特許第6462279号(P6462279)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6462279
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】遊技球振分装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20190121BHJP
【FI】
   A63F7/02 312Z
【請求項の数】1
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-178563(P2014-178563)
(22)【出願日】2014年9月2日
(65)【公開番号】特開2016-52365(P2016-52365A)
(43)【公開日】2016年4月14日
【審査請求日】2017年8月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000246561
【氏名又は名称】株式会社アオイ
(74)【代理人】
【識別番号】100084227
【弁理士】
【氏名又は名称】今崎 一司
(74)【代理人】
【識別番号】100174182
【弁理士】
【氏名又は名称】古田 広人
(72)【発明者】
【氏名】木村 一明
(72)【発明者】
【氏名】安井 寿典
【審査官】 齋藤 智也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−124363(JP,A)
【文献】 特許第4938150(JP,B1)
【文献】 特開2010−104564(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域に打ち込まれた遊技球を受け入れて左右の通路のいずれかに振り分ける遊技球振分装置において、
遊技球を受入可能な受入口と、
該受入口で受け入れた遊技球が流下する流下通路と、
該流下通路を流下する遊技球を受け止める窪み部が複数個設けられると共に、前記複数の窪み部のうち前記流下通路内の受止位置にある窪み部で受け止めた遊技球の重さで所定の角度に亘って回転して遊技球を前記流下通路の下方に誘導する回転部材と、
該回転部材の前記複数の窪み部のうち前記受止位置とは異なる所定位置にある窪み部に自重によって当該回転部材の回転を規制するように保持される回転規制部材と、
前記左右の通路の夫々に設けられて、前記回転部材から誘導される遊技球の前記通路内への進入を許容する許容状態と、前記通路内への遊技球の進入を阻害する阻害状態とに変化可能な左右の規制部材と、を備え、
前記回転規制部材は、前記受入口に1個の遊技球が受け入れられた場合に前記所定位置にある窪み部の回転方向の後方に隣接する窪み部に保持されるまで前記回転部材の回転を許容し、
前記回転部材には、前記複数個の窪み部のうち1個の窪み部を除く窪み部による回転状態に対して前記左右の規制部材のうち一方の規制部材を前記許容状態に変化させて他方の規制部材を前記阻害状態に変化させ得る第1変更部と、前記複数個の窪み部のうち前記1個の窪み部による回転状態に対して前記左右の規制部材のうち前記他方の規制部材を前記許容状態に変化させて前記一方の規制部材を前記阻害状態に変化させ得る第2変更部と、が一体形成されることを特徴とする遊技球振分装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤の前面に遊技球を打ち込むことによって遊技を行う遊技機の遊技球振分装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技盤の前面に遊技球を打ち込み、打ち込まれた遊技球を入口から取り込んだ後装置本体に形成される落下通路を落下させて電気による動力を使わない機構により左右のいずれかの出口から再度遊技盤の前面に放出する球振分装置を設けた遊技機がある。そして、多くの球振分装置は、左右出口からの振り分け割合がほぼ均等(2分の1)となるように構成されるが、近年においては、その振り分け割合が2分の1以外の所定の割合で振り分ける球振分装置も提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−124363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1に開示される球振分装置は、落下通路12の上部に設けられ且つ入口3から入球した遊技球を受け止める球収容部18を複数個備えたスプロケット状の送りギア15の左右両側に、該送りギア15の両側面に一体形成される左第1ギア35及び右第1ギア36とそれぞれ噛み合う左第2ギア37及び右第2ギア38が別々に配置され、遊技球の受入れに基づく送りギア15の回転に連動して左第2ギア37及び右第2ギア38が回転することにより左出口4を開閉する左レバー16及び右出口5を開閉する右レバー17の揺動状態を変化させて遊技球を2分の1以外の振り分け割合で振り分けるものであり、振り分け割合を機械的に決定するための機構部11を構成する左右第1ギア35,36と左右の第2ギア37,38との噛み合い及び左右の第2ギア37,38と左右レバー16,17との係脱のうち、特に左右第1ギア35,36と左右の第2ギア37,38との噛み合いという構成に対し多数の遊技球が送りギア15を回転させる状況において摩耗しやすく耐久性がなく、故障しやすいという欠点がある。また、機構部11を構成する部品の部品点数も多いため、球振分装置が大型化し、遊技盤の設置位置に制限が生じると共に遊技機設計の自由度が低下するという欠点がある。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みなされたものであり、耐久性があり且つ遊技機設計の自由度を低下させることなく遊技球を振り分け可能な遊技球振分装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するために請求項1に係る発明を図面を参照して説明する。図2及び図3に示すように、
遊技領域(遊技領域3)に打ち込まれた遊技球を受け入れて左右の通路(左誘導通路17、右誘導通路18)のいずれかに振り分ける遊技球振分装置(球振分装置10)において、
遊技球を受入可能な受入口(受入口12)と、
該受入口で受け入れた遊技球が流下する流下通路(流下通路16)と、
該流下通路を流下する遊技球を受け止める窪み部(窪み部21e)が複数個設けられると共に、前記複数の窪み部のうち前記流下通路内の受止位置にある窪み部で受け止めた遊技球の重さで所定の角度に亘って回転して遊技球を前記流下通路の下方に誘導する回転部材(球送り部材21)と、
該回転部材の前記複数の窪み部のうち前記受止位置とは異なる所定位置にある窪み部に保持されるとともに、自重によって当該回転部材の回転を規制する回転規制部材(重り保持部材24)と、
前記左右の通路の夫々に設けられて、前記回転部材から誘導される遊技球の前記通路内への進入を許容する許容状態(第一規制部22cの上縁部と左誘導通路17の上端部との隙間(左誘導通路17の入り口部分の隙間)を遊技球の外形寸法以上とする左規制部材22の下方位置、第二規制部23cの上縁部と右誘導通路18の上端部との隙間(右誘導通路18の入り口部分の隙間)を遊技球の外形寸法以上とする右規制部材23の下方位置)と、前記通路内への遊技球の進入を阻害する阻害状態(第一規制部22cの上縁部と左誘導通路17の上端部との隙間(左誘導通路17の入り口部分の隙間)を遊技球の外形寸法未満とする左規制部材22の上方位置、第二規制部23cの上縁部と右誘導通路18の上端部との隙間(右誘導通路18の入り口部分の隙間)を遊技球の外形寸法未満とする右規制部材23の上方位置)とに変化可能な左右の規制部材(左規制部材22、右規制部材23)と、を備え、
前記回転規制部材は、前記受入口に1個の遊技球が受け入れられた場合に前記所定位置にある窪み部に隣接する窪み部に保持されるまで前記回転部材の回転を許容し、
前記回転部材には、前記複数個の窪み部のうち1個の窪み部を除く窪み部による回転状態に対して前記左右の規制部材のうち一方の規制部材を前記許容状態に変化させて他方の規制部材を前記阻害状態に変化させ得る第1変更部(右規制状態変更部21c)と、前記複数個の窪み部のうち前記1個の窪み部による回転状態に対して前記左右の規制部材のうち前記他方の規制部材を前記許容状態に変化させて前記一方の規制部材を前記阻害状態に変化させ得る第2変更部(左規制状態変更部21b)と、が一体形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に係る発明においては、窪み部に受け止められた遊技球の重さで回転部材を所定の角度に亘って回転させると共に、回転部材の複数個の窪み部のうち1個の窪み部を除く窪み部による回転状態に対して左右の規制部材のうち一方の規制部材を許容状態に変化させて他方の規制部材を阻害状態に変化させ得る第1変更部と、複数個の窪み部のうち1個の窪み部による回転状態に対して左右の規制部材のうち他方の規制部材を許容状態に変化させて一方の規制部材を阻害状態に変化させ得る第2変更部と、が回転部材に一体形成されるため、電気的駆動源を用いることなく遊技球を左右の通路のいずれかに2分の1以外の割合で振り分けることが可能になると共に、ギア同士の噛み合いによる機構をなくしたので耐久性が向上すると共に部品点数の減少により遊技球振分装置のコンパクト化が容易になり、球振分装置10の設置位置に関わる自由度、ひいては遊技機設計の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】遊技盤の正面図である。
図2】球振分装置を左斜め上方向から見た分解斜視図である。
図3】球振分装置による遊技球の振分けの一例を示す説明図である。
図4】球振分装置による遊技球の振分けの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は、遊技盤1の正面図である。図において、遊技盤1は、周知のように、発射装置によって打ち出された遊技球を誘導する誘導レール2が設けられ、該誘導レール2に囲まれるほぼ円形状の範囲が遊技領域3を構成している。そして、遊技盤1の遊技領域3には、遊技領域3に設けられて遊技球の進入を規制するセンター役物4、図柄表示装置5、電チュー式入賞装置6、入賞口7、ゲート8、開閉式入賞装置9、球振分装置10や、遊技球を不規則に落下させる障害釘(図示しない)等が設けられている。
【0010】
上記センター役物4は、内側領域への遊技球の進入を可能にするワープ通路4a、ワープ通路4aから内側領域に進入した遊技球を転動させてセンター役物4から再び遊技領域3に進入させるステージ4b、ステージ4b上に設けられて遊技球を後述する放出口4dに誘導する溝部4c、溝部4cから誘導される遊技球を電チュー式入賞装置6の略真上から放出させることで電チュー式入賞装置6に高確率で入球させる放出口4d、を備えている。
【0011】
また、上記球振分装置10は入球した遊技球を後述する第一誘導口13と第二誘導口14とのいずれか一方に誘導するものであり、第二誘導口14はワープ通路4aに接続されている。即ち、球振分装置10内に遊技球が入球すると、センター役物4の内側領域へ進入させることなく再び遊技領域3に進入させる第一誘導口13と、ワープ通路4aを介してセンター役物4の内側領域へ進入させる第二誘導口14と、のいずれか一方に振り分けられるようになっている。
【0012】
また、上記センター役物4はその上辺の左右方向略中央と、遊技領域3の内周面(誘導レール2の内側面)との間に、遊技球が一つのみ流通可能な幅の空間が形成されるように配置されている。このため、遊技球が誘導レール2に沿ってセンター役物4の上部における左右方向中央よりも正面視左方に打込まれる(所謂、左打ち)と遊技領域3内におけるセンター役物4正面視左側の遊技領域3内を遊技球が流下する一方、遊技球が誘導レール2に沿ってセンター役物4の上部における左右方向中央よりも正面視右方に打込まれる(所謂、右打ちする)と遊技領域3内におけるセンター役物4正面視右側の遊技領域3内に遊技球が流下する。
【0013】
そして、センター役物4の上部における左右方向中央よりも正面視右方に打込まれた遊技球だけがゲート8を通過可能であると共に、開閉式入賞装置9内に入球可能となっている。一方、センター役物4の上部における左右方向中央よりも正面視左方に打込まれた遊技球だけがワープ通路4aを介してセンター役物4の内側領域へ進入可能となっている。また、センター役物4の上部における左右方向中央よりも正面視左方に打込まれた遊技球とセンター役物4の上部における左右方向中央よりも正面視右方に打込まれた遊技球とのいずれも電チュー式入賞装置6に入球可能となっている。
【0014】
また本例の遊技機ではセンター役物4の上部における左右方向中央よりも正面視左方に打込まれた遊技球は全て球振分装置10に入球するようになっており、球振分装置10において受入れた遊技球を電気による動力を使用しない機構部20によって予め決められている割合で第一誘導口13と第二誘導口14とに振り分けられるようになっている。以下、球振分装置10について詳細に説明する。なお、図1に示す電チュー式入賞装置6、入賞口7、ゲート8、開閉式入賞装置9、球振分装置10等の配置位置は、図示の位置に限らず、遊技盤の構成によって任意の位置に配置し得るものである。
【0015】
図2は、球振分装置10を正面左斜め上方向から見た分解斜視図である。図2に示すように、球振分装置10は中央部分に前後方向にくり貫かれた貫通部11aを有するベース部材11と、ベース部材11に背面側から取り付けられて内部に機構部20を有する裏箱19(裏箱左19a、裏箱右19b)と、裏箱19の前面に取り付けられると共にベース部材11の貫通部11aに挿入されることによってベース部材11の前方に突出し、ベース部材11の前面に遊技球が流下する逆Y字状の通路を形成する前飾り15と、から構成されている。
【0016】
ベース部材11には、その上方位置で遊技球を受入れる受入口12と、受入口12の下方で受入口12に受入れられた遊技球を再び遊技領域3内に進入させる第一誘導口13と、受入口12の下方で受入口12に受入れられた遊技球をワープ通路4a内に進入させる第二誘導口14と、を備えている。また、受入口12に検出手段27を設置することにより球振分装置10に遊技球が受入れられたこと及び球振分装置10に受入れられた遊技球の個数等を把握することができるようになり、第一誘導口13に検出手段27を設置することにより遊技領域3内に再び遊技球が進入したこと及び球振分装置10に受入れられた遊技球のうち遊技領域3内に再び進入した遊技球の個数等を把握することができるようになり、第二誘導口14に検出手段27を設置することによりワープ通路4a内に遊技球が進入したこと及び球振分装置10に受入れられた遊技球のうちワープ通路4a内に進入した遊技球の個数を把握することができるようになる。
【0017】
なお、受入口12、第一誘導口13、及び第二誘導口14に設置される検出手段27による遊技球の検出に基づいて図柄表示装置5やランプ、LED等の発光手段等で所定の演出を実行したり、検出結果(個数等)を遊技機外部のホール管理コンピュータに出力して管理したりするようにしてもよい。また、検出手段27はその設置を必須とされるものではないが、検出結果を演出に反映させたりホール管理用コンピュータで管理する等の目的で設置する場合には必要とする情報の収集を可能となる位置に適宜設置するものであればよく、受入口12、第一誘導口13、及び第二誘導口14のうちいずれか一つ乃至複数(全部でもよい)に設置すればよい。
【0018】
前飾り15は、ベース部材11の受入口12に接続されて受入口12で受け入れた遊技球を流下させる流下通路16(図3図4参照)と、流下通路16を流下した遊技球を第一誘導口13に導く左誘導通路17(図3図4参照)と、流下通路16を流下した遊技球を第二誘導口14に導く右誘導通路18(図3図4参照)と、の逆Y字状の通路をベース部材11の前部に形成するようにその背部が区切られている。なお、前飾り15は後方が開口した形状を有し、裏箱19の前面に取り付けることで裏箱19によってこの開口の大半(裏箱19の後述する切欠部19cを除く部分)が塞がれて受入口12で受け入れた遊技球を球振分装置10から外側に出ないようにしている。
【0019】
裏箱19は、裏箱左19aと裏箱右19bとを嵌合することで形成され、その内部に機構部20が配置される。また、裏箱左19aと裏箱右19bとはそれぞれ前部に切欠部19cが形成されており、この切欠部19cから機構部20の後述する規制部材22,23の一部が突出するようになっている。また、裏箱左19aと裏箱右19bの内部には機構部20の後述する複数の軸ピン25(軸ピン25a〜25c)をそれぞれ保持するための複数の軸ピン保持穴19d〜19fと、後述する重り部材26を保持するための重り部材保持穴19gと、がそれぞれ形成され、軸ピン25aを軸ピン保持穴19d、軸ピン25bを軸ピン保持穴19e、軸ピン25cを軸ピン保持穴19fにそれぞれ挿入すると共に重り部材26を重り部材保持穴19gに挿入するように裏箱左19aと裏箱右19bとを嵌合することにより複数の軸ピン25と重り部材26とを裏箱19によって挟持して裏箱19の内部に機構部20を保持する。なお、重り部材保持穴19gは円形状の穴を所定方向に引き伸ばした略楕円形状を有し、重り部材26を所定方向にスライド可能にしている。
【0020】
機構部20は、電気による動力を使用することなく遊技球の重さによって受入口12で受け入れた遊技球を第一誘導口13と第二誘導口14とに振り分けるものであり、一部が流下通路16内に突出するように配置して受入口12で受け入れた遊技球を流下通路16で受け止めた後、遊技球の重さによって所定角度回転して流下通路16の下流側に送り最終的に左誘導通路17と右誘導通路18とのいずれかに送り出す球送り部材21と、球送り部材21の正面視左側方に配置して球送り部材21から送り出された遊技球の左誘導通路17への進入を規制する左規制部材22と、球送り部材21の正面視右側方に配置して球送り部材21から送り出された遊技球の右誘導通路18への進入を規制する右規制部材23と、流下通路16における遊技球の流下を阻害しないように球送り部材21の上部後方に設けられて球送り部材21の回転を規制する重り保持部材24と、球送り部材21を軸支すると共に軸ピン保持穴19dに挿入されて裏箱19に挟持される軸ピン25aと、左規制部材22と右規制部材23とを軸支すると共に軸ピン保持穴19eに挿入されて裏箱19に挟持される軸ピン25bと、重り保持部材24を軸支すると共に軸ピン保持穴19fに挿入されて裏箱19に挟持される軸ピン25cと、重り保持部材24に保持されると共に重り部材保持穴19g内でスライド可能に裏箱19に挟持される重り部材26と、から構成されている。
【0021】
球送り部材21は、軸ピン25aが挿入される軸穴21aと、一部に軸穴21aが形成されると共に球送り部21の正面視左側部に一体形成されて円の一部に凸形状(凸部)を有するように形成される左規制状態変更部21bと、一部に軸穴21aが形成されると共に球送り部21の正面視右側部に一体形成されて円の一部に凹形状(凹部)を有するように形成される右規制状態変更部21cと、周縁部に等間隔に形成される複数の仕切部21dと、複数の仕切部21dそれぞれの間に1個の遊技球の一部を収容(保持)し得るように形成される複数個の窪み部21eと、を有している。また、球送り部材21はその一部が裏箱19の切欠部19cから正面視前方に突出すると共に裏箱19のベース部材11への取付状態において球送り部材21の一部がベース部材11の貫通部11aからベース部材11の正面視前方に形成される流下通路16内に突出して流下通路16の前後方向の隙間を遊技球の外径寸法未満となるように設けられ、流下通路16内を流下する遊技球が必ず球送り部材21に当接するようになっている。
【0022】
また本例では、球送り部材21の周縁部には8個の仕切部21dが形成されていると共にこの8個の仕切部21dそれぞれの間に窪み部21eが形成されている。即ち、球送り部材21の周縁部には仕切部21dと窪み部21eとがそれぞれ8個ずつ形成されている。そして、受入口12に受入れられることによって流下通路16を流下する遊技球が球送り部材21に受け止められるとその遊技球の重さにより球送り部材21が軸穴21aに挿入される軸ピン25aを回転軸として正面視手前方向(正面視下方向)に回転する。このように本例の球振分装置10では、受入口12に受け入れられた遊技球自身がその重さで球送り部材21を回転させることにより流下通路16における球送り部材21の下方に進入できるようになっている。
【0023】
左規制部材22は、正面視上方向を短手方向とするL字状に形成され、正面視後方部の短手部分に形成されて軸ピン25bが挿入される軸穴22aと、軸穴22aから正面視手前斜め上方向に突出して左規制部材22の短手部分を形成する第一突出部22bと、左規制部材22の長手方向の正面視先端部分に形成される第一規制部22cと、を有している。また、左規制部材22はその一部(主に第一規制部22c)が裏箱19の切欠部19cから正面視前方に突出すると共に裏箱19のベース部材11への取付状態において左規制部材22の一部(主に第一規制部22c)がベース部材11の貫通部11aからベース部材11の前方に形成される流下通路16内に突出するように設けられている。また、球振分装置10の組み付け状態において第一突出部22bの先端部分は球送り部21の正面視左側部に形成される左規制状態変更部21bに当接するように設けられており、球送り部材21の回転動作に応じて左規制状態変更部21bにおける第一突出部22bの当接位置を変化させることで遊技球の流下方向を規制するように設けられている。具体的には第一規制部22cは左規制部材22を軸穴22aに挿入される軸ピン25bを軸として正面視上下方向に揺動可能に設けられ、第一突出部22bの先端部分と左規制状態変更部21bの凸部との当接により軸穴22aに挿入される軸ピン25bを軸として正面視上方向に回転して第一規制部22cを正面視上方に移動させることにより左誘導通路17内への遊技球の進入を阻害するように第一規制部22cの上縁部と左誘導通路17の上端部との隙間(左誘導通路17の入り口部分の隙間)を遊技球の外形寸法未満とする左規制部材22の上方位置と、第一突出部22bの先端部分と左規制状態変更部21bの凸部以外の部分との当接により軸穴22aに挿入される軸ピン25bを軸として正面視下方向に回転して第一規制部22cを正面視下方に移動させることにより左誘導通路17内への遊技球の進入を許容するように第一規制部22cの上縁部と左誘導通路17の上端部との隙間(左誘導通路17の入り口部分の隙間)を遊技球の外形寸法以上とする左規制部材22の下方位置と、に変化可能となっている。
【0024】
右規制部材23は、正面視上方向を短手方向とするL字状に形成され、正面視後方部の短手部分に形成されて軸ピン25bが挿入される軸穴23aと、軸穴23aから正面視手前斜め上方向に突出して右規制部材23の短手部分を形成する第二突出部23bと、右規制部材23の長手方向の正面視先端部分に形成される第二規制部23cと、を有している。また、右規制部材23はその一部(主に第二規制部23c)が裏箱19の切欠部19cから正面視前方に突出すると共に裏箱19のベース部材11への取付状態において右規制部材23の一部(主に第二規制部23c)がベース部材11の貫通部11aからベース部材11の前方に形成される流下通路16内に突出するように設けられている。また、球振分装置10の組み付け状態において第二突出部23bの先端部分は球送り部21の正面視右側部に形成される右規制状態変更部21cに当接するように設けられており、球送り部材21の回転動作に応じて右規制状態変更部21cにおける第二突出部23bの当接位置を変化させることで遊技球の流下方向を規制するように設けられている。具体的には第二規制部23cは右規制部材23を軸穴23aに挿入される軸ピン25bを軸として正面視上下方向に揺動可能に設けられ、第二突出部23bの先端部分と右規制状態変更部21cの凹部以外の部分との当接により軸穴23aに挿入される軸ピン25bを軸として正面視上方向に回転して第二規制部23cを正面視上方に移動させることにより右誘導通路18内への遊技球の進入を阻害するように第二規制部23cの上縁部と右誘導通路18の上端部との隙間(右誘導通路18の入り口部分の隙間)を遊技球の外形寸法未満とする上方位置と、第二突出部23bの先端部分と右規制状態変更部21cの凹部との当接により軸穴23aに挿入される軸ピン25bを軸として正面視下方向に回転して第二規制部23cを正面視下方に移動させることにより右誘導通路18内への遊技球の進入を許容するように第二規制部23cの上縁部と右誘導通路18の上端部との隙間(右誘導通路18の入り口部分の隙間)を遊技球の外形寸法以上とする下方位置と、に変化可能となっている。
【0025】
なお、左規制部材22と右規制部材23とは夫々別々に動作し、左規制部材22が上方位置となって左誘導通路17内への遊技球の進入を阻害している場合には右規制部材23が下方位置となって右誘導通路18内への遊技球の進入を許容するようになり、左規制部材22が下方位置となって左誘導通路17内への遊技球の進入を許容している場合には右規制部材23が上方位置となって右誘導通路18内への遊技球の進入を阻害するようになっている。即ち、第一突出部22bの先端部分と左規制状態変更部21bの凸部とが当接している状態では第二突出部23bの先端部分と右規制状態変更部21cの凹部とが当接した状態となり、第一突出部22bの先端部分と左規制状態変更部21bの凸部以外の部分とが当接している状態では第二突出部23bの先端部分と右規制状態変更部21cの凹部以外の部分とが当接した状態となるような位置関係を有するように球送り部材21の左右両側に左規制状態変更部21bと右規制状態変更部21cとが夫々形成されている。
【0026】
重り保持部材24は、外径の異なる円筒状の部材を正面視前後方向に二つ連結させた形状を有し、正面視後方部の円筒部分に形成されて軸ピン25cが挿入される軸穴24aと、正面視前方部の円筒部分に形成されて重り部材26が挿入される重り保持穴24bと、を有している。また、本例では軸ピン25cが挿入される円筒部分は重り部材26が挿入される円筒部分よりも小さい外径で形成され、重り部材26が挿入される円筒部分の外径は遊技球と略同程度(又はわずかに小さい程度)となっている。重り保持部材24は球送り部材21の窪み部21eに収容(保持)されると共に重り保持穴24bに挿入される重り部材26の重さによって球送り部材21を押さえ付けて球送り部材21の回転を規制し、受入口12に1個の遊技球が受入れられたことに基づく球送り部材21の1回の回転動作は球送り部材21の周縁部に等間隔に形成される窪み部21eのうち隣接する窪み部21e内に重り保持部材24が収容(保持)されるまで許容されるようになっている。換言すると受入口12に1個の遊技球が受入れられたことに基づく球送り部材21の1回の回転動作は、球送り部材21の周縁部に8個形成される窪み部21eのうち重り保持部材24が収容(保持)されている窪み部21eに隣接する別の窪み部21eに重り保持部材24が収容(保持)されるまでの45度だけ許容されるようになっている。
【0027】
なお、本例では球送り部材21の周縁部に形成される8個の窪み部21eのうち予め決められている1個の窪み部21eに重り保持部材24が収容(保持)されている場合にのみ第一突出部22bの先端部分と左規制状態変更部21bの凸部とが当接すると共に第二突出部23bの先端部分と右規制状態変更部21cの凹部とが当接して左誘導通路17への遊技球の進入を阻害して右誘導通路18へ誘導し、予め決められている1個の窪み部21e以外の7個の窪み部21eに重り保持部材24が収容(保持)されている場合には第一突出部22bの先端部分と左規制状態変更部21bの凸部以外の部分とが当接すると共に第二突出部23bの先端部分と右規制状態変更部21cの凹部以外の部分とが当接して右誘導通路18への遊技球の進入を阻害して左誘導通路17へ誘導するようになっている。即ち、球振分装置10に受入れられた遊技球のうち大半(8分の7)は左誘導通路17へ誘導され、球振分装置10に8個の遊技球が受け入れられる毎に1個(8分の1)の遊技球が右誘導通路18へ誘導される。
【0028】
また、上記したように球送り部材21の窪み部21eは遊技球を1個だけ収容(保持)し得る大きさで形成されるものであり、短期間に受入口12に複数個の遊技球が受入れられた場合であっても球送り部材21はそれらの遊技球を1個ずつ下方に送り出すようになっている。即ち、球送り部材21は受入口12に受入れられる1個の遊技球に対して1回(45度)だけ回転動作を行うようになっており、受入口12に8個の遊技球が受入られることによって8回の回転動作が行われた場合に球送り部材21が一回転するようになっている。また、本例の重り部材26の重量は1個の遊技球の重量よりも軽い重量に設定されているが、重り部材26の重量はこれに限られるものではなく上記した球送り部材21の回転の規制を実現可能となるように適宜設定すればよい。また、重り部材26が挿入される円筒部分の外径は遊技球と略同程度に限られるものではなく、球送り部材21の窪み部21eに収容し得る程度の外径とすればよい。
【0029】
上記した複数種類の部材から構成される球振分装置10の組み付けは、以下のように行われる。まず球送り部材21の軸ピン保持穴19dに軸ピン25aを、左規制部材22の軸穴22aと右規制部材23の軸穴23aとに軸ピン保持穴19eを、重り保持部材24の軸穴24aに軸ピン25cを、重り保持部材24の重り保持穴24bに重り部材26を、夫々挿入した状態で、軸ピン25aを軸ピン保持穴19d、軸ピン25bを軸ピン保持穴19e、軸ピン25cを軸ピン保持穴19fにそれぞれ挿入すると共に重り部材26を重り部材保持穴19gに挿入するように裏箱左19aと裏箱19bとを嵌合して裏箱19の内部に機構部20を保持する。
【0030】
次に、裏箱19の前面に前飾り15を組み付け、前飾り15を組み付けた裏箱19をベース部材11の背部からベース部材11の貫通部11aに前飾り15を挿入してベース部材11の前方に突出させると共に裏箱19をベース部材11に固定することにより球振分装置10が組み付けられる。このようにして組み付けられた球振分装置10は、ビスやネジ等によって遊技盤1に固着され、受入れた遊技球を第一誘導口13と第二誘導口14とのいずれか一方に誘導する。
【0031】
なお、裏箱19の前面には複数の位置決め穴19hが形成され、前飾り15の裏面には複数の位置決め穴19hのそれぞれに対応するように複数の位置決め突起15aが形成されている。即ち、前飾り15の複数の位置決め突起15aを裏箱19の前面に形成される複数の位置決め穴19のうち対応する位置決め穴19に差し込むことにより前飾り15を裏箱19に組み付ける。また、前飾り15と裏箱19との組み付けは位置決め突起15aを位置決め穴19に差し込むことによってのみ行われるものであるため、そのままの状態では裏箱19から前飾り15が容易に脱落し得るが、ベース部材11の前面下方には前飾り15の前方下部と当接して前飾り15の前方向への移動を妨げる固定突起部11bが形成されると共に、ベース部材11の後面下方には裏箱19の後方下部と当接してベース部材11からの脱落を防止する装着部11cが形成されているため、裏箱19の前方に前飾り15を組み付けた後、これらをベース部材11に装着することで前飾り15の裏箱19からの脱落が防止されるようになっている。
【0032】
また、受入口12、第一誘導口13、及び第二誘導口14のそれぞれに形成されて、遊技球の通過を検出するセンサやスイッチ等の検出手段27を設置可能とするセンサ保持部12a、13a、14aは、球振分装置10の組み付け状態(球振分装置10を分解することなく組み付けた状態)で検出手段27の脱着を可能となるように構成されている。
【0033】
次に、図3及び図4を参照して球振分装置10に受入れられた遊技球が第一誘導口13から放出される場合の機構部20の動作状態及び第二誘導口14から放出される場合の機構部20の動作状態ついて説明する。図3は、球振分装置10に受入れられた遊技球を左誘導通路17に誘導して第一誘導口13から放出する場合の機構部20の動作状態を示す説明図であり、図4は球振分装置10に受入れられた遊技球を右誘導通路18に誘導して第二誘導口14から放出する場合の機構部20の動作状態を示す説明図である。
【0034】
図3に示すように、球振分装置10はその正面視左右方向の中央部に受入口12から正面視垂直方向に延びるように形成される流下通路16と、流下通路16の下部と接続されて流下通路16から正面視左方向に延出した位置から正面視垂直方向に位置する第一誘導口13まで形成される左誘導通路17と、流下通路16の下部と接続されて流下通路16から正面視右方向に延出した位置から正面視垂直方向に位置する第二誘導口14まで形成される右誘導通路18と、を有している。また、球振分装置10において球送り部材21は流下通路16の左誘導通路17及び右誘導通路18と接続されていない上部の所定位置から左誘導通路17及び右誘導通路18と接続される流下通路16の下部への遊技球の進入を阻害するように流下通路16の正面視左右方向中央部に設けられると共に、正面視上下方向に回転し得るように設けられている。
【0035】
そして、第一規制部22cが下方位置となるように左規制部材22が保持される一方、第二規制部23cが上方位置となるように右規制部材23が保持されている状態で受入口12に受入れられた遊技球は(図3(A))、まず流下通路16を流下して球送り部材21に受け止められ、窪み部21eに収容(保持)される(図3(B))。なお、球送り部材21が回転動作を行うことなく停止している状態では周縁部に設けられる複数の仕切部21dのうち少なくとも一つが流下通路16内に突出すると共に、流下通路16内に突出する仕切部21dのうち正面視最前面に突出する仕切部21dの先端部と流下通路16の正面視前縁部との隙間を遊技球の外形寸法未満とするように設けられるため、受入口12に受入れられて流下通路16を流下する遊技球は必ず球送り部材21に受け止められる。
【0036】
受入口12に受入れられて流下通路16を流下する遊技球は球送り部材21に受け止められて流下通路16の下部への進入が一旦阻害されるが、遊技球が窪み部21eに収容(保持)されることによって窪み部21eと仕切部21dとに遊技球の重力が付加されるようになり、これによって球送り部材21を図示下方向(図3(B)の矢印方向)に回転させる(図3(B),(C))。即ち球送り部材21は所定の位置(図3(B)に示す位置)で遊技球を受け止めて窪み部21eに収容(保持)し、その後遊技球自体の重さによって球送り部材21を回転させるようになっている。このように球送り部材21が遊技球の重さで回転することによって流下通路16を流下する遊技球は左誘導通路17及び右誘導通路18と接続される流下通路16の下部へ進入可能となる(図3(C))。
【0037】
図3(C)に示すように左誘導通路17及び右誘導通路18と接続される流下通路16の下部へ進入した遊技球は第一規制部22c及び第二規制部23cの上端部に当接する。このとき、図3(C)において第一規制部22cが下方位置となるように左規制部材22が保持されて左誘導通路17内への遊技球の進入を許容する一方、第二規制部23cが上方位置となるように右規制部材23が保持されて右誘導通路18内への遊技球の進入を阻害するため、第一規制部22c及び第二規制部23cの上端部に当接した遊技球は左誘導通路17内へと誘導されて第一誘導口13から放出される(図3(D),(E))。
【0038】
なお、図3に示す例では球送り部材21の回転動作後にも依然として第一突出部22bの先端部分と左規制状態変更部21bの凸部以外の部分とが当接した状態にあると共に、第二突出部23bの先端部分と右規制状態変更部21cの凹部以外の部分とが当接した状態にあるため、第一規制部22cが下方位置となるような左規制部材22の保持状態と第二規制部23cが上方位置となるような右規制部材23の保持状態とが継続されて左誘導通路17内への遊技球の進入を許容する一方、右誘導通路18内への遊技球の進入を阻害する。即ち、球振分装置10の状態を、遊技球を左誘導通路17内へと誘導して第一誘導口13から放出する状態に継続して制御する。
【0039】
一方、球送り部材21の回転動作の前後で第一突出部22bの先端部分と左規制状態変更部21bの凸部以外の部分とが当接した状態から第一突出部22bの先端部分と左規制状態変更部21bの凸部とが当接した状態に変化すると共に、第二突出部23bの先端部分と右規制状態変更部21cの凹部以外の部分とが当接した状態から第二突出部23bの先端部分と右規制状態変更部21cの凹部とが当接した状態に変化した場合には、第一規制部22cが下方位置から上方位置に変化すると共に第二規制部23cが上方位置から下方位置に変化して球振分装置10に受入れられた遊技球は右誘導通路18内へと誘導されて第二誘導口14から放出されるようになる。即ち、球振分装置10の状態を、遊技球を左誘導通路17内へと誘導して第一誘導口13から放出する状態から右誘導通路18内へと誘導して第二誘導口14から放出する状態に変化させる。
【0040】
図4に示すように、第一規制部22cが上方位置となるように左規制部材22が保持される一方、第二規制部23cが下方位置となるように右規制部材23が保持されている状態で受入口12に受入れられた遊技球は(図4(A))、まず流下通路16を流下して球送り部材21に受け止められ、窪み部21eに収容(保持)される(図4(B))。
【0041】
次いで窪み部21eに収容(保持)された遊技球の重力によって球送り部材21が図示下方向(図4(B)の矢印方向)に回転して左誘導通路17及び右誘導通路18と接続される流下通路16の下部に進入した遊技球は第一規制部22c及び第二規制部23cの上端部に当接する(図4(C))。このとき、図4(C)において第一規制部22cが上方位置となるように左規制部材22が保持されて左誘導通路17内への遊技球の進入を阻害する一方、第二規制部23cが下方位置となるように右規制部材23が保持されて右誘導通路18内への遊技球の進入を許容するため、第一規制部22c及び第二規制部23cの上端部に当接した遊技球は右誘導通路18内へと誘導されて第二誘導口14から放出される(図4(D),(E))。
【0042】
なお、図4に示す例では球送り部材21の回転動作の前後で第一突出部22bの先端部分と左規制状態変更部21bの凸部とが当接した状態から第一突出部22bの先端部分と左規制状態変更部21bの凸部以外の部分とが当接した状態に変化すると共に、第二突出部23bの先端部分と右規制状態変更部21cの凹部とが当接した状態から第二突出部23bの先端部分と右規制状態変更部21cの凹部以外の部分とが当接した状態に変化し、第一規制部22cが上方位置から下方位置に変化すると共に第二規制部23cが下方位置から上方位置に変化して球振分装置10に受入れられた遊技球は左誘導通路17内へと誘導されて第一誘導口13から放出されるようになる。即ち、球振分装置10の状態を、遊技球を右誘導通路18内へと誘導して第二誘導口14から放出する状態から左誘導通路17内へと誘導して第一誘導口13から放出する状態に変化させる。
【0043】
また、上記したように球振分装置10は1個の遊技球を右誘導通路18へ誘導して第二誘導口14から放出した後、球送り部材21の回転動作を7回行うまでは受入れた遊技球を左誘導通路17へ誘導して第一誘導口13から放出する。そして球送り部材21の回転動作を7回行った後に球振分装置10に受け入れた遊技球を1個だけ右誘導通路18へ誘導し、その後は再び球送り部材21の回転動作を7回行うまで受入れた遊技球を左誘導通路17へ誘導して第一誘導口13から放出するようになる。即ち、本例の遊技機では球振分装置10で8個の遊技球を受け入れる毎にその最後に受入れた1個の遊技球だけをワープ通路4aを介してセンター役物4の内側領域へ進入させる第二誘導口14から放出し、他の7個の遊技球はセンター役物4の内側領域へ進入させることなく遊技領域3に再び進入する第一誘導口13から放出される。
【0044】
なお、本例の球振分装置10では8個の遊技球を受け入れる毎にその最後に受入れた1個の遊技球だけをワープ通路4aを介してセンター役物4の内側領域へ進入させる第二誘導口14から放出し、他の7個の遊技球はセンター役物4の内側領域へ進入させることなく再び遊技領域3に進入させる第一誘導口13から放出するように、言い換えると球振分装置10に受入れた遊技球を8分の1の割合でワープ通路4aを介してセンター役物4の内側領域へ進入させる第二誘導口14から放出するように構成したが、第一誘導口13から放出する割合と第二誘導口14から放出する割合とは上記したものに限られるものではなく、上記球送り部材21の周縁部に形成される仕切部21d及び窪み部21eの個数や、球送り部材21の側部に形成される左規制状態変更部21b及び右規制状態変更部21cの形状、左規制部材22の第一突出部22b及び右規制部材23の第二突出部23bの形状等を変化させることにより、他の割合(例えば4分の3の割合(4個の窪み部21eを有するように球送り部材21を形成して4個の窪み部21eのうちの個の窪み部21eに対応して右誘導通路18へ遊技球を誘導するように球送り部材21の左規制状態変更部21b及び右規制状態変更部21cを形成したり、8個の窪み部21eのうちの2個の窪み部21eに対応して右誘導通路18へ遊技球を誘導するように球送り部材21の左規制状態変更部21b及び右規制状態変更部21cを形成する等)で第一誘導口13から放出し、4分の1の割合で第二誘導口14から放出する等)に変更可能である。即ち、第一誘導口13と第二誘導口14との振分割合に応じて上記球送り部材21の周縁部に形成される仕切部21d及び窪み部21eの個数や、球送り部材21の側部に形成される左規制状態変更部21b及び右規制状態変更部21cの形状、左規制部材22の第一突出部22b及び右規制部材23の第二突出部23bの形状等を変化させるようにすればよい。
【0045】
また、本例では球送り部材21の両側部に左規制部材22と右規制部材23とによる規制状態を変化させる左規制状態変更部21bと右規制状態変更部21cとを一体形成したため、左規制部材22と右規制部材23とによる規制状態を変化させる部材を球送り部材21と別個に設ける必要がなくなり、耐久性が向上すると共に球振分装置10の機構部20のコンパクト化が容易である。また機構部20をコンパクト化させることにより球振分装置10自体のコンパクト化も容易になるため、遊技盤1における球振分装置10の設置位置に関わる自由度、ひいては遊技機設計の自由度を高めることができ、遊技機の設計が容易となる。
【0046】
以上、本発明の球振分装置10について説明してきたが、上記した球振分装置10は一例であり、球振分装置10に受入れた遊技球を所定の割合で振り分けるという技術思想を逸脱しない範囲であればその変更は可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 遊技盤
10 球振分装置
11 ベース部材
12 受入口
13 第一誘導口
14 第二誘導口
15 前飾り
16 流下通路
17 左誘導通路
18 右誘導通路
19 裏箱
20 機構部
21 球送り部材
22 左規制部材
23 右規制部材
24 重り保持部材
25 軸ピン
26 重り部材
図1
図2
図3
図4