特許第6462270号(P6462270)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6462270
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/02 20060101AFI20190121BHJP
   D06F 39/08 20060101ALI20190121BHJP
   D06F 39/10 20060101ALI20190121BHJP
   D06F 39/00 20060101ALI20190121BHJP
   D06F 23/04 20060101ALI20190121BHJP
【FI】
   D06F33/02 P
   D06F39/08 321
   D06F39/08 331
   D06F39/10 E
   D06F39/08 301A
   D06F39/00 Z
   D06F33/02 T
   D06F23/04
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-166699(P2014-166699)
(22)【出願日】2014年8月19日
(65)【公開番号】特開2016-42878(P2016-42878A)
(43)【公開日】2016年4月4日
【審査請求日】2017年7月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大藪 起也
(72)【発明者】
【氏名】内山 具典
【審査官】 石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−249724(JP,A)
【文献】 特開2007−061175(JP,A)
【文献】 特開平09−047598(JP,A)
【文献】 特開2013−236782(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 1/00−51/02
D06F 58/02−58/08
D06F 58/20−58/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を溜めることが可能な水槽と、
この水槽内に回転可能に配設され洗濯物が収容される洗濯兼脱水槽と、
この洗濯兼脱水槽内の下部に回転可能に設けられたパルセータと、
前記水槽と前記洗濯兼脱水槽との間に上方から臨んだ給水口を有し水道とは別の外部貯水源の水を前記給水口から前記水槽内に供給する外部貯水源用給水路と、
一端部の入口が前記水槽の底部に接続されるとともに他端部の出口が前記水槽内に臨むように設けられた循環水路と、
この循環水路に設けられ前記水槽内の水を前記入口から循環水路内に吸い込むとともに吸い込んだ水を前記出口から前記水槽内に戻すようにすることで前記水槽内の水を前記循環水路を通して循環させる循環ポンプと、
前記循環水路にあってこの循環水路を通過する水を除菌する機能を備えた除菌装置と、
前記水槽内の水位を検知する水位センサと、を備え、
前記外部貯水源用給水路から前記水槽内に供給する外部貯水源の水は、前記水槽と前記洗濯兼脱水槽との間に供給し、前記水槽内に貯留された外部貯水源の水の水位を前記水位センサにより検知し、その検知水位が予め設定された設定水位に達したら、前記外部貯水源用給水路から前記水槽内に前記外部貯水源の水を供給することを継続させた状態で前記循環ポンプを動作させる洗濯機。
【請求項2】
前記設定水位は、前記水槽内に供給された水が前記洗濯兼脱水槽内に収容された洗濯物に触れない水位である請求項1記載の洗濯機。
【請求項3】
前記循環水路の出口から前記水槽内に戻される循環水は、前記洗濯兼脱水槽内に直接供給される請求項1または2記載の洗濯機。
【請求項4】
前記除菌装置は紫外線ランプを備えている請求項1から3のいずれか一項記載の洗濯機。
【請求項5】
前記循環水路の入口は、前記外部貯水源用給水路の出口の垂直方向の下方にほぼ対向する位置に配置されている請求項1から4のいずれか一項記載の洗濯機。
【請求項6】
前記循環水路にはリントを捕獲するフィルタユニットが設けられ、このフィルタユニットは、前記循環水路を循環する循環水用と前記水槽内の水を機外へ排出する排水用とを兼ねている請求項1から5のいずれか一項記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、洗濯機においては、水道水とは別の外部貯水源である例えば風呂の水を利用できるようにしたものが提供されている。このものにおいては、入浴後の風呂水を洗濯に再利用することで、水道水を実質的に節水することが可能となる。しかし、入浴後の風呂水は雑菌が繁殖し不衛生になりやすいため、入浴後の風呂水を再利用する場合には、風呂水を除菌処理することが好ましい。これに対応するため、例えば風呂水ポンプを備えた風呂水給水路に除菌装置を設け、風呂水ポンプにより汲み上げた風呂水を、除菌装置を通して洗濯機の槽内に供給する、いわゆるワンパス(片側通行)で除菌する構成のものや、槽の外側に循環ポンプを備えた循環水路を設けるとともに、この循環水路に除菌装置を設け、槽内に供給された風呂水を除菌装置を通して循環させることで除菌する、いわゆる循環除菌の構成のものが提案されている。
【0003】
しかしながら、ワンパス除菌するものの場合、風呂水を除菌装置に一度通過させるのみであるため、除菌効果を十分に得るには除菌装置に高性能なものを用いる必要がある。一方、循環除菌の場合、槽内の水を除菌装置を通して時間をかけて循環させることになるので、一般的な除菌装置でも除菌効果は得られ易い。しかしながら、風呂水を槽内に供給する際に、除菌前の風呂水が洗濯物に直接降りかかるため、洗濯物に菌が残ることが懸念され、これを防ぐには切替弁などにより給水経路を切り替えるなどの工夫が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−61175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、切替弁などの切り替えをすることなく外部貯水源の水を洗濯物に直接振りかけずに循環除菌が可能になり、極力除菌効果が得られ易い洗濯機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態の洗濯機は、水を溜めることが可能な水槽と、この水槽内に回転可能に配設され洗濯物が収容される洗濯兼脱水槽と、この洗濯兼脱水槽内の下部に回転可能に設けられたパルセータと、前記水槽と前記洗濯兼脱水槽との間に上方から臨んだ給水口を有し水道とは別の外部貯水源の水を前記給水口から前記水槽内に供給する外部貯水源用給水路と、一端部の入口が水槽の底部に接続されるとともに他端部の出口が水槽内に臨むように設けられた循環水路と、この循環水路に設けられ水槽内の水を前記入口から循環水路内に吸い込むとともに吸い込んだ水を前記出口から水槽内に戻すようにすることで水槽内の水を循環水路を通して循環させる循環ポンプと、循環水路にあってこの循環水路を通過する水を除菌する機能を備えた除菌装置と、水槽内の水位を検知する水位センサと、を備える。外部貯水源用給水路から水槽内に供給する外部貯水源の水は、水槽と洗濯兼脱水槽との間に供給する。水槽内に貯留された外部貯水源の水の水位を水位センサにより検知し、その検知水位が予め設定された設定水位に達したら、前記外部貯水源用給水路から前記水槽内に前記外部貯水源の水を供給することを継続させた状態で循環ポンプを動作させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態における洗濯機の概略構成を示す図
図2】電気的構成の概略構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態による洗濯機を図面に基づいて説明する。まず、図1において、洗濯機1は、いわゆる縦軸型の洗濯機である。この洗濯機1の外殻を構成する外箱2内に、水を貯留することが可能な水槽3が配設されている。この水槽3は、有底の円筒容器状をなしていて、図示しない弾性吊持機構を介して外箱2に弾性的に吊り下げ支持されている。この水槽3内には、洗濯兼脱水槽4が回転可能に配設されている。洗濯兼脱水槽4は、軸方向が上下方向を向いた有底の円筒容器状をなしていて、周壁部に図示はしないが脱水用の孔が複数設けられている。洗濯物50は、この洗濯兼脱水槽4の上面開口部から当該洗濯兼脱水槽4内に出し入れ可能に収容される。洗濯兼脱水槽4内の底部には、パルセータ5が回転可能に設けられている。
【0009】
水槽3の底部の外面には、モータとクラッチを主体とした駆動手段6が設けられている。この駆動手段6は、パルセータ5と洗濯兼脱水槽4を選択的に回転駆動させるもので、パルセータ5を単独で回転駆動する場合と、洗濯兼脱水槽4とパルセータ5を一体的に回転駆動する場合との切り替えが可能な構成となっている。
【0010】
水槽3の底部には、図1において左寄りに位置させて排水口7が設けられていて、この排水口7には、蛇腹ダクト8を介してフィルタユニット9が接続されている。このフィルタユニット9の内部には、図示はしないがリント捕獲用のリントフィルタが設けられている。フィルタユニット9には、排水弁10を備えた排水路11が接続されているとともに、循環ポンプ12の吸水口が接続されている。循環ポンプ12の吐出口は後述する除菌装置13の入水口14に接続され、除菌装置13の出水口15は、接続水路16、蛇腹ダクト17を介して循環用給水路18に接続されている。循環用給水路18は、下端部が蛇腹ダクト17に接続され、上端部が水槽3の周壁に沿って上方へ延び、先端部の出口18aが、下向きの状態で洗濯兼脱水槽4の上面開口部に上方から臨んでいる。
【0011】
前記除菌装置13は、除菌ケース20内に直管状の紫外線ランプ21を設けて構成されていて、紫外線ランプ21が水平状態となるように外箱2内の下部に設置されている。前記入水口14および出水口15は除菌ケース20に設けられている。
【0012】
ここで、排水弁10が閉鎖されるとともに、循環ポンプ12の動作が停止された状態では、水槽3内に供給された水は当該水槽3内に貯留される。この状態で排水弁10が開放されれば、水槽3内の水は排水路11を通して機外へ排出される。このとき、フィルタユニット9を通過する水に含まれたリントなどの異物は、リントフィルタにて捕獲される。また、排水弁10が閉鎖された状態で循環ポンプ12が駆動された場合には、水槽3内の水はフィルタユニット9を通して循環ポンプ12に吸い込まれるとともに、その吸い込まれた水は、除菌装置13、接続水路16、蛇腹ダクト17、循環用給水路18を通して出口18aから洗濯兼脱水槽4内へ戻すようにすることで循環される。このときも、フィルタユニット9を通過する水に含まれたリントなどの異物は、リントフィルタにて捕獲される。また、除菌装置13の紫外線ランプ21が点灯されていれば、除菌ケース20内を通過する水に紫外線ランプ21から発せられる紫外線が照射されることに基づき、当該水が除菌されるようになる。
【0013】
この場合、水槽3の排水口7に接続された蛇腹ダクト8、フィルタユニット9、循環ポンプ12、除菌装置13の除菌ケース20、接続水路16、蛇腹ダクト17、および循環用給水路18は、水槽3の外側に設けられた循環水路22を構成している。そして、水槽3の排水口7は循環水路22の入口を構成し、循環用給水路18の出口18aは循環水路22の出口を構成している。
【0014】
外箱2内の上部には、給水弁24が固定状態に設けられている。この給水弁24は、入水口となるホース接続口25と、出水口となるメイン吐出口26および呼び水用吐出口27を備えている。ホース接続口25には、一端部が図示しない水道の蛇口に接続された給水ホースの他端部が接続される。メイン吐出口26は、注水ケース28に接続されている。注水ケース28は給水口29を有していて、この給水口29が、洗濯兼脱水槽4の上面開口部に上方から臨んでいる。したがって、給水弁24のメイン吐出口26が開放されると、水道水が注水ケース28の給水口29から洗濯兼脱水槽4内ひいては水槽3内に供給される。
【0015】
呼び水用吐出口27は、注水ケース28における図示しない呼び水用水路を介して、呼び水給水路30に接続されている。この呼び水給水路30の先端部が、風呂水ポンプ31の呼び水受け口に接続されている。風呂水ポンプ31は、図1において外箱2内の左寄りに位置させて固定状態に設けられていて、その吸込み口に風呂水ホース32が接続されている。風呂水ホース32の先端部にはフィルタ33が設けられている。この風呂水ホース32の先端部は、水道とは別の貯水源であるこの場合浴槽34内の風呂水35中に挿入される。風呂水ポンプ31の吐出口は、蛇腹ダクト36を介して風呂水給水口37に接続されている。その風呂水給水口37の下端部は、水槽3と洗濯兼脱水槽4との間に上方から臨んでいる。
【0016】
ここで、風呂水ホース32の先端部を浴槽34内の風呂水35内に挿入した状態で風呂水ポンプ31が駆動されると、風呂水35が風呂水ホース32を通して風呂水ポンプ31に汲みあげられるとともに、その汲みあげられた風呂水35は蛇腹ダクト36を通り、風呂水給水口37から水槽3内に供給される。したがって、風呂水ホース32、風呂水ポンプ31、蛇腹ダクト36、および風呂水給水口37は、水道とは別の外部貯水源である浴槽34内の風呂水35を水槽3内に供給する外部貯水源用給水路38を構成している。前記循環水路22の入口となる水槽3の排水口7は、外部貯水源用給水路38の出口となる風呂水給水口37の近傍、すなわち、この場合風呂水給水口37の垂直方向の下方にほぼ対向する位置に配置されていて、上方から見た場合には両者は近い位置関係となっている。
【0017】
図2には、上記した洗濯機1の電気的構成の概略構成がブロックで示されている。操作パネル40は、外箱2の上部に設けられ、図示はしないがコースなどを設定する操作キーや表示部が設けられている。制御装置41は、マイクロコンピュータを主体に構成されたもので、例えば操作パネル40の裏側に設けられている。この制御装置41は、洗濯機1の動作全般を制御する機能を備えていて、制御手段として機能する。水位センサ42は、水槽3内の水位を検知するものであり、その検知信号を制御装置41に出力する。制御装置41は、操作パネル40の操作キーの入力信号、水位センサ42からの入力信号、予め備えた制御プログラムに基づき、給水弁24、排水弁10、駆動手段6、風呂水ポンプ31、循環ポンプ12、および除菌装置13などを制御する。
【0018】
次に上記構成の作用を説明する。
使用者が、操作パネル40の操作キーの操作により、風呂水を使用する風呂水コースを設定した場合について説明する。この場合には、予め洗濯物50を洗濯兼脱水槽4内に収容するとともに、洗濯兼脱水槽4内に洗剤を投入しておき、また、風呂水ホース32の先端部を浴槽34内の風呂水35中に挿入しておく。この状態で、使用者が操作パネル40のスタートキーを操作することで、制御装置41は、風呂水コースの運転を開始する。
【0019】
制御装置41は、まず、給水弁24の呼び水用吐出口27を開放させることで、水道水を呼び水給水路30を通して風呂水ポンプ31に呼び水として所定量供給した後、呼び水用吐出口27を閉鎖させる。この後、風呂水ポンプ31を駆動させる。風呂水ポンプ31を駆動させると、浴槽34内の風呂水35が外部貯水源用給水路38を通して水槽3内に供給されて貯留される。このとき、風呂水給水口37から水槽3内に供給される風呂水35は、水槽3と洗濯兼脱水槽4との間に上方から供給されるから、風呂水給水口37から供給される風呂水35が、洗濯兼脱水槽4内の洗濯物50に直接振りかけられることを防止できる。
【0020】
制御装置41は、水槽3内の水位を水位センサ42により検知し、その検知水位が、予め設定された設定水位に達したら、循環ポンプ12を動作させるとともに、除菌装置13を動作させる。このときの設定水位は、水槽3内の水が、洗濯兼脱水槽4内の洗濯物50に接触する位置よりもやや低く設定されている(図1参照)。そして、循環ポンプ12が動作されると、水槽3内に貯留された水が循環水路22を通り、出口18aから洗濯兼脱水槽4内に戻されるようになり、したがって、水槽3内の水が循環水路22を通して循環されるようになる。このとき、循環水路22を通る水が、除菌装置13の除菌ケース20内を通過する際に紫外線により除菌される。
【0021】
そして、風呂水ポンプ31により風呂水35を水槽3内に供給することを継続することで、水槽3内の水位はさらに上昇する。このとき、外部貯水源用給水路38から水槽3内に供給される風呂水35と洗濯兼脱水槽4内の水とは、洗濯兼脱水槽4の周壁の脱水用の孔を通して少しは混ざることになるが、それらの間には洗濯兼脱水槽4の周壁が存しているので、積極的には混ざらない。このため、除菌前の風呂水35が、洗濯兼脱水槽4内の洗濯物に直接接触することは極力抑えることができる。
【0022】
そして、水位センサ42による検知水位が洗い用の設定水位に達したら、制御装置41は、風呂水ポンプ31の動作を停止させることで、風呂水35の給水を停止させる。この後、駆動手段6によりパルセータ5を回転させることで、洗い行程を実行する。パルセータ5を回転させることで、洗濯兼脱水槽4内に渦流が形成されるとともに、洗濯物50が撹拌されて洗われる。この洗い行程では、循環ポンプ12および除菌装置13は、連続的に運転してもよいし、間欠的に運転してもよい。そして、洗い行程の設定時間が経過したら、パルセータ5の回転を停止させるとともに、循環ポンプ12および除菌装置13の運転も停止させた状態で、排水弁10を開放させることで水槽3内の水を排水路11を通して機外へ排出させる。この後、制御装置41は、排水弁10を開放した状態で、洗濯兼脱水槽4を一方向に高速回転させることで、洗濯兼脱水槽4内の洗濯物50を遠心脱水する。
【0023】
次に制御装置41は、1回目のすすぎ行程を実行する。1回目のすすぎ行程は、洗剤を使用しない以外は、前述の洗い行程と同様な制御を行う。この後、2回目のすすぎ行程を行う。2回目のすすぎ行程も、1回目のすすぎ行程と同様な制御を行う。そして、3回目の最終すすぎ行程では、風呂水35を使用せず、水は水道水のみを使用する。このとき、循環ポンプ12は運転し、除菌装置13は運転してもよいし、運転しなくてもよい。そして、最終脱水を行うことで、風呂水を用いた風呂水コースが終了する。なお、すすぎ行程は、3回行う場合を例示したが、2回でもよい。この場合でも、最後のすすぎ行程では水道水を使用することが好ましい。
【0024】
上記した実施形態によれば、次のような作用効果を得ることができる。
外部貯水源用給水路38から水槽3内に供給する風呂水35は、水槽3と洗濯兼脱水槽4との間に供給するようにしたことで、除菌前の風呂水35が、洗濯兼脱水槽4内の洗濯物50に直接降りかからないようにでき、もって、風呂水中の菌が洗濯物がフィルタとなってその表面に残るのを防止できる。そして、水槽3内に供給されて貯留された風呂水35の水位を水位センサ42により検知し、この水位センサ42の検知水位が予め設定された設定水位に達したら循環ポンプ12を動作させ、水槽3内の風呂水35を循環水路22を通して循環させるとともに、除菌装置13を動作させて除菌ケース20内を通過する水を除菌する構成とした。これにより、切替弁などの切り替えを行うことなく除菌前の風呂水35がなるべく洗濯物に触れないようにできて循環除菌が可能になり、極力除菌効果が得られ易くできる。
【0025】
循環ポンプ12の動作を開始させる前記設定水位は、水槽3内に供給された水が洗濯兼脱水槽4内に収容された洗濯物50に触れない水位であるから、除菌前の風呂水35が洗濯物50に直接接触して菌などが付着することを防止できる。
【0026】
循環水路22の出口18aから水槽3内に戻される循環水は、洗濯兼脱水槽4内に直接供給される構成である。これによれば、除菌装置13を通過した除菌後の水が、除菌前の風呂水と直接混合されることを極力防止でき、洗濯物50が収容された洗濯兼脱水槽4内の水としては、極力除菌後の水を貯留することができる。
【0027】
除菌装置13は紫外線ランプ21を備えた構成であるから、除菌装置13を簡単な構成にできる。また、除菌装置13は、外箱2内の下部において紫外線ランプ21が水平状態となるように設置しているので、紫外線ランプ21内に封入されたガスの分散を均一に保つことが可能になり、性能を安定化させることが可能となる。また、外箱2内の下部に設置しておくことで、万一故障した場合のメンテナンス性も良い。さらに、外箱2の下部は振動による振幅が小さいため、揺れに対する紫外線ランプ21の負荷を小さくできる利点もある。
【0028】
循環水路22の入口となる水槽3の排水口7は、外部貯水源用給水路38の出口となる風呂水給水口37の近傍、この場合風呂水給水口37の垂直方向で下方に対向するように配置しているので上方から見て近い位置関係となるため、風呂水給水口37から水槽3内へ落下し供給される風呂水35を、素早く循環水路22側に吸い込んで除菌することが可能になる利点がある。
【0029】
循環水路22にはリントを捕獲するフィルタユニット9が設けられ、このフィルタユニット9は、循環水路22を循環する循環水用と水槽3内の水を機外へ排出する排水用とを兼ねる構成となっているから、構成を簡素化できる。
【0030】
(その他の実施形態)
外部貯水源としては浴槽34に限られず、例えば雨水を貯留するタンクとすることもできる。また、除菌装置13において、紫外線ランプ21に加えて、光触媒で形成されたフィルタを備える構成としてもよい。
【0031】
以上説明したように本実施形態の洗濯機によれば、外部貯水源用給水路から水槽内に供給する水は、水槽と洗濯兼脱水槽との間に供給するようにしたことで、除菌前の水が、洗濯兼脱水槽内の洗濯物に直接降りかからないようにできる。そして、水槽内に供給されて貯留された水の水位を水位センサにより検知し、この水位センサの検知水位が予め設定された設定水位に達したら循環ポンプを動作させ、水槽内の水を循環水路を通して循環させるとともに、除菌装置を動作させて当該除菌装置を通過する水を除菌する構成とした。これにより、切替弁などの切り替えを行うことなく循環除菌が可能になり、極力除菌効果が得られ易くできる。
【0032】
本実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0033】
図面中、1は洗濯機、3は水槽、4は洗濯兼脱水槽、5はパルセータ、7は排水口(循環水路の入口)、9はフィルタユニット、12は循環ポンプ、13は除菌装置、20は除菌ケース、21は紫外線ランプ、22は循環水路、31は風呂水ポンプ、34は浴槽(外部貯水源)、35は風呂水(外部貯水源の水)、37は風呂水給水口(外部貯水源用給水路の出口)、38は外部貯水源用給水路、41は制御装置(制御手段)、42は水位センサ、50は洗濯物を示す。
図1
図2