【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明としては、豆腐生地の切断方法であって、豆腐生地搬送装置により連続的に搬送されて成型される複数分のシート状豆腐生地から第1の切断工程によって切り出され、その進行方向を列方向、その進行方向と直角に交わる方向を行方向として、豆腐生地最小単位の少なくとも2個分の辺に相当する長さを列方向の短辺に有し、豆腐生地最小単位の少なくとも2個分の辺に相当する長さを行方向の長辺に有する略直方体であって豆腐生地最小単位の複数分が行列状に配列した太帯状豆腐生地から、豆腐生地最小単位の少なくとも1丁分(1個分)の辺に相当する長さを列方向の短辺に有し豆腐生地最小単位の少なくとも2個分の辺に相当する長さを行方向の長辺に有する略直方体であって豆腐生地最小単位の複数分が1行状に配列した複数行の細帯状豆腐生地に切断する第2の切断工程であって、該第2の切断工程では、該前記太帯状豆腐生地を第2の位置決め手段の第2の位置決め部材によって位置決めさせた状態にして該第2の切断工程の第2の切断刃で切断するか、又は、前記該太帯状豆腐生地を該第2の位置決め手段の第2の位置決め部材によって位置決めさせた状態にした後に該太帯状豆腐生地から該第2の位置決め部材が離れた後に該第2の切断刃で切断することを特徴とする。
本発明の豆腐生地は油揚生地、薄揚げ・厚揚げ、生揚げ・絹生揚げの生地、焼き豆腐生地、ソフト木綿豆腐、木綿豆腐、ソフト豆腐、絹ごし豆腐、これらの冷凍豆腐生地、凍結乾燥豆腐生地などを含む。
ここで、連続的に搬送されて成型されるシート状豆腐生地とは、連続成型機で連続して無端状に成型されて、最小単位の豆腐生地が行方向にN個分及び/又は高さ方向にL個分に相当し(N≧2、L≧1)、かつ列方向に多数個分(M≒∞)に相当する無端状豆腐生地であり、又は連続成型機で型枠を備えた形態で行方向にN個分及び/又は高さ方向にL個分に相当し(N≧2、L≧1)、かつ列方向にM個分(M≧2)に相当するブロック状豆腐生地である。連続成型機の下布や下側キャタピラー等の搬送ベルトの駆動は一般に連続駆動であるが、後工程の切断装置等と同期連動する断続駆動であってもよい。太帯状豆腐生地とは、豆腐生地最小単位の少なくとも2個分の辺に相当する長さを列方向の短辺に有し、豆腐生地最小単位の少なくとも2個分の辺に相当する長さを行方向の長辺に有する略直方体であって豆腐生地最小単位の複数分が行列状に配列した豆腐生地である。細帯状豆腐生地とは、豆腐生地最小単位の少なくとも1個分の辺に相当する長さを列方向の短辺に有し豆腐生地最小単位の少なくとも2個分の辺に相当する長さを行方向の長辺に有する略直方体であって豆腐生地最小単位の複数分が1行状に配列した豆腐生地である。いずれの帯状豆腐生地も両端の生地耳を除去する場合は、行方向の長辺の長さは取り除く両端の生地耳の長さを加えた長さになる。ここで、最小単位の豆腐生地とは、カット豆腐と言われる包装豆腐製品の最小単位、いわゆる1丁(1個)であるか、又は後工程に必要な最小サイズであり、冷凍工程やフライ工程等に応じたサイコロ形や賽の目形や短冊形等の小さなサイズまで含む。
従来、豆腐生地の連続製造装置では、連続的に成型・搬送されるベルト状豆腐を各製品サイズに切断して間隔を広げるように整列する切断・整列工程は全体のライン能力を決定する律速工程の一つである。従来は第1切断で1列ごとに切断し、第2切断で1行ごとに切断する方式である(特許文献8)。これに対して、本発明では第1の切断工程で少なくとも2行以上の豆腐生地をまとめて1回の動作で切り出して、第2の切断工程で1行ごとに1回の動作で切断する2段階の切断工程とする。更に第3切断で1丁(1個)毎に列方向で切断する工程、更に賽の目(サイコロ状)に細断する切断工程などを伴う多段階の切断工程を設けもよい。本発明によれば、連続的に成型されるシート状豆腐生地から少なくとも2個分の行方向及び列方向を有する複数分の幅広い太帯状豆腐生地を第1切断工程として切断し、次に1個分の行幅(ないしは列幅)を有する細長い細帯状豆腐生地に第2切断工程として位置決めして切断するので(第1切断工程の位置決めも適宜実施することが好ましい)、機械的動作を可及的に速くでき、機械的動作時間に余裕を作ることができるので、従来よりも高い切断精度で効率的で大量生産向きである。結果的に型崩れや味抜けが防止でき、陸上であっても、柔らかい豆腐生地であっても、豆腐生地の歪みを防止して、精度よく綺麗に切断することができる。なお、前記第2の位置決め手段や位置決め部材の動作は単独でもよく、搬送コンベア動作との協働によって位置決めする形態であってもよい。
また、第1の切断刃や特に第2の切断刃による切断の前ないしは切断時に、前記搬送コンベア上の前記豆腐生地を列方向ないしは行方向からの位置決め手段によって停止させた状態にしておくことにより、柔らかい豆腐生地であっても、豆腐生地の歪みを防止して、綺麗に切断することができる。また、第2切断工程で豆腐生地を停止させた状態から離れる瞬間の直前や直後以降に切断すると、豆腐生地と切断刃や位置決め部材との密着性による豆腐生地の位置ずれを軽減できるとともに、片側位置決めや両側位置決めを行なった後、離れても、豆腐生地をその安定感をもって切断することができる。
なお従来法のように、前記シート状生地をあらかじめ、第1切断としてロールカッターや多連包丁刃等で列方向に切断しておいてもよく、その場合でも、第2切断として行方向に幅広く切断して太帯状豆腐生地のように切り出して1個分の列幅を有する複数分の豆腐生地の集合物(列方向に細長い細帯状豆腐生地が行方向に並んだ状態)として、次に第3切断として行方向に複数行の細帯状豆腐生地のようにまとめて切断して1個単位の豆腐生地を得る形態であってもよい。また従来と同じように、前記連続成型されるシート状豆腐の両端は角に丸みや不良な表面がある場合、両端の一部は耳として切断して取り除く場合では、豆腐自身の柔らかさやダレ具合(自重による行方向への広がり方)による拡張、冷却時の収縮も考慮した上で、前記太帯状豆腐生地ないしは前記細帯状豆腐生地の行方向の長さは豆腐生地最小単位の複数分の長さに追加して生地耳分だけ少し長めに設定される。
ここで、停止させた状態した後に太帯状豆腐生地から離れた状態にしてとは、第2の位置決め手段や位置決め手段を兼用する第2の切断刃などが、太帯状豆腐生地を位置決めした停止状態から離れた瞬間ないしはそれ以降の状態であり、また搬送コンベア上において上流側で位置決めしてから下流側に移動して切断される形態でもよく、第2の切断工程の直前ないしは手前の位置で一旦位置決めした状態にしておくことである。特に陸上での切断時においてダレが少ない硬い豆腐生地において好ましい形態である。柔らかい豆腐生地においても、無理に位置決め手段で挟んだり押されると、その際に太帯状豆腐生地を傷めたり、位置決め手段に接することによる太帯状豆腐生地の歪みがあるまま切断されて、歪んで不均等な形になり、B級品やロスになる場合もあるからである。そのため太帯状豆腐生地にかかる歪みを除いてから切断することで、不均等な形の製品を少なく、全体を平均化できる場合がある。また一旦位置決めして位置決め部材が太帯状豆腐生地から離れて、歪みなどを修正して、再び切断時に太帯状豆腐生地に接して位置決めしながら切断する形態であってもよく、また位置決め部材が何回か豆腐生地に接したり離れたりの繰り返し動作を行って歪みを平均的に修正して切断する形態であってもよい。この場合、切断時は豆腐生地から離れていても、接していてもよい。なお停止させた状態した後に離れた状態にする点はシート状豆腐生地や細帯状豆腐生地に対しても同様である。
【0010】
(2)本発明としては、豆腐生地の切断方法であって、豆腐生地最小単位の少なくとも1個分の辺に相当する長さを列方向の短辺に有し豆腐生地最小単位の少なくとも2個分の辺に相当する長さを行方向の長辺に有する略直方体であって豆腐生地最小単位の複数分が1行状に配列した複数行の細帯状豆腐生地を、列方向に切断する第3の切断刃を行方向に少なくとも1枚以上備え列方向に沿って切断するように配設した第3の切断刃ユニットによって、前記第1の切断工程又は前記第2の切断工程で切断した複数行の細帯状豆腐生地を最小単位に列方向に一斉に同時ないしはほぼ同時に切断する第3の切断工程を備えることを特徴とする。
ここで本発明における細帯状豆腐生地は(1)のようにシート状豆腐生地から第1の切断工程によって得た太帯状豆腐生地を第2の切断工程で切断して得た細帯状豆腐生地が好ましい形態であるが、シート状豆腐生地から第2の切断工程を省き第1の切断工程によって1行ずつ切断されて得た細帯状豆腐生地であってもよい。
本発明によれば、第3の切断工程において前工程から搬送された複数行の細帯状豆腐生地を列方向に切断する第3の切断刃を1つ以上備えた切断刃ユニットによって複数行及び複数列に配列する複数の豆腐生地最小単位に一斉に同時ないしはほぼ一斉ないしはほぼ同時に切断するので、1工程ないしは1動作(切断刃の上下1回の往復動作ないしは回動動作、列方向で下流〜上流間で一方向に動かす水平動作ないしは回転動作など)で多数の最小単位の豆腐生地(1個分)を同時ないしはほぼ同時に得ることができ、切断処理能力を大幅に高める効率的な切断が可能である。第3の切断刃は行方向に少なくとも1枚以上で平行に並べた形態あって、細帯状豆腐生地の両端を耳として切断する場合は行方向の豆腐生地最小単位の数(N)に1つ多い数(N+1)を備える。第3の切断刃は中華包丁型切断刃、ナイフ型切断刃、円形切断刃(ロールカッター)等で昇降動作、回転動作、水平動作、往復動作、一定方向の周回動作等を行う機構を備える。切断動作では搬送コンベアの駆動と合わせて列方向に切断するようにしてもよい。これら切断刃やその切断動作を適宜組み合わせて同時ないしほぼ同時に、複数行の細帯状豆腐生地を略一度に、略一斉に切断する。ここでほぼ同時とは、例えば下流側細帯状豆腐生地の下流側から切断刃が切り込み、上流側の細帯状豆腐生地の上流側へ切断刃が水平動作して1動作で短時間に順次に切断することを意味する。
ここで、第3の切断刃が中華包丁型切断刃の場合は切断後、行方向に広がり、最小単位の豆腐生地の行方向の間隔を開いて整列させる動作も行ってもよい(
図3)。また第3の切断刃がナイフ型切断刃やロールカッターの場合は後述する千鳥式の豆腐生地分配整列方法であっても、2つ以上の搬送コンベアによる速度差分配整列方法であってもよい。また第2の切断刃もナイフ型切断刃やロールカッターであってもよく、切断後に細帯状豆腐生地の前後間隔を広げて整列する方法として、2つ以上の搬送コンベアによる速度差分配整列方法を用いてもよい。第1、第2、第3等の切断刃については引き切りするナイフ型やロール型切断刃の方がギロチン式に押し切りする中華包丁型よりも豆腐生地との接触面が少なく洗浄しやすく衛生的である。
【0011】
(3)本発明としては、上記(2)の豆腐生地の切断方法であって、複数行の細帯状豆腐生地を列方向及び/又は行方向の第3の位置決め手段によって位置決めさせた状態にして該第3の切断工程の切断刃で切断するか、又は、該複数行の細帯状豆腐生地を該列方向及び/又は行方向の第3の位置決め手段によって位置決めさせた状態にした後に該細帯状豆腐生地から該第3の位置決め手段が離れた後に該第3の切断刃で切断する第3の切断工程を備えることを特徴とする。
本発明によれば、予め位置決め手段により位置決めして正確な切断を行うことができる。その位置決めは第3の切断工程で切断直前に行うか、ないしは第2の切断工程の直後、行間の間引きに用いた第2の切断刃によって押し送る動作と兼ねてもよく、第2の切断工程における第2の位置決め手段によって位置決めされて細帯状豆腐生地から離れた後に搬送コンベアで位置が変わらないように第3の切断工程に搬送される形態であってもよい。
(4)本発明としては、上記(2)又は(3)の豆腐生地の切断方法であって、豆腐生地搬送装置により連続的に搬送されて成型される複数分のシート状豆腐生地から第1の切断工程によって切り出され、その進行方向を列方向、その進行方向と直角に交わる方向を行方向として、豆腐生地最小単位の少なくとも2個分の辺に相当する長さを列方向の短辺に有し、豆腐生地最小単位の少なくとも2個分の辺に相当する長さを行方向の長辺に有する略直方体であって豆腐生地最小単位の複数分が行列状に配列した太帯状豆腐生地から、豆腐生地最小単位の少なくとも1個分の辺に相当する長さを列方向の短辺に有し豆腐生地最小単位の少なくとも2個分の辺に相当する長さを行方向の長辺に有する略直方体であって豆腐生地最小単位の複数分が1行状に配列した複数行の細帯状豆腐生地に切断する第2の切断工程と、行方向に少なくとも1枚以上備えた第3の切断刃ユニットによって、列方向に一斉に同時ないしはほぼ同時に切断して、複数行及び複数列に配列する複数個の豆腐生地最小単位に切断する第3の切断工程を備えることを特徴とする。
本発明によれば、第1の切断として行方向に切断して前記太帯状豆腐生地を切り出して、次に第2の切断として前記太帯状豆腐生地を行方向で切断して複数行の前記細帯状豆腐生地に切断して、最後に第3切断として複数行の前記細帯状豆腐生地を列方向でまとめて切断して多数の最小単位1個分の豆腐生地を得ることができ、このように多段階で切断することによって、従来よりも切断処理能力を大幅に向上させることができる。
(5)本発明としては、上記(4)の豆腐生地の切断方法であって、前記第2の切断工程では、前記太帯状豆腐生地を第2の位置決め手段の第2の位置決め部材によって位置決めさせた状態にして該第2の切断工程の第2の切断刃で切断するか、又は、該太帯状豆腐生地を該第2の位置決め手段の第2の位置決め部材によって位置決めさせた状態にした後に該太帯状豆腐生地から該第2の位置決め部材が離れた後に該第2の切断刃で切断することを特徴とする。
本発明によれば、第1の切断工程で少なくとも2行以上の豆腐生地をまとめて1回の動作で切り出して、第2の切断工程で位置決めして1行ごとに1回の動作で切断し、更に第3切断で位置決めして1丁(1個)毎に切断するという、3段階(多段階)の切断工程と、各工程で位置決めして切断するので(第1切断工程の位置決めも適宜実施することが好ましい)、機械的動作を速めなくても可及的に切断処理能力を高めることができ、従来よりも切断精度が高まり、効率的で大量生産向きである。結果的に型崩れや味抜けが防止でき、柔らかい豆腐生地であっても、豆腐生地の歪みやロスを防止に繋がる。
本発明によれば、特に第2の切断刃や第3の切断刃による切断の前ないしは切断時に、前記搬送コンベア上の前記複数行列分の豆腐生地を列方向ないしは行方向からの位置決め手段によって停止させた状態にしておくことにより、柔らかい豆腐生地であっても、豆腐生地の歪みを防止して、綺麗に切断することができる。また、第2切断工程や第3切断工程で豆腐生地を停止させた状態から離れた瞬間以降に切断すると、豆腐生地と切断刃の密着性による豆腐生地の位置ずれを軽減できるとともに、片側位置決めや両側位置決めを行なった後、離れても、豆腐生地をその安定感をもって切断することができる。
(6)本発明としては、上記(1)(4)(5)の豆腐生地の切断方法において、前記第2の切断工程の位置決め手段の位置決め部材を前記切断工程の前記切断刃と平行(行方向)に配設し、該位置決め部材が前記豆腐生地の上流端及び/又は下流端に接して列方向の位置決めをすることを特徴とする。即ち、本発明では太帯状豆腐生地を細帯状豆腐生地に切断する第2の切断刃と平行な第2の位置決め部材が太帯状豆腐生地の上流側の端面及び/又は下流側の端面に接して、列方向の位置決めを行う形態が特に温かく柔らかい帯状豆腐生地の長手方向が歪みやすいことから好ましい形態である。または細帯状豆腐生地を1個分の豆腐生地に切断する第3の切断刃と直角に交わる方向の第3の位置決め部材が細帯状豆腐生地の上流側の端面及び/又は下流側の端面に接して、列方向の位置決めを行うようにしてもよく、前工程から搬送中に豆腐生地の長手方向の歪みが生じやすいことから第3の切断工程においても好ましい形態である。また第3の切断工程において後述の(10)の発明との併用によって四方から位置決めをしてより一層正確に第3の切断工程の切断を行うことができるので好ましい形態である。なお、各切断工程の前工程から各豆腐生地を押し送る際に用いる押し送り板を上流側の位置決め部材として代用する形態であってもよい
本発明によれば、前記第2の位置決め手段の第2の位置決め部材を前記第2の切断刃と平行(行方向の沿うように)に配設し、該位置決め部材が前記太帯状豆腐生地の上流端及び/又は下流端に接して列方向の位置決めをすることを特徴とする。即ち、前記第2の切断工程の切断刃が太帯状豆腐生地の搬送方向に対して直角な方向(行方向)に沿って切断する行方向の切断刃であり、前記位置決め手段の前記位置決め部材も行方向に沿って配設されて、該太帯状豆腐生地の搬送方向の上流側及び/又は下流側において位置決めをすることによって、該太帯状豆腐生地の歪みを矯正し、第2の切断の切断精度を高めることができる。好ましくは上流側及び下流側において位置決めをすることによって、該太帯状豆腐生地を挟持するように定位置に合わせることになり、列方向の切断精度を一層高めることができる。
本発明によれば、例えば、シート状豆腐生地から1個分のサイズまでに切断する各切断工程、すなわち行方向に切断する第2の切断工程や列方向に切断する第3の切断工程の直前まで第2ないし第3の位置決め手段によって前記太帯状ないし前記細帯状豆腐生地の列方向(搬送方向)の定位置状態を整えるようにすることによって、その定位置状態をその都度に維持、修正して次工程へ送るようになるため、大幅に切断精度が低くなることを避けることができる。また大きな塊として比較的素早く移送しても、また次の搬送や切断する場所が水中ないしは半水中ないしは陸上であっても、移送する際の豆腐の歪みや変形や欠けを最
小限に防止できる。次に細帯状豆腐生地になるよう行方向に切断し(第2の切断工程)、パック詰め等に必要な所定の大きさの豆腐生地になるように列方向に切断する(第3の切断工程)際も、機械的動作時間にゆとりができることにより、結果的に豆腐の歪みや変形や欠けを防止した状態でライン全体の能力を向上させて、1個単位の大きさに正確に効率的に切断することができる。またロスを軽減し、生産ラインの歩留りを向上させ、製品原価を下げる経済的な効果も期待できる。
(7)本発明としては、上記(1)、(4)、(5)の豆腐生地の切断方法であって、前記位置決め手段の前記位置決め部材が前記切断工程の前記切断刃と直交する方向(列方向)に配設し、該位置決め部材が前記太帯状豆腐生地の左端及び右端に接して行方向の位置決めをすることを特徴とする。
本発明によれば、前記第2の位置決め手段の第2の位置決め部材を前記第2の切断刃と直交する方向(列方向の沿うように)に配設し、該位置決め部材が前記太帯状豆腐生地の左端及び右端に接して行方向の位置決めをする。即ち、前記第2の切断工程の切断刃が太帯状豆腐生地の搬送方向に対して直角な方向(行方向)に沿って切断する行方向の切断刃であり、前記位置決め手段の前記位置決め部材は列方向に沿って配設されて、該太帯状豆腐生地の搬送方向の下流に向って左側及び右側において位置決めをすることによって、該太帯状豆腐生地の歪み、特に両端のダレを矯正し、生地耳として廃棄する豆腐生地のロスを軽減することができる。(6)の方法と併用して、上流端及び下流端及び左端及び右端の四方から位置決めすることによって、該太帯状豆腐生地を四方から挟持するように定位置に合わせることになり、列方向の切断精度を極めて高めることができ、好ましい形態である。即ち、前記第1の切断工程や、特に第2の切断工程の第2の切断刃が太帯状豆腐生地の搬送方向と直交する方向(行方向)に沿って切断する行方向の切断刃であっても、前記第2の位置決め手段の第2の位置決め部材(例えば列方向に沿って設けられる位置決め板)として太帯状豆腐生地の搬送方向と直角な方向(行方向)から左端及び右端の位置決めをすることを特徴とする。また第3の切断工程においては、第3の切断刃と平行に設けれた第3の位置決め部材が細帯状豆腐生地の搬送方向と直角な方向(行方向)から左端及び右端の位置決めをすることを特徴とする。
本発明によれば、上記(6)のように前記位置決め手段が前記上流側位置決め手段と下流側位置決め手段とともに、豆腐生地の搬送方向の左端及び/又は右端を位置決め手段とを併用した形態において、四方から複数行・複数列分の太帯状豆腐生地を挟み込んだ状態にして、第2の切断刃により切断することにより、複数行・複数列分の豆腐生地の形を壊さないようにして(揺れを防止して)、歪みやすい柔らかな豆腐生地であっても非常に正確に切断することができる。同様に四方からの位置決めは、複数行の細帯状豆腐生地を列方向に沿って切断する第3の切断工程においても同じように好ましい形態である。特に第3の切断工程においては、豆腐の硬さによってダレ具合が変化して豆腐生地の耳の長さが変動しても、それを一定に抑え込む効果があり、結果的にシート状豆腐生地の両端付近の豆腐の重量不足を抑え、生地耳を発生さないか、又は極力少なくできるので、その分ロスも無くすか、最
小限に抑制して、廃棄物を減らして歩留りを向上させることになる。第1の切断工程においても、下流側と合わせて両端からの三方からの位置決めを行うことでも同様な効果があり、好ましい。
ここで、2方からの位置決めする形態では、前記第1ないし前記第2ないし前記第3のいずれの切断工程においても、前記位置決め手段の位置決め部材は各々対応する前記第1ないし前記第2ないし前記第3のいずれの切断刃と平行である方が効果的である。例えば行方向で太帯状豆腐生地の上流端と下流端の両端で位置決めする位置決め部材は前記第2の切断工程の行方向の切断刃と平行であることが好ましく、また列方向で細帯状豆腐生地の右端と左端で位置決めする位置決め部材は前記第3の切断工程の列方向の切断刃と平行であることが好ましい。
【0012】
(8)本発明としては、上記(1)〜(7)の豆腐生地の切断方法であって、前記第1ないし第3の切断工程の前記切断刃が、前記位置決め手段の前記位置決め部材を兼用することを特徴とする。本発明によれば、前記位置決め手段を一部省くことができ、装置コストやメンテナンス管理負担を軽減できる。例えば太帯状豆腐生地の第2の切断刃が、前記第2の位置決め手段の前記第2の位置決め部材(例えば、行方向に沿って設けられた位置決め板)を兼用することを特徴とする。前記第2の切断工程の第2の切断刃が前記位置決め手段として動作し太帯状豆腐生地の下流端に接して位置決めした後、前記第2の切断工程の第2の切断刃が一旦上昇して第2の切断位置に移動して行方向に切断することを特徴とする。
本発明によれば、前記第2の切断刃と太帯状豆腐生地を停止させる第2の位置決め手段とを別途備える必要がなく、機械的にシンプルになりメンテナンスが少しでも軽減でき、洗浄箇所が少なくなり、衛生的にも作業的も管理しやすくなる。また、第2の位置決め手段を兼用する前記切断刃により、豆腐生地を停止させた状態から離れた後に切断すると、第2の位置決め手段による太帯状豆腐生地の強制的な歪みを加えないように変形を平均して全体を均等に切断することができる。
ここで、前記位置決め部材ないしそれを兼ねた切断刃の場合、切断時は位置決め部材が豆腐生地から離れる形態であるが、位置決め手段を兼用する第2の切断刃が、一旦位置決めして位置決め部材が太帯状豆腐生地から離れて、歪みなどを修正して、切断時に別の位置決め手段によって太帯状豆腐生地に接して位置決めしながら切断する形態であってもよく、また前記位置決め部材ないしそれを兼ねた切断刃が何回か豆腐生地に接したり離れたりの繰り返し動作を行って歪みを平均的に修正して切断する形態であってもよい。前記位置決め部材ないしそれを兼ねた切断刃の場合、切断時は位置決め部材が豆腐生地から離れる形態であるが、ていても、接していてもよい。
本発明における、前記第2の位置決め手段の第2の位置決め部材、又は、前記第2の位置決め手段兼用の第2の切断刃は、太帯状豆腐生地の搬送コンベアによる移動と連動して単に上下方向に動作する形態や、水平方向で動作して豆腐生地を少し歪めるように、より積極的に位置決めする形態であってもよい。いずれにしても位置決めがない場合と比較して、豆腐生地を損傷させる割合を低くすることができる。
【0013】
(9)本発明としては、上記(1)〜(8)の豆腐生地の切断方法であって、前記第1ないし第3の切断工程の前記切断刃が
、前記位置決め手段の前記位置決め部材とともに下降動作して同時に、又は、遅れて前記切断前の前記太帯状豆腐生地に接するように連動動作して、前記太帯状豆腐生地を位置決めして切断することを特徴とする。本発明によれば、各位置決め部材や各切断刃の連動、併行動作、同期、同調させるよう制御することができ、切断工程の処理能力を最大限に高めることができる。すなわち本発明としては、上記(1)ないしは(8)の豆腐生地の切断方法であって、前記第2の切断工程の前記第2の切断刃が、前記第2の位置決め手段の前記第2の位置決め部材が前記太帯状豆腐生地に接すると同時に連動動作するか、又は、遅れて該太帯状豆腐生地に接するよう連動動作して、位置決めされた該太帯状豆腐生地を前記細帯状豆腐生地に切断することを特徴とする。また前記第3の切断工程の前記第3の切断刃が、前記第3の位置決め手段の前記第3の位置決め部材が前記細帯状豆腐生地に接すると同時に連動動作するか、又は、遅れて該細帯状豆腐生地に接するよう連動動作して、位置決めされた該細帯状豆腐生地を前記豆腐生地最小単位のサイズに切断することを特徴とする。なお、本発明では、前記切断刃や前記位置決め部材の昇降動作や水平動作、回動動作などは特に精密な制御が設定できるよう、エアシリンダ、油圧シリンダでもよいが、電動シリンダ、ロボシリンダ(IAI)などの、数値設定できるリニアアクチュエータが好ましい。あるいは位置決め部材が回動する形態であっては、チェーンとスプロケットやベルトとプーリー等を介して昇降動作や水平動作させる形態であってもよく、インバータ設定や近接スイッチや接触・非接触センサーの組み合わせでの制御でも良いが、ロータリーエンコーダやサーボモータ、ステッピングモータ、ロボットなど正確に数値設定できる方が好ましい。前記回動する形態で、チェーンとスプロケットやベルトとプーリー等を介して昇降動作や水平動作させる形態であってもよい。それらによって再現よく正確な機械動作を実現しやすく、切断処理能力を限界まで向上させることができる。すなわち本発明によれば、連続的に成型されるシート状豆腐生地から得られた太帯状豆腐生地を、1個分の行幅を有する細長い細帯状豆腐生地に第2の切断工程で切断刃と連動して積極的に位置決めして切断するので、機械的動作を可及的に速くでき、機械的動作時間に余裕を作ることができ、更に陸上においても高い切断精度で効率的な切断工程を構成できるので大量生産が可能になる。結果的に型崩れや味抜けが防止でき、柔らかい豆腐生地であっても、豆腐生地の歪みを防止して、精度よく綺麗に切断することができる。
【0014】
(10)本発明としては、豆腐生地の切断装置であって、豆腐生地搬送装置の進行方向を列方向、その進行方向と直角に交わる方向を行方向として、連続的に搬送されて成型されるシート状豆腐生地から第1の切断ユニットの第1の切断刃によって行方向に沿って切り出された、豆腐生地最小単位の少なくとも2個相当分に相当する辺の長さを列方向の短辺に有し豆腐生地最小単位の少なくとも2個相当分の辺に相当する長さを行方向の長辺に有する略直方体である太帯状豆腐生地を搬送する豆腐生地搬送装置と、該豆腐生地搬送装置上の該太帯状豆腐生地から豆腐生地最小単位1個分の辺に相当する長さを列方向の短辺に有し豆腐生地最小単位の少なくとも2個分に相当する長さを行方向の長辺に有する略直方体である少なくとも2行の細帯状豆腐生地に行方向に沿って切断する第2の切断刃を備えた第2の切断ユニットと、該第2の切断ユニットと連動して、前記太帯状豆腐生地を予め位置決めする第2の位置決め部材を有する第2の位置決めユニットを備えることを特徴とする。
本発明によれば、前記シート状豆腐生地から第1の切断ユニットによって少なくとも2行分の太帯状豆腐生地を切り出して、豆腐生地搬送装置によって該太帯状豆腐生地を下流側に搬送して、第2の位置決め手段によって位置決めした後、第2の切断ユニットによって該豆腐生地搬送装置上の該太帯状豆腐生地を1行分の細帯状豆腐生地に切断し、少なくとも2行以上の細帯状豆腐生地に切断することができる。従来のように前記シート状豆腐生地から第1の切断ユニットによって1行毎、細帯状豆腐生地を切り出す方法に比べて、切断工程は2段階を要するが、同じ切断処理能力においては第1の切断ユニットおよび第2の切断ユニットの動作の1サイクル所要時間が2倍以上になり、各切断ユニットの機械寿命を延ばすことができる。また同じ1サイクルの所要時間においては搬送装置(搬送コンベア)の増速が可能であれば、切断処理能力は2倍以上に高めることが可能になる。
本発明では、前記切断刃や前記位置決め部材の昇降動作や水平動作、回動動作などは特に精密な制御が設定できるよう、エアシリンダ、油圧シリンダ、水圧シリンダでもよいが、電動シリンダ、ロボシリンダ(IAI製)などの、数値設定できるリニアアクチュエータが好ましい。あるいは位置決め部材が回動する形態であっては、チェーンやスプロケットやベルトやプーリー等を介して昇降動作や水平動作させる形態であっても良い。インバータ設定や近接スイッチや接触・非接触センサーの組み合わせでの制御でも良いが、ロータリーエンコーダやサーボモータ、ステッピングモータ、ロボットなど正確に数値設定できる方が好ましい。それによって再現よく正確な機械動作を実現しやすく、切断処理能力を限界まで向上させることができる。
なお、前記シート状豆腐生地が、ロールカッターや櫛歯形(ナイフ形)切り刃等によって、1丁分(1個分)の行方向の辺に相当する列幅で搬送方向(列方向)に切断された前記シート状豆腐生地すなわち、シート状豆腐生地の下流側で列方向に予め切り目が入った豆腐生地である場合も含まれる。また豆腐生地の高さ(深さ)の方向で、少なくとも2段に予め切断する水平切断手段を備えていてもよい。
ここでは、帯状豆腐生地に対して位置決めする方向は、列方向や行方向であって、その両側ないしは片側一方からの位置決めであってもよい。
(11)本発明としては、上記(10)の豆腐生地の切断装置であって、豆腐生地最小単位の少なくとも1個分の辺に相当する長さを列方向の短辺に有し豆腐生地最小単位の少なくとも2個分の辺に相当する長さを行方向の長辺に有する略直方体であって豆腐生地最小単位の複数分が1行状に配列した前記細帯状豆腐生地の少なくとも2行を一斉に同時ないしほぼ同時に列方向に沿って切断して行列状に配列した複数の豆腐生地最小単位にする第3の切断刃を多数備えた第3の切断刃ユニットと、該第3の切断刃ユニットと連動して前記細帯状豆腐生地を予め位置決めする第3の位置決め部材を有する第3の位置決めユニットを備えることを特徴とする。
本発明によれば、複数行の前記細帯状豆腐生地をひとまとめにして一斉に切断することによって、切断処理能力を大幅に向上させることができる。ここで第3の切断刃は、中華包丁型切断刃のような刃渡りの長い押し切りの刃が好ましいが、引き切りするナイフ型切断刃(包丁型、刃渡りは少なくとも豆腐生地の高さより長い。)や円形切断刃(ロールカッターともいう。好ましくは搬送装置(コンベア)と同調し回転しながらか、搬送装置(コンベア)上を列方向に水平・上下に走査させて、刃の重みで押し切るようにして、また小径よりも大径の円形刃が好ましい。)などの形状を有し、それら切断刃が列方向に沿って切断するように、行方向に多数、等間隔に配設された形態である。両端の生地耳を取り除く場合は、その行方向の豆腐生地最小単位数(N)に1つ加えた数(N+1)枚の切断刃を備える。両端の生地耳を除かない場合はその行方向の豆腐生地最小単位数(N)から1つ差し引いた数(N−1)枚の切断刃を備える。前記中華包丁型切断刃の場合は複数行の細帯状豆腐生地に接するような刃長を有し、昇降機構を備えた第3の切断ユニットによって上昇・下降する動作を行い複数行の細帯状豆腐生地を一斉に同時に切断する。その後、搬送ベルトを傷つけぬよう少し上昇した後に行方向に移動して、1個分の豆腐生地の間隔を等間隔に広げる動作を行うことが好ましい。前記ナイフ型切断刃の切断ユニットの場合、回転軸に多数のナイフ形切断刃を備えて列方向に回動ないし水平・上下動作することによって、停止中の搬送装置(コンベア)上にある複数行の細帯状豆腐生地を下流側から上流側へ(ないしはその逆)順に一気に1回の引き動作によって切断する。または回転軸に多数のナイフ形切断刃を備えて列方向に回動し、搬送装置(コンベア)によって複数行の細帯状豆腐生地を一回の動作で順次に(ほぼ同時に)切断する形態であってもよい。また前記ナイフ型切断刃の切断ユニットの場合、昇降機構によって上下して、水平動作機構によって引き切りするか、搬送装置(コンベア)で進行する複数行の細帯状豆腐生地を一気に切断する形態であってもよい。円形切断刃の切断ユニットの場合、軸が基台に固定されて回転刃は遊動回転して搬送装置(コンベア)によって進行する豆腐生地を切断する形態でもよいが、昇降動作機構や水平動作機構を備えて、停止中ないし駆動中の搬送装置(コンベア)上にある複数行の細帯状豆腐生地に対して、下降して列方向に水平移動して円形切断刃を転がすように下流側から上流側へ(ないしはその逆)一気に1回の動作で引き切るように切断してもよい。なおナイフ形切断刃や円形切断刃の場合、切断後横開き動作はなく、切断された1個分の豆腐生地の行方向の間隔を開く工程は、後工程で、2つの間隔調整コンベアに移載してその速度差で間隔を開く機構や、駆動する搬送コンベア上で各1個分の豆腐生地を進行させながら行方向に1個おきにストッパを効かせて交互に列方向にずらして、1個分に相当する距離を行方向に開く千鳥式分配機構や、行方向に横開きする板上に移載して行方向の間隔を等間隔に開く機構であってもよい。
(12)本発明としては、上記(11)の豆腐生地の切断装置において、前記第3の切断刃ユニットと連動して前記細帯状豆腐生地を予め位置決めする第3の位置決め部材を有する第3の位置決めユニットを備えることを特徴とする。
本発明によれば、第3の切断工程において、予め第3の位置決め手段により位置決めして正確な切断を行うことができる。その位置決めは第3の切断工程で切断直前に行うか、ないしは第2の切断工程の直後、細帯状豆腐生地の行間の間引きに用いた第2の切断刃によって押し送る動作と兼ねてもよく、第2の切断工程における第2の位置決め手段によって予め位置決めされて第3の切断工程の位置で細帯状豆腐生地から離れた後に第3の切断刃で切断される形態であってもよい。ここで、搬送コンベアで位置が変わらないように第3の切断工程に搬送される形態が好ましい。
(13)本発明としては、上記(10)〜(12)のいずれかの豆腐生地の切断装置であって、前記第2の位置決め部材が前記第2の切断刃と平行(行方向)に配設し、前記第2の位置決め部材が前記太帯状豆腐生地の上流端及び/又は下流端に接して列方向に挟むように位置決めをする位置決め部材であることを特徴とする。
即ち、本発明では太帯状豆腐生地を細帯状豆腐生地に切断する第2の切断刃と平行な第2の位置決め部材が太帯状豆腐生地の上流側の端面及び/又は下流側の端面に接して、列方向の位置決めを行う形態であって、特に温かく柔らかい帯状豆腐生地の長手方向が歪みやすいことからそれを修正するために好ましい形態である。
(14)本発明としては、上記(11)又は(12)のいずれかの豆腐生地の切断装置であって、前記第3の位置決め部材が前記第3の切断刃と直交する方向(行方向)に配設し、前記第3の位置決め部材が前記細帯状豆腐生地の上流端及び/又は下流端に接して列方向に挟むように位置決めをする位置決め部材であることを特徴とする。
即ち、本発明では細帯状豆腐生地を最小単位の1個分の豆腐生地に切断する第3の切断刃と直交する方向(列方向)に第3の位置決め部材が細帯状豆腐生地の上流側の端面及び/又は下流側の端面に接して、列方向の位置決めを行う形態であって、特に温かく柔らかい細帯状豆腐生地の長手方向が歪みやすいことからそれを修正するために好ましい形態である。また第3の切断工程において後述の(16)の発明との併用によって四方から位置決めをしてより一層正確に第3の切断工程の切断を行うことができるので好ましい形態である。なお、各切断工程の前工程から各豆腐生地を押し送る際に用いる押し送り板を上流側の位置決め部材として代用する形態であってもよい。
(15)本発明としては、上記(10)又は(13)のいずれかの豆腐生地の切断装置であって、前記第2の位置決め部材が前記第2の切断刃と直交する方向(列方向)に配設し、前記第2の位置決め部材が太帯状豆腐生地の左端及び右端に接して行方向に挟むように位置決めをすることを特徴とする。即ち、本発明では太帯状豆腐生地を細帯状豆腐生地に切断する第2の切断刃と直角に交わる方向の第2の位置決め部材が太帯状豆腐生地の下流に向かって右側の端面及び/又は左側の端面に接して行方向の第2の位置決めを行い、次の第3の切断工程において生地耳量を一定にするか、または生地耳を出さずにロスを最
小限に抑えるべく、第3の位置決めの前に予め補助的な位置決めを行っておくこと(段階的な位置決め)が好ましい。また第2の切断工程において前述の(13)の発明との併用によって四方から位置決めをすることより一層正確に第2の切断工程を行うことができるので好ましい形態である。
(16)本発明としては、上記(12)又は(14)のいずれかの豆腐生地の切断装置であって、前記第3の位置決め部材が前記第3の切断刃と平行(列方向)に配設し、前記第3の位置決め部材が前記細帯状豆腐生地の左端及び右端に接して行方向に挟むように位置決めをすることを特徴とする。即ち、本発明では細帯状豆腐生地を最小単位1個分の豆腐生地に切断する第3の切断刃と平行な第3の位置決め部材が細帯状豆腐生地の下流に向かって右側の端面及び/又は左側の端面に接して行方向の第2の位置決めを行い、次の第3の切断工程において生地耳量を一定にするか、または生地耳を出さずにロスを最
小限に抑えるべく、第3の位置決めの前に予め補助的な位置決めを行っておくこと(段階的な位置決め)が好ましい。また第2の切断工程において前述の(14)の発明との併用によって四方から位置決めをすることより一層正確に第2の切断工程を行うことができるので好ましい形態である。
また細帯状豆腐生地を1個分の豆腐生地に切断する第3の切断刃と平行な第3の位置決め部材が細帯状豆腐生地の下流に向かって右側の端面及び/又は左側の端面に接して、行方向の位置決めを行うことによって、生地耳量を一定にするか、または生地耳を出さずにロスを最少限に抑えることができて好ましい形態である。なお、温かく柔らかい豆腐生地は特に陸上では特に自重によるダレの現象があり(半水中でもある程度起こりうる)、行方向に細長い帯状豆腐生地においては中央付近に比べて行方向の両端付近の豆腐生地が外側に広がり、生地耳が増えるとともに、厚みが薄くなる傾向にある。本発明ではそのようなダレ現象が製造条件(大豆、豆乳、凝固条件等)によって変化しても一定でかつ均一な寸法を維持できる効果がある。
本発明によれば、例えば、シート状豆腐生地から1個分のサイズまでに切断する各切断工程、すなわち行方向に切断する第2の切断工程や列方向に切断する第3の切断工程の直前までに少なくとも前記太帯状豆腐生地ないし前記細帯状豆腐生地の行方向の定位置状態を行方向で整えるようにすることによって、その定位置状態をその都度に維持、修正して次工程へ送るようになるため、大幅に切断精度が低くなることを避けることができる。また温かく柔らかい豆腐生地を比較的ゆとりを持って移送しても処理能力が向上する。また次の搬送や切断する場所が水中ないしは半水中ないしは陸上であっても、移送する際の豆腐の歪みや変形や欠けを最
小限に防止できる。次に細帯状豆腐生地になるよう行方向に切断し(第2の切断工程)、パック詰め等に必要な所定の大きさの豆腐生地になるように列方向に切断する(第3の切断工程)際も、機械的動作時間にゆとりができることにより、結果的に豆腐の歪みや変形や欠けを防止した状態で切断処理能力を向上させて、1個単位の大きさに正確に効率的に切断することができる。またロスを軽減し、生産ラインの歩留りを向上させ、製品原価を下げる経済的な効果も期待できる。また1動作で多数分の豆腐生地を切断するので、生産量あたりの動作回数を減らせるため機械的な寿命を延長し、メンテナンスの管理負担を軽減する効果も期待できる。また本発明によれば、生地耳としてのロスを最
小限ないしはゼロにする効果も期待できる。
(17)本発明としては、上記(10)〜(16)の豆腐生地の切断装置であって、水中ないしは半水中ないしは陸上にある前記複数分の太帯状豆腐生地を、陸上にある前記第2の切断工程に送り出す送り出し機構を備え、この送り出し機構が前記第2の切断工程における前記太帯状豆腐生地の上流端を位置決めする第2の位置決め手段を兼用することを特徴とする。すなわち前記第1の切断工程によって切り出された太帯状豆腐生地を次の第2の切断工程に送り出す工程で、その送り出し機構が太帯状豆腐生地の上流端面に接して位置決めする第2の位置決めを代用する形態である。本発明では、シート状豆腐生地が水中にあるか、又は、前記第1の切断工程において太帯状豆腐生地が水中にあり、かつ、第2の切断工程以降において陸上に引き上げられた豆腐生地であることが好ましく、その際に上下180度反転させる反転工程を介して、その反転枠から太帯状豆腐生地を送り出す送り出し機構であってもよい。本発明では段階的な切断工程において、前工程の送り出し機構を次工程の位置決めにも兼用するので、機械的機構(部品点数)を減らし、装置コストを低く抑え、洗浄部品も減らし作業性を向上させ、メンテナンスの管理負担を軽減させる効果が期待できる。
(18)本発明としては、上記(12)又は(14)又は(16)の豆腐生地の切断装置であって、水中ないしは半水中ないしは陸上にある前記複数分の細帯状豆腐生地を、陸上にある前記第3の切断工程に送り出す送り出し機構を備え、この送り出し機構が前記第3の切断工程における前記細帯状豆腐生地の上流端を位置決めする第3の位置決め手段を兼用することを特徴とする。すなわち前記第2の切断工程によって切り出された細帯状豆腐生地を次の第3の切断工程に送り出す工程で、その送り出し機構が細帯状豆腐生地の上流端面に接して位置決めする第3の位置決めを代用する形態である。本発明では、細帯状豆腐生地が水中にあるか、又は、前記第3の切断工程以降において陸上に引き上げられた細帯状豆腐生地であることが好ましく、その際に上下180度反転させる反転工程を介して、その反転枠から細帯状豆腐生地を送り出す送り出し機構であってもよい。本発明では段階的な切断工程において、前工程の送り出し機構を次工程の位置決めにも兼用するので、機械的機構(部品点数)を減らし、装置コストを低く抑え、洗浄部品も減らし作業性を向上させ、メンテナンスの管理負担を軽減させる効果が期待できる。
以上、本発明(10)〜(18)によれば、例えば、シート状豆腐生地から1個分のサイズまでに切断する各切断工程、すなわち行方向に切断する第2の切断工程や列方向に切断する第3の切断工程の直前までに少なくとも前記太帯状豆腐生地ないし前記細帯状豆腐生地の列方向及び/又は行方向の定位置状態を整えるようにすることによって、その定位置状態をその都度に維持、修正して次工程へ送るようになるため、大幅に切断精度が低くなることを避けることができる。また温かく柔らかい豆腐生地を大きな塊として比較的素早く移送しても、また次の搬送や切断する場所が水中ないしは半水中ないしは陸上であっても、移送する際の豆腐の歪みや変形や欠けを最
小限に防止できる。次に細帯状豆腐生地になるよう行方向に切断し(第2の切断工程)、パック詰め等に必要な所定の大きさの豆腐生地になるように列方向に切断する(第3の切断工程)際も、機械的動作時間にゆとりができることにより、結果的に豆腐の歪みや変形や欠けを防止した状態で切断処理能力を向上させて、1個単位の大きさに正確に効率的に切断することができる。また生地耳ロスを削減し、生産ラインの歩留りを向上させ、製品原価を下げる経済的な効果も期待できる。また1動作で多数分の豆腐生地を切断するので、生産量あたりの動作回数を減らせるため機械的な寿命を延長し、メンテナンスの管理負担を軽減する効果も期待できる。
また、本発明(1)〜(18)によれば、第2の切断工程や第3の切断工程で、陸上においても、豆腐生地の歪みを防止して綺麗に切断することができるが、水中(半水中を含む)の場合には、さらに安定した位置決め作用が生まれて、複数行の細帯状豆腐生地の歪みを防止して綺麗に切断することができる。また前記第1の切断工程又は第2の切断工程又は第3の切断工程において、豆腐生地が陸上にあっても、豆腐生地の歪みを防止して綺麗に切断することができる上、よりゆとりをもってもより高い処理能力を実現できる。
【0015】
本発明では第1切断で少なくとも2行以上の太帯状豆腐生地をまとめて1回の動作で切り出して、前記同様に列方向ないし行方向で位置決めした後、第2切断で列方向に1個分の製品の幅で1列ごとに1回の動作で切断して列間を広げて(前記第3の切断ユニットを第2の切断工程に用いる)、前記同様に列方向ないし行方向で位置決め後、第3切断で行方向に1個分の製品の幅で1行ごとに切断して行間を広げる(前記第2の切断ユニットを第3の切断工程に用いる)形態であってもよく、前記同様に豆腐の変形や欠けを防止した状態でライン全体の能力を向上させて、正確に速く効率的に切断することができるとともに、生産ラインの歩留りを向上させ、製品原価を下げる経済的な効果も期待できる。なお、前記シート状豆腐生地Tは前記ロールカッターや前記ナイフ形切断刃等によって予め先に所定の列幅で列方向に予め切断されていてもよく、前記同様に前記第1切断で列方向に最小単位の製品1個分の列幅の細長い細帯状豆腐生地に切断して、前記同様に前記第2の切断工程で最小単位の製品1個分の行幅に切断して、豆腐生地1個分にすることもでき、その場合前記第3切断は省略可能である。
【0016】
本発明としては、前記第2の切断工程の切断刃が格子状に切断する格子状の切断刃であり、複数行分又は複数列分の豆腐生地をパック詰めする1丁分(1個分)の大きさに一度に切断する形態であってもよい。ここで、格子状の切断刃は、行方向と列方向が交差する、マトリクス状のものや、行方向切断用刃と列方向切断刃が各々別駆動で備えるものも含むものとする。これによれば、行方向又は列方向に切断した豆腐生地を効率的に行方向又は列方向に切断することができる。