特許第6462889号(P6462889)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6462889
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】マシニングセンタ
(51)【国際特許分類】
   B23Q 1/01 20060101AFI20190121BHJP
   B23Q 1/00 20060101ALI20190121BHJP
   B23Q 1/48 20060101ALI20190121BHJP
   B23Q 1/58 20060101ALI20190121BHJP
   B23Q 11/08 20060101ALI20190121BHJP
【FI】
   B23Q1/01 W
   B23Q1/01 H
   B23Q1/00 C
   B23Q1/48 F
   B23Q1/58 Z
   B23Q11/08 B
   B23Q1/00 F
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-542611(P2017-542611)
(86)(22)【出願日】2015年9月30日
(86)【国際出願番号】JP2015077794
(87)【国際公開番号】WO2017056253
(87)【国際公開日】20170406
【審査請求日】2017年12月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000154990
【氏名又は名称】株式会社牧野フライス製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】寺川 慎二
(72)【発明者】
【氏名】河原崎 拓真
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健一郎
【審査官】 村上 哲
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−023709(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第10245058(DE,A1)
【文献】 仏国特許出願公開第02907355(FR,A1)
【文献】 特開平10−043975(JP,A)
【文献】 特開2013−158908(JP,A)
【文献】 特開昭60−167730(JP,A)
【文献】 特開2002−326137(JP,A)
【文献】 特開2002−126972(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 1/00 − 1/76
B23Q 11/08
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具とワークとを相対的に移動し、該ワークを加工する立形のマシニングセンタにおいて、
ベッド上で左右方向にテーブルを移動案内するX軸案内と、
前記ベッドに設けられ、前記テーブルが左右方向に進入できるように前記X軸案内を前後方向に跨ぐ開口部が設けられたコラムと、
前記コラムの上部に、前後方向に延びる第1Y軸案内、及び、前記第1Y軸案内に対して平行に下側かつ左右方向にずれて位置する第2Y軸案内を設け、前後方向に移動可能に配置されたサドルと、
前記サドルの第2Y軸案内側の側面に配置され、上下方向に移動する主軸頭と、
前記サドルに接続され、前記サドルの前後方向の移動に追従して伸び縮みする、前記第1及び第2Y軸案内を覆う保護カバーとを備え、
前記サドルに開けた貫通穴に、前記保護カバーをスライド支持するガイドレールを通し、前記保護カバーの上端を前記サドル高さより低くしたことを特徴とするマシニングセンタ。
【請求項2】
前記X軸案内によって左右方向に移動する移動体と、
前記移動体にX軸と平行な回転軸で回転可能に両端が支持されたクレードルとを更に備え、前記クレードルには前記テーブルが設けられている請求項1に記載のマシニングセンタ。
【請求項3】
前記主軸頭は主軸台に固定されて前記サドルを上下方向に移動し、
給電若しくは制御ケーブル、又は、加工液若しくは冷却液用配管を、前記サドル又は前記主軸台に固定した第1固定具と、前記コラムに固定した第2固定具を通して、スラント形状の前記コラム上側に弛ませて保持した請求項1又は2に記載のマシニングセンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークと工具を相対移動させてワークを加工する工作機械に関する。特に、機械剛性を高めながら機械設置空間を小さくした立形マシニングセンタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、図1に示すような5軸の立形マシニングセンタが開示されている。この従来技術のマシニングセンタは、基台となるベッド13、ベッド13に立設されたコラム15、ベッド13上を左右に移動する移動体27に配置された回転テーブル35、主軸25を支持する主軸頭21、主軸頭21をコラム15の左側面にZ軸方向に上下動可能に支持するサドル17を具備している。ベッド13の上には一対のレール29a、29bが延設されており、移動体27が、レール29a、29bに沿ってベッド13上を左右方向に往復移動可能に設置されている。
【0003】
この従来技術では、コラム15の左側面にY軸方向に前後動するサドル17が、コラム15と主軸頭21の間にあり、コラム15から主軸25への水平方向の距離が大きくなってオーバーハングするので、機械剛性や減衰性能を維持する為に構造物が重厚になる。このため、機械全体の大きさが大きくなって大きな設置スペースが必要となってしまっていた。また、特許文献2には、コラムをスラント形状にして、機械剛性を高めた工作機械が開示されている。しかしながら、特許文献2の従来技術では、ベッド上面に水平方向に移動する移動機構が、コラムに阻まれて移動範囲が十分確保できないのでコラムから遠くに離して移動範囲を確保している。そのため、加工ヘッドがコラムから離れた位置に届くように、やはりオーバーハングしてしまい、特許文献1の従来技術と同様な問題点が生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2009/144831号パンフレット
【特許文献2】特開平10−277857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題を解決することを技術的課題としており、機械剛性を高めながら機械設置空間を小さくした立形マシニングセンタを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明によれば、工具とワークとを相対的に移動し、該ワークを加工する立形のマシニングセンタにおいて、ベッド上で左右方向にテーブルを移動案内するX軸案内と、前記ベッドに設けられ、前記テーブルが左右方向に進入できるように前記X軸案内を前後方向に跨ぐ開口部が設けられたコラムと、前記コラムの上部に、前後方向に延びる第1Y軸案内、及び、前記第1Y軸案内に対して平行に下側かつ左右方向にずれて位置する第2Y軸案内を設け、前後方向に移動可能に配置されたサドルと、前記サドルの第2Y軸案内側の側面に配置され、上下方向に移動する主軸頭と、前記サドルに接続され、前記サドルの前後方向の移動に追従して伸び縮みする、前記第1及び第2Y軸案内を覆う保護カバーと、を備え、前記サドルに開けた貫通穴に、前記保護カバーをスライド支持するガイドレールを通し、前記保護カバーの上端を前記サドル高さより低くしたマシニングセンタが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、コラム下部に開口部を設けて、テーブルがコラム下部に潜り込む構造にすることでスペースを縮小させた。また、コラム上部にサドルを載せることで、主軸のオーバーハングを減らし、コラム上部をスラント形状にすることで機械剛性を高めた。これにより、機械剛性を高めながら機械設置空間を小さくした立形のマシニングセンタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】特許文献1の従来技術の工作機械の正面図である。
図2】本発明の第1実施形態によるマシニングセンタの斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態によるマシニングセンタの正面図である。
図4】本発明の第1実施形態によるマシニングセンタの側面図である。
図5】本発明の第1実施形態によるマシニングセンタの正面図である。
図6】本発明の第2実施形態によるマシニングセンタの正面図である。
図7】本発明の第2実施形態によるマシニングセンタの斜視図である。
図8】本発明の第3実施形態によるマシニングセンタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図2〜4を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
本発明の第1実施形態による立形のマシニングセンタ11は、図2に示すように、基台となるベッド13、ベッドに設けられた切りくずを回収するトラフ3、ベッド13に立設された上面がスラント形状のコラム15、コラム15上を前後方向に移動可能に配置されたサドル17、サドル17に対して上下動する主軸台22、主軸25を鉛直な軸線(Z軸)周りに回転可能に支持する主軸頭21、ベッド上を左右方向に移動し回転テーブル35を有する移動体27を主要な構成要素として具備している。主軸台22には主軸頭21が設置され、主軸25には工具T(図2には図示せず)が取り付けられる。第1実施形態は、5軸の立形マシニングセンタで説明するが、これに限定されるものではない。なお、移動体27の構成については後述する。
【0010】
本実施形態では、図2に示すように、テーブル(ワークテーブル)としての回転テーブル35は、ベッド13に対して左右方向のX軸方向に移動し、X軸及び主軸25のZ軸にそれぞれ垂直な方向に、Y軸を定義する。移動体27は、X軸と平行な回転軸周りのA軸方向に回転可能に両端が支持されたクレードル33を備え、クレードル33にはZ軸と平行な回転軸周りのC軸方向に回転可能な回転テーブル35が設けられている。したがって、移動体27は、ベッド13の左右方向であるX軸方向に移動し、サドル17は、前後方向のY軸方向に移動し、主軸頭21は上下方向のZ軸方向に移動する。C軸、A軸は通常通りに従い定義する。なお、本発明は、回転テーブル35の前後方向にX軸、X軸およびZ軸に垂直な方向にY軸を定義した工作機械であっても良い。テーブル35は、必ずしも回転テーブルでなくても良く、また、移動体27に直接テーブル35が取り付けられていても良い。テーブルには、パレットPやワークなどが固定される。
【0011】
コラム15の上部は、上面がスラント形状に形成されて、コラム15の加工領域側が下側に位置するように傾斜しており、2本のリニアガイドレールが設けられている。これらのレールとして、コラム15の傾斜上側には、第1Y軸案内19a、コラム15の傾斜下側には、第2Y軸案内19bが取り付けられている。第1Y軸案内19aは、左右方向右側に設けられており、第2Y軸案内19bは、第1Y軸案内19aに対し第1Y軸案内の下側でかつ平行に位置する。第1Y軸案内19a、第2Y軸案内19bの間には、Y軸送り手段が設けられている。Y軸送り手段は、Y軸方向に延設されたボールネジ(図示せず、コラムに設置)、及び、ボールネジの一端に連結されたY軸送りモータ(図示せず)を有し、サドル17は前記ボールネジに係合するナット(図示せず)を有している。このような送り手段を、以下直動軸駆動機構という。
【0012】
サドル17左側の側面(加工領域側)には、一対のZ軸案内23a、23bが延設されており、主軸台22はZ軸案内23a、23bに沿って上下方向に往復移動可能にサドル17に取り付けられている。サドル17と主軸台22には、Z軸送り手段として直動軸駆動機構が設けられている。コラム15の上部は、上面がスラント形状に形成されているので、サドル17の左側側面の下端は、ワークWに近接させることができる。Z軸方向の主軸台22のZ軸方向のストローク下端を下方側に近づけることができるので、剛性を保ちながら機械高さを低くすることができる。
【0013】
ベッド13の上には、後方側の第1X軸案内29a、前方側の第2X軸案内29bが延設されており、移動体27は、第1X軸案内29a、第2X軸案内29bに沿って、ベッド13上に往復移動可能に設置されている。ベッド13と移動体27の間で、かつ、トラフ3とはオーバーラップしない位置に、X軸送り手段として直動軸駆動機構39(図4参照)が設けられている。すなわち、直動軸駆動機構39は、第1X軸案内29aと、トラフ3との間のベッド上に設置されている。直動軸駆動機構39により、移動体27は、その一部がコラム15内のアーチ状トンネルに形成された開口部7に進入可能となっている。直動軸駆動機構39は、図4では、移動体27の後方側に設置されているが、必ずしもこれに限定されない。
【0014】
開口部7の断面形状は、円形、アーチ形状、四角形、多角形等、移動体の通過を阻害しない限り任意の形状であって良い。コラム15の下部をアーチ形状などにし、テーブル35がコラム15の下部に潜り込む構造にすることで、X軸方向のスペースを縮小させることができる。これと併せて、本実施形態では、コラム15の上部は、上面がスラント形状に形成されて、機械の高さも抑えることができる。これによって、機械剛性を高めながらも機械全体がコンパクトな構造になる。
【0015】
図2に示すように、移動体27は、左側の第1梁部材27c、右側の第2梁部材27d、及び、両者を連結する前後の連結部材27e、27eから構成され、上方から見て中央に空洞Hが形成された概四角形に構成されている。本実施形態では、左右方向に移動する移動体27中央に空洞Hを開けている。A軸方向に回転するクレードル33は、空洞H内に配置している。これにより、積もった切りくずはトラフ3に直接落下する。
【0016】
ベッド13には、X軸方向に切りくずを回収するトラフ3が、板金製の切りくず受け43(図4)を内蔵して、溝状に形成されている。トラフ3の長手方向とは、X軸方向と平行である。本実施形態では、トラフ3は断面が長方形の溝に形成されている。トラフ3の断面は長方形に限定されるものではなく、その他任意の形状であって良い。移動体27の中央の空洞Hは、上からこのトラフ3側に開口しており、切りくずがトラフ3に直接落下するように形成されている。移動体27の左側第1梁部材27c、右側第2梁部材27dには、それぞれ支柱27a、27bが、一体若しくは別体で固定されている。ここで、左側第1梁部材27cには、支柱27aが含まれたものとし、右側第2梁部材27dには、支柱27bが含まれたものとする。
【0017】
移動体27の支柱27a、27bには、揺動軸31a、31b(図3)によってクレードル33がA軸方向に回転可能に支持されている。クレードル33を揺動駆動する電気モータは、右側の支柱27bに内蔵されている。このため、右側の支柱27bが大きくなっても、コラム下部のアーチ形状の開口部7に潜り込ませることができ、X軸方向の長さを縮小させることができる。
【0018】
クレードル33には、ワークを固定する回転テーブル35が、C軸方向に回転可能に設置されている。前後の連結部材27e、27eは、第1X軸案内29a、第2X軸案内29bの上に覆うように設置して、トラフ3にはかからないようにすると良い。切りくずが良好に排出されるように、図4に示す傾斜面カバー41が前後の連結部材27e、27eには設けられている。移動体27の外側にも、同様に、傾斜面カバー41を、テレスコピックカバ―にして、第1X軸案内29a、第2X軸案内29bの上を覆うようにする。すなわち、切りくずをトラフ3に誘導する傾斜面カバー41が、直動軸駆動機構39、第1X軸案内29a、第2X軸案内29bを覆うように配置されている。クレードル33と回転テーブル35の幅はほぼ同程度なので、切りくずは堆積するようなことはなく、トラフ3に直接落下する。切りくずは、トラフ3に誘導する傾斜面カバー41に沿って、トラフ3の切りくず受け43に落下した後は、コンベア(図示せず)や噴流でタンク47内に収集される。移動体27の外側の傾斜面カバー41として、テレスコピックカバーを例に説明したが、移動体27の外側の傾斜面カバー41は、連結部材27e、27eに固定された左右方向に長い一体の板金カバーでもよいし、巻取り式のカバーや蛇腹式カバーでもよい。
【0019】
図4に示すように、クレードル33がA軸方向に回転する揺動軸31a、31bは、トラフ3の長手方向の中心に対して、オペレータとは反対側にオフセットして、前記第1梁部材27c、前記第2梁部材27dに支持されるようにしても良い。A軸の回転中心が、後方に寄せられているので、切りくずが落ちる空洞Hはオペレータ側が広くなっている。また、このようにすると、作業者のアプローチ性が高まるとともに、A軸の回転中心が、後方に寄せられて重心位置が後方に寄ることで、重心位置とX軸送り手段の直動軸駆動機構39との距離が短くなり、機械剛性が高まる。
【0020】
次に、図5〜7を参照して本発明の第2実施形態を説明する。図5は、第1実施形態の場合の正面図であり、Y軸保護カバー55をスライド支持する上側ガイドレール51は、サドル17の上方のスプラッシュガード9の天井9aに設けられている。
これに対して、第2実施形態は、図6、7に示すように、サドル17に開けた貫通穴31に、上側ガイドレール51を通して、上側ガイドレール51と下側ガイドレール53によって、Y軸保護カバー55をスライド支持した実施形態である。図7に示すように、上側ガイドレール51と下側ガイドレール53が、前後のスプラッシュガード9間に掛け渡され、金具51a、53aで固定されている。これら上側ガイドレール51と下側ガイドレール53にガイドされて、Y軸保護カバー55は、サドル17と後側スプラッシュガード9間及びサドル17と前側スプラッシュガード9間にそれぞれ固定される。その他の構成は、第1実施形態と同じである。
【0021】
これにより、Y軸保護カバー55は、サドル17の前後方向の移動に追従して伸び縮みする。Y軸保護カバー55としては、ステンレス製の鎧体蛇腹カバー、テレスコピックカバーなどの伸縮自在カバーを採用すると良い。Y軸保護カバー55は、第1及び第2Y軸案内19a、19bを覆い、これらを切りくずなどから保護することができる。
【0022】
本実施形態では、サドル17に開けた貫通穴31に、Y軸保護カバー55をスライド支持する上側ガイドレール51を通し、Y軸保護カバー55の上端をサドル17の高さより低くしたものである。図5の実施形態においては、機械全体の高さがやや高くなってしまっていた。これに対して、第2実施形態では、サドル17に開けた貫通穴31に上側ガイドレール51を通しているので、機械全体の高さを図6の想像線の高さより、低くすることができる。したがって、立形マシニングセンタの機械設置空間をより小さくすることができる。特に機械運搬時に規定サイズのコンテナに収納できたり、工場建屋の入口を容易に通すことができる。
【0023】
図8は、本発明の第3実施形態を示している。
本実施形態は、ケーブルや配管の取り回しにおいて、コラム15の上部をスラント形状にしたことで発生した余剰空間を、有効活用した実施形態である。キャプタイヤケーブルなどの給電用・制御用の電線類、クーラントや加工液などのフレキシブルな配管類を、この余剰空間を利用して無駄なく配置したことを特徴としている。
【0024】
これらのケーブルやホース等を、主軸台22に固定した第1固定具55内部に通して、スラント形状のコラム15上側に弛ませて保持する。また、サドル17に固定した第1固定具57内部に通して、スラント形状のコラム15上側に弛ませて保持する。これら電線類、配管類の反対側の端部は、コラム15に固定した第2固定具59内部を通して、所定の電線類、配管類の供給部に至るように配設される。これにより、スラント形状のコラム15上側のスペースを有効に利用することができ、機械高さを抑えることができる。このとき、主軸台22の第1固定具55とコラム15の第2固定具59との間に弛ませて保持された電線類、配管類61は、Y軸及びZ軸の動きを吸収することができ、サドル17の第1固定具57とコラム15の第2固定具59との間に弛ませて保持された電線類、配管類63は、Y軸の動きを吸収することができる。
【0025】
なお、本発明の技術範囲は、上述した一実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した一実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、一実施形態で挙げた具体的構成はほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0026】
11 マシニングセンタ
13 ベッド
15 コラム
17 サドル
19a、19b 第1Y軸案内、第2Y軸案内
21 主軸頭
22 主軸台
25 主軸
27 移動体
33 クレードル
35 回転テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8