(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記開閉機構(11)は、前記出入口を左右両側から開閉する一対の左右開閉ユニット(11L,11R)により構成され、それぞれの開閉ユニットは、前記側部フレーム(9)に交差して水平方向に配置されたガイド手段(12)と、該ガイド手段に摺動自在に保持された開閉ロッド(13)を備えており、
左右の開閉ロッド(13,13)を相互に近接方向に向けて閉鎖位置(M1)まで摺動することにより前記出入口(6E)を閉鎖し、前記左右の開閉ロッド(13,13)を相互に離反方向に向けて開放位置(M2)まで摺動することにより前記出入口(6E)を開放するように構成して成ることを特徴とする請求項1に記載の脚立式作業台。
前記ガイド手段(12)は、側部フレーム(9)の端部に設けたガイド筒(14)により構成され、該ガイド筒(14)に挿通した開閉ロッド(13)を前記閉鎖位置(M1)と前記開放位置(M2)の間で摺動自在となるように保持しており、
前記ガイド筒(14)と開閉ロッド(13)の相互に、少なくとも開閉ロッド(13)を閉鎖位置(M1)において摺動不能とするように係止固定する係脱自在なロック機構(26)を設けて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の脚立式作業台。
前記ガイド手段(12)を構成するガイド筒(14)に前記開閉ロッド(13)を構成するロッド管(17)を摺動自在に挿通した状態で、該ロッド管(17)の両端にエンドキャップ(18a,18b)を取着しており、
一方のエンドキャップ(18a)により、前記開閉ロッド(13)を閉鎖位置(M1)に摺動したとき前記ガイド筒(14)に当接する閉鎖ストッパ(25a)を構成し、
他方のエンドキャップ(18b)により、前記開閉ロッド(13)を開放位置(M2)に摺動したとき前記ガイド筒(14)に当接する開放ストッパ(25b)を構成して成ることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の脚立式作業台。
前記ガイド手段(12)を構成するガイド筒(14)の内周面と、前記開閉ロッド(13)を構成するロッド管(17)の外周面は、断面を相互に回動不能とする非真円形状に形成されると共に、ガイド筒(14)の内周面に軸方向に延びる溝部(19)を形成しており、
前記開閉ロッド(13)は、前記閉鎖位置(M1)と前記開放位置(M2)の少なくとも一方の位置に摺動したとき前記溝部(19)に嵌入される突部(23)を設けており、該突部(23)と溝部(19)の間に摩擦抵抗を生じさせることにより緩衝手段(24a,24b)を構成して成ることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の脚立式作業台。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1により提案された脚立式作業台は、第1脚体の左右一対の支柱を上方に延長し、該延長部に軸着手段を設け、該軸着手段に軸着された左右の閉鎖部材を水平姿勢と起立姿勢の間で回動自在となるように構成している。
【0006】
しかしながら、左右の閉鎖部材は、起立姿勢とした状態で、ストッパにより起立姿勢を保持するが、外力を受けると簡単に水平姿勢に向けて回動するため、乗降中の作業者が閉鎖部材を握持すると、姿勢を崩すおそれがあり、落下事故を招来する危険がある。
【0007】
特に、特許文献1のように閉鎖部材を枢支ピンで軸着した構成では、作業者が起立姿勢とされた閉鎖部材を握持して引き寄せたり、水平姿勢とされた閉鎖部材に作業者が身体を預けたりする場合、枢支ピンが容易に折損する可能性がある。
【0008】
ところで、特許文献1の場合、閉鎖部材を水平姿勢とすることにより出入口を閉鎖した状態で、左右の閉鎖部材を連結することにより回動不能とするロック部材を設けている。しかしながら、作業者は、出入口から床天板に搭乗した後、閉鎖部材を水平姿勢まで回動する作業と、その後にロック部材を操作して閉鎖部材を連結する作業の2つの作業を行う必要があり、煩雑である。そして、煩雑の故に作業者が作業を怠ると、閉鎖部材が簡単容易に回動し、出入口を開放するおそれがあり、安全性に問題がある。
【0009】
更に、特許文献1の場合、枠体の折り畳み機構と、両脚体の枢結手段による脚の開閉機構を別々に構成しているので、閉脚に際して、両脚体を閉脚する作業と、枠体を水平姿勢から鉛直姿勢に姿勢変更させる作業の2作業が必要となり、同様に開脚に際しても、両脚体を開脚する作業と、枠体を鉛直姿勢から水平姿勢に姿勢変更させる作業の2作業が必要とされており、煩雑であるという問題もある。
【0010】
そこで、本発明は、床天板の上方に作業空間を囲む枠体を設けた脚立式作業台において、出入口を開閉する開閉部材を特許文献1のように起立姿勢と水平姿勢の間で回動させる場合は、上述のような危険があることに鑑み、開閉部材を回動しないように構成し、しかも、出入口を簡単容易に開閉可能とする開閉機構を提供することを課題とする。
【0011】
また、本発明は、特許文献1のように閉鎖部材と回動軸着構造を作業台の脚体に設けるのではなく、前記開閉機構をユニット化すると共に該ユニットを前記枠体に設けることにより、アセンブリを容易とした開閉機構を提供することを課題とする。
【0012】
更に、好ましくは、脚体の開閉(展開・折畳)と枠体の開閉(展開・折畳)を連動させることにより、展開作業及び折畳作業を迅速容易に行うことができる脚立式作業台を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そこで、本発明が手段として構成したところは、第1脚体と第2脚体を開閉可能に枢結すると共に前記第1脚体により昇降脚を構成し、両脚体に架設した床天板の上方に前記昇降脚に臨む出入口を有する作業空間を形成すると共に、前記作業空間の前記出入口を除く三方を囲む左右の側部フレームと交差フレームを備えた枠体を設けて成る脚立式作業台において、前記出入口を少なくとも左右一方の側から開閉自在とする開閉機構を設けており、前記開閉機構は、前記側部フレームに交差して水平方向に配置されたガイド手段と、該ガイド手段に摺動自在に保持された開閉ロッドにより構成され、前記開閉ロッドを前記出入口の内側に向けて閉鎖位置まで摺動することにより該出入口を閉鎖し、前記開閉ロッドを前記出入口の外側に向けて開放位置まで摺動することにより前記出入口を開放するように構成して成る点にある。
【0014】
好ましくは、前記開閉機構は、前記出入口を左右両側から開閉する一対の左右開閉ユニットにより構成され、それぞれの開閉ユニットは、前記側部フレームに交差して水平方向に配置されたガイド手段と、該ガイド手段に摺動自在に保持された開閉ロッドを備えており、左右の開閉ロッドを相互に近接方向に向けて閉鎖位置まで摺動することにより前記出入口を閉鎖し、前記左右の開閉ロッドを相互に離反方向に向けて開放位置まで摺動することにより前記出入口を開放するように構成している。
【0015】
本発明の好ましい実施形態において、前記ガイド手段は、側部フレームの端部に設けたガイド筒により構成され、該ガイド筒に挿通した開閉ロッドを前記閉鎖位置と前記開放位置の間で摺動自在となるように保持しており、前記ガイド筒と開閉ロッドの相互に、少なくとも開閉ロッドを閉鎖位置において摺動不能とするように係止固定する係脱自在なロック機構を設けている。
【0016】
前記ガイド手段を構成するガイド筒に前記開閉ロッドを構成するロッド管を摺動自在に挿通した状態で、該ロッド管の両端にエンドキャップを取着しており、一方のエンドキャップにより、前記開閉ロッドを閉鎖位置に摺動したとき前記ガイド筒に当接する閉鎖ストッパを構成し、他方のエンドキャップにより、前記開閉ロッドを開放位置に摺動したとき前記ガイド筒に当接する開放ストッパを構成している。
【0017】
前記ガイド手段を構成するガイド筒の内周面と、前記開閉ロッドを構成するロッド管の外周面は、断面を相互に回動不能とする非真円形状に形成されると共に、ガイド筒の内周面に軸方向に延びる溝部を形成しており、前記開閉ロッドは、両端部のうち少なくとも一方の端部に前記溝部に嵌入される突部を設けており、該突部は、前記エンドキャップを取着するリベット等の固着具の頭部により形成することができる。そこで、開閉ロッドを閉鎖位置と開放位置の少なくとも一方の位置に摺動したとき突部が溝部に嵌入しつつ摩擦抵抗を生じさせることにより緩衝手段を構成する。従って、前記突部を開閉ロッドの両端部に設けた場合は、開閉ロッドを閉鎖位置に摺動したとき、一方の突部が溝部に嵌入しつつ摩擦抵抗を生じることにより閉鎖緩衝手段を構成し、開閉ロッドを開放位置に摺動したとき、他方の突部が溝部に嵌入しつつ摩擦抵抗を生じることにより開放緩衝手段を構成することができる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の本発明によれば、作業者は、開閉ロッド13を左右方向に摺動させることにより、簡単に出入口6Eを開閉することができるので、開閉作業が容易である。そして、開閉ロッド13は、枠体6の側部フレーム9に交差する姿勢を維持した状態でガイド手段12に保持されており、上下方向に回動しないので、もしも、作業者が開閉ロッド13を握持して引き寄せたり、開閉ロッド13に身体を預けたりする等、開閉ロッド13に大きな外力が作用したとしても、開閉ロッド13が回動して作業者の姿勢を崩すようなことはなく、作業者の安全を確保し、しかも、容易に破損するような構造部分を有しておらず、耐用性に優れている。
【0019】
請求項2に記載の本発明によれば、左右に開閉ユニット11L、11Rを配設しているので、左右の開閉ロッド13を閉鎖位置M1と開放位置M2の間で摺動させるために必要な摺動ストロークを短くすることが可能であり、開閉作業が更に容易となる。しかも、ユニットを構成する開閉機構11を枠体6の側部フレーム9に装着する構成であるから、製品としての実施化が容易である。
【0020】
請求項3に記載の本発明によれば、開閉ロッド13は、閉鎖位置M1においてロック機構26により摺動不能となるように係止固定されるので、枠体6と共に作業空間を確実に囲繞し、作業の安全を確保する。しかも、ロック機構26は、開閉ロッド13を摺動方向に関してロックするものであるから、仮に、作業者が開閉ロッド13を握持して引き寄せたり、開閉ロッド13に身体を預けたりする等、開閉ロッド13に交差する方向の外力を受けてもロックが解除されることはなく、確実に安全を確保することができる。
【0021】
請求項4に記載の本発明によれば、ロッド管17の両端に取着したエンドキャップ18a、18bにより閉鎖ストッパ25aと開放ストッパ25bを構成しているので、開閉ロッド13は、開閉時に勢いよく摺動させられても、それぞれ閉鎖位置M1及び開放位置M2を超えて摺動することはなく、所定位置M1、M2に好適に位置決めされる。
【0022】
請求項5に記載の本発明によれば、ガイド筒14の溝部19とロッド管17の突部23により摩擦抵抗を生成する閉鎖緩衝手段24a又は開放緩衝手段24bを構成しているので、仮に、作業者が開閉ロッド13を閉鎖位置M1又は開放位置M2に向けて乱暴に摺動させるときでも、開閉ロッド13の摺動速度を減速させることにより、衝撃を緩和し、ガイド筒14と開閉ロッド13の間の破損を防止することができる。
【0023】
因みに、脚立式作業台1は、後述する実施形態のように構成しておけば、両脚体2、3を開脚状態から閉脚する際は、一方の脚体2と共に第1枢結手段30を上昇させるだけで、枠体6により両脚体2、3の支柱2a、3aを平行に折り畳んだ状態に閉脚することが可能であり、反対に、両脚体2、3を閉脚状態から開脚する際は、一方の脚体2と共に第1枢結手段30を下降させるだけで、枠体6により両脚体2、3を開脚することが可能であり、ワンタッチの作業により、閉脚及び開脚と枠体6の折り畳み及び展開を同時に行うことができるという効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
【0026】
図1及び
図2に示すように、脚立式作業台1は、第1脚体2と第2脚体3を相互に上部の枢結手段4を介して開閉可能に枢結しており、両脚体2、3に架設される床天板5と、該床天板5の上方に配置された枠体6を備えている。尚、
図1に鎖線で示すように、両脚2、3は、伸縮脚を構成することが好ましい。
【0027】
第1脚体2は、左右の支柱2a、2aを多段式の踏桟7により連結した昇降脚2Aを構成し、第2脚体3は、左右の支柱3a、3aを連結桟8により連結した非昇降脚3Aを構成している。従って、両脚体2、3を開脚した状態で、作業者は、昇降脚2Aから床天板5の上に昇降することが許され、非昇降脚3Aからの昇降が禁止されている。
【0028】
両脚体2、3は、それぞれの支柱2a、2a及び支柱3a、3aから延びる延長支柱部2b、2bと延長柱部3b、3bを床天板5の上方に延設しており、床天板5の上方に作業空間を形成する。
【0029】
前記枠体6は、断面矩形その他の形状とされたパイプ材により形成され、作業空間の三方を囲む左右の側部フレーム9、9と交差フレーム10を備えており、交差フレーム10を非昇降脚3Aの上方に配置し、作業空間を昇降脚2Aに臨んで開放することにより、出入口6E(
図4参照)を形成している。従って、開脚状態において、昇降脚2Aを昇降する作業者は、出入口6Eを通過することにより床天板5に乗降することができる。
【0030】
[開閉機構の実施形態]
図1ないし
図7は、前記作業空間の出入口6Eを開閉するための開閉機構11を示している。図示実施形態の場合、開閉機構11は、前記出入口6Eを左右両側から開閉する一対の左右開閉ユニット11L、11Rにより構成されている。尚、「左右」とは、昇降脚2Aから出入口6Eに向かう方向に対する意味であり、以下、左右を問わず単に「ユニット11」と称する場合がある。しかしながら、開閉機構11は、必ずしも左右両側のユニット11L、11Rにより構成する必要はなく、左右一側にだけユニット11を設け、左右一方の側から出入口6Eを開閉するように構成しても良い。
【0031】
前記ユニット11は、前記枠体6の側部フレーム9に交差して水平方向に配置されたガイド手段12と、該ガイド手段12に摺動自在に保持される開閉ロッド13により構成されており、開閉ロッド13を前記出入口6Eの内側に向けて閉鎖位置M1まで摺動することにより該出入口6Eを閉鎖し、開閉ロッド13を前記出入口6Eの外側に向けて開放位置M2まで摺動することにより該出入口6Eを開放するように構成している。
【0032】
前記枠体6の左右の側部フレーム9、9に対して左右の開閉ユニット11L、11Rを対称に配設した図示実施形態の場合、
図3に示すように、左右の開閉ロッド13、13を相互に近接方向に向けて閉鎖位置M1まで摺動することにより前記出入口6Eを閉鎖し、前記左右の開閉ロッド13、13を相互に離反方向に向けて開放位置M2まで摺動することにより前記出入口6Eを開放するように構成している。
【0033】
従って、作業者は、開閉ロッド13を左右方向に摺動させることにより、簡単に出入口6Eを開閉することができるので、開閉作業が容易である。そして、開閉ロッド13は、枠体6の側部フレーム9に交差する姿勢を維持した状態でガイド手段12に保持されており、上下方向に回動しない。従って、もしも、作業者が開閉ロッド13を握持して引き寄せたり、開閉ロッド13に身体を預けたりする等、開閉ロッド13に大きな外力が作用したとしても、開閉ロッド13が無理に回動させられることにより作業者の姿勢を崩すようなことはなく、作業者の安全を確保し、しかも、容易に破損するような構造部分が存在しないから、耐用性に優れている。
【0034】
この際、図示実施形態のように左右に開閉ユニット11L、11Rを配設した構成によれば、左右の開閉ロッド13を閉鎖位置M1と開放位置M2の間で摺動させるために必要な摺動ストロークが短くなるので、開閉作業が更に容易となる。
【0035】
前記ガイド手段12は、
図5に示すように、ガイド筒14の側部に二股状のブラケット15を設けており、ガイド筒14の軸線を側部フレーム9に直交する水平方向に配置した状態で、側部フレーム9の端部を上下からブラケット15で挟持すると共にリベット等の固着具16により固着される。
【0036】
これに対して、開閉ロッド13は、前記ガイド筒14に摺動自在に挿通されるロッド管17と、該ロッド管17の両端に取着されるエンドキャップ18a、18bにより構成されている。尚、ロッド管17の両端のうち、前記出入口6Eの外側に向かう端部に第1エンドキャップ18aが取着され、前記出入口6Eの内側に向かう端部に第2エンドキャップ18bが取着される。
【0037】
図5(B)に示すように、前記ガイド手段12を構成するガイド筒14の内周面と、前記開閉ロッド13を構成するロッド管17の外周面は、断面を相互に回動不能とする非真円形状に形成されている。図例の場合、ロッド管17の外周面の断面形状は、角部にアール面を施した概ね矩形状に形成され、ガイド筒14の内周面の断面形状は、前記ロッド管17の断面矩形状とされた外周面を摺動自在に挿通させる概ね矩形状に形成されると共に、断面の4辺に軸方向に延びる溝部19を形成している。
【0038】
従って、ロッド管17は、ガイド筒14に対して、軸廻り方向に回動不能な状態で摺動自在に挿通され、挿通状態で、ロッド管17の両端に前記エンドキャップ18a、18bを取着される。エンドキャップ18は、栓部20とフランジ21を備えており、栓部20をロッド管17に嵌入した状態で、該ロッド管17の外部から挿入されるリベット等の固着具22により固着される。これにより、固着具22の頭部がロッド管17の外面から突出することにより突部23を形成し、前記フランジ21がロッド管17の外面から張出すことによりストッパを形成する。
【0039】
一対のエンドキャップ18a、18bに基づいてロッド管17の両端に設けられた突部23及びフランジ21は、後述するように、出入口6Eの外側に向かう側のロッド管17の端部に位置する突部23及びフランジ21が閉鎖緩衝手段24a及び閉鎖ストッパ25aを構成し、出入口6Eの内側に向かう側のロッド管17の端部に位置する突部23及びフランジ21が開放緩衝手段24b及び開放ストッパ25bを構成する。
【0040】
更に、ガイド筒14とロッド管17の相互には、開閉ロッド13を閉鎖位置M1において摺動不能とするように係止固定する係脱自在なロック機構26が設けられている。ロック機構26は、開閉ロッド13を閉鎖位置M1に摺動したとき、相互に重なり合うようにロッド管17とガイド筒14に開設した係止孔27a、27bと、ロック管17の内部から前記係止孔27a、27bに嵌入する係止爪28と、前記係止爪28を弾発付勢するスプリング29により構成されている。前記スプリング29は、ロック管17の内部に装入され、常時は前記係止爪28を係止孔27aの外部に向けて弾発付勢しているが、該スプリング29に抗して前記係止爪27aを係止孔27aの内部に没入可能とするように構成されている。
【0041】
[開閉機構の作用]
前記枠体6の左右の側部フレーム9、9に左右の開閉ユニット11L、11Rを配設した図示実施形態に関して、
図3及び
図6は、左右の開閉ロッド13、13を相互に近接方向に向けて閉鎖位置M1まで摺動することにより前記出入口6Eを閉鎖した状態を示しており、
図4及び
図7(B)は、左右の開閉ロッド13、13を相互に離反方向に向けて開放位置M2まで摺動することにより前記出入口6Eを開放した状態を示している。
【0042】
図6に示すように、開閉ロッド13を閉鎖位置M1に向けて摺動したとき、ロック機構26が係止する前に、ロッド管17の突部23がガイド筒14の溝部19に進入し、該突部23と溝部19の間に摩擦抵抗を生じさせる閉鎖緩衝手段24aが形成されている。即ち、
図6(C)に示すように、突部23は、溝部19の溝底に当接した状態で摺擦しながら嵌入される。従って、仮に、作業者が開閉ロッド13を閉鎖位置M1に向けて乱暴に摺動させるときでも、前記閉鎖緩衝手段24aが摺動速度を減速することにより、衝撃を緩和し、ガイド筒14と開閉ロッド13の間の破損を防止する。
【0043】
開閉ロッド13が閉鎖位置M1に向けて摺動する際、ロック機構26の係止爪28がガイド筒14の端面に衝突する。
図6(B)に示すように、係止爪28は、側面(出入口6Eの内側に向かう側面、つまり、開放位置M2から閉鎖位置M1に向かう側面)にテーパ状のガイド面28aを形成している。従って、係止爪28は、ガイド筒14の端面にガイド面28aを当接しつつ、スプリング29に抗してロッド管17の内部に押し込まれ、この状態で開閉ロッド13を摺動する。そして、開閉ロッド13が閉鎖位置M1まで摺動すると、スプリング29により係止爪28がガイド筒14の係止孔17bに係止する。この際、エンドキャップ18aのフランジ21により構成された閉鎖ストッパ25aがガイド筒14の端面に当接するので、開閉ロッド13は、閉鎖位置M1を超えて摺動することはなく、閉鎖位置M1に位置決めされる。
【0044】
このように、開閉ロッド13は、閉鎖位置M1においてロック機構26により摺動不能となるように係止固定されるので、枠体6と共に作業空間を確実に囲み、作業者の安全を確保する。しかも、ロック機構26は、開閉ロッド13を摺動方向に関してロックするものであるから、上述のように、作業者が開閉ロッド13を握持して引き寄せたり、開閉ロッド13に身体を預けたりする等、開閉ロッド13に交差する方向の外力を受けてもロックが解除されることはなく、安全を確保する。
【0045】
開閉ロッド13を閉鎖位置M1から開放位置M2に向けて摺動する際は、
図7(A)に示すように、指先等で係止爪28を押し込むことによりガイド筒14の係止孔27bから離脱させれば、ワンタッチの作業で、開閉ロッド13を開放位置M2に向けて摺動することが可能である。
【0046】
図7(B)に示すように、開閉ロッド13を開放位置M2に向けて摺動したとき、ロッド管17の突部23がガイド筒14の溝部19に進入し、該突部23と溝部19の間に摩擦抵抗を生じさせる開放緩衝手段24bが形成されている。即ち、突部23は、
図6(C)に示すように、溝部19の溝底に当接した状態で摺擦しながら嵌入される。従って、仮に、作業者が開閉ロッド13を開放位置M2に向けて乱暴に摺動させるときでも、前記開放緩衝手段24bが摺動速度を減速することにより、衝撃を緩和し、ガイド筒14と開閉ロッド13の間の破損を防止する。
【0047】
そして、エンドキャップ18bのフランジ21により構成された開放ストッパ25bがガイド筒14の端面に当接するので、開閉ロッド13は、開放位置M2を超えて摺動することはなく、開放位置M2に位置決めされる。前述のように開閉ロッド13の摺動は、開放緩衝手段24bにより減速されているので、開放ストッパ25bが勢いよくガイド筒14の端面に衝突して反力により跳ね返りを生じるようなことはなく、開閉ロッド13を好適に開放位置M2に停止させることができる。
【0048】
尚、図示実施形態の場合、開閉ロッド13を開放位置M2において摺動不能に係止固定するためのロック機構を設けていないが、開閉ロッド13は、前記開放緩衝手段24bの摩擦抵抗により、自由に遊動しない状態で保持されているから、自然に閉鎖位置M1に向けて摺動することはない。そして、開放位置M2の開閉ロッド13は、作業空間の外部に位置しているので、作業者が握持したり、身体を預けたりする問題を生じることはない。この状態から開閉ロッド13を閉鎖位置M1に向けて摺動する際は、前記開放緩衝手段24bを構成する突部23が溝部19から脱出するまでの短距離だけ、摺動方向に比較的強い力を与えてやれば良い。しかしながら、本発明は、上記のロック機構26と同様に構成したロック機構を開放位置M2における開閉ロッド13とガイド筒14の間に設けても差し支えない。
【0049】
また、図示実施形態は、開閉ロッド13の両端部に突部23、23を設けることにより、閉鎖緩衝手段24aと開放緩衝手段24bの2つの緩衝手段を構成しているが、開閉ロッド13の両端部のうち一方の端部にだけ突部23を設け、閉鎖緩衝手段24aと開放緩衝手段24bの何れか一方だけを構成しても良い。
【0050】
[脚体の開閉機構]
上記のように構成された脚立式作業台1において、第1脚体2と第2脚体3の間で相互に対向する延長柱部2b、3bの上端部は、相互に、
図8(A)に示すように、側部フレーム9の軸方向に所定間隔をあけて配置され、この一対の延長柱部2b、3bの上端部を前記枠体6の側部フレーム9に対して第1枢結手段30と第2枢結手段31により枢着することにより枢結手段4を構成している。図示実施形態の場合、側部フレーム9に直角三角形状の金属板から成るブラケット32が固着され、該ブラケット32に軸部材を軸支することにより、前記第1枢結手段30と第2枢結手段31を構成している。
【0051】
この際、第1枢結手段30の枢軸位置P1と第2枢結手段31の枢軸位置P2は、側部フレーム9の延長方向に関して、所定間隔L1をあけて離間し、側部フレーム9に交差する方向に関して、所定間隔L2をあけて離間するように配置されている。従って、枢軸位置P1は、枢軸位置P2よりも側部フレーム9から所定距離L2だけ離間しており、両脚体2、3を開脚した状態で、枢軸位置P1が枢軸位置P2よりも前記距離L2だけ下方に離間するように構成されている。
【0052】
図示実施形態の場合、ブラケット32は、側部フレーム9の外側面に固着され、延長柱部2b、3bの上端部の内側に臨むように配置されている。図示のように、第1脚体2の延長柱部2bの上端部は、前記所定距離L2に相当して、第2脚体3の延長柱部3bの上端部よりも短くなるように形成され、それぞれの延長柱部2b、3bの上端に固着した軸受ブラケット33、34を前記ブラケット32に軸着することにより、第1枢結手段30と第2枢結手段31を構成している。
【0053】
図示実施形態では、1枚の金属板から成るブラケット32を介して第1枢結手段30と第2枢結手段31を構成しているが、このようなブラケット32の構成に限定されるものではなく、上記所定間隔L1及びL2を可能とする手段であれば良い。
【0054】
上記構成の結果、
図8(A)に示すように両脚体2、3を開脚した状態から、第1脚体2を直立姿勢となるように姿勢変更させると、延長支柱部2bの上端部が第1枢結手段30を介してブラケット32を押し上げるので、該ブラケット32及び側部フレーム9が第2枢結手段31を支点として回動させられる。従って、両脚体2、3を閉脚させると、
図8(B)に示すように、側部フレーム9と一対の延長柱部2b、3bが相互に平行な鉛直姿勢となるように折り畳まれる。
【0055】
この際、側部フレーム9を第2脚体3の延長柱部3bの内側に位置させ、第2枢結手段31の枢軸P2を側部フレーム9の中心軸線と延長柱部3bの中心軸線の交点に配置した構成とすれば、
図8(B)に示すように、側部フレーム9が第2脚体3の延長柱部3bの内側に重なって内嵌され、コンパクトな折り畳みを可能にする。
【0056】
折り畳み状態において、第1枢結手段30の枢軸位置P1は、第2枢結手段31の枢軸位置P2よりも、前記所定間隔L1に相当して、上位に位置している。従って、折り畳まれた脚立式作業台1は、第2脚体3の下端部を接地した状態で、第1脚体2の下端部は地面から浮き上がることになる。そこで、図示実施形態の場合、両脚体2、3の開閉作業と操作性を良好にするため、両脚体2、3の間で相互に対向する延長支柱部2b、3bの相互を回動自在に連結するリンクアーム35が設けられている(
図1及び
図2参照)。
【0057】
第1脚体2と第2脚体3に架設された前記床天板5は、両脚体2、3の開脚動作及び閉脚動作に連動して該床天板5を横向き姿勢と縦向き姿勢の間で姿勢変更する連動機構36を設けており、該連動機構36は、床天板5の基端部と第1脚体2を相互に横軸廻りに回動自在に枢着する枢着手段37と、該床天板5と第2脚体3を相互に移動自在に連結する移動連結手段38を構成している。床天板5の横向き姿勢は、水平姿勢とすることが好ましく、縦向き姿勢は、鉛直姿勢とすることが好ましい。
【0058】
[床天板の連動機構]
図9及び
図10に示すように、床天板5の枢着手段37は、床天板5の基端部の両側面から下向きに枢支ブラケット39、39を延設し、該枢支ブラケット39を第1脚体2の支柱2aの内側に固着された軸支ブラケット40に枢軸41を介して軸着している。この際、
図9(A)に示すように、床天板5の側面中心を延びる軸線から枢軸41の中心に至る垂線により規定される枢支ブラケット39の回転半径Rは、上記の第1枢結手段30と第2枢結手段31の所定距離L2と等しくなるように構成することが好ましい。
【0059】
図示実施形態の場合、前記枢支ブラケット39と軸支ブラケット40の相互には、床天板5を水平姿勢としたときに当接される凹凸を構成する凹部42とピン43を設けることが好ましい。
【0060】
前記移動連結手段38は、床天板5の両側面に設けたガイド手段44と、第2脚体3の支柱3a、3aの内側に設けた軸手段45を備え、第1脚体2と第2脚体3を開閉する際、床天板5と第2脚体3の交差角度の変化に追従して、前記軸手段45をガイド手段44に沿って移動させるように構成している。
【0061】
図示実施形態の場合、前記ガイド手段44は、床天板5の側面に沿って延設したスリットから成るガイド溝44aにより形成され、前記軸手段45は、第2脚体3の支柱3aの内側に固着された支持ブラケット46から突設したガイドピン45aにより形成されており、該ガイドピン45aをガイド溝44aに回動自在かつスライド自在に挿通することにより、支柱3aと床天板5の交点を移動自在に連結している。
【0062】
従って、前記軸手段45とガイド手段44は、第1脚体2と第2脚体3を閉脚したとき、軸手段45をガイド手段44の基端部(床天板5の基端部に臨む端部)に向けて移動することにより、枢着手段37を支点として床天板5を鉛直姿勢に向けて回動させ、両脚体2、3を開脚したとき、軸手段45をガイド手段44の先端部(床天板5の自由端部に臨む端部)に向けて移動することにより、枢着手段37を支点として床天板5を水平姿勢に向けて回動させるように構成されている。
【0063】
床天板5は、先端部にロック手段47を設けており、これに対応して、第2脚体3に第1係止手段48が設けられ、第1脚体2に第2係止手段49(
図10(A)参照)が設けられている。前記ロック手段47は、床天板5を水平姿勢としたとき前記第1係止手段48に係脱自在に係止し、床天板5を鉛直姿勢としたとき前記第2係止手段49に係脱自在に係止するように構成されている。
【0064】
図示実施形態の場合、前記ロック手段47は、床天板5の側面下方から進退自在に突出する係止突部50aを備えたロッド50と、該ロッド50を摺動自在に支持する支持手段51により構成され、常時は前記係止突部50aを突出方向に付勢するスプリング52を設けており、前記ロッド50の尾端部を下向きに折曲することにより操作部50bを形成している。
【0065】
床天板5は、下面に前記支持手段51を固着することにより、該下面の両側に一対のロック手段47、47を配置しており、前記スプリング52により付勢されたロッド50の係止突部50aを該床天板5の下側から側方に突出させている。従って、
図9(B)は左右のロック手段47、47の一方だけを図示しているが、左右対称に構成されていることを諒解されたい。尚、一対のロック手段47、47の操作部50b、50bは、作業者が片手で同時に引き寄せ可能な間隔をあけて配置され、該操作部50bによりロッド50を移動させることにより、前記係止突部50aを後退させる。
【0066】
前記第1係止手段48は、第2脚体3の支柱3aに設けた支持ブラケット46の係止孔48aにより構成され、第1脚体2と第2脚体3を開脚することにより床天板5を水平姿勢としたとき、前記ロック手段47の係止突部50aを該係止孔48aに挿入させ、床天板5を回動不能に係止固定する。
【0067】
前記第2係止手段49は、第1脚体2の踏桟7に設けた一対の突片53、53の係止孔49aにより構成され、第1脚体2と第2脚体3を閉脚することにより床天板5を鉛直姿勢としたとき、前記ロック手段47の係止突部50aを該係止孔49aに挿入させ、床天板5を回動不能に係止固定する。
【0068】
このように両脚体2、3を閉脚すると共に床天板5を鉛直姿勢としたとき、前記支持手段51と突片53は、
図10(B)に示すように、相互に係止した係止突部50aと係止孔49aを両脚体2、3の間に位置させ、両脚体2、3の中心を延びる軸線の間隔Sを上記の第1枢結手段30と第2枢結手段31の所定距離L2と等しくなるように構成することが好ましい。
【0069】
図9及び
図10に連動機構17の作用を示している。第1脚体2と第2脚体3を開脚したとき、
図9(A)に示すように、両脚体2、3が広がることにより、軸手段45がガイド手段44の先端部に向けて移動し、枢着手段37を支点として床天板5を水平姿勢に向けて回動させ、枢支ブラケット39の凹部42が軸支ブラケット40のピン43に当接することにより、床天板5を水平姿勢に保持する。この状態で、床天板5は、基端部を枢軸41により支持され、先端部をガイドピン45aにより支持されており、作業者の荷重を好適に支持できるが、安全のため、ロック手段47が第1係止手段48に係止される。
【0070】
前記係止孔48aから成る第1係止手段48を設けた支持ブラケット46は、係止孔48aに向かう傾斜壁面によりガイド面を形成することが好ましく、これにより、床天板5を水平姿勢となるように回動したとき、ロッド50の係止突部50aをガイド面に沿って摺動させつつ後退させ、該係止突部50aが係止孔48aに臨んだとき、スプリング52により該係止孔48aに自動的に挿入させるように構成することが好ましい。
【0071】
両脚体2、3を開脚した状態で、ロック手段47を第1係止手段48に係止固定すると、床天板5は、回動不能状態で両脚体2、3を連結する。従って、これにより、両脚体2、3は、閉脚不能状態に固定保持されるので、作業者の高所作業の安全性が確保される。
【0072】
開脚状態から第1脚体2と第2脚体3を閉脚するときは、一対の操作部50b、50bを引き寄せて係止突部50aを係止孔48aから後退させることにより、ロック手段47と第1係止手段48の係止を解除した後、上述のように第1脚体2を持ち上げながら閉脚すれば良い。これにより、
図10(A)に示すように、相対的に、第1脚体2が上向き移動し、第2脚体3が下向き移動しながら、相互の間隔を狭めると共に、床天板5に設けたガイド溝44aと第2脚体3の交差角度を変化させるので、ガイドピン45aがガイド溝44aの基端部に向けて移動しつつ、該ガイド溝44aを押動することにより、床天板5を鉛直姿勢に向けて下向きに回動する。
【0073】
前記係止孔49aから成る第2係止手段49を設けた突片53は、係止孔49aに向かう傾斜壁面によりガイド面を形成することが好ましく、これにより、床天板5を鉛直姿勢となるように回動したとき、ロッド50の係止突部50aをガイド面に沿って摺動させつつ後退させ、該係止突部50aが係止孔49aに臨んだとき、スプリング52により該係止孔49aに自動的に挿入させるように構成することが好ましい。
【0074】
両脚体2、3を閉脚した状態で、ロック手段47を第2係止手段49に係止固定すると、床天板5は、回動不能状態で両脚体2、3を連結する。従って、これにより、両脚体2、3は、開脚不能状態に固定保持されるので、折り畳んだ脚立式作業台を作業者が運搬する際、両脚体2、3が不慮に開脚するおそれはない。
【0075】
枢結手段4を構成する第1枢結手段30と第2枢結手段31に関して上述したように、閉脚状態において、第1脚体2の延長柱部2bを含む支柱2aと、第2脚体3の延長柱部3bを含む支柱3aは、枠体6の側部フレーム9を前記延長柱部3b、3bに重ねて内嵌させた状態で、所定距離L2を介して平行な鉛直姿勢となるように折り畳まれる。このような両脚体2、3のコンパクトな折り畳みに応じて、床天板5の連動機構36は、上述のように、枢支ブラケット39の回転半径Rと、ロック手段47の支持手段51と第2係止手段49の突片53により形成される間隔Sを、前記所定距離L2と等しくするように構成している。従って、
図10(B)に示すように、床天板5の基端部が前記回転半径の上で縦向き姿勢とされ、先端部が前記間隔Sを保持する縦向き姿勢とされるので、床天板5は、全体が鉛直姿勢とされると共に、第2脚体3の支柱3a、3aに重ねて内嵌させられ、コンパクトに格納される。
【0076】
閉脚状態から第1脚体2と第2脚体3を開脚する場合は、一対の操作部50b、50bを引き寄せて係止突部50aを係止孔49aから後退させることにより、ロック手段47と第2係止手段49の係止を解除した後、両脚体2、3を広げれば良い。これにより、両脚体2、3が相互の間隔を広げると共に、床天板5に設けたガイド溝44aと第2脚体3の交差角度を変化させるので、ガイドピン45aがガイド溝44aの先端部に向けて移動しつつ、該ガイド溝44aを押動することにより、床天板5を水平姿勢に向けて上向きに回動する。
【0077】
図示実施形態の場合、前記ロック手段47を進退自在なロッド50の係止突部50aにより構成し、第1係止手段48及び第2係止手段49をそれぞれ係止孔48a、49aにより構成しているが、反対の構成、つまり、ロック手段47を係止孔により構成し、第1係止手段48及び第2係止手段49をそれぞれ前記係止孔に係脱自在に係止する係止突部により構成しても良い。
【0078】
上記のように構成した脚立式作業台1を開脚状態から閉脚する作業手順と作用を
図11に示している。
図11(A)に示す開脚状態から閉脚作業を行う際は、先ず、第1脚体2の上端部を上昇させる。例えば、
図11(B)に示すように、第1脚体2を直立姿勢とすれば、上端部を簡単に上昇させることができる。これにより、第2脚体3は、第1脚体2に対して相対的に下降するので、上述のように枠体6の側部フレーム9が回動を開始すると共に、床天板5がガイドピン45aの摺動により回動を開始する。そこで、
図11(C)に示すように第2脚体3を接地させると共に第1脚体2を持ち上げると、上述のように、両脚体2、3が平行姿勢となるように閉脚され、枠体6が第2脚体3の支柱3a、3aの間に格納され、床天板5が第2脚体3の支柱3a、3aの間に格納されることにより、
図11(D)に示すようなコンパクトな折り畳み状態が得られる。脚立式作業台1を閉脚状態から開脚する場合は、前記と反対の作業手順を行えば良い。
【0079】
従って、脚立式作業台1は、開脚状態から閉脚するときは、単に第1脚体2を直立姿勢となるように姿勢変更すると共に、第2脚体3を接地させるだけで良く、反対に、閉脚状態から開脚するときは、浮き上がった状態の第1脚体2を引き下げながら両脚体2、3を開かせるだけで良く、何れの作業もワンタッチで簡単容易に行うことができる。
【0080】
この際、作業者が手で握持することにより操作を行う第1脚体2は、上述のように昇降脚2Aを構成しているので、更に作業が容易となる。即ち、開脚に際して、作業者は、第1脚体2(昇降脚2A)の正面側から開脚作業を行い、開脚後は、開脚作業位置から直ちに上方の作業空間に昇ることができる。また、閉脚に際して、作業者は、作業空間から第1脚体2(昇降脚2A)を経て地上に下りた後、その位置から直ちに閉脚作業を行うことができる。
【0081】
[実施形態に関する別の構成]
両脚体2、3の開閉機構に関して、図示実施形態のように第1枢結手段30の枢軸位置P1と第2枢結手段31の枢軸位置P2を所定間隔L1及び所定間隔L2の条件に基づいて配置し、ブラケット32又は側部フレーム9により連結する構成とすることが好ましいが、本発明が目的とする床天板5の連動機構36は、このような開閉機構とは異なる枢結手段4により両脚体2、3を枢結した脚立式作業台にも適用することが可能である。
【0082】
図示実施形態の場合、床天板5の連動機構36は、開脚時に水平姿勢を保持する床天板5を閉脚時に下向きに回動させる例を示したが、水平姿勢から上向きに回動させることにより折り畳むように構成しても良く、この場合、枢着手段37を構成する枢支ブラケット39を床天板5の基端部から上向きに延設すれば良く、第2係止手段49を第1脚体2の上方位置に設ければ良い。
【0083】
また、ガイド手段44と軸手段45は、図示実施形態とは反対の構成とし、軸手段45を床天板5の先端部の両側に設け、ガイド手段44を第2脚体3の支柱3a、3aに沿って設けても良い。
【0084】
更に、ガイドピン45aから成る軸手段45は、図示実施形態のように第2脚体3の支柱3aと床天板5の交点に配置する他、ブラケット等を介して交点から外れた位置に設けても良い。