特許第6462641号(P6462641)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6462641
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】陳列什器
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/10 20060101AFI20190121BHJP
【FI】
   A47F5/10 Z
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-208584(P2016-208584)
(22)【出願日】2016年10月25日
(62)【分割の表示】特願2015-9367(P2015-9367)の分割
【原出願日】2015年1月21日
(65)【公開番号】特開2017-12885(P2017-12885A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2017年7月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水谷 威裕
【審査官】 石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭58−005863(JP,U)
【文献】 特開2006−280905(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 5/00−8/02
A47B 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の脚部と、左右の脚部に立設した側枠と、左右の側枠間に架設した棚枠とを備え、左右の脚部間に別の陳列什器の脚部を挿入可能な空間を有し、棚枠は前側を下にして傾斜していると共に側枠から前後両方又は前側のみが突出しており、陳列什器を前後に重ねたときに、後に位置する陳列什器の棚枠は、前に位置する陳列什器の棚枠の下側に重ねて位置することを特徴とする陳列什器。
【請求項2】
左右の脚部と、左右の脚部に立設した側枠と、左右の側枠間に架設した棚枠とを備え、左右の脚部間に別の陳列什器の脚部を挿入可能な空間を有し、棚枠は、左右の各側枠に設けた受け部と、左右の受け部を連結する連結部を有し、左右の受け部は水平に設けてあると共に側枠から前後両方又は前側のみが突出しており、連結部は受け部よりも下方に位置しており、陳列什器を前後に重ねたときに、後に位置する陳列什器の受け部は、前に位置する陳列什器の連結部の上に位置することを特徴とする陳列什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、陳列什器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の陳列什器101は、図5に示すように、左右の脚部103a、103bと、左右の脚部103a、103bの前後方向中央部を連結材105で連結してあり、左右の各脚部に側枠107を立設していた。そして、側枠107間に棚枠109を設けていた。
この従来の陳列什器101は、非使用時にも使用時と同様に単独で置くようにしてあり、複数の陳列什器101の非使用時には大きな収納スペースを必要としていた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】第301頁「タテヤマアドバンス タテヤマゴンドラ TATEYAMA GONDORA 2012.6」商品コード098221SE 三協立山株式会社 タテヤマアドバンス社 2012年6月発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに対して、非使用時に重ねて収納することで収納スペースを小さくできる陳列什器が望まれていた。
【0005】
そこで、本発明は、非使用時に重ねて収納できる陳列什器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、左右の脚部と、左右の脚部に立設した側枠と、左右の側枠間に架設した棚枠とを備え、左右の脚部間に別の陳列什器の脚部を挿入可能な空間を有し、棚枠は前側を下にして傾斜していると共に側枠から前後両方又は前側のみが突出しており、陳列什器を前後に重ねたときに、後に位置する陳列什器の棚枠は、前に位置する陳列什器の棚枠の下側に重ねて位置することを特徴とする陳列什器である。
請求項2に記載の発明は、左右の脚部と、左右の脚部に立設した側枠と、左右の側枠間に架設した棚枠とを備え、左右の脚部間に別の陳列什器の脚部を挿入可能な空間を有し、棚枠は、左右の各側枠に設けた受け部と、左右の受け部を連結する連結部を有し、左右の受け部は水平に設けてあると共に側枠から前後両方又は前側のみが突出しており、連結部は受け部よりも下方に位置しており、陳列什器を前後に重ねたときに、後に位置する陳列什器の受け部は、前に位置する陳列什器の連結部の上に位置することを特徴とする陳列什器である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、複数の陳列棚を前後に重ねる際に、前に位置する陳列什器に対して後ろに位置する陳列什器について、脚部を左右に隣り合わせに配置すると共に前側を下にして傾斜している棚枠を前後に重ねて配置することで、前後の陳列什器どうしを深く重ねることができ、収納スペースを小さくできる。
棚枠は側枠から前後両方又は前側のみが突出しているので、前後の載置寸法を大きく取れる。
棚枠は前側を下にして傾斜しているので、棚枠に載置した被載置物が前方から見やすい。
請求項2に記載の発明によれば、複数の陳列棚を前後に重ねる際に、前に位置する陳列什器に対して後ろに位置する陳列什器について、脚部を左右に隣り合わせに配置し、受け部を左右に隣り合わせに配置すると共に前に位置する陳列棚の連結部の上に配置することで、前後の陳列什器どうしを深く重ねることができ、収納スペースを小さくできる。
棚枠は側枠から前後両方又は前側のみが突出しているので、前後の載置寸法を大きく取れる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態にかかる陳列什器の斜視図である。
図2図1に示す陳列什器を2つ重ねて収納した状態であって、(a)は最下段に位置する棚枠よりも上の段の棚枠を省略して示す平面図であり、(b)は左右の脚部と斜め連結材を抜き出して示す平面図である。
図3図1に示す陳列什器の図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
図4図1に示す陳列什器を4つ重ねて収納した状態であって、最下段に位置する棚枠よりも上の段の棚枠を省略して示す図であり、(a)は脚部を前面に対して直角に配置した状態であり、(b)は脚部を前面に対して傾斜して配置した状態である。
図5】従来の陳列什器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、添付図面の図1図4を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1及び図3に示すように、本発明の実施の形態にかかる陳列什器1は、左脚部3a及び右脚部3bと、左脚部3aと右脚部3bを連結する斜め連結材5と、左脚部3aに立設した左側枠7aと、右脚部3bに立設した右側枠7bと、左右の側枠7a、7b間に架設した棚枠9a、9bとを備えている。
左脚部3a及び右脚部3bは互いに前後方向で平行に配置してある。各脚部3a、3bは中空材でできており、各脚部3a、3bの下面には前後方向に間隔をあけてキャスタ11が設けてある。
図1及び図2(b)に示すように、斜め連結材5は左脚部3aの前側と右脚部3bの後側を連結してあり、左右の脚部3a、3b及び斜め連結材5とで、平面視Z形状を成している。斜め連結材5は中空材でできている。また、斜め連結材5と左脚部3aで後側に開いた後V字空間V1を形成しており、斜め連結材5と右脚部3bで前側に開いた前V字空間V2を形成している。
【0010】
左側枠7a及び右側枠7bは、各々線材でできており且つ一つの線材で形成してある。左側枠7aは、左脚部3aの前側で立設する前側立設部13と、後側で立設する後側立設部15と、前側立設部13と後側立設部15との上端部を連結する連結部17とを有し、前側立設部13、後側立設部15及び連結部17とで、側面視コ字形状を成している。
また、前側立設部13と後側立設部15とは互いに平行にしてある。
右側枠7bも左側枠7aと同様の構成であり、前側立設部13と後側立設部15と連結部17とで側面視コ字形状に形成してある。
尚、図3(b)に示すように、左側枠7a及び右側枠7bは、後側へ傾斜して立設している。
【0011】
図1及び図3に示すように、棚枠9a、9bは、本実施の形態では3つあり、最上位置にある略水平棚枠9aと、その下に設けた2つの傾斜棚枠9b、9bである。各棚枠9a、9bは、左受け部19aと、右受け部19bと、左右の受け部19a、19bの中間部を連結する連結部21を有している。また、各棚枠9a、9bは、左右の側枠7a、7bと同種の線材でできている。各棚枠9a、9bの左受け部19a及び右受け部19bは同じ構成であり、略長方形状で前後に長く形成してある。各受け部19a、19bの前端部には上方に突設した前側規制部23が形成してある。この前側規制部23は棚枠9a、9bに載置したボックス(後述する)27が前側に滑って突出したり、落ちるのを防止するものである。
略水平棚枠9aの下にある2つの傾斜棚枠9b、9bは、前側を低くして前後に傾斜してあり、最上段の略水平棚枠9aは、略水平にしてある。
【0012】
傾斜棚枠9b、9bの連結部21は、前後に間隔をあけて水平に配置した前側連結材21aと後側連結材21bとを有し、前側連結材21aは左側端を左側枠7aの前側立設部13に固定してあり、右側端を右側枠7bの前側立設部13に固定してある。後側連結材21bは左側端を左側枠7aの後側立設部15に、右側端を右側枠7bの後側立設部15に固定してある。
最上位置にある略水平棚枠9aの連結部21は前側連結材21aのみであり、前側連結材21aは、左側端を左側枠7aの前側立設部13に、右側端を右側枠7bの前側立設部13に固定してある。略水平棚板9aの前側連結材21aは左受け部19aと右受け部19bとの間が、約線材の厚み分だけ下方に凹んだ凹部(図1及び図3(b参照))25としてある。
各棚枠9a、9bは、連結部21よりも前方に突出した左受け部19aと右受け部19bとの間で前側空間S1を形成している。更に、左受け部19aと右受け部19bは、連結部21よりも後方に突出して後側空間S2を形成している。
【0013】
次に、本実施の形態にかかる陳列什器1の商品陳列(使用時)について説明する。
図3(b)に示すように、各棚枠9には、商品を収納したボックス27(図3(b)中に一点鎖線で示す)を載置して、商品を陳列する。ボックス27は上面が開口して商品を出し入れするようにしてある。
陳列什器1は、約100mmの高さであり、各ボックス27内を上から見ることができる。尚、図3(b)中に二点鎖線で示すのは、後ろに重ねた陳列什器1である。
【0014】
陳列什器1による商品陳列終了後には、各ボックス27を棚枠9から降ろして、図1に示す非使用状態とした後、下記に記載するようにして複数の陳列什器1を重ねて収納する。
まず、図2(b)に示すように、前側の陳列什器1(図中実線で示す)の左脚部3aの右側に、後側の陳列什器1(図中二点鎖線で示す)の左脚部3aを隣り合わせに配置し、前側の陳列什器1の斜め連結材5の後に後側の陳列什器1の斜め連結材5を隣り合わせに配置する。また、前側の陳列什器1の右脚部3bの右側に、後側の陳列什器1の右脚部3bを隣り合わせに配置する。
これにより、図2(a)に示すように、後側の陳列什器1の左側枠7a及び左受け部19aは、前側の左側枠7a及び左受け部19aの右側に隣り合わせに位置し、後側の陳列什器1の右側枠7b及び右受け部19bは、前側の右側枠7b及び右受け部19bの右側に隣り合わせに位置する。即ち、各棚枠9a、9bでは、左右の受け部19a、19bが、連結部21から前方に突出しているとともに、左右の受け部19a、19b間に空間S1を形成しているので、前側の陳列什器1の右受け部9b及び右側枠7bを、後側の陳列什器1の空間S1に配置することで、複数の陳列什器1を順次後に深く重ねて収納することができ、収納スペースを小さくできる。
尚、図3(b)に示すように、前側の陳列什器1の最上段に位置する略水平棚枠9aの連結部21では、線材分だけ下方に凹んだ凹部25において、前側連結材21aの上に後側の陳列什器1の略水平棚枠9aの左受け部19aの前側が乗り上げる。これにより、後側の陳列什器1の略水平棚枠9aの左受け部19aは連結部21を超えた前側の位置に配置することができ、前側の陳列什器1と後側の陳列什器を深く重ねて収納することができ、収納スペースを小さくできる。
【0015】
本実施の形態にかかる陳列什器1によれば、前後に順次陳列什器1を重ねていくことで、図4(a)に示すように、4つの陳列什器1を重ねて収納する。これにより、非使用時に複数の陳列什器1を重ねて収納することで収納スペースを小さくできる。
図3(b)に示すように、上から2段目及び3段目にある傾斜棚枠9bは、前側を低くして前後に傾斜しているので、前後の陳列什器1、1では、前の傾斜棚枠9bの後側の下に後の傾斜棚枠9bが位置するので、左受け部19a及び連結部21は、平面視では上述した左右の隣り合わせになる配置となるが、後側の左受け部19a及び連結部21は前側の棚枠9の下側に位置する。このように、棚枠9bを傾斜させることにより、簡単に重ねることができる。
左右の側枠7a、7bは後側へ傾斜して立設しており、各傾斜棚枠9b、9bは前側を下にして傾斜しているので、上下の傾斜棚枠9b、9bに載置したボックス27を下側ほど前に配置でき、棚枠9b、9bに載置したボックス27内が見やすい。
【0016】
左右の脚部3a、3bは、互いに前後方向で平行に配置してあるので、複数の陳列什器1を左右に一列に並べて配置したときに、左の陳列什器1の右脚部3bと右の陳列什器1の左脚部3aとを隣り合わせに隙間なく並べることができる。また、隣り合う陳列什器1、1間を隙間なく並べることで整然と配列でき外観が良い。
左右の脚部3a、3bと斜め連結材5とでZ形状を形成し、前側V字空間V1と後側V字空間V2とを形成しているので、左右の脚部3a、3b間では、前側及び後側のいずれの側からでも陳列什器1を重ねて収納できる。
【0017】
各棚枠9a、9bにおいて、左右の受け部19a、19bは、連結部21の前側と後側とで前後に突設して設けてあるから、前後方向における受け部19a、19bの長さを長くでき、前後寸法の長いボックス27を安定して載置できる。
更に、最上段の略水平棚枠9aでは、左右の受け部19a、19b間では、連結部21の前側空間S1及び後側空間S2を形成しているから、受け部19a、19bを前後に長くしても、陳列什器1を前後に深く重ねて収納し、前後方向の収納空間を小さくできる。
左右の側枠7a、7b及び棚枠9a、9bは線材からなり、左右の脚部3a、3b及び斜め連結材5は中空材としているので、軽量で且つ材料コストを安価にできる。
【0018】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、図4(b)に示すように、陳列什器1を重ねる際には、前面に対して左右の脚部3a、3bが傾斜位置にして重ねても良い。この場合には、収納幅W2は、図4(a)に示す脚部3a、3bを前面に対して垂直にして重ねる場合の収納幅W1よりも小さくできる。
斜め連結材5は、左脚部3aの後側と右脚部3bの前側を連結するものであっても良い。
陳列什器1は、2段目及び3段目の傾斜棚枠9bを、最上段の略水平棚枠9aとしても良い。また、最上段の略水平棚枠9aを傾斜棚枠9bとしても良い。
各棚枠9a、9bは、左右の受け部19a、19bを連結部21よりも前側にのみ突出する構成としても良い。
【符号の説明】
【0019】
1 陳列什器
3a 左脚部
3b 右脚部
5 斜め連結材
7a 左側枠
7b 右側枠
9a 略水平棚枠(棚枠)
9b 傾斜棚枠
21 連結部
19a 左受け部
19b 右受け部
S1 前側空間(空間)
図1
図2
図3
図4
図5