特許第6462099号(P6462099)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6462099
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】演出出力玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 3/00 20060101AFI20190121BHJP
   A63H 3/33 20060101ALI20190121BHJP
   A63H 30/02 20060101ALI20190121BHJP
   A63H 33/22 20060101ALI20190121BHJP
【FI】
   A63H3/00 U
   A63H3/33 C
   A63H30/02 C
   A63H33/22 A
【請求項の数】17
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-232097(P2017-232097)
(22)【出願日】2017年12月1日
【審査請求日】2018年7月20日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(73)【特許権者】
【識別番号】591108411
【氏名又は名称】株式会社プレックス
(72)【発明者】
【氏名】松本 晃宣
(72)【発明者】
【氏名】関根 歩
(72)【発明者】
【氏名】三上 真紀
【審査官】 大山 栄成
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−111086(JP,A)
【文献】 実開昭50−156190(JP,U)
【文献】 実開昭57−005287(JP,U)
【文献】 特開平11−169562(JP,A)
【文献】 特開2002−078982(JP,A)
【文献】 特開2000−020222(JP,A)
【文献】 特開平05−184728(JP,A)
【文献】 実開平05−082485(JP,U)
【文献】 特開2001−293262(JP,A)
【文献】 特開2000−093664(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0014830(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00−37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1玩具体と、第2玩具体と、を備えた演出出力玩具であって、
前記第1玩具体は、当該第1玩具体への前記第2玩具体の接触を検出可能な接触検出部と、前記接触検出部に近接して配置され、信号を受信可能な受信部と、前記接触検出部による接触検出に基づいて前記受信部を受信可能状態に制御可能な受信制御部と、前記受信部で受信した前記信号に応じて演出を出力可能な演出出力部と、を有し、
前記第2玩具体は、物品を装着可能な物品装着部と、前記物品装着部への前記物品の装着を検出可能な装着検出部であって、前記物品装着部に装着された前記物品の種類を検出可能な装着検出部と、前記物品装着部に装着された前記物品の種類に応じた前記信号を送信可能な送信部と、前記装着検出部による装着検出に基づいて前記送信部を送信状態に制御可能な送信制御部と、を有する、
演出出力玩具。
【請求項2】
前記信号は、光信号である、
請求項に記載の演出出力玩具。
【請求項3】
前記演出出力部は、前記受信部で前記信号を受信したときに第1演出を出力し、当該第1演出の出力後の前記接触検出部による接触検出に基づいて前記第1演出とは異なる第2演出を出力可能に構成される、
請求項1または2に記載の演出出力玩具。
【請求項4】
前記演出出力部は、発光部及び発音部の少なくとも何れかを有する、
請求項1〜のいずれか1項に記載の演出出力玩具。
【請求項5】
前記受信制御部は、前記接触検出部による接触検出に基づいて、所定時間、前記受信部を受信可能状態に制御可能に構成される、
請求項1〜のいずれか1項に記載の演出出力玩具。
【請求項6】
前記第1玩具体は、口部を含む頭部を少なくとも有し、
前記接触検出部と前記受信部は、前記口部に近接して配置される、
請求項1〜のいずれか1項に記載の演出出力玩具。
【請求項7】
前記口部は、軟質材にて形成される、
請求項に記載の演出出力玩具。
【請求項8】
前記接触検出部による接触検出は、前記口部を形成する前記軟質材への押圧に基づいてなされるように構成される、
請求項に記載の演出出力玩具。
【請求項9】
前記口部には、光通過孔が形成され、
前記受信部は、前記光通過孔と対向するように配置される、
請求項6〜8のいずれか1項に記載の演出出力玩具。
【請求項10】
前記第1玩具体は、キャラクターを模した外観を有する、
請求項1〜のいずれか1項に記載の演出出力玩具。
【請求項11】
前記送信部は、前記第2玩具体の端部に配置される、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の演出出力玩具。
【請求項12】
前記送信制御部は、前記装着検出部による装着検出に基づいて、所定時間、前記送信部を送信状態に制御可能に構成される、
請求項1〜11のいずれか1項に記載の演出出力玩具。
【請求項13】
前記第2玩具体は、前記物品装着部への前記物品の装着に基づいて演出を出力する第2玩具体用演出出力部をさらに有する、
請求項1〜12のいずれか1項に記載の演出出力玩具。
【請求項14】
前記第2玩具体用演出出力部は、発光部を少なくとも有する、
請求項13に記載の演出出力玩具。
【請求項15】
前記第2玩具体は、スプーンを模した外観を有する、
請求項1〜14のいずれか1項に記載の演出出力玩具。
【請求項16】
前記物品装着部は、皿状部に相当する部分に設けられる、
請求項15に記載の演出出力玩具。
【請求項17】
前記物品は、食べ物を模した形象部を有する、
請求項1〜16のいずれか1項に記載の演出出力玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1玩具体と第2玩具体とを備えた演出出力玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
後記特許文献1には、人形の手を当該人形の顔に近付けることにより、手内の永久磁石によって顔内の磁気応動スイッチを作動させて顔内の豆電球を点灯させ、当該点灯により顔の頬を赤く発色させるようにした表情変化人形が開示されている。しかしながら、この表情変化人形は、手を顔に近付けたときの顔の表情変化を演出の主体とするものであるため、遊戯者に提供できる楽しさや面白さに限度がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭52−071790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、第1玩具体と第2玩具体との協働による演出によって、より一層の楽しさや面白さを遊戯者に提供できる演出出力玩具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る演出出力玩具は、第1玩具体と第2玩具体とを備え、前記第1玩具体は、当該第1玩具体への前記第2玩具体の接触を検出可能な接触検出部と、前記接触検出部に近接して配置され、信号を受信可能な受信部と、前記接触検出部による接触検出に基づいて前記受信部を受信可能状態に制御可能な受信制御部と、前記受信部で受信した前記信号に応じて演出を出力可能な演出出力部と、を有し、前記第2玩具体は、物品を装着可能な物品装着部と、前記物品装着部への前記物品の装着を検出可能な装着検出部であって、前記物品装着部に装着された前記物品の種類を検出可能な装着検出部と、前記物品装着部に装着された前記物品の種類に応じた前記信号を送信可能な送信部と、前記装着検出部による装着検出に基づいて前記送信部を送信状態に制御可能な送信制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る演出出力玩具によれば、第1玩具体と第2玩具体との協働による演出によって、より一層の楽しさや面白さを遊戯者に提供することできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1(A)は本発明を適用した演出出力玩具の第1玩具体を前から見た図、図1(B)は図1(A)のS1−S1線断面図(第1玩具体の頭部の内部構造を示す図)である。
図2図2図1に示した第1玩具体に設けられた第1動作制御部の構成を示す図である。
図3図2(A)は本発明を適用した演出出力玩具の第2玩具体を上から見た図、図2(B)は図2(A)のS2−S2線断面図(第2玩具体の内部構造を示す図)である。
図4図4図3に示した第2玩具体に設けられた第2動作制御部の構成を示す図である。
図5図5(A)は図3に示した第2玩具体に装着可能な物品を上から見た図、図5(B)は図5(A)に示した物品を横から見た図である。
図6図6は第1玩具体の基本動作の流れを示す図である。
図7図7図2に示した第2玩具体に図5に示した物品を装着した様子を示す図である。
図8図8は第2玩具体の基本動作の流れを示す図である。
図9図9は第1玩具体と第2玩具体とを用いた遊戯方法を示す図である。
図10図10は第1玩具体と第2玩具体とを用いた遊戯動作の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
まず、図1を用いて、本発明を適用した演出出力玩具の第1玩具体10の構成について説明する。ここでは、説明の便宜上、図1(A)の手前側を前、奥側を後、左側を右、右側を左、上側を上、下側を下と表記し、図1(B)についてもこれに準じて向きを表記する。
【0009】
第1玩具体10は、キャラクターを模した外観を有する人形であり、頭部11と胴部12と左右1対の腕部13と左右1対の脚部14とを有する。また、頭部11の前面には、左右1対の眼部15と口部16と飾り部17とが設けられる。さらに、頭部11の口部16には、略円柱状の光通過孔11aが形成され、頭部11の上部分(飾り部17が設けられた部分)には、略円柱状の光通過孔11bが形成される。
【0010】
第1玩具体10の頭部11の表面部分(口部16を含む)は、軟質材、例えばフェルト系生地やボア系生地等の布地や、当該布地をポリウレタンやポリ塩化ビニル等から成る合成樹脂シートに貼り付けたもの等から形成される。頭部11の内側には、必要に応じて、クッション材(図示省略)、例えばビーズ類やパイプ類や綿類等を充填してもよい。ちなみに、胴部12と各腕部13と各脚部14の表面部分の材料等も、頭部11の表面部分の材料等と同じである。飾り部17は、透光材、例えばアクリル樹脂等の透明な合成樹脂や、これに色付けを施した有色半透明の合成樹脂から形成される。
【0011】
また、頭部11の内部には、内部フレーム18と制御ボックス19と電源ボックス20とが設けられる。さらに、口部16の内側には、当該口部16と近接して(当該口部16の近傍に)後記受信部32と後記接触検出部33が配置される。具体的には、後記受信部32は、その受信部位が光通過孔11aと向き合うように(対向するように)配置され、この後記受信部32の後側に後記接触検出部33が配置される。さらに、頭部11の飾り部17が設けられた部分の内側には、発光部位が光通過孔11bと向き合うように(対向するように)後記発光部36が配置される。
【0012】
後記受信部32と後記受信部32の配置について補足すると、図1(B)に示したように、後記受信部32は内部フレーム18にバネ付勢下で支持されており、その後側に後記受信部32が配置される。すなわち、口部16を形成する軟質材を後方に押圧すると、当該押圧によって後記受信部32がバネ付勢力に抗して後退し、後退する後記受信部32によって後記接触検出部33を作動できるようになっている。
【0013】
次に、図2を用いて、第1玩具体10に設けられた第1動作制御部30の構成について説明する。
【0014】
第1動作制御部30は、主制御部31と受信部32と接触検出部33と電源スイッチ34と電源部35と発光部36と発音部37と記憶部38とを有し、主制御部31とと発光部36と発音部37と記憶部38とによって演出出力部39が構成される。ちなみに、図1(B)に示した制御ボックス19には、主制御部31と発音部37と記憶部38とが設けられ、電源ボックス20には、電源部35となる乾電池や充電池等が設けられる。また、電源ボックス20は、第1玩具体10の頭部11の後面に設けられた開閉部分(図示省略)を開放することによって露出できるようになっており、電源スイッチ34は、電源ボックス20の周囲または第1玩具体10の頭部11の後面に設けられる。
【0015】
主制御部31は、マイクロコンピュータ、各種ドライバおよび各種インターフェース等を有し、動作制御用のプログラムをROMに格納する。受信部32は、好ましくは、赤外線等の可視光を用いた光受信モジュールから成る。接触検出部33は、好ましくは、マイクロスイッチから成る。発光部36は、好ましくは、赤色、緑色、青色、赤紫色、黄色、空色、白色の7色発光等を可能としたフルカラー発光ダイオードから成る。発音部37は、好ましくはスピーカから成る。
【0016】
記憶部38は、第1玩具体10の起動時等に抽出可能で、かつ、受信部32で受信された光信号が持つ演出データに基づいて抽出可能な、単色発光や複数色の順次発光に係る発光パターンと音声および効果音の組み合わせに係る発音パターン等を記憶する。すなわち、第1玩具体10の起動時等に、当該起動等に対応した発光パターンおよび発音パターンが記憶部38から抽出され、抽出された発光パターンに基づく発光が発光部36で行われるとともに、抽出された発音パターンに基づく発音が発音部37で行われるようになっている。また、後記第2玩具体40の送信部52から送信された光信号が受信部32で受信されたときに、当該光信号が持つ演出データに対応する発光パターンおよび発音パターンが記憶部38から抽出され、抽出された発光パターンに基づく発光が発光部36で行われるとともに、抽出された発音パターンに基づく発音が発音部37で行われるようになっている。
【0017】
次に、図3を用いて、本発明を適用した第2玩具体40の構成について説明する。ここでは、説明の便宜上、図4(A)の右側を前、左を後、左側を左、上側を左、下側を右、手前側を上、奥側を下と表記し、図3(B)についてもこれに準じて向きを表記する。
【0018】
第2玩具体40は、スプーンを模した外観を有し、柄部41と皿状部42とを有する。第2玩具体40の上面の略中央には、飾り部43(図中は略ハート状)が設けられる。また、柄部41の上面の略中央部分(飾り部43が設けられた部分)には、略円柱状の光通過孔41aが設けられ、皿状部42の前端部には、略円柱状の光通過孔42aが設けられ、皿状部42の上面の略中央には、後記物品60を装着可能な略円柱状の物品装着部42bが設けられる。
【0019】
第2玩具体40は、硬質材、例えばポリプロピレンやABS樹脂等の合成樹脂から形成される。飾り部43は、透光材、例えばアクリル樹脂等の透明な合成樹脂や、これに色付けを施した有色半透明の合成樹脂から形成される。
【0020】
また、柄部41の内部には、制御ボックス44と電源ボックス45とが設けられる。さらに、皿状部42の内側には、送信部位が光通過孔42aと向き合うように後記送信部52が配置され、後記装着検出部53の検出部位53aが物品装着部42bから露出するように配置される。さらに、柄部41の飾り部43が設けられた部分の内側には、発光部位が光通過孔41aと向き合うように後記発光部55が配置される。
【0021】
次に、図4を用いて、第2玩具体40に設けられた第2動作制御部50の構成について説明する。
【0022】
第2動作制御部50は、主制御部51と送信部52と装着検出部53と電源部54と発光部55と記憶部56とを有し、主制御部51と発光部55と記憶部56とによって第2玩具体用演出出力部57が構成される。ちなみに、図3(B)に示した制御ボックス44には、主制御部51と記憶部56とが設けられ、電源ボックス45には、電源部54となる乾電池や充電池等が設けられる。また、電源ボックス20は、第2玩具体10の柄部45の下面に設けられた開閉部分(図示省略)を開放することによって露出できるようになっている。
【0023】
主制御部51は、マイクロコンピュータ、各種ドライバおよび各種インターフェース等を有しており、動作制御用のプログラムをROMに格納する。送信部52は、第1玩具体10の受信部32に対応した光送信モジュールから成る。装着検出部53は、好ましくは複数(図中は5個)のマイクロスイッチから成り、その上面に後記物品60の識別ピン64によって押圧可能な複数の検出部位53a(図3(A)を参照、図3中は5個)を有する。発光部55は、好ましくは赤色発光等を可能とした発光ダイオードから成る。
【0024】
装着検出部53について補足すると、当該装着検出部53は、後記物品60が物品装着部42bに装着され、後記物品60の識別ピン64の配列(数および位置)に応じて複数の検出部位53aが押圧されることにより、押圧された検出部位53aの数および位置に基づいて物品装着部42bに装着された後記物品60の種類を検出できるようになっている。
【0025】
記憶部56は、送信部52から送信される光信号に重畳される演出データ、例えば発光および発音による演出種類を規定したコード等を記憶している他、単色発光に係る発光パターン等を記憶する。すなわち、物品装着部42bに装着されている物品60の種類に応じ、送信部52から送信される光信号に重畳すべき演出データが記憶部56から抽出され、抽出された演出データが重畳された光信号が送信部52から送信されるようになっている。また、物品装着部42bに物品60が装着されているときに、当該物品60の種類に対応した発光パターンが記憶部56から抽出され、抽出された発光パターンに基づく発光が発光部55で行われるようになっている。
【0026】
なお、第2玩具体40は、装着検出部53に後記物品60が装着されたとき、具体的には後記物品60の識別ピン64によって装着検出部53のいずれかの検出部位53aが押圧されたことをもってして電源がオンになるようになっているため、専用の電源スイッチを有しない。
【0027】
次に、図5を用いて、第2玩具体40に装着可能な物品60について説明する。ここでは、説明の便宜上、図5(A)の手前側を上、奥側を下と表記し、図5(B)についてもこれに準じて向きを表記する。
【0028】
物品60は、略円盤状の台板部61と、台板部61の上面に設けられた食べ物を模した形象部62と、台板部61の下面に設けられた略円柱状の被装着部63と、被装着部63の下面に設けられた所定配列(数および位置)の識別ピン64を有する。すなわち、物品60の被装着部63を第2玩具体40の物品装着部42bに差し込むことにより、当該物品60を第2玩具体40の物品装着部42bに着脱可能に装着することができる。図示を省略したが、物品60の被装着部63と第2玩具体40の物品装着部42bには、物品60の装着向きを規制するための凹凸部等が設けられる。
【0029】
なお、図5には1種類の物品60を示したが、当該物品60は、形象部62の外観が異なり、かつ、識別ピン64の配列(数および位置)が異なるものが複数種類用意されている。ちなみに、形象部62には、果物やスイーツ等を模したものが好ましく採用できる。
【0030】
次に、図6を用いて、第1玩具体10の基本動作について説明する。
【0031】
後述する遊戯に際して電源スイッチ34がオンになると、第1玩具体10の起動に対応した発光パターンに基づく発光が発光部36で行われ、当該発光により飾り部17が発色する(図6のステップST101〜ST102を参照)。また、第1玩具体10の起動に対応した発音パターンに基づく発音が発音部37で行われ、当該発音が終了すると発光部36の発光が停止される(図6のステップST103〜ST104を参照)。
【0032】
電源スイッチ34がオンになってから所定時間、例えば3分が経過すると、第1玩具体10は省電力のためのスリープモードに移行する(図6のステップST105〜ST106を参照)。ちなみに、スリープモードは、接触検出部33による接触検出が行われると解除される。
【0033】
次に、図7および図8を用いて、第2玩具体40の基本動作について説明する。
【0034】
後述する遊戯に際しては、図7に示したように、複数種類用意された物品60の中から好みの物品60を第2玩具体40の物品装着部42bに装着する。先に述べたように第2玩具体40は電源スイッチを有しないため、物品60が装着検出部53に装着され、かつ、当該物品60の識別ピン64によって装着検出部53のいずれかの検出部位53aが押圧されたことをもってして電源がオンになる(図8のステップST201〜ST202を参照)。
【0035】
物品60が装着検出部53に装着されているときは、当該物品60の種類が検出され、検出された物品60の種類に対応した発光パターンに基づく発光が発光部55で行われる(図8のステップST203〜ST204を参照)。また、装着検出部53に装着されている物品60の種類に応じた演出データが記憶部56から抽出され、抽出された演出データが重畳された光信号が送信部52から送信される(図8のステップST205を参照)。すなわち、発光部55の発光による飾り部43の発色によって、第2玩具体40が遊戯に使用できる状態にあることを遊戯者に知らせることができるとともに、光信号が送信部52から送信されていることを遊戯者に知らせることができる。
【0036】
装着検出部53に物品60が装着されてから所定時間、例えば3分が経過すると前記の発光および送信が停止され、第2玩具体40は省電力のためのスリープモードに移行する(ステップST206〜ST208を参照)。ちなみに、スリープモードは、物品60を装着検出部53に装着し直すことによって解除される。
【0037】
次に、図9および図10を用いて、第1玩具体10と第2玩具体40とを用いた遊戯方法について説明する。
【0038】
遊戯に際しては、図9に示したように、遊戯に使用できる状態にある第2玩具体40の前端部を第1玩具体10の口部16に押し付けて、当該口部16を形成する軟質材を後方に押圧する。この押圧によって受信部32がバネ付勢力に抗して後退し、後退する受信部32によって接触検出部33を作動して接触検出が行われる。すなわち、人形(第1玩具体10)にスプーン(第2玩具体40)で食べ物(物品60)を与える動作によって、接触検出部33による接触検出が行われることになる。
【0039】
前記の動作に基づいて第1玩具体10の接触検出部33による接触検出が行われると、当該接触検出に基づいて第1玩具体10の受信部32が受信可能状態に受信制御される(図10のステップST301〜ST302を参照)。すなわち、接触検出部33による接触検出が行われるまでは受信部52は受信可能状態にはならないため、第2玩具体40の送信部52から光信号が送信されていても、当該光信号は第1玩具体10の受信部32では受信されない。
【0040】
第1玩具体10の受信部32が受信可能状態になると、第2玩具体40の送信部52から送信されている光信号が第1玩具体10の口部16にある光通過孔11aを通じて受信部32で受信され、当該光信号が持つ演出データが認識されて同データに対応する発光パターンおよび発音パターンが記憶部38から抽出され、抽出された発光パターンに基づく発光が発光部36で行われるとともに、抽出された発音パターンに基づく発音が発音部37で行われ、当該発音が終了すると発光部36の発光が停止される(図10のステップST303〜ST307を参照)。すなわち、人形(第1玩具体10)にスプーン(第2玩具体40)で食べ物(物品60)を与える動作によって、第2玩具体40に装着されている物品60の種類に対応した発光および発音による演出が出力されることになる。
【0041】
ステップST303で光信号の受信が行われてから所定時間、例えば3分が経過するまでに、第1玩具体10の接触検出部33による2度目以降の接触検出が行われると、接触検出の度に別の発光パターンおよび発音パターンが記憶部38から抽出され、抽出された発光パターンに基づく発光が発光部36で行われるとともに、抽出された発音パターンに基づく発音が発音部37で行われ、当該発音が終了すると発光部36の発光が停止される(図10のステップST308〜ST312を参照)。すなわち、人形(第1玩具体10)にスプーン(第2玩具体40)で食べ物(物品60)を与える動作の繰り返しによって、第2玩具体40に装着されている物品60の種類に対応した別の発光および発音による演出が出力されることなる。
【0042】
ステップST303で光信号の受信が行われてから所定時間、例えば3分が経過すると、第1玩具体10は省電力のためのスリープモードに移行する(図10のステップST313を参照)。このスリープモードは、人形(第1玩具体10)にスプーン(第2玩具体40)で食べ物(物品60)を与える動作が再開されて、接触検出部33による接触検出が行われると解除される。
【0043】
次に、前述の演出出力玩具(第1玩具体10および第2玩具体40)によって得られる主たる作用効果について説明する。
【0044】
前述の演出出力玩具は、第2玩具体40の送信部52からの光信号を第1玩具体10の受信部32で受信することにより、当該光信号に重畳されている演出データに対応した発光パターンおよび発音パターンに基づく発光および発音による演出を第1玩具体10から出力できるので、第1玩具体10と第2玩具体40との協働による演出によって、より一層の楽しさや面白さを遊戯者に提供することができる。
【0045】
また、前述の演出出力玩具は、第2玩具体40が第1玩具体10に接触したことを接触検出部33で検出し、この接触検出に基づいて受信部32を受信可能状態に受信制御するようになっているため、第2玩具体40が第1玩具体10に接触して接触検出部33による接触検出が行われるまで、すなわち、人形(第1玩具体10)にスプーン(第2玩具体40)で食べ物(物品60)を与える動作が適正に行われないと前記の発光および発音による演出が第1玩具体10から出力されないようになっている。つまり、人形(第1玩具体10)にスプーン(第2玩具体40)で食べ物(物品60)を与える動作が適正に行われたときのみ、前記の発光および発音による演出を第1玩具体10から出力されるため、前記動作を適正に行うことによる楽しさや面白さを遊戯者に提供することができる。
【0046】
さらに、前述の演出出力玩具は、第2玩具体40の送信部52からの光信号を第1玩具体10の受信部32で受信した後に、第2玩具体40が第1玩具体10に接触して接触検出部33による接触検出が行われると、当該接触検出に基づいて別の発光および発音による演出が第1玩具体10から出力されるようになっている。すなわち、人形(第1玩具体10)にスプーン(第2玩具体40)で食べ物(物品60)を与える動作の繰り返しによって、第2玩具体40に装着されている物品60の種類に対応した別の発光および発音による演出が第1玩具体10から出力されるため、この演出の変化による楽しさや面白さを遊戯者に提供することができる。
【0047】
さらに、前述の演出出力玩具は、第2玩具体40の物品装着部42bに装着されている物品60の種類に応じた演出データが重畳された光信号を送信部52から送信し、第1玩具体10の受信部32で受信された当該光信号が持つ演出データに対応する発光パターンおよび発音パターンに基づく発光および発音による演出を出力することができる。すなわち、人形(第1玩具体10)にスプーン(第2玩具体40)で食べ物(物品60)を与える動作を行うときに当該食べ物(物品60)に応じた発光および発音による演出を出力できるため、第2玩具体40の物品装着部42bに装着されている物品60を交換することによって多彩な演出を行って、この多彩な演出による楽しさや面白さを遊戯者に提供することができる。
【0048】
さらに、前述の演出出力玩具は、第2玩具体40に物品装着部42bに装着してから所定時間が経過したときに当該第2玩具体40をスリープモードに移行させ、一方、第1玩具体10の電源スイッチ34がオンになってから所定時間が経過したとき、及び受信部32で光信号の受信が行われてから所定時間が経過したときに当該第1玩具体10をスリープモードに移行させているので、遊戯途中で第2玩具体40および第1玩具体10が放置されても電力が無駄に消費されることを抑制することができる。
【0049】
次に、前記同様の作用効果が得られる、前述の演出出力玩具の変形例について説明する。
【0050】
第1玩具体10の頭部11の内部構造を示す図1(B)には、バネ付勢下で支持され受信部32の後側に接触検出部33を配置したものを示したが、受信部32を固定配置し、その周囲に接触検出部33を配置しても、人形(第1玩具体10)にスプーン(第2玩具体40)で食べ物(物品60)を与える動作によって、接触検出部33による接触検出を行うことは可能である。すなわち、接触検出部33と受信部32は、口部16に近接して配置されていればその配置形態に特段の制限はない。
【0051】
また、第1玩具体10としてキャラクターを模した外観を有する人形を図1に示したが、当該第1玩具体10は口部16を含む頭部11を少なくとも有していればよく、キャラクター以外の外観を有するものであってもよい。
【0052】
さらに、第2玩具体40としてスプーンを模した外観を有するものを図3に示したが、フォークを模した外観を有するものや、他の飲食器具を模した外観を有するものであってもよい。
【0053】
さらに、第2玩具体40に装着可能な物品60して食べ物を模した形象部62を有するものを図5に示したが、食べ物以外を模した形象部、例えば第1玩具体10がキャラクターを模した外観を有する場合には当該キャラクターに適合したアイテムを模した形象部62を有するものであってもよい。
【符号の説明】
【0054】
10…第1玩具体、11…頭部、11a,11b…光通過孔、12…胴部、13…腕部、14…脚部、15…眼部、16…口部、17…飾り部、30…第1動作制御部、31…主制御部、32…受信部、33…接触検出部、34…電源スイッチ、35…電源部、36…発光部、37…発音部、38…記憶部、39…演出出力部、38…記憶部、40…第2玩具体、41…柄部、41a…光通過孔、42…皿状部、42a…光通過孔、42b…物品装着部、43…飾り部、50…第2動作制御部、51…主制御部、52…送信部、53…装着検出部、54…電源部、55…発光部、56…記憶部、57…第2演出出力部、60…物品、61…台板部、62…形象部、63…被装着部、64…識別ピン。
【要約】
【課題】第1玩具体と第2玩具体との協働による演出によって、より一層の楽しさや面白さを遊戯者に提供できる演出出力玩具を提供する。
【解決手段】演出出力玩具は、第1玩具体10と第2玩具体40とを備える。第1玩具体10は、第1玩具体10への接触を検出可能な接触検出部33と、信号を受信可能な受信部32と、接触検出部33による接触検出に基づいて受信部32を受信可能状態に制御可能な受信制御部と、受信部32で受信した信号に応じて演出を出力可能な演出出力部39とを有する。一方、第2玩具体40は、前記信号を送信可能な送信部52を有する。
【選択図】図1
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