(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6462227
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】配管又はタンク又は機器の気体溜まり解消装置
(51)【国際特許分類】
F15D 1/02 20060101AFI20190121BHJP
F16L 55/07 20060101ALI20190121BHJP
【FI】
F15D1/02 Z
F16L55/07 C
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-64672(P2014-64672)
(22)【出願日】2014年3月10日
(65)【公開番号】特開2015-169333(P2015-169333A)
(43)【公開日】2015年9月28日
【審査請求日】2017年2月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】310020666
【氏名又は名称】射場 泰熙
(73)【特許権者】
【識別番号】516173474
【氏名又は名称】スパート株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000316
【氏名又は名称】特許業務法人ピー・エス・ディ
(72)【発明者】
【氏名】射場 泰熙
【審査官】
小岩 智明
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭62−297593(JP,A)
【文献】
特開平08−042440(JP,A)
【文献】
特開平09−133300(JP,A)
【文献】
特開平09−273646(JP,A)
【文献】
特開2001−162825(JP,A)
【文献】
特開2014−024012(JP,A)
【文献】
実開昭50−105624(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3158191(JP,U)
【文献】
米国特許第2881781(US,A)
【文献】
米国特許第3304564(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15D 1/00− 1/06
F16L 55/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク又は機器と、
前記タンク又は機器からの液体が流れるように該タンク又は機器に接続され、該タンク又は機器より断面積が小さい出口管と、
前記タンク又は機器における気体溜まりの最上部に引き込み管入口が配置され、引き込み管の開口が前記出口管に配置された、引き込み管と、
前記出口管内において前記開口より上流側に配置され、液体の流れがないときには閉じており、前記出口管内を流れる液体の流速に応じて開度が増大するように構成された、浮力式、重力式又はスプリング式の弁体と
を備える気体溜まり防止装置。
【請求項2】
前記弁体の上流側に、前記出口管に向かう液体の回転流を発生させるねじれ回転生成部をさらに備える、請求項1に記載の気体溜まり防止装置。
【請求項3】
前記引き込み管につながり、前記出口管内の液体の流れの抵抗となる負圧生成ヘッドをさらに備え、前記負圧生成ヘッドは、前記開口となる開孔を有しており、前記開孔は、前記出口管内の液体の流れを受ける側に対して背側になるように前記負圧生成ヘッドに配置された、請求項1又は請求項2に記載の気体溜まり防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体搬送時の気体溜まり解消に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配管や配管につながるタンクや機器の気体(空気)溜まりを防ぐ方法としてフロート式自動空気抜き弁を使用している。フロート式自動空気抜き弁は系統外に気体を排出するので、系統内が
負圧状態の時、空気を吸入してしまう構造である。また、気体排出時に多少の液体が排出されてしまい、故障及びゴミ詰まり時の系統外への排液対策(排水管)が必要であった。
【0003】
しかし、系統外に排出が行えない薬品や食品などは衛生上困難であり、危険な液体の
排出を管理
する上
でも
、配管のレイアウトにおいて高さを上下
させない事で気体を溜めない様にしているが、配管を長く迂回させると複雑になる。また、ポンプにより吸引を行う気体溜まりの解消対策を行う必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−311526号公報
【特許文献2】特開2006−266553号公報
【特許文献3】特開H8−210795号公報
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
配管や配管につながるタンク及び機器の気体溜まりを取り除く場合において、配管や配管につながるタンク及び機器が
負圧状態でも外気の吸入がなく、故障時の系統外への排液対策を必要としない装置。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、系統内の液体と共に気体を搬送する手段において気体溜まりの最上部に引き込み管入口を設け、通ずる引き込み管を出口側配管に接続してタンク及び機器と出口側配管の間で気体搬送力を生成する負圧生成ヘッド又は弁体又は絞り部又は水車又はねじれ回転生成部を配置し、又は組合せて搬送圧力を得る手段で、気体溜まりを防止する。
【発明の効果】
【0008】
フロート式自動空気抜き弁は系統外に気体を排出していたが本発明は同一系統内の気体を液体の流れ方向に搬送する手段においてタンク及び機器と出口管の間で気体搬送力を生成して引き込み管により気体を搬送する手段を設け、系統外からの配管負圧時の空気の吸入が無くなり、品質の向上と故障率の低下と排液対策が必要では無くなる事による排液配管の省略につながる。また、循環回路では回路途中に複数個所の空気溜まりがあっても液体と共に気体を経路搬送させ、最終的に1箇所の気体排出手段で行える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、配管の気体溜まり部に引き込み口と引き込み管と負圧生成ヘッドを配置した図面である。(実施例1)
【
図2】
図2は、タンク又は機器の気体溜まり部に引き込み口と引き込み管と負圧生成ヘッドを配置した図面である。(実施例2)
【
図3】
図3は、タンク又は機器の気体溜まり部に引き込み口と引き込み管と負圧生成ヘッドと弁体を配置した図面である。(実施例3)
【
図4】
図4は、タンク又は機器の気体溜まり部に引き込み口と引き込み管と負圧生成ヘッドと絞り部とねじれ回転生成部を配置した図面である。
【
図5】
図5は、タンク又は機器の気体溜まり部に引き込み口と引き込み管と負圧生成ヘッドと絞り部を配置した図面である。
【
図6】
図6は、タンク又は機器の気体溜まり部に引き込み口と引き込み管と負圧生成ヘッドと弁体とねじれ回転生成部を配置した図面である。
【
図7】
図7は、タンク又は機器の気体溜まり部の断面でA,B,は角度比較を表し、Cは出口配管位置を表した図面である。
【
図8】
図8は、配管の気体溜まり部に引き込み口と引き込み管と負圧生成ヘッドとねじれ回転生成部に水車発電機又はポンプを配置した図面である。(実施例4)
【
図9】
図9は、配管の気体溜まり部に引き込み口と引き込み管とねじれ回転生成部に水車と発電機又はポンプを配置した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
気体を搬送する手段において、搬送圧力を得る手段で、気体溜まりを防止する。
【実施例1】
【0011】
図1は横断面図である。2入口管から3出口管へ液体が流れている場合、2入口管から3出口管の間が3m上下にクランクした配管で説明すると、クランク上部に7気体が溜まる事を防ぐ手段において、7気体が溜まる最上部に13引き込み管入口を配置し、12引き込み管を通じ6負圧生成ヘッドにつながっている。6負圧生成ヘッドは流体の流れの抵抗となり、流れを受ける側が正圧、背側が負圧となる。その負圧側に開孔があり12引き込み管を負圧にする構造である。同じ液体流速であれば6負圧生成ヘッドの抵抗面積が大きい程、負圧吸引力は増す
(正比例
)。13引き込み管入口から気体を吸引する負圧を生成する。また、気体と液体では気体の方が12引き込み管の流体抵抗が少ない事で吸引を可能にしている。液体流速による6負圧生成ヘッドの吸引力が3mの落差分の圧力を超えていれば可能となるが液体流速が遅い場合は吸引圧力が不足してくる。必要流速は4気体の浮力高さが高いほど流速抵抗で発生する圧力差が必要であるが液体が水の場合で説明すると圧力差の発生は送水圧力以上の水柱高と管抵抗を引いた値を越えられない。フロート式空気抜き弁を使用した系統外排出を行わない方式で気体を溜めない構造を系統内搬送で構築する。また、漏水対策も回避し管内負圧時の外気の流入も起こらない構成である。
【実施例2】
【0012】
図2は横断面図である。2入口管から3出口管へ1液体の流入方向に液体が流れている場合、2入口管と3出口管の間に9タンク又は機器が配置されている。この9タンク又は機器の上部に7気体が溜まる事を防ぐ手段において説明すると、7気体が溜まる最上部に13引き込み管入口を配置し、12引き込み管を通じ6負圧生成ヘッドにつながっている。6負圧生成ヘッドは
図1の説明中の物と同じ構造である。6負圧生成ヘッドの配置位置については3出口管の流速の早い部分、通常管の中央部付近が一番早い。7気体搬送力は流速による9タンク又は機器と3出口管の各断面積の差による圧力差と6負圧生成ヘッドの吸引力の和により発生する。9タンク又は機器から3出口管に液体が移動する時の抵抗により7気体の方が先12引き込み管に流れて行く作用を利用している。条件として流速が早い場合に可能となるが遅い場合は7気体の搬送力が不足してくる。必要流速は5空気溜り高さにより比例した流速が必要である。また、12引き込み管の配置位置は11側板部の内部に配置しているが11側板部の19液体側に単独又は沿わす形で配置しても同じ効果である。また、
図1の様に11側板部の外側に12引き込み管を設けても可能である。よって9タンク又は機器内の7気体の搬送は液体流速を早めて行う。液体流速の設定は3出口管の面積と9タンク又は機器の面積の差に比例する。
【0013】
図7は側面図である。
図7のCの様に9タンク又は機器の最上部に3出口管を配置すれば、気体の溜りは発生しないが
図7のA及びBの様に9タンク又は機器の中央に3出口管を配置し、もって2入口管と3出口管を主軸とする9タンク又は機器が回転体であるとした場合
図7のCは回転体の軸位置としては不具合である。また、
図7のBは最上部に13引き込み管入口がくる位置に停止している場合は気体が吸引され、無くなるが
図7のBの60度の位置に13引き込み管入口を停止させた場合、毎回同じ気体量を溜める事が可能である。たとえば13引き込み管入口がくる位置の角度を変える事で気体と液体の比率を変化さすことが容易となる。気体と液体を9タンク又は機器の回転動作によりミキシングさせムース状の製品を作る場合などに有効である。従来のフロート式空気抜き弁では不可能であり、これを可能にする技術的要素である。
【0014】
図5は横断面図である。
図2に8絞り部を設け、8絞り部はオリフィスと同等である。7気体の搬送力は流速による9タンク又は機器と8絞り部の各断面積の差による圧力差と6負圧生成ヘッドの吸引力の和により発生する。5空気溜り高さと流速が一定とした場合にシンプルな構造である。
【0015】
図4は横断面図であり図中にA−A´断面を記載している。
図5に14ねじれ回転生成部を設けた配置である。6負圧生成ヘッドは
図1の説明中の物と同じ構造である。9タンク又は機器と3出口管の接続部に14ねじれ回転生成部と8絞り部を配置している。19液体の流れは14ねじれ回転生成部に設けられた15流入孔により16流入方向から17ねじれ回転集合方向に合流する。A−A´断面図の様に14ねじれ回転生成部に15流入孔が偏芯して4方向に配置している。
15流入孔の方向
及び数は口径や流体粘度により増減配置する。
図4の横断面図には15流入孔は4個2列、計8個の15流入孔を記載しているが1個でも複数個でも回転流を発生さす事ができる。流体がねじれ回転して8絞り部に向かって加速し、18遠心拡散方向に流れる事で3出口管の6負圧生成ヘッド付近は外周部も十分な流速が発生して6負圧生成ヘッドの負圧力も増大する。気体搬送力は流速による9タンク又は機器と8絞り部の各断面積の差による圧力差と6負圧生成ヘッドの吸引力との和により発生する。14ねじれ回転生成部の効力は9タンク又は機器から3出口への乱流を防止させ抵抗を下げ、8絞り部の断面積を大きく出来る事による流速抵抗の低減に優位である。流体粘度や流速によっては絞り部8を設けないストレートとする事も可能である。また、比較的少ない流量でも6負圧生成ヘッドに負圧を効率良く発生させる外周部の流速が得られる。しかも、弁体などの可動部がないので耐久性が格段にある。
【実施例3】
【0016】
図3は横断面図である。2入口管から3出口管へ1液体の流入方向に液体が流れている場合、2入口管と3出口管の間に9タンク又は機器が配置されている。この9タンク又は機器の上部に7気体が溜まる事を防ぐ手段において説明すると、7気体が溜まる最上部に13引き込み管入口を配置し、12引き込み管を通じ6負圧生成ヘッドにつながっている。6負圧生成ヘッドは
図1の説明中の物と同じ構造である。21弁体(開位置)と22弁体(閉位置)は同一弁体であり位置を示している。弁体は浮力式、重力式、スプリング式がある。20弁の軸ピンを下側に配置して浮力式とする。また20弁の軸ピンを上側に配置して弁体を設ける場合は重力式として作用させる。重力式は弁体の自重である。弁体をスプリング力で作用さす場合は20弁の軸ピンは上下など全角度に対応して閉じる事が出来る。弁体の配置位置は9タンク又は機器と3出口管の接続部であるが6負圧生成ヘッドより9タンク又は機器側に配置する。気体搬送力は流速による9タンク又は機器と3出口管の各断面積の差による圧力差による搬送力と6負圧生成ヘッドの吸引力と弁体の閉止力による圧力差の和により発生するが6負圧生成ヘッドを設けず12引き込み管の開口としても機能する。この時の負圧吸引力は流速による9タンク又は機器と3出口管の各断面積の差による圧力差による搬送力と弁体の閉止力による圧力差の和により発生する。動作は弁体が浮力又はスプリング力又は重力により閉じているが流速が発生して弁体を開こうとする力がはたらき、徐々に開度を増す事となり、流速が早い場合は全開に近くなる。オリフィスの抵抗と比較するとオリフィスの場合は流速に比例して抵抗が増す。開閉する弁体の場合は開度による弁体部分の抵抗は一定に近くなるので浮力又はスプリング力又は重力による一定の設定圧力差を発生させる事が可能になり的確に7気体を搬送する事が可能となる。
【0017】
図6は横断面図であり図中にA−A´断面を記載している。7気体が溜まる最上部に13引き込み管入口を配置し、12引き込み管を通じ6負圧生成ヘッドにつながっている。6負圧生成ヘッドは
図1の説明中の物と同じ構造である。9タンク又は機器と3出口管の接続部に14ねじれ回転生成部と弁体を配置している。21弁体(開位置)と22弁体(閉位置)は同一弁体であり位置を示している。弁体は浮力式、重力式、スプリング式がある。20弁の軸ピンを下側に配置して浮力式とする。また20弁の軸ピンを上側に配置して弁体を設ける場合は重力式として作用させる。重力式は弁体の自重である。弁体をスプリング力で作用さす場合は20弁の軸ピンは上下など全角度に対応して閉じる事が出来る。19液体の流れは14ねじれ回転生成部に設けられた15流入孔により16流入方向から17ねじれ回転集合方向に合流する。
図4で述べたが15流入孔の数の組み合わせは液体の性質や使用方法による。A−A´断面図の様に14ねじれ回転生成部に15流入孔が偏芯して4方向に配置している。
15流入孔の方向
及び数は口径や流体粘度により増減配置する。7気体搬送力は流速による9タンク又は機器と3出口管の各断面積の差による圧力差と6負圧生成ヘッドの吸引力と弁体の閉止力による圧力差の和により発生する。6負圧生成ヘッドを設けず12引き込み管の開口としても機能する。この時の7気体搬送力は流速による9タンク又は機器と3出口管の各断面積の差による圧力差と弁体の閉止力による圧力差の和により発生する。動作は弁体が浮力又はスプリング力又は重力により閉じているが流速が発生して弁体を開こうとする力がはたらき徐々に開度を増す事となり、流速が早い場合は全開に近くなる。オリフィスによる抵抗と比較するとオリフィスの場合は流速に比例して抵抗が増す。弁体の場合は全開すれば弁体部分による抵抗は無くなり管の抵抗と同じになり開度による抵抗は一定となる。この事から流速が少ない場合でも浮力又はスプリング力による一定の圧力差(9タンク又は機器内の圧力と6負圧生成ヘッドのある3出口管の圧力)を発生させる事が可能になり全開まで一定に近い抵抗を生み出し、的確に7気体を搬送する事が可能になる。流体がねじれ回転して18遠心拡散方向に流れる事で21弁体(開位置)を流体の遠心力により押さえ込む方向に働く。同じ流量の場合14ねじれ回転生成部があると弁体に当たる水流力が遠心力分強く弁体を開く。
図3の場合より弁体を開にする遠心力が弁体を押さえ込む力となりより少ない流量で安定して弁体が全開する。流量の少ない時の初動圧力は
図3と同じでも全開時の流速による抵抗の増大は少なくする事が出来る。また、小流量でも3出口管の6負圧生成ヘッド付近の外周部も十分な流速が発生して6負圧生成ヘッドの負圧力も増大する。小流量から大流量まで損失抵抗を小さくでき、効率よく気体の吸引搬送が行える。たとえば、水道と空気の場合で実施した場合、7気体が溜まると腐敗が起こるため、より損失抵抗を少なくする機能と少ない流量でも機能する事が望まれる。また、各地方により水道圧は時間帯により変化し、水道メーターの口径や周囲の使用量によっても水圧や流量が変化する事から小流量でも空気溜りを防ぐ事でタンクや機器を接続した場合の鮮度が確保できる。
【実施例4】
【0018】
図8は横断面図であり図中にA−A´断面を記載している。1液体の流入方向に2入口管から9タンク又は機器に流れ3出口管への流れの中で9タンク又は機器の水面高さが3出口管より高い場合、気体又は空気の溜まりが発生する。この気体又は空気の溜まりを解消する機構として9タンク又は機器の最上部に13引き込み管入口と12引き込み管と6負圧生成ヘッドを設け、9タンク又は機器と3出口管の圧力差を生成して7気体を3出口管に排出するものである。9タンク又は機器から3出口管の間に14ねじれ回転生成部を設ける。この14ねじれ回転生成部はA−A´断面に表記した15流入孔を中心線から偏芯させ4方向に配置して16流入方向の流体が25水車に進入し25水車を接続した24発電部で発電を行っている。25水車を通過した水流はねじれ回転を生成して3出口管方向に遠心力をともない流れる。圧力差の生成は9タンク又は機器と3出口管の断面積の違いによるベルヌーイの定理の流速から発生する圧力差と6負圧生成ヘッドに発生する圧力差であるが9タンク又は機器と3出口管の間の水車の抵抗による圧力差も生じる。流量が増せば水車の回転抵抗は増し、24発電部の発電エネルギーが増す事になる。流量流速と共に電力量に置き換わるエネルギー移動が発生し、水流による発電の圧力損失となる。これにより気体溜まりを解消さす圧力差を発生させている。
図3、
図4、
図5との違いにおいて、本来圧力差は抵抗損失でエネルギーロスであるが電力に置換える事で気体の排出と同時に省エネルギー発電を実現している。水流による発電は様々あるが、気体溜まりの解消に利用している点が特徴である。発電された電力は蓄電や蓄電池の自然消耗の補助充電や制御並びに状態表示の電源として利用する事ができる。また、6負圧生成ヘッドは流体が当たる面と反対面の圧力差で負圧を生成しているが流体の当たる面が大きいほど負圧生成力は増す。同時に管路の抵抗損失が増してしまうので6負圧生成ヘッド以外の圧力差が大きい場合は、6負圧生成ヘッドを設けないか、もしくは流体の当たる面を小さくして抵抗を少なく配置しても良い。つまり、水車の流体抵抗が十分ある時は7気体を3出口管に送る力が得られるので6負圧生成ヘッドは12引き込み管の開口のみとする事ができる。
図4、
図6にも通ずるが14ねじれ回転生成部は液体が9タンク又は機器から3出口管への突入する時に急激に流速が早まり乱流が発生する。この乱流抵抗を低減できる効果があり、水車を効率よく回転さす事を兼ねている。
【0019】
図9は横断面図であり図中にA−A´断面を記載している。
図8の6負圧生成ヘッドを除き2引き込み管の配置位置を変更している。9タンク又は機器の最上部に13引き込み管入口と12引き込み管を設け、4ねじれ回転生成部の上部に繋がっている。9タンク又は機器と3出口管の圧力差を生成して7気体を3出口管に排出するものである。9タンク又は機器から3出口管の間に14ねじれ回転生成部を設ける。この14ねじれ回転生成部はA−A´断面に表記した15流入孔を中心線から偏芯させ下側2方向に配置して16流入方向の流体が25水車に進入し25水車を接続した24発電部で発電を行っている。また、発電部の替わりにポンプとする事も可能である。25水車を通過した水流はねじれ回転を生成して3出口管方向に遠心力をともない流れる。14ねじれ回転生成部の上側に繋がる12引き込み管と13引き込み管入口から7気体を引き込むプロセスは16流入方向の流体が25水車を回転させ25水車の羽により各15流入孔と12引き込み管の流量を同じにしようとする働きにより12引き込み管の吸引力が発生する。また、気体の溜まりが解消されれば液体が流れ3方向のねじれ回転を生成する。
図8との差異は水車の吸引力であるが12引き込み管の配置位置の違いであり、
図8に6負圧生成ヘッドを設けない場合と比較すれば構成要素は同じである。また、3出口管の取り付け位置を9タンク又は機器の上部に近い位置に接続すれば12引き込み管の長さが無くなり13引き込み管入口のみで7気体の排出が可能になる。あくまで、気体溜まりが発生する場合の構成である。
【産業上の利用可能性】
【0020】
水道配管に利用すると貯水が可能になり断水の時利用できる。又、冷温水配管に利用すると配管の上げ下げが可能になり機械室で気体の排出が行える点と配管腐食を防ぐ利点は大きい。冷媒やオイルも同様の利点がある。食品、薬品、危険物の工場設備ライン及び原子力設備も対象であり利用範囲が広い。
【符号の説明】
【0021】
1、液体の流入方向
2、入口管
3、出口管
4、気体の浮力高さ
5、空気溜り高さ
6、負圧生成ヘッド
7、気体
8、絞り部
9、タンク又は機器
10、気泡
11、側板部
12、引き込み管
13、引き込み管入口
14、ねじれ回転生成部
15、流入孔
16、流入方向
17、ねじれ回転集合方向
18、遠心拡散方向
19、液体
20、弁の軸ピン
21、弁体(開位置)
22、弁体(閉位置)
23、小流量時の流れ
24、発電部
25、水車