特許第6462834号(P6462834)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6462834
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】スタンド構造及び体重計
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/44 20060101AFI20190121BHJP
   F16B 5/10 20060101ALI20190121BHJP
   F16B 9/02 20060101ALI20190121BHJP
【FI】
   G01G19/44 L
   F16B5/10 M
   F16B9/02 Z
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-228183(P2017-228183)
(22)【出願日】2017年11月28日
【審査請求日】2017年11月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】501204271
【氏名又は名称】株式会社ドリテック
(72)【発明者】
【氏名】趙 雪琴
【審査官】 細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−278414(JP,A)
【文献】 特開昭60−147617(JP,A)
【文献】 実開昭59−143079(JP,U)
【文献】 実開平01−086278(JP,U)
【文献】 実開平01−067782(JP,U)
【文献】 特開2014−066321(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 19/44, 23/00
F16B 5/10
F16B 9/02
H05K 5/02
H04M 1/04
F16M 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器本体の筐体に対して回動可能かつ開閉可能なスタンド部を備えスタンド構造であって、
前記筐体に突起部係止孔を設け、前記スタンド部に、前記筐体に向かって突出し、一部を膨出させた膨らみ部を有する突起部を設け、前記スタンド部が閉じているとき、前記突起部を前記突起部係止孔に、この突起部係止孔を貫通して前記膨らみ部が前記筐体内側に入り込むように挿入して、前記スタンド部所定の角度まで開いたとき、前記膨らみ部前記突起部係止孔の前記筐体内側に係止することを特徴とするスタンド構造。
【請求項2】
前記スタンド部に係止凸部を設け、前記筐体に閉時係止凹部と開時係止凹部を設け、前記スタンド部の回動動作のみによって、前記スタンド部が閉じているときに前記係止凸部が前記閉時係止凹部に係合し、前記スタンド部が前記所定の角度までているときに前記係止凸部が前記開時係止凹部に係合することを特徴とする請求項1記載のスタンド構造。
【請求項3】
前記突起部の側面にリブを設けたことを特徴とする請求項1または2記載のスタンド構造。
【請求項4】
前記リブを、前記スタンド部が前記所定の角度までたときに前記膨らみ部と前記突起部係止孔の前記筐体内側が接触する部分を避けて設けることを特徴とする請求項3記載のスタンド構造。
【請求項5】
請求項1、2、3、または4記載のスタンド構造を備えたことを特徴とする体重計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、机などの平面部に対して水平に、あるいは立てた状態にして使用される機器に設けられるスタンド構造、そのスタンド構造を備えた体重計に関する。
【背景技術】
【0002】
全体として略扁平な機器であって、使用時に机や床などに扁平な部位を略水平方向とするような機器、あるいは使用時に扁平な部位を立てた状態にする機器がある。たとえば、パソコン用キーボードや体重計などがこのような機器に該当する。
【0003】
このような機器には筐体にスタンド部を設けられている構成のものがある。そのスタンド部は、スタンド部を立てた状態で、機器の扁平な方向が水平方向に対して斜めになるように載置できるようにするためである。これにより、省スペース化を図ることができる。
【0004】
下記の特許文献1には、扁平な機器であるパソコン用キーボードにスタンド部を設けたものが記載されている。
【0005】
また、視認する必要がある表示部又は操作部等の部分を有する機器を使用者が目線よりも低い位置に置く場合、使用者は機器を斜め上方より機器を見ることとなる。
【0006】
このとき、視認する必要がある部分が斜め上方を向いていると、使用者は当該部分を視認しやすくなる。そこで、機器にスタンド部を設け、使用時に視認する必要がある部分が斜め上方を向くように載置できるようにしているものがある。
【0007】
下記の特許文献2には、電話機に角度調整機構としてのスタンド部を設けたものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−196597号公報
【特許文献2】特開平10−4447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記従来のスタンド部の構造では、スタンド部が所定の回動位置で固定されていなければ、スタンド部を利用して機器を起立させようとするとき、機器の重さによりスタンド部が筐体に対して動いてしまい、うまく起立させることはできない。
【0010】
そこで特許文献1では、スタンド部に突起部を設け、スタンド部を所定の位置まで回動させると、突起部が筐体側にある孔に弾性係合する構造が記載されている。特許文献2では、スタンド部を回動させた後、スタンド部側にある突起部を筐体側にある溝に差し込むことでスタンド部を固定する構造について記載されている。
【0011】
しかし、特許文献1のような固定構成であると、突起部と穴は弾性係合しているのみであり、使用者の操作によって容易に外れる程度の強度である。したがって、機器が一定以上の重さを有している場合などには、この構成のみでスタンド部を固定させることはできない。また、特許文献2のような固定構成であると、スタンド部の操作が回動だけではなくなるため、スタンド部を開閉する手間が増大し、またスタンド部の筐体への設けられ方が複雑となる。
【0012】
本願に係る発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、スタンド部を固定する強度を高めつつ、スタンド部を開閉する際の手間を減らし、スタンド部の筐体への取り付け構造を簡素化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1記載のスタンド構造は、機器本体の筐体に対して回動可能かつ開閉可能なスタンド部を備えスタンド構造であって、前記筐体に突起部係止孔を設け、前記スタンド部に、前記筐体に向かって突出し、一部を膨出させた膨らみ部を有する突起部を設け、前記スタンド部が閉じているとき、前記突起部を前記突起部係止孔に、この突起部係止孔を貫通して前記膨らみ部が前記筐体内側に入り込むように挿入して、前記スタンド部所定の角度まで開いたとき、前記膨らみ部前記突起部係止孔の前記筐体内側に係止することを特徴とする。
【0014】
請求項2記載のスタンド構造は、前記スタンド部に係止凸部を設け、前記筐体に閉時係止凹部と開時係止凹部を設け、前記スタンド部の回動動作のみによって、前記スタンド部が閉じているときに前記係止凸部が前記閉時係止凹部に係合し、前記スタンド部が前記所定の角度までているときに前記係止凸部が前記開時係止凹部に係合することを特徴とする。
【0015】
請求項3記載のスタンド構造は、前記突起部の側面にリブを設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項4記載のスタンド構造は、前記リブを、前記スタンド部が前記所定の角度までたときに前記膨らみ部と前記突起部係止孔の前記筐体内側が接触する部分を避けて設けることを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の体重計は、請求項1、2、3、または4記載のスタンド構造を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本願に係る発明は、スタンド部を固定するための強度を高めつつ、スタンド部を開閉する際の手間を減らし、スタンド部の筐体への取り付け構造を簡素化する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態である体重計におけるスタンド部を閉じた状態の正面図
図2】本実施形態のスタンド部を閉じた状態の背面図
図3】本実施形態のスタンド部を閉じた状態の底面図
図4】本実施形態のスタンド部を開いた状態の背面図
図5】本実施形態のスタンド部を開いた状態の斜視図
図6】本実施形態のスタンド部を外した状態の斜視図
図7】本実施形態のスタンド部の裏面部分を示す斜視図
図8】本実施形態のスタンド部を外した状態の背面図の突起部係止孔周辺部分拡大図
図9】本実施形態のスタンド部の突起部周辺部分拡大図
図10】本実施形態のスタンド部を閉じた状態における突起部設置部分の拡大断面図
図11】本実施形態のスタンド部を開いた状態における突起部設置部分の拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態として体重計について説明する。
【0021】
図1は本実施形態の体重計の正面図であり、1は体重計本体の筐体、2は計測値などを表示するための表示部、3は体組成を測定するための公知の電極板、4は各種設定用の操作ボタンである。
【0022】
図2は本実施形態においてスタンド部5を閉じた状態の背面図であり、5がスタンド部(後で詳述する)であって、全体として長方形状の略板状をなし、6は筐体1の足、7は筐体1を使用者が把持する際の滑りを防止するための滑り止め凸部である。
【0023】
図3は本実施形態においてスタンド部5を閉じた状態の底面図であり、筐体1の収納凹部8にスタンド部5が収納されている状態ではスタンド部5と筐体1の背面側が略面一となっており、11は使用者がスタンド部5を開くときに指を引っ掛けるための指引っ掛け部である。
【0024】
図4は、本実施形態においてスタンド部5を収納凹部8から外方に回動させて開いた状態の背面図であり、同じくスタンド部5を開いた状態を図5の斜視図に示しており、図5において、Rは転軸線を示している。
【0025】
図6は本実施形態のスタンド部5の裏面を示す斜視図であり、10は閉時係止突起、16は回動軸凸部、17は係止凸部、18は突起部であって、各部がスタンド部5と一体に形成されている。
【0026】
図7は本実施形態において筐体1の収納凹部8からスタンド部5を取り外した状態の斜視図であり、9はスタンド部5の閉時係止突起10と係脱する閉時係止孔、12はスタンド部5の回動軸凸部16が挿嵌される回動軸孔、13は閉時にスタンド部5の係止凸部17を係止する閉時係止凹部、14は開時にスタンド部5の係止凸部17を係止する開時係止凹部、15はスタンド部5の突起部18が後述するように係脱する突起部係止孔である。
【0027】
図8は本実施形態においてスタンド部5を外した状態の背面図の突起部係止孔15周辺部分拡大図であり、15aは突起部係止孔15の内部分、15bは突起部係止孔15の孔端部である。
【0028】
図9は本実施形態のスタンド部5における突起部18の周辺拡大図であり、突起部18には、上端部が拡径部となって膨らみ部18aが形成され、側壁に突出量が大きな大リブ18bと、突出量が小さな小リブ18cとが一体に形成されている。
【0029】
次に、本実施形態の各部の関連構成とスタンド部5の動作について説明する。
【0030】
まず、スタンド部5が閉じられている状態では、スタンド部5の回動軸凸部16が筐体1の収納凹部8の回動軸孔12に嵌合し、スタンド部5の係止凸部17が収納凹部8の閉時係止凹部13に係合し、かつスタンド部5の閉時係止突起10が収納凹部8の閉時係止孔9に係合する。
【0031】
また、図10は本実施形態のスタンド部5を閉じた状態における突起部18部分の拡大断面図であって、図2のA−A断面に対応しており、筐体1の収納凹部8の突起部係止孔15の内部分15aにスタンド部5の突起部18が差し込まれているが、図示するように突起部18は突起部係止孔15の孔端部15bに接触していない。
【0032】
次に、使用者がスタンド部5を開くときには、使用者は図6に示す指引っ掛け部11に指を引っ掛け、スタンド部5を筐体1の外側方向へ回動させると、スタンド部5は筐体1に対して転軸線Rを中心に回動し(回転動作RM)、スタンド部5の係止凸部17が筐体1の収納凹部8の閉時係止凹部13から外れて開時係止凹部14に係合し、閉時係止突起10が閉時係止孔9から外れる。
【0033】
さらに、上記回動に伴い突起部18が突起部係止孔15の内部分15aから孔端部15bの方へと移動し、図11に示すように膨らみ部18aが転軸線Rから遠い側の孔端部15bに係止される。
【0034】
図11は本実施形態においてスタンド部5を開いた状態における拡大断面図であって、図4のB−B断面に対応する。スタンド部5を開いた状態における突起部18と孔端部15bの状態を示している。このようにスタンド部5を開いた状態では、スタンド部5を利用して体重計を立てておくことができる。
【0035】
突起部18の突起部係止孔15の孔端部15bへの係止は、スタンド部5がより開く方向への係止のみであり、閉じる方向へは係止されていない。そのため、係止の強度を高めても、使用者のスタンド部5の開閉操作に支障が生じない。
【0036】
また、突起部18には、本例では4つのリブ18b、18cを等間隔に設けている。これにより、突起部18の強度が向上する。
【0037】
加えて、転軸線Rから遠い側にある小リブ18cは他の大リブ18bと比べて半分程度の高さとなっており、大リブ18bの突出量は膨らみ部18aの突出量より小さく、小リブ18cの突出量は大リブ18bより更に小さくなっている。
【0038】
これは、膨らみ部18aの突出量よりも大リブ18bや小リブ18cの突出量が大きくなってしまうと、膨らみ部18aが孔端部15bに係合することを大リブ18bや小リブ18cが邪魔してしまうからである。特に小リブ18cについては、膨らみ部18aと孔端部15bが接触する部分の近傍に設けられており、その突出量が大きすぎると、膨らみ部18aが孔端部15bに係合されなくなってしまう。
【0039】
本実施例の体重計を、スタンド部5を利用して起立状態で載置することにより、非使用時の省スペース化を図ることができる。
【0040】
体重計を使用者が手に持つとき、滑り止め凸部7が設けられている部分を持つことによって、使用者は確実に体重計を把持できる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は水平置きしたり起立したりすると操作性等の良い機器、たとえば、小型体重計をはじめとする家庭電化製品に利用して有用である。
【符号の説明】
【0042】
1 筐体
2 表示部
3 電極板
4 操作ボタン
5 スタンド部
6 足
7 滑り止め凸部
8 収納凹部
9 閉時係止孔
10 閉時係止突起
11 指引っ掛け部
12 回動軸孔
13 閉時係止凹部
14 開時係止凹部
15 突起部係止孔
15a 突起部係止孔の内部分
15b 突起部係止孔の孔端部
16 回動軸凸部
17 係止凸部
18 突起部
18a 膨らみ部
18b 大リブ
18c 小リブ
R 転軸線
RM 回転動作
【要約】
【課題】機器に設けられるスタンド部を所定角度に固定するときの強度を高め、かつスタンド部の筐体に対する取り付け構造及びスタンド部の開閉操作を簡素化する。
【解決手段】筐体1に対し回動可能に設けられたスタンド部5に膨らみ部18aが形成された突起部18を設け、前記突起部18を前記筐体1に設けられた突起部係止孔15の内部分15aに挿入し、前記スタンド部5が所定の角度まで開かれたとき、前記突起部18に設けられた前記膨らみ部18aを前記突起部係止孔15の孔端部15bに係止させることにより、筐体1を立てた状態に維持する。
【選択図】図11
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11