特許第6461938号(P6461938)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6461938-ピリジン誘導体 図000090
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6461938
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】ピリジン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 213/68 20060101AFI20190121BHJP
   C07D 213/74 20060101ALI20190121BHJP
   C07D 213/70 20060101ALI20190121BHJP
   C07D 405/06 20060101ALI20190121BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20190121BHJP
   C07D 405/12 20060101ALI20190121BHJP
   C07D 401/06 20060101ALI20190121BHJP
   C07D 401/04 20060101ALI20190121BHJP
   C07D 409/12 20060101ALI20190121BHJP
   C07D 491/056 20060101ALI20190121BHJP
   C07D 491/048 20060101ALI20190121BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20190121BHJP
   C07D 495/04 20060101ALI20190121BHJP
   A61K 31/44 20060101ALI20190121BHJP
   A61K 31/443 20060101ALI20190121BHJP
   A61K 31/439 20060101ALI20190121BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20190121BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20190121BHJP
   A61K 31/4355 20060101ALI20190121BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20190121BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20190121BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20190121BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20190121BHJP
   A61K 31/4433 20060101ALI20190121BHJP
   A61K 31/436 20060101ALI20190121BHJP
   A61K 31/4725 20060101ALI20190121BHJP
   A61K 31/4436 20060101ALI20190121BHJP
   A61K 31/4365 20060101ALI20190121BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20190121BHJP
   A61P 7/12 20060101ALI20190121BHJP
【FI】
   C07D213/68CSP
   C07D213/74
   C07D213/70
   C07D405/06
   C07D401/12
   C07D405/12
   C07D401/06
   C07D401/04
   C07D409/12
   C07D491/056
   C07D491/048
   C07D471/04 104Z
   C07D471/04 107Z
   C07D495/04 105A
   A61K31/44
   A61K31/443
   A61K31/439
   A61K31/4545
   A61K31/4439
   A61K31/4355
   A61K31/437
   A61K31/506
   A61K31/444
   A61K31/5377
   A61K31/4433
   A61K31/436
   A61K31/4725
   A61K31/4436
   A61K31/4365
   A61K31/497
   A61P7/12
【請求項の数】15
【全頁数】139
(21)【出願番号】特願2016-523549(P2016-523549)
(86)(22)【出願日】2015年5月28日
(86)【国際出願番号】JP2015065344
(87)【国際公開番号】WO2015182686
(87)【国際公開日】20151203
【審査請求日】2018年2月16日
(31)【優先権主張番号】特願2014-110432(P2014-110432)
(32)【優先日】2014年5月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006677
【氏名又は名称】アステラス製薬株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592086318
【氏名又は名称】壽製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100126985
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 充利
(72)【発明者】
【氏名】川口 賢一
(72)【発明者】
【氏名】石畠 明裕
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 勇典
(72)【発明者】
【氏名】土屋 和之
(72)【発明者】
【氏名】花舘 忠篤
(72)【発明者】
【氏名】金井 章
(72)【発明者】
【氏名】貝沢 弘行
(72)【発明者】
【氏名】風見 純一
(72)【発明者】
【氏名】森川 浩至
(72)【発明者】
【氏名】平本 昌志
(72)【発明者】
【氏名】遠城 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼松 肇
【審査官】 伊藤 幸司
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/136307(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/053120(WO,A1)
【文献】 特開2009−057282(JP,A)
【文献】 HECKER, S. J. et al.,Total Synthesis of (±)-Leuhistin,J. Org. Chem.,1993年,58(7),pp.1762-1765
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物又はその塩。
【化1】
[式中、
Xは、O,S又はNR4であり、
R4は、H、G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル、G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル、-低級アルキレン-(G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル)、-C(O)-(G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル)、-C(O)-(G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル)、又は、-C(O)-低級アルキレン-(G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル)であるか、又は、隣接する-NR1と一体となって、-NR1R4として4〜8員の含窒素飽和ヘテロ環基を形成し、ここに、該含窒素飽和ヘテロ環基はベンゼン環と縮合していてもよく、G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい、
R1は、H、G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC1-10アルキル、-低級アルキレン-X11-(G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル)、R11、-低級アルキレン-R11、-低級アルキレン-X11-R11、又は、-低級アルキレン-X11-低級アルキレン-R11であり、
R2は、同一又は異なって、H、G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル、ハロゲン、OH、SH、-O-低級アルキル、-O-低級アルキレン-アリール、-O-アリール、-S-低級アルキル、-S-低級アルキレン-アリール、-S-アリール、-O-ハロゲノ低級アルキル、-C(O)-低級アルキル、-S(O)2-低級アルキル、-S(O)-低級アルキル、NO2、-NH2、-NH-低級アルキル、-N(低級アルキル) 2、-NH-アリール、-N(低級アルキル)-アリール、-C(O)OH、-C(O)O-低級アルキル、-CHO、-C(O)NH2、-C(O)NH-低級アルキル、-C(O)N(低級アルキル)2、CN、-低級アルキレン-X21-(G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル)、G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル、G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよく(G群から選択される1〜4個の置換基を有していてもよいベンゼン環)と縮合していてもよいC3-12シクロアルケニル、G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール、-低級アルキレン-R21、-低級アルキレン-X21-R21、又は、-低級アルキレン-X21-低級アルキレン-R21であり、
R3は、R32、-低級アルキレン-X31-R32、-低級アルケニレン-X31-R32、R31、-低級アルキレン-R31、-低級アルキレン-X31-R31、-低級アルキレン-X31-低級アルキレン-R31、低級アルケニレン-R31、低級アルキニレン-R31、又は、-CH=単環式飽和ヘテロ環であり、
X11、X21及びX31は、同一又は異なって、O又はS(O)nであり、nは0、1又は2であり、
R11、R21、及びR31は、同一又は異なって、G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル、G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよく(G群から選択される1〜4個の置換基を有していてもよいベンゼン環)と縮合していてもよいC3-12シクロアルケニル、G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール又はG群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい単環式若しくは2環式ヘテロ環基であり、
R32は、G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC1-10アルキル、G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルケニル、G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキニルであり、
RPは、H、低級アルキル、低級アルケニル、ハロゲノ低級アルキル、C3-8シクロアルキル、低級アルキル-O-ベンジル、ニトロベンジル、低級アルキル-O-ベンズヒドリル、ベンズヒドリル、-低級アルキレン-O-C(O)-低級アルキル、-低級アルキレン-C(O)-低級アルケニル、-低級アルキレン-O-C(O)-O-C3-8シクロアルキル、-低級アルキレン-O-C(O)-低級アルケニル、-低級アルキレン-O-C(O)-低級アルキレン-O-低級アルキル、-低級アルキレン-O-低級アルキル、-低級アルキレン-O-低級アルキレン-O-低級アルキル、-低級アルキレン-O-C(O)-O-低級アルキル、-低級アルキレン-O-C(O)-O-低級アルキレン-O-低級アルキル、ベンゾイルオキシ低級アルキル、ジ低級アルキルアミノ低級アルキル、2-オキソテトラヒドロフラン-5-イル、2-オキソ-5-アルキル-1,3-ジオキソレン-4-イルメチル、テトラヒドロフラニルカルボニルオキシメチル又は3-フタリジルであり、且つ、R6はHであるか、又は、RPとR6は、それらが結合する-O-C(=O)-C-O-と一体となり、2,2-ジ(低級アルキル)-4-オキソ-1,3-ジオキソラン-5,5-ジイルを形成してもよい、
更に、R3が、1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいC1-10アルキルのとき、-X-R1は、その結合するピリジン環のいずれか1つのR2と一体となって、式-Xb-(CH2)m-Y-、-Xb-CH=CH-、-Xb-CH=N-又は-Xb-N=CH-で示される基となり、該ピリジン環と縮合するヘテロ環を形成してもよく、ここに、mは1〜3の整数であり、XbはO、S又はNHであり、YはCH2、O、S又はNHであり、該ヘテロ環はその環原子に結合する1以上のHに代えて、G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル、-低級アルキレン-(G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル)及びG群の基からなる群から選択される1〜4個の置換基を有していてもよい、
更に、-X-R1はR3と一体となって、式-X-C5-15炭素鎖-で示される基を形成してもよく、該C5-15炭素鎖は、C原子に代えて1〜2個のO又はS原子を有していてもよく、1〜5個の不飽和結合を含んでいてもよく、G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい、
群は、ハロゲン、OH、SH、-O-低級アルキル、-O-低級アルキレン-アリール、-O-アリール、-S-低級アルキル、-S-低級アルキレン-アリール、-S-アリール、-O-ハロゲノ低級アルキル、-C(O)-低級アルキル、-C(O)-アリール、-S(O)2-低級アルキル、-S(O)-低級アルキル、NO2、-NH2、-NH-低級アルキル、-N(低級アルキル)2、-NH-アリール、-N(低級アルキル)-アリール、-C(O)OH、-C(O)O-低級アルキル、-CHO、-C(O)NH2、-C(O)NH-低級アルキル、-C(O)N(低級アルキル)2、-C(O)NH-アリール及びCNであり、
群及びG群は、G群の基、G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル、-O-C2-3アルキレン-O-、及び、-O-C3-4アルキレン-であり、
群は、G群の基及びG群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキルであり、及び
群は、i)G群の基、ii)G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい、低級アルキル、低級アルケニル及び低級アルキニル、iii)-低級アルキレン-O-(G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい、低級アルキル、低級アルケニル及び低級アルキニル)、iv)G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい、C3-12シクロアルキル及び(G群から選択される1〜4個の置換基を有していてもよいベンゼン環)と縮合していてもよいC3-12シクロアルケニル、v)G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール、vi)G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい単環式若しくは2環式ヘテロ環基、vii)-低級アルキレン-RG、viii) -低級アルキレン-O-RG、ix) -C(O)-RG、x) -C(O)-O-RG、xi) -C(O)-O-低級アルキレン-RG及びxii) -S(O)2-RGであり、ここに、RGは、同一又は異なって、G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル、G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよく(G群から選択される1〜4個の置換基を有していてもよいベンゼン環)と縮合していてもよいC3-12シクロアルケニル、G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール、又は、G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい単環式若しくは2環式ヘテロ環基である。]
【請求項2】
Xが、O,S又はNR4であり、ここに、R4は、H;ハロゲン、OH及び-O-低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル;低級アルキル、ハロゲン、OH及び-O-低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル;-低級アルキレン-(低級アルキル、ハロゲン、OH及び-O-低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル);-C(O)-(ハロゲン、OH及び-O-低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル);-C(O)-(低級アルキル、ハロゲン、OH及び-O-低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル);又は、-C(O)-低級アルキレン-(低級アルキル、ハロゲン、OH及び-O-低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル) であるか、又は、隣接する-NR1と一体となって、-NR1R4として4〜8員の含窒素飽和ヘテロ環基を形成し、ここに、該含窒素飽和ヘテロ環基はベンゼン環と縮合していてもよく、低級アルキル、ハロゲン、OH及び-O-低級アルキルからなる群から選択される1〜3個の置換基を有していてもよく、
R1が、H;ハロゲン及びOHからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC1-10アルキル;-低級アルキレン-X11-(ハロゲン、OH、-O-低級アルキル及び-O-ハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル);低級アルキル、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、OH、-O-低級アルキル、-O-ハロゲノ低級アルキル、-O-C2-3アルキレン-O-、及び、-O-C3-4アルキレン-からなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル;低級アルキル、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、OH、-O-低級アルキル及び-O-ハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよくベンゼン環と縮合していてもよいC3-12シクロアルケニル;低級アルキル、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、OH、-O-低級アルキル及び-O-ハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール;低級アルキル、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、OH、-O-低級アルキル、-O-ハロゲノ低級アルキル、-C(O)-低級アルキル及び-C(O)-O-低級アルキレン-アリールからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい単環式若しくは2環式ヘテロ環基;-低級アルキレン-R11、-低級アルキレン-X11-R11、又は、-低級アルキレン-X11-低級アルキレン-R11であり、ここに、R11は、それぞれ、低級アルキル、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、OH、-O-低級アルキル、-O-ハロゲノ低級アルキル、-O-C2-3アルキレン-O-、及び、-O-C3-4アルキレン-からなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル;低級アルキル、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、OH、-O-低級アルキル及び-O-ハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよくベンゼン環と縮合していてもよいC3-12シクロアルケニル;低級アルキル、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、OH、-O-低級アルキル及び-O-ハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール;又は、低級アルキル、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、OH、-O-低級アルキル及び-O-ハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい単環式若しくは2環式ヘテロ環基であり、X11は、O又はSであり、
R2が、同一又は異なって、H;低級アルキル;ハロゲノ低級アルキル;ハロゲン;OH;-O-低級アルキル;-O-低級アルキレン-アリール;-O-アリール;-S-低級アルキル;-O-ハロゲノ低級アルキル;-低級アルキレン-O-低級アルキル;低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル及びハロゲンからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル;-低級アルキレン-(低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル及びハロゲンからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル);-低級アルキレン-O-(低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル及びハロゲンからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル);-低級アルキレン-O-低級アルキレン-(低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル及びハロゲンからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル);-低級アルキレン-(低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル及びハロゲンからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール);-低級アルキレン-O-(低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル及びハロゲンからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール);又は、-低級アルキレン-O-低級アルキレン-(低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル及びハロゲンからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール)であり、R3が、ハロゲン及びOHからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC1-10アルキル;ハロゲン及びOHからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルケニル;ハロゲン及びOHからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキニル;-低級アルキレン-X31-(ハロゲン、OH、-O-低級アルキル及び-O-ハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル);-低級アルキレン-X31-(ハロゲン、OH、-O-低級アルキル及び-O-ハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルケニル);-低級アルキレン-O-(ハロゲン、OH、-O-低級アルキル及び-O-ハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキニル);-低級アルケニレン-O-(ハロゲン、OH、-O-低級アルキル及び-O-ハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルケニル);-低級アルケニレン-O-(ハロゲン、OH、-O-低級アルキル及び-O-ハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル);R31;-低級アルキレン-R31;-低級アルキレン-X31-R31;-低級アルキレン-X31-低級アルキレン-R31;低級アルケニレン-R31;又は-CH=単環式飽和ヘテロ環であり、
ここに、R31は、G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル、G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよく(G群から選択される1〜4個の置換基を有していてもよいベンゼン環)と縮合していてもよいC3-12シクロアルケニル、G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール又はG群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい単環式若しくは2環式ヘテロ環基であり、X31は、O又はS(O)nであり、nは0、1又は2であり、G群は、低級アルキル、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、OH、-O-低級アルキル及び-O-ハロゲノ低級アルキルであり、G群は、i) ハロゲン、OH、SH、-O-低級アルキル、-O-低級アルキレン-アリール、-O-アリール、-S-低級アルキル、-O-ハロゲノ低級アルキル、-C(O)-低級アルキル、-S(O)2-低級アルキル及びCN、ii)低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル、低級アルケニル及び低級アルキニル、iii) -低級アルキレン-O-低級アルキル、-低級アルキレン-O-ハロゲノ低級アルキル、及び、-低級アルキレン-O-(1以上のOHで置換された低級アルキル)、iv)G群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい、C3-12シクロアルキル及びベンゼン環と縮合していてもよいC3-12シクロアルケニル、v)G群の基から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール、vi)G群の基から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい単環式若しくは2環式ヘテロ環基、vii) -低級アルキレン-RG、viii) -低級アルキレン-O-RG、ix) -C(O)-RG、及びx) -S(O)2-RGであり、ここに、RGは、同一又は異なって、G群の基から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル、G群の基から選択される1〜5個の置換基を有していてもよく(G群から選択される1〜4個の置換基を有していてもよいベンゼン環)と縮合していてもよいC3-12シクロアルケニル、G群の基から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール、又は、G群の基から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい単環式若しくは2環式ヘテロ環基であり、
群は、低級アルキル、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、OH、-O-低級アルキル、-O-ハロゲノ低級アルキル、C(O)-低級アルキル及び-S(O)2-低級アルキルであり、
更に、R3が、1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいC1-10アルキルのとき、-X-R1が、その結合するピリジン環のいずれか1つのR2と一体となって、式-Xb-(CH2)m-Y-、-Xb-CH=CH-、-Xb-CH=N-又は-Xb-N=CH-で示される基となり、該ピリジン環と縮合するヘテロ環を形成してもよく、ここに、mは1〜2の整数であり、XbはO、S又はNHであり、YはCH2、O、S又はNHであり、該ヘテロ環は環原子に結合する1以上のHに代えて、低級アルキル、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、OH、-O-低級アルキル、-O-ハロゲノ低級アルキル、-O-C2-3アルキレン-O-、及び、-O-C3-4アルキレン-からなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル;-低級アルキレン-(低級アルキル、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、OH、-O-低級アルキル、-O-ハロゲノ低級アルキル、-O-C2-3アルキレン-O-、及び、-O-C3-4アルキレン-からなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル);低級アルキル;ハロゲン;ハロゲノ低級アルキル;OH;-O-低級アルキル;-O-低級アルキレン-アリール;-O-アリール;-S-低級アルキル;及び-O-ハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜4個の置換基を有していてもよい、
更に、-X-R1が、R3と一体となって、-X-C5-11アルキレン-O-C1-3アルキレン-又は-X-C5-11アルケニレン-O-C1-3アルキレン-を形成してもよい、請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項3】
Xが、O,S又はNR4であり、ここに、R4は、H、1〜5個のハロゲンで置換されていてもよい低級アルキル、C3-12シクロアルキル、又は、-C(O)-(1〜5個の低級アルキルで置換されていてもよいC3-12シクロアルキル)であるか、又は、隣接する-NR1と一体となって、-NR1R4として4〜8員の含窒素飽和ヘテロ環基を形成し、ここに、該含窒素飽和ヘテロ環基はベンゼン環と縮合していてもよく、1〜5個の低級アルキルで置換されていてもよく、
R1が、H;C1-10アルキル;-低級アルキレン-O-低級アルキル;低級アルキル、ハロゲン及び-O-C3-4アルキレン-からなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル;ベンゼン環と縮合したC5-6シクロアルケニル;ハロゲン及び-O-低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール;低級アルキル、-C(O)-低級アルキル及び-C(O)-O-低級アルキレン-アリールからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい5〜6員の単環式ヘテロ環基;-低級アルキレン-R11;-低級アルキレン-O-C3-12シクロアルキル;-低級アルキレン-O-アリール;又は、-低級アルキレン-O-低級アルキレン-アリールであり、ここに、R11は、1〜5個の低級アルキルで置換されていてもよいC3-12シクロアルキル;ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、-O-低級アルキル及び-O-ハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール;又は、1〜5個の低級アルキルで置換されていてもよい5〜6員の単環式ヘテロ環基であり、
R2が、同一又は異なって、H、低級アルキル、ハロゲン、-低級アルキレン-アリール、又は、-低級アルキレン-O-低級アルキレン-アリールであり、
R3が、1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいC1-10アルキル;-低級アルキレン-O-(ハロゲン及びOHからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル);-低級アルキレン-O-低級アルケニル;ハロゲン、CN、-低級アルキレン-O-低級アルキル、C3-8シクロアルキル、-S(O)2-低級アルキルで置換されていてもよいアリール、5〜6員の単環式ヘテロ環基及び-S(O)2-C3-8シクロアルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール;-低級アルキレン-C3-8シクロアルキル;-低級アルキレン-5〜6員の単環式ヘテロ環基;-低級アルキレン-O-C3-8シクロアルキル;-低級アルキレン-O-(ハロゲン、-O-低級アルキル、CN及び-低級アルキレン-O-低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール);-低級アルキレン-O-(ハロゲン、低級アルキル及びハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい5〜6員の単環式ヘテロ環基);-低級アルキレン-O-低級アルキレン-アリール;-低級アルキレン-O-低級アルキレン-C3-8シクロアルキル;-低級アルキレン-S(O)n-低級アルキル、ここにnは0、1又は2;-低級アルキレン-S-C3-8シクロアルキル;-低級アルキレン-S-低級アルキレン-C3-8シクロアルキル;低級アルケニレン-アリール;又は、-CH=単環式飽和ヘテロ環であり、
RPが、H又は低級アルキルであり、及びR6がHであるか、又は、RPとR6は、それらが結合する-O-C(=O)-C-O-と一体となり、2,2-ジメチル-4-オキソ-1,3-ジオキソラン-5,5-ジイルを形成してもよい、請求項2に記載の化合物又はその塩。
【請求項4】
Xが、O又はSであり、R1が、C1-10アルキル;1〜3個の低級アルキルで置換されていてもよいC3-10シクロアルキル;-低級アルキレン-(1〜3個の低級アルキルで置換されていてもよいC3-10シクロアルキル);又は、-低級アルキレン-アリールであり、R2がHであり、R3が、C1-10アルキル、-低級アルキレン-O-低級アルケニル、-低級アルキレン-C3-8シクロアルキル、-低級アルキレン-O-低級アルキレン-C3-8シクロアルキル、-低級アルキレン-S-低級アルキル、-低級アルキレン-S-低級アルキレン-C3-8シクロアルキル、又は、-低級アルキレン-O-(1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいピリジル)であり、RPがHであり、及び、R6がHである、請求項3に記載された化合物又はその塩。
【請求項5】
Xが、Oであり、R1が、C1-10アルキル、低級アルキルで置換されていてもよいC3-10シクロアルキル、又は、-低級アルキレン-(低級アルキルで置換されていてもよいC3-10シクロアルキル)であり、R3が、C1-10アルキル、-低級アルキレン-C3-8シクロアルキル、-低級アルキレン-S-低級アルキル又は-低級アルキレン-S-低級アルキレン-C3-8シクロアルキルである、請求項4に記載の化合物又はその塩。
【請求項6】
Xが、O又はSであり、
R1が、H;C1-10アルキル;-低級アルキレン-O-低級アルキル;低級アルキル、ハロゲン及び-O-C3-4アルキレン-からなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル;ベンゼン環と縮合したC5-6シクロアルケニル;ハロゲン及び-O-低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール;低級アルキル、-C(O)-低級アルキル及び-C(O)-O-低級アルキレン-アリールからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい5〜6員の単環式ヘテロ環基;-低級アルキレン-R11;-低級アルキレン-O-C3-12シクロアルキル;-低級アルキレン-O-アリール;又は、-低級アルキレン-O-低級アルキレン-アリールであり、ここに、R11は、1〜5個の低級アルキルで置換されていてもよいC3-12シクロアルキル;ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、-O-低級アルキル及び-O-ハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール;又は、1〜5個の低級アルキルで置換されていてもよい5〜6員の単環式ヘテロ環基であり、
R2が、同一又は異なって、H、又は、低級アルキルであり、
R3が、1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいC1-10アルキル;-低級アルキレン-O-(ハロゲン及びOHからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル);-低級アルキレン-O-低級アルケニル;-低級アルキレン-C3-8シクロアルキル;-低級アルキレン-O-C3-8シクロアルキル;-低級アルキレン-O-低級アルキレン-C3-8シクロアルキル;-低級アルキレン-S-低級アルキル;-低級アルキレン-S-C3-8シクロアルキル;-低級アルキレン-S-低級アルキレン-C3-8シクロアルキル;-低級アルキレン-O-(ハロゲン、-O-低級アルキル、CN及び-低級アルキレン-O-低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール);又は、-低級アルキレン-O-(ハロゲン、低級アルキル及びハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい5〜6員の単環式ヘテロ環基)であり、
RPがH又は低級アルキルであり、及びR6はHであり、
更に、R3が、1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいC1-10アルキルのとき、-X-R1が、その結合するピリジン環のいずれか1つのR2と一体となって、式-O-CH2-CH2-O-、-O-CH2-CH2-、-NH-CH=CH-、-NH-CH=N-、-O-CH=CH-又は-S-CH=CH-で示される基となり、下式で示される群から選択される、該ピリジン環と縮合するヘテロ環を形成してもよく、
【化2】
ここに、該ヘテロ環は環原子に結合する1以上のHに代えて、-低級アルキレン-C3-12シクロアルキル及び低級アルキルからなる群から選択される1〜2個の置換基を有し、及び、残るR2はHである、請求項2に記載の化合物又はその塩。
【請求項7】
R3が、1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいC1-10アルキルであり、-X-R1が、その結合するピリジン環のいずれか1つのR2と一体となって、式-O-CH2-CH2-O-、-O-CH2-CH2-、-NH-CH=CH-、-NH-CH=N-、-O-CH=CH-又は-S-CH=CH-で示される基となり、下式で示される群から選択される、該ピリジン環と縮合するヘテロ環を形成し、
【化3】
ここに、該ヘテロ環は環原子に結合する1以上のHに代えて、-低級アルキレン-C3-12シクロアルキル及び低級アルキルからなる群から選択される1〜2個の置換基を有し、残るR2はHであり、RPがHであり、及び、R6がHである、請求項2に記載の化合物又はその塩。
【請求項8】
R3がC1-10アルキルであり、-X-R1が、その結合するピリジン環のいずれか1つのR2と一体となって、式-O-CH2-CH2-又は-O-CH=CH-で示される基となり、該ピリジン環と縮合するヘテロ環(d-1)又は(q-1)を形成し、該ヘテロ環は環原子に結合する1つのHに代えて、-低級アルキレン-C3-10シクロアルキルを有する、請求項7に記載の化合物又はその塩。
【請求項9】
(2R,3S)-3-アミノ-2-{[4-(2-シクロプロピルエトキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-2-ヒドロキシ-5-メチルヘキサン酸、
(2R,3S)-3-アミノ-2-{[4-(シクロヘキシルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-2-ヒドロキシ-5-メチルヘキサン酸、
(2R,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-5-メチル-2-{[4-(スピロ[2.5]オクタ-6-イルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}ヘキサン酸、
(2R,3R)-3-アミノ-4-[(シクロプロピルメチル)スルファニル]-2-ヒドロキシ-2-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)ブタン酸、
(2R,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-5-メチル-2-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)ヘキサン酸、
(2R,3S)-3-アミノ-5-シクロブチル-2-{[4-(2-シクロプロピルエトキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-2-ヒドロキシペンタン酸、
(2R,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-5-メチル-2-({4-[2-(1-メチルシクロプロピル)エトキシ]ピリジン-2-イル}メチル)ヘキサン酸、
(2R,3S)-3-アミノ-2-{[4-(3-シクロプロピルプロポキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-2-ヒドロキシ-5-メチルヘキサン酸、
(2R,3S)-3-アミノ-2-{[4-(シクロヘプチルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-2-ヒドロキシ-5-メチルヘキサン酸、及び
(2R,3S)-3-アミノ-2-({4-[(2R)-ヘキサン-2-イルオキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-2-ヒドロキシ-5-メチルヘキサン酸、
(2R,3R)-3-アミノ-4-(エチルスルファニル)-2-ヒドロキシ-2-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)ブタン酸、及び
(2R,3R)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-2-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-4-(メチルスルファニル)ブタン酸
からなる群から選択される化合物又はその塩である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項10】
(2R,3S)-3-アミノ-2-{[2-(2-シクロプロピルエチル)フロ[3,2-c]ピリジン-4-イル]メチル}-2-ヒドロキシ-5-メチルヘキサン酸又はその塩である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項11】
請求項1記載の化合物又はその塩を含有する医薬組成物。
【請求項12】
夜間頻尿治療剤である、請求項11記載の医薬組成物。
【請求項13】
請求項1記載の化合物又はその塩と賦形剤を含有する医薬組成物。
【請求項14】
夜間頻尿治療用医薬組成物の製造のための、請求項1記載の化合物又はその塩の使用。
【請求項15】
夜間頻尿治療のための請求項1記載の化合物又はその塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬、殊に夜間頻尿治療薬として有用な新規ピリジン誘導体又はその塩及び該化合物を有効成分とする医薬に関する。
【背景技術】
【0002】
夜間頻尿とは、「夜間排尿のために1回以上起きなければならないという訴え」である(Neurourol Urodyn 2002;21:167-178)。夜間頻尿は年齢とともに増加し(J Urol 2010; 184: 440-446)、睡眠障害や骨折リスクの増加などQOLを低下させる、高齢者に多い下部尿路症状である(Eur Urol 2010; 57: 488-498)。原因として、多尿、夜間多尿、膀胱容量の減少、睡眠障害が挙げられるが、多くの患者は,複数の要因がある混合型と想定される(Eur Urol 2012; 62: 877-890)。中でも、夜間の尿量が1日総尿量の33%を超える夜間多尿は夜間頻尿患者の8割で認められている(J Urol 2011; 186: 1358-1363)。
【0003】
抗利尿ホルモンであるアルギニンバソプレシン(AVP)は、視床下部−下垂体系にて生合成・分泌される9個のアミノ酸からなるペプチドである。AVPの受容体は、V1a、V1b及びV2の3種類のサブタイプに分類され、末梢におけるAVPの主な薬理作用にはV1a受容体を介する血管収縮作用と、V2受容体を介する抗利尿作用が知られている。AVPは腎尿細管に作用し、腎における水の再吸収を亢進して尿量を減少させる。そのため,加齢に伴う夜間のAVP分泌低下が夜間尿量増加の一因と考えられている(J Int Med 1991; 229: 131-134,BJU Int 2004; 94: 571-575)。
【0004】
V2受容体を刺激することで夜間頻尿を改善することが期待され、V2受容体選択的作動薬であるDesmopressin(dDAVP)が夜間頻尿患者の治療に用いられている。dDAVPは夜間尿量及び夜間排尿回数を減少させ、初回睡眠時間を延長することが報告されている(J Urol 2013; 190: 958-964,J Urol 2013; 190: 965-972)。しかしながら、V2受容体作動薬は理論的には体液貯留を促し、低ナトリウム血症の懸念があるため、夜間頻尿患者の多数を占める高齢者へのV2受容体作動薬投与の際には血清ナトリウム濃度測定などの注意が必要であることが報告されている(Neurourol urodyn 2004; 23: 302-305)。
【0005】
胎盤性ロイシンアミノペプチダーゼ(Placental leucine aminopeptidase: P-LAP)は、L-leucine-β-naphthylamide、Oxytocin及びAVPを分解する酵素であり(Arch Biochem Biophys 1992; 292: 388-392)、1996年にRogiらによってアミノペプチダーゼとしてクローニングされた(J Biol Chem 1996; 271: 56-61)。一方,Kellerらによってラット精巣上体の脂肪からクローニングされたインスリン制御アミノペプチダーゼ(Insulin regulated aminopeptidase: IRAP)はP-LAPと87%の相同性があり,のちにAVP代謝酵素であることが示唆され、P-LAPのラットホモログと報告されている(J Biol Chem 1995; 270: 23612-23618,Am J Physiol Endocrinol Metab 2007; 293: E1092-E1102)。ウシ副腎から単離されたアンジオテンシンIV(AT4)受容体もまた,生化学的及び薬理学的な研究によりIRAPであることが示唆されている(J Biol Chem 2001; 276: 48623-48626)。
【0006】
P-LAPノックアウトマウスを用いた実験において、一日総排尿量は野生型とノックアウトマウスとの間で差が無いが、AVP投与による一日総排尿量の減少量はノックアウトマウスにおいて増大したことが報告されており、P-LAPがAVPの分解を介し排尿量調節に関与している可能性が示唆されている(非特許文献1)。
【0007】
下式(A)で示される化合物が、IRAP阻害剤として認知症や糖尿病などの治療剤として有用であることが報告されている(特許文献1及び特許文献2)。
【0008】
【化1】
(式中、XはO、NR’又はSであり、他の記号については当該公報を参照のこと)
【0009】
また、AT4の13〜14員環状トリペプタイドアナログが良好なIRAP阻害作用を有することが報告されている(非特許文献2)。
【0010】
しかしながら、現在までP-LAP(若しくはIRAP)を介したメカニズムを有する抗利尿剤あるいは夜間頻尿治療剤については、全く報告が無い。
【0011】
このような状況下、夜間頻尿の治療に適する安全性に優れた抗利尿薬の開発が切望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第2006/026832号
【特許文献2】国際公開第2009/065169号
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Life Sciences 84 (2009) 668-672
【非特許文献2】J Med Chem 2011; 54; 3779-3792
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
医薬組成物、特に夜間頻尿治療用医薬組成物の有効成分として有用な化合物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者等は、AVPの代謝酵素であるP-LAPを夜間に阻害することにより、内因性AVPレベルの維持・増加による抗利尿作用を介して、夜間の排尿回数を減少させることが期待できるのではないかと考え、P-LAP(そのラットホモログであるIRAPを含む)を阻害する化合物について鋭意検討を行った。
【0016】
その結果、後記式(I)の化合物が良好なP-LAP阻害作用を有することを見出し、更に、飲水負荷ラットを用いた抗利尿作用試験において、式(I)の化合物が、P-LAP阻害に基づく内因性AVP濃度の上昇と、それに伴う尿生成抑制作用を有することを知見して、本発明を完成した。
【0017】
即ち、本発明は、式(I)の化合物又はその塩、並びに、式(I)の化合物又はその塩と賦形剤を含有する医薬組成物に関する。
【0018】
【化2】
(式中、
Xは、O,S又はNR4であり、
R4は、H、G1群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル、G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル、-低級アルキレン-(G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル)、-C(O)-(G1群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル)、-C(O)-(G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル)、又は、-C(O)-低級アルキレン-(G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル)であるか、又は、隣接する-NR1と一体となって、-NR1R4として4〜8員の含窒素飽和ヘテロ環基を形成し、ここに、該含窒素飽和ヘテロ環基はベンゼン環と縮合していてもよく、G4群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい、
R1は、H、G1群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC1-10アルキル、-低級アルキレン-X11-(G1群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル)、R11、-低級アルキレン-R11、-低級アルキレン-X11-R11、又は、-低級アルキレン-X11-低級アルキレン-R11であり、
R2は、同一又は異なって、H、G1群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル、ハロゲン、OH、SH、-O-低級アルキル、-O-低級アルキレン-アリール、-O-アリール、-S-低級アルキル、-S-低級アルキレン-アリール、-S-アリール、-O-ハロゲノ低級アルキル、-C(O)-低級アルキル、-S(O)2-低級アルキル、-S(O)-低級アルキル、NO2、-NH2、-NH-低級アルキル、-N(低級アルキル)2、-NH-アリール、-N(低級アルキル)-アリール、-C(O)OH、-C(O)O-低級アルキル、-CHO、-C(O)NH2、-C(O)NH-低級アルキル、-C(O)N(低級アルキル)2、CN、-低級アルキレン-X21-(G1群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル)、G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル、G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよく(G3群から選択される1〜4個の置換基を有していてもよいベンゼン環)と縮合していてもよいC3-12シクロアルケニル、G5群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール、-低級アルキレン-R21、-低級アルキレン-X21-R21、又は、-低級アルキレン-X21-低級アルキレン-R21であり、
R3は、R32、-低級アルキレン-X31-R32、-低級アルケニレン-X31-R32、R31、-低級アルキレン-R31、-低級アルキレン-X31-R31、-低級アルキレン-X31-低級アルキレン-R31、低級アルケニレン-R31、低級アルキニレン-R31、又は、-CH=単環式飽和ヘテロ環であり、
X11、X21及びX31は、同一又は異なって、O又はS(O)nであり、nは0、1又は2であり、
R11、R21及びR31は、同一又は異なって、G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル、G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよく(G3群から選択される1〜4個の置換基を有していてもよいベンゼン環)と縮合していてもよいC3-12シクロアルケニル、G5群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール、又は、G5群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい単環式若しくは2環式ヘテロ環基であり、
R32は、G1群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC1-10アルキル、G1群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルケニル、又は、G1群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキニルであり、
RPは、H又はエステル残基であり、及びR6はHであるか、又は、RPとR6は、それらが結合する-O-C(=O)-C-O-と一体となり、2,2-ジ(低級アルキル)-4-オキソ-1,3-ジオキソラン-5,5-ジイルを形成してもよい、
更に、R3が、1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいC1-10アルキルのとき、-X-R1は、その結合するピリジン環のいずれか1つのR2と一体となって、式-Xb-(CH2)m-Y-、-Xb-CH=CH-、-Xb-CH=N-又は-Xb-N=CH-で示される基となり、該ピリジン環と縮合するヘテロ環を形成してもよく、ここに、mは1〜3の整数であり、XbはO、S又はNHであり、YはCH2、O、S又はNHであり、該ヘテロ環はその環原子に結合する1以上のHに代えて、G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル、-低級アルキレン-(G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル)及びG3群の基からなる群から選択される1〜4個の置換基を有していてもよい、
更に、-X-R1はR3と一体となって、式-X-C5-15炭素鎖-で示される基を形成してもよく、該C5-15炭素鎖は、C原子に代えて1〜2個のO又はS原子を有していてもよく、1〜5個の不飽和結合を含んでいてもよく、G4群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい、
G1群は、ハロゲン、OH、SH、-O-低級アルキル、-O-低級アルキレン-アリール、-O-アリール、-S-低級アルキル、-S-低級アルキレン-アリール、-S-アリール、-O-ハロゲノ低級アルキル、-C(O)-低級アルキル、-C(O)-アリール、-S(O)2-低級アルキル、-S(O)-低級アルキル、NO2、-NH2、-NH-低級アルキル、-N(低級アルキル)2、-NH-アリール、-N(低級アルキル)-アリール、-C(O)OH、-C(O)O-低級アルキル、-CHO、-C(O)NH2、-C(O)NH-低級アルキル、-C(O)N(低級アルキル)2、-C(O)NH-アリール及びCNであり、
G2群及びG4群は、G1群の基、G1群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル、-O-C2-3アルキレン-O-、及び、-O-C3-4アルキレン-であり、
G3群は、G1群の基及びG1群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキルであり、及び
G5群は、i) G1群の基、ii) G1群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい、低級アルキル、低級アルケニル及び低級アルキニル、iii) -低級アルキレン-O-(G1群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい、低級アルキル、低級アルケニル及び低級アルキニル)、iv) G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい、C3-12シクロアルキル及び(G3群から選択される1〜4個の置換基を有していてもよいベンゼン環)と縮合していてもよいC3-12シクロアルケニル、v) G3群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール、vi) G3群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい単環式若しくは2環式ヘテロ環基、vii) -低級アルキレン-RG、viii) -低級アルキレン-O-RG、ix) -C(O)-RG、x) -C(O)-O-RG、xi) -C(O)-O-低級アルキレン-RG及びxii) -S(O)2-RGであり、ここに、RGは、同一又は異なって、G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル、G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよく(G3群から選択される1〜4個の置換基を有していてもよいベンゼン環)と縮合していてもよいC3-12シクロアルケニル、G3群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール、又は、G3群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい単環式若しくは2環式ヘテロ環基である。)
【0019】
なお、特に記載がない限り、本明細書中のある化学式中の記号が他の化学式においても用いられる場合、同一の記号は同一の意味を示す。
【0020】
本発明は、式(I)の化合物又はその塩を含有する医薬組成物にも関する。なお、当該医薬組成物は、夜間頻尿治療剤を包含する。また、式(I)の化合物又はその塩と賦形剤を含有する医薬組成物にも関する。
【0021】
さらに、本発明は、夜間頻尿治療用医薬組成物の製造のための式(I)の化合物又はその塩の使用、夜間頻尿治療のための式(I)の化合物又はその塩の使用、夜間頻尿治療のための式(I)の化合物又はその塩、及び、式(I)の化合物又はその塩の有効量を対象に投与することからなる夜間頻尿治療方法に関する。なお、「対象」とは、その予防又は治療を必要とするヒト又はその他の動物であり、ある態様としては、その予防又は治療を必要とするヒトである。
【発明の効果】
【0022】
式(I)の化合物又はその塩は、AVPの代謝酵素であるP-LAPの阻害作用を有し、内因性AVP濃度の維持・上昇に基づく尿生成抑制作用を有することから、夜間頻尿の治療剤として使用できることが期待される。また、AVP濃度の低下が関与するその他の排尿障害や多尿、例えば、頻尿、尿失禁、夜尿症の治療剤として使用できることが期待される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、薬理試験(4)追加水負荷ラット抗利尿試験における各群の排尿量の変化を示すグラフである。縦軸は排尿量(mL/30min)を横軸は被験化合物投与からの経過時間(hr)を示す。+Waterは追加水負荷を行った群であることを示し、横軸の矢印はその時点で追加水負荷を行ったことを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0025】
本明細書において、「低級アルキル」とは、直鎖又は分枝状の炭素数が1から10(以後、C1-10と略す)のアルキルであり、ある態様としては、直鎖又は分枝状のC1-6のアルキルであり、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソペンチル、イソヘキシル、イソヘプチル、イソオクチル、3-エチルペンチル、4-エチルヘキシル、4-エチルヘプチル、n-ヘキシル、ヘキサン-2-イル、4-メチルペンタン-2-イル、2,2-ジメチルプロピル、3,3-ジメチルペンチル、3,3-ジメチルブチル等である。ある態様としては、C1-4アルキルであり、更にある態様としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル又はtert-ブチルであり、ある態様としてはメチル又はエチルである。
【0026】
R1及びR3における「C1-10アルキル」としては、前記「低級アルキル」における直鎖又は分枝状のC1-10アルキルである。R1における「C1-10アルキル」のある態様としては、メチル、n-ヘキシル、ヘキサン-2-イル、4-メチルペンタン-2-イル、3,3-ジメチルペンチル、及び、3,3-ジメチルブチルである。R3における「C1-10アルキル」のある態様としては、分枝状のC1-10アルキルであり、更にある態様としては、イソブチル、イソペンチル、イソヘキシル、2,2-ジメチルプロピル又は3-エチルペンチルであり、またある態様としては、イソブチルである。
【0027】
「低級アルケニル」とは、直鎖又は分枝状のC2-8のアルケニル、例えばビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、1-メチルビニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1,3-ブタジエニル、3-メチル-1,3-ブタジエニル、1,3-ペンタジエニル等である。ある態様としては、C2-6アルケニルであり、さらにある態様としては、2-メチル-1-プロペニル又は3-メチル-1,3-ブタジエニルであり、またある態様としては、2-メチル-1-プロペニルである。
【0028】
「低級アルキニル」とは、直鎖又は分枝状のC2-6のアルキニル、例えばエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、1-メチル-2-プロピニル、1,3-ブタジイニル、1,3-ペンタジイニル等である。ある態様としては、C2-4アルキニルであり、さらにある態様としては、エチニル、2-プロピニル又は3-ブチニルであり、またさらにある態様としては、3-ブチニルである。
【0029】
「低級アルキレン」とは、直鎖又は分枝状のC1-10のアルキレン、例えばメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、プロピレン、メチルメチレン、エチルエチレン、1,2-ジメチルエチレン、1,1,2,2-テトラメチルエチレン等である。ある態様としては、C1-6アルキレンであり、ある態様としては、C1-4アルキレンであり、さらにある態様としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン又はメチルメチレンであり、またさらにある態様としては、メチレン又はエチレンである。
【0030】
「低級アルケニレン」とは、直鎖又は分枝状のC2-6のアルケニレン、例えばビニレン、エチリデン、プロペニレン、ブテニレン、ペンテニレン、ヘキセニレン、1,3-ブタジエニレン、1,3-ペンタジエニレン等である。ある態様としては、C2-4アルケニレンであり、さらにある態様としては、ビニレン又はエチリデンであり、またさらにある態様としては、ビニレンである。
【0031】
「低級アルキニレン」とは、直鎖又は分枝状のC2-6のアルキニレン、例えばエチニレン、プロピニレン、ブチニレン、ペンチニレン、ヘキシニレン、1,3-ブタジイニレン、1,3-ペンタジイニレン等である。ある態様としては、C2-4アルキニレンであり、さらにある態様としては、エチニレン又はプロピニレンである。
【0032】
「ハロゲン」は、F、Cl、Br又はIを意味する。
【0033】
「ハロゲノ低級アルキル」とは、1個以上のハロゲンで置換された、直鎖又は分枝状のC1-10アルキルである。ある態様としては、1〜5個のハロゲンで置換されたC1-6アルキルであり、さらにある態様としては、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、トリフルオロプロピル、2-フルオロ-2-メチルプロピル、ジフルオロメチル、フルオロメチル又はクロロメチルであり、またさらにある態様としては、トリフルオロメチルである。
【0034】
「C3-12シクロアルキル」とは、C3-12の飽和炭化水素環基であり、架橋を有していてもよく、スピロ環を形成していてもよい。例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2,2,1]ヘプチル、ビシクロ[3,1,0]ヘキシル、ビシクロ[3,1,1]ヘプチル、アダマンチル、スピロ[2,5]オクチル、スピロ[3,5]ノニル、スピロ[4,5]デシル等である。ある態様としては、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2,2,1]ヘプチル、ビシクロ[3,1,0]ヘキシル、ビシクロ[3,1,1]ヘプチル、アダマンチル、スピロ[2,5]オクチル、スピロ[3,5]ノニル、又は、スピロ[4,5]デシルであり、ある態様としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又は、シクロヘキシルである。また、「C3-10シクロアルキル」及び「C3-8シクロアルキル」とは、前記「C3-12シクロアルキル」に包含される、それぞれ、C3-10及びC3-8の飽和炭化水素環基である。
【0035】
「C3-12シクロアルケニル」とは、C3-12の1以上の不飽和結合を有する炭化水素環基であり、架橋を有していてもよく、スピロ環を形成してもよく、例えば、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル等である。「C5-10シクロアルケニル」は前記「C3-12シクロアルケニル」に包含される。「(G3群から選択される1〜4個の置換基を有していてもよいベンゼン環)と縮合していてもよいC3-12シクロアルケニル」における「ベンゼン環と縮合したC3-12シクロアルケニル」とは、C3-12シクロアルケニルの不飽和結合部位でベンゼン環と縮合したC3-12シクロアルケニルであり、例えば、1-テトラヒドロナフチル、2-テトラヒドロナフチル、ジヒドロインデン-1-イル、ジヒドロインデン-2-イル、1-インデニル、2-インデニル、9-フルオレニル等である。「ベンゼン環と縮合したC5-6シクロアルケニル」は前記「ベンゼン環と縮合したC3-12シクロアルケニル」に包含され、ある態様としては、1-テトラヒドロナフチル、2-テトラヒドロナフチル、ジヒドロインデン-1-イル又はジヒドロインデン-2-イルであり、またさらにある態様としては、ジヒドロインデン-2-イルである。
【0036】
「アリール」とは、C6-14の単環〜三環式芳香族炭化水素環基であり、例えばフェニル、ナフチルであり、ある態様としてはフェニルである。
【0037】
「単環式若しくは2環式ヘテロ環基」とは、酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1〜4個含有する3〜15員の、ある態様としては5〜10員の単環若しくは2環式ヘテロ環基であり、飽和環、芳香環、及びその部分的に水素化された環基を包含する。環原子である硫黄又は窒素が酸化されオキシドやジオキシドを形成してもよい。具体的には、ピリジル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、イミダゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チエニル、フリル等の単環式ヘテロアリール、インドリル、イソインドリル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル等の二環式ヘテロアリール、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロピリジニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、ジオキソラニル、ジオキサニル、テトラヒドロチオピラニル、ジヒドロチオピラニル等の単環式飽和又は部分的に水素化されたヘテロ環基、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、テトラヒドロベンゾイミダゾリル、テトラヒドロキノキサリニル、ジヒドロキノキサリニル、ジヒドロベンゾキサゾリル、ジヒドロベンゾオキサジニル、ジヒドロベンゾフリル、クロマニル、クロメニル、メチレンジオキシフェニル、エチレンジオキシフェニル等の二環式飽和又は部分的に水素化されたヘテロ環基、キヌクリジニル等の架橋ヘテロ環基等である。ある態様としては、5〜10員の単環式へテロ環基であり、さらにある態様としては、5〜6員の単環式へテロ環基であり、またさらにある態様としては、5〜6員の単環式へテロアリールであり、さらなるある態様としては5〜6員の単環式飽和又は部分的に水素化されたヘテロ環基である。また、R1における「単環式若しくは2環式ヘテロ環基」のある態様としては、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、チエニル、チアゾリル又はピラゾリルであり、ある態様としては、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、チエニル又はピラゾリルであり、また、R3における「単環式若しくは2環式ヘテロ環基」のある態様としては、ピペリジル、モルホリニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル又はピラゾリルであり、ある態様としては、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル又はピラゾリルである。
【0038】
「単環式飽和ヘテロ環基」とは、前記の「単環式若しくは2環式ヘテロ環基」のうち、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジオキソラニル、ジオキサニル、テトラヒドロチオピラニル等の単環の飽和ヘテロ環基であり、ある態様としては、テトラヒドロピラニルである。また、「-CH=単環式飽和ヘテロ環」とは、CHが二重結合を介して前記単環式飽和ヘテロ環の1つの環C原子に結合した基を示す。
【0039】
「-NR1R4として4〜8員の含窒素飽和ヘテロ環基を形成し、ここに、該含窒素飽和ヘテロ環基はベンゼン環と縮合していてもよく、G4群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい」における、「4〜8員の含窒素飽和ヘテロ環基」とは、前記の「単環式若しくは2環式ヘテロ環基」のうち、4〜8員単環含窒素飽和ヘテロ環基若しくはこれらの環がベンゼン環と縮合したヘテロ環基であり、例えば、1-アゼチジニル、1-ピロリジニル、ピペリジノ、1-ピペラジニル、1-アゼパニル、1-ジアゼパニル、モルホリノ、インドリン-1-イル、イソインドリン-2-イル、テトラヒドロキノリン-1-イル、テトラヒドロイソキノリン-2-イル、テトラヒドロキノキサリン-1-イル等のヘテロ環基であり、ある態様としては、ピペリジノ又は1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-イルであり、ある態様としては、ピペリジノである。ここに、該4〜8員の含窒素飽和ヘテロ環基はそのヘテロ環上(及び/又は縮合したベンゼン環上)の環原子に結合するG4群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい。
【0040】
RPにおける、「エステル残基」としては、例えば、低級アルキル、低級アルケニル、ハロゲノ低級アルキル、C3-8シクロアルキル、低級アルキル-O-ベンジル、ニトロベンジル、低級アルキル-O-ベンズヒドリル、ベンズヒドリル、-低級アルキレン-O-C(O)-低級アルキル、-低級アルキレン-C(O)-低級アルケニル、-低級アルキレン-O-C(O)-O-C3-8シクロアルキル、-低級アルキレン-O-C(O)-低級アルケニル、-低級アルキレン-O-C(O)-低級アルキレン-O-低級アルキル、-低級アルキレン-O-低級アルキル、-低級アルキレン-O-低級アルキレン-O-低級アルキル、-低級アルキレン-O-C(O)-O-低級アルキル、-低級アルキレン-O-C(O)-O-低級アルキレン-O-低級アルキル、ベンゾイルオキシ低級アルキル、ジ低級アルキルアミノ低級アルキル、2-オキソテトラヒドロフラン-5-イル、2-オキソ-5-アルキル-1,3-ジオキソレン-4-イルメチル、テトラヒドロフラニルカルボニルオキシメチル、3-フタリジル等のエステル残基等が挙げられる。ある態様としては、低級アルキル基である。ここに、RPがエステル残基である化合物には、生理学的条件下で対応するカルボン酸化合物に変換され得る化合物が含まれるが、本発明はこれらの化合物をも包含する。
【0041】
「RPとR6は、それらが結合する-O-C(=O)-C-O-と一体となり、2,2-ジ(低級アルキル)-4-オキソ-1,3-ジオキソラン-5,5-ジイルを形成し」とは、式(I)の化合物が下式(I−A)で示される化合物を包含することを意味する。
【0042】
【化3】
(式中、RP1及びRP2は同一又は異なって低級アルキルであり、ある態様としてはともにメチルである。)
【0043】
「-X-R1は、その結合するピリジン環のいずれか1つのR2と一体となって、式-Xb-(CH2)m-Y-、-Xb-CH=CH-、-Xb-CH=N-又は-Xb-N=CH-で示される基となり、該ピリジン環と縮合するヘテロ環を形成してもよく」における、ピリジン環とヘテロ環との縮合環としては、下式(i)〜(iv)に記載される縮合環が挙げられる。該縮合環はピリジン環のN原子に隣接するいずれかのC原子上(ピリジン環2位又は6位)に-CH2-C(OR6)(COORP)-CH(NH2)-R3との結合手を有する。また、該ヘテロ環の環原子に結合する1以上のHに代えてG4群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい。
【0044】
【化4】
(式中、XbはO、S又はNHであり、mは1〜3の整数であり、YはCH2、O、S又はNHである)
【0045】
「ピリジン環とヘテロ環との縮合環」のある態様としては、以下の群から選択される1つの縮合環である。
【0046】
【化5】
【0047】
更に、ある態様としては、上記の縮合環中、(a), (b), (d), (e), (g), (h), (k), (m), (o), (p), (q), (r), (s) 及び(t)からなる群から選択される1つの縮合環である。ある態様としては、(b), (d), (o), (p), (q)及び(r)からなる群から選択される1つの縮合環である。更にある態様としては(d)及び(q)からなる群から選択される1つの縮合環である。ある態様としては、(q)の縮合環である。
【0048】
また、ピリジン環とヘテロ環との縮合環のある態様としては、下記群から選択される1つの縮合環である。
【0049】
【化6】
【0050】
更にある態様としては、前記縮合環中、(d-1)又は(q-1)の縮合環であり、またある態様としては、(q-1)の縮合環である。
【0051】
「-X-R1はR3と一体となって、式-X-C5-15炭素鎖-で示される基を形成してもよく、該C5-15炭素鎖は、C原子に代えて1〜2個のO又はS原子を有していてもよく、1〜5個の不飽和結合を含んでいてもよく」における、C5-15炭素鎖は、炭素数5〜15の直鎖又は分岐上のアルキレン、又は、1〜5個の不飽和結合を含む炭素数5〜15の直鎖又は分岐上のアルケニレン又はアルキニレンであり、該炭素鎖の1〜2個のC原子がO又はS原子であってもよいことを示す。ここに、-X-C5-15炭素鎖-としては、例えば、-X-C5-15アルキレン-、-X-C5-15アルケニレン-、-X-Cq1アルキレン-O-Cq2アルキレン-、-X-Cq1アルキレン-S-Cq2アルキレン-、-X-Cq1アルケニレン-O-Cq2アルキレン-、-X-Cq1アルケニレン-S-Cq2アルキレン-、-X-Cq1アルキレン-O-Cq2アルケニレン-、-X-Cq1アルキレン-S-Cq2アルケニレン-、-X-Cr1アルキレン-O-Cr2アルキレン-O-Cr3アルキレン-、-X-Cr1アルキレン-S-Cr2アルキレン-S-Cr3アルキレン-、-X-Cr1アルケニレン-O-Cr2アルキレン-O-Cr3アルキレン-、-X-Cr1アルケニレン-S-Cr2アルキレン-S-Cr3アルキレン-、-X-Cr1アルキレン-O-Cr2アルケニレン-O-Cr3アルキレン-、-X-Cr1アルキレン-S-Cr2アルケニレン-S-Cr3アルキレン-等であり。ここに、q1、q2、r1、r2及びr3は、アルキレンの場合は1以上の、アルケニレンの場合は2以上の整数であり、q1+q2=5〜14、及び、r1+r2+r3=5〜13である。ある態様としては、-X-Cq1アルキレン-O-Cq2アルキレン-又は-X-Cq1アルケニレン-O-Cq2アルキレン-である。ある態様としては、-X-C5-11アルケニレン-O-C1-3アルキレン-又は-X-C5-11アルキレン-O-C1-3アルキレン-である。更に、-X-R1がR3と一体となって、式-X-C5-15炭素鎖-で示される基を形成した化合物のある態様として、下式(I−B)又は(I−C)の化合物が挙げられる。
【0052】
【化7】
(式中、交差する二本の線で示される二重結合は、その二重結合がE体又はZ体、あるいはそれらの混合物であることを示す。)
【0053】
「-O-C2-3アルキレン-O-」、及び、「-O-C3-4アルキレン-」は、それぞれ、2つの結合手が同一の環C原子に結合する2価の置換基を示す。具体的には、それぞれ、「-O-C2-3アルキレン-O-」としては、-O-(CH2)2-O-又は-O-(CH2)3-O-であり、「-O-C3-4アルキレン-」としては、-O-(CH2)3-又は-O-(CH2)4-である。
【0054】
本明細書において、「1〜5個の置換基を有していてもよい」とは、無置換、若しくは置換基を1〜5個有していることを意味する。なお、複数個の置換基を有する場合、それらの置換基は同一であっても、互いに異なっていてもよい。
【0055】
式(I)の化合物は、不斉点が少なくとも2か所存在し、そのうち-C(O)ORPが結合する炭素原子(2位)の立体配置はRである。そして、その隣接する-NH2が結合する炭素原子(3位)の立体配置はR、Sいずれでもよく、3位の立体配置がR又はSである異性体、あるいはそれらの混合物を包含する。式(I)の化合物のある態様としては、下記式(I’)で示される化合物又はその塩である。
【0056】
【化8】
(式中、(2R)は2位の立体配置がRであることを示す。)
【0057】
更に、式(I)の化合物には、置換基の種類によって、互変異性体や幾何異性体が存在しうる。式(I)の化合物は、当該異性体の分離されたもの、あるいはそれらの混合物をも包含する。
【0058】
また、式(I)の化合物は、置換基の種類によって、上記以外の別の不斉炭素原子に基づく立体異性体が存在する場合がある。式(I)の化合物は、これらの立体異性体の分離されたもの、あるいはそれらの混合物をも包含する。
【0059】
さらに、本発明は、式(I)で示される化合物の製薬学的に許容されるプロドラッグも包含する。製薬学的に許容されるプロドラッグとは、加溶媒分解により又は生理学的条件下で、アミノ基、水酸基、カルボキシル基等に変換されうる基を有する化合物である。プロドラッグを形成する基としては、例えば、Prog. Med., 5, 2157-2161(1985)や、「医薬品の開発」(廣川書店、1990年)第7巻 分子設計163-198、「Prodrugs and targeted delivery」(Wiley-VCH 2011) Methods and principles in medicinal chemistry volume 47に示される基が挙げられる。
【0060】
また、式(I)の化合物の塩とは、式(I)の化合物の製薬学的に許容される塩であり、置換基の種類によって、酸付加塩又は塩基との塩を形成する場合がある。具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の無機塩基、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、リシン、オルニチン等の有機塩基との塩、アセチルロイシン等の各種アミノ酸及びアミノ酸誘導体との塩やアンモニウム塩等が挙げられる。
【0061】
さらに、本発明は、式(I)の化合物及びその塩の各種の水和物や溶媒和物、及び結晶多形の物質も包含する。また、本発明は、種々の放射性又は非放射性同位体でラベルされた化合物も包含する。
【0062】
式(I)の化合物のある態様としては、以下の化合物又はその塩である。
【0063】
(1−1)Xが、O、S又はNR4であり、ここに、R4は、H、G1群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル、G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル、-低級アルキレン-(G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル)、-C(O)- (G1群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル)、-C(O)-(G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル)、又は、-C(O)-低級アルキレン-(G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル)であるか、又は、隣接する-NR1と一体となって、-NR1R4として4〜8員の含窒素飽和ヘテロ環基を形成し、ここに、該含窒素飽和ヘテロ環基はベンゼン環と縮合していてもよく、G4群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい、化合物又はその塩。
【0064】
(1−2)Xが、O,S又はNR4であり、ここに、R4は、H;ハロゲン、OH及び-O-低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル;低級アルキル、ハロゲン、OH及び-O-低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル;-低級アルキレン-(低級アルキル、ハロゲン、OH及び-O-低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル);-C(O)-(ハロゲン、OH及び-O-低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル);-C(O)-(低級アルキル、ハロゲン、OH及び-O-低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル);又は、-C(O)-低級アルキレン-(低級アルキル、ハロゲン、OH及び-O-低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル) であるか、又は、隣接する-NR1と一体となって、-NR1R4として4〜8員の含窒素飽和ヘテロ環基を形成し、ここに、該含窒素飽和ヘテロ環基はベンゼン環と縮合していてもよく、低級アルキル、ハロゲン、OH及び-O-低級アルキルからなる群から選択される1〜3個の置換基を有していてもよい、化合物又はその塩。
【0065】
(1−3)Xが、O,S又はNR4であり、ここに、R4は、H、1〜5個のハロゲンで置換されていてもよい低級アルキル、C3-12シクロアルキル、又は、-C(O)-(1〜5個の低級アルキルで置換されていてもよいC3-12シクロアルキル)であるか、又は、隣接する-NR1と一体となって、-NR1R4として4〜8員の含窒素飽和ヘテロ環基を形成し、ここに、該含窒素飽和ヘテロ環基はベンゼン環と縮合していてもよく、1〜5個の低級アルキルで置換されていてもよい、化合物又はその塩。
【0066】
(1−4)Xが、O又はSである化合物又はその塩。
【0067】
(1−5)Xが、NR4であり、ここに、R4は、H、1〜5個のハロゲンで置換されていてもよい低級アルキル、C3-12シクロアルキル、又は、-C(O)-(1〜5個の低級アルキルで置換されていてもよいC3-12シクロアルキル) であるか、又は、隣接する-NR1と一体となって、-NR1R4として4〜8員の含窒素飽和ヘテロ環基を形成し、ここに、該含窒素飽和ヘテロ環基はベンゼン環と縮合していてもよく、1〜5個の低級アルキルで置換されていてもよい化合物又はその塩。
【0068】
(1−6)Xが、Oである化合物又はその塩。
【0069】
(1−7)Xが、Sである化合物又はその塩。
【0070】
(2−1)
(a)R1が、H、G1群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC1-10アルキル、-低級アルキレン-X11-(G1群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル)、R11、-低級アルキレン-R11、-低級アルキレン-X11-R11、又は、-低級アルキレン-X11-低級アルキレン-R11であり、ここに、R11は、G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル、G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよく(G3群から選択される1〜4個の置換基を有していてもよいベンゼン環)と縮合していてもよいC3-12シクロアルケニル、G5群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール、又は、G5群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい単環式若しくは2環式ヘテロ環基であり、X11は、O又はS(O)nであり、及び、nは0、1又は2である、
(b)R3が、1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいC1-10アルキルであり、-X-R1が、その結合するピリジン環のいずれか1つのR2と一体となって、式-Xb-(CH2)m-Y-、-Xb-CH=CH-、-Xb-CH=N-又は-Xb-N=CH-で示される基となり、該ピリジン環と縮合するヘテロ環を形成し、ここに、mは1〜3の整数であり、XbはO、S又はNHであり、YはCH2、O、S又はNHであり、該ヘテロ環は環原子に結合する1以上のHに代えて、G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル、-低級アルキレン-G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル及びG3群の基からなる群から選択される1〜4個の置換基を有していてもよい、又は、
(c)-X-R1が、R3と一体となって、式-X-C5-15炭素鎖-で示される基を形成し、該C5-15炭素鎖は、C原子に代えて1〜2個のO又はS原子を有していてもよく、1〜5個の不飽和結合を含んでいてもよく、G4群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい、
化合物又はその塩。
【0071】
(2−1a)上記(2−1)において、(a)に記載の化合物又はその塩。
【0072】
(2−2)
(a)R1が、H;ハロゲン及びOHからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC1-10アルキル;-低級アルキレン-X11-(ハロゲン、OH、-O-低級アルキル及び-O-ハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル);低級アルキル、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、OH、-O-低級アルキル、-O-ハロゲノ低級アルキル、-O-C2-3アルキレン-O-、及び、-O-C3-4アルキレン-からなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル;低級アルキル、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、OH、-O-低級アルキル及び-O-ハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよくベンゼン環と縮合していてもよいC3-12シクロアルケニル;低級アルキル、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、OH、-O-低級アルキル及び-O-ハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール;低級アルキル、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、OH、-O-低級アルキル、-O-ハロゲノ低級アルキル、-C(O)-低級アルキル及び-C(O)-O-低級アルキレン-アリールからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい単環式若しくは2環式ヘテロ環基;-低級アルキレン-R11、-低級アルキレン-X11-R11、又は、-低級アルキレン-X11-低級アルキレン-R11であり、ここに、R11は、低級アルキル、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、OH、-O-低級アルキル、-O-ハロゲノ低級アルキル、-O-C2-3アルキレン-O-、及び、-O-C3-4アルキレン-からなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル;低級アルキル、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、OH、-O-低級アルキル及び-O-ハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよくベンゼン環と縮合していてもよいC3-12シクロアルケニル;低級アルキル、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、OH、-O-低級アルキル及び-O-ハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール;又は、低級アルキル、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、OH、-O-低級アルキル及び-O-ハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい単環式若しくは2環式ヘテロ環基であり、X11は、O又はSである、
(b)R3が、1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいC1-10アルキルであり、-X-R1が、その結合するピリジン環のいずれか1つのR2と一体となって、式-Xb-(CH2)m-Y-、-Xb-CH=CH-、-Xb-CH=N-又は-Xb-N=CH-で示される基となり、該ピリジン環と縮合するヘテロ環を形成し、ここに、mは1〜2の整数であり、XbはO、S又はNHであり、YはCH2、O、S又はNHであり、該ヘテロ環は環原子に結合する1以上のHに代えて、低級アルキル、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、OH、-O-低級アルキル、-O-ハロゲノ低級アルキル、-O-C2-3アルキレン-O-、及び、-O-C3-4アルキレン-からなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル;-低級アルキレン-(低級アルキル、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、OH、-O-低級アルキル、-O-ハロゲノ低級アルキル、-O-C2-3アルキレン-O-、及び、-O-C3-4アルキレン-からなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル);低級アルキル;ハロゲン;ハロゲノ低級アルキル;OH;-O-低級アルキル;-O-低級アルキレン-アリール;-O-アリール;-S-低級アルキル;及び-O-ハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜4個の置換基を有していてもよい、又は、
(c)-X-R1が、R3と一体となって、-X-C5-11アルキレン-O-C1-3アルキレン-又は-X-C5-11アルケニレン-O-C1-3アルキレン-を形成した、
化合物又はその塩。
【0073】
(2−2a)前記(2−2)において、(a)に記載の化合物又はその塩。
【0074】
(2−3)
(a)R1が、H;C1-10アルキル;-低級アルキレン-O-低級アルキル;低級アルキル、ハロゲン及び-O-C3-4アルキレン-からなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル;ベンゼン環と縮合したC5-6シクロアルケニル;ハロゲン及び-O-低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール;低級アルキル、-C(O)-低級アルキル及び-C(O)-O-低級アルキレン-アリールからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい5〜6員の単環式ヘテロ環基;-低級アルキレン-R11;-低級アルキレン-O-C3-12シクロアルキル;-低級アルキレン-O-アリール;又は、-低級アルキレン-O-低級アルキレン-アリールであり、ここに、R11は、1〜5個の低級アルキルで置換されていてもよいC3-12シクロアルキル;ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、-O-低級アルキル及び-O-ハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール;又は、1〜5個の低級アルキルで置換されていてもよい5〜6員の単環式ヘテロ環基である、
(b)R3が、1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいC1-10アルキルであって、-X-R1が、その結合するピリジン環のいずれか1つのR2と一体となって、式-O-CH2-CH2-O-、-O-CH2-CH2-、-NH-CH=CH-、-NH-CH=N-、-O-CH=CH-又は-S-CH=CH-で示される基となり、下式で示される群から選択される該ピリジン環と縮合するヘテロ環を形成し、
【0075】
【化9】
【0076】
ここに、該ヘテロ環は環原子に結合する1以上のHに代えて、-低級アルキレン-C3-12シクロアルキル及び低級アルキルからなる群から選択される1〜2個の置換基を有し、及び、残るR2はHである、又は、
(c)下式の化合物(I−B1)又は(I−C1)、
【0077】
【化10】
【0078】
(式中、交差する二本の線で示される二重結合は、その二重結合がE体又はZ体、あるいはそれらの混合物であることを示す。)
又はこれらの塩である、化合物又はその塩。
【0079】
(2−4)前記(2−3)において、(a)又は(b)に記載の化合物又はその塩。
【0080】
(2−5)前記(2−3)において、(a)に記載の化合物又はその塩。
【0081】
(2−6)前記(2−3)において、(b)に記載の化合物又はその塩。
【0082】
(2−7)R1が、C1-10アルキル;1〜3個の低級アルキルで置換されていてもよいC3-10シクロアルキル;-低級アルキレン-(1〜3個の低級アルキルで置換されていてもよいC3-10シクロアルキル);又は、-低級アルキレン-アリールである化合物又はその塩。
【0083】
(2−8)R1が、C1-10アルキル;低級アルキルで置換されていてもよいC3-10シクロアルキル;又は、-低級アルキレン-(低級アルキルで置換されていてもよいC3-10シクロアルキル)である化合物又はその塩。
【0084】
(2−9)R1が、ヘキサン-2-イル、4-メチルシクロヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、スピロ[2,5]オクチル、2-(シクロプロピル)エチル、2-(1-メチルシクロプロピル)エチル、又は、3-(シクロプロピル)プロピルである化合物又はその塩。
【0085】
(2−10)R1が、C1-10アルキルである化合物又はその塩。
【0086】
(2−11)R1が、1〜3個の低級アルキルで置換されていてもよいC3-10シクロアルキルである化合物又はその塩。
【0087】
(2−12)R1が、シクロヘキシル、シクロヘプチル、4-メチルシクロヘキシル、又は、スピロ[2,5]オクチル、である化合物又はその塩。
【0088】
(2−13)R1が、-低級アルキレン-(1〜3個の低級アルキルで置換されていてもよいC3-10シクロアルキル)である化合物又はその塩。
【0089】
(2−14)R1が、2-(シクロプロピル)エチル、2-(1-メチルシクロプロピル)エチル、又は、3-(シクロプロピル)プロピルである化合物又はその塩。
【0090】
(2−15)-X-R1が、その結合するピリジン環のいずれか1つのR2と一体となって、式-O-CH2-CH2-又は-O-CH=CH-で示される基となり、該ピリジン環と縮合するヘテロ環(d-1)又は(q-1)を形成し、該ヘテロ環は環原子に結合する1つのHに代えて、-低級アルキレン-C3-10シクロアルキルを有する、(2−6)記載の化合物又はその塩。
【0091】
(2−16)-X-R1が、その結合するピリジン環のいずれか1つのR2と一体となって、式-O-CH=CH-で示される基となり、該ピリジン環と縮合するヘテロ環(q-1)を形成し、該ヘテロ環は環原子に結合する1つのHに代えて、-低級アルキレン-C3-10シクロアルキルを有する、(2−15)記載の化合物又はその塩。
【0092】
(3−1)R2が、同一又は異なって、H、G1群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル、ハロゲン、OH、SH、-O-低級アルキル、-O-低級アルキレン-アリール、-O-アリール、-S-低級アルキル、-S-低級アルキレン-アリール、-S-アリール、-O-ハロゲノ低級アルキル、-C(O)-低級アルキル、-S(O)2-低級アルキル、-S(O)-低級アルキル、NO2、-NH2、-NH-低級アルキル、-N(低級アルキル)2、-NH-アリール、-N(低級アルキル)-アリール、-C(O)OH、-C(O)O-低級アルキル、-CHO、-C(O)NH2、-C(O)NH-低級アルキル、-C(O)N(低級アルキル)2、CN、-低級アルキレン-X21-(G1群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル)、G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル、G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよく(G3群から選択される1〜4個の置換基を有していてもよいベンゼン環)と縮合していてもよいC3-12シクロアルケニル、G5群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール、-低級アルキレン-R21、-低級アルキレン-X21-R21、又は、-低級アルキレン-X21-低級アルキレン-R21であり、ここに、R21は、G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル、G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよく(G3群から選択される1〜4個の置換基を有していてもよいベンゼン環)と縮合していてもよいC3-12シクロアルケニル、G5群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール、又は、G5群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい単環式若しくは2環式ヘテロ環基であり、X21は、O又はS(O) nであり、nは0、1又は2である、化合物又はその塩。
【0093】
(3−2)R2が、同一又は異なって、H;低級アルキル;ハロゲノ低級アルキル;ハロゲン;OH;-O-低級アルキル;-O-低級アルキレン-アリール;-O-アリール;-S-低級アルキル;-O-ハロゲノ低級アルキル;-低級アルキレン-O-低級アルキル;低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル及びハロゲンからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル;-低級アルキレン-(低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル及びハロゲンからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル);-低級アルキレン-O-(低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル及びハロゲンからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル);-低級アルキレン-O-低級アルキレン-(低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル及びハロゲンからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル);-低級アルキレン-(低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル及びハロゲンからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール);-低級アルキレン-O-(低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル及びハロゲンからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール);又は、-低級アルキレン-O-低級アルキレン-(低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル及びハロゲンからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール)である、化合物又はその塩。
【0094】
(3−3)R2が、同一又は異なって、H、低級アルキル、ハロゲン、-低級アルキレン-アリール、又は、-低級アルキレン-O-低級アルキレン-アリールである化合物又はその塩。
【0095】
(3−4)R2が、同一又は異なって、H、又は、低級アルキルである化合物又はその塩。
【0096】
(3−5)R2がHである化合物又はその塩。
【0097】
(4−1)R3が、R32、-低級アルキレン-X31-R32、-低級アルケニレン-X31-R32、R31、-低級アルキレン-R31、-低級アルキレン-X31-R31、-低級アルキレン-X31-低級アルキレン-R31、低級アルケニレン-R31、低級アルキニレン-R31、又は、-CH=単環式飽和ヘテロ環であり、ここに、R31は、G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル、G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよく(G3群から選択される1〜4個の置換基を有していてもよいベンゼン環)と縮合していてもよいC3-12シクロアルケニル、G5群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール又はG5群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい単環式若しくは2環式ヘテロ環基であり、R32は、G1群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC1-10アルキル、G1群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルケニル、又は、G1群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキニルであり、及び、X31は、O又はS(O) nであり、nは0、1又は2である、化合物又はその塩。
【0098】
(4−2)R3が、ハロゲン及びOHからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC1-10アルキル;ハロゲン及びOHからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルケニル;ハロゲン及びOHからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキニル;-低級アルキレン-X31-(ハロゲン、OH、-O-低級アルキル及び-O-ハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル);-低級アルキレン-X31-(ハロゲン、OH、-O-低級アルキル及び-O-ハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルケニル);-低級アルキレン-O-(ハロゲン、OH、-O-低級アルキル及び-O-ハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキニル);-低級アルケニレン-O-(ハロゲン、OH、-O-低級アルキル及び-O-ハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルケニル);-低級アルケニレン-O-(ハロゲン、OH、-O-低級アルキル及び-O-ハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル);R31;-低級アルキレン-R31;-低級アルキレン-X31-R31;-低級アルキレン-X31-低級アルキレン-R31;低級アルケニレン-R31;又は-CH=単環式飽和ヘテロ環であり、
ここに、R31は、G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル、G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよく(G3群から選択される1〜4個の置換基を有していてもよいベンゼン環)と縮合していてもよいC3-12シクロアルケニル、G5群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール又はG5群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい単環式若しくは2環式ヘテロ環基であり、
X31は、O又はS(O)nであり、nは0、1又は2であり、
G2群は、低級アルキル、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、OH、-O-低級アルキル及び-O-ハロゲノ低級アルキルであり、
G5群は、i) ハロゲン、OH、SH、-O-低級アルキル、-O-低級アルキレン-アリール、-O-アリール、-S-低級アルキル、-O-ハロゲノ低級アルキル、-C(O)-低級アルキル、-S(O)2-低級アルキル及びCN、ii)低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル、低級アルケニル及び低級アルキニル、iii) -低級アルキレン-O-低級アルキル、-低級アルキレン-O-ハロゲノ低級アルキル、及び、-低級アルキレン-O-(1以上のOHで置換された低級アルキル)、iv) G2群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい、C3-12シクロアルキル及びベンゼン環と縮合していてもよいC3-12シクロアルケニル、v) G3群の基から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール、vi) G3群の基から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい単環式若しくは2環式ヘテロ環基、vii) -低級アルキレン-RG、viii) -低級アルキレン-O-RG、ix) -C(O)-RG、及びx) -S(O)2-RGであり、ここに、RGは、同一又は異なって、G2群の基から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいC3-12シクロアルキル、G2群の基から選択される1〜5個の置換基を有していてもよく(G3群から選択される1〜4個の置換基を有していてもよいベンゼン環)と縮合していてもよいC3-12シクロアルケニル、G3群の基から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール、又は、G3群の基から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい単環式若しくは2環式ヘテロ環基であり、及び、
G3群は、低級アルキル、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、OH、-O-低級アルキル、-O-ハロゲノ低級アルキル、C(O)-低級アルキル及び-S(O)2-低級アルキルである、
化合物又はその塩。
【0099】
(4−3)R3が、1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいC1-10アルキル;-低級アルキレン-O-(ハロゲン及びOHからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル);-低級アルキレン-O-低級アルケニル;ハロゲン、CN、-低級アルキレン-O-低級アルキル、C3-8シクロアルキル、-S(O)2-低級アルキルで置換されていてもよいアリール、5〜6員の単環式ヘテロ環基及び-S(O)2-C3-8シクロアルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール;-低級アルキレン-C3-8シクロアルキル;-低級アルキレン-5〜6員の単環式ヘテロ環基;-低級アルキレン-O-C3-8シクロアルキル;-低級アルキレン-O-(ハロゲン、-O-低級アルキル、CN及び-低級アルキレン-O-低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール);-低級アルキレン-O-(ハロゲン、低級アルキル及びハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい5〜6員の単環式ヘテロ環基);-低級アルキレン-O-低級アルキレン-アリール;-低級アルキレン-O-低級アルキレン-C3-8シクロアルキル;-低級アルキレン-S(O) n-低級アルキル、ここにnは0、1又は2;-低級アルキレン-S-C3-8シクロアルキル;-低級アルキレン-S-低級アルキレン-C3-8シクロアルキル;低級アルケニレン-アリール;又は、-CH=単環式飽和ヘテロ環である化合物又はその塩。
【0100】
(4−4)R3が、1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいC1-10アルキル;-低級アルキレン-O-(ハロゲン及びOHからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル);-低級アルキレン-O-低級アルケニル;-低級アルキレン-C3-8シクロアルキル;-低級アルキレン-O-C3-8シクロアルキル;-低級アルキレン-O-低級アルキレン-C3-8シクロアルキル;-低級アルキレン-S-低級アルキル;-低級アルキレン-S-C3-8シクロアルキル;-低級アルキレン-S-低級アルキレン-C3-8シクロアルキル;-低級アルキレン-O-(ハロゲン、-O-低級アルキル、CN及び-低級アルキレン-O-低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール);又は、-低級アルキレン-O-(ハロゲン、低級アルキル及びハロゲノ低級アルキルからなる群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい5〜6員の単環式ヘテロ環基)である化合物又はその塩。
(4−5)R3が、C1-10アルキル、-低級アルキレン-O-低級アルケニル、-低級アルキレン-C3-8シクロアルキル、-低級アルキレン-O-低級アルキレン-C3-8シクロアルキル、-低級アルキレン-S-低級アルキル、-低級アルキレン-S-低級アルキレン-C3-8シクロアルキル、又は、-低級アルキレン-O-(1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいピリジル)である化合物又はその塩。
【0101】
(4−6)R3が、C1-10アルキル、-低級アルキレン-C3-8シクロアルキル、-低級アルキレン-S-低級アルキル又は-低級アルキレン-S-低級アルキレン-C3-8シクロアルキルである化合物又はその塩。
【0102】
(4−7)R3が、イソブチル、イソペンチル、2,2-ジメチルプロピル、2-フルオロ-2-メチルプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル、2-(シクロプロピル)エチル、2-(シクロブチル)エチル、2-(シクロペンチル)エチル、3-(シクロプロピル)プロピル、2-(シクロプロピル)エチルオキシメチル、メチルチオメチル、エチルチオメチル、n-プロピルチオメチル、イソプロピルチオメチル、イソブチルチオメチル、シクロブチルチオメチル、シクロプロピルメチルチオメチル、シクロブチルメチルチオメチル又は2-(シクロプロピル)エチルチオメチルである化合物又はその塩。
【0103】
(4−8)R3が、C1-10アルキル、-低級アルキレン-C3-8シクロアルキル又は-低級アルキレン-S-低級アルキレン-C3-8シクロアルキルである化合物又はその塩。
【0104】
(4−9)R3が、イソブチル、2-(シクロブチル)エチル又はシクロプロピルメチルチオメチルである化合物又はその塩。
【0105】
(4−10)R3が、1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいC1-10アルキルである化合物又はその塩。
【0106】
(4−11)R3が、C1-10アルキルである化合物又はその塩。
【0107】
(4−12)R3が、イソブチルである化合物又はその塩。
【0108】
(4−13)R3が、-低級アルキレン-C3-8シクロアルキルである化合物又はその塩。
【0109】
(4−14)R3が、-低級アルキレン-S-低級アルキレン-C3-8シクロアルキルである化合物又はその塩。
【0110】
(4−15)R3が、シクロプロピルメチルチオメチルである化合物又はその塩。
【0111】
(4−16)R3が、-低級アルキレン-S-低級アルキルである化合物又はその塩。
【0112】
(4−17)R3が、メチルチオメチル又はエチルチオメチルである化合物又はその塩。
【0113】
(5−1)RPが、H又はエステル残基であり、及びR6がHであるか、又は、RPとR6が、それらが結合する-O-C(=O)-C-O-と一体となり、2,2-ジ(低級アルキル)-4-オキソ-1,3-ジオキソラン-5,5-ジイルを形成する、化合物又はその塩。
【0114】
(5−2)RPが、H、又は、低級アルキル、低級アルケニル、ハロゲノ低級アルキル、C3-8シクロアルキル、低級アルキル-O-ベンジル、ニトロベンジル、低級アルキル-O-ベンズヒドリル、ベンズヒドリル、-低級アルキレン-O-C(O)-低級アルキル、-低級アルキレン-C(O)-低級アルケニル、-低級アルキレン-O-C(O)-O-C3-8シクロアルキル、-低級アルキレン-O-C(O)-低級アルケニル、-低級アルキレン-O-C(O)-低級アルキレン-O-低級アルキル、-低級アルキレン-O-低級アルキル、-低級アルキレン-O-低級アルキレン-O-低級アルキル、-低級アルキレン-O-C(O)-O-低級アルキル、-低級アルキレン-O-C(O)-O-低級アルキレン-O-低級アルキル、ベンゾイルオキシ低級アルキル、ジ低級アルキルアミノ低級アルキル、2-オキソテトラヒドロフラン-5-イル、2-オキソ-5-アルキル-1,3-ジオキソレン-4-イルメチル、テトラヒドロフラニルカルボニルオキシメチル、3-フタリジルからなる群から選択されるエステル残基であり、及びR6がHであるか、又は、RPとR6が、それらが結合する-O-C(=O)-C-O-と一体となり、2,2-ジ(低級アルキル)-4-オキソ-1,3-ジオキソラン-5,5-ジイルを形成する、化合物又はその塩。
【0115】
(5−3)RPが、H又は低級アルキルであり、及びR6がHであるか、又は、RPとR6が、それらが結合する-O-C(=O)-C-O-と一体となり、2,2-ジメチル-4-オキソ-1,3-ジオキソラン-5,5-ジイルを形成する、化合物又はその塩。
【0116】
(5−4)RPがH又は(5−2)に記載のエステル残基であり、及びR6がHである化合物又はその塩。
【0117】
(5−5)RPがH又は低級アルキルであり、及びR6はHである化合物又はその塩。
【0118】
(5−6)RPがHであり、及びR6はHである化合物又はその塩。
【0119】
(6)前記(1−1)〜(1−7)に記載されたいずれかの態様、(2−1)〜(2−16)に記載されたいずれかの態様、(3−1)〜(3−5)に記載されたいずれかの態様、(4−1)〜(4−17)に記載されたいずれかの態様、及び、(5−1)〜(5−6)に記載されたいずれかの態様の組み合わせである化合物又はその塩。例えば、以下の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0120】
(6−1)前記(1−2)、(2−2)、(3−2)、(4−2)及び(5−2)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
【0121】
(6−1a)前記(1−2)、(2−2a)、(3−2)、(4−2)及び(5−2)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
【0122】
(6−2)前記(1−3)、(2−3)、(3−3)、(4−3)及び(5−3)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
【0123】
(6−2a)前記(1−3)、(2−5)、(3−3)、(4−3)及び(5−3)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
【0124】
(6−3)前記(1−4)、(2−4)、(3−4)、(4−4)及び(5−5)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
【0125】
(6−4)前記(1−4)、(2−2a)、(3−4)、(4−2)及び(5−6)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
【0126】
(6−5)前記(2−6)及び(5−6)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
【0127】
(6−6)前記(1−4)、(2−7)、(3−5)、(4−5)及び(5−6)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
【0128】
(6−7)前記(1−6)、(2−8)、(3−5)、(4−6)及び(5−6)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
【0129】
(6−8)前記(1−6)、(2−9)、(3−5)、(4−7)及び(5−6)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
【0130】
(6−9)前記(1−6)、(2−8)、(3−5)、(4−8)及び(5−6)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
【0131】
(6−10)前記(1−6)、(2−9)、(3−5)、(4−9)及び(5−6)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
【0132】
(6−11)前記(2−15)、(4−11)及び(5−6)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
【0133】
(6−12)前記(1−7)、(2−7)、(3−5)、(4−5)及び(5−6)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
【0134】
(6−13)前記(1−6)、(2−5)、(3−2)、(4−2)及び(5−5)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
【0135】
(6−14)前記(1−6)、(2−11)、(3−2)、(4−2)及び(5−5)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
【0136】
(6−15)前記(1−6)、(2−13)、(3−2)、(4−2)及び(5−5)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
【0137】
(6−16)前記(1−4)、(2−5)、(3−2)、(4−10)及び(5−5)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
【0138】
(6−17)前記(1−6)、(2−10)、(3−5)、(4−11)及び(5−6)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
【0139】
(6−18)前記(1−6)、(2−11)、(3−5)、(4−11)及び(5−6)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
【0140】
(6−19)前記(1−6)、(2−11)、(3−5)、(4−14)及び(5−6)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
【0141】
(6−20)前記(1−6)、(2−13)、(3−5)、(4−11)及び(5−6)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
【0142】
(6−21)前記(1−6)、(2−13)、(3−5)、(4−13)及び(5−6)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
【0143】
(6−22)前記(2−16)、(4−11)及び(5−6)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
【0144】
(6−23)前記(1−6)、(2−11)、(3−5)、(4−16)及び(5−6)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
【0145】
また、式(I)の化合物のある態様としては、式(I’)の化合物の上記(6−1)から(6−23)に記載されるいずれかの態様である。
【0146】
更に、式(I)の化合物又はその塩のある態様としては、下記群から選択される化合物又はその塩である。
(2R,3S)-3-アミノ-2-{[4-(2-シクロプロピルエトキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-2-ヒドロキシ-5-メチルヘキサン酸、
(2R,3S)-3-アミノ-2-{[4-(シクロヘキシルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-2-ヒドロキシ-5-メチルヘキサン酸、
(2R,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-5-メチル-2-{[4-(スピロ[2.5]オクタ-6-イルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}ヘキサン酸、
(2R,3R)-3-アミノ-4-[(シクロプロピルメチル)スルファニル]-2-ヒドロキシ-2-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)ブタン酸、
(2R,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-5-メチル-2-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)ヘキサン酸、
(2R,3S)-3-アミノ-5-シクロブチル-2-{[4-(2-シクロプロピルエトキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-2-ヒドロキシペンタン酸、
(2R,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-5-メチル-2-({4-[2-(1-メチルシクロプロピル)エトキシ]ピリジン-2-イル}メチル)ヘキサン酸、
(2R,3S)-3-アミノ-2-{[4-(3-シクロプロピルプロポキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-2-ヒドロキシ-5-メチルヘキサン酸、
(2R,3S)-3-アミノ-2-{[4-(シクロヘプチルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-2-ヒドロキシ-5-メチルヘキサン酸、及び
(2R,3S)-3-アミノ-2-({4-[(2R)-ヘキサン-2-イルオキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-2-ヒドロキシ-5-メチルヘキサン酸。
【0147】
更に、式(I)の化合物又はその塩のある態様としては、上記に加えて、下記群から選択される化合物又はその塩である。
(2R,3R)-3-アミノ-4-(エチルスルファニル)-2-ヒドロキシ-2-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)ブタン酸、及び
(2R,3R)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-2-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-4-(メチルスルファニル)ブタン酸。
【0148】
別の式(I)の化合物又はその塩のある態様としては、(2R,3S)-3-アミノ-2-{[2-(2-シクロプロピルエチル)フロ[3,2-c]ピリジン-4-イル]メチル}-2-ヒドロキシ-5-メチルヘキサン酸又はその塩である。
【0149】
(製造法)
式(I)の化合物及びその塩は、その基本構造あるいは置換基の種類に基づく特徴を利用し、種々の公知の合成法を適用して製造することができる。その際、官能基の種類によっては、当該官能基を原料から中間体へ至る段階で適当な保護基(容易に当該官能基に転化可能な基)に置き換えておくことが製造技術上効果的な場合がある。このような保護基としては、例えば、ウッツ(P. G. M. Wuts)及びグリーン(T. W. Greene)著、「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis(第4版、2006年)」に記載の保護基等を挙げることができ、これらの反応条件に応じて適宜選択して用いればよい。このような方法では、当該保護基を導入して反応を行ったあと、必要に応じて保護基を除去することにより、所望の化合物を得ることができる。
【0150】
以下、式(I)の化合物の代表的な製造法を説明する。各製法は、当該説明に付した参考文献を参照して行うこともできる。なお、本発明の製造法は以下に示した例には限定されない。
【0151】
(第1製法)
【化11】
(式中、POは水酸基の保護基を、PNはアミノ基の保護基を意味する。)
【0152】
化合物(I−D)は、化合物(II)の開環及び脱保護により得ることができる。
【0153】
本反応は、化合物(II)と加水分解試薬を当量若しくは一方を過剰量用い、反応に不活性な溶媒中、冷却下から加熱還流下、通常0.1時間から5日間攪拌することによって行うことができる。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、メタノール、エタノール、n-プロパノール等のアルコール類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミドやテトラヒドロフラン等が挙げられる。また、上記溶媒と水との混合溶媒にすることで反応に好適な場合がある。加水分解試薬の例としては、特に限定はされないが、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等の塩基、塩酸、トリフルオロ酢酸等の酸が挙げられる。また、塩基で処理した後に酸で処理するか、あるいは、酸で処理した後に塩基で処理することが好適な場合がある。
【0154】
ここに、水酸基の保護基POとしては、メトキシメチル、ベンジルオキシメチル等が挙げられ、アミノ基の保護基PNとしては、メトキシメチル、ベンジルオキシメチル等が挙げられる。
【0155】
(第2製法)
【化12】
【0156】
化合物(I−E)は、化合物(III)の脱保護によって得ることができる。
【0157】
本反応は、化合物(III)と脱保護試薬を当量若しくは一方を過剰量用い、反応に不活性な溶媒中又は無溶媒下、冷却下から加熱還流下、通常0.1時間から5日間攪拌することによって行うことができる。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、メタノール、エタノール、n-プロパノール等のアルコール類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミドやテトラヒドロフラン等が挙げられる。また、上記溶媒と水との混合溶媒にすることで反応に好適な場合がある。脱保護試薬の例としては、特に限定はされないが、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等の塩基、塩酸、トリフルオロ酢酸等の酸が挙げられる。また、塩基で処理した後に酸で処理するか、あるいは、酸で処理した後に塩基で処理することが好適な場合もある。
【0158】
ここに、アミノ基の保護基PNとしては、tert-ブトキシカルボニル、メトキシメチル、ベンジルオキシメチル等が挙げられる。
【0159】
更に、反応条件を選択することにより、前記(I−A)の化合物を得ることもできる。例えば、アミノ基の保護基PNとして、tert-ブトキシカルボニルを用い、1,4-ジオキサン、トルエン等の溶媒中、塩化水素、トリフルオロ酢酸等で処理することにより行うことができる。
【0160】
(第3製法)
【化13】
(式中、Lは脱離基を示す。)
【0161】
化合物(I−D)は、化合物(IV)と化合物(V)との反応により得ることができる。ここで、Lの脱離基の例には、ハロゲン、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシ基等が含まれる。
【0162】
この反応では、化合物(IV)と化合物(V)とを等量若しくは一方を過剰量用い、これらの混合物を、塩基の存在下、反応に不活性な溶媒中、冷却下から加熱還流下、好ましくは0℃から180℃において、通常0.1時間〜5日間攪拌する。マイクロ波照射下で反応を行ってもよい。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、アセトニトリル及びこれらの混合物が挙げられる。塩基の例には、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、カリウムヘキサメチルジシラジド、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン、n-ブチルリチウム、カリウムtert-ブトキシド等の有機塩基、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム等の無機塩基が含まれる。塩化テトラ-n-ブチルアンモニウム等の相間移動触媒の存在下で反応を行うことが有利な場合がある。
【0163】
〔文献〕
S. R. Sandler及びW. Karo著、「Organic Functional Group Preparations」、第2版、第1巻、Academic Press Inc.、1991年
日本化学会編「実験化学講座(第5版)」14巻(2005年)(丸善)
【0164】
(その他の製法)
前記各製法で得た式(I)の化合物を原料として、更に、シアノ化、水素添加、エステル化等の当業者が通常用いる化学修飾反応を行うことによって、別の式(I)の化合物を得ることができる。
【0165】
(原料合成1)
【化14】
【0166】
化合物(II−A)は、化合物(1)と化合物(2)との光延反応により得ることができる。
【0167】
この反応では、化合物(1)と化合物(2)とを等量若しくは一方を過剰量用い、これらと角田試薬の混合物を、反応に不活性な溶媒中、冷却下から加熱還流下、好ましくは0℃から180℃において、通常0.1時間〜5日間攪拌する。マイクロ波照射下で反応を行ってもよい。アルゴン雰囲気下あるいは窒素雰囲気下及び/又は無水条件下で行うことが好ましい場合もある。ここで用いられる角田試薬としては、シアノメチレントリ-n-ブチルホスホラン(CMBP)、及びシアノメチレントリメチルホスホラン(CMMP)の2種が挙げられる。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類及びこれらの混合物が挙げられる。
【0168】
〔文献〕
角田鉄人, 伊東しょう, 有機合成化学協会誌, 1997, 55(7), 631-641
T. Tsunoda et al, Tetrahedron letters, 1996, 37(14), 2459-2462
【0169】
(原料合成2)
【化15】
化合物(II)は、化合物(3)と化合物(V)の反応により得ることができる。
【0170】
この反応は、前記第3製法と同様に行うことができる。
【0171】
(原料合成3)
【化16】
【0172】
(第一工程)
化合物(5)は化合物(4)への保護基の導入により得ることができる。ここに、POとPNは同一の保護基でもよく、例えば、メトキシメチル、ベンジルオキシメチルが挙げられる。
【0173】
(第二工程)
化合物(7)は、フィンケルシュタイン反応(Finkelstein reaction)を用いて化合物(6)のヨウ素化により得ることができる。
【0174】
〔文献〕
Chirality, 2011, 23(1), 24-33
【0175】
(第三工程)
化合物(8)は、化合物(5)と化合物(7)との反応により得ることができる。
【0176】
この反応では、化合物(5)と化合物(7)とを等量若しくは一方を過剰量用い、これらの混合物を、塩基の存在下、反応に不活性な溶媒中、冷却下から加熱下、好ましくは冷却化において、通常0.1時間〜5日間攪拌する。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン等のエーテル類、ヘキサン及びこれらの混合物が挙げられる。塩基の例には、リチウムジイソプロピルアミド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、カリウムヘキサメチルジシラジド、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン、n-ブチルリチウム等の有機塩基、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、カリウムtert-ブトキシド等の無機塩基が含まれる。
【0177】
〔文献〕
Journal of Organic Chemistry, 1990, 55(20), 5525-5528
Tetrahedron Letters, 2000, 41(33), 6523-6526
【0178】
(第四工程)
化合物(1)は、化合物(8)の接触水素化反応により得ることができる。
【0179】
この反応は、水素雰囲気下、メタノール、エタノール等の反応に不活性な溶媒中、化合物(8)を金属触媒存在下で、冷却下から加熱下、好ましくは室温で、1時間〜5日間攪拌することにより行うことができる。金属触媒としては、パラジウム担持炭素、パラジウム黒等のパラジウム触媒、白金板、酸化白金等の白金触媒、還元ニッケル、ラネーニッケル等のニッケル触媒等が好適に用いられる。
【0180】
〔文献〕
S. R. Sandler及びW. Karo著、「Organic Functional Group Preparations」、第2版、第1巻、Academic Press Inc.、1991年
日本化学会編「実験化学講座(第5版)」14巻(2005年)(丸善)
(原料合成4)
【0181】
【化17】
【0182】
(第一工程)
化合物(9)と化合物(10)をp-トルエンスルホン酸ピリジニウムの存在下で反応させることにより化合物(11)を得ることができる。この反応は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類等の反応に不活性な溶媒中、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム存在下で、冷却下から加熱下、好ましくは40〜120℃で、1時間〜5日間攪拌することにより行うことができる。
【0183】
ここに、アミノ基の保護基PNとしては、tert-ブトキシカルボニル、メトキシメチル、ベンジルオキシメチル等が挙げられる。
【0184】
(第二工程)
化合物(11)と化合物(12)を反応させ、化合物(III)と化合物(13)を得る方法である。反応は、アルゴン雰囲気下で化合物(11)をリチウムジイソプロピルアミドで処理した後、化合物(12)をPBr3でブロモ化しこれに加えて反応させることにより行うことができる。ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類等の反応に不活性な溶媒中、冷却下から加熱下、好ましくは冷却化で、1時間〜5日間攪拌することにより行うことができる。
【0185】
なお、-NHPNが結合する不斉炭素が特定の立体配置を有する原料化合物(9)を用いることにより、所望の立体配置を有する化合物(III)を製造することができる。更に、-NHPNが結合する不斉炭素の立体配置によっては、化合物(11)と化合物(12)の反応時にトリメチルクロロシランを加えることが好適な場合がある。
【0186】
〔文献〕
Molecules, 2004, 9(5), 365-372
Tetrahedron Asymmetry, 1991, 2(7), 705-720
(原料合成5)
【0187】
【化18】
化合物(14)と化合物(15)から化合物(3)を得ることができる。反応は、原料合成3の第三工程と同様に行うことができる。更に、化合物(3)を開環及び脱保護して、化合物(IV)を得ることができる。反応は第一製法と同様にして行うことができる。
【0188】
(その他の原料合成)
その他、当業者に公知の方法を用いて所望の原料化合物を得ることができる。例えば、以下の反応スキームに記載の方法を用いて(5−A)、(5−B)、(1−A)、(3−A)、(II−D)及び(II−E)の化合物を得ることができる。
【0189】
【化19】
(式中、R36は、R32、R31又は-低級アルキレン-R31であり、R37は、G1群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル、-低級アルキレン-X31-G1群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよい低級アルキル、R31、-低級アルキレン-R31、-低級アルキレン-X31-R31又は-低級アルキレン-X31-低級アルキレン-R31である。)
【0190】
式(I)の化合物は、遊離化合物、その塩、水和物、溶媒和物、あるいは結晶多形の物質として単離され、精製される。式(I)の化合物の塩は、常法の造塩反応により製造することもできる。
【0191】
単離、精製は、抽出、分別結晶化、各種分画クロマトグラフィー等、通常の化学操作を適用して行なわれる。
【0192】
各種の異性体は、適当な原料化合物を選択することにより製造でき、あるいは異性体間の物理化学的性質の差を利用して分離することができる。例えば、光学異性体は、ラセミ体の一般的な光学分割法(例えば、光学活性な塩基又は酸とのジアステレオマー塩に導く分別結晶化や、キラルカラム等を用いたクロマトグラフィー等)により得られ、また、適当な光学活性な原料化合物から製造することもできる。
【0193】
式(I)の化合物の薬理活性は、以下の試験により確認した。なお、本明細書において、被験化合物の用量はフリー体の重量に換算して表示する。
【0194】
(1)IRAP活性阻害作用
ラット精巣上体の脂肪組織をホモジナイズし、100000 x gで30分間超遠心することでIRAPを含むミクロゾームを得た。取得したミクロゾーム(タンパク総量として0.55 μg/well)を溶媒(ジメチルスルホキシド(DMSO)、終濃度0.1%)又は被験化合物(公比3、最大濃度10 μM)と混和した後、最終濃度が25 μMになるようにAVPを添加し、37℃で1時間反応させた。トリフルオロ酢酸(TFA)水溶液(終濃度1%)を添加して酵素反応を停止させた後、残存するAVP量を質量分析法(MALDI-MS)によって定量した。得られた結果よりLogistic回帰法で、溶媒を添加したコントロール群のAVP量の減少を50%阻害する被験化合物濃度IC50値(nM)をIRAP活性阻害作用として算出した。なお、比較例として、後記参考例1の化合物、(2S,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-5-メチル-2-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)ヘキサン酸 二塩酸塩、及び参考例2の化合物、(2S,3R)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-5-メチル-2-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)ヘキサン酸 塩酸塩を用いて同様に試験を行った。
【0195】
結果を表1及び表2に示す。実施例化合物は、P-LAPのラットホモログであるIRAPによるAVP分解を良好に阻害することが確認された。一方、比較化合物である2位の立体配置がS (2S)である参考例1及び2の化合物は、2位の立体配置がR (2R)である実施例化合物と比して、IRAPによるAVP分解を阻害する作用が弱いことが示された。この結果より、2位の立体配置がAVP分解阻害活性に影響を与えることが示唆された。
【0196】
(2)ヒトP-LAP(hP-LAP)活性阻害作用
リポフェクション法によりhP-LAP(J Biol Chem 1996; 271: 56-61)を一過性に強制発現させたHEK293細胞をホモジナイズし、100000 x gで30分間超遠心することでhP-LAPを含むミクロゾームを取得した。取得したミクロゾーム(タンパク総量として0.5〜1.5 μg/well)を溶媒(DMSO、終濃度0.1%)又は被験化合物(公比3、最大濃度10μM)と混和した後、最終濃度が25 μMになるようにAVPを添加し、37℃で1時間反応させた。TFA水溶液(終濃度1%)を添加して酵素反応を停止させた後、残存するAVP量を質量分析法(MALDI-MS)によって定量した。得られた結果よりLogistic回帰法で、溶媒を添加したコントロール群のAVP量の減少を50%阻害する被験化合物濃度IC50値(nM)をヒトP-LAP(hP-LAP)活性阻害作用として算出した。結果を表1及び表2に示す。実施例化合物はhP-LAPによるAVP分解を良好に阻害することが確認された。
【0197】
なお、後記表1及び表2において、Exは被験化合物の実施例番号を、- は未実施であることを、S-1は参考例1の化合物を、及び、S-2は参考例2の化合物をそれぞれ示す。また、*を付与した値は、当該実施例化合物の二塩酸塩を用いて測定した値であることを示す。
【0198】
【表1】
【0199】
【表2】
【0200】
(3)水負荷ラット抗利尿試験(経口投与)
被験化合物は溶媒(10% N,N-ジメチルホルムアミド、10%プロピレングリコール及び80%蒸留水)に溶解し、ラットに経口投与した。溶媒投与群には溶媒のみを投与した。その1時間後に水負荷として30 ml/kgの蒸留水をラットに強制投与した。その後1時間の尿量を測定し(但し、0.3 ml未満の尿量は0 mlと見做した)、水負荷量に対する排尿量の割合(尿排泄率)を算出した。
【0201】
下式により、化合物投与群の溶媒投与群に対する排尿阻害率(%)を算出した(各群4〜5例)。
排尿阻害率(%)={[(溶媒投与群の尿排泄率)−(化合物投与群の尿排泄率)]/(溶媒投与群の尿排泄率)}×100
【0202】
式(I)の化合物である、いくつかの実施例化合物について、3 mg/kg投与時の阻害率(%)を表3に示す。但し、*を付与した値は、1 mg/kg投与時の阻害率(%)を示す。
【0203】
【表3】
【0204】
以上の結果より、式(I)の化合物は、AVP代謝酵素であるP-LAP(IRAP)を阻害することにより、内在性AVPの分解を抑制し、結果として尿生成を抑制することが示唆された。
【0205】
(4)追加水負荷ラット抗利尿試験(経口投与)
実験には雄性Wistar系ラットを用いた。最初に水負荷として15 mL/kgの蒸留水をラットに強制投与した。以後30分毎に30分間の排尿量を測定し、同時に直前の30分間の排尿量と同量の蒸留水をラットに強制投与する水負荷を実験終了まで繰り返し実施して利尿状態を維持した。30分間当たりの排尿量が安定した後、式(I)の化合物である実施例化合物(EX-a:実施例17(1)の化合物100 mg/kg、又は、EX-b:実施例105の化合物30 mg/kg)又はdDAVP(30 μg/kg)をそれぞれ溶媒(10% N,N-ジメチルホルムアミド、10%プロピレングリコール及び80%蒸留水、3mL/kg)または蒸留水に溶解し経口投与した。各投与群をそれぞれ2群に分け、その一方の群にのみ投与2時間後と3時間後の2回、追加の水負荷として15 mL/kgの蒸留水を強制投与した。比較として溶媒のみを投与したVehicle群に同様に追加水負荷を行った。追加水負荷を行った群については、半数は投与3時間後(2回目の追加水負荷直前)に採血し、残る半数は投与4時間後に採血を行って、全自動電解質分析装置にて血漿中ナトリウム濃度を測定し、それぞれ投与3時間後及び投与4時間後の血漿中ナトリウム濃度とした(各7〜8例)。各群の排尿量の変化を図1に、追加水負荷群の血漿中ナトリウム濃度の値を表4に示す。
【0206】
【表4】
【0207】
追加水負荷なしのEX-a投与群、EX-b投与群及びdDAVP投与群では、被験化合物投与後速やかに尿生成が抑制され、2時間後にはほぼ尿生成が停止し、その作用は投与4時間後まで持続した。一方、追加水負荷を行ったEX-a投与群及びEX-b投与群では、被験化合物投与により抑制されていた尿生成が追加水負荷後に再開し、被験物質投与4時間後には、Vehicle群の半量程度まで排尿量の回復がみられた。一方、dDAVP投与群では追加水負荷後の尿生成再開は観察されなかった(図1参照)。
【0208】
Vehicle群、EX-a投与群及びEX-b投与群では投与3時間後と4時間後の血漿中ナトリウム濃度の低下は僅かであったが、dDAVP投与群ではこれらの群より大きな血漿中ナトリウム濃度の低下がみられた。これは、追加水負荷による体液貯留に起因した血漿中ナトリウム濃度の低下を反映するものと推察された(表4参照)。
【0209】
血漿中AVP濃度は血漿浸透圧により厳密に制御されており、過剰に水分摂取した場合、AVP産生および分泌が減少し、利尿に至ることが知られている。上記の結果より、内在性AVPを利用したP-LAP阻害に基づく抗利尿作用を有する実施例化合物は、過剰な水分摂取があったとしても内在性AVPの濃度低下によってその抗利尿作用が減弱するため、血漿中ナトリウム濃度への影響が少ないことが示唆された。よって、式(I)の化合物は、V2受容体作動薬に懸念される低ナトリウム血症のリスクが低いことが期待される。
【0210】
式(I)の化合物又はその塩の1種又は2種以上を有効成分として含有する医薬組成物は、当分野において通常用いられている賦形剤、即ち、薬剤用賦形剤や薬剤用担体等を用いて、通常使用されている方法によって調製することができる。
【0211】
投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、又は、関節内、静脈内、筋肉内等の注射剤、坐剤、経皮用液剤、経皮用貼付剤、経粘膜液剤、経粘膜貼付剤、吸入剤等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。
【0212】
経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、1種又は2種以上の有効成分を、少なくとも1種の不活性な賦形剤と混合される。組成物は、常法に従って、不活性な添加剤、例えば滑沢剤や崩壊剤、安定化剤、溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要により糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性物質のフィルムで被膜してもよい。
【0213】
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤又はエリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水又はエタノールを含む。当該液体組成物は不活性な希釈剤以外に可溶化剤、湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
【0214】
非経口投与のための注射剤は、無菌の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤又は乳濁剤を含有する。水性の溶剤としては、例えば注射用蒸留水又は生理食塩液が含まれる。非水性の溶剤としては、例えばエタノールのようなアルコール類がある。このような組成物は、さらに等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、又は溶解補助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。また、これらは無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解又は懸濁して使用することもできる。
【0215】
式(I)の化合物が経口投与される場合、1日の投与量は、体重当たり約0.001〜100 mg/kg、好ましくは0.1〜30 mg/kg、更に好ましくは0.1〜10 mg/kgが適当であり、これを1回であるいは2回〜4回に分けて投与する。静脈内投与される場合は、1日の投与量は、体重当たり約0.0001〜10 mg/kgが適当で、1日1回〜複数回に分けて投与する。また、経粘膜剤としては、体重当たり約0.001〜100 mg/kgを1日1回〜複数回に分けて投与する。投与量は症状、年令、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定される。式(I)の化合物を夜間頻尿の予防若しくは治療に用いる場合は、1日1回夕食後あるいは就寝前等に投与することが好適である場合がある。
【0216】
投与経路、剤形、投与部位、賦形剤や添加剤の種類によって異なるが、本発明の医薬組成物は0.01〜100重量%、ある態様としては0.01〜50重量%の有効成分である1種またはそれ以上の式(I)の化合物又はその塩を含有する。
【0217】
式(I)の化合物は、前述の式(I)の化合物が有効性を示すと考えられる疾患の種々の治療剤又は予防剤と併用することができる。当該併用は、同時投与、或いは別個に連続して、若しくは所望の時間間隔をおいて投与してもよい。同時投与製剤は、配合剤であっても別個に製剤化されていてもよい。
【実施例】
【0218】
以下、実施例に基づき、式(I)の化合物の製造法をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、下記実施例に記載の化合物に限定されるものではない。また、原料化合物の製法を製造例に、比較化合物の製法を参考例にそれぞれ示す。また、式(I)の化合物の製法は、以下に示される具体的実施例の製法のみに限定されるものではなく、式(I)の化合物はこれらの製法の組み合わせ、あるいは当業者に自明である方法によっても製造されうる。
【0219】
なお、本願明細書において、便宜上、濃度mol/lをMとして表す。例えば、1M水酸化ナトリウム水溶液は1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液であることを意味する。
【0220】
また、実施例、製造例及び後記表中において、以下の略号を用いることがある。
【0221】
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド、AcOEt:酢酸エチル、AcOH:酢酸、THF:テトラヒドロフラン、MeCN:アセトニトリル、EtOH:エタノール、MeOH:メタノール、DOX:1,4-ジオキサン、DMSO:ジメチルスルホキシド、Et3N:トリエチルアミン、DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン、Pd(OAc)2:酢酸パラジウム、Pd/C:パラジウム担持炭素、NaBH4:水素化ホウ素ナトリウム、LDA:リチウムジイソプロピルアミド、CMBP:シアノメチレントリ-n-ブチルホスホラン、CMMP:シアノメチレントリメチルホスホラン、ODS:オクタデシルシリル、PEx:製造例番号、Ex:実施例番号、REx:参考例番号、PSyn:同様の方法で製造した製造例番号、Syn:同様の方法で製造した実施例番号、Str:化学構造式(Me:メチル、Et:エチル、cHex:シクロヘキシル、Boc:tert-ブトキシカルボニル、Ph:フェニル、Bn:ベンジル、tBu:tert-ブチル、TIPS:トリイソプロピルシリル、TBDMS:tert-ブチル(ジメチル)シリル)、DATA:物理化学的データ、ESI+:質量分析におけるm/z値(イオン化法ESI、断りのない場合[M+H]+)、APCI/ESI+:APCI/ESI-MS(大気圧化学イオン化法APCI、APCI/ESIはAPCIとESIの同時測定を意味する。断りのない場合[M+H]+)、EI:質量分析におけるm/z値(イオン化法EI、断りのない場合[M]+)、及び、CI+:質量分析におけるm/z値(イオン化法CI、断りのない場合[M+H]+)。
【0222】
化学構造式中に「*」が付された化合物は、標記の立体配置を有する単一異性体であることを示す。「#」が付与された化合物は、標記の立体配置を有し、更に立体配置の記載のない不斉炭素部分における立体配置に関するRとSの混合物であることを、及び、「#2」が付与された化合物は標記の立体配置を有し、更にスルホキシド部分における立体配置に関するRとSの混合物であることを、それぞれ示す。「$」が付与された化合物は標記の立体配置を有し、更にビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル部分において、exo体のジアステレオ混合物であることを示す。構造式中のHClは、その化合物が一塩酸塩であることを、2HClはその化合物が二塩酸塩であることを、及び、3HClはその化合物が三塩酸塩であることをそれぞれ示す。更に、構造式中で交差する二本の線で示される二重結合を有する化合物は、その二重結合がE体又はZ体、あるいはそれらの混合物であることを示す。
【0223】
なお、本明細書において、化合物の命名にACD/Name(登録商標、Advanced Chemistry Development, Inc.)等の命名ソフトを使用している場合がある。
【0224】
また、本明細書に記載される粉末X線回折結果は、RINT-TTRIIを用い、管球:Cu、管電流:300 mA、管電圧:50 kV、サンプリング幅:0.020°、走査速度:4°/分、波長:1.54056Å、測定回折角範囲(2θ):2.5〜40°の条件で測定したものである。なお、粉末X線回折パターンは、結晶の同一性認定においては、データの性質上、結晶格子間隔や全体的なパターンが重要であり、回折角及び回折強度は結晶成長の方向、粒子の大きさ、測定条件によって多少の誤差が生じうるものであるから、厳密に解されるべきではない。本明細書中、粉末X線回折パターンにおける回折角(2θ(°))は、当該測定法において通常許容される誤差範囲を考慮して解釈され、例えば、±0.2°の範囲が包含されると解釈される。
【0225】
実施例1
アルゴン雰囲気下、(3R,4S)-3-[(4-ヒドロキシピリジン-2-イル)メチル]-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(150mg)、2-シクロプロピルエタノール(116mg)及びトルエン(1.5ml)の混合物にCMBP(0.353ml)を加え、マイクロ波照射下、150℃で1時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製した。得られた化合物とMeOH(1.5ml)の混合物に6M水酸化ナトリウム水溶液(1.5ml)を加え50℃で2時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、減圧下で濃縮した。得られた残渣とDOX(1.5ml)の混合物を氷冷した後、9M塩酸(1.5ml)を加え、50℃で1時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をODSカラムクロマトグラフィー(MeCN/0.1%蟻酸水溶液)を用いて精製した。得られた化合物にMeOHとMeCNを加えた後、得られた混合物から溶媒を留去して、(2R,3S)-3-アミノ-2-{[4-(2-シクロプロピルエトキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-2-ヒドロキシ-5-メチルヘキサン酸(27mg)を固体として得た。
【0226】
実施例2
(3R,4S)-3-{[4-(2-シクロプロピルエトキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-4-[(3-シクロプロピルプロポキシ)メチル]-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(121mg)とTHF(5ml)の混合物に6M塩酸(1.1ml)を加え、60℃で1時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をODSカラムクロマトグラフィー(MeCN/0.1%蟻酸水溶液)を用いて精製し、(1)(2R,3S)-3-アミノ-4-[(4-クロロヘキシル)オキシ]-2-{[4-(2-シクロプロピルエトキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-2-ヒドロキシブタン酸(26.8mg)と(2)(2R,3S)-3-アミノ-2-{[4-(2-シクロプロピルエトキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-2-ヒドロキシ-4-[(4-ヒドロキシヘキシル)オキシ]ブタン酸(31.7mg)をそれぞれ固体として得た。
【0227】
実施例3
(3R,4S)-3-{[4-(シクロヘキシルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(85mg)とMeOH(1.2ml)の混合物に6M水酸化ナトリウム水溶液(1.2ml)を加え、70℃で4.5時間攪拌した。得られた反応混合物を氷冷した後、濃塩酸(1ml)を加えた。得られた反応混合物を室温で13時間攪拌後、50℃で1.5時間攪拌した。得られた反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をODSカラムクロマトグラフィー(MeCN/0.1%蟻酸水溶液)を用いて精製した。得られた化合物をMeCNと過剰量の1M塩酸の混合物に溶解し、溶媒を減圧下留去し(2R,3S)-3-アミノ-2-{[4-(シクロヘキシルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-2-ヒドロキシ-5-メチルヘキサン酸 二塩酸塩(54.6mg)を固体として得た。
【0228】
実施例4
(3R,4S)-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-{[4-(スピロ[2.5]オクタ-6-イルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}アゼチジン-2-オン(40mg)とMeOH(0.5ml)の混合物に6M水酸化ナトリウム水溶液(0.5ml)を加え、70℃で5時間攪拌した。得られた反応混合物を氷冷後、6M塩酸(0.5ml)を加え、減圧下で濃縮した。得られた残渣に1M塩酸(1ml)とMeCN(0.5ml)を加え、室温で16時間攪拌した。得られた混合物をODSカラムクロマトグラフィー(MeCN/0.1%蟻酸水溶液)を用いて精製し、(2R,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-5-メチル-2-{[4-(スピロ[2.5]オクタ-6-イルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}ヘキサン酸(8.2mg)を固体として得た。
【0229】
実施例5
(3R,4R)-4-{[(シクロプロピルメチル)スルファニル]メチル}-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)アゼチジン-2-オン(39.7mg)とCH2Cl2(0.5ml)の混合物にトリフルオロ酢酸(0.5ml)を加え、室温で終夜攪拌した。得られた反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣にMeOH(1.5ml)、6M水酸化ナトリウム水溶液(1.5ml)を加え、室温で終夜攪拌した。得られた反応混合物に1M塩酸を加えてpHを約7に調整し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をODSカラムクロマトグラフィー(MeCN/0.1%蟻酸水溶液)を用いて精製し、(2R,3R)-3-アミノ-4-[(シクロプロピルメチル)スルファニル]-2-ヒドロキシ-2-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)ブタン酸(18.4mg)を固体として得た。
【0230】
実施例6
(3R,4S)-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)アゼチジン-2-オン(30mg)に6M塩酸(1ml)を加え、60℃で3時間攪拌した。得られた反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をODSカラムクロマトグラフィー(MeCN/0.1%蟻酸水溶液)を用いて精製した。得られた化合物に過剰量の1M塩酸を加え、減圧下溶媒を留去し(2R,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-5-メチル-2-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)ヘキサン酸 二塩酸塩(25mg)を固体として得た。
【0231】
実施例7
(3R,4S)-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-{[4-(1-フェニルエトキシ)ピリジン-2-イル]メチル}アゼチジン-2-オン(93mg)とMeOH(4ml)の混合物に6M水酸化ナトリウム水溶液(2ml)を加え、60℃で6時間攪拌した。得られた反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣にDOX(4ml)と1M塩酸(20ml)を加え、室温で終夜攪拌した。得られた反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をODSカラムクロマトグラフィー(MeCN/0.1% 蟻酸水溶液)を用いて精製し、(1)(2R,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-5-メチル-2-{[4-(1-フェニルエトキシ)ピリジン-2-イル]メチル}ヘキサン酸(20.4mg)と、(2)(2R,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-2-[(4-ヒドロキシピリジン-2-イル)メチル]-5-メチルヘキサン酸(13.3mg)をそれぞれ固体として得た。
【0232】
実施例8
{(1S)-1-[(4R)-2,2-ジメチル-4-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-5-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イル]-3-メチルブチル}カルバミン酸 tert-ブチル(100mg)とDOX(1ml)の混合物に塩化水素(4M DOX溶液、0.6ml)を加え、室温で4.5時間攪拌した。得られた反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をODSカラムクロマトグラフィー(MeCN/0.1%蟻酸水溶液)を用いて精製した。得られた化合物にCH2Cl2(1ml)と塩化水素(4M DOX溶液、0.2ml)を加えた。得られた混合物から減圧下溶媒を留去し、(5R)-5-[(1S)-1-アミノ-3-メチルブチル]-2,2-ジメチル-5-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-1,3-ジオキソラン-4-オン 二塩酸塩(72mg)を固体として得た。
【0233】
実施例9
(3R,4S)-4-(2-シクロブチルエチル)-3-{[4-(2-シクロプロピルエトキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(212mg)、THF(5ml)及び6M塩酸(1ml)の混合物を60℃で1時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をODSクロマトグラフィー(MeCN/0.1%蟻酸水溶液)を用いて精製し、(2R,3S)-3-アミノ-5-シクロブチル-2-{[4-(2-シクロプロピルエトキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-2-ヒドロキシペンタン酸(124mg)を固体として得た。
【0234】
実施例10
アルゴン雰囲気下、(2R,3S)-3-アミノ-3-(4-ブロモフェニル)-2-{[4-(シクロヘキシルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-2-ヒドロキシプロパン酸(191mg)、シアン化亜鉛(250mg)、ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0)(87mg)、亜鉛(5mg)及びN,N-ジメチルアセトアミド(3.8ml)の混合物を95℃で終夜攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷した後に、水を加え、CH2Cl2で2回抽出した。得られた有機層を合わせ、水、飽和塩化ナトリウム水溶液の順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去した。得られた残渣に水を加え、不溶物をろ別し、ろ液をODSカラムクロマトグラフィー(MeCN/0.1%蟻酸水溶液)を用いて精製した。得られた化合物に過剰量の1M塩酸を加え、溶媒を減圧下留去し、(2R,3S)-3-アミノ-3-(4-シアノフェニル)-2-{[4-(シクロヘキシルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-2-ヒドロキシプロパン酸 二塩酸塩(76mg)を固体として得た。
【0235】
実施例11
アルゴン雰囲気下、(2R,3S)-3-アミノ-4-(2-ブロモフェノキシ)-2-{[4-(シクロヘキシルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-2-ヒドロキシブタン酸(141mg)、シアン化亜鉛(345mg)、ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0)(150mg)、亜鉛(19mg)及びN,N-ジメチルアセトアミド(2.8ml)の混合物を95℃で8時間攪拌した。得られた反応混合物に水を加え、CH2Cl2にて2回抽出した。得られた有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣に1M塩酸とAcOEtを加えた。得られた混合物の水層と有機層を分離し、得られた水層をODSカラムクロマトグラフィー(MeCN/0.1%蟻酸水溶液)を用いて精製し、(2R,3S)-3-アミノ-4-(2-シアノフェノキシ)-2-{[4-(シクロヘキシルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-2-ヒドロキシブタン酸(58mg)を固体として得た。
【0236】
実施例12
(15S,16R)-15-アミノ-16-ヒドロキシ-2,13-ジオキサ-19-アザビシクロ[16.3.1]ドコサ-1(22),7,18,20-テトラエン-16-カルボン酸 二塩酸塩(30mg)、EtOH(10ml)及び10%Pd/C (50%含水、50mg)の混合物を3気圧の水素雰囲気下、室温で3時間攪拌した。得られた反応混合物にセライトを加え、不溶物をろ別した。得られたろ液を減圧下で濃縮し、残渣をODSカラムクロマトグラフィー(MeCN/0.1%蟻酸水溶液)を用いて精製した。得られた化合物に過剰量の1M塩酸を加え、溶媒を減圧下留去し、(15S,16R)-15-アミノ-16-ヒドロキシ-2,13-ジオキサ-19-アザビシクロ[16.3.1]ドコサ-1(22),18,20-トリエン-16-カルボン酸 二塩酸塩(18mg)を固体として得た。
【0237】
実施例13
(2R,3S)-3-アミノ-2-[(4-クロロピリジン-2-イル)メチル]-2-ヒドロキシ-5-メチルヘキサン酸(30mg)と水(0.6ml)の混合物にピペリジン(0.11ml)を加え、マイクロ波照射下、130℃で1時間攪拌した。得られた反応混合物を氷冷後、1M塩酸(1.2ml)を加え、ODSカラムクロマトグラフィー(MeCN/0.1%蟻酸水溶液)を用いて精製した。得られた化合物に過剰量の1M塩酸を加え減圧下溶媒を留去し、(2R,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-5-メチル-2-{[4-(ピペリジン-1-イル)ピリジン-2-イル]メチル}ヘキサン酸 二塩酸塩(25.6mg)を固体として得た。
【0238】
実施例14
(3R,4S)-3-[(4-ヒドロキシピリジン-2-イル)メチル]-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(100mg)、1-ナフチルメタノール(140mg)及びトルエン(2ml)の混合物にCMBP(0.23ml)を加え110℃で終夜攪拌した。得られた反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣にDOX(1ml)と6M塩酸(1ml)を加え、60℃で終夜攪拌した。得られた反応混合物に水を加えAcOEtにて洗浄し、得られた水層を減圧下で濃縮した。得られた残渣をODSカラムクロマトグラフィー(MeCN/0.1%蟻酸水溶液)を用いて精製した。得られた化合物に過剰量の1M塩酸を加えた後、減圧下溶媒を留去することにより(2R,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-5-メチル-2-{[4-(1-ナフチルメトキシ)ピリジン-2-イル]メチル}ヘキサン酸 二塩酸塩(55.6mg)を固体として得た。
【0239】
実施例15
(3R,4S)-3-[(4-ヒドロキシピリジン-2-イル)メチル]-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(150mg)、2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エタノール(170mg)及びトルエン(3ml)の混合物にCMBP(0.35ml)を加え、90℃で終夜攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、減圧下で濃縮した。得られた残渣にDOX(1ml)と6M塩酸(3ml)を加え、60℃で3時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、水を加え、AcOEtで洗浄した。得られた水層を減圧下濃縮し、残渣をODSカラムクロマトグラフィー(MeCN/0.1%蟻酸水溶液)を用いて精製し、(2R,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-5-メチル-2-({4-[2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エトキシ]ピリジン-2-イル}メチル)ヘキサン酸(65mg)を固体として得た。
【0240】
実施例16
窒素雰囲気下、(3R,4S)-3-[(4-ヒドロキシピリジン-2-イル)メチル]-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(200mg)、(1S,2S,3S,5R)-2,6,6-トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3-オール(135mg)及びトルエン(4ml)の混合物にCMMP(100mg)を加え、マイクロ波照射下、170℃で1時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、減圧下で濃縮した。得られた残渣にDOX(1.33ml)と6M塩酸(4ml)を加え、60℃で終夜攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、水を加え、AcOEtで洗浄した。得られた水層を減圧下濃縮し、残渣をODSカラムクロマトグラフィー(MeCN/0.1%蟻酸水溶液)を用いて精製した。得られた化合物に過剰量の1M塩酸を加え、溶媒を減圧下、留去し(2R,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-5-メチル-2-[(4-{[(1S,2S,3R,5R)-2,6,6-トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ-3-イル]オキシ}ピリジン-2-イル)メチル]ヘキサン酸 二塩酸塩(15mg)を固体として得た。
【0241】
実施例17
(1)(2R,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-5-メチル-2-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)ヘキサン酸 二塩酸塩(625mg)にpHを7.7に調整した0.2Mリン酸緩衝液(30ml)を加えたのち、1M水酸化ナトリウム水溶液を加えて反応混合物のpHを約7.7に調整した後、室温で2時間攪拌した。得られた反応混合物から析出した不溶物をろ取して(2R,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-5-メチル-2-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)ヘキサン酸(509mg)を固体として得た。得られた固体(100mg)を後記(2)の反応に用いた。残る固体を、別途同様にして得た同化合物固体と併せて(計5.27g)、EtOH(28.5ml)と水(19ml)を加え、80℃に加温し、不溶物が溶解するまで攪拌した。得られた溶液を室温まで徐々に放冷しながら、16時間攪拌した。析出した不溶物をろ取して(2R,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-5-メチル-2-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)ヘキサン酸(4.29g)を結晶として得た。得られた結晶は、粉末X線回折で2θ(°)5.2、10.2、10.4、13.6、17.0、17.5、18.5、20.4、20.9、21.2及び23.1付近にピークを有するものであった。
【0242】
(2)(2R,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-5-メチル-2-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)ヘキサン酸(100mg)とMeOH(2ml)の混合物を氷冷した後、攪拌しながら塩化チオニル(0.5ml)を加えた。得られた反応混合物を室温で3日間攪拌した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製した。得られた化合物に過剰量の1M塩酸を加え減圧下、溶媒を留去し、(2R,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-5-メチル-2-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)ヘキサン酸メチル 二塩酸塩(48mg)を固体として得た。
【0243】
実施例18
(2R,3S)-3-アミノ-2-[(4-クロロピリジン-2-イル)メチル]-2-ヒドロキシ-5-メチルヘキサン酸(100mg)、DIPEA(0.12ml)、炭酸カリウム(150mg)及びDMF(3ml)の混合物にn-ブタンチオール(0.11ml)を加え、マイクロ波照射下、120℃で3時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、水を加えた。得られた混合物をODSカラムクロマトグラフィー(MeCN/0.1%蟻酸水溶液)を用いて精製し、(2R,3S)-3-アミノ-2-{[4-(ブチルスルファニル)ピリジン-2-イル]メチル}-2-ヒドロキシ-5-メチルヘキサン酸(15mg)を固体として得た。
【0244】
実施例19
(2R,3S)-3-アミノ-2-[(4-クロロピリジン-2-イル)メチル]-2-ヒドロキシ-5-メチルヘキサン酸(50mg)、2-ナフトール(126mg)、炭酸セシウム(284mg)及びN,N-ジメチルアセトアミド(1.5ml)の混合物を、マイクロ波照射下、150℃で2時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、水で希釈し、ジエチルエーテルで2回洗浄した。得られた水層に1M塩酸(1.9ml)を加えた後、ODSカラムクロマトグラフィー(MeCN/0.1%蟻酸水溶液)を用いて精製した。得られた化合物にMeCNと過剰量の1M塩酸を加え、溶媒を減圧下留去し、(2R,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-5-メチル-2-{[4-(2-ナフチルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}ヘキサン酸 二塩酸塩(10.4mg)を固体として得た。
【0245】
実施例20
{(1S)-1-[(4R)-4-{[2-(2-シクロプロピルエチル)フロ[3,2-c]ピリジン-4-イル]メチル}-2,2-ジメチル-5-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イル]-3-メチルブチル}カルバミン酸 tert-ブチル(10mg)、DOX(0.25ml)及びMeOH(0.25ml)の混合物に1M水酸化ナトリウム水溶液(0.25ml)を加え、50℃で5時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣にDOX(0.25ml)を加えた後、氷冷下で塩化水素(4M DOX溶液、0.25ml)を加え、その後室温で1時間攪拌した。得られた反応混合物を再度氷冷し、1M水酸化ナトリウム水溶液(0.5ml)とDOXを加えた後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をODSカラムクロマトグラフィー(MeCN/0.1%蟻酸水溶液)を用いて精製し、(2R,3S)-3-アミノ-2-{[2-(2-シクロプロピルエチル)フロ[3,2-c]ピリジン-4-イル]メチル}-2-ヒドロキシ-5-メチルヘキサン酸(5mg)を固体として得た。
【0246】
実施例21〜101
前記実施例に記載の方法と同様にして、後記表に示す実施例化合物を製造した。
【0247】
実施例102
アルゴン雰囲気下、(3R,4S)-3-[(4-クロロピリジン-2-イル)メチル]-4-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(300mg)、N-(2,2,2-トリフルオロエチル)シクロヘキサンアミン 塩酸塩(270mg)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(129mg)、2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-2',4',6'-トリ-イソプロピル-1,1'-ビフェニル(135mg)、ナトリウムtert-ブトキシド(390mg)及びトルエン(12ml)の混合物をマイクロ波照射下、120℃で1時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(3R,4S)-3-({4-[シクロヘキシル(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]ピリジン-2-イル}メチル)-4-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(150mg)を油状物として得た。得られた化合物(80mg)から実施例6に記載の方法と同様にして、(2R,3S)-3-アミノ-2-({4-[シクロヘキシル(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]ピリジン-2-イル}メチル)-4-(4-フルオロフェノキシ)-2-ヒドロキシブタン酸 二塩酸塩(15mg)を固体として得た。
【0248】
実施例103
チオ酢酸 S-{[(2R,3R)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]メチル}(200mg)、MeOH(2ml)、DMF(2ml)、ヨウ化メチル(0.08ml)及び炭酸カリウム(180mg)の混合物を室温で2時間攪拌した。得られた反応混合物に水を加え、AcOEtで抽出したのち、減圧下で濃縮した。得られた残渣にMeOH(2ml)と6M水酸化ナトリウム水溶液(1ml)を加え、60℃で終夜攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣に氷冷下でDOX(2ml)と6M塩酸(3ml)を加え、室温で5時間攪拌したのち、減圧下で濃縮した。得られた残渣をODSカラムクロマトグラフィー(MeCN/0.1%蟻酸水溶液)を用いて精製し、(2R,3R)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-2-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-4-(メチルスルファニル)ブタン酸(100mg)を固体として得た。
【0249】
実施例104
チオ酢酸 S-{[(2R,3R)-3-({4-[(2R)-ヘキサン-2-イルオキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]メチル}(100mg)、MeOH(1ml)、DMF(1ml)、1-ヨード-2-メチルプロパン(0.08ml)及び炭酸カリウム(100mg)の混合物を室温で終夜攪拌した。得られた反応混合物に水を加え、AcOEtで抽出したのち、減圧下で濃縮した。得られた残渣にMeOH(1ml)と6M水酸化ナトリウム水溶液(1ml)を加え、60℃で3時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣にDOX(1ml)と6M塩酸(3ml)を加え、室温で終夜攪拌したのち、減圧下で濃縮した。得られた残渣をODSカラムクロマトグラフィー(MeCN/0.1%蟻酸水溶液)を用いて精製した。得られた化合物に過剰量の1M塩酸を加え、溶媒を減圧下留去し(2R,3R)-3-アミノ-2-({4-[(2R)-ヘキサン-2-イルオキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-2-ヒドロキシ-4-(イソブチルスルファニル)ブタン酸 二塩酸塩(48mg)を固体として得た。
【0250】
実施例105
(3R,4R)-4-[(エチルスルファニル)メチル]-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)アゼチジン-2-オン(598mg)とDOX(1.5ml)の混合物に3M塩酸(6ml)を加え、60℃で2時間攪拌した。得られた反応混合物に氷冷下、6M水酸化ナトリウム水溶液(1.5ml)を添加後、減圧下で濃縮した。得られた残渣を水(10ml)に溶解し、6M水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを約2.0に調整した。EtOH(3ml)を添加後、6M水酸化ナトリウム水溶液と1M塩酸を用いてpHを約7.0に調整した。得られた混合物を室温で15時間攪拌した。析出した固体をろ取し、水で洗浄し、(2R,3R)-3-アミノ-4-(エチルスルファニル)-2-ヒドロキシ-2-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)ブタン酸(417mg)を結晶として得た。得られた結晶は、粉末X線回折で2θ(°)5.1、13.8、17.6、18.2、 18.5、18.7、19.1、20.3、20.7、23.4、24.3、及び25.2付近にピークを有するものであった。
【0251】
実施例106〜146
前記実施例に記載の方法と同様にして、後記表に示す実施例化合物を製造した。
【0252】
実施例化合物の構造、物理化学的データ及び製造法を後記表に示す。
【0253】
製造例1
(3R,4S)-3-[(4-ヒドロキシピリジン-2-イル)メチル]-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(200mg)、cis-4-メチルシクロヘキサノール(0.224ml)、CMBP(0.467ml)及びトルエン(4ml)の混合物を90℃で終夜攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(3R,4S)-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)アゼチジン-2-オン(35mg)を油状物として得た。
【0254】
製造例2
窒素雰囲気下、(3R,4S)-3-[(4-ヒドロキシピリジン-2-イル)メチル]-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(160mg)、(5r,8s)-1-オキサスピロ[4.5]デカン-8-オール(78mg)及びトルエン(2ml)の混合物にCMMP(65mg)を加え、マイクロ波照射下、140℃で1.5時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt/MeOH)を用いて精製し、(3R,4S)-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-({4-[(5s,8r)-1-オキサスピロ[4.5]デカ-8-イルオキシ]ピリジン-2-イル}メチル)アゼチジン-2-オン(63mg)を油状物として得た。
【0255】
製造例3
アルゴン雰囲気下、(3R,4S)-3-ヒドロキシ-4-イソブチルアゼチジン-2-オン(38.9g)、クロロ(メトキシ)メタン(90ml)及びTHF(778ml)の混合物に氷冷下でNaH(60%鉱油分散体、26g)を5g程度ずつ複数回に分け、1時間かけて加えた。得られた反応混合物を氷冷下にて1時間攪拌した後、5%塩化アンモニウム水溶液を加えた。有機層を分離した後、水層をAcOEtにて3回抽出した。得られた有機層をまとめ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液の順に洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)にて精製し、(3R,4S)-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(57.89g)を油状物として得た。
【0256】
製造例4
(3R,4S)-4-[(4S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル]-3-(メトキシメトキシ)アゼチジン-2-オン(302mg)、クロロ(メトキシ)メタン(0.15ml)、テトラ-n-ブチルアンモニウムヨージド(500mg)及びTHF(9ml)の混合物に、氷冷下、カリウムヘキサメチルジシラジド(1.0M THF溶液、1.5ml)を加え1時間攪拌した後、室温で終夜攪拌した。得られた反応混合物に水を加え、AcOEtで抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し(3R,4S)-4-[(4S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル]-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(247mg)を油状物として得た。
【0257】
製造例5
4-(ベンジルオキシ)-2-(クロロメチル)ピリジン 塩酸塩(17.5g)とCHCl3の混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。得られた混合物から有機層を分離した後、水層をCHCl3にて抽出した。得られた有機層をまとめ、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた油状物とTHF(100ml)、アセトン(100ml)の混合物に、室温にてヨウ化ナトリウム(20g)を加えた。室温にて1時間攪拌した後、トルエンを加えて希釈した。得られた混合物を減圧下、約50mlになるまで濃縮し、得られた混合物にトルエンと無水硫酸マグネシウムを加えた。不溶物をろ別し、得られたろ液を減圧下で約50mlになるまで再度濃縮した(混合物A)。
【0258】
アルゴン雰囲気下にて、(3R,4S)-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(10g)とTHF(200ml)の混合物に攪拌しながらLDA(1.12Mヘキサン−THF溶液、60ml)を-78℃で滴下した。得られた反応混合物を同温にて30分間攪拌した後、混合物Aを同温にて滴下した。同温にて3時間攪拌した後、室温まで昇温した。得られた反応混合物を0℃に冷却した後、水を加え、AcOEtにて抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。得られた有機層を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)にて精製することにより、(3R,4S)-3-{[4-(ベンジルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(14.5g)を油状物として得た。
【0259】
製造例6
氷冷下にて、[4-(ベンジルオキシ)ピリジン-2-イル]メタノール(23.6g)とCH2Cl2(500ml)の混合物に塩化チオニル(17ml)を加えた。得られた反応混合物を室温に昇温し、終夜攪拌した。得られた反応混合物を減圧下濃縮し、残渣にトルエンを加えた。得られた混合物を減圧下濃縮し、得られた残渣をジイソプロピルエーテルにて洗浄することにより、4-(ベンジルオキシ)-2-(クロロメチル)ピリジン 塩酸塩(24.9g)を固体として得た。
【0260】
製造例7
アルゴン雰囲気下、(3R,4S)-3-{[4-(ベンジルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(14.5g)とMeOH(200ml)の混合物に10% Pd/C(50%含水、1.45g)を加えた後、水素雰囲気下で終夜攪拌した。得られた反応混合物をセライトろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH)にて精製し、(3R,4S)-3-[(4-ヒドロキシピリジン-2-イル)メチル]-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(9.8g)を油状物として得た。
【0261】
製造例8
(3R,4S)-3-{[4-(シクロヘキシルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-4-(ヒドロキシメチル)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(250mg)、CMBP(280mg)、2-ブロモフェノール(220mg)及びトルエン(6ml)の混合物をアルゴン雰囲気下90℃で8時間攪拌した。得られた反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(3R,4S)-4-[(2-ブロモフェノキシ)メチル]-3-{[4-(シクロヘキシルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(338mg)を固体として得た。
【0262】
製造例9
2-シクロプロピルエタノール(5.04g)とDMF(90ml)の混合物に、氷冷下、NaH(60%鉱油分散体、3.0g)を加え、30分間攪拌した。得られた反応混合物に、4-クロロピリジン-2-カルボニトリル(8.6g)のDMF溶液(10ml)を加え、室温で2時間攪拌した。得られた反応混合物に、氷冷下、水を加えAcOEtで抽出した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後に、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、4-(2-シクロプロピルエトキシ)ピリジン-2-カルボニトリル(6.76g)を固体として得た。
【0263】
製造例10
4-(2-シクロプロピルエトキシ)ピリジン-2-カルボニトリル(6.76g)とMeOH(140ml)の混合物に、氷冷下、ナトリウムメトキシド(28% MeOH溶液、7.2ml)を加え、室温で3時間攪拌した。得られた反応混合物に1M塩酸(120ml)を加え、1時間攪拌した。得られた反応混合物を減圧下濃縮し、得られた残渣にAcOEtと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。得られた混合物から有機層を分離し、水層をAcOEtで抽出した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後に、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を減圧下濃縮し、得られた残渣とMeOH(150ml)の混合物に、氷冷下、NaBH4(4.0g)を加え、室温で終夜攪拌した。得られた反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、AcOEtで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後に、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた有機層を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH)を用いて精製し、[4-(2-シクロプロピルエトキシ)ピリジン-2-イル]メタノール(5.89g)を油状物として得た。
【0264】
製造例11
アルゴン雰囲気下、(3R,4R)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-4-(スルファニルメチル)アゼチジン-2-オン(120mg)、炭酸カリウム(50mg)、ヨウ化ナトリウム(100mg)及びDMF(5ml)の混合物に、シクロプロピルメチルブロミド(0.03ml)を加え室温で終夜攪拌した。得られた反応混合物に飽和塩化ナトリウム水溶液を加え、AcOEtで抽出した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し(3R,4R)-4-{[(シクロプロピルメチル)スルファニル]メチル}-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)アゼチジン-2-オン(39.7mg)を油状物として得た。
【0265】
製造例12
(3R,4S)-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-{[4-(ピペリジン-4-イルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}アゼチジン-2-オン(65mg)とDMF(1ml)の混合物に氷冷下、AcOH(0.0176ml)とN-[(ジメチルアミノ)(3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-3-イルオキシ)メチレン]-N-メチルメタンアミニウム ヘキサフルオロリン酸塩(71mg)を加えた。得られた反応混合物を室温で1時間攪拌後、水を加え、CHCl3で2回抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH)を用いて精製し、(3R,4S)-3-({4-[(1-アセチルピペリジン-4-イル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(49mg)を油状物として得た。
【0266】
製造例13
窒素雰囲気下、(3R,4S)-3-[(4-クロロピリジン-2-イル)メチル]-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(200mg)、trans-4-メチルシクロヘキサンカルボキサミド(90mg)、(9,9-ジメチル-9H-キサンテン-4,5-ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)(65mg)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(50mg)、炭酸セシウム(200mg)及びDOX(4ml)の混合物を110℃にて20時間攪拌した。得られた反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)にて精製することにより、trans-N-(2-{[(2S,3R)-2-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-4-オキソアゼチジン-3-イル]メチル}ピリジン-4-イル)-4-メチルシクロヘキサンカルボキサミド(137mg)を油状物として得た。
【0267】
製造例14
2,5-ジメチル-4-ニトロピリジン 1-オキシド(2g)、ベンジルアルコール(6.7ml)、炭酸カリウム(3.3g)、ベンジルトリ-n-ブチルアンモニウムクロリド(700mg)及び水(10.5ml)の混合物を、マイクロ波照射下、160℃で1時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、水を加えCHCl3で3回抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH)を用いて精製し、4-(ベンジルオキシ)-2,5-ジメチルピリジン 1-オキシド(1.9g)を固体として得た。
【0268】
製造例15
4-(ベンジルオキシ)-2,5-ジメチルピリジン 1-オキシド(4.3g)と無水酢酸(80ml)の混合物を80℃で1時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、減圧下で濃縮した。得られた残渣にMeOH(70ml)と炭酸カリウム(6g)を加え室温で1時間攪拌した。得られた反応混合物に水を加えCHCl3で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し[4-(ベンジルオキシ)-5-メチルピリジン-2-イル]メタノール(1.94g)を固体として得た。得られた化合物に、別途同様にして得た同化合物を併せた。得られた[4-(ベンジルオキシ)-5-メチルピリジン-2-イル]メタノール(3.56g)とCH2Cl2(70ml)の混合物に、氷冷下、攪拌しながら塩化チオニル(2.4ml)を加え、室温で2時間攪拌した。得られた反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣にトルエンを加えた。得られた混合物から溶媒を減圧下で留去し4-(ベンジルオキシ)-2-(クロロメチル)-5-メチルピリジン 塩酸塩(4.41g)を固体として得た。
【0269】
製造例16
5-[(ベンジルオキシ)メチル]-4-メトキシ-2-メチルピリジン(500mg)とCH2Cl2(10ml)の混合物を氷冷した後、m-クロロ過安息香酸(約25%含水、532mg)を加え、室温で2時間攪拌した。得られた反応混合物にチオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、室温で15分間攪拌した。水層と有機層を分離した後、有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液の順に洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣にAcOH(1ml)、無水酢酸(1ml)を加え、100℃で3時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、減圧下で濃縮した。得られた残渣に、MeOH(5.0ml)、6M水酸化ナトリウム水溶液(1ml)を加え、室温で終夜攪拌した。得られた反応混合物に水を加え、CHCl3で抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH)を用いて精製し、{5-[(ベンジルオキシ)メチル]-4-メトキシピリジン-2-イル}メタノール(380mg)を油状物として得た。
【0270】
製造例17
4-[(2-{[(2S,3R)-2-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-4-オキソアゼチジン-3-イル]メチル}ピリジン-4-イル)オキシ]ピペリジン-1-カルボン酸ベンジル(216mg)、10% Pd/C(50%含水、22mg)及びEtOH(5ml)の混合物を水素雰囲気下、室温で4時間攪拌した。得られた反応混合物から不溶物をろ別した後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残渣にMeOH(5ml)と10% Pd/C(50%含水、49mg)を加え、水素雰囲気下、室温で3時間攪拌した。得られた反応混合物から不溶物をろ別した後、ろ液を減圧下濃縮し、(3R,4S)-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-{[4-(ピペリジン-4-イルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}アゼチジン-2-オン(157mg)を油状物として得た。
【0271】
製造例18
2,3,5-トリメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ピリジン 1-オキシド(510mg)と塩化 4-メチルベンゼンスルホニル(570mg)、MeCN(8ml)の混合物を40℃で1時間攪拌した。反応混合物に、攪拌しながらEt3N(0.43ml)を加え40℃で3時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えCHCl3で抽出した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し2-(クロロメチル)-3,5-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ピリジン(370mg)を油状物として得た。
【0272】
製造例19
(4-メトキシ-6-メチルピリジン-3-イル)メタノール(2.4g)とDMF(20ml)の混合物を氷冷した後、NaH(55%鉱油分散体、750mg)を加え、同温で1時間攪拌した。反応混合物に臭化ベンジル(4ml)とDMF(4ml)の混合物を加え、室温で終夜攪拌した。得られた反応混合物に水を加え、CHCl3で抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH)を用いて精製し、5-[(ベンジルオキシ)メチル]-4-メトキシ-2-メチルピリジン(1g)を油状物として得た。
【0273】
製造例20
窒素雰囲気下、1-(2-シクロヘキシルエチル)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-6-カルボン酸メチル(640mg)とMeOH(9ml)の混合物に、氷冷下でNaBH4(270mg)を加え、同温で30分間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで昇温し、終夜攪拌した。得られた反応混合物を氷冷し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、CH2Cl2で3回抽出した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、[1-(2-シクロヘキシルエチル)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-6-イル]メタノール(560mg)を油状物として得た。
【0274】
製造例21
(2S,3R)-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2-ヒドロキシ-5-メチルヘキサン酸(4g)、1,2-ジクロロエタン(20ml)、2,2-ジメトキシプロパン(20ml)、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム(385mg)の混合物を80℃で終夜攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、AcOEtで抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣にEtOHと水を加え、60℃に加熱した。得られた混合物を室温まで放冷後、析出した固体をろ取し、水で洗浄し、{(1R)-1-[(4S)-2,2-ジメチル-5-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イル]-3-メチルブチル}カルバミン酸 tert-ブチル(3.4g)を固体として得た。
【0275】
製造例22
{4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メタノール(9.3g)とTHF(70ml)の混合物を氷冷した後、PBr3(4.2ml)とTHF(20ml)の混合物を滴下し、室温で3時間攪拌した。得られた反応混合物を氷冷した後、MeOH(46.5ml)を滴下し、室温で30分間攪拌した。反応混合物に活性炭(1g)を加え、室温で30分間攪拌した。反応混合物にセライトを加え、不溶物をセライトろ過によりろ別した。得られたろ液を減圧下で濃縮した。得られた残渣にAcOEtを加え、室温で1時間攪拌した。得られた混合物にジイソプロピルエーテルを滴下し、室温で5時間攪拌した。析出した固体をろ取し、AcOEt−ジイソプロピルエーテル(2:1)の混合物、ジイソプロピルエーテルの順に洗浄し、2-(ブロモメチル)-4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン 臭化水素酸塩(13.8g)を固体として得た。
【0276】
製造例23
2-(ブロモメチル)-4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン 臭化水素酸塩(7.5g)とTHF(35ml)の混合物を-78℃に冷却し、アルゴン雰囲気下、リチウムヘキサメチルジシラジド(1.3Mヘキサン溶液、16ml)を滴下し、同温で30分間攪拌した。得られた反応混合物を0℃まで昇温し、30分間攪拌した(混合物A)。
【0277】
アルゴン雰囲気下、(3R,4S)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-4-{[(トリイソプロピルシリル)オキシ]メチル}アゼチジン-2-オン(7g)とTHF(28ml)の混合物を-78℃に冷却し、LDA(1.09Mヘキサン−THF溶液、37ml)を滴下し、30分間攪拌した。得られた反応混合物に混合物Aを加え、2時間攪拌した。得られた反応混合物にAcOH(2.1ml)とTHF(7ml)の混合物を-78℃で加え、15分間攪拌した。得られた反応混合物を0℃まで昇温した後、ジメチルアミン(2M THF溶液、19.4ml)を加え、30分間攪拌した。得られた反応混合物を水とAcOEtの混合物に注ぎ、水層と有機層を分離した。得られた有機層を1M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液の順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(3R,4S)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-4-{[(トリイソプロピルシリル)オキシ]メチル}アゼチジン-2-オン(7.1g)を油状物として得た。
【0278】
製造例24
{4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メタノール(3.44g)のCH2Cl2溶液(42ml)にPBr3(1.17ml)のCH2Cl2溶液(10ml)を氷冷下滴下した。反応混合物を室温で1.5時間攪拌した後、氷冷した飽和炭酸水素ナトリウム水溶液とCH2Cl2の混合物に加えた。得られた混合物を室温で20分間攪拌後、CH2Cl2で抽出した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、トルエンで希釈し、減圧下で約20mlになるまで濃縮した。得られた混合物をトルエンで再度希釈し、減圧下で約25mlになるまで濃縮した(混合物A)。
【0279】
窒素雰囲気下、{(1S)-1-[(4S)-2,2-ジメチル-5-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イル]-3-メチルブチル}カルバミン酸 tert-ブチル(3.12g)のTHF溶液(62ml)をドライアイス−アセトン浴で冷却し、LDA(1.09Mヘキサン−THF溶液、22ml)を滴下した。得られた反応混合物をドライアイス−アセトン浴で冷却したまま40分間攪拌後、混合物Aを滴下し、さらに2時間攪拌した。得られた反応混合物にAcOHを加えた後、室温まで昇温し、AcOEtを加えた。得られた混合物を飽和炭酸ナトリウム水溶液と飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、{(1S)-1-[(4R)-2,2-ジメチル-4-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-5-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イル]-3-メチルブチル}カルバミン酸 tert-ブチル(3.63g)を泡状の固体として得た。
【0280】
製造例25
(3R,4S)-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-{[4-(ピペリジン-4-イルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}アゼチジン-2-オン(65mg)とMeCN(1ml)の混合物に1H-ベンゾトリアゾール-1-メタノール(35mg)を加え、室温で10分間攪拌した。得られた反応混合物にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(50mg)を加え、室温でさらに50分間攪拌した。得られた反応混合物に氷冷下、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、CHCl3−MeOH(5:1)で3回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH)を用いて精製し、(3R,4S)-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-({4-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)アゼチジン-2-オン(56mg)を油状物として得た。
【0281】
製造例26
(3R,4S)-3-[(4-クロロピリジン-2-イル)メチル]-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(382mg)から、実施例9に記載の方法と同様にして、(2R,3S)-3-アミノ-2-[(4-クロロピリジン-2-イル)メチル]-2-ヒドロキシ-5-メチルヘキサン酸(198mg)を固体として得た。
【0282】
製造例27
(3R,4S)-4-(2-シクロブチルエチル)-3-(メトキシメトキシ)アゼチジン-2-オン(517mg)、1,2-ジクロロエタン(13ml)、クロロ(メトキシ)メタン(0.8ml)及びDIPEA(2ml)の混合物を90℃で12時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷した後に、クロロ(メトキシ)メタン(0.35ml)、DIPEA(0.83ml)を加え、90℃で5時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷した後に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、AcOEtで抽出した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(3R,4S)-4-(2-シクロブチルエチル)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(512mg)を油状物として得た。
【0283】
製造例28
(3R,4S)-4-(2-シクロブチルエチル)-3-(メトキシメトキシ)-1-(4-メトキシフェニル)アゼチジン-2-オン(960mg)、MeCN(24ml)及び水(12ml)の混合物に、氷冷下、硝酸セリウム(IV)アンモニウム(4.7g)を加え、30分間攪拌した。得られた反応混合物に攪拌しながら、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、その後、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液を加えた。得られた反応混合物をセライトろ過し、ろ液をCHCl3で抽出した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(3R,4S)-4-(2-シクロブチルエチル)-3-(メトキシメトキシ)アゼチジン-2-オン(459mg)を固体として得た。
【0284】
製造例29
(3R,4S)-4-[(4S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル]-3-(メトキシメトキシ)-1-(4-メトキシフェニル)アゼチジン-2-オン(3.2g)、AcOH(50ml)及び水(13ml)の混合物を50℃で4時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH)を用いて精製し、(3R,4S)-4-[(1S)-1,2-ジヒドロキシエチル]-3-(メトキシメトキシ)-1-(4-メトキシフェニル)アゼチジン-2-オン(2.6g)を油状物として得た。
【0285】
製造例30
(3R,4S)-4-[(1S)-1,2-ジヒドロキシエチル]-3-(メトキシメトキシ)-1-(4-メトキシフェニル)アゼチジン-2-オン(2.1g)、CH2Cl2(40ml)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(1ml)の混合物に、過ヨウ素酸ナトリウム(2.3g)を加え、室温で1時間攪拌した。得られた反応混合物に無水硫酸マグネシウムを加え、30分間攪拌した。得られた反応混合物をセライトろ過し、ろ液から減圧下で溶媒を留去することで、(2R,3R)-3-(メトキシメトキシ)-1-(4-メトキシフェニル)-4-オキソアゼチジン-2-カルバルデヒド(1.8g)を固体として得た。
【0286】
製造例31
(2R,3R)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-4-オキソアゼチジン-2-カルバルデヒド(5.1g)とTHF(50ml)の混合物に氷冷下、NaBH4(1.2g)を加え、30分間攪拌した。得られた反応混合物に水(5ml)を加えた後に無水硫酸マグネシウムを加え、室温で30分間攪拌した。得られた反応混合物をろ過した後に、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH)を用いて精製し、(3R,4S)-4-(ヒドロキシメチル)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(4.4g)を油状物として得た。
【0287】
製造例32
(3R,4S)-4-(ヒドロキシメチル)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(100mg)、トリイソプロピルクロロシラン(0.21ml)、イミダゾール(140mg)及びDMF(2ml)の混合物を室温で終夜攪拌した。得られた反応混合物を水に加え、AcOEtで抽出した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後に、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(3R,4S)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-4-{[(トリイソプロピルシリル)オキシ]メチル}アゼチジン-2-オン(137mg)を油状物として得た。
【0288】
製造例33
(3R,4S)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-4-{[(トリイソプロピルシリル)オキシ]メチル}アゼチジン-2-オン(7.1g)とTHF(100ml)の混合物を氷冷した後、フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム(1M THF溶液、19ml)を加え、30分間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液に反応混合物を加え、AcOEtで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH)を用いて精製し、(3R,4S)-4-(ヒドロキシメチル)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)アゼチジン-2-オン(4.7g)を油状物として得た。
【0289】
製造例34
(3R,4S)-4-(2-ヒドロキシエチル)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)アゼチジン-2-オン(200mg)、1-ヨード-2-メチルプロパン(2ml)及びAg2O(1g)の混合物を90℃で終夜攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、不溶物をろ別し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(3R,4S)-4-(2-イソブトキシエチル)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)アゼチジン-2-オン(80mg)を油状物として得た。
【0290】
製造例35
(3R,4S)-4-(ヒドロキシメチル)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)アゼチジン-2-オン(222mg)、ピリジン(0.175ml)及びCH2Cl2(4ml)の混合物に、メタンスルホニルクロリド(0.085ml)を加え、室温で終夜攪拌した。得られた反応混合物にCH2Cl2を加え、0.5M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液の順に洗浄し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去することによりメタンスルホン酸 [(2S,3R)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]メチル(247mg)を油状物として得た。
【0291】
製造例36
メタンスルホン酸 [(2S,3R)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]メチル(247mg)とヨウ化ナトリウム(457mg)とアセトン(10ml)の混合物を終夜加熱還流した。得られた反応混合物に、ヨウ化ナトリウム(2g)を追加し、13時間加熱還流した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、水を加えCH2Cl2で2回抽出した。得られた有機層を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去することにより(3R,4R)-4-(ヨードメチル)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)アゼチジン-2-オン(250mg)を油状物として得た。
【0292】
製造例37
アルゴン雰囲気下、(3R,4R)-4-(ヨードメチル)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)アゼチジン-2-オン(147mg)とDMF(2ml)の混合物に、氷冷下にて硫化水素ナトリウム水和物(48mg)を加え、30分間攪拌した。得られた反応混合物にAcOHを加え酸性とし、水を加えた後にAcOEtで抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去することにより(3R,4R)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-4-(スルファニルメチル)アゼチジン-2-オン(120mg)を油状物として得た。
【0293】
製造例38
(2R,3R)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-4-オキソアゼチジン-2-カルバルデヒド(3.3g)、(トリフェニルホスホラニリデン)アセトアルデヒド(5.5g)及びCH2Cl2(88ml)の混合物を室温で終夜攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、3-[(3R)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]アクリルアルデヒドとトリフェニルホスフィンオキシドとの約1:1の混合物(3.7g)を得た。
【0294】
製造例39
5-[(シクロブチルメチル)スルホニル]-1-フェニル-1H-テトラゾール(2.04g)とTHF(40ml)の混合物を-78℃に冷却し、カリウムヘキサメチルジシラジド(1.0M THF溶液、8.4ml)を加え、30分間攪拌した。得られた反応混合物に、(2R,3R)-3-(メトキシメトキシ)-1-(4-メトキシフェニル)-4-オキソアゼチジン-2-カルバルデヒド(1.85g)のTHF溶液(30ml)を加え、同温で30分間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで昇温し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、AcOEtで抽出した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(3R)-4-(2-シクロブチルビニル)-3-(メトキシメトキシ)-1-(4-メトキシフェニル)アゼチジン-2-オン(1.25g)を油状物として得た。
【0295】
製造例40
(3R)-4-(2-シクロブチルビニル)-3-(メトキシメトキシ)-1-(4-メトキシフェニル)アゼチジン-2-オン(1.06g)とCH2Cl2(24ml)の混合物に、(1,5-シクロオクタジエン)(ピリジン)(トリシクロヘキシルホスフィン)イリジウム(I) ヘキサフルオロリン酸塩(270mg)を加え、水素雰囲気下、室温で終夜攪拌した。得られた反応混合物を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(3R,4S)-4-(2-シクロブチルエチル)-3-(メトキシメトキシ)-1-(4-メトキシフェニル)アゼチジン-2-オン(960mg)を油状物として得た。
【0296】
製造例41
4-メチルペンタナール(1.1g)、(2R,5R)-2,5-ジメチルピロリジン-1-アミン(1.29g)、CH2Cl2(21.9ml)及び無水硫酸マグネシウム(3.97g)の混合物を室温で2時間攪拌した。得られた反応混合物から不溶物をろ別し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(2R,5R)-2,5-ジメチル-N-[(1E)-4-メチルペンチリデン]ピロリジン-1-アミン(1.63g)を油状物として得た。
【0297】
製造例42
(メトキシメトキシ)酢酸(5.13g)とトルエン(105ml)の混合物に室温で1-クロロ-N,N,2-トリメチルプロペニルアミン(5.7g)を加え、窒素雰囲気下室温で1時間攪拌した(混合物A)。(2R,5R)-N-[(E)-(4-ブロモフェニル)メチレン]-2,5-ジメチルピロリジン-1-アミン(3.0g)、Et3N(11.9ml)及びトルエン(51ml)の混合物を100℃で攪拌しながら、混合物Aを30分かけて滴下した。得られた反応混合物を100℃で5時間攪拌した。得られた反応混合物に水を加え、AcOEtで抽出した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(3R,4S)-4-(4-ブロモフェニル)-1-[(2R,5R)-2,5-ジメチルピロリジン-1-イル]-3-(メトキシメトキシ)アゼチジン-2-オン(3.1g)を固体として得た。
【0298】
製造例43
(3R,4S)-3-(ベンジルオキシ)-1-[(2R,5R)-2,5-ジメチルピロリジン-1-イル]-4-(3-メチルブチル)アゼチジン-2-オン(470mg)、MeOH(15.5ml)及びモノペルオキシフタル酸マグネシウム 六水和物(純度約80%、1.3g)の混合物を室温で2時間攪拌した。得られた反応混合物に水を加え、CHCl3で抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(3R,4S)-3-(ベンジルオキシ)-4-(3-メチルブチル)アゼチジン-2-オン(188mg)を固体として得た。
【0299】
製造例44
2-(2-シクロプロピルエチル)フロ[3,2-c]ピリジン(300mg)とCHCl3(6ml)の混合物に氷冷下m-クロロ過安息香酸(約25%含水、555mg)を加えた。得られた反応混合物を室温で8時間攪拌した後、氷冷し、m-クロロ過安息香酸(約25%含水、300mg)を再度加えた。得られた反応混合物を室温でさらに16時間攪拌した。得られた反応混合物を氷冷した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と5%亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、CHCl3で3回抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH)により精製し、2-(2-シクロプロピルエチル)フロ[3,2-c]ピリジン 5-オキシド(190mg)を油状物として得た。
【0300】
製造例45
窒素雰囲気下、(3R,4S)-4-(ヒドロキシメチル)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(500mg)、4-フルオロフェノール(350mg)及びトルエン(10ml)の混合物にCMBP(0.9ml)を加え、マイクロ波照射下、150℃で1時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(3R,4S)-4-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(620mg)を油状物として得た。
【0301】
製造例46
窒素雰囲気下、(3R,4S)-4-(ヒドロキシメチル)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)アゼチジン-2-オン(200mg)、ピリミジン-2-オール(100mg)及びトルエン(2ml)の混合物に、CMMP(120mg)を加え、マイクロ波照射下、130℃で1時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(3R,4S)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-4-[(ピリミジン-2-イルオキシ)メチル]アゼチジン-2-オン(120mg)を油状物として得た。
【0302】
製造例47
(3R,4S)-4-(4-ブロモフェニル)-3-{[4-(シクロヘキシルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(250mg)、シクロプロパンスルフィン酸ナトリウム(185mg)、CuI(138mg)、N,N'-ジメチルエチレンジアミン(0.155ml)及びDMF(5ml)の混合物をマイクロ波照射下、130℃で1時間攪拌した。得られた反応混合物に、水を加え、AcOEtで2回抽出した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(3R,4S)-3-{[4-(シクロヘキシルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-4-[4-(シクロプロピルスルホニル)フェニル]-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(246mg)を油状物として得た。
【0303】
製造例48
アルゴン雰囲気下、(3R,4S)-4-(4-ブロモフェニル)-3-{[4-(シクロヘキシルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(300mg)、Pd(OAc)2(13mg)、炭酸セシウム(565mg)、ジシクロヘキシル(2',6'-ジイソプロポキシビフェニル-2-イル)ホスフィン(54mg)、トリフルオロ(メトキシメチル)ホウ酸カリウム(263mg)、トルエン(6ml)及び水(1.3ml)の混合物を100℃で終夜攪拌した。得られた反応混合物にPd(OAc)2(13mg)、ジシクロヘキシル(2',6'-ジイソプロポキシビフェニル-2-イル)ホスフィン(54mg)及びトリフルオロ(メトキシメチル)ホウ酸カリウム(263mg)を追加し、アルゴン雰囲気下100℃で終夜攪拌した。得られた反応混合物に水を加え、AcOEtで2回抽出した。得られた有機層を、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(3R,4S)-3-{[4-(シクロヘキシルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-4-[4-(メトキシメチル)フェニル]アゼチジン-2-オン(101mg)を油状物として得た。
【0304】
製造例49
(3R,4S)-3-{[4-(シクロヘキシルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-4-(ヒドロキシメチル)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(200mg)、Ag2O(360mg)、臭化ベンジル(0.19ml)、テトラ-n-ブチルアンモニウムヨージド(18mg)及びCH2Cl2(2ml)の混合物を室温で終夜攪拌した。得られた反応混合物にAg2O(600mg)、臭化ベンジル(0.3ml)を追加し、室温で2日間攪拌した。得られた反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(3R,4S)-4-[(ベンジルオキシ)メチル]-3-{[4-(シクロヘキシルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(94mg)を油状物として得た。
【0305】
製造例50
アルゴン雰囲気下、(3R,4S)-4-[(ヘキサ-5-エン-1-イルオキシ)メチル]-3-{[4-(ヘキサ-5-エン-1-イルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(340mg)、ジクロロ[1,3-ビス(メシチル)イミダゾリジン-2-イリデン](ベンジリデン)(トリシクロヘキシルホスホラニリデン)ルテニウム(VIII)(60mg)及びCH2Cl2(170ml)の混合物を室温で終夜攪拌した。得られた反応混合物を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(3R,6S)-3-(メトキシメトキシ)-5-(メトキシメチル)-8,19-ジオキサ-5,23-ジアザトリシクロ[18.3.1.0~3,6~]テトラコサ-1(24),13,20,22-テトラエン-4-オン(148mg)を油状物として得た。
【0306】
製造例51
(3R,4S)-4-[(1S)-2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-1-ヒドロキシエチル]-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(4g)、THF(50ml)及び1,1'-チオカルボニルジイミダゾール(6.2g)の混合物を80℃で終夜攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、1H-イミダゾール-1-カルボチオ酸 O-{(1S)-2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-1-[(2S,3R)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]エチル}(5.2g)を油状物として得た。
【0307】
製造例52
アルゴン雰囲気下、1H-イミダゾール-1-カルボチオ酸 O-{(1S)-2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-1-[(2S,3R)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]エチル}(5.2g)、ベンゼン(26ml)及び水素化トリ-n-ブチルスズ(6.2ml)の混合物を、100℃で5分間攪拌した。得られた反応混合物に2,2'-アゾビス(イソブチロニトリル)(500mg)を加え、100℃で2時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(3R,4S)-4-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(3g)を油状物として得た。
【0308】
製造例53
窒素雰囲気下、1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-6-カルボン酸メチル(1g)、2-シクロヘキシルエタノール(2ml)、CMBP(2ml)及びトルエン(10ml)の混合物を90℃で終夜攪拌した。得られた反応混合物を減圧下濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(1)1-(2-シクロヘキシルエチル)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-6-カルボン酸メチル(640mg)と(2)3-(2-シクロヘキシルエチル)-3H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-6-カルボン酸メチル(450mg)をそれぞれ油状物として得た。
【0309】
製造例54
6-クロロ-1-ヘキシル-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン(700mg)から、実施例11に記載の方法と同様にして、1-ヘキシル-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-カルボニトリル(367mg)を泡状の固体として得た。
【0310】
製造例55
6-(クロロメチル)-1-(2-シクロヘキシルエチル)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン 塩酸塩(320mg)とCH2Cl2(13ml)の混合物に炭酸水素ナトリウム(218mg)と水(13ml)の混合物を加え、室温で5分間攪拌した。得られた反応混合物の有機層と水層を分離し、水層をCH2Cl2で抽出した。得られた有機層を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣にアセトン(13ml)とヨウ化ナトリウム(800mg)を加え、窒素雰囲気下、室温で3時間攪拌した。得られた反応混合物にTHF(13ml)とトルエン(30ml)を加えた後、混合物が約2mlになるまで減圧下で濃縮した。得られた混合物から不溶物をろ別し、ろ液に再度トルエン(30ml)を加え、反応混合物が約1mlになるまで減圧下で濃縮した(混合物A)。
【0311】
アルゴン雰囲気下、{(1S)-1-[(4S)-2,2-ジメチル-5-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イル]-3-メチルブチル}カルバミン酸 tert-ブチル(261mg)とTHF(5ml)の混合物を攪拌下、-78℃に冷却し、LDA(1.12Mヘキサン−THF溶液、2.5ml)を滴下し、同温で30分間攪拌した。得られた反応混合物に、アルゴン雰囲気下で混合物Aを-78℃で滴下し、同温で1時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで昇温し、飽和塩化アンモニウム水溶液、AcOEtを加えた。有機層と水層を分離し、水層をAcOEtで抽出した。得られた有機層を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた混合物を、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、{(1S)-1-[(4R)-4-{[1-(2-シクロヘキシルエチル)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-6-イル]メチル}-2,2-ジメチル-5-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イル]-3-メチルブチル}カルバミン酸 tert-ブチル(150mg)を油状物として得た。
【0312】
製造例56
窒素雰囲気下、1-オキサスピロ[4.5]デカン-8-オン(500mg)とCH2Cl2(5ml)の混合物をドライアイス−アセトン浴で冷却し、水素化ジイソブチルアルミニウム(1.04Mヘキサン溶液、3.5ml)をゆっくりと加えた。反応混合物をドライアイス−アセトン浴で冷却したまま10分間攪拌後、MeOHと硫酸ナトリウム 十水和物を加えた。得られた混合物を室温まで昇温し、6時間攪拌した後、無水硫酸ナトリウムを加え、さらに14時間攪拌した。得られた混合物をセライトろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、油状物(258mg)を得た。得られた油状物(144mg)をトルエン(4ml)に溶解し、氷冷下、4-メトキシ安息香酸(210mg)、トリ-n-ブチルホスフィン(0.34ml)及び(E)-N,N,N',N'-テトラメチルジアゼン-1,2-ジカルボキサミド(238mg)を加えた。混合物を氷冷下10分間攪拌した後、60℃で24時間攪拌した。得られた混合物を室温まで放冷後、不溶物をろ別し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(1)4-メトキシ安息香酸 (5s,8r)-1-オキサスピロ[4.5]デカ-8-イル(20.7mg)と(2)4-メトキシ安息香酸 (5r,8s)-1-オキサスピロ[4.5]デカ-8-イル(182mg)をそれぞれ油状物として得た。
【0313】
製造例57
{(1S)-1-[(4R)-4-{[2-(2-シクロプロピルエチル)フロ[3,2-c]ピリジン-4-イル]メチル}-2,2-ジメチル-5-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イル]-3-メチルブチル}カルバミン酸 tert-ブチル(75mg)のEtOH(3ml)溶液を連続フロー式水素化反応装置(H-Cube Pro(登録商標);ThalesNano製)にてカートリッジ式触媒としてCatCart(登録商標)10% Pd/C(ThalesNano製、70x4mm)を用い、流速1.0ml/分、圧力1バール、温度25℃の条件で反応を行った。得られた反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣のEtOH(3ml)溶液を再度、連続フロー式水素化反応装置(H-Cube Pro(登録商標);ThalesNano製)にてカートリッジ式触媒としてCatCart(登録商標)10% Pd/C(ThalesNano製、70x4mm)を用い、流速1.0ml/分、圧力50バール、温度60℃の条件で反応を行った。得られた反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣のEtOH(3ml)溶液を再度、連続フロー式水素化反応装置(H-Cube Pro(登録商標);ThalesNano製)にてカートリッジ式触媒としてCatCart(登録商標)10% Pd/C(ThalesNano製、70x4mm)を用い、流速1.0ml/分、圧力50バール、温度60℃の条件で反応を行った。得られた反応混合物を減圧下濃縮し、{(1S)-1-[(4R)-4-{[2-(2-シクロプロピルエチル)-2,3-ジヒドロフロ[3,2-c]ピリジン-4-イル]メチル}-2,2-ジメチル-5-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イル]-3-メチルブチル}カルバミン酸 tert-ブチル(65.7mg)を油状物として得た。
【0314】
製造例58
4-メトキシ安息香酸 (5r,8s)-1-オキサスピロ[4.5]デカ-8-イル(175mg)、MeOH(1ml)及びTHF(2ml)の混合物に1M水酸化ナトリウム水溶液(2ml)を加え、50℃で16時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷し、減圧下濃縮した。得られた残渣をジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した(残渣A)。水層をAcOEtで3回抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した(残渣B)。残渣Bを塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製した。得られた化合物を残渣Aと混合し、(5r,8s)-1-オキサスピロ[4.5]デカン-8-オール(79.6mg)を油状物として得た。
【0315】
製造例59
{4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メタノール(5g)、CH2Cl2(18ml)の混合物を氷冷した後、PBr3(0.43ml)を加え、室温で2時間攪拌した。得られた反応混合物を氷冷した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、室温で30分間攪拌した。反応混合物にCHCl3と飽和塩化ナトリウム水溶液を加え、水層と有機層を分離した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣にトルエン(5ml)を加えた。(混合物A)
【0316】
{(1R)-1-[(4S)-2,2-ジメチル-5-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イル]-3-メチルブチル}カルバミン酸 tert-ブチル(1.13g)、THF(18ml)の混合物を-78℃に冷却し、アルゴン雰囲気下、LDA(1.09Mヘキサン−THF溶液、3.5ml)を加え、30分間攪拌した。反応混合物にトリメチルクロロシラン(0.5ml)を加え、0℃まで昇温した後、30分間攪拌した。得られた反応混合物を-78℃に冷却し、LDA(1.09Mヘキサン−THF溶液、7ml)を加え、30分間攪拌した。得られた反応混合物に、-78℃で混合物Aを加え、2時間攪拌した。得られた反応混合物に水を加えた後、室温まで昇温し、CHCl3で抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(1){(1R)-1-[(4S)-2,2-ジメチル-4-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-5-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イル]-3-メチルブチル}カルバミン酸 tert-ブチル(0.97g)と(2){(1R)-1-[(4R)-2,2-ジメチル-4-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-5-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イル]-3-メチルブチル}カルバミン酸 tert-ブチル(0.45g)をそれぞれ油状物として得た。
【0317】
製造例60
5-[(2-メトキシエチル)スルファニル]-1-フェニル-1H-テトラゾール(2.33g)とEtOH(46ml)の混合物に、過酸化水素(30%水溶液、7ml)、モリブデン酸アンモニウム 四水和物(2.4g)を加え、65℃で3時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷した後に、セライトろ過した。ろ液に水を加えた後に、得られた混合物を減圧下で一部を濃縮した。残渣にAcOEtを加えて抽出した後に、有機層を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後に、減圧下で濃縮した。生じた固体を、ジイソプロピルエーテル−MeOHの混合溶媒を用いて洗浄することで、5-[(2-メトキシエチル)スルホニル]-1-フェニル-1H-テトラゾール(2.14g)を固体として得た。
【0318】
製造例61
(2R,5R)-2,5-ジメチル-N-[(1E)-4-メチルペンチリデン]ピロリジン-1-アミン(1.62g)、Et3N(9.2ml)及びトルエン(48ml)の混合物を80℃に加熱し、攪拌しながらベンジルオキシアセチルクロリド(0.4Mトルエン溶液、83ml)を4時間かけて加えた。反応混合物を室温まで放冷した後に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、AcOEtで抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後に減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(3R,4S)-3-(ベンジルオキシ)-1-[(2R,5R)-2,5-ジメチルピロリジン-1-イル]-4-(3-メチルブチル)アゼチジン-2-オン(2.02g)を油状物として得た。
【0319】
製造例62
窒素雰囲気下、(3R,4S)-4-(4-ブロモフェニル)-3-{[4-(シクロヘキシルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(200mg)、シクロプロピルボロン酸(99mg)、Pd(OAc)2(17mg)、ジシクロヘキシル(2',6'-ジメトキシビフェニル-2-イル)ホスフィン(63mg)、リン酸三カリウム(327mg)、トルエン(4ml)及び水(0.1ml)の混合物を90℃で15時間攪拌した。得られた反応混合物に水を加え、AcOEtで抽出した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(3R,4S)-3-{[4-(シクロヘキシルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-4-(4-シクロプロピルフェニル)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(126mg)を油状物として得た。
【0320】
製造例63
窒素雰囲気下、(3R,4S)-4-[(1S)-1,2-ジヒドロキシエチル]-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(3.7g)とCH2Cl2(74ml)の混合物に、氷冷下tert-ブチルジメチルクロロシラン(2.4g)、イミダゾール(2.2g)、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(140mg)及びCH2Cl2(18ml)の混合物を加え、室温で終夜攪拌した。得られた反応混合物に水を加え、CH2Cl2で2回抽出した。得られた有機層を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた有機層を減圧下濃縮し、(3R,4S)-4-[(1S)-2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-1-ヒドロキシエチル]-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(4.8g)を油状物として得た。
【0321】
製造例64
インダン-2-オール(1g)とDMF(5.04ml)の混合物に氷冷下、NaH(60%鉱油分散体、327mg)を加え、1時間攪拌した。得られた反応混合物を攪拌しながら、4-クロロピリジン-2-カルボニトリル(600mg)とDMF(0.96ml)の混合物を加え、1.5時間攪拌した。得られた反応混合物を氷冷した水に注ぎ、AcOEtで2回抽出した。得られた有機層を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた有機層を減圧下濃縮し、残渣にMeOH(20ml)を加え、氷冷した後、ナトリウムメトキシド(28%MeOH溶液、0.9ml)を加え、室温で3時間攪拌した。得られた反応混合物に1M塩酸(14ml)を加え、室温で1時間攪拌した。得られた反応混合物を減圧下濃縮し、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、AcOEtで抽出した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣にMeOH(20ml)を加え、氷冷した後、NaBH4(720mg)を加え、室温で15時間攪拌した。得られた反応混合物を氷冷した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、減圧下で濃縮した。得られた残渣に水を加え、CHCl3で抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH)を用いて精製し、[4-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イルオキシ)ピリジン-2-イル]メタノール(300mg)を油状物として得た。
【0322】
製造例65
(3R,4S)-3-[(4-ヒドロキシピリジン-2-イル)メチル]-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(200mg)、3,3-ジメチル-1-ペンタノール(141mg)及びトルエン(2ml)の混合物にCMBP(0.31ml)を加え、マイクロ波照射下、150℃で30分間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(3R,4S)-3-({4-[(3,3-ジメチルペンチル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(123mg)を油状物として得た。
【0323】
製造例66
窒素雰囲気下、(3R,4S)-3-[(4-ヒドロキシピリジン-2-イル)メチル]-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(200mg)、(S)-4-メチル-2-ペンタノール(0.11ml)及びトルエン(2ml)の混合物にCMMP(100mg)を加え、マイクロ波照射下、100℃で1時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(3R,4S)-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-[(4-{[(2R)-4-メチルペンタン-2-イル]オキシ}ピリジン-2-イル)メチル]アゼチジン-2-オン(131mg)を油状物として得た。
【0324】
製造例67
窒素雰囲気下、2-(2-シクロプロピルエチル)フロ[3,2-c]ピリジン 5-オキシド(190mg)、Et3N(0.33ml)及びMeCN(4ml)の混合物にトリメチルシリルシアニド(0.183ml)を加え、85℃で16時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、Et3N(0.65ml)とトリメチルシリルシアニド(0.35ml)を追加した。反応混合物を再度85℃で3.5時間攪拌した後、室温まで放冷した。得られた反応混合物にAcOEtを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液の順に洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)により精製し、2-(2-シクロプロピルエチル)フロ[3,2-c]ピリジン-4-カルボニトリル(148mg)を油状物として得た。
【0325】
製造例68
窒素雰囲気下、4-クロロ-2-(クロロメチル)ピリジン(7g)とTHF(100ml)の混合物に、あらかじめ減圧下30℃で7時間、室温で5日間の乾燥を実施したヨウ化ナトリウム(6.8g)を加え、室温で4時間攪拌した。反応混合物に無水硫酸ナトリウム(減圧下50℃で4時間の乾燥を実施、3g)を加え、さらに30分間攪拌した(混合物A)。
【0326】
窒素雰囲気下、(3R,4S)-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(5g)のTHF溶液(50ml)に-78℃でLDA(1.12Mヘキサン−THF溶液、25ml)をゆっくり加えた。反応混合物を-78℃で30分間攪拌した後、混合物Aを滴下し、さらに30分間攪拌した。得られた反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、室温に昇温し、AcOEtで2回抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(3R,4S)-3-[(4-クロロピリジン-2-イル)メチル]-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(5.32g)を油状物として得た。
【0327】
製造例69
(1-ヘキシル-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-イル)メタノール(220mg)とCH2Cl2(5ml)の混合物に、氷冷下でPBr3(0.1ml)を加えた後、室温に昇温し2時間攪拌した。得られた反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、混合物を1時間攪拌した。得られた混合物をセライトろ過し、セライトをトルエンで洗浄した。得られたろ液から有機層を分離し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で約2mlになるまで濃縮した(混合物A)。
【0328】
窒素雰囲気下、(3R,4S)-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(200mg)とTHF(2ml)の混合物をドライアイス−アセトン浴で冷却し、攪拌しながらLDA(1.09Mヘキサン−THF溶液、1ml)を加え、30分間攪拌した。この反応混合物に混合物Aをゆっくり加え、その後ドライアイス−アセトン浴で冷却したまま30分間攪拌した。得られた反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、室温へと昇温しAcOEtで抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH)を用いて精製し(3R,4S)-3-[(1-ヘキシル-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-6-イル)メチル]-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(324mg)を油状物として得た。
【0329】
製造例70
(3R,4S)-3-{[4-(ベンジルオキシ)-5-メチルピリジン-2-イル]メチル}-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(3.46g)とMeOH(150ml)の混合物に10% Pd/C(50%含水、1.5g)を加え、4気圧の水素雰囲気下、室温で2時間攪拌した。反応混合物をセライトでろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH)を用いて精製し(3R,4S)-3-[(4-ヒドロキシ-5-メチルピリジン-2-イル)メチル]-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(1.82g)を泡状の固体として得た。
【0330】
製造例71
窒素雰囲気下、(3R,4S)-4-(4-ブロモフェニル)-3-{[4-(シクロヘキシルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(200mg)、モルホリン(0.066ml)、2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-2',4',6'-トリ-イソプロピル-1,1'-ビフェニル(37mg)、リン酸三カリウム(163mg)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(11mg)及びトルエン(2ml)の混合物を100℃で終夜攪拌した。得られた反応混合物に水を加え、AcOEtで抽出した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(3R,4S)-3-{[4-(シクロヘキシルオキシ)ピリジン-2-イル]メチル}-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-4-[4-(モルホリン-4-イル)フェニル]アゼチジン-2-オン(138mg)を油状物として得た。
【0331】
製造例72
アルゴン雰囲気下、(3R,4S)-3-[(5-ブロモ-4-メトキシピリジン-2-イル)メチル]-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(125mg)、2-ベンジル-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(0.13ml)、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(44mg)、リン酸三カリウム(125mg)、DOX(2.5ml)及び水(0.35ml)の混合物を90℃で終夜攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。得られた混合物をAcOEtにて抽出し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。得られた有機層を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)にて精製し、(3R,4S)-3-[(5-ベンジル-4-メトキシピリジン-2-イル)メチル]-4-イソブチル-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(27mg)を油状物として得た。
【0332】
製造例73
(3R,4S)-4-(ヒドロキシメチル)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)アゼチジン-2-オン(530mg)、シクロプロピルメチルヨージド(8.39g)及びAg2O(3g)の混合物を90℃で終夜攪拌した。得られた反応混合物に、Ag2O(3g)を追加し、90℃でさらに終夜攪拌した。得られた反応混合物から、不溶物をろ別し、得られたろ液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(3R,4S)-4-[(ブタ-3-エン-1-イルオキシ)メチル]-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)アゼチジン-2-オン(84.6mg)を油状物として得た。
【0333】
製造例74
窒素雰囲気下、トリメチルシリルアセチレン(320mg)とTHF(1.6ml)の混合物を-78℃に冷却し、n-ブチルリチウム(1.58Mヘキサン溶液、2.6ml)を滴下した。得られた反応混合物を氷冷下10分間攪拌後、再度-78℃に冷却した。得られた反応混合物にN,N,N',N',N'',N''-ヘキサメチルリン酸 トリアミド(0.86ml)を加え、同温で30分間攪拌した後、(2-ブロモエチル)シクロプロパン(500mg)を加えた。得られた反応混合物を室温まで昇温し、終夜攪拌した。得られた反応混合物に水を加え、有機層を分離した。得られた有機層を水で3回、飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で濃縮して(4-シクロプロピルブタ-1-イン-1-イル)(トリメチル)シラン(506mg)を油状物として得た。
【0334】
製造例75
アルゴン雰囲気下、3-ブロモピリジン-4(1H)-オン(500mg)、(4-シクロプロピルブタ-1-イン-1-イル)(トリメチル)シラン(1.44g)、Et3N(2.8ml)及びDMF(5ml)の混合物にフッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム(1M THF溶液、8.8ml)を加えた。得られた混合物に30秒間超音波を照射した後、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(420mg)を加え、マイクロ波照射下、110℃で1時間攪拌した。得られた反応混合物にAcOEtとシリカゲルを加え、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)により精製し、2-(2-シクロプロピルエチル)フロ[3,2-c]ピリジン(302mg)を油状物として得た。
【0335】
製造例76〜194
前記製造例に記載の方法と同様にして、後記表に示す製造例化合物を製造した。
【0336】
製造例195
(3R,4S)-3-(メトキシメトキシ)-4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)アゼチジン-2-オン(628mg)、1,2-ジクロロエタン(20ml)、クロロ(メトキシ)メタン(1.5ml)及びDIPEA(3.5ml)の混合物を90℃で12時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、AcOEtで抽出した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(1)(3R,4S)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)アゼチジン-2-オン(129mg)を固体として、(2)(3R,4S)-3-(メトキシメトキシ)-1-[(メトキシメトキシ)メチル]-4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)アゼチジン-2-オン(474mg)を油状物として得た。
【0337】
製造例196
アルゴン雰囲気下、[(1S)-1-{(4R)-4-[(4-クロロピリジン-2-イル)メチル]-2,2-ジメチル-5-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イル}-3-メチルブチル]カルバミン酸 tert-ブチル(1.03g)、2-(トリメチルシリル)エタンチオール(0.4ml)、(9,9-ジメチル-9H-キサンテン-4,5-ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)(700mg)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(550mg)、DIPEA(0.85m1)及びDOX(16ml)の混合物をマイクロ波照射下、120℃で2時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、AcOEtを加え不溶物をろ別した。ろ液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)にて精製することにより、[(1S)-1-{(4R)-2,2-ジメチル-5-オキソ-4-[(4-{[2-(トリメチルシリル)エチル]スルファニル}ピリジン-2-イル)メチル]-1,3-ジオキソラン-4-イル}-3-メチルブチル]カルバミン酸 tert-ブチル(1.1g)を泡状固体として得た。
【0338】
製造例197
窒素雰囲気下、メチル N-(tert-ブトキシカルボニル)-O-(2-シクロプロピルエチル)-L-セリナート(6.5g)、ジブロモメタン(8.0g)及びTHF(22ml)の混合物に、-20℃で2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルマグネシウムクロリド リチウムクロリド錯体(1M THF-トルエン溶液、91ml)を内温-11℃以下を保ちながら2時間以上かけて滴下し、その後、-15℃で2時間攪拌した。得られた反応混合物をあらかじめ氷冷した5%クエン酸水溶液とAcOEtの混合物に注ぎ、その後10分間攪拌した。有機層と水層を分離し、得られた有機層を5%クエン酸水溶液で3回洗浄した後、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮し、[(2S)-4,4-ジブロモ-1-(2-シクロプロピルエトキシ)-3-オキソブタン-2-イル]カルバミン酸 tert-ブチルを含む残渣(10.7g)を油状物として得た。
【0339】
製造例198
[(2S)-4,4-ジブロモ-1-(2-シクロプロピルエトキシ)-3-オキソブタン-2-イル]カルバミン酸 tert-ブチル(9.6g)とトルエン(76ml)の混合物に、氷冷下で2M水酸化ナトリウム水溶液(57ml)を15分間かけて滴下し、その後、室温で2時間攪拌した。得られた反応混合物にトルエンと水を加えた後、有機層と水層を分離した。有機層を水で2回抽出し、先に得られた水層とまとめた後、AcOEtを加えた。得られた混合物を氷冷した後、2M塩酸を加え水層のpHを約1.5に調節した。得られた反応混合物の有機層と水層を分離し、水層をAcOEtで3回抽出した。得られた有機層をまとめ、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた有機層を減圧下で濃縮し、(3S)-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-(2-シクロプロピルエトキシ)-2-ヒドロキシブタン酸(4.53g)を油状物として得た。
【0340】
製造例199
エチル (2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-メチルペンタ-4-エノアート(5.7g)のCH2Cl2(40ml)溶液にトリフルオロ酢酸(12ml)を加え室温で1時間攪拌した。得られた反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣にTHF(60ml)、クロロギ酸ベンジル(3.2ml)、炭酸水素ナトリウム(4.3g)及び水(60ml)を加え室温で1時間攪拌した。得られた反応混合物をAcOEtで抽出し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、エチル (2S)-2-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-メチルペンタ-4-エノアート(4.2g)を油状物として得た。
【0341】
製造例200
窒素雰囲気下、ジエチル亜鉛(1.09M ヘキサン溶液、55ml)とCH2Cl2(75ml)の混合物にトリフルオロ酢酸(4.5ml)とCH2Cl2(35ml)の混合物を氷冷下滴下した。得られた反応混合物を氷冷下30分間攪拌後、ジヨードメタン(4.8ml)を同温で加えた。反応混合物を氷冷下30分間攪拌後、エチル (2S)-2-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-メチルペンタ-4-エノアート(4.2g)とCH2Cl2(35ml)の混合物を同温で滴下した。得られた反応混合物を室温で終夜攪拌した後、氷冷下で1M塩酸(50ml)を加えた。得られた混合物をCHCl3で抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、エチル N-[(ベンジルオキシ)カルボニル]-3-(1-メチルシクロプロピル)-L-アラニナート(3.8g)を油状物として得た。
【0342】
製造例201
エチル N-[(ベンジルオキシ)カルボニル]-3-(1-メチルシクロプロピル)-L-アラニナート(3.8g)のEtOH(76ml)溶液に10%Pd/C(50%含水、0.95g)を加え、水素雰囲気下、室温で1.5時間攪拌した。得られた反応混合物から不溶物をろ別した後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残渣のTHF(76ml)溶液に、氷冷下で二炭酸ジ-tert-ブチル(2.85g)及びDIPEA(2.3ml)を加え、室温で2時間攪拌した。得られた反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、AcOEtで抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、エチル N-(tert-ブトキシカルボニル)-3-(1-メチルシクロプロピル)-L-アラニナート(3.2g)を油状物として得た。
【0343】
製造例202
窒素雰囲気下、N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-セリン(20g)とDMF(480ml)の混合物に、NaH(60%鉱油分散体、8.6g)を氷冷下、内温を5℃以下に保ちながら5回に分けて加え、その後氷冷下で1時間攪拌した。得られた反応混合物に、(2-ヨードエチル)シクロプロパン(24g)を加え、室温で14時間攪拌した。得られた反応混合物を氷冷した後、水と1M塩酸を加えpHを2〜3に調節した。得られた反応混合物をAcOEtで3回抽出したのち、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣に、MeOH(140ml)、CH2Cl2(420ml)を加え、氷冷下で(ジアゾメチル)(トリメチル)シラン(2Mヘキサン溶液、62ml)を、内温を6℃以下に保ちながら滴下し、その後氷冷下で10分間、室温で1時間攪拌した。得られた反応混合物にAcOHを加えて過剰の(ジアゾメチル)(トリメチル)シランを分解した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、メチル N-(tert-ブトキシカルボニル)-O-(2-シクロプロピルエチル)-L-セリナート(6.51g)を油状物として得た。
【0344】
製造例203
[(1R)-1-[(4R)-2,2-ジメチル-4-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-5-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イル]-2-(エチルスルファニル)エチル]カルバミン酸 tert-ブチル(203mg)とCH2Cl2(4ml)の混合物を氷冷した後、m-クロロ過安息香酸(約25%含水、89.5mg)を加え、同温で1時間攪拌した。得られた反応混合物に10%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え10分間攪拌した。水層と有機層を分離した後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH)を用いて精製し、[(1R)-1-[(4R)-2,2-ジメチル-4-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-5-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イル]-2-(エチルスルフィニル)エチル]カルバミン酸 tert-ブチル(172mg)を固体として得た。
【0345】
製造例204
[(1R)-1-[(4R)-2,2-ジメチル-4-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-5-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イル]-2-(エチルスルファニル)エチル]カルバミン酸 tert-ブチル(103mg)とCH2Cl2(6ml)の混合物を氷冷した後、m-クロロ過安息香酸(約25%含水、91mg)を加え、同温で1時間攪拌したのち、室温で1時間攪拌した。得られた反応混合物を再度氷冷し、m-クロロ過安息香酸(約25%含水、9mg)を加え、室温で30分間攪拌した。得られた反応混合物に10%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え10分間攪拌した。水層と有機層を分離した後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/AcOEt)を用いて精製し、[(1R)-1-[(4R)-2,2-ジメチル-4-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-5-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イル]-2-(エチルスルホニル)エチル]カルバミン酸 tert-ブチル(81mg)を固体として得た。
【0346】
製造例205
メタンスルホン酸 [(2S,3R)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]メチル(1.19g)、DMF(25ml)及びチオ酢酸カリウム(560mg)の混合物を60℃で終夜攪拌した。得られた反応混合物に水を加え、AcOEtで抽出した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液の順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた有機層を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、チオ酢酸 S-{[(2R,3R)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]メチル}(700mg)を油状物として得た。
【0347】
製造例206
2-(ブロモメチル)-4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン 臭化水素酸塩(766mg)とCH2Cl2(25ml)の混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、室温で10分間攪拌した。得られた混合物から有機層を分離した後、水層をCH2Cl2にて抽出した。得られた有機層をまとめ、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、トルエンを加えて希釈した。得られた混合物を減圧下で約20mlになるまで濃縮した。得られた混合物に再度トルエンを加え、約10mlになるまで濃縮した(混合物A)。
【0348】
窒素雰囲気下、(3R,4R)-4-[(エチルスルファニル)メチル]-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(407mg)とTHF(6ml)の混合物に攪拌しながらLDA(1.09Mヘキサン−THF溶液、2.2ml)を-78℃でゆっくり加えた。得られた反応混合物を同温にて30分間攪拌した後、混合物Aを滴下した。同温にて1.5時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、室温まで昇温した。得られた混合物をAcOEtにて抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、有機層を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/AcOEt)で精製した後、再度シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)で精製することにより、(3R,4R)-4-[(エチルスルファニル)メチル]-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-3-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)アゼチジン-2-オン(599mg)を油状物として得た。
【0349】
製造例207
アルゴン雰囲気下、3-[(3-ブロモ-2-シアノピリジン-4-イル)スルファニル]プロパン酸 2-エチルヘキシル(200mg)、(4-シクロプロピルブタ-1-イン-1-イル)(トリメチル)シラン(170mg)、Et3N(0.49ml)及びDMF(1.5ml)の混合物にフッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム(1M THF溶液、1.2ml)を加えた。得られた混合物に30秒間超音波を照射した後、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(70mg)を加え、マイクロ波照射下、110℃で30分間攪拌した。得られた反応混合物にAcOEtを加え、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)により精製し、2-(2-シクロプロピルエチル)チエノ[3,2-c]ピリジン-4-カルボニトリル(12mg)を油状物として得た。
【0350】
製造例208
3-ブロモ-4-クロロピリジン-2-カルボニトリル(2g)、Et3N(2.6ml)及びDMF(20ml)の混合物に氷冷下、3-スルファニルプロパン酸 2-エチルヘキシル(2.4ml)を加え同温で10分間攪拌した後、室温で11時間攪拌した。得られた反応混合物にAcOEtと水を加え、有機層を分離した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた有機層を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、3-[(3-ブロモ-2-シアノピリジン-4-イル)スルファニル]プロパン酸 2-エチルヘキシル(2.7g)を油状物として得た。
【0351】
製造例209
フッ化水素-ピリジン(25g)を-10℃に冷却(MeOH-氷浴)し、エチル(2S)-2-アミノ-4-メチルペンタ-4-エノアート モノ{[(1R,4S)-7,7-ジメチル-2-オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタ-1-イル]メタンスルホン酸}塩(7.5g)を内温が-5℃以下に保たれるように少しずつ加えた。得られた反応混合物を室温で3時間攪拌した後、再度MeOH-氷浴で冷却し、飽和酢酸アンモニウム水溶液を加えた。次いで28%アンモニア水溶液を加え、反応混合物のpHを約9.5に調整した。得られた混合物をメチル-tert-ブチルエーテルで3回抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣にTHF(50ml)を加え、室温でDIPEA(3.3ml)、二炭酸ジ-tert-ブチル(3.86ml)を加え4時間攪拌した。得られた反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣に水を加えAcOEtで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウム乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)にて精製しエチル N-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロ-L-ロイシナート(2.65g)を油状物として得た。
【0352】
製造例210
(3R)-4-(2-シクロプロピルビニル)-3-(メトキシメトキシ)-1-(4-メトキシフェニル)アゼチジン-2-オン(831mg)のトルエン(25ml)溶液に、PtO2(61mg)を加え、水素雰囲気下0℃で6時間攪拌した。得られた反応混合物から不溶物をろ別した後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(3R,4S)-4-(2-シクロプロピルエチル)-3-(メトキシメトキシ)-1-(4-メトキシフェニル)アゼチジン-2-オン(574mg)を油状物として得た。
【0353】
製造例211
窒素雰囲気下、(3R,4S)-4-(ヒドロキシメチル)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(300mg)、THF(12ml)、チオ酢酸(0.32ml)、及びトリフェニルホスフィン(1.6g)の混合物にアゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.2ml)を氷冷下で滴下し、室温で終夜攪拌した。得られた反応混合物に水を加え、CHCl3で抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣にジイソプロピルエーテルを加え、不溶物をろ別した。得られたろ液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、チオ酢酸 S-{[(2R,3R)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]メチル}(300mg)を油状物として得た。
【0354】
製造例212
チオ酢酸S-{[(2R,3R)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]メチル}(150mg)、DMF(1.5ml)、MeOH(1.5ml)、炭酸カリウム(420mg)の混合物に1-ブロモ-2-メチルプロパン(0.3ml)とヨウ化ナトリウム(435mg)を加え、40℃で終夜攪拌した。得られた反応混合物に水を加え、AcOEtで抽出した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた有機層を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)を用いて精製し、(3R,4R)-4-[(イソブチルスルファニル)メチル]-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(125mg)を油状物として得た。
【0355】
製造例213
(3R,4S)-4-(ヒドロキシメチル)-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(2.7g)、ピリジン(4.3ml)及びCH2Cl2(30ml)の混合物に、氷冷下、メタンスルホニルクロリド(2.1ml)を加え、室温で18時間攪拌した。得られた反応混合物にCHCl3を加え、0.5M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液の順に洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)にて精製して、固体(3.4g)を得た。得られた固体(1g)とDMF(10ml)の混合物に、氷冷下、ナトリウムエタンチオラート(575mg)を加え、同温で1時間攪拌した。得られた反応混合物にAcOEtを加え、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液の順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた有機層を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt)にて精製して、(3R,4R)-4-[(エチルスルファニル)メチル]-3-(メトキシメトキシ)-1-(メトキシメチル)アゼチジン-2-オン(300mg)を油状物として得た。
【0356】
製造例214〜294
前記製造例に記載の方法と同様にして、後記表に示す製造例化合物を製造した。
【0357】
製造例化合物の構造、物理化学的データ及び製造法を後記表に示す。
【0358】
参考例1
{(1S)-1-[(4S)-2,2-ジメチル-4-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-5-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イル]-3-メチルブチル}カルバミン酸 tert-ブチル(75.2mg)に6M塩酸(1ml)を加え、80℃で終夜攪拌した。得られた反応混合物を室温まで放冷後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をODSカラムクロマトグラフィー(MeCN/0.1%蟻酸水溶液)を用いて精製した。得られた化合物にMeCNと過剰量の1M塩酸を加えた後、溶媒を留去し、(2S,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-5-メチル-2-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)ヘキサン酸 二塩酸塩(50mg)を固体として得た。
【0359】
参考例2
{(1R)-1-[(4S)-2,2-ジメチル-4-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)-5-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イル]-3-メチルブチル}カルバミン酸 tert-ブチル(3.7g)に6M塩酸(30ml)を加え、80℃で終夜攪拌した。得られた反応混合物を氷冷した後、6M水酸化ナトリウム水溶液を加えて反応混合物のpHを約1.5に調整した。生じた不溶物をろ取して、(2S,3R)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-5-メチル-2-({4-[(trans-4-メチルシクロヘキシル)オキシ]ピリジン-2-イル}メチル)ヘキサン酸 塩酸塩(1.2g)を固体として得た。
【0360】
参考例化合物の構造、物理化学的データを後記表に示す。
【0361】
【表5-1】
【0362】
【表5-2】
【0363】
【表5-3】
【0364】
【表5-4】
【0365】
【表5-5】
【0366】
【表5-6】
【0367】
【表5-7】
【0368】
【表5-8】
【0369】
【表5-9】
【0370】
【表5-10】
【0371】
【表5-11】
【0372】
【表5-12】
【0373】
【表5-13】
【0374】
【表5-14】
【0375】
【表5-15】
【0376】
【表6-1】
【0377】
【表6-2】
【0378】
【表6-3】
【0379】
【表6-4】
【0380】
【表6-5】
【0381】
【表6-6】
【0382】
【表6-7】
【0383】
【表6-8】
【0384】
【表6-9】
【0385】
【表7-1】
【0386】
【表7-2】
【0387】
【表7-3】
【0388】
【表7-4】
【0389】
【表7-5】
【0390】
【表7-6】
【0391】
【表7-7】
【0392】
【表7-8】
【0393】
【表7-9】
【0394】
【表7-10】
【0395】
【表7-11】
【0396】
【表7-12】
【0397】
【表7-13】
【0398】
【表7-14】
【0399】
【表7-15】
【0400】
【表7-16】
【0401】
【表7-17】
【0402】
【表7-18】
【0403】
【表7-19】
【0404】
【表7-20】
【0405】
【表7-21】
【0406】
【表7-22】
【0407】
【表7-23】
【0408】
【表7-24】
【0409】
【表7-25】
【0410】
【表7-26】
【0411】
【表7-27】
【0412】
【表7-28】
【0413】
【表7-29】
【0414】
【表7-30】
【0415】
【表7-31】
【0416】
【表8-1】
【0417】
【表8-2】
【0418】
【表8-3】
【0419】
【表8-4】
【0420】
【表8-5】
【0421】
【表8-6】
【0422】
【表9】
【産業上の利用可能性】
【0423】
式(I)の化合物又はその塩は、AVPの代謝酵素であるP-LAPの阻害作用を有し、内因性AVP濃度の維持・上昇に基づく尿生成抑制作用を有することから、夜間頻尿の治療剤として使用できることが期待される。また、AVP濃度低下が関与するその他の排尿障害や多尿、例えば、頻尿、尿失禁、夜尿症の治療剤として使用できることが期待される。
図1