数として設定されているメダルの枚数が規定の賭け数に達しているか否かの判定が行われる。本実施の形態では、規定の賭け数は3枚である。なお、前回の遊技で再遊技役の図柄61の組み合わせが有効ライン86上に揃った場合には、自動的に賭け数が設定される。規定の賭け数が設定された場合に、次のステップ101に進む。規定の賭け数が設定されていない場合には当該ステップに留まることになる。
【0172】
ステップ101において、メイン制御基板110により、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が行われる。ここで、スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、メイン制御基板110により、賭け数の設定が不可能な状態とされる。また、スタートスイッチ40が操作されると、遊技が開始された旨を示す遊技開始情報がサブ制御基板300に送信される。そして、次のステップ102に進む。一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度ステップ101となる。
【0173】
ステップ102において、役抽選手段120により、役抽選処理が行われる。また、このとき、役抽選の結果がメイン制御基板110からサブ制御基板300へ送信される。役抽選処理が終了すると、次のステップ103に進む。
【0174】
ステップ103において、リール制御手段130により、回転リール62の回転変動処理が行われる。ここで、回転リール62が回転を開始する際に役抽選の結果を示す抽選結果情報がサブ制御基板300に送信される。そして、回転リール62が所定の回転速度に達すると、次のステップ104に進む。
【0175】
ステップ104において、メイン制御基板110により、ストップスイッチ50が操作されたか否かが判定される。ストップスイッチ50の操作があったと判定された場合、次のステップ105に進む。一方、ステップ104で、ストップスイッチ50が操作されたと判定されなかった場合、ストップスイッチ50が操作されるまで、ステップ104を繰り返す待機処理が行われる。
【0176】
ステップ105において、リール制御手段130により、操作されたストップスイッチ50に対応する停止テーブルを取得し、対応する回転リール62の回転停止処理が行われる。ストップスイッチ50が操作された際、押し順が設定されている役の重複当選領域に当選している場合には、操作されたストップスイッチ50の押し順が正解であれば、正解の役の図柄61を引き込む停止テーブルが用いられ、操作されたストップスイッチ50の押し順が不正解ならば、不正解の役の図柄61を引き込む停止テーブルが用いられる。
【0177】
なお、左ストップスイッチLが操作されると左回転リール64の停止した図柄61の図柄番号を示す左停止操作情報がサブ制御基板300に送信され、中ストップスイッチCが操作されると中回転リール66の停止した図柄61の図柄番号を示す中停止操作情報がサブ制御基板300に送信され、右ストップスイッチRが操作されると右回転リール68の停止した図柄61の図柄番号を示す右停止操作情報がサブ制御基板300に送信される。そして、回転リール62が停止したら、次のステップ106に進む。
【0178】
ステップ106において、全ての回転リール62が停止したか否かが判定される。全ての回転リール62が停止したと判定された場合、次のステップ107に進む。一方、ステップ106で、全ての回転リール62が停止したと判定されなかった場合、ステップ104へ戻る。ここで、第3番目のストップスイッチ50の停止操作が行われると、メイン制御基板110からサブ制御基板300へ全回転リール62の回転停止情報が送信される。そして、次のステップ107に進む。
【0179】
ステップ107において、停止表示された図柄61の組み合わせに応じた処理が行われる。具体的には、払出制御手段210により、入賞している役に対応した枚数のメダルの払い出し処理が行われる。なお、払い出しが不要な場合には、払出処理は行われない。そして、1回の遊技毎に実行する処理を終了する。
【0180】
(特殊上乗せ獲得処理)
次に、
図15に示すフローチャートに基づいて、サブ制御基板300において実行され、通常上乗せゲーム数及び追加上乗せゲーム数を決定する特殊上乗せ獲得処理について説明する。
【0181】
ステップ200において、メイン制御基板110から遊技開始情報を受信したか否か、すなわち、ベット操作により賭数が設定され、スタートスイッチ40が操作されたか否かが判定される。遊技開始情報を受信した場合は、次のステップ201に進む。一方、遊技開始情報を受信していない場合は、そのまま特殊上乗せ獲得処理を終了する。
【0182】
ステップ201において、メイン制御基板110から役抽選手段120により決定された役抽選の結果を受信したか否かが判定される。役抽選結果を受信した場合は、次のステップ202に進む。一方、役抽選結果を受信していない場合は、ステップ201を繰り返す。
【0183】
ステップ202において、上乗せ実行抽選が実行される。当該上乗せ実行抽選は役抽選の結果、強チェリー役などのレア役に当選している場合に実行される。そして、次のステップ203に進む。
【0184】
ステップ203において、上乗せ実行抽選の抽選結果が当選か否かが判定される。抽選結果が当選と判定された場合は、次のステップ204に進む。一方、抽選結果が非当選と判定された場合は、特殊上乗せ獲得処理を終了する。
【0185】
ステップ204において、上乗せレベル抽選処理が実行される。そして次のステップ205に進む。
【0186】
ステップ205において、ストップスイッチ50の第1停止操作時に報知される第1上乗せゲーム数を決めるための第1停止用上乗せ抽選処理が行われる。そして次のステップ206に進む。
【0187】
ステップ206において、ストップスイッチ50の第2停止操作時に報知される第2上乗せゲーム数を決めるための第2停止用上乗せ抽選処理が行われる。そして次のステップ207に進む。
【0188】
ステップ207において、ストップスイッチ50の第3停止操作時に報知される第3上乗せゲーム数を決めるための第3停止用上乗せ抽選処理が行われる。そして次のステップ208に進む。
【0189】
ステップ208において、第1上乗せゲーム数と第3上乗せゲーム数とが一致するか否かの判定(組み合わせ判定)が行われる。第1上乗せゲーム数と第3上乗せゲーム数とが一致する場合、次のステップ209に進む。一方、第1上乗せゲーム数と第3上乗せゲーム数とが一致しない場合は、特殊上乗せ獲得処理を終了する。
【0190】
ステップ209において、追加上乗せフラグがONにされる。そして、次のステップ210に進む。
【0191】
ステップ210において、追加上乗せゲーム数を決めるための追加上乗せ抽選処理が実行される。そして、特殊上乗せ獲得処理を終了する。
【0192】
(上乗せレベル抽選処理)
次に、
図16に示すフローチャートに基づいて、通常上乗せ決定手段340において実行されるステップ204の上乗せレベル抽選処理について説明する。
【0193】
ステップ300において、役抽選結果に応じた上乗せレベル抽選テーブルを設定する。具体的には、
図8に示すように、役抽選手段120による役抽選結果に対応する抽選種別に基づいて、上乗せレベル抽選テーブルを決定する。そして、次のステップ301に進む。
【0194】
ステップ301において、設定した上乗せレベル抽選テーブルを用いて上乗せレベルを抽選する。当該抽選により、レベル1からレベル4の4段階の中から1のレベルが決定される。そして、次のステップ302に進む。
【0195】
ステップ302において、決定したレベル数がサブ制御基板300の所定の記憶領域に記憶される。そして、上乗せレベル抽選処理を終了する。
【0196】
(第1停止用上乗せ抽選処理)
次に、
図17に示すフローチャートに基づいて、通常上乗せ決定手段340において実行されるステップ205の第1停止用上乗せ抽選処理について説明する。
【0197】
ステップ310において、上乗せレベル及び設定値に応じた第1停止用上乗せ抽選テーブルを設定する。上乗せレベル及び設定値と第1停止用上乗せ抽選テーブルとの関係は、
図10に示したとおりである。そして、次のステップ311に進む。
【0198】
ステップ311において、設定した第1停止用上乗せ抽選テーブルを用いて第1上乗せゲーム数を抽選する。当該抽選により、5ゲーム、10ゲーム、20ゲーム、30ゲーム、50ゲーム及び100ゲームの中からゲーム数が決定される。そして、次のステップ312に進む。
【0199】
ステップ312において、決定した第1上乗せゲーム数がサブ制御基板300の所定の記憶領域に記憶される。そして、次のステップ313に進む。
【0200】
ステップ313において、決定した第1上乗せゲーム数を有利遊技状態の残りゲーム数に加算する。具体的には、カウント手段360のゲーム数カウンタに第1上乗せゲーム数の値が加算される。そして、第1停止用上乗せ抽選処理を終了する。
【0201】
(第2停止用上乗せ抽選処理)
次に、
図18に示すフローチャートに基づいて、通常上乗せ決定手段340において実行されるステップ206の第2停止用上乗せ抽選処理について説明する。
【0202】
ステップ320において、第1上乗せゲーム数及び設定値に応じた第2停止用上乗せ抽選テーブルを設定する。第1上乗せゲーム数及び設定値と第2停止用上乗せ抽選テーブルとの関係は、
図11に示したとおりである。そして、次のステップ321に進む。
【0203】
ステップ321において、設定した第2停止用上乗せ抽選テーブルを用いて第2上乗せゲーム数を抽選する。なお、本実施の形態では、第1上乗せゲーム数と同じゲーム数を決定する。そして、次のステップ322に進む。
【0204】
ステップ322において、決定した第2上乗せゲーム数がサブ制御基板300の所定の記憶領域に記憶される。そして、次のステップ323に進む。
【0205】
ステップ323において、決定した第2上乗せゲーム数を有利遊技状態の残りゲーム数に加算する。具体的には、カウント手段360のゲーム数カウンタに第2上乗せゲーム数の値が加算される。そして、第2停止用上乗せ抽選処理を終了する。
【0206】
(第3停止用上乗せ抽選処理)
次に、
図19に示すフローチャートに基づいて、通常上乗せ決定手段340において実行されるステップ207の第3停止用上乗せ抽選処理について説明する。
【0207】
ステップ330において、上乗せレベル及び第1上乗せゲーム数に応じた第3停止用上乗せ抽選テーブルを設定する。上乗せレベル及び第1上乗せゲーム数と第3停止用上乗せ抽選テーブルとの関係は、
図12に示したとおりである。そして、次のステップ331に進む。
【0208】
ステップ331において、設定した第3停止用上乗せ抽選テーブルを用いて第3上乗せゲーム数を抽選する。当該抽選により、第1上乗せゲーム数以上のゲーム数に決定する。そして、次のステップ332に進む。
【0209】
ステップ332において、決定した第3上乗せゲーム数がサブ制御基板300の所定の記憶領域に記憶される。そして、次のステップ333に進む。
【0210】
ステップ333において、決定した第3上乗せゲーム数を有利遊技状態の残りゲーム数に加算する。具体的には、カウント手段360のゲーム数カウンタに第3上乗せゲーム数の値が加算される。そして、第3停止用上乗せ抽選処理を終了する。
【0211】
(追加上乗せ数抽選処理)
次に、
図20に示すフローチャートに基づいて、追加上乗せ決定手段350において実行されるステップ210の追加上乗せ数抽選処理について説明する。
【0212】
ステップ400において、上乗せレベル及び第1上乗せゲーム数に応じた追加上乗せ抽選テーブルを設定する。上乗せレベル及び第1上乗せゲーム数と追加上乗せ抽選テーブルとの関係は、
図13に示したとおりである。そして、次のステップ401に進む。
【0213】
ステップ401において、設定した追加上乗せ抽選テーブルを用いて追加上乗せゲーム数を抽選する。当該抽選により、第1上乗せゲーム数が50ゲーム以下の場合は、当該第1上乗せゲーム数より多いゲーム数に、第1上乗せゲーム数が100ゲームの場合は、当該第1上乗せゲーム数以上のゲーム数に決定する。そして、次のステップ402に進む。
【0214】
ステップ402において、決定した追加上乗せゲーム数がサブ制御基板300の所定の記憶領域に記憶される。そして、次のステップ403に進む。
【0215】
ステップ403において、決定した追加上乗せゲーム数を有利遊技状態の残りゲーム数に加算する。具体的には、カウント手段360のゲーム数カウンタに第3上乗せゲーム数の値が加算される。そして、追加上乗せ数抽選処理を終了する。
【0216】
(特殊上乗せ表示処理)
次に、
図21に示すフローチャートに基づいて、報知手段315において実行される特殊上乗せ表示処理について説明する。
【0217】
ステップ500において、サブ制御基板300がメイン制御基板110から第1停止操作情報を受信したか否かが判定される。実際には、遊技中3個全ての回転リール62の回転中に左停止操作情報、中停止操作情報、及び右停止操作情報のいずれかを1回受信すると、第1停止操作情報を受信したと判定される。第1停止操作情報を受信した場合は、次のステップ501に進む。一方、第1停止操作情報を受信していない場合は、ステップ502に進む。
【0218】
なお、第1停止操作情報として左停止操作情報を受信したと判定された場合、例えば、左停止操作情報が示す図柄番号が「2」であると、左回転リール64の特定位置に「青7図柄」が停止したと判断される。また、第1停止操作情報として中停止操作情報を受信したと判定された場合、例えば、中停止操作情報が示す図柄番号が「17」であると、中回転リール66の特定位置に「赤7図柄」が停止したと判断される。さらに、第1停止操作情報として右停止操作情報を受信したと判定された場合、例えば、右停止操作情報が示す図柄番号が「12」であると、右回転リール68の特定位置に「白7図柄」が停止したと判断される。左、中、右の各停止操作情報と停止した図柄61との関係については、第2停止操作情報を受信した場合、及び第3停止操作情報を受信した場合も同様である。
【0219】
ステップ501において、第1上乗せゲーム数に基づいて上乗せゲーム数を表示する。具体的には、第1停止用上乗せ抽選処理において記憶された第1上乗せゲーム数に対応する画像を表示装置84に表示する。これにより、獲得した第1上乗せゲーム数が遊技者に対して報知される。そして、次のステップ502に進む。
【0220】
ステップ502において、サブ制御基板300がメイン制御基板110から第2停止操作情報を受信したか否かが判定される。実際には、遊技中残り2個の回転リール62の回転中に左停止操作情報、中停止操作情報、及び右停止操作情報のいずれかを1回受信すると、第2停止操作情報を受信したと判定される。第2停止操作情報を受信した場合は、次のステップ503に進む。一方、第1停止操作情報を受信していない場合は、ステップ504に進む。
【0221】
ステップ503において、第2上乗せゲーム数に基づいて上乗せゲーム数を表示する。具体的には、第2停止用上乗せ抽選処理において記憶された第2上乗せゲーム数に対応する画像を表示装置84に表示する。これにより、獲得した第2上乗せゲーム数が遊技者に対して報知される。そして、次のステップ504に進む。
【0222】
ステップ504において、サブ制御基板300がメイン制御基板110から第3停止操作情報を受信したか否かが判定される。実際には、遊技中残り1個の回転リール62の回転中に左停止操作情報、中停止操作情報、及び右停止操作情報のいずれかを1回受信すると、第3停止操作情報を受信したと判定される。第3停止操作情報を受信した場合は、次のステップ505に進む。一方、第3停止操作情報を受信していない場合は、特殊上乗せ表示処理を終了する。
【0223】
ステップ505において、第3上乗せゲーム数に基づいて上乗せゲーム数を表示する。具体的には、第3停止用上乗せ抽選処理において記憶された第3上乗せゲーム数に対応する画像を表示装置84に表示する。これにより、獲得した第3上乗せゲーム数が遊技者に対して報知される。そして、次のステップ506に進む。
【0224】
ステップ506において、追加上乗せフラグがONであるか否かが判定される。追加上乗せフラグがONであると判定された場合は、次のステップ507に進む。一方、追加上乗せフラグがONではないと判定された場合は、特殊上乗せ表示処理を終了する。
【0225】
なお、追加上乗せフラグは、特殊上乗せ表示処理の終了時にONからOFFに設定される。
【0226】
ステップ507において、表示装置84に「チャンスボタンを押せ!」の文字画像を表示する。そして、ステップ508に進む。
【0227】
ステップ508において、サブ制御基板300が演出用ボタンスイッチ(チャンスボタン)42の操作が行われたか否かを判定する。操作が行われたと判定された場合、次のステップ509に進む。一方、操作が行われていないと判定された場合、特殊上乗せ表示処理を終了する。
【0228】
なお、演出用ボタンスイッチ(チャンスボタン)42の操作が行われていない場合には、特殊上乗せ表示処理が終了するため、追加上乗せゲーム数は表示されない。しかし、追加上乗せ数抽選処理(S210、
図20)において、決定された追加上乗せゲーム数はゲーム数カウンタに加算されているため、内部的には、有利遊技状態の残りゲーム数に反映されている。したがって、第1上乗せゲーム数、第2上乗せゲーム数、及び第3上乗せゲーム数が報知された後、次の遊技が開始されて、有利遊技状態の残りゲーム数が表示装置84に表示されるときには、前記決定された追加上乗せゲーム数が加算された値となっているため、演出用ボタンスイッチ(チャンスボタン)42が操作されたときほど明確ではないものの、遊技者は追加上乗せゲーム数を知ることができる。
【0229】
ステップ509において、追加上乗せゲーム数に基づいて上乗せゲーム数を表示する。具体的には、追加上乗せ数抽選処理において記憶された追加上乗せゲーム数に対応する画像を表示装置84に表示する。これにより、獲得した追加上乗せゲーム数が遊技者に対して報知される。そして、特殊上乗せ表示処理を終了する。
【0230】
(まとめ)
本実施の形態では、AT状態(ART状態)としての有利遊技状態における上乗せ状態に移行した際、特殊上乗せ獲得処理が実行される。特殊上乗せ獲得処理では、遊技開始時に上乗せ実行抽選に当選したことを契機に上乗せレベル抽選、第1停止用上乗せ抽選、第2停止用上乗せ抽選、及び第3停止用上乗せ抽選の各抽選が実行され、第1上乗せゲーム数、第2上乗せゲーム数、第3上乗せゲーム数の各通常上乗せゲーム数が決定される。そして、組み合わせ判定が行われ、第1上乗せゲーム数、第2上乗せゲーム数、第3上乗せゲーム数が全て一致したか否かの判定が行われる。なお、本実施の形態では、第2上乗せゲーム数が必ず第1上乗せゲーム数と同じになるように形成されているため、第1上乗せゲーム数と第3上乗せゲーム数とが一致するか否かの判定のみが行われる。第1上乗せゲーム数と第3上乗せゲーム数とが一致、すなわち、第1上乗せゲーム数、第2上乗せゲーム数、第3上乗せゲーム数が全て一致している場合は、さらに、追加上乗せ抽選が実行され、追加上乗せゲーム数が決定される。
【0231】
以上のように、上乗せ実行抽選に当選した場合は、遊技の開始時に、第1上乗せゲーム数、第2上乗せゲーム数、及び第3上乗せゲーム数が決定され、さらに、第1上乗せゲーム数、第2上乗せゲーム数、第3上乗せゲーム数が全て一致している場合は追加上乗せゲーム数が決定する。
【0232】
決定された第1上乗せゲーム数、第2上乗せゲーム数、第3上乗せゲーム数、追加上乗せゲーム数については、カウント手段360のゲーム数カウンタに加算される。すなわち、各上乗せゲーム数が有利遊技状態のゲーム数に加算されることになる。
【0233】
一方、決定された上記各上乗せゲーム数は、特殊上乗せ表示処理により遊技者に対して報知される。具体的には、ストップスイッチ50の第1停止操作を契機に第1上乗せゲーム数の値が表示装置84に表示され、ストップスイッチ50の第2停止操作を契機に第2上乗せゲーム数の値が表示装置84に表示され、ストップスイッチ50の第3停止操作を契機に第3上乗せゲーム数の値が表示装置84に表示される。また、追加上乗せゲーム数が決定されている場合は、演出用ボタンスイッチ(チャンスボタン)42の操作を契機に追加上乗せゲーム数の値が表示装置84に表示される。
【0234】
なお、表示装置84の隅に表示される有利遊技状態の残りゲーム数、すなわちゲーム数カウンタの値に対しては、各上乗せゲーム数を報知する都度加算してもよいし、当該遊技終了後に獲得した上乗せゲーム数の合計値を一括して加算してもよい。
【0235】
追加上乗せゲーム数に関しては、演出用ボタンスイッチ(チャンスボタン)42の操作が行われない場合、上述のとおり遊技者に対する報知は行われないが、当該遊技の次の遊技において、表示装置84には追加上乗せゲーム数を加算した後のゲーム数が表示される。
【0236】
なお、本実施の形態では、表示装置84の一部に、例えば「残り100G」のように有利遊技状態の残りゲーム数のみを表示するものであるが、これに限らない。例えば「30/100G」のように、有利遊技状態に滞在可能な最大ゲーム数を「分母」として示すとともに、有利遊技状態においてこれまで消化したゲーム数を「分子」として表示するように形成してもよい。この場合、通常上乗せゲーム数及び追加上乗せゲーム数は「分母」に反映されることになる。
【0237】
本実施の形態によれば、1回の遊技において、ストップスイッチ50の停止操作毎に上乗せゲーム数(通常上乗せゲーム数)を獲得することが可能であり、獲得された各上乗せゲーム数を、さらに別の上乗せゲーム数(追加上乗せゲーム数)の獲得に反映させることが可能となる。これにより、新たな遊技性を有し、遊技者が期待感を持って遊技を行うことができ、興趣の向上を図ることができる。
【0238】
また、本実施の形態では、第2通常上乗せゲーム数は第1通常上乗せゲーム数と必ず同じゲーム数に決定される。すなわち、第1上乗せゲーム数と第2上乗せゲーム数とがすでに一致している状態(リーチ状態)に必ずなるため、操作順番が早い段階での追加上乗せゲーム数の獲得失敗が極力回避され、遊技の早い段階で期待感が失われることを防ぐことができる。なお、第2通常上乗せゲーム数は、必ずしも第1上乗せゲーム数と同じゲーム数に決定する必要はなく、第1上乗せゲーム数と同じゲーム数になる確率が高く設定されていればよい。
【0239】
また、本実施の形態によれば、第1上乗せゲーム数及び第2上乗せゲーム数のゲーム数が多くなるほど、第3上乗せゲーム数及び追加上乗せゲーム数を決定する際の抽選の対象数が少なくなるように形成されている。例えば、
図12において、第1上乗せゲーム数及び第2上乗せゲーム数が10ゲームの場合、第3上乗せゲーム数は、10ゲーム、20ゲーム、30ゲーム、50ゲーム、及び100ゲームの中から決定するが、第1上乗せゲーム数及び第2上乗せゲーム数が50ゲームの場合、第3上乗せゲーム数は、50ゲーム、及び100ゲームから決定する。このように、最初に獲得される第1上乗せゲーム数のゲーム数が多いほど、全ての通常上乗せゲーム数が一致しやすく、追加上乗せゲーム数を獲得することに期待を持つことができる。
【0240】
本実施の形態は、各ストップスイッチ50の停止操作を契機に、複数の通常上乗せゲーム数が報知される。このときの停止操作は、役抽選結果に対応する図柄61の組み合わせを停止させる動作でもある。したがって、本実施の形態によれば、通常上乗せゲーム数を報知させるためだけの専用の追加操作を遊技者に強いることはなく、通常の一連の遊技の流れの中で通常上乗せゲーム数が報知されるため、テンポよく遊技を進めることができる。
【0241】
また、本実施の形態では、追加上乗せゲーム数については、遊技開始時の抽選において決定し、演出用ボタンスイッチ(チャンスボタン)42の操作を契機に報知が行われるように形成されている。したがって、既に追加上乗せゲーム数は決定されているものの、遊技者に対しては演出用ボタンスイッチ(チャンスボタン)42の操作により、追加上乗せゲーム数を決定しているように見せることができる。これにより、遊技者は演出用ボタンスイッチ(チャンスボタン)42の操作にも期待感を持つことができる。なお、追加上乗せゲーム数を報知するためのスイッチは、演出用ボタンスイッチ(チャンスボタン)42に限らない。ベットスイッチ32やスタートスイッチ40を報知用のスイッチとしてもよい。また、報知のために別途専用のスイッチを設けてもよい。
【0242】
また、本実施の形態では、第1上乗せゲーム数から第3上乗せゲーム数の各通常上乗せゲーム数が少ない場合であっても、その組み合わせによっては「特別な組み合わせ」が成立して追加上乗せゲーム数を報知させることが可能となっている。したがって、ストップスイッチ50の停止操作に応じて過小なゲーム数(例えば、全て5ゲーム等)しか報知されない場合であっても、追加上乗せゲーム数が決定されることで、最終的に多い上乗せゲーム数の獲得を期待することができる。
【0243】
また、本実施の形態では、複数の通常上乗せゲーム数が各々独立した抽選により決定される。このため、多くの抽選情報を必要とすることなく、通常上乗せゲーム数の組み合わせに多くのバリエーションを持たせることができる。具体的には、通常上乗せゲーム数の組み合わせを27通り設ける場合、1回の抽選で決定しようとすると、27個の抽選結果、すなわち、抽選結果を示す情報の記憶領域が27個分必要となるが、本実施の形態のように、各々独立した3回の抽選に対し3個ずつの抽選結果を設けると、合計9個(3個×3回)の抽選結果、すなわち、抽選結果を示す情報の記憶領域が9個分で足りることになる。したがって、本実施の形態によれば、合計9個の抽選結果(9個分の記憶領域)で、27通りの通常上乗せゲーム数の組み合わせを得ることができる。そして、多くのバリエーションを持つ通常上乗せゲーム数の組み合わせの一部が追加上乗せゲーム数の発生契機となる「特別な組み合わせ」となるため、「特別な組み合わせ」のバリエーションも多く持つことが可能となり、多彩な「特別な組み合わせ」のバリエーションの中から、追加上乗せゲーム数を決定することができる。
【0244】
また、本実施の形態では、複数の通常上乗せゲーム数の組み合わせが、「特別な組み合わせ」であるか否かに関わらず、有利遊技状態のゲーム数に加算されるため、一旦、遊技者に報知された通常上乗せゲーム数が破棄されることはない。したがって、ストップスイッチ50の停止操作を契機に報知される通常上乗せゲーム数に対して遊技者は強い関心を持つことができるとともに、報知される毎に一定の利益は確定していくので安心感を与えることができる。
【0245】
なお、本実施の形態では有利遊技状態に設けられた上乗せ状態において、特殊上乗せ獲得処理が実行されるが、これに限らない。例えば、有利遊技状態に移行する前に高確率でATへの移行抽選が行われるチャンスゾーン(自力解除ゾーン)を設け、当該チャンスゾーン(自力解除ゾーン)において、特殊上乗せ獲得処理を実行してもよい。
【0246】
なお、本実施の形態では、スタートスイッチ40が操作される遊技開始時に第1上乗せゲーム数、第2上乗せゲーム数、第3上乗せゲーム数の通常上乗せゲーム数を抽選にて決定しているが、これに限らず、各ストップスイッチ50の停止操作時に決定してもよい。すなわち、第1上乗せゲーム数については、スタートスイッチ40の操作開始時から、ストップスイッチ50の第1停止操作完了時までの間に、第2上乗せゲーム数については、スタートスイッチ40の操作開始時から、ストップスイッチ50の第2停止操作完了時までの間に、第3上乗せゲーム数については、スタートスイッチ40の操作開始時から、ストップスイッチ50の第3停止操作完了時までの間に、それぞれ決定すればよいものである。
【0247】
この場合、ある特定のストップスイッチ50の停止操作を契機に報知される通常上乗せゲーム数を、当該特定のストップスイッチ50の停止操作が行われるまでに決定するため、ストップスイッチ50の停止操作を行う際には、既に通常上乗せゲーム数が決定されている。したがって、特定のストップスイッチ50の停止操作が有効であれば、いつのタイミングで停止操作が行われたとしても、報知される通常上乗せゲーム数に影響を与えることはない。これにより、役抽選結果に対応する図柄61の組み合わせを停止させる本来のストップスイッチ50の停止操作に対する注意を妨げることがなく、狙った図柄61を停止させることに遊技者を専念させることができる。
【0248】
また、本実施の形態では、予め、ストップスイッチ50の停止操作の順番毎に通常上乗せゲーム数を決定するための抽選テーブルが設けられ、これを用いて、ストップスイッチ50の停止操作が行われる前に、報知される各通常上乗せゲーム数が決定される。このため、ストップスイッチ50の停止操作が行われた順序や停止操作のタイミングが、報知される通常上乗せゲーム数に影響を与えることはない。したがって、例え、押し順が設定された役抽選結果が決定された遊技であっても、設定された押し順に従って図柄61を揃えようとする本来のストップスイッチ50の操作の妨げになることはない。
【0249】
なお、本実施の形態では、特殊上乗せ獲得処理において決定した通常上乗せゲーム数を遊技者に対して報知しているが、例えば、決定した通常上乗せゲーム数とは異なるゲーム数を報知してもよい。具体的には、第1、第2、第3の各通常上乗せゲーム数が、「20ゲーム・20ゲーム・20ゲーム」に決定された場合、第1停止操作時に「10ゲーム」と報知し、第2停止操作時に「20ゲーム」と報知し、第3停止操作時に「20ゲーム」と報知し、その後、第1停止操作時に報知した「10ゲーム」を「20ゲーム」と書き換える場合である。あえて、決定された通常上乗せゲーム数をとは異なるゲーム数を報知することにより、一見、追加上乗せゲーム数の獲得が無いと報知しながら、実際は獲得できたというように、遊技者の期待を良い意味で裏切るといった演出が可能である。
【0250】
なお、本実施の形態は、3個の回転リール62を備えた3リール機であるが、3個以上の回転リール62を備えてもよい。例えば、4個の回転リール62を備えた4リール機においても、本発明を採用することができる(以下の変形例、及び第2の実施の形態に同じ)。この場合、回転リール62を停止させるためのストップスイッチ50は4個あるため、1回の遊技につき、通常上乗せゲーム数を最大4回獲得することができる。
【0251】
本実施の形態では、各ストップスイッチ50の停止操作順序毎に通常上乗せゲーム数を決定していが、これに限らず、各ストップスイッチ50の配置位置毎に通常上乗せゲーム数を決定してもよい。すなわち、左ストップスイッチL、中ストップスイッチC、及び右ストップスイッチR毎に通常上乗せゲーム数を決定するのである。
【0252】
本実施の形態においては、有利遊技状態に関して遊技者は上乗せゲーム数を得ることができるが、これに限らない。すなわち、有利遊技状態のゲーム数が上乗せされる上乗せゲーム数の他に、所定のゲーム数からなるセット数、遊技媒体の獲得可能枚数、遊技結果に応じて付与されるポイント数などを上乗せしてもよい。
【0253】
(変形例1)
本実施の形態では、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数に基づいて、第2停止用上乗せ抽選、第3停止用上乗せ抽選、及び追加上乗せ抽選が決定されるが、本実施の形態の変形例1は、第2停止用上乗せ抽選により決定された第2上乗せゲーム数に基づいて、第3停止用上乗せ抽選、及び追加上乗せ抽選を決定するものである。すなわち、第1上乗せゲーム数については、その後の上乗せゲーム数の決定に影響を及ぼさないものの、第2上乗せゲーム数については、それ以降の上乗せゲーム数の決定に影響を与えるように形成したのである。この場合でも、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0254】
変形例1では、先に決定される通常上乗せゲーム数が、後に決定される通常上乗せゲーム数と関連することになる。このため、先に報知された通常上乗せゲーム数から、後に報知される通常上乗せゲーム数、延いては、全ての通常上乗せゲーム数の組み合わせ(即ち、確定している利益の総数)を予測する楽しみを遊技者に与えることができる。
【0255】
(変形例2)
本実施の形態の変形例2では、既に決定された通常上乗せゲーム数と同じゲーム数に決定されやすい停止操作順序があることを特徴とする。例えば、第3停止用上乗せ抽選において、第2上乗せゲーム数と同じゲーム数を獲得する確率を高くする。すなわち、同じゲーム数を獲得しやすい操作順番を設けることにより、追加上乗せゲーム数を獲得することへの期待感をより高めることができる。特に第1上乗せゲーム数と第2上乗せゲーム数とがすでに一致している状態(リーチ状態)における期待感を高める際に有効である。
【0256】
(変形例3)
本実施の形態の変形例3では、停止操作順番が早いほど、1つ前の停止操作順番に対応する通常上乗せゲーム数と同じゲーム数を獲得できるよう、第1停止用上乗せ抽選、第2停止用上乗せ抽選、及び第3停止用上乗せ抽選の各上乗せ抽選テーブルを形成したものである。
【0257】
例えば、第1停止用上乗せ抽選において30ゲームが決定された場合、第2停止用上乗せ抽選において30ゲームを獲得可能な確率を26018/32768とし、第3停止用上乗せ抽選において30ゲームを獲得可能な確率を4096/32768とする。
【0258】
このように各上乗せ抽選テーブルの当選領域を設定することにより、ストップスイッチ50の停止操作順番が早い段階で、通常上乗せゲーム数が不一致となり、追加上乗せゲーム数の獲得に失敗してしまうという状況を極力回避し、遊技の早い段階で期待感が失われることを防ぐことができる。
【0259】
(変形例4)
本実施の形態の変形例4は、本実施の形態の第3停止用上乗せ抽選における第3停止用上乗せ抽選テーブルの当選領域を変更したものである。本実施の形態における第3停止用上乗せ抽選テーブルは、
図12に示すように、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数より少ないゲーム数が当選領域から除外されており、さらに第1上乗せゲーム数が多い場合、第3停止用上乗せ抽選における当選の対象数が少なくなるように形成されている。これに対して、本変形例の第3停止用上乗せ抽選テーブルを
図22に示す。
【0260】
図22は、上乗せ抽選テーブルの全領域を16384とした場合の当選領域の範囲を数値で示したものである。本変形例では、第1停止用上乗せ抽選により決定された第1上乗せゲーム数より少ないゲーム数が当選領域から除外されている点は、本実施の形態と同じであるが、第3停止用上乗せ抽選における当選の対象数は第1上乗せゲーム数に関係なく常に3つのゲーム数から決定するように形成されている。
【0261】
本変形例によれば、本実施の形態の効果と同様に、ストップスイッチ50を停止操作する度に、獲得される通常上乗せゲーム数が次第に大きくなるため、最初にストップスイッチ50を停止操作した際の通常上乗せゲーム数が小さくても、遊技者は2番目以降のストップスイッチ50の停止操作による通常上乗せゲーム数の獲得に期待を持つことができる。
【0262】
(変形例5)
本実施の形態の変形例5は、有利遊技状態の各遊技における第1停止操作毎に通常上乗せゲーム数を抽選により決定するとともに、有利遊技状態の複数回の遊技(少なくとも3回の遊技)を経て決定された3つの通常上乗せゲーム数(第1〜第3上乗せゲーム数に相当)が全て一致した場合に追加上乗せゲーム数を抽選により決定するものである。
【0263】
具体例を挙げれば、次のとおりとなる。まず、1回目の遊技の第1停止操作を契機に第1停止用上乗せ抽選が実行され、第1上乗せゲーム数として10ゲームが決定される。続いて2回目の遊技の第1停止操作を契機に第2停止用上乗せ抽選が実行され、第2上乗せゲーム数として10ゲームが決定される。さらに続いて3回目の遊技の第1停止操作を契機に第3停止用上乗せ抽選が実行され、第3上乗せゲーム数として10ゲームが決定される。そして、第1から第3上乗せゲーム数全てが一致していると、追加上乗せ数抽選が実行される。上記の例では、第1から第3上乗せゲーム数全てが10ゲームであるため、追加上乗せ数抽選が実行され、追加上乗せゲーム数が決定される。
【0264】
つまり、本実施の形態では、1回の遊技で複数の通常上乗せゲーム数や追加上乗せゲーム数を決定しているが、変形例5では、複数回の遊技に渡って複数の通常上乗せゲーム数や追加上乗せゲーム数を決定している。すなわち、変形例5は、ストップスイッチ50の停止操作(第1停止操作)が有効か否かを判定し、有効な停止操作であれば上乗せゲーム数が決定されるものであって、有効な停止操作であると判定される都度、上乗せゲーム数の順番(第1・第2・第3上乗せゲーム数)が1つ繰り上がるものである。
【0265】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態は、表示装置84上に設けられたビンゴマップを利用して上乗せゲーム数を獲得する遊技機である。本実施の形態では、通常上乗せゲーム数の決定と同時にキャラクタを取得し、取得した複数のキャラクタによりビンゴが成立した場合に追加上乗せゲーム数が決定される。以下、第1の実施の形態との相違点について説明する。
【0266】
(表示装置84)
ビンゴマップとは
図23に示すように、3行×3列の計9カ所のマス目にキャラクタを配した画像データをいう。このビンゴマップの各キャラクタには、当該キャラクタの画像と当該キャラクタに対応する上乗せゲーム数が表示されている。なお、A1からC3までのマップ番号は、画面上に付されているものではなく、仮想的な番号であって、プログラムで各キャラクタの配列を把握するためのものである。
【0267】
ビンゴマップは
図24に示すように、ビンゴマップパターン1からビンゴマップパターン4までの4種類が用意されている。そして、各ビンゴマップ上に表示されるキャラクタは全部で12種類用意されており、各ビンゴマップには12種類のキャラクタのうちの9種類が配列されている。具体的には、ビンゴマップパターン1の場合、マップ番号A1からA3までにキャラクタ1からキャラクタ3が順に配置されており、マップ番号B1からB3までにキャラクタ4からキャラクタ6が順に配置されており、マップ番号C1からC3までにキャラクタ7からキャラクタ9が順に配置されている。また、ビンゴマップパターン2の場合、パターン1との相違点として、マップ番号A2のキャラクタがキャラクタ2からキャラクタ10に変更されている。また、ビンゴマップパターン3の場合、パターン1との相違点として、マップ番号A2のキャラクタがキャラクタ2からキャラクタ10に変更され、マップ番号B1のキャラクタがキャラクタ4からキャラクタ11に変更されている。さらに、ビンゴマップパターン4の場合、パターン1との相違点として、マップ番号A2のキャラクタがキャラクタ2からキャラクタ10に変更され、マップ番号B1のキャラクタがキャラクタ4からキャラクタ11に変更され、マップ番号B2のキャラクタがキャラクタ5からキャラクタ12に変更されている。
【0268】
本実施の形態におけるビンゴマップは、第1停止用上乗せ抽選処理、第2停止用上乗せ抽選処理、及び第3停止用上乗せ抽選処理の各上乗せ抽選処理により、その表示態様が変化する。具体的には
図25(A)及び(B)に示すように、表示装置84に表示されるビンゴマップでは、各上乗せ抽選処理において取得したキャラクタは「選択済」となり、表示色が変化する。そして、取得したキャラクタが所定の並びになるとビンゴラインが成立し、ビンゴラインのマップ番号のキャラクタが点灯又は点滅する。
【0269】
ここで、「所定の並び」で成立するビンゴラインは、
図26に示すように8種類ある。具体的には、ライン番号1としてマップ番号A1、A2、A3が揃う場合、ライン番号2としてマップ番号B1、B2、B3が揃う場合、ライン番号3としてマップ番号C1、C2、C3が揃う場合、ライン番号4としてマップ番号A1、B1、C1が揃う場合、ライン番号5としてマップ番号A2、B2、C2が揃う場合、ライン番号6としてマップ番号A3、B3、C3が揃う場合、ライン番号7としてマップ番号A1、B2、C3が揃う場合、ライン番号8としてマップ番号A3、B2、C1が揃う場合がある。各ライン番号には、左側から(ライン番号4から6については上から)「Ex1」、「Ex2」、「Ex3」の特別マップ番号が付されている。なお、
図26の各特別マップ番号は、画面上に付されているものではなく、仮想的な番号であって、プログラムで各キャラクタの配列を把握するためのものである。
【0270】
(サブ制御基板300)
図27に示すように、サブ制御基板300には、演出制御手段310、画像記憶手段330、通常上乗せ決定手段340、追加上乗せ決定手段350及びカウント手段360に加え、配列記憶手段370、及び配列決定手段380の各手段を有する。
【0271】
(画像記憶手段330)
画像記憶手段330には、
図24に示すような、各ビンゴマップパターンの画像が追加で記憶されている。
【0272】
(通常上乗せ決定手段340)
通常上乗せ決定手段340は、有利遊技状態のゲーム数に加算可能であり、かつストップスイッチの属性それぞれに対応する通常上乗せゲーム数を決定するとともに、複数の要素から1の要素を決定するものである。ここで、本実施の形態における「要素」とは、表示装置84上に表示されるキャラクタである。本実施の形態の通常上乗せ決定手段340は、複数のキャラクタから1のキャラクタを抽選(キャラクタ抽選)で決定し、さらに当該キャラクタに対応する通常上乗せゲーム数を決定する。このキャラクタ抽選は、ストップスイッチ50の停止操作毎に実行されるため、停止操作毎に通常上乗せゲーム数とキャラクタが決定される。
【0273】
上記のとおり、本実施の形態では、まずキャラクタ抽選により1のキャラクタを決定する。一方、詳しくは後述するが、
図30に示すキャラクタ別上乗せゲーム数テーブルにはキャラクタに対応するゲーム数が規定されている。そして、通常上乗せ決定手段340は、当該テーブルを参照し、決定されたキャラクタに対応するゲーム数を通常上乗せゲーム数として決定する。例えば、
図25(A)に示すように、キャラクタ抽選によりマップ番号A2のキャラクタ2が決定されると通常上乗せゲーム数として10ゲームが決定される。
【0274】
(キャラクタ抽選)
キャラクタ抽選は、第1停止用上乗せ抽選処理、第2停止用上乗せ抽選処理、及び第3停止用上乗せ抽選処理の各上乗せ抽選処理において選択されるキャラクタを抽選(キャラクタ抽選)により決定するためのものである。
【0275】
図28にキャラクタ抽選に用いられるキャラクタ抽選テーブルを示す。本実施の形態のキャラクタ抽選テーブルは、9個のマップ番号(A1〜A3、B1〜B3、C1〜C3)の各々に対して抽選値(抽選確率)を設定した抽選テーブルを有する(テーブル番号1〜m)。このキャラクタ抽選テーブルの各テーブル番号においては、抽選値が設定されているマップ番号が互いに異なっている。
【0276】
具体的には、テーブル番号1は、9個全てのマップ番号に対して抽選値が設定されている。また、テーブル番号2〜10は、9個のマップ番号のうちの8個のマップ番号の組み合わせに対して抽選値が設定されている。例えば、テーブル番号2はマップ番号A1を除く8個のマップ番号(A2〜C3)に対して、テーブル番号3はマップ番号A2を除く8個のマップ番号(A1、A3〜C3)に対して、テーブル番号4はマップ番号A3を除く8個のマップ番号(A1〜A2、B1〜C3)に対して抽選値が設定されている。マップ番号5〜10についても同様に1個のマップ番号を除く8個のマップ番号に対して抽選値が設定されている。
【0277】
また、図示していないが、テーブル番号11以降には、9個のマップ番号のうちの7個のマップ番号の組み合わせに対して抽選値が設定されたテーブルと、9個のマップ番号のうちの6個のマップ番号の組み合わせに対して抽選値が設定されたテーブルと、9個のマップ番号のうちの5個のマップ番号の組み合わせに対して抽選値が設定されたテーブルと、9個のマップ番号のうちの4個のマップ番号の組み合わせに対して抽選値が設定されたテーブルと、9個のマップ番号のうちの3個のマップ番号の組み合わせに対して抽選値が設定されたテーブルと、9個のマップ番号のうちの2個のマップ番号の組み合わせに対して抽選値が設定されたテーブルがある。例えば、テーブル番号m−1はマップ番号C1及びC2に対して、テーブル番号mはマップ番号C2及びC3に対して抽選値が設定されている。
【0278】
ここで、いずれかのマップ番号が選択済みの場合、次にキャラクタ抽選を行う場合は、当該選択済みのマップ番号が除外されたテーブル番号が選択される。例えば、テーブル番号2に示すように、初回のキャラクタ抽選において、マップ番号A1が選択されていた場合は、マップ番号A1を除外した8個のマップ番号から1個のマップ番号が選択可能となる。
【0279】
また、例えば、テーブル番号mに示すように、これまでのキャラクタ抽選において、マップ番号A1からC1までが選択されていた場合は、これらを除外した2個のマップ番号(C2及びC3)から1個のマップ番号が選択可能となる。
【0280】
ここで具体例を示すと、上乗せ状態移行後の最初の遊技において、テーブル番号1のキャラクタ抽選テーブルを使用してキャラクタ抽選を実行した結果、マップ番号A2のキャラクタが選択されたとする。すると、次遊技のキャラクタ抽選では、例えばテーブル番号2やテーブル番号4のようにマップ番号A2に対する抽選値が設定されたキャラクタ抽選テーブルを除外し、テーブル番号3のようにマップ番号A2に対する抽選値が設定されていないキャラクタ抽選テーブルを採用してキャラクタ抽選を実行する。
【0281】
(追加上乗せ決定手段350)
追加上乗せ決定手段350は、通常上乗せ決定手段340により決定された要素が複数蓄積された場合に、複数の蓄積された要素の間の関連性を判定し、その判定結果に基づいて追加上乗せゲーム数を決定するものである。本実施の形態では、表示装置84において、複数の蓄積された要素が所定の並び方で表示されている場合に、複数の蓄積された要素の間に関連性があると判定される。具体的には、通常上乗せ決定手段340により決定された複数のキャラクタが表示装置84に表示されている場合に、所定の並び方で表示されているか否かを判定し、その判定結果に基づいて有利遊技状態に加算するゲーム数を決定する。つまり、本実施の形態における「要素の間の関連性がある場合」とは、キャラクタ抽選により決定され取得されたキャラクタがビンゴマップ上で所定の並びとなるビンゴラインが成立することをいう(
図25参照)。
【0282】
追加上乗せ決定手段350は、ビンゴラインが成立しているか否かを判定し、ビンゴラインが成立している場合には、有利遊技状態に加算する追加上乗せゲーム数を決定する。ここで、追加上乗せゲーム数とは、ビンゴライン上のキャラクタに対応する上乗せゲーム数の合計値である。例えば、
図25(B)に示すように、マップ番号A1、B2、C3のビンゴライン(ライン番号7)が成立した場合、マップ番号A1の上乗せゲーム数「20」と、マップ番号B2の上乗せゲーム数「50」と、マップ番号C3の上乗せゲーム数「10」の合計値である80ゲームが追加上乗せゲーム数として決定される。
【0283】
なお、複数遊技に渡り特殊上乗せ獲得処理が行われる場合、既に選択されているキャラクタに、新たな遊技で決定されたキャラクタを加えてビンゴラインの成立を判定してもよい。
【0284】
(配列記憶手段370)
配列記憶手段370は、表示装置84に表示されるビンゴマップにおけるキャラクタの配列(
図24参照)を記憶するためのものである。具体的には、
図29に示すように、配列記憶手段370にはビンゴマップ毎に、マップ番号に対応するキャラクタを示す情報を記憶したビンゴマップテーブルが備えられている。また、
図30に示すように、配列記憶手段370には、各キャラクタに対応する上乗せゲーム数を記憶したキャラクタ別上乗せゲーム数テーブルが備えられている。
【0285】
ビンゴマップテーブルは
図29に示すように、ビンゴマップパターン1からビンゴマップパターン4までの4種類が用意されている。具体的には、ビンゴマップパターン1の場合、マップ番号A1からA3までにキャラクタ1からキャラクタ3が順に配置されており、マップ番号B1からB3までにキャラクタ4からキャラクタ6が順に配置されており、マップ番号C1からC3までにキャラクタ7からキャラクタ9が順に配置されている。また、ビンゴマップパターン2の場合、パターン1との相違点として、マップ番号A2のキャラクタがキャラクタ2からキャラクタ10に変更されている。また、ビンゴマップパターン3の場合、パターン1との相違点として、マップ番号A2のキャラクタがキャラクタ2からキャラクタ10に変更され、マップ番号B1のキャラクタがキャラクタ4からキャラクタ11に変更されている。さらに、ビンゴマップパターン4の場合、パターン1との相違点として、マップ番号A2のキャラクタがキャラクタ2からキャラクタ10に変更され、マップ番号B1のキャラクタがキャラクタ4からキャラクタ11に変更され、マップ番号B2のキャラクタがキャラクタ5からキャラクタ12に変更されている。以上のとおり、ビンゴマップテーブルのキャラクタの配置は、
図24に示す表示装置84に表示されるビンゴマップに対応している。
【0286】
一方、キャラクタ別上乗せゲーム数テーブルは
図30に示すように12種類のキャラクタのそれぞれに、10ゲーム、20ゲーム、30ゲーム、50ゲーム又は100ゲームのいずれかのゲーム数が設定されている。そして
図24に示すように、これらのゲーム数は表示装置84に表示されるビンゴマップ上の対応するキャラクタ部分に表示される。そして、キャラクタ抽選が行われることで、対応するゲーム数を上乗せゲーム数として獲得することが可能となる。なお、各キャラクタに対応するゲーム数は上記の場合に限らず、任意のゲーム数を設定することができる。
【0287】
(配列決定手段380)
配列決定手段380は、4つのビンゴマップパターンから1のビンゴマップパターンを決定するためのものである。具体的には、上乗せ実行抽選に当選した際、4つのビンゴマップパターンから1のビンゴマップパターンを抽選で選択するためのビンゴマップ抽選が実行される。そして、当該ビンゴマップ抽選の結果選択されたビンゴマップパターンを有利遊技状態の上乗せ状態において使用されるビンゴマップとして決定する。
【0288】
図31にビンゴマップ抽選に用いられるビンゴマップ抽選テーブルを示す。ビンゴマップ選択率はビンゴマップパターン1が40%で最も高く、ビンゴマップパターン2が30%、ビンゴマップパターン3が20%、ビンゴマップパターン4が10%となっている。ここで、キャラクタ10、11、及び12は、獲得可能なゲーム数が比較的多いため(
図24又は
図30参照)、これらのキャラクタが多く含まれるビンゴマップほど、選択率が低くなるように設定されている。
【0289】
なお、各ビンゴマップの選択率はこれに限らない。ゲームの進行状況に応じて変更したり、設定値に応じて変更することができる。
【0290】
(特殊上乗せ獲得処理)
次に、
図32に示すフローチャートに基づいて、サブ制御基板300において実行され、キャラクタ、通常上乗せゲーム数及び追加上乗せゲーム数を決定する特殊上乗せ獲得処理について説明する。
【0291】
ステップ600において、メイン制御基板110から遊技開始情報を受信したか否か、すなわち、ベット操作により賭数が設定され、スタートスイッチ40が操作されたか否かが判定される。遊技開始情報を受信した場合は、次のステップ601に進む。一方、遊技開始情報を受信していない場合は、そのまま特殊上乗せ獲得処理を終了する。
【0292】
ステップ601において、メイン制御基板110から役抽選手段120により決定された役抽選の結果を受信したか否かが判定される。役抽選結果を受信した場合は、次のステップ602に進む。一方、役抽選結果を受信していない場合は、ステップ601を繰り返す。
【0293】
ステップ602において、上乗せ実行抽選が実行される。当該上乗せ実行抽選は役抽選の結果、強チェリー役などのレア役に当選している場合に実行される。そして、次のステップ603に進む。
【0294】
ステップ603において、上乗せ実行抽選の抽選結果が当選か否かが判定される。抽選結果が当選と判定された場合は、次のステップ604に進む。一方、抽選結果が非当選と判定された場合は、特殊上乗せ獲得処理を終了する。
【0295】
ステップ604において、ビンゴマップ決定処理が実行される。そして次のステップ605に進む。
【0296】
ステップ605において、1のキャラクタとストップスイッチ50の第1停止操作時に報知される第1上乗せゲーム数を決めるための第1停止用上乗せ抽選処理が行われる。そして次のステップ606に進む。
【0297】
ステップ606において、1のキャラクタとストップスイッチ50の第2停止操作時に報知される第2上乗せゲーム数を決めるための第2停止用上乗せ抽選処理が行われる。そして次のステップ607に進む。
【0298】
ステップ607において、1のキャラクタとストップスイッチ50の第3停止操作時に報知される第3上乗せゲーム数を決めるための第3停止用上乗せ抽選処理が行われる。そして次のステップ608に進む。
【0299】
ステップ608において、成立したビンゴラインが有るか否かの判定が行われる。
図26のライン番号1から8のいずれかのビンゴラインが成立していると判定された場合、次のステップ609に進む。一方、いずれのビンゴラインも成立していないと判定された場合は、特殊上乗せ獲得処理を終了する。
【0300】
ステップ609において、追加上乗せフラグがONにされる。そして、次のステップ610に進む。
【0301】
ステップ610において、追加上乗せゲーム数を決めるための追加上乗せ抽選処理が実行される。そして、特殊上乗せ獲得処理を終了する。
【0302】
(ビンゴマップ決定処理)
次に、
図33に示すフローチャートに基づいて、配列決定手段380において実行されるステップ604のビンゴマップ決定処理について説明する。
【0303】
ステップ701において、ビンゴマップ抽選が実行される。そして次のステップ702に進む。
【0304】
ステップ702において、ビンゴマップ抽選における抽選結果に対応するビンゴマップが設定される。具体的には
図24に示す、ビンゴマップパターン1からビンゴマップパターン4の4種類のビンゴマップのうちから1のビンゴマップが決定される。そして、ビンゴマップ決定処理を終了する。
【0305】
(第1停止用上乗せ抽選処理)
次に、
図34に示すフローチャートに基づいて、通常上乗せ決定手段340において実行されるステップ605の第1停止用上乗せ抽選処理について説明する。
【0306】
まず、ステップ800において、キャラクタ抽選が実行される。これにより、ビンゴマップ上から1のキャラクタが選択される。そして次のステップ801に進む。
【0307】
ステップ801において、キャラクタ抽選の結果に対応するキャラクタを獲得するキャラクタとして決定する。そして、次のステップ802に進む。
【0308】
ステップ802において、キャラクタ別上乗せゲーム数テーブルを参照して、決定したキャラクタに対応するゲーム数を取得する。例えば、キャラクタ5を取得した場合、
図30に示すとおり、50ゲームが取得される。ゲーム数の取得が終了すると、次のステップ802に進む。
【0309】
ステップ803において、取得したゲーム数が第1上乗せゲーム数として決定され、サブ制御基板300の所定の記憶領域に記憶される。そして、次のステップ804に進む。
【0310】
ステップ804において、決定した第1上乗せゲーム数を有利遊技状態の残りゲーム数に加算する。具体的には、カウント手段360のゲーム数カウンタに第1上乗せゲーム数の値が加算される。そして、第1停止用上乗せ抽選処理を終了する。
【0311】
(第2停止用上乗せ抽選処理及び第3停止用上乗せ抽選処理)
第2停止用上乗せ抽選処理及び第3停止用上乗せ抽選処理では、
図34に示す第1停止用上乗せ抽選処理と同様の処理が実行される。
【0312】
(追加上乗せ数抽選処理)
次に、
図35に示すフローチャートに基づいて、追加上乗せ決定手段350において実行されるステップ610の追加上乗せ数抽選処理について説明する。
【0313】
ステップ900において、キャラクタ別上乗せゲーム数テーブルを参照して、ビンゴラインの3つのキャラクタのゲーム数の合計値を取得する。例えば、ビンゴラインのキャラクタがキャラクタ1、キャラクタ5、キャラクタ9の場合、キャラクタ1のゲーム数の20ゲーム、キャラクタ5のゲーム数の50ゲーム、キャラクタ9のゲーム数の10ゲームの合計値である80ゲームが取得される。そして次のステップ901に進む。
【0314】
ステップ901において、取得した合計ゲーム数が追加上乗せゲーム数として決定され、サブ制御基板300の所定の記憶領域に記憶される。そして、次のステップ902に進む。
【0315】
ステップ902において、決定した追加上乗せゲーム数を有利遊技状態の残りゲーム数に加算する。具体的には、カウント手段360のゲーム数カウンタに第3上乗せゲーム数の値が加算される。そして、追加上乗せ数抽選処理を終了する。
【0316】
(まとめ)
本実施の形態では、有利遊技状態の上乗せ状態におけるキャラクタ抽選によって、キャラクタと通常上乗せゲーム数を獲得可能に形成されている。そして、獲得されたキャラクタが表示される表示装置84のビンゴマップにおいて、所定のライン(ビンゴライン)が揃うとビンゴ成立となり、ビンゴライン上の通常上乗せゲーム数の合計値を特別上乗せゲーム数としてさらに獲得することができる。
【0317】
本実施の形態によれば、上乗せゲーム数とともに獲得したキャラクタを更なる上乗せゲーム数の獲得の機会に反映させることができる。これにより、遊技者は再度上乗せゲーム数を獲得できる期待感を得ることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0318】
なお、本実施の形態では有利遊技状態に設けられた上乗せ状態において、特殊上乗せ獲得処理が実行されるが、これに限らない。例えば、有利遊技状態に移行する前に高確率でATへの移行抽選が行われるチャンスゾーン(自力解除ゾーン)を設け、当該チャンスゾーン(自力解除ゾーン)において、特殊上乗せ獲得処理を実行してもよい。
【0319】
(変形例)
本実施の形態におけるビンゴマップは、
図23に示すとおり3行×3列の9個のマス目からなるものであるが、これに限らない。例えば、3行×4列、4行×4列、5行×5列などマス目の配列や、その他の配列を自由に決めることができる。本実施の形態の変形例としては以下のような形態のビンゴマップがある。
【0320】
ビンゴマップの変形例1として、
図36(a)は、5行×5列のビンゴマップの例である。中央のマス目を「FREE」として、最初から塗り潰された状態とすることができる。
【0321】
ビンゴマップの変形例2として、
図36(b)は、ビンゴライン2本のみからなるビンゴマップの例である。中央と四隅の5つのマス目から形成されており、右上がりのラインと、右下がりのラインのみが有効となっている。
【0322】
ビンゴマップの変形例3として、
図36(c)は、成立済みのビンゴラインが常時表示されるビンゴマップの例である。
図6に示す3行×3列のマップからキャラクタ画像を廃し、ビンゴラインが常時表示されるように形成したものである。
【0323】
ビンゴマップの変形例4として、
図36(d)は、中央に全てのビンゴラインで共有されるマス目を設けたビンゴマップの例である。全てのマス目が六角形であり、中央のマス目を中心に3本のビンゴラインが有効となっている。