(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記キャリアの保持は、前記チューブ容器の起立した軸方向を中心とした前記チューブ容器の相対的な回転を阻止するように行うことを特徴とする請求項1に記載のチューブ容器用搬送装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された搬送装置では、コンベアにホルダが一体的に連結されているため、ホルダの移動経路は、二本の直線状部分とその直線状部分を結ぶ円弧状部分となり、移動経路の自由度が少ない。そして、ホルダはコンベアに一体的に連結されていることから、前後の相対位置等も固定的であり、汎用性に欠ける。
【0007】
また例えば、包装システムを構成する処理装置における一度に処理する個数が相違することがあり、一度に処理する個数をひとまとめにして処理装置に供給したいという要求もあるが、特許文献1のものでは係る要求に対応できない。
【0008】
また、特許文献1では、筒状のチューブであり、軸方向に回転しても姿勢は変わらないため、チューブをホルダに挿入するだけでもさほど問題にならないが、例えば、姿勢の方向性が生じるようなチューブ容器を単にホルダに挿入すると、各ホルダ内でのチューブ容器の向きが揃わず、処理装置におけるスムーズな処理が行えないおそれもある。ここで姿勢の方向性は、例えば、胴部の一端を挟み込んで熱シールして密封したチューブ容器のように、シール部が平坦な帯状につぶれた形状を備えると、シール部によるチューブ容器の方向性が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明のチューブ容器の検査装置は、(1)内容物が充填されたチューブ容器を包装箱に供給し箱詰めする包装システムに実装されるチューブ容器用搬送装置であって、前記チューブ容器を起立状態で保持するキャリアと、前記キャリアを搬送する搬送路と、を備え、前記キャリアは、前記チューブ容器を受け取ってから前記包装箱への供給位置に至るまで前記保持した状態を維持し、前記キャリアは、相互に独立した状態で複数有し、前記搬送路は無端状であり、前記キャリアは、その搬送路に沿って周回し、前記包装システムを構成する処理装置に至る際に、前記処理装置に対応した個数で後続から切り離れるように構成
し、前記処理装置は、前記チューブ容器に対して検査を行う検査部であり、前記キャリアは、前記搬送路の両サイドに設けたガイド板と符合し、搬送方向に対する左右上下方向に移動が規制されるようにし、前記チューブ容器は、内容物を収納する胴部の一端が熱シールされて封止されたシール部を有し、前記キャリアは、前記搬送方向に平行または直交な側面に平面状の基準面を有し、複数の前記キャリアは、前記基準面と前記シール部が平行または直交な状態で前記シール部が前記搬送方向と平行な状態で前記保持を行うようにした。複数のキャリアは、相互に独立して搬送路を移動するので、各処理装置に対し、それぞれ対応する個数のチューブ容器を一括して供給することかできる。また、搬送路を適宜の経路に設定すると、その搬送路に沿ってキャリアひいてはチューブ容器を搬送することができ、包装システムの配置レイアウトの自由度が増す。処理装置は、実施形態では、歪み検査部35,リーク検査部42,シール部異常検査部43,製品供給部70等に対応する。
【0010】
(2)前記キャリアの保持は、前記チューブ容器の起立した軸方向を中心とした前記チューブ容器の相対的な回転を阻止するように行うとよい。このようにすると、チューブ容器をキャリアにセットした際の姿勢が、当該受け取りから包装箱へ供給するまで維持される。よって、例えば、チューブ容器をキャリアにセットする際に、その向き・姿勢が同じようにすれば、各処理装置へ供給する際に、各チューブ容器の姿勢をそろえることができ、処理が容易に行えて良い。
【0011】
(3
)前記キャリアは、前記チューブ容器の前記シール部と反対側の端部を挿入するための凹部と、その凹部に挿入された前記端部を固定するストッパー機構を備えるとよい。このようにすると、簡単な構成で、チューブ容器を保持できるので好ましい。
【0012】
基準面は、実施形態では、台座部17の側面に対応する。長辺側と、短辺側のいずれも基準面となり得る。また、フランジ18の側面も基準面になり得
る。本発明によれば、キャリアの基準面からチューブ容器の姿勢・向きがわかるので、各処理装置における処理が容易となる
。基準面を搬送方向と平行/直交とし、基準面に対する相対角度も平行/直交にすると、チューブ容器の姿勢を搬送方向に沿った向きに揃えることができ、複数のチューブ容器に対する一括処理も容易に行えるので好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、キャリアの移動経路の自由度が増し、キャリア間の相対位置関係も自由となり、例えば、包装システムを構成する処理装置における一度に処理する個数が相違する場合にも、一度に処理する個数をひとまとめにして処理装置に供給することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について図面に基づき、詳細に説明する。なお、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【0016】
図1は、本発明に係るチューブ容器用搬送装置が実装される包装システムの一例を示しており、
図2は本発明に係るチューブ容器用搬送装置の好適な一実施形態の概略構成を示している。本実施形態に用いられる包装システムは、チューブ容器の開口した一端側から内容物を充填するとともに当該開口した部位をシールして内容物入りのチューブ容器を製造する機能、製造したチューブ容器を検査する検査機能、展開状態のカートンを組み立てて包装箱を製造する機能、その包装箱に複数個のチューブ容器を収納し、包装箱を閉じる機能等、個々の要素の製造から、組み立てて最終製品を製造するまでの一連の処理を行うためのものである。図は、そのうちの一部の構成を示している。
【0017】
図における上流側には、チューブ容器検査装置11が設置される。このチューブ容器検査装置11の具体的な構成は後述する。処理対象となるチューブ容器1は、軟質合成樹脂等の可撓性素材から構成される筒状の胴部2を備え、その胴部2の一端は、熱シールされてシール部4となり封止される。また、胴部2の他端に連続して形成される細径の首部にキャップ3を装着する構造をとる。キャップ3を外すとともに、胴部2を両側から把持して押しつぶすことで、内容物は首部から外部に押し出される。内容物は、例えば、ペーストやクリーム等の粘性の高い液体などがある。具体的には、例えば、医薬品,化粧品,食料品等がある。
【0018】
このチューブ容器検査装置11の上流側には、図示省略する内容物充填装置が配置される。この内容物充填装置は、胴部2のシール部4が開口した状態のチューブ容器の中間品に対し、開口した一端から内容物を充填供給する機能、当該一端を熱シールして封止する機能を備える。この熱シールにより、内容物入りの密封したチューブ容器1が製造される。この内容物入りのチューブ容器1は、チューブ装填部12によりチューブ容器検査装置11に供給される。
【0019】
本実施形態に用いられるチューブ装填部12は、
図2,
図3に示すように、さらに上流側の内容物充填装置から、搬出コンベア13にて搬送姿勢を長手方向として前後に一列に並んだ状態で搬出されてくるチューブ容器1を、五連のバケット14で順次受け、搬出コンベア13の搬送方向と直交方向にバケット14を移動し、装填位置にて移し替え装置(図示省略)にて当該バケット14内の各チューブ容器1を保持するとともにキャップ3を下にして起立させ、チューブ容器検査装置11の装填位置で待機しているキャリア16にセットする。
【0020】
キャリア16は、本包装システムにおいてチューブ容器を搬送するチューブ容器用搬送装置20の構成要素の一つである。キャリア16は、
図4に拡大して示すように、略矩形状の台座部17の長辺側の下端に外側にそれぞれ突出するフランジ18を備える。台座部17の上面中央には、凹部19を備える。凹部19の内径は、チューブ容器1のキャップ3の外径と等しいか一回り大きい設定としている。台座部17には、ストッパー機構21が設けられ、キャップ3に対する水平方向の保持力を発揮させ、キャップ3を台座部17の所定位置・角度に固定する。また、台座部17の長辺側の端部には、中央に平面視V字状の嵌合凹部が形成されており、各処理装置において位置決め用のピンが嵌合するようになっている。
【0021】
ストッパー機構21は、台座部17の一方の長辺の中央付近に配置したストッパー片23と、ストッパー片23を水平面内で移動させストッパー片23の先端を凹部19の空間内に進入したり、離脱したりする駆動機構を備える。ストッパー片23は、帯板状の支持バー24の中央部位で片持ち支持される。一方、台座部17の長手方向両端付近で、台座部17を貫通し、台座部17の一対の長辺間を連絡するように一組の連結ロッド25をスラスト方向に移動可能に配置する。そして、一組の連結ロッド25の一端側に、支持バー24の両端をそれぞれ接続し、連結ロッド25の他端側に連結バー26を接続する。さらに、連結ロッド25の他端側には、コイルスプリング27を装着する。駆動機構は、上述したストッパー片23,支持バー24,連結ロッド25,連結バー26並びにコイルスプリング27を備える。
【0022】
コイルスプリング27の弾性復元力により、連結バー26を台座部17から離反する方向に付勢する。この付勢力を受けて、連結ロッド25,支持バー24ひいてはストッパー片23が
図4中左側に移動し、ストッパー片23の先端が凹部19の空間に進入する。また、連結バー26を台座部17に接近する方向に押すと、コイルスプリング27は圧縮変形し、上記は逆にストッパー片23の先端が凹部19の空間から外れる。
【0023】
チューブ装填部12は、装填位置にて図示省略のプッシャーにより連結バー26を台座部17側に付勢し、ストッパー片23を後退移動させて凹部19の空間の外の退避位置に位置させる。この状体で、移し替え装置(図示省略)にてチューブ容器1を保持し、起立させキャップ3を凹部19内に挿入する。その後、プッシャーを後退させ連結バー26へ付勢を解除する。これにより、コイルスプリング27による弾性復元力により、ストッパー片23の先端が凹部19の空間内に入り込み、ストッパー片23とそれに対向する凹部19の内周面との間でキャップ3を挟み込み保持する。よって、チューブ容器1は、移し替え装置にてキャリア16の凹部19内に装填された姿勢、向きを保持し、キャリア16とともにチューブ容器検査装置11内を移動する。
【0024】
また、搬出コンベア13さらにはバケット14上におけるチューブ容器1の搬送姿勢は、横たわった状態であり、チューブ容器1のシール部4が概略水平面内に位置した姿勢となる。よって、その状態からチューブ容器1を起立してキャリア16に装填すると、5個のチューブ容器1が横一列に並んだ状態では、各チューブ容器1のシール部4も、各チューブ容器1の並び方向に沿って一直線上に配置するようになる。実際には、起立させてチューブ容器1のキャップ3をキャリア16の凹部19内にあわせた状態で、押し込み装置でチューブ容器1を下方に付勢し、キャップ3を凹部19内に押し込む。押し込み装置は、チューブ容器1のシール部4を把持する把持部を備え、その把持部でシール部4を把持した状態で押し込む。各チューブ容器1を把持するための5個の把持部の挟む面を同一平面上にしておくことで、把持部により把持された各シール部4は、同一平面上に位置した状態となる。
【0025】
さらに本実施形態のチューブ容器用搬送装置20は、一つのチューブ容器1を保持するキャリア16は、一個一個が独立して移動可能となる。
図4に示すように、キャリア16のフランジ18の外側面には、ガイド溝18aが形成される。このガイド溝18aは、第一ベルトコンベアで構成される搬送路30の両サイドに起立された側壁31の上方側に設けたガイド板32と符合し、搬送方向と直交する横方向の移動を規制し、搬送路30に沿ってキャリア16が移動するようにしている。すなわち、本実施形態のチューブ容器用搬送装置20は、係る構成のキャリア16を多数備え、その多数のキャリア16が適宜接近・離反し、搬送方向を変えながら所定の経路を巡回する。また、ガイド板32によってキャリア16の上下方向の位置も揃えられ、検査精度が高められる。
【0026】
各キャリア16は、直接あるいは他のキャリア等を介して間接的に付勢されると、その付勢方向が移動可能で有れば、係る方向に進む。そして、本実施形態では、キャリア16は複数個が群となった状態で移動し、各装置等の場所へ移動する。また、適宜の個数で切り分けることで、一つの群を構成するキャリア16の個数は変動する。つまり、本実施形態では、各処理装置では、複数のチューブ容器に対して一括・まとめて処理をするが、個々の処理装置で一度に対応可能な個数が異なる。そこで本実施形態では、一つの群を構成するキャリア16の個数を適宜変動させることによって、例えば各処理装置における対応可能な最大個数あるいはそれに準ずる個数のチューブ容器1を処理し、効率よく各作業を行うことができる。また、チューブ容器用搬送装置20は、多数のキャリア16を無端状の所定の経路で搬送する。チューブ容器用搬送装置20は、装填位置においでチューブ容器1を受け取り、チューブ容器1を保持したキャリア16を所定の経路で搬送し、包装箱へチューブ容器1を供給する供給位置にてキャリア16からチューブ容器1を取り外し、空のキャリア16を装填位置まで戻す処理を繰り返し行う。
【0027】
チューブ容器検査装置11は、チューブ容器1のシール部4のシール状態を検査し、良品のものを下流側の包装ラインに搬出する。チューブ容器検査装置11内のチューブ容器用搬送装置20は、空のキャリア16を搬送し、装填位置に来たら一時停止する。前後に5個並んだ状態で一時停止する(
図2,
図3中、A参照)。このとき、後続のキャリア16に対しては、ストッパー等により前進移動を抑止する。よって、一時停止された後続のキャリア16と、装填位置にある一群のキャリア16との間には、所定の空間が確保され、分けられる。
【0028】
チューブ容器1が装填されたならば、A位置にあるキャリア16は、図示省略するプッシャーにより押され、空のキャリア16の搬送方向と直交方向に押し出す(
図2,
図3中、A参照)。押し出しされたチューブ容器1が装填されたキャリア16は、チューブ装填部12より離れた側で、上記の空のキャリア16の搬送方向と平行な方向に搬送する。この搬送は、第一ベルトコンベアにより行う。この第一ベルトコンベアの下流端側が、進行方向を90度変更する方向変換位置Cとなる。
【0029】
この方向変換位置Cでは、上記のB位置からの搬送ラインを構成する第一ベルトコンベアの進行方向前方にストッパーが設けられ、五群のチューブ容器1が装填されたキャリア16の先頭がそのストッパーに当たり方向変換位置Cで一時停止する。この方向変換位置Cでは、図示省略するプッシャーにより押され、当該第一ベルトコンベアの搬送方向と直交する横方向に押し出される。この方向変換位置Cにおける押し出す個数は、先頭から4個としている。
【0030】
プッシャーにより押し出された四群のキャリア16は、第一ベルトコンベアと直交方向に延びる第二ベルトコンベア34上に移し替えられる。よって、B位置からC位置までは第一ベルトコンベア上を縦一列に並んだ状態で搬送されてきたキャリア16は、第二ベルトコンベア34により横一列に並んだ状態で搬送され、歪み検査部35の搬入口近傍に至る。
図5に示すように、第二ベルトコンベア34の搬出端には、ベルト面と面位置か、若干上方に位置する一時貯留用平板40が配置される。第二ベルトコンベア34にて搬送されてきたキャリア16(
図5では図示省略)は、一時貯留用平板40の上に乗って一時停止する。そして、第二ベルトコンベア34にて搬送されてきた後続のキャリア16が搬出端に至ると、一時貯留用平板40の上で一時停止していたキャリア16は前方に押し出され、第二ベルトコンベア34の搬出側に、搬送方向が90度変更された第三ベルトコンベア41上に移し替えられる。第三ベルトコンベア41の搬入領域には、ストッパーが設けられ、第三ベルトコンベア41上に供給された四群のキャリア16を、当該搬入領域で一時停止させるようになっている。
【0031】
歪み検査部35は、第三ベルトコンベア41の搬入領域に位置して一時停止しているチューブ容器1のシール部4の向きをチェックするための一対の第一センサ36を備える。第一センサ36は、シール部4が、同一平面上、同一直線上に揃っているか否かを判断するものである。例えば、透過型の光電センサを所定の間隔をおいて二組配置する。所定の間隔は、例えば、シール部4の肉厚から所定のマージンをおいた距離とするとよい。そのようにすると、例えば、四群のキャリア16(
図5では図示省略)で保持されたチューブ容器1のシール部4が、綺麗に並んでいる場合には、二組の光電センサの各送信側から出力された光はシール部4に当たらず受信側に受信され、歪みが無いと判断される。一方、シール部4が平面内で所定角度以上回転している場合、送信側から出力された光は、当該回転されたシール部4により遮断され、受信されないため、歪みがあると判断される。なお、光電センサは、複数の投光素子及び受光素子を一列に配列したものを用いても良い。
【0032】
なお、ここで想定している主な歪みは、平面内でチューブ容器が回転しており、シール部4の向きが、後続の各検査部に対して搬送する搬送方向に対して所定角度傾斜している(平行でない)場合である。従って、一組の光電センサとしても、チューブ容器1が回転した場合にはシール部4の両端の一方が光を遮るためよい。
【0033】
係る歪み検査を行う一対の第一センサ36は、支持プレート37の両端に接続される。そして、支持プレート37は、シリンダ38のシリンダロッド38aに連結される。
図5(a)に示すように、シリンダロッド38aが複動作により本体内に収納された待機位置では、第一センサ36は第三ベルトコンベア41の搬入領域から外れている。この状態から、シリンダ38が往動作してシリンダロッド38aが伸張し、一対の第一センサ36は第三ベルトコンベア41の搬入側領域側に突出し、一時停止しているキャリア16に保持されているチューブ容器1のシール部4の向きのチェックを行う。歪みが無いと判定されたならば、第三ベルトコンベア41上のストッパーが開き、一時停止していたチューブ容器1はキャリア16とともに第三ベルトコンベア41上を移動する。また、歪みがあると判定された場合、所定の異常処理を行う。この異常処理は、少なくとも歪み検査部35や第三ベルトコンベア41を停止し、例えば作業員が目視等で異常となったチューブ容器を確認し、少なくともそのチューブ容器単体、あるいはキャリア毎取り除いたり、検査対象の四群のものすべてを破棄したりする。また、別の異常処理としては、この搬入領域に位置しているときには取り除かないものの、搬送ラインの適宜の箇所で排出するようにしてもよい。
【0034】
第三ベルトコンベア41上には、シール検査装置が設置される。本実施形態では、シール検査装置として、リーク検査部42とシール部異常検査部43を備えている。さらに、第三ベルトコンベア41の下流側端には、不良品排出シュート44を配置する。この不良品排出シュート44は、リーク検査部42やシール部異常検査部43で異常が検出された不良品のチューブ容器1をキャリア16から取り外し、落下排出するための経路である。キャリア16からの取り外しは、例えば位置停止している際に該当するキャリア16の連結バー26を台座部17側に押してストッパー片23による保持力を解除した状態で、排出装置でチューブ容器1のシール部4を摘んで持ち上げて不良品排出シュート44まで運び、シール部4を開放することでチューブ容器1を落下させる。
【0035】
リーク検査部42は、チューブ容器1の胴部2に対して一定量の荷重をかけ、胴部2の幅変化からシール不良の有無の判別を行う加圧検査ユニットである。例えばシール部4のシールが不完全の場合、荷重をかけることで内部の空気がシール部4から漏れるなどして良品の場合に比べてより多くつぶれることで変化幅が大きくなり、幅は薄くなる。係る変化幅,荷重をかけた状態の胴部2の幅を検知し、良品のときの値を基準値に対して所定のマージンを設定した閾値を超えるか否かにより良否判定を行うようにした。さらにリーク検査部42は、8個のチューブ容器1をまとめて検査する。
【0036】
具体的な構成は、
図6,
図7に示すように、第三ベルトコンベア41の左右両側にそれぞれ第一加圧手段45と第二加圧手段46を対向配置する。これら第一加圧手段45と第二加圧手段46により、チューブ容器1の胴部2を両側から挟み込み加圧する。この際、チューブ容器1の外面に対して垂直方向から力が作用するようになっている。第一加圧手段45は、第一シリンダ50と、第一シリンダ50のシリンダロッド50aに連結した第一支持台49と、第一支持台49に対して接近離反可能に連係した第一加圧板48を備える。第一加圧板48と第一支持台49の間にはスプリング51を装着する。第一加圧板48は、チューブ容器1の胴部2に接触可能となる。
【0037】
第二加圧手段46は、第二シリンダ54と、第二シリンダ54のシリンダロッド54aに連結した第二支持台55と、第二支持台55に対して接近離反可能に連係した第二加圧板56を備える。第二加圧板56と第二支持台55の間にはスプリング57を装着する。第二加圧板56は、チューブ容器1の胴部2に接触可能となる。
【0038】
さらに、第一加圧手段45,第二加圧手段46の上方には、一切のガイドプレート58を配置する。一対のガイドプレート58の対向する先端は、チューブ容器1の胴部2の上方に近接する。これにより、第一加圧手段45と第二加圧手段46で胴部2に荷重をかけて挟み込んだ際に、倒れるのを抑止する。ガイドプレート58は、第一加圧手段45と第二加圧手段46とでチューブ容器1を加圧したときに、シール不良によって飛び出した内容物の受け皿としての機能を有する。
【0039】
本実施形態のリーク検査部42は、
図6に示すように、第一加圧板48,第二加圧板56が後退してチューブ容器1の胴部2と非接触の待機位置の状態において、歪み検査部35のチェック済のチューブ容器1が第三ベルトコンベア41により搬送され、各チューブ容器1が第一加圧板48,第二加圧板56の間に位置した状態で一時停止する。このチューブ容器1の一時停止は、適宜位置に設けたストッパーによりキャリア16の前進を抑止することで行う。
【0040】
次いで、第一シリンダ50,第二シリンダ54が往動作してシリンダロッド50a,54aが伸長する。これにより、第一加圧板48,第二加圧板56は、互いに接近移動してチューブ容器1の胴部2に接触し、両側から挟み込む。そして、設定された荷重で胴部2を押し込むことで、
図7に示すように、胴部2は押し潰されて変形する。また、第一加圧板48,第二加圧板56による挟み込みに伴うチューブ容器1側からの反力を受けた場合、第一加圧板48,第二加圧板56は、その反力とスプリング51,57の弾性とのバランスがとれる位置に変位する。そして、胴部2の幅の変化量或いは押し潰されたときの厚み等からシール不良の有無の判別を行う。
【0041】
シール部異常検査部43は、チューブ容器1のシール部4の厚みを測定し、シール不良の有無の判別を行う厚み検査ユニットである。シール部4は、筒状の胴部2の一端を挟み込んで加熱溶融し、熱シールする。熱シールの際に内容物やエアを噛んでしまうとその箇所のシール部4の厚みが厚くなりシール不良となる。係るシール部4の厚さ検知し、良品のときの値を基準値に対して所定のマージンを設定した閾値を超えるか否かにより良否判定を行うようにした。さらにシール部異常検査部43は、8個のチューブ容器1をまとめて検査する。
【0042】
具体的な構成は
図8に示すように、第三ベルトコンベア41の上方空間に配置する。すなわち、第三ベルトコンベア41の外側に、前後に所定の間隔を置いて支柱61を起立設置し、その支柱61間に掛け渡した梁部62の表面に、ガイドレール63を取り付ける。ガイドレール63は、第三ベルトコンベア41の搬送方向と平行に延びるように設置される。このガイドレール63に、スライダ64を連結する。スライダ64は、駆動源68からの駆動力を受けて、ガイドレール63に沿って往復運動をし、適宜の位置で停止する。このスライダ64には、シリンダ65を取り付ける。このシリンダ65は、シリンダロッド65aが下方に延びるように取付け、スライダ64と一体になって移動する。そして、シリンダロッド65aの先端には、支持板66が連結され、その支持板66にシール部4の肉厚を測定するための一対の第二センサ67が複数組取り付けられる。この第二センサ67は、チューブ容器1のシール部4の肉厚を測定するためのものである。例えば、対象物、ここではシール部4の表面までの距離を測定する距離センサを用いるとよい。つまり、シール部4を挟んで対向配置される一対の第二センサ67にて、それぞれが対面するシール部4の表面までの距離d1,d2を測定する。そして、一対の第二センサ67間の距離Dは既知のため、当該距離Dから、各第二センサ67にて求めた距離の総和(d1+d2)を減算することで、肉厚を求めることができる。
【0043】
実際にシール部4の肉厚を測定するには、例えばガイドレール63に沿ってスライダ64,シリンダ65を適宜位置に移動するとともに、シリンダ65を往動作して第二センサ67を下降移動し、一対の第二センサ67がシール部4に対向するようにセットする。この状態でシール部4の肉厚を測定し、測定結果に基づいてシールの良否判定を行う。
【0044】
そして、本実施形態では、四組の第二センサ67を備えているため、係る処理を前後の位置を変えて二回繰り返すことで、検査対象の8個のチューブ容器1に対する検査が完了する。
【0045】
リーク検査部42とシール部異常検査部43の二段階の検査を経たチューブ容器1は、チューブ容器検査装置11から搬出され、チューブ容器用搬送装置20にて次段の製品供給部70へ移送される。また、上述したようにチューブ容器検査装置11の搬出側には不良品排出シュート44が設置されており、リーク検査部42とシール部異常検査部43の少なくとも一方で異常・不良品と判定されたチューブ容器1があった場合、8個のチューブ容器1が全て排出される。これにより、不良品だけでなく不良品予備軍の出荷も可及的に防止することができる。また、本実施形態では、異なる二種類の検査を行うことで、不良品をより確実に見付けることができ、誤って不良品が出荷される可能性が可及的に抑制される。
【0046】
製品供給部70は、良品と判定されたチューブ容器1を、包装箱71に移し替える機能を備える。そして、包装箱71には、合計10個(2×5)のチューブ容器1を収納する。よって、チューブ容器検査装置11の下流側に配置されるチューブ容器用搬送装置20は、一群を構成するキャリア16の個数を搬送途中で適宜切替え、製品供給部70では、10個がまとまるようにしている。具体的には、
図2に示すように、D位置にて前から4個のキャリア16を切り出し、E位置で前から5個のキャリアを切り出す。5個ずつ切り出したキャリア群を前後2つで合計10個のキャリア群となる。
【0047】
また、製品供給部70では、10個のキャリア16にそれぞれ保持されているチューブ容器1を、5個単位で包装箱71に移し替える。そして、移し替えが完了し、空のキャリア16は、10個単位で搬送され、F位置にて5個単位に切り分けられ、チューブ装填部12に至る。
【0048】
本実施形態のチューブ容器用搬送装置は、各キャリア16に対するチューブ容器1,シール部4の向きが一定となっている。よって、製品供給部70にてチューブ容器1を包装箱71に供給する際にも向き・姿勢を揃えることが簡単に行える。また、E位置に位置するチューブ容器1は、シール部4が搬送方向と平行になった状態で揃っている。よって、例えばチューブ容器1を包装箱71内に供給する際に、チューブ容器1を軸周りに45度回転させると、包装箱71内でシール部4が傾斜した状態で収納される。通常、シール部4の長さは、チューブ容器1の胴部2の外径よりも長いため、このよう傾斜した状態で収納することで、コンパクトにまとめて収納できるので良い。そして、係る斜めに収納する処理も、E位置にいる各チューブ容器の向きが揃っているため、簡単に行えるので好ましい。
【0049】
また、本包装システムでは、チューブ容器1を収納する包装箱71も、展開状態のカートンを組み立てて製函する。係る製函するための製函装置73は、チューブ容器検査装置11の下流側のチューブ容器用搬送装置20に沿って配置される。そして、ストッカー74に駒立て状態で集積された展開状体のカートナー75を一枚ずつ取り出し、搬送途中で蓋部が開口した包装箱71を製函し、製品供給部70に送る。そして、その包装箱71に所定数のチューブ容器1を収納したなら、蓋部を閉じてシールし、チューブ容器入の包装箱71を製造する。