(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
希土類単一酸化物が水分と反応すると、希土類水酸化物が生成される。この希土類水酸化物は、温度が高いほど生成し易くなる。サセプタは、例えば使用前に薬品や水等で洗浄され、高温で乾燥されることがある。そうすると、上述した希土類単一酸化物を含む接合層が用いられたサセプタでは、接合層に含まれる希土類単一酸化物が水分と反応して希土類水酸化物が生成され、その希土類水酸化物が乾燥して粉体となって飛散し、異物としてウェハに付着することがある。また、接合層の内、希土類水酸化物が抜けた部分が空洞になることによって保持部材と支持部材との接合強度が低下することがある。
【0005】
なお、このような課題は、サセプタを構成する保持部材と支持部材との接合に限らず、例えば静電チャック等の保持装置を構成するセラミックス部材同士の接合にも共通の課題である。また、このような課題は、保持装置に限らず、例えばシャワーヘッド等の半導体製造装置用部品を構成するセラミックス部材同士の接合に共通の課題である。
【0006】
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0008】
(1)本明細書に開示される半導体製造装置用部品は、AlNを主成分とする材料により形成された第1のセラミックス部材と、AlNを主成分とする材料により形成された第2のセラミックス部材と、前記第1のセラミックス部材と前記第2のセラミックス部材との間に配置され、前記第1のセラミックス部材と前記第2のセラミックス部材とを接合する接合層と、を備える半導体製造装置用部品において、前記接合層は、化学式ABO
3(但し、Aは希土類元素であり、BはAlである。)で表されるペロブスカイト型酸化物を含み、希土類元素と酸素とのみを有する希土類単一酸化物を含まない。本半導体製造装置用部品によれば、接合層は、化学式ABO
3(但し、Aは希土類元素であり、BはAl(アルミニウム)である。)で表されるペロブスカイト型酸化物を含み、希土類元素と酸素とのみを有する希土類単一酸化物を含まない。このペロブスカイト型酸化物は、希土類単一酸化物に比べて、水分と反応し難い安定した物質であるため、希土類水酸化物の飛散や第1のセラミックス部材と第2のセラミックス部材との接合強度の低下を抑制することができる。
【0009】
(2)本明細書に開示される半導体製造装置用部品は、AlNを主成分とする材料により形成された第1のセラミックス部材と、AlNを主成分とする材料により形成された第2のセラミックス部材と、前記第1のセラミックス部材と前記第2のセラミックス部材との間に配置され、前記第1のセラミックス部材と前記第2のセラミックス部材とを接合する複数の接合部と、を備える半導体製造装置用部品において、前記接合部は、化学式ABO
3(但し、Aは希土類元素であり、BはAlである。)で表されるペロブスカイト型酸化物を含み、希土類元素と酸素とのみを有する希土類単一酸化物を含まない。本半導体製造装置用部品によれば、接合部は、化学式ABO
3(但し、Aは希土類元素であり、BはAl(アルミニウム)である。)で表されるペロブスカイト型酸化物を含み、希土類元素と酸素とのみを有する希土類単一酸化物を含まない。このペロブスカイト型酸化物は、希土類単一酸化物に比べて、水分と反応し難い安定した物質であるため、希土類水酸化物の飛散や第1のセラミックス部材と第2のセラミックス部材との接合強度の低下を抑制することができる。
【0010】
(3)上記半導体製造装置用部品において、前記ペロブスカイト型酸化物が有する前記希土類元素は、Gd、Nd、Tb、Eu、Yの少なくとも1種を含むことを特徴とする構成としてもよい。本半導体製造装置用部品によれば、Gd、Nd、Tb、Eu、Yの少なくとも1種を有するペロブスカイト型酸化物を含む接合層や接合部を用いることによって、希土類水酸化物の飛散や第1のセラミックス部材と第2のセラミックス部材との接合強度の低下を抑制することができる。
【0011】
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、静電チャック、真空チャック等の保持装置、サセプタ等の加熱装置、シャワーヘッド等の半導体製造装置用部品の形態で実現することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
A.実施形態:
A−1.サセプタ100の構成:
図1は、本実施形態におけるサセプタ100の外観構成を概略的に示す斜視図であり、
図2は、本実施形態におけるサセプタ100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、サセプタ100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。サセプタ100は、請求の範囲における半導体製造装置用部品に相当する。
【0014】
サセプタ100は、対象物(例えばウェハW)を保持しつつ所定の処理温度に加熱する装置であり、例えば半導体装置の製造工程で使用される薄膜形成装置(例えばCVD装置やスパッタリング装置)やエッチング装置(例えばプラズマエッチング装置)に備えられている。サセプタ100は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向(Z軸方向))に並べて配置された保持部材10および支持部材20を備える。保持部材10と支持部材20とは、保持部材10の下面(以下、「保持側接合面S2」という)と支持部材20の上面(以下、「支持側接合面S3」という)とが上記配列方向に対向するように配置されている。サセプタ100は、さらに、保持部材10の保持側接合面S2と支持部材20の支持側接合面S3との間に配置された接合層30を備える。保持部材10は、請求の範囲における第1のセラミックス部材に相当し、支持部材20は、請求の範囲における第2のセラミックス部材に相当する。
【0015】
(保持部材10)
保持部材10は、例えば円形平面の板状部材であり、AlN(窒化アルミニウム)を主成分とするセラミックスにより形成されている。なお、ここでいう主成分とは、含有割合(重量割合)の最も多い成分を意味する。保持部材10の直径は、例えば100mm〜500mm程度であり、保持部材10の厚さは、例えば3mm〜15mm程度である。
【0016】
保持部材10の内部には、導電性材料(例えば、タングステンやモリブデン等)により形成された線状の抵抗発熱体で構成されたヒータ50が設けられている。ヒータ50の一対の端部は、保持部材10の中央部付近に配置されている。また、保持部材10の内部には、一対のビア52が設けられている。各ビア52は、上下方向に延びる線状の導電体であり、各ビア52の上端は、ヒータ50の各端部に接続されており、各ビア52の下端は、保持部材10の保持側接合面S2側に配置されている。また、保持部材10の保持側接合面S2の中央部付近には、一対の受電電極54が配置されている。各受電電極54は、各ビア52の下端に接続されている。これにより、ヒータ50と各受電電極54とが電気的に接続されている。
【0017】
(支持部材20)
支持部材20は、例えば上下方向に延びた円筒状部材であり、支持側接合面S3(上面)から下面S4まで上下方向に貫通する貫通孔22が形成されている。支持部材20は、保持部材10と同様に、AlNを主成分とするセラミックスにより形成されている。支持部材20の外径は、例えば30mm〜90mm程度であり、内径は、例えば10mm〜60mm程度であり、上下方向の長さは、例えば100mm〜300mm程度である。支持部材20の貫通孔22内には、一対の電極端子56が収容されている。各電極端子56は、上下方向に延びる棒状の導電体である。各電極端子56の上端は、各受電電極54にロウ付けにより接合されている。一対の電極端子56に電源(図示せず)から電圧が印加されると、ヒータ50が発熱することによって保持部材10が温められ、保持部材10の上面(以下、「保持面S1」という)に保持されたウェハWが温められる。なお、ヒータ50は、保持部材10の保持面S1をできるだけ満遍なく温めるため、例えばZ方向視で略同心円状に配置されている。なお、支持部材20の貫通孔22内には、熱電対の2本の金属線60(
図2では1本のみ図示)が収容されている。各金属線60は、上下方向に延びように配置され、各金属線60の上端部分62は、保持部材10の中央部に埋め込まれている。これにより、保持部材10内の温度が測定され、その測定結果に基づきウェハWの温度制御が実現される。
【0018】
(接合層30)
接合層30は、円環状のシート層であり、保持部材10の保持側接合面S2と支持部材20の支持側接合面S3とを接合している。接合層30は、GdAlO
3とAl
2O
3(アルミナ)とを含み、希土類元素と酸素とのみを有する希土類単一酸化物を含まない材料により形成されている。接合層30の外径は、例えば30mm〜90mm程度であり、内径は、例えば10mm〜60mm程度であり、厚さは、例えば50μm〜70μm程度である。なお、ここでいう「希土類単一酸化物を含まない」とは、接合層30中における希土類単一酸化物の含有割合が2重量%未満であることをいう。
【0019】
A−2.サセプタ100の製造方法:
次に、本実施形態におけるサセプタ100の製造方法を説明する。はじめに、保持部材10と支持部材20とを準備する。上述したように、保持部材10と支持部材20とは、いずれもAlNを主成分とするセラミックスにより形成されている。なお、保持部材10および支持部材20は、公知の製造方法によって製造可能であるため、ここでは製造方法の説明を省略する。
【0020】
次に、保持部材10の保持側接合面S2と支持部材20の支持側接合面S3とをラップ研磨し、各接合面S2,S3の表面粗さを1μm以下、平坦度を10μm以下にする。そして、保持部材10の保持側接合面S2と支持部材20の支持側接合面S3との少なくとも一方に、接合剤を塗布する。具体的には、GdAlO
3粉末とAl
2O
3粉末とを所定の割合で混合し、さらに、アクリルバインダおよびブチルカルビトールと共に混合することにより、ペースト状の接合剤を形成する。なお、ペースト状の接合剤の形成材料の組成比は、例えば、GdAlO
3が48mol%であり、Al
2O
3が52mol%であることが好ましい。そして、ペースト状の接合剤を、マスクを介して印刷することにより、保持部材10の保持側接合面S2と支持部材20の支持側接合面S3との少なくとも一方に塗布する。その後、支持部材20の支持側接合面S3と保持部材10の保持側接合面S2とを、ペースト状の接合剤を介して重ね合わせることにより、保持部材10と支持部材20との積層体を形成する。
【0021】
次に、保持部材10と支持部材20との積層体をホットプレス炉内に配置し、窒素中で加圧しつつ加熱する。これにより、ペースト状の接合剤が溶融して接合層30が形成され、保持部材10と支持部材20とが接合層30により接合される。この加熱・加圧接合における圧力は、0.1MPa以上、15MPa以下の範囲内に設定されることが好ましい。加熱・加圧接合における圧力が0.1MPa以上に設定されると、被接合部材(保持部材10や支持部材20)の表面にうねり等があった場合でも被接合部材間に接合されない隙間が生じることが抑制され、初期における保持部材10と支持部材20との接合強度(接合層30の接合強度)が低下することを抑制することができる。また、加熱・加圧接合における圧力が15MPa以下に設定されると、保持部材10の割れや支持部材20の変形が発生することを抑制することができる。なお、接合面S2,S3には、0.2Kgf/cm
2〜3Kgf/cm
2の圧力が付与される。
【0022】
また、この加熱・加圧接合における温度は、1750℃まで上昇させることが好ましい。加熱・加圧接合における温度が1750℃まで上昇したら、1750℃の状態を約10分維持した後、ホットプレス炉内の温度を室温まで下げる。加熱・加圧接合の後、必要により後処理(外周や上下面の研磨、端子の形成等)を行う。以上の製造方法により、上述した構成のサセプタ100が製造される。
【0023】
A−3.性能評価:
実施例のサセプタ100と比較例のサセプタとについて、以下に説明する性能評価を行った。
【0024】
A−3−1.実施例および比較例について:
実施例のサセプタ100は、上述した製造方法で製造されたものである。比較例のサセプタは、保持部材と支持部材と接合層とを備える。実施例のサセプタ100と比較例のサセプタとは、以下の点で共通している。
(保持部材の構成)
・材料:AlNを主成分とするセラミックス
・直径:100mm〜500mm
・厚さ:3mm〜15mm
(支持部材の構成)
・材料:AlNを主成分とするセラミックス
・外径:30mm〜90mm
・内径:10mm〜60mm
・上下方向の長さ:100mm〜300mm
(接合層の外形)
・外径:30mm〜90mm
・内径:10mm〜60mm
・厚さ:50μm〜70μm
【0025】
実施例のサセプタ100と比較例のサセプタとは、以下の点で相違している。
(接合層の材料)
・実施例のサセプタ100の接合層30の材料:GdAlO
3とAl
2O
3とを含み、希土類元素と酸素とのみを有する希土類単一酸化物を含まない。
・比較例のサセプタの接合層の材料:希土類単一酸化物であるGd
2O
3を含む。
比較例のサセプタの製造方法は、実施例のサセプタ100の上述の製造方法に対して、GdAlO
3粉末およびAl
2O
3粉末の代わりに、Gd
2O
3粉末をアクリルバインダおよびブチルカルビトールと共に混合することにより、ペースト状の接合剤を形成する点が相違しているが、これ以外の点は基本的に共通している。
【0026】
A−3−2.評価手法:
(接合層の接合強度の評価について)
接合層の接合強度の評価として、実施例のサセプタ100および比較例のサセプタについて、He(ヘリウム)リーク試験を行った。Heリーク試験では、例えば、実施例のサセプタ100の支持部材20の下側開口端にHeリークディテクタ(図示せず)を連結し、接合層30の外周側からHeガスを吹き付ける。そして、Heリークディテクタの検出結果に基づき、接合層30におけるHeのリークの検出の有無を確認した。Heのリークが検出されることは、接合層30中に空洞が存在しているために接合強度が低いことを意味する。本実施形態では、実施例のサセプタ100の製造直後に、1回目のHeリーク試験を行った。次に、実施例のサセプタ100に対し、溶剤中で超音波洗浄を行い、次に純水中で超音波洗浄を行い、洗浄後の実施例のサセプタ100を乾燥器に配置して120℃で4時間乾燥させた。そして、乾燥後の実施例のサセプタ100について、2回目のHeリーク試験を行った。
【0027】
(接合層における水酸化物生成の抑制の評価について)
接合層における水酸化物生成の抑制の評価として、実施例のサセプタ100および比較例のサセプタについて、耐水試験の前後に、外観検査と、SEM(走査型電子顕微鏡)検査と、EDS(エネルギー分散型X分析)およびXRD(X線回折)測定とを行った。耐水試験では、例えば、実施例のサセプタ100を、オートクレーブに配置し、飽和蒸気(飽和水蒸気量は1.2kg/m
3)によって高温高圧(123℃、0.22MPa)の環境下に12時間放置した。外観検査では、実施例のサセプタ100の接合層30を切断し、その切断面の状態を目視によって観察した。SEM検査では、実施例のサセプタ100の接合層30の切断面をSEMによって観察した。EDSおよびXRD測定では、実施例のサセプタ100の接合層30の切断面についてEDSによって元素分析を行い、XRD測定によって接合層30の構成を同定した。
【0028】
A−3−3.評価結果:
(接合層の接合強度の評価について)
実施例のサセプタ100では、1回目および2回目のHeリーク試験のいずれにおいても、Heのリークは検出されなかった。一方、比較例のサセプタでは、1回目のHeリーク試験において、Heのリークは検出されなかったが、2回目のHeリーク試験において、Heのリークが検出された。
【0029】
(接合層における水酸化物の飛散の抑制の評価について)
図3は、実施例のサセプタ100のXRD測定の結果を示す説明図であり、
図4は、比較例のサセプタのXRD測定の結果を示す説明図である。実施例のサセプタ100では、外観検査およびSEM検査のいずれにおいても、耐水試験の前後で、接合層30の切断面の状態に変化は見られなかった。また、EDSおよびXRD測定では、
図3に示すように、耐水試験の前後のいずれにおいても、接合層30は、GdAlO
3とAl
2O
3とを含み、希土類単一酸化物を含んでおらず、耐水試験の前後で、接合層30の構成(組成比等)に変化は見られなかった。
【0030】
一方、比較例のサセプタでは、外観検査およびSEM検査のいずれにおいても、耐水試験の前には、なんら異常が見られなかったが、耐水試験の後に、接合層30の切断面の一部に粉体が付着したり崩壊したりしていることが見られた。また、EDSおよびXRD測定では、
図4に示すように、耐水試験の前には、接合層は、Gd
2O
3のみを含んでいたが、耐水試験の後には、接合層は、Gd(OH)
3のみを含んでいた。即ち、比較例のサセプタでは、耐水試験の前後で、接合層の形成材料がGd
2O
3からGd(OH)
3に変化している。
【0031】
A−4.本実施形態の効果:
比較例のサセプタの接合層は、希土類単一酸化物であるGd
2O
3を含んでいるため、洗浄されることによって、Gd
2O
3が水分と反応して、希土類水酸化物であるGd(OH)
3が生成される。その後、接合層が高温で乾燥されると、Gd(OH)
3が粉体となって飛散し、接合層の内、Gd(OH)
3が抜けた部分が空洞になることによって接合層の接合強度が低下する。このため、耐水試験の後において、Heリーク試験ではHeのリークが検出され、外観検査およびSEM検査では接合層30の切断面への粉体の付着等が見られ、EDSおよびXRD測定では接合層の形成材料がGd(OH)
3に変化したと考えられる。
【0032】
一方、実施例のサセプタ100の接合層30は、GdAlO
3とAl
2O
3とを含み、希土類単一酸化物を含んでいない。GdAlO
3は、ペロブスカイト型酸化物であり、ペロブスカイト型酸化物は、希土類単一酸化物に比べて、水分と反応し難い安定した物質である。このため、実施例のサセプタ100の接合層30によれば、希土類水酸化物の飛散や接合層の接合強度の低下を抑制することができる。
【0033】
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
【0034】
上記実施形態において、保持部材10と支持部材20とが、接合層30ではなく、複数の接合部によって接合されているとしてもよい。具体的には、保持部材10と支持部材20との間に、保持部材10と支持部材20との対向方向に直交する一の仮想平面上に配置された複数の接合部が離散的に形成されているとともに、保持部材10と支持部材20とが、保持部材10および支持部材20の形成材料であるAlN粒子を介して部分的に連結されているとしてもよい。
【0035】
上記実施形態および変形例において、保持部材10と支持部材20との間に、例えば、接合層30(接合部)と共に、該接合層30(接合部)とは組成が異なる第2の接合層(第2の接合部)が介在しているとしてもよい。すなわち、保持部材10と支持部材20とが、組成が互いに異なる複数の接合層または接合部を介して接合されているとしてもよい。
【0036】
上記実施形態および変形例における保持部材10および支持部材20を形成するセラミックスは、AlN(窒化アルミニウム)を主成分として含んでいれば、他の元素を含んでいてもよい。
【0037】
上記実施形態および変形例において、接合層30(接合部)を形成する材料は、GdAlO
3以外のペロブスカイト型酸化物(化学式ABO
3(但し、Aは希土類元素であり、BはAlである。)で表される)を含んでいてもよい。この希土類元素は、Gd、Nd、Tb、Eu、Yの少なくとも1種を含むことが好ましい。なお、上記実施形態のように、ペロブスカイト型酸化物にアルミナを混合して焼成することによって、希土類水酸化物の生成を抑制することができる。
【0038】
また、上記実施形態におけるサセプタ100の製造方法はあくまで一例であり、種々変形可能である。
【0039】
本発明は、サセプタ100に限らず、ポリイミドヒータ等の他の加熱装置、セラミックス板とベース板とを備え、セラミックス板の表面上に対象物を保持する保持装置(例えば、静電チャックや真空チャック)、シャワーヘッド等の他の半導体製造装置用部品にも適用可能である。