特許第6461978号(P6461978)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6461978プラスチック容器の回収処理装置および回収処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6461978
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】プラスチック容器の回収処理装置および回収処理方法
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/342 20060101AFI20190121BHJP
   B29B 17/00 20060101ALI20190121BHJP
   G01N 9/24 20060101ALN20190121BHJP
【FI】
   B07C5/342
   B29B17/00ZAB
   !G01N9/24 A
【請求項の数】5
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-544901(P2016-544901)
(86)(22)【出願日】2014年10月14日
(86)【国際出願番号】JP2014077314
(87)【国際公開番号】WO2016031088
(87)【国際公開日】20160303
【審査請求日】2017年10月16日
(31)【優先権主張番号】特願2014-176647(P2014-176647)
(32)【優先日】2014年8月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514220152
【氏名又は名称】合同産業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】514220163
【氏名又は名称】株式会社ベンディングアイ
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【弁理士】
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】下田 輝夫
(72)【発明者】
【氏名】石田 英司
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 美樹
(72)【発明者】
【氏名】南 清一
(72)【発明者】
【氏名】小松 明博
(72)【発明者】
【氏名】中村 有三
【審査官】 福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−058171(JP,A)
【文献】 特開2009−268996(JP,A)
【文献】 特開2002−098642(JP,A)
【文献】 実開昭50−125354(JP,U)
【文献】 特開平06−071495(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 5/342
B29B 17/00
B30B 9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック容器を回収するための回収処理装置であって、
透明体であるか不透明体であるかにかかわらず対象を検知する第1検知手段と、
透明体を検知することなく不透明体を検知する第2検知手段と、
保持空間において、前記第1検知手段により透明体または不透明体が検知され、且つ、前記第2検知手段により不透明体が検知されないときに、回収対象のプラスチック容器が投入されたと判断する判別手段と、
を備え、
前記第1検知手段と前記第2検知手段の少なくとも一方は、光電センサであり、
前記プラスチック容器は、不透明なキャップが取り付けられるボトル容器であり、
前記第1検知手段は、前記ボトル容器の長手方向に沿って当該ボトル容器における前記不透明なキャップが取り付けられる部位よりも鉛直下方の位置に検知信号を発し、
前記第2検知手段は、前記ボトル容器の長手方向に沿って当該ボトル容器における前記不透明なキャップが取り付けられる部位よりも鉛直上方の位置に前記検知信号を発する、
プラスチック容器の回収処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のプラスチック容器の回収処理装置であって、
重量を検知する重量検知手段を更に備え、
前記判別手段は、前記重量検知手段により回収対象であるプラスチック容器の重量よりも大きい重量が検知されたときには回収対象でない対象が投入されたと判断する、
プラスチック容器の回収処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のプラスチック容器の回収処理装置であって、
前記保持空間を画する壁面には孔が設けられており、前記第1検知手段および前記第2検知手段は、前記壁面から離間して配置され、前記孔を通じて当該保持空間内の対象を検知する、
プラスチック容器の回収処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載のプラスチック容器の回収処理装置であって、
前記第1検知手段と前記第2検知手段の少なくとも一方は、対象から20mm以上離れた位置から前記検知信号を発する、
プラスチック容器の回収処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至の何れか1項に記載のプラスチック容器の回収処理装置であって、
前記判別手段により回収対象のプラスチック容器であると判断されたときに、当該判断された対象をプレスするプレス手段を更に備える、
プラスチック容器の回収処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック容器を回収するための回収処理装置および回収処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料容器として、ポリエチレンテレフタラートなどの合成樹脂を材料としたペットボトルなどのプラスチック容器が数多く用いられている。プラスチック容器は、他の廃棄物と区別して回収およびリサイクルが進められているが、プラスチック容器はその特性上嵩張るので、こまめに廃棄できるようショッピングマーケットなどに回収場所または回収装置が設けられる場合がある。
【0003】
飲料容器として空き缶を回収するための装置では、光電センサ、近接スイッチ、アルミニウムセンサ及びスチールセンサにより、装置に投入された容器の形状、重量および材質を検出するものが提案されている。この装置では、容器が所定の条件を満たす場合に圧搾し、圧搾した容器をアルミニウム缶とスチール缶とに分けて回収する。
【0004】
プラスチック容器を回収する装置は、ショッピングマーケットなど、プラスチック容器を回収することが本業ではない場所に設置される場合が多い。このため、回収処理装置は、小型および廉価であることが好ましく、回収対象であるプラスチック容器を簡易な構成で判別して回収できることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−71495号(特許第2124057号)
【発明の概要】
【0006】
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で効果的にプラスチック容器を回収可能なプラスチック容器の回収処理装置および回収処理方法を提案することを目的とする。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るプラスチック容器の回収処理装置は、プラスチック容器を回収するための回収処理装置であって、透明体であるか不透明体であるかにかかわらず物体を検知する第1検知手段と、透明体を検知することなく不透明体を検知する第2検知手段と、第1検知手段により物体が検知され、且つ、第2検知手段により不透明体が検知されないときに、回収対象のプラスチック容器が投入されたと判断する判別手段と、を備える。
【0008】
かかる構成によれば、装置に投入された対象が回収対象のプラスチック容器であるか否かを第1検知手段と第2検知手段とにより判別することができ、簡易な構成で効果的にプラスチック容器を回収することができる。
【0009】
また、重量を検知する重量検知手段を更に備え、判別手段は、重量検知手段により回収対象であるプラスチック容器の重量よりも大きい重量が検知されたときには回収対象でない対象が投入されたと判断してもよい。こうすれば、対象が回収対象であるか否かをより好適に判断することができる。
【0010】
さらに、第1検知手段と第2検知手段の少なくとも一方は、光電センサであり、検知信号を検知対象の長手方向に沿って発するものでもよい。こうすれば、プラスチック容器に包装があっても、対象が回収対象であるか否かをより好適に判断することができる。
【0011】
また、この場合、第1検知手段と第2検知手段の少なくとも一方は、検知対象から20mm以上離れた位置から検知信号を発することが好ましい。こうすれば、光電センサが汚染されるのを抑制することができる。
【0012】
また、判別手段により回収対象のプラスチック容器であると判断されたときに、当該判断された対象をプレスするプレス手段を更に備えてもよい。こうすれば、回収したプラスチック容器が嵩張るのを抑制することができる。
【0013】
本発明の第2の観点に係るプラスチック容器の回収処理方法は、プラスチック容器を回収するための回収処理方法であって、透明体であるか不透明体であるかにかかわらず物体を検知する第1検知手段により透明体または不透明体が検知され、且つ、透明体を検知することなく不透明体を検知する第2検知手段により不透明体が検知されないときに、回収対象のプラスチック容器が投入されたと判断する判別工程を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明の他の形態及び効果は、次の図面を参照した以下の説明によって明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るプラスチック容器の回収処理装置の外観を示す斜視図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係るプラスチック容器の回収処理装置の内部構造を模式的に示す図である。
図3図3は、回収処理装置の上段の内部構造を拡大して示す図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係る第1光電センサ及び第2光電センサによる容器の検知を模式的に示す図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係るプレス部周辺を拡大して示す図である。
図6図6は、本発明の一実施形態に係るプレス部による容器のプレスを示す図である。
図7図7は、シャッターがプレス部と連動する例を示す図である。
図8図8は、本発明の一実施形態に係るプラスチック容器の回収処理装置の制御回路の構成を示すブロック図である。
図9図9は、本発明の一実施形態に係る制御部が実行する回収処理ルーチンを示すフローチャートである。
図10図10は、プレス可能な容器が投入されたときの回収処理装置の動作を示す図である。
図11図11は、プレスできない容器が投入されたときの回収処理装置の動作を示す図である。
図12図12は、変形例のプレス部を示す図である。
図13図13は、変形例の回収処理装置の外観を示す斜視図である。
図14図14は、変形例の回収処理装置の内部構造を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に示すように、回収処理装置10は、本体11前方(手前)の上段に上扉12が設けられ、下段に下扉14が設けられている。上扉12および下扉14は、本体11に対して蝶番などの図示しない開閉部を介して取り付けられ、各々に開閉可能に構成されている。
【0017】
上扉12の前面には、図示しないロック機構の鍵穴12aが形成されているとともに、プラスチック容器などの容器Pを投入する投入部40、容器Pが返却される返却部42、容器Pの処理が可能であることを示す処理可能ランプ67、異常を示す異常ランプ68、容器Pの返却を示す返却ランプ69が設けられている。本実施形態では、上扉12は、通常時は図示しないロック機構により開閉不能にロックされ、メンテナンスのときなどにロックを解除して本体11に対して開閉がなされる。上扉12には、上扉12の開閉を検知する開閉センサ58が設けられており、検知信号が制御部50に送信される。開閉センサ58は、リミットスイッチなど種々の構成を用いることができる。
【0018】
下扉14の前面には、図示しないロック機構の鍵穴14aが形成されているとともに、プラスチック容器のキャップなど、容器Pの所定の付属品を回収するための回収窓44が形成されている。本実施形態では、下扉14は、通常時は図示しないロック機構により開閉不能にロックされ、回収したプラスチック容器を取り出すときにロックを解除して本体11に対して開閉がなされる。このように、比較的頻繁に開閉がなされる下扉14と、メンテナンス時に開閉がなされる上扉12とを別々に設けることにより、回収者の安全を確保できるとともに制御系に異常が生じるのを抑制できる。また、下扉14には、下扉14の開閉を検知する開閉センサ59が設けられており、検知信号が制御部50に送信される。開閉センサ59は、リミットスイッチなど種々の構成を用いることができる。
【0019】
図2に示すように、プラスチック容器の回収処理装置10は、装置に投入された容器Pを判別する判別処理部20と、容器Pをプレスするプレス処理部30と、プレスされた容器Pを回収する回収ボックス46と、装置全体を制御する制御部50とが内部に設けられている。
【0020】
図3は、回収処理装置10の上段の内部構造を拡大して示す図である。図3中一点鎖線は、投入された容器Pを示している。本実施形態では、容器Pを投入するための投入部40は、上端を回動軸にして開閉板を内側に回動することで容器Pが投入可能な状態となる。また、容器Pを返却するための返却部42は、容器Pを保持する保持部が開閉板と一体に構成され、開閉板を外側に回動させることで容器Pが持ち上げられて返却部42から容器Pを受取ることが可能となる。
【0021】
投入部40と返却部42には、開閉を検知する開閉センサ56,57が設けられており、検知信号が制御部50に送信される。開閉センサ56,57は、リミットスイッチなど種々の構成を用いることができる。また、投入部40と返却部42には、制御部50により制御されるロック機構61,62が設けられている。制御部50は、投入部40、返却部42のそれぞれについて開放不可と判断したときには、ロック機構61,62により投入部40と返却部42を開放不能にロックする。ロック機構61,62は、ソレノイドなど種々の構成を用いることができる。また、返却部42には、返却された容器Pが返却部42に存在しているか否かを検知する返却センサ54が設けられており、検知信号が制御部50に送信される。返却センサ54は、光電センサや重量センサなど種々のセンサを用いることができる。
【0022】
判別処理部20は、回収処理装置10に投入された容器Pがプレス可能であるか否かを判別する。判別処理部20は、第1光電センサ51と、第2光電センサ52と、重量センサ53と、判別処理部20において容器Pを保持するシャッター63と、容器Pを返却部42かプレス処理部30の一方に案内する案内部64とを備える。
【0023】
第1光電センサ51は、容器Pが透明体であるか不透明体であるかにかかわらず、容器P(物体)が投入されたことを検知するために設けられ、検知信号を制御部50に送信する。第2光電センサ52は、投入された容器Pが不透明体であることを検知するために設けられ、検知信号を制御部50に送信する。詳しくは後述するが、制御部50は、第1光電センサ51により検知され、且つ第2光電センサ52により検知されない場合に、容器Pが透明体であると判断する。
【0024】
図4は、第1光電センサ51及び第2光電センサ52による容器Pの検知を模式的に示す図である。なお、図4では、第1光電センサ51と第2光電センサ52が並べられた方向に対して垂直な方向から見た様子を示している。第1光電センサ51と第2光電センサ52のそれぞれは、発信部51a,52aと受信部51b,52bを有し、発信部51a,52aから受信部51b,52bに向けて検知信号を出力する。本実施形態では、投入部40から投入された容器Pは、判別処理部20において、所定の向きとなるように(例えば容器Pの長手方向が本体11の左右方向に沿うように)シャッター63によって保持される。そして、図4に示すように、第1光電センサ51及び第2光電センサ52は、検知対象である容器Pの長手方向に沿って検知信号を出力する。これにより、容器Pにフィルムなどの包装(図4中、符号F)があっても、誤判断を抑制して容器Pが透明体であるか否かを検知することができる。
【0025】
第1光電センサ51の発信部51aは、検知信号として比較的弱い光を受信部51bに向けて発信する。発信部51aからの光は、容器Pが存在しない場合には受信部51bにそのまま受信される。一方、容器Pが存在する場合には、発信部51aからの光は、容器Pが透明体であるか不透明体であるかにかかわらず、容器Pによって減衰または遮断されて受光部51bに受信されなくなる。これにより、第1光電センサ51は、容器Pが透明体であるか不透明体であるかにかかわらず、容器Pを検知する。一方、第2光電センサ52の発信部52aは、検知信号として比較的強い光を受信部52bに向けて発信する。発信部52bからの光は、容器Pが透明体である場合には容器Pを通過して受信部52bに受信され、容器Pが不透明体である場合には容器Pに遮断されて受信部52bに受信されなくなる。これにより、第2光電センサ52は、容器Pが不透明体である場合にだけ、容器Pを検知する。発信部51a,52aから発信される光の強度については、市販のプラスチック容器と受光部51b,52bの受光感度とに基づいて、回収対象であるプラスチック容器を検知できるように実験などにより適したものを用いればよい。
【0026】
第1光電センサ51及び第2光電センサ52の発信部51a,52aと受信部51b,52bは、検知対象である容器Pから離れた位置に設けられる。これは、発信部51a,52aまたは受信部51b,52bが容器Pの内容物などによって汚染されるのを防止するためである。発信部51a,52aおよび受信部51b,52bは、容器Pから20mm(ミリメートル)以上離れた位置に設けられることが好ましく、50mm以上、100mm以上、または150mm以上離れた位置に設けられることが更に好ましい。この実施形態では、判別処理部20において容器Pが保持される収容空間を画する壁22に、検出信号が通過するための孔24が形成され、発信部51a,52a及び受信部51b,52bは、壁22からの距離Lsが20mm以上離れた位置に設けられている。これにより、容器Pの内容物などが飛散することが壁22によって抑制されるので、第1光電センサ51及び第2光電センサ52が汚染されるのを好適に抑制することができる。
【0027】
第1光電センサ51と第2光電センサ52による容器Pの検出位置は、市販のプラスチック容器の形状に基づいて、効果的に判定できる位置を実験などにより定めることが好ましい。本実施形態では、容器Pを保持するシャッター63の平面に対して垂直な方向に並んで、シャッター63に近い方(鉛直下方)から第1光電センサ51、第2光電センサ52の順に配置されている。また、容器Pの検出位置は、容器Pにキャップ(図4中、符号C)がなされていても、容器Pが透明体であるか否かを検知可能な位置に配置されることが好ましい。
【0028】
重量センサ53は、容器Pが空のプラスチック容器の重量よりも重い重量であるか否かを検知するために設けられ、検知信号を制御部50に送信する。重量センサ53は、バネ53bと近接センサ53cとにより構成されている。この実施の形態では、容器Pは、シャッター63によって鉛直方向に対して斜めに保持され、容器Pの重さが壁部53aにも作用する。壁部53aは、上側を回動軸として回動可能に支持され、バネ53bにより上方(図3中、反時計回り側)に付勢されている。壁部53aの下方(図3中、時計回り側)には、近接センサ53cが設けられており、容器Pの重さによってバネ53bの付勢力に抗して壁部53aが下方に回動すると、近接センサ53cが壁部53aの回動を検知する。これにより、重量センサ53は、容器Pが所定重量よりも大きい重量であることを検知する。バネ53cは、市販のプラスチック容器の重量に基づいて、実験などにより所望の付勢力のものが用いられればよい。なお、近接センサ53cは、メカニカルスイッチまたは磁気型近接センサなど、種々のものを用いることができる。また、重量センサ53は、近接センサ53cを用いるものに限らず、バネ秤方式のセンサ、近接センサ、ひずみゲージなど種々のセンサを1つ又は2つ以上用いて構成されればよい。
【0029】
シャッター63は、制御部50により制御され、容器Pがプレス可能なプラスチック容器であるか否かを判別されるまで容器Pを保持する。シャッター63は、例えば図示しないモータにより駆動されて回動し、一方に回動しているときに容器Pを保持し(図3中、実線参照)、他方に回動しているときにワークの保持を解除する(図3中、破線参照)。案内部64は、制御部50により制御され、シャッター63による保持が解放された容器Pを、返却部42かプレス処理部30の一方に案内する。案内部64は、例えば図示しないモータにより駆動されて回動し、一方に回動しているときに容器Pをプレス処理部30に案内し(図3中、実線参照)、他方に回動しているときに容器Pを返却部42に案内する(図3中、破線参照)。
【0030】
プレス処理部30は、一対のプレス部31,33と、プレス部33を駆動する駆動部65と、プレス処理部30において容器Pを保持するシャッター66とを備える。
【0031】
図5は、プレス部31,33周辺を拡大して示す図であり、図6は、プレス部31,33によるワークのプレスを示す図である。なお、図5及び図6では、内部構造について破線で示している。本実施形態では、駆動部65は、モータ65aと、支持体35と、動力伝達部36と、ボールねじ37と、スライダ38と、リンク機構39とを備える。
【0032】
モータ65aは、周知のモータで構成され、制御部50により制御されて動力を出力する。支持体35は、本体11に固定されてモータ65a及びボールねじ37を支持する。動力伝達部36は、モータ65aからの動力を伝達してボールねじ37を回転させる。本実施形態では、動力伝達部36は、モータ65aの回転軸に取り付けられたギヤ36aと、ボールねじ37に取り付けられたギヤ36bと、ギヤ36a,36bに取り付けられたベルト36cとから構成される。ボールねじ37は、支持体35に対して回転可能に軸支される。スライダ38は、ボールねじ37に対応したボールねじナットを有し、ボールねじ37が回転することによってボールねじ37の長手方向(図5及び図6中、左右方向)に移動する。
【0033】
リンク機構39は、スライダ38の移動に伴ってプレス部33を移動させる。本実施形態では、リンク機構39は、長尺状の第1リンク部39aと長尺状の第2リンク部39bとが中央で互いに回動可能に軸支されて構成されている。第1リンク部39aは、スライダ38の移動に伴って回動可能なように、一端がスライダ38に取り付けられて他端がプレス部33に取り付けられている。また、第2リンク部39bは、第1リンク部39aの回動に伴って回動可能なように、一端が支持体35に取り付けられて他端がプレス部33に取り付けられている。プレス部33には、ボールねじ37の長手方向に沿ったガイド35aが形成されており、第2リンク部39bの他端はガイド35aに沿って移動可能にプレス部33に支持される。
【0034】
こうした構成により、駆動部65では、モータ65aから動力が出力されると、スライダ38がボールねじ37に沿って移動し、リンク機構39によってスライダ38の移動に伴ってプレス部33が移動する。このように、本実施形態では、一方のプレス部31を固定した状態で他方のプレス部33を駆動する構成とすることにより、簡易な構成とすることができ、装置の小型化や低価額化を図ることができる。
【0035】
プレス部31のプレス面32は、容器Pの幅方向において三角波状の凹凸形状に形成されており、プレス部33のプレス面34は、プレス部31のプレス面32と相補的な凸凹形状に形成されている。プレス部31,33は、好ましくは、各凹凸形状、凸凹形状の一辺(隣接した凹部32aと凸部32bの距離、隣接した凸部34aと凹部34bの距離)が20mm〜40mm、凸部32b,34aの角度が60°〜120°(凹部32a,34bの角度が240°〜300°)であり、本実施形態では、一辺を30mm、凸部32b,34bの角度を90°とした。そして、図6に示すように、プレス面32の凹凸形状とプレス面34の凸凹形状が対向するように、つまり、プレス部31の凹部32aとプレス部33の凸部34a、プレス部31の凸部32bとプレス部33の凹部34bがそれぞれ対向するように、プレス部31,33が近づけられて容器Pをプレスする。本実施形態では、制御部50は、所定の速度でプレス部33を移動させ、プレス部31,33の距離が一定時間にわたって一定距離未満となったときに容器Pのプレスが完了したと判断する。
【0036】
ここで、プレス面32、34の凸部32b,34aおよび凹部32a,34bの各間隔幅Lpは、容器Pの長さLwよりも小さいことが好ましい(Lp<Lw)。このように、プレス面32の凹凸形状とプレス面34の凸凹形状を対向させて容器Pをプレスすることにより、プレスされた容器Pに複数の折り筋を形成することができ、平面なプレス面でプレスした場合に比して、容器Pを効果的に圧縮してその復元を抑制することができる。また、プレス面32、34の凹凸形状、凸凹形状の間隔幅Lpを容器Pの長さLwよりも小さくすると、プレスされた容器Pの折り筋を多くすることができ、容器Pの復元をより抑制することができる。
【0037】
シャッター66は、制御部50により制御され、プレス部31,33によるプレス処理が完了するまで容器Pを保持する。シャッター66は、例えば図示しないモータにより駆動されて回動し、一方に回動しているときに容器Pを保持し(図3中、実線参照)、他方に回動しているときに容器Pの保持を解除する(図3中、破線参照)。なお、シャッター66は、プレス部31,33を駆動する駆動部65と同一の駆動源により駆動されてもよい。図7は、シャッターがプレス部と連動する例を示す図である。
【0038】
図7に示す例では、シャッター66は、回動軸66a回りに回動可能であり、回動軸66aがプレス部33の移動に伴って一体に移動するように構成されている。シャッター66には、シャッター66の回動を案内するガイド66bが設けられるとともに、シャッター66による容器Pの保持が解除される向き(図7中、反時計回り側)に付勢するバネ66cが設けられている。また、シャッター66は、プレス部33がプレス部31から離れて位置するときには、シャッター66を閉じた状態に保持する保持部66dを有する。
【0039】
図7(a)に示すように、プレス部33がプレス部31に近づく向きに移動すると(破線参照)、回動軸66aがプレス部33と一体に移動し、シャッター66の先端がガイド66bに案内されて回動する。続いて、プレス部33がプレス部31に十分に近づいてシャッター66が一定程度回動すると、図7(b)に示すように、バネ66cの付勢力によって、シャッター66が完全に開放される。一方、プレス部33がプレス部31から離れるときには、図7(c)に示すように、シャッター66が保持部66dに当接するまでは、シャッター66は開放されたままで移動する。そして、シャッター66が保持部66dに当接すると、シャッター66は、プレス部33の移動に伴って、閉じる向き(図7中、時計回り側)に回動し、プレス部33が初期位置に戻ると、シャッター66も閉じた状態となる。このようにシャッター66がプレス部31と一体に動作するように構成することによって、回収処理装置10の駆動源を少なくして、装置の軽量化および低価額化を図ることができる。
【0040】
シャッター66による容器Pの保持が解除されると、容器Pは、本体11下部に設けられた回収ボックス46に貯められる(図2参照)。図2に示すように、回収処理装置10には、回収ボックス46に回収されたプラスチック容器(容器P)の量を検知する回収量センサ55が設けられている。制御部50は、この回収量センサ55からの検知信号に基づいて、回収ボックス46のプラスチック容器の量が所定量より多いと判断したときには、異常ランプ68を点灯(点滅)させてプラスチック容器の搬送が必要なことを報知する。回収ボックス46の下部にはスライダ48が設けられており、下扉14を開いたときに回収ボックス46を手前に移動させることができる。これにより、回収したプラスチック容器の搬送作業を容易に行うことができる。なお、スライダ48は、例えば、ローラ、ベルト、チェーンなど周知の機構で構成することができる。また、下扉14の回収窓44の裏側には、回収窓44から投入されるプラスチック容器のキャップなど、容器Pの付属品を回収する回収部45aが形成されている。これにより、容器Pの付属品についても、プラスチック容器の回収時に回収をすることができる。
【0041】
制御部50は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートなどを備える。図8は、本発明の一実施形態に係るプラスチック容器の回収処理装置の制御回路の構成を示すブロック図である。制御部50には、各種センサからの検知信号、例えば第1光電センサ51、第2光電センサ52、重量センサ53、返却センサ54、回収量センサ55、開閉センサ56〜59からの信号が入力される。また、制御部50からは、各種センサへの駆動信号、例えばロック機構61,62、シャッター63、案内部64、駆動部65、シャッター66、処理可能ランプ67、異常ランプ68、返却ランプ69への駆動信号が出力される。
【0042】
次に、本実施形態の回収処理装置10の動作について説明する。図9は、本発明の一実施形態に係る制御部50が実行する回収処理ルーチンを示すフローチャートである。このルーチンは、回収処理装置10の電源が入れられているときに繰り返し実行される。
【0043】
回収処理ルーチンが実行されると、制御部50は、まずプラスチック容器の回収処理が可能であるか否かを判断する(ステップS101)。制御部50は、例えば返却センサ54からの検知信号に基づいて返却部42に容器Pが残っていると判断したときに、プラスチック容器の回収処理をできないと判断する。また、制御部50は、回収量センサ55からの検知信号に基づいて回収ボックス46に回収されたプラスチック容器が所定の許容量を超えていると判断したとき、又は、開閉センサ58,59からの検知信号に基づいて上扉12、下扉14が開放されていると判断したときに、プラスチック容器の回収処理をできないと判断する。制御部50は、プラスチック容器の回収処理をできないと判断したときには(ステップS101:No)、回収処理が可能となるまで待機する。このときには、制御部50は、例えばロック機構56を駆動して投入部40を開放不能にロックし、異常ランプ68、返却ランプ69を駆動して異常を報知する。なお、制御部50は、異常ごとにランプの点灯態様を変更してもよい。
【0044】
制御部50は、プラスチック容器の回収処理が可能であると判断したときには(ステップS101:Yes)、回収可能時処理を実行して(ステップS102)、投入部40が開放されるのを待つ(ステップS103)。制御部50は、回収可能時処理として、例えばロック機構56による投入部40のロックを解除するとともに、処理可能ランプ67を点灯駆動してプラスチック容器を回収可能であることを報知する。
【0045】
続いて、制御部50は、投入部40が開放されると(ステップS103:Yes)、投入部40が閉扉されるのを待つ(ステップS104)。ステップS103,S104の処理は、投入部40が開放されて閉扉されることにより、投入部40から容器Pが投入された可能性があるか否かを判断する処理である。
【0046】
制御部50は、開閉センサ56からの検知信号によって、投入部40が一旦開けられて閉じられたときには(ステップS103:Yes,S104:Yes)、投入部40から容器Pが投入された可能性があると判断し、重量センサ53によって所定重量Wrefよりも重い重量が検知されていないか判定する(ステップS105)。ここで、所定重量Wrefは、回収対象であるプラスチック容器よりも重い重量である。例えば、所定重量Wrefとして、容器Pに飲料が残されている場合、容器Pがガラスなどで構成されている場合、または、容器Pが複数投入された場合の値よりも小さい値として、予め実験などにより定めた値を用いることができる。
【0047】
制御部50は、ステップS105の処理では、具体的には、重量センサ53(近接センサ53c)からの検知信号に基づいて、回収対象でない重量物が投入されていないかを判断する。この実施形態では、容器Pの重さWwが所定重量Wrefよりも重いときに、壁部53aが回動して近接センサ53cにより壁部53aの回動が検知される。このため、制御部50は、近接センサ53cから壁部53の回動を検知した信号を受信したときには、容器Pの重さWwが所定重量Wrefよりも重く(ステップS105:Yes)、回収対象ではないと判断して、投入された容器Pの返却処理を実行する(ステップS109)。
【0048】
制御部50は、容器Pの返却処理として、具体的には、判別処理部20の案内部64とシャッター63を駆動して容器Pを返却部42に案内する。続いて、ロック機構62を駆動して返却部42を開放可能な状態とするとともに、返却ランプ69を点灯駆動などして容器Pの返却を報知する。このときには、返却部42の容器Pが回収されるまで、新たな容器Pが投入されないように、ロック機構56を駆動して投入部40をロックすることが望ましい。そして、返却センサ54からの検知信号に基づいて返却部42の容器Pが回収されたと判断すると、返却部42を再びロックして回収処理ルーチンを終了し、再び回収処理ルーチンを実行して容器Pが投入されるのを待つことになる。このように容器Pがプレス可能でないと判断したときには、容器Pを返却部42から返却するので、回収ボックス46に異物が混ざるのを防止することができ、回収されたプラスチック容器のリサイクルなどを容易に行うことができる。
【0049】
一方、制御部50は、容器Pの重さWwが所定重量Wref以下のときには(ステップS105:No)、重量物は投入されていないと判断し、第1光電センサ51により容器Pが検知されているかを判断する(ステップS106)。上記したように、第1光電センサ51は、透明体であるか不透明体であるかにかかわらず容器Pを検知する。このため、制御部50は、第1光電センサ51により検知がされないときには(ステップS106:No)、投入部40の開閉はなされたが、未だ容器Pは投入されていないと判断して、ステップS101の処理に戻る。
【0050】
制御部50は、第1光電センサ51により検知がされたときには(ステップS106:Yes)、透明体または不透明体の容器Pが投入されたと判断し、続いて第2光電センサ52により容器Pが検知されているかを判断する(ステップS107)。上記したように、第2光電センサ52は、透明体を検知することなく、不透明体の容器Pを検知する。このため、制御部50は、第2光電センサ52により検知がされたときには(ステップS107:Yes)、不透明体の容器Pが投入されており、回収対象であるプラスチック容器ではないと判断して、容器Pの返却処理を実行する(ステップS109)。
【0051】
制御部50は、第2光電センサ52により検知がされないときには(ステップS107:No)、透明体の容器Pが投入されており、回収対象であるプラスチック容器であると判断して、容器Pのプレス処理を実行する(ステップS108)。制御部50は、具体的には、判別処理部20の案内部64とシャッター63を駆動して容器Pをプレス処理部30に案内し、駆動部65を駆動することによりプレス部31,33を近づけて容器Pをプレスする。そして、容器Pのプレスが完了すると、制御部50は、シャッター66を駆動して容器Pを回収ボックス46に移動させる。
【0052】
容器Pのプレス処理を実行すると、制御部50は、ロック機構61を駆動して投入部40を開放可能な状態にして回収処理ルーチンを終了し、再び回収処理ルーチンを実行して容器Pが投入されるのを待つことになる。なお、制御部50は、プレス処理が所定の時間を超えて継続された場合などには、プレス処理において異常が生じたと判断し、プレス処理を停止させるとともに異常ランプ68を駆動してプレス処理による異常を報知してもよい。
【0053】
表1は、透明なプラスチック容器、不透明な空き缶および紙パック、及び、ガラス瓶が容器Pとして投入された場合に、第1光電センサ51、第2光電センサ52、及び重量センサ53による検知結果を示すとともに、回収をするかしないかを示している。表1に示すように、透明なプラスチック容器は、容器に残量物がない場合、第1光電センサ51により検知され、第2光電センサ52により検知されず、重量センサ53により検知されない。この場合には、制御部50は、容器Pを回収対象であると判断し、プレス処理を実行して回収する。一方、缶、紙パックは、第1光電センサ51及び第2光電センサ52により検知され、重量センサ53により検知されない。また、ガラス瓶は、第1光電センサ51により検知され、第2光電センサ52により検知されず、重量センサ53により検知される。つまり、制御部50は、缶、紙パック、ガラス瓶については、第2光電センサ52または重量センサ53により検知されることに基づいて、回収対象でないと判断して、返却処理を実行する。なお、第1光電センサ51による検知がされない場合には、回収処理装置10に何も投入されていないと判断して、回収処理装置10に容器Pが投入されるのを待つことになる。
【0054】
【表1】
【0055】
図10は、プレス可能な容器Pが投入されたときの回収処理装置10の動作を示す図であり、図11は、プレス可能でない容器Pが投入されたときの回収処理装置10の動作を示す図である。本実施形態の回収処理装置10では、図10に示すように、判別処理部20においてプレス可能であると判別されるときには、容器Pは案内部64によってプレス処理部30に案内される。そして、容器Pは、プレス処理部30においてプレスされ、プレス処理が完了すると、回収ボックス46に貯められる。一方、判別処理部20においてプレス可能でないと判別されるときには、図11に示すように、容器Pは案内部64によって返却部42に案内される。
【0056】
以上説明した本実施形態に係るプラスチック容器の回収処理装置10では、一方のプレス部31のプレス面32が凹凸形状に形成されるとともに、他方のプレス部33のプレス面34が一方のプレス面32と相補的な凸凹形状に形成され、プレス面32の凹凸形状とプレス面34の凸凹形状が対向するようにプレス部31,33を近づけて容器Pをプレスする。これにより、簡易な構成で容器Pを効果的に圧縮することができ、復元を抑制して容器Pを効果的に回収することができる。
【0057】
また、回収処理装置10では、透明体であるか不透明体であるかにかかわらず容器Pを検知する第1光電センサ51と、透明体は検知することなく不透明体の容器Pを検知する第2光電センサ52とを有し、第1光電センサ51により透明体または不透明体が検知され、且つ、第2光電センサ52により不透明体が検知されないときに、容器Pが回収対象のプラスチック容器であると判別する。これにより、第1光電センサ51及び第2光電センサ52に簡易なセンサを採用することができ、プラスチック容器を簡易な構成で効果的に回収することができる。
【0058】
さらに、回収処理装置10では、重量センサ53により回収対象であるプラスチック容器よりも重い重量が検知されたときには、容器Pが回収対象のプラスチック容器でないと判別する。これにより、ガラス瓶および内容物が残存した容器などを取り除くことができ、プラスチック容器を簡易な構成で効果的に回収することができる。
【0059】
上記の実施形態では、プレス部31,33のプレス面32,34は、三角波状に形成されるものとしたが、凹凸形状、凸凹形状であればよく、正弦波状、矩形波状、鋸波状に形成されてもよい。また、プレス部31,33のプレス面32,34は、相補的な凹凸形状、凸凹形状に形成されるものとしたが、これに限定されず、プレス面32,34の凹凸深さ、凸凹深さが異なるものとしてもよいし、プレス面32,34の凹凸形状、凸凹形状の位相が異なるものとしてもよい。また、プレス部31,33のプレス面32,34は、一定の間隔幅で凹凸形状、凸凹形状に形成されるものに限らず、場所ごとに凹凸形状、凸凹形状の間隔幅が異なっていてもよい。さらに、上記の実施形態では、容器Pの長さ方向においてプレス面32,34が凹凸形状、凸凹形状に形成されるものとしたが、これに代えて又は加えて、容器Pの短手方向においてプレス面32,34が凹凸形状、凸凹形状に形成されてもよい。
【0060】
また、上記の実施形態では、プレス部31,33のプレス面32,34は、全面が凹凸形状、凸凹形状に形成されるものとした。しかし、図12の変形例のプレス部131,133に示すように、中央の領域135のみを凹凸形状、凸凹形状に形成し、端の領域136を平坦に形成してもよい。こうすれば、プレス部131,133の端部に、容器Pが噛み込まれるのを抑制することができる。なお、端の領域136としては、例えば端部からの距離が20mm、30mm、50mmなどである。
【0061】
上記の実施形態では、駆動部65は、ボールねじ37を用いた構成としたが、この例に限定されず、種々の構成を採用することができる。例えば、動力を出力するモータと、モータに取り付けられるギヤと、プレス部33に取り付けられてギヤと噛合するラックギヤとによって構成してもよい。また、モータに代えて又は加えて、ソレノイドなどの動力源を用いてもよい。また、本実施形態では、プレス部31を移動させることなく、プレス部33を移動させることによってプレス部31,33を近づけるものとしたが、プレス部33に代えて又は加えてプレス部31を移動させてもよい。
【0062】
上記の実施形態では、第1光電センサ51及び第2光電センサ52は、容器Pの長手方向に沿って検知信号を出力するものとしたが、こうした例に限定されず、例えば容器Pの短手方向に沿って検知信号を出力してもよい。
【0063】
上記の実施形態では、第1光電センサ51及び第2光電センサ52は、容器Pから20mm以上離れた位置に設けられるものとしたが、20mm以内の位置に設けられてもよいし、容器Pに接触して検知するものでもよい。また、第1光電センサ51は、透明体であるか不透明体であるかにかかわらず物体を検知するものであればよく、光電センサに限られず、超音波センサまたは画像センサなど、如何なるものを用いてもよい。さらに、第2光電センサ52は、透明体を検知することなく不透明体を検知するものであればよく、超音波センサまたは画像センサなど、如何なるものを用いてもよい。
【0064】
上記の実施形態では、重量センサ53は、容器Pの重量Wwが所定重量Wrefよりも大きいか否かを検知するものとしたが、これに限らず、たとえば重量センサ53は容器Pの重量Wwを検知し、検知された重量Wwを制御部50が参照値Wrefと比較してもよい。また、重量センサ53を備えずに、第1光電センサ51と第2光電センサ52だけを用いて、容器Pが回収対象であるか否かを判別してもよい。さらに、重量センサ53に代えて、または加えて、容器Pの材質を検知するセンサなど他のセンサを用いてもよい。
【0065】
上記の実施形態では、プラスチック容器の回収処理装置10は、容器Pをプレスするプレス処理部30を備えるものとしたが、プレス処理部30を備えないものとしてもよく、これに代えて、又は加えて、細断機構など、他の機構を備えてもよい。
【0066】
上記の実施形態では、プラスチック容器の回収処理装置10は、投入された容器Pを回収対象でないと判断したときには、案内部64を駆動して容器Pを返却部42に案内し、返却部42から容器Pを返却するものとした。しかし、この例に限らず、例えば図13及び図14の変形例の回収処理装置110に示すように、投入部40から容器Pが返却されてもよい。図13及び図14に示す例では、案内部64、返却部42、及び返却ランプ69が設けられていない。この場合、制御部50は、容器Pが回収対象でないと判断したときには、異常ランプ68を点灯または点滅させて、投入部40から容器Pの返却を促せばよい。こうした構成により、回収処理装置110の部品点数を少なくして、装置をより簡易な構成とすることができる。
【0067】
以上、本発明の実施の形態および実施例について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、様々な変更(構成要素の削除等を含む)をなし得ることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0068】
10 回収処理装置
12 上扉
14 下扉
20 分別処理部
30 プレス処理部
31,33 プレス部
32,34 プレス面
40 投入部
42 返却部
46 回収ボックス
50 制御部
51 第1光電センサ
52 第2光電センサ
53 重量センサ
P 容器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14