(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の火災受信機は、専用の通信プロトコルに従って火災情報を出力するため、当該通信プロトコルに対応した機器しか専用ネットワークに接続できず、火災情報を共有することができなかった。近年、火災情報を利用する機器の種類や火災情報の発信場所の要望が多様化しているが、多様な機器のそれぞれに専用ネットワークに対応する機能を付加することには無理があり、また、当該専用ネットワークの接続先を遠隔にすることは困難である。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、火災受信機に、インターネットプロトコルに従って情報を出力させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上述した課題を解決するため、本発明に係る火災受信機は、端末機器から信号を受信する受信手段と、前記信号の受信を受けて情報を出力する制御手段と、前記情報をインターネットプロトコルに従って外部の機器に出力する移報手段とを備える。
【0007】
(2)好ましい態様において、本発明に係る火災受信機は、(1)に記載の構成において、前記制御手段は、盤内伝送に従って前記情報を前記移報手段に対して出力し、前記移報手段は、前記制御手段により前記盤内伝送に従って出力された情報を、前記インターネットプロトコルに従って出力される情報に変換することを特徴とする。
【0008】
(3)別の好ましい態様において、本発明に係る火災受信機は、(1)または(2)に記載の構成において、前記移報手段は、前記制御手段により出力された情報を、前記インターネットプロトコルとは異なる他の通信プロトコルに従って他の外部の機器に出力し、前記移報手段は、前記情報の出力先に応じて、当該情報を出力する際に使用する通信プロトコルを、前記インターネットプロトコルと前記他の通信プロトコルのうちから選択することを特徴とする。
【0009】
(4)別の好ましい態様において、本発明に係る火災受信機は、(1)乃至(3)のいずれかに記載の構成において、前記移報手段は、前記情報の内容に応じて、当該情報の出力先を選択することを特徴とする。
【0010】
(5)本発明に係る移報基板は、端末機器から信号を受信する受信手段と、前記信号の受信を受けて情報を出力する制御手段とを備える火災受信機に取り付けられる移報基板であって、前記情報をインターネットプロトコルに従って外部の機器に出力する。
【発明の効果】
【0011】
(1)、(2)または(5)の構成によれば、火災受信機に、インターネットプロトコルに従って情報を出力させることができ、多様な機器と火災情報等を共有できる。また、インターネットプロトコルを用いて接続できることで、火災受信機が設置されている建物以外の場所にある機器との火災情報等の共有も可能となる。
(3)の構成によれば、火災受信機に、インターネットプロトコルだけでなく他の通信プロトコルに従って情報を出力させることができる。
(4)の構成によれば、火災受信機に、情報に応じた出力先の選択を行わせることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.実施形態
図1は、本発明の一実施形態に係る防災システム1の構成の一例を示す図である。防災システム1は、火災感知器10(端末機器の一例)と、総合操作盤20と、メッセージ表示機30と、火災情報配信サーバ40と、火災受信機50とを備える。火災感知器10は、伝送線60を介して火災受信機50と接続される。総合操作盤20とメッセージ表示機30は、防災LAN70を介して火災受信機50と接続される。火災情報配信サーバ40は、インターネット90を介して火災受信機50と接続される。総合操作盤20とメッセージ表示機30は、防災LAN70に接続される外部機器の一例であり、固有の防災LAN用アドレス(以下、「LANアドレス」)が付与されている。また、火災情報配信サーバ40は、インターネット90に接続される外部機器の一例であり、固有のインターネット用アドレス(以下、「IPアドレス」)が付与されている。
【0014】
火災感知器10は、例えば、煙感知器、熱感知器、炎感知器等の感知器である。火災感知器10は、防火対象物である建物の各所に設置される。火災感知器10は、電源兼信号線となる伝送線60を介して火災受信機50に接続されて各々識別情報(以下、「アドレス」)を有し、火災を感知すると、自機のアドレスを含む火災信号を火災受信機50に出力する。その際、火災感知器10は、火災受信機50と端末機器との間で用いられる専用の通信方式、例えば、伝送線60を用いた専用のサイクリックポーリング方式やポイントポーリング/セレクティング方式等の端末伝送用の通信方式に従って火災信号を出力する。
【0015】
総合操作盤20は、表示部を備え、火災受信機50から火災情報を受信すると、当該情報を表示部に表示させる。総合操作盤20は、例えば、防火対象物である建物内の防災センタに設置される。
【0016】
メッセージ表示機30は、火災受信機50から火災情報を受信すると、当該情報を表示する。メッセージ表示機30は、防火対象物である建物の各所に設置される。
【0017】
火災情報配信サーバ40は、火災受信機50から火災情報を受信すると、防火対象物である建物の在館者が所持する携帯端末に対して、インターネット90を介して当該情報を配信する。
【0018】
火災受信機50は、火災感知器10から火災信号を受信し、詳細に説明しないが火災警報動作を行って火災の発生を防火対象物の関係者に通知する。火災受信機50は、例えば、防火対象物である建物内の防災センタに設置される。火災受信機50は、
図1に示すように、伝送基板51と、メイン基板52と、移報基板53とを備える。各基板は、火災受信機50の筺体内に格納されて、図示しないコネクタや配線等を介して隣接する基板間で接続されている。また、各基板は、各々、MPUと、ROMと、RAMとを備え、MPUが、ROMに記憶されるプログラムを実行することで各種の機能を実現する。メイン基板52は、さらに、各火災感知器10のアドレスと種別と位置とを対応付けるデータベースを格納するメモリカードを備える。なお、上記各基板は、ユニットとして構成されてもよく、形式的に一枚の基板に複数ユニットが搭載されていてもよい。
【0019】
伝送基板51は、火災感知器10から火災信号を受信する受信手段である。伝送基板51は、伝送線60を介して火災信号を受信すると、当該信号を、ネットワーク規格であるCAN(Controller Area Network)等の盤内伝送に従って出力される火災信号に変換し、メイン基板52に出力する。なお、火災受信機50は、伝送基板51を用い、伝送線60を介して端末機器としての各火災感知器10と通信する、所謂R型の火災受信機を用いているが、伝送線60の代わりに信号線を用い、その信号線間のスイッチング動作(オンオフ信号)を検出する信号検出基板を用いる、所謂P型の火災受信機であってもよい。
【0020】
メイン基板52は、盤内伝送によって伝送基板51による火災信号の受信を受けて、火災情報を出力する制御手段である。具体的には、メイン基板52は、伝送基板51から出力された火災信号を受信すると、火災情報を生成して、CAN等の盤内伝送に従って移報基板53に出力する。ここで、火災情報は、例えば、火災を感知した火災感知器10のアドレス、種別および位置ならびに火災発生日時を示す情報である。
【0021】
なお、火災感知器10が火災に関するアナログ信号を送信し、伝送基板51が各火災感知器10から収集したアナログ信号を一括で(火災判別せずに)メイン基板52に送信し、メイン基板52が火災判別してもよい。
【0022】
移報基板53は、メイン基板52により出力された火災情報を、インターネット90を介して、インターネットプロトコル(IP)に従って外部の機器に出力する移報手段である。移報基板53は、インターネットプロトコルに従って火災情報を出力するために、メイン基板52によりCAN等の盤内伝送に従って出力された火災情報を、汎用性の高いインターネットプロトコルに従って出力される火災情報に変換する。また、移報基板53は、メイン基板52により出力された火災情報を、防災LAN70を介して、インターネットプロトコルとは異なる他の通信プロトコルである装置間伝送の通信プロトコルRS−422に従って他の外部の機器に出力する移報手段である。移報基板53は、RS−422に従って火災情報を出力するために、メイン基板52によりCAN等の盤内伝送に従って出力された火災情報を、RS−422等の装置間伝送に従って出力される火災情報に変換する。ここで、移報基板53は、防災LAN70に接続される外部機器(総合操作盤20およびメッセージ表示機30)のLANアドレスを記憶するLANアドレス記憶部と、インターネット90に接続される外部機器(火災情報配信サーバ40)のIPアドレスを記憶するIPアドレス記憶部とを有し、当該LANアドレス記憶部とIPアドレス記憶部とを参照して、火災情報の出力先に応じて、当該情報を出力する際に使用する通信プロトコルを選択する。すなわち、移報基板53は、火災情報の出力先に応じて、当該情報を出力する際に使用する通信プロトコルを、インターネットプロトコルとRS−422のうちから選択する。そして、LANアドレス又はIPアドレスを付与した火災情報を、対応する出力ルート(防災LAN70又はインターネット90)を介して、選択した通信プロトコルに従って出力する。
【0023】
LANアドレス記憶部とIPアドレス記憶部とは、例えば移報基板53に備わるメモリカードに格納される。なお、LANアドレス記憶部とIPアドレス記憶部とは、移報基板53に代えてメイン基板52に備わるようにして、火災情報の出力先に応じて、当該情報を出力する際に使用する通信プロトコルの選択を、メイン基板52が移報基板53に通知してもよい。
【0024】
なお、本実施形態において移報基板53は、インターネットプロトコルとして、TCP/IPを使用する。また、移報基板53は、インターネットプロトコルに従って火災情報を出力する際、当該情報を暗号化してもよい。なお、防災LAN70は、RS−422のような装置間伝送で専用のプロトコルを利用した複数機器での火災情報を共有するためのネットワークである。
【0025】
図2は、火災発生時の火災受信機50の動作の一例を示すフロー図である。火災受信機50の伝送基板51は、火災感知器10から火災信号を受信すると(S1)、端末伝送用の通信方式に従って送出された当該信号を、盤内伝送であるCANに従って出力される信号に変換し(S2)、メイン基板52に出力する(S3)。
【0026】
メイン基板52は、伝送基板51から出力された火災信号を受信すると、火災情報を生成し(S4)、盤内伝送であるCANに従って移報基板53に出力する(S5)。
【0027】
移報基板53は、メイン基板52から出力された火災情報を受信すると、盤内伝送であるCANに従って送出された当該信号を、装置間伝送のRS−422に従って出力される信号に変換し(S6)、LANアドレス記憶部を参照して、防災LAN70を介して総合操作盤20とメッセージ表示機30とに出力する(S7)。総合操作盤20とメッセージ表示機30は、移報基板53から出力された火災情報を受信すると、当該情報を表示する。
【0028】
また、移報基板53は、メイン基板52から出力された火災情報を受信すると、盤内伝送であるCANに従って送出された当該信号を、インターネットプロトコルのTCP/IPに従って出力される信号に変換し(S8)、IPアドレス記憶部を参照して、インターネット90を介して火災情報配信サーバ40に出力する(S9)。火災情報配信サーバ40は、移報基板53から出力された火災情報を受信すると、当該情報をインターネット90を介して携帯端末に配信する。
以上が、火災発生時の火災受信機50の動作の一例である。
【0029】
以上説明した火災受信機50によれば、汎用性の高いインターネットプロトコルに従って火災情報が出力される。そのため、RS−422に対応していない機器であっても、インターネットプロトコルに対応していれば火災情報を受信することができ、さらに火災情報の移報先が遠隔的な場所にある機器であっても、各種のネット通信網が使用できるために送信可能である。また、従来であれば、火災情報をインターネット90経由で配信するためには、火災受信機50から出力される火災情報の通信プロトコルを変換するための装置を火災受信機50に接続する必要があったが、本実施形態に係る火災受信機50であれば、そのような装置の接続が不要となる。その結果、省スペース化が図れる。
【0030】
2.変形例
上記の実施形態は下記のように変形してもよい。また、下記の1以上の変形例は互いに組み合わせてもよい。
【0031】
2−1.変形例1
火災信号は、火災感知器10から出力されて、火災受信機50により受信される信号の一例である。火災感知器10は、例えば、自機の故障を検出した場合には、故障検出信号を火災受信機50に対して出力してもよい。火災受信機50のメイン基板52は、火災信号に代えて故障検出信号を伝送基板51から受信すると、火災情報に代えて故障検出情報を生成して、移報基板53に出力する。ここで、故障検出情報は、例えば、故障を検出した火災感知器10のアドレスおよび位置、故障の種別ならびに故障発生日時を示す情報である。
【0032】
火災感知器1は、端末機器の一例である。火災受信機50は、火災感知器10以外に、ガス漏れ検知器と伝送線60を介して接続されてもよい。ガス漏れ検知器は、防火対象物である建物の各所に設置される。ガス漏れ検知器は、各々識別情報(アドレス)を有し、ガス漏れを検知すると、自機のアドレスを含むガス漏れ検出信号を火災受信機50に出力する。火災受信機50のメイン基板52は、火災信号に代えてガス漏れ検出信号を伝送基板51から受信すると、火災情報に代えてガス漏れ検出情報を生成して、移報基板53に出力する。ここで、ガス漏れ検出情報は、例えば、ガス漏れを検出したガス漏れ検知器のアドレスおよび位置ならびにガス漏れ発生日時を示す情報である。
【0033】
また、火災受信機50は、監視カメラと伝送線60を介して接続されてもよい。監視カメラは、防火対象物である建物の各所に設置される。監視カメラは、各々識別情報(アドレス)を有し、自機のアドレスを含む映像信号を火災受信機50に出力する。火災受信機50のメイン基板52は、火災信号に代えて映像信号を伝送基板51から受信すると、映像を圧縮して映像情報を生成して、火災情報に代えて移報基板53に出力する。
【0034】
2−2.変形例2
総合操作盤20およびメッセージ表示機30は、防災LAN70に接続される外部機器の一例である。防災LAN70にはその他にも、例えば火災受信機50が分散型の火災受信機である場合には、他の火災受信機50が接続されて、さらに他の火災受信機50に総合操作盤20がセットで接続されたりして、火災情報が共有されてもよい。
【0035】
2−3.変形例3
火災情報配信サーバ40は、インターネット90に接続される外部機器の一例である。インターネット90にはその他にも、例えば、非常用放送機器や、デジタルサイネージ等の表示装置や、遠隔監視システムが接続されて、火災情報が共有されてもよい。
【0036】
2−4.変形例4
CANは、火災受信機50の基板間で使用される通信プロトコルとしての盤内伝送の一例である。CANに代えて、例えば盤内伝送用としてRS−422が使用されてもよい。
【0037】
2−5.変形例5
RS−422は、特に1対1の機器間で接続される場合に適した装置間伝送の通信プロトコルであって、移報基板53から防災LAN70を形成して火災情報が出力されて共有される際に使用される通信プロトコルの一例である。RS−422に代えて、RS−485等の他の装置間伝送用の通信プロトコルが使用されてもよい。
【0038】
2−6.変形例6
移報基板53は、情報の内容に応じてその出力先の機器を選択するようにしてもよい。例えば、移報基板53は、火災情報を出力する場合には、その出力先として、総合操作盤20、メッセージ表示機30および火災情報配信サーバ40を選択する一方で、故障検出情報を出力する場合には、総合操作盤20のみを選択するようにしてもよい。別の例として、移報基板53は、映像情報を出力する場合には、その出力先として、総合操作盤20および火災情報配信サーバ40を選択するようにしてもよい。即ち、移報基板53は、重要度の高い情報、例えば火災情報を出力する場合には、その出力先として、防災LAN70、インターネット90に接続された全ての機器(総合操作盤20、メッセージ表示機30および火災情報配信サーバ40)を選択する一方で、重要度の低い情報、例えば火災情報以外のその他の情報を出力する場合には、その出力先として、防災LAN70、インターネット90に接続された全ての機器(総合操作盤20、メッセージ表示機30および火災情報配信サーバ40)のうち、必要な(所定の)範囲の機器を選択するようにしてもよい。
【0039】
移報基板53は、火災情報等の情報の種類と、インターネット90を介した出力先となる外部機器のIPアドレスとの対応関係を示す情報種類−IPアドレス対応テーブルを有し、当該テーブルを参照して、情報の内容に応じて、インターネット90を介した出力先の機器を選択する。また、移報基板53は、火災情報等の情報の種類と、防災LAN70を介した出力先となる外部機器のLANアドレスとの対応関係を示す情報種類−LANアドレス対応テーブルを有し、当該テーブルを参照して、情報の内容に応じて、防災LAN70を介した出力先の機器を選択する。なお、情報種類−IPアドレス対応テーブルと情報種類−LANアドレス対応テーブルとは、例えば、移報基板53に備わるメモリカードに格納される。なお、これらのテーブルは、移報基板53に代えてメイン基板52に備わるようにして、この出力先の選択を、移報基板53に代えて、メイン基板53が行って、メイン基板52が移報基板53に通知してもよい。
【0040】
2−7.変形例7
防災LAN70に接続されている総合操作盤20とメッセージ表示機30に代えて、インターネットプロトコルに対応する総合操作盤とメッセージ表示機とがインターネット90を介して火災受信機50に接続される場合には、即ち、防災LAN70が不要の場合には、火災受信機50の移報基板53は、メイン基板52によりCANに従って出力された火災情報を、RS−422に従って出力される火災情報に変換する機能を有しなくてもよい。
【0041】
また、防災LAN70に接続可能な外部機器(総合操作盤20またはメッセージ表示機30)は、インターネットプロトコルに対応する機能を有して、インターネット90を介しても、火災受信機50に接続可能な構成であってもよい。防災LAN70及びインターネット90を介して火災受信機50に接続された場合、外部機器(総合操作盤20またはメッセージ表示機30)は、RS−422及びインターネットプロトコルに従って火災受信機50から出力された火災情報等の各種情報を受信することができる。このとき、移報基板53は、情報の内容に応じてその出力ルート(防災LAN70又はインターネット90)を選択して、外部機器が情報を受信する出力ルートを選択可能としてもよい。
【0042】
例えば、移報基板53は、重要度の高い情報、例えば火災情報を出力する場合には、防災LAN70の出力ルートのみを選択して、外部機器(総合操作盤20またはメッセージ表示機30)に対して送信し、インターネット90による送信をしないことにより、インターネット90の出力ルートしかない外部機器(火災情報配信サーバ40)が火災情報を確実に受信できるようにする。一方、重要度の低い情報、例えば火災情報以外のその他の情報を出力する場合には、防災LAN70及びインターネット90の2つの出力ルートを選択して、外部機器(総合操作盤20またはメッセージ表示機30)に対して送信することで、外部機器(総合操作盤20またはメッセージ表示機30)がその他の情報を確実に受信できるようにする。
【0043】
なお、出力ルートの設定は、前述したIPアドレス記憶部とLANアドレス記憶部、又は、情報種類−IPアドレス対応テーブルと情報種類−LANアドレス対応テーブル、のいずれかを設定することで実現できる。
【0044】
2−8.変形例8
上記の実施形態または変形例に係る移報基板53は、火災受信機50に対して着脱可能なオプション基板であってもよい。
【0045】
2−9.変形例9
移報基板53は、火災受信機50の内部に備えられるものとして説明したが、例えば、火災報知設備用機器としてのその他の外部機器(総合操作盤20またはメッセージ表示機30)等の内部に備えられるものであってもよい。
【0046】
なお、防災LAN70を介して、火災受信機が外部機器に各種情報を出力する構成である既設の防災システムを、システムの拡張性等を考慮して、インターネット90を介して、火災受信機50が外部機器に各種情報を出力する構成である新設の防災システム1として、リニューアル更新したいという要望があり、その場合、上述した実施形態及び各変形例の防災システム1は有用である。
【0047】
リニューアル更新の手順は、例えば、以下の通りである。
まず、既設の火災受信機において、RS−422に対応しているが、インターネットプロトコルに対応していない既設の移報基板を、RS−422及びインターネットプロトコルに対応している移報基板53に更新するか、又は、既設の火災受信機を、RS−422及びインターネットプロトコルに対応している火災受信機50に更新する。即ち、既設の火災受信機を新設の火災受信機50相当に更新する。
【0048】
つぎに、防災LAN70に接続されている既設の外部機器の代わりとして、インターネットプロトコルに対応している新設の外部機器を、順次、インターネット90に接続する。即ち、既設の外部機器を新設の外部機器に更新する。なお、前述のIPアドレス記憶部、LANアドレス記憶部、情報種類−IPアドレス対応テーブル、情報種類−LANアドレス対応テーブル等の必要なデータは、新設の外部機器への更新に対応して、順次、更新される。
【0049】
最後に、新設の外部機器への更新完了後、防災LAN70及び既設の外部機器を、新設の火災受信機50から取り外す。