特許第6463306号(P6463306)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6463306
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】高周波輻射の検知及び評価
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/3827 20150101AFI20190121BHJP
   G01R 29/08 20060101ALI20190121BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20190121BHJP
【FI】
   H04B1/3827 120
   G01R29/08 Z
   H04M1/00 R
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-143989(P2016-143989)
(22)【出願日】2016年7月22日
(62)【分割の表示】特願2013-530624(P2013-530624)の分割
【原出願日】2011年9月30日
(65)【公開番号】特開2017-38361(P2017-38361A)
(43)【公開日】2017年2月16日
【審査請求日】2016年8月22日
(31)【優先権主張番号】2010/0660
(32)【優先日】2010年10月1日
(33)【優先権主張国】IE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515281008
【氏名又は名称】トラスト・テクノロジー・ワールド・ディーエムシーシー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【弁理士】
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】ペナフィール ルイス ミゲル
【審査官】 浦口 幸宏
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0153754(US,A1)
【文献】 米国特許第05566685(US,A)
【文献】 特表2000−503558(JP,A)
【文献】 特表2009−544217(JP,A)
【文献】 特開2004−298646(JP,A)
【文献】 特開2006−180193(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/38− 1/58
H04M 1/00
H04M 1/24− 1/82
H04M 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
RF信号を送出することによって動作するパーソナル通信機器によって生成される電磁場に被ばくすることにより引き起こされる、人間や動物の生命に対して潜在的に有害な影響を減らしまたは除去するための装置であって、
前記RF信号の前記潜在的に有害な影響を減らしまたは除去する補償信号を供給する手段と、更にRF信号を感知して分析し、前記感知されたRF信号の特徴及び前記RF信号の生物学的影響を生じさせる能力を判別する手段であって、前記分析の結果に基づいて、前記感知されたRF信号の人間や動物の生命に対する前記潜在的に有害な影響を減らしまたは除去する前記補償信号を供給する手段を起動する手段が設けられた機器、を備え、
前記RF信号を感知して分析し、前記感知されたRF信号の特徴及び前記RF信号の生物学的影響を生じさせる能力を判別する手段は、前記信号が音声かデータかを判別する、装置。
【請求項2】
人間や動物の生命に潜在的に有害なRF伝播を行うパーソナル通信機器と連携する補償装置であって、前記補償装置は、
前記RF伝播の存在を感知するセンサー手段と、
前記RF伝播の特徴及び前記RF伝播が生物学的影響を引き起こし得るか判別するため、前記RF伝播を評価する信号分析手段と、
補償信号生成手段を有し、
前記信号分析手段は前記評価の結果に基づいて前記補償信号生成手段を作動するために接続されており、前記補償信号生成手段は前記パーソナル通信機器近辺の補償電磁場を確立するために配置され、
前記信号分析手段は、前記RF伝播が音声かデータかを判別する、補償装置。
【請求項3】
前記パーソナル通信機器は携帯電話送受話器であり、前記補償装置は前記携帯電話送受話器内に配置される請求項2記載の補償装置。
【請求項4】
前記補償装置は、前記携帯電話送受話器のバッテリー付近に配置される単一コンポーネントを備え、前記単一コンポーネントは前記センサー手段、前記信号分析手段、そして前記補償信号生成手段を含む請求項3記載の補償装置。
【請求項5】
前記パーソナル通信機器は携帯電話送受話器であり、前記補償装置は前記携帯電話送受話器に隣接して配置されるようになっている請求項2記載の補償装置。
【請求項6】
前記信号分析手段は、人間や動物の生命に潜在的に有害な影響を有し得る周波数で現れる一連のパルスとして放出される輻射を検知するように配置され、
前記検知手段は、検知された送出信号を所定時間間隔にわたって積算する第一の積算手段と、前記検知された送出信号を前記所定時間間隔にわたって積算する第二の積算手段に対して前記検知された送出信号を与える時間遅延手段と、前記第一と第二の積算手段からの積算値を閾値と比較する手段又は前記RF伝播が有意の持続時間を有しているか否か判別するための比較手段とを含む検知ステージを有する、請求項2乃至5の何れか1項に記載の補償装置。
【請求項7】
前記補償信号生成手段は、前記信号分析手段に応答する補償信号制御手段と、補償信号生成器と、前記装置付近に補償場を確立する手段とを有し、前記補償信号制御手段は、前記信号分析手段からの出力を、前記パーソナル通信機器からの放射が潜在的に有害である可能性を示すのに十分な長さの第一の所定時間モニターするモニター手段を含み、続いて前記補償信号制御手段が第二の所定時間の間補償場を確立するための前記補償信号生成器に対して、電源供給する請求項2乃至6の何れか1項に記載の補償装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電場、磁場、電磁場の生体系に対する潜在的に有害な影響から生体系を保護するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電場、磁場、電磁場の生体系に対する影響に関しては対立する見解が存在している。しかしながら、ある種の場が人間を含む生体系に損傷を与える、という少なからぬ証拠がある。有害な影響は長期にわたる可能性もあり、その全体のインパクトはまだ認識されていない。
【0003】
世界中で電気的に動作する機器の使用が劇的に増加している。そのような機器は全て電磁場の放出を伴っており、度合いは変わるものの、人間の健康に影響を及ぼすおそれがある。特に、RF(Radio Frequency)信号を送出し、人体に近接して用いられる機器についての関心が高く、例として携帯電話やその他のパーソナル通信機器が挙げられる。問題とされているのは、これらの製品の製造の際に準拠し、これらの機器のユーザに対するRF被ばく限度を定めている安全基準が、熱的閾値以下、すなわち観測可能な加熱を生じさせ直接的なエネルギー移動に帰することができるようなレベル以下の被ばくレベルの影響について、適切に説明していないのではないかという点である。そのような低レベルの影響の可能性は、疫学的研究や研究機関の調査の実質的証拠により支持されており、このような被ばくの影響を最小化できるいかなる手段もこれらの機器のユーザにとって利益となるであろうという提言がなされている。
【0004】
特許文献1は電磁場の有害な影響からの生体系の保護に関し、ある種の場が酵素オルニチンデカルボキシラーゼに影響するとしている。この特許では仮に有害な電磁場を、オン・オフの切り替えやこの電磁場に電磁ノイズ場を重ね合わせることによって変更することができれば、潜在的に損害を与える影響を減らし、除去することが可能である、としている。さらにこの特許文献1では、こういった変更が電磁場の関連する特徴的な特性を5秒未満の間隔で、好ましくは0.1秒から1秒の間隔で、時間変化させた場合にのみこの影響を減少できる、としている。変更可能な特徴的な特性として、周波数や位相、波形、振幅が言及されている。類似する効果は非特許文献1及び非特許文献2でも議論されている。
【0005】
特許文献1はさらに、この生体保護案の携帯電話への応用も含む、様々な応用について触れている。EMX Corporationは特許文献1に記載された技術を実用化した携帯電話のバッテリーに力を入れている。携帯電話に使用された場合、これらのバッテリーは局所的なRF場に重ね合わせるノイズ電磁場を発生させ、これにより全体の場を不規則にして生物学的影響を生じさせないようにしている。このノイズはバッテリーパックの一部を形成するコイルによって生成される。ノイズの活性化はバッテリーから電話機への電流の流れをモニターすることで行われ、このモニターは電話機が生物学的影響を生じさせるようなRF場を送出しているか判定する間接的手段として使われている。このような活性化技術は古い型の電話機ではよく動作するが、バッテリーパワーを要し、これにより電流の流れを生じさせるゲームやその他のエンターテインメント・アプリケーションといったアプリケーションを有している新しい型の電話機では頼りにならないことが示されている。そして、誤ってノイズ機能を動作させることによって、潜在的に受け入れ難いバッテリー寿命の低下を引き起こしてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5544665号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「The role of coherence time in the effect of microwaves on ornithine decarboxylase activity」、バイオエレクトロマグネティクス(Bioelectromagnetics)、米国、ワイリー−リス(Wiley−Liss)、1993年、第14巻、第5号、P.395−403
【非特許文献2】「The role of temporal sensing in bioelectromagnetic effects」、バイオエレクトロマグネティクス(Bioelectromagnetics)、米国、ワイリー−リス(Wiley−Liss)、1997年、第18巻、第5号、P.388−395
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この本発明は上述の問題を克服するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、RF信号を送出することによって動作する機器によって生成される電磁場に被ばくすることにより引き起こされる、人間や動物の生命に対して潜在的に有害な影響を減らしまたは除去するための方法、装置、システムを提供するものであり、前記RF信号の前記潜在的に有害な影響を減らしまたは除去する手段と、更にRF場を感知して分析し、その生物学的影響を生じさせる能力を判別し、前記計測されたRF信号の人間や動物の生命に対する潜在的に有害な影響を減らしまたは除去する前記手段を起動する手段が設けられた機器を備えている。
【0010】
本発明は、人間や動物の生命に潜在的に有害となり得るRF信号を送出することで動作するほとんどの電子機器に適用することができるが、携帯電話のように人体に近接して使用されるようなパーソナル通信機器では特に有用である。
【発明の効果】
【0011】
以前の研究では、RF輻射はもしも規則的なもの、つまり一定の特性を有するものを、10秒以上の間連続して適用すると潜在的に有害な影響をもたらし、もしもこの規則的な状態の時間を1秒以内にまで減らせば、潜在的な害は実質的に除去されるとしている。本発明における潜在的な害を除去する手段は、ノイズ電磁場を潜在的に有害な輻射に重ね合わせて、時間的に不規則な複合場、すなわち時間的に一定の特性を有さない場を生成してもよく、これによってもはや害を生じさせる可能性がなくなる。このノイズ場の使用を以下、補償信号と称する。この方法は電子機器をその動作方法を変更することなく使用することができ、好ましい。
【0012】
こういった応用に限定されるものではないが、本発明は特にバッテリーで動作するパーソナル通信機器に有用である。好ましい実施形態においては、RF輻射の潜在的に有害な影響は、RF信号に重ね合わせて不規則な複合信号として生命に対する影響を有さないようにする補償信号を生成する手段によって阻止される。いかなる適当な手段も使用することができるが、補償信号場を生成するためにバッテリーからの電源を利用して起動する誘導コイルと、自然界にもともと存在する磁場からなる手段を用いても良い。
【0013】
潜在的に有害な輻射を感知し、見分ける手段は、例えばアンテナのような標準的なRFセンサーと付随する電子機器でよく、この手段は、特に電子機器から発せられ潜在的に有害と考えられる特定の輻射を見分けるのに適したものである。
【0014】
好ましくは、本発明の装置は、存在する携帯電話送受話器やその他のパーソナル通信機器の中に、装置の改変をほとんどすること無く収まるようになっている本質的に単一のコンポーネントであるのがよい。例えば、このコンポーネントは、送受話器に電源を供給するバッテリーパックを内蔵するのがよい。このコンポーネントは、RFアンテナを含み、補償信号場を生成するためのコイルに接続された電子回路である。このコイルは、送受話器のバッテリーの周囲に形成するのが良い。バッテリーはリチウムポリマーであり、この部分を取り付けるのに必要な空間を最小化するために、コイルは物理的にバッテリーの内部に押し込まれてもよい。あるいは、このコンポーネントは送受話器から分離してもよいが、送受話器が使用中に補償信号を供給できるように送受話器の隣に配置するのがよい。例えば、コンポーネントはクレジットカードの寸法や形状を有し、カード内部に集積された電子部品と、カード縁部にそって形成され補償信号を供給するためのコイルを有するカード装置状に形成してもよい。
【0015】
本発明の装置は自身の電源を有していてもよく、送受話器のバッテリーから電源供給を受けてもよい。
【0016】
それゆえ本発明は、より詳細には、人間や動物の生命に潜在的に有害なRF伝播を行うパーソナル通信機器と連携する補償装置であって、前記補償装置は、前記RF伝播の存在を感知するセンサー手段と、前記RF伝播を評価して、これが生物学的影響を及ぼし得るか判別する信号分析手段と、補償信号生成手段を有し、前記信号分析手段は前記補償信号生成手段を作動するために接続されており、前記補償信号生成手段は前記送受話器近辺の補償電磁場を確立するために配置されていることを特徴とする補償装置である。
【0017】
前記センサー手段は例えばアンテナであって、電子機器から放出され、潜在的に有害と考えられている特定の輻射を適切に検知するRFセンサーでよい。このようなセンサーは好ましくは、携帯電話送受話器のキャリア波周波数、すなわち0.8GHzから2GHzの帯域のマイクロ波周波数に応答可能なアンテナであり、詳細は以下に述べる。また、分離するアンテナの代わりに、補償場を確立するためのコイルでRF伝播を検知するようにしてもよい。このようにする利点はアンテナ部品が無くなることであるが、これに伴う欠点として、例えば二重化システムのように、コイルを二通りの動作に対応させるようにする必要がある。また例えば、装置の中の大きな電流揺らぎを感知するといった、RF伝播の生成を感知する他の方法は理論的には採用できるが、これらは装置の妨げになったり、改修が必要になるであろう。これは特に携帯電話送受話器の場合更に困難となる。その上、携帯電話送受話器は多くの種類があり、特にアンテナは送受話器のあらゆる場所に配置されたり、あるいは送受話器そのものを構成している場合もある。
【0018】
感知された輻射を評価するための前記信号分析手段は、信号分析手段とともに潜在的に有害な成分を含み得るRF伝播を検知するためのRF検知ステージを有し、信号分析手段は、送出信号中に存在する成分が潜在的に有害な成分であるか否かについて明確な判別を行なうために、検知されたRF伝播の分析を行なうように配置され、RF検知ステージは信号分析手段に作動信号を供給するように配置されている。一実施形態においては、RF検知ステージは、パッシブ検知ステージとそれに続くアクティブ検知ステージとを備え、パッシブ検知ステージは信号分析手段を有している。パッシブ検知ステージは送受話器からのRF放射をモニターしたり、RF伝播信号を調整したり総和を求めたりするようになっている。生物学的影響を及ぼし得るRF輻射が有意なほど持続しているか否か判定するために、検知された信号を遅延させたものを一つ又は複数、現在のものと比較する。これは音声伝送がされている状況が典型的である。このイベントで、電源制御信号が生成される。パッシブ検知ステージは受信した信号の強度に依存しており、この動作のための電源を必要とせず、このため電源を消費することなく継続して動作可能である。以下に述べるように、感知したRF信号が検知のために十分な強度を有するようにするために、補償場を確立するためのコイルはさらにRF放出を感知するようにしてもよく、検知手段に追加の信号を供給するようにしてもよい。
【0019】
このパッシブ検知ステージの目的は、RF信号のより正確な検知を行えるように、アクティブ検知ステージを起動するとともに、他のシステムコンポーネントを起動することである。アクティブ検知ステージはパッシブ検知ステージによる電源制御信号の生成に対応して起動され、動作に電源を必要とする回路を含む。能動的部品を使用することにより、パワー増幅やアンテナ信号のより正確なサンプリングが可能となる。アクティブ検知器ステージの回路部品はパッシブ検知器ステージと似た機能を実行するようにしてもよく、すなわち、アンテナ信号の総和や平均を閾値と比較するようにしてもよい。アクティブ検知器ステージは連続する時間間隔におけるアンテナ信号の検知を行い、検知された信号のタイプを示す様々な値をとり得る信号を生成する。アクティブステージにおける信号検知間隔は100ms乃至1sにするのが好ましい。アクティブ検知器の出力は補償信号制御モジュールを介して補償信号生成器を起動するために用いられる。
【0020】
その他に、信号分析手段の信号は、検知されたRF信号の特徴を正確かつ高い信頼性をもって判別し、特にその伝播が音声かデータか、そして可能性の高い通信プロトコル、例えば、GSM(登録商標)、3G、その他の一般的に使用されているプロトコルのいずれであるか、さらに、この特定のタイプの伝播がいかなる性質においても潜在的に有害な成分を含んでいるか、を判別する。
【0021】
信号分析手段は起動信号を電源制御モジュールに供給し、補償信号生成手段(もしくは補償信号生成手段のうち選択された部分)に電源を供給可能とするのがよい。補償制御生成手段は、補償信号制御モジュールを含んでもよく、この補償信号制御モジュールは補償信号の望ましい形を生成するために、制御信号を電源に供給し、制御信号を補償信号生成モジュールに供給する。補償信号生成モジュールはRF検知ステージからの出力に反応し、好ましくは補償信号生成モジュールを制御するための一つ又は複数のアルゴリズムを実行するマイクロコントローラを有している。また好ましくは、制御モジュールは検知ステージからの連続した出力を受信するまで約1秒間待ち、そして生成モジュールに対して電源供給を行うよう電源ユニットに要求して、補償信号が約3秒間生成されるようにする。この1秒間の待ち時間は、RF信号の存在が生体組織の反応を引き起こす可能性のある期間の最小値を表しており、重要である。送受話器によりこの最小期間以下の期間だけ生成されるいかなる輻射も、補償行動を必要としないものとみなす。3秒の期間は便宜上選択されたものであって、これより長い期間では補償場が不要なときにも補償場が生成されてしまうかもしれず、これより短い期間では回路内で過剰な切り替え操作が起こる可能性がある。3秒の期間の終わりに、RF検知ステージからの連続信号が再び存在しない限り、もしくは連続信号が再び存在するようになるまで、制御モジュールはリセットされる。
【0022】
補償信号生成モジュールは、例えば米国特許第5544665号明細書に開示されているようなデジタルノイズ生成器を含んでも良い。このデジタルノイズ生成器は、補償信号をアナログ形式で供給するために、デジタルアナログ変換手段やフィルター手段を通じて、送受話器の近辺の補償場を確立するための手段を提供するコイルに接続される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の補償装置のブロック図である。
図2図1の実施形態のパッシブRF検知ステージのブロック図である。
図3】第1図の補償信号生成器と制御モジュールの動作方法を示すフローチャート図である。
図4】携帯電話送受話器内に収めるための補償装置の平面図と断面図である。
図5】携帯電話送受話器に隣接して配置されるための、クレジットカード寸法を有した補償装置の平面図と断面図である。
図6図1の変形例を示す図1に類似するブロック図である。
図7図1に示された実施形態でパッシブ検知モジュールを使用しない変形例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態を図面を参照してあくまでも例として説明する。
【0025】
全ての電磁輻射は電場と磁場の振動からなり、その周波数、すなわち1秒あたりの波が振動する回数がその特性を決め、それらによって用途が定められる。周波数はヘルツ若しくはHzで測定され、1秒当たり1Hzは1回振動することを、1kHzは1000回、1MHzは百万回、そしてGHzは十億回振動することをさす。30kHzと30GHzの間の周波数はラジオ放送やテレビ放送を含む電気通信に広く用いられ、ラジオ周波数帯を構成している。
【0026】
携帯電話サービスは政府により認可された周波数で稼動しており、典型的には872−960MHz、1710−1875MHz、1920−2170MHzの周波数帯域内で稼動している。これらの周波数は300MHzから300GHzの範囲を含むマイクロ波周波数帯の範囲内にある。この範囲内の他の応用としてはレーダーや電気通信リンク、衛星通信、天気観測、内科的ジアテルミーが含まれる。本発明は人間や動物の生命に対して潜在的に有害ないかなる周波数の波にも使用できるが、携帯電話に用いられる周波数帯で動作する機器について特に有用である。
【0027】
無線周波は、無線通信で情報を伝播するために用いられ、キャリア波という。いかなるシステムの無線周波数キャリア波も送信機によってサイン波又は規則的な波形で生成される。キャリア波はその特性が時間変化をしない場合、発話、音楽又はデジタル化データといった情報を伝達せず、このような情報は何らかの方法で付加されなければならない。伝達する情報に関して、キャリア信号の一つ若しくはそれ以上の特性を変化させる過程は、変調として知られている。変調を通じて変化し得るキャリア波の特性は例えば振幅、周波数、位相、そしてこれらの組み合わせがある。例としてAM(Amplitude Modulation)放送のためには、発話や音楽によって生じるマイクロホンからの電気信号がキャリア波の振幅を変化させるために使われ、常にRFキャリア波の大きさや振幅が電気変調信号の大きさに比例して作られるようになっている。FM(Frequency Modulation)の場合は、キャリアの瞬間周波数がキャリア周波数から変調信号の強度に依存した分だけ変移する。位相変調(PM、Phase Modulation)は情報をキャリア波の瞬間位相を変動させることによって情報を表す変調の一形式である。FMやPMは今日の無線通信において一般的に使用されている。
【0028】
携帯電話は無線通信によって情報(ボイスメッセージ、テキストメッセージ、電子メール、ファックス、コンピュータデータ、情報のダウンロードなど)を送信し、また受信する。無線周波数信号は電話機から最寄の基地局へと送信され、(電話機ユーザが聞いている情報源から情報を運ぶ)受信信号は基地局から電話機へと若干異なる周波数で送られる。基地局は携帯電話を他の携帯電話や固定電話のネットワークに接続している。
一旦信号が基地局へ到達すると、信号は通常光ファイバーネットワークによって主電話ネットワークへと送信される。
【0029】
各基地局はセルとして知られる地理的エリアを無線でカバーしている。基地局(BS、base station)は互いに移動通信交換局(MSC、mobile services switching center)によって接続されており、移動通信交換局は通話を追跡し、通話者がセルから次のセルへと移動したとき、通話を転送する。理想的なネットワークは基地局がその中心にある六角形のセルの網として描かれ得る。携帯電話ユーザが常に基地局からの範囲内にいるように、セルは縁の部分で重なり合っている。正しい場所に十分な基地局がなければ、携帯電話は機能しない。ある人が携帯電話を持って動き始め、あるセルから出て別のセルへと入った場合、制御ネットワークは通信を近隣の基地局へとハンドオーバーする。
【0030】
本発明が特に関係する輻射は、携帯電話が情報を送受信するとき、特に情報を送信するときに携帯電話により送出される輻射であり、特に送話時のものに関する。これは、携帯電話が頭部に最も近接し、送出される輻射が有意の時間長にわたって生じるためである。
【0031】
動作時に携帯電話は使用のために起動され、即座に特定の周波数の潜在的に有害な輻射を生成する。この輻射の存在はすぐに本発明のセンサー手段や検知手段によって感知され、これらのセンサーや検知手段は、一定の潜在的に有害な輻射をランダムで無害な波のパターンに変換する補償信号(ノイズ)生成手段を起動する。センサー手段や検知手段はまた、潜在的に有害な輻射がもはや生成されていないときを検知し、補償信号を次回必要とされるときまで非活性化する。補償信号の周波数の選択は電気機器の性質やこの機器が生じる潜在的に有害な波の周波数に依存する。しかし、われわれは携帯電話の使用により生じた潜在的に有害な輻射の効果を打ち消すためには、周波数が30Hzから90Hzの範囲にある補償信号が特に有用であることを発見した。
【0032】
実施形態において重要な点は、携帯電話自身の構造を変更する必要もなく、放射センサーと検知器、そして補償信号生成器を携帯電話の中に組み込むことができるということである。われわれはセンサーや検知器、補償信号生成器を含み、小型化された印刷回路を使用して電話機のバッテリーに組み込むことでこれを達成できることを発見した。本発明はリチウムイオンバッテリーのような携帯電話に使用されるいかなるバッテリーセルにも使用可能であるが、リチウムポリマーバッテリーのようにより軟らかいバッテリーと使用する方が、本発明のコンポーネントを含む印刷回路基板とコイルをバッテリーケーシングに押し付けることで、標準的な同等のバッテリーに比べてバッテリー容量の減少を最小限にすることができ、有利である。
【0033】
送受信器のバッテリー3の表面に押し込まれるコイル2と、これに接続され、RF感知アンテナと補償装置の電子部品を組み込んだ単一コンポーネント4を含む補償装置の概略図を図4に示す。ユニット4は電源として送受信器のバッテリーに接続されてもよく、代わりに自身の電源を組み込んでもよい。
【0034】
補償装置の他の実施形態を図5に示す。これはクレジットカードに似た形をしたものであり、例えば携帯電話のホルダーやジャケットに置いて、携帯電話に近接して配されるようにしたものである。これはプラスチック基板5と、この基板の周縁に沿って配されたコイル6と、これに組み込まれる、装置の電子機器及びRF伝播を感知するアンテナとを有する単一コンポーネント7とを含んでいる。バッテリー8は電源を供給する。
【0035】
本発明はいかなる携帯電話にも応用可能であるが、GSMプロトコルに準拠した携帯電話とともに用いると特に有益である。この場合、RF信号の振幅が超低周波数(ELF、extremely low frequency)の振動周波数で規則的に振動するため、変調されていないRF信号に比べて測定可能な生物学的反応をより生じさせやすいとされている。GSM信号はパルス幅0.577ms、パルス反復レート4.615msのパルスバースト又はこれと同等の217Hzの周波数によって送出される。このため、これらの信号は生物学的影響を引き起こすと考えられる。
【0036】
この実施形態は携帯電話が生物学的影響を生じさせ得るRF信号を送出する際、ELFノイズ磁場を生成する装置を開示する。音声伝送の場合が典型的である。これは、RF信号の存在を電話機に直接干渉する必要のない非接触手段によって感知する点において、公知技術とははっきりと異なる。また、ELF刺激に対する生物学的細胞のある種の応答特性を補う特別な点を組み込んだ、補償信号を活性化する手段を含む点においても、公知技術とははっきりと異なる。本実施形態に記載された装置の典型的な応用は、例えば電話機に電源を供給するバッテリーパック内のように、電話機の近傍に配置するものである。この装置は、補償信号がオンされる必要があるときは電力消費が増加するが、通常は非常に低い電力消費で継続して動作する。
【0037】
図1はこの好ましい実施形態の主要なコンポーネントを表したブロック図である。四つの主要なモジュール、RF信号検知モジュール20、電源制御モジュール22、電源24、補償信号制御モジュール26、補償信号生成モジュール28が図中に特定されている。
【0038】
RF信号検知及び分析モジュール20はアンテナ30を含み、このアンテナ30はパッシブRF検知器32に直接接続され、またアクティブRF検知器34に直接接続されている。このアンテナはいかなる一般的な携帯電話の周波数でも動作するように同調されるのがよい。この周波数は例えば890−960MHz、1710−1880MHz(GSM/DCS)、825−894MHz、1820−1990MHz(CDMA/PCS)を含む。またはこのアンテナは携帯電話の周波数帯(約800から2000MHz)内で動作可能なようにワイドバンドアンテナを使用しても良い。アンテナは例えばMD1506のような商用の既製品チップアンテナやカスタムメイドの印刷回路基板アンテナを実装しても良い。パッシブRF検知器は電話機からのRF放出を継続的にモニターし、より多くの電源を消費する他のコンポーネントを作動する制御信号を送出する役割を果たすものである。図2にさらに詳細に示されている。好ましい実施形態において、パッシブRF検知器は外部電源を必要とせず、アンテナ20からの受信信号の強度や後述するコイル84からの信号にも依存している。図2を参照して、パッシブRF検知器フロントエンド36はシングルダイオード検知器やデュアルダイオード検知器で実装される。全波整流ができるデュアルダイオード検知器の構成が、パッシブRF検知器の他のコンポーネントに電源を供給するためにも使用できるため、好ましい。このアプローチはパッシブRF検知器を作動するためにも頻繁に用いられる。例えば、HSMS−2822又はHSMS−286Cショットキーダイオードのペアを直列に接続することで、この用途に使用することもできる。パッシブRF検知器は好ましくは音声RF伝播のみを検知するようにすべきである。しかしながら、これでは他のRF信号も検知し得る。このため、音声RF信号を検知したということを確実にするため、継続的な測定値を比較することが必要となる。これは例えばRFフロントエンド出力のサンプリングについて、各サンプルを次から遅延時間tだけ遅らせるように三回サンプリングし、この3つのサンプルを比較することによって実装することができる。もしもこの3つのサンプルが互いに所定の閾値におさまっていれば、RF信号は音声RF信号であろうと判定される。サンプリングは時間間隔Ti(好ましくは50msから100msの間)にわたる信号を積算することで行うとともに、継続的なサンプルについても同じ時間Tiだけ遅延させて行うべきである。これは図2に示す第一及び第二の遅延素子38、40と、コンパレータ又は閾値ユニット48に接続された第一、第二、第三の積算器42、44、46で実装される。回路42はフロントエンド36に直接接続され、回路44は第一の遅延素子38を介してフロントエンド36に接続され、回路46は第一の遅延素子38と第二の遅延素子40を介してフロントエンド36に接続される。パッシブRF信号検知器のユニット48は3つのオン/オフ制御信号のうち1つ(全オン/オフ制御)を、電源ユニット24のスイッチをオンするために、電源制御モジュールに向けて生成する。
【0039】
電源ユニット24は電源制御モジュール22を介してアクティブRF検知器34に電源を供給する。検知器34は直接アンテナ30に接続されている。アクティブRF検知器34は通話モード信号が検知されたとき起動される。この検知器は通話モード信号のより正確で安定した測定をねらったものである。商用の既製品を使用して実装することができる。パッシブRF検知器のように、サンプリングは時間間隔Tia、好ましくは50msのオーダーの時間間隔で、信号を積算することにより実行するべきである。オン又はオフ信号を生成するために、二つの連続した測定結果を平均して固定した閾値と比較するべきである。アクティブRF検知器の出力は、連続した100ms間隔でアップデートされるオン/オフ値の列となる。アクティブRF検知器の機能はパッシブRF検知器を用いて実装しても良い。しかし、この考え方では、音声伝送の誤検知を最低限に抑えるために注意深い調整が必要となるだろう。アクティブRF検知器34の出力は補償信号制御モジュール26に入力される。モジュール26はパッシブRF検知器32からの制御信号に応じて電源24から電源制御モジュール22を介して電源供給を受ける。
【0040】
電源制御モジュール22は三つの電源制御信号を含んでおり、一つはパッシブRF検知器からの、全てのアクティブ・コンポーネントのためのもの(全オン/オフ制御P)50であり、二つは補償信号制御モジュールからのものであり、このうち一つはアクティブRF検知器34のためのもの(アクティブオン/オフ制御)52で、もう一つは全てのアクティブ・コンポーネントのためのもの(全オン/オフ制御A)54である。信号52、54はORゲートを通って電源24に入力され、全てのアクティブ・コンポーネントのためのこれらの信号の何れかがオンであれば、電源制御モジュール22は電源により電源供給される全てのコンポーネントを作動する信号を発するようにする。補償信号制御モジュール26は以下に述べるように、アクティブRF検知器34の電力消費を低減するため、無効化回路58を介して有効化/無効化信号(アクティブオン/オフ制御)52を送出する。好ましい実施形態においては、電源は携帯電話のバッテリーセルであるが、例えば予備バッテリーのような他の電源も使用可能である。
【0041】
補償信号制御モジュール26はRF検知モジュール20からの入力に基づいた補償信号の活性化を制御する規則を組み込んでいる。このモジュールはハードウェアとして実装しても良いが、例えばマイクロコントローラを使用してソフトウェアによって実装するのが最も容易である。図3に補償信号制御モジュールのための動作フローチャート図を示す。取得及び比較ブロック60はRF検知モジュールの出力と同期して、100msの時間間隔を置いた継続的なサンプルの値を読み取る。読み取りは1sよりも大きな時間間隔にわたって行われるが、1sのオーダーが好ましい。もしも全ての値が62でオンであれば、時間間隔Tpで補償信号がONになるよう、信号が補償信号生成モジュール28に送られる(64、66)。Tpは好ましくは3sのオーダーである。より短い時間(100msをこえる)の場合、より頻繁にRF信号を検知する必要が生じる。より長い時間の場合、電源消費が増大して受け入れ難いレベルに達する可能性がある。補償信号がオンになる最初の2s(もしくはTp>1sの場合のTp−1s)の間、電源消費を低減するため、アクティブRF検知器の電源制御信号はオフに設定される(アクティブオン/オフ制御 オフ)。68、70、72のように、この2sの間隔の終わりに取得及び比較ブロックがリセットされ、補償信号の状態を判別するチェックサイクルが繰り返される。取得及び比較ブロックにおいて測定された値の何れかがオフであった場合、74、76に示すように、全てのアクティブ・コンポーネントに対する電源制御信号はオフに設定される(全オン/オフ制御 オフ)。そして装置は電話機からのRF信号をパッシブモードでモニターする状態に復帰する。
【0042】
補償信号生成モジュール28は、米国特許5544665号や関連する特許に既に記載されているように、アナログ回路やアナログ/デジタル混合回路を用いた電磁ノイズとして実装される。本願の目的のために、好ましい実施形態はデジタル部分にマイクロコントローラを用いたアナログ/デジタル混合アプローチを採用する。これは、補償信号制御モジュールの好ましい実施形態もまた、両方の機能を果たすように用いられ得るマイクロコントローラを使用しているため、都合がよい。好ましい実施形態において、デジタルノイズ生成器80は、クロック信号を入力される、適切に接続されたシフトレジスタ列からなる擬似ランダムノイズ生成器として実装することができる。出力ビットとクロック周波数は所望のシークエンス繰り返し周波数を得るために選択される。例えば、4kHzのクロックレートと18段のシフトレジスタシーケンスの場合、約1分間の繰り返し周期が得られる。デジタルアナログコンバータ(DAC)と適切に選択されたバンドパスフィルター(BPフィルター)を用いることで、適当なノイズ信号を得ることができる。例として、3ビットDACと30−90Hzバンドパスフィルタは米国特許第5544665号の明細書を満たすようなノイズ補償信号を生成する。補償信号生成器を完成させるため、標準的な設計の音声信号増幅器と適当な寸法のコイル84を用いることができる。好ましい実施形態において、コイルは巻数が100以上の多重コイルであって30オームより小さい抵抗値を有するものにすべきである。コイルの抵抗と巻数の条件を満たすために、例えば、AWG36やAWG37の銅線を用いることができる。
【0043】
本実施形態において、コイル84は送受話器からのRF伝播を感知するようになっており、検知器32に入力された感知信号強度を増幅するためにパッシブRF検知器32への導線86に信号を送る。このような構成は感知した送出信号と補償ノイズ信号が効果的に隔離され得るようにする必要がある。このような隔離の必要性を避けるため、図1の実施形態の改変例を図6に示す。
【0044】
図6において、図1と同様の部分については同じ符号が付されている。ウェイクアップアンテナと称する追加のコイル90は導線の物理的なコイル又は実施形態の電子部品の印刷回路板上にトレースされたコイルからなる。コイル90の作用は検知器32に入力される感知信号の強度を増幅することである。
【0045】
図1の実施形態の更なる変形例として、コイル84とパッシブRF検知器32との間の接続ラインを省略し、検知器32がアンテナ30からの信号の強度に専ら依存するようにする。
【0046】
図7において、図1と同様の部分については同じ符号が付されている。パッシブRF検知モジュールを使用せずとも、パワードレインは許容レベルに維持されるよう決定されており、従ってパッシブRF検知モジュールは使用されないため、パッシブ検知モジュールとこのモジュールを介した電源コントロールは除去されている。その代わりに、装置はスリープモード(低パワードレイン)で常にオンとなっており、RF信号が存在するかどうか判別するために、周期的に(1秒間隔で)スリープモードから復帰する。RF信号検知及び分析モジュールは、アンテナ92、RF検知器94と信号分析モジュール96から構成されており、図1乃至図6の実施形態の機能と類似した機能を実現する。RF検知器94は、有害な放射を含み得るようなRF伝播信号を検知し、信号分析モジュール96を作動する。この場合、アンテナによって感知された信号が音声であるかデータ伝送であるかを判定し、そしてその伝送プロトコルを判定する、ソフトウェアプログラムをロードしたマイクロプロセッサを用いて、信号分析及び処理モジュール96はより簡単に実現される。この情報に基づいて、ソフトウェアは保護信号がアクティベートされる必要があるか否か、そして保護信号の大きさについて決定する。その結果、モジュール96は電源コントロールユニット98に作動信号を供給し、電源コントロールユニット98は補償信号制御モジュール26及び生成モジュール28への電源をオンに切替える。
【符号の説明】
【0047】
2、6・・・コイル
3・・・電話バッテリー
4、7・・・電子機器
5・・・プラスチック基板
8・・・バッテリー
20・・・RF信号検知及び分析モジュール
22・・・電源制御モジュール
24・・・電源
26・・・補償信号制御モジュール
28・・・補償信号生成モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7