【実施例】
【0123】
実施例1:本技術の結合オキシモルホンの経口PKプロフィール
[00142]本技術のいくつかのプロドラッグ結合体について、経口PK曲線を求めた。ラットに2mg/kgの遊離塩基オキシモルホンに相当する量の結合体を経口投与し、放出されたオキシモルホンの血漿中濃度をLC−MS/MSにより経時的に測定した。結果を以下の表1にまとめた。
【0124】
【表1】
【0125】
[00143]オキシモルホン、6−Bz−OM、及び3−インドメタシン−OMによって生成したオキシモルホンの血漿中濃度を比較する経口ラット(Sprague−Dawleyラット)試験から得られたPKプロフィールのグラフを
図14に示す。
【0126】
[00144]オキシモルホン、及び3,6−(シンナメート)
2−OMによって生成したオキシモルホンの血漿中濃度を比較する経口ラット(Sprague−Dawleyラット)試験から得られたPKプロフィールのグラフを
図15に示す。
【0127】
[00145]オキシモルホン、6−Bz−OM、及び3−インドメタシン−OMによって生成したオキシモルホンの血漿中濃度を比較する経口ラット(Sprague−Dawleyラット)試験から得られたPKプロフィールのグラフを
図16に示す。
【0128】
[00146]オキシモルホン、3−(4−MeO−Bz)−OM、及び3−(2−OH−Bz)−OMによって生成したオキシモルホンの血漿中濃度を比較する経口ラット(Sprague−Dawleyラット)試験から得られたPKプロフィールのグラフを
図17に示す。
【0129】
[00147]オキシモルホン、6−(2−OH−Bz)−OM、及び6−(4−OH−Bz)−OMによって生成したオキシモルホンの血漿中濃度を比較する経口ラット(Sprague−Dawleyラット)試験から得られたPKプロフィールのグラフを
図18に示す。
【0130】
[00148]オキシモルホン及び3−(4−OH−Bz)−OMによって生成したオキシモルホンの血漿中濃度を比較する経口ラット(Sprague−Dawleyラット)試験から得られたPKプロフィールのグラフを
図19に示す。
【0131】
[00149]オキシモルホン、3−バニレート−OM、及び6−バニレート−OMによって生成したオキシモルホンの血漿中濃度を比較する経口ラット(Sprague−Dawleyラット)試験から得られたPKプロフィールのグラフを
図20に示す。
【0132】
[00150]オキシモルホン、6−(4−OH−Bz)−OM、及び3,6−(4−MeO−Bz)
2−OMによって生成したオキシモルホンの血漿中濃度を比較する経口ラット(Sprague−Dawleyラット)試験から得られたPKプロフィールのグラフを
図21に示す。
【0133】
[00151]オキシモルホン、6−(3−ABz)−OM、及び6−(シンナメート)−OMによって生成したオキシモルホンの血漿中濃度を比較する経口ラット(Sprague−Dawleyラット)試験から得られたPKプロフィールのグラフを
図22に示す。
【0134】
[00152]オキシモルホン、3−(2−OAc−Bz)−OM、及び2−ケトプロフェン−OMによって生成したオキシモルホンの血漿中濃度を比較する経口ラット(Sprague−Dawleyラット)試験から得られたPKプロフィールのグラフを
図23に示す。
【0135】
[00153]オキシモルホン、及び3−フェノプロフェン−OMによって生成したオキシモルホンの血漿中濃度を比較する経口ラット(Sprague−Dawleyラット)試験から得られたPKプロフィールのグラフを
図24に示す。
【0136】
[00154]オキシモルホン、3−ジフルニサル−OM、及び6−ケトプロフェン−OMによって生成したオキシモルホンの血漿中濃度を比較する経口ラット(Sprague−Dawleyラット)試験から得られたPKプロフィールのグラフを
図25に示す。
【0137】
[00155]オキシモルホンプロドラッグの実施例は、非結合OM(オキシモルホン)と比べて、オキシモルホン(OM)に関して類似の経口バイオアベイラビリティ(全身吸収)を示している。
【0138】
[00156]ここに特許請求されている技術において提供された実施例は、発明者らによって発見されたいくつかの新規化学物質プロドラッグからの活性成分OMの効果的な放出を示している。これらのOMプロドラッグをラットに経口投与した後のOMの血漿中濃度は、非結合OMによって生成した血漿中濃度と比べて、様々なレベルの暴露を生じた。一部の場合において、活性成分OMの経口バイオアベイラビリティは、プロドラッグによって改良された。
【0139】
[00157]上記実験のすべてのPKパラメーターは、対照(OM)からの%変化として計算され、表されている。これらのPKパラメーターは、最大血漿中濃度(C
max)、曲線下面積(AUC)、C
maxが起こる時間(T
max)であった。これらのパラメーターは、表1にOM対照に対して示されている。
【0140】
実施例2:本技術の結合オキシモルホンの鼻腔内PKプロフィール
[00158]本技術のいくつかのプロドラッグ結合体について、鼻腔内PK曲線を求めた。ラットに0.2mg/kgの遊離塩基オキシモルホンに相当する量の結合体を鼻腔内投与し、放出されたオキシモルホンの血漿中濃度をLC−MS/MSにより経時的に測定した。
【0141】
[00159]OMは吸入(insufflation)されることが多いが、それは、この投与経路が急速かつ高レベルの陶酔感を生じるためである。これは鼻腔内(IN)薬物動態によって説明できる。鼻腔内送達されたOMは、非常に迅速に(短いT
max)OMの高血漿中濃度(C
max)を生じる。また、最高のOM暴露レベル(AUC)ももたらす。一方、我々の乱用抑止性OMプロドラッグの吸入は、劇的に低いOMの血漿中濃度、T
maxの遅延、そしてしばしば非常に低いOM暴露をもたらす。これらの特徴のいくつかの例を
図26〜29に提供する。
【0142】
[00160]経口以外の送達経路は、十分なレベルのオキシモルホンを放出するためにオキシモルホンプロドラッグに必要とされる活性化工程を迂回することになるので、例えば鼻腔内及び静脈内投与による乱用抑止性を付与する。
【0143】
[00161]OMと比較した鼻腔内薬物動態をラットで試験した。プロドラッグの場合、はるかに低いOMの血漿中濃度しか観察されず、良好な鼻腔内乱用抑止可能性を示した。
【0144】
[00162]乱用可能性と関連付けられることの多い鼻腔内PKパラメーター(C
max及びT
max)は、多くのOMプロドラッグで、それらの乱用可能性がかなり低くなるであろうと予測されるように変化した(それぞれ減少及び増加)。
【0145】
[00163]上記実験のすべてのPKパラメーターは、対照(OM)からの変化%として計算され、表されている。これらのPKパラメーターは、最大血漿中濃度(C
max)、曲線下面積(AUC)、C
maxが起こる時間(T
max)であった。これらのパラメーターは、表2にOM対照に対して示されている。
【0146】
【表2】
【0147】
[00165]
実施例3:比較試験
[00166]ここに特許請求されている技術は、オピオイドのオキシモルホンと様々なアリールカルボン酸との共有結合を利用し、医薬品有効成分(API)のオキシモルホンが経口投与後にインビボで放出されるようにすることにより、過剰摂取又は乱用を引き起こす可能性を削減している。これらの結合体は、安全であることが確認されているが高度に乱用される親分子のプロドラッグとして意図されている。一般に受け入れられているプロドラッグの定義を満たすには、結合体は顕著な薬理活性を持ってはならず、インビボで活性部分が放出されて初めて効果を発揮することになる。
【0148】
[00167]ここに記載されている技術は、以前に報告された技術の例と構造的に類似しているように見えるオキシモルホン結合体に関するが、それらの性質は全く異なり、かつ自明でない。これを例証するために、ここに特許請求されているいくつかのオキシモルホンの結合体の経口薬物動態(PK)プロフィールを、構造的に類似したヒドロコドン、ヒドロモルホン及びオキシコドンの結合体に対してプロットする。
【0149】
[00168]結合体から放出される各オピオイドの血漿中濃度の測定値は、等モル用量のその親オピオイドの対応最大血漿中濃度(C
max)に対して標準化された(すなわち、親オピオイドのC
maxを100%に設定した)。得られたPK曲線は、様々な結合体から放出されたオピオイドの血漿中濃度を示しているが、これは各親オピオイドのピーク血漿中濃度(C
max)のパーセントとしてプロットされている。こうすることにより、同じカルボン酸と結合された異なるオピオイドのいくつかの結合体によって生成するオピオイド濃度の比較が容易になる。
【0150】
[00169]例えば、
図30は、オキシモルホンの三つの安息香酸結合体を、類似のヒドロコドンの結合体と比較した。ヒドロコドン結合体は、その親オピオイド(ヒドロコドン酒石酸水素塩)と類似した放出オピオイド血漿中濃度を生じているが、二つのオキシモルホン結合体は、それらの親オピオイド(オキシモルホン塩酸塩)と比べて鈍い放出オピオイド血漿中濃度しか示さなかった。
【0151】
[00170]
図31は、4−メトキシ安息香酸と結合された二つのオキシモルホンプロドラッグ結合体と、同じ酸に結合された一つのヒドロコドンとを比較している。本実施例では、ヒドロコドン結合体は、ヒドロコドンがオキシモルホン結合体と同じ酸に共有結合されているにも関わらず、二つのオキシモルホン結合体と比べて高いオピオイド放出を示していた。興味深いことに、オキシモルホン結合体は、特有の薬物動態特徴も有していた。
【0152】
[00171]
図32は、オキシモルホン及びヒドロコドンの桂皮酸結合体の相対PKプロフィールを示す。ここでも二つの異なるオピオイドの放出プロフィールは非常に異なり、予想外であった。
【0153】
[00172]
図33は、各オピオイド分子上の同じ位置で4−メトキシ安息香酸と結合されたオキシモルホン及びヒドロモルホンのPKプロフィールを示す。同じ位置で結合された同一のリガンド基を有しているにも関わらず、ヒドロモルホン結合体は、オキシモルホン結合体と比べてより多くのオピオイドを放出した。同様に、
図34でも、オキシモルホンプロドラッグをヒドロモルホンプロドラッグと比較した。
図35〜38では、グラフに示されている通り、様々なリガンド部分と結合されたオキシモルホンプロドラッグをオキシコドンプロドラッグと比較した。
【0154】
[00173]ここに記載された技術から得られたPKプロフィールデータグラフは、いずれ
の関係当業者も同じことを実施できるほど十分、明確、簡潔、及び正確な言葉でここに明
記されている。上記の記載は本技術の好適な態様を述べていること、及び添付の特許請求
の範囲に記載された本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、その中で変更が可能で
あることは理解されるはずである。
以下に、出願時の特許請求の範囲の記載を示す。
[請求項1]
少なくとも一つのカルボン酸、その誘導体、その塩、又はそれらの組合せに共有結合さ
れたオキシモルホンを含む組成物。
[請求項2]
カルボン酸がアリールカルボン酸である、請求項1に記載の組成物。
[請求項3]
少なくとも一つのアリールカルボン酸が、オキシモルホンのC−3ヒドロキシル基、オ
キシモルホンのC−6エノール互変異性体、又はオキシモルホンのC−14ヒドロキシル
基のいずれかに共有結合されているか;又は少なくとも二つの独立に選ばれるアリールカ
ルボン酸がオキシモルホンのC−3ヒドロキシル基とC−6エノール互変異性体、又はオ
キシモルホンのC−6エノール互変異性体とC−14ヒドロキシル基、又はオキシモルホ
ンのC−3ヒドロキシル基とC−14ヒドロキシル基の両方に結合されているか;又は少
なくとも三つの独立に選ばれるアリールカルボン酸がオキシモルホンのC−3ヒドロキシ
ル基、C−6エノール互変異性体及びC−14ヒドロキシル基に結合されている、請求項
2に記載の組成物。
[請求項4]
アリールカルボン酸が、下記構造:
【化1】
[式中、
X、Y及びZは、本質的に、H、O、S、NH及び−(CH
2)
x−からなる群から独
立に選ばれ;
R
1、R
2及びR
3は、本質的に、H、アルキル、アルコキシ、アリール、アルケニル
、アルキニル、ハロ、ハロアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロサイ
クル、アリールアルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル及びシクロアルキニルか
らなる群から独立に選ばれ;
o、p、qは約0又は約1から独立に選ばれ;そして
xは、約1〜約10の間の整数である]
を有するベンゾエートである、請求項3に記載の組成物。
[請求項5]
アリールカルボン酸が、本質的に、アミノベンゾエート、アントラニル酸の類似体、フ
ェナメート、ヒドロキシベンゾエート、アミノヒドロキシベンゾエート、サリチル酸類似
体、又はそれらの誘導体からなる群から選ばれる、請求項3に記載の組成物。
[請求項6]
前記アリールカルボン酸が、本質的に、安息香酸、サリチル酸、アセチルサリチル酸(
アスピリン)、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、6−メチルサリチル
酸、o,m,p−クレソチン酸、アナカルジン酸類、4,5−ジメチルサリチル酸、o,
m,p−チモト酸、ジフルシナル、o,m,p−アニス酸、2,3−ジヒドロキシ安息香
酸(2,3−DHB)、α,β,γ−レゾルシン酸、プロトカテク酸、ゲンチジン酸、ピ
ペロニル酸、3−メトキシサリチル酸、4−メトキシサリチル酸、5−メトキシサリチル
酸、6−メトキシサリチル酸、3−ヒドロキシ−2−メトキシ安息香酸、4−ヒドロキシ
−2−メトキシ安息香酸、5−ヒドロキシ−2−メトキシ安息香酸、バニリン酸、イソバ
ニリン酸、5−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸、2,3−ジメトキシ安息香酸、2,
4−ジメトキシ安息香酸、2,5−ジメトキシ安息香酸、2,6−ジメトキシ安息香酸、
ベラトルム酸(3,4−ジメトキシ安息香酸)、3,5−ジメトキシ安息香酸、没食子酸
、2,3,4−トリヒドロキシ安息香酸、2,3,6−トリヒドロキシ安息香酸、2,4
,5−トリヒドロキシ安息香酸、3−O−メチル没食子酸(3−OMGA)、4−O−メ
チル没食子酸(4−OMGA)、3,4−O−ジメチル没食子酸、シリング酸、3,4,
5−トリメトキシ安息香酸、又はそれらの誘導体からなる群から選ばれる、請求項3に記
載の組成物。
[請求項7]
前記アリールカルボン酸が、4−アミノサリチル酸、3−ヒドロキシアントラニル酸、
3−メトキシアントラニル酸、及びそれらの誘導体からなる群から選ばれるアミノヒドロ
キシベンゾエートである、請求項3に記載の組成物。
[請求項8]
前記アリールカルボン酸が、アントラニル酸、3−アミノ安息香酸、4,5−ジメチル
アントラニル酸、N−メチルアントラニル酸、N−アセチルアントラニル酸、フェナム酸
類(例えば、トルフェナム酸、メフェナム酸、フルフェナム酸)、2,4−ジアミノ安息
香酸(2,4−DABA)、2−アセチルアミノ−4−アミノ安息香酸、4−アセチルア
ミノ−2−アミノ安息香酸、2,4−ジアセチルアミノ安息香酸、及びそれらの誘導体か
らなる群から選ばれるアミノベンゾエートである、請求項3に記載の組成物。
[請求項9]
前記アリールカルボン酸が、サリチル酸、アセチルサリチル酸(アスピリン)、3−ヒ
ドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、6−メチルサリチル酸、o,m,p−クレ
ソチン酸、アナカルジン酸類、4,5−ジメチルサリチル酸、o,m,p−チモト酸、ジ
フルシナル、o,m,p−アニス酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸(2,3−DHB)
、α,β,γ−レゾルシン酸、プロトカテク酸、ゲンチジン酸、ピペロニル酸、3−メト
キシサリチル酸、4−メトキシサリチル酸、5−メトキシサリチル酸、6−メトキシサリ
チル酸、3−ヒドロキシ−2−メトキシ安息香酸、4−ヒドロキシ−2−メトキシ安息香
酸、5−ヒドロキシ−2−メトキシ安息香酸、バニリン酸、イソバニリン酸、5−ヒドロ
キシ−3−メトキシ安息香酸、2,3−ジメトキシ安息香酸、2,4−ジメトキシ安息香
酸、2,5−ジメトキシ安息香酸、2,6−ジメトキシ安息香酸、ベラトルム酸(3,4
−ジメトキシ安息香酸)、3,5−ジメトキシ安息香酸、没食子酸、2,3,4−トリヒ
ドロキシ安息香酸、2,3,6−トリヒドロキシ安息香酸、2,4,5−トリヒドロキシ
安息香酸、3−O−メチル没食子酸(3−OMGA)、4−O−メチル没食子酸(4−O
MGA)、3,4−O−ジメチル没食子酸、シリング酸、3,4,5−トリメトキシ安息
香酸、及びそれらの誘導体からなる群から選ばれるヒドロキシベンゾエートである、請求
項3に記載の組成物。
[請求項10]
前記アリールカルボン酸が、下記構造:
【化2】
[式中、
X、Y及びZは、本質的に、H、O、S、NH及び−(CH
2)
x−からなる群から独
立に選ばれ;
R
1、R
2及びR
3は、本質的に、H、アルキル、アルコキシ、アリール、アルケニル
、アルキニル、ハロ、ハロアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロサイ
クル、アリールアルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル及びシクロアルキニルか
らなる群から独立に選ばれ;
o、p、qは、約0又は約1から独立に選ばれ;そして
xは、約1〜約10の整数である]
の一つを有するヘテロアリールカルボン酸である、請求項3に記載の組成物。
[請求項11]
前記アリールカルボン酸が、本質的に、ニコチン酸(ナイアシン)、イソニコチン酸、
ピコリン酸、3−ヒドロキシピコリン酸、6−ヒドロキシニコチン酸、シトラジン酸、2
,6−ジヒドロキシニコチン酸、キヌレン酸、キサンツレン酸、6−ヒドロキシキヌレン
酸、8−メトキシキヌレン酸、7,8−ジヒドロキシキヌレン酸、7,8−ジヒドロ−7
,8−ジヒドロキシキヌレン酸、又はそれらの誘導体からなる群から選ばれるヘテロアリ
ールカルボン酸である、請求項3に記載の組成物。
[請求項12]
前記アリールカルボン酸が、下記構造:
【化3】
[式中、
X、Y及びZは、本質的に、H、O、S、NH及び−(CH
2)
x−からなる群から独
立に選ばれ;
R
1、R
2及びR
3は、本質的に、H、アルキル、アルコキシ、アリール、アルケニル
、アルキニル、ハロ、ハロアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロサイ
クル、アリールアルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル及びシクロアルキニルか
らなる群から独立に選ばれ;
o、p、qは約0又は約1から独立に選ばれ;
xは、約1〜約10の整数であり;
Alkはアルキル鎖−(CH
2)
n−で、nは約0又は約1のいずれかであり;そして
R
6は、H、OH又はカルボニルでありうる]
を有するフェニルアセテートの誘導体である、請求項3に記載の組成物。
[請求項13]
前記アリールカルボン酸が、本質的に、フェニルプロピオン酸、2−メチル−2−フェ
ニル酢酸、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、プロフェン、チロシン代謝産物、又
はそれらの誘導体からなる群から選ばれる、請求項3に記載の組成物。
[請求項14]
前記アリールカルボン酸が、本質的に、フェニル酢酸(ヒドロアトロパ酸)、2−ヒド
ロキシフェニル酢酸、3−ヒドロキシフェニル酢酸、4−ヒドロキシフェニル酢酸、ホモ
プロトカテク酸、ホモゲンチジン酸、2,6−ジヒドロキシフェニル酢酸、ホモバニリン
酸、ホモイソバニリン酸、ホモベラトルム酸、アトロパ酸、d,l−トロパ酸、ジクロフ
ェナク、d,l−マンデル酸、3,4−ジヒドロキシ−d,l−マンデル酸、バニリル−
d,l−マンデル酸、イソバニリル−d,l−マンデル酸、イブプロフェン、フェノプロ
フェン、カルプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、又はそ
れらの誘導体からなる群から選ばれる、請求項3に記載の組成物。
[請求項15]
前記アリールカルボン酸が、下記構造:
【化4】
[式中、
X、Y及びZは、本質的に、H、O、S、NH及び−(CH
2)
x−からなる群から独
立に選ばれ;
R
1、R
2及びR
3は、本質的に、H、アルキル、アルコキシ、アリール、アルケニル
、アルキニル、ハロ、ハロアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロサイ
クル、アリールアルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル及びシクロアルキニルか
らなる群から独立に選ばれ;
R
4は、H又はOHであり;
R
5は、H、OH又はカルボニルであり;
o、p、qは約0又は約1から独立に選ばれ;そして
xは約1〜約10の整数である]
の一つを有する桂皮酸又はフェニルプロピオン酸の類似体である、請求項3に記載の組成
物。
[請求項16]
前記アリールカルボン酸が、桂皮酸、o,m,p−クマル酸、2,3−ジヒドロキシ桂
皮酸、2,6−ジヒドロキシ桂皮酸、コーヒー酸、フェルラ酸、イソフェルラ酸、5−ヒ
ドロキシフェルラ酸、シナピン酸、2−ヒドロキシ−3−フェニルプロペン酸、又はそれ
らの誘導体である、請求項3に記載の組成物。
[請求項17]
前記アリールカルボン酸がフェニルプロピオン酸又はその置換誘導体である、請求項3
に記載の組成物。
[請求項18]
前記アリールカルボン酸が、フェニルプロピオン酸、メリロート酸、3−ヒドロキシフ
ェニルプロパン酸、4−ヒドロキシフェニルプロパン酸、2,3−ジヒドロキシフェニル
プロパン酸、d,l−フェニル乳酸、o,m,p−ヒドロキシ−d,l−フェニル乳酸、
フェニルピルビン酸、又はそれらの誘導体である、請求項3に記載の組成物。
[請求項19]
前記アリールカルボン酸が、フェニル酢酸(ヒドロアトロパ酸)、2−ヒドロキシフェ
ニル酢酸、3−ヒドロキシフェニル酢酸、4−ヒドロキシフェニル酢酸、ホモプロトカテ
ク酸、ホモゲンチジン酸、2,6−ジヒドロキシフェニル酢酸、ホモバニリン酸、ホモイ
ソバニリン酸、ホモベラトルム酸、アトロパ酸、d,l−トロパ酸、ジクロフェナク、d
,l−マンデル酸、3,4−ジヒドロキシ−d,l−マンデル酸、バニリル−d,l−マ
ンデル酸、イソバニリル−d,l−マンデル酸、イブプロフェン、フェノプロフェン、カ
ルプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、又はそれらの誘導
体である、請求項3に記載の組成物。
[請求項20]
オキシモルホンのC−6エノール互変異性体に共有結合されているアリールカルボン酸
が、アリール部分の環炭素に共有結合されたカルボキシル基を有する、請求項3に記載の
組成物。
[請求項21]
オキシモルホンのC−6エノール互変異性体に共有結合されているアリールカルボン酸
が、アリール部分から約1個の炭素によって隔てられたカルボキシル基を有する、請求項
3に記載の組成物。
[請求項22]
オキシモルホンのC−6エノール互変異性体に共有結合されているアリールカルボン酸
が、アリール部分から約2個の炭素によって隔てられたカルボキシル基を有する、請求項
3に記載の組成物。
[請求項23]
オキシモルホンのC−14ヒドロキシル基に共有結合されているアリールカルボン酸が
、アリール部分の環炭素に共有結合されたカルボキシル基を有する、請求項3に記載の組
成物。
[請求項24]
オキシモルホンのC−14ヒドロキシル基に共有結合されているアリールカルボン酸が
、アリール部分から約1個の炭素によって隔てられたカルボキシル基を有する、請求項3
に記載の組成物。
[請求項25]
オキシモルホンのC−14ヒドロキシル基に共有結合されているアリールカルボン酸が
、アリール部分から約2個の炭素によって隔てられたカルボキシル基を有する、請求項3
に記載の組成物。
[請求項26]
オキシモルホンのC−3ヒドロキシル基に共有結合されているアリールカルボン酸が、
アリール部分の環炭素に共有結合されたカルボキシル基を有する、請求項3に記載の組成
物。
[請求項27]
オキシモルホンのC−3ヒドロキシル基に共有結合されているアリールカルボン酸が、
アリール部分から約1個の炭素によって隔てられたカルボキシル基を有する、請求項3に
記載の組成物。
[請求項28]
オキシモルホンのC−3ヒドロキシル基に共有結合されているアリールカルボン酸が、
アリール部分から約2個の炭素によって隔てられたカルボキシル基を有する、請求項3に
記載の組成物。
[請求項29]
アリールカルボン酸の少なくとも一つが、オキシモルホンのC−3ヒドロキシル基、オ
キシモルホンのC−14ヒドロキシル基、オキシモルホンのC−6エノール互変異性体、
又はそれらの組合せに共有結合され、そしてアリール部分の環炭素に共有結合されたカル
ボキシル基を有する、請求項3に記載の組成物。
[請求項30]
アリールカルボン酸の少なくとも一つが、オキシモルホンのC−3ヒドロキシル基、オ
キシモルホンのC−14ヒドロキシル基、オキシモルホンのC−6エノール互変異性体、
又はそれらの組合せに共有結合され、そしてアリール部分から1個の炭素によって隔てら
れたカルボキシル基を有する、請求項3に記載の組成物。
[請求項31]
アリールカルボン酸の少なくとも一つが、オキシモルホンのC−3ヒドロキシル基、オ
キシモルホンのC−14ヒドロキシル基、オキシモルホンのC−6エノール互変異性体、
又はそれらの組合せに共有結合され、そしてアリール部分から約2個の炭素によって隔て
られたカルボキシル基を有する、請求項3に記載の組成物。
[請求項32]
組成物が、錠剤、カプセル、カプレット、軟質ゲル、坐剤、トローチ、ロゼンジ、経口
散剤、溶液、経口フィルム、薄片、スラリー、及び懸濁液からなる群から選ばれる剤形で
ある、請求項3に記載の組成物。
[請求項33]
治療上有効量の少なくとも一つの結合体を含有する包装された特定量の個別用量を含む
医薬キットであって、前記結合体は少なくとも一つのオキシモルホンと少なくとも一つの
アリールカルボン酸とを含む医薬キット。
[請求項34]
少なくとも一つのNSAID、その誘導体、その塩、又はそれらの組合せに共有結合さ
れたオキシモルホンを含む組成物。
[請求項35]
少なくとも一つのNSAIDが、オキシモルホンのC−3ヒドロキシル基、オキシモル
ホンのC−6エノール互変異性体、又はオキシモルホンのC−14ヒドロキシル基のいず
れかに共有結合されているか;又は少なくとも二つの独立に選ばれるNSAIDsがオキ
シモルホンのC−3ヒドロキシル基とC−6エノール互変異性体、又はオキシモルホンの
C−6エノール互変異性体とC−14ヒドロキシル基、又はオキシモルホンのC−3ヒド
ロキシル基とC−14ヒドロキシル基の両方に結合されているか;又は少なくとも三つの
独立に選ばれるNSAIDsがオキシモルホンのC−3ヒドロキシル基、C−6エノール
互変異性体及びC−14ヒドロキシル基に結合されている、請求項34に記載の組成物。
[請求項36]
少なくとも一つのNSAIDが、本質的に、アスピリン、ジフルシナル、サリチレート
、及びそれらの誘導体からなる群から選ばれるサリチレートである、請求項34に記載の
組成物。
[請求項37]
少なくとも一つのNSAIDが、本質的に、イブプロフェン、デクスイブプロフェン、
ナプロキセン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、デクスケトプロフェン、フルルビプ
ロフェン、オキサプロジン、ロキソプロフェン、及びそれらの誘導体からなる群から選ば
れるプロピオネートである、請求項34に記載の組成物。
[請求項38]
少なくとも一つのNSAIDが、本質的に、インドメタシン、トルメチン、スリンダク
、エトドラク、ケトロラク、ジクロフェナク、及びそれらの誘導体からなる群から選ばれ
るアセテートである、請求項34に記載の組成物。
[請求項39]
少なくとも一つのNSAIDが、本質的に、ピロキシカム、メロキシカム、テノキシカ
ム、ロルノキシカム、イソキシカム、及びそれらの誘導体からなる群から選ばれるオキシ
カムである、請求項34に記載の組成物。
[請求項40]
少なくとも一つのNSAIDが、本質的に、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフ
ェナム酸、トルフェナム酸、及びそれらの誘導体からなる群から選ばれるフェナメートで
ある、請求項34に記載の組成物。
[請求項41]
少なくとも一つのNSAIDが、本質的に、セレコキシブ、バルデコキシブ、ルミラコ
キシブ、及びそれらの誘導体からなる群から選ばれるCOX−2阻害薬である、請求項3
4に記載の組成物。
[請求項42]
組成物が、錠剤、カプセル、カプレット、坐剤、トローチ、ロゼンジ、経口散剤、溶液
、経口フィルム、薄片、スラリー、及び懸濁液からなる群から選ばれる剤形である、請求
項34に記載の組成物。
[請求項43]
前記結合体が、錠剤、カプセル、カプレット、坐剤、トローチ、ロゼンジ、経口散剤、
溶液、経口フィルム、薄片、スラリー、及び懸濁液からなる群から選ばれる剤形である、
請求項33に記載の医薬キット。
[請求項44]
約0.5mg〜約200mg/用量のオキシモルホンの用量に相当する投与量範囲での
前記結合体の使用に向けた説明書をさらに含む、請求項33に記載の医薬キット。
[請求項45]
組成物が、麻薬又はオピオイド乱用の治療;麻薬又はオピオイドの離脱症状の防止;中
等度〜重度の疼痛の治療;経口、鼻腔内又は静脈内薬物乱用の低減又は防止;又は経口、
鼻腔内もしくは非経口薬物乱用抵抗性の提供に使用される、請求項3に記載の組成物。
[請求項46]
組成物が、経口投与された場合、長時間にわたり、同じ時間で非結合オキシモルホンと
比較した場合に改良されたAUC及び放出速度を示し;非結合オキシモルホンと比較した
場合に経口PKプロフィールの変動の少なさを示し;又は非結合オキシモルホンと比較し
た場合に低減された副作用を有する、請求項3に記載の組成物。
[請求項47]
低減された副作用が、低減されたオピオイド誘発性便秘を含む、請求項46に記載の組
成物。
[請求項48]
組成物が、経口投与された場合、非結合オキシモルホンと比較した場合に治療上等価の
AUCを提供するのに足る量である、請求項3に記載の組成物。
[請求項49]
組成物が、経口投与された場合、等モル量の非結合オキシモルホンと比較した場合に治
療上等価のAUC及びC
maxを提供するのに足る量である、請求項3に記載の組成物。
[請求項50]
組成物が、経口投与された場合、等モル量の非結合オキシモルホンと比較した場合に治
療上等価のAUC及びより低いC
maxを提供するのに足る量である、請求項3に記載の
組成物。
[請求項51]
少なくとも一つの結合体の鼻腔内又は静脈内投与が、等モル量の非結合オキシモルホン
と比較した場合に、より低いAUC及び/又はC
maxを提供する、請求項3に記載の組
成物。
[請求項52]
少なくとも一つの結合体の経口投与が、等モル量の非結合オキシモルホンと比較した場
合に低減された過剰摂取可能性を提供する、請求項3に記載の組成物。
[請求項53]
少なくとも一つの結合体が、非結合オキシモルホンと比較した場合に増大した不正変更
抵抗性を提供する、請求項3に記載の組成物。
[請求項54]
少なくとも一つのオピオイドを患者の一つ又は複数のオピオイド受容体に結合させるこ
とによって媒介される疾患、障害又は状態を有する患者の治療法であって、治療上有効量
の少なくとも一つの請求項3の組成物を患者に経口投与することを含む方法。
[請求項55]
少なくとも一つの結合体代謝産物が患者のオピオイド受容体に可逆的に結合する、請求
項54に記載の方法。
[請求項56]
少なくとも一つの結合体代謝産物がオピオイド受容体に非可逆的に結合する、請求項5
4に記載の方法。