(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ライブ演奏の際に第一楽曲と第二楽曲とを一つに選択的にミキシングするシステムであって、該第一楽曲は、ステレオオーディオをそれぞれ有し且つ結合して該第一楽曲のオーディオを形成する複数の第一ステムを具備し、該第二楽曲は、ステレオオーディをそれぞれ有し且つ結合して該第二楽曲のオーディオを形成する複数の第二ステムを具備する、システムであって、
メモリとプロセッサとを有するコンピュータと、
該複数の第一ステムのうちの少なくとも一つの第一ステムのオーディオを再生し、且つ、該複数の第二ステムのうちの少なくとも一つの第二ステムのオーディオとミキシングするべく、該メモリ内において保存され、且つ、該プロセッサによって実行される機械可読命令を具備する複数チャネルオーディオミキシングアプリケーションと、
を具備し、
該複数チャネルオーディオミキシングアプリケーションは、該ミキシングのために該少なくとも一つの第一ステムと該少なくとも一つの第二ステムとを選択するべく、該演奏の際にリアルタイムで制御される、システム。
該コンピュータのインタフェースに結合されるとともに、該少なくとも一つの第一ステムと該少なくとも一つの第二ステムとを選択してこれらを一つにミキシングするべく、該演奏の際に該複数チャネルオーディオミキシングアプリケーションを制御するための複数の制御部を具備するDJコンソール、を更に具備する、請求項1に記載のシステム。
該少なくとも一つの第一キューポイント及び該少なくとも一つの第二キューポイントは、該第一及び第二楽曲内の異なる再生位置に位置している、請求項3に記載のシステム。
DJによるライブ演奏の際に第一楽曲と第二楽曲とを一つに選択的にミキシングする方法であって、該第一楽曲は、該第一楽曲のオーディオを形成するべく結合するオーディオをそれぞれ具備する複数の第一ステムを具備し、該第二楽曲は、該第二楽曲のオーディオを形成するべく結合するオーディオをそれぞれ具備する複数の第二ステムを具備し、
該演奏の際に命令を受け取るべくコンピュータに結合された複数の物理的制御部を有するDJコンソールを使用して該DJとやり取りするステップと、
該コンピュータ内において、該命令に基づいて、該複数の第一ステムの少なくとも一つと該複数の第二ステムの少なくとも一つとを選択するステップと、
該コンピュータ内において、該命令に基づいて、該少なくとも一つの第一ステムと該少なくとも一つの第二ステムとをミキシングして該ライブ演奏用のオーディオ出力を生成するステップと、
を具備する方法。
(a)該複数の第一ステムのうちのそれぞれの第一ステム内において少なくとも一つの第一キューポイントを定義し、且つ、(b)該複数の第二ステムのうちの一つ以上の第二ステム内において少なくとも一つの第二キューポイントを定義するべく、該演奏の前に該DJとやり取りするステップ、を更に具備する、請求項6に記載の方法。
該少なくとも一つの第一及び第二キューポイントのうちの一つ以上を選択して該対応するキューポイントにおいて該対応するステムの再生を開始するべく、該演奏の際に該DJとリアルタイムでやり取りするステップ、を更に具備する、請求項7に記載の方法。
該少なくとも一つの第一キューポイント及び該少なくとも一つの第二キューポイントは、該ライブ演奏用の該オーディオ出力と同期化されている、請求項7に記載の方法。
二つ以上の楽曲のうちのそれぞれの楽曲の一つ以上のステムをリアルタイムで一つにミキシングするためのDJミキシングソフトウェアのDJ制御を提供するコンソールであって、
フェースプレートと通信ポートとを有するハウジングと、
該DJミキシングソフトウェアによる第一楽曲の第一ステムの再生を制御するための第一のステム制御部の組と、
該DJミキシングソフトウェアによる該第一楽曲の第二ステムの再生を制御するための第二のステム制御部の組と、
該DJミキシングソフトウェアによる第二楽曲の第三ステムの再生を制御するための第三のステム制御部の組と、
該DJミキシングソフトウェアによる該第二楽曲の第四ステムの再生を制御するための第四のステム制御部の組と、
を具備し、
該DJミキシングソフトウェアは、該第一ステム及び該第二ステムのうちの少なくとも一つと該第三ステム及び該第四ステムのうちの少なくとも一つとをリアルタイムで一つにミキシングしてオーディオ出力を生成するべく、該第一、第二、第三、及び第四のステム制御部の組によって制御される、コンソール。
【発明を実施するための形態】
【0020】
用語の定義
音楽産業においては、用語は、技術の発展に伴って継続的に進化及び変化している。本出願の全体を通じて、以下の用語及びその意味が使用されている。
【0021】
オーディオファイル
いくつかのタイプのオーディオファイルが存在している。WAVファイル内においては、オーディオは、パルスコード変調(Pulse Code Modulation:PCM)を使用することにより、エンコードされており、且つ、圧縮を伴わない「未加工」のデータファイルである。AIFファイルは、WAVファイルに類似しているが(即ち、PCMを使用しているが)、ファイルの末尾に付加されると共にID3タグを含むメタデータのブロックをも含む。メタデータ内のID3タグのフォーマット及びコンテンツは、ID3委員会によって定義されている。ID3タグを理解又は使用しない装置は、このメタデータブロックを無視する。MP3オーディオファイルは、PCMを使用することによってエンコードされると共に次いでファイルサイズを低減するべく圧縮されたステレオオークションチャネルを含む。又、その他のタイプのオーディオファイルも存在している。以下の説明においては、オーディオファイルという用語は、そうでない旨が記述されていない限り、上述のファイルタイプのうちの任意のものを意味するべく使用されている。
【0022】
ミックス
これは、例えば、会場において演奏する際にDJによって生成される楽曲のミックスである。ミックスは、一つにミキシングされた複数の楽曲を含む。しばしば、ミックス内において使用される楽曲の一部分は、小さいものであり、即ち、常に楽曲の全体がミックスに含まれているわけではない。
【0023】
楽曲
楽曲は、オーディオファイル内において保存されている「オーディオ演奏」である。楽曲は、楽曲のオーディオ(例えば、CD内において見出される楽曲)を再生するべく一緒に同時再生されるステレオオーディオストリームを有してもよい。又、楽曲は、それぞれがステレオオーディオストリームから形成された複数のステムを含んでもよく、これらのステムは、楽曲を形成するべく、同時に再生されてもよい。
【0024】
ステム
楽曲は、一つ又は複数のステムを含んでもよく、これらのステムのそれぞれは、楽曲と同一の長さ(持続時間)であるが、楽曲の一つの特定の特徴/楽器を含む。ステムは、従来技術のトラックに類似しているが、新しい方法によって管理及び制御される。楽曲のステムのすべてが同時に再生されると共に一つにミキシングされた際に、楽曲の完全なオーディオが再構築される。通常、楽曲は、六つのステムを有することになるが、楽曲は、その範囲を逸脱することなしに、更に多くの又は少ない数のステムを有してもよい。
【0025】
パート
「パート」は、楽曲の一部分を意味している。例えば、楽曲が2分の持続時間を有する場合には、開始から45秒において始まるその楽曲の30秒の部分は、楽曲の「パート」を表している。パートは、通常、楽曲のそれぞれのステム内の同一の時間の部分を識別している。
【0026】
サンプル
サンプルは、例えば、ドラムの一つの打音やピアノの一つの音などの録音されたサウンドである。
【0027】
ループ
ループは、例えば、ドラムシーケンスや反復楽句(反復される短い音楽フレーズ)などのサンプルのシーケンスである。ループは、停止される時点まで継続的に反復するように構成されてもよい。
【0028】
図2は、複数のステム202から形成された一つの例示用の楽曲200を示しており、これらのステムのそれぞれは、ステレオオーディオを保存する二つのチャネルを組合せとして有する。一実施形態においては、それぞれのステム202は、ステレオチャネルを有するオーディオファイル(例えば、.WAV又は.MP3ファイル)である。一例においては、楽曲200の持続時間が、ステレオオーディオチャネルを有する従来のオーディオファイルとして保存された状態において、Dである場合には、XMBのストレージが必要とされる。又、
図2に示されているように、六つのステム202が、楽曲200によって提供される場合には、必要とされる追加ストレージの量は、Xの6倍であり、その理由は、それぞれのステム202が、オーディオファイル(ステレオチャネル)として保存されると共に、楽曲200のフル持続時間を有しているからである。例えば、楽曲200の長さが3分間であり、且つ、3分間のステレオオーディオファイルが40Mバイトである場合には、楽曲200のそれぞれのステム202の持続時間も3分であることから、一つのステム202当たりに40Mバイトのストレージが必要とされる。
【0029】
それぞれのステム202は、そのステムのパラメータ及び特性を定義するメタデータを含んでもよい。例えば、それぞれのステム202内のメタデータは、ステム内に収容されているサウンドのタイプ(例えば、ドラム、パーカッション、ベース、主題1、主題2、及びスイートナ)のみならず、名称、1分間当たりのビートの数(Beats Per Minute:BPM)、及びそのステムがその一部分を構成している楽曲200のその他の特性を定義する更なるID3タグを含んでもよい。六つのステムを有するように示されているが、楽曲200は、その範囲を逸脱することなしに、更に多くの又は少ない数のステム202を有してもよい。六つのステムは、ライブ会場において(リアルタイムで)ライブ演奏するDJによる制御のためには、最適であると考えられる。又、楽曲200は、一つにミキシングされたステムのオーディオファイル(例えば、オリジナルの楽曲)を含んでもよい。
【0030】
新しいステムのDJ処理(ステムを伴うミキシング)
図3は、出力ミックス306を生成するために、ライブ演奏の際に一つ又は複数の楽曲からのステムをミキシングするべくDJによって使用されうる一つの例示用のステムミキシングコンソール302を示している。
図4は、
図3のコンソール302を更に詳細に示している。
図5は、
図3のコンソールの一つの例示用のデッキを更に詳細に示している。以下の説明においては、
図3、
図4、及び
図5を一緒に参照されたい。一実施形態においては、コンソール302は、複数のステムを一つにミキシングすることをDJが制御できるようにする複数のボタン、スライダ、及び回転式制御部を有する物理的装置である。別の実施形態においては、コンソール302は、コンピュータ画面上において少なくとも部分的に実装されており、且つ、コンピュータとやり取りする一つ又は複数の入力装置によって制御されている。一実施形態においては、コンピュータ画面は、タッチスクリーンであり、且つ、DJの指は、ポインティング装置である。別の実施形態においては、DJは、マウスを使用してコンソール302の機能を制御している。
【0031】
コンソール302は、楽曲200のライブラリ322を保存すると共にDJアプリケーション324を実行するコンピュータ320と通信自在に結合している。コンピュータ320は、図示のわかりやすさを目的として図示されてはいないプロセッサ及びメモリを有する。例えば、ライブラリ322及びDJアプリケーション324がメモリ内において保存されている。DJアプリケーション324は、コンピュータ320のプロセッサによって実行された際に、DJによって操作されるコンソール302からの入力に基づいてリアルタイムで楽曲200のステム202を選択及びミキシングするように動作する機械可読命令を有する。DJアプリケーション324は、コンソール302を使用するDJによって制御されるようにミックス306を生成するべく、オーディオエフェクトを適用し、フィルタを適用し、楽曲200のステム202をミキシングすると共に、キューイングするためのアルゴリズムを含む。動作の一例においては、DJは、ライブ演奏の際に再生すると共に一つにミキシングするべく、コンソール302を使用してライブラリ322から楽曲200を選択している。
【0032】
コンソール302は、DJが、そのデッキと関連付けられた第一楽曲200のステム202を選択すると共にその他のデッキ304と関連付けられた第二楽曲200のステムとミキシングできるようにするコンソールをそれぞれが有する二つのデッキ304(A)及び304(B)を有する。それぞれのデッキ304は、デッキ304と関連付けられた際に楽曲200のステム202の制御及びミキシングを促進する六つのステム制御部の組408を有する。楽曲200が六つを上回る数のステム202を有する場合には、DJは、それぞれのステム制御部の組408と関連付けられた楽曲200のステム202を選択してもよい。
【0033】
図3の例においては、DJは、楽曲200(1)をデッキ304(A)上に読み込んでおり、且つ、楽曲200(2)をデッキ304(B)上に読み込んでいる。「読み込み」として参照されているが、楽曲は、必ずしも、コンソール302内に読み込まれるわけではなく、DJアプリケーション324内において、特定のデッキ304と関連付けられてもよい。
図3は、それぞれ、デッキ304(A)のステム制御部の組408(1)〜(6)と関連付けられた楽曲200(1)のステム202(1)〜(6)と、それぞれ、デッキ304(B)のステム制御部の組408(7)〜(12)と関連付けられた楽曲200(2)のステム202(7)〜(12)と、を例示を目的として示している。
【0034】
又、それぞれのデッキ304は、マスタステム制御部の組402、マスタデッキ制御部の組404、及び楽曲制御部の組406をも有する。マスタステム制御部の組402は、マスタバスエフェクト(master buss effect)を制御するためのマスタエフェクト制御部532及び534と、楽曲を通じてマスタ再生ヘッドを移動させるマスタシャトル/ナッジ制御部536と、そのデッキ304のすべてのステム202上の再生ヘッドを関連付けられたグローバルキューポイントに移動させるマスタキューポイント制御部の組530と、を含む。マスタデッキ制御部の組404は、そのデッキ用のマスタボリュームスライダ504と、デッキ用のイコライザ制御部506及びフィルタ制御部508と、デッキの出力レベルを通知するためのVuメータ510と、を含む。楽曲制御部の組406は、再生/ポーズボタン512と、楽曲ライブラリ322から楽曲200を読み込むと共に非再生楽曲200をデッキ304から除去するためのイジェクトボタン514と、楽曲200がデッキ304上において読み込まれた場合に、DJがキューポイントを通じてスクロールできるようにする、或いは、楽曲が読み込まれていない場合に、DJが楽曲ライブラリ322を通じてスクロールできるようにする、楽曲ノブ516と、を含む。
【0035】
それぞれのステム制御部の組408は、それぞれのデッキ304用のキューポイントボタンの6×6のグリッドとして集合的に構成された六つのキューポイントボタンの群502を有する。キューポイントボタン502によれば、DJは、それぞれのステム202についてキューポイントをジャンプさせることが可能であり、この場合に、キューポイントボタン502は、DJアプリケーション324を使用して定義された選択されたキューポイントに整合するように、色符号化されている。又、それぞれのステム制御部の組408は、キューオン/オフ制御部518と、シャトル/ナッジ制御部520と、チャネルトリム制御部522と、エフェクトオン/オフ制御部524と、エフェクト選択制御部526と、ステムミュート/スタート/ストップ制御部528と、をも含む。
【0036】
キューオン/オフ制御部518は、それぞれのステム202内において定義されているキューポイントにジャンプするためのオン/オフ制御を提供する。シャトル/ナッジ制御部520によれば、DJは、これを低速で回転させることにより、(その他のステムとの関係において)ステム202についてsyncをスリップさせることが可能であり、これを高速で回転させることにより、ステム202を通じてシャトル再生ヘッドを移動させることが可能であり、且つ、これを押圧することにより、マスタ再生ヘッド場所に再生ヘッドを即座に移動させることができる。チャネルトリム制御部522によれば、DJは、これを回転させることにより、その他のステム202との関係においてそのステム202の音量を調節することが可能であり、且つ、これを押圧することにより、そのステム202の音量レベルをリセットすることができる。エフェクトオン/オフ制御部524は、そのステム202の選択されたエフェクトをターンオン及びオフする。エフェクト選択制御部526は、そのステム202の選択されたエフェクトを変更し、且つ、エフェクトオン/オフ制御部525が押下状態に保持されている間に回転された際には、DJがそのステム202のエフェクトを選択できるようにする。ステムミュート/スタート/ストップ制御部528によれば、DJは、そのステム202を開始/停止又はミュートし、これにより、そのステム202からのオーディオをカットすることができる。
【0037】
図6は、DJアプリケーション324の例示用のコンポーネントを示す概略図である。
図7は、DJアプリケーション324の動作の際にコンピュータ320のディスプレイ326上において表示される一つの例示用の画面ショット700を示している。以下の説明においては、
図3、
図4、
図5、
図6、及び
図7を参照されたい。
【0038】
DJアプリケーション324は、DJがDJアプリケーション324の機能の状態を観察すると共にその動作を制御できるようにするべくコンソール302と通信するコンソールインタフェースモジュール602を含む。動作の際に、DJアプリケーション324は、コンピュータ320のディスプレイ326上においてDJに対して表示するべく、画面ショット700によって例示されるように、情報を生成する。
【0039】
表示エリア702(A)は、コンソール302のデッキ304(A)の動作と、DJアプリケーション324のステム再生制御部604(1)〜(6)、ステムエフェクト606(1)〜(6)、ステムフィルタ608(1)〜(6)、ステムミキサ610(A)、デッキエフェクト612(A)、及びデッキフィルタ614(A)の機能と、に対応している。動作の一例においては、DJは、コンソール302(或いは、任意選択により、コンピュータ320のポインティング装置)を使用することにより、表示エリア702(A)に示されているように、デッキ304(A)上における再生のために、ライブラリ322から楽曲200(1)を選択している。楽曲200(1)のステム202(1)〜(6)は、DJアプリケーション324内において、制御部604(1)〜(6)、エフェクト606(1)〜(6)、及びフィルタ608(1)〜(6)と自動的に関連付けられると共に、コンソール302のステム制御部の組408(1)〜(6)と関連付けられる。表示エリア702(B)は、ライブラリ322内に保存されている楽曲のリスト706からの楽曲200の選択を示しており、この場合に、DJは、DJアプリケーション324の再生制御部604(7)〜(12)、ステムエフェクト606(7)〜(12)、ステムフィルタ608(7)〜(12)、ステムミキサ610(B)、デッキエフェクト612(B)、及びデッキフィルタ614(B)によって処理されうるように、デッキ304(B)の楽曲ノブ516を使用することにより、デッキ304(B)及び表示エリア702(B)内に読み込むための楽曲200を(例えば、ターンさせることによって)強調表示し、且つ、(例えば、押下することによって)選択する。
【0040】
マスタ制御表示エリア704は、1分当たりのマスタビートの数730及び出力(例えば、ミックス306)がコンピュータ320内において録音されているかどうかを通知する録音通知732などの両方のデッキ340に関係する情報を通知する。
【0041】
表示エリア702(A)は、楽曲情報708と、楽曲200のそれぞれのステム202ごとに、ステムのタイトル710、選択されたエフェクト712、残りの時間714、及び波形716と、を示す。図示のように、それぞれの波形716は、ステレオチャネルを有する。マッチングカラーに照明されたマスタキューポイント制御部520を使用することにより、関連するデッキ304内においてすべての波形716と交差する連続的なまっすぐの着色ラインによって示されたマスタキューポイント718が選択される。マッチングカラーに照明されたキューポイントボタン502を使用することにより、一つのステム上の波形に跨る着色ラインによって示されたステムキューポイント720が選択される。ループ722は、能動的に再生する際にアウトライン状に表示されるカラーシェードを有するエリア724によって示されている。アクティブな再生ヘッド726は、緑色の矢印を有する緑色ラインによって示されており、且つ、アクティブではない再生ヘッド728は、緑色の矢印を有する灰色ラインによって示されている。ループ722は、例えば、関連するキューポイントボタン502を選択することによって一旦選択されたら、DJによって停止される時点まで、反復される。画面ショット700の情報によってコンソール302のボタンの色を調整することにより、DJによる演奏の際のリアルタイムにおけるコンソール302の動作が円滑に実行される。
【0042】
動作の一例においては、DJは、デッキ304(A)上において再生される楽曲200(1)を選択し、且つ、デッキ304(B)上において再生される楽曲200(2)を選択している。次いで、DJは、ステムミュート/スタート/ストップ制御部528を利用することにより、ミックス306を形成するべく一緒にミキシングするそれぞれの楽曲200のステム202を選択している。例えば、DJは、楽曲200(1)のドラムステム202(1)を停止し、且つ、楽曲200(2)のその他のステムを停止した状態で、楽曲200(2)のドラムステム202(7)を含むようにミキシングしてもよい。
【0043】
従来技術のDJ機器を使用する場合には、DJは、第一の楽曲と第二の楽曲とからのサウンドを一つにミキシングする前に、これらの楽曲を同期化するべく、多大な努力を費やすことになろう。コンソール302及びDJアプリケーション324を使用すれば、楽曲200(1)と楽曲200(2)との同期化が自動的に実行される。例えば、DJアプリケーション324内の同期化モジュール640は、それぞれの楽曲200内において、楽曲内における第一反復ビートまでのサンプルオフセット(又は、時間オフセット)を判定する。同期化モジュール640は、例えば、オーディオデータを分析するための機能を含む zplane.development GmbH & Co. KG のオーディオ処理ライブラリを使用することにより、実装される。1分当たりのビートの数(BPM)及びダウンビートオフセットが、ミキシングされるそれぞれの楽曲(並びに、サンプル及びループ)ごとに判定されたら、楽曲の同期化は、DJアプリケーション324内において自動的に実行されうる。この結果、それぞれのステム202は、そのステムが一部分を構成している楽曲200と同期した状態に留まる。即ち、
図2〜
図7の例においては、ステム202(1)〜(6)は、楽曲200(1)と同期した状態に留まる。具体的には、DJが、キューポイントボタン502を使用することによってキューポイント720を選択した際に、対応するステム202は、楽曲200(1)と同期した状態において再生を開始し、これにより、ミスキューイングが防止される。ミスキューイングは、従来技術においては、DJが、第二の楽曲を、第一楽曲との関係において、過剰に早期に、又は過剰に遅れて、開始した結果、二つの楽曲がミキシングされた際に整合していないビートが得られる場合に、発生する。DJアプリケーション324は、ステム202を楽曲200と同期化しており、且つ、更には、楽曲200(1)及び200(2)を同期化していることから、誤ったタイミングの演奏が防止される。
【0044】
DJ処理には、リアルタイムにおけるミキシングの実行が必要である。即ち、聴衆に対して再生されるミックス出力を生成するべく、一つ又は複数の楽曲からの二つ以上のステムが、会場において、ライブで、DJにより、一つにミキシングされる。DJは、ミキシングのために、楽曲及び特定のステムを予め選択しておいてもよいが、実際のミキシングは、DJによってライブで実行される。DJアプリケーション324は、生成されたミックス306を録音してもよく、生成されたミックス306は、楽曲、ステム、キューポイント、及びその他のDJ入力を定義するメタデータを含んでもよく、これにより、公開前のミックス306の編集が許容される。
【0045】
クラウドからのDJ処理
DJは、通常、(例えば、CD、USBドライブ、コンピュータライブラリなどのうちの一つ又は複数を使用することにより)、楽曲を会場まで持参する。この結果、DJによって再生(又は、ミキシング)される楽曲は、DJが予め選択したものに限定されることになる。DJが、会場に持参していない楽曲のリクエストを受け取った場合には、そのリクエストを充足することができない。
【0046】
図8は、クラウド804から会場802にストリーミングされるオーディオを使用することにより、DJ801が会場802において演奏できるようにする一つの例示用のシステム800を示している。システム800は、例えば、インターネットを介してクラウド804内においてアクセス可能である少なくとも一つのサーバ808及びストリームバッファ806を含む。クラウド804は、一緒に配置されてもよく或いは一緒に配置されなくてもよい一つ又は複数のサーバとして実装される。一実施形態においては、サーバ808は、インターネットを通じて相互接続された複数の地理的に分散されたコンピュータサーバを表している。
【0047】
サーバ808は、会場802にストリーミングするべくDJ801が選択可能である複数の楽曲812を保存するためのライブラリ810を含む。一実施形態においては、楽曲812は、
図2の楽曲200を表しており、この場合には、それぞれの楽曲802は、複数のステム202から形成されている。別の実施形態においては、楽曲812は、ステレオオーディオチャネルを有する楽曲を表している。
【0048】
サーバ808は、複数のDJアカウント816を管理することによって楽曲812に対するアクセスを制御するアカウントマネージャ814を含む。サーバ808は、図示のわかりやすさを目的として、一つのDJアカウント816を有するように示されている。
図8の例においては、DJアカウント816は、DJ801のアカウントを表しており、且つ、DJ801が、DJアカウント816との関連において保存されている楽曲812及びその他の情報及びデータにアクセスするために、アカウントマネージャ814にログインすることが必要とされるように、関連付けられた識別及びセキュリティ情報を含んでもよい。
【0049】
DJアカウント816は、システム800の使用との関係する一つ又は複数のパラメータ及びDJ801の好みを定義する設定818、楽曲812の選択を定義する一つ又は複数の再生リスト820、並びに、DJ801による演奏の際に生成されるゼロの、一つの、又は複数のミックス822を含んでもよい。又、DJアカウント816は、システム800によって自動的に生成されると共にDJ801による演奏の際に使用された楽曲812を列挙した実際の再生リスト820(3)を保存してもよい。
【0050】
ライブラリ810及びDJアカウント816は、サーバ808との通信状態にあるデータベース内に保存されてもよい。一実施形態においては、データベースは、サーバ808の一部分であり、且つ、これと一緒に配置されている。別の実施形態においては、データベースは、サーバとは離れたところに保存されているが、サーバ808からアクセス可能である。これにより、一実施形態においては、DJ801は、提供されるサービスに対して利用料をシステム800の所有者に対して支払っており、これにより、アカウントマネージャ814は、DJ801による支払いを追跡している。
【0051】
会場802において、DJ801は、コンピュータ840を使用することにより、サーバ808のアカウントマネージャ814にログインし、且つ、その内部に保存されている再生リスト820にアクセスする。コンピュータ840は、例えば、会場802の所有者が提供してもよく、或いは、DJ801が持参してもよく、或いは、別の関係者(例えば、会場802におけるイベントのスポンサ)が提供してもよい。コンピュータ840は、ディスプレイ842と、少なくとも一つの入力装置844と、ミキシングプログラム846と、を含む。任意選択により、コンピュータ840は、DJ801によるミキシングプログラム846の制御を促進するDJコンソール848と結合されている。コンピュータ840は、例えば、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、及びノートブックコンピュータのうちの一つなどのパーソナルコンピュータである。
【0052】
ミキシングプログラム846は、コンピュータ840のプロセッサによって実行された際に、DJコンソール849及び入力装置844からの入力と、システム800からストリーミングされたオーディオと、に基づいてオーディオストリームを生成する機械可読命令を有する。ミキシングプログラム846は、従来のDJミキシングソフトウェアに類似しているが、システム800からストリーミングされる楽曲との互換性を有するという改善を伴っている。生成されたオーディオストリームは、会場802において、サウンドシステム850を使用することにより、「ライブ」で出力され、且つ、コンピュータ840及び/又はDJアカウント816内において、ミックス822として録音される。
【0053】
ストリームバッファ806は、DJ801によって選択された一つ又は複数の再生リスト820内において識別されている楽曲812を取得するコンピュータ又は装置である。ストリームバッファ806は、ミキシングプログラム846からそれぞれの楽曲に対するリクエストを受け取った際に、リアルタイムで楽曲812をミキシングプログラム846にストリーミングする際のレイテンシーを減少させるように機能する。動作の一例においては、DJ801は、選択された再生リスト820(1)の一つ又は複数の楽曲(又はステム)の一部分をキューイングするために、DJコンソール848及び/又は入力装置844を使用してミキシングプログラム846とやり取りしている。ミキシングプログラム846は、ストリームバッファ806に対してオーディオの適切な一つ又は複数の部分を要求し、且つ、DJ801によって制御されているように、オーディオをミキシングする。
【0054】
動作の一例においては、DJ801は、会場802に到着し、コンピュータ840を使用することにより、サーバ808のアカウントマネージャ814にログインし、再生リスト820(1)を選択し、且つ、マイクロフォン852、DJコンソール848、及び入力装置844を使用してコンピュータ840上において稼働するミキシングプログラム846を制御し、再生リスト820(1)によって識別されている楽曲812のオーディオ(並びに、任意選択により、そのステム202)をミキシングし、サウンドシステム850を使用したライブでの出力のために、オーディオミックス854を生成している。オーディオミックス854は、任意選択により、ミックス822として録音され、且つ、再生リスト820(1)から選択されると共にDJ801によってミキシングされた楽曲812に基づいてミックス854を生成するために使用された楽曲を記録するべく、実際の再生リスト820(3)が生成されてもよい。例えば、DJ801は、楽曲812を複数の再生リスト(例えば、再生リスト820(1)及び820(2))から選択してもよく、この場合に、これらの選択された楽曲は、再生リスト820(3)内において記録される。
【0055】
又、ミキシングプログラム846は、DJ801に属したものであってもよく、この場合に、ストリームバッファ806は、ミキシングプログラム846によって要求されるように、コンピュータ840に対する楽曲812のストリーミングを促進するべく、ネットワークストレージ装置として動作する。即ち、ストリームバッファ806は、ミキシングプログラム846から、従来のファイルストレージ装置として見えるように、動作してもよい。
【0056】
DJ801は、DJアカウント816内において再生リスト820を生成するべく、任意の時点において、サーバ808とやり取りしてもよい。例えば、DJ801は、好みの楽曲812の再生リスト820(1)を有してもよく、且つ、会場802用に具体的に選択された楽曲812を有する再生リスト820(2)を生成済みであってもよい。再生リスト820内の楽曲812は、DJ801によって所有されており、且つ、演奏の会場、演奏の時刻、及び再生される音楽の選択に影響を及ぼすその他の要因などの一つ又は複数のパラメータに基づいて、一つ又は複数の再生リスト820内に含まれてもよい。再生リスト820は、通常、演奏の際にDJ801によって演奏されることになるものを上回るものを収容している。
【0057】
DJ801による演奏の際に、システム800は、演奏の際に選択された楽曲812(又は、その一部分)に基づいて、実際の再生リスト820(3)を生成してもよい。又、それぞれの楽曲内におけるキューポイント、反復、ループに関する更なるメタデータも、システム800によって記録されてもよく、これにより、演奏の後のミックス822の編集が促進される。任意選択により、実際の再生リスト820(3)及び/又はミックス822は、当初、コンピュータ840によって記録され、且つ、後から、システム800にアップロードされる。
【0058】
改善された音楽ライブラリアプリケーション及び再生リスト
図9は、ライブラリ902内において保存されている楽曲906のメタデータ908を自動的に管理するための一つの例示用のシステム900を示している。楽曲906は、楽曲200、812、及びステム202のうちの一つ又は複数を表してもよい。
図10は、
図9のメタデータ908内に保存されている例示用のデータを示している。以下の説明においては、
図9及び
図10を参照されたい。
【0059】
メタデータ908は、システム900内において楽曲を識別するための一意の値を保存する一意の識別子1002を含む。メタデータ908は、通常、楽曲906の先頭に含まれるが、その範囲を逸脱することなしに、楽曲906内のどこか別の場所に配置されてもよい。
【0060】
メタデータ908は、楽曲のメタデータの場合に標準的なものであると共に iTunes、Windows Media Player、Winamp、YME、MusicMatch などのソフトウェア及び iPod、Creative Zen、Toshiba Gigabeat、及び Sony Walkman のようなハードウェアプレーヤーにおいてサポートされているID3タグを含んでもよい。メタデータ908は、例えば、タイトル、アーティスト、年度、ジャンル、及び楽曲906と関連するその他の情報などの情報を含む。メタデータ908は、システム900内において楽曲を識別するための一意の値を保存する一意の識別子1002を含む。
【0061】
一実施形態においては、
図10に示されているように、メタデータ908は、www.id3.ofg のID3構造規格に定義されている標準タグ1020を含む。ID3は、メタデータタグをオーディオファイル(例えば、楽曲906)内において保存するための規格を定義しており、且つ、既存のプレーヤ上におけるオーディオファイルの再生可能性を損なうことなしに、非標準タグタイプの追加をも許容する予め定義された標準タグ1020をフレーム構造内において定義している。例えば、ID3の予め定義されたフレームは、アルバム/映画/ショータイトル1022、BPM(Beats Per Minute)136、作曲家、コンテンツタイプ、著作権メッセージ、録音の日付、再生リストの遅延、エンコード方式、作詞家/テキストライタ、ファイルタイプ、録音の時刻、コンテンツグループの説明、タイトル/曲名/コンテンツの説明、サブタイトル/説明のリファインメント、初期キー、オーディオ内において使用されている一つ又は複数の言語、長さ、オーディオオリジナルの媒体タイプ、オリジナルのアルバム/映画/ショータイトル、オリジナルのファイル名、オリジナルの一人又は複数の作詞家/一人又は複数のテキストライタ、一人又は複数のオリジナルのアーティスト/一人又は複数の演奏者、オリジナルのリリース年度、ファイル所有者/ライセンシー、一人又は複数のリード演奏者/一人又は複数のソリスト、バンド/オーケストラ/伴奏者、指揮者/演奏者リファインメント、翻訳、リミキシング、又はその他の変更者、セットの一部分、発行者、楽曲番号/組内における位置、録音日付、インターネットラジオ局名、インターネットラジオ局所有者、サイズ、ISRC(International Standard Recording Code)、エンコーディングのために使用されたソフトウェア/ハードウェア及び設定、録音の年度、並びに、様々なURLリンクフレームを含む。
【0062】
多くのタグタイプが標準タグ1020に含まれるが、ジャンルタグタイプ1026のみが、予め定義された設定タグ値のうちの一つを保存している。これは、個々の聴取のための音楽の選択を支援するには、十分でありうるが、この単一のジャンルタグは、DJ処理のための楽曲を選択するには、十分に詳しいものではない。従って、メタデータ908は、ムードタグ1008、会場タグ1004、設定時刻タグ1006、及びVoxタグ1010をも含み、これらのタグのそれぞれは、楽曲906を分類するゼロ個以上のタグワードを含んでもよい。
【0063】
システム900は、それぞれの楽曲906ごとに、メタデータ908を自動的に維持している。例えば、メタデータ908が、DJコミュニティ945(即ち、DJのコミュニティ)によって合意されたとおりに、関連する楽曲908を特徴付けるタグを有している場合には、特定の会場における特定の演奏用の楽曲の選択が単純化されるが、その理由は、DJ901が、会場、演奏時刻、予想されるクライアント、望ましいオーディオコンテンツなどの特性と整合した楽曲906を識別するために、メタデータ908をサーチしうるからである。
【0064】
システム900は、例えば、コンピュータサーバであり、且つ、メモリ914との通信状態にあるプロセッサを有するように、示されている。メモリ914は、揮発性メモリ(例えば、SRAM、DRAM、又はこれらの任意の組合せ)及び不揮発性メモリ(例えば、FLASH、ROM、磁気媒体、光媒体、又はこれらの任意の組合せ)のうちの一つ又は両方を表してもよい。一実施形態においては、システム900は、一つ又は複数のプロセッサをそれぞれが収容すると共にメモリ914がそれらの間において分散されている複数の相互接続された(例えば、LAN及びWANのうちの一つ又は両方を使用することによってネットワークされた)コンピュータサーバを表している。又、メモリ914は、少なくとも部分的に、一つ又は複数のネットワークストレージ装置を表してもよい。
【0065】
メモリ914内において保存されているライブラリ902は、関連するメタデータ908をそれぞれが有する複数の楽曲906を収容している。例えば、楽曲906(1)は、関連するメタデータ908(1)を有し、且つ、楽曲906(2)は、関連するメタデータ908(2)を有する。メタデータ908は、その関連する楽曲906内において示されているが、メタデータ908は、その範囲を逸脱することなしに、データベース内などの別の場所において保存されてもよい。一実施形態においては、システム900は、オンラインオーディオメディアストアを表しており、この場合に、楽曲906は、コンピュータ950を使用することにより、プレビューされてもよく、且つ/又は、DJ901(1)によって購入されてもよい。コンピュータ950は、例えば、ノートブックコンピュータ及びラップトップコンピュータのうちの一つなどの携帯型コンピュータである。
【0066】
図9の例においては、DJ901(1)は、例えば、(楽曲906’として示されている)コンピュータ950上のライブラリ952内に保存されている楽曲906のコピーを購入するべく使用されるアカウント910をシステム900において有する。例えば、楽曲906(1)’は、楽曲906(1)のコピーであり、且つ、楽曲906(2)’は、楽曲906(2)のコピーである。楽曲906のコピーが購入された際に、メタデータ908’は、メタデータ908のコピーであるが、DJ901(1)は、その後に、楽曲906’内のオーディオの特性を良好に定義するとDJ901(1)が考えるタグを含むように、メタデータ908’を変更してもよい。例えば、DJ901(1)は、ライブラリアプリケーション962を利用することにより、メタデータ908(1)’に対してムードタグ(例えば、Acid、Chill、Deep、Dark、Driving、Funky、Grrovy など)を追加してもよく或いは変更してもよく、その理由は、DJ901(1)が、これらのタグが、楽曲906(1)’のオーディオコンテンツを相対的に良好に定義し、且つ、これにより、DJ901(1)が将来においてこれらの楽曲906’を相対的に容易に見出すことができると考えたからである。同様に、DJ901(1)は、楽曲内のボーカルのタイプを定義する認識されたワード(例えば、VOX Male、VOX Female、VOX、Vocode、Sample Male、Sample Female、Sample、Vocode、及び None)に基づいて、Voxタグを利用及び/又は定義してもよい。動作の一例においては、DJ901(1)は、楽曲906’が購入及び評価されるのに伴って、メタデータ908’を改善すると共に/又は、楽曲906’が使用のために識別されるのに伴って、メタデータ908’を改善している。
【0067】
会場において演奏する際に、DJ901(1)は、コンピュータ950上において稼働しているDJアプリケーション964を使用することにより、演奏の際にリアルタイムで楽曲906’のサウンドを選択し、且つ、ミキシングする。DJ901(1)がそれぞれの楽曲906’の少なくとも一部分を演奏するのに伴って、DJアプリケーション964は、演奏の際に再生されたこれらの楽曲906’を識別する再生された再生リスト954を生成する。又、DJ901(1)は、DJ901(1)の好みであると共に演奏の際に再生するのに適した楽曲906を識別する再生リスト956を生成してもよい。DJ901(1)は、後述するように、その他の再生リストを生成してもよい。
【0068】
会場における演奏のために、DJ901(1)は、再生された再生リスト954内において、会場タイプ958として例示的に示されている会場の特性と、再生された再生リスト954内において、設定時刻960として例示的に示されている演奏の時刻と、を定義してもよい。会場タイプ958は、会場のタイプを表現するべく使用されてもよい予め定義されたタグの組(例えば、アリーナ、倉庫、フェスティバル、クラブ、サイドルーム、住宅、プールなど)に基づいたものであってもよい。一実施形態においては、DJ901(1)は、予め定義されたリスト内には存在しないが、DJ901(1)が会場を相対的に良好に表現すると考えるものである単語又はフレーズを使用している。即ち、ライブラリアプリケーション962によれば、DJ901(1)は、会場タイプ958と共に使用するための新しいタグ値を定義することができる。同様に、DJ901(1)は、演奏の際に再生のために選択される楽曲906のタイプの特徴付けを更に支援する一つ又は複数の予め定義されたタグ(例えば、イントロ、オープナ、フィラー、ピーク、クローザ、アフターアワー、サンライズなど)に基づいて演奏を更に特徴付けるべく、設定時刻960を定義する。適切なタグ値が利用不能である場合には、DJ901(1)は、設定時刻960と共に、非標準のタグ値を使用してもよい。
【0069】
再生リストの使用は、DJ901が、数千曲の楽曲の巨大なライブラリから、自身が特定の会場において再生することになる可能性が高い楽曲の再生リストに追加するべき楽曲を選択できるようにすることにより、改善される。
【0070】
ライブラリ952内において、DJ901(1)は、楽曲906’のサーチを改善するべく、メタデータ908’を変更する。これにより、DJ901(1)は、楽曲906’の間の関係を構築し、且つ、これらの特性を定義する。例えば、DJ901(1)が、貴重な購入された楽曲の一つ又は複数のステムを購入した場合に、それぞれのステムのメタデータ908’は、楽曲と関連するものとしてマーキングされてもよい。同様に、ループ及びサンプルは、一つ又は複数の楽曲及びミックスとの間の定義された関係を有してもよい。
【0071】
メタデータ908’に対するDJ901(1)による変更は、コンピュータ950のライブラリ952内においてのみ実施される。但し、ライブラリアプリケーション962は、修正済みのメタデータ966として例示的に示されている修正を識別し、且つ、システム900に送信するべく、ライブラリ952内においてメタデータ908’を定期的に処理してもよく、システム900において、修正は、例えば、DJアカウント910内において保存される。
【0072】
楽曲の識別
ライブラリ902内において、それぞれの楽曲906は、メタデータ908内において、一意の識別子1002を含む。メタデータ908は、楽曲906内において保存されていることから、その楽曲のそれぞれのコピーも、識別子1002を含む。従って、システム900のライブラリ902から購入された楽曲は、その関連するメタデータ内において、識別子を自動的に含む。例えば、DJ901(1)が、システム900からライブラリ952内において保存されている楽曲906(1)’を購入した場合に、識別子1002は、ライブラリ902内の楽曲906との間の楽曲906(1)’のマッチングを円滑に実行する。
【0073】
楽曲(例えば、楽曲906(2)’)が代替供給源から得られる(例えば、代替供給者から購入されたり、CDから取得される)場合には、メタデータ(例えば、メタデータ908’)が識別子1002を含まない場合がある。更には、楽曲のファイル名が、ライブラリ902内の等価なファイルのファイル名とマッチングしない場合もある。ライブラリ952内の楽曲が識別子1002を含んでいない場合には、システム900は、例えば、DJによるその楽曲の使用法に基づいて、ライブラリアプリケーション962によって収集された統計及びその他の情報を使用することができず、その理由は、ライブラリ902内のマッチングした楽曲を容易に識別することができないからである。楽曲906’をライブラリ902内の楽曲とマッチングさせることができない場合には、メタデータマネージャ904は、楽曲906’のコンテンツ及びその他の情報に基づいて、ライブラリ902内においてマッチングした楽曲906を見出すべく、マッチユティリティ905を起動する。
【0074】
例えば、ライブラリ952からの楽曲906(2)’をライブラリ902内の楽曲に対してマッチングさせるには、マッチユティリティ905は、まず、メタデータ908(2)’内において識別子1002をサーチする。見出された場合には、識別子1002を使用して楽曲906(2)を識別する。識別子1002が見出されない場合には、マッチユティリティ905は、ライブラリ902内において楽曲906(2)’のファイル名をサーチする。マッチングしたファイル名がライブラリ902内において見出された場合には、マッチユティリティ905は、その他の比較を使用することにより、楽曲906(2)が楽曲906(2)’とマッチングしていることを検証する。例えば、マッチユティリティ905は、DJ901(1)がその特定の楽曲を購入したことを検証するべく、DJアカウント910の保存されている購入履歴を調査してもよい。別の例においては、マッチユティリティ905は、「フィンガプリント」法を使用することにより、楽曲906(2)’内のオーディオデータが楽曲906(2)内のオーディオデータとマッチングしていることを検証してもよく、この場合に、「フィンガプリント」は、例えば、楽曲内のオーディオデータのチェックサム、オーディオデータのハッシュ関数、及びオーディオデータのオーディオフィンガプリントのうちの一つ又は複数に基づいている。
【0075】
楽曲906(2)’が楽曲906(2)とマッチングしたら、楽曲マッチユティリティ905は、ライブラリ902内のマッチングした楽曲から取得した又はこれと関連付けられているメタデータ(例えば、一意の識別子1002)をライブラリ952内の楽曲に自動的に挿入し、これにより、将来のマッチングを促進する。
【0076】
傾向に基づいたメタデータの更新
ライブラリ952内において、DJ901(1)は、ライブラリアプリケーション962を使用して一つ又は複数の楽曲906’のメタデータ908’を変更することにより、相対的に良好なサーチを円滑に実行してもよい。システム900は、メタデータ908内において使用されるタグ(例えば、ムードワード)の標準タグセット920を含む。例えば、ライブラリアプリケーション962は、DJ901(1)が、メタデータ908’内において使用するべく、標準タグセット920から一つ又は複数の標準タグを選択できるようにしてもよい。DJ901(1)が、標準タグセット920において、制限を見出した場合には、DJ901(1)は、標準タグセット920に含まれていないタグ(例えば、ムードワード)を使用してもよい。即ち、DJ901(1)は、メタデータ908’内において代替ムードワードを使用することにより、新しいタグを生成してもよい。
【0077】
ライブラリアプリケーション962は、メタデータ908’をライブラリ952から取得し、且つ、任意の修正済みのメタデータ(修正済みのメタデータ966として例示的に示されている)をシステム900に送信し、システム900において、修正済みのメタデータは、DJアカウント910との関連において保存される。メタデータマネージャ904は、システム900において、それぞれのDJアカウントからの修正済みのメタデータ966を処理し、メタデータの修正の傾向916を判定する。一実施形態においては、メタデータマネージャ904は、修正済みのメタデータ966を定期的に(例えば、毎週)処理することにより、メタデータ966の変化の統計的分析に基づいて、傾向916を識別している。
【0078】
傾向916は、システム900においてアカウント(例えば、DJアカウント910)を有する複数のDJ(例えば、DJ901(1))の間において共通するメタデータ908の修正を示している。傾向916を判定する際には、メタデータマネージャ904は、DJ901(1)のランキング942を利用することにより、修正済みのメタデータ966を重み付けしており、この場合に、ランキング942は、DJコミュニティ945内におけるその他のDJ901(2)及び901(3)との関係におけるDJ901の地位を示している。例えば、相対的に高いランキング942を有するDJは、相対的に低いランキングを有するDJよりも大きな重みを有することになろう。DJコミュニティ945は、例えば、プロフェッショナルなDJのコミュニティであり、この場合には、それぞれのDJは、収入及び/又は人気に基づいてランク付けされる。一例においては、ランキング942は、1〜10の範囲を有しており、この場合に、1は、新米のプロフェッショナルなDJを表しており、且つ、10は、十分に認知されたプロフェッショナルなDJ(例えば、DJグル)を表している。
【0079】
一実施形態においては、メタデータマネージャ904は、タグが、傾向916によって定義されているように、十分な人気を享受している際には、変更された又は新しいタグを標準タグセット920に自動的に追加する。別の実施形態においては、メタデータマネージャ904は、傾向916をコミュニティマネージャ940に送信しており、この場合には、DJコミュニティ945内におけるDJ901の世論調査及び/又はサーベイにより、存在する場合に、修正済みのメタデータ966内のいずれのタグが標準タグセット920に内蔵されるべきかを識別する。
【0080】
又、傾向916は、同様に、メタデータ908に対する人気のある修正(例えば、ライブラリ902内の楽曲906のうちの一つ又は複数の楽曲内のタグに対する修正)を定義してもよく、且つ、更には、それぞれのDJ901のランキング942を利用して重みを修正済みのメタデータ966内の修正に対して適用することにより、傾向916を生成してもよい。一実施形態においては、メタデータマネージャ904は、傾向916において定義されている変更の人気に基づいて、メタデータ908に対する変更を自動的に実装している。別の実施形態においては、メタデータマネージャ904は、傾向916をコミュニティマネージャ940に送信しており、この場合には、DJコミュニティ内におけるDJ901の世論調査及び/又はサーベイより、存在する場合に、メタデータ変更のいずれが、メタデータ908への内蔵のために、傾向916として送信されるのかを識別している。
【0081】
図11は、標準タグセット920のタグを表示する一つの例示用の対話型タグ選択ウィンドウ1100を示しており、且つ、選択された楽曲(例えば、ライブラリ952内の楽曲906’)のためにDJコミュニティによって選択(即ち、定義)されている特定のタグ1102(同様に、
図12内においても、シェードが付与されている)を更に示している。タグ選択ウィンドウ1100は、例えば、選択された楽曲用のタグを表示すると共にその局所的な変更を許容するべく、コンピュータ950上のライブラリアプリケーション962によって表示される。定義されているタグ1102は、例えば、定義されていないタグとは異なるスタイル及び/又は色において表示されている。
【0082】
図12は、DJ901による修正の後のタグ選択ウィンドウ1100を示している。具体的には、DJ901は、タグ1202(同様にシェードを有している)を追加しており、且つ、タグ1204(同様にシェードを有している)の選択を解除している。追加されたタグ1202は、例えば、それらがDJコミュニティによって定義されていないことを通知するべく、タグ1102とは異なる方式により、スタイル設定及び/又は着色されており、且つ、同様に、選択が解除されたタグ1204は、それらの選択が解除されているが、その楽曲についてDJコミュニティによって定義されていることを通知するべく、異なる方式により、スタイル設定及び/又は着色されている。従って、タグ選択ウィンドウ1100によれば、DJ901は、選択された楽曲について、いずれのタグがDJコミュニティによって定義されており、且つ、いずれのタグがローカルライブラリ952内において変更されているのかを容易に観察することができる。
【0083】
動作の一例においては、タグ選択ウィンドウ1100内のタグに対して実施された修正に基づいて、ライブラリアプリケーション962は、修正済みのメタデータ966を生成し、且つ、修正済みのメタデータ966をシステム900に送信しており、システム900において、修正済みのメタデータは、DJアカウント910内において保存される。上述のように、新たに追加された単語及びフレーズは、DJコミュニティ945内において人気を得た場合に、メタデータマネージャ904により、標準タグセット920に内蔵されてもよい。
【0084】
図13は、ライブラリアプリケーション962によって
図9のライブラリ952から生成される例示用の再生リストを示している。DJ901(1)がDJアプリケーション964及びライブラリアプリケーション962を利用して楽曲906を選択及び再生するのに伴って、ライブラリアプリケーション962は、再生された再生リスト954、再生リスト956、会場再生リスト1302、再生された再生リスト954、すべての再生された再生リスト1304、購入された再生リスト1306、及び生成された再生リスト1308を維持している。
【0085】
再生リスト956は、好みの楽曲、頻繁に再生される楽曲、頻繁にリクエストされる楽曲などのような関心を集めている楽曲906を識別するべく、DJ901(1)によって生成される。再生リスト956は、ライブラリ952内の楽曲906のサブセットを識別しており、このサブセットは、数千曲の楽曲を含んでもよい。これにより、再生リスト956は、DJ901(1)にとって関心のある楽曲についてのサーチを単純化する。
【0086】
第一の会場における演奏に先立って、DJ901(1)は、ライブラリアプリケーション962を利用し、その会場における聴衆の状態(例えば、会場タイプ958及び設定時刻960)及び予想に基づいて、会場再生リスト1302(1)を生成してもよい。例えば、DJ901(1)は、再生リスト956から適切な楽曲906を選択して第一の会場用の会場再生リスト1302(1)を生成してもよい。同様に、第二の会場における演奏のための準備として、DJ901(1)は、予想される聴衆及び状態(例えば、会場タイプ958及び設定時刻960)に基づいて、会場再生リスト1302(2)を生成するべく、再生リスト956から楽曲906を選択してもよい。別の例においては、DJ901(1)は、ライブラリアプリケーション962を使用して会場再生リスト1302(1)を複写することにより、会場再生リスト1302(2)を形成し、且つ、次いで、第一及び第二の会場の間における状態の差に基づいて、会場再生リスト1302(2)を変更している。
【0087】
又、DJ901(1)は、会場再生リスト1302(1)に包含するべく、一つ又は複数の楽曲906をライブラリ952から(例えば、サーチによって)直接的に選択してもよく、この場合に、ライブラリアプリケーション962は、そのファイルが再生リスト956内においてまだ識別されていない際には、その楽曲の識別子を再生リスト956に対して自動的に追加する。即ち、再生リスト956は、ライブラリアプリケーション962により、自動的に維持される。
【0088】
第一の会場において演奏する際に、DJ901(1)は、会場再生リスト1302(1)内において識別されているすべての楽曲を再生しなくてもよい。但し、DJアプリケーション964及び/又はライブラリアプリケーション962は、その演奏において再生された楽曲906を識別するべく、会場において再生された再生リスト954(1)を生成する。任意選択により、会場において再生された再生リスト954は、再生されたそれぞれの楽曲の一部分を定義してもよい。同様に、第二の会場における演奏の際に、DJアプリケーション964及び/又はライブラリアプリケーション962は、その演奏において再生された楽曲906を識別するべく、会場において再生された再生リスト954(2)を生成する。又、DJアプリケーション964及び/又はライブラリアプリケーション962は、DJ901(1)によって再生されたすべての楽曲906を識別するべく、すべての再生された再生リスト1304をも生成する。即ち、会場において再生された再生リスト954は、それぞれ、すべての再生された再生リスト1304のサブセットである。
【0089】
又、ライブラリアプリケーション962は、DJ901(1)によって購入されたそれぞれの楽曲906を識別する購入された再生リスト1306を自動的に維持してもよい。又、任意の選択により、購入された再生リスト1306は、楽曲が購入された場所と、それらが購入された時点をも識別している。又、ライブラリアプリケーション962は、DJ901(1)によって生成された楽曲906(例えば、
図8のミックス822)を識別する生成された再生リスト1308を維持してもよい。
【0090】
システム900は、再生リスト954、956、1302、1304、1306、及び1308の情報を利用し、楽曲906に関する統計情報を生成してもよい。例えば、システム900は、異なるタイプの会場において再生された楽曲の相関及び傾向を判定するべく、複数のDJから収集された会場において再生された再生リスト954から統計情報を判定してもよい。又、システム900は、新しく購入された楽曲の傾向及び人気を判定するべく、購入された再生リスト1306から情報を収集してもよい。又、
図13に示されているように、購入された再生リスト1306は、それぞれの楽曲が購入された場所と、楽曲が購入された時点などの情報を含んでもよい。
【0091】
上述の方法及びシステムにおいては、その範囲を逸脱することなしに、変更が実施されてもよい。従って、上述の説明に含まれている又は添付の図面に示されている内容は、限定の意味ではなく、例示を目的としたものであると解釈する必要があることに留意されたい。添付の請求項は、本明細書において記述されているすべての一般的且つ具体的な特徴のみならず、言語の問題としてその間に含まれると表現されうる本方法及びシステムの範囲のすべての記述内容をも包含することが意図されている。具体的には、以下の実施形態のみならず、相互に互換性を有するこのような実施形態の任意の組合せが、具体的に想定される。
【0092】
A.ライブ演奏の際に第一楽曲及び第二楽曲を選択的に一つにミキシングするシステムであって、該第一楽曲は、それぞれがステレオオーディオを有し、且つ、組み合わせられて該第一楽曲の該オーディオを形成する複数の第一ステムを有し、且つ、該第二楽曲は、それぞれがステレオオーディを有し、且つ、組み合わせられて該第二楽曲の該オーディオを形成する複数の第二ステムを有する、システムであって、メモリ及びプロセッサを有するコンピュータと、該第一ステムのうちの少なくとも一つの第一ステムのオーディオを再生し、且つ、該第二ステムのうちの少なくとも一つの第二ステムのオーディオとミキシングするべく、該メモリ内において保存され、且つ、該プロセッサによって実行される機械可読命令を有する複数チャネルオーディオミキシングアプリケーションと、を有し、該複数チャネルオーディオミキシングアプリケーションは、該ミキシングのために該少なくとも一つの第一ステム及び該少なくとも一つの第二ステムを選択するべく、該演奏の際にリアルタイムで制御される、システム。
【0093】
B.該コンピュータのインタフェースに結合され、且つ、該少なくとも一つの第一ステム及び該少なくとも一つの第二ステムを選択すると共にこれらを一つにミキシングするべく、該演奏の際に複数チャネルオーディオミキシングアプリケーションを制御するための複数の制御部を有するDJコンソールを更に有する、実施形態Aに記載のシステム。
【0094】
C.該複数チャネルオーディオミキシングアプリケーションは、(a)該第一ステムのうちのそれぞれの第一ステム内において少なくとも一つの第一キューポイントを定義し、且つ、(b)該第二ステムのうちの一つ又は複数の第二ステム内において少なくとも一つの第二キューポイントを定義するために、該演奏の前に該DJとやり取りするべく、且つ、該第一及び第二キューポイントのうちの一つ又は複数を選択して該対応するキューポイントにおいて該対応するステムの再生を開始するために、該演奏の際に該DJとリアルタイムでやり取りするべく、該メモリ内に保存され、且つ、該プロセッサによって実行される機械可読命令を更に有する、実施形態A又はBに記載のシステム。
【0095】
D.該少なくとも一つの第一キューポイントは、該第一楽曲のうちのそれぞれの第一楽曲内の再生ポイントを定義している、実施形態A乃至Cに記載のシステム。
【0096】
E.該少なくとも一つの第一キューポイント及び該少なくとも一つの第二キューポイントは、該第一及び第二楽曲内の異なる再生位置に位置している、実施形態A乃至Dに記載のシステム。
【0097】
F.DJによるライブ演奏の際に第一楽曲と第二楽曲を一つに選択的にミキシングする方法であって、該第一楽曲は、それぞれが、該第一楽曲のオーディオを形成するべく組み合わせられるオーディオを有する複数の第一ステムを有し、該第二楽曲は、それぞれが、該第二楽曲のオーディオを形成するべく組み合わせられるオーディオを有する複数の第二ステムを有する、方法であって、該演奏の際に命令を受け取るべくコンピュータに結合された複数の物理的制御部を有するDJコンソールを使用することにより、該DJとやり取りするステップと、該コンピュータ内において、該命令に基づいて、該第一ステムのうちの少なくとも一つ及び該第二ステムのうちの少なくとも一つを選択するステップと、該コンピュータ内において、該命令に基づいて、該少なくとも一つの第一ステムと該少なくとも一つの第二ステムをミキシングし、該ライブ演奏用のオーディオ出力を生成するステップと、を有する方法。
【0098】
G.(a)該第一ステムのうちのぞれぞれの第一ステム内において少なくとも一つの第一キューポイントを定義し、且つ、(b)該第二ステムのうちの一つ又は複数の第二ステム内において少なくとも一つの第二キューポイントを定義するべく、該演奏の前に該DJとやり取りするステップを更に有する、実施形態Fに記載の方法。
【0099】
H.該対応するキューポイントにおいて該対応するステムの再生を開始するために該少なくとも一つの第一及び第二キューポイントのうちの一つ又は複数を選択するべく、該演奏の際に該DJとリアルタイムでやり取りするステップを更に有する、実施形態F又はGに記載の方法。
【0100】
I.該少なくとも一つの第一キューポイント及び該少なくとも一つの第二キューポイントは、該ライブ演奏用の該オーディオ出力と同期化されている、実施形態F乃至Hに記載の方法。
【0101】
J.二つ以上の楽曲のうちのそれぞれの楽曲の一つ又は複数のステムをリアルタイムで一つにミキシングするためのDJミキシングソフトウェアのDJ制御を提供するコンソールであって、フェースプレート及び通信ポートを有するハウジングと、該DJミキシングソフトウェアによる第一楽曲の第一ステムの再生を制御するためのステム制御部の第一の組と、該DJミキシングソフトウェアによる該第一楽曲の第二ステムの再生を制御するためのステム制御部の第二の組と、該DJミキシングソフトウェアによる第二楽曲の第三ステムの再生を制御するためのステム制御部の第三の組と、該DJミキシングソフトウェアによる該第二楽曲の第四ステムの再生を制御するためのステム制御部の第四の組と、を有し、該DJミキシングソフトウェアは、該第一ステムと該第二ステムのうちの少なくとも一つと該第三ステムと該第四ステムのうちの少なくとも一つをリアルタイムで一つにミキシングしてオーディオ出力を生成するべく、該第一、第二、第三、及び第四ステム制御によって制御される、コンソール。
【0102】
K.該制御部の第一及び第二の組は、該第一楽曲の再生を制御するための第一デッキを形成している、実施形態Jのコンソール。
【0103】
L.該制御部の第三及び第四の組は、該第二楽曲の再生を制御するための第二デッキを形成している、実施形態J又はKに記載のコンソール。
【0104】
M.ライブ演奏の際のクラウドに基づいたDJ処理のためのシステムであって、プロセッサ及び複数の楽曲を保存するためのメモリを有する、クラウド内に配置され、且つ、インターネットを介してアクセス可能であるサーバコンピュータと、該プロセッサによって実行された際に、第一及び第二楽曲を識別するべくインターネットを介してDJコンピュータとやり取りする該メモリ内に保存された機械可読命令として実装されたアカウントマネージャと、該メモリから該第一及び第二楽曲を受け取り、且つ、該第一及び第二楽曲を該DJコンピュータにストリーミングするためのストリームバッファと、を有し、該DJコンピュータは、該ライブ演奏の際に該第一及び第二楽曲をミキシングする、システム。
【0105】
N.該第一及び第二楽曲は、該DJコンピュータに同時にストリーミングされる、実施形態Mに記載のシステム。
【0106】
O.クラウドからDJ処理するための方法であって、第一及び第二楽曲を識別するべくインターネットを介してDJコンピュータとやり取りするステップと、楽曲のライブラリから該第一及び第二楽曲を取得するステップと、該第一及び第二楽曲をインターネットを介して該DJコンピュータにストリーミングするステップと、を有し、該DJコンピュータは、該第一楽曲の少なくとも一部分と該第二楽曲の少なくとも一部分を一つにミキシングしてライブ演奏用のサウンドを生成する、方法。
【0107】
P.該ストリーミングのステップは、該第一及び第二楽曲を該DJコンピュータに同時にストリーミングするステップを有する、実施形態Oに記載の方法。
【0108】
Q.楽曲のメタデータを自動的に更新するシステムであって、プロセッサ、一時的ではないメモリ、及びインターネットに対するインタフェースを有するコンピュータサーバと、該楽曲及び該楽曲と関連するメタデータを収容する該メモリ内に保存された楽曲ライブラリと、該コンピュータサーバから離れたところに保存された複数のDJライブラリのそれぞれから該楽曲の修正済みのメタデータを受け取り、該修正済みのメタデータを集合的に処理して該修正の傾向をアルゴリズムによって判定し、且つ、該傾向に基づいて該楽曲ライブラリ内の該楽曲と関連する該メタデータに対して該修正を適用することにより、該楽曲のメタデータを自動的に更新するべく、該メモリ内に保存され、且つ、該プロセッサによって実行される機械可読命令を有するメタデータマネージャと、を有するシステム。
【0109】
R.DJコミュニティのそれぞれのDJとやり取りして該DJコミュニティ内の該DJのランキングを判定するべく、該メモリ内に保存され、且つ、該プロセッサによって実行される機械可読命令を有するコミュニティマネージャを更に有する、実施形態Qに記載のシステム。
【0110】
S.該メタデータマネージャは、該ランキングに基づいて重みをそれぞれのDJの該修正済みのメタデータに適用して該傾向を判定するべく、該プロセッサによって実行される機械可読命令を更に有する、実施形態Q又はRに記載のシステム。
【0111】
T.該メタデータマネージャは、世論調査又はサーベイの一つ又は両方に基づいて該DJコミュニティによる該修正の承認を判定するべく、該プロセッサによって実行される機械可読命令を更に有する、実施形態Q乃至Sに記載のシステム。
【0112】
U.該メタデータマネージャは、該DJライブラリのうちの一つを保存する複数のコンピュータのそれぞれ内において動作するライブラリアプリケーションから該修正済みのメタデータを受け取り、該ライブラリアプリケーションは、(a)該DJライブラリによって該修正済みのメタデータを自動的に判定し、且つ、(b)該修正済みのメタデータを該メタデータマネージャに送信するように、動作する、実施形態Q乃至Tに記載のシステム。
【0113】
V.コンピュータサーバの楽曲ライブラリ内に保存された楽曲のメタデータを自動的に更新する方法であって、該コンピュータサーバ内において、それぞれが異なるDJによって維持されている複数のリモートDJライブラリのそれぞれから該楽曲の修正済みのメタデータを受け取るステップと、統計的分析に基づいて該修正済みのメタデータを集合的に処理して該修正の傾向を判定するステップと、該傾向に基づいて該修正を該楽曲ライブラリ内の該楽曲の該メタデータに適用するステップと、を有する方法。
【0114】
W.該コンピュータサーバからDJコミュニティのそれぞれのDJとやり取りして該DJコミュニティ内における該DJのランキングを判定するステップを更に有する、実施形態Vに記載の方法。
【0115】
X.該ランキングに基づいて重みをそれぞれのDJの該修正済みのメタデータに適用し、該傾向を判定するステップを更に有する、実施形態V又はWに記載の方法。
【0116】
Y.世論調査及びサーベイの一つ又は両方に基づいて該DJコミュニティによる該修正の承認を判定するステップを更に有する、実施形態V乃至Xに記載の方法。
【0117】
Z.該修正済みのメタデータは、(a)該修正済みのメタデータを自動的に判定し、且つ、(b)修正済みのメタデータを該サーバコンピュータに送信するべく、DJコンピュータ内において動作するライブラリアプリケーションから受け取られる、実施形態V乃至Yに記載の方法。
【0118】
AA.該メタデータは、該楽曲を再生するのに適した場所を示す会場を有する、実施形態V乃至Zに記載の方法。
【0119】
BB.該メタデータは、該楽曲を演奏するのに適した時点を示す設定時刻を有する、実施形態V乃至AAに記載の方法。
【0120】
CC.該メタデータは、該楽曲のコンテンツを示すムードタグの組を有する、実施形態V乃至BBに記載の方法。
【0121】
DD.楽曲を自動的に管理及び組織化する方法であって、DJのコンピュータ上において、楽曲の購入を検出するステップと、該購入の、且つ、該楽曲の、情報を該コンピュータの購入された再生リストに自動的に追加するステップと、該コンピュータ上において稼働するDJアプリケーション内において、該DJが会場における演奏の際に該楽曲の少なくとも一部分を再生した際を検出するステップと、該楽曲の情報を該コンピュータ上に保存されている会場において再生された再生リストに自動的に追加するステップと、を有し、該会場において再生された再生リストは、該会場と関連付けられている、方法。
【0122】
EE.該楽曲の情報を該コンピュータ上に保存されているすべての再生された再生リストに自動的に追加するステップを更に有する、実施形態DDに記載の方法。
【0123】
FF.該購入された再生リスト及び該会場において再生された再生リストは、統計分析のためにサーバコンピュータに送信される、実施形態DD又はEEに記載の方法。
【0124】
GG.楽曲を自動的に管理及び組織化する方法であって、コンピュータサーバ内において、DJのリモートコンピュータ上に保存されている購入された再生リストに基づいて購入情報を受け取るステップであって、該購入された再生リストは、楽曲が購入された際に、該リモートコンピュータ上において自動的に生成される、ステップと、該コンピュータサーバ内において、該リモートコンピュータ上に保存されている会場において再生された再生リストに基づいて会場情報を受け取るステップであって、該会場において再生された再生リストは、該DJが会場において該楽曲の少なくとも一部分を再生した際に、該リモートコンピュータ内において自動的に生成される、ステップと、該コンピュータサーバ内において、該購入情報及び該会場において再生された再生リストから楽曲の人気を示す統計情報を判定するステップと、を有する方法。
【0125】
HH.該コンピュータサーバ内において、該リモートコンピュータ上に保存されているすべての再生された再生リストに基づいて再生された情報を受け取るステップを更に有し、該すべての再生された再生リストは、該DJが該楽曲の少なくとも一部分を再生した際に、自動的に生成され、該統計情報は、該再生された情報にも基づいている、実施形態GGに記載の方法。