(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0005】
[41]以下の詳細な説明では、本発明が実施された詳細な実施形態における図面に参照符号が付される。これらの実施形態は、当業者が発明を実施することができるように充分に詳細に説明されるが、本発明の範囲から離れずに論理的、機械的、電気的な変更を行って他の実施形態を実現することができることを理解すべきである。したがって、以下の詳細な説明は発明の範囲を制限するものではない。
【0006】
[42]上記の課題を解決するために、第1周波数帯域における同軸開口のサイズを大きくすることなく同軸開口のインピーダンスマッチング(インピーダンス整合)を行うための特別な技術が求められる。加えて、デュアルバンド同軸フィード及びレンズアンテナのゲインパターンが正確に第2周波数帯域に形成される方法への要望が存在する。
【0007】
[43]本願は、デュアルバンド同軸アンテナフィードの円形導波管の出力からのパワー放射とともに同軸放射要素のための第1周波数帯域と第2周波数帯域とのインピーダンスマッチングを提供する。本願は、第2周波数帯域におけるアンテナパターンが最適なパターン形状及び軸率(軸比)になることを可能にする。ここに記載されたデュアルバンド同軸アンテナフィードは、マルチフィードが共通レンズの周囲に適合するようにコンパクトなフォームファクタ(波形率)を備える。ここに記載されるコンパクトなデュアルバンド同軸アンテナフィードは、デュアルバンド同軸アンテナフィードの同軸開口における第1周波数帯域のインピーダンスマッチングを提供するとともに、第2周波数帯域の放射のアンテナパターンを最適化することによって、従来のデュアルバンド同軸アンテナフィードの問題を克服する。
【0008】
[44]
図1は、デュアルバンド同軸アンテナフィード10の3次元断面図である。
図2Aは、
図1のデュアルバンド同軸アンテナフィード10の側断面図である。デュアルバンド同軸アンテナフィード10は、内面116を有する外側導電管115と、外面127を有する内側導電管125と、を備える。内側導電管125は、外側導電管115の内部に位置する。内側導電管125及び外側導電管115は、外側導電管115及び内側導電管125の(Z方向の)長さに沿って延びる共通軸400(
図2A)に対して同軸に整合している。共通軸400は、
図1及び
図2Aに示されたZout軸と平行している。外側導電管115は、筒形状を有している。内側導電管125の内面126は、滑らかな筒形状である。
【0009】
[45]同軸導波管110は、外側導電管115の内面116と内側導電管125の外面127との間のスペースに形成され、第1周波数帯域をサポートする。円形導波管120は、内側導電管125の内面126の内部に形成され、第2周波数帯域をサポートする。
【0010】
[46]デュアルバンド同軸アンテナフィード10は、同軸導波管110内の少なくとも1つの変換器と、同軸導波管110内のフィルタ150と、同軸導波管110内のプラグ170と、を備える。
図1及び
図2Aに示すように、少なくとも1つの変換器は、第1変換器161と、第2変換器162と、を備える。フィルタ150は、第1変換器161及び第2変換器162からオフセットしている。プラグ170は、第1変換器161、第2変換器162、及び、フィルタ150からオフセットしている。プラグ170は、同軸アンテナフィード10の全体的に180で示されている開口端に、又は開口端の近傍(例えば、数ミリメートル以内)に、位置している。出力端180は、“開口端180”としても参照される。デュアルバンド同軸アンテナフィード10の出力端180は、出力面(Xout,Yout)にわたる。出力面(Xout,Yout)は、“開口面(Xout,Yout)”としても参照される。
【0011】
[47]第1変換器161、第2変換器162、及び、フィルタ150は、第1周波数帯域におけるデュアルバンド同軸アンテナフィード10のインピーダンスマッチングを提供するために、形成される。当業者に理解されるように、デュアルバンド同軸アンテナフィードのリターンロス(反射減衰量)が減少するにしたがって、デュアルバンド同軸アンテナフィードのインピーダンスは、入力伝送路191の特性インピーダンスに良くマッチングする。
【0012】
[48]プラグ170は、内側導電管125の外面127と外側導電管115の内面116との間のスペースの、デュアルバンド同軸アンテナフィード10の面(Xout,Yout)における同軸開口に形成される(満たされる)。プラグ170は、開口面(Xout,Yout)からZ方向にプラグ長Lpを有する。
図1及び
図2Aの実施形態では、プラグ長Lpは、第1周波数帯域において約90度の電気角である。約90度の電気角のプラグ長Lpは、(f1+f2/2)に等しい中間周波数において管波長の4分の1(λg/4)と同等である。90度の電気角に対する参照は、中間周波数を参照する。同様に、40度の電気角に対する参照は、中間周波数を参照する。プラグ170は、誘電材料(絶縁材料)で形成される。
【0013】
[49]
図1及び
図2Aに示すように、内側導電管125の外面127は、全体的に150で示された、うねの立った突出部を備える。うねの立った突出部は、フィルタの所望のフィルタリング機能及びインピーダンスマッチング機能を得るために、突出部の領域において同軸導波管110の伝達特性を変化させる。うねの立った突出部の領域は、ここでは“フィルタ150”、“同軸フィルタ150”、又は、“フィルタ/マッチング要素150”として参照される。フィルタ150は、第1周波数帯域におけるデュアルバンド同軸アンテナフィード10のインピーダンスマッチングを向上するために使用される。本実施形態の1つの態様では、フィルタ150は、内側導電管125を形成する導電材料で形成される。本実施形態の他の態様では、フィルタは、内側導電管125の同軸導波管110内に配置されたリングを備える。このようなリングは、導電材料で形成される。他の態様では、リングは、内側導電管125と同じ金属で形成される。
【0014】
[50]
図1及び
図2Aに示すように、内側導電管125は、材料161及び突出部162のリングを備える。突出部162は、内側導電管125を取り囲み、内側導電管125を形成する導電材料で形成される。材料161のリングは、第1変換器の所望の特性インピーダンスを得るために、材料161のリングの領域において同軸導波管110の特性インピーダンスを変化させる。材料161のリングの領域は、ここでは、“材料161のリング”、“誘電(絶縁)リング161”、“第1変換ステージ161”、“第1変換器161”、及び、“変換器161”として参照される。
【0015】
[51]同様に、内側導電管125の外面127の突出部162は、第2変換器の所望の特性インピーダンスを得るために、突出部162の領域において同軸導波管110の特性インピーダンスを変化させる。突出部162の領域は、ここでは、“第2変換ステージ162”及び“第2変換器162”として参照される。
図2Aに示すように、第2変換器162と外側導電管115の内面116との間には空隙128がある。“隙間”及び“空隙”という用語は、互換的に使用することができる。
【0016】
[52]本実施形態の一例では、第1変換器161は、誘電リング161を備える。
図2Aに示すように、誘電リング161は、外側導電管115の内面116に当接する。本実施形態の他の例では、外側導電管115の内面116と誘電リング161との間にわずかな隙間(1又は2ミリ程度)が存在する。
【0017】
[53]
図2Bは、デュアルバンド同軸フィード9の側面断面図である。デュアルバンド同軸フィード9は、第1変換器159と外側導電管115の内面116との間に空隙129がある点で、
図1及び
図2Aのデュアルバンド同軸フィード10とは異なる。空隙129は、ここでは、“第1空隙129”及び“第1隙間129”として参照される。空隙128は、ここでは、“第2空隙128”及び“第2隙間128”として参照される。
【0018】
[54]本実施形態の一例では、第1変換器159は、同軸導波管110内に、内側導電管125の外面127上の第1突出部159として形成され、第2変換器162は、同軸導波管110内に、内側導電管125の外面127上の第2突出部162として形成される。このような実施形態においては、第1突出部159及び第2突出部162は、厚さが異なっており、これらは内側導電管125の外面127上にシームレスに形成される。この実施形態では、第1隙間129は、第1突出部159と外側導電管115の内面116との間に形成され、第2隙間128は、第2突出部162と外側導電管115の内面116との間に形成される。
【0019】
[55]この実施形態の他の例では、第1変換器159は、誘電材料159のリングである。この実施形態の他の例では、第1変換器159は、導電材料159のリングである。以下、本書面を読む当業者には理解されるように、デュアルバンド同軸フィード10の参照は、
図2Bのデュアルバンド同軸フィード9にも同様に適用される。
【0020】
[56]デュアルバンド同軸フィード10は、内側導電管125の外面127と外側導電管115の内面116との間に形成される同軸導波管110を備える。同軸導波管110は、第1周波数帯域における電磁場の伝搬をサポートするようになっている。デュアルバンド同軸アンテナフィード10は、内側導電管125の内部に形成された円形導波管120も備える。第1周波数帯域は、ここでは、“帯域1”又は“第1帯域”としても参照される。第2周波数帯域は、ここでは、“帯域2”又は“第2帯域”としても参照される。第2周波数帯域は、第1周波数帯域よりも高い周波数である。送信を行う場合には、電磁場は、全体的に181で表される入力端から出力面(Xout,Yout)における出力端180へ伝搬する。出力面(Xout,Yout)における出力端180は、入力端181の面からデュアルバンド同軸フィード10の長さLdbc(
図2A)だけオフセットしている。受信を行う場合には、電磁場は、デュアルバンド同軸フィード10の内部を反対に出力端180から入力端181の方向に伝搬する。
【0021】
[57]
図1及び
図2Aに示すように、内側導電管125は、第2周波数帯域の電磁波が内側導電管125の内部を伝搬するように、円形導波管120のカットオフ周波数よりも低く選択された誘電材料121によって満たされている。当業者に知られているように、誘電材料121を使用することによって円形導波管120の直径(例えば、内側導電管125の内径)が小さくなる。この実施形態の1つの例では、内側導電管125は、誘電材料121ではなく空気で満たされる。
【0022】
[58]この実施形態の他の例では、内側導電管125は、アルミニウムで形成される。この実施形態の他の例では、外側導電管115は、アルミニウムで形成される。この実施形態の他の例では、内側導電管125は、他の金属で形成される。この実施形態の他の例では、外側導電管115は、他の金属で形成される。
【0023】
[59]第1変換器161及び第2変換器162は、誘電リング及び/又は様々な直径の金属部分で構成される。第1変換器161及び第2変換器162の設計は、デュアルバンド同軸アンテナフィード10内の利用可能な空間に依存する。本実施形態のある態様では、第1変換器161は、誘電リングであり、第2変換器162は、内側導電管125の同軸導波管110(
図1及び
図2A)内の突起として形成される。同軸フィードの変換の所望の特性インピーダンスを得るためには様々な方法がある。
【0024】
[60]本実施形態のある態様では、第2変換器162が内側導電管125の突起となるように第2変換器162を形成するために、第2変換領域において内側導電管125の外径のステップアウトがある。特定の誘電定数を有する誘電リングは、ステップアウトに隣接して配置されて第1変換器161を形成し、内側導電管125と外側導電管115との間のスペース(
図2A)を満たす。
【0025】
[61]本実施形態の他の態様では、第2変換器162は、内側導電管125の突起となっている。第1変換器159は、同軸導波管の内側導電管125の外面127と外側導電管115との間を誘電リング159(
図2B)で部分的に満たすことによって形成される。この場合、誘電リング159と外側導電管115との間には空隙129が形成される。
【0026】
[62]理論的には、第1変換器161及び第2変換器162の物理的な構成は、上記の実施形態にしたがって独立に設計される。したがって、第1変換器161及び第2変換器162の実施形態の多くの組み合わせが考えられる。実際には、第1変換器161及び第2変換器162は、互いの部品の組み立てにおいて両立できる物理的な設計が必要である。例えば、誘電リングが第2変換器162として使用されたら、誘電リングは、第1変換器161を備える突起を通過しなくてはならない。ある実施形態では、第1変換器161及び第2変換器162は、同じ又は異なる内径、及び、同じ又は異なる外径、を有する誘電リングで形成される。後者の場合、第1変換器161及び第2変換器162は、1つの部品として形成される。さらに他の実施形態では、第1変換器161及び第2変換器162は、誘電リングで形成され、プラグ170としての同じ部品の一部として形成される。
【0027】
[63]フィルタ150、プラグ170、第1変換器161及び第2変換器162の形状、及び、プラグ170及び第1変換器161の比誘電率は、モデリングによって決定される。モデリング技術は、
図3A−
図3D及び
図5A−
図10Dを参照して説明される。
【0028】
[64]
図3Aは、ポイント1とポイント2との間の距離によって離されている入力ポート220及び出力ポート221を備える同軸フィルタ155のための回路モデルである。
図3Bは、
図3Aの同軸フィルタ155の物理モデルである。
図3Aの同軸フィルタ155の回路モデルは、物理的モデルフィルタ150を表している。
図3Bのフィルタ150は、
図3Aの回路モデルの入力ポート220に対応する入力ポート151、及び、
図3Aの回路モデルの出力ポート221に対応する出力ポート152、を備える。
【0029】
[65]
図3Cは、
図3Aの同軸フィルタ155の反射減衰量のプロット250である。プロット250は、第1周波数の周波数帯域(すなわち、周波数f1と周波数f2との間)に広がっている。
図3Cに示すように、第1周波数帯域のエッジ(すなわち、周波数f1及び周波数f2の近く)では、反射減衰量は、−25dB以下になっている。
図3Dは、
図3Aのフィルタ155の入力インピーダンスを示すスミスチャートである。スミスチャートの実軸は、スミスチャートを2分する水平線である。
図3D,5D,6D,7D,8D,9D,10Dに示されているスミスチャートの各プロットは、ここでは、“インピーダンス軌跡”として参照される。
図3Dのスミスチャートに示されたインピーダンス軌跡251は、インピーダンスが周波数f1(すなわち実軸の上側)において誘導性であり、インピーダンスが周波数f2(すなわち実軸の下側)において容量性であることを示している。インピーダンス軌跡251は、同軸フィルタ155の入力ポート220の入力インピーダンスが出力ポート221に整合終端されていることを示している。周波数f1とf2の中間付近において、インピーダンス軌跡は、スミスチャートの中心を通りほぼ完全にインピーダンスマッチングしていることを示す。したがって、同軸フィルタ155は、第1周波数帯域(例えば、f1からf2)における高い周波数(例えば周波数f2)で容量性であり、第1周波数帯域における低い周波数(例えば周波数f1)で誘導性である。インピーダンス軌跡251のスミスチャートのほぼ中心における比較的短い距離は、周波数f1から周波数f2の間でインピーダンスが比較的良くマッチングしていることを示している。
【0030】
[66]
図4は、広い周波数帯域における
図3Aの同軸フィルタ155の挿入損失のプロットである。周波数f1からf2の第1周波数帯域は、全体的に231で示されている。第2周波数帯域は、全体的に232で示されており、周波数f3より高い周波数帯域を備えている。
図4に示すように、フィルタ150は、第1周波数帯域(第1周波数帯域231)のエネルギを通過させ、周波数f3より大きい第2周波数帯域(第2周波数帯域232)のエネルギを−40dB以下にまで減衰させるローパスフィルタである。第2周波数帯域における−40dBの減衰は、
図3Aにおいて入力ポート220から出力ポート221まで(逆も同様)である。
【0031】
[67]
図5Aから
図10Dに関する以下の説明では、
図5A,6A,7A,8A,9A,及び10Aは、
図5B,6B,7B,8B,9B,及び10Bのデュアルバンド同軸アンテナフィードの同軸導波フィードの回路モデルを示している。同軸導波フィードは、当業者に知られているデュアルバンド同軸アンテナフィードの同軸コンポーネントである。同様に、
図5C,6C,7C,8C,9C,10Cは、
図5B,6B,7B,8B,9B,及び10Bのデュアルバンド同軸アンテナフィードの同軸導波フィードの同軸導波フィードの反射減衰率を示している。
図5D,6D,7D,8D,9D,及び10Dは、
図5B,6B,7B,8B,9B,及び10Bのデュアルバンド同軸アンテナフィードの同軸導波フィードスミスチャートを示している。しかしながら、説明を簡略化するために、
図5A,6A,7A,8A,9A,10A,5C,6C,7C,8C,9C,10C,5D,6D,7D,8D,9D,10Dを参照するときには、当業者に知られているように、“デュアルバンド同軸アンテナフィードの同軸導波フィード”の代わりに‘デュアルバンド同軸アンテナフィード“という用語が使用される。上述とは異なり、
図5A,6A,7A,8A,9A,10A,5C,6C,7C,8C,9C,10C,5D,6D,7D,8D,9D,10Dを参照するときには、結果はデュアルバンド同軸アンテナフィードの同軸導波フィードを参照し、デュアルバンド同軸アンテナフィードの円形導波フィード(”同軸“という用語に言及されていなくても)を参照しないことが意図されている。
【0032】
[68]
図5Aは、直列のプラグ175と変換器165を有するデュアルバンド同軸アンテナフィードのための第1周波数帯域回路モデルである。
図5Bは、直列のプラグ170と変換器161を有するデュアルバンド同軸フィードの物理モデルである。
図5Aの回路モデルの部品191,165,175は、
図5Bの物理同軸フィードモデルの部分に対応する変換ライン回路要素である。各変換ライン回路要素は、独自の特性インピーダンス、伝搬定数、及び物理長さによって表されている。回路モデルでは、伝搬定数と物理長さは、f1とf2の平均から通常選択される特定の周波数における等価の電気長によって置き換えられている。TE11モードは、同軸フィードにおける電磁波伝搬の所望モデルであり、全ての特性インピーダンスは、このモデルにしたがって計算される。プラグ175及び変換器165は、入力ポート20と同じ特性インピーダンスを有する入力変換ライン191とともに直列になっている。これらの変換ライン回路要素191,165,175は、出力面(Xout,Yout)において同軸開口の平行開口インピーダンス190(Zap)を導く。開口(出力)面における平行開口インピーダンス190(Zap)は、ここでは、“シャント同軸開口インピーダンス190”としても参照される。
図5Aに示すように、フィードの入力インピーダンス(Zin)は、入力変換ライン191を終端するインピーダンス、つまり、変換器165、プラグ170、及びシャント同軸開口インピーダンス190の等価回路を観察したインピーダンスとして定義される。
【0033】
[69]
図5Aのプラグ175の回路モデルは、
図5Bのプラグ170の物理モデルを示している。同様に、
図5Aの変換器165の回路モデルは、
図5Bの物理モデル変換器161を示している。
図5Bの直列配置されたプラグ170及び変換器161は、デュアルバンド同軸アンテナフィード20を形成する。
図5Bにおける入力インピーダンス(Zin)の参照面は、
図5Aにおける入力インピーダンス(Zin)の参照面に関連する。
図5Bにおける開口インピーダンス(Zap)の参照面は、
図5Aにおける開口インピーダンス190の参照面に関連する。
図5Cは、
図5Aの同軸フィード回路モデルの入力ポート220の反射減衰量252のプロットである。
図5Cに示すように、第1周波数帯域のエッジ(すなわち、周波数f1及び周波数f2の近く)において、反射減衰量は−25dB以下になっている。
図5Dは、
図5Aの回路モデルの入力インピーダンス(Zin)を示すスミスチャートである。インピーダンス軌跡253の比較的短い距離は、周波数f1から周波数f2の間でインピーダンスが比較的良くマッチングしていることを示している。
図5Dのスミスチャートに示されているインピーダンス軌跡253は、インピーダンスが周波数f1において誘導性であり、インピーダンスが周波数f2において容量性であることを示している。単一の変換器161では、同軸開口は良くマッチングし、低い周波数(f1)で誘導性であり高い周波数(f2)で容量性である。これはフィルタ150について
図3Dで示されたフィルタインピーダンスと同様である。
【0034】
[70]
図6Aは、直列のプラグ175及び2ステージ変換器165、166を有するデュアルバンド同軸アンテナフィードの第1帯域回路モデルである。
図6Bは、
図6Aのプラグ175及び2ステージ変換器165、166を有するデュアルバンド同軸アンテナフィード21の物理モデルである。
図5Aの回路モデルにおける部品191,166,165,175は、
図6Bの物理同軸フィードモデルの部分に対応する変換ライン回路要素である。各変換ライン回路要素は、独自の特性インピーダンス、伝搬定数、及び物理長さによって表されている。回路モデルでは、伝搬定数と物理長さは、f1とf2の平均から通常選択される特定の周波数における等価の電気長によって置き換えられている。TE11モードは、同軸フィードにおける電磁波伝搬の所望モデルであり、全ての特性インピーダンスは、このモデルにしたがって計算される。プラグ175、第1変換器165、及び、第2変換器166は、入力ポート220と同じ特性インピーダンスを有する入力変換ライン191とともに直列になっている。これらの変換ライン回路要素191,165,166,175は、開口(出力)面(Xout,Yout)において平行開口インピーダンス190(Zap)を導く。出力面における同軸開口の平行開口インピーダンス190(Zap)は、ここでは、“シャント同軸開口インピーダンス190”としても参照される。
図6Aに示すように、フィードの入力インピーダンス(Zin)は、入力変換ライン191を終端するインピーダンス、つまり、第2変換器166、第1変換器165、プラグ170、及びシャント同軸開口インピーダンス190の等価回路を観察したインピーダンスとして定義される。
【0035】
[71]
図6Aのプラグ175の回路モデルは、
図6Bのプラグ170を示している。同様に、
図6Aの第1変換器165の回路モデルは、
図6Bの第1変換器161の物理モデルを示し、
図6Aの第2変換器166の回路モデルは、
図6Bの第2変換器162の物理モデルを示している。
【0036】
[72]
図6Bにおける入力インピーダンス(Zin)の参照面は、
図6Aにおける入力インピーダンス(Zin)の参照面に関連する。
図6Bの直列配置されたプラグ170、第1変換器161、及び第2変換器162は、デュアルバンド同軸アンテナフィード21の同軸部分を形成する。プラグ170は、第1周波数帯域(すなわちfmid=(f1+f2)/2)における約90電気角の長さを有する。
【0037】
[73]
図6Cは、プラグ175及び2ステージ変換器165、166を有する
図6Aの同軸フィード回路モデルの入力ポート220の反射減衰量のプロット254である。
図6Cに示すように、第1周波数帯域のエッジ(すなわち、周波数f1及び周波数f2の近く)において、反射減衰量は−25dB以下になっている。
図6Dは、
図6A及び
図6Bの同軸フィードの入力インピーダンス(Zin)を示すスミスチャートである。
図6Dのスミスチャートに示されているインピーダンス軌跡255は、インピーダンスが第1周波数帯域(例えば、f1からf2)において高い周波数(例えば周波数f2)誘導性であり、インピーダンスが第1周波数帯域において低い周波数(例えば周波数f1)容量性であることを示している。
図6Dに示されているように、第2変換器166、第1変換器165、プラグ175及びシャント同軸開口インピーダンス190の等価回路における入力インピーダンスは、第1周波数帯域における低い周波数で容量性であり、第1周波数帯域における高い周波数で誘導性である。
図3D及び
図5Dのインピーダンス軌跡251,253との違いは、インピーダンスが第1周波数帯域における高い周波数(例えば周波数f2)で容量性であり、第1周波数帯域における低い周波数(例えば周波数f1)で誘導性であることである。
【0038】
[74]
図7Aは、デュアルバンド同軸アンテナフィード10(
図1及び
図2A)の第1帯域回路モデルである。デュアルバンド同軸アンテナフィード10の第1帯域回路モデルは、直列のプラグ175、2ステージ変換器165,166、及び、フィルタ155、を備える。
図7Bは、
図7Aの回路モデルに対応するデュアルバンド同軸アンテナフィード10の物理モデルである。
図7Bは、
図6Bのデュアルバンド同軸アンテナフィード21にフィルタ150を追加した点で
図6Bと異なる。
図7Aのプラグ175の回路モデルは、
図7Bの物理モデルプラグ170を表している。
図7Aの第1変換器165の回路モデルは、
図7Bの第1変換器161の物理モデルを表しており、
図7Aの第2変換器166の回路モデルは、
図7Bの第2変換器162の物理モデルを表している。
図7Aのフィルタ155の回路モデルは、
図7Bのフィルタ150の物理モデルを表している。
図7Bの直列のプラグ170、第1変換器161、第2変換器162、及び、フィルタ150は、
図1及び2Aに示されたデュアルバンド同軸アンテナフィード10を形成する。第1変換器161は、プラグ170と第2変換器162との間に配置される。第2変換器162は、フィルタ150と第1変換器161との間に配置される。
【0039】
[75]
図7Cは、
図7Aのデュアルバンド同軸アンテナフィード10の反射減衰量のプロット256である。
図7Cに示すように、第1周波数帯域のエッジ(すなわち、周波数f1及び周波数f2の近く)では、反射減衰量は、−30dB以下になっている。
図7Dは、
図7Aのデュアルバンド同軸アンテナフィード10の第1周波数帯域におけるインピーダンスを示すスミスチャートである。
図7A−
図7Dは、フィルタのインピーダンスが
図6A−
図6Dのフィードインピーダンスを中和するデュアルバンド同軸アンテナフィードを示す。
【0040】
[76]
図7Dに示すように、
図6Bのデュアルバンド同軸アンテナフィード21へのフィルタ150の追加は、スミスチャートのインピーダンス軌跡257をほとんどのポイントで潰れさせ、したがって、関心帯域(すなわち、f1からf2)にわたって反射減衰量を−30dB以下にする。インピーダンス軌跡257の潰れは、第1周波数帯域における低い周波数で容量性であり第1周波数帯域における高い周波数で誘導性であるフィード入力インピーダンスをもたらす2つの変換器161,162(
図6B)、及び、第1周波数帯域における高い周波数で容量性であり第1周波数帯域における低い周波数で誘導性であるインピーダンスを有する、直列接続されたフィルタ150、を使用することによって生成される。スミスチャートの中央のインピーダンス軌跡257の小径は、周波数f1からf2までインピーダンス(すなわち、シャント同軸開口インピーダンス190)が良好にマッチングしていることを示す。この場合、第1周波数帯域においてデュアルバンド同軸アンテナフィード10の良好な性能(例えば、非常に低い入力反射減衰量及び高いインピーダンスマッチング)が得られる。したがって、直列接続されたプラグ170、2ステージ変換器161,162、及びフィルタ155によって物理的に構成された同軸フィードの入力インピーダンスは、周波数f1からf2の第1周波数帯域231の全体にわたって非常に良好にマッチングする。
【0041】
[77]デュアルバンド同軸アンテナフィードの他の実施形態は、レンズとともに使用されたときに第2帯域アンテナゲインパターンを向上させ、
図8A−8Dに示した良好な、しかし最適ではない、第1帯域インピーダンスマッチングを提供する。
図8Aは、直列のプラグ177(90電気角度)、フィルタ155、及び、変換器165を有するデュアルバンド同軸アンテナフィードのための第1帯域回路モデルである。
図8Aのプラグ177の回路モデルは、
図8Bのプラグ172の物理モデルを表している。
図8Bにおける入力インピーダンス(Zin)の参照面は、
図8Aにおける入力インピーダンス(Zin)の参照面に関連する。プラグ172は、第1周波数帯域において90電気角度の長さを有する。
図8Aのフィルタ155の回路モデルは、
図8Bの物理モデルフィルタ150を表す。同様に、
図8Aの変換器165の回路モデルは、
図8Bの変換器161の物理モデルを表している。
図8Bの直列のプラグ172、フィルタ150、及び、変換器161は、デュアルバンド同軸アンテナフィード40を形成する。
図8Bに示すように、フィルタ150は、変換器161とプラグ172との間に配置される。フィルタ/マッチング要素150は、直接又はほぼ直接プラグ172の後ろ側に配置される。マッチング変換器161は、フィルタ/マッチング要素150の後に示されている。
図8Cは、
図8A,8Bのデュアルバンド同軸アンテナフィード40の反射減衰量のプロットである。
図8に示すように、第1周波数帯域のエッジ(すなわち、周波数f1及び周波数f2の近く)では、反射減衰量は、−20dB以下になっている。
図8Dは、
図8Aのデュアルバンド同軸アンテナフィード40の入力インピーダンスを示すスミスチャートである。インピーダンス軌跡259の比較的短い長さは、インピーダンスが比較的良好にマッチングしていることを示す。
【0042】
[78]
図9Aは、直列のプラグ176、フィルタ156、及び、変換器165を有するデュアルバンド同軸アンテナフィード41の第1帯域回路モデルである。
図9Bは、
図9Aのデュアルバンド同軸アンテナフィードの物理モデルである。
図9Aのプラグ176の回路モデルは、
図9Bのプラグ169の物理モデルを表している。プラグ169は、第1周波数帯域において40電気角度の長さを有する。
図9Cは、
図9Aのデュアルバンド同軸アンテナフィードの反射減衰量のプロットである。
図9Cに示すように、第1周波数帯域のエッジ(すなわち、周波数f1及び周波数f2の近く)では、反射減衰量は、−10dB以下になっており、これは、
図7Cに示したデュアルバンド同軸アンテナフィード10の反射減衰量に比べて高い。
図9Dは、
図9Aのデュアルバンド同軸アンテナフィードの入力インピーダンスを示すスミスチャートである。インピーダンス軌跡261の比較的長い長さは、周波数f1からf2においてインピーダンスがあまり良好にマッチングしていないことを示す。デュアルバンド同軸アンテナフィード41の比較的高い反射減衰量及びインピーダンスのミスマッチは、この場合、最適な90度以下の、例えば40電気角度のプラグ169の長さのせいである。
図8Bの90電気角度から
図9Bの40電気角度へプラグ長を短くすることによって、デュアルバンド同軸アンテナフィード41の反射減衰量及びインピーダンス軌跡は、
図8Bのデュアルバンド同軸アンテナフィード40の反射減衰量及びインピーダンス軌跡より低下する。入力反射減衰量及びインピーダンス軌跡は、フィルタ150とデュアルバンド同軸アンテナフィードの出力開口との間の距離によって著しく影響を受ける。距離は、プラグ長、及び、プラグ169又は172とフィルタ150との間の追加スペース、を含む。
【0043】
[79]
図10Aは、直列のプラグ177(第1周波数帯域において90電気角度)、変換器165、及び、フィルタ156、を有するデュアルバンド同軸アンテナフィードの第1帯域回路モデルである。
図10Bは、
図10Aのデュアルバンド同軸アンテナフィード42の物理モデルである。
図10Cは、
図10Aのデュアルバンド同軸アンテナフィード42の反射減衰量のプロットである。
図10Cに示すように、第1周波数帯域のエッジ(すなわち、周波数f1及び周波数f2の近く)では、反射減衰量は、−20dB以下になっている。
図10Dは、
図10Aのデュアルバンド同軸アンテナフィード42の入力インピーダンスを示すスミスチャートである。
【0044】
[80]フィルタ/マッチング要素150の1つの目的は、第2周波数帯域の電磁波が同軸導波管110を伝搬するのを防ぐことである。フィルタ/マッチング要素150の第2機能は、
図7A,7Bに示された2つの変換器とあわせて同軸開口の最適なマッチングを提供することである。サイズ又はコストの制約によるある適用では、デュアルバンド同軸アンテナフィード設計において1つの変換器のみの場合がある。この場合、フィルタ150と関連する1つの変換器の配置による効果を調べることが有用である。これは、
図8A−8Dと
図10A−10Dとを比較することによって行われる。帯域1の同軸開口におけるインピーダンスマッチングの目的のため、(出力開口端から)順番になっているプラグ、フィルタ、及び変換器のような要素を有する
図8Bの実施形態は、(出力開口端から)順番になっているプラグ、変換器、及びフィルタのような要素を有する
図10Bの実施形態と比べて著しく改善している。
図8Cは、帯域エッジにおいて−21から−22dBの反射減衰量を示している一方、
図10Cは、約―20dBを示している。
【0045】
[81]
図11及び
図12はそれぞれ、レンズ300とともに配置されたデュアルバンド同軸アンテナフィード41,43の断面を示す。アンテナシステム351(
図11)は、デュアルバンド同軸アンテナフィード41及びレンズ300によって形成される。アンテナシステム352(
図12)は、デュアルバンド同軸アンテナフィード43及びレンズ300によって形成される。内側導電管125は、誘電材料121によって満たされる。
図11のデュアルバンド同軸アンテナフィード41は、デュアルバンド同軸アンテナフィード41の共通軸400(すなわち、
図2AのZ軸)が全体的にRで表されたレンズ300の半径と平行にオーバーラップするように配置される。同様に、
図12のデュアルバンド同軸アンテナフィード43は、デュアルバンド同軸アンテナフィード43の共通軸400が全体的にRで表されたレンズ300の半径と平行にオーバーラップするように配置される。本実施形態のある態様では、複数のデュアルバンド同軸アンテナフィード41及び/又は43は、少なくともレンズ300の外周面の部分の周りに配置される。後述の実施形態では、複数のデュアルバンド同軸アンテナフィード41及び/又は43の複数の共通軸400の延伸は、レンズ300の中央で交差する。
【0046】
[82]誘電材料121の一部分122は、デュアルバンド同軸アンテナフィード41及び43の開口面(Xout,Yout)(
図1及び
図2A)を超えて伸びる。一部分122は、ここでは、誘電端部122としても参照される。
【0047】
[83]
図11は、レンズ300とともに配置されたプラグ168及びデュアルバンド同軸アンテナフィード41(
図9A−
図9D)の断面を示す。デュアルバンド同軸アンテナフィード41は、第2周波数帯域に対するピークゲイン、クロスオーバーゲイン、及び、軸率のために設計されている。
図11のアンテナビームは、αのパターン角度を有する。
【0048】
[84]スイッチビームアンテナシステムでは、所望の方向へ最も高いアンテナゲインを生成するフィードが選択可能に複数のフィードが利用可能になっている。2つの隣接するアンテナビームが交差するパターン角度は、1つのアンテナビーム(又はフィード)から次のアンテナビームへ交差するためのアルゴリズムを示すビームのための最も良い角度位置となるので、交差角度となる。クロスオーバーゲインは、これらの交差角度におけるゲインの値である。
図13及び
図14に示すように、例示の交差角度が±Φである。この場合、少なくともレンズ300の外周面の部分の周りに配置された複数のデュアルバンド同軸アンテナフィードからの(図示されていない)隣接するビームは、同じクロスオーバーゲインから開始する。この実施形態では、グループとされたNビームパターンは、±NΦの角度範囲をカバーする。
【0049】
[85]
図12は、レンズ300とともに配置されたプラグ170及びデュアルバンド同軸アンテナフィード43(
図10A−
図10D)の断面を示す。デュアルバンド同軸アンテナフィード43は、第2周波数帯域に対するピークゲイン、クロスオーバーゲイン、及び、軸率のために設計されている。
図12のアンテナビームは、αのパターン角度を有する。
【0050】
[86]
図13は、
図11,12それぞれのデュアルバンド同軸アンテナフィード及びレンズの第2周波数帯域アンテナゲインパターンのプロット310,311を示す。
図12に対応するプロット311の実線カーブは、
図11に対応するプロット310の点線カーブよりも+Φ及び−Φにおいて高いクロスオーバーゲインを有する。プロット311の実線カーブは、プロット310の点線カーブよりも0度(°)のパターン角度において低いピークゲインを有する。
【0051】
[87]
図14は、
図11,12それぞれのデュアルバンド同軸アンテナフィード及びレンズの理想の円偏光子を介して励起されたときの軸率のプロット320,321を示す。プロット320,321は、第2周波数帯域(例えば、
図4に示されたf3よりも大きい周波数)のものである。(+Φと−Φのパターン角度における)パターンショルダのゲインレベル、及び、(0°のパターン角度における)ピークゲイン、は、プラグ(例えば、プラグ169又はプラグ170)に対するフィルタ150の位置によって制御される。さらに、プラグ(例えば、プラグ169又はプラグ170)によって提供された誘電体装荷は、プラグによって占領された領域において、同軸導波管(例えば、
図1に示されたデュアルバンド同軸アンテナフィード41の同軸導波管110、又は、
図12に示されたデュアルバンド同軸アンテナフィード43の同軸導波管110)の電波の伝搬定数に影響を与える。したがって、プラグの長さを制御することは、第2周波数帯域におけるデュアルバンド同軸アンテナフィードの同軸導波管の内部でフィルタ150の電気位置を制御するための他の方法となる。
【0052】
[88]第2周波数帯域において、電磁波は、円形導波管120を通って伝搬し、誘電端部122から放射する。端部122の近くの帯域2のエネルギは、プラグの端部の近くの同軸導波管110に入り、フィルタ150の方向へ伝搬し、帯域2のエネルギは、
図4に示すようにフィルタ150の優れた帯域2の反射性能によって完全に反射される。反射された帯域2のエネルギは、同軸導波管110を通ってフィードの端部(
図1及び2Aに示した出力開口180)へ伝搬し、元の伝搬された帯域2の信号と再結合され、レンズ300によって焦点され、自由空間へ放射する。同軸導波管110におけるフィルタ150への(例えば、フィルタ150と出力開口180との間の)帯域2の電波の伝搬及び反射による位相遅延は、周波数帯域2のアンテナゲインパターンの最適化に使用される。
【0053】
[89]
図14は、レンズ300に結合されたデュアルバンド同軸アンテナフィード41又は43(
図11又は12)によってフィードされたアンテナの帯域2の軸率を示し、フィルタの位置及びプラグ長さの正しい選択によって顕著に減少されている。
図14は、レンズ300に結合されたデュアルバンド同軸アンテナフィード41又は43(
図11又は12)によってフィードされたアンテナの軸率も示しており、フィルタの位置及びプラグ長さの正しい選択によって顕著に減少されている。
例示の実施形態
【0054】
[90]例1のデュアルバンド同軸アンテナフィードは、内面を有する外側導電管と、外面を有する内側導電管であって、前記外側導電管の内部に位置し、前記外側導電管及び前記内側導電管の長さに沿って延びる共通軸に対して同軸に整合しており、前記外側導電管の前記内面と前記内側導電管の前記外面との間のスペースに形成された同軸導波管が第1周波数帯域をサポートし、前記内側導電管の内面の内部に形成された円形導波管が第2周波数帯域をサポートする、内側導電管と、前記同軸導波管の内部の少なくとも1つの変換器と、前記同軸導波管の内部のフィルタであって、前記少なくとも1つの変換器からオフセットしており、前記フィルタに関連するインピーダンス軌跡が前記第1周波数帯域における高い周波数で容量性であり前記第1周波数帯域における低い周波数で誘導性である、フィルタと、前記同軸導波管の内部のプラグであって、前記少なくとも1つの変換器及び前記フィルタからオフセットしており、前記同軸アンテナフィードの開口端の近傍に配置される、プラグと、を備える。
【0055】
[91]例2のデュアルバンド同軸アンテナフィードは、例1のデュアルバンド同軸アンテナフィードを備え、さらに、前記内側導電管を満たす誘電材料を備える。
【0056】
[92]例3のデュアルバンド同軸アンテナフィードは、例2のデュアルバンド同軸アンテナフィードを備え、前記内側導電管を満たす前記誘電材料の一部分は、誘電端部を形成するために前記開口を超えて伸びる。
【0057】
[93]例4のデュアルバンド同軸アンテナフィードは、例1〜例3のいずれか1つのデュアルバンド同軸アンテナフィードを備え、前記同軸導波管内の前記少なくとも1つの変換器は、前記プラグと直列の第1変換器と、前記第1変換器及び前記プラグと直列の第2変換器と、を備え、前記第1変換器、前記第2変換器、前記プラグ、及び、シャント同軸開口インピーダンス、の等価回路を見た入力インピーダンスは、前記第1周波数帯域における低い周波数で容量性であり前記第1周波数帯域における高い周波数で誘導性である。
【0058】
[94]例5のデュアルバンド同軸アンテナフィードは、例4のデュアルバンド同軸アンテナフィードを備え、前記第1変換器は、前記プラグと前記第2変換器との間に配置され、前記第2変換器は、前記フィルタと前記第1変換器との間に配置される。
【0059】
[95]例6のデュアルバンド同軸アンテナフィードは、例5のデュアルバンド同軸アンテナフィードを備え、前記プラグは、90電気角度の長さを有し、前記シャント同軸開口インピーダンスは、前記第1周波数帯域にわたって整合(マッチング)している。
【0060】
[96]例7のデュアルバンド同軸アンテナフィードは、例4〜6のいずれか1つのデュアルバンド同軸アンテナフィードを備え、前記第1変換器は、誘電リングによって形成され、前記第2変換器は、前記同軸導波管内に、前記内側導電管の前記外面の突出部として形成される。
【0061】
[97]例8のデュアルバンド同軸アンテナフィードは、例4〜7のいずれか1つのデュアルバンド同軸アンテナフィードを備え、前記第1変換器は、前記同軸導波管内に、前記内側導電管の前記外面上の第1突出部として形成され、前記第2変換器は、前記同軸導波管内に、前記内側導電管の前記外面上の第2突出部として形成され、第1隙間は、前記第1突出部と前記外側導電管の前記内面との間に形成され、第2隙間は、前記第2突出部と前記外側導電管の前記内面との間に形成される。
【0062】
[98]例9のデュアルバンド同軸アンテナフィードは、例4〜8のいずれか1つのデュアルバンド同軸アンテナフィードを備え、前記第1変換器は、誘電リングによって形成され、前記第2変換器は、誘電リングによって形成される。
【0063】
[99]例10のデュアルバンド同軸アンテナフィードは、例1〜9のいずれか1つのデュアルバンド同軸アンテナフィードを備え、前記プラグは、90電気角度の長さを有し、前記シャント同軸開口インピーダンスは、前記第1周波数帯域にわたって整合(マッチング)している。
【0064】
[100]例11のデュアルバンド同軸アンテナフィードは、例1〜10のいずれか1つのデュアルバンド同軸アンテナフィードを備え、前記同軸導波管内の前記少なくとも1つの変換器は、変換器を備え、前記フィルタは、前記変換器と前記プラグとの間に配置され、前記プラグの長さは、前記第2周波数帯域におけるクロスオーバーゲインを増加させ、前記第2周波数帯域における軸率を減少させるために、最適化される。
【0065】
[101]例12のデュアルバンド同軸アンテナフィードは、例11のデュアルバンド同軸アンテナフィードを備え、前記プラグは、前記第1周波数帯域において90電気角度の長さを有し、前記第1周波数帯域にわたる入力反射減衰量は、−20dB以下である。
【0066】
[102]例13のデュアルバンド同軸アンテナフィードは、例11又は例12のデュアルバンド同軸アンテナフィードを備え、前記プラグは、前記第1周波数帯域において40電気角度の長さを有する。
【0067】
[103]例14のアンテナシステムは、内面を有する外側導電管と、外面を有する内側導電管であって、前記外側導電管の内部に位置し、前記外側導電管及び前記内側導電管の長さに沿って延びる共通軸に対して同軸に整合しており、前記外側導電管の前記内面と前記内側導電管の前記外面との間のスペースに形成された同軸導波管が第1周波数帯域をサポートし、前記内側導電管の内面の内部に形成された円形導波管が第2周波数帯域をサポートする、内側導電管と、前記同軸導波管の内部の少なくとも1つの変換器と、前記同軸導波管の内部のフィルタであって、前記少なくとも1つの変換器からオフセットしており、前記フィルタに関連するインピーダンス軌跡が前記第1周波数帯域における高い周波数で容量性であり前記第1周波数帯域における低い周波数で誘導性である、フィルタと、前記同軸導波管の内部のプラグであって、前記少なくとも1つの変換器及び前記フィルタからオフセットしており、前記内側導電管の前記外面と前記外側導電管の前記内面との間のスペースの開口面を満たす、プラグと、を備えるデュアルバンド同軸アンテナフィードを備え、前記アンテナシステムは、さらに、半径を有するレンズを備え、前記開口面と前記レンズとの間の距離は、所望のアンテナビームパターンを提供するように選択され、前記デュアルバンド同軸アンテナフィードの前記共通軸の延長は、前記レンズの前記半径と平行でありオーバーラップする。
【0068】
[104]例15のアンテナシステムは、例14のアンテナシステムを備え、さらに、前記内側導電管を満たす誘電材料を備える。
【0069】
[105]例16のアンテナシステムは、例14又は例15のアンテナシステムを備え、前記同軸導波管内の前記少なくとも1つの変換器は、前記プラグと直列の第1変換器と、前記第1変換器及び前記プラグと直列の第2変換器と、を備え、前記第1変換器、前記第2変換器、前記プラグ、及び、シャント同軸開口インピーダンス、の等価回路を見た入力インピーダンスは、前記第1周波数帯域における低い周波数で容量性であり前記第1周波数帯域における高い周波数で誘導性である。
【0070】
[106]例17のアンテナシステムは、例16のアンテナシステムを備え、前記第1変換器は、誘電リングによって形成され、前記第2変換器は、前記同軸導波管内の突出部として形成される。
【0071】
[107]例18のアンテナシステムは、例16又は例17のアンテナシステムを備え、前記第1変換器は、前記同軸導波管内に突出部として形成され、前記第2変換器は、前記同軸導波管内に突出部として形成され、第1隙間は、前記第1変換器と前記外側導電管の前記内面との間に形成され、第2隙間は、前記第2変換器と前記外側導電管の前記内面との間に形成される。
【0072】
[108]例19のアンテナシステムは、例14〜18のいずれか1つのアンテナシステムを備え、前記同軸導波管内の前記少なくとも1つの変換器は、変換器を備え、前記フィルタは、前記変換器と前記プラグとの間に配置され、前記プラグの長さは、前記第2周波数帯域におけるクロスオーバーゲインを増加させ、前記第2周波数帯域における軸率を減少させるために、最適化される。
【0073】
[109]例20のデュアルバンド同軸アンテナフィードは、内面を有する外側導電管と、外面を有する内側導電管であって、前記外側導電管の内部に位置し、前記外側導電管及び前記内側導電管の長さに沿って延びる共通軸に対して同軸に整合しており、前記外側導電管の前記内面と前記内側導電管の前記外面との間のスペースに形成された同軸導波管が第1周波数帯域をサポートし、前記内側導電管の内面の内部に形成された円形導波管が第2周波数帯域をサポートする、内側導電管と、前記同軸導波管の内部の第1変換器と、前記同軸導波管の内部の第2変換器と、前記同軸導波管の内部のフィルタであって、前記フィルタに関連するインピーダンス軌跡が前記第1周波数帯域における高い周波数で容量性であり前記第1周波数帯域における低い周波数で誘導性である、フィルタと、前記同軸導波管の内部のプラグであって、前記内側導電管の前記外面と前記外側導電管の前記内面との間のスペースの開口面を満たす、プラグと、を備え、前記プラグは、前記第1周波数帯域において90度の電気長を有し、前記第1変換器は、前記プラグと前記第2変換器との間に配置され、前記第2変換器は、前記第1変換器と前記プラグとの間に配置され、前記第1変換器、前記第2変換器、前記プラグ、及び、シャント同軸開口インピーダンス、の等価回路を見た入力インピーダンスは、前記第1周波数帯域における低い周波数で容量性であり前記第1周波数帯域における高い周波数で誘導性である。
【0074】
[110]詳細な実施形態が説明され図示されたが、当業者であれば、同様の課題を解決するために、図示された詳細な実施形態に適宜の変更を行うことができることを理解すべきである。この出願は、本発明の様々な適応又は変更をカバーすることを意図している。したがって、本発明は、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ制限されることを意図している。