(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6462732
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】液体の処理のための施設およびそのような施設を制御するための方法
(51)【国際特許分類】
C02F 3/12 20060101AFI20190121BHJP
C02F 3/18 20060101ALI20190121BHJP
C02F 3/16 20060101ALI20190121BHJP
B01F 3/04 20060101ALI20190121BHJP
【FI】
C02F3/12 H
C02F3/12 B
C02F3/18
C02F3/16
B01F3/04 D
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-573735(P2016-573735)
(86)(22)【出願日】2015年6月15日
(65)【公表番号】特表2017-518178(P2017-518178A)
(43)【公表日】2017年7月6日
(86)【国際出願番号】IB2015054499
(87)【国際公開番号】WO2015193783
(87)【国際公開日】20151223
【審査請求日】2017年2月13日
(31)【優先権主張番号】1450755-2
(32)【優先日】2014年6月17日
(33)【優先権主張国】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】515160426
【氏名又は名称】ザイレム・アイピー・マネジメント・ソシエテ・ア・レスポンサビリテ・リミテ
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】ウビィ,ラルス
【審査官】
片山 真紀
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−216487(JP,A)
【文献】
特開平11−104684(JP,A)
【文献】
特開2002−320994(JP,A)
【文献】
実開昭59−093798(JP,U)
【文献】
特開2008−246483(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0256225(US,A1)
【文献】
特開平11−70394(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/00−9/14
B01F 1/00−5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃水の処理のための施設を制御するための方法であって、前記施設(1)が、
− 循環流路によって構成され、廃水を収容するように構成される槽(2)と、
− 前記槽(2)に配置される水中攪拌機によって構成され、かつ前記槽(2)に前記循環流路に沿って廃水流を発生させるように構成される少なくとも1つの流れ発生機(6)であって、前記流れ発生機(6)の動作速度Nは、固形物が前記槽(2)の底に蓄積することを防止するように所定の最低許容動作速度Nminより高く、前記流れ発生機(6)に過負荷がかかることを防止するように所定の最高許容動作速度Nmaxより低い、流れ発生機(6)と、
− 前記槽(2)に配置され、かつ前記流れ発生機(6)により発生する前記廃水流の運動量に影響を及ぼす少なくとも1つの機器(7)と、
− 前記少なくとも1つの流れ発生機(6)に作動的に接続される制御ユニット(8)とを備える方法において、
− 前記制御ユニット(8)に、前記流れ発生機(6)での前記槽(2)の所定の廃水流速Vに対する、前記流れ発生機(6)の動作速度Nと前記流れ発生機(6)の動作パラメータPとの間の所定の関係を記憶するステップであって、前記動作パラメータPは、前記流れ発生機(6)のトルクMまたは前記流れ発生機(6)のトルクMが導出されることができる他の動作パラメータのいずれかである、ステップと、
− 前記制御ユニット(8)によって前記流れ発生機(6)の前記動作速度Nを決定するステップと、
− 決定した前記動作速度Nから、前記流れ発生機(6)の前記動作速度Nと前記流れ発生機(6)の前記動作パラメータPとの間の前記関係に基づいて前記流れ発生機(6)の前記動作パラメータPの設定値を決定するステップと、
− 前記制御ユニット(8)を用いて、前記流れ発生機(6)の前記動作パラメータPの実際値を決定するステップと、
− 前記制御ユニット(8)を用いて、前記流れ発生機(6)の前記動作パラメータPの前記実際値が前記流れ発生機(6)の前記動作パラメータPの前記設定値とは異なれば前記流れ発生機(6)の前記動作速度Nを調節するステップとを特徴とする方法。
【請求項2】
前記動作パラメータPが前記流れ発生機(6)の前記トルクMによって構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記動作パラメータPが前記流れ発生機(6)によって消費される電流Iによって構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記流れ発生機(6)の前記動作パラメータPの実際値が前記流れ発生機(6)の前記動作パラメータPの前記設定値より大きければ、前記流れ発生機(6)の前記動作速度Nが増加されるものとする、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記流れ発生機(6)の前記動作パラメータPの実際値が前記流れ発生機(6)の前記動作パラメータPの前記設定値より小さければ、前記流れ発生機(6)の前記動作速度Nが減少されるものとする、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの機器(7)が機械式表面曝気装置によって構成される、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記機械式表面曝気装置が水平回転軸を備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記機械式表面曝気装置が垂直回転軸を備える、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの機器(7)が前記槽(2)の底に配置される曝気セクタによって構成される、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
廃水の処理のための施設であって、
− 循環流路によって構成され、廃水を収容するように構成される槽(2)と、
− 前記槽(2)に配置される水中攪拌機によって構成され、かつ前記槽(2)に前記循環流路に沿って廃水流を発生させるように構成される少なくとも1つの流れ発生機(6)であって、前記流れ発生機(6)の動作速度Nは、固形物が前記槽(2)の底に蓄積することを防止するように所定の最低許容動作速度Nminより高く、前記流れ発生機(6)に過負荷がかかることを防止するように所定の最高許容動作速度Nmaxより低い、流れ発生機(6)と、
− 前記槽(2)に配置され、かつ前記流れ発生機(6)により発生する前記廃水流の運動量に影響を及ぼす少なくとも1つの機器(7)と、
− 前記少なくとも1つの流れ発生機(6)に作動的に接続される制御ユニット(8)
とを備える、施設において、
前記制御ユニット(8)が、前記流れ発生機(6)での前記槽(2)の所定の廃水流速Vに対する、前記流れ発生機(6)の動作速度Nと前記流れ発生機(6)の動作パラメータPとの間の所定の関係を含み、前記動作パラメータPは、前記流れ発生機(6)のトルクMまたは前記流れ発生機(6)のトルクMが導出されることができる他の動作パラメータのいずれかであり、前記制御ユニット(8)が、前記流れ発生機(6)の前記動作速度Nと前記流れ発生機(6)の前記動作パラメータPとの間の前記関係に基づいて所与の動作速度Nから前記流れ発生機(6)の前記動作パラメータPの設定値を決定し、前記流れ発生機(6)の前記動作パラメータPの実際値を決定し、そして前記流れ発生機(6)の前記動作パラメータPの前記実際値が前記流れ発生機(6)の前記動作パラメータPの前記設定値とは異なれば前記流れ発生機(6)の前記動作速度Nを調節するように構成されることを特徴とする、施設。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、液体の処理、とりわけ液体の生物処理のための施設(換言すれば、プラント)および施設を制御するための方法に関する。本発明はとりわけ、廃水などの液体の処理に適切な施設および施設を制御するための方法に関し、ここで施設は、液体を収容するように構成される槽と、槽に配置され、かつ槽に液体流を発生させるように構成される少なくとも1つの流れ発生機と、槽に配置され、かつ液体流の運動量に影響を及ぼす少なくとも1つの機器と、上記少なくとも1つの流れ発生機に作動的に接続される制御ユニットとを備える。
【背景技術】
【0002】
循環流路、または環状流路は通常、液体、とりわけ廃水の生物処理または酸化の間使用される上方に開いた無端槽である。廃水/液体は循環流路に沿って流れるようにされ、そしてそれによって循環流路における異なる区域を通るようにされる。
【0003】
そのような生物処理の間に、廃水は通常、微生物に生物物質を二酸化炭素と水に分解させることによって、かつ細菌に水結合窒素を空中窒素に変換させることによって、窒素および生物物質が浄化される。浄化した廃水は自然界に放出され、そして水結合窒素が除去されない場合には、自然の水流に富栄養化の危険性があり、かつ生物物質が相当量の酸素を消費しているという事実のために、不十分に浄化した水が放出されれば、酸素が欠乏した水流が発生される。生物物質を分解することは、1つまたは複数の曝気セクタを用いて廃水に大量の酸素を添加することによって促進され、そして水結合窒素の除去は、循環流路において添加酸素のない範囲でもしくは添加酸素のない別々の槽で、および/または溶存酸素レベルが十分に低い範囲/槽で行われる。
【0004】
循環流路に沿った1つまたは少数の場所で、機械式表面曝気装置、底設曝気装置部分、噴流曝気装置などを用いて酸素が廃水に供給される。いわゆる活性汚泥中の微生物は、廃水に存在する生物物質を分解するための他に、おそらくとりわけ硝酸アンモニウムの硝化のために酸素を消費する。
【0005】
できる限り均質の液体混合物を得るために液体/廃水を撹拌して、生物物質を懸濁させておく他に、循環流路に沿って循環する/流れる液体流を発生させるために、循環流路において流れ発生機/撹拌機が使用される。
【0006】
いくつかの既知の液体処理の工程では、循環流路に沿った液体流速が所定の一定のレベルに保たれることが要求される。1つの流れ発生機および均質の液体のみを有する理論上の循環流路では、これは、流れ発生機を一定の動作速度で動作させることによって容易に果たされる。しかしながら、実際には液体は経時的に均質でなく、そしてその他に処理施設は、循環流路に配置され、かつ流動液体の運動量に正の方向にまたは負の方向に影響を及ぼす機器を備える。液体流の運動量の変化は液体流の速度が影響を受ける/変化されることを伴う。これらの機器の影響は様々な動作のために時間とともに可変でもよい。流入廃水の状況が時間とともに変化されるという事実に基づいて、添加酸素の量も時間とともに変更されなければならず、そして変更した強度は液体流の速度が影響を受けることを伴う。
【0007】
液体流の変化する速度は、流れ発生機の動作速度を修正することによって補償されてもよいが、しかしながらこれは、外乱に影響されやすく、そして定修を必要とする高価な速度センサを用いて液体流の速度が監視されることを要求する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、処理施設の動作のための費用を低減させる目的で、処理施設を制御するための既知の方法を改善し、そしてそれによって液体の処理に適切な処理施設を制御するための改善された方法を提供しようと意図する。本発明の基本的な目的は冒頭に定義した種類の改善された方法を提供することであり、それは、液体流の一定の速度が外部速度センサを必要とせず達成されることができることを伴う。外部速度センサは、それらが高価であり、かつそれらが外乱に影響されやすく、そしてそれによって不正確な情報を提供する恐れがあるので、監視および保守を必要とするという欠点を被る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、少なくとも基本的な目的は冒頭に定義した方法を用いて達せられ、その特徴は独立請求項に定義される。本発明の好適な実施形態が従属請求項にさらに定義される。
【0010】
本発明の第1の態様によれば、冒頭に定義した種類の方法が提供され、その方法は、制御ユニットに、流れ発生機の動作速度Nと流れ発生機のトルクMが導出されることができる動作パラメータPとの間の所定の関係を記憶するステップであって、その関係が流れ発生機での槽における所定の液体流速Vによって決まるステップと、流れ発生機の動作速度Nを決定するステップと、決定した動作速度Nから、流れ発生機の動作速度Nと流れ発生機の動作パラメータPとの間の上記関係に基づいて流れ発生機の動作パラメータPの設定値を決定するステップと、制御ユニットを用いて、流れ発生機の動作パラメータPの実際値を決定するステップと、制御ユニットを用いて、流れ発生機の動作パラメータPの実際値が流れ発生機の動作パラメータPの設定値とは異なれば流れ発生機の動作速度Nを調節するステップとを特徴とする。
【0011】
本発明の第2の態様によれば、冒頭に定義した種類の施設が提供され、それは、制御ユニットが、流れ発生機の動作速度Nと流れ発生機のトルクMが導出されることができる動作パラメータPとの間の所定の関係を含み、その関係が流れ発生機での槽における所定の液体流速Vによって決まり、制御ユニットが、流れ発生機の動作速度Nと流れ発生機の動作パラメータPとの間の上記関係に基づいて所与の動作速度Nから流れ発生機の動作パラメータPの設定値を決定し、流れ発生機の動作パラメータPの実際値を決定し、そして流れ発生機の動作パラメータPの実際値が流れ発生機の動作パラメータPの設定値とは異なれば流れ発生機の動作速度Nを調節するように構成されることを特徴とする。
【0012】
したがって、本発明は、流れ発生機の動作速度およびトルクMが導出されることができる動作パラメータPを監視することによって、液体流の所定の速度が外部速度センサを必要として得られてもよいという理解に基づく。
【0013】
本発明の好適な実施形態によれば、槽は循環流路によって構成され、ここで上記少なくとも1つの流れ発生機は循環流路に沿って液体流を発生させるように構成される。
本発明の好適な実施形態によれば、流れ発生機の動作速度Nは、流れ発生機の動作パラメータPの真値が流れ発生機の動作パラメータPの設定値より大きければ増加され、そして流れ発生機の動作パラメータPの真値が流れ発生機の動作パラメータPの設定値より小さければ減少されるものとする。
【0014】
本発明の好適な実施形態によれば、上記少なくとも1つの機器は機械式表面曝気装置、とりわけ水平回転軸を備える機械式表面曝気装置によって構成される。
本発明の好適な実施形態によれば、動作パラメータPは流れ発生機が消費する電流Iによって構成される。
【0015】
本発明に関する他の利点およびその特徴は、その他の従属請求項からの他に以下の好適な実施形態の詳細な説明から明らかだろう。
本発明の上述のおよび他の特徴および利点のより完全な理解は、添付の図面を参照して以下の好適な実施形態の詳細な説明から明らかだろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1の実施形態に係る本発明の施設の概略図である。
【
図2】第2の実施形態に係る本発明の施設の概略図である。
【
図3】第3の実施形態に係る本発明の施設の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
最初に
図1に参照がなされる。本発明は、生物質(biological matter)を含む、廃水などの液体の処理/浄化に適切な、全体的に1で表される施設に関する。施設1は処理されるべき液体を収容するように構成される槽2を備える。
【0018】
開示した実施形態において、施設は処理施設によって構成され、そして本明細書の以下の説明は処理施設という用語を用いて書かれるが、しかし他の規定がなければ他の同等の施設が含まれると認識されるものとする。その他に、槽2は開示した実施形態において循環流路によって構成され、そして本明細書の以下の説明は循環流路という用語を用いて書かれるが、しかし他の規定がなければ循環流路でない槽も同等物としてみなされ、かつ含まれるべきであると認識されるものとする。
【0019】
したがって、処理施設1は、処理されるべき液体を収容するように構成される無端の循環流路2またはレーストラックを備える。開示した実施形態において、循環流路2は、湾曲した端部を有し、かつ中央に設けられる長手仕切り3を備える長楕円槽によって構成され、循環流路2は2つの方向転換/半円流路区間を用いて互いに接続される2つの平行な直線流路区間を得る。方向転換流路区間は開示した実施形態において液体流の方向転換を容易にする案内壁4を備える。循環流路が任意の他の考えられる形状、たとえば円環形状または蛇行形状を呈してもよく、そしてしたがって循環流路がそれぞれいくつかの直線および方向転換流路区間を備えてもよいか、または完全に円形/楕円形のトラック形状を呈してもよいことが指摘されるべきである。
【0020】
循環流路2は所定の充填高さ/液位まで液体/廃水を収容するように適合されるとはいえ、動作中の実際の液位は本発明が相当に影響を受けることなく上記充填高さの下でも上でもよい。廃水は本発明の処理施設1において連続式かまたはバッチ式かで浄化され、そして廃水体積を上記所定の充填高さまで到達するようにさせることによって、処理施設1の最適利用が得られる。典型的な充填高さは約3〜8メートルである。連続処理の間、液体が循環流路2から連続的に除去されるのと同時に、液体が循環流路2に連続的に供給される。連続処理の間の入力および出力は循環流の一部分、通常循環流の約1/30〜1/20である。循環流路2は、液体が流れるものと意図される、矢印5を用いて概略的に図示される所定の流れ方向を有するように構成される。
【0021】
その他に、本発明の処理施設1は循環流路2に配置される少なくとも1つの流れ発生機6を備え、通常2つ以上の流れ発生機が互いの隣に設けられる。流れ発生機6は上記循環流路2に沿って流れる液体流を発生させるように構成され、かつ1つまたは複数の水中撹拌機、しばしば100rpm未満の範囲の、通常は20〜50rpm範囲の毎分回転数で回転するプロペラを有するいわゆる低速動作撹拌機によって構成されてもよい。いくつかの設置法では、処理施設1は2つ以上の場所で流れ発生機6を備え、それらは好ましくは循環流路2に沿って相互に等距離に配置される。好ましくは、流れ発生機6への影響を有し、そして液体流の発生に悪影響を及ぼす、循環流路2の壁からの反力が生じないように、流れ発生機6は循環流路2の方向転換流路区間からある距離をおいて設けられるべきである。
【0022】
その他に、本発明の処理施設1は、循環流路2に配置され、かつ流動液体の運動量に影響を及ぼす少なくとも1つの機器7を備える。機器7は液体流の運動量によって正の向き、すなわち液体流に速度を加える運動量供給源、または負の向き、すなわち液体流の速度を低下させる運動量吸収源、に影響を受けてもよい。機器7は不動機器または可動機器、能動機器または受動機器でもよい。
【0023】
本発明の処理施設1は制御ユニット8も備え、それは上記少なくとも1つの流れ発生機6に作動的に接続され、かつたとえば流れ発生機6を動作させる電流の周波数を制御することによって、上記流れ発生機6が駆動されるべき動作速度Nを制御する。制御ユニット8は外部制御ユニットまたは流れ発生機6に統合される制御ユニットによって構成されてもよい。
【0024】
図1に開示した実施形態において、機器7は水平回転軸を有する機械式表面曝気装置によって構成される。そのような水平回転軸を有する機械式表面曝気装置は、
図1に開示した実施形態によれば、径方向にそこから突出する羽根/アーム/ブラシ10を有する横軸9を備える。軸9は好ましくは循環流路2における液位と同高にまたはその上方に設けられる。水平回転軸を有する機械式表面曝気装置は開示した実施形態において直線流路区間の中央に配置されるが、しかしながら、好ましくは直線流路区間の最初になど、他の場所が考えられる。横軸9の回転に応じて羽根10は、空気から廃水/液体に酸素(O
2)を移動するために、液体上方の空気が液体と混合されるようにする。
【0025】
図2に開示した実施形態において、機器7は垂直回転軸を有する機械式表面曝気装置によって構成される。そのような垂直回転軸を有する機械式表面曝気装置は、開示した実施形態によれば、径方向にそこから突出する羽根/アーム12を有する、かつ/または軸方向にそこから突出する羽根/アームを有する立軸11を備える。軸11は、開示した実施形態におけるように循環流路2における液位上方の高さから循環流路2における液位下の高さまで延在するか、または軸方向の羽根/アームを有する実施形態において好ましくは液位上方に設けられる。垂直回転軸を有する機械式表面曝気装置は開示した実施形態において方向転換流路区間に配置されるが、しかしながら他の場所が考えられる。立軸11の回転に応じて羽根12は、空気から廃水/液体に酸素(O
2)を移動するために、液体上方の空気が液体と混合されるようにする。
【0026】
そのような機械式表面曝気装置、すなわち水平型および垂直型は流動液体の運動量に正の他に負の方向にも影響を及ぼすことができ、そして好ましくは機械式表面曝気装置は制御ユニット8に作動的に接続され、その結果機械式表面曝気装置の動作速度/回転速度が調節/変更されることができ、その他に曝気装置の水中深度を調節/変更することが考えられる。他の種類の機械式表面曝気装置が考えられるが、本明細書には開示されない。
【0027】
図3に開示した実施形態において、処理施設1は、液体に酸素を含む気体流Qを提供するように構成される、全体的に13で表される曝気設備を備える。曝気設備13は好ましくは少なくとも1つの曝気セクタ14を備える。曝気セクタ14は開示した実施形態において直線流路区間の中央に配置されるが、しかしながら、好ましくは直線流路区間の最初にもしくは直線流路区間の全長に沿って、および/または方向転換流路区間になど、他の場所も考えられる。上記少なくとも1つの曝気セクタ14は好ましくは循環流路2の底に配置され、かつ気体から廃水/液体に酸素(O
2)を移動するために、曝気設備13から液体に気体流Qを提供するように構成される。気体流Qは空気などの酸素含有気体、他の酸素含有気体混合物または純酸素によって構成される。曝気セクタ14はたとえば、全体として循環流路2の幅の全体または主要部に及ぶ多数の散気装置または曝気装置部材15、好ましくはいわゆる微細気泡曝気装置によって構成される。曝気設備13はその他に、パイプシステム17を介して曝気セクタ14に気体を提供する少なくとも1つの送風機16を備え、送風機16は好ましくは制御ユニット8に作動的に接続され、その結果送風機16の動作速度/回転速度が調節/変更されることができる。曝気設備13は流動液体の運動量に正の他に負の方向にも影響を及ぼすことができる。
【0028】
代替の開示しない実施形態において、機器7はいわゆる噴流曝気装置/ベンチュリ曝気装置によって構成される。それは液体を吸い上げてノズルを通して圧送し、その結果循環流路2における液位上方からの空気がノズルに吸い込まれて、圧送される液体と混合される。噴流曝気装置は流動液体の運動量に正の方向に影響を及ぼす。
【0029】
機器7は必ずしも曝気装置によって構成される必要があるわけではなく、たとえば循環流路2に設けられる板または他の静止した非能動機器7によって構成されることができると認識されるものとする。機器はまた、たとえば槽における液位を上昇/下降させるように構成されるポンプ装置によって構成されてもよい。
【0030】
ここで
図1に参照がなされるが、しかしながら他の規定がなければそれは他の実施形態にも対応して当てはまると認識されるものとする。
最適な実施形態において、均質で均一の液体流が機械式表面曝気装置7に到達し、そして流れ発生機6に到達する液体流には気泡および気体流誘導流がない。好ましくは、機械式表面曝気装置7と流れ発生機6との間の距離は、流れ方向5に見た流れ発生機6と機械式表面曝気装置7との間の距離と少なくとも同程度大きく、その結果機械式表面曝気装置7の動作はできる限り流れ発生機6に影響を及ぼさない。
【0031】
施設1を制御するための方法が、制御ユニット8に、流れ発生機6の動作速度Nと流れ発生機6のトルクMが導出されることができる動作パラメータPとの間の所定の関係を記憶するステップであって、その関係が流れ発生機6での槽2における所定の液体流速Vによって決まるステップと、流れ発生機6の動作速度Nを決定するステップと、決定した動作速度Nから、流れ発生機6の動作速度Nと流れ発生機6の動作パラメータPとの間の上記関係に基づいて流れ発生機6の動作パラメータPの設定値を決定するステップと、制御ユニット8を用いて、流れ発生機6の動作パラメータPの実際値を決定するステップと、制御ユニット8を用いて、流れ発生機6の動作パラメータPの実際値が流れ発生機6の動作パラメータPの設定値とは異なれば流れ発生機6の動作速度Nを調節するステップとを含むことが本発明にとって不可欠である。
【0032】
各液体流速Vに対する、流れ発生機6の動作速度nと流れ発生機6の動作パラメータPとの間の関係が好ましくは制御ユニット8に記憶される。流れ発生機6の動作速度Nが、代替の完全に等価な仕方で、本発明に影響を及ぼすことなく、流れ発生機6の動作毎分回転数または電気駆動周波数として表されることができることが指摘されるべきである。
【0033】
流れ発生機6の動作パラメータPは好ましくは流れ発生機6のトルクMおよび/または流れ発生機6が動作中に消費する電流Iから成る。流れ発生機6のトルクが導出されることができる他の動作パラメータPも考えられ、かつ動作パラメータという用語に含まれると認識されるものとする。
【0034】
したがって、制御ユニット8を用いて流れ発生機6の動作パラメータPの真値を決定するステップは、好ましくは流れ発生機6の電流消費量の測定から成り、それから流れ発生機6のトルクMが導出されることができる。流れ発生機6の電流/電力消費量はしたがって流れ発生機6のトルクMに対する等価表現である。電流/電力消費量の測定に応じて、制御ユニット8は好ましくは、たとえば液体に含まれる固形物、乱流などから生じる急速な負荷変動によって流れ発生機6の動作速度Nが影響を受けないために、電流信号のフィルタリングを備える。
【0035】
開示した実施形態によれば、流れ発生機6のトルクMの真値が流れ発生機6のトルクMの設定値より大きければ、流れ発生機6の動作速度Nは増加されるものとし、そして流れ発生機6のトルクMの真値が流れ発生機6のトルクMの設定値より小さければ、流れ発生機6の動作速度Nは減少されるものとする。
【0036】
1つの実施形態によれば、循環流路2に沿った液体流速Vは流れ発生機6の動作速度Nとは無関係に一定である。代替の実施形態によれば、循環流路2に沿った液体流速Vは流れ発生機の動作速度Nの関数として変動し、たとえば流れ発生機6の動作速度Nが減少すると液体流速Vは減少する。
【0037】
好ましくは、流れ発生機6の動作速度Nは常に所定の最低許容動作速度N
minより高い。最低許容動作速度N
minより低い動作速度では、特定の処理施設1に対して要求される工程結果を達成するには液体流の液体流速Vがあまりに低いおそれがあるのと同時に、液体流が十分に均質でないおそれがあり、固形物が循環流路2の底に蓄積するだろう。その他に、流れ発生機6に過負荷がかかる危険を冒さないために、流れ発生機6の動作速度Nが常に所定の最高許容動作速度N
maxより低いことが好ましい。
【0038】
処理施設1は、本発明の補足として、液体への酸素移動速度および/または液体中の溶存酸素のレベルの直接または間接測定、ならびにそれによって酸素移動速度が増加または減少される必要があるかどうかの指標も備えることができる。最も好適な実施形態によれば、溶存酸素レベルは直接測定される。液体中の溶存酸素レベルがあまりに低いときには酸素移動速度の増加が適用でき、そして液体中の溶存酸素レベルがあまりに高いときには酸素移動速度の減少が適用できる。液体中の溶存酸素レベルを測定/決定するために、処理施設1は好ましくは循環流路2における所定の場所に設けられる酸素センサ18を備える。酸素センサ18は制御ユニット8に作動的に接続される。酸素センサ18は好ましくは循環流路2に沿って流れ方向5に見た曝気装置の直接上流の範囲に設けられる。しかしながら、酸素センサ18の他の場所が考えられる。
本発明の実行可能な変更
本発明は上述しかつ図面に図示した実施形態のみに限定されず、それらは主に例示的かつ例証する目的を有する。本特許出願は本明細書に説明した好適な実施形態のすべての修正および変形を包含するものと意図され、したがって本発明は添付の請求項の文言によって定められ、そしてしたがって機器は添付の請求項の範囲内の各種の仕方で変更されてもよい。
【0039】
上に、下に、上の、下のなどといった用語についての/関するすべての情報が、機器を図に従って方向付け、参照箇所が適切に読まれることができるように図面を方向付けて解釈される/読まれるべきであることも指摘されるべきである。したがって、そのような用語は図示した実施形態における相関関係を示すのみであり、本発明の機器に別の構造/設計が設けられれば、それらの関係は変更されてもよい。
【0040】
特定の実施形態からの特徴が別の実施形態からの特徴と組み合わせられてもよいことが明示的に述べられずとも、組合せが可能であれば、組合せは明らかであると考えられるべきであることも指摘されるべきである。