特許第6462884号(P6462884)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6462884センサ・アレイ・パッケージング・ソリューション
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6462884
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】センサ・アレイ・パッケージング・ソリューション
(51)【国際特許分類】
   G01D 11/24 20060101AFI20190121BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20190121BHJP
   H01Q 1/42 20060101ALI20190121BHJP
【FI】
   G01D11/24 B
   H01Q21/06
   H01Q1/42
【請求項の数】20
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-532945(P2017-532945)
(86)(22)【出願日】2015年12月4日
(65)【公表番号】特表2018-508747(P2018-508747A)
(43)【公表日】2018年3月29日
(86)【国際出願番号】US2015064002
(87)【国際公開番号】WO2016099962
(87)【国際公開日】20160623
【審査請求日】2017年8月14日
(31)【優先権主張番号】14/573,496
(32)【優先日】2014年12月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598028028
【氏名又は名称】ロッキード マーティン コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Lockheed Martin Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビショップ,ジェームズ,イー.
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,アラン
(72)【発明者】
【氏名】カプルン,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】マッケルウェイン,スティーブン,イー.,ジュニア.
(72)【発明者】
【氏名】ヴォス,デイヴィッド,エル.
【審査官】 榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−110330(JP,A)
【文献】 特開平10−013147(JP,A)
【文献】 特開2006−098672(JP,A)
【文献】 特表2005−525771(JP,A)
【文献】 特開平03−289705(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0272453(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0146497(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 11/24
H01Q 1/42
H01Q 21/06 − 22
G02B 6/04 − 08
G02B 6/12 − 14
G02B 6/42 − 43
H05K 1/14
H05K 1/18
H05K 7/02 − 10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ・アレイ・パッケージング・システムであって、
複数のセンサ・アレイ要素を包含する配線盤と、
前記複数のセンサ・アレイ要素と接触する壁を有するリボン構成を表面に有し、かつ前記表面から裏側に延びるスルーホールを包含する構造コア本体と、
前記構造コア本体の前記裏側にマウントされる1つまたは複数の電子光学構成要素と、
前記複数のセンサ・アレイ要素の各々から前記スルーホールを通って前記1つまたは複数の電子光学構成要素のうちの少なくとも1つに延びるケーブルと
を包含するセンサ・アレイ・パッケージング・システム。
【請求項2】
前記ケーブルは、前記リボン構成内に提供され、かつ前記スルーホールを通って延びる光ファイバ・コーム・ディスクとしてアレンジされた光ファイバ・ケーブルである、請求項1に記載のセンサ・アレイ・パッケージング・システム。
【請求項3】
前記センサ・アレイ要素のそれぞれのための前記光ファイバ・ケーブルは、同一の長さである、請求項2に記載のセンサ・アレイ・パッケージング・システム。
【請求項4】
前記構造コア本体および前記リボン構成は、単一のユニット型の構成要素であり、かつ前記リボン構成は、渦巻き螺旋リボン構成である、請求項1に記載のセンサ・アレイ・パッケージング・システム。
【請求項5】
前記複数のセンサ・アレイ要素は、前記リボン構成に対応するアレンジメントで構成される、請求項1に記載のセンサ・アレイ・パッケージング・システム。
【請求項6】
さらに、1つまたは複数のファン、空気取り入れ口、および1つまたは複数の空気吐出口を包含する強制対流システムを包含する、請求項1に記載のセンサ・アレイ・パッケージング・システム。
【請求項7】
さらに、前記構造コア本体の前記裏側の複数のフィンから形成される、前記空気取り入れ口から前記1つまたは複数のファンに通じるチャンネルを包含する、請求項6に記載のセンサ・アレイ・パッケージング・システム。
【請求項8】
前記複数のフィンおよび前記構造コア本体は、単一のユニット型の構成要素である、請求項7に記載のセンサ・アレイ・パッケージング・システム。
【請求項9】
さらに、渦巻き螺旋リボン構成またはサンバースト構成である前記リボン構成から離されて前記構造コア本体の前記表面上に位置決めされる1つまたは複数のヒート・シンク・フィンを包含する、請求項1に記載のセンサ・アレイ・パッケージング・システム。
【請求項10】
さらに、それぞれ、前記構造コア本体の対向する側にマウントされ、前記複数のセンサ・アレイ要素および前記1つまたは複数の電子光学構成要素本体を保護するレードーム・カバーおよびリア・カバーを包含する、請求項1に記載のセンサ・アレイ・パッケージング・システム。
【請求項11】
センサ・アレイ・パッケージング・システムであって、
構造コア本体であって、
それの表面の渦巻き螺旋リボン構成と、
それの裏側の、前記構造コア本体に取り付けられたカバーによって覆われる複数のフィンと、
前記渦巻き螺旋リボン構成の中心の、前記表面から前記カバーに延びるスルーホールと、
前記カバーにマウントされる1つまたは複数の電子光学構成要素と、
を包含する構造コア本体と、
前記渦巻き螺旋リボン構成の壁に直接マウントされる複数のセンサ・アレイ要素であって、前記複数のセンサ・アレイ要素のそれぞれが、前記渦巻き螺旋リボン構成内に提供され、かつ前記スルーホールを通って前記1つまたは複数の電子光学構成要素のうちの少なくとも1つに至る光ファイバ・ケーブルを有する複数のセンサ・アレイ要素と、
を包含するセンサ・アレイ・パッケージング・システム。
【請求項12】
前記光ファイバ・ケーブルは、前記スルーホールを通って延びる、前記渦巻き螺旋リボン構成の中心における光ファイバ・コーム・ディスクとしてアレンジされる、請求項11に記載のセンサ・アレイ・パッケージング・システム。
【請求項13】
前記センサ要素のそれぞれのための前記光ファイバ・ケーブルは、同一の長さである、請求項12に記載のセンサ・アレイ・パッケージング・システム。
【請求項14】
前記構造コア本体、前記渦巻き螺旋リボン構成、および前記複数のフィンは、単一のユニット型の構成要素である、請求項11に記載のセンサ・アレイ・パッケージング・システム。
【請求項15】
前記複数のセンサ・アレイ要素は、前記渦巻き螺旋リボン構成に対応する渦巻き螺旋アレンジメントに置かれる、請求項11に記載のセンサ・アレイ・パッケージング・システム。
【請求項16】
前記スルーホールは、整列のためのスプライン付きスルーホールである、請求項11に記載のセンサ・アレイ・パッケージング・システム。
【請求項17】
前記複数のフィンは、空気取り入れ口から強制空気対流システムの1つまたは複数のファンに通じるチャンネルを形成する、請求項11に記載のセンサ・アレイ・パッケージング・システム。
【請求項18】
さらに、渦巻き螺旋リボン構成から離されて前記構造コア本体の前記表面上に位置決めされる1つまたは複数のヒート・シンク・フィンを包含する、請求項11に記載のセンサ・アレイ・パッケージング・システム。
【請求項19】
さらに、それぞれ、前記構造コア本体の対向する側にマウントされ、前記複数のセンサ・アレイ要素および前記1つまたは複数の電子光学構成要素本体を保護するレードーム・カバーおよびリア・カバーを包含する、請求項11に記載のセンサ・アレイ・パッケージング・システム。
【請求項20】
センサ・アレイ・パッケージング・システムであって、
表面に渦巻き螺旋リボン構成を包含し、かつ空気取り入れ口から裏側の空気吐出口へのチャンネルを形成するフィン・アレンジメントを包含する構造コア本体と、
前記構造コア本体の前記裏側にマウントされた、前記フィン・アレンジメントを覆うカバーと、
前記構造コア本体の前記表面から前記カバーに延びるスルーホールと、
前記構造コア本体の前記裏側の前記カバーにマウントされる電子光学構成要素と、
前記スルーホールを通って前記電子光学構成要素に延びるケーブルをそれぞれが有する、前記渦巻き螺旋リボン構成の壁と直接接触している複数のセンサ・アレイ要素を包含する配線盤と、
前記配線盤および前記複数のセンサ・アレイ要素を保護する前記構造コア本体にマウントされたレードーム・カバーと、
前記1つまたは複数の電子光学構成要素を保護する前記構造コア本体の前記裏側の前記カバーにマウントされたリア・カバーと、
を包含するセンサ・アレイ・パッケージング・システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ・アレイ・パッケージング・システムに指向されている。より詳細に述べれば、本発明は、過酷な動作環境のためのギガヘルツ・センサ・アレイ・パッケージング・ソリューションに指向されている。
【背景技術】
【0002】
センサ・アレイは、特定の幾何学的アレンジメントで配置されているセンサのグループである。通常、センサ・アレイのパターンは、信号の方向におけるアンテナ利得を増加させる一方、ノイズおよび干渉の方向における利得を減少させるべく設計される。このようにしてセンサ・アレイ・パターンは、信号対ノイズ比を増加させるべく設計される。
【0003】
センサ・アレイは、アレイ信号処理システム内に配置される。これらのアレイ信号処理システムには、たとえば、レーダ/ソナー、無線通信、地震計測、マシン状態監視および故障診断等が含まれる。レーダおよびソナー応用は、通常、軍事用途を含めた航空環境において実装される。これらの環境は、過酷な環境、たとえば、高い振動負荷を呈する環境はもとより、極端な温度およびそのほかの、高湿状態といった環境状態となる可能性がある。また、アレイ信号処理システム、たとえばセンサ、バックエンド・エレクトロニクス、および電源等は、夥しい量の熱を発生することも知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、センサおよびそのほかの電子光学構成要素のパッケージングは、それらの構成要素を過酷な環境状態から保護する一方、剛性、カメラに対する光学インターフェースの相対的な位置および整列の提供をはじめ、熱の消散の提供を最小可能パッケージの中で行わなければならない。しかしながら、これらの特徴は競合し、必要とされる要件のそれぞれの達成を非常に困難にする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の態様においては、センサ・アレイ・パッケージング・システムが構造コア本体を包含し、当該構造コア本体がその表面にあらかじめ決定済みの構成を、またその表面からそれの裏側に延びるスルーホールを包含する。さらにセンサ・アレイ・パッケージング・システムは、構造コア本体の裏側にマウントされた1つまたは複数の電子光学構成要素を包含する。さらにセンサ・アレイ・パッケージング・システムは、スルーホールを通って1つまたは複数の電子光学構成要素のうちの少なくとも1つに延びるケーブルをそれぞれが有する、あらかじめ決定済みの構成の壁と接触している複数のセンサ・アレイ要素を包含する配線盤を包含する。
【0006】
本発明の別の態様においては、センサ・アレイ・パッケージング・システムが構造コア本体を包含し、当該構造コア本体が、それの表面の渦巻き螺旋リボン構成と;それの裏側の複数のフィンであって、構造コア本体に取り付けられたカバーによって覆われる複数のフィンと;渦巻き螺旋リボン構成の中心の、表面からカバーに延びるスルーホールとを包含する。センサ・アレイ・パッケージング・システムは、さらに、カバーにマウントされる1つまたは複数の電子光学構成要素を包含する。センサ・アレイ・パッケージング・システムは、さらに、渦巻き螺旋リボン構成の壁に直接マウントされる複数のセンサ・アレイ要素を包含し、それにおいて複数のセンサ・アレイ要素のそれぞれのセンサ要素は、渦巻き螺旋リボン構成内に提供され、かつスルーホールを通って1つまたは複数の電子光学構成要素のうちの少なくとも1つに至る光ファイバ・ケーブルを有する。
【0007】
本発明のさらに別の態様においては、センサ・アレイ・パッケージング・システムが、構造コア本体であって、渦巻き螺旋リボン構成をその表面に包含し、また空気取り入れ口から裏側の空気吐出口へのチャンネルを形成するフィン・アレンジメントを包含する構造コア本体と;構造コア本体の裏側にマウントされた、フィン・アレンジメントを覆うカバーと;構造コア本体の表面からカバーに延びるスルーホールと;構造コア本体の裏側のカバーにマウントされる電子光学構成要素と;スルーホールを通って電子光学構成要素に延びるケーブルをそれぞれが有する、渦巻き螺旋リボン構成の壁と直接接触している複数のセンサ・アレイ要素を包含する配線盤と;配線盤および複数のセンサ・アレイ要素を保護する構造コア本体にマウントされたレードーム・カバーと;1つまたは複数の電子光学構成要素を保護する構造コア本体の裏側のカバーにマウントされたリア・カバーと、を包含する。
【0008】
次に、本発明の代表的な実施態様の非限定的な例による複数の顕著な図面を参照し、以下の詳細な説明の中で本発明を説明するが、それらにおいては、いくつかの図面を通じて類似する参照番号が類似する部分を表している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の態様に従ったセンサ・アレイ・パッケージング・ソリューションのための熱交換器および構造的支持体の斜視図である。
図2】本発明の態様に従ったセンサ・アレイ・パッケージング・ソリューションのための熱交換器および構造的支持体の平面図である。
図3図2のA−A線に沿った熱交換器および構造的支持体の破断図である。
図4図1−3に示されている熱交換器および構造的支持体にマウントすることが可能なプリント配線盤PWB上における複数のセンサ・アレイ要素の実装の平面図である。
図5】本発明の態様に従った熱交換器および構造的支持体に対するプリント配線盤の組み立てプロセスを示した側面図である。
図6】本発明の態様に従った組み立て後のセンサ・アレイ・パッケージング・ソリューションの側面図である。
図7a】本発明の態様に従った熱交換器および構造的支持体のための追加のアレイ・パターンを示した平面図である。
図7b】本発明の態様に従った熱交換器および構造的支持体のための追加のアレイ・パターンを示した平面図である。
図7c】本発明の態様に従った熱交換器および構造的支持体のための追加のアレイ・パターンを示した平面図である。
図7d】本発明の態様に従った熱交換器および構造的支持体のための追加のアレイ・パターンを示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、センサ・アレイ・パッケージング・システムに指向されている。より詳細に述べれば、本発明は、過酷な動作環境のためのギガヘルツ・センサ・アレイ・パッケージング・ソリューションに指向されている。より一層具体的な実施態様においては、本発明が、電子光学サブアッセンブリ、たとえば、センサ・アレイ要素ならびにセンサ・アレイのための関連する光学および処理構成要素のためのサーマル熱交換器および構造的支持体に指向される。実施態様においては、サーマル熱交換器および構造的支持体が、センサ・アレイ要素、たとえばプリント配線盤(PWB)上にマウントされるフロントエンド光学モジュールおよび関連構成要素をマウントするための渦巻き螺旋リボン構成(または、そのほかの構成)を含むコア構造、好ましくは金属のそれを含む。渦巻き螺旋リボン構成またはそのほかの構成は、いくつかの利点を提供し、それらには(i)熱の消散(伝熱);(ii)関連する光学および処理構成要素に対するセンサ・アレイ要素の相対的な位置および整列;および(iii)バックエンド・エレクトロニクスおよび光学装置に対するセンサ・アレイ要素のための電気的および光学的相互接続が含まれる。
【0011】
好都合なことに、センサ・アレイ・パッケージング・システムは、たとえば航空および海洋用途を含む過酷な環境のためのパッケージング・ソリューションを提供する。さらなる実施態様においては、たとえばセンサ・アレイ・パッケージング・システムが、挑戦的な高い振動環境を呈するヘリコプタ用途を含む軍事用途に良好に適する。例証として述べれば、このセンサ・アレイ・パッケージング・システムは、堅牢であり、たとえばヘリコプタの飛行といった過酷な物理的振動および温度環境に耐え得ることはもとより、製造および修理の容易性を呈する。またこのセンサ・アレイ・パッケージング・システムは、従来的なシステムと比較して最小限の質量を伴った設計もなされている。それに加えて、センサ・アレイ・パッケージング・システムおよび、より詳細に述べれば、それの熱交換器は、たとえば、−330ワット台のまたはそれを超える大量の発熱の消散が可能である。
【0012】
図1および2は、本発明の態様に従ったセンサ・アレイ・パッケージング・ソリューションのための熱交換器および構造的支持体を示している。より詳細に述べれば、図1は、センサ・アレイ・パッケージング・ソリューションのための熱交換器および構造的支持体10の斜視図であり、図2は、センサ・アレイ・パッケージング・ソリューションのための熱交換器および構造的支持体10の平面図である。
【0013】
実施態様においては、熱交換器および構造的支持体10がコア構造体15を含む。コア構造体15は、本発明のセンサ・アレイ・パッケージング・システムのメインの熱的および構造的要素として作用する。たとえば、コア構造体15は、電子光学サブアッセンブリのための熱管理および剛構造の支持体を提供し、外部環境からの保護を提供する複合ハウジング/レードーム部品を支持する。また、コア構造体15は、レードームおよびアッセンブリのリア・カバーに関する構造的な要件を最小化する(たとえば、図6参照)。
【0014】
コア構造体15は、アルミニウム・ボディとすることが可能であるが、ほかの材料もまた本発明によって企図されている。たとえば、コア構造体15(および、熱交換器および構造的支持体10のそのほかの構成要素)は、高い熱伝導度(W/(m*K))を呈するほかの金属、合金等を包含できる。熱交換器および構造的支持体10の材料は、たとえば約0.0001インチ台の最小限の偏差、または偏差がまったくない高い剛性を呈する必要があることはもとより、乗り物、たとえば航空機によって運搬される重量を低減するために低い質量である必要がある。
【0015】
引き続き図1および2を参照するが、コア構造体15は、渦巻き螺旋リボン構成20を含み、それの前面に提供されている。実施態様においては、一例として、コア構造体15から渦巻き螺旋リボン構成20を機械加工することが可能であるが、そのほかの構成、たとえば溶接またはそのほかのタイプの接合もしくは取り付けメカニズムもまた本発明によって企図されている。実施態様においては、その構造を追加の方法で製造することが可能であり、さらなる例として挙げれば、それには付加製造テクニックおよび3−Dプリンティングが含まれる。実施態様においては、渦巻き螺旋リボン構成20およびコア構造体15を、単一のユニット型の(たとえば、一体型の)構造とすることが可能であり、したがって、伝熱および構造的支持体のケイパビリティを向上させることができる。実施態様においては、この中でさらに説明するとおり、図7a−7dに示されている構成等の、そのほかの構成もまた本発明によって企図されている。
【0016】
より詳細が図2に示されているとおり、渦巻き螺旋リボン構成20は、複数のセンサ・アレイ要素50、たとえば220個のセンサ・アレイ要素およびそれらそれぞれの光ファイバ・ケーブル55のための支持体が提供されるように構成され、構造化される。このため、渦巻き螺旋リボン構成20の渦巻き螺旋壁は、渦巻き螺旋壁に直接マウントされるセンサ・アレイ要素50およびそれらそれぞれの光ファイバ・ケーブル55を収容するべく間隔が開けられている。センサ・アレイ要素50のためのマウント構造を提供することによって、センサ・アレイ要素50を、コア構造体15と直接、より詳細に述べれば、渦巻き螺旋リボン構成20(または、図7a−7dに示されている追加の構成)の壁と直接、熱的および構造的に接合することが可能になる。これもまた、センサ・アレイ要素50の熱の消散およびほかの電子光学構成要素との整列プロセスを向上させる。渦巻き螺旋リボン構成20は、決定的な光学画像処理構成要素における偏差を最小化することも可能である。渦巻き螺旋リボン構成20は、さらに、ここに示されている『コサイン二乗』の例を含む広範多様なセンサ・パターンに適合する一方でヒート・シンク、たとえばコア構造体15への伝熱路を提供することになる。
【0017】
また、好都合なことに、センサ・アレイ要素50の光ファイバ・ケーブル55を、渦巻き螺旋リボン構成20の内側の湾曲に纏わせてマウントすることも可能であり、そのことが、すべての光ファイバ・ケーブルに等しい長さを持たせることを可能にする。代替実施態様においては、光ファイバ・ケーブル55を、中心位置20aに届くまで渦巻き螺旋のそれぞれの壁の孔に通して送ることが可能である。この代替構成においては、これらの光ファイバ・ケーブル55が等しい長さを有するべく構成することも可能である。この中に示されているいずれの実施態様においても、種々の構成が、従来システムと比べて、ほかの電子構成要素にセンサ要素50の光ファイバ・ケーブル55を送るための、よりコンパクトかつ効率的な方法を提供する。たとえば、光ファイバ・ケーブル55を渦巻き螺旋リボン構成20の中心20aに渦巻き螺旋構成で巻き付けることが可能であり、その後それを、機械加工されたスルーホール45(図2参照)を通じてコア構造体15の裏側に送り得る。
【0018】
引き続き、より詳細に図2を参照するが、光ファイバ束55は、渦巻き螺旋リボン構成20(または、図7a−7dに示されている構成)の中心20aにおいて光ファイバ・コーム・ディスク55a(図2の挿入図に示す)内に終端される(共配置される)。光ファイバ・コーム・ディスク55aは、その後、渦巻き螺旋リボン構成20の中心20a内に機械加工されたスルーホール45を通じて挿入することが可能である。光ファイバ・コーム・ディスク55aは、コア構造体15の裏側にマウントされた、たとえば光学カメラまたはそのほかの電子光学デバイス(たとえば、図6参照)に渡し得る。実施態様においては、機械加工されたスルーホール45が、光ファイバ55と光学カメラ、またはそのほかの電子光学デバイスの間において適正な光学的整列を維持するために、スプライン・カット45a付きの許容誤差の小さい機械加工された管45である。許容誤差の小さい機械加工された管45は、偏差を最小化することも可能である。
【0019】
さらに、図1および2に示されているとおり、複数の追加のヒート・シンク・フィン25をコア構造体15の表面に提供することが可能である。実施態様においては、ヒート・シンク・フィン25が渦巻き螺旋リボン構成20から離されて提供されている。これらのヒート・シンク・フィン25は、コア構造体15の各コーナに示されているが、そのほかの構成/パターンもまた本発明によって企図されている。たとえば、ヒート・シンク・フィン25を、コア構造体15のエッジに、またはコア構造体15のコーナと辺に交互に、またはそのほかの組合せで配置することが可能である。いずれのシナリオにおいても、ヒート・シンク・フィン25を、渦巻き螺旋リボン構成20とよく似た形でコア構造体15から直接機械加工することが可能である。
【0020】
熱交換器および構造的支持体10は、さらに、コア構造体15に統合された強制対流システムを含む。たとえば、実施態様においては、強制対流システムが、1つまたは複数のファン30、コア構造体15の第1の辺またはエッジの空気取り入れ口35、および空気取り入れ口35から離されて位置決めされた空気吐出口40を包含するファン・システムを含む。1つまたは複数のファン30は、好ましくは空気取り入れ口35から離され、かつ空気吐出口40に隣接して配置される必要がある。また本発明は、コア構造体15の第1の辺における単一のファンおよびコア構造体15の別の辺の空気取り入れ口35といった、このほかの構成も企図している。熱交換器は、ヘリコプタのロータのダウンウォッシュからの強制対流を使用するべく設計を行うことも可能であるが、本発明の強制対流システムの使用は、ロータの回転を伴わない地上メンテナンスの間において動作可能にできる。
【0021】
図3は、図2のA−A線に沿った熱交換器および構造的支持体10の破断図である。この図においては、コア構造体15に統合された強制対流システムを示すべく熱交換器および構造的支持体10のバック・カバーが取り外されている。図3に示されているとおり、たとえば、強制対流システムは、空気取り入れ口35から1つまたは複数のファン30に延びる複数のフィン35を含む。実施態様においては、複数のフィン35aが、最大の熱の消散のための熱交換器の表面積を増加させ、また、チャンネル35bを経由して空気を直接1つまたは複数のファン30へ向ける。複数のフィン35の上を覆って軽量の、たとえばアルミニウムのバック・カバーを提供することが可能である。
【0022】
フィン35aは、扇形に開かれた構成で提供することが可能であるが、空気取り入れ口35および1つまたは複数のファン30の位置に応じ、そのほかの構成もまた本発明によって企図されている。たとえば、1つまたは複数のファンが空気取り入れ口35の反対側の辺に配置されるときには、複数のフィン35aが平行なチャンネルを作ることが可能である。また、複数のフィン35aは、(カバーを通って延びる)機械加工されたスルーホール45を通る光ファイバ・コーム・ディスク55aの貫通接続と干渉しないように位置決めされる(たとえば、経路設定される)。複数のフィン35aは、渦巻き螺旋リボン構成20とよく似た形でコア構造体15から機械加工することが可能である。
【0023】
図4は、プリント配線盤(PWB)60上における複数のセンサ・アレイ要素50を示している。実施態様においては、センサ・アレイ要素50が、コア構造体15の渦巻き螺旋リボン構成20と整合する渦巻き螺旋パターンの並んでいる離散的な要素として提供される。渦巻き螺旋リボン構成20(または、図7a−7dに示されているそのほかのパターン)と整合させることによって、図2に、代表的に、かつ略図的に示されているとおり、センサ・アレイ要素50を渦巻き螺旋リボン構成20の壁の上に直接マウントし、伝熱ケイパビリティを向上させることが可能になる。実施態様においては、PWB60が、渦巻き螺旋パターンの並び方で保持された220個を超えるセンサ・アレイ要素50を含み、それぞれが、参照番号55によって表される光ファイバ・ケーブルを伴う。実施態様においては、各センサ要素50からの光ファイバ・ケーブル55が、一様な長さを有し、かつ光学カメラと整列された許容誤差の小さいアレイ(たとえば、図2に示されている光ファイバ・コーム・ディスク55a)内において終端する必要がある。
【0024】
図5は、熱交換器および構造的支持体10、すなわちコア構造体15に対するPWB60の組み立てプロセスを示している。組み立てプロセスにおいては、PWB60のセンサ・アレイ要素50が、渦巻き螺旋リボン構成20(または、この中に述べられているそのほかの構成)と整列される。その後、PWB60のセンサ・アレイ要素50が下に降ろされて渦巻き螺旋リボン構成20の壁と直接接合される。PWB60は、コア構造体15の前面に対しても直接マウントされることになる。実施態様においては、この組み立てプロセスが、光ファイバ・コーム・ディスク55aとして機械加工されたスルーホール45を通って延びる、渦巻き螺旋リボン構成20に関する光ファイバ・ケーブル55の送りも含むことになる。処理/電力構成要素65および電子光学構成要素70は、光ファイバ・コーム・ディスク55aに対する適切な接続を伴って、コア構造体15のバック・カバー15a上にマウントすることが可能である。実施態様においては、センサの構成20を、熱交換器に対する取り付けに先行して配置し、製造および修理を補助できる。たとえば、熱交換器に対する取り付けに先行してセンサおよび光ファイバをPWB上にはんだ付けされてもよいが、それでもなお、アレイ内の個別のセンサ/ファイバ要素の修理のためにはんだ付けを取り除くことが可能である。
【0025】
図6は、本発明の態様に従った組み立て後のセンサ・アレイ・パッケージング・ソリューションを示している。より詳細に述べれば、図6に示されているとおり、PWB60は、熱交換器および構造的支持体10、すなわちコア構造体15にマウントされる。プリント配線盤60のセンサ・アレイ要素50は、渦巻き螺旋リボン構成20の壁に直接マウントされ、PWB60は、コア構造体15に直接マウントされる。PWB60は、コア構造体15にボルト留めすることが可能であるが、たとえば、接着接合、はんだ付け、クリップ、ねじ、溶接等といったほかの固定メカニズムもまた本発明によって企図されている。
【0026】
実施態様においては、光ファイバ・コーム・ディスク55aが、機械加工されたスルーホール45(およびカバー15a)を通じて提供され、カメラの光学系および関連する構成要素を介してバックエンド・エレクトロニクス70と結合される。バックエンド・エレクトロニクス70、たとえば電子光学要素、および電力/処理ユニット65は、コア構造体15のバック・カバー15aにマウントされる。実施態様においては、バックエンド・エレクトロニクス70、たとえば電子光学要素、および電力/処理ユニット65が、コア構造体15にボルト留めすることが可能であるが、たとえば、クリップ、ねじ等といったほかの固定メカニズムもまた本発明によって企図されている。リア・カバー75がコア構造体15にマウントされ、レードーム80がコア構造体15の前面にマウントされる。実施態様においては、リア・カバー75およびレードーム80を、電磁妨害雑音(EMI)によって決定づけられるパターンで、ボルトを用いてマウントすることが可能である。
【0027】
図7a−7dは、本発明によって企図されているところの種々の構成を示している。これらの種々の構成には、たとえば、変形渦巻き螺旋または放射状の構成(図7aおよび7c)、拡大されたサンバースト構成(図7b)、およびコンパクトなサンバースト構成(図7d)が含まれる。理解されるものとするが、図1−6に関係して述べた特徴/要素、たとえば、光ファイバ・コーム・ディスク、機械加工されたスルーホール(スプライン・カット付きの許容誤差の小さい機械加工された管)、ヒート・シンク・フィン等は、これらの種々の構成においても等しく実装可能である。
【0028】
これらの実施態様のそれぞれにおいては、壁を断続的に間隔が開けられた壁とすることが可能であるが、またはそれに代えて完全な壁とすることもできる。より詳細が図7a−7dに示されているとおり、種々のリボン構成が、複数のセンサ・アレイ要素50およびそれらそれぞれの光ファイバ・ケーブルのための支持体が提供されるように構成され、構造化される。このため、各構成の壁は、それらの壁に直接マウントされるセンサ・アレイ要素50およびそれらそれぞれの光ファイバ・ケーブル55を収容するべく間隔が開けられている。センサ・アレイ要素50のためのマウント構造を提供することによって、センサ・アレイ要素50を、コア構造体15と直接、より詳細に述べれば、これらの種々の構成の壁と直接、熱的および構造的に接合することが可能になる。これもまた、センサ・アレイ要素50の熱の消散およびほかの電子光学構成要素との整列プロセスを向上させる。図7a−7dに示されている構成は、決定的な光学画像処理構成要素における偏差を最小化することも可能であり、またさらに、ここに示されている『コサイン二乗』の例を含む広範多様なセンサ・パターンに適合する一方でヒート・シンク、たとえばコア構造体15への伝熱路を提供することになる。
【0029】
また、好都合なことに、センサ・アレイ要素50の光ファイバ・ケーブル55を、構成20の湾曲に纏わせてマウントすることも可能であり、そのことが、すべての光ファイバ・ケーブルに等しい長さを持たせることを可能にする。代替実施態様においては、光ファイバ・ケーブル55を、中心位置20aに届くまでそれぞれの壁の孔に通して送ることが可能である。この代替構成においては、これらの光ファイバ・ケーブル55が等しい長さを有するべく構成することも可能である。この中に示されているいずれの実施態様においても、種々の構成が、従来システムと比べて、ほかの電子構成要素にセンサ要素50の光ファイバ・ケーブル55を送るための、よりコンパクトかつ効率的な方法を提供する。たとえば、光ファイバ・ケーブル55を種々の構成のそれぞれの中心20aに適切な構成で巻き付けることが可能であり、その後それを、機械加工されたスルーホール45(図2参照)を通じてコア構造体15の裏側に送り得る。
【0030】
ここで理解されるものとするが、本発明は、従来的なシステムを超える多くの利点を提供する。たとえば、本発明のセンサ・アレイ・パッケージング・ソリューションは、単一パッケージへの構成要素の電子光学的統合、すなわち質量および組み立て労力を最小化する統合を提供する。再び例証として述べれば、コア構造体15が、正面のレードームをはじめ、センサ・アレイ要素、光ファイバ、カメラ、支持エレクトロニクス、冷却ファン、およびリア・カバーをマウントするための『中心の背骨』になる。また、本発明のセンサ・アレイ・パッケージング・ソリューションを実装することによって、外部環境からアッセンブリを保護する軽量のバック・カバーおよび正面のレードーム材料のみが必要とされ、最小限の重量を可能にする。また熱的および構造的ソリューションを1つの構成要素に統合することは、質量を最小化する一方で、たとえば、ヘリコプタの飛行といった過酷な物理的振動および温度環境に耐える。熱交換器の正面の表面、たとえば渦巻き螺旋リボン構成もまた、センサ・アレイ要素のための相対的な位置をはじめ、電気的な接続を提供する。
【0031】
以上の例は、単に説明の目的のために提供されたものであって、いかなる形においても本発明の限定として解釈されるものではないことに注意を要する。本発明は、代表的な実施態様を参照して述べられてきたが、この中に使用された語句は、記述および例証の語句であり、限定の語句でないことは理解されるものとする。付随する特許請求の範囲内において、現在陳述されているとおり、また補正されるとおり、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、それの態様における変更が行われる可能性はある。ここでは、特定の手段、材料、および実施態様を参照して本発明を記述してきたが、本発明には、この中に開示されている詳細に限定されることが意図されてなく、むしろ本発明は、あらゆる機能的に均等な構造、方法、および用途に広がり、その組合せは付随する特許請求の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0032】
10 熱交換器および構造的支持体
15 コア構造体
15a バック・カバー
20 渦巻き螺旋リボン構成
20a 中心位置、中心
25 ヒート・シンク・フィン
30 ファン
35 空気取り入れ口
35a フィン
35b チャンネル
40 空気吐出口
45 スルーホール、機械加工されたスルーホール、機械加工された管
45a スプライン・カット
50 センサ・アレイ要素
55 光ファイバ・ケーブル、光ファイバ束
55a 光ファイバ・コーム・ディスク
60 PWB、プリント配線盤(PWB)、プリント配線盤
65 処理/電力構成要素、電力/処理ユニット
70 電子光学構成要素、バックエンド・エレクトロニクス
75 リア・カバー
80 レードーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図7d