(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6462741
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】金融リテラシーコンサルティングシステム及びその方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/06 20120101AFI20190121BHJP
G06Q 10/10 20120101ALI20190121BHJP
【FI】
G06Q40/06
G06Q10/10 324
【請求項の数】23
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-22893(P2017-22893)
(22)【出願日】2017年2月10日
(65)【公開番号】特開2017-188082(P2017-188082A)
(43)【公開日】2017年10月12日
【審査請求日】2017年2月10日
(31)【優先権主張番号】特願2016-68036(P2016-68036)
(32)【優先日】2016年3月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】397041185
【氏名又は名称】三菱UFJ信託銀行株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500027275
【氏名又は名称】株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100141025
【弁理士】
【氏名又は名称】阿久津 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】久住 理子
(72)【発明者】
【氏名】菊重 琢
【審査官】
緑川 隆
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−345908(JP,A)
【文献】
特開2013−242433(JP,A)
【文献】
特開2002−196658(JP,A)
【文献】
特開2002−024555(JP,A)
【文献】
特開2004−334719(JP,A)
【文献】
特開2005−321446(JP,A)
【文献】
特開2004−295590(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人の金融リテラシーを判定してコンサルティングを行うための金融リテラシーコンサルティングシステムであって、
前記金融リテラシーに関するアンケートを前記個人に提供するアンケート提供部と、
前記個人からの前記アンケートの回答を記憶する記憶部と、
前記回答の得点に所定の演算を行って、前記個人の金融リテラシーステージを判定するステージ判定部とを備え、
前記アンケートは、前記個人の属性に関する複数の設問と、金融リテラシーに関する複数の設問とから構成され、
前記ステージ判定部は、前記アンケートから得られた前記個人の前記属性に基づき、前記金融リテラシーに関する複数の設問について、配点を変更するか、または重み付けを行うことを特徴とする、金融リテラシーコンサルティングシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、
前記金融リテラシーに関する複数の設問は、経済理論理解に関する複数の設問と、金融知識に関する複数の設問と、生活設計に関する複数の設問とから構成されることを特徴とする、金融リテラシーコンサルティングシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、
前記金融リテラシーステージは、複数のステージから構成される、金融リテラシーコンサルティングシステム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、
前記所定の演算は、重回帰分析を用いて導出された算出式であることを特徴とする、金融リテラシーコンサルティングシステム。
【請求項5】
請求項
4に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、
前記重回帰分析を用いて導出された算出式は、次の式(3)
【数1】
にしたがって実行され、ここで、Y’は金融リテラシー指数得点、nは重回帰分析を行う際の説明変数の数、x
kは金融リテラシーを構成する一つの要素に関する設問の得点、A
kはそれぞれの得点に対応する係数であることを特徴とする、金融リテラシーコンサルティングシステム。
【請求項6】
請求項
4に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、
前記重回帰分析を用いて導出された算出式は、次の式(2)
【数2】
にしたがって実行され、ここで、Y’は金融リテラシー指数得点、A
1は経済理論係数、A
2は、金融知識係数、A
3は生活設計係数、x
1は経済理論に関する設問の得点、x
2は金融知識に関する設問の得点、x
3は金融知識に関する設問の得点であることを特徴とする、金融リテラシーコンサルティングシステム。
【請求項7】
請求項5または6に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、
前記ステージ判定部は、前記金融リテラシー指数得点を偏差値に変換することを特徴とする、金融リテラシーコンサルティングシステム。
【請求項8】
請求項7に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、
前記ステージ判定部は、前記偏差値に基づき、前記個人毎に金融リテラシーステージを判定することを特徴とする、金融リテラシーコンサルティングシステム。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、
前記ステージ判定部は、前記個人の前記属性及び前記金融リテラシーステージに応じたコンサルティングを提供することを特徴とする、金融リテラシーコンサルティングシステム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、
前記金融リテラシーに関するe−ラーニングを提供することを特徴とする、金融リテラシーコンサルティングシステム。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、
前記アンケートは、研修前に行う事前アンケートと、研修後に行う事後アンケートとから構成されることを特徴とする、金融リテラシーコンサルティングシステム。
【請求項12】
請求項11に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、
前記ステージ判定部は、前記事前アンケートから得られた得点または金融リテラシーステージと、前記事後アンケートから得られた得点または金融リテラシーステージとを比較することを特徴とする、金融リテラシーコンサルティングシステム。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、
前記金融リテラシーに関する複数の設問は、生活設計、ライフプラン、ライフプランニング、人生設計、将来設計、及びマネープランの、いずれかを含む第1の設問群である、金融リテラシーコンサルティングシステム。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、
前記金融リテラシーに関する複数の設問は、経済理論理解、経済理論、経済理解、経済学、経済、エコノミー、及びエコノミックセオリー、のいずれかを含む第2の設問群である、金融リテラシーコンサルティングシステム。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、
前記金融リテラシーに関する複数の設問は、金融知識、商品知識、金融商品、商品または金融の基礎または基本、及び商品または金融の基礎または基本知識、のいずれかを含む第3の設問群である、金融リテラシーコンサルティングシステム。
【請求項16】
個人の金融リテラシーを判定してコンサルティングを行うための金融リテラシーコンサルティング方法であって、
アンケート提供部が、前記金融リテラシーに関するアンケートを前記個人に提供するアンケート提供ステップと、
記憶部が、前記個人からの前記アンケートの回答を記憶する記憶ステップと、
ステージ判定部が、前記回答の得点に所定の演算を行って、前記個人の金融リテラシーステージを判定するステージ判定ステップとを備え、
前記アンケートは、前記個人の属性に関する複数の設問と、金融リテラシーに関する複数の設問とから構成され、
前記ステージ判定部は、前記アンケートから得られた前記個人の前記属性に基づき、前記金融リテラシーに関する複数の設問について、配点を変更するか、または重み付けを行うことを特徴とする、金融リテラシーコンサルティング方法。
【請求項17】
請求項16に記載の金融リテラシーコンサルティング方法において、
前記金融リテラシーに関する複数の設問は、経済理論理解に関する複数の設問と、金融知識に関する複数の設問と、生活設計に関する複数の設問とから構成されることを特徴とする、金融リテラシーコンサルティング方法。
【請求項18】
請求項16または17に記載の金融リテラシーコンサルティング方法において、
前記所定の演算は、重回帰分析を用いて導出された算出式であることを特徴とする、金融リテラシーコンサルティング方法。
【請求項19】
請求項
18に記載の金融リテラシーコンサルティング方法において、
前記重回帰分析を用いて導出された算出式は、次の式(3)
【数3】
にしたがって実行され、ここで、Y’は金融リテラシー指数得点、nは重回帰分析を行う際の説明変数の数、x
kは金融リテラシーを構成する一つの要素に関する設問の得点、A
kはそれぞれの得点に対応する係数であることを特徴とする、金融リテラシーコンサルティング方法。
【請求項20】
請求項
18に記載の金融リテラシーコンサルティング方法において、
前記重回帰分析を用いて導出された算出式は、次の式(2)
【数4】
にしたがって実行され、ここで、Y’は金融リテラシー指数得点、A
1は経済理論係数、A
2は、金融知識係数、A
3は生活設計係数、x
1は経済理論に関する設問の得点、x
2は金融知識に関する設問の得点、x
3は金融知識に関する設問の得点であることを特徴とする、金融リテラシーコンサルティング方法。
【請求項21】
請求項16〜20のいずれか一項に記載の金融リテラシーコンサルティング方法において、
前記金融リテラシーに関する複数の設問は、生活設計、ライフプラン、ライフプランニング、人生設計、将来設計、及びマネープランの、いずれかを含む第1の設問群である、金融リテラシーコンサルティング方法。
【請求項22】
請求項16〜21のいずれか一項に記載の金融リテラシーコンサルティング方法において、
前記金融リテラシーに関する複数の設問は、経済理論理解、経済理論、経済理解、経済学、経済、エコノミー、及びエコノミックセオリー、のいずれかを含む第2の設問群である、金融リテラシーコンサルティング方法。
【請求項23】
請求項16〜22のいずれか1項に記載の金融リテラシーコンサルティング方法において、
前記金融リテラシーに関する複数の設問は、金融知識、商品知識、金融商品、商品または金融の基礎または基本、及び商品または金融の基礎または基本知識、のいずれかを含む第3の設問群である、金融リテラシーコンサルティング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融リテラシーコンサルティングシステム及びその方法に関し、より詳細には個人の金融リテラシーを評価して適切なコンサルティングを行うことを可能とするシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、確定拠出年金制度(DC)や少額投資非課税制度(NISA)など、将来に向けた資産形成を、企業の従業者が自ら考え行動する時代が到来しつつある。このような時代背景の下、金融庁により最低限身につけるべき金融リテラシーが4分野15項目に整理され公表されており(非特許文献1)、個人への金融リテラシー教育の必要性が社会的にも注目されつつある。また、金融庁によれば、金融リテラシーとは「金融に関する健全な意思決定を行い、究極的には金融面での個人の良い暮らし(well‐being)を達成するために必要な、金融に関する意識、知識、技術、態度及び行動の総体」と定義されている(非特許文献2)。特に、確定拠出年金制度を導入した企業の事業主等においては、事業主等の責任として、従業者への投資教育を実施することが求められている。
【0003】
投資教育に関する先行技術としては、特許文献1が挙げられる。特許文献1には、確定拠出年金のための運営管理支援装置が記載されている。この運営管理支援装置は、投資教育提供者の管理下に設置されており、投資教育提供者は、投資教育に対する各従業者の受講結果を同装置に入力することで、その従業者に係る購入可能運用商品リストを取得可能とする。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】金融庁ウェブサイト、「最低限身に付けるべき金融リテラシー(4分野・15項目)について」、[online]、[平成28年2月29日検索]、〈URL:http://www.fsa.go.jp/news/25/sonota/20131129-1.html〉
【非特許文献2】金融庁ウェブサイト、伊藤宏一、「金融教育をめぐる国内外の状況と課題」、[online]、[平成28年2月29日検索]、〈URL:http://www.fsa.go.jp/frtc/kenkyu/gijiroku/20121108/04.pdf〉
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−342582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従業者の金融リテラシーを低いまま放置しておくことは、事業主等が思わぬ経営リスクを抱えることにも繋がるおそれがある。従業者が自身の年金運用に無関心無理解となる結果、思わぬ損失が発生し事業主等への責任が追及されることが考えられからである。したがって、従業者の投資への理解を高めるとともに、将来の不安を解消して業務へのモチベーションを保つためにも、事業主等による投資教育が重要となっている。
【0007】
しかしながら、従業者に対して事業主等が自ら投資教育を行うには、事業主等の事務負担や投資教育のノウハウの観点から難しい状況にある。さらに、投資教育の効果の判定、個人毎に相違する金融知識に対応した投資教育の提供が困難となっている。
【0008】
なお、特許文献1の運営管理支援装置は、従業者の年代や金融知識にあわせた研修提供するものではなく、さらには従業者の金融リテラシーを評価するものでもない。
【0009】
そこで、本発明は、従業者の個人の金融リテラシーを客観的に評価してコンサルティングを行うことが可能な金融リテラシーコンサルティングシステムの提供を目的とする。
または、本発明は、事業主等の負担を低くしつつ、従業者の年代や金融知識にあわせた研修を提供可能な金融リテラシーコンサルティングシステムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は次の各態様により上記目的を達成する。
(態様1)個人の金融リテラシーを判定してコンサルティングを行うための金融リテラシーコンサルティングシステムであって、前記金融リテラシーに関するアンケートを前記個人に提供するアンケート提供部と、前記個人からの前記アンケートの回答を記憶する記憶部と、前記回答の得点に所定の演算を行って、前記個人の金融リテラシーステージを判定するステージ判定部とを備えることを特徴とする、金融リテラシーコンサルティングシステム。(態様2)態様1に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、前記アンケートは、前記個人の属性に関する複数の設問と、金融リテラシーに関する複数の設問とから構成されることを特徴とする、金融リテラシーコンサルティングシステム。(態様3)態様2に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、前記金融リテラシーに関する複数の設問は、経済理論理解に関する複数の設問と、金融知識に関する複数の設問と、生活設計に関する複数の設問とから構成されることを特徴とする、金融リテラシーコンサルティングシステム。
(態様4)態様1〜3のいずれか一項に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、前記金融リテラシーステージは、複数のステージから構成される、金融リテラシーコンサルティングシステム。(態様5)態様1〜4のいずれか一項に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、前記所定の演算は、重回帰分析を用いて導出された算出式であることを特徴とする、金融リテラシーコンサルティングシステム。
【0011】
(態様6)態様5に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、前記重回帰分析を用いて導出された算出式は、次の式(3)
【数1】
にしたがって実行され、ここで、Y’は金融リテラシー指数得点、nは重回帰分析を行う際の説明変数の数、x
kは金融リテラシーを構成する一つの要素に関する設問の得点、A
kはそれぞれの得点に対応する係数であることを特徴とする、金融リテラシーコンサルティングシステム。
(態様7)態様5に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、前記重回帰分析を用いて導出された算出式は、次の式(2)
【数2】
にしたがって実行され、ここで、Y’は金融リテラシー指数得点、A
1は経済理論係数、A
2は、金融知識係数、A
3は生活設計係数、x
1は経済理論に関する設問の得点、x
2は金融知識に関する設問の得点、x
3は金融知識に関する設問の得点であることを特徴とする、金融リテラシーコンサルティングシステム。
(態様8)態様6または7 に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、前記ステージ判定部は、前記金融リテラシー指数得点を偏差値化することを特徴とする、金融リテラシーコンサルティングシステム。(態様9)態様8に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、前記ステージ判定部は、前記偏差値に基づき、前記個人毎に金融リテラシーステージを判定することを特徴とする、金融リテラシーコンサルティングシステム。
【0012】
(態様10)態様3または4に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、前記ステージ判定部は、前記個人の前記属性及び前記金融リテラシーステージに応じたコンサルティングを提供することを特徴とする、金融リテラシーコンサルティングシステム。(態様11)態様1〜10のいずれか一項に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、前記金融リテラシーに関するe−ラーニングを提供することを特徴とする、金融リテラシーコンサルティングシステム。(態様12)態様1〜11のいずれか一項に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、前記アンケートは、前記研修前に行う事前アンケートと、前記研修後に行う事後アンケートとから構成されることを特徴とする、金融リテラシーコンサルティングシステム。(態様13)態様12に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、前記ステージ判定部は、前記事前アンケートから得られた得点または金融リテラシーステージと、前記事後アンケートから得られた得点または金融リテラシーステージとを比較することを特徴とする、金融リテラシーコンサルティングシステム。
(態様14)態様2に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、前記金融リテラシーに関する複数の設問は、生活設計、ライフプラン、ライフプランニング、人生設計、将来設計、及びマネープランの、いずれかを含む第1の設問群である、金融リテラシーコンサルティングシステム。(態様15)態様2または14に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、前記金融リテラシーに関する複数の設問は、経済理論理解、経済理論、経済理解、経済学、経済、エコノミー、及びエコノミックセオリー、のいずれかを含む第2の設問群である、金融リテラシーコンサルティングシステム。(態様16)態様2、14、15のいずれか1項に記載の金融リテラシーコンサルティングシステムにおいて、前記金融リテラシーに関する複数の設問は、金融知識、商品知識、金融商品、商品または金融の基礎または基本、及び商品または金融の基礎または基本知識、のいずれかを含む第3の設問群である、金融リテラシーコンサルティングシステム。
【0013】
(態様17)個人の金融リテラシーを判定してコンサルティングを行うための金融リテラシーコンサルティング方法であって、前記金融リテラシーに関するアンケートを前記個人に提供するアンケート提供ステップと、前記個人からの前記アンケートの回答を記憶する記憶ステップと、前記回答の得点に所定の演算を行って、前記個人の金融リテラシーステージを判定するステージ判定ステップと、判定された前記金融リテラシーステージに基づきコンサルティングを行うコンサルティングステップとを備えることを特徴とする、金融リテラシーコンサルティング方法。(態様18)態様17に記載の金融リテラシーコンサルティング方法において、前記金融リテラシーに関する複数の設問は、経済理論理解に関する複数の設問と、金融知識に関する複数の設問と、生活設計に関する複数の設問とから構成されることを特徴とする、金融リテラシーコンサルティング方法。(態様19)態様17または18に記載の金融リテラシーコンサルティング方法において、前記所定の演算は、重回帰分析を用いて導出された算出式であることを特徴とする、金融リテラシーコンサルティング方法。
【0014】
(態様20)態様19に記載の金融リテラシーコンサルティング方法において、
前記重回帰分析を用いて導出された算出式は、次の式(3)
【数3】
にしたがって実行され、ここで、Y’は金融リテラシー指数得点、nは重回帰分析を行う際の説明変数の数、x
kは金融リテラシーを構成する一つの要素に関する複数の設問の得点、A
kはそれぞれの得点に対応する係数であることを特徴とする、金融リテラシーコンサルティング方法。
(態様21)態様19に記載の金融リテラシーコンサルティング方法において、前記重回帰分析を用いて導出された算出式は、次の式(2)
【数4】
にしたがって実行され、ここで、Y’は金融リテラシー指数得点、A
1は経済理論係数、A
2は、金融知識係数、A
3は生活設計係数、x
1は経済理論に関する設問の得点、x
2は金融知識に関する設問の得点、x
3は金融知識に関する設問の得点であることを特徴とする、金融リテラシーコンサルティング方法。
(態様22)態様18に記載の金融リテラシーコンサルティング方法において、前記金融リテラシーに関する複数の設問は、生活設計、ライフプラン、ライフプランニング、人生設計、将来設計、及びマネープランの、いずれかを含む第1の設問群である、金融リテラシーコンサルティング方法。(態様23)態様18または22に記載の金融リテラシーコンサルティング方法において、前記金融リテラシーに関する複数の設問は、経済理論理解、経済理論、経済理解、経済学、経済、エコノミー、及びエコノミックセオリー、のいずれかを含む第2の設問群である、金融リテラシーコンサルティング方法。(態様24)態様18、22、23のいずれか1項に記載の金融リテラシーコンサルティング方法において、前記金融リテラシーに関する複数の設問は、金融知識、商品知識、金融商品、商品または金融の基礎または基本、及び商品または金融の基礎または基本知識、のいずれかを含む第3の設問群である、金融リテラシーコンサルティング方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明の金融リテラシーコンサルティングシステム及びその方法によれば、個人の金融リテラシーステージを判定することにより、判定されたステージに対する適切なコンサルティングが可能となる結果、金融面での個人のより良い暮らしを達成できる可能性が上昇する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態に係る金融リテラシーコンサルティングシステムを含むネットワーク図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る金融リテラシーコンサルティングで実行されるフローチャートである。
【
図4】金融リテラシーの構成要素を示す概念図である。
【
図5】金融リテラシーステージの分類に用いる正規分布曲線を示すグラフである。
【
図6】金融リテラシーのステージ毎の研修プランを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の金融リテラシーコンサルティングは、金融リテラシーの概念を具現化するため、金融リテラシーを指数化し、適切と考えられるセミナーやコンテンツの提供等を通じて、個々人の金融リテラシーを引き上げ、惹いては企業に対する従業者の満足度を引き上げるためのコンサルティングの実施を可能とするものである。
【0018】
上記金融リテラシーコンサルティングを実現すべく、本発明の実施形態に係る金融リテラシーコンサルティングシステム及びその方法は、従業者個人の金融リテラシーを複数のステージで判定すること、及び判定された複数のステージに基づき適切な研修を提案することから構成される。以下、本発明の実施形態に係る金融リテラシーコンサルティングシステム及びその方法を説明する。なお、本発明において、従業者とは、企業の従業者に限定されず、官公庁の従業者または企業の経営者といった任意の組織に属する個人を含み、さらに主婦・主夫や退職者等の任意の個人も含むことができる。また、本発明において、事業主等とは、企業等の経済活動を行う事業主に限定されず、官公庁等の任意の組織も含む。
【0019】
〔システム構成〕
本実施形態に係る金融リテラシーコンサルティングシステム(サーバ)30を含むネットワーク構成を
図1に示す。システム30は、インターネット40を介して、複数の従業者側端末10a〜10cと、少なくとも1つの事業主等側端末20との間で通信可能である。複数の従業者側端末10a、10b、10cは、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン、携帯情報端末等とすることができる。なお、サーバ30と従業者側端末10a〜10cまたは事業主等側端末20との間の通信は、SSL(Secure Sockets Layer)で行うことが好ましい。サーバ30は、
図1に示すように、CPU等の制御装置32と、キーボートやマウス等の入力部33と、LCD等の表示部34と、記憶部35と、アンケート提供部36とを備え、ネットワーク40に通信可能に接続されている。制御装置32は、ステージ判定部32aを備える。ステージ判定部32aは、限定するものではないが、例えば、Excel(登録商標)のマクロを実行するVBA(Visual Basic for Applications)等のプログラムから構成される。
【0020】
記憶部35は、従業者側端末10a〜10cで入力されたアンケート結果をインターネット40を介して受信し記憶する。アンケート提供部36は、従業者側端末10a〜10cに対して、後述する事前及び/または事後アンケートを提供するためのWebページデータを記憶する。制御装置32に設けられたステージ判定部32aは、記憶部35からアンケート結果を読み出して、所定のプログラムに基づき後述する演算を実行し、金融リテラシーステージを判定または決定する。なお、従業者側端末10a〜10cで入力されたアンケート結果等の個人情報は、記憶部35に記憶される。記憶部35に記憶された個人情報を閲覧する際、従業者側端末10a〜10cのそれぞれにおいて設定されたID及びパスワードによる認証を要求する個人認証部をサーバ30に設けることができる。これによって、事業主等側端末20から個人情報へのアクセスを制限することができる。
【0021】
〔コンサルティングの流れ〕
本実施形態の金融リテラシーコンサルティング(投資教育サポートプラン)の流れを
図3を用いて説明する。初めに、ステップS1において、サーバ30またはコンサルタント(投資教育提供者)が従業者に対して事前アンケートを実施する。事前アンケートは、従業者が自宅等で従業者側端末10a〜10cから、サーバ30が提供する専用のWebページにアクセスし、表示される事前アンケート(調査票)に回答する。または、事前アンケートは、従業者に書面で送付され、従業者はこの書面に回答を記入する。回答は、サーバ30に送信されて記憶されるか、書面でコンサルタントに送付される。書面の回答は、コンサルタント側で入力部34を用いてサーバ30に入力される。
【0022】
ステップS2において、サーバ30は、記憶された回答を後述するように演算処理を行うことにより、金融リテラシーステージを個人毎に判定する。また、ステップ2において、サーバ30またはコンサルタントは、この判定結果(事前アンケート結果)を従業者個人及び/または事業主等にレポート(送付または送信)することができる。さらに、ステップS2において、この判定結果に基づき、サーバ30またはコンサルタントは、予め準備した研修プラン案(セミナー実施計画書)を選択するか、新たに研修プラン案を作成して、事業主等に送付または送信することができる。
【0023】
ステップS3において、サーバ30及び/またはコンサルタントは、事業主等からの要望等にしたがって研修プラン案を修正し、最終案を提案・決定する。さらに、ステップS3において、決定した研修プランのスケジュール表及び/または研修コンテンツサンプル(テキストまたはビデオ等)を事業主等に送付または送信することもできる。ステップS4では、ステップS3で決定した研修プランに基づき、研修を実施する。研修の実施は、コンサルタントが従業者を集めて対面で行ったり、サーバ30が提供するe−ラーニング形式で行うこともできる。e−ラーニング形式では、研修を受講する従業者が、従業者側端末10a〜10cのいずれかを用いてサーバ30にアクセスし、サーバ30側で予め個人毎に設定されたビデオを、視聴することにより実行される。
【0024】
ステップS5では、サーバ30またはコンサルタントが事後アンケートの実施・分析を行う。事後アンケートは、従業者個人が自宅等で従業者側端末10a、10b、または10cから、サーバ30が提供する専用のWebページにアクセスし、表示される事後アンケートに回答することができる。または、事後アンケートは、従業者に書面で送付され、従業者はこの書面に回答を記入することもできる。回答は、サーバ30に送信されて記憶されるか、書面でコンサルタントに送付された後、分析される。事後アンケートの分析結果に基づき、次回の研修計画書案を作成することもできる。ステップS6では、サーバ30またはコンサルタントが事業主等へのフィードバックを行う。このフィードバックは、研修結果の最終レポートであり、最終レポートでは、事前アンケートの結果(得点またはステージ)と事後アンケートの結果(得点またはステージ)を比較することにより、研修の効果を客観的に表示することができる。また、サーバ30またはコンサルタントが次の研修等のスケジュール表を事業主等に送付または送信することもできる。
【0025】
〔アンケート〕
本実施形態に係る金融リテラシーコンサルティングシステムに用いる、アンケート(事前アンケート及び/または事後アンケート)について説明する。本実施形態におけるアンケートは、
図3に示すように、金融リテラシーを「生活設計」、「経済理論理解」、「金融知識」の3要素から構成される設問を用いて測定する。これらの設問を用いて、金融行動に影響を及ぼす3要素が金融行動に影響する度合いを分析する。これらの設問の回答結果を基に、従業者の個人属性に応じて各構成要素について得点化を行うことができる。サーバ30またはコンサルタントは、所定の処理により得られた総得点に応じて個人の金融リテラシーステージを判定する。なお、金融リテラシーに関する設問は、上述した3要素に限定されず、他の要素を含んだり、3要素から選択された任意の1つまたは複数の要素から構成してもよい。「生活設計」に替えて、ライフプラン、ライフプランニング、人生設計、将来設計、またはマネープラン等とすることもできる。「経済理論理解」に替えて、経済理論理解、経済理論、経済理解、経済学、経済、エコノミー、またはエコノミックセオリー等とすることもできる。「金融知識」に替えて、金融知識、商品知識、金融商品、商品または金融の基礎または基本、及び商品または金融の基礎または基本知識等とすることもできる。
【0026】
本実施形態における、金融行動に影響を及ぼす要素の点数化とは、具体的には、「経済理論」(配点18点)、「金融知識」(配点18点)、「生活設計」(配点18点)、に関する各設問の点数を用いることができる。金融リテラシーステージは、各設問の点数に所定の演算を行った上で、複数のステージ、例えばステージ1(金融リテラシーが低い)、ステージ2(金融リテラシーが中程度である)、ステージ3(金融リテラシーが高い)の3つに分けることができる。
【0027】
判定された金融リテラシーステージに応じて、個人に不足する金融リテラシーを強化するために必要な研修等を提案することができる。また、金融リテラシーステージに加えて、個人の年齢等の個人属性に応じた、複数のライフステージを設定することができる。ライフステージとしては、例えば、若年層、中堅層、ベテラン層を設けることができる。これによって、金融リテラシーステージ及びライフステージに応じて必要な研修等を提案することができる。
【0028】
本実施形態において、金融リテラシーの高低を判定するために、金融行動の高低を最もよく表す「生活設計」、「経済理論理解」、及び「金融知識」の3要素について複数の設問を設ける。個々の設問に対して、回答となる複数の選択肢を用意し、選択肢のそれぞれについて、点数を設定する。「経済理論理解」に関する設問は、円高・円安の概念、分散投資の効果等について、「人に教えられるまで理解している」、「ある程度理解している」、「あまり理解していない」、「ほとんど理解していない」等の選択肢を提示し、理解度が大きい選択肢ほど大きな点数を付与する。
【0029】
「金融知識」に関する設問は、外貨預金・外貨MMF、NISA制度の概要、確定拠出年金(DC)の概要等について、「人に教えられる程度まで把握している」、「ある程度は把握している」、「あまり把握していない」、「ほとんど把握していない」等の選択肢を提示し、把握度が大きい選択肢ほど大きな点数を付与する。「生活設計」に関する設問は、まとまった費用が必要となるライフイベントの種類、ライフイベントに係る費用の大きさ、定年後に必要となる資金額等について、「人に教えられる程度まで把握している」、「ある程度は把握している」、「あまり把握していない」、「ほとんど把握していない」等の選択肢を提示し、把握度が大きい選択肢ほど大きな点数を付与する。
【0030】
また、金融行動・意向に関する設問として、資産運用に関する意向、意思決定の際に重視する情報等への関心度合いを問う設問を設けることもできる。さらに、知識レベルの確認に関する設問として、金融資産のリスク順位の知識、NISA制度の概要知識を問う設問を設けることができる。取引経験・学習経験に関する設問として、取引経験のある商品・現在取引している商品、保有していない商品についての見解・理由、取引経験年数、投資開始のきっかけ、投資運用に関する学習経験の有無、ライフイベント経験の有無等の設問を設けることができる。なお、ライフイベント経験とは、結婚、出産、住宅購入、定年退職、子供の教育・進学等の有無である。なお、各設問は例示であり、企業等の要望により、任意の設問、例えば「知識レベルの確認に関する設問」、及び/または「取引経験・学習経験に関する設問」等を省略することもできる。
【0031】
〔金融リテラシーの判定処理〕
「金融リテラシー」は、最終ゴールとしての従業者の「行動」を重視するものである。したがって、本実施形態の金融リテラシーの判定処理において、金融リテラシーの3要素に上述した金融行動の要素(設問)を加味して処理する。金融行動とは、自身の資産形成や管理に対する行動や心構えを指し、適切な金融行動とは、投資の有無には直接は関係なく、金融商品や自身の金融資産・ライフプランについて、能動的に情報を収集し、自律的な判断(周りの情報に流されない)によって行動することである。金融リテラシー指数とは、適切な金融行動を行うために必要となる金融リテラシーの3要素の得点を基に、間接的に金融行動のレベルを測るものである。
【0032】
本実施形態における金融リテラシー指数は、一般の企業勤務者等を対象に実施した一万人アンケートから得られた重回帰式を基にして、「経済理論」「金融知識」「生活設計」が金融行動に影響する度合いを加味した算出式で表現する。
【0033】
本実施形態の金融リテラシーコンサルティングシステムは、各設問に対して回答者が選んだ選択肢の得点を、一万人アンケートにおける金融行動得点を目的変数、「経済理論」「金融知識」「生活設計」の各得点を説明変数として多変量解析を実行した結果を用いて導出した金融リテラシー指数算出式に当てはめて金融リテラシー得点を算出する。多変量解析としては、好ましくは重回帰分析を用いることができるがこれに限定されない。下記の式(1)に示すように、重回帰分析において、金融行動得点Yを目的変数とし、経済理論得点x
1、金融知識得点x
2、生活設計得点x
3を説明変数とする。
【0035】
金融リテラシー指数については、取り得る値を0点から100点で表現するため、金融行動の理論値(Y)を表す式(1)のb
0を0とした上で、経済理論得点x
1、金融知識得点x
2、生活設計得点x
3がそれぞれ満点である18点であった場合に、金融リテラシー指数が100になるよう、各係数a
1、a
2、a
3の各係数に一定の値を掛けた新たな係数A
1、A
2、A
3 で表現される下記の式(2)を金融リテラシー指数(Y’)得点の算出式と定義する。各説明変数x
1、x
2、x
3の値は、好ましくは、予め各設問について行った一万人アンケート(テスト)から得られたものを使用して、各係数a
1、a
2、a
3、b
0と、A
1、A
2、A
3の値を下記の通り算出した。各係数の値は、直近のアンケートの結果に基づき、定期的、好ましくは毎年更新することができる。
【0036】
【数6】
なお、各係数値は小数点第三位を四捨五入している。
【0037】
式(2)によれば、「経済理論」の得点係数A
1よりも「金融知識」の得点係数A
2が4倍以上の重みを持つという結果となっている。なお、設問間の配点自体に重み付けを行うことも可能である。一万人アンケートの調査対象者は、企業勤務者8500人、公務員1000人、専業主婦・主夫500人であり、本係数値算出にあたっては企業勤務者8500人のデータを利用した。ここで挙げた一万人アンケートの調査対象者は、例示であり、調査対象者の総数、調査対象者の種類(企業勤務者等)、調査対象者の種類毎の数は、任意に変更可能である。
【0038】
個人属性に関する設問は、年齢、性別、勤務先形態(本社、支社、事業所等)、職種(業務内容)、役職、勤務先所在地(都道府県)について回答を得る。個人属性は、ライフステージ別のコンテンツを提供する際に使用される。さらに、金融リテラシーに関する各設問について、個人属性毎にその重要度が異なるものが有れば、個人属性に基づき、金融リテラシーを測定する各設問について、配点を変更したり、重み付けを行うこともできる。
式(3)では、経済理論得点x
1、金融知識得点x
2、生活設計得点x
3の3要素のそれぞれについて、設問の合計得点を用いたが、本発明の金融リテラシー指数(Y’)の算出は、3要素の設問の合計得点を用いることに限定されない。例えば、金融リテラシー指数(Y’)を、次の式(3)に示す任意の複数の要素のそれぞれについて、設問の合計得点から重回帰分析を用いて求めてもよい。
【数7】
ここで、nは重回帰分析を行う際の説明変数の数、x
kは金融リテラシーを構成する一つの要素に関する複数の設問の合計得点、A
kはそれぞれの合計得点に対応する係数である。
【0039】
〔金融リテラシーステージ〕
アンケートの回答の得点(素点)を上述した金融リテラシー指数(Y’)の算出式用いて調整し、さらに調整した得点を偏差値に変換し、得られた偏差値に応じて従業者個人毎にステージ1〜3に分ける。このステージ分けを
図6を用いて説明する。
図6は、偏差値の分布が正規分布曲線にしたがうと仮定した場合を示している。ステージ1は低リテラシーであり、偏差値が45未満(全体の約30%)が含まれる。ステージ2は中リテラシーであり、偏差値が45以上55未満(全体の約40%)が含まれる。ステージ3は高リテラシーであり、偏差値が55以上(全体の約30%)が含まれる。なお、ステージ1~3を分けるための偏差値の基準数値は、例示であり、実際の分布等を考慮して適宜変更可能である。
【0040】
従業者にステージ1〜3が認定されると、
図7に示すように個人の金融リテラシーステージ及びライフステージにあった研修が受講可能となる。研修は、各ステージ毎に、基本コンテンツと、年代別コンテンツと、オプションコンテンツとから構成される。本実施形態によれば、従業者個人は、自己の金融リテラシーステージを確認し、ステージに応じて適切な研修コンテンツを受講することができる。
【0041】
本発明の実施形態に係る金融リテラシーコンサルティングシステムによれば、アンケート結果から得られる金融リテラシーを裏付けのあるデータから指数化することで、従業者それぞれの金融リテラシーのレベルの見える化が可能となる。さらに、本発明の実施形態に係るコンサルティングにより、金融セミナーのレベルが、受講する従業者の金融リテラシーとミスマッチとなることが無くなるため、従業者のストレスを解消し、従業者の満足度向上と企業の福利厚生の充実に寄与することができる。
【0042】
本発明の実施形態において、金融リテラシーに関する複数の設問は、生活設計、ライフプラン、ライフプランニング、人生設計、将来設計、及びマネープラン等、のいずれかを含む第1の設問群とすることもできる。本発明の実施形態において、金融リテラシーに関する複数の設問は、経済理論理解、経済理論、経済理解、経済学、経済、エコノミー、及びエコノミックセオリー等、のいずれかを含む第2の設問群とすることもできる。本発明の実施形態において、金融リテラシーに関する複数の設問は、金融知識、商品知識、金融商品、商品または金融の基礎または基本、及び商品または金融の基礎または基本知識等、のいずれかを含む第3の設問群とすることもできる。
【符号の説明】
【0043】
1 ネットワーク
10a 従業者側端末
10b 従業者側端末
10c 従業者側端末
20 事業主等側端末
30 サーバ(金融リテラシーコンサルティングシステム)
32 制御装置
32a ステージ判定部
34 入力部
36 記憶部
38 表示部