特許第6461853号(P6461853)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6461853
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】仕切板
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/495 20060101AFI20190121BHJP
【FI】
   B65D5/495
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-91080(P2016-91080)
(22)【出願日】2016年4月28日
(65)【公開番号】特開2017-197249(P2017-197249A)
(43)【公開日】2017年11月2日
【審査請求日】2017年12月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】392006558
【氏名又は名称】イワキパックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細井 篤史
【審査官】 田中 佑果
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−094115(JP,U)
【文献】 特開2009−262937(JP,A)
【文献】 実公昭39−025460(JP,Y1)
【文献】 西独国特許出願公開第02424873(DE,A)
【文献】 米国特許第05597113(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/00−5/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1仕切板に形成されて一端が開放され他端が閉塞された所定の長さの直線スリットと第2仕切板に形成されて一端が開放され他端が閉塞された所定の長さの直線スリットとを互いに係合させることにより、第1仕切板と第2仕切板とが共に起立した状態で互いに交差して組み立てられた仕切体であって、
前記第1仕切板の長手方向の両端縁から該長手方向に沿って突出する第1突起部と、
該第1突起部が回動自在に挿入される第1貫通孔を有する一対の第1連結板と、
前記第1連結板及び前記第2仕切板の長手方向の両端縁から該長手方向に沿って突出する第2突起部と、
前記第2突起部が回動自在に挿入される第2貫通孔を有する一対の第2連結板とを備え、組み立てた状態の起立した両仕切板を、前記直線スリットを軸に揺動させて互いに重合させるとともに、各連結板を、各貫通孔と該各貫通孔に挿入された各突起部とをヒンジとして、揺動させて前記両仕切板に重合させた後に、
第1仕切板の直線スリットの閉塞端と第2仕切板の直線スリットの閉塞端との突き当て部分を軸に第1仕切板と第2仕切板とを相対的に回転させるとともに、各突起部が挿入された各貫通孔を軸に第1連結板と第2連結板とを相対的に回転させて、両仕切板及び両連結板を互いに横倒した扁平状態に変形自在とされ、
両仕切板及び両連結板が扁平状態とされたとき、
各連結板は、各貫通孔及び該各貫通孔に挿入された各突起部をヒンジとして、横倒された両仕切板に向けて回動自在となるとともに、
前記両突起部の突出量は、両仕切板に向けて回動されたときの各連結板の外側縁から各貫通孔の中心までの距離と略一致することを特徴とする仕切体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装容器等の内部を複数に区画する仕切体に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は先に、各仕切板が起立する使用状態から偏平状態に迅速に変形させることができる仕切体を提案した(特許文献1参照)。
【0003】
この仕切体の各縦仕切板は、その上端縁から下方に延びる第1上切欠部と、該縦仕切板の下端縁から上方に延びる第1下切欠部とを所定間隔を存して交互に備えている。互いに隣合う縦仕切板のうち一方の縦仕切板の第1上切欠部及び第1下切欠部は、夫々他方の縦仕切板の第1下切欠部及び第1上切欠部に対向する位置に設けられている。また、各横仕切板は、その上端縁から下方に延びる第2上切欠部と、該縦仕切板の下端縁から上方に延びる第2下切欠部とを所定間隔を存して交互に備えている。互いに隣合う横仕切板のうち一方の横仕切板の第2上切欠部及び第2下切欠部は、他方の横仕切板の第2下切欠部及び第2上切欠部に対向する位置に設けられている。そして、前記縦仕切板と前記横仕切板とは、各第1上切欠部と各第2下切欠部とが互いに係合され、各第1下切欠部と各第2上切欠部とが互いに係合して組み立てられている。
【0004】
前記縦仕切板と前記横仕切板とを上記のように組み立てたことにより、各仕切板の起立状態から偏平状態へ、或いは偏平状態から各仕切板の起立状態への変形を極めて容易に行なうことができる。即ち、先ず、各仕切板が起立状態で仕切体の対角線方向に畳み込み、各縦仕切板と各横仕切板とを積層状態に収束させる。
【0005】
次いで、積層状態の仕切体を、各縦仕切板及び各横仕切板の夫々の面が上下方向となるように倒して、各縦仕切板及び各横仕切板を夫々の面に対して水平に広げる。こうすると、各縦仕切板と各横仕切板は、各切欠部の係合部分を支点として回転し、各切欠部の係合を維持して偏平となる。
【0006】
この種の仕切体において物品を安定的に収容するためには、各仕切板の上下方向の長さを長くしたいという要求がある。
【0007】
しかしながら、各仕切板を長くすると、図6に示すように扁平状態とされたときに、外側に配置された横仕切板が縦仕切板の縦方向の両端縁より外側にはみ出すとともに、外側に配置された縦仕切板が横仕切板の横方向の両端縁より外側にはみ出すので嵩張るという不都合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開平5−94115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の点に鑑み、本発明は、起立する使用状態において物品を安定して収容でき、偏平状態において嵩張ることなく搬送や保管を行うことができる仕切体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するために、本発明の仕切体は、第1仕切板に形成されて一端が開放され他端が閉塞された所定の長さの直線スリットと第2仕切板に形成されて一端が開放され他端が閉塞された所定の長さの直線スリットとを互いに係合させることにより、第1仕切板と第2仕切板とが共に起立した状態で互いに交差して組み立てられた仕切体であって、前記第1仕切板の長手方向の両端縁から該長手方向に沿って突出する第1突起部と、該第1突起部が回動自在に挿入される第1貫通孔を有する一対の第1連結板と、前記第1連結板及び前記第2仕切板の長手方向の両端縁から該長手方向に沿って突出する第2突起部と、前記第2突起部が回動自在に挿入される第2貫通孔を有する一対の第2連結板とを備え、組み立てた状態の起立した両仕切板を、前記直線スリットを軸に揺動させて互いに重合させるとともに、各連結板を、各貫通孔と該各貫通孔に挿入された各突起部とをヒンジとして、揺動させて前記両仕切板に重合させた後に、第1仕切板の直線スリットの閉塞端と第2仕切板の直線スリットの閉塞端との突き当て部分を軸に第1仕切板と第2仕切板とを相対的に回転させるとともに、各突起部が挿入された各貫通孔を軸に第1連結板と第2連結板とを相対的に回転させて、両仕切板及び両連結板を互いに横倒した扁平状態に変形自在とされ、両仕切板及び両連結板が扁平状態とされたとき、各連結板は、各貫通孔及び該各貫通孔に挿入された各突起部をヒンジとして、横倒された両仕切板に向けて回動自在となることを特徴とする。
【0011】
本発明の仕切体は、第1仕切板が第1突起部を備え、第1連結板が第1貫通孔を備えているので、第1連結板に第1仕切板を突き当てると、第1仕切板の第1突起部が第1連結板の第1貫通孔に挿入され、第1仕切板と第1連結板とが連結された状態になる。また、第1連結板及び前記第2仕切板が第2突起部を備え、第2連結板が第2貫通孔を備えているので、第2連結板に第1連結板及び前記第2仕切板を突き当てると、第1連結板及び前記第2仕切板の第2突起部が第2連結板の第2貫通孔に挿入され、第1連結板及び前記第2仕切板と第2連結板とが連結された状態になる。
【0012】
これにより、両仕切板を、前記直線スリットを軸に揺動させて互いに重合させるときに、両連結板を、各貫通孔と該各貫通孔に挿入された各突起部とをヒンジとして揺動させて前記両仕切板に重合できる。その後、両仕切板を、直線スリットの閉塞端同士の突き当て部分を軸に回転させるときに、両連結板を、各突起部が挿入された各貫通孔を軸に回転させて、両仕切板及び両連結板を横倒した扁平状態にできる。さらにその後、各貫通孔と該各貫通孔に挿入された各突起部とをヒンジとして、各連結板を横倒された両仕切板に向けて回動させて折り畳むことができる。
【0013】
したがって、本発明の仕切体によれば、起立する使用状態において物品を安定して収容できるように、両仕切板及び両連結板の短手方向の長さを長めに設計しても、偏平状態において嵩張ることなく搬送や保管を行うことができる。
【0014】
また、本発明の仕切体において、前記両突起部の突出量は、両仕切板に向けて回動されたときの各連結板の外側縁から各貫通孔の中心までの距離と略一致することが好ましい。
【0015】
これによれば、扁平状態からさらに各連結板を折り畳んだときに、各連結板の外周縁と各突起部の先端が一致することになるので、折り畳んだ第1連結板及び各第2連結板を、扁平状態になった第1仕切板及び第2仕切板の平面視形状の範囲内に収めることができる。
【0016】
したがって、包装容器等に対して起立状態で内部に設置可能であれば、扁平・折畳状態にして該包装容器等に収納することができるため、嵩張らずに搬送や保管を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態の仕切体の起立状態の一例を示す斜視図。
図2図1に示した仕切体の一部を分解して示す斜視図。
図3図1に示した仕切体を分解して示す平面図。
図4A】仕切体を対角線方向に畳み込む作業を示す平面図。
図4B】積層され横倒にされた仕切体を偏平状態に広げる作業を示す平面図。
図4C】偏平状態にされた仕切体を示す平面図。
図5A】偏平状態にされた仕切体を折畳状態にする過程を示す平面図。
図5B】折畳状態にされた仕切体をを示す平面図。
図6】従来の仕切体の偏平状態を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。本実施形態の仕切体1は、図1及び図2に示すように、縦方向(前後方向)を長手方向とした合成樹脂製の板材からなる3枚の縦仕切板2(2a,2b,2c)(第1仕切板)と、横方向(左右方向)を長手方向とした合成樹脂製の板材からなる2枚の横仕切板3(3a,3b)(第2仕切板)とが起立した状態で互いに直交して組み立てられている。
【0019】
また、縦仕切板2の長手方向の両端には、横方向を長手方向とした合成樹脂製の板材からなる一対の第1連結板4(4a,4b)が、各横仕切板3と平行に組み付けられている。
【0020】
また、横仕切板3及び第1連結板4の長手方向の両端には、縦方向を長手方向とした合成樹脂製の板材からなる一対の第2連結板5(5a,5b)が,縦仕切板2に平行に組み付けられている。
【0021】
本実施形態においては、各縦仕切板2、各横仕切板3、各第1連結板4及び各第2連結板5とを起立させたときの高さ方向の寸法を幅寸法として説明する。本実施形態においては、各縦仕切板2、各横仕切板3、各第1連結板4及び各第2連結板5の幅寸法は共にほぼ等しく形成されている。
【0022】
図3に示すように、縦仕切板2a,2cには、上切欠部(スリット)6aが上端縁から下方に延びて形成され、下切欠部(スリット)6bが下端縁から上方に延びて形成されている。上切欠部6a及び下切欠部6bは横仕切板3の数量に応じて設けられるものであり、本実施形態においては上切欠部6aが1つ、下切欠部6bが1つ設けられて2枚の横仕切板3a,3bに対応している。
【0023】
縦仕切板2bには、上切欠部6aが上端縁から下方に延びて形成され、下切欠部6bが下端縁から上方に延びて形成されている。縦仕切板2bは、縦仕切板2a,2cと同一形状であって反転して配置されたものである。
【0024】
更に、各縦仕切板2が起立して配列されたとき、上切欠部6aと下切欠部6bとは各縦仕切板2の長手方向に直交する直線方向に沿って配列される。
【0025】
また、各縦仕切板2には、長手方向の両端縁から夫々該長手方向に沿って突起する第1突起部7が形成されている。第1突起部7の基端には、後述する第1貫通孔9の直径と同じかそれより小さい幅を有する幅狭部7aが形成されている。また、第1突起部7の幅狭部7aより先端側には、第1貫通孔9の直径より大きい幅を有する幅広部7bが形成されている。また、第1突起部7には、幅方向中心に長手方向に沿って、溝部7cが形成されている。
【0026】
上述した各縦仕切板2の上切欠部6aは、両端に設けられた第1突起部7(幅狭部7a)の幅方向中心を結んだ延長線上まで下方向に向かって延びており、下切欠部6bは、該延長線上まで上方向に向かって延びている。
【0027】
図3に示すように、横仕切板3aには、下切欠部6bが下端縁から上方に延びて形成され、上切欠部6aが上端縁から下方に延びて形成されている。上切欠部6aと下切欠部6bとは横仕切板3bの長手方向に沿って交互に形成されている。上切欠部6a及び下切欠部6bは縦仕切板2の数量に応じて設けられるものであり、本実施形態においては上切欠部6aが1つ、下切欠部6bが2つ設けられて3枚の縦仕切板2a,2b,2cに対応している。
【0028】
横仕切板3bには、上切欠部6aが上端縁から下方に延びて形成され、下切欠部6bが下端縁から上方に延びて形成されている。上切欠部6aと下切欠部6bとは横仕切板3aの長手方向に沿って交互に形成されている。上切欠部6a及び下切欠部6bは縦仕切板2の数量に応じて設けられるものであり、本実施形態においては上切欠部6aが2つ、下切欠部6bが1つ設けられて3枚の縦仕切板2a,2b,2cに対応している。
【0029】
更に、各横仕切板3が起立して配列されたとき、上切欠部6aと下切欠部6bとは各横仕切板3の長手方向に直交する直線方向に沿って配列される。
【0030】
また、各横仕切板3には、長手方向の両端縁から夫々該長手方向に沿って突起する第2突起部8が形成されている。第2突起部8の基端には、後述する第2貫通孔10の直径と同じかそれより小さい幅を有する幅狭部8aが形成されている。また、第2突起部8の幅狭部8aより先端側には、第2貫通孔10の直径より大きい幅を有する幅広部8bが形成されている。また、第2突起部8には、幅方向中心に長手方向に沿って、溝部8cが形成されている。
【0031】
上述した各横仕切板3の上切欠部6aは、両端に設けられた第2突起部8(幅狭部8a)の幅方向中心を結んだ延長線上まで下方向に向かって延びており、下切欠部6bは、該延長線上まで上方向に向かって延びている。
【0032】
なお、本実施形態では、第1突起部7及び第2突起部8は、同一形状に形成されているが、本発明は同一の形状でなくてもよい。また、第1突起部7及び第2突起部8は、後述する通り、挿通された第1貫通孔9及び第2貫通孔10から外れないように、第1貫通孔9及び第2貫通孔10以上の幅を有すればよいため、本実施形態のように略楕円形状に限られるものではない。
【0033】
図3に示すように、第1連結板4は、横仕切板3の外形と、上切欠部6a及び下切欠部6bを除けば、概略同一形状を有し、各横仕切板3と同様に、長手方向の両端縁から夫々該長手方向に沿って突起する第2突起部8が形成されている。また、各第1連結板4には、両端に設けられた第2突起部8(幅狭部8a)の幅方向中心を結んだ延長線上に沿って、等間隔に3つの第1貫通孔9が形成されている。第1貫通孔9は、各縦仕切板2が起立して配列されたとき、各縦仕切板2の各第1突起部7に対応するように設けられている。
【0034】
各第1連結板4a,4bの第1貫通孔9は、第1突起部7の数量に応じて設けられるものであり、本実施形態においては3枚の縦仕切板2a,2b,2cに対応して夫々3つ設けられている。
【0035】
図3に示すように、第2連結板5は略矩形状である。また、第2連結板5の長手方向の寸法は、各縦仕切板2の一端側の第1突起部7から他端側の第1突起部7までの長さ寸法とほぼ等しく形成されている。
【0036】
第2連結板5には、長手方向に沿って等間隔に4つの第2貫通孔10が形成されている。第2貫通孔10は、横仕切板3及び第1連結板4が起立して配列されたとき、横仕切板3及び第1連結板4の各第2突起部8に対応するように設けられている。
【0037】
各第2連結板5a,5bの第2貫通孔10は、第2突起部8の数量に応じて設けられるものであり、本実施形態においては横仕切板3a,3b及び第1連結板4a,4bに対応して夫々4つ設けられている。
【0038】
なお、本実施形態では、第1貫通孔9及び第2貫通孔10は、円形状に開口しているが、本発明ではこれに限られず、多角形状であってもよい。また、第1貫通孔9及び第2貫通孔10は、同一形状に形成されているが、本発明はこれに限られるものではない。
【0039】
以下、図1及び図2を用いて、本実施形態の仕切体1の組立てを説明する。
【0040】
まず、図2に示すように、各縦仕切板2と各横仕切板3とは、それぞれ直交して起立した姿勢にされる。このとき、縦仕切板2の上切欠部6aと横仕切板3の下切欠部6bとが夫々対応する位置において互いに係合するとともに、縦仕切板2の下切欠部6bと横仕切板3の上切欠部6aとが夫々対応する位置において互いに係合する。これにより仕切体1が概略組み立てられる。
【0041】
次に、起立状態の各縦仕切板2の各第1突起部7を夫々第1連結板4a,4bの各第1貫通孔9に対応する位置において挿通させ、第1連結板4a,4bを起立させる。
【0042】
このとき、幅広部7bは第1貫通孔9の直径より大きい幅を有しているが、第1突起部7には溝部7cが形成されているため、幅広部7bを溝部7cにより弾性変形させて第1貫通孔9に挿入することができる。さらに幅広部7bが第1貫通孔9を通過して、幅狭部7aが第1貫通孔9まで押し込まれると、幅狭部7aは第1貫通孔9の直径と同じかそれより小さい幅を有するため、弾性変形されていた幅広部7bは、元の形状に復元される。
【0043】
この結果、各縦仕切板2の各端縁と幅広部7bの基端とが、各第1連結板4の表面及び裏面に当接し、各第1連結板4を挟持して起立状態を維持させる。しかも、幅広部7bは第1貫通孔9の直径より大きい幅を有しているため、各縦仕切板2a,2b,2cと第1連結板4a,4bとが相互に離脱不能となる。
【0044】
次に、起立状態の各横仕切板3及び第1連結板4の各第2突起部8を夫々第2連結板5a,5bの各第2貫通孔10に対応する位置において挿通させ、第2連結板5a,5bを起立させる。このときの第2突起部8及び第2貫通孔10の構成・作用は、上述した第1突起部7及び第1貫通孔9の構成・作用と同様である。
【0045】
この結果、各横仕切板3の各端縁及び第1連結板4の各端縁と幅広部8bの基端とが、各第2連結板5の表面及び裏面に当接し、各第2連結板5を挟持することで起立状態を維持させる。しかも、幅広部8bは第2貫通孔10の直径より大きい幅を有しているため、各縦仕切板2、各横仕切板3、各第1連結板4及び各第2連結板5とが相互に離脱不能となり、例えば、落下や衝撃を与えても、仕切体1の組み立て状態が強固に維持される。
【0046】
以上のように組み立てられた本実施形態の仕切体1は、容易に偏平状態とすることができる。即ち、先ず、図4Aに示すように、仕切体1の対角線方向に畳み込み、図4Bに示すように、各縦仕切板2、各横仕切板3、各第1連結板4及び各第2連結板5を積層状態に収束させる。
【0047】
次いで、積層状態の仕切体1を、各縦仕切板2、各横仕切板3、各第1連結板4及び各第2連結板5の夫々の面が上下方向となるように倒して、各縦仕切板2、各横仕切板3、各第1連結板4及び各第2連結板5を夫々の面に対して水平に広げる。こうすると、図4Cに示すように、各縦仕切板2及び各横仕切板3は、上切欠部6a及び下切欠部6bの係合部分を支点として回転すると共に、各第1連結板4及び各第2連結板5は、各第1突起部7と各第1貫通孔9との係合部分並びに各第2突起部8と各第2貫通孔10との係合部分を支点として回転して偏平となる。
【0048】
このとき、第1貫通孔9に挿入されている幅狭部7aは、第1貫通孔9の直径と同じかそれより小さい幅を有するので、幅狭部7aと第1貫通孔9とは相対的に回動することができる。そして、第1突起部7の幅広部7bは第1貫通孔9の直径より大きい幅を有しているため、回動させても外れることがなく挿通状態を維持することができる。このことは、第2突起部8も同様である。
【0049】
本実施形態の仕切体1は、さらに、偏平状態において嵩張らないように、折り畳むことができる。即ち、先ず、図5Aに示すように、第2連結板5bを扁平になっている各縦仕切板2及び各横仕切板3に対して積層された状態から、一度外側に回動させて広げる。このとき、第2貫通孔10に挿入されている幅狭部8aは、第2貫通孔10の直径と同じかそれより小さい幅を有し、かつ、各幅狭部8a及び各第2貫通孔10は、各横仕切板3及び各第1連結板4の長手方向の端縁に沿って直線状に配置されている。そのため、各第2突起部8及び各第2貫通孔10はヒンジとして機能する。
【0050】
次いで、図5Aに示すように、第1連結板4bを扁平になっている各縦仕切板2及び各横仕切板3に向かって内側に回動させて折り畳む。このとき、第1貫通孔9に挿入されている幅狭部7aは、第1貫通孔9の直径と同じかそれより小さい幅を有し、かつ、各幅狭部8a及び各第2貫通孔10は、各横仕切板3及び各第1連結板4の長手方向の端縁に沿って直線状に配置されている。そのため、各第1突起部7及び各第1貫通孔9はヒンジとして機能する。なお、この際、第2貫通孔10に挿入されている第1連結板4bの幅狭部8aは、該端縁の延長線上に配置されるので、各第1突起部7及び各第1貫通孔9がヒンジとして動くとき、第2貫通孔10の内周に沿って第2突起部8(幅狭部8a)が回動するので、該ヒンジとしての動きを妨げない。
【0051】
次いで、図5Bに示すように、第2連結板5a,5bを扁平になっている各縦仕切板2及び各横仕切板3に向かって内側に回動させて夫々折り畳む。このとき、各第2突起部8及び各第2貫通孔10は、上述と同様にヒンジとして機能する。
【0052】
以上説明した本実施形態の仕切体1によれば、扁平に変形させたうえで、さらに折り畳んで小型化できるため、嵩張ることがない。
【0053】
つまり、縦仕切板2及び横仕切板3は、起立状態及び扁平状態の縦横の長さが等しいところ、図5Bに示すように、折り畳まれた第1連結板4及び各第2連結板5は、扁平状態になった縦仕切板2及び横仕切板3の平面視形状の範囲内に収まる。この結果、本実施形態の仕切体1によれば、図1に示す起立状態における縦横の長さと、図5Bに示す扁平・折畳状態における縦横の長さとを等しくすることができる。
【0054】
さらに、本実施形態においては、第1突起部7の突出する長さは、第1連結板4の第1貫通孔9の中心から、隣接する外側縁までの距離と略一致しており、第2突起部8の突出する長さは、第2連結板5の第2貫通孔10の中心から、隣接する外側縁までの距離と略一致している。
【0055】
これによれば、扁平状態からさらに各連結板を折り畳んだときに、各連結板の外周縁と各突起部の先端が一致することになるので、折り畳んだ第1連結板及び各第2連結板を、扁平状態になった第1仕切板及び第2仕切板の平面視形状の範囲内に収めることができる。
【0056】
したがって、包装容器等に対して起立状態で内部に設置可能であれば、扁平・折畳状態にして該包装容器等に収納することができるため、嵩張らずに搬送や保管を行うことができる。
【0057】
なお、本実施形態の仕切体1は、3つの縦仕切板2と2つの横仕切板3とにより構成されているが、本発明はこれに限るものではなく、縦仕切板及び横仕切板を適宜増加させることができる。また、本実施形態の仕切体1は、合成樹脂により形成したが、それ以外に、板紙や薄い金属板等のように適度な柔軟性或いは弾性を有する板材で形成することもできる。
【符号の説明】
【0058】
1…仕切体、2…縦仕切板(第1仕切板)、3…横仕切板(第2仕切板)、4…第1連結板、5…第2連結板、6a…上切欠部(スリット)、6b…下切欠部(スリット)、7…第1突起部、8…第2突起部、9…第1貫通孔、10…第2貫通孔。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6