(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0004】
この目的は、
−好ましくは供給管と、
−流体を分配方向に搬送するように構成された分配管と、
−変形可能なポーチと、
−好ましくは、開いた状態では、前記供給管から前記ポーチの内部に流体が流れるのを許容し、閉じた状態では、それを許容しない供給弁と、
−開いた状態では、前記ポーチの内部から前記分配管に流体が流れるのを許容し、閉じた状態では、それを許容しない分配弁と、
を備えた流体(液体及び/又は気体)分配装置によって解決される。
【0005】
前記分配弁は、前記分配管の内壁の間に締め付けられることによって前記装置に保持されることが好ましい。
【0006】
より一般的には、前記分配弁は、締め付けによって本発明に係る装置の内部に保持されることが好ましく、
−例えば、前記分配管に沿って前記分配弁を摺動させることによって締め付けられ、
−一般的には、前記分配弁を前記分配管の内部へ移動させ又は挿入した後、前記分配管の内部で締め付けられることが、特に好ましい(一般的には、前記分配管の内部での前記分配弁の移動は、前記分配弁又はそれに一体化された結合部分の材料の変形を生じさせ、それによって、この一体化された結合部分又は直接的な前記分配弁の締め付けが達成される)。
【0007】
前記分配弁は、その閉じた状態において、前記分配管の内壁の(分配座と呼ばれる)部分に押し付けられ接触して保持されることが好ましい。
【0008】
好ましくは、前記分配弁は、結合部分と連結されていてもよく、前記分配弁と前記結合部分は、単一片として一体化されていることが好ましい。
【0009】
前記分配弁と前記結合部分は、全体的に前記分配管の内部に収納されていることが好ましい。
【0010】
前記分配弁が前記分配管の内壁の間に締め付けられることによって前記装置の内部に保持されている場合、前記分配弁は、前記分配管の内壁の間に前記結合部分が締め付けられることによって、前記装置の内部に保持されることが好ましい。さらに、前記供給弁と前記分配弁は、前記結合部分によって連結され、これら2つの弁と前記結合部分が単一片として一体化され、前記分配管の内壁の間に前記結合部分が締め付けられることによって、2つの弁が前記装置の内部に保持されていてもよい。
【0011】
一般的には、前記分配管の内部に移動させ又は挿入した後、前記分配管内に締め付けられることによって、前記分配弁が、本発明に係る装置に保持されている場合、一般的には、前記分配管の内部に前記分配弁を移動させ又は挿入した後、前記分配管の内部に前記結合部分が締め付けられることによって、前記分配弁が、本発明に係る装置に保持されることが好ましい。
【0012】
さらに、本発明に係る装置は、(好ましくは、変形できない又は半剛体の)貯蔵タンクを備え、前記供給管が前記貯蔵タンクと前記変形可能なポーチを連結するようにしてもよい。この場合、本発明に係る装置は、前記ポーチ又は前記供給管を通ることなく、前記分配管から前記貯蔵タンクの内部に空気が流れるのを可能にするように構成された流路(例えば、溝)を備えていてもよい。この流路は、前記分配管の内壁と前記結合部分の間に設置されていることが好ましい。
【0013】
さらに、前記供給弁は、前記結合部分に対して自由端を備えた供給膜を備え、この自由端は、前記供給弁が開いた状態と閉じた状態の間を変位させるように移動し、前記結合部分に部分的に結合されるように構成されていてもよい。
【0014】
さらに、前記供給膜は、前記分配方向において、その結合部から少なくとも前記自由端の一部分まで伸張していてもよい。
【0015】
さらに、前記供給膜は、平坦であり、その結合部から自由端まで、前記分配方向に対して45度以下の角度で伸張していることが好ましい。
【0016】
さらに、前記供給膜は、その結合部から自由端まで、前記分配方向に対して5度以上の角度で伸張していることが好ましい。この角度は、5度と45度の間に含まれることが好ましい。さらに、この角度は、5度と20度の間に含まれることが好ましい。
【0017】
さらに、前記供給膜の前記自由端(好ましくは、前記供給膜の前記自由端のみであって、その結合部ではない)は、前記ポーチの内部に位置していてもよい。
【0018】
さらに、前記分配弁は、前記結合部分に対する自由端を備えた分配膜を備え、この自由端は、前記分配弁が開いた状態と閉じた状態の間を変位させるように移動し、前記結合部分に部分的に結合されるように構成されていてもよい。
【0019】
さらに、前記分配膜は、前記分配方向において、その結合部から少なくとも前記自由端の一部分まで伸張していてもよい。
【0020】
さらに、前記分配膜は、平坦であり、その結合部から自由端まで、前記分配方向に対して45度以下の角度で伸張していることが好ましい。さらに、この角度は、0.1度以上であることが好ましい。この角度は、0.1度と45度の間に含まれていることが好ましい。さらに、この角度は、0.1度と15度の間に含まれていることが好ましい。
【0021】
さらに、前記分配膜の前記自由端は、前記分配管の内部に位置していてもよい。
【0022】
さらに、本発明に係る分配装置は、前記分配弁の前記
分配膜と一体化され、前記分配管の内壁に支持され、前記分配弁が開いた状態から閉じた状態に復帰するために、前記分配膜の上に力を作用させるように構成された復帰手段をさらに備えていてもよい。
【0023】
さらに、前記供給膜の前記結合部は、前記分配膜の前記結合部よりも、前記ポーチから遠く離れていてもよい。
【0024】
さらに、前記結合部分は、前記分配弁と前記供給弁の間に設置されていてもよい。
【0025】
さらに、前記分配管は、その間隔が狭くなる互いに対向する内壁を備え、近い方の内壁は前記分配弁に達する(すなわち、当該実施例にもよるが、近い方の1つは前記結合部分及び/又は前記単一片に達する)ものであってもよい。
【0026】
さらに、本発明に係る分配装置は、前記分配管と前記供給管の間に開口をさらに備え、前記開口は、前記結合部分によって塞がれていてもよい。
【0027】
さらに、本発明に係る分配装置は、前記分配管の前記開口を通って前記ポーチの内部に前記供給膜の前記自由端をガイドするように構成されたガイド手段をさらに備えていてもよい。
【0028】
本発明に係る分配装置は、前記分配弁と本発明に係る装置の外部への前記分配管の吐出口との間の前記分配管に設置された閉止弁をさらに備えていてもよい。前記閉止弁及び前記分配弁(任意には、前記供給弁も一緒に)は、単一片として一体化されていることが好ましい。
【0029】
本発明の他の一態様は、本発明に係る流体分配装置の製造方法を提案しており、前記分配管を通して前記分配弁を挿入するステップと、この分配弁を前記分配管中で、本発明に係る装置が得られるための位置まで、好ましくは、前記分配弁が締め付けによって前記装置の内部に保持されるまで、摺動により移動させるステップを備え、
−例えば、前記分配管に沿って前記分配弁を摺動させることによって締め付けられ、
−特に好ましくは、前記分配管の内部で締め付けられ、好ましくは、(当該実施例にもよるが、好ましくは、前記分配弁が、前記分配管の前記内壁の間で前記結合部分の締め付けによって前記装置の内部に保持されるまで)前記分配管の内壁の間に締め付けられる
ことを特徴とする。
【0030】
さらに、前記挿入ステップは、前記分配管から前記開口を通って前記供給管に至る前記供給弁の通過を含んでいてもよい。
【0031】
さらに、前記挿入ステップは、前記分配管の前記開口を通って前記ポーチの内部に至る前記供給膜の前記自由端の前記ガイド手段によるガイドを含んでいてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の利点及び特徴は、実施形態の詳細な説明を読むことによって明らかであるが、それに限定されるものではない。これらの実施形態は限定的ではないが、もしも、その特徴の選択が先行技術に対する技術的な利点を議論したり、本発明を区別したりするのに十分であるならば、特に、(仮に、この選択が他の特徴を含む文中に含まれていたとしても)記載された他の特徴から分離して、以下に記載された複数の特徴から選択された1つの特徴のみを備えた本発明の変形例を考慮することは可能である。この選択は、構造的な詳細ではなく、少なくとも1つの機能的な特徴を備えているか、あるいは、構造的な詳細の一部分だけでも先行技術に対する技術的な利点を提供したり、本発明を区別したりするのに十分であるならば、その構造的な詳細の一部分のみを備えていることが好ましい。
【0034】
本発明の好適な一実施形態に係る流体分配装置16について、
図1から
図5を参照しつつ説明する。
この流体分配装置16は、液体を備えていることが好ましい。
この流体は、液体か、液体と気体(例えば、泡)の混合物か、あるいはゲルからなるものであってもよい。
この装置16は、
−この流体の貯蔵タンク17と、
−貯蔵タンク17に直接的に連結され、貯蔵タンク17を源流とする流体を分配方向10に搬送するように構成された供給管6と、
−分配方向10に流体を搬送するように構成された分配管8と、
−変形可能なポーチ2と、
−開いた状態では、供給管6からポーチ2の内側に流体が流れるのを許容し、閉じた状態では、それを許容しない供給弁4と、
−開いた状態では、ポーチ2の内側から分配管8に流体が流れるのを許容し、閉じた状態では、それを許容しない分配弁5と、
を備えている。
【0035】
変形可能なポーチ2は、圧力方向3に押し下げられることによる圧力によって変形されるように構成されている。また、ポーチ2は、それが押されているか又は開放されているかに基づいて、供給弁4又は分配弁5を開閉させるように構成されている。
【0036】
供給弁4は、閉じた状態では、供給管6からポーチ2の内側に流体が流れるのを防止する。
分配弁5は、閉じた状態では、ポーチ2の内側から分配管8に流体が流れるのを防止する。
ポーチ
2は、後壁14と変形可能な蓋15によって区切られている。
分配弁5は、分配管8の内壁の間に締め付けられることによって、この装置の内部に保持されている。
供給管6は、分配方向10に沿って伸張している。
分配管8は、分配方向10に沿って伸張している。
供給管6と分配管8は、互いにその延長部分であり、言い換えれば、これらは分配方向10に平行な同じ軸に沿って伸張している。
分配弁5は、変形可能なポーチ2側にあるのではなく、分配管8の内側にある。分配弁5は、挟み込まれておらず、また溶着されてもおらず、分配管8の内壁の間に締め付けられることによって保持されている。
【0037】
供給弁4及び分配弁5は、結合部分11によって連結されている。これら2つの供給弁4及び分配弁5と結合部分11とは、単一片12として一体化されている。この単一片12は、単一の材料で一体成形されている。単一ブロックとしての供給弁4及び分配弁5の製造は、これらの弁の挿入のための時間の短縮を可能にする。供給弁4及び分配弁5を締め付けるために、その他の締め付け片を必要としない。
分配弁5は、全体的に分配管8内に収納されていることがわかる。
結合部分11も、(結合部分11の圧縮を考慮して)全体的に分配管8内に収納されていることがわかる。
【0038】
これら2つの供給弁4及び分配弁5は、結合部分11を分配管8の内壁の間に締め付けることによって、装置16の内部に保持される。結合部分11の締め付けは、圧縮(言い換えると、装置16に組み立てる前の
単一片12の自然状態と、
図1に示すように装置16の内側に組み立てられた状態との間の、
図4と平行な面から眺めた結合部分11の断面積の減少)であり、一般的には5%から80%の間、好ましくは25%±5%の間に含まれる。結合部分11は、一般的には、70−80のショアA堅さを有している。
【0039】
供給弁4は、供給膜7を備えている。供給膜7は、結合部分11に対して自由な端部21を備えている。この自由端21は、供給弁4がその開いた状態と閉じた状態の間で
流体を通過させるように動くように構成されている。供給膜7は、また結合部分11に結合された部分22を備えている。結合部22は、供給管6に内部に配置されている。
【0040】
分配弁5は、分配膜9を備えている。分配膜9は、結合部分11に対して自由な端部19を備えている。この自由端19は、分配弁5がその開いた状態と閉じた状態の間で
流体を通過させるように動くように構成されている。分配膜9は、また結合部分11に結合された部分20を備えている。
【0041】
供給弁4及び分配弁5の各結合部20,22は、結合部分11に結合されており、結合部分11は、ポーチ2の内側ではなく、分配管8及び供給管6の側に配置されている。
【0042】
供給膜7は、その結合部22からその自由端21に向かって伸張している。この伸張は、少なくとも一部分が分配方向10を向いている。供給膜7は平坦であり、結合部22から自由端21に向かって、分配方向10に対して、好ましくは45度以下の角度18で伸張している。
供給膜7は、その結合部22からその自由端21に向かって、分配方向10に対して、好ましくは5度以上の角度で伸張している。
このことは、ポーチ2の内部に供給膜7の自由端の配置を容易にする。
本発明に係る装置の好ましい実施形態において、供給膜7と分配方向10の間の角度は15度である。
【0043】
供給膜7の自由端21は、供給管6の内側ではなくポーチ2の内側に位置している。この自由端21は、結合部分11側ではない方の端部である。この自由端21は、変形又は移動が可能である。
供給膜7の結合部22は、ポーチ2の内側に位置しておらず、後壁14に対して供給管6側に位置している。
【0044】
分配膜9は、その結合部からその自由端に向かって伸張している。この伸張は、少なくとも一部分が分配方向10を向いている。分配膜9は平坦であり、結合部から自由端に向かって、分配方向10に対して、好ましくは15度以下の角度で伸張している。
【0045】
図1に示す本発明に係る装置の好適な実施形態では、分配膜9と分配方向10の間の角度は、0度よりもほんの僅かに大きい(一般的には0.1度から1度の間)だけである。この非常に小さい角度は
図1では認識されないけれども、閉じた状態において完全に密閉させるために分配弁5を圧縮するには十分である。他の変形例では、これよりも大きな値(一般的には1度から5度)とすることができる。
【0046】
分配膜9の自由端19は、ポーチ2の内側ではなく、分配管8の内側に位置している。分配膜9の自由端19は、結合部分11側ではない方の端部である。分配膜9の自由端19は、変形又は移動可能である。
【0047】
ポーチ2(より正確には、蓋15)が圧力方向3に押し込まれると、過大な圧力がポーチ2の内部で発生し;
−供給弁4(より正確には、自由端21)が、ポーチ2の内部で後壁14に接触(より正確には、供給座23と呼ばれる後壁の一部に接触)して押し付けられ、それによって閉じた状態が持続され;
−分配弁5(より正確には、自由端19)が、分配管8の一方の壁から離れるように移動し、それによって開いた状態が持続され;
ポーチ2の内側に収納されていた流体が、分配弁5を圧力方向3に流れ、分配管8によって分配方向10に装置16から放出される。
【0048】
ポーチ2(より正確には、蓋15)に作用する圧力方向3の圧力が開放されると、ポーチ2の内部に負圧が発生し;
−供給弁4(より正確には、自由端21)が、後壁14(より正確には、供給座23)からポーチ2の内側に離れるように移動し、それによって開いた状態が持続され;
−分配弁5(より正確には、自由端19)が、分配管8の内壁に接触(より正確には、分配座24と呼ばれる内壁の一部に接触)するように押し付けられ、それによって閉じた状態が持続され;
供給管6の内部に収容されていた流体が、穴Bを介して、圧力方向3と平行に供給弁4を通過し、それによってポーチ2が、供給管6を介して貯蔵タンク17を源流とする流体で再び満たされる。
【0049】
ポーチ2(より正確には、蓋15)に対して圧力方向3に如何なる圧力も作用していないとき、供給弁4及び分配弁5は、共にそれらの閉じた状態に保持される。
【0050】
この装置16は、また復帰手段29を備えている。この復帰手段29は、分配弁5の分配膜9と一体化されている。これは、分配管
8の内壁に支持されており、分配膜9に力を加えるように構成されている。この力は、分配弁5を開いた状態から閉じた状態に復帰させる。そのため、ポーチ2に作用する圧力の変化が負又は0であっても、分配弁5は閉じた状態にある。
【0051】
図5に描かれているように、供給膜7の結合部22の少なくとも一部分(好ましくは全体)は、分配膜9の結合部20の全体よりも、ポーチ2から(又は蓋15から)遠く離れている。結合部分11は、分配弁5と供給弁4の間に位置している。
【0052】
図2は、
図4のA−A断面を表している。このA−A断面は、分配方向10に対して直角である。
図4は、
図2のA−A断面に従えば、装置16の正面断面図である。
【0053】
分配管8の内壁は、互いに対向し、(供給管6とは反対側の分配管8の一方の端部から始まって)
分配方向10と平行に、単一片12に近づくと、隙間が狭くなる。これらの壁の隙間が狭くなることによって、それらの間に結合部分11が強固に保持されることが可能となる。
【0054】
結合部分11は、これらの内壁によって形成された段差Mのレベルにおいて、分配管8の間に締め付けられることによって、装置16の内側に保持される。この段差Mは、ポーチ2の方向に向かって盛り上がっている。
【0055】
装置16は、また開口Dを備えている。開口Dは、分配管8と供給管6の間に位置している。(組立の際に、供給膜7の通過を可能にする)開口Dは、結合部分11によって塞がれる。
【0056】
この段差Mは、
−分配弁5を保持するために、結合部分11を圧縮し、
−供給管6と分配管8の間の開口Dを封止し、それによって、流体が、供給管6と分配管8の間を直接流れるのではなく、ポーチ2を介して流れることを可能にし、
−結合部分11をポーチ2の方向に持ち上げる、
ように構成されている。
【0057】
装置16は、また、供給膜7の自由端21を分配管8の開口Dを通ってポーチ2の内側にガイドするように構成された、(分配方向10に対して傾斜した面を備えた)ガイド手段Fを備えている。
【0058】
図1において、供給座23の少なくとも一部分(好ましくは全体)は、分配座24よりも、蓋15から遠く離れていることがわかる。
装置16は、また、例えば、流体の噴流を噴霧に変換することを可能にするための(選択的な)吐出部分13を備えている。吐出部分13は、分配管8の境界線を減少させることを可能にする。吐出部分13は、供給管6とは反対側の分配管8の一端側に配置されている。
【0059】
図6を参照しつつ、本発明に係る流体分配装置16の製造方法について説明する。
この方法は、分配管8を通って分配弁5(すなわち、好ましくは単一片12)を挿入するステップを備えている。この方法は、また、
図1〜5を参照して先に説明した装置16を得るために、分配弁5(すなわち、好ましくは単一片12)が位置決めされるまで、すなわち、結合部分11が開口Dに押し込まれるまで、及び/又は、(結合部分11の)分配管8の内壁の間での締め付けによって、分配弁5が装置の内部に保持されるまで、分配管8の内部を、分配弁5(すなわち、好ましくは単一片12)を分配方向10と平行に移動させるステップを備えている。
【0060】
分配弁5(好ましくは単一片12)の移動は、分配管8の内部で、分配弁5(好ましくは単一片12)を摺動させることによって行われる。
段差Mは、装置16の組立中において、分配弁5(より正確には結合部分11)の締め付けを完了させることを可能にし、分配管8の内部での分配弁5の移動は、段差Mのレベルにおいて、ポーチ2の方向における分配弁5の移動(すなわち、その着座)を含んでいる。このことは、優れた密閉を可能にする。
【0061】
挿入ステップは、開口Dを介して分配管8から供給管6までの供給弁4の通過を含む。この挿入ステップは、分配管8から開口Dを通ってポーチ2の内部までの供給膜7の自由端21のガイド手段Fによるガイドを含む。
吐出部分13は、最後に、供給管6とは反対側の分配管8の端部側で、装置16に挿入される。
【0062】
言うまでもなく、本発明は、今まで説明してきた具体例に限定されるものではなく、本発明の範囲を超えることなく、これらの具体例に数値的な調整を加えることができる。
【0063】
本発明の範囲を超えることなく、例えば、供給弁4と分配弁5を一体的ではなく、間隔を開けることができる。別の変形例では、それらを任意に組み合わせることも可能であり、
1)供給弁4を、貯蔵タンク17に結合させて単一片とすることができ;
2)結合部分11を供給弁4と一体化させる必要が無く、分配弁5を先に説明した結合部分11と一体化させることができる。この場合、結合部分11が分配管8の内壁の間に締め付けられることによって、分配弁5が装置16の内部に保持される。この変形例が
図1に示すものよりも利点が少ないことは事実であるとはいえ、供給弁4を、他の手段、例えば挟み込み、ポーチ2側からその頂上を通過させることによってそれを組み立てることによって固定することができる。それゆえ、
図5を参照して、結合部分11を2つの分離された(好ましくは一体でない)部分11a及び11bで構成し、分配弁5は結合部分11aと一体的に、供給弁4は結合部分11bと一体的にするように考えることも可能である(破線25は、この分離の可能性を示している)。そして、分配弁5は、結合部分11aが分配管8の内壁の間に締め付けられることによって、装置16の内部に保持される。また、供給弁4は、結合部分11bが供給管6の内壁の間に締め付けられることによって、装置16の内部に保持されることが好ましく;
3)この装置16は、(例えば複数の流体を分配するために)複数の分配弁といくつかの供給弁を備えていてもよく、これらの分配弁及び供給弁は、1つの分配弁と1つの供給弁で構成された少なくとも1つの組を備えていることが好ましく、各組の弁は、例えば先に説明したような単一片12のような形で一体化されていてもよいし、上記項目2)で述べたように分離されていてもよい。分配されるのが2種類の流体の場合、装置16は、1つの挿入部材によって運ばれる2つの分配弁を備えていてもよく、この挿入部材は2つの分配弁を支持しており、これら2つの分配弁と挿入部材によって構成された組立品は、これらの分配弁の各分配管がそれぞれ連通している吐出管の内部に締め付けられることによって組み立てられることが好ましく、これらの分配弁の少なくとも1つ、好ましくはそれぞれが、図面を参照して説明したものと同じ方法によって、その分配管の内部に締め付けによって保持されている。
4)蓋15及び貯蔵タンク17の壁27は、単一片(単一の材料)として形成してもよい。特に、ポンプ48の本体は、例えば共押し出しによる単一壁の又は二重壁の筒の内部に挿入されていてもよい。
【0064】
本発明に係る装置16の他の変形例について、
図7〜14を参照しつつ説明する。これらの変形例は、
図1〜6の実施形態に対する相違点についてのみ説明する。特に、既に説明した参照符号については、再度説明は行わない。
【0065】
図7及び8を参照して、本発明に係る装置16の変形例は、結合部分11(又は部分11a)に押し込まれるように配置された歯又は隆起26をさらに備えていることがわかる。そのため、この歯又は隆起26は、分配弁5が分配管8の内側から滑り落ちるのを防止する。
【0066】
分配管8によって
結合部分11に作用される締め付け力は、
結合部分11に接触する分配管8の内壁に直交する成分を有しており、これらの締め付け力の全成分の合成52は、部分11に接触する分配壁8の内壁にほぼ直交する(又は分配方向10に対して直交する)か、あるいは、少なくとも部分11に接触する分配壁8の内壁に対して(又は分配方向10に対して)45度以上の角度53をなすことが好ましい。さらに、
図7及び8を参照して、本発明に係る装置16の変形例は、さらに、分配弁5と装置16の外部に対する分配管8の吐出口30の間の分配管8の内部に設置された閉止弁28を備えていることがわかる。この閉止弁28は、
−分配管8から装置16の外部に向かって流体が流れるのを許容する、開いた状態と;
−分配管8から装置16の外部に向かって流体が流れるのを防止する、閉じた状態と、
を有する。
【0067】
この変形例においても、先に説明したように、互いに隙間が狭くなるように形成された管8の内壁によって、
閉止弁28は、分配管8の内部で圧縮され、変形されている間は、保持されている。
【0068】
ポーチ2(より正確には蓋15)が圧力方向3に押し付けられると、過大な圧力がポーチ2の内部に発生し、閉止弁28は、(分配管8の壁である)その座49から離れるように動き、それによって、その開いた状態に保持される。
【0069】
圧力方向3にポーチ2(より正確には蓋15)に作用する圧力が開放されると、ポーチ2の内部に負圧が発生し、閉止弁28が(分配管8の内壁である)その座49に接触して押し付け、それによって、その閉じた状態に保持される。
【0070】
このことは、特に、管8中の流体の乾燥を防止するために、装置16の良好な密閉を可能にする。
この装置16は、弁28に押し込まれるように配置された歯又は隆起31をさらに備えていることが好ましい。
そのため、この歯又は隆起31は、
閉止弁28が分配管8の内側から滑り落ちるのを防止する。
歯31は、装置16を貫通して分配管8の内部まで突き刺すように穴39を開けることによって形成される。一旦、
閉止弁28が管8の内部に設置されると、穴39は
閉止弁28によって塞がれる。
【0071】
図8を参照して、閉止弁28及び分配弁5は(任意には、供給弁4も)、単一片32として一体化されていることが好ましい。この片32は、第1の材料と第2の材料による二重射出成形によって製造されることが好ましい。この片32は、
−第1の(硬い)材料で形成された支持部、好ましくは、
・分配管8の下側の壁を区切る板33、及び/又は、
・ストッパー13(出口面積を減少させるための塗布具、すなわち、流体の噴霧を発生させるための手段)、及び、
−(第1の材料よりも、より柔らかい)第2の材料で形成された弁28,5(任意には4も)、
を備えている。
閉止弁28は、
閉止弁28が開いた状態のときに、流体の通過を可能にする凹んだ溝54を備えていることがわかる。
【0072】
図9〜12を参照して、本発明に係る装置16の「大気」型変形例は、
−分配管8の内壁と部分11又は11aの間(より正確には、段差Mと部分11又は11aの間)に設定され、
−圧力方向3にポーチ2(より正確には、蓋15)に作用する圧力が開放されたときに、ポーチ2を流れることなく、分配管8から貯蔵タンク17の内部に空気が流れるように構成された、
流路34(例えば溝)を備えていることがわかる。
そのため、この変形例では、装置16はもはや気密型ではない。
【0073】
分配溝の延長上における部分11又は11aの下に形成された溝は、部分11又は11aの材料の柔らかい部分の変形によって、微小流路(マイクロチャンネル)を形成することを可能にする。これらの微小流路は、溝(くぼみ)の土台部分に存在する。
【0074】
弁4及び5は、(液体、又は液体と気体の混合物(例えば、泡)又はゲルのいずれかからなる)流体35が、ポーチ2から装置16の外部に漏れるのを防止するために漏れ防止型である。
【0075】
一方、分配弁5は気密型ではないので、
−ポーチ2(より正確には、蓋15)が圧力方向3に押し込まれると、ポーチ2から分配管8に、さらには装置16の外部に流体35を吐出させるように、ポーチ2の内部に過大な圧力が発生するけれども、
−圧力方向3にポーチ2(より正確には、蓋15)に作用していた圧力が開放されると、
・流体35は、貯蔵タンク17から供給管6に、さらにはポーチ2に吸引され、
・空気36は、(ポーチ2又は供給管6又は供給弁4を流れることなく)装置16の外部から分配管8及び/又は他の専用の管37を流れ、さらに流路34及び穴38を通って貯蔵タンク17に流れるので、
貯蔵タンク17内において、空気36は貯蔵タンク17からポーチ2に吸引された流体35に置き換わる。
流路34は、一般的には、微小流路を形成する微小高さ(一般的には50〜600μm)の溝からなる。
【0076】
最後に、
図13及び14を参照して、本発明に係る装置16の変形例は、供給弁4を備えていなくてもよいことがわかる。
この変形例において、(これらの要素が明らかに分離されていた先に説明した実施形態や変形例とは異なり)供給管6、貯蔵タンク17及びポーチ2が合体されている。
【0077】
ポーチ2が圧力方向3に押し込まれると、ポーチ2の内部に過大な圧力が発生し、分配弁5(より正確には、その自由端19)が、分配管8の壁から離れるように動き、それによってその開いた状態に保持され;ポーチ2の内部に収納されていた流体35が分配弁5を通って流路42に沿って流れ、分配管8を介して、装置16から分配方向10に吐出される。
【0078】
圧力方向3にポーチ
2に作用していた圧力が開放されると、ポーチ2の内部に負圧が発生し、分配弁5(より正確には、その自由端19)が分配管8の内壁に接触する(より正確には、分配座24と呼ばれる内壁の一部に接触する)ように押し付けられ、それによって、空気が装置16の外部からポーチ2の内側に逆流することなく、閉じた状態に保持される。
【0079】
この装置16の変形例の製造方法は、分配管8を介して分配弁5を挿入するステップと、分配弁が分配管8の内壁の間に締め付けられることによって装置16の内部に保持されるまで、分配管8の内部を摺動させることによって分配弁5を移動させるステップを備える(すなわち、分配管8により
分配弁5又は
結合部分11aに作用する締め付け力によって、これらの締め付け力は、
分配弁5又は
結合部分11aと接触する分配管8の内壁に直交する成分を有し、これらの締め付け力の全成分の合成52は、
分配弁5又は
結合部分11aに接触する分配壁8の内壁にほぼ直交する(又は分配方向10に直交する)か、あるいは少なくとも
分配弁5又は
結合部分11aに接触する分配壁8の内壁に対して(又は分配方向10に対して)45度以上の角度53をなす。)
【0080】
図13及び14は、それぞれ分配弁の2つの位置、
−第1の位置40は、分配弁5を分配管8に挿入する前、
−第2の位置41は、分配弁5を分配管8に挿入した後、
を描いている。
しかしながら、
−分配管8と装置16の外部との接合部を形成する吐出口30側の分配管8を介して分配弁
5が挿入される
図1〜12の場合とは異なり、
−
図13及び14の変形例の場合、分配管8とポーチ2との接合部を形成する吸入口43側の分配管8を介して分配弁
5が挿入される。
【0081】
弁5は、後側43から分配管8に挿入される際に、
高さが増加する斜面50を有する結合部分11aと一体化されている。この斜面50は、分配管8に沿って摺動させることによって導入されている間、部分11aの材料の連続的な圧縮を可能にする。そのため、圧縮された材料は、分配管8の締め付けを可能にする。変形の幅51は、一般的に、0.1〜0.4mmの範囲である。
【0082】
全ての実施形態において、分配膜9及び(分配膜9と一体化された)結合部分11又は11aは、分配方向10に沿って、並んで配置されていることがわかる。
また、座24は、1つに限定され、好ましくは平坦であり、分配管8の表面であり、分配方向10に垂直な面を実現する分配管8の断面を完全には取り囲んでいないことがわかる。
言うまでもなく、異なった特徴、形状、本発明の実施形態及び変形例は、相互に組み合わせることができる。