特許第6462212号(P6462212)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6462212
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】タバコの喫煙フィルター
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/04 20060101AFI20190121BHJP
   A24D 3/10 20060101ALI20190121BHJP
   A24D 3/16 20060101ALI20190121BHJP
【FI】
   A24D3/04
   A24D3/10
   A24D3/16
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-530790(P2013-530790)
(86)(22)【出願日】2011年9月27日
(65)【公表番号】特表2013-538580(P2013-538580A)
(43)【公表日】2013年10月17日
(86)【国際出願番号】GB2011001398
(87)【国際公開番号】WO2012042199
(87)【国際公開日】20120405
【審査請求日】2014年9月22日
【審判番号】不服2017-11926(P2017-11926/J1)
【審判請求日】2017年8月9日
(31)【優先権主張番号】1016387.1
(32)【優先日】2010年9月29日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】513076866
【氏名又は名称】フィルトロナ フィルター プロダクツ ディベロップメント シーオー.ピーティーイー.エルティーディー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】特許業務法人SSINPAT
(72)【発明者】
【氏名】クラーク, ポール, エフ.
(72)【発明者】
【氏名】メレディス, パトリック, ジー.
【合議体】
【審判長】 紀本 孝
【審判官】 莊司 英史
【審判官】 藤原 直欣
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−511107(JP,A)
【文献】 特表2008−521429(JP,A)
【文献】 特開昭55−141184(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/037304(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコの喫煙フィルター又はタバコの喫煙フィルターエレメントであって、
下流の第1の端部から長軸方向に配置された、粒状の添加剤を含む喫煙フィルター材料の長軸方向に延在するコアと、
前記コアの周囲の、空気透過性材料からなる第1の包装材と、
前記第1の包装材の周囲の第2の包装材とを具備し、
前記第1の包装材が、少なくとも前記第2の包装材と一緒に喫煙フィルターの口側の端部から前記喫煙フィルターの長軸方向に延在する少なくとも1個の浮き出し通路を形成するとともに、タバコ側の端部から前記喫煙フィルターの長軸方向に延在する少なくとも1個の浮き出し通路を形成し、
前記浮き出し通路は、前記第1の包装材をエンボス加工することによって形成されたものであり、
前記喫煙フィルターは、前記第1の包装材がエンボス加工されていない中心部を有し、
前記喫煙フィルター材料の前記長軸方向に延在するコアがロッド状コアを有し、このロッド状コアには、前記喫煙フィルターの前記中心部に位置する、少なくとも活性炭を含む粒状の添加剤が内部に封入された、少なくとも1個のポケットが封入されており、
前記喫煙フィルター又は前記喫煙フィルターエレメントが、単一区域フィルター又は単一区画フィルターエレメントであることを特徴とする、タバコの喫煙フィルター又はタバコの喫煙フィルターエレメント。
【請求項2】
前記第1の包装材が波形であり、前記波形が少なくとも喫煙フィルターの一端から前記喫煙フィルターの長軸方向に延在する5個以上の通路を形成することを特徴とする、請求項1に記載のタバコの喫煙フィルター又はタバコの喫煙フィルターエレメント。
【請求項3】
前記喫煙フィルター材料が、天然フィラメントトゥ若しくは合成フィラメントトウ、酢酸セルロースのフィラメントトウ、天然の短繊維、若しくは合成の短繊維、脱脂綿、織物材料、合成不織材料、又は押出材料の1種類以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載のタバコの喫煙フィルター又はタバコの喫煙フィルターエレメント。
【請求項4】
前記粒状の添加剤が、ゼオライト、イオン交換樹脂、海泡石、シリカゲル、アルミナ、モレキュラーシーブ、炭素ポリマー樹脂およびけい藻土から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のタバコの喫煙フィルター又はタバコの喫煙フィルターエレメント。
【請求項5】
前記コア内に完全に封入された前記ポケット中の前記添加剤が、1個若しくは複数の壊れやすいカプセル、又は1個若しくは複数の壊れやすいマイクロカプセルであることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のタバコの喫煙フィルター又はタバコの喫煙フィルターエレメント。
【請求項6】
香味料を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載のタバコの喫煙フィルター又はタバコの喫煙フィルターエレメント。
【請求項7】
包装されたタバコロッドに取り付けられた請求項1から6のいずれかに記載の喫煙フィルターを有し、コアの第2の端部がタバコに面したことを特徴とする、フィルターシガレット。
【請求項8】
端部同士が鏡像関係で一体化して連結された請求項1から6のいずれかに記載の複数の喫煙フィルター又は喫煙フィルターエレメントを含むことを特徴とする複合ロッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコの喫煙フィルター及びタバコの喫煙フィルターエレメントに関する。
【背景技術】
【0002】
粒状の添加剤、特に活性炭を含むシガレットフィルターは、タバコ産業においてよく知られている。かかるフィルターの大多数は、長軸方向に接する幾つかのセグメントを含み、口側端部セグメントは、粒状の添加剤を含まず、したがって、許容される端部外観を呈する。一方、上流セグメントの1個以上は粒状の添加剤を包含するか、または含んでいる。かかるマルチセグメントフィルターは、種々のセグメントを別々のプロセスで作製し、続いて異なるセグメントを正確に並べ、当接させて、マルチセグメントフィルターロッドを形成する必要があるので、(2個以上のセグメントではなく、フィルター材料の1個の(明確な)区域で形成された)「単一区域フィルター」よりも複雑であり、製造コストがかかることが知られている。単一区域フィルターは、例えば、単一の機械によって、1回のプロセスで作製することができる。
【0003】
本出願人は、以前に、複数の「モノカーボンフィルター」、すなわち炭素を組み入れた単一区域フィルターを開発した。これらは、粒状の添加剤を含まない少なくとも1個の端部を有し、1回のプロセスで製造することができる。これらは、「Active Patch」(英国特許公開公報GB2261152参照)(特許文献1))及び「Smooth Core」(国際公開第2006/059134号参照(特許文献2))フィルターである。これらは、それぞれ、包装材の内面の一部に、又は中心に位置するさや(Pod)の中に、粒状の添加剤を備えることを特徴としている。
【0004】
本出願人は、「CPFフィルター」も開発した(例えば、英国特許公開公報GB2133269参照(特許文献3))。これは、その長さの一部にエンボス波形の溝を有する内部包装材を備えることを特徴としており、標準酢酸セルロースフィルターよりもろ過効率が高く、及び/又は圧力損失が低いという利点を有している。さらに、これは、特有の端部外観を与えることもできる。かかるフィルターは、単一区域フィルターとして、又はマルチセグメントフィルター内のセグメントとして、使用することができる。英国特許公開公報GB2261152においては、CPFフィルターの特徴をActive Patchフィルターの特徴と組み合わせて、例えば炭素を含む、単一区域CPFフィルターを作製できることが提案された。かかるフィルターを「APF/CPF」と称することができる。しかし、このフィルターの欠点は、炭素の付着汚染(carbon carry−over「CCO」)、すなわち、製造中に、拡散した炭素顆粒が内部包装材の溝領域に偶発的に移行し、フィルター外観を損ない得る傾向があることである。この拡散した顆粒をフィルター製造中に除去することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】英国特許公開公報GB2261152号公報
【特許文献2】国際公開第2006/059134号公報
【特許文献3】英国特許公開公報GB2133269号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、下流の第1の端部から長軸方向に配置された添加剤(例えば、粒状の添加剤)を含む長軸方向に延在する喫煙フィルター材料の(例えば、単一区域)コアと、コアの周囲の(例えば、空気透過性材料の)第1の包装材と、第1の包装材の周囲の第2の包装材とを具備し、第1の包装材が、少なくとも第2の包装材と一緒に(例えば、第1の包装材自体と第2の包装材との間に)少なくとも喫煙フィルターの一端から喫煙フィルターの長軸方向に延在する少なくとも1個の通路を形成する、(例えば、単一区域)喫煙フィルター又は喫煙フィルターエレメントが提供される。
【0007】
好ましくは、第1の包装材は、喫煙フィルターの第1の(下流の)端部から長軸方向に延在する少なくとも1個の通路を(少なくとも第2の包装材と一緒に)形成する。好ましくは、第1の包装材は、少なくとも第2の包装材と一緒に(例えば、第1の包装材自体と第2の包装材との間に)、少なくとも喫煙フィルターの一端から喫煙フィルターの長軸方向に延在する少なくとも5個の通路(例えば5から23個の通路、例えば9から20個の通路)を形成する。外周約24〜25mmの喫煙フィルター又は喫煙フィルターエレメントは、例えば、14から20個の通路を含むことができる。外周約16〜17mmの喫煙フィルター又は喫煙フィルターエレメントは、例えば、9から14個の通路を含むことができる。
【0008】
粒状の添加剤は、コアの第1の(下流のすなわち口側の)端部から見えないように、第1の(下流の)端部から長軸方向に配置される(離隔される)。一例においては、喫煙フィルター材料の長軸方向に延在するコアは、1個(例えば、単一区画)の喫煙フィルター材料のロッド状コアを有し、このロッド状コアには、添加剤(例えば、粒状の添加剤)が内部に封入された(例えば、埋め込まれた)1個(又は少なくとも1個)のポケットが内部に完全に封入されている。喫煙フィルター材料のロッド状コアは、場合によっては、ロッド状コアの周囲に装着された追加の包装材(例えば、多孔質又は非多孔質)を有することができる。喫煙フィルター材料のコア内に、添加剤が完全に封入されたポケットを設置することは、(添加剤のポケットとコアの第1の端部の間に喫煙フィルター材料があるので)添加剤がコアの第1の(下流の)端部から長軸方向に配置される(離隔される)効果を有する。
【0009】
本発明に係る一態様においては、コアの第1の(下流の)端部から長軸方向に配置された添加剤(例えば、粒状の添加剤)を含む長軸方向に延在する喫煙フィルター材料の(例えば、単一区域)コアと、コア周囲の(例えば、空気透過性材料の)第1の包装材と、第1の包装材の周囲の第2の包装材とを含み、第1の包装材が、少なくとも第2の包装材と一緒に(例えば、第1の包装材自体と第2の包装材との間に)フィルターの一端からフィルターの長軸方向に延在する少なくとも1個の通路を形成し、喫煙フィルター材料の長軸方向に延在するコアは、添加剤(例えば、粒状の添加剤)の1個(又は少なくとも1個)のポケットが内部に完全に封入された(例えば、埋め込まれた)喫煙フィルター材料のロッド状コアを含む、(例えば、単一区域)喫煙フィルター又は喫煙フィルターエレメントが提供される。好ましくは、第1の包装材は、少なくとも第2の包装材と一緒に(例えば、第1の包装材自体と第2の包装材との間に)、少なくとも喫煙フィルターの一端から喫煙フィルターの長軸方向に延在する少なくとも5個の通路(例えば5から23個の通路、例えば9から20個の通路)を形成する。外周約24〜25mmの喫煙フィルター又は喫煙フィルターエレメントは、例えば、14から20個の通路を含むことができる。外周約16〜17mmの喫煙フィルター又は喫煙フィルターエレメントは、例えば、9から14個の通路を含むことができる。
【0010】
好ましくは、第1の包装材は、空気透過性材料からなる。換言すれば、好ましくは第1の包装材は空気透過性包装材である。第1の包装材は、例えば、空気透過性フィルター紙(例えば、波形の空気透過性フィルター紙)又は酢酸セルロースの包装材(例えば、波形の空気透過性酢酸セルロース)とすることができる。
【0011】
好ましくは、第1の包装材は波形であり、それによって少なくとも第2の包装材と一緒に(例えば、第1の包装材自体と第2の包装材との間に)少なくとも喫煙フィルターの一端からフィルターの長軸方向に延在する通路を設定(形成)する。第1の包装材は波形とすることができ、波形は、[例えば、第2の包装材と一緒に]少なくとも喫煙フィルターの一端から喫煙フィルターの長軸方向に延在する5個以上の通路、例えば5から23個の通路、例えば9から20個の通路を設定(形成)することができる。外周約24〜25mmの喫煙フィルター又は喫煙フィルターエレメントは、例えば、(波形によって設定される)14から20個の通路を含むことができる。外周約16〜17mmの喫煙フィルター又は喫煙フィルターエレメントは、例えば、(波形によって設定される)9から14個の通路を含むことができる。ここで、波形又は波形のという用語は、平行な交互の隆起部と溝を含むひだに成形された意味を含む。
【0012】
好ましくは、第1の包装材の波形は、(例えば、第1の包装材の材料をエンボス加工することによって形成された)浮き出し溝である。第1の包装材は、例えば、型押(例えば、浮き出し、波形)表面を有するシートとすることができ、シートは、第2の包装材に面した(すなわち半径方向外向きの)型押表面が第2の包装材と一緒に通路を形成するようにコアに巻きつけることができる。波形の第1の包装材をコアに巻きつけると、波形(及び通路)がコアの軸方向に沿って長軸方向に(例えば、実質的に長軸方向に)配向することが理解されるであろう。各通路は、第1の包装材の波形によって設定することができ、好ましくは、通路の起点である喫煙フィルターの端部から離れた端部において閉止又は封鎖されている。一般に、コア表面は、第1の包装材の半径方向内向きの(型押)表面(すなわち、コアに面した第1の包装材の表面)に合致する。別の例においては、コア表面は、第1の包装材の半径方向内向きの(型押)表面に合致しない。この実施形態においては、第1の包装材は、第2の包装材同様にコアとも一緒に長軸方向に延在する通路を形成することができる。別の例においては、第1の包装材は片面にのみ型押され、シートがコアに巻きつけられて、型押表面が第2の包装材に面して(すなわち半径方向外向きに)第2の包装材と一緒に通路を形成する。包装されたコア表面は、第1の包装材の型押されていない波形の内面に合致して、第1と第2の包装材の間にのみ通路を残す。
【0013】
したがって、本発明は、「ポッド」、すなわち(例えば、国際公開第2006/059134号に記載のように)軸方向に中心に位置する粒状の添加剤が完全に封入されたポケットと、(第2の包装材と一緒に)通路を形成する溝がその長さの一部にわたってエンボス加工された波形の内部包装材とを有する、単一区域フィルターを提供することができる。このようにして、粒子を含むマルチセグメントフィルターに付随する製造コストの高騰及び複雑さ、並びにAPF/CPF単一区域フィルターのCCO(carbon carry-over)の欠点を回避することができる。さらに、それは、フィルター設計における高い自由度を与えることができる。中心ポッド(ポケット)のサイズ及び位置、第1の(内部)包装材の溝部分の長さ及び位置などのパラメータを制御することによって、ろ過性能、嗜好性(taste experience)及び端部外観が変わり得るように、煙を喫煙フィルターに通すことができる。例えば、活性炭顆粒の中心ポッドを使用するときには、通路(「縦溝形成領域」)がポッドに類似した長軸方向のフィルター領域を占める場合、煙をポッドから遠ざかる方向に誘導することができ、したがって喫煙者に生じる「炭素味(carbon taste)」を削減することができる。逆に、通路(縦溝形成領域)がポッドとは異なる長軸方向のフィルター領域を占める場合、煙をポッドに優先的に誘導することができ、したがって喫煙者に生じる(ポッドが炭素を含む場合は)「炭素味」又は(ポッドが別の香味剤を含む場合は)別の味を増加させることができる。さらに、このフィルターは、従来の「Smooth Core」フィルターよりも(同じ圧力損失における)タール保持率を高めることができ、又は(同じタール保持率における)圧力損失を低下させることができる。
【0014】
喫煙フィルター材料の長軸方向に延在するコア(例えば、単一区域の長軸方向に延在するコア)は、第2の端部(例えば、フィルターシガレットにおける上流のタバコ側の端部)に近く第1の端部(例えば、下流の端部すなわち頬若しくは口側の端部)から離れて、又は第1の端部に近く(ただし、第1の端部から長軸方向に間隔を置いて)第2の端部からは離れて、添加剤(例えば、粒状の添加剤)の1つのポケットを、コア中に完全に封入する(例えば、埋め込む)ことができる。喫煙フィルター材料の長軸方向に延在するコアは、コアの第2の端部(例えば、タバコ側の端部)とコアの第1の端部(例えば、口側の端部)の間に等距離で位置する添加剤(例えば、粒状の添加剤)の1つのポケットを、コア中に完全に封入(例えば、埋め込み)することができる。喫煙フィルター材料の長軸方向に延在する1つのコアには、添加剤(例えば、粒状の添加剤)の1個以上(例えば、2、3、4個)の別個のポケットを、封入することができる。添加剤の封入された(例えば、埋め込まれた)ポケット(単数又は複数)は、一端又は両端に向かって細くすることができ、例えば、ほぼ楕円体構造とすることができる。添加剤の1個を超えるポケットがある場合、これらは、長軸方向に等間隔とすることができる。別のポケット配置、例えば、より長い間隔と交互に比較的近接した間隔も可能であり、製造プロセスの適切な調節によってこれを実施することができる。添加剤(例えば、粒状の添加剤)の1個(又は少なくとも1個)のポケットが内部に封入された(例えば、埋め込まれた)喫煙フィルター材料のロッド状コアを有する喫煙フィルター材料の長軸方向に延在するコアは、例えば、国際公開第2006/059134号に開示された方法及び装置によって製造することができる。
【0015】
フィルター材料は、例えば、喫煙フィルター製造に従来使用される(通常、フィラメント、繊維、織物又は押し出し)材料のいずれかにすることができる。喫煙フィルター材料は、例えば綿の天然フィラメントトゥ、若しくはポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチックの合成フィラメントトウ、又は酢酸セルロースフィラメントトウとすることができる。それは、例えば、天然の短繊維又は合成短繊維、脱脂綿(cotton wool)、紙(通常、クレープ)などの織物材料、合成不織材料、及び押出材料(例えば、デンプン、合成発泡体)とすることができる。
【0016】
添加剤は粒状の添加剤とすることができる。粒状の添加剤は、喫煙フィルターにおける使用に適した任意の粒状の添加剤、例えば、活性炭、ゼオライト、イオン交換樹脂(例えば、弱塩基性陰イオン交換樹脂)、海泡石、シリカゲル、アルミナ、モレキュラーシーブ、炭素ポリマー樹脂及びけい藻土とすることができる。粒状の添加剤は、2種類以上の材料の混合物とすることができる。添加剤は、煙改質剤(例えば、香味料)を含むことができる。これは、シガレットなどの喫煙物における使用に公知の又は適した任意の煙改質剤(例えば、香味料)、例えば、メントール、スペアミント、クローブ油などの香味料とすることができる。香味料は、喫煙フィルター又は喫煙フィルターエレメントにおける使用に公知の任意の香味剤とすることができる。例えば、香味剤は、メントール、スペアミント、ペパーミント、ナツメグ、シナモン、チョウジ、レモン、チョコレート、モモ、イチゴ、バニラなどとすることができる。好ましい煙改質剤(香味料)はメントールである。例えば、添加剤は、メントール香味料を施した海泡石顆粒とすることができる。喫煙フィルター材料の長軸方向に延在するコアが、ポケット(単数又は複数)を含む場合、添加剤は、活性炭などの粒状の添加剤とすることができ(上記参照)、粒状の添加剤は、例えば、フィルター材料から実質的に分離して個別のポケット又はポッドとして、フィルター材料に封入される。別の例においては、添加剤の完全に封入された(例えば、埋め込まれた)ポケット(単数又は複数)は、壊れやすいカプセル(単数又は複数)、又は1個若しくは複数の壊れやすいマイクロカプセルとすることができる。カプセル(単数又は複数)又はマイクロカプセル(単数又は複数)は、種々の媒体、例えば、(上で開示された香味料などの)香味料などの煙改質剤、及び/又は例えば煙のろ過を助ける、液体、固体若しくは他の材料を含むことができる。カプセル又はマイクロカプセルの使用は当該技術分野で周知である。
【0017】
喫煙フィルター材料の長軸方向に延在するコアに完全に封入された添加剤の重量(例えば、密度約0.5g/cm3の粒状の添加剤)は、長さ20から30mmの喫煙フィルターの場合、例えば10から65mg、例えば20から50mg、例えば25から40mg/フィルター、とすることができる。第1の添加剤の重量は、長さ20から30mmの喫煙フィルターの場合、例えば、(例えば、高添加量が必要な場合)40から65mg/フィルター、とすることができる。第1の添加剤の重量は、長さ20から30mmの喫煙フィルターの場合、例えば、(例えば、低添加量が必要な場合)10から40mg/フィルター、とすることができる。
【0018】
喫煙フィルター又は喫煙フィルターエレメントは、その第1の端部(下流の端部)からフィルターの長軸方向に延在する少なくとも1個の通路と、第2の端部(上流の端部)からフィルターの長軸方向に延在する少なくとも1個の通路とを含むことができ、各通路は、コア長さの一部しか有してしない。
【0019】
その(又は1個以上の)通路は、フィルターの第1の端部(下流の端部)から喫煙フィルターの第2の端部(上流の端部)まで長軸方向に形成することができる。しかし、喫煙フィルター又は喫煙フィルターエレメントの少なくとも一部は、その長さに沿って長軸方向に延在する通路を含まない(すなわち、通路(単数又は複数)は、喫煙フィルターの第1の(下流の)端部から喫煙フィルターの第2の(上流の)端部まで長軸方向に延在しない)ことが好ましい。
【0020】
喫煙フィルター又は喫煙フィルターエレメントは、喫煙フィルター又は喫煙フィルターエレメントの一端(又は両端)から長軸方向に延在する最高23個の通路、好ましくは14から20個の通路を含むことができる(外周約25mmの喫煙フィルター/喫煙フィルターエレメントの場合)。喫煙フィルター又は喫煙フィルターエレメントは、喫煙フィルター又は喫煙フィルターエレメントの一端(又は両端)から長軸方向に延在する5個以上の通路、例えば5から23個の通路、好ましくは14から20個の通路(例えば、9〜14個の通路又は14〜20個の通路)を含むことができる。これらの通路の全断面積は、喫煙フィルター又は喫煙フィルターエレメントの断面積全体の2から12%、好ましくは少なくとも4%、より好ましくは4から8%とすることができる。したがって、(例えば、第1の包装材のエンボス加工を制御することによって)通路の数及び/又は深さを慎重に制御することによって、ろ過性能を改善することができる。これは、好ましくは喫煙に利用可能な波形の表面積の増加につれて、かつ場合によっては波形ピッチの増加と共に、すなわち、その数の減少に伴う波形の拡幅と共に、第1の包装材における波形の深さを増すことによって実施することができる。
【0021】
例えば、本発明による喫煙フィルターは、喫煙フィルターの一端又は両端に深さ約0.45mm、ピッチ約1.5mmの15個の通路を有することができ、別の喫煙フィルターは、1.05mmのピッチで深さ0.32mmの通路を有することができ、(各端部又は両端における)通路数は23個である。これらの例において煙ろ過に利用可能な波形包装材の面積は、一般に、全波形表面積よりも少し小さい。というのは、波形の頂上は一般に外部包装材に押しつけられ、したがってろ過に無効だからである。外周約24〜25mmの喫煙フィルター又は喫煙フィルターエレメントは、例えば、14から20個の通路を含むことができる。外周約16〜17mmの喫煙フィルター又は喫煙フィルターエレメントは、例えば、9から14個の通路を含むことができる。
【0022】
喫煙フィルターは、長さ15から40mm、例えば17から35mm、例えば20から30mmとすることができる。喫煙フィルターは、外周14から28mm、例えば16から26mm、例えば16から17mm又は24から25mmとすることができる。
【0023】
好ましくは、各通路の長さは、2mm以上、好ましくは2.5mmから23mm、より好ましくは3mmから15mm、より好ましくは3.5mmから9mmである。一端(上流又は下流)から延在する通路(単数又は複数)は、他端(存在する場合)から延在する通路とは異なる長さとすることができ、又は同じ長さとすることができる。通路は長さ7から8mmとすることができる。通路は長さ3から4mm、例えば長さ3.75mmとすることができる。一例においては、通路は、一端(上流又は下流)のみから延在し、長さ7から8mmである。別の例においては、通路は、上流と下流の両端から延在し、(各端部において)長さ3から4mmである。
【0024】
通路は、好ましくは、その長軸方向にわたって実質的に均一な深さであるが、例えば通路が閉止端部に接近した場所で、変化してもよい。
【0025】
本発明の完成した喫煙フィルターは、第1の(例えば、波形の)包装材の周囲に空気透過性である(本質的に透過性材料及び/又は多孔であり得る)第2の包装材を有することができる。この透過性外部包装材は、チップ紙(tipping overwrap)とすることができ、それによって喫煙フィルターがフィルターシガレットに組み込まれる。かかるチップ紙はシガレット製造段階においてのみ適用される。この場合、フィルターロッドが最初に製造され、第1の包装材は露出している。本発明は、外部包装材が施された完成した喫煙フィルターに加えて、かかるロッド(下記参照)も含む。
【0026】
したがって、本発明によれば、更に別の一態様においては、コアの第1の(下流の)端部から長軸方向に配置された添加剤(例えば、粒状の添加剤)を含む喫煙フィルター材料の長軸方向に延在するコアと、コア周囲の(例えば、空気透過性材料の)第1の包装材とを有し、第1の包装材が波形であって、(その半径方向外面の)波形が喫煙フィルターの一端から喫煙フィルターの長軸方向に延在する少なくとも1個の通路を形成し、喫煙フィルター材料の長軸方向に延在するコアがロッド状コアには、添加剤(例えば、粒状の添加材)が内部に完全に封入された(例えば、埋め込まれた)1個(又は少なくとも1個の)のポケットが封入されている(例えば、単一区域)喫煙フィルター又は喫煙フィルターエレメントが提供される。
【0027】
フィルターは、非空気透過性である第2の包装材、例えば、チップ紙と併用することもできる。
【0028】
長軸方向の通路を含む喫煙フィルターの部分(例えば、第1の包装材が波形にされた、例えば、波形のエンボス加工された部分)を本明細書では、縦溝又は縦溝形成部分と称することができる。(喫煙フィルターの断面にわたって)長軸方向の通路を含まない喫煙フィルターの部分(例えば、第1の包装材が平坦である、例えば、浮き出しでも波形でもない部分)を本明細書では、バー又はバー部分と称する。一例においては、本発明による喫煙フィルターは、各端部に3mmの縦溝部分を含み、喫煙フィルターの残りに1つの中心バー部分を含む。かかる構造は、バーの圧力損失(PD/mm)が縦溝の圧力損失よりも高いので、コアにおける喫煙フィルター材料(例えば、酢酸セルローストウ)の量を削減することができる更なる利点を有する。この構造は、より望ましい端部外観を与えることもできる。
【0029】
本発明の更なる例においては、喫煙フィルターは、長軸方向に延在し、コア長さの一部しか延長しないが、喫煙フィルターの上流端部からも下流端部からも延在しない、(例えば、第1の包装材と第2の包装材によって形成された)少なくとも1個の通路を更に有している。本発明のこの例においては、タバコの喫煙フィルターは、喫煙フィルターの上流と下流の端部の一方又は両方における1個以上の長軸方向の通路(縦溝形成部分)と、喫煙フィルター内の更なる長軸方向の通路(単数又は複数)(更なる縦溝形成部分)とを有する。かかる例においては、長軸方向の通路を持たない喫煙フィルターの1個を超える部分又は区域(1個を超えるバー部分)が存在する。喫煙フィルターは、更なる縦溝形成及び/又はバー領域を有することができる。
【0030】
本発明によるフィルターシガレットにおいては、本発明の喫煙フィルター(又は本発明の喫煙フィルターエレメントを含む喫煙フィルター)が、包装されたタバコロッドに取り付けられ、喫煙フィルターの(第2の、上流の)一端がタバコに面する。喫煙フィルターは、例えば、[(包装された)喫煙フィルターとロッドの隣接端部の周囲にのみ装着されて喫煙フィルター包装の大部分が露出したままである]環状チップ紙(ring tipping)によって、より好ましくは(喫煙フィルター全長及びタバコロッドの隣接端部の周囲に装着された)完全チップ紙(full tipping overwrap)によって、包装されたタバコロッドに取り付けることができる。
【0031】
本発明によるいずれの喫煙フィルター又は喫煙フィルターシガレットも、非通気性とすることができ、又は当該技術分野で周知の方法、例えば、穿孔処理済み若しくは空気透過性包装材(単数又は複数)(プラグラップ(plugwrap))の使用、及び/又は包装材(単数又は複数)(プラグラップ)及びチップ紙のレーザー穿孔によって、通気することができる。通気性完全チップ紙は、同様に、本質的に空気透過性とすることができ、又は通気孔を設けることができ、フィルタープラグラップとチップ紙の両方が存在する通気性製品においては、チップ紙の通気は、通常、プラグラップの通気と位置合わせされる。フィルタープラグラップの通気孔、又はチップ紙の通気孔、又は同時に両方の通気孔は、喫煙フィルター又はフィルターシガレット製造中にレーザー穿孔によって作製することができる。
【0032】
本発明による喫煙フィルター又は喫煙フィルターシガレットの通気が製品の長軸方向に局在している場合、この局在は、好ましくは、必要な通気及びろ過性能に応じて、添加剤のその又は1個のポケットの上流領域、下流領域、及び該ポケットと位置合わせされた領域から選択される1又は2個の領域である。第1の添加剤のポケットの上流の通気、及び/又は該ポケットと位置合わせされた通気が好ましいことが多い。2個以上存在するときには、第2の添加剤の部分(又はポケット若しくはパッチ)間の通気が存在し得る。
【0033】
本発明によれば、更に別の一態様においては、上述したように、及び/又は本明細書に記述されたように、端部同士が鏡像関係で一体化して連結された複数(例えば、2、4、6個など)の喫煙フィルター(又は喫煙フィルターエレメント)を含む、複合ロッドが提供される。以下、本発明を以下の例及び添付図面に関連して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の一実施形態による喫煙フィルターを模式的に示す。
図2】本発明の第2の実施形態による喫煙フィルターを模式的に示す。
図3】本発明の別の一実施形態による喫煙フィルターを模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1、2及び3は、「Smooth Core」CPFフィルターの例である。
【0036】
図1は、長さ27mm及び外周24.5mmの単一区域喫煙フィルター1を示しており、この単一区域喫煙フィルター1では、フィルターの中心部において粒子4の形状をした活性炭からなる添加剤の「ポッド」すなわちポケット3が、コアの中に完全に封入された(例えば、埋め込まれた)酢酸セルロースフィルター材料のロッド状のコア2が長軸方向に延在している。コア(ポッドフィルターエレメント)2は、例えば、国際公開第2006/059134号公報に開示された方法によって形成することができる。コア2を直接包囲しているのは、空気透過性フィルター紙(又は波形の酢酸セルロース)の第1の包装材5である。この第1の包装材5は、喫煙フィルター1の中心部又は区域(すなわち、ポケットを含むコア2の部分を包囲する包装材の区域)の非波形の外周部6を除く長さ全体にわたって長軸方向に波形になっている(すなわち、波形又は溝が、したがって、喫煙フィルターの軸方向に延びている)コア表面は、第1の包装材5における波形に合致する。第1の包装材5を直接包囲し、第1の包装材5における波形と一緒に通路9a、9bを形成(画定)しているのは、空気透過性紙の非波形の第2の包装材10である。コア2と第1の包装材5と第2の包装材10は、単一区域喫煙フィルター1の全長にわたって延在する。喫煙フィルターの中心部において第1の包装材5の非波形外周部6が介在することは、この部分に通路が存在せず、通路9a、9bが喫煙フィルターの全長には延在しないことを意味する。したがって、喫煙フィルター1は、(第1の包装材5の波形部分と空気透過性紙の非波形の第2の包装材10の間に形成された)フィルターの第1の端部すなわち下流の端部11に形成された長さ7.5mmの第1セットの15個の通路9aと、第2の端部において(第1の包装材5の波形と非波形の第2の包装材10の間に形成された)フィルターの第2の端部すなわち上流の端部13における長さ7.5mmの第2セットの15個の通路9bを有し、これらの波形は、喫煙フィルター1の各端部11、13において縦溝形成部分又は縦溝を形成する。喫煙フィルターの中央においては、包装材5の非波形の外周部6は、喫煙フィルターの中央において長さ12mmの非波形の又は縦溝のないバー部分(バー)を形成する。このバー部分は、通路の起点である喫煙フィルターの端部とは反対側にある各通路の端部を封鎖する。喫煙フィルターのこのバー部分は、バー部分全長に沿った喫煙フィルター1の断面全体にわたって長軸方向に延在する通路を含まない。(例えば、エンボス加工による)波形の第1の包装材の形成と、コア周囲の波形の第1の包装材の形成と、第2の包装材の形成とは、周知の方法、例えばGB2133269に記載の方法を適用することができる。第1の包装材に適用するプロセスは、フィルターコアの中心区域におけるポッドの形成及び位置決めのプロセスと同期し、位置合わせされることが理解されるであろう。
【0037】
喫煙フィルター1は、例えば、環状チップ紙又は完全チップ紙によってシガレットに取り付けることができ、かかる方法は当該技術分野で周知である。当該技術分野で周知である別の材料を使用してコア2及び包装材5、10を形成できることが理解されるであろう。
【0038】
したがって、喫煙フィルターは、喫煙フィルターの両端に特有の外観を与える浮き出し(波形の)通路9a、9b(すなわち「縦溝形成」)を両端に有し、エンボス加工されていない中心部6(すなわち「バー」)を有する。活性炭顆粒のポケットは、フィルター本体の内部に位置し、バーによって画定された領域内にほぼ位置する。使用時、喫煙フィルターは端部13においてシガレット(図示せず)に取り付けられた状態であり、煙の一部は、コア2に直接入り、喫煙フィルター1の端部11へと通過し、コアを形成するフィラメントと接触してろ過され、ポケット内の活性炭と接触する。煙は、空気透過性の第2の包装材10を通して吸入される希釈空気と一緒に、通路9bから非波形部分(バー)6にも入り、希釈された煙は、次いで、波形の第1の包装材5を通過した後に、端部11において喫煙フィルターから流出する。したがって、この煙は、包装材5とコア2の両方でろ過される。本発明による喫煙フィルターを非通気性包装材と一緒に使用することもできることが理解されるであろう。この場合、包装材を通して喫煙フィルターに吸入される希釈空気はない。
【0039】
したがって、図1の例は、「ポッド」、すなわち(例えば、国際公開第2006/059134号に記載のように)軸方向に中心に位置する粒状の添加剤の完全に封入されたポケットと、溝(通路)がその長さの一部にわたってエンボス加工された内部包装材とを有する、単一区域フィルターである。喫煙フィルターは、(それが単一区域フィルターであるので)粒子を含むマルチセグメントフィルターに付随する製造コスト及び複雑さと、(活性炭がポッド又はポケット内に位置し、包装材上にはないので)APF/CPF単一区域フィルターのCCO(carbon carry−over)との両方の欠点を回避する。図1の例は、中心ポッド(ポケット)のサイズ及び位置、内部包装材の溝部分の長さ及び位置などのパラメータを制御することによって、ろ過性能、嗜好性及び端部外観が変化し得るように、煙を喫煙フィルターに通すことができることも示している。上述したように、縦溝形成領域がポッドとは異なる長軸方向のフィルター領域を占めるので、煙は炭素ポッドを優先的に通過し、したがって喫煙者に生じる「炭素味」を増加させる。さらに、この喫煙フィルターは、従来の「Smooth Core」フィルターよりも(同じ圧力損失における)タール保持率を高めることができ、又は(同じタール保持率における)圧力損失を低下させることができる。縦溝形成領域のポッドと類似した長軸方向のフィルター領域を占める配列を異なるように設定することによって、煙はポッドから離れて通過することができ、したがって喫煙者に生じる「炭素味」を抑制できることが理解されるであろう(例えば、図3参照)。
【0040】
図2は別の一実施形態を示す。単一の縦溝形成領域は、喫煙フィルターの口側の端部31(図の右側)に面し、それによって特有の口側の端部外観が現れている。図2は、長さ27mm及び外周24.5mmの単一区域喫煙フィルター21を示しており、この単一区域喫煙フィルター21では、喫煙フィルターの第2の端部すなわち上流の端部33に、粒子24の形状をした活性炭からなる添加剤の「ポッド」すなわちポケット23が内部に完全に封入された(例えば、埋め込まれた)酢酸セルロースフィルター材料のロッド状のコア22が長軸方向に延在している。コア22を直接包囲しているのは、喫煙フィルターの第2のすなわち上流の端部33(すなわち、ポケットすなわちポッドが埋め込まれたコア22の部分を包囲する包装材の区域)に向かって周囲の非波形部分26を除いてその長さ全体にわたって長軸方向に波形になった空気透過性フィルター紙の第1の包装材25である。図1の実施形態と同様に、図2の例においては、コア表面は第1の包装材25における波形に合致する。第1の包装材25を直接包囲しているのは、空気透過性紙の非波形の第2の包装材30であり、この非波形の第2の包装材30は、第1の包装材25における波形と一緒に通路29aを形成(画定)している。コア22と第1の包装材25と第2の包装材30は、喫煙フィルター21の全長にわたって延在している。喫煙フィルター21の上流部において第1の包装材25の非波形の外周部26が介在することは、この部分に通路が存在せず、通路29aが喫煙フィルターの全長には延在しないことを意味する。したがって、喫煙フィルター21は、第1の包装材25の波形部分と空気透過性紙の非波形の第2の包装材30の間に形成された、喫煙フィルターの第1の端部すなわち下流の端部31に、長さ15mmの1セットの通路29a(例えば、15個の通路29a)を有する。これらの通路(波形)は、喫煙フィルター21の下流側の端部すなわち口側の端部31に縦溝形成部分すなわち縦溝を形成して、この端部に特有の端部外観を付与し、他端にはバー領域を有する。活性炭顆粒のポケットは、ほぼバー領域の下方に位置し、喫煙フィルターのタバコ側の端部に面している。
【0041】
図3は別の一実施形態を示す。単一の縦溝形成領域は、喫煙フィルターのタバコ側の端部53(図の左側)に面し、それによって従来の口側の端部外観が現れている。炭素ポッドも喫煙フィルターのタバコ側の端部53に向かって位置し、縦溝形成領域とほぼ一致する。図3は、長さ27mm及び外周24.5mmの単一区画喫煙フィルター41を示しており、この単一区画喫煙フィルター21では、喫煙フィルターの第2の端部すなわち上流の端部53に、粒子44の形状をした活性炭からなる添加剤の「ポッド」すなわちポケット43が内部に完全に封入された(例えば、埋め込まれた)酢酸セルロースフィルター材料のロッド状のコア42が長軸方向に延在している。コア42を直接包囲しているのは、喫煙フィルターの第1の端部すなわち下流の端部(すなわち、ポケットすなわちポッドが埋め込まれたコア42の部分を包囲しない包装材の区域)に向かって周囲の非波形部分46を除いてその長さ全体にわたって長軸方向に波形になった空気透過性フィルター紙の第1の包装材45である。コア表面は、第1の包装材45における波形に合致する。第1の包装材45を直接包囲しているのは、空気透過性紙の非波形の第2の包装材50であり、この非波形の第2の包装材50は、第1の包装材45における波形と一緒に通路49bを形成(画定)している。コア42と第1の包装材45と第2の包装材50は、喫煙フィルター41の全長にわたって延在している。喫煙フィルターの下流部において第1の包装材45の非波形外周部46が介在することは、この部分に通路が存在せず、通路49bが喫煙フィルターの全長には延在しないことを意味する。したがって、喫煙フィルター41は、第1の包装材45の波形部分と空気透過性紙の非波形の第2の包装材50の間に形成された、喫煙フィルターの第2の端部すなわち上流の端部51に形成された長さ10mmの1セットの通路49b(例えば、15個の通路49b)を有する。これらの通路(波形)は、喫煙フィルター41の上流端部53に縦溝形成部分すなわち縦溝を形成して、他方(口側)の端部にバー領域を有する。
図1
図2
図3