特許第6462934号(P6462934)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6462934
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】編組機
(51)【国際特許分類】
   D04C 3/20 20060101AFI20190121BHJP
   D04C 3/08 20060101ALI20190121BHJP
【FI】
   D04C3/20
   D04C3/08
【請求項の数】25
【外国語出願】
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2018-89798(P2018-89798)
(22)【出願日】2018年5月8日
(65)【公開番号】特開2018-188790(P2018-188790A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2018年5月8日
(31)【優先権主張番号】1707396.6
(32)【優先日】2017年5月9日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】15/863,533
(32)【優先日】2018年1月5日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518160470
【氏名又は名称】フューズ ロンドン リミテッド
【氏名又は名称原語表記】FUSE LONDON LTD
(73)【特許権者】
【識別番号】504258963
【氏名又は名称】スピン・マスター・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ホワイトヘッド
(72)【発明者】
【氏名】モリー ビー.ジェムソン
(72)【発明者】
【氏名】ハーマン チャン
【審査官】 長谷川 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭50−096766(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3127154(JP,U)
【文献】 実開平02−022392(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0277618(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0283107(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04C1/00−7/00
D04G1/00−5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストランドシャトルのセットであって、前記ストランドシャトルの前記セットのそれぞれのストランドシャトルは、可撓性材料のストランドを保持することと、可撓性材料の前記ストランドをテンション下で定量供給することと、を行うように配置されたストランドホルダを有する、前記ストランドシャトルの前記セットと、
前記ストランドシャトルから前記ストランドを解放可能に確実に受けて引き込むように配置されたストランド引き込み機構と、
前記ストランドシャトルを待機させることが可能な複数のシャトルステーションであって、循環路として配列されている前記複数のシャトルステーションと、
少なくとも1つのシャトルキャリッジであって、駆動されると、前記ストランドシャトルの前記セットのうちの直前まで未選択であった少なくとも1つのストランドシャトルを繰り返し選択し、前記ストランドシャトルの前記セットのうちの前記直前まで未選択であった少なくとも1つのストランドシャトルの各々を、前記ストランドシャトルの前記セットのうちの直前まで未選択であった1つのストランドシャトルが配置されていた前記複数の前記シャトルステーションのうちの1つのシャトルステーションから、前記複数の前記シャトルステーションのうちの別の1つのシャトルステーションまで、前記循環路に沿って移動させることにより、可撓性材料の前記ストランドを編組する、前記少なくとも1つのシャトルキャリッジと、
前記少なくとも1つのシャトルキャリッジと結合されて、前記少なくとも1つのシャトルキャリッジを駆動する駆動機構と、
を含む編組機。
【請求項2】
前記ストランドシャトルの前記セットのうちの前記直前まで未選択であった少なくとも1つのストランドシャトルは、前記ストランドシャトルの前記セットのうちの直前まで未選択であった1つのストランドシャトルであり
前記循環路に沿う前記複数の前記シャトルステーションのうちの他のものは、前記複数のシャトルステーションのうちの前記1つのシャトルステーションと、前記複数の前記シャトルステーションのうちの前記別のシャトルステーションとの中間にある、前記複数の前記シャトルステーションのうちの少なくとも1つのシャトルステーションによって、前記複数の前記シャトルステーションのうちの前記1つのシャトルステーションから、隔てられている、
請求項1に記載の編組機。
【請求項3】
前記複数の前記シャトルステーションのそれぞれは、支持面と、前記支持面を貫通して延びるノッチとを有し、前記ストランドシャトルの前記セットのそれぞれのストランドシャトルはシャトルボディを有し、前記シャトルボディからはシャフトが延びており、前記シャフトは前記シャフトを通る軸を画定しており、前記シャフトは、前記ノッチ内にぴったり収まるようにサイズ決定されており、前記シャトルボディから距離を置く拡大形状を有しており、前記シャトルボディ及び前記拡大形状は、前記複数の前記シャトルステーションにある前記ノッチを軸方向に通り抜けられないようにサイズ決定されている、請求項1に記載の編組機。
【請求項4】
前記少なくとも1つのシャトルキャリッジは、前記複数の前記シャトルステーション及び前記駆動機構に対して回転可能であるカルーセルに回転可能にマウントされており、前記カルーセルは、前記駆動機構によって、第1の方向に回転するように駆動され、前記少なくとも1つのシャトルキャリッジは、前記カルーセルの前記回転によって、前記第1の方向の反対の第2の方向に回転するように駆動される、請求項1に記載の編組機。
【請求項5】
前記複数の前記シャトルステーションのそれぞれは、支持面と、前記支持面を貫通して延びるノッチとを有し、前記ストランドシャトルの前記セットのそれぞれのストランドシャトルはシャトルボディを有し、前記シャトルボディからはシャフトが延びており、前記シャフトは前記シャフトを通る軸を画定しており、前記シャフトは、前記ノッチ内にぴったり収まるようにサイズ決定されており、前記少なくとも1つのシャトルキャリッジは係合機構を有しており、前記ストランドシャトルの前記セットのうちの前記少なくとも1つのストランドシャトルが前記カルーセルの面に対して第1の高さにあるときに、前記係合機構は、前記カルーセルが回転しているときに、前記ストランドシャトルの前記セットのうちの少なくとも1つのストランドシャトルの前記シャフトを、前記複数の前記シャトルステーションのうちの前記1つのシャトルステーションに残し、前記ストランドシャトルの前記セットのうちの前記少なくとも1つのストランドシャトルが前記カルーセルの前記回転軸に対して第2の高さにあるときに、前記係合機構は、前記ストランドシャトルの前記セットのうちの前記少なくとも1つのストランドシャトルの前記シャフトと係合し、前記ストランドシャトルの前記セットのうちの前記少なくとも1つのストランドシャトルを、前記複数の前記シャトルステーションのうちの前記1つのシャトルステーションの外に移動させる、請求項4に記載の編組機。
【請求項6】
ストランドシャトルの前記セットのそれぞれのストランドシャトルの前記シャフトは、前記シャトルボディから距離を置く拡大形状を有しており、前記ストランドシャトルの前記セットのうちの前記1つのストランドシャトルが前記カルーセルの前記回転軸に対して前記第2の高さにあるときに、前記係合機構は、前記ストランドシャトルの前記シャフトの前記拡大形状をトラップする、請求項5に記載の編組機。
【請求項7】
前記カルーセルは少なくとも1つのリフタを有し、前記少なくとも1つのリフタは、前記カルーセルが前記駆動機構によって駆動されたときに、前記ストランドシャトルの前記セットのうちの前記直前まで未選択であった少なくとも1つのストランドシャトルを前記第1の高さから前記第2の高さまで持ち上げる、請求項5に記載の編組機。
【請求項8】
前記カルーセルは、前記ストランドシャトルの前記セットのうちの前記直前まで未選択であった少なくとも1つのストランドシャトルを前記第2の高さにおいて支持する移動面を有する、請求項7に記載の編組機。
【請求項9】
前記カルーセルはシャトルガイドを有し、前記シャトルガイドは、前記ストランドシャトルの前記セットのうちの前記直前まで未選択であった少なくとも1つのストランドシャトルの、前記少なくとも1つのシャトルキャリッジから離れる動きを制限する、請求項8に記載の編組機。
【請求項10】
前記シャトルガイドは少なくとも1つの装填スロットを有し、前記少なくとも1つの装填スロットは、前記ストランドシャトルの前記セットのそれぞれのストランドシャトルを、前記複数の前記シャトルステーションのうちの別々のシャトルステーションに配置する為に、前記複数の前記シャトルステーションのそれぞれと並ぶことが可能である、請求項9に記載の編組機。
【請求項11】
前記ストランドシャトルの前記セットのそれぞれのストランドシャトルは、前記ストランドを巻き付けられた取り外し可能スプールがマウントされており、前記取り外し可能スプールは、回転に抵抗し、前記定量供給されるストランドに閾値テンションがかかると回転する、請求項1に記載の編組機。
【請求項12】
前記ストランド引き込み機構はテンショナアームを有し、前記テンショナアームは、前記ストランドを解放可能に確実に受けて、前記ストランドにテンションをかける、請求項1に記載の編組機。
【請求項13】
前記テンショナアームは、前記複数のシャトルステーションにヒンジ結合されており、前記ストランドシャトルの前記セットから定量供給される前記ストランドに前記テンションをかけるように付勢されている、請求項12に記載の編組機。
【請求項14】
前記ストランド引き込み機構はストランドガイドを含み、前記ストランドガイドは、前記ストランドが通る通路を有し、前記シャトルステーションに対して固定された位置にある、請求項12に記載の編組機。
【請求項15】
前記テンショナアームは、前記ストランドを解放可能に確実に受けるストランドクランプを有する、請求項12に記載の編組機。
【請求項16】
前記テンショナアームは、前記ストランドクランプが開いているときに前記ストランドを受ける為の摩擦グリップを有する、請求項15に記載の編組機。
【請求項17】
前記駆動機構は手動クランクを有し、前記手動クランクは、前記カルーセルを回転させる為に作用的に接続された少なくとも1つのギヤと結合されている、請求項1に記載の編組機。
【請求項18】
前記手動クランクの回転は、少なくとも1つの爪によって単一方向に限定されている、請求項1に記載の編組機。
【請求項19】
ストランドシャトルのセットであって、前記ストランドシャトルの前記セットのそれぞれのストランドシャトルは、可撓性材料のストランドを保持することと、可撓性材料の前記ストランドを定量供給することと、を行うように配置されたストランドホルダを有する、前記ストランドシャトルの前記セットと、
前記ストランドシャトルを待機させることが可能な複数のシャトルステーションであって、循環路として配列されている前記複数のシャトルステーションと、
少なくとも1つのシャトルキャリッジであって、駆動されると、前記ストランドシャトルの前記セットのうちの直前まで未選択であった少なくとも1つのストランドシャトルを繰り返し選択し、前記ストランドシャトルの前記セットのうちの前記直前まで未選択であった少なくとも1つのストランドシャトルを、前記複数の前記シャトルステーションのうちの1つのシャトルステーションから、前記複数の前記シャトルステーションのうちの別の1つのシャトルステーションまで、前記循環路に沿って移動させることにより、可撓性材料の前記ストランドを編組する、前記少なくとも1つのシャトルキャリッジと、
前記少なくとも1つのシャトルキャリッジと結合されて、前記少なくとも1つのシャトルキャリッジを駆動する駆動機構と、
を含む編組機。
【請求項20】
前記ストランドシャトルの前記セットのうちの前記直前まで未選択であった少なくとも1つのストランドシャトルは、前記ストランドシャトルの前記セットのうちの直前まで未選択であった1つのストランドシャトルであり、
前記循環路に沿う前記複数の前記シャトルステーションのうちの他のものは、前記複数のシャトルステーションのうちの前記1つのシャトルステーションと、前記複数の前記シャトルステーションのうちの前記別のシャトルステーションとの中間にある、前記複数の前記シャトルステーションのうちの少なくとも1つのシャトルステーションによって、前記複数の前記シャトルステーションのうちの前記1つのシャトルステーションから、隔てられている、
請求項19に記載の編組機。
【請求項21】
前記複数の前記シャトルステーションのそれぞれは、支持面と、前記支持面を貫通して延びるノッチとを有し、前記ストランドシャトルの前記セットのそれぞれのストランドシャトルはシャトルボディを有し、前記シャトルボディからはシャフトが延びており、前記シャフトは前記シャフトを通る軸を画定しており、前記シャフトは、前記ノッチ内にぴったり収まるようにサイズ決定されており、前記シャトルボディから距離を置く拡大形状を有しており、前記シャフトボディ及び前記拡大形状は、前記複数の前記シャトルステーションにある前記ノッチを軸方向に通り抜けられないようにサイズ決定されている、請求項19に記載の編組機。
【請求項22】
前記少なくとも1つのシャトルキャリッジは、前記複数の前記シャトルステーション及び前記駆動機構に対して回転可能であるカルーセルに回転可能にマウントされており、前記カルーセルは、前記駆動機構によって、第1の方向に回転するように駆動され、前記少なくとも1つのシャトルキャリッジは、前記カルーセルの前記回転によって、前記第1の方向の反対の第2の方向に回転するように駆動される、請求項19に記載の編組機。
【請求項23】
前記複数の前記シャトルステーションのそれぞれは、支持面と、前記支持面を貫通して延びるノッチとを有し、前記ストランドシャトルの前記セットのそれぞれのストランドシャトルはシャトルボディを有し、前記シャトルボディからはシャフトが延びており、前記シャフトは前記シャフトを通る軸を画定しており、前記シャフトは、前記ノッチ内にぴったり収まるようにサイズ決定されており、前記少なくとも1つのシャトルキャリッジは係合機構を有しており、前記ストランドシャトルの前記セットのうちの前記少なくとも1つのストランドシャトルが前記カルーセルの面に対して第1の高さにあるときに、前記係合機構は、前記カルーセルが回転しているときに、前記ストランドシャトルの前記セットのうちの少なくとも1つのストランドシャトルの前記シャフトを、前記複数の前記シャトルステーションのうちの前記1つのシャトルステーションに残し、前記ストランドシャトルの前記セットのうちの前記少なくとも1つのストランドシャトルが前記カルーセルの前記回転軸に対して第2の高さにあるときに、前記係合機構は、前記ストランドシャトルの前記セットのうちの前記少なくとも1つのストランドシャトルの前記シャフトと係合し、前記ストランドシャトルの前記セットのうちの前記少なくとも1つのストランドシャトルを、前記複数の前記シャトルステーションのうちの前記1つのシャトルステーションの外に移動させる、請求項22に記載の編組機。
【請求項24】
ストランドシャトルの前記セットのそれぞれのストランドシャトルの前記シャフトは、前記シャトルボディから距離を置く拡大形状を有しており、前記ストランドシャトルの前記セットのうちの前記1つのストランドシャトルが前記カルーセルの前記回転軸に対して前記第2の高さにあるときに、前記係合機構は、前記ストランドシャトルの前記シャフトの前記拡大形状をトラップする、請求項23に記載の編組機。
【請求項25】
前記カルーセルは少なくとも1つのリフタを有し、前記少なくとも1つのリフタは、前記カルーセルが前記駆動機構によって駆動されたときに、前記ストランドシャトルの前記セットのうちの前記直前まで未選択であった少なくとも1つを前記第1の高さから前記第2の高さまで持ち上げる、請求項23に記載の編組機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、全般的には手工業に関する。特に、以下の内容は編組機に関する。
【背景技術】
【0002】
編組は、可撓性材料の3本以上のストランドを撚り合わせる工程である。使用されるストランドは、繊維単糸、撚り糸、ワイヤ、毛髪、プラスチックフィラメントなどであってよい。編組は、紐、ロープ、撚り紐などを作る際に行われる。非商用規模の編組は、手作業で行われ、労働集約的である。更に、編組製品を作るのに使用されるストランドの数が増えるにつれて、手作業の編組工程の複雑さは急激に高まり、時間資源の観点からは法外な高コストになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、背景技術の課題を解決するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様では編組機が提供され、これは、ストランドシャトルのセットであって、ストランドシャトルのセットのそれぞれのストランドシャトルは、可撓性材料のストランドを保持することと、可撓性材料のストランドをテンション下で定量供給することと、を行うように配置されたストランドホルダを有する、ストランドシャトルのセットと、ストランドシャトルからストランドを解放可能に確実に受けて引き込むように配置されたストランド引き込み機構と、ストランドシャトルを待機させることが可能な複数のシャトルステーションであって、循環路として配列されている複数のシャトルステーションと、少なくとも1つのシャトルキャリッジであって、駆動されると、ストランドシャトルのセットのうちの直前まで未選択であった少なくとも1つのストランドシャトルを繰り返し選択し、ストランドシャトルのセットのうちの直前まで未選択であった少なくとも1つのストランドシャトルを、複数のシャトルステーションのうちの関連付けられた少なくとも1つから、複数のシャトルステーションのうちの別の少なくとも1つまで、循環路に沿って移動させることにより、可撓性材料のストランドを編組する、少なくとも1つのシャトルキャリッジと、を含む。
【0005】
別の態様では編組機が提供され、これは、ストランドシャトルのセットであって、ストランドシャトルのセットのそれぞれのストランドシャトルは、可撓性材料のストランドを保持することと、可撓性材料のストランドを定量供給することと、を行うように配置されたストランドホルダを有する、ストランドシャトルのセットと、ストランドシャトルを待機させることが可能な複数のシャトルステーションであって、循環路として配列されている複数のシャトルステーションと、少なくとも1つのシャトルキャリッジであって、駆動されると、ストランドシャトルのセットのうちの直前まで未選択であった少なくとも1つのストランドシャトルを繰り返し選択し、ストランドシャトルのセットのうちの直前まで未選択であった少なくとも1つのストランドシャトルを、複数のシャトルステーションのうちの関連付けられた少なくとも1つから、複数のシャトルステーションのうちの別の少なくとも1つまで、循環路に沿って移動させることにより、可撓性材料のストランドを編組する、少なくとも1つのシャトルキャリッジと、シャトルキャリッジと結合されて、シャトルキャリッジを駆動する駆動機構と、を含む。
【0006】
以下の段落は、上述のいずれかの態様に適宜関連する。
【0007】
任意選択で、ストランドシャトルのセットのうちの直前まで未選択であった少なくとも1つのストランドシャトルは、ストランドシャトルのセットのうちの直前まで未選択であった1つのストランドシャトルであり、複数のシャトルステーションのうちの関連付けられた少なくとも1つは、複数のシャトルステーションのうちの関連付けられた1つであり、循環路に沿う複数のシャトルステーションのうちの別の少なくとも1つは、循環路に沿う複数のシャトルステーションのうちの別の1つであり、複数のシャトルステーションのうちの別の1つは、複数のシャトルステーションのうちの関連付けられた1つから、複数のシャトルステーションのうちの関連付けられた1つと、複数のシャトルステーションのうちの別の1つとの中間にある、複数のシャトルステーションのうちの少なくとも1つによって隔てられている。
【0008】
複数のシャトルステーションのそれぞれは、支持面と、支持面を貫通して延びるノッチとを有してよく、ストランドシャトルのセットのそれぞれのストランドシャトルはシャトルボディを有してよく、シャトルボディからはシャフトが延びており、シャフトはシャフトを通る軸を画定してよく、シャフトは、ノッチ内にぴったり収まるようにサイズ決定されてよく、シャトルボディから距離を置く拡大形状を有してよく、シャトルボディ及び拡大形状は、複数のシャトルステーションにあるノッチを軸方向に通り抜けられないようにサイズ決定されてよい。
【0009】
少なくとも1つのシャトルキャリッジは、複数のシャトルステーション及び駆動機構に対して回転可能であるカルーセルに回転可能にマウントされてよく、カルーセルは、駆動機構によって、第1の方向に回転するように駆動されてよく、少なくとも1つのシャトルキャリッジは、カルーセルの回転によって、第1の方向の反対の第2の方向に回転するように駆動されてよい。
【0010】
複数のシャトルステーションのそれぞれは、支持面と、支持面を貫通して延びるノッチとを有してよく、ストランドシャトルのセットのそれぞれのストランドシャトルはシャトルボディを有し、シャトルボディからはシャフトが延びており、シャフトはシャフトを通る軸を画定しており、シャフトは、ノッチ内にぴったり収まるようにサイズ決定されており、少なくとも1つのシャトルキャリッジは係合機構を有してよく、ストランドシャトルのセットのうちの1つのストランドシャトルがカルーセルの面に対して第1の高さにあるときに、係合機構は、カルーセルが回転しているときに、ストランドシャトルのセットのうちの1つのストランドシャトルのシャフトを、複数のシャトルステーションのうちの関連付けられた1つに残し、ストランドシャトルのセットのうちの1つのストランドシャトルがカルーセルの回転軸に対して第2の高さにあるときに、係合機構は、ストランドシャトルのセットのうちの1つのストランドシャトルのシャフトと係合し、ストランドシャトルのセットのうちの1つのストランドシャトルを、複数のシャトルステーションのうちの関連付けられた1つの外に移動させる。
【0011】
ストランドシャトルのセットのそれぞれのストランドシャトルのシャフトは、シャトルボディから距離を置く拡大形状を有してよく、ストランドシャトルのセットのうちの1つのストランドシャトルがカルーセルの回転軸に対して第2の高さにあるときに、係合機構は、ストランドシャトルのシャフトの拡大形状をトラップしてよい。
【0012】
カルーセルは少なくとも1つのリフタを有してよく、この少なくとも1つのリフタは、カルーセルが駆動機構によって駆動されたときに、ストランドシャトルのセットのうちの直前まで未選択であった1つのストランドシャトルを第1の高さから第2の高さまで持ち上げる。
【0013】
カルーセルは、ストランドシャトルのセットのうちの直前まで未選択であった1つのストランドシャトルを第2の高さにおいて支持する移動面を有してよい。
【0014】
カルーセルはシャトルガイドを有してよく、シャトルガイドは、ストランドシャトルのセットのうちの直前まで未選択であった1つのストランドシャトルの、少なくとも1つのシャトルキャリッジから離れる動きを制限する。
【0015】
シャトルガイドは少なくとも1つの装填スロットを有してよく、少なくとも1つの装填スロットは、ストランドシャトルのセットのそれぞれのストランドシャトルを、複数のシャトルステーションのうちの別々のシャトルステーションに配置する為に、複数のシャトルステーションのそれぞれと並ぶことが可能である。
【0016】
ストランドシャトルのセットのそれぞれのストランドシャトルは、ストランドを巻き付けられた取り外し可能スプールがマウントされていてよく、取り外し可能スプールは、回転に抵抗し、定量供給されるストランドに閾値テンションがかかると回転する。
【0017】
ストランド引き込み機構はテンショナアームを有してよく、テンショナアームは、ストランドを解放可能に確実に受けて、ストランドにテンションをかける。
【0018】
テンショナアームは、複数のシャトルステーションにヒンジ結合されていてよく、ストランドシャトルのセットから定量供給されるストランドにテンションをかけるように付勢されていてよい。
【0019】
ストランド引き込み機構はストランドガイドを含んでよく、ストランドガイドは、ストランドが通る通路を有し、シャトルステーションに対して固定された位置にある。
【0020】
テンショナアームは、ストランドを解放可能に確実に受けるストランドクランプを有してよい。
【0021】
テンショナアームは、ストランドクランプが開いているときにストランドを受ける為の摩擦グリップを有してよい。
【0022】
駆動機構は手動クランクを有してよく、手動クランクは、カルーセルを回転させる為に作用的に接続された少なくとも1つのギヤと結合されている。
【0023】
手動クランクの回転は、少なくとも1つの爪によって単一方向に限定されてよい。
【0024】
別の態様によれば紐の終端が提供され、これは、スリーブを有する終端プラグであって、複数の、可撓性材料のストランドを係合する為の少なくとも1つのストランド係合機構がスリーブから延びている、終端プラグと、終端プラグが複数のストランドの周りで圧縮された際に終端プラグを確実に受け入れるように寸法決定された開口部と、終端プラグが開口部に挿入された際に終端プラグを開口部内で保持する保持機構と、を有する終端コネクタと、を含む。
【0025】
保持機構は、リッジ及び溝のいずれかを含んでよい。
【0026】
終端コネクタは、対応する嵌合機構を有する別の終端コネクタと解放可能に係合する為の嵌合機構を有してよい。
【0027】
本明細書に記載の様々な実施形態がよりよく理解されるように、且つ、それらの実施形態がいかにして実施されうるかをより明確に示す為に、以下の添付図面をあくまで例として参照する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】編組機の一実施形態による編組機の斜視図である。
図2図1の編組機の分解図である。
図3図1の編組機の、3−3に沿う上面断面図であり、図4A〜4Dのシャトルカルーセルを駆動する駆動機構の一部を示す図である。
図4図1の編組機の、4−4に沿う上面断面図であり、アクチュエータギヤ及びリフタの構成を示す図である。
図5図1の編組機のアクチュエータギヤの上面斜視図である。
図6図5のアクチュエータギヤによってトリガされたスプールシャトルを持ち上げる為の、図1の編組機のリフタの下面斜視図である。
図7図1の編組機の、7−7に沿う上面断面図である。
図8図1の編組機の、スプールシャトルを平行移動させるシャトルキャリッジの下面斜視図である。
図9図1の編組機のスプールシャトルの側面立面図である。
図10A図1の編組機のシャトルカルーセルの部分平面図であり、スプールシャトルの、最初のシャトルステーションから別のシャトルステーションへの平行移動を示す図である。
図10B図1の編組機のシャトルカルーセルの部分平面図であり、スプールシャトルの、最初のシャトルステーションから別のシャトルステーションへの平行移動を示す図である。
図10C図1の編組機のシャトルカルーセルの部分平面図であり、スプールシャトルの、最初のシャトルステーションから別のシャトルステーションへの平行移動を示す図である。
図10D図1の編組機のシャトルカルーセルの部分平面図であり、スプールシャトルの、最初のシャトルステーションから別のシャトルステーションへの平行移動を示す図である。
図11A図1の編組機のスプールシャトル及びシャトルキャリッジを抜き出して示した側面立面図であり、スプールシャトルが待機高さにある図である。
図11B図11Aのスプールシャトル及びシャトルキャリッジの側面立面図であり、スプールシャトルが平行移動高さにある図である。
図12A図1の編組機のカルーセルプラットフォーム、シャトルガイド、リフタ、及びスプールシャトルを抜き出して示した側面立面図であり、スプールシャトルが待機高さに位置しており、その足部がカルーセルプラットフォームより下方にある図である。
図12B】スプールシャトルが平行移動高さに向かって持ち上げられた後の、図12Aのカルーセルプラットフォーム、シャトルガイド、リフタ、及びスプールシャトルを抜き出して示した側面立面図であり、スプールシャトルの足部がカルーセルプラットフォームより上方に位置する図である。
図12C】シャトルカルーセルがカルーセルプラットフォームの上を更に平行移動した後の、図12Aのカルーセルプラットフォーム、シャトルガイド、リフタ、及びスプールシャトルを抜き出して示した側面立面図である。
図13図1の編組機で製造される紐の端部においてストランド端部をクランプする為に使用される終端プラグを示す図である。
図14A図14の終端プラグ内でストランドを保持する為に終端プラグが挿入される紐終端を示す図である。
図14B図14の終端プラグ内でストランドを保持する為に終端プラグが挿入される紐終端を示す図である。
図15図1の編組機を使用して製造され、図14〜15Bの終端プラグ及び紐終端を有する完成した宝飾品を示す図である。
図16】別の実施形態による、互いに嵌合するひと組の紐終端の断面図である。
図17】編組紐の形成の動作中の、図1に示した編組機の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
説明を簡潔且つ明確にする為に、適切と考えられた場合には、対応する要素又は類似の要素であることを示す為に、複数の図面の間で同じ参照符号を使用することがある。更に、本明細書に記載の実施形態が十分に理解されるように、様々な具体的詳細を明記している。しかしながら、当業者であれば理解されるように、本明細書に記載の実施形態は、これらの具体的詳細がなくても実施可能である。又、場合によっては、本明細書に記載の実施形態が曖昧にならないように、よく知られた方法、手順、及び構成要素については詳細に説明していない。又、本明細書は、本明細書に記載の実施形態の範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【0030】
本明細書を通して使用している様々な語句は、文脈上矛盾する場合を除き、以下のように読まれてよく、且つ解釈されてよい。全体を通して使用している「又は(or)」は、「及び/又は(and/or)」と書かれているかのように包括的である。全体を通して使用している単数の冠詞及び代名詞は、それぞれの複数形を包含してよく、逆もまた同様である。同様に、代名詞が、本明細書に記載のいかなるものも、単一の性による使用、実装、実施などに限定するものとして解釈されるべきでないように、性別代名詞はそれぞれの反対の性別代名詞を包含する。「例示的(exemplary)」は、「例示的(illustrative)」又は「例示的(exemplifying)」として解釈されるべきであって、必ずしも他の実施形態より「好ましい(preferred)」として解釈されるべきではない。更に、語句の定義を本明細書で提示することがあるが、それらの定義はそれらの語句が前又は後に出てきた場合にも適用されてよく、これは、本明細書を読むことにより理解されよう。
【0031】
本明細書では、編組機及び関連付けられた終端について開示する。編組機は、可撓性材料のストランドをテンション下で定量供給するスプールシャトルのセットを有する。可撓性材料のストランドは、例えば、撚り糸、細紐、ワイヤ、単糸、又は毛髪であってよい。スプールシャトルからのストランドを解放可能に確実に受けて引き込む為に、ストランド引き込み機構が配置されている。スプールシャトルを待機させることが可能な複数のシャトルステーションが、循環路として配列されている。直前には未選択であったスプールシャトルを繰り返し選択し、そのスプールシャトルを、少なくとも1つの中間的なシャトルステーションによって、関連付けられたシャトルステーションから隔てられた循環路に沿って、関連付けられたシャトルステーションから別のシャトルステーションに動かすように、シャトルステーションと結合された少なくとも1つのシャトルキャリッジが駆動されてよい。シャトルキャリッジを駆動する駆動機構が、シャトルキャリッジと結合されている。
【0032】
更に、紐の終端についても開示している。終端は終端プラグを有し、終端プラグはスリーブを有し、スリーブからは、複数のストランドと係合する少なくとも1つのスパイクが延びている。終端コネクタが、終端プラグが複数のストランドの周りで圧縮された際に終端プラグを確実に受け入れるように寸法決定された開口部と、終端プラグが開口部に挿入された際に終端プラグを開口部内で保持する保持機構と、を有する。
【0033】
一実施形態による編組機20を、図1に示す。この実施形態の編組機20は、ブレスレット、アンクレット、ネックレスなどの宝飾品の編組紐を製造する。編組機20は、基部28及びカバー32を有するハウジング24を有し、これらは多数の構成要素を囲んでいる。円形の手動クランク36がカバー32の開口部内に回転可能に配置されており、クランク36はクランクハンドル40を有し、クランクハンドル40はクランク36の中心からずれて回転可能にマウントされている。
【0034】
次に図1〜4を参照すると、手動クランク36は、駆動機構の一部を成し、編組機20のハウジング24内で基部28に回転可能にマウントされた歯付きクランクギヤ44に回転可能に結合されている。クランクギヤ44は、歯付き内側円周面48を有しており、手動クランク36の内面に固定された2つのばね付勢爪52が歯付き内側円周面48と係合する。手動クランク36を第1の方向(即ち、図1に表示された回転方向CWで示されるように、上から見たときの時計回り方向)に回転させると、クランクギヤ44が時計回りに回転する。手動クランク36を、第1の方向と反対の第2の方向(即ち、反時計回り方向)に回転させると、爪52はクランクギヤ44と係合せず、クランクギヤ44は回転しない。
【0035】
参照しやすいように、本明細書では、回転方向及び位置の記述は、編組機の各構成要素を上から見た場合のものであると考えられてよい。
【0036】
図2に示すように、手動クランク36は、クランクギヤ44、中間ギア56、及びカルーセルギヤ60とともに駆動機構の一部を成す。中間ギヤ56は、基部28に回転可能にマウントされており、その外周に、クランクギヤ44の歯に対応し、これと噛み合う歯を有する。同様に、カルーセルギヤ60は、基部28に回転可能にマウントされており、その外周に、中間ギア56の歯に対応し、これと噛み合う歯を有する。クランクハンドル40で手動クランク36を時計回り方向CWに回転させると、カルーセルギヤ60も時計回り方向に回転する。カルーセルギヤ60は中央に開口部を有し、これにより、固定ギヤ64を基部28に取り付けることが可能である。固定ギヤ64は、カルーセルギヤ60とともに回転するのではなく、基部28に対して固定された向きにとどまる。
【0037】
カルーセルギヤ60にはカルーセル66がマウントされており、カルーセル66はカルーセルギヤ60とともに回転する。カルーセル66は、カルーセルギヤ60に固定されたカルーセルプラットフォーム68を有する。
【0038】
次に図1〜5を参照すると、カルーセル66の2つのアクチュエータギヤ72が、カルーセルギヤ60とカルーセルプラットフォーム68との間で回転可能に固定されていて、固定ギヤ64の歯と噛み合う歯76を有する。この実施形態では、アクチュエータギヤ72に18個の歯があり、固定ギヤ64に28個の歯がある。カルーセルギヤ60が固定ギヤ64に対して時計回りに回転すると、アクチュエータギヤ72と固定ギヤ64との間の噛み合い接触により、アクチュエータギヤ72もアクチュエータギヤ回転軸RAAGを中心に時計回り方向に回転する。各アクチュエータギヤ72の円周の大部分の周りに支持フランジ80が延びており、支持フランジ80はギャップ84によって途切れている。アクチュエータギヤ回転軸RAAGの周囲で、ほぼ同じ角度方位でギャップ84と重なっているのが、傾斜面を有する押し下げ突起88である。
【0039】
カルーセルプラットフォーム68の裏側には、2つのリフタ92が枢動可能に固定されている。
【0040】
図6は、リフタ92を詳細に示す。リフタ92はピボットシャフト96を有し、ピボットシャフト96は、リフタ92を貫いて延びて、カルーセルプラットフォーム68の裏側にあるブラケットに嵌め込まれている。ゲート100がピボットシャフト96から横方向に延びており、ゲート100はランプ104及び傾斜上部ガイド108を有する。ランプ104及び上部ガイド108はチャネルを形成する。ピボットシャフト96の反対側では、リフタトリガ112が横方向に延びる。リフタ92は、リフタトリガ112をカルーセルプラットフォーム68に向けて上向き姿勢で付勢するようにばね付勢されている。
【0041】
アクチュエータギヤ72及びリフタ92は、図4に示すように、リフタトリガ112が支持フランジ80の上、又は押し下げ突起88の下に位置するように配置されている。リフタトリガ112は、アクチュエータギヤ72の回転周期のうちのほとんどの間は、支持フランジ80の上方に位置する。カルーセル66が回転すると、各アクチュエータギヤ72が回転して、それぞれに対応するリフタ92のトリガ112を、回転する押し下げ突起88で間欠的に押し下げる。アクチュエータギヤ72の支持フランジ80にギャップ84がある為、押し下げ突起88は、リフタ92の付勢ばねの力に打ち勝ち、リフタトリガ112を下方へ枢動させることが可能である。押し下げ突起112が回転してリフタトリガ112を通り過ぎて、リフタトリガ112が押し下げ突起112によって押し下げられなくなると、リフタトリガ112は、枢動して支持フランジ80の上方の位置まで戻り、アクチュエータギヤ72が次に一回転するまでそこにいることが可能になる。この実施形態では、9個のシャトルステーション188を通過するごとに1回、これが起こるようにギヤの組み合わせが選択されている。
【0042】
図7に示したカルーセルプラットフォーム68は、略円形であり、リフタ92のランプ104と位置合わせされた2つのリフトノッチ116を有する。各リフトノッチ116は、ベベル前縁部120及びスロープ後縁部124を有する。リフトノッチ116間のカルーセルプラットフォーム68の円周上からカルーセルプラットフォーム68内へ2つの装填スロット128が延びている。各装填スロット128は、丸いヘッド部132と狭いネック部136とを有する。
【0043】
ここで図2に戻ると、カルーセル66の2つのシャトルキャリッジ140が示されており、これらのシャトルキャリッジ140は、カルーセルプラットフォーム68から上方に延びているポスト142に自由回転可能にマウントされている。図8は、シャトルキャリッジ140の1つを詳細に示す。シャトルキャリッジ140は、シャトルキャリッジ140の長手軸を定義しているシャトルキャリッジ回転軸RASCと同心のポスト144を有する。開口部146が、カルーセルプラットフォーム68のポスト142のうちの対応する1つを自由回転可能に受けるように寸法決定されている。ポスト144から水平方向に、10個でひと組のスポーク148が放射状に広がっている。これらのスポーク148は、それぞれの間に凹部152を画定している。各スポーク148は一対の突起156を有し、突起156は、長手方向長さのうちの係合部分157に沿って延びており、長手方向長さのうちの別の部分に沿って延びているバイパス部分158に沿っては延びておらず、シャトルキャリッジ140には、シャトルキャリッジ回転軸RASCに垂直な、様々な外形が与えられている。スポーク148の数は、後述のように選択される。
【0044】
図2に再度戻ると、2つの圧縮可能フランジを有するポストスペーサ160が示されており、これは、各シャトルキャリッジ140のポスト144を覆って配置されている。シャトルガイド164がカルーセルプラットフォーム68に固定されており、シャトルガイド164は、カルーセルプラットフォーム68の装填スロット128に対応するスロット168を有する。スロット168間のシャトルガイド164の外側領域に沿って2つの略円形ギヤキャビティ172が配置されており、ギヤキャビティ172は、シャトルキャリッジ140の水平方向の外形よりやや大きいサイズである。シャトルガイド164の厚さは、シャトルキャリッジ140のスポーク148の厚さと一致する。
【0045】
基部28のポストに基部シャトル支持物176が固定されており、これは、シャトルガイド164及びシャトルキャリッジ140の下で支持されているノッチ付きリング180を有する。ノッチ付きリング180は、その内周に沿って14個でひと組のノッチ184を有する。
【0046】
カバー32は、カルーセル66の上方に位置合わせされた中央開口部186を有し、その周囲に複数のシャトルステーション188(全部で14個)が配置されている。各シャトルステーション188はシャトルノッチ192を有しており、シャトルノッチ192は、基部シャトル支持物176のノッチ付きリング180のノッチ184の1つに対応し、その上方に位置合わせされている。シャトルステーション188は、各シャトルノッチ192を囲む略平面の支持面196を有する。弧状外側保持壁200が、支持面196の外側水平方向縁部に沿って各シャトルステーション188に境界を付けている。更に、内側保持壁204が、シャトルステーション188の内周に沿って、シャトルノッチ192間をつないでいる。
【0047】
支持コラム208がカバー32から上方に延びて、中央開口部186の上方に延びるガイドアーム212を支持している。ガイドアーム212はその遠位端にストランドガイド216を有しており、ストランドガイド216は、中央開口部186の上方の略中央に位置しており、ガイド通路224を画定する2つの湾曲フォーク部材220で構成されている。フォーク部材220同士は互いに接触しているが、可撓性である為、力がかかると離されることが可能である。
【0048】
テンショナアーム228が、テンショナアームヒンジ232で支持コラム208にヒンジ接続されており、テンショナアーム228は、ガイドアーム212とほぼ同じ形状であり、これによって、ガイドアーム212の上に枢動したときにガイドアーム212とほぼ嵌まり合う。テンショナアーム228は、上方に枢動して中央開口部186から離れるように、コイルばね236によって付勢されている。ガイドアーム212の上面にあるテンショナアームロック240が、これに対応する、テンショナアーム228の下面にある機構と係合して、テンショナアーム228が上方に枢動しないようにする。テンショナアーム228は、その遠位端に摩擦グリップ244を有する。摩擦グリップ244は、可撓性であり弾力性がある細長部材であり、これは、テンショナアーム228の遠位端に押し当てられて位置するが、力がかかるとテンショナアーム228から離されることが可能である。摩擦グリップ244の近傍でテンショナアーム228にストランドクランプ248がヒンジ接続されている。ストランドクランプ248の側面にあるクランプロック252が、下方に枢動して閉位置になると、テンショナアーム228の側面にあるリッジ256と係合するが、クランプロック252は、上方に枢動して開位置になることが可能であるように、リッジ256から離れるように付勢されてよい。ストランドクランプ248が上方に枢動して開位置になると、テンショナアーム228は、テンショナアームロック240に解放可能に固定されることが可能である。ストランドクランプ248の下面にあるゲート260が、摩擦グリップ244の下にぴったり嵌まり、ゲート260は、ストランドクランプ248がクランプロック252によって閉位置でロックされているときに、テンショナアームロック240がテンショナアーム228を解放することを促進する。
【0049】
次に図1、2、及び9を参照すると、スプールシャトル264が示されている。スプールシャトル264はシャトルボディ268を有し、シャトルボディ268の壁から、弾力性があって可撓性である一対のマウンティングポスト272が延びている。これらのマウンティングポスト272は、互いに離れるように角度が付けられており、マウントされた事前装填式スプール276を保持する為の、ベベル縁部を有する突起を遠位端に有している。突起にベベル縁部があることで、スプール276がマウンティングポスト272にマウントされる際に、マウンティングポスト276同士が互いに向かって動く。スプール276は、(277で示される)可撓性材料のストランドが事前装填されてから、マウンティングポスト272にマウントされる。スプール276がマウンティングポスト272に配置された後、マウンティングポスト272同士が互いに離れ、突起は、スプール276がマウンティングポスト272から離脱するのを防ぐ。スプール276は歯付きフランジ280を有し、その歯は、弾力性があって可撓性であるテンショニング部材284に当たる。テンショニング部材284は、歯付きフランジ280の歯の通過、従って、マウンティングポスト272上でのスプール276の回転に抵抗するが、閾値トルクがスプール276にかかると、その回転を可能にする。ストランド定量供給ガイド288がスプール276の上方に延びており、ガイド開口部292を有する。スプール276をマウンティングポスト272から取り外すことは、マウンティングポスト272の両突起がスプール276の貫通穴と揃うようにマウンティングポスト272をまとめてつまむことによって可能である。シャトルボディ268の下面からシャトルシャフト296が延びており、これは水平方向の外形が円形である。シャトルシャフト296は、拡大シャフト中間部300を有し、遠位端に、縁部が丸い円板状足部304を有する。
【0050】
次に編組機の動作を、図1から図10Dに関して説明する。
【0051】
準備中は、テンショナアーム228のストランドクランプ248が、上方に枢動することによって開いている。各スプールシャトル264上には事前装填式スプール276が配置され、スプールに巻き付けられたストランドの結ばれていない端部が、ストランド定量供給ガイド288のガイド開口部292に挿入されてこれを通り抜け、ストランドガイド216の通路224に挿入されてこれを通り抜け、テンショナアーム228の摩擦グリップ244内に配置される。ストランドの全ての結ばれていない端部が摩擦グリップ244に挿入されたら、ストランドクランプ248が下方に枢動して、クランプロック252とリッジ256との係合により、摩擦グリップ244をロックする。ストランドクランプ248がロックされると、ストランド端部は、摩擦グリップ244内で確実にクランプされる。更に、ゲート260がテンショナアームロック240を開くことにより、テンショナアーム228が解放され、コイルばね236がテンショナアーム228を上方に付勢してストランドにテンションをかけることが可能になる。
【0052】
図10Aは、準備後のシャトルステーション188及びカルーセル66の平面図を示しており、1つのシャトルステーション188aに1つのスプールシャトル264が配置されている。説明の為に、他のスプールシャトルが図示されていないが、記載の実施形態では、編組機20によって、最多で12個のスプールシャトルを同時に配備することが可能である。スプールシャトル264のシャフトボディ268は、シャトルステーション188のところでカバー32にもたれており、シャトルシャフト296は、弧状外側保持壁200、内側保持壁204、シャトルノッチ192、及び、基部シャトル支持物176のノッチ184によって揺架されている。スプールシャトル264のシャトルシャフト296は、カルーセルプラットフォーム68の周縁部、及びシャトルガイド164との接触により、シャトルステーション188のシャトルノッチ192内及びノッチ184内にあるように制限される。
【0053】
カルーセル66が駆動機構によって駆動されると(即ち、最終的には、図1の矢印CWで示されるように、クランクハンドル40を時計回りに回すことによって駆動されると)、シャトルキャリッジ140がカルーセル66とともに回転する。シャトルキャリッジ140がカルーセルプラットフォーム68上で自由に回転している間、シャトルキャリッジ140のスポーク148は、シャトルステーション188で待機しているシャトルシャフト296と係合して噛み合い、これによって、シャトルキャリッジ140が、カルーセル66の回転(即ち、時計回りの回転)に対して、反対方向(即ち、反時計回り)に回転する。図示されているように、スプールシャトル264は、シャトルステーション188aのところにある。シャトルキャリッジのスポークの円周及び数、並びにシャトルステーションの間隔は、シャトルキャリッジ140の1つおきの凹部152がシャトルステーション188においてシャトルシャフト296と揃うように選択される。
【0054】
説明の為に、この図示した位置では、アクチュエータギヤ72が、リフタ92のリフタトリガ112を押し下げてゲート100を上方に枢動させる為の適正な方向を向いているものとする。
【0055】
図11Aは、スプールシャトル264がリフタ92で持ち上げられる前の、スプールシャトル264の位置と、隣接するシャトルキャリッジ140aの位置との相対関係を示す。図から分かるように、シャトルシャフト296はスプールキャリッジ140aの凹部152内にあり、拡大シャフト中間部300は、突起156が届かない、シャトルキャリッジ140のバイパス部分158に隣接している。
【0056】
図12Aは、シャトル位置188aにあるスプールシャトル264にリフタ92が近づく際のリフタ92の位置を示す。理解しやすいように、シャトルキャリッジ140は図示していない。スプールシャトル264は待機高さにあり、その足部304はカルーセルプラットフォーム68より下方に位置する。リフタ92のリフタトリガ112が押し下げられていない場合、ゲート100のランプ104と上部ガイド108とで画定されるチャネルは、スプールシャトル264の足部304と一直線に並ぶ。
【0057】
図12Bは、リフタ92がスプールシャトル264の場所でアクチュエータギヤ72によって枢動する際のリフタ92の位置を示す。ランプ104及び上部ガイド108は、リフタ92が枢動する直前のぎりぎりのタイミングで足部304をあらかじめゲート100内に誘導している。図示されている時点では、アクチュエータギヤ72の押し下げ突起88が回転してリフタトリガ112と接触し、これを押し下げており、これによって、ゲート100が上方に枢動してスプールシャトル264を可動高さまで持ち上げ、このとき、スプールシャトル264の足部304はリフトノッチ116を通り抜けており、カルーセルプラットフォーム68より上方にある。リフタ92とカルーセルプラットフォーム68とが多少ずれても、スロープ後縁部124があることによって、スプールシャトル264がカルーセルプラットフォーム68の縁部に引っかからないようになっている。これは、リフタ92がシャトルステーション188を通過しているときに起こるようにタイミングが設定されている。
【0058】
図12Cは、リフタ92がもはやアクチュエータギヤ72によって枢動しなくなった直後のリフタ92の位置を示す。ゲート100は、ばねによってリフタ92にかかる付勢力の結果として下方に枢動している途中である。カルーセル66が(平面図に対して)時計回りに回転すると、スプールシャトル264の足部304は、それまで可動高さに持ち上げられていてカルーセルプラットフォーム68より上方にあったが、カルーセルプラットフォーム68のリフトノッチ116に対して、シャトルステーション188aから離れるように動いている。
【0059】
図11Bに示すように、スプールシャトル264がカルーセルの平面Pに対して可動高さ(即ち、カルーセルプラットフォーム68より上方)に動くと、拡大シャフト中間部300が、シャトルキャリッジ140aの突起156によって、凹部152内に係合し、これによってシャトルシャフト296の水平方向の動きが制限される。スプールシャトル264のボディ268は、可動高さの内側保持壁204より上方に持ち上げられ、これによって、スプールシャトル264がシャトルステーション188aから離れることが可能になる。
【0060】
図10Bは、時計回りに回転した後のカルーセル66を示す。スプールシャトル264がカルーセルプラットフォーム68の上に持ち上げられた後、カルーセル66が更に回転することにより、シャトルキャリッジ140は、他のシャトルステーション188(図示せず)で待機している他のスプールシャトル264の他のシャトルシャフト296と接触し、結果として反時計回りに回転する。シャトルキャリッジ140のスポーク148のバイパス部分158の表面は、シャトルシャフト296との転がり係合及び係合解除を促進する。シャトルキャリッジ140が回転すると、シャトルキャリッジ140aの突起156と係合しているスプールシャトル264が、シャトルガイド164のギヤキャビティ172内で偏心経路上をシャトルステーション188aから動き、ポストスペーサ160と当たることにより、方向的に安定する。
【0061】
図10Cは、更に時計回りに回転した後のカルーセル66を示しており、カルーセルプラットフォーム68の上に持ち上げられたスプールシャトル264が、カルーセル66に対するシャトルキャリッジ140aの反時計回りの回転によって平行移動している。
【0062】
図10Dは、更に回転した後のカルーセル66を示す。この時点では、スプールシャトル264は、最初のシャトルステーション188aからシャトルステーション188の5個分移動したシャトルステーション188fに位置しているように示されている。カルーセル66の回転におけるこの時点では、対応するアクチュエータギヤ72の押し下げ突起88は、対応するリフタ92のリフタトリガ112と並んでいない。結果として、ゲート100は、図12Aに示された低い位置にある。スプールシャトル264の足部304がカルーセルプラットフォーム68から滑り落ちてリフトノッチ116に入ると、足部304が、カルーセルプラットフォーム68より下方にある上部ガイド108によって下方に動かされ、これによって、スプールシャトル264が待機高さに戻る。待機高さでは、シャトルキャリッジ140aの突起156は、拡大シャフト中間部300とはもはや係合しない。これは、拡大シャフト中間部300がスポーク156のバイパス部分158の横に位置する為である。従って、スプールシャトル264は、後でいずれかのシャトルキャリッジ140によって再度ピックアップされるまで、シャトルステーション188fにおいて「待機」のままとなる。
【0063】
当然のことながら、1つ以上のスプールシャトル264が中間シャトルステーション188において待機し、これによって、複数のスプールシャトル264から定量供給されるストランドがまとめられて編組され、編組紐が形成される。その後、更にカルーセル66が回転すると、シャトルキャリッジ140aが、シャトルステーション188jにおいて、直前まで未選択であったスプールシャトル264をピックアップする(そこにあれば)。シャトルキャリッジ140a、140bのそれぞれは、編組機が動作している間に、直前まで未選択であったスプールシャトルを選択的に動かす、このパターンを続ける。
【0064】
各スプールシャトル264が動いて、各スプールシャトル264が定量供給したストランドが編組されると、その定量供給されたストランドのテンションは、スプールシャトル264に更なるストランドの解放を行わせるのに必要な閾値を超えるほどまで高まる。コイルばね236によってテンショナアーム264にかかるトルク力は、全てのスプールシャトル264のストランドの定量供給をまとめて同時に行わせるには不十分であるが、各スプールシャトルのそれぞれの動きの結果としてストランドがスプールシャトル264から延びている為、編組紐の長さが伸び、テンショナアーム264がコイルばね236の力で枢動することで、編組紐がぴんと張られた状態が保たれる。
【0065】
しかるべき長さの紐の作成が完了したと判定されたら、編組機の動作が停止する。
【0066】
図13は、編組機20によって形成された紐の結ばれていないストランド端部をクランプするのに使用される終端プラグ400を示す。終端プラグ400は、内側を向いた1つ以上のスパイク404を有するスリーブ402である。スリーブ402の一部分に沿って圧縮ノッチ408が延びており、スリーブ402の周囲の少なくとも一部にはロック溝412が延びている。
【0067】
終端プラグ400は、ストランドガイド216のすぐ横で編組紐のストランドの結ばれていない端部の上にクランプ固定され、ストランドを分散させずに切ることが可能であるように、挟んで締め付けられる。そして、ストランドクランプ248のすぐ横で紐の周囲に終端プラグ400が固定され、挟んで締め付けられてから、ストランドクランプ248が開かれてよく、ストランドの余分な長さが切り落とされてよい。
【0068】
終端プラグが編組紐のストランドと係合する為にスパイクが使用されているが、編組紐のストランドと係合する為に他のストランド係合機構が使用されてもよい。
【0069】
図14A及び14Bは、それぞれ、メス紐終端416及びオス紐終端420を示す。メス紐終端416及びオス紐終端420は両方とも、終端プラグ400を受けるように寸法決定された開口部424を有する。更に、開口部424は内側リッジ(図示せず)を有し、これは、終端プラグ400のロック溝412と嵌合して、開口部424内で終端プラグ400をロックする。オス紐終端416は、円周方向リブを有する円形突起428を有し、円形突起428は、メス紐終端416の開口部424内で受けられ、その中で円周方向溝432と係合して、オス紐終端420をメス紐終端420に解放可能に結合する。
【0070】
図15は、ブレスレット500の形態の宝飾品を示しており、これは、編組機20を使用して製造されており、終端プラグ400、メス紐終端416、及びオス紐終端420を使用して終端されている。図示したように、編組紐504がメス紐終端416及びオス紐終端420に確実に結合されており、メス紐終端416とオス紐終端420とを結合することによりブレスレット500を閉じることが可能である。
【0071】
図示されている終端プラグ400は、その外面の周囲にロック溝412を有し、これが、メス紐終端416及びオス紐終端420の開口部424内でリッジ又は他の機構と係合するが、これらに相当する他の係合機構が、紐終端の開口部内に終端プラグを固定する為に、終端プラグ上及び紐終端上に形成されてもよい。
【0072】
スプールシャトル264を編組機20内に配備することは、装填スロット128の1つを空のシャトルステーション188に合わせ、配備予定のスプールシャトル264の足部304をその装填スロット128に挿入し、そのスプールシャトル264をその空のシャトルステーション188に向けてスライドさせて、そのシャトルステーション188に入れることによって行われてよい。スプールシャトル264を編組機20から取り外すことは、逆の手順で行われてよい。
【0073】
図16は、別の実施形態による、オス紐終端604及びメス紐終端608を有する留め金600を示す。オス紐終端604は、終端プラグ616を受ける内側凹部612を有する。終端プラグ616は、図13の終端プラグ400とよく似ており、ひと組のスパイク620を有する。オスコネクタ624が内側凹部612を丸く囲んでおり、厚いカラーを有する。紐貫通穴628が内側凹部612と同心である。メス紐終端608は、同様に、メスコネクタ632で丸く囲まれた内側凹部を有する。メスコネクタ632は又、厚いカラーを有し、これによって、オス紐終端とメス紐終端608とがスナップ嵌合することが可能になり、しかしながら、これらが、閾値分離テンション力下で互いから解放されることも可能になる。第2の終端プラグ616がメス紐終端608内にぴったり収まる。メス紐終端608内の紐貫通穴636が内側凹部と同心である。
【0074】
留め金600を配備するには、オス紐終端604とメス紐終端608とを分離し、内側凹部612に終端プラグ616がある場合にはこれを取り除く。次に編組紐の結ばれていない端部を紐貫通穴628に挿入して通り抜けさせ、内側凹部612を通り抜けさせ、オスコネクタ624を通り抜けさせて外に出す。次に終端プラグ616を、編組紐の結ばれていない端部の周囲に配置し、紐と一緒に押さえつけて、終端プラグ616を内側凹部612に挿入する。終端プラグ616によって保持された編組紐をオス紐終端604の外に引き戻すと、終端プラグ616が内側凹部612内に摩擦嵌合し、編組紐の結ばれていないストランドをその中でクランプする。編組紐の他端の結ばれていないストランドも同様に、紐貫通穴636からメス紐終端608の内側凹部に挿入されてよい。終端プラグ616を結ばれていないストランドに押しつけて、終端プラグ616をメス紐終端608の内側凹部に挿入し、編組紐をメス紐終端608の外に引き戻すと、終端プラグ616が内側凹部内で摩擦嵌合する。オス紐終端604又はメス紐終端608の外に延びている結ばれていないストランドがあれば切り落とす。肥厚カラー同士が係合してオス紐終端604とメス紐終端608とが一緒に確実に保持されるまで、オス紐終端604のオスコネクタ624をメス紐終端608のメスコネクタ632に挿入する。留め金を開く必要がある場合には、オスコネクタ624をメスコネクタ628から引き抜いてオス紐終端604とメス紐終端608とを分離することが可能になるのに十分な力で、オス紐終端604とメス紐終端608をそれぞれ引っ張る。
【0075】
図17は使用中の編組機20を示しており、編組機20は、可撓性材料の複数のストランド277を編組して編組紐504を形成している。図から分かるように、可撓性材料の複数のストランド277が相互に横断することによって編み込まれている。
【0076】
上述の編組機はストランドを引き込む為にテンショナアームを使用するが、スプールからストランドを引き込む為に他のストランド引き込み機構が使用されてもよい。例えば、ストランドの結ばれていない端部がクランプに固定されて、そのクランプが、スプールからクランプを引き込むゴムバンドに結合されてよい。
【0077】
ストランドガイドは、ストランドを誘導する通路(例えば、ヒンジ式ループ)を画定する任意の設計であってよい。
【0078】
いかなる色又はタイプのストランドを相対的なシャトルステーションに配置するか、更には、幾つかのシャトルステーションを空のままにするかどうかを指示するパターン公式を与えることによって、様々なパターンの編組を実現することが可能である。編組機を使用して、より少ないストランドで紐を編組することが可能であり、これは、ストランド引き込み機構による係合の為に特定のスプールシャトルからはストランドを引き込まないこと、又はスプールシャトルからスプールを取り外すこと、又は編組機からスプールシャトルを取り外すことにより可能である。
【0079】
当然のことながら、ギヤ比、シャトルステーションの間隔、1つ以上のシャトルキャリッジのサイズなどは全て様々であってよい。
【0080】
本明細書において記載及び図示された編組機は2つのシャトルキャリッジを有するが、編組機は、1つのシャトルキャリッジ、又は3つ以上のシャトルキャリッジで構築されてもよい。
【0081】
図示されたスプールシャトル264はスプール276を保持するように構成されているが、当業者であれば理解されるように、スプールシャトル264は、より広い意味でストランドシャトル264と呼ばれてよく、ストランドシャトルは、可撓性材料のストランド277を保持する為の任意の適切な様式で構成されてよい。例えば、可撓性材料のストランド277は、回転可能であって、マウンティングポスト272の代わりにシャトルボディ268から延びるフランジ付き円筒形シャトルに直接巻かれてよい。そのようなシャフトは、広い意味でストランドホルダと呼ばれてよい。同様に、スプール264はスプールシャトル264のマウンティングポスト272にマウントされている為、マウンティングポスト272もまとめてストランドホルダと呼ばれてよい。
【0082】
図面で示した実施形態では、ストランド引き込み機構が可撓性材料のストランド277のテンションを維持するように付勢される場合を示したが、代替として、編組機にストランド引き込み機構を設けないことや、編組機自体が可撓性材料のストランド277のテンションを維持する手段を含まないlことも可能である。実施形態によっては、編組機のユーザが、稼働時に(例えば、可撓性材料のストランド277の端部を保持して軽く引っ張ることにより)可撓性材料のストランド277のテンションを維持する役割を担ってもよい。実施形態によっては、編組活動は、ストランドにテンションをかけずに行われてよく、それによってゆるい編組が形成されてよい。
【0083】
本開示の目的の為に、「編組紐(braid)」という用語は、複数のストランドが任意の適切な方法で相互に上下に横断して編み込まれることによって形成される任意の紐を意味するように広く解釈されることを意図している。この用語は、ある特定のストランド編み込み方法に限定されることを意図していない。
【0084】
当業者であれば理解されるように、可能な代替の実施態様及び修正形態が更に多く存在し、上述の例は、1つ以上の実施態様の例示に過ぎない。従って、本発明の範囲は、本明細書に添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図13
図14A
図14B
図15
図16
図17