(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
まず、
図1及び
図2を用いて、本発明の実施の一形態(第一実施形態)に係るエネルギー管理システム1の構成について説明する。
【0026】
エネルギー管理システム1は、住宅等に設けられ、所定の目的に応じて種々の装置の運転パターン(詳細については、後述する)を算出し、当該運転パターンに基づいて当該種々の装置の運転を制御するものである。エネルギー管理システム1は、主として太陽光発電装置2、蓄電装置3、給湯装置4、電力負荷5、熱負荷6及び制御装置7を具備する。
【0027】
図1に示す太陽光発電装置2は、自然エネルギーである太陽光を利用して発電する装置であり、太陽電池パネル等により構成される。太陽光発電装置2は、例えば、住宅の屋根の上等の日当たりの良い場所に設置される。
【0028】
蓄電装置3は、電力の充放電が可能なものであって、商用電源11(電力会社の電力系統)に接続した状態で運用される系統連系型の蓄電装置である。蓄電装置3は、リチウムイオン電池等の蓄電池3a、インバータ3b等(
図5(a)参照)により構成される。蓄電装置3は、蓄電池3aに蓄えられた電力をインバータ3bによって直流電力から交流電力に変換し、外部へと放電(供給)することができる。また、蓄電装置3は、外部から供給される電力をインバータ3bによって交流電力から直流電力に変換し、蓄電池3aに充電することができる。蓄電装置3は、商用電源11に接続した状態で当該商用電源11と連系動作し、後述する電力負荷5に電力を供給可能とされる。
【0029】
なお、以下では、太陽光発電装置2及び蓄電装置3を「電力供給装置」とも称する。
【0030】
給湯装置4は、電力を用いて湯を沸かすことが可能なものである。給湯装置4は、ヒートポンプを用いて空気の熱で湯を沸かすことができる。給湯装置4では、冷媒として自然冷媒(例えば、二酸化炭素)が用いられる。給湯装置4は貯湯タンクを有する。給湯装置4で沸かされた湯は、前記貯湯タンクに蓄えられる。給湯装置4は、前記貯湯タンクに湯を蓄えることによって、熱(熱エネルギー)を蓄えることができる。給湯装置4は、前記貯湯タンクに蓄えられた湯を外部へと供給することで、熱を外部へと供給することができる。
【0031】
なお、以下では、給湯装置4を「熱供給装置」とも称する。
【0032】
電力負荷5は、前記住宅等に設けられ、電気エネルギー(電力)を消費する電気製品等である。例えば、電力負荷5には、照明器具、テレビ、洗濯機等が含まれる。
【0033】
熱負荷6は、前記住宅等に設けられ、熱エネルギーを消費するものである。例えば、熱負荷6には、お湯を供給する給湯設備、床暖房等の暖房設備等が含まれる。
【0034】
図2に示す制御装置7は、種々の情報に基づいて電力供給装置及び熱供給装置(太陽光発電装置2、蓄電装置3及び給湯装置4)の運転パターンを算出し、当該電力供給装置及び熱供給装置の運転を制御するものである。制御装置7としては、住宅等に設けられたHEMS(Home Energy Management System)が用いられる。制御装置7には、予め電気料金の単価が入力される。
【0035】
制御装置7は太陽光発電装置2に接続され、当該太陽光発電装置2で発電された電力に関する情報等の、当該太陽光発電装置2に関する種々の情報を受信することができる。
【0036】
制御装置7は蓄電装置3に接続され、当該蓄電装置3に充電された電力量(蓄電量)に関する情報等の、当該蓄電装置3に関する種々の情報を受信することができる。また、制御装置7は、蓄電装置3に充電電力及び放電電力の指令を出し、当該蓄電装置3の運転を制御することができる。
【0037】
制御装置7は給湯装置4に接続され、当該給湯装置4の貯湯タンクに蓄えられた湯の量に関する情報、当該貯等タンクに蓄えられた熱量(蓄熱量)に関する情報、使用された湯の量(給湯使用量)等の、当該給湯装置4に関する種々の情報を受信することができる。また、制御装置7は、給湯装置4に起動及び停止する時間の指令を出し、当該給湯装置4の運転を制御することができる。
【0038】
次に、上述の如く構成されたエネルギー管理システム1全体の運転の概要について説明する。
【0039】
エネルギー管理システム1(
図1参照)において、太陽光発電装置2で発電された電力は、適宜蓄電装置3、給湯装置4及び電力負荷5へと供給される。また、太陽光発電装置2で発電された電力のうち、余剰分(余剰電力)は、商用電源11から電力(系統電力)を購入(買電)していない場合に限り、当該商用電源11(電力会社)へと逆潮流(売電)される。
【0040】
蓄電装置3は、太陽光発電装置2からの電力、並びに商用電源11からの電力を充電する。また、蓄電装置3は、充電された電力(蓄電電力)を適宜給湯装置4及び電力負荷5へと供給する。また、蓄電装置3は、蓄電電力を適宜商用電源11へと逆潮流させる。
【0041】
給湯装置4は、太陽光発電装置2及び蓄電装置3からの電力、並びに商用電源11からの電力を用いて湯を沸かすことができる。給湯装置4で沸かされた湯は、前記貯湯タンクに一旦蓄えられる。また、給湯装置4は、前記貯湯タンクに蓄えられた湯を適宜熱負荷6へと供給する。
【0042】
制御装置7(
図2参照)は、所定の目的に応じた上記電力供給装置及び熱供給装置(太陽光発電装置2、蓄電装置3及び給湯装置4)の運転パターンを算出し、当該運転パターンに従って各装置の運転を制御する。
【0043】
電力負荷5は、太陽光発電装置2及び蓄電装置3、並びに商用電源11からの電力(電気エネルギー)を消費して作動することができる。
また、熱負荷6は、給湯装置4(より詳細には、給湯装置4の貯湯タンク)からの湯(すなわち、熱エネルギー)を消費することができる。
【0044】
次に、所定の目的に応じた太陽光発電装置2、蓄電装置3及び給湯装置4の運転パターンを算出するための、エネルギー管理システム1のモデル化について説明する。
【0045】
なお、エネルギー管理システム1のモデル化に際しては、所定期間における電力負荷5で消費される電力の時間変化のパターン(電力負荷パターン)及び熱負荷6で消費される熱エネルギーの時間変化のパターン(熱負荷パターン)は、予め制御装置7に記憶されているものとする。
【0046】
本実施形態においては、
図3に示す電力負荷パターン及び
図4に示す熱負荷パターンが制御装置7に記憶されるものとする。当該電力負荷パターン及び熱負荷パターンとしては、予め学習されたデータや、制御装置7(HEMS)によって推定されたデータ等を用いることが可能である。図に示すように、本実施形態に係る電力負荷パターン及び熱負荷パターンは、1日(0時から24時までの期間)におけるものとする。また、電力負荷パターン及び熱負荷パターンは、1時間間隔に得られたデータを用いて作成されているものとする。なお、
図3には、太陽光発電装置2において発電される電力の時間変化のパターンの予測値(推定値)を併せて表示している。
【0047】
エネルギー管理システム1は、下記の数1に示すような状態空間モデルによってモデル化することができる。
【0049】
本実施形態においては、電力負荷パターン及び熱負荷パターンとして1時間間隔に得られたデータを用いていることから、t=0の場合には時刻0時00分を、t=1の場合には時刻1時00分を、t=2の場合には時刻2時00分を、それぞれ意味する。
【0050】
また、上記数1の各変数及び係数は以下の数2から数9によって表される。
【0051】
【数2】
ここで、
x
1[t] : 時刻tにおける蓄電装置の蓄電量[kWh]
x
2[t] : 時刻tにおける給湯装置の貯湯タンクの蓄熱量[kJ]
x
1[0] : 計算開始時刻における蓄電装置の蓄電量[kWh]
x
2[0] : 計算開始時刻における給湯装置の貯湯タンクの蓄熱量[kJ]
【0052】
【数3】
ここで、
u
1[t] : 時刻tにおける商用電源から電力負荷への供給電力量[kWh]
u
2[t] : 時刻tにおける商用電源から蓄電装置への充電電力量[kWh]
u
3[t] : 時刻tにおける商用電源から給湯装置への供給電力量[kWh]
u
4[t] : 時刻tにおける蓄電装置から電力負荷への供給電力量[kWh]
u
5[t] : 時刻tにおける蓄電装置から給湯装置への供給電力量[kWh]
u
6[t] : 時刻tにおける太陽光発電装置から電力負荷への供給電力量[kWh]
u
7[t] : 時刻tにおける太陽光発電装置から蓄電装置への供給電力量[kWh]
u
8[t] : 時刻tにおける太陽光発電装置から給湯装置への供給電力量[kWh]
u
9[t] : 時刻tにおける太陽光発電装置から商用電源への売電電力量[kWh]
u
10[t] : 時刻tにおける給湯装置から熱負荷へ供給する熱量[kJ]
u
11[t] : 時刻tにおける蓄電装置から商用電源への売電電力量[kWh]
【0053】
上記数3における各入力量の供給の様子を、
図1に示している。以下では、上記数3で表される入力量を、本実施形態に係る電力供給装置及び熱供給装置(太陽光発電装置2、蓄電装置3及び給湯装置4)の「運転パターン」と称する。
【0054】
なお、本実施形態において、蓄電装置3から商用電源11への売電(入力量u
11[t])は、デマンドレスポンス要請時にのみ行われるものとする。ここで、デマンドレスポンスとは、電力の需要が逼迫した際に、電力会社から電力の消費者(需要家)に対して電力の使用の抑制を促したり、電力会社が需要家から電力を購入したりすることで、電力の安定供給を図ること、及びその仕組みを意味する。
【0055】
【数4】
ここで、
y
1[t] : 時刻tにおける電力負荷への供給電力量[kWh]
y
2[t] : 時刻tにおける熱負荷への供給熱量[kJ]
【0056】
【数5】
ここで、
a
1,
1 : 蓄電装置の自己放電を考慮した係数
a
2,
2 : 給湯装置の貯湯タンクの放熱を考慮した係数
【0057】
なお、上記数5における蓄電装置3の自己放電を考慮した係数(a
1,
1)の値は、通常(自己放電による蓄電装置3の蓄電量の減少を考慮しない場合)は1であるものとする。自己放電による蓄電装置3の蓄電量の減少を考慮する場合、a
1,
1の値は1よりも小さい値とする。本実施形態においては、自己放電による蓄電装置3の蓄電量の減少を考慮しないため、a
1,
1の値は1に設定されるものとする。
【0058】
また、上記数5における給湯装置4の貯湯タンクの放熱を考慮した係数(a
2,
2)の値は、通常(貯湯タンクからの放熱(放熱損失)を考慮する場合)は1よりも小さい値であるものとする。当該貯湯タンクからの放熱(放熱損失)を考慮しない場合、a
2,
2の値は1であるものとする。
【0059】
通常、給湯装置4の貯湯タンクに蓄えられた湯の温度は、放熱により徐々に温度が下がる。本実施形態においては、給湯装置4の貯湯タンクからの放熱を考慮するため、a
2,
2の値は1よりも小さい値に設定されるものとする。例えば、給湯装置4の貯湯タンクの蓄熱量が1時間毎に(1時間前の蓄熱量に対して)1%減少すると仮定した場合には、a
2,
2の値を0.99に設定する。
【0060】
【数6】
ここで、
b
1,
2 : 蓄電装置充電効率[‐]
b
1,
4 : 蓄電装置放電係数[‐]
b
1,
5 : 蓄電装置放電係数[‐]
b
1,
7 : 蓄電装置充電効率[‐]
b
1,
11 : 蓄電装置放電係数[‐]
b
2,
3 : COP×3600[kJ/kWh]
b
2,
5 : COP×3600[kJ/kWh]
b
2,
8 : COP×3600[kJ/kWh]
【0062】
【数8】
ここで、
e
1 : 蓄電装置の放電時の定常損失[kWh]
【0063】
【数9】
ここで、
f
1 : 蓄電装置の待機電力[kWh]
【0064】
なお、上記数6及び数9における蓄電装置充電効率及び蓄電装置3の待機電力は、蓄電装置3の性能に基づいて予め決まっている値である。これらの値は、予め制御装置7に記憶される。
【0065】
ここで、上記数6及び数8における蓄電装置放電係数、蓄電装置3の放電時の定常損失、及びCOPについて、以下説明する。
【0066】
蓄電装置放電係数及び蓄電装置3の放電時の定常損失は、蓄電装置3の性能(第一出力電力量と第二出力電力量の関係)をモデル化することで決定される。
【0067】
ここで、
図5(a)に示すように、第一出力電力量とは、蓄電装置3が外部(例えば、電力負荷5等)へと電力を供給(放電)する際に、蓄電池3aからインバータ3bへと供給される電力量である。また、第二出力電力量とは、蓄電装置3が外部へと電力を供給(放電)する際に、インバータ3bから外部へと供給される電力量である。通常、インバータ3bで電力が変換される際には損失が発生するため、第一出力電力量に対して第二出力電力量は小さくなる。
【0068】
蓄電装置3の性能をモデル化する場合、具体的には、
図5(b)に示すように、第一出力電力量と第二出力電力量との関係を、蓄電装置3の出力(本実施形態においては、500(W)、1000(W)及び3000(W))を変えて複数回計測する。計測方法としては、蓄電装置3の出力を一定(500(W)や1000(W)等)にして、ある時間(例えば、1時間や1日等)の第一出力電力量と第二出力電力量を計測し、当該第一出力電力量と第二出力電力量を所望の時間間隔に変換する。例えば、1日(24時間)計測して、1時間の時間間隔(電力負荷パターン及び熱負荷パターンのデータ間隔に合わせた間隔)に変換する場合には、計測された第一出力電力量及び第二出力電力量をそれぞれ24で割ることで求めることができる。本実施形態においては1時間の時間間隔に変換するものとする。そして、各出力における蓄電装置3の第一出力電力量と第二出力電力量との関係を1つの直線(
図5(b)の破線参照)で近似する。この直線を表す近似式中のα
1が蓄電装置放電係数、β
1が蓄電装置3の放電時の定常損失である。
【0069】
このような蓄電装置放電係数及び蓄電装置3の放電時の定常損失は、予め算出されて制御装置7に記憶される。
【0070】
このように、第一出力電力量と第二出力電力量の関係をモデル化することで得られた蓄電装置放電係数及び蓄電装置3の放電時の定常損失を用いることで、当該蓄電装置3の放電効率を考慮することができる。
【0071】
また、COP(Coefficient Of Performance:成績係数)は、給湯装置4の性能(効率)を表すものである。COPは、外気温度の影響を受けるため、当該外気温度によって変化する。具体的には、
図6に示すように、COPは外気温度が上昇するにつれて高くなる。また、COPと外気温度との関係は、1つの直線で近似することができることが分かっている。このようなCOPは、予め制御装置7に記憶される。
【0072】
次に、エネルギー管理システム1の制約条件について説明する。
【0073】
上述の如くモデル化されたエネルギー管理システム1には、下記の数10から数20までの制約条件が設定される。
【0074】
【数10】
ここで、
C
Lib : 蓄電装置の容量
【0075】
上記数10によって、蓄電装置3の蓄電量の上限値及び下限値が設定される。
【0076】
【数11】
ここで、
H
u : 給湯装置の貯湯タンクの蓄熱量上限
【0077】
上記数11によって、給湯装置4の貯湯タンクの蓄熱量の上限値及び下限値が設定される。ここで、蓄熱量上限H
uは、「(貯湯温度(蓄熱タンクに蓄えられた湯の温度)−水道水温度(給湯装置4によって温められる前の水の温度))×貯湯タンク容量×比熱」で算出される。
【0079】
上記数12によって、時刻tにおける供給電力量及び供給熱量の値と、電力負荷(電力負荷5で消費される電力量)及び熱負荷(熱負荷6で消費される熱量)の値とが一致するように設定される。
【0080】
【数13】
ここで、
δ
1[t] : バイナリ変数[‐]
P
Lib・chrg : 蓄電装置の最大充電電力量[kWh]
【0081】
ここで、バイナリ変数δ
1[t]とは、0又は1のいずれか一方の値しかとらない変数である。バイナリ変数δ
1[t]は、蓄電装置3が放電する際に1、それ以外の場合に0の値をとる。
【0082】
上記数13によって、蓄電装置3の充電電力量(蓄電装置3に供給される(充電される)電力量)の上限値及び下限値が設定される。また、上記数13によって、蓄電装置3が充電と放電を同時に行わないように設定される。
【0083】
【数14】
ここで、
P
Lib・dchrg : 蓄電装置の最大放電電力量[kWh]
【0084】
上記数14によって、蓄電装置3の放電電力量(蓄電装置3から放電される電力量)の上限値及び下限値が設定される。また、上記数14によって、蓄電装置3が充電と放電を同時に行わないように設定される。
【0085】
【数15】
ここで、
δ
s[t] : バイナリ変数[‐]
δ
e[t] : バイナリ変数[‐]
N
Lib : 蓄電装置の充放電回数の上限[回]
【0086】
ここで、バイナリ変数δ
s[t]及びバイナリ変数δ
e[t]とは、0又は1のいずれか一方の値しかとらない変数である。バイナリ変数δ
s[t]は、蓄電装置3が放電を開始する時刻に1、それ以外の場合(時刻)に0の値をとる。バイナリ変数δ
e[t]は、蓄電装置3が放電を終了する時刻に1、それ以外の場合(時刻)に0の値をとる。
【0087】
また、蓄電装置3の充放電回数の上限N
Libは、蓄電装置3が所定期間(例えば、1日)内に充放電を行うことが可能な(許容されている)回数である。
【0088】
上記数15によって、蓄電装置3の充放電回数の上限が設定される。
【0089】
【数16】
ここで、
P
PV[t] : 時刻tの太陽光発電装置の発電電力量[kWh]
【0090】
上記数16によって、時刻tにおいて太陽光発電装置2から供給される電力量が、当該時刻tにおいて太陽光発電装置2で発電される電力量を超えないように設定される。
【0091】
【数17】
ここで、
δ
2[t] : バイナリ変数[‐]
P
G・max : 商用電源の契約容量[kWh]
【0092】
ここで、バイナリ変数δ
2[t]とは、0又は1のいずれか一方の値しかとらない変数である。バイナリ変数δ
2[t]は、商用電源11から電力を購入する際に0、それ以外の場合に1の値をとる。
【0093】
上記数17によって、商用電源11から購入する電力量の上限値及び下限値が設定される。また、上記数17によって、商用電源11からの電力の購入(買電)と、太陽光発電装置2で発電された電力の逆潮流(売電)と、が同時に行われないように設定される。また、上記数17によって、太陽光発電装置2で発電された電力の逆潮流(売電)と、蓄電装置3の放電と、が同時に行われないように設定される。
【0094】
【数18】
ここで、
P
EC : 給湯装置の最大消費電力量[kWh]
【0095】
上記数18によって、給湯装置4の最大消費電力量(消費電力量の上限値)が設定される。
【0097】
上記数19によって、各変数の取り得る範囲が設定される。
【0098】
【数20】
ここで、
k : 電気料金[円]
E
G : 商用電源からの購入電力量の合計[kWh]
β
4 : 電気料金の基本料金相当額[円]
α
5 : 第一段階電気料金単価[円/kWh]
β
5 : 第一段階電気料金の制限用補助変数[円]
α
6 : 第二段階電気料金単価[円/kWh]
β
6 : 第二段階電気料金の制限用補助変数[円]
【0099】
ここで、
図7を用いて、上記数20の各変数について説明する。
【0100】
本実施形態においては、
図7に示すように、エネルギー管理システム1が設けられる住宅等では、購入電力量に応じて電気料金単価が変わる場合(いわゆる、従量電灯)を想定している。具体的には、購入電力量が増えると、電気料金kがk=β
4(電気料金の基本料金相当額)、k=α
5×E
G+β
5(第一段階電気料金)、k=α
6×E
G+β
6(第二段階電気料金)の順に変わる場合を想定している。
【0101】
なお、上記数10から数20までの制約条件のうち、特に言及していない値は、各装置(電力供給装置及び熱供給装置)の性能から定まる値である。これらの値は、予め制御装置7に記憶される。
【0102】
次に、所定の目的に応じた電力供給装置及び熱供給装置の運転パターンを算出するための評価関数Jについて説明する。
【0103】
本実施形態においては、エネルギー管理システム1は、「光熱費を最小にする」ことを目的(所定の目的)とするものとする。この場合において、当該エネルギー管理システム1の評価関数Jは、下記の数21のように表すことができる。
【0104】
【数21】
ここで、
N : データ数
【0105】
また、上記数21のl
1[t]等の値としては、エネルギー管理システム1の運転の目的(所定の目的)に応じた値が入力される。
【0106】
具体的には、l
9[t]には、「(時刻tにおける太陽光発電装置2からの余剰電力の買取単価)×(−1)[円/kWh]」が入力される。
また、l
11[t]には、「(時刻tにおけるDR単価)×(−1)[円/kWh]」が入力される。
また、l
1[t]、l
2[t]、l
3[t]、l
4[t]、l
5[t]、l
6[t]、l
7[t]、l
8[t]及びl
10[t]には、「0」が入力される。
【0107】
ここで、DR単価とは、デマンドレスポンス要請時において、電力会社が電力を買い取る際の買取単価である。
【0108】
以上のような条件の下で、制御装置7は、上記数21の評価関数Jが最小となるような入力量(上記数3参照)を算出する。当該算出された入力量(運転パターン)となるように電力供給装置及び熱供給装置を運転させることで、所定の目的、すなわち本実施形態における「光熱費を最小にする」という目的を達成することができる。
【0109】
次に、上述の評価関数Jを用いて算出された電力供給装置及び熱供給装置の運転パターンの例について具体的に説明する。
【0110】
図8及び
図9には、上述の評価関数Jを用いて算出された電力供給装置及び熱供給装置の運転パターンの例を示している。
【0111】
図8において、各時刻に示した2つの棒グラフのうち、左側に記した棒グラフ(図中(A))は、エネルギー管理システム1に供給される電力の電力量を示している。すなわち、各時刻の左側に記した棒グラフは、太陽光発電(太陽光発電装置2において発電される電力)、蓄電池出力(蓄電装置3から放電される電力)及び購入電力(商用電源11から供給される電力)の電力量を示している。
【0112】
また、
図8において、各時刻に示した2つの棒グラフのうち、右側に記した棒グラフ(図中(B))は、エネルギー管理システム1において使用される電力の電力量を示している。すなわち、各時刻の右側に記した棒グラフは、給湯装置消費電力(給湯装置4で消費される電力量)、蓄電装置充電(蓄電装置3に充電される電力量)及び電力負荷(電力負荷5で消費される電力量)を示している。
【0113】
また、
図9において、各時刻に示した2つの棒グラフのうち左側に記した棒グラフは、貯湯量(給湯装置4の貯湯タンクに蓄えられている熱量)を示している。また、
図9において、各時刻に示した2つの棒グラフのうち右側に記した棒グラフは、熱負荷(熱負荷6において使用される熱量)を示している。
【0114】
図8に示すように、太陽光発電装置2において発電される電力が多い場合には、当該電力を蓄電装置3に充電させる。また、太陽光発電装置2において発電される電力が少ない場合には、蓄電装置3に放電させ、当該蓄電装置3からの電力を使用する。また、電力会社による電力の買取単価が高い時間帯がある場合には、太陽光発電装置2で発電された電力を売電する。例えば、
図8の例では、13時及び15時において電力の買取単価が高いものと想定し、当該時刻において売電が行われている。このような時間帯ごとの電力の買取単価は、制御装置7に予め記憶されている。
【0115】
また、
図8及び
図9に示すように、熱負荷6において使用される熱量が大きくなる時刻(
図9の例では、20時前後)よりも前(太陽光発電装置2で発電が行われている時間帯)に、太陽光発電装置2で発電された電力を用いて給湯装置4が作動し、当該給湯装置4の貯湯タンクに熱が蓄えられている。このように、20時頃には太陽光発電装置2での発電が行われていない(太陽光が得られない)ため、早い時間帯に給湯装置4を作動させることで、太陽光発電装置2で発電された電力を有効に利用している。このようにして、光熱費が最小となるような運転パターンが算出されている。
【0116】
次に、上記数17の第3式の制約条件を省いた場合において、上述の評価関数Jを用いて算出された電力供給装置及び熱供給装置の運転パターンの例について具体的に説明する。
【0117】
上記数17の第3式の制約条件を省くことによって、太陽光発電装置2で発電された電力の逆潮流(売電)と、蓄電装置3の放電と、を同時に行うことができる。
【0118】
図10及び
図11には、この場合において、上述の評価関数Jを用いて算出された電力供給装置及び熱供給装置の運転パターンの例を示している。
【0119】
図10に示すように、太陽光発電装置2において発電された電力、及び蓄電装置3に充電された電力が多い場合には、当該電力を売電する。特に電力会社による電力の買取単価が高い時間帯がある場合には、当該時間帯に集中的に売電を行う。例えば、
図10の例では、13時において電力の買取単価が高いものと想定している。
【0120】
また、
図10及び
図11に示すように、熱負荷6において使用される熱量が大きくなる時刻(
図11の例では、20時前後)の直前に給湯装置4が作動し、当該給湯装置4の貯湯タンクに熱が蓄えられている。このように、熱(湯)を利用する時間帯に近い時間帯に給湯装置4を作動させることで、放熱損失を抑えている。
【0121】
次に、上述の電力供給装置及び熱供給装置の運転パターンの算出方法の、具体的な利用方法について説明する。
【0122】
上述の電力供給装置及び熱供給装置の運転パターンの算出方法は、実際に電力供給装置及び熱供給装置の制御方法を検討して設計する際に利用することができる。すなわち、前記算出方法を用いて予め制御方法を設計し、当該設計された制御方法に基づいて、住宅等に設けられたエネルギー管理システム1の各装置が制御されることになる。
図12には、当該設計までの流れを示している。
【0123】
まず、電力負荷パターン及び熱負荷パターン(
図3及び
図4参照)を制御装置7に読み込ませる(ステップS101)。次に、電力会社、並びに契約メニューを選択する(ステップS102、ステップS103)。次に、契約メニューに基づいて、電気料金単価(
図7参照)を制御装置7に読み込ませる(ステップS104)。
【0124】
次に、制御装置7によって、与えられた条件(ステップS101及びステップS104参照)に基づいて、所定の目的(本実施形態においては、光熱費を最小にすること)に応じた最適な運転パターンが計算される(ステップS105)。
【0125】
運転パターンが算出された後、別の契約メニューでの計算(ステップS106)や別の電力会社での計算(ステップS107)が必要な場合は、ステップS102又はステップS103に戻り、再度条件を設定し直して運転パターンが計算される。
【0126】
必要な条件での運転パターンの計算が終了すると、当該計算結果が出力され(ステップS108)、当該出力された計算結果に基づいて、エネルギー管理システム1の実際の運転方法が検討される(S109)。このようにして、上述の電力供給装置及び熱供給装置の運転パターンの算出方法を利用して、電力供給装置及び熱供給装置の制御方法を検討し、最適な運転パターンを設計することができる。
【0127】
このように運転パターンを設計することで、当該設計された運転パターンと、その時の電力会社の契約メニューを併せて、エネルギー管理システム1を販売する際にお客様に提案することができる。また、エネルギー管理システム1の販売後に、お客様の生活データ(電力負荷パターン及び熱負荷パターン)から、最適な運転パターン並びに電力会社の契約メニューを再度提案することができる。
【0128】
以上の如く、本実施形態に係るエネルギー管理システム1は、
電気エネルギーを供給可能な少なくとも1つの電力供給装置(太陽光発電装置2及び蓄電装置3)と、
商用電源11及び前記電力供給装置からの電気エネルギーを用いて熱エネルギーを発生させ、当該熱エネルギーを供給可能な少なくとも1つの熱供給装置(給湯装置4)と、
商用電源11及び前記電力供給装置からの電気エネルギーを消費する電力負荷5と、
前記熱供給装置からの熱エネルギーを消費する熱負荷6と、
所定期間において電力負荷5で消費される電気エネルギーのパターン及び前記所定期間において熱負荷6で消費される熱エネルギーのパターンに基づいて、所定の目的に応じた前記電力供給装置及び前記熱供給装置の運転パターンを算出する制御装置7と、
を具備するエネルギー管理システム1であって、
制御装置7は、
前記電力供給装置及び前記熱供給装置の運転パターンを算出する際に、前記熱供給装置のCOP(成績係数)を考慮するものである。
このように構成することにより、電力供給装置及び熱供給装置の適切な運転パターンを算出することができる。特に、COPを考慮することで、より効率的なエネルギー管理システム1の運転が可能となる。
【0129】
また、制御装置7は、
前記電力供給装置及び前記熱供給装置の運転パターンを算出する際に、前記熱供給装置における放熱損失を考慮するものである。
このように構成することにより、電力供給装置及び熱供給装置の適切な運転パターンを算出することができる。特に、熱供給装置における放熱損失を考慮することで、より効率的なエネルギー管理システム1の運転が可能となる。
【0130】
また、前記電力供給装置は、
電気エネルギーを充放電可能な蓄電装置3を含むものである。
このように構成することにより、蓄電装置3を含むエネルギー管理システム1において、電力供給装置及び熱供給装置の適切な運転パターンを算出することができる。
【0131】
また、制御装置7は、
前記電力供給装置及び前記熱供給装置の運転パターンを算出する際に、蓄電装置3の放電効率を考慮するものである。
このように構成することにより、電力供給装置及び熱供給装置の適切な運転パターンを算出することができる。特に、蓄電装置3における自己放電を考慮することで、より効率的なエネルギー管理システム1の運転が可能となる。
【0132】
また、前記電力供給装置は、
太陽光を利用して発電可能な太陽光発電装置2を含むものである。
このように構成することにより、太陽光発電装置2を含むエネルギー管理システム1において、電力供給装置及び熱供給装置の適切な運転パターンを算出することができる。
【0133】
また、前記電力供給装置は、
電気エネルギーを充放電可能な蓄電装置3、及び太陽光を利用して発電可能な太陽光発電装置2を含み、
前記熱供給装置は、
沸かした湯を貯湯タンクに蓄えることで、熱エネルギーを蓄える給湯装置4を含み、
制御装置7は、
前記電力供給装置及び前記熱供給装置の運転パターンを算出する際に、上記数1から数9までに表される状態空間モデルを用いるものである。
このように構成することにより、混合整数計画問題とよばれる数理計画手法を用いることができ、所定の目的における最も効果的な運転パターンを容易に算出することができる。
【0134】
また、本実施形態に係るエネルギー管理方法は、
電気エネルギーを供給可能な少なくとも1つの電力供給装置(太陽光発電装置2及び蓄電装置3)の運転パターン、並びに商用電源11及び前記電力供給装置からの電気エネルギーを用いて熱エネルギーを発生させ、当該熱エネルギーを供給可能な少なくとも1つの熱供給装置(給湯装置4)の運転パターンを算出するエネルギー管理方法であって、
商用電源11及び前記電力供給装置からの電気エネルギーを消費する電力負荷5において所定期間に消費される電気エネルギーのパターン、前記熱供給装置からの熱エネルギーを消費する熱負荷6において前記所定期間に消費される熱エネルギーのパターン、並びに前記熱供給装置のCOP(成績係数)に基づいて、所定の目的に応じた前記電力供給装置及び前記熱供給装置の運転パターンを算出するものである。
このように構成することにより、電力供給装置及び熱供給装置の適切な運転パターンを算出することができる。
【0135】
なお、本実施形態に係る太陽光発電装置2及び蓄電装置3は、本発明に係る電力供給装置の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る給湯装置4は、本発明に係る熱供給装置の実施の一形態である。
【0136】
以下では、上述の第一実施形態に係るエネルギー管理システム1の変形例(他の実施形態)について説明する。
【0137】
第一実施形態においては、
図2に示すように、住宅等に設けられる制御装置7(HEMS)において運転パターンが算出される構成とした。しかし、
図13に示すように、住宅等の外部に設けられるセンターサーバ8において運転パターンが算出される構成とすることも可能である。この場合、センターサーバ8に電力等の料金単価等の情報が入力され、当該センターサーバ8によって電力供給装置の運転パターンが算出される。算出された運転パターンは制御装置7に送信され、当該制御装置7によって蓄電装置3等の制御が行われる。
【0138】
このように、センターサーバ8で運転パターンを算出することによって、複数の住宅等の運転パターンを一括して算出することができる。これによって、各住宅等での計算が不要となるため、当該計算のためのコスト(時間的なコストや機器のコスト)を削減することができる。
【0139】
また、第一実施形態においては、購入電力量に応じて電気料金単価が変わる契約(従量電灯)を想定したが、その他の契約を想定して電力供給装置及び熱供給装置の運転パターンを算出することも可能である。
【0140】
例えば、時間帯に応じて電気料金単価が変わる契約(いわゆる、時間帯別電灯)を想定する場合、エネルギー管理システム1の評価関数Jは、上記数21に代えて、下記の数22のように表すことができる。
【0142】
また、上記数22のl
1[t]、l
2[t]及びl
3[t]には、「時刻tにおける電気料金単価[円/kWh]」が入力される。
また、l
9[t]には、「(時刻tにおける太陽光発電装置2からの余剰電力の買取単価)×(−1)[円/kWh]」が入力される。
また、l
11[t]には、「(時刻tにおけるDR単価)×(−1)[円/kWh]」が入力される。
また、l
4[t]、l
5[t]、l
6[t]、l
7[t]、l
8[t]及びl
10[t]には、「0」が入力される。
【0143】
上記数22の評価関数Jが最小となるような入力量を算出し、当該算出された入力量(運転パターン)となるように電力供給装置及び熱供給装置を運転させることで、「光熱費を最小にする」という目的を達成することができる。
【0144】
また、例えば、電気料金単価が購入電力量や時間帯に応じて変わらない(一定である)契約(いわゆる、定額電灯)を想定する場合、エネルギー管理システム1の評価関数Jは、上記数21に代えて、下記の数23のように表すことができる。
【0146】
また、上記数23のl
1、l
2及びl
3には、「電気料金単価[円/kWh]」が入力される。
また、l
9には、「(太陽光発電装置2からの余剰電力の買取単価)×(−1)[円/kWh]」が入力される。
また、l
11には、「(DR単価)×(−1)[円/kWh]」が入力される。
また、l
4、l
5、l
6、l
7、l
8及びl
10には、「0」が入力される。
【0147】
上記数23の評価関数Jが最小となるような入力量を算出し、当該算出された入力量(運転パターン)となるように電力供給装置及び熱供給装置を運転させることで、「光熱費を最小にする」という目的を達成することができる。
【0148】
また、第一実施形態においては、「光熱費を最小にする」ことをエネルギー管理システム1の運転の目的(所定の目的)としたが、その他の目的を設定することも可能である。以下、上記数23の評価関数Jを用いる(定額電灯を想定する)ものとして、具体的に説明する。
【0149】
例えば、「一次エネルギー消費量を最小にする」ことを目的とする場合、上記数23のl
1、l
2及びl
3には、「9.67[MJ/kWh](系統電力の一次エネルギー消費量)」が入力される。
また、l
4、l
5、l
6、l
7、l
8、l
9、l
10及びl
11には、「0」が入力される。
【0150】
また、例えば、「CO
2排出量を最小にする」ことを目的とする場合、上記数23のl
1、l
2及びl
3には、「0.476[kg−CO
2/Wh](系統電力のCO
2消費量)」が入力される。
また、l
4、l
5、l
6、l
7、l
8、l
9、l
10及びl
11には、「0」が入力される。
【0151】
このように、上記数23に入力する値を適宜変更することで、任意の目的に応じた運転パターンを容易に算出することができる。なお、上記数23に限らず、上記数21及び数22に入力する値を適宜変更することでも、任意の目的に応じた運転パターンを算出することができる。
【0152】
また、第一実施形態においては、電力供給装置及び熱供給装置の運転パターンの算出方法を用いて予め電力供給装置の制御方法を設計し(
図12参照)、当該設計された制御方法に基づいてエネルギー管理システム1が制御される例を示した。しかし、算出された運転パターンを用いて直接エネルギー管理システム1を制御する(リアルタイムに制御する)ことも可能である。
【0153】
この場合、
図14に示すように、まず、電力負荷パターン及び熱負荷パターン(
図3及び
図4参照)、並びに電気料金単価(
図7参照)を制御装置7に読み込ませる(ステップS201及びステップS202)。次に、制御装置7によって、与えられた条件に基づいて、所定の目的に応じた最適な運転パターンが計算される(ステップS203)。最後に、制御装置7から、算出された運転パターンに基づく動作の指令が蓄電装置3及び給湯装置4へと送信され(ステップS204)、当該蓄電装置3等の運転が制御される。
【0154】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0155】
例えば、本実施形態においては、電力供給装置として太陽光発電装置2及び蓄電装置3を例示したが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、電力供給装置としてその他の機器(例えば、燃料電池、風力発電装置等)を用いる構成とすることも可能である。
【0156】
また、蓄電装置3はリチウムイオン電池等により構成されるものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、ニッケル・水素電池等により構成することも可能である。
【0157】
また、上記実施形態においては、制御装置7に記憶される電力負荷パターン及び熱負荷パターンの期間は1日(0時から24時まで)であるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、1週間や1ヶ月の期間の電力負荷パターン及び熱負荷パターンを用いることも可能である。
【0158】
また、
図14に示すように運転パターンをリアルタイムに算出して制御に用いる場合には、予め記憶された電力負荷パターン及び熱負荷パターンの推定値を、実際に計測された電力負荷パターン及び熱負荷パターンに基づいて修正し、その都度運転パターンを算出しなおす構成とすることも可能である。
【0159】
また、上記実施形態においては、電力負荷パターン及び熱負荷パターンのデータ間隔は1時間であるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、当該データ間隔を10分間等に設定することも可能である。