特許第6463241号(P6463241)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6463241画像形成方法、画像形成システム及び携帯端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6463241
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】画像形成方法、画像形成システム及び携帯端末
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20190121BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20190121BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20190121BHJP
【FI】
   G06F3/12 339
   G06F3/12 303
   G06F3/12 373
   G06F3/12 331
   G06F3/12 392
   G06F3/12 325
   G06F3/12 336
   H04N1/00 127Z
   B41J29/38 Z
【請求項の数】6
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2015-179709(P2015-179709)
(22)【出願日】2015年9月11日
(65)【公開番号】特開2017-54429(P2017-54429A)
(43)【公開日】2017年3月16日
【審査請求日】2018年1月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】591044164
【氏名又は名称】株式会社沖データ
(74)【代理人】
【識別番号】100082740
【弁理士】
【氏名又は名称】田辺 恵基
(72)【発明者】
【氏名】石▲崎▼ 浩司
【審査官】 三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−236854(JP,A)
【文献】 特開2010−069768(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 5/00−29/70
G06F 3/09−3/12
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末が課金管理装置及び画像形成装置と接続される画像形成システムを用いた画像形成方法であって、
前記携帯端末が、前記課金管理装置と第1通信経路で接続して印刷画像の形成に利用する課金情報を取得する課情報取得ステップと、
前記携帯端末が、前記画像形成装置と前記第1通信経路とは異なる第2通信経路で接続するために取得した接続先特定情報に基づいて、接続先を前記課金管理装置から切り換えて前記画像形成装置と前記第2通信経路で接続する接続先切換ステップと、
前記携帯端末が、前記画像形成装置に前記印刷画像を形成させる際、前記課金情報の少なくとも一部が前記印刷画像の形成に利用せずに残ると、接続先を前記画像形成装置から切り換えて前記課金管理装置と前記第1通信経路で接続して、前記残った少なくとも一部の前記課金情報を利用可能課金情報として送信する利用可能課金情報送信ステップと、
前記携帯端末が、前記課金管理装置と前記第1通信経路で接続して前記利用可能課金情報を取得する利用可能課金情報取得ステップと、
前記携帯端末が、前記印刷画像の形成に必要な前記課金情報と比べて前記利用可能課金情報が不足していても、前記課金管理装置から前記課金情報を追加で取得しない場合、接続先を前記課金管理装置から切り換えて前記画像形成装置と前記第2通信経路で接続して、前記利用可能課金情報に応じた印刷データを前記画像形成装置に送信して前記印刷データに基づき前記印刷画像を形成させる画像形成ステップと
を具える画像形成方法。
【請求項2】
記携帯端末が、印刷画像の形成に前記利用可能課金情報を利用する場合、前記印刷画像の形成に必要な前記課金情報と比べて前記利用可能課金情報が不足しているか否かを判別する判別ステップと、
前記携帯端末が、前記印刷画像の形成に必要な前記課金情報と比べて前記利用可能課金情報が不足していると、前記課金管理装置からの課金情報の追加の取得を促す課金情報追加取得ステップと
を具える請求項に記載の画像形成方法。
【請求項3】
前記携帯端末が、前記画像形成装置と前記第2通信経路で接続して、前記印刷データに基づき実行された印刷画像形成処理の実行結果を示す実行結果情報を取得する実行結果情報取得ステップと、
前記携帯端末が、前記実行結果情報に基づいて前記利用可能課金情報を訂正する利用可能課金訂正情報を生成する訂正情報生成ステップと
を具える請求項1又は請求項に記載の画像形成方法。
【請求項4】
前記携帯端末が、前記課金情報以上の課金が必要な印刷データを前記画像形成装置に送信して前記印刷データに基づき前記印刷画像を形成させた場合、接続先を前記画像形成装置から切り換えて前記課金管理装置と前記第1通信経路で接続して、前記課金情報を訂正する訂正情報を送信する訂正情報送信ステップ
を具える請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項5】
携帯端末が課金管理装置及び画像形成装置と接続される画像形成システムであって、
前記携帯端末は、
前記課金管理装置と第1通信経路で接続して通信するための第1通信部と、
前記画像形成装置と前記第1通信経路とは異なる第2通信経路で接続して通信するための第2通信部と、
前記第1通信部を介して前記課金管理装置と通信して、印刷画像の形成に利用する課金情報を取得する課金情報取得部と、
前記画像形成装置と前記第1通信経路とは異なる第2通信経路で接続するための接続先特定情報を取得する接続先特定情報取得部と、
前記接続先特定情報に基づいて、接続先を前記課金管理装置から前記画像形成装置へ切り換える接続先切換部と、
前記画像形成装置に前記印刷画像を形成させる際、前記課金情報の少なくとも一部が前記印刷画像の形成に利用せずに残ると、接続先を前記画像形成装置から切り換えて前記第1通信部を介して前記課金管理装置と通信して、前記残った少なくとも一部の前記課金情報を利用可能課金情報として送信する利用可能課金情報送信部と、
前記第1通信部を介して前記課金管理装置と通信して、前記利用可能課金情報を取得する利用可能課金情報取得部と、
前記印刷画像の形成に必要な前記課金情報と比べて前記利用可能課金情報が不足していても、前記課金管理装置から前記課金情報を追加で取得しない場合、前記接続先切換部による前記接続先の切り換えに応じて、前記第2通信部を介して前記画像形成装置と通信して、前記利用可能課金情報に応じた印刷データを送信することにより、当該印刷データに基づき前記印刷画像を形成させる印刷データ送信部
を具え、
前記課金管理装置は、
前記携帯端末と前記第1通信経路で接続して通信するための課金管理装置通信部と、
前記課金管理装置通信部を介して前記課金情報を前記携帯端末に信することにより、前記印刷画像の形成に対して課金する課金処理部
を具え、
前記画像形成装置は、
前記携帯端末と前記第2通信経路で接続して通信するための画像形成装置通信部と、
前記画像形成装置通信部を介して、前記携帯端末から送信される前記印刷データを取り込み、当該印刷データに基づいて前記印刷画像を形成する印刷画像形成部と
を具える画像形成システム。
【請求項6】
課金管理装置及び画像形成装置と通信可能な携帯端末であって、
前記課金管理装置と第1通信経路で接続して通信するための第1通信部と、
前記画像形成装置と前記第1通信経路とは異なる第2通信経路で接続して通信するための第2通信部と、
前記第1通信部を介して前記課金管理装置と通信して、印刷画像の形成に利用する課金情報を取得する課金情報取得部と、
前記画像形成装置と前記第1通信経路とは異なる第2通信経路で接続するための接続先特定情報を取得する接続先特定情報取得部と、
前記接続先特定情報に基づいて、接続先を前記課金管理装置から前記画像形成装置へ切り換える接続先切換部と、
前記画像形成装置に前記印刷画像を形成させる際、前記課金情報の少なくとも一部が前記印刷画像の形成に利用せずに残ると、接続先を前記画像形成装置から切り換えて前記第1通信部を介して前記課金管理装置と通信して、前記残った少なくとも一部の前記課金情報を利用可能課金情報として送信する利用可能課金情報送信部と、
前記第1通信部を介して前記課金管理装置と通信して、前記利用可能課金情報を取得する利用可能課金情報取得部と、
前記印刷画像の形成に必要な前記課金情報と比べて前記利用可能課金情報が不足していても、前記課金管理装置から前記課金情報を追加で取得しない場合、前記接続先切換部による前記接続先の切り換えに応じて、前記第2通信部を介して前記画像形成装置と通信して、前記利用可能課金情報に応じた印刷データを送信することにより、前記印刷データに基づき前記印刷画像を形成させる印刷データ送信部
具える携帯端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成方法、画像形成システム及び携帯端末に関し、例えばユーザに、公共施設や店舗の一角に設置されたプリンタを有料で使用させて、印刷画像を形成(すなわち印刷)する画像形成サービスを提供するサービス提供システムに適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来の印刷課金システムは、ユーザに画像形成サービスを提供するために、相互に通信ネットワークを介して接続された画像形成装置及び課金管理装置を有している。そして印刷課金システムは、画像形成装置がユーザにより印刷画像の形成に使用されると、課金情報を生成して課金管理装置に送信することで、当該課金管理装置が課金情報に基づきユーザに課金する課金額を算出していた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−46594公報(第9頁、第10頁、図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが従来の印刷課金システムでは、課金管理装置が画像形成装置から送信された課金情報に基づき課金額を算出するため、画像形成サービスの提供のためにユーザに使用させる画像形成装置を、通信ネットワークを介して課金管理装置に接続している。よって印刷課金システムでは、通信ネットワークへの接続環境が整っていない場所に設置された画像形成装置や、当該接続環境が整っていてもセキュリティ上、通信ネットワークに接続されずに設置された画像形成装置のように課金管理装置と通信ネットワークを介して接続されていない画像形成装置を、画像形成サービスの提供のためにユーザに使用させることができず、利便性がわるいという問題があった。
【0005】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、画像形成サービスを提供する画像形成システムの利便性を向上し得る画像形成方法、画像形成システム及び携帯端末を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため本発明においては、携帯端末が課金管理装置及び画像形成装置と接続される画像形成システムを用いた画像形成方法において、携帯端末が、課金管理装置と第1通信経路で接続して印刷画像の形成に利用する課金情報を取得、携帯端末が、画像形成装置と第1通信経路とは異なる第2通信経路で接続するために取得した接続先特定情報に基づいて、接続先を課金管理装置から切り換えて画像形成装置と第2通信経路で接続し、携帯端末が、画像形成装置に印刷画像を形成させる際、課金情報の少なくとも一部が印刷画像の形成に利用せずに残ると、接続先を画像形成装置から切り換えて課金管理装置と第1通信経路で接続して、残った少なくとも一部の課金情報を利用可能課金情報として送信し、携帯端末が、課金管理装置と第1通信経路で接続して利用可能課金情報を取得し、携帯端末が、印刷画像の形成に必要な課金情報と比べて利用可能課金情報が不足していても、課金管理装置から課金情報を追加で取得しない場合、接続先を課金管理装置から切り換えて画像形成装置と第2通信経路で接続して、利用可能課金情報に応じた印刷データを画像形成装置に送信して印刷データに基づき印刷画像を形成させ
【0007】
従って本発明では、画像形成装置を、課金管理装置に接続していなくても携帯端末のユーザに課金したうえで印刷画像の形成に使用させることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、携帯端末が課金管理装置及び画像形成装置と接続される画像形成システムを用いた画像形成方法において、携帯端末が、課金管理装置と第1通信経路で接続して印刷画像の形成に利用する課金情報を取得、携帯端末が、画像形成装置と第1通信経路とは異なる第2通信経路で接続するために取得した接続先特定情報に基づいて、接続先を課金管理装置から切り換えて画像形成装置と第2通信経路で接続し、携帯端末が、画像形成装置に印刷画像を形成させる際、課金情報の少なくとも一部が印刷画像の形成に利用せずに残ると、接続先を画像形成装置から切り換えて課金管理装置と第1通信経路で接続して、残った少なくとも一部の課金情報を利用可能課金情報として送信し、携帯端末が、課金管理装置と第1通信経路で接続して利用可能課金情報を取得し、携帯端末が、印刷画像の形成に必要な課金情報と比べて利用可能課金情報が不足していても、課金管理装置から課金情報を追加で取得しない場合、接続先を課金管理装置から切り換えて画像形成装置と第2通信経路で接続して、利用可能課金情報に応じた印刷データを画像形成装置に送信して印刷データに基づき印刷画像を形成させることにより、画像形成装置を、課金管理装置に接続していなくても携帯端末のユーザに課金したうえで印刷画像の形成に使用させることができ、かくして画像形成サービスを提供する画像形成システムの利便性を向上し得る画像形成方法、画像形成システム及び携帯端末を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明によるサービス提供システムの構成を示すブロック図である。
図2】プリンタ、携帯端末及び課金管理サーバのハードウェア回路ブロックによる回路構成を示すブロック図である。
図3】携帯端末にプリンタを接続先として特定させるための接続先特定情報の説明に供する略線図である。
図4】商品管理リストの構成を示す略線図である。
図5】プリンタ、携帯端末及び課金管理サーバそれぞれの制御部が実行する各種処理の説明に供する機能回路ブロックによる回路構成を示すブロック図である。
図6】ユーザ情報リストの構成を示す略線図である。
図7】第1画像形成処理手順を示すフローチャートである。
図8】プリンタ、携帯端末及び課金管理サーバそれぞれの制御部が実行する各種処理の説明に供する機能回路ブロックによる回路構成を示すブロック図である。
図9】第2画像形成処理手順を示すフローチャートである。
図10】形成完了確認処理サブルーチン(1)を示すフローチャートである。
図11】形成完了確認処理サブルーチン(2)を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下図面を用いて、発明を実施するための最良の形態(以下、これを実施の形態とも呼ぶ)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
(1)第1の実施の形態
(2)第2の実施の形態
(3)他の実施の形態
【0011】
(1)第1の実施の形態
(1−1)サービス提供システムの構成
図1において、1は全体として第1の実施の形態によるサービス提供システムを示す。サービス提供システム1は、ユーザに有料で媒体の表面に印刷画像を形成する画像形成サービスを提供するものであり、プリンタ2と、スマートホンやタブレット端末のような携帯端末3と、コンピュータ構成の課金管理サーバ4とから構築されている。プリンタ2は、印刷データに基づき媒体の表面に印刷画像を形成するものである。因みに印刷データは、プリンタ2に対し形成対象(すなわち印刷対象)の印刷画像をページ単位(すなわち媒体単位)で任意のページ分(すなわち1又は複数のページ分)形成させるように生成されている。またプリンタ2は、ユーザが携帯端末3を介して印刷画像の形成に使用可能なように、市役所及び図書館等の公共施設や、スーパーマーケット及びコンビニエンスストア等の店舗のような当該ユーザが自由に訪れることができる場所に設置されている。そしてプリンタ2は、無線LAN(Local Area Network)や有線LAN等のローカルネットワークである第1ネットワーク6を介して無線通信用のアクセスポイント7に接続されている。
【0012】
課金管理サーバ4は、ユーザに画像形成サービスを提供するサービス提供会社によって管理運営されており、プリンタ2を印刷画像の形成に使用するユーザに印刷画像の形成代金を課金するものである。そして課金管理サーバ4は、無線LANや有線LAN等のローカルネットワークである第2ネットワーク8、及びルータ9を順次介して広域ネットワークであるインターネット10に接続されている。携帯端末3は、3Gと呼ばれる携帯通信規格や4G(LTE:Long Term Evolution)と呼ばれる次世代高速携帯通信規格等の携帯通信規格に準じた第1通信方式で公衆回線網(図示せず)に接続することで、第1通信経路である当該公衆回線網、ゲートウェイ11、インターネット10、ルータ9及び第2ネットワーク8を順次介して課金管理サーバ4と接続して通信することができる。また携帯端末3は、第1通信方式とは異なるWi−Fi(Wireless Fidelity)のような無線LANの通信規格に準じた第2通信方式でアクセスポイント7と接続することで、第1通信経路とは異なる第2通信経路である当該アクセスポイント7及び第1ネットワーク6を順次介してプリンタ2と接続して通信することもできる。すなわち携帯端末3は、プリンタ2及び課金管理サーバ4と個別に通信することができる。
【0013】
よって携帯端末3は、ユーザ操作に応じて課金管理サーバ4と通信して、当該課金管理サーバ4から印刷画像の形成代金の支払いに充てる商品券データとしての例えばクーポンデータを購入する。すなわち携帯端末3は、課金管理サーバ4から、当該課金管理サーバ4がユーザに印刷画像の形成代金を課金するための課金情報であるクーポンデータ(すなわち商品券データ)を取得する。なおクーポンデータは、その販売代金に応じた印刷画像の形成可能な量(以下、これを画像形成可能量とも呼ぶ)を示すものである。そして携帯端末3は、接続先を課金管理サーバ4からプリンタ2に切り換えて通信して、当該プリンタ2にクーポンデータが示す画像形成可能量に応じた印刷データを送信する。これによりプリンタ2は、印刷データに基づき1又は複数の媒体の表面に印刷画像を形成する。このようにしてサービス提供システム1は、ユーザに、課金管理サーバ4によってクーポンデータの販売形態で印刷画像の形成代金を課金して、携帯端末3を介してプリンタ2を印刷画像の形成に使用させることで、画像形成サービスを提供している。
【0014】
(1−2)プリンタ、携帯端末及び課金管理サーバの回路構成
次いで図2を用いて、プリンタ2、携帯端末3及び課金管理サーバ4各々のバードウェア回路ブロックによる回路構成について説明する。因みに図2には、説明を簡略化するため、携帯端末3とプリンタ2との間や、当該携帯端末3と課金管理サーバ4との間の通信媒体である上述した第1ネットワーク6及びアクセスポイント7や、第2ネットワーク8、ルータ9、インターネット10、ゲートウェイ11及び公衆回線網を除いて、当該プリンタ2、携帯端末3及び課金管理サーバ4各々のバードウェア回路ブロックによる回路構成を示している。プリンタ2は、例えばCPU(Central Processing Unit)又はマイクロプロセッサのような制御部20を有している。そして制御部20には、バス21を介してROM(Read Only Memory)22、及び当該制御部20のワークエリアであるRAM(Random Access Memory)23が接続されている。また制御部20には、バス21を介して、媒体の表面に印刷画像を形成する印刷画像形成部24、及び上述したように携帯端末3と通信するためのネットワークインタフェース25も接続されている。制御部20は、係る構成のもと、ROM22に予め記憶した基本プログラムや画像形成処理プログラム等の各種プログラムをRAM23に適宜読み出して展開する。これにより制御部20は、RAM23で展開した各種プログラムに従い、プリンタ2全体を統括制御すると共に、携帯端末3から送信される種々のコマンドや印刷データに応じた各種処理を実行する。
【0015】
ところでサービス提供会社は、画像形成サービスの提供用としてプリンタ2が設置される際、携帯端末3にプリンタ2を接続先として特定させるための図3に示すような接続先特定情報を暗号化又は難読化した後、符号化することで所定フォーマットの2次元コードを例えばPNG(Portable Network Graphics)形式の画像として生成する。因みに接続先特定情報は、プリンタ2のIP(Internet Protocol)アドレスや、当該プリンタ2が第1ネットワーク6を介して接続されるアクセスポイント7のSSID(Service Set Identifier)、セキュリティの種類及びパスワード等の情報である。また接続先特定情報を符号化して得られる2次元コードは、QR(Quick Response)コード(登録商標)、DATA MATRIX(登録商標)、又はMaxi Code(登録商標)等である。そしてサービス提供会社は、2次元コードを印刷したラベル26をプリンタ2の外装面の目で見える所定箇所に貼着している。これによりサービス提供会社は、ユーザにより携帯端末3を介して印刷画像の形成に使用されるプリンタ2を、当該携帯端末3に対しプリンタ2に貼着されたラベル26の2次元コードをもとに接続先として指定させることができる。すなわちサービス提供会社は、ユーザにより携帯端末3を介してプリンタ2が印刷画像の形成に使用される際、当該携帯端末3をプリンタ2と、これに貼着されたラベル26の2次元コードをもとに通信可能にしている。
【0016】
携帯端末3は、例えばCPU又はマイクロプロセッサのような制御部30を有している。そして制御部30には、バス31を介してROM32、当該制御部30のワークエリアであるRAM33が接続されている。また制御部30には、バス31を介して、表示画面に対する各種画像の表示とタッチ操作とが可能なタッチスクリーンである操作表示部34、及び撮像部35も接続されている。さらに制御部30には、バス31を介して、上述したように課金管理サーバ4と通信するための第1通信処理部36及び第1アンテナ37が順に接続されると共に、上述したようにプリンタ2と通信するための第2通信処理部38及び第2アンテナ39も順に接続されている。制御部30は、係る構成のもと、ROM32に予め記憶した基本プログラムや第1画像形成処理プログラム等の各種プログラムをRAM33に適宜読み出して展開する。これにより制御部30は、RAM33で展開した各種プログラムに従って携帯端末3全体を統括制御すると共に、プリンタ2や課金管理サーバ4との通信に応じた各種処理を実行する。
【0017】
課金管理サーバ4は、例えばCPU又はマイクロプロセッサのような制御部40を有している。そして制御部40には、バス41を介してHDD(Hard Disk Drive)のような記憶部42、当該制御部40のワークエリアであるRAM43、及び上述したように携帯端末3と通信するためのネットワークインタフェース44が接続されている。制御部40は、係る構成のもと、記憶部42に予め記憶した基本プログラムや課金管理処理プログラム等の各種プログラムをRAM43に適宜読み出して展開する。これにより制御部40は、RAM43で展開した各種プログラムに従って課金管理サーバ4全体を統括制御すると共に、携帯端末3との通信に応じた各種処理を実行する。
【0018】
ところで制御部40は、記憶部42に予め複数種類のクーポンデータを記憶している。複数種類のクーポンデータは、それぞれ画像形成可能量と共に販売金額が異なっており、これらを個別に識別可能なクーポン識別情報と共に、画像形成可能量を示す情報が格納されて生成されている。ここで第1の実施の形態では、例えば画像形成可能量をポイントで表現し、1ページの印刷画像の形成に利用するポイントを1ポイントとしている。このためクーポンデータには、画像形成可能量を示す情報として、当該画像形成可能量に応じたポイント数を示すものが格納されている。そして記憶部42には、クーポンデータとして画像形成可能量を1ポイントから9ポイントまでの1ポイント単位のポイント数で示すものや、10ポイントから90ポイントまでの10ポイント単位のポイント数を示すもの、また100ポイントから1000ポイントまでの100ポイント単位のポイント数を示すもの等のように種々のものが記憶されている。なお複数種類のクーポンデータの販売金額は、画像形成可能量(すなわちポイント数)が多いほど、割安となるように設定されている。
【0019】
また制御部40は、記憶部42に、複数種類のクーポンデータを販売可能な商品として管理するための例えば、図4に示すような商品管理リスト46も記憶している。商品管理リスト46には、クーポン識別情報を記述する商品識別情報欄46Aと、クーポンデータに付けられた商品名を記述するための商品名欄46Bと、クーポンデータの販売金額を記述するための金額欄46Cとが設けられている。よって商品管理リスト46には、クーポンデータ毎に、当該クーポンデータのクーポン識別情報、商品名及び販売金額が互いに対応付けられて記述されている。因みにクーポンデータの商品名には、ユーザに提示した際、当該クーポンデータを利用してどの程度の量の印刷画像が形成可能であるのかを容易に認識させるために、例えば「印刷クーポン1」や「印刷クーポン10」のようにポイント数を表す数字が盛り込まれている。
【0020】
ここで図2と共に図5を用いて、プリンタ2、携帯端末3及び課金管理サーバ4各々の制御部20、30、40が実行する各種処理について具体的に説明する。ただし以下には、図5において、上述した通信媒体と、制御部20、30、40以外のバードウェア回路ブロックとを除き、これら制御部20、30、40が各種プログラムに従って実現する各種機能をそれぞれ便宜上、機能回路ブロックとして示して、当該制御部20、30、40が各種プログラムに従って実行する種々の処理を各機能回路ブロックが実行する処理として説明する。なおプリンタ2、携帯端末3及び課金管理サーバ4は、以下に示す機能回路ブロックと同様の処理を実行可能なハードウェア構成の回路ブロックを設け、制御部20、30、40が実行する種々の処理を当該ハードウェア構成の回路ブロックによって実行するように構成することもできる。
【0021】
プリンタ2において印刷制御部50は、ユーザにより携帯端末3を介して当該プリンタ2が印刷画像の形成に使用される際、携帯端末3から送信される印刷データをネットワークインタフェース25で受信して取り込む。そして印刷制御部50は、印刷データに基づき印刷画像形成部24を駆動制御することにより1又は複数の媒体の表面に印刷画像をページ単位で形成する。
【0022】
図6に示すように、課金管理サーバ4においてユーザ管理部52は、記憶部42に、画像形成サービスの利用を希望する複数のユーザのユーザ情報53Aをユーザ情報リスト53として記憶することで、複数のユーザをユーザ登録して画像形成サービスの利用を許可している。ここでユーザ情報リスト53は、記憶部42上で複数のユーザのユーザ情報53Aを、例えばユーザ登録の順番と共に登録ユーザ数を示す登録番号53Bを付与してユーザ登録順に並べて生成されている。そしてユーザ管理部52は、ユーザ情報リスト53にユーザ毎のユーザ情報53Aとして、ユーザ識別情報及びパスワードを登録している。ところで携帯端末3は、プリンタ2を印刷画像の形成に使用する際、ユーザによって形成対象の印刷画像がページ数と共に任意に選定されている。このため携帯端末3では、プリンタ2の使用に際してクーポンデータを購入しても、画像形成可能量に満たないページ数の印刷画像を形成する場合がある。すなわち携帯端末3では、購入したクーポンデータにおいて画像形成可能量を示すポイントの少なくとも一部が、印刷画像の形成に利用されずに残る場合がある。
【0023】
よってユーザ管理部52は、このように携帯端末3において画像形成可能量を示すポイントの少なくとも一部が印刷画像の形成に使用されずに残った場合、当該残ったポイントのポイント数を、次回以降の印刷画像の形成に利用可能なように管理している。すなわちユーザ管理部52は、ユーザ情報リスト53にユーザ毎のユーザ情報53Aとして、印刷画像の形成に利用可能なポイントのポイント数を示す形成利用可能量も登録している。そしてユーザ管理部52は、携帯端末3によりクーポンデータとして取得されたポイントが全て印刷画像の形成に利用された場合は形成利用可能量を示すポイント数を0にするものの、当該ポイントの少なくとも一部が印刷画像の形成に利用されずに残った場合は形成利用可能量を示すポイント数を当該残ったポイントのポイント数としている。因みにユーザ管理部52は、ユーザ情報リスト53にユーザ毎のユーザ情報53Aとして、携帯端末3が印刷画像の形成に利用したポイントの積算量を示す形成利用積算量も登録している。
【0024】
実際にユーザ管理部52は、ユーザ登録を要求するユーザの携帯端末3から送信されたユーザ登録依頼データがネットワークインタフェース44で受信されると、これに応じてユーザ情報としてのユーザ識別情報及びパスワードを要求するユーザ情報要求データをネットワークインタフェース44から携帯端末3に送信する。因みに以下の説明では、ユーザ登録を要求したユーザを適宜、登録要求ユーザとも呼ぶ。その結果、ユーザ管理部52は、携帯端末3から登録要求ユーザにより任意に選定されたユーザ識別情報及びパスワードを格納したユーザ情報通知データが送信されると、これをネットワークインタフェース44で受信して取り込む。これによりユーザ管理部52は、ユーザ情報通知データに格納されている登録要求ユーザのユーザ識別情報及びパスワードを記憶部42に記憶してユーザ情報リスト53に追加する。またユーザ管理部52は、登録要求ユーザの形成利用可能量及び形成利用積算量も記憶部42に記憶してユーザ情報リスト53に追加する。ただしユーザ管理部52は、このとき登録要求ユーザの形成利用可能量及び形成利用積算量を示すポイント数を何れも初期値である0にしている。
【0025】
なおユーザ管理部52は、登録要求ユーザのユーザ識別情報及びパスワードを取得すると、記憶部42に記憶する前に、ユーザ登録済みの他のユーザのユーザ識別情報及びパスワードの中に、当該登録要求ユーザのユーザ識別情報及びパスワードと一致するものがあるか否かを確認する。そしてユーザ管理部52は、ユーザ登録済みの他のユーザのユーザ識別情報及びパスワードの中に、登録要求ユーザのユーザ識別情報及びパスワードと一致するものがあると、当該登録要求ユーザから改めてユーザ識別情報及びパスワードを取得し直す。これによりユーザ管理部52は、記憶部42に、登録要求ユーザ固有のユーザ識別情報及びパスワードを記憶している。このようにしてユーザ管理部52は、登録要求ユーザをユーザ登録する。
【0026】
そしてユーザ管理部52は、ユーザをユーザ登録すると、その後はユーザの携帯端末3と通信する際、通信開始時点に携帯端末3からユーザ識別情報及びパスワードを格納した認証依頼データが送信されるため、これをネットワークインタフェース44で受信して取り込む。よってユーザ管理部52は、認証依頼データに格納されているユーザ識別情報及びパスワードと、ユーザ情報リスト53に登録しているユーザ識別情報及びパスワードとに基づき、携帯端末3のユーザに対する認証処理を実行する。その結果、ユーザ管理部52は、携帯端末3のユーザを既にユーザ登録した(すなわち画像形成サービスの利用を許可した)正規ユーザであると認証すると、その旨を携帯端末3に通知して、当該携帯端末3との通信を継続する。
【0027】
これによりユーザ管理部52は、通信中の携帯端末3からプリンタ2の印刷画像の形成への使用に先立ち、形成利用可能量を問い合わせる利用可能量問合データが送信されると、これをネットワークインタフェース44で受信して取り込む。この際、ユーザ管理部52は、記憶部42からユーザの形成利用可能量を示すポイント数を読み出し、そのポイント数により形成利用可能量を通知する形成利用可能量通知データを生成してネットワークインタフェース44から携帯端末3に送信する。これによりユーザ管理部52は、形成利用可能量を示すポイント数が1ポイント以上である場合、携帯端末3に対し当該形成利用可能量を示すポイント数のポイントを所望のポイント数だけ印刷画像の形成に利用させることができる。そしてユーザ管理部52は、通信中の携帯端末3からプリンタ2を印刷画像の形成に使用したことで、後述するように形成利用可能量を更新し、当該更新した形成利用可能量をポイント数で通知する更新形成利用可能量通知データが送信されると、これをネットワークインタフェース44で受信して取り込む。またユーザ管理部52は、更新された形成利用可能量を示すポイント数を記憶部42に送出することにより、既に記憶している形成利用可能量を示すポイント数に上書きする。すなわちユーザ管理部52は、ユーザ情報リスト53においてユーザの形成利用可能量を当該ユーザによるプリンタ2を使用した印刷画像の形成に応じて更新する。このようにしてユーザ管理部52は、ユーザの形成利用可能量を管理し、プリンタ2での印刷画像の形成に利用させることできる。すなわちユーザ管理部52は、ユーザによりプリンタ2が使用されて印刷画像が形成された際にポイントが使い切らずに残っても、これを形成利用可能量として管理して次回以降の印刷画像の形成に無駄なく利用させることができる。
【0028】
因みにユーザ管理部52は、通信中の携帯端末3から送信された利用可能量問合データを取り込んだとき、記憶部42からユーザの形成利用積算量を示すポイント数も読み出し、そのポイント数により形成利用積算量を通知する形成利用積算量通知データも生成している。またユーザ管理部52は、形成利用可能量通知データと共に形成利用積算量通知データもネットワークインタフェース44から携帯端末3に送信している。そしてユーザ管理部52は、携帯端末3からプリンタ2を印刷画像の形成に使用すると、形成利用積算量も更新して、これをポイント数で通知する更新形成利用積算量通知データが更新形成利用可能量通知データと共に送信されることにより、当該形成利用積算量通知データをネットワークインタフェース44で受信して取り込む。よってユーザ管理部52は、更新された形成利用積算量を示すポイント数を記憶部42に送出して、既に記憶している形成利用積算量を示すポイント数に上書きし、ユーザ情報リスト53においてユーザの形成利用積算量も更新する。
【0029】
商品管理部54は、通信中の(すなわちユーザ管理部52により認証されたユーザの)携帯端末3から商品提示要求データが送信されると、これをネットワークインタフェース44で受信して取り込む。この際、商品管理部54は、記憶部42に記憶している商品管理リスト46に基づき、全てのクーポンデータをクーポン識別情報、商品名及び販売金額によって提示するための販売商品提示画像データを生成してネットワークインタフェース44から携帯端末3に送信する。これにより商品管理部54は、携帯端末3において販売商品提示画像データに基づく販売商品提示画像を表示させ、当該販売商品提示画像によりユーザに販売中のクーポンデータを提示する。そして商品管理部54は、携帯端末3から購入を希望するクーポンデータがクーポン識別情報として選択され、当該選択されたクーポン識別情報を格納した商品購入データが送信されると、これをネットワークインタフェース44で受信して取り込む。よって商品管理部54は、商品購入データに格納されているクーポン識別情報に基づき記憶部42から、当該クーポン識別情報で識別されるクーポンデータを読み出してネットワークインタフェース44から携帯端末3に送信する。
【0030】
また商品管理部54は、この際、商品購入データに格納されているクーポン識別情報を決済管理部55に送出する。決済管理部55は、商品管理部54からクーポン識別情報が与えられると、記憶部42から商品管理リスト46内の当該クーポン識別情報に対応する販売金額を読み出す。そして決済管理部55は、口座引き落としや払い込み等の既存の決済方法によりユーザに販売金額を支払わせる(すなわちユーザに対し携帯端末3で受け取ったクーポンデータの販売金額を決済する)。このようにして商品管理部54は、決済管理部55と共に、ユーザに購入を希望するクーポンデータを販売する(すなわち購入させる)ことができ、当該クーポンデータの販売形態で印刷画像の形成代金を課金することができる。
【0031】
携帯端末3は、通常、第1通信方式で公衆回線網に接続されている。この状態で接続先指定部60は、プリンタ2の近傍でユーザにより操作表示部34を介してコード読取モードでの撮像機能の起動が指示されると、当該撮像機能を起動する。これにより接続先指定部60は、ユーザに表示画面を介して、ラベル26の2次元コードを所定の撮像範囲に収めて撮像するようにガイドする。そのうえで2次元コード読取部61は、操作表示部34に対するユーザ操作に応じて撮像部35によりラベル26の表面が撮像されると、当該撮像部35から撮像画像データを取り込む。そして2次元コード読取部61は、撮像画像データに基づく撮像画像から2次元コードを特定して切り出し、得られた2次元コードのコードデータを接続先指定部60に送出する。これにより接続先指定部60は、コードデータを復号した後、解読し、得られた接続先特定情報をRAM33に記憶する。また印刷データ生成部62は、ラベル26の表面の撮像に引き続き、ユーザにより操作表示部34を介して種々の画像の中から所望の画像が印刷用に選択されると、その選択された画像のデータに基づき、当該画像を1又は複数ページの印刷画像として形成するための印刷データを生成する。そして印刷データ生成部62は、印刷データを画像形成制御部63に送出する。因みに携帯端末3では、ユーザに対し、RAM33又は図示しない記憶部に記憶している写真画像や電話帳画像、またインターネット10上のWebページの画像、クラウドのファイル共有サービスが提供する文書ファイルの画像等のように種々の画像の中から印刷用の画像を選択させることができる。
【0032】
画像形成制御部63は、印刷データ生成部62から印刷データが与えられると、その印刷データに基づいて形成される印刷画像のページ数を検出する。そして画像形成制御部63は、その検出した印刷画像のページ数に基づき、当該印刷画像の形成に利用すると見込まれるポイントのポイント数を利用見込量として求める。ただし第1の実施の形態の場合、携帯端末3は、プリンタ2による印刷画像の形成に、画像形成可能量や形成利用可能量を示すポイントを1ページにつき1ポイントの割合で利用する。よって画像形成制御部63は、この際、印刷データに基づいて形成される印刷画像のページ数と同数のポイント数を利用見込量とする。そのうえで画像形成制御部63は、印刷データを、操作表示制御部64を介して操作表示部34に送出することにより、表示画面に当該印刷データに基づく印刷画像をプレビュー表示する。この状態で画像形成制御部63は、ユーザにより印刷の実行が指示されると、現在、課金管理サーバ4にログインしているか否かを検出する。その結果、課金管理サーバ4にログインしていないと、ROM32からユーザ情報入力画像データを読み出し、操作表示制御部64を介して操作表示部34に送出することにより、表示画面に当該ユーザ情報入力画像データに基づくユーザ情報入力画像を表示する。ここでユーザ情報入力画像は、ユーザに表示画面上でユーザ情報としてのユーザ識別情報及びパスワードを入力させ、またユーザが未だ課金管理サーバ4にユーザ登録していない場合は、ユーザ登録を要求させるように生成されている。
【0033】
よって画像形成制御部63は、この際、ユーザにより表示画面上でユーザ登録が要求されると、その旨を認証依頼部65及び接続先切換部66に通知する。この際、認証依頼部65は、ユーザ登録依頼データを生成して画像形成制御部63に送出する。また接続先切換部66は、RAM33から予め記憶している課金管理サーバ4のネットワークアドレスを読み出し、当該ネットワークアドレスに従い第1通信処理部36及び第1アンテナ37を順次介して課金管理サーバ4との通信を開始する。これにより画像形成制御部63は、ユーザ登録依頼データを第1通信処理部36及び第1アンテナ37を順次介して課金管理サーバ4に送信する。その結果、画像形成制御部63は、課金管理サーバ4から送信されたユーザ情報要求データを第1アンテナ37で受信して第1通信処理部36を介して取り込み、これに応じて表示画面を介してユーザにユーザ識別情報及びパスワードを任意に選定して入力するように促す。そして画像形成制御部63は、ユーザにより表示画面上でユーザ識別情報及びパスワードが入力されると、認証依頼部65によりユーザ情報通知データを生成し、第1通信処理部36及び第1アンテナ37を順次介して課金管理サーバ4に送信する。
【0034】
これに対して画像形成制御部63は、この際、既にユーザをユーザ登録していることで、当該ユーザにより表示画面上でユーザ識別情報及びパスワードが入力されると、その旨を接続先切換部66に通知すると共に、認証依頼部65にユーザ識別情報及びパスワードを送出する。よって認証依頼部65は、ユーザ識別情報及びパスワードを格納した認証依頼データを生成して画像形成制御部63に送出する。また接続先切換部66は、上述と同様に課金管理サーバ4との通信を開始する。これにより画像形成制御部63は、認証依頼データを第1通信処理部36及び第1アンテナ37を順次介して課金管理サーバ4に送信する。このようにして画像形成制御部63は、課金管理サーバ4からユーザ登録が完了したこと、又はユーザを正規ユーザと認証したことが通知されると、引き続き利用可能量問合データを第1通信処理部36及び第1アンテナ37を順次介して課金管理サーバ4に送信する。因みに画像形成制御部63は、ユーザにより印刷の実行が指示されたとき、既に課金管理サーバ4にログインしていると、当該印刷の実行の指示に引き続き、利用可能量問合データを第1通信処理部36及び第1アンテナ37を順次介して課金管理サーバ4に送信する。
【0035】
そして画像形成制御部63は、課金管理サーバ4から形成利用可能量通知データが送信されると、これを第1アンテナ37で受信して第1通信処理部36を介して取り込む。この際、画像形成制御部63は、形成利用可能量通知データにより0以上のポイント数として通知されたユーザの形成利用可能量と、1以上のポイント数で示す利用見込量とを比較して、当該利用見込量が形成利用可能量を上回っているか否かを判別する。その結果、画像形成制御部63は、利用見込量が形成利用可能量を上回っていると、ROM32からクーポン購入問合画像データを読み出し、操作表示制御部64を介して操作表示部34に送出することにより、表示画面に当該クーポン購入問合画像データに基づくクーポン購入問合画像を表示する。これにより画像形成制御部63は、ユーザにクーポン購入問合画像を介して例えば、全ページ分の印刷画像を形成するには利用可能なポイントが不足している旨を通知し、印刷画像の形成に利用するクーポンデータを購入するか否かを問い合わせる。そして画像形成制御部63は、ユーザにより表示画面上でクーポンデータを購入するように指示されると、その旨を商品購入部67に通知する。
【0036】
この際、商品購入部67は、商品提示要求データを生成し、第1通信処理部36及び第1アンテナ37を順次介して課金管理サーバ4に送信する。そして商品購入部67は、課金管理サーバ4から送信された販売商品提示画像データを第1アンテナ37で受信して第1通信処理部36を介して取り込み、画像形成制御部63に送出する。また画像形成制御部63は、販売商品提示画像データを、例えば利用見込量に対する形成利用可能量の差分をポイント数で示すように加工したうえで操作表示制御部64を介して操作表示部34に送出することにより、表示画面に当該販売商品提示画像データに基づく販売商品提示画像を表示する。これにより画像形成制御部63は、ユーザに販売商品提示画像を介して、販売中のクーポンデータをクーポン識別情報、商品名及び販売金額として提示する。また画像形成制御部63は、ユーザに販売商品提示画像を介して、印刷を指示した印刷画像を全ページ分形成するには、その形成に利用するポイントがどの程度不足しているのか(すなわち不足しているポイントのポイント数)も通知する。この状態で画像形成制御部63は、ユーザにより表示画面上で購入を希望するクーポンデータが例えばクーポン識別情報として選択されると、当該クーポンデータとして選択されたクーポン識別情報を商品購入部67に送出する。また商品購入部67は、クーポン識別情報を格納した商品購入データを生成し、第1通信処理部36及び第1アンテナ37を順次介して課金管理サーバ4に送信する。これにより商品購入部67は、課金管理サーバ4から送信されたクーポンデータを第1アンテナ37で受信して第1通信処理部36を介して取り込み、画像形成制御部63に送出する。このようにして画像形成制御部63は、課金管理サーバ4から印刷画像の形成に利用するクーポンデータを購入することができる。すなわち画像形成制御部63は、課金管理サーバ4に対しユーザに印刷画像の形成代金を課金させることができる。
【0037】
この際、画像形成制御部63は、クーポンデータから画像形成可能量を示すポイント数を取り出すと共に、形成利用可能量を、画像形成可能量を示すポイント数を加算して更新し、その旨を接続先切換部66に通知する。接続先切換部66は、画像形成制御部63から通知を受けると、課金管理サーバ4との通信を終了して、RAM33から、この際に接続先指定部60が記憶していた接続先特定情報を読み出す。そして接続先切換部66は、接続先特定情報に従い第2通信処理部38及び第2アンテナ39を順次介してプリンタ2との通信を開始することで、接続先を課金管理サーバ4からプリンタ2へ切り換える。ここで画像形成制御部63は、更新した形成利用可能量が利用見込量以上になっていると、利用見込量を何ら変更せずに、印刷データ生成部62に印刷データをそのままプリンタ2に送信するように指示する。これにより印刷データ生成部62は、画像形成制御部63の指示に応じて、印刷データをそのまま第2通信処理部38及び第2アンテナ39を順次介してプリンタ2に送信する。これに対して画像形成制御部63は、形成利用可能量を更新しても利用見込量より少ないと、利用見込量を示すポイント数を、当該形成利用可能量を示すポイント数に変更する。また画像形成制御部63は、変更した利用見込量に基づき、これが示すポイント数のポイントを利用して形成可能な印刷画像のページ数(以下、これを適宜、形成可能ページ数とも呼ぶ)を求める。そして画像形成制御部63は、印刷データ生成部62に形成可能ページ数分の印刷画像を形成するための印刷データをプリンタ2に送信するように指示する。これにより印刷データ生成部62は、画像形成制御部63の指示に応じて、例えば印刷データの先頭から形成可能ページ数分の印刷画像の形成を指示する部分を新たな印刷データとする。そして印刷データ生成部62は、新たな印刷データを第2通信処理部38及び第2アンテナ39を順次介してプリンタ2に送信する。
【0038】
ところで画像形成制御部63は、利用見込量が形成利用可能量を上回っていたためにユーザにクーポンデータを購入するか否かを問い合わせても、当該ユーザにより表示画面上でクーポンデータを購入しないことが指示されると、この際にはクーポンデータを購入しない。しかしながら画像形成制御部63は、このようにクーポンデータを購入しなくても、形成利用可能量を示すポイント数が0より多い場合は、その旨を接続先切換部66に通知する。よって接続先切換部66は、この場合も上述と同様に接続先を課金管理サーバ4からプリンタ2へ切り換える。そして画像形成制御部63は、上述と同様に、形成利用可能量に応じて利用見込量を変更して形成可能ページ数を求めて、印刷データ生成部62にプリンタ2への印刷データの送信を指示する。これにより印刷データ生成部62は、画像形成制御部63の指示に応じて、上述と同様に印刷データの一部を新たな印刷データとして、第2通信処理部38及び第2アンテナ39を順次介してプリンタ2に送信する。
【0039】
さらに画像形成制御部63は、上述したように形成利用可能量と利用見込量とを比較した結果、当該利用見込量が形成利用可能量以内であると、その旨を接続先切換部66に通知する。よって接続先切換部66は、上述と同様に接続先を課金管理サーバ4からプリンタ2へ切り換える。そして画像形成制御部63は、上述と同様に利用見込量を変更せずに、印刷データ生成部62に印刷データをそのままプリンタ2に送信するように指示する。これにより印刷データ生成部62は、画像形成制御部63の指示に応じて、印刷データをそのまま第2通信処理部38及び第2アンテナ39を順次介してプリンタ2に送信する。因みに画像形成制御部63は、形成利用可能量を示すポイント数が0である(すなわち携帯端末3が印刷画像の形成に利用し得るポイントを全く取得していない)にもかかわらず、ユーザの指示に応じてクーポンデータの購入を見合わせた際には、プリンタ2を印刷画像の形成に使用しない。すなわち画像形成制御部63は、例えば操作表示部34の表示画面に所定のメッセージを表示して、ユーザに印刷画像の形成に利用可能なポイントを取得していないために印刷画像を形成し得ないことを通知した後、プリンタ2には印刷データを送信せず、また課金管理サーバ4との通信を終了する。このようにして画像形成制御部63は、形成利用可能量を示すポイント数が更新の有無に係わらずに0よりも多い場合は、形成利用可能量に応じてプリンタ2に印刷データを送信して印刷画像の形成を指示することで、当該プリンタ2を使用して形成利用可能量以内の(すなわち利用見込量に相当する)ページ数分の印刷画像を形成することができる。
【0040】
ところで画像形成制御部63は、印刷データ生成部62がプリンタ2に印刷データを送信すると、当該印刷データ生成部62に印刷データの送信を指示するために適宜変更して使用していた利用見込量を、形成利用可能量の更新に用いる更新用利用見込量とする。すなわち画像形成制御部63は、印刷データ生成部62から実際にプリンタ2へ送信した印刷データに対応する(すなわち印刷データによって形成可能な印刷画像のページ数に対応する)利用見込量を更新用利用見込量とする。そして画像形成制御部63は、形成利用可能量から更新用利用見込量を減算して当該形成利用可能量を更新し、当該更新した形成利用可能量をポイント数で通知する更新形成利用可能量通知データを生成する。そのうえで画像形成制御部63は、ROM32からユーザ情報入力画像データを読み出し、上述と同様に操作表示部34の表示画面にユーザ情報入力画像を表示する。これにより画像形成制御部63は、ユーザにより表示画面上でユーザ識別情報及びパスワードが入力されると、その旨を接続先切換部66に通知すると共に、認証依頼部65により上述と同様に認証依頼データを生成する。
【0041】
この際、接続先切換部66は、プリンタ2との通信を終了して、上述と同様に課金管理サーバ4との通信を開始する。これにより画像形成制御部63は、再び認証依頼データを第1通信処理部36及び第1アンテナ37を順次介して課金管理サーバ4に送信する。その結果、画像形成制御部63は、課金管理サーバ4からユーザを正規ユーザと認証したことが通知されると、引き続き更新形成利用可能量通知データを第1通信処理部36及び第1アンテナ37を順次介して課金管理サーバ4に送信する。因みに画像形成制御部63は、この際、形成利用積算量に更新用利用見込量を加算して当該形成利用積算量を更新することで更新形成利用積算量通知データを生成し、これも課金管理サーバ4に送信している。このようにして画像形成制御部63は、課金管理サーバ4に対し更新形成利用可能量通知データ及び更新形成利用積算量通知データに基づきユーザの形成利用可能量及び形成利用積算量を、今回のプリンタ2の使用に応じて更新させる。
【0042】
因みに図5に示す接続先定義部70は、例えば操作表示部34の表示画面上でプリンタ2に関する接続先特定情報を入力させて取得するものである。また2次元コード生成部71は、接続先定義部70が取得した接続先特定情報に基づき上述と同様に2次元コードを画像として生成するものである。接続先定義部70及び2次元コード生成部71は、実際には2次元コード生成用のアプリケーションソフトウェアによって実現する機能であり、ユーザが使用する携帯端末3に特に実装する必要はない。ただし接続先定義部70及び2次元コード生成部71は、サービス提供システムの管理者が使用する携帯端末に実装すれば、プリンタ2が設置される際、当該管理者に携帯端末を介してプリンタ2を、その設置場所で使用させてラベル26に2次元コードを印刷させて、これをプリンタ2に貼着させることができる。
【0043】
(1−3)第1画像形成処理手順
次いで図7に示すフローチャートを用いて、携帯端末3の制御部30が実行する第1画像形成処理手順RT1について説明する。制御部30は、例えば印刷データに基づき、印刷画像の形成に利用するポイントの利用見込量を求めた後、操作表示部34の表示画面に当該印刷データに基づき印刷画像をプレビュー表示する。そして制御部30は、印刷画像をプレビュー表示した操作表示部34の表示画面上でユーザにより印刷の実行が指示されると、ROM32に予め記憶した第1画像形成処理プログラムに従い、図7に示す第1画像形成処理手順RT1を開始する。制御部30は、第1画像形成処理手順RT1を開始すると、ステップSP1において課金管理サーバ4からユーザの形成利用可能量を取得して、次のステップSP2に移る。ステップSP2において制御部30は、形成利用可能量と利用見込量とを比較して、当該利用見込量が形成利用可能量よりも多いか否かを判別する。このステップSP2において肯定結果が得られると、このことは利用見込量が形成利用可能量よりも多いために、ユーザにより選択された形成対象の1又は複数のページの印刷画像を一部のページ分又は全ページ分形成し得ないことを表している。ステップSP2において制御部30は、係る肯定結果を得ると、次のステップSP3に移る。
【0044】
ステップSP3において制御部30は、操作表示部34の表示画面にクーポン購入問合画像を表示して、ユーザに全ページ分の印刷画像を形成するには、利用可能なポイントが不足している旨を通知したうえで、印刷画像の形成に利用するクーポンデータを購入するか否かを判別する。その結果、ステップSP3において制御部30は、ユーザにより表示画面上でクーポンデータを購入するように指示されたことで肯定結果を得ると、次のステップSP4に移る。よってステップSP4において制御部30は、課金管理サーバ4から販売商品提示画像データを取得して、操作表示部34の表示画面に販売商品提示画像を表示する。そして制御部30は、ユーザにより表示画面上で購入を希望するクーポンデータが選択されると、これに応じて課金管理サーバ4から当該選択されたクーポンデータを購入することで、課金管理サーバ4に対しユーザに印刷画像の形成代金を課金させる。これにより制御部30は、形成利用可能量を、クーポンデータが示す画像形成可能量を加算して更新した後、次のステップSP5に移る。
【0045】
これに対してステップSP3において制御部30は、ユーザにより表示画面上でクーポンデータを購入しないことが指示されたことで否定結果を得ると、ステップSP4の処理を実行せずにステップSP5に移る。このためステップSP5において制御部30は、形成利用可能量を示すポイント数が印刷画像の形成に利用し得ない0であるか否かを判別する。このステップSP5において否定結果が得られると、このことは今回初めてプリンタ2を印刷画像の形成に使用するため、又は前回プリンタ2を印刷画像の形成に使用した際、ポイントを残さず利用したため、今回はクーポンデータを購入したことを表している。またステップSP5において否定結果が得られると、このことは前回プリンタ2を印刷画像の形成に使用した際、当該印刷画像の形成に利用せずに残っていたポイントがあるため、今回は残っていたポイントのみを利用して印刷画像を形成すること、又はプリンタ2を印刷画像の形成に使用した際に利用せずに残っていたポイントがあるものの、今回はクーポンデータを追加で購入したことも表している。ステップSP5において制御部30は、係る否定結果を得ると、次のステップSP6に移る。ところでステップSP2において否定結果が得られると、このことは利用見込量が形成利用可能量以内であるため、クーポンデータを特に購入しなくても、前回プリンタ2を使用した際に印刷画像の形成に利用せずに残っていたポイントを今回利用することで、ユーザにより選択された形成対象の1又は複数のページの印刷画像を全ページ分形成し得ることを表している。ステップSP2において制御部30は、係る否定結果を得ると、ステップSP3乃至ステップSP5の処理を実行せずにステップSP6に移る。
【0046】
ステップSP6において制御部30は、接続先を課金管理サーバ4からプリンタ2に切り換えて、次のステップSP7に移る。これによりステップSP7において制御部30は、プリンタ2に形成利用可能量以内の(すなわち利用見込量に相当する)ページ数の印刷画像を形成するための印刷データを送信して当該印刷画像の形成を指示した後、次のステップSP8に移る。ステップSP8において制御部30は、プリンタ2に印刷画像の形成を指示するために適宜変更して用いた利用見込量を更新用利用見込量とする。そして制御部30は、形成利用可能量を、更新用利用見込量を減算して更新して更新形成利用可能量通知データを生成し、次のステップSP9に移る。ステップSP9において制御部30は、接続先をプリンタ2から課金管理サーバ4に切り換えて、次のステップSP10に移る。よってステップSP10において制御部30は、更新形成利用可能量通知データを課金管理サーバ4に送信する。これにより制御部30は、課金管理サーバ4において更新形成利用可能量通知データに基づきユーザの形成利用可能量を、今回のプリンタ2の使用に応じて更新させて次のステップSP11に移り、第1画像形成処理手順RT1を終了する。因みに上述のステップSP5において肯定結果が得られると、このことは今回初めてプリンタ2を印刷画像の形成に使用する、又は前回プリンタ2を印刷画像の形成に使用した際、ポイントを残さず利用していたことで、ユーザにクーポンデータを購入するように促したが、例えばプリンタ2の使用を中止するためにクーポンデータを購入していないことを表している。ステップSP5において制御部30は、係る肯定結果を得ると、ステップSP6乃至ステップSP10の処理を実行せずに、ステップSP11に移って第1画像形成処理手順RT1を終了する。
【0047】
(1−4)第1の実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、サービス提供システム1の携帯端末3は、プリンタ2を印刷画像の形成に使用する際、課金管理サーバ4と通信して、印刷画像の形成に利用するクーポンデータを購入することで、課金管理サーバ4に対しユーザに印刷画像の形成代金を課金させる。そのうえで携帯端末3は、接続先を課金管理サーバ4からプリンタ2に切り換えて、課金情報であるクーポンデータに応じて、1又は複数のページ分の印刷画像の印刷データをプリンタ2に送信することにより、当該プリンタ2により印刷データに基づき1又は複数の媒体の表面に印刷画像をページ単位で形成する。
【0048】
以上の構成によれば、サービス提供システム1は、プリンタ2を、課金管理サーバ4と通信可能に接続せずに設置しても、ユーザに印刷画像の形成代金を課金したうえで当該印刷画像の形成に使用させることができる。これによりサービス提供システム1は、プリンタ2を、設置場所を問わず、また課金管理サーバ4への接続用の設備や装置の敷設及び維持管理を必要とせずに設置してシステム構築して、ユーザに画像形成サービスを提供することができる。よってサービス提供システム1は、従来に比して利便性を格段的に向上させることができる。
【0049】
またサービス提供システム1では、携帯端末3がプリンタ2を使用した際、クーポンデータとして取得していたポイントの少なくとも一部が印刷画像の形成に利用せずに残ると、接続先をプリンタ2から課金管理サーバ4に切り換え、当該残ったポイントのポイント数をプリンタ2の次回以降の使用で印刷画像の形成に利用可能なポイントの形成利用可能量として課金管理サーバ4に通知して管理させる。そしてサービス提供システム1では、携帯端末3が再びプリンタ2を使用する際、課金管理サーバ4に形成利用可能量を問い合わせ、当該問い合わせた形成利用可能量(すなわちポイント数)のポイントを印刷画像の形成に利用するようにした。すなわち携帯端末3は、ユーザに携帯されるものであり、その性質上、誤って壁にぶつけ又は落とす等して衝撃が加わって故障し、また雨に濡れる等して故障する場合がある。このため携帯端末3は、仮に、印刷画像の形成に利用せずに残ったポイントの情報を自身が保持していると、故障した場合に当該ポイントの情報を消失させ、又は読み出せなくなる可能性がある。しかしながらサービス提供システム1では、携帯端末3がプリンタ2を使用した際、印刷画像の形成に利用せずに残ったポイントを、例えばサービス提供会社内に設置された課金管理サーバ4が形成利用可能量として管理する。従ってサービス提供システム1では、携帯端末3に対し購入したクーポンデータを、印刷画像の形成に無駄なく的確に利用させることができる。
【0050】
さらにサービス提供システム1では、携帯端末3がプリンタ2を使用する際、形成利用可能量を示すポイント数のポイントだけでは、印刷画像の形成に利用するポイントが不足する場合、ユーザにクーポンデータの購入を促すようにした。よってサービス提供システム1では、携帯端末3がプリンタ2を使用する際、印刷画像の形成に利用するポイントが不足しても、ユーザの指示に応じてクーポンデータを購入して印刷画像の形成に利用可能なポイントを増加させたうえで印刷画像を形成することができる。これに加えてサービス提供システム1では、携帯端末3がユーザにクーポンデータの購入を促す際、ユーザが印刷を指示した印刷画像を全ページ分形成する場合に不足するポイントのポイント数も通知するようにした。これによりサービス提供システム1では、携帯端末3がユーザにクーポンデータの購入を促す際、印刷画像を全ページ分形成するには、画像形成可能量がどの程度に設定されたクーポンデータを購入すれば良いのかを的確に認識させることができ、画像形成可能量が必要以上に多いクーポンデータが無駄に購入されることを極力回避することができる。
【0051】
さらにまたサービス提供システム1では、携帯端末3がクーポンデータの購入の有無に係わらず、形成利用可能量を示すポイント数のポイントだけでは、ユーザが印刷を指示した印刷画像を一部のページ分形成し得ない場合、プリンタ2に当該印刷画像の印刷データを、形成利用可能量(すなわちポイント数)のポイントに応じたページ分の印刷画像の形成を指示するように修正して送信するようにした。よってサービス提供システム1では、携帯端末3がプリンタ2を使用する際、印刷画像の形成に利用するポイントが不足している場合でも、当該ポイントに応じたページ分の印刷画像を形成することができ、ユーザがプリンタ2の設置場所まで訪れたことが無駄になることを極力回避することができる。
【0052】
(2)第2の実施の形態
(2−1)サービス提供システムの構成
次いで第2の実施の形態によるサービス提供システム80(図1)の構成について説明する。第2の実施の形態によるサービス提供システム80は、上述した第1の実施の形態によるサービス提供システム1(図1)と、プリンタ81(図1)及び携帯端末82(図1)が実行する処理が一部異なることを除いて同様に構成されている。よって第2の実施の形態によるサービス提供システム80の構成については、図1を用いた上述の説明を参照することとし、ここでの説明は省略する。
【0053】
(2−2)プリンタ及び携帯端末の回路構成
次いで第2の実施の形態によるプリンタ81(図2)及び携帯端末82(図2)の回路構成について説明する。ただし第2の実施の形態によるプリンタ81及び携帯端末82は、上述した第1の実施の形態によるプリンタ2及び携帯端末3と、制御部85、86が実行する処理が一部異なることを除いて、バードウェア回路ブロックによる回路構成は同様である。このため第2の実施の形態によるプリンタ81及び携帯端末82のバードウェア回路ブロックによる回路構成については、図2を用いた上述の説明を参照することとし、ここでの説明は省略する。よって以下には、図5との対応部分に同一符号を付した図8を用いて、プリンタ81及び携帯端末82各々の制御部85、86が実行する処理について説明する。因みに以下には、図8において図5の場合と同様に、これら制御部85、86が各種プログラムに従って実現する各種機能をそれぞれ便宜上、機能回路ブロックとして示して、当該制御部85、86が各種プログラムに従って実行する種々の処理を各機能回路ブロックが実行する処理として説明する。なお以下の説明では、プリンタ81の印刷制御部50が、携帯端末82や他の携帯端末(図示せず)から送信された印刷データに基づき印刷画像形成部24を駆動制御して媒体の表面に印刷画像を形成するために実行する画像形成処理を適宜、ジョブとも呼ぶ。
【0054】
プリンタ81においてログ生成部90は、印刷制御部50によってジョブが実行される毎に、当該ジョブの実行結果を示すジョブ実行結果情報を生成し、これらジョブ毎のジョブ実行結果情報を、携帯端末82や他の携帯端末によるプリンタ81の使用履歴(以下、これをログとも呼ぶ)のログデータとしてRAM23に記憶している。実際にログ生成部90は、印刷制御部50によって実行されたジョブが終了した時点で、当該ジョブにより実際に形成された印刷画像のページ数(以下、これを形成完了ページ数とも呼ぶ)や、トナー等の現像剤の使用量、印刷画像を形成した媒体のサイズ、ジョブの実行中におけるエラーの発生の有無等をジョブの実行結果として示すジョブ実行結果情報を生成している。またログ生成部90は、後述するように携帯端末82から送信された印刷データには当該印刷データを個別に識別可能なデータ識別情報が付加されているため、そのデータ識別情報を、対応するジョブ実行結果情報に付加している。これによりログ生成部90は、携帯端末82にログデータを取得要求に応じて提供した場合、データ識別情報に基づき、ログデータに含まれる複数のジョブ実行結果情報の中から当該携帯端末82による印刷画像の形成の指示に応じて実行したジョブのジョブ実行結果情報を特定させている。
【0055】
携帯端末82において画像形成制御部92は、上述した第1の実施の形態による画像形成制御部63が実行する処理と同様の処理を実行するものの、これに加えて印刷データ生成部93に印刷データの送信を指示する際、データ識別情報を生成して渡している。ここで画像形成制御部92は、例えばROM32に予め記憶している携帯端末82のMAC(Media Access Control)アドレスに、印刷データ生成部93に対し印刷データの送信を指示するときの時刻を繋げてデータ識別情報としている。よって印刷データ生成部93は、上述した第1の実施の形態による印刷データ生成部62が実行する処理と同様の処理を実行するものの、画像形成制御部92から印刷データの送信指示と共にデータ識別情報が与えられると、プリンタ81に送信すべき印刷データにデータ識別情報を付加する。そして印刷データ生成部93は、データ識別情報を付加し印刷データを第2通信処理部38及び第2アンテナ39を順次介してプリンタ81に送信している。因みにデータ識別情報は、画像形成制御部92が生成するのではなく、印刷データ生成部93が画像形成制御部92から印刷データの送信指示が与えられたことに応じて生成しても良い。
【0056】
また画像形成制御部92は、印刷データ生成部93により印刷データがプリンタ81に送信された後、更新形成利用可能量通知データ(及び更新形成利用積算量通知データ)を課金管理サーバ4に送信すると、さらにタイマ動作によって開始する処理を形成完了確認処理に設定してタイマ動作部94にタイマ動作の開始を指示する。なお形成完了確認処理は、画像形成制御部92が、プリンタ81に印刷データを送信して指示していた印刷画像の形成が完了したか否かを確認し、既に補正した形成利用可能量を形成完了ページ数に応じて訂正するものである。タイマ動作部94は、画像形成制御部92の指示に応じてタイマ動作を開始して、予め適宜選定された所定の処理開始通知時間に達すると、画像形成制御部92に形成完了確認処理を開始させる。画像形成制御部92は、形成完了確認処理を開始すると、例えば現在、プリンタ81と通信中であるか否かを判別し、通信中であると、ログ取得部95にログデータの取得を指示する。
【0057】
これに対して画像形成制御部92は、現在、プリンタ81と通信していないと、ROM32から接続先切換問合画像データを読み出し、操作表示制御部64を介して操作表示部34に送出することにより、表示画面に当該接続先切換問合画像データに基づく接続先切換問合画像を表示する。これにより画像形成制御部92は、ユーザに接続先切換問合画像を介して例えばプリンタ81で印刷が完了したか確認するために接続先をプリンタ81に切り換えても良いかを問い合わせる。その結果、画像形成制御部92は、ユーザにより表示画面上で接続先をプリンタ81に切り換えるように指示されると、その旨を接続先切換部66に通知すると共に、ログ取得部95にログデータの取得を指示する。よって接続先切換部66は、例えば課金管理サーバ4との通信を終了して、上述と同様にプリンタ81との通信を開始する。これによりログ取得部95は、画像形成制御部92の指示に応じて、ログ取得要求データを第2通信処理部38及び第2アンテナ39を順次介してプリンタ81に送信する。そしてログ取得部95は、プリンタ81からログデータが送信されると、これを第2アンテナ39で受信して第2通信処理部38を介して取り込み、画像形成制御部92に送出する。
【0058】
よって画像形成制御部92は、プリンタ81に送信した印刷データのデータ識別情報に基づきログデータ内で、当該データ識別情報が付加されたジョブ実行結果情報を、形成完了ページ数を確認するための確認対象として探索する。そして画像形成制御部92は、ログデータに確認対象のジョブ実行結果情報が含まれていると、ログデータ内の確認対象のジョブ実行結果情報から形成完了ページ数を取得する。これにより画像形成制御部92は、プリンタ81に送信していた印刷データにより当該プリンタ81に対して形成を指示した印刷画像のページ数(以下、これを形成指示ページ数とも呼ぶ)から形成完了ページ数を減算して差分ページ数を算出する。また画像形成制御部92は、その差分ページ数に基づき、形成利用可能量を適宜訂正するためのポイント数を訂正量(以下、これを形成利用訂正量とも呼ぶ)として求める。因みに第2の実施の形態の場合、携帯端末82は、上述した第1の実施の形態の場合と同様にプリンタ81による印刷画像の形成に、画像形成可能量や形成利用可能量を示すポイントを1ページにつき1ポイントの割合で利用する。よって画像形成制御部92は、この際、差分ページ数と同数のポイント数を形成利用訂正量とする。因みに画像形成制御部92は、確認対象のジョブ実行結果情報から形成完了ページ数を取得した際、当該形成完了ページ数に基づき、印刷画像の形成に実際に利用されたポイント数を利用量として求める。そのうえで画像形成制御部92は、形成指示ページ数に相当する上述の更新用利用見込量から利用量を減算して形成利用訂正量を求めることもできる。
【0059】
そして画像形成制御部92は、例えば形成利用訂正量をポイント数で通知し、かつ形成利用可能量(及び形成利用積算量)に当該形成利用訂正量を加算して訂正するように指示する訂正指示データを生成する。そのうえで画像形成制御部92は、ROM32からユーザ情報入力画像データを読み出し、上述と同様に操作表示部34の表示画面にユーザ情報入力画像を表示する。これにより画像形成制御部92は、ユーザにより表示画面上でユーザ識別情報及びパスワードが入力されると、その旨を接続先切換部66に通知すると共に、認証依頼部65により上述と同様に認証依頼データを生成する。この際、接続先切換部66は、プリンタ81との通信を終了して、上述と同様に課金管理サーバ4との通信を開始する。よって画像形成制御部92は、再び認証依頼データを第1通信処理部36及び第1アンテナ37を順次介して課金管理サーバ4に送信する。その結果、画像形成制御部92は、課金管理サーバ4からユーザを正規ユーザと認証したことが通知されると、引き続き訂正指示データを第1通信処理部36及び第1アンテナ37を順次介して課金管理サーバ4に送信する。これにより画像形成制御部92は、課金管理サーバ4においてユーザ管理部52に訂正指示データに基づきユーザの形成利用可能量を、形成利用訂正量を加算して訂正させる。
【0060】
因みに画像形成制御部92は、ユーザにより表示画面上で接続先をプリンタ81に切り換えないように指示されると、例えば再度、タイマ動作によって開始する処理を形成完了確認処理に設定してタイマ動作部94にタイマ動作の開始を指示した後、形成完了確認処理を一旦終了する。そして画像形成制御部92は、再びタイマ動作に応じて形成完了確認処理を開始する。また画像形成制御部92は、プリンタ81からログデータを取得した際、当該プリンタ81により印刷データ生成部93の送信した印刷データに基づくジョブが未だ実行されていない又は実行中であるために、ログデータに確認対象のジョブ実行結果情報が含まれていないと、この場合も同様に形成完了確認処理を一旦終了した後、再度開始する。このようにして画像形成制御部92は、プリンタ81によりジョブが実行された際の形成完了ページ数に応じて形成利用訂正量を求め、当該形成利用訂正量に基づき、課金管理サーバ4が管理するユーザの形成利用可能量を適宜訂正することができる。よって画像形成制御部92は、プリンタ81においてジョブの実行中にエラーが発生する等して、形成指示ページ数とは異なる形成完了ページ数分の印刷画像が形成されても、課金管理サーバ4にユーザの正確な形成利用可能量を管理させて、当該ユーザに印刷画像の形成代金を的確に課金させることができる。
【0061】
(2−3)第2画像形成処理手順
次いで図7との対応部分に同一符号を付した図9乃至図11に示すフローチャートを用いて、携帯端末82の制御部86が実行する第2画像形成処理手順RT2について説明する。制御部86は、ユーザにより印刷の実行が指示されると、ROM32に予め記憶した第2画像形成処理プログラムに従い、図9に示す第2画像形成処理手順RT2を開始する。制御部86は、第2画像形成処理手順RT2を開始すると、ステップSP1乃至ステップSP10の処理を順次実行した後、ステップSP11に移る。そしてステップSP11において制御部86は、タイマ動作によって開始する処理を形成完了確認処理に設定して、当該タイマ動作に応じて形成完了確認処理を実行する。
【0062】
ここで制御部86は、ステップSP11に移ると、図10及び図11に示す形成完了確認処理サブルーチンSRT1を開始する。制御部86は、形成完了確認処理サブルーチンSRT1を開始すると、ステップSP31においてプリンタ81から確認対象のジョブ実行結果情報を取得したか否かを示す取得有無フラグを、未取得を示す例えば−1のような所定の値に設定して、次のステップSP32に移る。ステップSP32において制御部86は、接続先を既にプリンタ81に切り換えているか否かを判別し、現在プリンタ81とは通信していないために否定結果を得ると、次のステップSP33に移る。ステップSP33において制御部86は、操作表示部34の表示画面に接続先切換問合画像を表示して、次のステップSP34に移る。そしてステップSP34において制御部86は、接続先をプリンタ81に切り換えるか否かを判別する。その結果、ステップSP34において制御部86は、ユーザにより表示画面上で接続先をプリンタ81に切り換えるように指示されたことで肯定結果を得ると、次のステップSP35に移る。よってステップSP35において制御部86は、接続先を例えば課金管理サーバ4からプリンタ81に切り換えて、次のステップSP36に移る。因みにステップSP32において制御部86は、現在プリンタ81と通信しているために肯定結果を得ると、ステップSP33乃至ステップSP35の処理を実行せずに、ステップSP36に移る。
【0063】
ステップSP36において制御部86は、プリンタ81からログデータを取得して、次のステップSP37に移る。ステップSP37において制御部86は、ログデータに確認対象のジョブ実行結果情報が含まれているか否かを判別する。そして制御部86は、プリンタ81が携帯端末82の送信した印刷データに基づき既にジョブを実行して終了させており、ログデータに確認対象のジョブ実行結果情報が含まれているために肯定結果を得ると、次のステップSP38に移る。ステップSP38において制御部86は、取得有無フラグを、確認対象のジョブ実行結果情報の取得を示す例えば0のような所定の値に変更して、次のステップSP39に移る。ステップSP39において制御部86は、確認対象のジョブ実行結果情報から形成完了ページ数を取得して、次のステップSP40に移る。ステップSP40において制御部86は、形成指示ページ数から形成完了ページ数を減算し、得られた差分ページ数に基づき形成利用訂正量を求めて、次のステップSP41に移る。因みにステップSP37において制御部86は、プリンタ81が携帯端末82の送信した印刷データに基づくジョブを未だ実行していない又は実行中であり、ログデータに確認対象のジョブ実行結果情報が含まれていないために否定結果を得ると、ステップSP38乃至ステップSP40の処理を実行せずに、ステップSP41に移る。そしてステップSP41において制御部86は、接続先をプリンタ81から課金管理サーバ4に切り換えて、次のステップSP42に移る。
【0064】
ステップSP42において制御部86は、取得有無フラグが未取得の値を示しているか否かを判別する。そして制御部86は、確認対象のジョブ実行結果情報を取得しているために否定結果を得ると、次のステップSP43に移る。ステップSP43において制御部86は、タイマ動作によって開始する処理から形成完了確認処理を解除して、次のステップSP44に移る。そしてステップSP44において制御部86は、形成利用訂正量に基づき訂正指示データを生成し、当該訂正指示データを課金管理サーバ4に送信する。これにより制御部86は、課金管理サーバ4において訂正指示データに基づきユーザの形成利用可能量を、形成利用訂正量を加算して訂正させて、次のステップSP45に移る。これによりステップSP45において制御部86は、形成完了確認処理サブルーチンSRT1を終了して、第2画像形成処理手順RT2のステップSP22に戻り、当該第2画像形成処理手順RT2を終了する。ところで上述のステップSP34において制御部86は、ユーザにより表示画面上で接続先をプリンタ81に切り換えないように指示されたことで否定結果を得ると、ステップSP46に移る。また上述のステップSP42において制御部86は、確認対象のジョブ実行結果情報を未だ取得していないために肯定結果を得た場合も、ステップSP46に移る。そしてステップSP46において制御部86は、タイマ動作によって開始する処理を再度、形成完了確認処理に設定して、ステップSP45に移る。ただし制御部86は、ステップSP46の処理を実行した後、ステップSP45に移ると、この際には当該ステップSP45において形成完了確認処理サブルーチンSRT1を一旦終了するものの、第2画像形成処理手順RT2のステップSP22には戻らずに、ステップSP11の処理(すなわちタイマ動作によって形成完了確認処理サブルーチンSRT1)を再度実行する。
【0065】
(2−4)第2の実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、サービス提供システム80の携帯端末82は、プリンタ81を印刷画像の形成に使用した際、接続先を課金管理サーバ4からプリンタ81に切り換えて、当該プリンタ81からログデータを取得し、そのログデータに基づいて得られる印刷画像の形成完了ページに応じて、形成利用可能量を適宜訂正するための形成利用訂正量を求める。そして携帯端末82は、接続先をプリンタ81から課金管理サーバ4に切り換えて、形成利用訂正量に基づき形成利用可能量を訂正するための訂正指示データを課金管理サーバ4に送信することにより、当該課金管理サーバ4において訂正指示データに基づきユーザの形成利用可能量を適宜訂正させる。
【0066】
以上の構成によれば、サービス提供システム80は、上述した第1の実施の形態によって得られる効果と同様の効果を得ることができると共に、これに加えて携帯端末82によりプリンタ81を使用した際、当該プリンタ81においてジョブの実行中にエラーが発生する等して、形成指示ページ数とは異なる形成完了ページ数分の印刷画像が形成されても、課金管理サーバ4にユーザの正確な形成利用可能量を管理させて、当該ユーザに印刷画像の形成代金を何ら余分に払わせることなく、当該印刷画像の形成代金を的確に課金することができる。よってサービス提供システム80は、利便性をさらに向上させることができる。
【0067】
(3)他の実施の形態
(3−1)他の実施の形態1
なお上述した第1及び第2の実施の形態においては、画像形成可能量をポイントで表現して、1ページの印刷画像の形成に利用するポイントを1ポイントとする場合について述べた。しかしながら本発明は、これに限らず、画像形成可能量を例えばポイントで表現するものの、1ページの印刷画像の形成に利用するポイントを、印刷画像がカラー及びモノクロの何れであるのかや、印刷画像を形成する媒体のサイズ、1ページ分の印刷画像の形成によって消費する現像剤の量のような印刷画像の種類や形成条件等によって異なるポイント数のポイントにしても良い。本発明は、係る構成によれば、上述した第1及び第2の実施の形態に比して、ユーザに印刷画像の形成代金をより適切に課金することができる。
【0068】
ところで本発明は、係る構成を上述した第2の実施の形態に適用した場合、携帯端末82がプリンタ81からジョブ実行結果情報に基づき、形成完了ページ数と共に印刷画像の種類や形成条件も取得し、これらの少なくとも1つ以上に基づき形成利用訂正量を求めることができる。そして本発明は、係る構成によれば、形成完了ページ数が形成指示ページ数以下でも、印刷画像の形成に実際に利用するポイントについては、更新用利用見込量を示すポイント数以下になるだけでなく、例えば現像剤の消費量が予測よりも多いために更新用利用見込量を示すポイント数より多くなる可能性もある。しかしながら本発明は、図9乃至図11について上述した第2画像形成処理手順RT2(すなわち形成完了確認処理サブルーチンSRT1)を実行すれば、形成利用訂正量を示すポイント数を正負の符号を付して求めることで、形成利用可能量を的確に訂正することができる。すなわち本発明は、1ページの印刷画像の形成に利用するポイントを印刷画像の種類や形成条件等によって異なるポイント数のポイントにしても、形成利用可能量を的確に訂正することができる。なお本発明は、係る構成のもと、例えば課金管理サーバ4で形成利用可能量を訂正した結果、マイナスのポイント数になっても(すなわちユーザにより、クーポンデータの販売代金として課金した以上のポイントが印刷画像の形成に利用されても)、形成利用可能量を訂正した際に追加で課金して決済することで、ユーザに印刷画像の形成代金を的確に課金することができる。
【0069】
(3−2)他の実施の形態2
また上述した第1及び第2の実施の形態においては、携帯端末3、82が第1通信経路としての公衆回線網及びインターネット10等を順次介して課金管理サーバ4と通信する場合について述べた。しかしながら本発明は、これに限らず、プリンタ2、81の設置場所のアクセスポイント7がインターネット10に接続されている場合、携帯端末3、82が第1通信経路としてのアクセスポン及びインターネット10等を順次介して課金管理サーバ4と通信しても良い。因みに本発明は、例えばプリンタ2、81を、第1ネットワーク6を介してアクセスポイント7に接続せずに、アクセスポイントを直接接続し、又は内蔵しても良い。ただし本発明は、係る構成の場合、プリンタ2、81の設置場所に携帯端末3、82による当該プリンタ2、81との通信用、及び課金管理サーバ4との通信用の2つのアクセスポイントが存在し、また携帯端末3が通信接続したアクセスポイントのSSIDを保持していると、ユーザがプリンタ2、81の設置場所を再び訪れた際、携帯端末3、82は保持しているSSIDをプリンタ2、81との通信用、及び課金管理サーバ4との通信用に使い分け難くなる可能性がある。このため本発明は、係る構成の場合、携帯端末3、82に、プリンタ2、81の使用が終了した際に、当該プリンタ2、81との通信用のSSIDを消去させ、ユーザがプリンタ2、81の設置場所を訪れる毎に、ラベル26の2次元コードに基づき、当該プリンタ2、81との通信用のSSIDを含む接続先特定情報を取得させれば、プリンタ2、81及び課金管理サーバ4と的確に通信させることができる。因みに本発明は、例えば第1の実施の形態の場合は、携帯端末3が第1画像形成処理手順RT1においてステップSP6の処理を実行した際、また第2の実施の形態の場合は、携帯端末82が第2画像形成処理手順RT2においてステップSP41の処理を実行した際に、プリンタ2、81との通信用のSSIDを消去すれば、当該プリンタ2、81を印刷画像の形成に何ら支障無く使用させることができる。なお本発明は、携帯端末3、82を、Wi−Fiのような無線LANの通信規格に準じた第2通信方式でプリンタ2、81と通信させるのではなく、Bluetooth(登録商標)のような近距離無線通信規格に準じた第2通信方式で通信させ、又は第2通信経路であるUSB(Universal Serial Bus)のようなシリアルバス規格に準じた通信ケーブルで有線接続し、当該シリアルバス規格に準じた第2通信方式でプリンタ2、81と通信させても良い。
【0070】
(3−3)他の実施の形態3
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、携帯端末3、82が課金管理サーバ4からクーポンデータを取得した際、当該課金管理サーバ4によりユーザに対し携帯端末3で受け取ったクーポンデータの販売金額を決済する場合について述べた。しかしながら本発明は、これに限らず、例えば課金管理サーバ4が、携帯端末3、82によりクーポンデータが取得された際にはユーザに対する当該クーポンデータの販売金額の決済を保留し、当該携帯端末3、82から、更新した形成利用可能量の通知に換えて、形成利用見込量の通知を受けて、当該通知された形成利用見込量に基づきユーザに対して印刷画像の形成に実際に利用されたポイントの販売金額を決済しても良い。本発明は、係る構成によれば、ユーザが携帯端末3、82を介してプリンタ2、81を利用する毎にクーポンデータを取得するものの、印刷画像の形成に実際に利用したポイントだけを購入することができ、その結果、課金管理サーバ4によりユーザの形成利用可能量を管理しなくても良く、当該課金管理サーバ4が管理するユーザ情報を低減させることができる。
【0071】
(3−4)他の実施の形態4
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、携帯端末3、82が、プリンタ2、81に印刷データを送信した後、形成利用可能量から更新用利用見込量を減算して当該形成利用可能量を更新する場合について述べた。しかしながら本発明は、これに限らず、携帯端末3、82が、プリンタ2、81に印刷データを送信した後、更新用利用見込量を示す更新用利用見込量データを課金管理サーバ4に送信し、当該課金管理サーバ4により形成利用可能量から更新用利用見込量データの示す更新用利用見込量を減算して当該形成利用可能量を更新しても良い。本発明は、係る構成によれば、携帯端末3、82において形成利用可能量を更新する必要がなく、処理負荷を低減させることができる。
【0072】
(3−5)他の実施の形態5
さらに上述した第2の実施の形態においては、携帯端末82が、課金管理サーバ4に更新した形成利用可能量を通知した後、プリンタ81と通信して取得したジョブ実行結果情報に基づき形成利用訂正量を求めて課金管理サーバ4に通知して、当該課金管理サーバ4に形成利用訂正量に基づき形成利用可能量を訂正させる場合について述べた。しかしながら本発明は、これに限らず、例えば携帯端末82が、プリンタ81に印刷データを送信した後、引き続き形成完了確認処理を実行して形成利用訂正量を求める。そして本発明は、携帯端末82が、形成利用訂正量及び利用見込量に基づき形成利用可能量を、形成利用訂正量により適宜訂正した利用見込量を減算して更新して、その更新した形成利用可能量を課金管理サーバ4に通知して管理させても良い。また本発明は、例えば携帯端末82が、課金管理サーバ4に更新した形成利用可能量を通知した後、プリンタ81と通信して取得したジョブ実行結果情報に基づき形成利用訂正量を求めるものの、更新した形成利用可能量を形成利用訂正量に基づき適宜訂正したうえで、課金管理サーバ4に通知し直しても良い。本発明は、これらの構成によれば、課金管理サーバ4において形成利用可能量を訂正させる必要がなく、処理負荷を低減させることができる。
【0073】
(3−6)他の実施の形態6
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、携帯端末3、82がプリンタ2、81を使用する際、自動的に接続先を切り換える場合について述べた。しかしながら本発明は、これに限らず、例えば携帯端末3、82にセキュリティ上、自動的に接続先を切り換えるように処理し難い基本プログラムが実装されている場合は、接続先を切り換える際、その都度、ユーザに問い合わせて、ユーザ指示により接続先を切り換えても良い。
【0074】
(3−7)他の実施の形態7
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、携帯端末3、82がプリンタ2、81の外装面に貼着されたラベル26の2次元コードを撮像し、当該撮像した2次元コードに基づいて接続先特定情報を取得する場合について述べた。しかしながら本発明は、これに限らず、例えばプリンタ2、81に、接続先特定情報を記憶したIC(Integrated Circuit)タグのような非接触通信によって情報の読み取りが可能なICチップを設け、携帯端末3、82がプリンタ2、81のチップ配置位置にかざされることでICチップから非接触通信によって接続先特定情報を取得しても良い。また本発明は、プリンタ2、81のROM22に接続先特定情報を記憶し、携帯端末3、82がプリンタ2、81と通信ケーブルを介して有線接続して通信して当該プリンタ2、81から接続先特定情報を取得しても良い。そして本発明は、携帯端末3、82がユーザにより印刷の実行が指示される前(すなわち課金管理サーバ4と接続する前)にプリンタ2、81の接続先特定情報を取得するのではなく、携帯端末3、82がユーザによる印刷の実行の指示に応じて課金管理サーバ4と通信した後、接続先を当該課金管理サーバ4からプリンタ2、81に切り換える際に、接続先特定情報を取得しても良い。
【0075】
(3−8)他の実施の形態8
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、携帯端末3、82の制御部30、86が、ROM32に予め記憶された第1及び第2画像形成処理プログラムに従って図7及び図9乃至図11について上述した第1及び第2画像形成処理手順RT1、RT2を実行する場合について述べた。しかしながら本発明は、これに限らず、携帯端末3、82の制御部30、86が、第1及び第2画像形成処理プログラムが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体によって当該第1及び第2画像形成処理プログラムをインストールし、又はローカルエリアネットワークやインターネット、デジタル衛星放送等の有線及び無線通信媒体を利用して外部から第1及び第2画像形成処理プログラムをインストールして第1及び第2画像形成処理手順RT1、RT2を実行しても良い。そして第1及び第2画像形成処理プログラムを携帯端末3、82にインストールして実行可能な状態にするためのコンピュータ読取可能な記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスクや、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)等のパッケージメディアで実現しても良く、第1及び第2画像形成処理プログラムが一時的もしくは永続的に記憶される半導体メモリや磁気ディスク等で実現しても良い。またコンピュータ読取可能な記憶媒体に第1及び第2画像形成処理プログラムを記憶する手段としては、ローカルエリアネットワークやインターネット、デジタル衛星放送等の有線及び無線通信媒体を利用しても良い。さらにコンピュータ読取可能な記憶媒体には、ルータやモデム等の各種通信インタフェースを介して、これら種々のプログラムを記憶しても良い。
【0076】
(3−9)他の実施の形態9
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、本発明による携帯端末と画像形成システムとを、図1乃至図11について上述したスマートホンやタブレット端末のような携帯端末3、82と、当該携帯端末3、82がプリンタ2、81及び課金管理サーバと接続されるサービス提供システム1、80とに適用する場合について述べた。しかしながら本発明は、これに限らず、プリンタ2、81やMFP(Multi-Function Peripheral)、ファクシミリ、複合機、複写機等の画像形成装置、及び課金管理サーバ4のような課金管理装置と接続可能なパーソナルコンピュータや携帯電話機、情報処理端末等の種々の構成の携帯端末と、当該携帯端末が、これら画像形成装置及び課金管理装置と接続される種々の構成の画像形成システムとに広く適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、画像形成装置及び課金管理装置と通信可能なスマートホンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、情報処理端末等の携帯端末と、これら画像形成装置、課金管理装置及び携帯端末から構築される画像形成システムとに利用することができる。
【符号の説明】
【0078】
1、80……サービス提供システム、2、81……プリンタ、3、82……携帯端末、4……課金管理サーバ、30、86……制御部、RT1……第1画像形成処理手順、RT2……第2画像形成処理手順。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11