特許第6462293号(P6462293)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6462293多視点映像を提供するディスプレイ装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6462293
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】多視点映像を提供するディスプレイ装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/22 20060101AFI20190121BHJP
   H04N 13/30 20180101ALI20190121BHJP
   G03B 35/24 20060101ALI20190121BHJP
   H04N 13/10 20180101ALI20190121BHJP
【FI】
   G02B27/22
   H04N13/30
   G03B35/24
   H04N13/10
【請求項の数】13
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-198528(P2014-198528)
(22)【出願日】2014年9月29日
(65)【公開番号】特開2015-69210(P2015-69210A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2017年3月24日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0115575
(32)【優先日】2013年9月27日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2013-0132420
(32)【優先日】2013年11月1日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】李 碩
(72)【発明者】
【氏名】朴 柱 容
(72)【発明者】
【氏名】南 東 ▲ぎょん▼
【審査官】 越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−104212(JP,A)
【文献】 特開2013−190501(JP,A)
【文献】 特開2014−182160(JP,A)
【文献】 特開2015−037282(JP,A)
【文献】 特開2013−200401(JP,A)
【文献】 特開2012−044308(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/038856(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/132422(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/115444(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/029696(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/00−27/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多視点映像を提供するディスプレイ装置であって、
ピクセルアレイを含むパネル部であって、前記ピクセルアレイは、光学部に前記多視点映像の複数の視点に対応する光をそれぞれ提供するための複数のピクセルを含む、パネル部と、
前記複数のピクセルのうち不連続な視点インデックスを有する前記多視点映像の視点映像のための光を提供するピクセルからの光を、ユーザの左眼位置と右眼位置それぞれに向ける光学部と、
前記多視点映像の視点映像それぞれの深さ感視差を調整し、前記不連続な視点インデックスを有する視点映像を用いることによって発生する誇張した深さ感を補償する処理部と、
を備えることを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項2】
多視点映像を提供するディスプレイ装置であって、
複数のピクセルを有するピクセルアレイを含むパネル部と、
ビューイングコーンを形成し、前記ピクセルからの光を前記ビューイングコーンに向ける光学部と、
を備え、
前記ビューイングコーンは、前記光学部からの不連続な視点インデックスを有する前記多視点映像の視点映像のための前記ピクセルからの光をユーザの左眼位置と右眼位置に提供することを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項3】
前記多視点映像の視点映像それぞれの深さ感視差を調整し、前記不連続な視点インデックスを有する視点映像を用いることによって発生する誇張した深さ感を補償する処理部をさらに備えることを特徴とする請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記視点インデックスの不連続性が増加するほど前記多視点映像の視点映像の深さ感視差を減少させることを特徴とする請求項3に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記光学部は、連続的な視点インデックスを有する視点映像のためのピクセルアレイのピクセルからの光を前記左眼位置と前記右眼位置それぞれに向ける場合より少ないクロストークを生じることを特徴とする請求項1又は2に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記光学部は、
前記連続的な視点インデックスを有する視点映像のためのピクセルアレイのピクセルからの光を前記左眼位置と前記右眼位置それぞれに向ける場合より小さい屈折率を有し、3D効果を提供することを特徴とする請求項5に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
前記光学部は、
前記連続的な視点インデックスを有する視点映像のためのピクセルアレイのピクセルからの光を前記左眼位置と前記右眼位置それぞれに向ける場合より大きい曲率半径を有し、3D効果を提供することを特徴とする請求項5に記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記光学部は、
前記連続的な視点インデックスを有する視点映像のためのピクセルアレイのピクセルからの光を前記左眼位置と前記右眼位置それぞれに向ける場合より小さいレンズアレイのピッチを有し、3D効果を提供することを特徴とする請求項5に記載のディスプレイ装置。
【請求項9】
前記光学部は、
前記連続的な視点インデックスを有する視点映像のためのピクセルアレイのピクセルからの光を前記左眼位置と前記右眼位置それぞれに向ける場合より、前記パネル部から前記光学部の表面までの距離が大きく、3D効果を提供することを特徴とする請求項5に記載のディスプレイ装置。
【請求項10】
前記光学部は、
前記連続的な視点インデックスを有する視点映像のためのピクセルアレイのピクセルからの光を前記左眼位置と前記右眼位置それぞれに向ける場合より、小さいレンズアレイ間隔を有し、3D効果を提供することを特徴とする請求項5に記載のディスプレイ装置。
【請求項11】
多視点映像の複数の視点それぞれに対応する複数のピクセルからの光を提供するステップと、
前記複数のピクセルのうち不連続な視点インデックスを有する前記多視点映像の視点映像のための光を提供するピクセルからの光を、ユーザの左眼位置と右眼位置それぞれに向けるステップと、
前記不連続な視点インデックスを有する視点映像を用いることによって発生する誇張した深さ感を補償するように、前記多視点映像の視点映像の深さ感視差を減少させるステップと、
を含むことを特徴とする多視点映像提供方法。
【請求項12】
多視点映像の複数の視点それぞれに対応するピクセルからの光を提供するステップと、
ビューイングコーンを形成し、ピクセルアレイに含まれる複数のピクセルからの光を前記ビューイングコーンに向けるステップと、
不連続な視点インデックスを有する視点映像を用いることによって発生する誇張した深さ感を補償するように、前記多視点映像の視点映像の深さ感視差を減少させるステップと、
を含み、
前記ビューイングコーンは、前記不連続な視点インデックスを有する前記多視点映像の視点映像のための前記ピクセルからの光をユーザの左眼位置と右眼位置に提供することを特徴とする多視点映像提供方法。
【請求項13】
ディスプレイ装置に方法を実行させるプログラムであって、前記方法は、
多視点映像の深さ感視差を1/N倍に減少させるステップであって、Nは1よりも大きい自然数である、ステップと、
前記多視点映像の複数の視点それぞれを示す前記多視点映像の複数の視点映像に対応する光を提供するようパネル部のピクセルアレイに含まれる複数のピクセルを駆動し、前記複数のピクセルのうちインデックスがNだけ離れたピクセルから提供される光がユーザの左眼位置と右眼位置それぞれに不連続な視点インデックスを有する視点映像を提供するステップと、
を含む、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ装置及びディスプレイ装置の動作方法に関する。より詳しくは、多視点ディスプレイ装置、例えば、テレビ、個人用電子機器などで視点を調整する方法及びディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元の感覚または効果を提供する3次元イメージを効率よく認識するために、他の視点のイメージを観察者に提供することができる。例えば、立体ディスプレイは人の左眼及び右眼にそれぞれ異なるイメージを提供する。立体ディスプレイは、フィルタリングメガネの着用によって、1つのイメージは左眼でフィルタリングされ、他のイメージは右眼でフィルタリングされるという、フィルタリングプロセスに依存する。このようなフィルタリングプロセスを使用することなく3次元イメージを認識するため3次元の感覚または効果は、例えば、自動立体ディスプレイのように、観察者に場面を相異にして空間的に分割した視点を提供することで達成することができる。自動立体ディスプレイは、イメージを空間的に分割することによってイメージを認識するために光学部を用いてもよい。代表的に、レンチキュラーレンズ(Lenticular lens)またはパララックスバリア(Parallax barrier)が光学部として使用されてもよい。レンチキュラーレンズは単に特定方向で各ピクセルイメージを表現できるだけであって、パララックスバリアはスリットを介して特定方向から単に特定ピクセルのみを見せる。
【0003】
したがって、例えば、レンチキュラーレンズ方式、またはパララックスバリア方式に基づいた無メガネ又はメガネ無し(Glass−free)多視点3次元(3−Dimensional:3D)ディスプレイ技術が知られている。しかし、多視点3Dディスプレイ装置の画面をユーザが視聴する場合、ユーザがビューイングコーン(Viewing cones)、例えば、自動立体ディスプレイを視聴することができるスクリーン前にデザインされたそれぞれの領域間を移動するときに逆視(Pseudoscopic)状態が発生することがある。例えば、ユーザがビューイングコーン間を移動するとき、8−viewディスプレイ装置が提供するビューイングコーンのうち、ユーザの左眼が特定ビューイングコーンの右眼のために意図した第8の視点映像(8th view image)を受信し、ユーザの右眼が特定ビューイングコーンと隣接する異なるビューイングコーンの左眼のために意図した第1の視点映像(1st view image)を受信する場合に逆視イメージを経験することになる。このような逆視は、反転したステレオとして理解される。それと共に、例えば、特定ビューイングコーンの第8の視点と隣接するビューイングコーンの第1の視点によって形成される逆視領域のように、視点映像間の視差が大きい場合、ユーザは2つの視点映像間の激しいクロストーク(又はX−talk)のために3D映像として認知することができず、異なる2つのイメージとして認知する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多視点映像を提供するディスプレイ装置において、通常の設計方式とは異なって光学部を設計することで不連続な視点インデックスを有する視点映像に対するピクセルの光をユーザの左眼位置及び右眼位置にそれぞれ伝達する。これにり、逆視によって現れる画質低下の問題を減少させ得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一側面によると、多視点映像を提供するディスプレイ装置であって、ピクセルアレイを含むパネル部であって、前記ピクセルアレイは、光学部に前記多視点映像の複数の視点に対応する光をそれぞれ提供するための複数のピクセルを含む、パネル部と、前記複数のピクセルのうち不連続な視点インデックスを有する前記多視点映像の視点映像のための光を提供するピクセルからの光を、ユーザの左眼位置と右眼位置それぞれに向ける光学部と、を備えるディスプレイ装置を提供する。
【0006】
他の実施形態によると、多視点映像を提供するディスプレイ装置であって、複数のピクセルを有するピクセルアレイを含むパネル部と、ビューイングコーンを形成し、前記ピクセルからの光を前記ビューイングコーンに向ける光学部と、を備え、前記ビューイングコーンは、前記光学部からの不連続な視点インデックスを有する前記多視点映像の視点映像のための前記ピクセルからの光をユーザの左眼位置と右眼位置に提供することを特徴とするディスプレイ装置を提供する。
【0007】
更なる一実施形態によると、多視点映像の他の視点を示す異なる視点映像のための光を提供し、連続的な視点インデックスによる視点映像が複数のピクセルの繰り返される順次的な配列によって順次投影されるように前記複数のピクセルを駆動するパネル部と、不連続な視点インデックスを有する前記多視点映像の視点映像のための光を提供するピクセルからの光をユーザの左眼位置と右眼位置それぞれに向ける光学部と、を備えることを特徴とする多視点映像を提供するためのディスプレイ装置を提供する。
【0008】
更なる一実施形態形態によると、多視点映像の複数の視点それぞれに対応する複数のピクセルからの光を提供するステップと、前記複数のピクセルのうち不連続な視点インデックスを有する前記多視点映像の視点映像のための光を提供するピクセルからの光を、ユーザの左眼位置と右眼位置それぞれに向けるステップとを含む多視点映像提供方法を提供する。
【0009】
更なる一実施形態によると、多視点映像の複数の視点それぞれに対応するピクセルからの光を提供するステップと、ビューイングコーンを形成し、ピクセルアレイに含まれる複数のピクセルからの光を前記ビューイングコーンに向けるステップと、を含み、前記ビューイングコーンは、不連続な視点インデックスを有する前記多視点映像の視点映像のための前記ピクセルからの光をユーザの左眼位置と右眼位置に提供することを特徴とする多視点映像提供方法を提供する。
【0010】
更なる一実施形態によると、ディスプレイ装置に方法を実行させるプログラムであって、前記方法は、多視点映像の深さ感視差を1/N倍に減少させるステップであって、Nは1よりも大きい自然数である、ステップと、前記多視点映像の複数の視点それぞれを示す前記多視点映像の複数の視点映像に対応する光を提供するようパネル部のピクセルアレイに含まれる複数のピクセルを駆動し、前記複数のピクセルのうちインデックスがNだけ離れたピクセルから提供される光がユーザの左眼位置と右眼位置それぞれに不連続な視点インデックスを有する視点映像を提供するステップと、を含む、プログラム提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、多視点映像を提供するディスプレイ装置において、通常の設計方式と異なって光学部を設計することで不連続な視点インデックスを有する視点映像に対するピクセルの光をユーザの左眼位置及び右眼位置にそれぞれ伝達することができる。これにより、逆視によって現れる画質低下を減少させ得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態に係るディスプレイ装置を示すブロック図である。
図2】一実施形態に係るディスプレイ装置を介してユーザの両眼に視点映像が提供される過程を説明するための図である。
図3】他の一実施形態に係るディスプレイ装置を示すブロック図である。
図4】一実施形態に係る視点インデックスと位置の関係及び左眼−右眼の視点対を示すグラフである。
図5】一実施形態に係るディスプレイ装置を介してユーザの左眼及び右眼に視点映像が伝えられる過程を説明するための図である。
図6】レンチキュラーレンズの基本構造を説明するための図である。
図7】レンチキュラーレンズの基本構造を説明するための図である。
図8】一実施形態によりレンズアレイピッチ及びアレイ間隔を調整した光学部の構造を示す。
図9】他の一実施形態によりレンズアレイピッチを調整した光学部の構造を示す。
図10】一実施形態によりレンズ外側の表面とパネル部との間の距離を調整した光学部の構造を示す。
図11】一実施形態によりレンズ曲率半径を調整した光学部の構造を示す。
図12】一実施形態に係るディスプレイ装置の動作方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、一部の実施形態を添付する図面を参照しながら詳細に説明する。しかし、このような実施形態によって権利範囲が制限されたり限定されることはない。各図面に提示された同一の参照符号は同一の部材を示す。
【0014】
下記の説明で用いられる用語は、関連する技術分野で一般的かつ普遍的なもので選択されたが、技術の発達及び/または変化、慣例、技術者の選好などに応じて他の用語が使用されてもよい。したがって、下記の説明で用いられる用語は、技術的な思想を限定するものとして理解することなく、実施形態を説明するための例示的な用語として理解されなければならない。
【0015】
図1は、一実施形態に係るディスプレイ装置を示すブロック図である。
【0016】
一実施形態によると、ディスプレイ装置100は、パネル部110及び光学部120を備える。パネル部は110は、多視点映像を提供するピクセルアレイを含んでもよい。ピクセルアレイには、多視点映像の他の視点映像を提供するための複数の視点、例えば、8個の視点に対応するピクセルが特定方向または配列に繰り返して配置されてもよい。例示的に、8−Viewディスプレイ装置の場合に、1st視点、2nd視点、3rd視点、4th視点、5th視点、6th視点、7th視点、及び8th視点に対応するピクセルが順に配列しながら、このような視点配列が繰り返し含まれてもよい。参考として、多視点映像は、8−View多視点映像ディスプレイ装置を例示的に説明するが、これは理解を助けるための例にすぎず、特定の個数の視点に限定して解釈されることはない。
【0017】
一方、パネル部110は、一例として、LCD(Liquid Crystal Display)パネル、またはOLED(Organic Light Emitting Diodes)パネルであってもよいが、特定形態の構造に限定されることはない。
【0018】
パネル部110が提供する8個の視点映像は、光学部120によって角度分布を有しながら提供されてもよい。例示的に、光学部120はレンチキュラーレンズアレイを含んでもよく、ディスプレイ装置100でパネル部110の外面に配置されてもよい。
【0019】
一方、通常、多視点ディスプレイ装置を設計するとき、予想されるユーザ視聴距離が合理的に考慮される。このような自動立体映像が視聴され得る視聴距離は、予め指定された視聴距離であってもよく、ディスプレイ装置のパネル大きさ、解像度、消費市場国、住居文化、技術的実現の難易度などの様々な要素を考慮して決定され、例えば、3.5メートル〜7メートルの間のいずれの値及び/またはいずれの範囲に決定されてもよい。
【0020】
一実施形態によると、光学部120は、不連続な視点インデックスを有する視点映像がそれぞれ投影されるピクセルからの光を、予め指定された視聴距離にあるユーザの左眼位置と右眼位置に向けるようにする構造である。例えば、予め指定された視聴距離にあるユーザの左眼に3rd視点映像が提供されれば、右眼には7th視点映像が提供される構造を有してもよい。自動立体映像はユーザに視聴されるようにデザインされ、ユーザに3D効果を提供するようにデザインされてもよい。相異にナンバリングされた視点映像(または、異なる視点インデックスを有する視点映像)は、例えば、1st視点、2nd視点、3rd視点などのような場面の視点映像それぞれがキャプチャーされる仮想または実際カメラの位置間の空間的な差を示してもよい。例えば、1st視点に対応するカメラ及び8th視点に対応するカメラはそれほど近くない箇所に位置するので、各カメラがキャプチャーする場面に対応する1st視点映像及び8th視点映像はそれほど類似しない。1st及び8th視点のそれぞれに対応するカメラと比較し、1st視点に対応するカメラ及び2nd視点に対応するカメラはより近くに位置するため、1st及び2nd視点映像は、1st及び8th視点映像よりも類似する。以下、このような1st視点、2nd視点、3rd視点などにおける視点映像は、視点インデックス1、2、3などに対応する各ピクセルとして図2でそれぞれ識別される。
【0021】
後述するが、上記で説明したように、実施形態によって左眼に提供される視点と右眼に提供される視点の視点インデックス差が4(=7−3)であるが、これはあくまでも両眼それぞれに提供される視点映像の間の差を分別するために異なる視点間を比較するための例示的な一実施形態に過ぎず、視点インデックス差異は2以上の整数であってもよい。このように自動立体映像を提供するために視点インデックス差が2以上である場合を不連続な視点インデックスまたは連続的ではない視点インデックスと言い、この場合に不連続な視点インデックスを有する視点映像は左眼及び右眼にそれぞれ提供されてもよい。
【0022】
従来における連続的な視点インデックスではユーザの左眼に3rd視点映像が提供される場合、右眼には4th視点映像が提供されるようにする。ユーザには、左眼に提供される3rd視点映像と右眼に提供される4th視点映像が自動立体映像として認知され、3D立体感を経験することができる。
【0023】
しかし、上記で説明したように、このような場合にビューイングコーンの間の境界にユーザがいる場合、左眼に8th視点映像が受信され、右眼に1st視点映像が受信されることで、ユーザは深刻な逆視映像を観察することになる。さらに、8th視点映像と1st視点映像は視差が極めて大きいため、ユーザは深刻なクロストークを経験するようになり、これによってユーザは提供された映像を3D映像として認識できず、2つの別途の2D映像として認識する。
【0024】
したがって、実施形態によると、予め指定された視聴距離でユーザの左眼と右眼それぞれに受信される映像の視点インデックスが連続的ではないようにするディスプレイ装置の構造、より特定すると、光学部120の構造が提示されている。
【0025】
実施形態によると、不連続または連続的ではない視点インデックスを有する視点映像を用いて予め指定された視聴距離内でユーザに自動立体映像を提供するために、対応する視点インデックス差を最小化し又は減少させるよう光学部120がデザインされている。視点インデックス差が最小化されたり減少されない場合、例えば、8視点映像で視点インデックス差が7である場合、ユーザは実際に別途の2つの2D映像に認識してもよい。したがって、最小化され又は減少した視点インデックス差によって受信された2つの2Dイメージが別に認識されず、単に逆視映像として観察される。
【0026】
従来の方式で、予め指定された視聴距離でユーザの左眼位置とユーザの右眼位置に連続的な視点インデックス(視点インデックス差が「1」である場合)を有するようにする光学部の構造を通常の設計仕様と表現してもよい。
【0027】
例示的に、このような通常の設計仕様は、連続的な視点インデックスを用いて自動立体映像を提供するために光学部の材質に対応する屈折率、光学部表面の曲率半径、光学部に含まれるレンズアレイのピッチ、パネル部から光学部の表面までの距離、光学部に含まれるレンズアレイ間隔のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0028】
実施形態に係る光学部120の構造は、通常の意味の設計仕様と異なるように製造してもよい。例えば、このような設計仕様は、不連続な視点インデックスを用いて自動立体映像を提供するために光学部の材質に対応する屈折率、光学部表面の曲率半径、光学部に含まれるレンズアレイのピッチ、パネル部から光学部の表面までの距離、光学部に含まれるレンズアレイ間隔のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0029】
光学部120が実施形態に係る設計仕様で製造される場合、自動立体映像は、左眼位置及び右眼位置それぞれに提供される不連続な視点インデックスを有する視点映像に対するピクセルからの光に基づいて見られる。
【0030】
一実施形態によると、光学部120は、光学部120の材質に対応する屈折率において通常の設計仕様と異なる屈折率を有してもよい。この場合、光学部120は、左眼位置と右眼位置に連続的な視点インデックスを有する視点映像に対するピクセルの光を提供するようにデザインされた通常の設計仕様における第1屈折率よりも小さい第2屈折率を有してもよい。ここで、第2屈折率は、左眼位置と右眼位置に不連続な視点インデックスを有する視点映像に対するピクセルの光を提供するようにする光学部120の屈折率であってもよい。
【0031】
他の一実施形態によると、光学部120は、光学部120に含まれるレンズアレイのピッチにおいて、通常の設計仕様と異なるピッチを有してもよい。この場合、光学部120は、左眼位置と右眼位置に連続的な視点インデックスを有する視点映像に対するピクセルの光を提供するようにデザインされた通常の設計仕様における第1ピッチよりも小さい第2ピッチを有し、第2ピッチは左眼位置と右眼位置に不連続な視点インデックスを有する視点映像に対するピクセルの光をそれぞれ提供するようにする光学部120のレンズアレイピッチであってもよい。本実施形態については図8を参照して詳細に後述する。
【0032】
更なる一実施形態によると、光学部120は、レンズアレイ間隔において連続的な視点インデックスを用いて自動立体映像を提供するためにデザインされる通常の設計仕様とは異なるレンズアレイ間隔を有してもよい。この場合、光学部120は、左眼位置と右眼位置に連続的な視点インデックスを有する視点映像に対するピクセルの光を提供する通常の設計仕様における第1間隔よりも小さい第2間隔を有するように製造され、第2間隔は、左眼位置と右眼位置に不連続な視点インデックスを有する視点映像のピクセルの光をそれぞれ提供する光学部120のレンズアレイ間隔であってもよい。本実施形態についても図8を参照して詳細に後述する。
【0033】
一方、光学部120は、左眼位置と右眼位置に連続的な視点インデックスを有する視点映像に対するピクセルの光を提供するレンズアレイ間隔を保持しながら個別の突出部分それぞれのピッチが第2ピッチになるよう製造され、個別突出部分の間の底面部分は光を遮断するように構成してもよい。実施形態によると、決定されたピッチは、左眼位置及び右眼位置それぞれに提供される不連続な視点インデックスを有する視点映像に対するピクセルの光に対応する。本実施形態に対しては図9を参考して詳細に後述する。
【0034】
更なる一実施形態によると、光学部120は、パネル部110から光学部120の表面までの距離、及び/または光学部120の厚さにおいて通常の設計仕様と異なる値を有してもよい。この場合、光学部120は、左眼位置と右眼位置に連続的な視点インデックスを有する視点映像に対するピクセルの光が伝えられるようにする第1距離(または第1厚さ)よりも大きい第2距離(または第2厚さ)を有し、第2距離(または第2厚さ)は、左眼位置と右眼位置に不連続な視点インデックスを有する視点映像に対するピクセルの光をそれぞれ伝達する距離(または厚さ)であってもよい。本実施形態に対しては図10を参照して詳細に後述する。
【0035】
更なる一実施形態によると、光学部120は、表面の曲率半径において通常の設計仕様と異なる曲率半径を有してもよい。この場合、光学部120は、左眼位置と右眼位置に連続的な視点インデックスを有する視点映像に対するピクセルの光が提供されるようにデザインされた通常の設計仕様における第1曲率半径よりも大きい第2曲率半径を有するように製造され、第2曲率半径は、左眼位置と右眼位置に不連続な視点インデックスを有する視点映像に対するピクセルの光をそれぞれ提供する光学部120の曲率半径であってもよい。本実施形態に対しては図11を参照して詳細に後述する。
【0036】
一方、他の一側面によると、光学部120は、ビューイングコーンを形成してピクセルアレイを介して提供される複数の視点に対応するピクセルをユーザに伝達するものとして理解されてもよい。この場合、光学部120は、予め指定された視聴距離にあるユーザの左眼位置と右眼位置に、不連続な視点インデックスを有する視点映像に対するピクセルの光が伝えられるように、ビューイングコーンの視野角を狭めるように構成してもよい。このような視野角を狭めることによって、視点の角度分布による視点角密度は高くなり得る。したがって、ユーザは細かい視点の映像が提供され得る。視野角を狭める光学部120の構造の実施形態は前述した通りである。
【0037】
図2は、一実施形態に係るディスプレイ装置を介してユーザの両眼に視点映像が提供される過程を説明するための図である。例示的に、8−Viewディスプレイ装置が図示されている。
【0038】
パネル部210には、図示するようにピクセルアレイが含まれ、理解を助けるために各ピクセル201、203、204、207及び208には視点インデックスが表示されている。自動立体映像イメージを提供するために、光学部220は、予め指定された視聴距離にあるユーザの左眼211に視点インデックス「3」を有するピクセル203の光を向ける。そして、光学部220は、ユーザの右眼212に視点インデックス「7」を有するピクセル207の光を向ける。同様に、3次元効果を達成するために、視点インデックス「8」に対応するピクセル208からの光はユーザの左眼211に向けられ、視点インデックス「4」に対応するピクセル204からの光はユーザの右眼212に向けられる。連続的な視点インデックス方法を用いる通常の従来技術によると、予め指定された視聴距離にあるユーザにおいて、左眼211に視点インデックス「3」を有するピクセル203の光が伝えられる場合、右眼212には視点インデックス「4」を有するピクセル204の光が伝えられることが光学部の構造の通常の設計仕様であった。同様に、連続的な視点インデックス方法を用いて通常の従来の技術によると、視点インデックス「4」に対応するピクセル204からの光はユーザの左眼211に向けられ、視点インデックス「5」に対応する連続的に隣接するピクセルからの光はユーザの右眼212に向けられる。
【0039】
上述したように、ユーザがビューイングコーンの境界の間で動く場合、連続的な視点インデックスに関する通常の従来技術は、視点インデックス「8」に対応するピクセル208からの光をユーザの左眼211に向け、視点インデックス「1」に対応するピクセル201からの光を右眼212に向ける。この結果、逆視映像がユーザによって観察される。ピクセル208及びピクセル201の視点インデックスの間の差が大きいため、ユーザは実際に別途の2つの映像を観察する。
【0040】
実施形態によると、連続的な視点インデックスに関する従来技術に比べて逆視区間は増大し得るが、ビューイングコーンの境界で左眼211には視点インデックス「8」である映像が提供され、右眼212には視点インデックス「1」である映像が提供されることで、ユーザが激しいクロストークを体験することを防止することができる。
【0041】
一方、この実施形態によると、左眼211と右眼212に提供される視点インデックス差が「1」ではなく「4」となるため、ユーザが立体感を大きく感じたり、深さ感が大きく誇張したことをを感じることになるが、このような場合に引き起こす視聴疲労を減少するためにディスプレイ装置には予め入力される多視点映像の立体感を減少させることができる。例えば、入力多視点映像の視差を一括的に1/4に調整した後、実施形態に係る視点を配置すると、視点インデックス差が「4」であってもユーザは視点インデックス差が「1」のような立体感を感じる。したがって、ディスプレイ装置は、入力多視点映像の視差を調整して不連続な視点インデックスを補償する処理部をさらに含んでもよく、処理部の構成は図3を参照してさらに説明する。
【0042】
図3は、他の一実施形態に係るディスプレイ装置を示すブロック図である。
【0043】
一実施形態によると、ディスプレイ装置300は、パネル部320及び光学部330の他に入力多視点映像の深さ視差を調整して不連続な視点インデックスを補償する処理部310をさらに備えてもよい。パネル部320や光学部330の構造及び機能の様々な実施形態は、図1を参照して上述した通りである。
【0044】
処理部310は、光学部330の構造により予め指定された視聴距離でユーザの左眼と右眼に提供される映像の視点インデックス差がN(Nは自然数)であれば、入力多視点映像それぞれに対して視差を1/N倍してパネル部320に提供してもよい。例えば、予め指定された視聴距離でユーザの両眼に提供される映像の視点インデックス差が「2」であれば、処理部310は入力される多視点映像の視差(または立体感とも言える)を1/2倍に調整してパネル部320に提供してもよい。視差または立体感の調整程度は、光学部330の構造により予め指定されてもよく、ユーザの設定に応じて決定されてもよい。したがって、視差または立体感の調整程度は、従来と異なる光学部330の構造による立体感の差を補償するための選択的な構成であってもよく、その実現はソフトウェア的な方法及び/またはハードウェア的な方法においていずれの特定技術にも限定されることはない。
【0045】
図4は、一実施形態に係る視点インデックスと位置との関係及び左眼−右眼の視点対を示すグラフである。
【0046】
映像を受信する位置が変わることによって視点インデックスが配置されることは従来と同様である。しかし、実施形態によると、従来とは異なって、ユーザの両眼に提供される視点インデックス対(Pair)が不連続な視点インデックスを含んでいる。
【0047】
前述したように、8−Viewディスプレイ装置の例で、視点インデックス差を「4」とする光学部の構造を有するれば、インデックス対は3、7、4、8、5、1、6、2などのようになる。この場合、上記それぞれの対でインデックス差は「+4」(7−3)、「+4」(8−4)、「−4」(1−5)、「−4」(2−6)となるが、インデックス差が負数となる区間は逆視区間として理解されてもよい。連続的な視点インデックス方法に関する従来技術では、視点インデックス差は「1」とする通常の光学部の構造を有するので、視点インデックス差が「1」または「−7」(1−8)になる。視点インデックス差が「7」となる区間は逆視区間として理解されてもよい。「−7」である視点インデックス差は激しいクロストークを引き起こし、ユーザは同時に8th視点映像と1st視点映像を観察して、ユーザは実際に8th視点映像と1st視点映像をそれぞれ別途の2D映像として観察する。
【0048】
前述のように、隣接する連続的な視点インデックスを対にして提供するときに比べて逆視区間は増加することがあるが、逆視区間内で最大インデックス差の絶対値は「4」となるため、従来における「7」(=|1−8|)よりも小さい。さらに、入力多視点映像の視差を予め1/4倍に縮小することが可能であるため、図4に示す実施形態で各インデックス差は「+1」、「+1」、「−1」、「−1」となる。
【0049】
より具体的に、表1で連続的な視点インデックス方法の従来方式と実施形態とを比較する。
【0050】
【表1】
表1を参照して容易に理解できるように、従来は両眼視点のインデックス対のインデックス差が「1」または「−7」であった。この場合、逆視区間は1つである一方、上記のように深刻なクロストークによりユーザが3D映像ではない別途の2つの2D映像として認識する。しかし、実施形態によると、両眼視点のインデックス対のインデックス差を「2」にしたり「4」にすることで、逆視区間は増加するものの、インデックス差が従来のように「−7」のような値にはならない。さらに、入力多視点映像の視差を調整した後に提供すると、インデックス差はより減らし得る。表1に示す例示的な実施形態1では、逆視区間が2区間であり、インデックス差は「−3」であるため、従来に比べてクロストークが緩和される。また、図4に示すような例示的な実施形態2の場合、逆視区間は4区間増かしたが、視差調整の後にインデックス差は「1」または「−1」であるため、クロストークが著しく緩和されたと理解される。
【0051】
図5は、一実施形態に係るディスプレイ装置を介してユーザの左眼及び右眼に視点映像が伝えられる過程を説明するための図である。パネル部510のピクセルが光学部520を用いて予め指定された視聴距離にあるユーザの左眼511及び右眼512に視点インデックス差「4」を有する映像を提供する。この場合も、上記のように入力多視点映像の視差を1/4に調整すると、表1の例示的な実施形態2のようにユーザが相対的に弱い逆視を体験する。
【0052】
以下、図示するように、多視点映像を提供する光学部520の例示的な構成をより具体的に説明する。
【0053】
図6及び図7は、レンチキュラーレンズの基本構造を説明するための図である。
【0054】
レンチキュラーレンズの例示的な構造が示された。このような構造で下記の数式(1)〜(3)が成立する。
【0055】
【数1】
上記した数式及び図6に示すRは、レンズの極光線の方向と極光線がレンズの外部に出て行く交差点における法線方向との間の角度である。そして、Aは曲面中心から観測した曲面角度である。そして、pはピッチまたはレンチキュラーセルそれぞれの広さである。rは、レンチキュラー曲率半径である。また、hは、レンズ曲面の下のサブストレートの厚さであり、下記の数式(3)のように理解される。
【0056】
【数2】
ここで、eはレンズ曲面を含む厚さ、fはレンズ曲面の厚さである。fは曲率半径rとピッチpを用いて下記のように求めることができる。
【0057】
【数3】
実施形態によると、r、p、hのうち少なくとも1つを変更することによって、予め指定された視聴距離にある左眼及び右眼それぞれに、視点インデックスに「2」以上の差異がある映像を提供してもよい。その他にも異なる変形も可能であり、より詳細な内容は後述する。
【0058】
図7を参照すると、レンチキュラーセルのビューイングコーンの視野角に関するO、図示するように極光線と法線との間の角である角度I及びAは下のような関係がある。
【0059】
【数4】
そして、レンズの屈折率をnと称し、空気の屈折率をnとすると、下記の数式(6)のような関係がある。
【0060】
【数5】
以上の数式(1)ないし(6)を参照すると、ピッチpが小さいほど、hやeが大きいほど、曲率半径が大きいほど、そして屈折率が小さいほど視野角Oは小さくなり、これにより視点密度が高まって実施形態に係る視点配置が可能であることを理解することができる。このような例示的な実施形態の他にも更なる変形があり、思想を逸脱しない限り当業者にとって自明な変形や応用も実施形態から排除されることはない。
【0061】
具体的な数個の実施形態を光学部の構造についてさらに説明する。
【0062】
図8は、一実施形態によりレンズアレイピッチ及びアレイ間隔を調整した光学部の構造を示す。一実施形態に係る光学部800は、通常の設計仕様と異なる第1ピッチpよりも小さいレンズアレイのピッチである第2ピッチp’を有してもよい。この場合、第2ピッチp’は、左眼位置と右眼位置に不連続な視点インデックスを有する視点映像に対するピクセルの光をそれぞれ伝達する光学部のレンズアレイピッチであってもよい。
【0063】
実施形態では、ピッチと共にレンチキュラーセル間の距離(または、レンチキュラーレンズアレイ間隔)も小さくなった。光学部800のレンズアレイ間隔の第2間隔は、通常の設計仕様による第1間隔よりも小さい値であってもよい。そして、第2間隔は、左眼位置と右眼位置に不連続な視点インデックスを有する視点映像に対するピクセルの光をそれぞれ伝達する光学部のレンズアレイ間隔であってもよい。
【0064】
図8に示すように、ピッチとレンズアレイ間隔が同一であり、ピッチと共にレンズアレイ間隔も小さくなる場合は、同じ広さのパネル部をカバーするためにレンチキュラーレンズセルの数は増加する。一方、レンズアレイ間隔がピッチと同一な必要がなく、他の実施形態ではレンズアレイ間隔は通常的間隔を保持しながらピッチのみを減少させることも可能であり、図9を参照して説明する。
【0065】
図9は、他の一実施形態によりレンズアレイピッチを調整した光学部の構造を示す。図示するように、光学部900ピッチは、図8に示す実施形態と同一にp’となるが、レンズアレイ間隔は従来と同一であってもよい。この場合、レンズアレイセルの間の底面部が存在するが、不要な光の通過を防止してビューイングコーンを正確に実現するために該底面部分では光が通過されないように製造してもよい。図9に示すように、当該部分910及び920に光の透過を遮断する材質の遮断物質をコーティングしてもよい。もちろん、コーティングの他にも様々な方法の光遮断が可能であり、光の遮断が必要でない場合に光遮断は省略されてもよい。
【0066】
図10は、一実施形態によりレンズ外側の表面とパネル部との間の距離を調整した光学部の構造を示す。
【0067】
光学部1000の曲面の下部サブストレートの厚さが通常の値よりも大きいh’となる。また、数式(3)を参照するとレンズ全体の厚さeをより大きい値にしたり、及び/または曲面部厚さのfをより小さい値にすることも可能である。
【0068】
例として、通常の設計仕様により予め指定された視聴距離にある左眼位置と右眼位置に連続的な視点インデックスを有するピクセルの光が伝えられるようにする第1距離(または第1厚さ)よりも大きい第2距離(または第2厚さ)を有する光学部1000を備えてもよい。ここで、第2距離(または第2厚さ)は左眼位置と右眼位置に不連続な視点インデックスを有する視点映像に対するピクセルの光をそれぞれ伝達する距離(または厚さ)であってもよい。
【0069】
図11は、一実施形態によりレンズ曲率半径を調整した光学部の構造を示す。図示された光学部の構造を参照すると、実施形態に係る光学部は、通常の設計仕様による第1曲率半径よりも大きい第2曲率半径r’を有してもよい。数式(1)、数式(2)及び数式(4)などを参照すると、レンズ曲率半径が大きい場合、ビューイングコーンの視野角が狭くなり、視点密度は高くなる。したがって、予め指定された視聴距離にある左眼及び右眼に、上述したように不連続な視点インデックスを有する視点映像に対するピクセルの光を伝達することができる。
【0070】
図12は、一実施形態に係るディスプレイ装置の動作方法を示すフローチャートである。ステップS1210において、ディスプレイ装置300の処理部310は、入力多視点映像の視差を調整する。図2及び図3を参照して上述したように、不連続な視点インデックスに対応する映像を左眼及び右眼それぞれに提供することによって、視点インデックス差の大きい自動立体映像が伝えられることで立体感は増大する。したがって、3Dコンテンツ本来の立体感を最大にわい曲することなく、また、ユーザ視聴の疲れを減少するために処理部310が該当ステップで入力多視点映像の視差を調整して不連続な視点インデックスを補償する。
【0071】
例示的に、光学部330の構造により予め指定された視聴距離でユーザの左眼と右眼に提供される映像の視点インデックス差がN(Nは自然数)であれば、入力多視点映像それぞれに対して視差を1/N倍にしてパネル部320に提供してもよい。例えば、予め指定された視聴距離でユーザの両眼に提供される映像の視点インデックス差が「4」であれば、処理部310はステップS1210において、入力される多視点映像の視差(または立体感)を1/4倍に調整する。一方、ディスプレイ装置の動作方法において、ステップS1210は選択的な段階であってもよく、その実現はソフトウェア的な方法及び/またはハードウェア的な方法においていずれの特定技術に限定されることはない。
【0072】
ステップS1220において、パネル部320が駆動して入力多視点映像がピクセルアレイを介して多視点映像を提供する。そして、実施形態に係る光学部330によってステップS1230で、多視点映像の視点映像がユーザの両眼に伝えられる。この場合、ステップS1230において光学部330は、予め指定された視聴距離にあるユーザの左眼位置と右眼位置に、視点インデックスを不連続にする視点映像を有する視点映像に対するピクセルの光を伝達する。例えば、予め指定された視聴距離にあるユーザの左眼に3rd視点映像が提供されれば、右眼には7th視点映像が提供されてもよい。
【0073】
実施形態によると、光学部の材質に対応する屈折率、光学部表面の曲率半径、光学部に含まれるレンズアレイのピッチ、パネル部から光学部の表面までの距離、光学部に含まれるレンズアレイ間隔のうち少なくとも1つを従来と別にしているが、これは図1図6ないし図11などを参照して上述したものと同一である。
【0074】
以上で説明された装置は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、及び/またはハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の組合で実現してもよい。例えば、プロセッサ、コントローラ、ALU(arithmetic logic unit)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor)、マイクロコンピュータ、FPA(field programmable array)、PLU(programmable logic unit)、マイクロプロセッサー、または、命令を実行して応答できる異なる装置のように、1つ以上の汎用コンピュータまたは特殊目的のコンピュータを用いて実現されてもよい。処理装置は、オペレーティングシステム(OS)及びオペレーティングシステム上で行われる1つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行してもよい。また、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答してデータをアクセス、格納、操作、処理及び生成してもよい。理解の便宜のために、処理装置は1つ使用されるものと説明された場合もあるが、当該の技術分野で通常の知識を有する者は、処理装置が複数の処理要素及び/または複数類型の処理要素を含んでいることが分かる。例えば、処理装置は、複数のプロセッサまたは1つのプロセッサ及び1つのコントローラを含んでもよい。また、並列プロセッサのような、他の処理構成も可能である。
【0075】
ソフトウェアはコンピュータプログラム、コード、命令、またはこのうちの1つ以上の組合を含んでもよく、希望の通りに動作するよう処理装置を構成したり独立的または結合的に処理装置に命令してもよい。ソフトウェア及び/またはデータは、処理装置によって解釈されたり処理装置に命令またはデータを提供するためどのような類型の機械、構成要素、物理的装置、仮想装置、コンピュータ格納媒体または装置、送信される信号波に永久的または一時的に具体化できる。ソフトウェアは、ネットワークに接続されたコンピュータシステム上に分散し、分散された方法で格納されたり実行されてもよい。ソフトウェア及びデータは1つ以上のコンピュータで読み出し可能な記録媒体に格納されてもよい。
【0076】
実施形態に係る方法は、多様なコンピュータ手段を介して様々な処理を実行することができるプログラム命令の形態で実現され、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読取可能な媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などのうちの1つまたはその組合せを含んでもよい。媒体に記録されるプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計されて構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり、使用可能なものであってもよい。
【0077】
上述したように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、このような実施形態から多様な修正及び変形が可能である。
【0078】
したがって、本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲だけではなく特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである。
【符号の説明】
【0079】
100、300 ディスプレイ装置
110、210、320、510 パネル部
120、220、330、520 光学部
201〜208 ピクセル
211、511 右眼
212、512 左眼
310 処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12