(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1実施形態>
本発明の光弾性ポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネート成分と活性水素基含有成分とを含有するポリウレタン樹脂組成物を、反応および硬化させることにより、得ることができる。
【0016】
ポリイソシアネート成分は、必須成分として、芳香環含有ポリイソシアネートを含む。芳香環含有ポリイソシアネートは、1,4−フェニレン基(但し、1,4−フェニレン基における一部の水素原子が、メチル基および/またはメトキシ基で置換されていてもよい。)、および/または、1,5−ナフチレン基を含有している。
【0017】
1,4−フェニレン基を含有する芳香環含有ポリイソシアネートとしては、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの重合物(カルボジイミド変性MDI、ウレトンイミン変性MDI、アシル尿素変性MDIなど)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’−MDI)、3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート(TODI)、3,3′−ジメトキシビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、1,4−キシリレンジイソシアネート(1,4−XDI)などのベンゼン環含有ポリイソシアネート(具体的には、ベンゼン環含有ジイソシアネート)などが挙げられる。
【0018】
また、1,5−ナフチレン基を含有する芳香環含有ポリイソシアネートとしては、例えば、1,5−ナフタレンジイソシアネート(1,5−NDI)などのナフタレン環含有ポリイソシアネート(具体的には、ナフタレン環含有ジイソシアネート)などが挙げられる。
【0019】
1,4−フェニレン基および/または1,5−ナフチレン基を含有する芳香環含有ポリイソシアネートのうち、好ましくは、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(1,5−NDI)が挙げられる。
【0020】
ポリイソシアネート成分は、単独使用または2種以上併用することができる。好ましくは、4,4′−MDIとTODIとを併用する。
【0021】
また、ポリイソシアネート成分は、芳香環含有ポリイソシアネート以外のその他のポリイソシアネートを任意成分として含有することもできる。
【0022】
その他のポリイソシアネートとしては、例えば、芳香族ポリイソシアネート(上記した芳香環含有ポリイソシアネートを除く)、芳香脂肪族ポリイソシアネート、(上記した芳香環含有ポリイソシアネートを除く)、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートなどが挙げられる。
【0023】
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、2,2’−MDI、2,6−TDI、m−フェニレンジイソシアネート、2,6−NDIなどの芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
【0024】
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−キシリレンジイソシアネート(1,3−XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などの芳香脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。
【0025】
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、4,4′−、2,4′−または2,2′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートもしくはその混合物(H
12MDI)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(水添キシリレンジイソシアネート、H
6XDI)、2,5−または2,6−ビス(イソシアナトメチル)ノルボルナンもしくはその混合物(NBDI)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−または1,3−シクロヘキサンジイソシアネートもしくはその混合物、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネートが挙げられる。
【0026】
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート(TMDI)、ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、1,2−、2,3−または1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。
【0027】
ポリイソシアネート成分のうち、1,4−フェニレン基および/または1,5−ナフチレン基を含有する芳香環含有ポリイソシアネートの配合割合は、ポリイソシアネート成分の総量に対して、例えば、30質量%以上、さらに好ましくは、50質量%以上、とりわけ好ましくは、90質量%以上である。
【0028】
ポリイソシアネート成分の芳香環濃度は、ポリウレタン樹脂組成物に対して、例えば、10質量%以上、好ましくは、12質量%以上であり、通常、例えば、30質量%以下、好ましくは、26質量%以下、さらに好ましくは、16質量%以下である。
【0029】
ポリイソシアネート成分の芳香環濃度が上記した下限以上であれば、優れた光弾性を得ることができる。
【0030】
ポリイソシアネート成分の芳香環濃度が上記した上限以下であれば、優れた光弾性を得ることができる。
【0031】
ポリイソシアネート成分の芳香環濃度は、ポリイソシアネート成分に由来する芳香環の、ポリウレタン樹脂組成物における質量割合であって、後述するシアノ化合物に由来する芳香環を含まない。
【0032】
また、芳香環濃度は、ポリイソシアネート成分が1,4−フェニレン基を含有する場合には、そのポリイソシアネートの分子量を78(g/モル)とし、また、ポリイソシアネート成分が1,5−ナフチレン基を含有する場合には、そのポリイソシアネートの分子量を128(g/モル)として算出される。
【0033】
活性水素基含有成分は、活性水素基(例えば、水酸基、アミノ基など)を有する化合物であって、例えば、ポリオール、ポリアミンなどが挙げられ、好ましくは、ポリオールが挙げられる。
【0034】
ポリオールは、好ましくは、高分子量ポリオールを含有している。
【0035】
高分子量ポリオールは、水酸基を2つ以上有し、平均水酸基価(後述)が20〜500mgKOH/gの化合物であり、かつ、平均官能基数(後述)が2の場合には、数平均分子量が225以上の化合物であり、あるいは、平均官能基数が3の場合には、数平均分子量337以上の化合物である。
【0036】
そのような高分子量ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ダイマーポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリオキシアルキレンポリエステルブロック共重合体ポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオール、天然油ポリオール、シリコーンポリオール、フッ素ポリオールなどが挙げられる。
【0037】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリアルキレン(C2〜3)ポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオールなどのポリオキシアルキレンポリオールなどが挙げられる。
【0038】
ポリアルキレン(C2〜3)ポリオールとしては、例えば、低分子量ポリオールを開始剤とする、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドの付加重合物(2種以上のアルキレンオキサイドのランダムおよび/またはブロック共重合体を含む)が挙げられる。具体的には、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体(ランダムおよび/またはブロック共重合体)などが挙げられる。
【0039】
低分子量ポリオールは、水酸基を2つ以上有し、平均水酸基価(後述)が500mgKOH/gを超過する化合物であり、かつ、官能基数(後述)が2の場合には、分子量が40以上225未満のジオールであり、あるいは、官能基数が3の場合には、分子量40以上337未満のトリオールである。
【0040】
そのような低分子量ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、トリメチレングリコール(1,3−プロパンジオール)、1,4−ブチレングリコール(1,4−ブタンジオール)、1,3−ブチレングリコール(1,3−ブタンジオール)、1,2−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、アルカン(炭素数7〜13)ジオールや、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオールなどアルケン(炭素数4〜13)ジオールなどの脂肪族ジオール(炭素数2〜13)や、例えば、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール(炭素数6〜13)、さらには、例えば、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、キシレングリコールなどの芳香族ジオール(芳香環を含有する炭素数6〜13の芳香環含有ジオール)、さらにまた、ジエチレングリコール、トリオキシエチレングリコール、テトラオキシエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリオキシプロピレングリコールなどのオキシアルキレンアルコールなどのジオール(炭素数2〜9)(2価アルコール)、例えば、グリセリン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ブタノールなどの炭素数3〜6の脂肪族トリオール、および、その他の脂肪族トリオール(炭素数7〜20)などのトリオール(3価アルコール)、例えば、テトラメチロールメタン(ペンタエリスリトール)、ジグリセリン(ジグリセロール)などのテトラオール(4価アルコール)(炭素数5〜27)、例えば、キシリトールなどのペンタオール(5価アルコール)(炭素数5〜33)、例えば、ソルビトール、マンニトール、アリトール、イジトール、ダルシトール、アルトリトール、イノシトール、ジペンタエリスリトールなどのヘキサオール(6価アルコール)(炭素数6〜40)、例えば、ペルセイトールなどの7価アルコール(ヘプタオール)(炭素数7〜47)、例えば、ショ糖などのオクタオール(8価アルコール)(炭素数8〜54)などが挙げられる。
【0041】
これら低分子量ポリオールは、単独使用または2種以上併用することができる。
【0042】
ポリテトラメチレンエーテルポリオールとしては、例えば、テトラヒドロフランのカチオン重合により得られる開環重合物、例えば、テトラヒドロフランの重合単位に上記したジオールなどを共重合した非晶性ポリテトラメチレンエーテルグリコール、例えば、テトラヒドロフランの重合単位に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロヒドリンおよび/またはベンジルグリシジルエーテルなどを共重合した非晶性ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどが挙げられる。
【0043】
また、ポリエーテルポリオールとして、例えば、上記した炭素数6〜13の芳香環含有ジオール(具体的には、ビスヒドロキシエトキシベンゼンなど)、水酸基価が500mgKOH/g以下の芳香環含有ジオール(具体的には、ビスヒドロキシエチルテレフタレート、ビスフェノールAなど)などの芳香族ジオールに、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはテトラヒドロフランなどを付加重合した芳香環含有ポリオールも挙げられる。
【0044】
ポリエーテルポリオールとしては、好ましくは、ポリテトラメチレンエーテルグリコールが挙げられる。
【0045】
ポリエステルポリオールとしては、例えば、上記した低分子量ポリオールと、多塩基酸またはその酸無水物あるいはその酸ハライドとの反応により得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
【0046】
多塩基酸およびその酸無水物またはその酸ハライドとしては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、グルタール酸、アジピン酸、1,1−ジメチル−1,3−ジカルボキシプロパン、3−メチル−3−エチルグルタール酸、アゼライン酸、セバチン酸、その他の脂肪族ジカルボン酸(C11〜C13)、水添ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トルエンジカルボン酸、ダイマー酸、ヘット酸などのカルボン酸(ジカルボン酸)、および、これらのカルボン酸などから誘導される酸無水物、例えば、無水シュウ酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水2−アルキル(C12〜C18)コハク酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水トリメリット酸、さらには、これらの無水カルボン酸などから誘導される酸ハライド、例えば、シュウ酸ジクロライド、アジピン酸ジクロライド、セバチン酸ジクロライドなどが挙げられる。
【0047】
また、ポリエステルポリオールとしては、例えば、上記した低分子量ポリオールを開始剤として、例えば、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトンなどのラクトン類を開環重合して得られる、ポリカプロラクトンポリオール、ポリバレロラクトンポリオールなどのラクトン系ポリエステルポリオールなどが挙げられる。
【0048】
さらに、ポリエステルポリオールとして、例えば、上記した低分子量ポリオールと、水酸基含有植物油脂肪酸(例えば、リシノレイン酸を含有するひまし油脂肪酸、12−ヒドロキシステアリン酸を含有する水添ひまし油脂肪酸など)などのヒドロキシカルボン酸とを、公知の条件下、縮合反応させて得られる植物油系ポリエステルポリオールなどが挙げられる。
【0049】
ポリカーボネートポリオールは、例えば、上記した低分子量ポリオールを開始剤として、例えば、触媒の存在下または不在下に、ホスゲン、ジアルキルカーボネート、ジアリルカーボネート、アルキレンカーボネートなどを反応させることにより、得ることができる。ポリカーボネートポリオールは、好ましくは、ジオールを開始剤とするポリカーボネートジオールが挙げられる。
【0050】
ポリオレフィンポリオールとしては、例えば、ブタジエン、イソプレンなどの共役二重結合含有モノマーの重合体の末端に水酸基を付加した、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンジオールなどが挙げられる。
【0051】
ダイマーポリオールとしては、通常、工業用原料として入手し得る、主成分が炭素数18の不飽和脂肪酸の2量体を還元して得られるダイマージオールなどが挙げられる。
【0052】
ポリウレタンポリオールとしては、上記により得られたポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールおよび/またはポリカーボネートポリオールを、イソシアネート基に対する水酸基の当量比(OH/NCO)が1を超過する割合で、上記したポリイソシアネート成分と反応させることによって得られる、ポリエーテルポリウレタンポリオール、ポリエステルポリウレタンポリオール、ポリカーボネートポリウレタンポリオール、あるいは、ポリエステルポリエーテルポリウレタンポリオールなどが挙げられる。
【0053】
ポリオキシアルキレンポリエステルブロック共重合体ポリオールとしては、例えば、特公昭48−10078号公報に記載されているように、ポリオキシアルキレンポリオールにポリエステル鎖をブロックした構造のもの、すなわち、ポリオキシアルキレンポリオールまたは水酸基を有するその誘導体の各ヒドロキシ基の水素原子と置換する部分が、一般式(A)
(−CO−R
5−COO−R
6−O−)n (A)
(式中、R5およびR6はそれぞれ2価の炭化水素基であり、nは平均1より大きい数を示す。)で表されるものが含まれる。
【0054】
一般式(A)中、R5で示される2価の炭化水素基としては、例えば、飽和脂肪族または芳香族ポリカルボン酸残基、R6で示される2価の炭化水素基としては、例えば、環状エーテル基をもつ化合物が開裂した残基が挙げられ、nは、好ましくは1〜20の整数である。
【0055】
このポリオキシアルキレンポリエステルブロック共重合体ポリオールは、上記したポリオキシアルキレンポリオール(ポリエーテルポリオール)に、ポリカルボン酸無水物とアルキレンオキシドを反応させることにより得られる。
【0056】
高分子量ポリオールの平均水酸基価は、20〜500mgKOH/gであり、好ましくは、80〜300mgKOH/g、さらに好ましくは、100〜250mgKOH/gである。
【0057】
高分子量ポリオールの水酸基価(単位:mgKOH/g)は、JIS K 1557−1のA法またはB法に準拠するアセチル化法またはフタル化法などから求めることができる。
【0058】
そして、高分子量ポリオールの平均水酸基価(単位:mgKOH/g)は、高分子量ポリオールが単独使用される場合には、その高分子量ポリオールの水酸基価と同一である。一方、高分子量ポリオールの平均水酸基価は、高分子量ポリオールが併用される場合には、それらの平均値である。
【0059】
高分子量ポリオールの平均水酸基価が上記した範囲を超過すると、光弾性ポリウレタン樹脂において、ヤング率が高くなり過ぎ、所望の光弾性定数を得ることができない場合がある。一方、平均水酸基価が上記した範囲未満であると、ガラス転移温度が過度に低くなり、加工性や耐傷付き性が低下する場合がある。
【0060】
高分子量ポリオールの平均官能基数は、例えば、1.9〜3、好ましくは、1.9〜2.5、さらに好ましくは、2.0〜2.2である。
【0061】
高分子量ポリオールの官能基数は、高分子量ポリオールの水酸基数であって、具体的には、1分子当たりの活性な水酸基の数である。
【0062】
そして、高分子量ポリオールの平均官能基数は、高分子量ポリオール1分子当たりの活性な水酸基の平均値である。つまり、異なる官能基数を有する高分子量ポリオールが混合(併用)される場合は、その高分子量ポリオールの混合物の分子数に対する混合物の活性な水酸基の数の割合を示した数値が、高分子量ポリオールの平均官能基数である。
【0063】
なお、高分子量ポリオールの平均官能基数は、次式(B)から求めることもできる。
【0064】
平均官能基数=(各高分子量ポリオールの官能基数×当量数)の総和/各高分子量ポリオールの当量数の総和 (B)
高分子量ポリオールの数平均分子量は、例えば、225〜20,000、好ましくは、500〜15,000である。
【0065】
数平均分子量は、次式(C)から求めることができる。
【0066】
数平均分子量=56100×平均官能基数/平均水酸基価 (C)
高分子量ポリオールの平均官能基数が上記した範囲を超過すると、光弾性ポリウレタン樹脂において、所望の光弾性定数を得にくい場合がある。一方、平均官能基数が上記した範囲未満であると、ヤング率が低くなり過ぎ、加工性や耐傷付き性が低下する場合がある。
【0067】
高分子量ポリオールとして、好ましくは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオールが挙げられる。
【0068】
さらに好ましくは、ポリテトラメチレンエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール(具体的には、ポリカーボネートジオール)が挙げられる。
【0069】
ポリテトラメチレンエーテルグリコールの平均水酸基価は、100〜250mgKOH/g、好ましくは、100〜220mgKOH/gである。ポリテトラメチレンエーテルグリコールの平均水酸基価が上記した範囲内にあれば、高い光弾性と高い剛性とを両立することができる。
【0070】
ポリカーボネートジオールの平均水酸基価は、100〜250mgKOH/g、好ましくは、150〜250mgKOH/gである。ポリカーボネートジオールの平均水酸基価が上記した範囲内にあれば、高い光弾性と高い剛性とを両立することができる。
【0071】
これら高分子量ポリオールは、単独使用または2種以上併用することができる。
【0072】
また、ポリオールは、上記した高分子量ポリオールに加え、上記した低分子量ポリオールを含有することもできる。
【0073】
ポリオールが低分子量ポリオールを含有することにより、ポリオールの平均水酸基価を増大させて、その分、イソシアネートインデックス(後述)を所望の値に調整すべく、上記したポリイソシアネート成分(好ましくは、芳香環含有ポリイソシアネート)をポリウレタン樹脂組成物に多く配合することができる。そのため、光弾性ポリウレタン樹脂の光弾性定数を高めることができる。
【0074】
低分子量ポリオールとしては、好ましくは、ジオール、トリオール、テトラオールが挙げられ、具体的には、炭素数2〜10のジオール、炭素数3〜10のトリオール、炭素数5〜10のテトラオールが挙げられる。
【0075】
炭素数2〜10のジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール(1,3−プロパンジオール)、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、アルカン(炭素数7〜10)ジオールや、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオールなどアルケン(炭素数4〜10)ジオール、などの脂肪族ジオール(炭素数2〜10)や、例えば、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール(炭素数6〜10)、例えば、キシレングリコールなどの芳香族ジオール(炭素数6〜10の芳香環含有ジオール)、さらにまた、ジエチレングリコール、トリオキシエチレングリコール、テトラオキシエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリオキシプロピレングリコールなどのオキシアルキレンアルコールなどのジオール(炭素数2〜10)などが挙げられる。
【0076】
炭素数3〜10のトリオールとしては、例えば、グリセリン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ブタノールなどの炭素数3〜6の脂肪族トリオール、および、その他の脂肪族トリオール(炭素数7〜10)などのトリオールなどが挙げられる。
【0077】
炭素数5〜10のテトラオールとしては、例えば、テトラメチロールメタン、ジグリセリンなどのテトラオールなどが挙げられる。
【0078】
また、低分子量ポリオールとしては、例えば、数平均分子量400以下のポリアルキレンオキサイドなども挙げられる。そのようなポリアルキレンオキサイドは、例えば、上記した低分子量ポリオール(ジオール、トリオールなど)を開始剤として、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加反応させることによって、ポリエチレングリコール(ポリオキシエチレンエーテルグリコール)、ポリプロピレングリコール(ポリオキシプロピレンエーテルグリコール)、ポリエチレンポリプロピレングリコール(ランダムまたはブロック共重合体)などとして得ることができる。
【0079】
低分子量ポリオールは、単独使用または2種以上併用することができる。
【0080】
好ましくは、トリオールが少なくとも用いられ、具体的には、炭素数3〜10のトリオールの単独使用、炭素数3〜10のトリオールおよび炭素数2〜10のジオールの併用が挙げられる。
【0081】
低分子量ポリオールの配合割合は、高分子量ポリオール100質量部に対して、例えば、0.1〜30質量部、好ましくは、0.5〜25質量部である。
【0082】
炭素数3〜10のトリオールが単独使用される場合には、炭素数3〜10のトリオールの配合割合は、高分子量ポリオール100質量部に対して、例えば、10質量部以下、好ましくは、9質量部以下、さらに好ましくは、0.5〜6質量部である。
【0083】
炭素数3〜10のトリオールの配合割合が上記した範囲を超える場合は、光弾性ポリウレタン樹脂が不透明になり、光が光弾性ポリウレタン樹脂を透過しない場合や、光弾性ポリウレタン樹脂のヤング率が高くなり過ぎる場合がある。
【0084】
炭素数3〜10のトリオールおよび炭素数2〜10のジオールが併用される場合において、炭素数3〜10のトリオールの配合割合は、高分子量ポリオール100質量部に対して、例えば、0.5〜10質量部、好ましくは、0.6〜6質量部であり、炭素数2〜10のジオールの配合割合は、高分子量ポリオール100質量部に対して、例えば、25質量部以下、好ましくは、0.1〜10質量部である。炭素数3〜10のトリオールおよび炭素数2〜10のジオールの配合割合が上記した範囲内にあれば、高い光弾性と高い剛性とを両立することができる。
【0085】
また、炭素数3〜10のトリオールおよび炭素数2〜10のジオールが併用される場合において、それらの総量の配合割合は、高分子量ポリオール100質量部に対して、例えば、0.1〜30質量部、好ましくは、0.5〜25質量部、さらに好ましくは、0.7〜6質量部である。
【0086】
トリオールおよびジオールの総量が上記した範囲未満であると、ヤング率が過度に低下して、成形性や耐傷付性が低下したり、光弾性定数が低下する場合がある。トリオールおよびジオールの総量が上記した範囲を超過すると、ヤング率が過度に高くなる場合がある。
【0087】
そして、活性水素基含有成分の配合割合としては、ポリイソシアネート成分100質量部に対して、活性水素基含有成分中の高分子量ポリオールが、例えば、120〜400質量部、好ましくは、125〜333質量部である。
【0088】
換言すれば、ポリイソシアネート成分の含有割合が、高分子量ポリオール100質量部に対して、例えば、25〜85質量部、好ましくは、30〜80質量部である。ポリイソシアネート成分の含有割合が上記した範囲内にあれば、高い剛性と高い剛性とを両立することができる。
【0089】
ポリイソシアネート成分の含有割合が上記した範囲を超過する場合には、ヤング率が過度に高くなり、光弾性ポリウレタン樹脂における所望の光弾性定数を得られない場合がある。
【0090】
ポリイソシアネート成分の含有割合が上記した範囲未満である場合には、光弾性ポリウレタン樹脂における所望の光弾性定数を得られない場合がある。
【0091】
また、本発明のポリウレタン樹脂組成物には、可塑剤を含有させることができる。
【0092】
可塑剤は、光弾性ポリウレタン樹脂のガラス転移温度を低下させるべく、ポリウレタン樹脂組成物に必要により配合され、例えば、シアノ化合物、フタル酸エステル(例えば、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル(DINP))、例えば、アジピン酸エステル(例えば、アジピン酸ジオクチル)、例えば、セバシン酸エステル(例えば、セバシン酸ジオクチル)、リン酸トリグリシジル、アセチルクエン酸トリブチル、エポキシ化大豆油、トリメリット酸トリオクチル、アルキルベンゼン、アルキルビフェニル(例えば、4−ペンチルビフェニル)、塩素化パラフィン、高沸点溶剤、イオン液体(例えば、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)、ポリステル系可塑剤などが挙げられる。好ましくは、シアノ化合物が挙げられる。
【0093】
シアノ化合物をポリウレタン樹脂組成物に配合すれば、成形体のヤング率を低減することができ、それによって、光弾性ポリウレタン樹脂の加工性を向上することができるとともに、光弾性定数を増大させることもできる。
【0094】
シアノ化合物は、例えば、炭素数が14〜24であり、4−シアノフェニル基(但し、4−シアノフェニル基における一部の水素原子が、フッ素原子で置換されていてもよい。)を有している。
【0095】
シアノ化合物が、4−シアノフェニル基を有することによって、光弾性定数をより一層増大させることができる。
【0096】
4−シアノフェニル基において、フッ素原子が置換する水素原子としては、例えば、2位〜6位の水素原子であって、好ましくは、2位の水素原子である。
【0097】
シアノ化合物としては、具体的には、下記式(1)で示されるビフェニル化合物、
【0099】
(式中、R1は、炭素数が1〜11のアルキル基、炭素数が7〜11の4−アルキルフェニル基、または、炭素数が7〜11の4−アルキルシクロヘキシル基を示す。)
下記式(2)で示されるエーテル化合物、
【0101】
(式中、R2は、炭素数が1〜11のアルキル基を示す。)
下記式(3)で示されるシクロヘキシル化合物、
【0103】
(R3は、炭素数が1〜11のアルキル基、または、炭素数が5〜11のアルケニル基を示す。)
下記式(4)で示されるフェニルエステル化合物が挙げられる。
【0105】
(R4は、水素原子または炭素数が1〜10のアルキル基を示す。)
上記式(1)中、R1として示される炭素数1〜11のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、ドデシルなどの直鎖または分岐のアルキル基が挙げられる。好ましくは、炭素数2〜7のアルキル基が挙げられる。
【0106】
上記式(1)中、R1として示される炭素数7〜11の4−アルキルフェニル基としては、例えば、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、4−プロピルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−ペンチルフェニル、4−イソペンチルフェニル、4−tertペンチルフェニルなどの、炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルキル部分を有する、4−アルキルフェニル基が挙げられる。好ましくは、炭素数3〜5のアルキル部分を有する、炭素数9〜11の4−アルキルフェニル基が挙げられる。
【0107】
炭素数7〜11の4−アルキルシクロヘキシル基としては、例えば、4−メチルシクロヘキシル、4−エチルシクロヘキシル、4−プロピルシクロヘキシル、4−イソイプロピルシクロヘキシル、4−ペンチルシクロヘキシル、4−イソペンチルシクロヘキシル、4−tertペンチルシクロヘキシル、炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルキル部分を有する、4−アルキルシクロヘキシル基が挙げられる。好ましくは、炭素数3〜5のアルキル部分を有する、炭素数9〜11の4−アルキルシクロヘキシル基が挙げられる。
【0108】
上記式(1)で示されるR1として、好ましくは、炭素数1〜11のアルキル基、炭素数7〜11の4−アルキルシクロヘキシル基が挙げられる。
【0109】
上記式(1)で示されるビフェニル化合物として、具体的には、4−シアノ−4´−メチルビフェニル、4−シアノ−4´−ペンチルビフェニル、4−シアノ−4´−(4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニルなどが挙げられる。
【0110】
上記式(2)中、R2で示される炭素数1〜11のアルキル基としては、上記式(1)のR1で示される炭素数1〜11のアルキル基と同様のアルキル基が挙げられる。
【0111】
上記式(2)で示されるエーテル化合物としては、具体的には、4−シアノ−4´−ペンチルオキシビフェニルなどが挙げられる。
【0112】
上記式(3)中、R3で示される炭素数が1〜11のアルキル基としては、上記式(1)のR1で示される炭素数1〜11のアルキル基と同様のアルキル基が挙げられる。
【0113】
上記式(3)中、R3で示される炭素数が5〜11のアルケニル基としては、例えば、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デシニル、ドデシニルなどが挙げられる。
【0114】
上記式(3)中、R3として、好ましくは、炭素数が1〜11のアルキル基が挙げられる。
【0115】
上記式(3)で示されるシクロヘキシル化合物としては、具体的には、4−(4−ペンチルシクロヘキシル)ベンゾニトリル、4−((3−ペンテニル)−4−シクロヘキシル)ベンゾニトリル、2−フルオロ−4−(4−ペンチルシクロヘキシル)ベンゾニトリルなどが挙げられる。
【0116】
上記式(4)中、R4で示される炭素数が1〜10のアルキル基は、上記式(1)のR1で示される炭素数1〜11のアルキル基として例示したアルキル基のうち、炭素数1〜10のアルキル基と同様のアルキル基が挙げられる。
【0117】
上記式(4)で示されるフェニルエステル化合物としては、例えば、4−プロピル安息香酸4−シアノフェニル、4−ヘプチル安息香酸4−シアノフェニル、4−ペンチル安息香酸4−シアノ−3,5−ジフルロオフェニルなどが挙げられる。
【0118】
また、シアノ化合物として、例えば、シアノベンゼン、4−メトキシベンゼンなども挙げられる。
【0119】
シアノ化合物は、単独使用または2種以上併用することができる。
【0120】
シアノ化合物のうち、好ましくは、ビフェニル化合物が挙げられる。
【0121】
可塑剤の配合割合は、高分子量ポリオール100質量部に対して、例えば、100質量部以下、好ましくは、1〜60質量部、さらに好ましくは、5〜30質量部である。
【0122】
可塑剤の配合割合が上記した範囲を超過する場合には、光弾性ポリウレタン樹脂のヤング率が過度に低下して、光弾性ポリウレタン樹脂の外観が不透明となる場合がある。
【0123】
そして、上記したポリイソシアネート成分と活性水素基含有成分と必要により可塑剤とを処方(配合)することにより、ポリウレタン樹脂組成物を得る。
【0124】
ポリウレタン樹脂組成物に配合される各成分の好適な組合せとして、例えば、1,4−フェニレン基を含有する芳香環含有ポリイソシアネートと、ポリエーテルポリオールと、炭素数3〜10のトリオールとの組合せが挙げられ、具体的には、ベンゼン環含有ジイソシアネートと、ポリテトラメチレンエーテルポリオールと、炭素数3〜6の脂肪族トリオールとの組合せが挙げられ、好ましくは、ベンゼン環含有ジイソシアネートと、ポリテトラメチレンエーテルポリオールと、炭素数3〜6の脂肪族トリオールとの組合せのみからなる。
【0125】
また、ポリウレタン樹脂組成物に処方される各成分の好適な組合せとして、例えば、1,4−フェニレン基を含有する芳香環含有ポリイソシアネートと、ポリエーテルポリオールと、炭素数2〜10のジオールと、炭素数3〜10のトリオールとの組合せが挙げられ、具体的には、ベンゼン環含有ジイソシアネートと、ポリテトラメチレンエーテルポリオールと、炭素数2〜10の脂肪族ジオールと、炭素数3〜6の脂肪族トリオールとの組合せが挙げられる。
【0126】
また、ポリウレタン樹脂組成物に処方される各成分の好適な組合せとして、例えば、複数種類の芳香環含有ポリイソシアネートと、ポリエーテルポリオールと、炭素数2〜10のジオールと、炭素数3〜10のトリオールとの組合せが挙げられ、具体的には、ベンゼン環含有ジイソシアネートおよびナフタレン環含有ジイソシアネートと、ポリテトラメチレンエーテルポリオールと、炭素数2〜10の脂肪族ジオールと、炭素数3〜6の脂肪族トリオールとの組合せ、あるいは、異なる2種類のベンゼン環含有ジイソシアネートと、ポリテトラメチレンエーテルポリオールと、炭素数2〜10の脂肪族ジオールと、炭素数3〜6の脂肪族トリオールとの組合せが挙げられる。
【0127】
さらに、ポリウレタン樹脂組成物に処方される各成分の好適な組合せとして、例えば、1,4−フェニレン基を含有する芳香環含有ポリイソシアネートと、ポリエーテルポリオールと、炭素数2〜10のジオールと、炭素数3〜10のトリオールと、可塑剤との組合せが挙げられ、具体的には、ベンゼン環含有ジイソシアネートと、ポリテトラメチレンエーテルポリオールと、炭素数2〜10の脂肪族ジオールと、炭素数3〜6の脂肪族トリオールと、ビフェニル化合物との組合せが挙げられる。
【0128】
さらにまた、ポリウレタン樹脂組成物に処方される各成分の好適な組合せとして、例えば、1,4−フェニレン基を含有する芳香環含有ポリイソシアネートと、ポリカーボネートポリオールと、炭素数3〜10のトリオールと、可塑剤との組合せが挙げられ、具体的には、ベンゼン環含有ジイソシアネートと、ポリカーボネートジオールと、炭素数3〜6の脂肪族トリオールと、ビフェニル化合物との組合せが挙げられる。
【0129】
また、ポリウレタン樹脂組成物に処方される各成分の好適な組合せとして、例えば、1,4−フェニレン基を含有する複数種類の芳香環含有ポリイソシアネートと、ポリエーテルポリオールと、炭素数2〜10のジオールと、炭素数3〜10のトリオールと、可塑剤との組合せが挙げられ、具体的には、異なる2種類のベンゼン環含有ジイソシアネートと、ポリテトラメチレンエーテルポリオールと、炭素数2〜10の脂肪族ジオールと、炭素数3〜6の脂肪族トリオールと、ビフェニル化合物またはエーテル化合物との組合せが挙げられる。
【0130】
また、ポリウレタン樹脂組成物に処方される各成分の好適な組合せとして、例えば、複数種類の芳香環含有ポリイソシアネートと、ポリカーボネートポリオールと、炭素数3〜10のトリオールとの組合せが挙げられ、具体的には、ベンゼン環含有ジイソシアネートおよびナフタレン環含有ジイソシアネートと、ポリカーボネートジオールと、炭素数3〜10の脂肪族トリオールとの組合せが挙げられる。
【0131】
さらに、ポリウレタン樹脂組成物に処方される各成分の好適な組合せとして、例えば、1,4−フェニレン基を含有する芳香環含有ポリイソシアネートと、ポリエステルポリオールと、炭素数3〜10のトリオールとの組合せが挙げられ、具体的には、ベンゼン環含有ポリイソシアネートと、ジカルボン酸およびジオールの重縮合物であるポリエステルジオールと、炭素数3〜10の脂肪族トリオールとの組合せが挙げられる。
【0132】
そして、光弾性ポリウレタン樹脂は、このようにして得られるポリウレタン樹脂組成物から、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させて、ポリウレタン樹脂組成物を硬化および成形することにより、得ることができる。
【0133】
ポリイソシアネート成分と活性水素基含有成分とを反応させるには、例えば、ワンショット法やプレポリマー法などの公知の成形方法に準拠することができる。
【0134】
ワンショット法では、例えば、ポリイソシアネート成分と活性水素基含有成分とを、イソシアネートインデックス(水酸基濃度に対するイソシアネート基濃度の比に100を乗じた値、NCO濃度/水酸基濃度×100)が、例えば、70〜400、好ましくは、80〜150となるように処方(混合)して、それらを成形型に注入して、例えば、0℃〜250℃、好ましくは、室温(20℃)〜150℃で、例えば、1分間〜7日間、好ましくは、10分間〜2日間、硬化反応させる。
【0135】
なお、ポリイソシアネート成分として、4,4′−MDIとTODIとを併用する場合、ポリイソシアネート成分と活性水素基含有成分とを反応させるには、まず、高分子量ポリオールとTODIとを反応させて、高分子量ポリオールとTODIとの反応物(水酸基末端)を得る。このとき、高分子量ポリオールとTODIとのイソシアネートインデックスは、例えば、1以上であり、例えば、100未満、好ましくは、50以下である。
【0136】
次いで、高分子量ポリオールとTODIとの反応物(水酸基末端)に、低分子量ポリオールを配合し、高分子量ポリオールとTODIとの反応物(水酸基末端)、および、低分子量ポリオールと、4,4′−MDIとを処方(混合)する。このとき、高分子量ポリオールとTODIとの反応物(水酸基末端)、および、低分子量ポリオールと、4,4′−MDIとのイソシアネートインデックスは、例えば、100を超過、好ましくは、100.1以上であり、例えば、110以下である。
【0137】
硬化反応では、ウレタン化触媒を添加することができる。ウレタン化触媒としては、例えば、錫系触媒(例えば、オクチル酸錫など)、鉛系触媒(例えば、オクチル酸鉛など)、ビスマス系触媒、チタン系触媒、ジルコニウム系触媒、有機金属系触媒、アミン系触媒などが挙げられ、好ましくは、高い光弾性定数を得る観点から、鉛系触媒が挙げられる。
【0138】
ウレタン化触媒の配合割合は、ポリイソシアネート成分100質量部に対して、例えば、0.0001〜2.0質量部、好ましくは、0.0005〜1.0質量部である。
【0139】
また、上記した硬化反応は、公知の溶媒の存在下で実施することもできる。
【0140】
そして、成形型に注入して硬化反応させた後、脱型すれば、所定形状に成形された光弾性ポリウレタン樹脂を得ることができる。
【0141】
あるいは、ポリウレタン樹脂組成物を、例えば、ガラス基板、樹脂フィルムなどの基材の上に均一な厚みで塗布して皮膜を形成し、続いて、硬化させることにより、所定の厚みの光弾性ポリウレタン樹脂を形成することができる。
【0142】
なお、光弾性ポリウレタン樹脂は、硬化後、基材から剥離することができる。あるいは、光弾性ポリウレタン樹脂は、基材から剥離することなく、基材に付着させたままで使用することもできる。
【0143】
プレポリマー法は、例えば、まず、ポリイソシアネート成分と活性水素基含有成分の一部(例えば、高分子量ポリオール)とを反応させて、分子末端にイソシアネート基を有するイソシアネート基末端プレポリマーを合成する。次いで、得られたイソシアネート基末端プレポリマーと、活性水素基含有成分の残部(鎖伸長剤:例えば、低分子量ポリオール(および必要により高分子量ポリオール、モノオール))とを反応(鎖伸長)させて、硬化反応させる。
【0144】
イソシアネート基末端プレポリマーを合成するには、ポリイソシアネート成分と活性水素基含有成分の一部とを、イソシアネートインデックス(NCO濃度/水酸基濃度×100)が、例えば、110〜2,000、好ましくは、150〜1,000となるように処方(混合)し、反応容器中にて、例えば、室温〜150℃、好ましくは、40〜120℃で、例えば、0.5〜18時間、好ましくは、2〜10時間、反応させる。
【0145】
上記したイソシアネート基末端プレポリマーは、公知の溶媒の存在下で、合成することができる。
【0146】
また、上記したイソシアネート基末端プレポリマーの合成後に、例えば、薄膜蒸留法などの蒸留法、例えば、液−液抽出法などの抽出法などの除去方法によって、溶媒および未反応のポリイソシアネート成分を除去することもできる。
【0147】
得られたイソシアネート基末端プレポリマーは、そのイソシアネート当量が、例えば、80〜2,000、好ましくは、100〜1,000である。
【0148】
次いで、得られたイソシアネート基末端プレポリマーと、活性水素基含有成分の残部とを反応させるには、イソシアネート基末端プレポリマーと、活性水素基含有成分の残部とを、イソシアネートインデックス(NCO濃度/水酸基濃度×100)が、例えば、50〜200、好ましくは、75〜125となるように処方(混合)し、成形型に注入して、例えば、0〜250℃、好ましくは、室温(20℃)〜150℃で、例えば、1分間〜7日間、好ましくは、10分間〜2日間、硬化反応させる。
【0149】
この硬化反応においても、上記と同様のウレタン化触媒を、上記と同様の配合割合で添加することができる。また、この硬化反応は、公知の溶媒の存在下で実施することもできる。
【0150】
そして、成形型に注入して硬化反応させた後、脱型すれば、所定形状に成形された光弾性ポリウレタン樹脂を得ることができる。
【0151】
このような光弾性ポリウレタン樹脂は、光弾性、つまり、応力の発生により、成形体の内部を通過する光(例えば、レーザー光など)に複屈折を生じさせることができる。そのため、センサ1として好適に用いることができる。
【0152】
また、上記のポリウレタン樹脂組成物または光弾性ポリウレタン樹脂には、必要に応じて、例えば、消泡剤、可塑剤、レベリング剤、艶消し剤、難燃剤、揺変剤、粘着付与剤、増粘剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、反応遅延剤、脱水剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、耐候安定剤などの公知の添加剤を適宜配合することができる。
【0153】
光弾性ポリウレタン樹脂の25℃における光弾性定数は、例えば、1000×10
−12Pa
−1以上、好ましくは、2000×10
−12Pa
−1以上、より好ましくは、3000×10
−12Pa
−1以上、より一層好ましくは、3500×10
−12Pa
−1以上であり、さらに好ましくは、4000×10
−12Pa
−1以上であり、例えば、100000×10
−12Pa
−1以下、好ましくは、10000×10
−12Pa
−1以下、より好ましくは、6000×10
−12Pa
−1以下、より一層好ましくは、5500×10
−12Pa
−1以下である。
【0154】
光弾性定数が上記した下限を超過することにより、優れた光弾性を確保することができる。
【0155】
光弾性ポリウレタン樹脂の光弾性定数は、「築地光雄、高和宏行、田實佳郎著“光学フィルム用・光弾性定数測定システムの開発”、精密学会誌73、253−258(2007)」の「光弾性定数測定方法」の記載に準拠して測定することができる。
【0156】
また、光弾性定数の測定とともに、光弾性ポリウレタン樹脂の歪光学定数とヤング率とが求められる。
【0157】
光弾性ポリウレタン樹脂の歪光学定数は、光弾性ポリウレタン樹脂の変形量に対する、かかる変形によって発生する複屈折の強さの割合を示す。
【0158】
光弾性定数、歪光学定数およびヤング率は、下記式(5)を満足する。
【0159】
光弾性定数=歪光学定数÷ヤング率 (5)
従って、光弾性ポリウレタン樹脂の光弾性定数を上記した所望の範囲に設定するには、歪光学定数およびヤング率を調整する。
【0160】
具体的には、歪光学定数が高いほど、また、ヤング率が低いほど、光弾性定数が高くなるが、ヤング率が過度に低いと、成形性が低下する場合がある。
【0161】
そのため、光弾性ポリウレタン樹脂の25℃におけるヤング率は、例えば、2MPa以上、好ましくは、3MPa以上であり、例えば、5MPa以下である。
【0162】
光弾性ポリウレタン樹脂のヤング率が上記した範囲未満である場合には、光弾性ポリウレタン樹脂が軟らか過ぎて傷付き易く、加工性が低下する場合がある。光弾性ポリウレタン樹脂のヤング率が上記した範囲を超過する場合には、光弾性ポリウレタン樹脂が硬すぎるため、光弾性が低下する場合がある。
【0163】
好ましくは、上記した所望の光弾性定数を得るには、光弾性ポリウレタン樹脂の25℃のヤング率が2MPa以上3MPa以下の場合には、25℃の歪光学定数が、例えば、6000×10
−6以上(通常、10000×10
−6以下)であり、光弾性ポリウレタン樹脂の25℃のヤング率が3MPaを超過し5MPa以下の場合には、25℃の歪光学定数は、例えば、10000×10
−6以上(通常、20000×10
−6以下)である。
【0164】
光弾性ポリウレタン樹脂のガラス転移温度は、例えば、−60℃以上、好ましくは、−40℃以上、より好ましくは、−35℃以上、より一層好ましくは、−30℃以上であり、例えば、−21℃以下、好ましくは、−25℃以下である。
【0165】
光弾性ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が上記した下限未満である場合には、光弾性ポリウレタン樹脂の加工性および耐傷付き性が低下する場合がある。
【0166】
また、光弾性ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が、上記した上限以上である場合には、上記した所望の光弾性定数を得にくくなる場合がある。
【0167】
光弾性ポリウレタン樹脂のガラス転移温度は、動的粘弾性測定装置を用いて、周波数10Hzで、温度分散モード(昇温速度5℃/min)の測定により、得ることができる。
【0168】
また、上記したガラス転移温度の測定では、同時に、貯蔵伸長弾性率E’、損失伸長弾性率E’’および損失正接tanδが得られる。
【0169】
光弾性ポリウレタン樹脂の25℃における貯蔵伸長弾性率E’は、例えば、1×10
6〜1×10
8Paであり、25℃における損失伸長弾性率E’’は、例えば、1×10
4〜1×10
8Paであり、25℃における損失正接tanδは、例えば、0.01〜0.2である。
【0170】
また、光弾性ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が、上記した上限以上である場合には、低温でのセンサ(後述するセンサ1など)の応答時間が長くなる(応答速度が遅くなる)場合がある。
【0171】
なお、センサの応答時間は、好ましくは、10ミリ秒以内である。センサの応答時間が上記範囲内であると、障害物に対する後述の掃除機ロボットの衝突を確実に検知できる。
【0172】
また、センサの使用環境の温度は、例えば、−10℃以上であり、例えば、40℃以下である。
【0173】
ここで、センサの使用環境の温度が低下し、センサの使用環境の温度と、光弾性ポリウレタン樹脂のガラス転移温度とが近似すると、光弾性ポリウレタン樹脂の損失伸長弾性率E’’が上昇し、外力に対する応答速度が遅くなる傾向がある。
【0174】
光弾性ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が、上記した上限以上である場合には、使用環境の温度が−10℃であっても、外力に対する応答速度を確保することができ、障害物に対する後述の掃除機ロボットの衝突を速やかに検知できる。
【0175】
なお、センサの応答速度は、光弾性定数の周波数依存性を測定することで評価できる。センサの使用環境の温度が低下し、光弾性ポリウレタン樹脂の損失伸長弾性率E’’が上昇すると、周波数が0.1Hzから100Hzの範囲において、周波数が高くなるにつれて光弾性定数が減少する。周波数が高い領域で光弾性定数が小さくなると、センサの応答速度が低下する。例えば、使用環境の温度が−10℃である場合において、センサの十分な応答速度を得るためには、温度が−10℃でも周波数が0.1Hzから100Hzの範囲で、光弾性定数が一定であることが好ましい。周波数が100Hz(周期が10m秒)まで光弾性定数が一定であると、応答時間が10m秒未満であると推測される。
【0176】
上記の通り、本発明の光弾性ポリウレタンは、応答速度が速いことや使用温度範囲が広いことが期待されるので、後述するように、検知部材、センサ、特に感圧センサの材料として好適に使用できる。また、そのような検知部材は、後述するように、ロボットの部品として好適に使用できる。
【0177】
次いで、
図1を参照して、本発明の検知部材の第1実施形態としてのセンサ1の構成について説明する。
【0178】
センサ1は、一方(
図1における紙面右方向)および他方(
図1における紙面左方向)に延びる棒形状(例えば、円柱形状、楕円柱形状、多角柱形状など)に形成されている。センサ1は、樹脂部材2と、発光部3と、受光部4と、カバー5とを備えている。
【0179】
樹脂部材2は、センサ1の内部に配置されている。樹脂部材2は、センサ1の長手方向(すなわち、一方および他方)に延びる棒形状(例えば、円柱形状、楕円柱形状、多角柱形状など)に形成されている。樹脂部材2は、上記した光弾性ポリウレタン樹脂からなる。なお、樹脂部材2は、例えば、所定形状の成形型(注形型)により棒形状に形成されるか、あるいは、脱型後の裁断によって棒形状に形成される。
【0180】
発光部3は、センサ1の一方の端部に配置されている。発光部3は、キャップ部材3Aと、発光部材の一例としてのLED3Bと、配線3Cとを備えている。
【0181】
キャップ部材3Aは、センサ1の長手方向に延びる略円柱形状に形成されている。キャップ部材3Aには、凹部3Dが形成されている。
【0182】
凹部3Dは、キャップ部材3Aの他方側の端面から一方へ凹んでいる。凹部3D内には、樹脂部材2の一方の端部が嵌まっている。
【0183】
LED3Bは、凹部3Dの底面(一方側の内面)に埋設されている。LED3Bは、樹脂部材2の一方側の端面に対して対向配置されている。これにより、LED3Bは、樹脂部材2の一方側の端面に対して光を入射可能である。LED3Bの位置、すなわち、樹脂部材2の一方側の端面に対向する位置が、第1位置の一例である。
【0184】
配線3Cは、LED3Bに電気的に接続されている。
【0185】
受光部4は、キャップ部材4Aと、受光部材の一例としてのフォトダイオード4Bと、配線4Cとを備えている。
【0186】
キャップ部材4Aは、センサ1の長手方向に延びる略円柱形状に形成されている。キャップ部材4Aには、凹部4Dが形成されている。
【0187】
凹部4Dは、キャップ部材4Aの一方側の端面から他方へ凹んでいる。凹部4D内には、樹脂部材2の他方の端部が嵌まっている。
【0188】
フォトダイオード4Bは、凹部4Dの底面(他方側の内面)に埋設されている。フォトダイオード4Bは、樹脂部材2の他方側の端面に対して対向配置されている。これにより、フォトダイオード4Bは、樹脂部材2を一方から他方へ通過した光を受光可能である。フォトダイオード4Bの位置、すなわち、樹脂部材2の他方側の端面に対向する位置が、第2位置の一例である。
【0189】
配線4Cは、フォトダイオード4Bに電気的に接続されている。
【0190】
カバー5は、発光部3と受光部4との間において、樹脂部材2を被覆している。カバー5は、センサ1の長手方向に延びる略円筒形状に形成されている。カバー5の内部には、樹脂部材2が挿通されている。カバー5の一方側の端面は、凹部3Dの周縁部において、発光部3のキャップ部材3Aに接触している。カバー5の他方側の端面は、凹部4Dの周縁部において、受光部4のキャップ部材4Aに接触している。カバー5は、好ましくは、樹脂部材2よりも硬度が低い樹脂、例えば、シリコーン樹脂、イソプレン樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、アクリル樹脂、光弾性ポリウレタン樹脂などからなる。カバー5は、着色されていてもよく、また、透明または半透明であってもよい。
【0191】
次いで、
図2〜
図8を参照して、本発明の第1実施形態としてのセンサ1の使用態様について説明する。
【0192】
センサ1は、感圧センサとして使用することができる。
【0193】
例えば、
図2に示すように、センサ1は、平坦な支持部材Sの上に、カバー5が支持部材Sに接触するように載置される。センサ1は、発光部3の配線3C、および、受光部4の配線4Cを介して、制御部に電気的に接続される。
【0194】
また、押圧部材Pが、センサ1の長手方向中央部に接触される。押圧部材Pは、一方と他方とを結ぶ方向における中央部が下方へ膨らむように湾曲されている。
【0195】
押圧部材Pからの押圧力がセンサ1に加わっていないときには、センサ1の樹脂部材2は、加圧されておらず、変形していないので、複屈折を生じていない。そのため、センサ1のLED3Bからの光は、ほとんど減衰することなく、樹脂部材2を透過してフォトダイオード4Bに受光される。
【0196】
そして、押圧部材Pにより、センサ1の長手方向中央部が下方へ押圧されると、センサ1の樹脂部材2の上下方向中央部は、押圧部材Pと支持部材Sとの間で圧縮(変形)され、複屈折を生じる。なお、このとき、センサ1にカバー5が設けられていると、カバー5によって、樹脂部材2に対する押圧部材Pの押圧力が緩衝され、樹脂部材2の変形が抑制される。これにより、小さな衝撃(例えば、押圧部材Pに加わる外乱など)で樹脂部材2に複屈折が生じることを防止できる。
【0197】
樹脂部材2の上下方向中央部に複屈折が生じることにより、センサ1のLED3Bからの光は、樹脂部材2の上下方向中央部において散乱し、樹脂部材2を透過してフォトダイオード4Bに受光される光量が減衰する。
【0198】
そして、フォトダイオード4Bに受光される光量が減衰から、樹脂部材2に加わる圧力を測定できる。
【0199】
なお、
図3に示すように、センサ1は、さらに、クッション材Cを備えることもできる。
【0200】
クッション材Cは、樹脂部材2と支持部材Sとの間に配置されるように、樹脂部材2に積層される。クッション材Cは、樹脂部材2よりも柔軟な材料、例えば、ポリウレタンスポンジなどの発泡体からなる。
【0201】
樹脂部材2と支持部材Sとの間にクッション材Cが配置されていると、押圧部材Pによって樹脂部材2の上下方向中央部が加圧されたときに、樹脂部材2の上下方向中央部を撓める(湾曲させる)ことができる。
【0202】
これにより、樹脂部材2の上下方向中央部に、より大きな複屈折を生じさせることができる。
【0203】
その結果、樹脂部材2に対する押圧部材Pの加圧を、より確実に、検知することができる。
【0204】
また、
図4および
図5に示すように、センサ1にカバー5を設けないこともできる。
【0205】
この場合、押圧部材Pおよび支持部材Sは、樹脂部材2に直接接触する。
【0206】
これにより、樹脂部材2に対する押圧部材Pの加圧を、より鋭敏に検知することができる。
【0207】
そして、センサ1は、
図6および
図7に示すように、自律走行可能な掃除機ロボット21(ロボットの一例)の感圧センサとして使用することができる。
【0208】
詳しくは、掃除機ロボット21は、上下方向に厚みを有する略円板形状に形成されている。掃除機ロボット21は、本体22と、複数(6つ)のセンサ1と、バンパ23とを備えている。
【0209】
本体22は、掃除機ロボット21の径方向中央に配置されている。本体22は、上下方向に厚みを有する略円板形状に形成されている。本体22は、内部において、自律走行を制御する図示しない処理部の一例としての制御部、図示しないモーター、粉塵を吸引するための図示しない吸引装置、および、吸引した粉塵を溜める貯留部などを備えている。また、本体22は、底部において、車輪や、粉塵を掻き取るためのクリーニングブラシなどを備えている。
【0210】
複数のセンサ1は、本体22の径方向外方において、周方向に互いに間隔を隔てて配置されている。センサ1は、
図7に示すように、長手方向が上下方向に沿うように配置されている。センサ1は、平坦な支持部材Sを介して、本体22の外周面に固定されている。センサ1は、発光部3の配線3C、および、受光部4の配線4Cを介して、本体22内の制御部に電気的に接続されている。なお、センサ1の個数は、特に限定されず、例えば、3〜10個である。
【0211】
バンパ23は、本体22との間にセンサ1を挟むように、本体22の径方向外方に配置されている。バンパ23は、本体22の径方向において、本体22に近づく方向と、本体22から離れる方向とに移動可能である。バンパ23は、押圧部材Pを備える。
【0212】
押圧部材Pは、バンパ23の内面に配置されている。押圧部材Pの径方向内面は、上下方向中央部が径方向内方へ膨らむように湾曲されている。押圧部材Pは、径方向内面の上下方向中央部において、センサ1の上下方向中央部に接触している。
【0213】
次いで、掃除機ロボット21の動作を説明する。
【0214】
掃除機ロボット21は、制御部の制御により、底部のクリーニングブラシで床を清掃しながら走行する。
【0215】
このとき、センサ1の樹脂部材2は、加圧されておらず、変形していないので、複屈折を生じていない。そのため、センサ1のLED3Bからの光は、ほとんど減衰することなく、樹脂部材2を透過してフォトダイオード4Bに受光される。
【0216】
すると、掃除機ロボット21の制御部は、障害物(部屋の壁など)に衝突していないと判断する。
【0217】
そして、バンパ23が部屋の壁などの障害物に衝突すると、バンパ23の押圧部材Pは、センサ1の上下方向中央部を押圧する。
【0218】
すると、センサ1の樹脂部材2の上下方向中央部は、押圧部材Pと支持部材Sとの間で圧縮(変形)され、複屈折を生じる。なお、このとき、センサ1にカバー5が設けられていると、カバー5によって、樹脂部材2に対する押圧部材Pの押圧力が緩衝され、樹脂部材2の変形が抑制される。これにより、小さな衝撃(例えば、走行中の外乱など)で樹脂部材2に複屈折が生じることを防止できる。
【0219】
樹脂部材2の上下方向中央部に複屈折が生じることにより、センサ1のLED3Bからの光は、樹脂部材2の上下方向中央部において散乱し、樹脂部材2を透過してフォトダイオード4Bに受光される光量が減衰する。
【0220】
このとき、掃除機ロボット21の制御部は、フォトダイオード4Bに受光される光量が減衰から、樹脂部材2に加わる圧力を測定する。
【0221】
すると、掃除機ロボット21の制御部は、樹脂部材2に加わる所定の圧力、すなわち、樹脂部材2に対する加圧を検知したときに、障害物に衝突したと判断する。すると、掃除機ロボット21は、制御部の制御により、障害物を回避するように方向転換する。
【0222】
このようにして、掃除機ロボット21は、障害物を回避しながら床を清掃する。
【0223】
なお、
図8に示すように、掃除機ロボット21は、クッション材Cを備えたセンサ1(
図3参照)を備えることもできる。
<第2実施形態>
以下、本発明の検知部材の第2実施形態としての感圧マット31について説明する。なお、第2実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0224】
第2実施形態では、
図9に示すように、感圧マット31は、発光部材の一例としてのLED36を備えるシートセンサ30と、受光部材の一例としてのフォトダイオードを備えるロッドセンサ38とを備える。
【0225】
詳しくは、感圧マット31は、上下方向に厚みを有する平面視矩形状に形成されている。感圧マット31は、第1層32と、第2層33と、カバー層34とを備えている。
【0226】
第1層32は、感圧マット31の上側半分に配置されている。第1層32は、シートセンサ30を備えている。シートセンサ30は、樹脂シート35と、複数のLED36とを備えている。
【0227】
樹脂シート35は、上記した光弾性ポリウレタン樹脂からなり、感圧マット31の長手方向(感圧マット31の厚み方向と直交する方向)および幅方向(感圧マット31の厚み方向および長手方向の両方と直交する方向)に延びる平面視矩形のシート形状に形成されている。
【0228】
複数のLED36は、樹脂シート35の長手方向の一方端部に配置される6つのLED36と、樹脂シート35の長手方向の他方端部に配置される6つのLED36とを含む。長手方向一方端部の6つのLED36は、幅方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。また、長手方向他方端部の6つのLED36は、長手方向に投影したときに長手方向一方端部の6つのLED36と一致するように、幅方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。これにより、LED36は、樹脂シート35の長手方向の端部に対して光を入射可能である。LED36の位置、すなわち、樹脂シート35の長手方向の端部が、第1位置の一例である。各LED36は、図示しない処理部の一例としての制御部に電気的に接続されている。
【0229】
第2層33は、感圧マット31の下側半分において、第1層32の下面に接触した状態で配置されている。第2層33は、クッション材37と、複数(6つ)のロッドセンサ38とを備えている。
【0230】
クッション材37は、樹脂シート35と同様に、平面視矩形状に形成されている。クッション材37は、樹脂シート35よりも柔軟な材料、例えば、ポリウレタンスポンジなどの発泡体からなる。クッション材37の長手方向長さおよび幅方向長さは、樹脂シート35の長手方向長さおよび幅方向長さと同じである。クッション材37の厚みは、ロッドセンサ38の上下方向長さ以上である。クッション材37の上面は、樹脂シート35の下面に接触している。
【0231】
複数(6つ)のロッドセンサ38は、クッション材37に埋設されており、感圧マット31の長手方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。ロッドセンサ38は、感圧マット31の幅方向に延びる略円柱形状を有している。ロッドセンサ38は、樹脂ロッド39と、2つのフォトダイオード40と、カバー41とを備えている。
【0232】
樹脂ロッド39は、第1実施形態の樹脂部材2と同様に、上記した光弾性ポリウレタン樹脂からなり、感圧マット31の幅方向に延びる棒形状に形成されている。
【0233】
2つのフォトダイオード40は、樹脂ロッド39の幅方向両端部に1つずつ埋設されている。これにより、各フォトダイオード4Bは、樹脂ロッド39を幅方向内側から幅方向外側へ通過した光を受光可能である。各フォトダイオード4Bの位置、すなわち、樹脂ロッド39の幅方向の端部が、第2位置の一例である。
【0234】
カバー41は、第1実施形態のカバー5と同様に、ロッドセンサ38の長手方向に延びる略円筒形状に形成され、樹脂ロッド39を被覆している。カバー41は、透明で、光弾性ポリウレタン樹脂よりも屈折率が低い樹脂材料からなる。カバー41の上端部は、樹脂シート35の下面に接触している。なお、カバー41の屈折率が樹脂シート35の屈折率よりも高い場合には、感圧マット31が加圧されたときに、樹脂シート35内を通過する光が樹脂ロッド39に伝わりにくい場合がある。また、カバー41の屈折率が樹脂シート35の屈折率と同等である場合には、感圧マット31が加圧されていないときにも、樹脂シート35内を通過する光の一部が樹脂ロッド39に伝わってしまう場合がある。
【0235】
カバー層34は、感圧マット31の表皮部分を構成する。カバー層34は、第1層32および第2層33を一括して被覆する。カバー層34は、肌触りなどを考慮して、例えば、綿やポリエステルなどの布帛からなる。
【0236】
次いで、感圧マット31の動作を説明する。
【0237】
感圧マット31が加圧されていないとき、シートセンサ30の樹脂シート35、および、ロッドセンサ38の樹脂ロッド39は、いずれも加圧されておらず、変形していない。そのため、樹脂シート35および樹脂ロッド39は、いずれも複屈折を生じていない。これにより、シートセンサ30のLED36からの光は、樹脂ロッド39に伝わらず、フォトダイオード40に受光されない。
【0238】
すると、感圧マット31の処理部の一例としての制御部は、感圧マット31が加圧されていないと判断する。
【0239】
そして、感圧マット31が加圧されると、加圧された部分において、樹脂シート35および樹脂ロッド39が圧縮(変形)され、複屈折を生じる。
【0240】
すると、シートセンサ30のLED36からの光は、樹脂シート35の複屈折が生じている部分A1において散乱される。部分A1で散乱した光は、樹脂ロッド39の複屈折が生じている部分A2に伝わる。
【0241】
樹脂ロッド39に伝わった光は、部分A2において散乱される。部分A2で散乱した光は、樹脂ロッド39内を透過して、その樹脂ロッド39の両端の2つのフォトダイオード40にそれぞれ受光される。
【0242】
このとき、加圧された部分に近いと、フォトダイオード40において、より強い光が検出され、加圧された部分から離れるにつれて、フォトダイオード40に検出される光の強度は弱くなる。
【0243】
そして、制御部は、受光したフォトダイオード40を有する樹脂ロッド39の長手方向の位置から、加圧された部分の長手方向における位置を判断する。
【0244】
また、制御部は、2つのフォトダイオード40のそれぞれに検知された光強度の差から、加圧された部分の幅方向における位置を判断する。
【0245】
これにより、加圧された部分の長手方向位置および幅方向位置を特定できる。
【0246】
また、第1実施形態と同様に、制御部は、2つのフォトダイオード40で検知された光強度から、感圧マット31に加わる圧力を計測することもできる。
【0247】
このような感圧マット31は、例えば、介護用ベッドの床に設置し、被介護者がベッドから床に降りたことを検知する用途に用いること、被介護者への見守りに好適である。また、感圧マット31を、玄関のマットとして用いれば、玄関からの人の出入りを検知することができ、防犯などに好適である。
【0248】
また、
図11に示すように、上記した第2実施形態において、第1層32のシートセンサ30に代えて、第2層33と同様に、複数のロッドセンサ38を用いることもできる。この場合、第1層32のロッドセンサ38と第2層33のロッドセンサ38とを格子状に重ねる。なお、この変形例では、各ロッドセンサ38の間には、クッション材37を設けない。
【0249】
この変形例では、第1層32のロッドセンサ38と第2層33のロッドセンサ38との交点において、第1層32のロッドセンサ38から第2層33のロッドセンサ38へ光が伝わり、上記した感圧マット31と同様に、加圧された部分の長手方向位置および幅方向位置を特定し、感圧マット31に加わる圧力を計測できる。
【0250】
また、この変形例では、各ロッドセンサ38の間を空気が流通するため、介護用ベッドのマットレスの上や内部に設置した場合でも、ベッドが蒸れることを抑制できる。
<第3実施形態>
以下、本発明の検知部材の第3実施形態としてのセンサ50について説明する。なお、第3実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0251】
第3実施形態では、センサ50を、樹脂部材2の屈曲を検知する屈曲センサとして構成する。
【0252】
センサ50は、
図12に示すように、発光部3のキャップ部材3A、および、受光部4のキャップ部材4Aが、樹脂部材2の屈曲を規制する規制部51を備える以外は、第1実施形態のセンサ1と同様に構成されている。
【0253】
発光部3の規制部51は、キャップ部材3Aの他方端部から他方へ延びる略円筒形状に形成されている。発光部3の規制部51は、カバー5の一方端部を被覆する。発光部3の規制部51は、硬質の樹脂などから形成され、樹脂部材2の一方端部およびカバー5の一方端部の屈曲を規制する。
【0254】
受光部4の規制部51は、キャップ部材4Aの一方端部から一方へ延びる略円筒形状に形成されている。受光部4の規制部51は、カバー5の他方端部を被覆する。受光部4の規制部51は、硬質の樹脂などから形成され、樹脂部材2の他方端部およびカバー5の他方端部の屈曲を規制する。受光部4の規制部51は、発光部3の規制部51に対して、間隔を隔てて対向配置されている。
【0255】
これにより、樹脂部材2の長手方向中央部(以下、屈曲部分Bと記載する。)のみが、発光部3のキャップ部材3A、および、受光部4のキャップ部材4Aから露出されており、屈曲可能である。
【0256】
次いで、
図13を参照して、センサ50を備えるアーム61について説明する。
【0257】
アーム61は、第1アーム部62と、第2アーム部63と、関節部64と、センサ50とを備える。
【0258】
第1アーム部62は、アーム61の一方半分を構成し、一方および他方に延びる略柱形状に形成されている。
【0259】
第2アーム部63は、アーム61の他方半分を構成し、一方および他方に延びる略柱形状に形成されている。
【0260】
関節部64は、第1アーム部62と第2アーム部63との間に配置されている。関節部64は、第1アーム部62と第2アーム部63とを回動可能に接続している。
【0261】
センサ50は、屈曲部分Bが関節部64の上に配置されるように、発光部3において第1アーム部62に固定され、受光部4において第2アーム部63に固定されている。
【0262】
次いで、センサ50の動作を説明する。
【0263】
アーム61が関節部64において屈曲されると、アーム61の屈曲に追従して、センサ50が、屈曲部分Bで屈曲される。
【0264】
すると、屈曲部分Bは、その屈曲度合いが増大するにつれて、大きな複屈折を生じる。これにより、屈曲部分Bの屈曲度合いが増大するにつれて、上記した第1実施形態と同様に、フォトダイオード4Bに受光される光量が減衰する。
【0265】
フォトダイオード4Bに受光される光量の減衰から、アーム61の屈曲角度を正確に計測することができる。
<その他の変形例>
発光部材としては、上記したLEDの他、例えば、半導体レーザー(波長405nm〜1064nm)、蛍光灯、ハロゲンランプ、タングステンランプなどを用いることができる。
【0266】
また、発光部材としてLEDを使用する場合、例えば、赤色LED、白色LED、赤外線LED、緑色LED、青色LEDなどを用いることができる。
【0267】
また、受光部材としては、通常のフォトダイオードの他、フォトICダイオードを用いることもできる。フォトICダイオードは、通常のフォトダイオードの内部に、光電流の増幅回路が内蔵され、フォトダイオードで発生した光電流を1000倍〜数1000倍に増幅し、外部に出力する。なお、通常のフォトダイオードを用いる場合、フォトダイオードに公知の増幅回路を接続し、光電流を1000倍〜10000倍程度に増幅することが好ましい。
【0268】
また、受光部材としては、フォトダイオード以外の検知器、例えばCdSセルなどの光導電型の検知器や、ボロメータなどの感熱型の光検知器などを用いることもできる。
【0269】
また、光弾性ポリウレタン樹脂と発光部の間、および、光弾性ポリウレタン樹脂と受光部の間には、それぞれ直線偏光板を設置することができる。その場合、二枚の直線偏光板は各々の偏光面が一致するように設置することが好ましい。あるいは二枚の直線偏光板の替りに、二枚の円偏光板を設置してもよい。円偏光板を用いる場合には、電場ベクトルの回転方向の同じ二枚の円偏光板を用いることが好ましい。例えば、発光部側に右回転円偏光板を設置したら、受光側にも右回転円偏光板を設置するのが好ましい。
【実施例】
【0270】
次に、本発明を、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
<原料の説明>
A.高分子量ポリオール
(1)PTG−650SN(ポリテトラメチレンエーテルグリコール、水酸基価162.9mgKOH/g、保土谷化学社製)
(2)PTG−1000(ポリテトラメチレンエーテルグリコール、水酸基価111.5mgKOH/g、保土谷化学社製)
(3)PTG−2000SN(ポリテトラメチレンエーテルグリコール、水酸基価57.0mgKOH/g、保土谷化学社製)
B.低分子量ポリオール
(1)1,2,6−ヘキサントリオール
(2)トリメチロールプロパン
(3)3−メチル−1,5−ペンタンジオール
C.イソシアネート
(1)3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート(TODI、日本曹達社製)
(2)4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI−PH、三井化学社製)
D.添加剤
(1)酸化防止剤
(2)可塑剤(フタル酸ジイソノニル、DINP)
(3)可塑剤(4−シアノ−4′−ペンチルビフェニル、液晶5CB)
<光弾性ポリウレタン樹脂の作製>
実施例1
ガラス製フラスコに、PTG−650SN、PTG−1000および酸化防止剤を、表1に示す配合量で仕込み、減圧下、120℃で2時間乾燥し、温度を80℃に下げ、窒素で常圧に戻した。
【0271】
次いで、撹拌しながら3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネートを、イソシアネートインデックスが35となるように、表1に示す配合量で投入し、4時間反応させた。
【0272】
次いで、撹拌しながらトリメチロールプロパンを表1に示す配合量で加え、温度を70℃に調整した。
【0273】
次いで、消泡剤を数滴加え、70℃で溶解した4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを、イソシアネートインデックスが105となるように、表1に示す配合量、投入し、撹拌混合した。
【0274】
その後、減圧下で30秒間脱泡し、窒素で常圧に戻した後、フラスコから取り出し、ポリウレタン組成物を得た。
【0275】
次いで、得られたポリウレタン組成物を、成形型(30cm×10cm×2mm)に流し込み、50℃で48時間硬化させることにより、厚さ2mmのシート形状の光弾性ポリウレタン樹脂を得た。
【0276】
また、別途、得られたポリウレタン組成物を、シリコーンチューブ(外径10mm、内径7mm、長さ60cm)に充填し、片方の端をピンチコックで締め、50℃のオーブン中に吊るして48時間硬化させることにより、直径7mmの棒形状の光弾性ポリウレタン樹脂を得た。
【0277】
実施例2
ガラス製フラスコに、PTG−650SN、PTG−1000および酸化防止剤を表1に示す配合量で仕込み、減圧下、120℃で2時間乾燥し、温度を80℃に下げ、窒素で常圧に戻した。
【0278】
次いで、撹拌しながら1、2、6−ヘキサントリオールを表1に示す配合量加え、温度を70℃に調整した。
【0279】
次いで、消泡剤を数滴加え、70℃で溶解した4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを、イソシアネートインデックスが105となるように、表1に示す配合量、投入し、撹拌混合した。
【0280】
その後、減圧下で30秒間脱泡し、窒素で常圧に戻した後、フラスコから取り出し、ポリウレタン組成物を得た。
【0281】
得られたポリウレタン組成物を、実施例1と同様に硬化させて、厚さ2mmのシート形状の光弾性ポリウレタン樹脂、および、直径7mmの棒形状の光弾性ポリウレタン樹脂を得た。
【0282】
実施例3
ガラス製フラスコに、PTG−1000および酸化防止剤を表1に示す配合量で仕込み、減圧下、120℃で2時間乾燥し、温度を80℃に下げ、窒素で常圧に戻した。
【0283】
次いで、撹拌しながら1、2、6−ヘキサントリオールを表1に示す配合量で加え、温度を70℃に調整した。
【0284】
次いで、消泡剤を数滴加え、70℃で溶解した4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを、イソシアネートインデックスが105となるように、表1に示す配合量、投入し、撹拌混合した。
【0285】
その後、減圧下で30秒間脱泡し、窒素で常圧に戻した後、フラスコから取り出し、ポリウレタン組成物を得た。
【0286】
得られたポリウレタン組成物を、実施例1と同様に硬化させて、厚さ2mmのシート形状の光弾性ポリウレタン樹脂、および、直径7mmの棒形状の光弾性ポリウレタン樹脂を得た。
【0287】
実施例4
ガラス製フラスコに、PTG−1000および酸化防止剤を、表2に示す配合量で仕込み、減圧下、120℃で2時間乾燥し、温度を80℃に下げ、窒素で常圧に戻した。
【0288】
次いで、撹拌しながら3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネートを、イソシアネートインデックスが35.3となるように、表2に示す配合量で投入し、4時間反応させた。
【0289】
次いで、撹拌しながらトリメチロールプロパンを表2に示す配合量で加え、温度を70℃に調整した。
【0290】
次いで、消泡剤を数滴加え、70℃で溶解した4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを、イソシアネートインデックスが105となるように、表2に示す配合量、投入し、撹拌混合した。
【0291】
その後、減圧下で30秒間脱泡し、窒素で常圧に戻した後、フラスコから取り出し、ポリウレタン組成物を得た。
【0292】
得られたポリウレタン組成物を、実施例1と同様に硬化させて、厚さ2mmのシート形状の光弾性ポリウレタン樹脂、および、直径7mmの棒形状の光弾性ポリウレタン樹脂を得た。
【0293】
実施例5
各原料を表2で示す配合量で配合した以外は、実施例4と同様にして、厚さ2mmのシート形状の光弾性ポリウレタン樹脂、および、直径7mmの棒形状の光弾性ポリウレタン樹脂を得た。
【0294】
実施例6
ガラス製フラスコに、PTG−1000および酸化防止剤を表2に示す配合量で仕込み、減圧下、120℃で2時間乾燥し、温度を80℃に下げ、窒素で常圧に戻した。
【0295】
次いで、撹拌しながらトリメチロールプロパンを表2に示す配合量加え、温度を70℃に調整した。
【0296】
次いで、消泡剤を数滴加え、70℃で溶解した4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを、イソシアネートインデックスが105となるように、表2に示す配合量、投入し、撹拌混合した。
【0297】
その後、減圧下で30秒間脱泡し、窒素で常圧に戻した後、フラスコから取り出し、ポリウレタン組成物を得た。
【0298】
得られたポリウレタン組成物を、実施例1と同様に硬化させて、厚さ2mmのシート形状の光弾性ポリウレタン樹脂、および、直径7mmの棒形状の光弾性ポリウレタン樹脂を得た。
【0299】
実施例7〜9
各原料を表2で示す配合量で配合した以外は、実施例5と同様にして、厚さ2mmのシート形状の光弾性ポリウレタン樹脂、および、直径7mmの棒形状の光弾性ポリウレタン樹脂を得た。なお、可塑剤は、得られたポリウレタン組成物に配合した。
【0300】
実施例10〜15
各原料を表3で示す配合量で配合した以外は、実施例5と同様にして、厚さ2mmのシート形状の光弾性ポリウレタン樹脂、および、直径7mmの棒形状の光弾性ポリウレタン樹脂を得た。なお、可塑剤は、得られたポリウレタン組成物に配合した。
【0301】
比較例1
ガラス製フラスコに、PTG−650SNおよび酸化防止剤を表1に示す配合量で仕込み、減圧下、120℃で2時間乾燥し、窒素で常圧に戻した。
【0302】
次いで、撹拌しながら1、2、6−ヘキサントリオールを表1に示す配合量で加え、温度を70℃に調整した。
【0303】
次いで、消泡剤を数滴加え、70℃で溶解した4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを、イソシアネートインデックスが105となるように、表1に示す配合量、投入し、撹拌混合した。
【0304】
その後、減圧下で30秒間脱泡し、窒素で常圧に戻した後、フラスコから取り出し、ポリウレタン組成物を得た。
【0305】
得られたポリウレタン組成物を、実施例1と同様に硬化させて、厚さ2mmのシート形状の光弾性ポリウレタン樹脂、および、直径7mmの棒形状の光弾性ポリウレタン樹脂を得た。
<光弾性ポリウレタン樹脂の物性評価>
(1)光弾性定数およびヤング率
「築地光雄、高和宏行、田實佳郎著“光学フィルム用・光弾性定数測定システムの開発”、精密学会誌73、253−258(2007)」の「光弾性定数測定方法」の記載に準拠して測定し、25℃における歪み光学定数およびヤング率を得るとともに、それらから25℃における光弾性定数を算出した。上記測定には、波長630nmのレーザー光を使用した。各実施例および比較例の光弾性定数およびヤング率を表1、表2および表3に示す。
(2)動的粘弾性
動的粘弾性測定装置(VES−F−III、VISCO−ELASTICSPECTROMETER、岩本製作所社製)を用いて、長さ2.5cm、幅5.0mm、厚み2.0mmの短冊状に裁断したサンプル片を、昇温速度5℃/分、振動数10Hz、振幅±0.01mmの温度分散モードにて測定し、貯蔵伸長弾性率(E’)、損失伸長弾性率(E’’)および損失正接(tanδ)を求めるとともに、得られたデータの損失正接(tanδ)のピーク値の温度を、ガラス転移温度とした。各実施例および比較例の貯蔵伸長弾性率(E’)、損失伸長弾性率(E’’)、損失正接(tanδ)およびガラス転移温度を表1、表2および表3に示す。
(3)40℃、20℃および−10℃での光弾性定数の周波数依存性
測定周波数を0.1〜100Hzの間で変えながら、実施例1〜3および比較例1の光弾性定数の周波数依存性を測定した。0.1Hzでの値を100としたときの、周波数100Hzにおける光弾性定数の割合を、表1に示す。また、実施例1〜3および比較例1の、−10℃での光弾性定数の周波数依存性を
図14に示す。
【0306】
比較例1では、周波数が50Hz以上になると、光弾性定数が急激に減少している。
【0307】
対して、実施例1〜3では、周波数0.1Hzから100Hzの範囲において、光弾性定数の大幅な低下は認められなかった。特に、実施例2、3では、周波数に依存せず光弾性定数はほぼ一定の値であった。
【0308】
【表1】
【0309】
【表2】
【0310】
【表3】
【0311】
<圧力センサ>
実施例1、4〜6、8、10〜15の棒形状の光弾性ポリウレタン樹脂を用いて、
図1に示すように、感圧センサを作製した。
【0312】
棒形状の光弾性ポリウレタン樹脂からなる樹脂部材2は、直径7mm、長さ7cmの棒柱状であり、シリコーンチューブは剥がされている。
【0313】
LED3Bは、赤色LEDである。また、フォトダイオード4Bは、フォトICダイオードである。
【0314】
LED3Bは、
図2に仮想線で示すように、電池71(直流3V)および可変抵抗器72を有する直列回路70に接続されている。また、直列回路70には、電圧計73が接続されている。そして、LED3Bを点灯させた状態で、電圧計73の電圧が2Vになるように可変抵抗器72を調節した。
【0315】
この圧力センサを、
図2に示すように、支持部材Sと押圧部材Pの間に配置した。次いで、押圧部材Pに荷重を印加し、押圧部材Pが0.2mm降下するごとに、その時の荷重と、電圧計73で測定された電圧とを記録し、押圧部材Pが4mm降下するまで計測した。測定結果を
図15〜
図17に示す。
【0316】
また、同様に、実施例1で得られた光弾性ポリウレタン樹脂からサンプルを5つ作製し、荷重と電圧とを測定した。縦軸を電圧の逆数として、測定結果を
図18に示す。
【0317】
また、表4に、実施例1、4、6、10〜15の光弾性ポリウレタン樹脂を用いた感圧センサの荷重300Nにおける電圧(V
300)、感度を示す。
【0318】
なお、感度は、荷重300Nでの電圧を無荷重での電圧(すなわち2V)から差し引いた値であり、感度が大きいほど小さな荷重を精度よく測定できる。
【0319】
また、表4に、変異量(押圧部材Pが降下した長さ)が5mmでの荷重と電圧を示す。
【0320】
測定したすべての感圧センサで、変異量が5mmまでは押圧部材が降下するに伴って電圧が低下したが、変異量が5mmを超えると電圧の変化は微小となった。
【0321】
このことから、変異量が5mmでの電圧を、これらの感圧センサが計測できる最大の荷重と見なすことができる。
【0322】
また、表4に変異量5mmでの電圧を測定後に、除圧(押圧部材Pを元の位置に戻す)した際の、除圧直後と除圧から10分後に計測した電圧を示す。
【0323】
【表4】
【0324】
表4から、光弾性定数が6000×10
−12Pa
−1より高いと、感度が低くなり易く、一方、光弾性定数が3500×10
−12Pa
−1より低いと、計測できる最大の荷重すなわち変異量5mmでの荷重が小さくなる傾向があることが分かる。
【0325】
さらに、光弾性定数が3000×10
−12Pa
−1より低いと、除圧後の電圧が10分後でも2Vまで回復しない場合があった。
<屈曲センサ>
実施例1で得られた光弾性ポリウレタン樹脂を用いて、
図12に示すように、屈曲センサを作製した。
【0326】
センサ50の屈曲部分Bの長さは30mmであった。
【0327】
そして、センサ50を、
図13に示したように、アーム61に設置し、アーム61の角度を0°(水平)から90°(垂直)まで変化させながら、連続的に角度と電圧を記録した。
【0328】
その後、アーム61の角度を90°から0°まで戻しながら、同様に角度と電圧を記録した。結果を
図17に示す。
【0329】
なお、上記発明は、本発明の例示の実施形態として提供したが、これは、単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。当該技術分野の当業者によって明らかな本発明の変形例は、後記特許請求の範囲に含まれる。