(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な説明及び添付の図面では種々の例示的医療デバイスを記載及び図示する。明細書及び図面は性質上例示的なものであり、当業者による1つ又は複数の例示的デバイスの作製及び使用を可能にするために提供される。それらは特許請求の範囲の範囲をいかようにも限定することを意図するものではない。
【0013】
「例えば(e.g.)」、「等(etc.)」、「例えば(for instance)」、「例においては(in example)」及び「又は(or)」及び文法的に関連する用語の使用は、明記されない限りは制限なく非排他的代替物を示す。「任意選択的に(optionally)」及び文法的に関連する用語の使用は、後に記載される要素、事象、特徴又は状況が存在/発生してもしなくてもよく、前記要素、事象、特徴又は状況が発生する例及び発生しない例を記載に含むことを意味する。本明細書で使用する場合、用語「基端側(proximal)」及び「先端側(distal)」は記載される特定の要素又は特徴の両側の軸線方向の端部を記載するために使用される。「体内管路(bodily passage)」又は「体管路(body passage)」の使用は、ヒトを含むが、それに限定されない動物の体内の任意の管路を意味し、長尺状の管路を含む。「例示的(exemplary)」の使用は「の一例(an example of)」を意味し、理想的又は好適な実施形態であるという意味を伝えることを意図するものではない。「周方向(circumferential)」の使用は、記載されている特定の要素又は特徴の周囲の距離を意味し、特定の幾何学的形状を画定することを意図するものではない。
【0014】
図1、1A、1B、1C及び2は、第1の例示的管腔内医療デバイス10を示す。管腔内医療デバイス10は、フレーム12と、フレーム12に取り付けられたスリーブ14と、を含む。フレーム12とスリーブ14は協同して管腔内医療デバイス10の長さ全体に及ぶデバイス内腔16を画定する。
【0015】
フレーム12は任意の適切なフレームを含むことができ、当業者であれば、内部でデバイスが使用されることになる体内管路を含む種々の考慮すべき事項に基づき、特定の実施形態による適切なフレームを選定することができよう。好適であると考えられるフレームの例には、拡張可能なフレーム、自己拡張可能なフレーム、及びバルーンで拡張可能なフレームなどの、拡張の実施に力の印加を必要とするフレームが挙げられるが、これらに限定されない。これらタイプのフレームの構造的特性は当技術分野において公知であるため本明細書中には詳述しない。
【0016】
フレーム12は任意の適切な材料で形成することができ、且つ任意の適切な配合を有することができる。当業者であれば、内部でデバイスが使用されることになる体内管路を含む種々の考慮すべき事項に基づきフレームの適切な材料及び適切な配合を選定することができよう。フレームのために選定される材料は、生体適合性であるか、生体適合性にすることができることのみを必要とする。好適であると考えられる材料の例には、ステンレス鋼、ニッケルチタン(NiTi)合金、例えば、ニチノール、他の形状記憶及び/又は超弾性材料、モリブデン合金、タンタル合金、チタン合金、パラジウム合金、白金などの貴金属、白金合金などの貴金属合金、ニッケルクロム合金、コバルトクロム合金、ニッケルコバルトクロム合金、ニッケルコバルトクロムモリブデン合金、ニッケルチタンクロム合金、線形弾性ニチノールワイヤ、ポリマー及び複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。本発明者は、約2cm〜約18cmの長さを有するフレームが好適と考えられると判断した。加えて、本発明者は、約1mm〜約30mmの直径を有するフレームが好適と考えられると判断した。
【0017】
多くの吸収性材料もフレームの形成に使用することができる。本明細書で使用する場合、用語「吸収性(resorbable)」は、ある材料が組織及び/又は体液に接触した場合に組織及び/又は体液中に吸収される機能を意味する。当技術分野においては多くの吸収性材料が公知であり、任意の適切な吸収性材料を使用することができる。吸収性材料の好適なタイプの例としては、吸収性ホモポリマー、コポリマー、又は吸収性ポリマーのブレンドが挙げられる。好適な吸収性材料の特定例としては、ポリ乳酸、ポリラクチド、ポリグリコール酸(PGA)又はポリグリコライドなどのポリ−αヒドロキシ酸;炭酸トリメチレン(trimethlyene carbonate);ポリカプロラクトン;ポリヒドロキシブチレート又はポリヒドロキシバレレートなどのポリ−βヒドロキシ酸;又はポリホスファジン(polyphosphazines)、ポリオルガノホスファジン(polyorganophosphazines)、ポリ酸無水物、ポリエステルアミド、ポリオルトエステル、ポリエチレンオキシド、ポリエステルエーテル(例えば、ポリジオキサノン)又はポリアミノ酸(例えば、ポリ−L−グルタミン酸又はポリ−L−リシン)などの他の高分子が挙げられる。また、好適とされうる多くの天然由来の吸収性ポリマーがあり、これには、セルロース、キチン及びデキストランなどの変性多糖類、並びにフィブリン及びカゼインなどの修飾タンパク質が挙げられる。マグネシウム及びカルシウムなどの吸収性金属及びミネラルもまた好適であると考えられる。
【0018】
生体再構築可能な材料もまたフレームの形成に使用することができる。本明細書で使用する場合、用語「生体再構築可能な(bioremodellable)」は、再構築して近傍の組織に組み込まれる材料の機能を意味する。これら材料は、細胞内殖(cellular in−growth)が発生しうる足場を提供することができ、最終的に材料が宿主細胞の構造に再構築されることを可能にする。多くの生体再構築可能な材料が当技術分野において公知であり、任意の適切な生体再構築可能な材料が使用されうる。好適な生体再構築可能な材料の例としては、小腸粘膜下組織(SIS)、ウシ心膜、胃粘膜下組織、肝臓基底膜、膀胱粘膜下組織、組織粘膜及び硬膜などの細胞外マトリックス(ECM)材料が挙げられる。
【0019】
現在のところ、白金及びニチノールは、少なくともそれらの生体適合性、形状性、画像化特性及び特徴の明確な性質のためフレーム12での使用に望ましい材料であると考えられる。ステンレス鋼もまたフレーム12での使用に好適な材料であると考えられる。また、ASTM F562及びASTM F1058(その商用例としては、MP35NTM及びElgiloyTMが挙げられ、この両方ともFort Wayne Metals,Fort Wayne,INから入手可能である。MP35NはSPS Technologies,Inc.(Jenkintown,PA,USA)の登録商標であり、ElgiloyはCombined Metals of Chicago LLC(Elk Grove Village,IL,USA)の登録商標である)などの冷間引抜コバルトクロム合金が現在のところフレーム12における使用に有利な材料であると考えられるが、この理由は、少なくとも、それら材料が有利な磁気共鳴映像法(MRI)への適合性を提供する非磁性体であるとともに、ステンレス鋼などの何らかの他の材料に通常伴うMRIアーチファクトが回避されるからである。
【0020】
フレーム12は、任意選択的に、フレームの周方向長さ及び/又は軸線方向長さの一部又は全体において周囲に配置されているカバーを含みうる。任意の適切なカバーは本明細書中の管腔内医療デバイス記載者のいずれにも含まれうるものであり、当業者であれば、特定の実施形態に従って、管腔内医療デバイス用の適切なカバーを、管腔内医療デバイスをその内部で展開しようとする所望の体内管路を含む種々の考慮すべき事項に基づいて、選定することができる。含まれる場合、カバーは、管腔内医療デバイスのフレームに取り付けることができるか、又はそうでなければ連結することができることのみを必要とする。
【0021】
カバーは、管腔内医療デバイスのフレームに取り付けられた、シートなどの材料部分を含む。カバーは任意の適切な材料で形成することができ、当業者であれば、内部で管腔内医療デバイスが展開されることになる所望の体内管路を含む種々の考慮すべき事項に基づき特定の実施形態によるカバーを形成するのに好適な材料を選定することができよう。カバーを形成するのに好適と考えられる材料の例としては、生体適合性材料、生体適合性にすることができる材料、可撓性材料、天然材料、合成材料、天然材料と合成材料との組み合わせ、本明細書中に記載される任意の適切な材料、及び特定の用途に好適であると考えられる任意の他の材料が挙げられるが、これらに限定されない。好適な天然材料の例としては、小腸粘膜下組織(SIS)などの細胞外マトリックス(ECM)材料及びウシ心膜などの他の生体再構築可能な材料が挙げられるが、これらに限定されない。使用されうるECM材料の他の例としては、胃粘膜下組織、肝臓基底膜、膀胱粘膜下組織、組織粘膜及び硬膜が挙げられる。好適な合成材料の例としては、延伸ポリテトラフルオロエチレン及びポリウレタンなどの高分子材料が挙げられる。ECM材料は、少なくとも、再構築して近傍の組織に組み込まれ、体内管路内の治療箇所における管腔内医療デバイスの固定を促進するそれら機能のため、カバーを形成するのに好適であると考えられる。これら材料は、細胞内殖が発生しうる足場を提供することができ、最終的に材料が宿主細胞の構造に再構築されることを可能にする。カバーの形成のため2つ以上の異なる材料を使用することができることに留意されたい。
【0022】
カバーは、任意の適切な手法で、及び縫合糸、クリップ及び他の機械的取付要素などの、カバーをフレームに取り付けるための任意の適切な手段を使用してフレームに取り付けることができる。別法として、接着剤、ヒートシール、組織溶接(tissue welding)及び架橋などの結合剤及び/又は技術を使用することができる。更に、カバーの、フレームへの直接取り付けを使用することができる。例えば、取り付けを形成するためフレームの支柱をカバー内に編み込むことができる。また、フレームは、高分子材料をフレーム上に浸漬及び噴霧し、取り付けられた状態のカバーを形成する等によってカバー内に埋め込むことができる。特定のカバーを管腔内医療デバイスに取り付ける特定の手法は少なくともカバー及びフレームに使用される材料に依拠する。カバーをフレームに取り付ける方法の例には、フレームの周方向長さ及び/又は軸線方向長さの一部又は全体においてカバーを内部フレーム表面に取り付ける、フレームの周方向長さ及び/又は軸線方向長さの一部又は全体においてカバーを外部フレーム表面に取り付ける、フレームの周方向長さ及び/又は軸線方向長さの一部又は全体にカバーの材料を浸漬及び/又は噴霧する、フレームの周方向長さ及び/又は軸線方向長さの一部又は全体においてカバーを内部フレーム表面に取り付け、フレームの周方向長さ及び/又は軸線方向長さの一部又は全体にカバーの材料を浸漬及び/又は噴霧する、並びにフレームの周方向長さ及び/又は軸線方向長さの一部又は全体においてカバーを外部フレーム表面に取り付け、フレームの周方向長さ及び/又は軸線方向長さの一部又は全体にカバーの材料を浸漬及び/又は噴霧する、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
フレーム12は、編み込まれたより線、螺旋状に巻かれたより線、リング部材、連続的に取り付けられたリング部材、ジグザグ部材、管状部材、中実のチューブから切り出されたフレーム、及び中実の管状部材を含む種々の形状及び構造配置を有しうる。当業者であれば、内部でデバイスが使用されることになる体内管路などの種々の考慮すべき事項に基づき特定の実施形態によるフレームの適切な形状及び構造配置を選定することができよう。本明細書中に記載される管腔内医療デバイスにおいて使用されるフレームは種々の手法で形成されうる。例えば、フレームは、輪状、D字形又は他の適切な断面構成を有する、特定長さのワイヤなどの1つ又は複数のワイヤから形成されうる。また、フレームは、所望のパターンの支柱を適切な材料の管状部分から切断すること等により管状部材から切り出すことができる。特定の実施形態による管腔内医療デバイスに使用されるフレームのタイプが何であっても、フレームは支柱の任意の適切な配置構成を含むことができる。
【0024】
示される実施形態においては、フレーム12は、複数の交差ワイヤ部分と複数のメッシュ開き目とを備えた自己拡張可能なワイヤメッシュフレームを含む。フレーム12は第1のフレーム端部18と第2のフレーム端部20とを有する。第1のフレーム端部18は第1のフレーム端部開口部22を画定し、第2のフレーム端部20は第2のフレーム端部開口部24を画定する。フレーム12は内部フレーム表面26と外部フレーム表面28とを有し、第1のフレーム端部18から第2のフレーム端部20まで延在するフレーム内腔30を画定する。
【0025】
スリーブ14は任意の適切な構造配置を有する任意の適切な部材を含むことができ、当業者であれば、内部でデバイスが使用されることになる体内管路を含む種々の考慮すべき事項に基づき特定の実施形態による適切な部材及び構造配置を選定することができよう。スリーブに好適と考えられる構造配置の例には、管状の、第1形態を有する基端側部分と第2の異なる形態を有する先端側部分とを備えたスリーブ、並びにその軸線方向長さ及び/又は周方向長さにおいて複数の構造形態を有するスリーブが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、スリーブは、スリーブの基端部から先端部に向かって延在し、第1の管状及び/又は円筒状形態を有する第1部分と、先端部から基端部に向かって延在し、第2の異なる形態を有する第2部分と、を有しうる。第2部分は任意の適切な形態を含みうる。スリーブの第2部分に好適と考えられる形態の例には、円筒状、くちばし形、三尖形、円錘形、テーパ状、矩形、四角形、半円状、たがね形、半球形、湾曲状(例えば、軸線方向から見ると笑みのように構成される)、及び球形が挙げられるが、これらに限定されない。スリーブ14は、本明細書中に記載されるように、フレーム内腔30内に反転可能、フレーム内腔30内に部分的に反転可能、又は非反転可能であるようになされることのみを必要とする。
【0026】
スリーブ14は任意の適切な材料で形成することができ、当業者であれば、内部でデバイスが使用されることになる体内管路を含む種々の考慮すべき事項に基づき特定の実施形態によるスリーブのための適切な材料を選定することができよう。スリーブ用に選定される材料は、生体適合性であるか、生体適合性にすることができることのみを必要とする。適切な材料の例としては、ポリマー、形状記憶ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エラストマーPTFE、ポリウレタン、形状記憶ポリウレタン、ポリエチレン、UHMW(超高分子量)ポリエチレン、エラストマーポリエチレン、低密度(LD)ポリエチレン、高密度(HD)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリスチレン及びポリ(1,4−ブタジエン)を含有するブロックコポリマー、ポリ(2−メチル−2−オキサゾリン)及びポリテトラヒドロフランから作製されたABAトリブロックコポリマー、ポリノルボルネン単位を含む非晶質又は有機−無機ハイブリッドポリマー、及びポリシリコーンが挙げられる。
【0027】
示される実施形態においては、スリーブ14は、第1のスリーブ端部32と、第2のスリーブ端部34と、第1のスリーブ端部32から第2のスリーブ端部34までに及ぶ軸線方向長さ35と、
図1Cに示されるような周方向長さ41と、を有する管状部材である。第1のスリーブ端部32はスリーブ12を形成する材料中に第2のフレーム端部20を浸漬させることによって第2のフレーム端部20に取り付けられている。第1のスリーブ端部32は第1端部開口部36を画定し、第2のスリーブ端部34は第2端部開口部38を画定する。スリーブ14は内部スリーブ表面40と外部スリーブ表面42とを有し、第1のスリーブ端部32から第2のスリーブ端部34までに及ぶスリーブ内腔44を画定する。
【0028】
第2のスリーブ端部34は、
図1に示されるような第1形態と、
図2に示されるような第2形態とを有するようになされている。第1形態では、第2端部開口部38は、物質(例えば食物)及び/又は流体(例えば水)が第2端部開口部38を通過することを妨げるように、周方向長さ41の一部又は全体において密閉されるか実質的に密閉される。第2形態においては、第2端部開口部38は、物質及び/又は流体が第2端部開口部38を通過することができるように開いている。第2のスリーブ端部34は、内部に管腔内医療デバイスが配置されている体内管路内の正常圧下において、第2端部開口部38が密閉されるか実質的に密閉される第1形態にあるようになされている。
【0029】
本発明者は、スリーブ第2端部に形成されたシールはスリーブの厚さに直接的に相関することを特定した。例えば、第2のスリーブ端部において第1の壁厚を有するスリーブは、スリーブ第2端部において第1の壁厚よりも厚い第2の壁厚を有するスリーブと比べるとより良好なシールを形成する。したがって、スリーブ第2端部又はその任意の部分に、より薄い壁厚を使用することによってより良好なシールを得ることができる。本発明者は、また、スリーブ第2端部の形状はシールが形成される程度も左右することを特定した。
【0030】
スリーブ14は任意の適切な軸線方向長さ及び周方向長さを有することができ、当業者であれば、スリーブの所望の量の可撓性を含む種々の考慮すべき事項に基づき、特定の実施形態によるスリーブの適切な軸線方向長さ及び周方向長さを選定することができよう。本発明者は、約1mm〜約70mmの軸線方向長さを有するスリーブが適切と考えられると判断した。本発明者は、また、約20mm〜約45mmの軸線方向長さを有するスリーブが適切と考えられると判断した。
【0031】
スリーブ14は第1部分46及び第2部分48を有する。スリーブ14の第1部分46は、スリーブ14の軸線方向長さ35の第1部分37において、及び
図1Cに示されるようにスリーブ14の周方向長さ41の第1部分43において、第2のスリーブ端部34から第1のスリーブ端部32に向かって延在する。スリーブ14の第2部分48は、スリーブ14の軸線方向長さ35の第2部分39において、及びスリーブ14の周方向長さ41において、第1のスリーブ端部32から第2のスリーブ端部34に向かって延在する。スリーブの軸線方向長さ35の第1部分37においては、第2部分48は、
図1Cに示されるように、スリーブ14の周方向長さ41の第2部分45において延在する。
【0032】
図1Aに最も良く示されるように、第1部分46は、外部スリーブ表面42から内部スリーブ表面40までに及ぶ第1の壁厚50を有する。
図1Bに最も良く示されるように、第2部分48は、内部スリーブ表面40から外部スリーブ表面42までに及ぶ第2の壁厚52を有する。したがって、スリーブ14の第2の壁厚52はフレーム12への取付点に配置されている。第1の壁厚50は第2の壁厚52とは異なる。示される実施形態においては、第1の壁厚50は第2の壁厚52よりも厚い。
【0033】
異なる壁厚(differential wall thicknesses)50、52はスリーブ14の軸線方向長さ35及び/又は周方向長さに沿って変化することができ、当業者であれば、スリーブの所望の可撓性を含む種々の考慮すべき事項に基づき特定の実施形態によるスリーブの適切な異なる壁厚を選定することができよう。本発明者は、約0.00254mm〜約1.016mmの壁厚が適切と考えられると判断した。
【0034】
異なる壁厚50、52を記載しているが、スリーブは、スリーブの軸線方向長さ及び/又は周方向長さの全体又は一部において任意の適切な壁厚を有することができ、当業者であれば、スリーブの所望の可撓性を含む種々の考慮すべき事項に基づき特定の実施形態によるスリーブの軸線方向長さ及び/又は周方向長さの全体又は一部の適切な壁厚を選定することができよう。好適と考えられる構造配置例には、スリーブの全長における連続的な壁厚、スリーブの長さに沿って変化する壁厚(例えば、第1の壁厚を有する軸線方向長さ及び/又は周方向長さの第1部分、並びに第2の異なる壁厚を有する軸線方向長さ及び/又は周方向長さの第2部分)、第1のスリーブ端部から第2のスリーブ端部まで徐々に増加する壁厚、第1のスリーブ端部から第2のスリーブ端部まで徐々に減少する壁厚、及び第1のスリーブ端部と第2のスリーブ端部との間に配置されており、第1のスリーブ端部及び第2のスリーブ端部の壁厚を超える壁厚を有する第1部分を有するスリーブが挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
スリーブ14は、所望の異なる壁厚50、52を得るための任意の適切な技術を使用して形成することができ、当業者であれば、スリーブの所望の可撓性を含む種々の考慮すべき事項に基づき特定の実施形態によるスリーブを形成するための適切な技術を選定することができよう。スリーブを形成するのに好適と考えられる技術例としては、所望の異なる壁厚を得るため、スリーブをフレームに取り付ける前又は後のいずれかに、PTFEで形成されたマンドレルに1つ又は複数のポリマーコートを浸漬又は噴霧する、が挙げられるが、これに限定されない。例えば、スリーブはPTFEで形成されたマンドレルの表面に1つ又は複数のポリマーコートを適用(例えば、浸漬、噴霧)することによって形成されうる。コーティング処理中にマンドレルの領域を隔離することにより、特定のスリーブの設計要件(例えば、第1部分は第2部分を超える厚さを有する)に適合するようにスリーブをコーティングすることができる。マンドレルに適用されるポリマーコートの数が多いほどスリーブの壁は厚くなる。所望の異なる壁厚を得るのに好適と考えられる技術の更なる例としては、スリーブ又はその一部を積層体又は一体型構造で形成することが挙げられるが、これに限定されない。スリーブを形成するのに好適と考えられる他の方法としては、ブロー成形、鋳造、押出し、エレクトロスピニング、熱成形、噴霧、織り、編み及び組みが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
示される実施形態においては、スリーブ14は、第2端部34及び第2部分48の一部がフレーム内腔30の外側に配置されている伸張位置状態と、第2端部34及び第2部分48の一部がフレーム内腔30内に配置されている反転位置状態との間において移行するようになされている。管腔内医療デバイス10は、スリーブ14が伸張位置状態にある場合には
図1に示される第1形態にあり、スリーブ14が反転位置状態にある場合には
図2に示される第2形態にある。
【0037】
第1の壁厚50よりも薄い第2の壁厚52を有するスリーブ14の第2部分48をフレーム12に取り付け、スリーブ14が伸張位置状態から反転位置状態に及びその逆において移行するのに必要な圧力の量を制御すると有利であると考えられる。例えば、第1の壁厚50を有する第1のスリーブ端部32と比べるとより少量の圧力の印加により、第1の壁厚50よりも薄い第2の壁厚52を有する第1のスリーブ端部32は、スリーブ14が伸張位置状態から反転位置状態に及びその逆において移行することを可能にする。
【0038】
第1のスリーブ端部32は第2のフレーム端部20に取り付けた状態で記載及び図示しているが、スリーブ14はフレーム12の軸線方向長さの任意の適切な位置においてフレーム12に取り付けることができる。当業者であれば、内部でデバイスが使用されることになる体内管路などの種々の考慮すべき事項に基づき、特定の実施形態によるフレームにスリーブを取り付けるための特定の位置を選定することができよう。スリーブをフレームに取り付けるのに好適と考えられる位置の例には、第1のスリーブ端部の一部又は全体の、第1のフレーム端部への取り付け、第1のスリーブ端部の一部又は全体の、第2のフレーム端部への取り付け、及び第1のスリーブ端部の一部又は全体の、第1のフレーム端部と第2のフレーム端部との間の位置への取り付けが挙げられるが、これらに限定されない。スリーブをフレームに取り付けるのに好適と考えられる位置の更なる例には、スリーブの一部又は全体の、第1のフレーム端部への取り付け、スリーブの一部又は全体の、第2のフレーム端部への取り付け、及びスリーブの一部又は全体の、第1のフレーム端部と第2のフレーム端部との間の位置への取り付け、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
異なる壁厚50、52はスリーブ14上に任意の適切な配置構成において配置することができ、当業者であれば、スリーブが反転されるべき所望の圧力を含む種々の考慮すべき事項に基づき特定の実施形態のための適切な配置を選定することができよう。第1部分及び第2部分をスリーブ上において位置決めするのに好適と考えられる配置の例には、スリーブの軸線方向長さの一部又は全体に延在する第1部分を有すること、スリーブの周方向長さの一部又は全体に延在する第1部分を有すること、スリーブの軸線方向長さの一部又は全体に延在する第2部分を有すること、スリーブの周方向長さの一部又は全体に延在する第2部分を有すること、スリーブの周方向長さの一部に延在する第1部分及びスリーブの周方向長さの別の部分に延在する第2部分を有すること、及び/又はスリーブの軸線方向長さの一部に延在する第1部分及びスリーブの軸線方向長さの別の部分に延在する第2部分を有すること、が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、また、変化する壁厚(例えば、第1の壁厚50、第2の壁厚52)をスリーブの軸線方向長さ及び/又は周方向長さの1つ又は複数の位置に含むことが好適と考えられる。例えば、スリーブ14の長手方向の軸線に直交する任意の平坦部分では、壁厚はスリーブ14の周方向長さ41において変化させることができる。
【0040】
スリーブ又はその一部(例えば、第1のスリーブ端部)は任意の適切な構造及び/又は取り付け方法を使用してフレームに取り付けることができ、当業者であれば、内部でデバイスが使用されることになる体内管路を含む種々の考慮すべき事項に基づき、特定の実施形態によるフレームにスリーブを取り付けるための適切な構造及び方法を選定することができよう。好適と考えられるフレームとスリーブとの間の取り付け方法例としては、縫合糸、接着剤(例えば、シリコーン接着剤)、紫外線硬化、接合、浸漬、噴霧、熱溶接及び機械的取り付け方法(例えば、クリップ、リング)を使用し、スリーブをフレーム又はその任意の部分(例えば、フレームのカバー)に接合する及び/又は取り付けることができる任意の方法が挙げられるが、これらに限定されない。別法として、スリーブはステントの膜とともに作製されうる。
【0041】
任意選択的に、フレーム12及び/又はスリーブ14の全体又は一部は、体内管路内における、管腔内医療デバイス10、フレーム12及び/又はスリーブ14の位置及び/又は配向の特定を可能にする特定の材料を含みうる。フレーム12及び/又はスリーブ14は、使用者による、体内管路内の管腔内医療デバイス10、フレーム12及び/又はスリーブ14の位置特定を補助するために1つ又は複数の放射線不透過性マーカーを含むことができる及び/又は放射線不透過性材料で形成することができる。例えば、スリーブ14は、放射線不透過性成分をベースポリマー(製造時にスリーブ14上に浸漬及び/又は噴霧される)に添加することよりX線によって特定することができる材料で形成されうる。スリーブ14が伸張位置状態から反転位置状態に及びその逆において移行するのを使用者が観察することを可能とするため放射線不透過性材料をスリーブ14の一部又は全体に含むと有利であると考えられる。
【0042】
放射線不透過性材料は任意の製造方法において添加しても、フレーム12及び/又はスリーブ14の全体又は一部の表面中に吸収されるか表面上に噴霧されてもよい。放射線不透過性のコントラストの程度はフレーム12及び/又はスリーブ14内に組み込まれる材料の種類及び量によって変更することができる。一般的な放射線不透過性材料としては、バリウム硫酸塩、次炭酸ビスマス及び二酸化ジルコニウムが挙げられる。他の放射線不透過性元素としては、カドミウム、タングステン、金、タンタル、ビスマス、白金、イリジウム及びロジウムが挙げられる。放射線不透過性は、一般に、X線透視機械又はX線フィルムによって特定される。
【0043】
使用時、管腔内医療デバイス10は伸張位置状態又は反転位置状態にあるスリーブ14を備えた送達デバイス内に予め装填することができる。少なくとも反転位置状態にあるスリーブ14を備えた送達デバイス内に管腔内医療デバイス10を装填すると有利であると考えられるが、この理由は、この形態により、管腔内医療デバイス10の体内管路内への導入に伴う臨床的合併症が低減されるからである。送達後、スリーブ14は物質(例えば食物)及び/又は流体(例えば水)をフレーム12の内腔30及びスリーブ14の内腔44に通すことにより伸張位置状態に移行することができる。管腔内医療デバイス10が放射線不透過性材料を含む場合、反転位置状態から伸張位置状態へのスリーブの反転の成功をX線下で確認することができる。
【0044】
任意選択的に、スリーブ14を生体適合性材料で形成された溶解性のスリーブ内に配置し、自己付着(self−adherence)の可能性を低下させることができる。溶解性のスリーブは、生体適合性であり、体内管路(例えば胃)の内容中において溶解できることのみを必要とする。当業者であれば、内部でデバイスが使用されることになる体内管路を含む種々の考慮すべき事項に基づき、特定の実施形態による溶解性のスリーブを形成するのに適切な材料を選定することができよう。溶解性のスリーブを形成するのに好適と考えられる材料の例として、本明細書中に記載される任意の適切な材料、吸収性材料、吸収性ミネラル、マグネシウム及びカルシウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
本明細書中に記載される管腔内医療デバイスは、動脈、静脈、管路、管、肺系の任意の体内管路、血管系の任意の体内管路、泌尿器系の任意の体内管路、胃系(gastric system)の任意の体内管路、循環器系の任意の体内管路、及び体内管路を通過する流体の流れ及び/又は物質の制御が所望される任意の他の適切な管路を含む任意の適切な体内管路に配置されうる(例えば、植え込まれうる)。本明細書中に記載される管腔内医療デバイスは胃の内容が食道に入る事象を低減するために食道内に配置するのが特に有利であると考えられる。加えて、本明細書中に記載される管腔内医療デバイスは、体内管路を通過する流体の流れ及び/又は物質を調整するため、血管系、胆管、及び尿管などの泌尿器系の一部に配置するのが有利であると考えられる。
【0046】
例えば、管腔内医療デバイスが伸張位置状態にある際、フレームが食道括約筋全体に展開し、且つ管腔内医療デバイスの先端部(例えば、第2のスリーブ端部)が胃の中に配置されるように、本明細書中に記載される管腔内医療デバイスなどの管腔内医療デバイスを食道の長さの一部に配置することが有利であると考えられる。これは、有利には、第2のスリーブ端部が第1形態にある際に物質が胃の中に送られることを可能にし、第2のスリーブ端部が第2の、密閉形態にある際に胃の内容が食道に入る可能性を低下させる。(例えば、嘔吐時)スリーブの一部又は全体に十分な圧力がかけられると、スリーブは反転位置状態に移行し、胃の内容又はその一部がスリーブ及び食道内を移動することを可能にする。その後、スリーブは、物質(例えば水)を食道内に、及び管腔内医療デバイスを胃に送ることにより反転位置状態から伸張位置状態に移行することができる。管腔内医療デバイスに、スリーブの自己反転を容易にするばね又は望ましい特性を備えた材料などの構造的特徴を含めることができる。
【0047】
管腔内医療デバイスは特定の位置に配置された状態で記載されているが、管腔内医療デバイスは食道の長さの任意の適切な箇所に配置することができ、当業者であれば、管腔内医療デバイスの先端部の所望の位置を含む種々の考慮すべき事項に基づき食道の長さにおける適切な位置を選定することができよう。管腔内医療デバイスを配置するのに好適と考えられる位置の例としては、管腔内医療デバイスを管腔内医療デバイスの先端部(例えば、第2のスリーブ端部)が食道内に配置されるように配置すること、管腔内医療デバイスを管腔内医療デバイスの先端部(例えば、第2のスリーブ端部)が食道括約筋内に配置されるように配置すること、及び管腔内医療デバイスを管腔内医療デバイスの先端部(例えば、第2のスリーブ端部)が胃内に配置されるように配置すること、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
本発明者は、反転がスリーブの所望の特徴である場合、スリーブの壁厚はスリーブを反転するのに必要な圧力(例えば、反転圧力(inversion pressure))と直接の相関関係を有することを特定した(例えば、円筒状スリーブにおいては、これはフープ応力と相関する)。例えば、特定の圧力下においては、第2のスリーブ端部の先端側の圧力が第2のスリーブ端部の基端側の圧力よりも大きな圧力勾配を形成するため、第2のスリーブ第2端部は密閉するか実質的に密閉する。圧力勾配が形成されると、スリーブは反転することができる。本発明者は、反転領域(フレームの内腔内に反転するようになされたスリーブの量)の低減により、スリーブを反転するのに必要な圧力が増加することを特定した。加えて、本発明者は、スリーブの壁厚及び/又は軸線方向長さの増加により、スリーブを反転するのに必要な圧力が増加することを特定した。
【0049】
別法として、スリーブが一部のみ反転するようになされる場合、スリーブ第1端部、スリーブ第2端部、又はスリーブ第1端部とスリーブ第2端部との組み合わせにより、スリーブの軸線方向長さ全体又はその一部がフレーム内に反転することを防止するようにすることができる。これは、例えば、スリーブが、スリーブ第1端部の第2の壁厚よりも厚い第1の壁厚を有するスリーブ第2端部を有するように構成することによって実現が可能である。別法として、この形態は、スリーブ第1端部、スリーブ第2端部及び/又はスリーブ第1端部とスリーブ第2端部との間のスリーブの部分に、スリーブを形成する第1の材料とは異なる第2の材料(例えば、形状記憶材料、ニチノール)を組み込むことによって実現が可能である。この形態は、少なくとも、スリーブが反転位置状態にある際、及び第2形態から第1形態に移行するスリーブの第2の開放前に放出される圧力の量を低減することから有利であると考えられる。
【0050】
本発明者は、また、スリーブの壁又はその一部の厚さと、スリーブを反転位置状態から伸張位置状態に復帰させるのに必要な流体及び/又は材料の体積(例えば、反転体積(reversion volume))との間に直接の相関関係があることを特定した。例えば、第2の、より厚い壁厚を有するスリーブよりも薄い第1の壁厚を有するスリーブは、スリーブを反転位置状態から伸張位置状態に移行させるのにより少量の材料及び/又は流体を必要とする。スリーブを復帰させるために材料及び/又は流体を必要とする代わりに、スリーブの周方向長さ及び/又は軸線方向長さの一部により厚い壁厚を有するスリーブを含めるとスリーブが自己で復帰することを可能にすることができる。これは、例えば、スリーブの軸線方向長さ及び/又は周方向長さの一部(例えばスリーブ第2端部)により厚い壁厚(例えば、別の部位の領域の厚さよりも厚い厚さを有する領域を組み込む隆起部、くさび部、帯部又は任意の部位)を含むことによって実現が可能である。
【0051】
任意選択的に、スリーブ14は伸張位置状態に付勢されるように形成されうる。スリーブの付勢は任意の適切な方法及び又は構造を使用することにより実現が可能であり、当業者であれば、スリーブの長さ、スリーブの厚さ、スリーブの反転領域(inversion area)、スリーブの形状及び/又はスリーブを形成する材料を含む種々の考慮すべき事項に基づき、特定の実施形態によるスリーブを付勢するための適切な方法及び/又は構造を選定することができよう。スリーブを付勢する方法の例としては、スリーブ第2端部に、スリーブ第1端部及びスリーブ第1端部とスリーブ第2端部との間のスリーブの部分のスリーブの厚さよりも薄い第1の厚さを有するスリーブを含むことが挙げられるが、これに限定されない。伸張位置状態又は反転位置状態への付勢を有するスリーブを形成するのに好適と考えられる方法の例としては、浸漬、エレクトロスピニング、押出し、ブロー成形、熱成形、噴霧、織り、編み及び組みが挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
スリーブ第2端部に、スリーブ第1端部及びスリーブ第1端部とスリーブ第2端部との間のスリーブの部分のスリーブの厚さよりも薄い第1の厚さを有するスリーブを有することの代わりに、又はそれと組み合わせて、スリーブは、スリーブが伸張位置状態又は反転位置状態に付勢されるように、軸線方向長さ全体、スリーブの軸線方向長さの一部、スリーブの周方向長さ全体、又はスリーブの周方向長さの一部において外部表面、内部表面に取り付けられた、及び/又はスリーブの壁内に埋設された、形状記憶材料(例えばニチノール)で形成された1つ又は複数の補強要素を含むことができる。
【0053】
図3、3A、3B及び4は第2の例示的管腔内医療デバイス110を示す。管腔内医療デバイス110は、以下に詳述するものを除き
図1、1A、1B、1C及び2に示し、且つ上記した管腔内医療デバイス10に類似する。
図3、3A、3B及び4の参照符号は、100を差し引いた場合、
図1、1A、1B、1C及び2の同様の符号により参照されるものと同様の構成要素又は特徴を意味する。したがって、管腔内医療デバイス110は、フレーム112と、フレーム112に取り付けられたスリーブ114と、を含む。フレーム112とスリーブ114は協同して管腔内医療デバイス110の長さ全体に及ぶデバイス内腔116を画定する。
【0054】
示される実施形態においては、第1のスリーブ端部132は第2のフレーム端部120に縫合糸160を使用して取り付けられている。スリーブ114の第1部分146は、スリーブ114の軸線方向長さ135の第1部分137において、及び
図3Aに示されるようにスリーブ114の周方向長さ141の第1部分143において、第1のスリーブ端部132から第2のスリーブ端部134に向かって延在する。スリーブ114の第2部分148は、スリーブの軸線方向長さ135の第2部分139及び
図3Bに示されるようにスリーブ114の周方向長さ141において、第2のスリーブ端部134から第1のスリーブ端部132に向かって延在する。スリーブ114の軸線方向長さ135の第1部分137においては、第2部分148は
図3Aに示されるようにスリーブ114の周方向長さ141の第2部分145に延在する。したがって、スリーブ114の第1の壁厚150及び第2の壁厚152はフレーム112への取付点に配置されている。
【0055】
第2の壁厚152よりも厚い第1の壁厚150を有するスリーブ114の第1部分146をフレーム112に取り付け、スリーブ114が伸張位置状態から反転位置状態に及びその逆において移行するのに必要な圧力の量を制御すると有利であると考えられる。例えば、第1の壁厚150を有する周方向長さ141の第1部分143を有する第1のスリーブ端部132は、第2の壁厚152を有する周方向長さ141を有する第1のスリーブ端部132と比較してより大きな量の圧力の印加により、スリーブ114が伸張位置状態から反転位置状態に及びその逆において移行することを可能にする。
【0056】
第1部分146は軸線方向長さ135の第1部分137及びスリーブ114の周方向長さ141の第1部分143に延在するものとして記載及び図示したが、軸線方向長さ全体及び/又は周方向長さ全体を含む任意の適切な軸線方向長さ及び/又は周方向長さを使用することができる。当業者であれば、スリーブが伸張位置状態から反転位置状態に移行する所望の圧力を含む種々の考慮すべき事項に基づき、特定の実施形態による第1部分の適切な軸線方向長さ及び/又は周方向長さを選定することができよう。
【0057】
加えて、第2部分148は、軸線方向長さ135において、及び軸線方向長さ135の第1部分137においてスリーブ114の周方向長さ141の第2部分145に延在する状態で記載及び図示したが、軸線方向長さ全体及び/又は周方向長さ全体を含む任意の適切な軸線方向長さ及び/又は周方向長さを使用することができる。当業者であれば、スリーブが伸張位置状態から反転位置状態に移行する所望の圧力を含む種々の考慮すべき事項に基づき、特定の実施形態による第2部分の適切な軸線方向長さ及び/又は周方向長さを選定することができよう。
【0058】
第1部分及び/又は第2部分の軸線方向長さ及び/又は周方向長さの任意の適切な組み合わせを使用することができ、当業者であれば、スリーブが伸張位置状態から反転位置状態に移行する所望の圧力を含む種々の考慮すべき事項に基づき、特定の実施形態による第1部分及び/又は第2部分の軸線方向長さ及び/又は周方向長さの適切な組み合わせを選定することができよう。
【0059】
第2のスリーブ端部134は、
図3に示されるような第1形態及び
図4に示されるような第2形態を有するようになされている。第1形態においては、第2端部開口部138は、物質(例えば食物)及び/又は流体(例えば水)が第2端部開口部138を通過することを妨げるように周方向長さ141の一部又は全体において密閉されるか実質的に密閉される。第2形態においては、物質及び/又は流体が第2端部開口部138を通過することができるように第2端部開口部138は開いている。
【0060】
スリーブ114は、第2端部134及び第1部分146の一部がフレーム内腔130の外側に配置されている伸張位置状態から、第2端部134及び第1部分146の一部がフレーム内腔130内に配置されている反転位置状態に反転可能であるようになされている。管腔内医療デバイス110は、スリーブ114が伸張位置状態にある場合には
図3に示される第1形態にあり、スリーブ114が反転位置状態にある場合には
図4に示される第2形態にある。
【0061】
図5、5A及び5Bは、第3の例示的管腔内医療デバイス210を示す。管腔内医療デバイス210は、以下に詳述するものを除き
図1、1A、1B、1C及び2に示し且つ上記した管腔内医療デバイス10に類似する。
図5、5A及び5Bの参照符号は、200を差し引いた場合、
図1、1A、1B、1C及び2の同様の符号により参照されるものと同様の構成要素又は特徴を意味する。したがって、管腔内医療デバイス210は、フレーム212と、フレーム212に取り付けられたスリーブ214と、を含む。フレーム212とスリーブ214は協同して管腔内医療デバイス210の長さ全体に及ぶデバイス内腔216を画定する。スリーブ214は、物質及び/又は流体が第2端部開口部238を通過することを可能にするために第2端部開口部238が開かれるように第2形態において示される。
【0062】
示される実施形態においては、第1のスリーブ端部232は第2のフレーム端部220に取り付けられている。第1部分246は第1のスリーブ端部232に配置されており、第2のスリーブ端部234に向かって延在する。第2部分248は第2のスリーブ端部234に配置されており、第1のスリーブ端部232に向かって延在する。スリーブ214は、スリーブ214の軸線方向長さ235において、内部スリーブ表面240及び外部スリーブ表面242に連続的な又は実質的に連続的なテーパを画定する。スリーブの壁厚は、第1のスリーブ端部232の第1の壁厚250から第2のスリーブ端部234の第2の壁厚252まで漸減し、第1のスリーブ端部232から第2のスリーブ端部234まで延在する。したがって、第1の壁厚250は、第1のスリーブ端部246から第2のスリーブ端部248までにおいて第2の壁厚252に漸減する。
図5A及び
図5Bに最も良く示されるように、スリーブ214の長手方向の軸線に直交する任意の平坦部分では、スリーブ214の全周方向長さ241における壁厚は一定であるか実質的に一定である。あるいは、上記のように、壁厚はスリーブの周方向長さ及び/又は軸線方向長さの1つ又は複数の位置において変化させることができる。当業者であれば、内部でデバイスが使用される体内管路を含む種々の考慮すべき事項に基づき、特定の実施形態によるスリーブの適切な壁厚を選定することができよう。
【0063】
スリーブ214は、第2端部234及び第1部分246の一部がフレーム内腔230の外側に配置されている伸張位置状態から、第2端部234及び第1部分246の一部がフレーム内腔230内に配置されている反転位置状態に反転可能であるようになされている。
【0064】
スリーブ214は、内部スリーブ表面240及び外部スリーブ表面242にテーパを画定するものとして記載及び図示するが、種々の他のスリーブのテーパリング方法も好適であると考えられる。当業者であれば、スリーブが拡張位置状態から反転位置状態に移行する所望の圧力を含む種々の考慮すべき事項に基づき、特定の実施形態による適切な方法を選定することができよう。好適と考えられる方法例としては、外部スリーブ表面にテーパを画定し、スリーブの長手方向の軸線に平行する又は実質的に平行する内部スリーブ表面を有する、及び内部スリーブ表面にテーパを画定し、スリーブの長手方向の軸線に平行する又は実質的に平行する外部スリーブ表面を有する、が挙げられるが、これらに限定されない。しかし、特定の実施形態におけるスリーブは任意の適切な大きさ、寸法、形状及び構成を有することができる。
【0065】
(例えば、摂食時)第2のスリーブ端部234に圧力がかけられた際のスリーブ214に対する動的応答の増加を提供するため、及び第2のスリーブ端部234がその周方向長さにおいて密閉することを可能にするため、第2のスリーブ端部234の第1の壁厚250よりも薄い第2の壁厚252を有する第2部分248を含むと有利であると考えられる。また、第2のスリーブ端部234により少量の圧力を印加することによってスリーブ214が拡張位置状態から反転位置状態に及びその逆において移行することを可能にするため、第2の壁厚252を第2のスリーブ端部234に配置すると有利であると考えられる。例えば、第2のスリーブ端部234又はスリーブ214の他の部分に十分な圧力がかけられると、スリーブ214は反転し、拡張位置状態から反転位置状態に移行する。
【0066】
図6、7、8、9、10、11及び12はそれぞれ、管腔内医療デバイス10などの管腔内医療デバイスに含めるための代替スリーブの断面図を示す。
【0067】
図6は、
図5、5A及び5Bに示し、且つ以下に詳述するものを除き上記したスリーブ214に類似するスリーブ314を示す。
図6の参照符号は、100を差し引いた場合、5、5A及び5Bの同様の符号により参照されるものと同様の構成要素又は特徴を意味する。したがって、スリーブ314は、第1のスリーブ端部332と、第2のスリーブ端部334と、第1のスリーブ端部332から第2のスリーブ端部334までに及ぶ軸線方向長さ335と、を有する。第1のスリーブ端部332は第1端部開口部336を画定し、第2のスリーブ端部334は第2端部開口部338を画定する。スリーブ314は内部スリーブ表面340と、外部スリーブ表面342とを有し、第1のスリーブ端部332から第2のスリーブ端部334まで延在するスリーブ内腔344を画定する。スリーブ314は、物質及び/又は流体が第2端部開口部438を通過することを可能にするために第2端部開口部338が開かれるような第2形態において示される。
【0068】
示される実施形態においては、スリーブ314は、第1の壁厚350を有する第1部分346と、第2の壁厚351を有する第2部分347と、第3の壁厚352を有する第3部分348と、を有する。第2部分347は第1部分346と第3部分348との間に配置されている。第1の壁厚350、第2の壁厚351及び第3の壁厚352のそれぞれは内部スリーブ表面340から外部スリーブ表面342までに及ぶ。
【0069】
第1部分346は、スリーブ314の軸線方向長さ335の第1部分354において、第1のスリーブ端部332から第2のスリーブ端部334に向かって、第2部分347の基端部まで延在する。第1部分346は、内部スリーブ表面340及び外部スリーブ表面342に、スリーブ314の軸線方向長さ335の第1部分354に延在するテーパを画定する。テーパは第1のスリーブ端部332に配置された第1の壁厚350を第2部分347の基端部の第2の壁厚351に移行させる。したがって、第1部分346は第1のスリーブ端部332から第2部分347の基端部まで漸減する壁厚を有する。示される実施形態は第1の壁厚350から第2の壁厚351に移行するテーパを含むが、2つの壁厚間における任意の適切な構造的移行(structural transition)を特定の実施形態による管腔内医療デバイスのスリーブに含めることができる。事実、スリーブは任意の方向に増加又は減少しうる厚さを含みうる。したがって、スリーブ厚さは、基端側方向、先端側方向、スリーブの長手方向の経路、スリーブの周方向の経路又はスリーブの任意の適切な経路に沿って増加又は減少しうる。
【0070】
第2部分347は、第1部分346の先端部から第2のスリーブ端部334に向かって、第3部分348の基端部まで延在する。第2部分347はスリーブ314の軸線方向長さ335の第2部分355に延在する連続的な又は実質的に連続的な第2の壁厚351を画定する。
【0071】
第3部分348は第2部分347の先端部から第2のスリーブ端部334まで延在する。第3部分348は、スリーブ314の軸線方向長さ335の第3部分356に延在する連続的な又は実質的に連続的な第3の壁厚352を画定する。
【0072】
第2の壁厚351と第3の壁厚352は互いに異なる。示される実施形態においては、第2の壁厚351は第3の壁厚352よりも厚い。したがって、スリーブ314は第2部分347と第3部分348とが接触する位置に肩部370を画定する。第2の壁厚351は第3の壁厚352よりも厚いものとして図示及び記載されているが、他の壁厚も適切であると考えられ、当業者であれば、内部でデバイスが使用される体内管路などの種々の考慮すべき事項に基づき、特定の実施形態の適切な壁厚を選定することができよう。好適と考えられる厚さの例としては、第3の壁厚よりも薄い第2の壁厚が挙げられるが、これに限定されない。
【0073】
示される実施形態においては、スリーブ314の長手方向の軸線に直交する任意の平坦部分では、スリーブ314の壁厚はスリーブ314の周方向長さ全体において一定であるか実質的に一定である。あるいは、上記のように、壁厚はスリーブの周方向長さ及び/又は軸線方向長さにおける1つ又は複数の位置において変化させることができる。当業者であれば、内部でデバイスが使用される体内管路を含む種々の考慮すべき事項に基づき、特定の実施形態によるスリーブの適切な壁厚を選定することができよう。
【0074】
図7は、
図5、5A及び5Bに示し、且つ以下に詳述するものを除き上記されたスリーブ214に類似するスリーブ414を示す。
図7の参照符号は、200を差し引いた場合、
図5、5A及び5Bの同様の符号により参照されるものと同様の構成要素又は特徴を意味する。したがって、スリーブ414は、第1のスリーブ端部432と、第2のスリーブ端部434と、第1のスリーブ端部432から第2のスリーブ端部434までに及ぶ軸線方向長さ435と、を有する。第1のスリーブ端部432は第1端部開口部436を画定し、第2のスリーブ端部434は第2端部開口部438を画定する。スリーブ414は内部スリーブ表面440と、外部スリーブ表面442とを有し、第1のスリーブ端部432から第2のスリーブ端部434までに及ぶスリーブ内腔444を画定する。スリーブ414は、物質及び/又は流体が第2端部開口部438を通過することを可能にするために第2端部開口部438が開かれるような第2形態において示される。
【0075】
示される実施形態においては、スリーブ414は、第1の壁厚450を有する第1部分446と、第2の壁厚452を有する第2部分448と、を有する。第1の壁厚450及び第2の壁厚452はそれぞれ、内部スリーブ表面440から外部スリーブ表面442までに及ぶ。
【0076】
第1部分446は、スリーブ414の軸線方向長さ435の第1部分454において、第1のスリーブ端部432から第2のスリーブ端部434に向かって第2部分448の基端部まで延在する。第1部分446は、内部スリーブ表面440及び外部スリーブ表面442に、スリーブ414の軸線方向長さ435の第1部分454に延在するテーパを画定する。テーパは第1のスリーブ端部432に配置された第1の壁厚450を第2部分448の基端部の第2の壁厚452に移行させる。したがって、第1部分446は、第1のスリーブ端部432から第2部分447の基端部まで漸減する壁厚を有する。別の実施形態においては、管腔内医療デバイスのスリーブは逆の構造配置を有する。
【0077】
第2部分447は第1部分446の先端部から第2のスリーブ端部434まで延在する。第2部分447は、スリーブ414の軸線方向長さ435の第2部分455に延在する連続的な又は実質的に連続的な第2の壁厚452を画定する。
【0078】
示される実施形態においては、スリーブ414の長手方向の軸線に直交する任意の平坦部分では、スリーブ414の壁厚はスリーブ414の周方向長さ全体において一定であるか実質的に一定である。あるいは、上記のように、壁厚はスリーブの周方向長さ及び/又は軸線方向長さの1つ又は複数の位置において変化させることができる。当業者であれば、内部でデバイスが使用される体内管路を含む種々の考慮すべき事項に基づき、特定の実施形態によるスリーブの適切な壁厚を選定することができよう。
【0079】
図8は、
図5、5A及び5Bに示し、且つ以下に詳述するものを除き上記したスリーブ214に類似するスリーブ514を示す。
図8の参照符号は、300を差し引いた場合、
図5、5A及び5Bの同様符号により参照されるものと同様の構成要素又は特徴を意味する。したがって、スリーブ514は、第1のスリーブ端部532と、第2のスリーブ端部534と、第1のスリーブ端部532から第2のスリーブ端部534までに及ぶ軸線方向長さ535と、を有する。第1のスリーブ端部532は第1端部開口部536を画定し、第2のスリーブ端部534は第2端部開口部538を画定する。スリーブ514は内部スリーブ表面540と外部スリーブ表面542とを有し、第1のスリーブ端部532から第2のスリーブ端部534までに及ぶスリーブ内腔544を画定する。スリーブ414は、物質及び/又は流体が第2端部開口部438を通過することを可能にするために第2端部開口部438が開かれるような第2形態において示される。
【0080】
示される実施形態においては、スリーブ514は、第1の壁厚550を有する第1部分546と、第2の壁厚551を有する第2部分547と、第3の壁厚552を有する第3部分548と、第4の壁厚553を有する第4部分549と、を有する。第1の壁厚550、第2の壁厚551、第3の壁厚552及び第4の壁厚553のそれぞれは内部スリーブ表面540から外部スリーブ表面542までに及ぶ。
【0081】
第1部分546は、スリーブ514の軸線方向長さ535の第1部分554において、第1のスリーブ端部532から第2のスリーブ端部534に向かって、第2部分547の基端部まで延在する。第1部分546は、内部スリーブ表面540及び外部スリーブ表面542に、スリーブ514の軸線方向長さ535の第1部分554において延在するテーパを画定する。テーパは第1のスリーブ端部532に配置された第1の壁厚550を第2部分547の基端部の第2の壁厚551まで移行させる。したがって、第1部分は、第1のスリーブ端部532から第2部分547の基端部まで漸減する壁厚を有する。
【0082】
第2部分547は第1部分546と第3部分548との間に配置されており、スリーブ514の軸線方向長さ535の第2部分555において延在する。第2部分547は、第1部分546の先端部から第2のスリーブ端部534に向かって、第3部分548の基端部まで延在する。第2の壁厚551は軸線方向長さ535の第2部分555において連続的又は実質的に連続的である。
【0083】
第3部分548は第2部分547と第4部分549との間に配置されており、スリーブ514の軸線方向長さ535の第3部分556において延在する。第3部分548は、第2部分547の先端部から第2のスリーブ端部534に向かって、第4部分549の基端部まで延在する。第3部分548は内部スリーブ表面540及び外部スリーブ表面542に弧を画定する。第3の壁厚552は第2部分547の先端部から軸線方向長さ535の第3部分556におけるある点まで増加し、軸線方向長さ535の第3部分556における同じ点又は異なる点から第4部分の基端部534まで減少する。
【0084】
第4部分549は第3部分548の先端部から第2のスリーブ端部534まで延在する。第4部分549は、内部スリーブ表面540及び外部スリーブ表面542に、スリーブ514の軸線方向長さ535の第4部分557において延在するテーパを画定する。テーパは、第4部分549の壁厚を、第3部分548の先端部の壁厚から第2のスリーブ端部534の第4の壁厚553まで移行させる。したがって、第4部分549は、第3部分548の先端部から第2のスリーブ端部534まで漸減する壁厚を有する。
【0085】
示される実施形態においては、スリーブ514の長手方向の軸線に直交する任意の平坦部分では、スリーブ514の周方向長さ全体における壁厚は一定であるか実質的に一定である。あるいは、上記のように、壁厚はスリーブの周方向長さ及び/又は軸線方向長さの1つ又は複数の位置において変化させることができる。当業者であれば、内部でデバイスが使用される体内管路を含む種々の考慮すべき事項に基づき、特定の実施形態によるスリーブの適切な壁厚を選定することができよう。
【0086】
図9は、
図6に示し、且つ以下に詳述するものを除き上記したスリーブ314に類似するスリーブ614を示す。
図9の参照符号は、400を差し引いた場合、
図6の同様の符号により参照されるものと同様の構成要素又は特徴を意味する。したがって、スリーブ614は、第1のスリーブ端部632と、第2のスリーブ端部634と、第1のスリーブ端部632から第2のスリーブ端部634までに及ぶ軸線方向長さ635と、を有する。第1のスリーブ端部632は第1端部開口部636を画定し、第2のスリーブ端部634は第2端部開口部638を画定する。スリーブ614は内部スリーブ表面640と外部スリーブ表面642とを有し、第1のスリーブ端部632から第2のスリーブ端部634までに及ぶスリーブ内腔644を画定する。スリーブ614は第1の密閉又は実質的に密閉形態において示される。
【0087】
示される実施形態においては、スリーブ614は、第1の壁厚650を有する第1部分646と、第2の壁厚651を有する第2部分647と、第3の壁厚652を有する第3部分648と、を有する。第2部分647は第1部分646と第3部分648との間に配置されている。第1の壁厚650、第2の壁厚651及び第3の壁厚652のそれぞれは内部スリーブ表面640から外部スリーブ表面642までに及ぶ。
【0088】
第1部分646は、第1のスリーブ端部632から第2のスリーブ端部634に向かって、第2部分647の基端部まで延在する。第1部分646は、スリーブ614の軸線方向長さ635の第1部分654において延在する連続的な又は実質的に連続的な第1の壁厚650を画定する。
【0089】
第2部分647は、スリーブ614の軸線方向長さ635の第2部分655において、第1部分646の先端部から第2のスリーブ端部634に向かって、第3部分648の基端部まで延在する。第2部分647は、内部スリーブ表面640に、スリーブ614の軸線方向長さ635の第2部分655において延在するテーパを画定する。第1部分646の先端部に配置された第2部分647の壁厚は、第1の壁厚650から第3部分648の基端部の第2の壁厚651まで移行する。したがって、第2部分647は、第1部分646の先端部から第3部分648の基端部まで漸減する壁厚を有する。
【0090】
第3部分648は、スリーブ614の軸線方向長さの第3部分656において、第2部分647の先端部から第2のスリーブ端部634まで延在する。第3部分648は、内部スリーブ表面640に、スリーブ614の軸線方向長さ635の第3部分656において延在するテーパを画定する。第3部分648の壁厚は、第2部分647の先端部の第2の壁厚651から第2のスリーブ端部634の第3の壁厚652まで移行する。したがって、第3部分648の壁厚は第2部分647の先端部から第2のスリーブ端部634まで漸減する。
【0091】
示される実施形態においては、スリーブ614の壁厚は第1部分646の先端部から第2のスリーブ端部634まで減少する。この構造形態は、少なくともスリーブ614が第2部分及び/又は第3部分においてより厚い壁厚を有するスリーブと比べるとより少ない量の圧力の印加によって第2の密閉又は実質的に密閉形態を維持することを可能にするため有利であると考えられる。
【0092】
図10は、
図7に示し、且つ以下に詳述するものを除き、上記したスリーブ414に類似するスリーブ714を示す。
図10の参照符号は、300を差し引いた場合、
図7の同様の符号により参照されるものと同様の構成要素又は特徴を意味する。したがって、スリーブ714は、第1のスリーブ端部732と、第2のスリーブ端部734と、第1のスリーブ端部732から第2のスリーブ端部734までに及ぶ軸線方向長さ735と、を有する。第1のスリーブ端部732は第1端部開口部736を画定し、第2のスリーブ端部734は第2端部開口部738を画定する。スリーブ714は内部スリーブ表面740と外部スリーブ表面742とを有し、第1のスリーブ端部732から第2のスリーブ端部734までに及ぶスリーブ内腔744を画定する。スリーブ714は第1の密閉又は実質的に密閉形態において示される。
【0093】
示される実施形態においては、スリーブ714は、第1の壁厚750を有する第1部分746と、第2の壁厚752を有する第2部分748と、を有する。第1の壁厚750及び第2の壁厚752のそれぞれは内部スリーブ表面740から外部スリーブ表面742までに及ぶ。
【0094】
第1部分746は、第1のスリーブ端部732から第2のスリーブ端部734に向かって、第2部分748の基端部まで延在する。第1部分746は軸線方向長さ735の第1部分754において延在する連続的な又は実質的に連続的な第1の壁厚750を画定する。
【0095】
第2部分748は、スリーブ714の軸線方向長さ735の第2部分755において、第1部分746の基端部からスリーブ第2端部734まで延在する。第2部分748は、第2の壁厚752が第1部分746の先端部から軸線方向長さ735の第2部分755のある点まで増加し、軸線方向長さ735の第3部分755の同じ点又は異なる点からスリーブ第2端部734まで減少するように内部スリーブ表面740に曲線を画定する。したがって、軸線方向長さ735の第2部分755における第1の点において第2部分が第1の長さを有する壁厚を有し、軸線方向長さ735の第2部分755における第2の異なる点において第2部分が第1の長さとは異なる第2の長さを有する壁厚を有するように、第2の壁厚752はスリーブ714の軸線方向長さの第2部分755において不均一に分配される。
【0096】
この構造形態は少なくとも、圧力を印加した際にスリーブが反転する位置及び反転可能なスリーブの量を位置決めするための機構を提供することから有利であると考えられる。例えば、この形態は少なくとも、部分的に反転可能なスリーブが所望される管腔内医療デバイスでの使用に有利であると考えられる。
【0097】
図11は、
図6に示し、且つ以下に詳述するものを除き、上記したスリーブ314に類似するスリーブ814を示す。
図11の参照符号は、500を差し引いた場合、
図6の同様の符号により参照されるものと同様の構成要素又は特徴を意味する。したがって、スリーブ814は、第1のスリーブ端部832と、第2のスリーブ端部834と、第1のスリーブ端部832から第2のスリーブ端部834までに及ぶ軸線方向長さ835と、を有する。第1のスリーブ端部832は第1端部開口部836を画定し、第2のスリーブ端部834は第2端部開口部838を画定する。スリーブ814は内部スリーブ表面840と外部スリーブ表面842とを有し、第1のスリーブ端部832から第2のスリーブ端部834までに及ぶスリーブ内腔844を画定する。スリーブ814は第1の密閉又は実質的に密閉形態において示される。
【0098】
示される実施形態においては、スリーブ814は、第1の壁厚850を有する第1部分846と、第2の壁厚851を有する第2部分847と、第3の壁厚852を有する第3部分848と、を有する。第2部分847は第1部分846と第3部分848との間に配置されている。第1の壁厚850、第2の壁厚851及び第3の壁厚852のそれぞれは内部スリーブ表面840から外部スリーブ表面842までに及ぶ。
【0099】
第1部分846は、第1のスリーブ端部832から第2のスリーブ端部834に向かって、第2部分847の基端部まで延在する。第1部分846は、スリーブ814の軸線方向長さ835の第1部分854において延在する連続的な又は実質的に連続的な第1の壁厚850を画定する。
【0100】
第2部分847は、スリーブ814の軸線方向長さ835の第2部分855において、第1部分846の先端部から第3部分848の基端部まで延在する。第2の壁厚851が第1部分846の先端部から軸線方向長さ835の第2部分855のある点まで増加し、軸線方向長さ835の第2部分855の同じ点又は異なる点から第3部分848の基端部まで減少するように、第2部分847は内部スリーブ表面840に曲線を画定する。したがって、第1部分846の先端部と第3部分848の基端部との間の第2の壁厚851は第1の壁厚850及び第3の壁厚852よりも厚い。
【0101】
第3部分848は第2部分の先端部847から第2のスリーブ端部834まで延在する。第3部分848は、スリーブ814の軸線方向長さ835の第3部分856において延在する連続的な又は実質的に連続的な第3の壁厚852を画定する。
【0102】
この構造形態は少なくとも、圧力を印加した際にスリーブが反転する位置及び反転可能なスリーブの量を位置決めするための機構を提供することから有利であると考えられる。例えば、フレーム内に反転するスリーブの長さを制御するため第2部分の先端部は所望のように配置することができる。例えば、この形態は少なくとも、部分的に反転可能なスリーブが所望される管腔内医療デバイスでの使用に有利であると考えられる。
【0103】
図12は、
図10に示し、且つ以下に詳述するものを除き、上記したスリーブ714に類似するスリーブ914を示す。
図12の参照符号は、200を差し引いた場合、
図10の同様の符号により参照されるものと同様の構成要素又は特徴を意味する。したがって、スリーブ914は、第1のスリーブ端部932と、第2のスリーブ端部934と、第1のスリーブ端部932から第2のスリーブ端部934までに及ぶ軸線方向長さ935と、を有する。第1のスリーブ端部932は第1端部開口部936を画定し、第2のスリーブ端部934は第2端部開口部938を画定する。スリーブ914は内部スリーブ表面940と外部スリーブ表面942とを有し、第1のスリーブ端部932から第2のスリーブ端部934までに及ぶスリーブ内腔944を画定する。スリーブ914は第1の密閉又は実質的に密閉形態において示される。
【0104】
示される実施形態においては、スリーブ914は、第1の壁厚950を有する第1部分946と、第2の壁厚952を有する第2部分948と、を有する。第1の壁厚950及び第2の壁厚952のそれぞれは内部スリーブ表面940から外部スリーブ表面942までに及ぶ。
【0105】
第1部分946は、第1のスリーブ端部932から第2のスリーブ端部934に向かって、第2部分948の基端部まで延在する。第1部分946は軸線方向長さ935の第1部分954において延在する連続的な又は実質的に連続的な第1の壁厚950を画定する。
【0106】
第2部分948は、スリーブ914の軸線方向長さ935の第2部分955において第1部分946の先端部からスリーブ第2端部934まで延在する。第2部分948は、内部スリーブ表面940に、スリーブ914の軸線方向長さ935の第2部分955において延在するテーパを画定する。第2部分948の壁厚は第1部分946の先端部の第1の壁厚950から第2のスリーブ端部934の第2の壁厚952まで増加する。したがって、第2部分948は第2のスリーブ端部934から第1部分946の先端部まで漸減する壁厚を有する。
【0107】
図13及び
図13Aは、
図6に示し、且つ以下に詳述するものを除き、上記したスリーブ314に類似するスリーブ1014を示す。
図13及び
図13Aの参照符号は、700を差し引いた場合、
図6の同様の符号により参照されるものと同様の構成要素又は特徴を意味する。したがって、スリーブ1014は、第1のスリーブ端部1032と、第2のスリーブ端部1034と、第1のスリーブ端部1032から第2のスリーブ端部1034までに及ぶ軸線方向長さ1035と、を有する。第1のスリーブ端部1032は第1端部開口部1036を画定し、第2のスリーブ端部1034は第2端部開口部1038を画定する。スリーブ1014は内部スリーブ表面1040と外部スリーブ表面1042とを有し、第1のスリーブ端部1032から第2のスリーブ端部1034までに及ぶスリーブ内腔1044を画定する。スリーブ1014は第1の密閉又は実質的に密閉形態において示される。
図13及び
図13Aは特定の実施形態による管腔内医療デバイスを示すが、特定の実施形態におけるスリーブは任意の適切な大きさ、寸法、形状及び構成を有することができることは理解される。
【0108】
示される実施形態においては、スリーブ1014は、第1の壁厚1050を有する第1部分1046と、第2の壁厚1051を有する第2部分1047と、第3の壁厚1052を有する第3部分1048と、を有する。第2部分1047は第1部分1046と第3部分1048との間に配置されている。第1の壁厚1050、第2の壁厚1051及び第3の壁厚1052のそれぞれは内部スリーブ表面1040から外部スリーブ表面1042までに及ぶ。第1の壁厚1050、第2の壁厚1051及び第3の壁厚1052のそれぞれは連続的な又は実質的に連続的な壁厚を有する。
【0109】
示される実施形態においては、第1部分1046は、スリーブ1014の軸線方向長さ1035の第1部分1054において、第1のスリーブ端部1032から第2のスリーブ端部1034に向かって第2部分1047の基端部まで延在する。第1部分1046は、内部スリーブ表面1040からスリーブ1014の壁内に延在する第1凹部セット1058及び外部スリーブ表面1042からスリーブ1014の壁内に延在する第2凹部セット1060を画定する。示される実施形態においては、第1凹部セット1058及び第2凹部セット1060の各凹部はひし形の外周部を有する。スリーブの第1部分の内部スリーブ表面及び/又は外部スリーブ表面に1つ又は複数の凹部を少なくとも含むと有利であると考えられるが、この理由は、この形態が、第1部分に1つ又は複数の凹部を含めることを省略したスリーブと比べて、スリーブを伸張位置状態から反転位置状態に及びその逆において移行するのに必要な圧力を低減するからである。
【0110】
第1凹部セット1058及び第2凹部セット1060の各凹部は任意の適切な技術及び/又は方法を使用して形成することができ、当業者であれば、スリーブの所望の可撓性を含む種々の考慮すべき事項に基づき、凹部をスリーブに形成するための適切な技術及び/又は方法を選定することができよう。凹部を形成する方法の例としては、スリーブの壁の一部を切断及び除去する、又はスリーブを形成し、凹部を配置することが望まれる場所の材料を取り除く、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0111】
第1凹部セット1058及び第2凹部セット1060の各凹部はひし形の外周部を有するものとして記載されているが、凹部は任意の適切な形状を有することができ、当業者であれば、種々の考慮すべき事項に基づき、特定の実施形態によるスリーブの凹部の適切な形状を選定することができよう。凹部に好適であると考えられる形状の例としては、輪状、矩形、三角形、多面、湾曲、楕円、長円形及び特定の用途に好適であると考えられる任意の他の形状が挙げられるが、これらに限定されない。
【0112】
内部スリーブ表面1040及び外部スリーブ表面1042に3つの凹部が示されているが、任意の適切な数の凹部をスリーブ内に含むことができ、当業者であれば、スリーブの所望の可撓性を含む種々の考慮すべき事項に基づき、特定の実施形態によるスリーブの適切な数の凹部を選定することができよう。内部スリーブ表面及び/又は外部スリーブ表面に含めるのに好適であると考えられる凹部の数の例としては、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、複数が挙げられるが、これらに限定されず、特定の用途においては任意の他の数が好適であると考えられる。
【0113】
第1凹部セット1058及び第2凹部セット1060の各凹部はスリーブ1014の第1部分に画定されるものとして図示及び記載されているが、凹部又は複数の凹部をスリーブの任意の適切な部分に画定することができる。当業者であれば、スリーブの所望の可撓性を含む種々の考慮すべき事項に基づき、特定の実施形態による1つ又は複数の凹部を含むスリーブの適切な部分を選定することができよう。1つ又は複数の凹部を含むのに好適であると考えられるスリーブの部分の例には、スリーブ第1端部からスリーブ第2端部に向かって延在する部分、スリーブ第1端部とスリーブ第2端部との間の第1の点から、第1の点の先端側であり、且つスリーブ第1端部とスリーブ第2端部との間である第2の点まで延在する部分、及びスリーブ第2端部からスリーブ第1端部に向かって延在する部分が挙げられるが、これらに限定されない。
【0114】
管腔内医療デバイスに含めるためのスリーブのための種々の構造配置を記載したが、種々の他の構造配置も好適であると考えられる。当業者であれば、スリーブが拡張位置状態から反転位置状態に及びその逆において移行する所望の圧力を含む種々の考慮すべき事項に基づき、特定の実施形態によるスリーブのための適切な構造配置を選定することができよう。好適であると考えられる構造配置例としては、スリーブの軸線方向長さの全体又は一部がテーパを画定するスリーブ、スリーブの軸線方向長さの全体又は一部が曲線を画定するスリーブ、スリーブの軸線方向長さの全体又は一部が1つ又は複数の曲線を画定するスリーブ、スリーブの軸線方向長さの全体又は一部が弧を画定するスリーブ、スリーブの軸線方向長さの全体又は一部が1つ又は複数の弧を画定するスリーブ、及び/又はスリーブの軸線方向長さに沿って1つ又は複数の肩部を画定する壁を有するスリーブが挙げられるが、これらに限定されない。
【0115】
本明細書中に記載されているスリーブの任意の構造形態及び/又は特徴は任意の適切な手法で組み合わせることができ、当業者であれば、スリーブが拡張位置状態から反転位置状態に移行する所望の圧力を含む種々の考慮すべき事項に基づき、特定の実施形態によるスリーブに含めるための適切な構造形態及び/又は特徴を選定することができよう。スリーブに含めるのに好適であると考えられる構造配置及び/又は特徴の例としては、スリーブ14、スリーブ114、スリーブ214、スリーブ314、スリーブ414、スリーブ514、スリーブ614、スリーブ714、スリーブ814、スリーブ914及びスリーブ1014に関して記載及び/又は図示したものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0116】
図14、15及び16は、第4の例示的管腔内医療デバイス1110を示す。管腔内医療デバイス1110は、以下に詳述するものを除き、
図1、1A、1B、1C及び2に示し、且つ上記した管腔内医療デバイス10に類似する。
図14、15及び16の参照符号は、1100を差し引いた場合、
図1、1A、1B、1C及び2の同様の符号により参照されるものと同様の構成要素又は特徴を意味する。したがって、管腔内医療デバイス1110は、フレーム1112と、フレーム1112に取り付けられたスリーブ1114と、を含む。フレーム1112とスリーブ1114は協同して管腔内医療デバイス1110の長さ全体に及ぶデバイス内腔1116を画定する。明確にするため、フレーム1112はワイヤメッシュ、複数の交差ワイヤ部分及び複数のメッシュ開き目を省略して示されている。本明細書中に記載されるように、フレームは任意の適切な構造形態を有することができ、且つ任意の適切な材料で形成することができる。
【0117】
示される実施形態においては、フレーム1112は、長手方向の軸線1113と、第1のフレーム端部1118と、第2のフレーム端部1120と、を有する。第1のフレーム端部1118は第1のフレーム端部開口部1122を画定し、第2のフレーム端部1120は第2のフレーム端部開口部1124を画定する。フレーム1112は内部フレーム表面1126と外部フレーム表面1128とを有し、第1のフレーム端部1118から第2のフレーム端部1120まで延在するフレーム内腔1130を画定する。フレーム1112は、フレーム1112の基端部に配置されている第1肩部1162及び第1フランジ1164と、フレーム1112の先端部に配置されている第2肩部1166及び第2フランジ1168とを画定する。
【0118】
少なくとも第1フランジ1164及び第2フランジ1168を含むと有利であると考えられるが、この理由は、この構造形態が、展開された際に体内管路(例えば食道)内において管腔内医療デバイス1110の姿勢を維持するための機構を提供するからである。
【0119】
スリーブ1114は、第1端部開口部1136を画定する第1のスリーブ端部1132と、第2端部開口部1138を画定する第2のスリーブ端部1134と、を有する。第2のスリーブ端部1134は、
図14、15及び16に示されるような第1形態と、不図示の第2形態とを有するようになされている。第1形態においては、第2端部開口部1138は、物質及び/又は流体が第2端部開口部1138を通過することを妨げるように、スリーブ1114の周方向長さの一部又は全体において密閉又は実質的に密閉される。第2形態においては、第2端部開口部1138は物質及び/又は流体が第2端部開口部1138を通過することができるように開かれている。
【0120】
示される実施形態においては、フレーム1112の長さに沿って種々のスリーブ取付位置1170、1172、1174及び1176を示し且つ配置している。各スリーブ取付位置1170、1172、1174及び1176はフレーム1112の長手方向の軸線1113に直交し、且つフレーム1112の周方向長さの一部又は全体に延在する。スリーブ取付位置1170は第2のフレーム端部1120に配置されている。スリーブ取付位置1172は第2のフレーム端部1120の基端側及び第2肩部1166の先端側に配置されている。したがって、スリーブ取付位置1172は第2肩部1166と第2のフレーム端部1120との間に配置されている。スリーブ取付位置1174は第2肩部1166に配置されており、スリーブ取付位置1176は第1のフレーム端部1118と第2肩部1166との間に配置されている。フレーム1112は各スリーブ取付位置1170、1172、1174及び1176において異なる半径方向強度を有する。例えば、スリーブ取付位置1176におけるフレーム1112の半径方向強度はスリーブ取付位置1174におけるフレーム1112の半径方向強度よりも高い。加えて、スリーブ取付位置1174におけるフレーム1112の半径方向強度はスリーブ取付位置1172におけるフレーム1112の半径方向強度よりも高い。更に、スリーブ取付位置1172におけるフレーム1112の半径方向強度はスリーブ取付位置1170におけるフレーム1112の半径方向強度よりも高い。
【0121】
示される実施形態においては、第1のスリーブ端部1132は、内部フレーム表面1126に、フレーム1112の周方向長さの一部又は全体にわたるスリーブ取付位置1172において取り付けられている。したがって、第1のスリーブ端部1132は、第2肩部1166と第2のフレーム端部1120との間においてフレーム1112に取り付けられている。
【0122】
図14は、伸張位置状態にあるスリーブ1114を示す。
図15に示すように、材料及び/又は流体により、スリーブ1114に矢印1178として示される第1の方向の圧力が印加されると、スリーブ1114は、
図16に示すように、伸張位置状態から反転位置状態に移行する。材料及び/又は流体により、スリーブ1114に、第1の方向1178と逆又は実質的に逆の、矢印1179として示される第2の方向の圧力が印加されると、スリーブ1114は反転位置状態から伸張位置状態に移行する。
【0123】
取付位置1170、1172、1174及び1176はフレーム1112の長手方向の軸線1113に直交するものとして記載されているが、スリーブをフレームの長手方向の軸線に対して任意の適切な角度で取り付けることも適切であると考えられる。当業者であれば、スリーブが反転する及び/又は復帰することになる所望の圧力を含む種々の考慮すべき事項に基づき、特定の実施形態によるフレームにスリーブを取り付けるための適切な角度を選定することができよう。フレームにスリーブを取り付けるのに好適であると考えられる角度の例としては、フレームの長手方向の軸線に直交、フレームの長手方向の軸線に対して約1度〜約179度の角度、及び特定の用途に好適であると考えられる任意の他の角度が挙げられるが、これらに限定されない。
【0124】
スリーブ1114はスリーブ取付位置1170において内部フレーム表面1126に取り付けられるものとして記載及び図示されたが、スリーブはフレームの任意の適切な表面及びフレームの軸線方向長さにおける任意の適切な位置に取り付けることができる。当業者であれば、フレーム及びスリーブを形成する材料を含む種々の考慮すべき事項に基づき、特定の実施形態によるスリーブを取り付けるためのフレームの適切な表面及びフレームの適切な位置を選定することができよう。スリーブをフレームに取り付けるのに好適であると考えられる表面の例としては、内部フレーム表面及び外部フレーム表面が挙げられるが、これらに限定されない。別法として、本明細書中により詳細に記載されるように、スリーブはフレーム上に又はフレームの一部として形成することができる。スリーブを取り付けるのに好適であると考えられる位置の例としては、取付位置1170、取付位置1172、取付位置1174、取付位置1176、肩部1162、フランジ1164、肩部1166、フランジ1168、第1のフレーム端部1118、及び特定の用途に好適であると考えられるフレームの軸線方向長さにおける任意の他の位置が挙げられるが、これらに限定されない。
【0125】
図17は、第5の例示的管腔内医療デバイス1210を示す。管腔内医療デバイス1210は、
図14、15及び16に示し、且つ以下に詳述するものを除き、上記した管腔内医療デバイス1110に類似する。
図17の参照符号は、100を差し引いた場合、
図14、15及び16の同様の符号により参照されるものと同様の構成要素又は特徴を意味する。したがって、管腔内医療デバイス1210は、フレーム1212と、フレーム1212に取り付けられたスリーブ1214と、を含む。フレーム1212とスリーブ1214は協同して管腔内医療デバイス1210の長さ全体に及ぶデバイス内腔1216を画定する。
【0126】
示される実施形態においては、スリーブ1214はフレーム第2端部1220に配置されているスリーブ取付位置1270においてフレーム1112に取り付けられている。フレーム第2端部1220は、第1形態(例えば、
図16に示される)から、
図17に示される、フレーム第2端部1220がフレーム内腔1230に半径方向内側に(例えば、内側に畳まれる)移動する第2形態に移行するようになされている。フレーム第2端部1220は、管腔内医療デバイス1210に印加される、矢印1280として示される第1の圧力に応答して半径方向内側に移動する。第1の圧力は、矢印1281として示される、スリーブ1214を伸張位置状態から反転位置状態に移行するのに必要な第2の圧力よりも小さい。この構造配置は、少なくとも、スリーブ1214が反転位置状態に移行することを防止し、材料及び/又は流体がスリーブ1214内の管腔内医療デバイスを通過することを防止するための機構を提供することから有利であると考えられる。
【0127】
フレーム第2端部1220は、任意の適切な長さ及び任意の適切な圧力において半径方向内側に移動するようにすることができ、当業者であれば、種々の考慮すべき事項に基づき、特定の実施形態による、フレーム第2端部を半径方向内側に移動するよう適応させるための適切な長さ及び適切な圧力を選定することができよう。加えて、フレーム1212は、フレーム第2端部1220の移動を実現するために任意の適切な方法を使用して任意の適切な材料で形成することができ、当業者であれば、種々の考慮すべき事項に基づき、特定の実施形態によるフレームを形成するための適切な材料及び方法を選定することができよう。好適と考えられる材料及び方法の例としては、本明細書中に記載される、フレームの、半径方向内側に移動可能となるフレームの軸線方向長さ及び/又は周方向長さを、フレームの軸線方向長さ及び/又は周方向長さの残りの部分と比べてより少数のワイヤ部分で形成する、が挙げられるが、これらに限定されず、特定の用途においては任意の他の材料及び/又は方法も好適であると考えられる。
【0128】
前述の詳細な説明は本発明の例示的実施形態を提供するものであり、本発明を実施するための最良の態様を含む。実施形態の記載及び図は本発明の例を提供するものであり、本発明の範囲又は保護をいかようにも限定するものではない。