(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
(パネルユニット)
図1及び
図2A〜Cには、本発明に係る実施形態1のパネルユニット3が示されている。パネルユニット3は、例えば、
図3に示すように、カーテンウォール1の一部を構成するパネルとして用いられる。カーテンウォール1は、ビル等の建物の外壁のうち、窓以外の部分を構成する壁として用いられる。
【0015】
以下では、
図3に示すカーテンウォール1が建物の躯体10に取り付けられた状態を基準とし、躯体10に対してカーテンウォール1が位置する側を屋外側とし、その反対側を屋内側とし、平面視において屋外側及び屋内側に対して直交する方向を左右方向として、各構成について説明する。各図において、矢印Xで示す方向が屋外側であり、矢印Yで示す方向が右側であり、矢印Zで示す方向が上側である。
【0016】
まず、パネルユニット3を構成する各部材について詳しく説明する。
【0017】
パネルユニット3は、
図1及び
図2A〜Cに示すように、上下に並んだ複数(本実施形態では3つ)の断熱パネル2を備える。複数の断熱パネル2は、互いに同じ構造である。
【0018】
複数の断熱パネル2のそれぞれは、第一金属外皮6と、第一金属外皮6よりも屋内側に位置する第二金属外皮7と、第一金属外皮6と第二金属外皮7の間に位置する断熱材8とを有するサンドイッチパネルである。
【0019】
金属外皮6,7は、金属板をロール成形などで加工することによって設けられる。金属板としては、亜鉛めっき鋼板、ガルバリウム鋼板(登録商標)、エスジーエル(登録商標)鋼板、塗装鋼板などが用いられる。金属外皮6,7の板厚は、互いに同じであり、例えば、0.3〜1.5mmである。
【0020】
第一金属外皮6は、屋内側に向けて開口した矩形の箱型である。詳しくは、第一金属外皮6は、断熱材8の屋外側の面に取り付けられる第一本体部60と、第一本体部60の上縁から屋内側に延びる第一上片部61と、第一本体部60の下縁から屋内側に延びる第一下片部62を有する。第一金属外皮6はさらに、第一本体部60の左右の縁のそれぞれから屋内側に延びる第一側片部63を有する。第一本体部60に対して、第一上片部61、第一下片部62、及び一対の第一側片部63のそれぞれは、略直角である。
【0021】
第二金属外皮7は、屋外側に向けて開口した矩形の箱型である。詳しくは、第二金属外皮7は、断熱材8の屋内側の面に取り付けられる第二本体部70と、第二本体部70の上縁から屋外側に延びる第二上片部71と、第二本体部70の下縁から屋外側に延びる第二下片部72を有する。第二金属外皮7はさらに、第二本体部70の左右の縁のそれぞれから屋外側に延びる第二側片部73を有する。第二本体部70に対して、第二上片部71、第二下片部72、及び一対の第二側片部73のそれぞれは、略直角である。
【0022】
図2Bに示すように、複数の断熱パネル2のうち、上下に隣接する2つの断熱パネル2は、上側の断熱パネル2の第一下片部62と、下側の断熱パネル2の第一上片部61とが当たった状態で、上側の断熱パネル2の第二下片部72と、下側の断熱パネル2の第二上片部71との間に隙間9が形成されるように構成されている。
【0023】
本実施形態では、各断熱パネル2は、第一金属外皮6の第一上片部61の上面と第一下片部62の下面の間の上下方向の距離L1が、第二金属外皮7の第二上片部71の上面と第二下片部72の下面の間の上下方向の距離L2よりも長い。距離L1と距離L2の差は、例えば、3.0mmである。
【0024】
各断熱パネル2では、第一金属外皮6の第一上片部61の上面と第二金属外皮7の第二上片部71の上面の間の上下方向の距離L3と、第一金属外皮6の第一下片部62の下面と第二金属外皮7の第二下片部72の下面の間の上下方向の距離L4が、互いに同じ長さである。第一上片部61の上面は、第二上片部71の上面よりも上方に位置し、第一下片部62の下面は、第二下片部72の下面よりも下方に位置する。なお、距離L3,L4は、互いに異なってもよい。
【0025】
本実施形態では、第一金属外皮6は、第一本体部60の上下方向及び左右方向の中心が、断熱材8の屋外側面の上下方向及び左右方向の中心に重なるように、断熱材8に取り付けられている。第二金属外皮7は、第二本体部70の上下方向及び左右方向の中心が、断熱材8の屋内側面の上下方向及び左右方向の中心に重なるように、断熱材8に取り付けられている。
【0026】
図2Cに示すように、各断熱パネル2では、右側の第一側片部63と右側の第二側片部73とは、左右位置が互いに同じであり、左側の第一側片部63と左側の第二側片部73とは、左右位置が互いに同じである。
【0027】
断熱材8は、全体形状が矩形板状である。本実施形態では、断熱材8は、ロックウール、グラスウールなどの繊維状無機材をバインダー等で固めて形成したブロック体を、複数並べて1枚の板状に配置したものである。断熱材8の上下長さは、第二金属外皮7の第二本体部70の上下長さと同じか、それよりも若干短い。
【0028】
断熱材8の屋外側を向く面に、接着剤を介して第一金属外皮6の第一本体部60が取り付けられ、断熱材8の屋内側を向く面に、接着剤を介して第二金属外皮7の第二本体部70が取り付けられている。
【0029】
パネルユニット3では、一番上の断熱パネル2の第一下片部62と、上から二番目の断熱パネル2の第一上片部61とが当たり、一番上の断熱パネル2の第二下片部72と、上から二番目の断熱パネル2の第二上片部71との間に隙間9が形成されている。また、パネルユニット3では、上から二番目の断熱パネル2の第一下片部62と、一番下の断熱パネル2の第一上片部61とが当たり、上から二番目の断熱パネル2の第二下片部72と、一番下の断熱パネル2の第二上片部71との間に隙間9が形成されている。
【0030】
パネルユニット3は、上側の断熱パネル2の第二本体部70と、下側の断熱パネル2の第二本体部70とに亘るように取り付けられる当て板13をさらに備える。当て板13は、隙間9を塞ぐための部材である。本実施形態では、パネルユニット3は、2つの当て板13を備える。2つの当て板13は、形状及び寸法が互いに同じである。
【0031】
当て板13は、金属板をロール成形などで加工することによって設けられる。金属板としては、亜鉛めっき鋼板、ガルバリウム鋼板(登録商標)、エスジーエル(登録商標)鋼板、塗装鋼板などが用いられる。当て板13の板厚は、例えば、0.8mmである。
【0032】
当て板13は、全体形状が略矩形であり、当て板13の左右長さは、断熱パネル2の左右長さよりも若干短い。当て板13は、矩形板状の本体部130と、本体部130の上縁から本体部130の上半部の屋外側の面に沿うように折り返された上折り返し片131と、本体部130の下縁から本体部130の下半部の屋外側の面に沿うように折り返された下折り返し片132とを有する。上折り返し片131の下端と、下折り返し片132の上端とは、上下方向に離れている。
【0033】
当て板13は、本体部130と上折り返し片131が重なった部分が、ビス等の固定具15で、上側の断熱パネル2の第二本体部70の下端部及びその屋外側の断熱材8に固定される。ここで、当て板13は、上側の断熱パネル2の第二本体部70のうち左右両端部を除いた残りの部分に左右方向に亘って固定される。
【0034】
また、当て板13は、本体部130と下折り返す片131が重なった部分が、ビス等の固定具15で、下側の断熱パネル2の第二本体部70の上端部及びその屋外側の断熱材8に固定される。ここで、当て板13は、下側の断熱パネル2の第二本体部70のうち左右両端部を除いた残りの部分に左右方向に亘って固定される。当て板13は、上下に並ぶ2つの断熱パネル2を連結する。
【0035】
パネルユニット3はさらに、上側の断熱パネル2の第二本体部70と、下側の断熱パネル2の第二本体部70とに亘るように配される板状のシール部材14を備える。シール部材14の左右長さは、当て板13の左右長さと略同じである。シール部材14は、当て板13の本体部130の屋外側の面の上下方向の中央部(つまり、本体部130の屋外側の面のうち、上折り返し片131と下折り返し片132の間の部分)に接着されて用いられる。シール部材14は、例えば、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)製である。
【0036】
続いて、パネルユニット3の製造方法の一例について詳しく説明する。
【0037】
パネルユニット3は、自身の厚み方向が上下方向に対して平行となる倒伏姿勢で製造される。以下では、倒伏姿勢の向きを基準にして説明する。倒伏姿勢のパネルユニット3では、第一金属外皮6が第二金属外皮7よりも下方に位置し、3枚の断熱パネル2が、前後方向に並んで位置する。以下では、3枚の断熱パネル2を、起立姿勢において上側に位置するものから順に、第一パネルP1、第二パネルP2、第三パネルP3として、説明する。
【0038】
まず、第三パネルP3を倒伏姿勢で配置し、第三パネルP3の前方に、第二パネルP2を倒伏姿勢で配置する。第二パネルP2は、第二パネルP2の第一下片部62が、第三パネルP3の第一上片部61に当たる(面接触する)ように配置する(つまりパネルP2,P3の隣接する端部同士を突き合わせる)。このとき、第三パネルP3の第二上片部71と第二パネルP2の第二下片部72との間には隙間9が形成される。
【0039】
次いで、第二パネルP2の前方に、第一パネルP1を倒伏姿勢で配置する。第一パネルP1は、第一パネルP1の第一下片部62が、第二パネルP2の第一上片部61に当たる(面接触する)ように配置する(つまりパネルP1,P2の隣接する端部同士を突き合わせる)。このとき、第二パネルP2の第二上片部71と第一パネルP1の第二下片部72との間には隙間9が形成される。
【0040】
次いで、第三パネルP3の第二本体部70の上面の前端部と、第二パネルP2の第二本体部70の上面の後端部に亘るように、シール部材14付きの当て板13を配置する。
【0041】
次いで、当て板13の後端部(本体部130と下折り返し片132とが重なった部分)に、上方から固定具15をねじ込んで、当て板13の後端部を、第三パネルP3の第二本体部70に固定する。このとき、固定具15は、断熱材8内までねじ込まれる。
【0042】
次いで、当て板13の前端部(本体部130と上折り返し片131とが重なった部分)に、上方から固定具15をねじ込んで、当て板13の前端部を、第二パネルP2の第二本体部70に固定する。このとき、固定具15は、断熱材8内までねじ込まれる。これにより、パネルP2,P3が当て板13を介して一体に連結される。
【0043】
パネルP2,P3が連結された状態では、シール部材14は、当て板13の本体部130とパネルP2,P3の第二本体部70のそれぞれに対して密着し、隙間9はシール部材14と当て板13によって塞がれる。パネルP2,P3の第一本体部60の下面同士は、互いに略面一となり、パネルP2,P3の第二本体部70の上面同士は、互いに略面一となる。
【0044】
次いで、上述したパネルP2,P3の連結と同様の方法で、パネルP1,P2が連結される。なお、パネルP1,P2の連結の方法についての説明は省略する。
【0045】
パネルP1,P2が連結された状態では、シール部材14は、当て板13の本体部130とパネルP1,P2の第二本体部70のそれぞれに対して密着し、隙間9はシール部材14と当て板13によって塞がれる。パネルP1,P2の第一本体部60の下面同士は、互いに略面一となり、パネルP1,P2の第二本体部70の上面同士は、互いに略面一となる。
【0046】
上述のようにパネルP1,P2,P3が当て板13を介して一体に連結されることで、
図1に示すパネルユニット3が製造される。
【0047】
以上説明した本実施形態のパネルユニット3は、上下に並ぶ複数の断熱パネル2のそれぞれが、金属外皮6,7とその間に位置する断熱材8を有するサンドイッチパネルであるため、湿気が通過しにくい。そのため、本実施形態のパネルユニット3は、カーテンウォール1の屋内側部分を構成するパネルとして用いたときに、カーテンウォール1の屋外側部分を構成するパネルに結露が生じにくい。
【0048】
また、本実施形態のパネルユニット3は、複数の断熱パネル2の隣接する端部同士を突き合わせたときに、いずれの突合せ箇所にも屋外側に向けて開口する隙間が形成されず、突合せ箇所ごとに形成される目地の上下幅が互いに同じとなるため、外観が一様であり、見栄えがよい。そのため、本実施形態のパネルユニット3は、上下幅が互いに同じで意匠性の高い目地を有するパネルとなっている。
【0049】
なお仮に、上下に隣接する2つの断熱パネル2を、上側の断熱パネル2の第一下片部62と下側の断熱パネル2の第一上片部61とが当たり、かつ上側の断熱パネル2の第二下片部72と下側の断熱パネル2の第二上片部71とが当たるように設ける場合、金属外皮6,7の製造誤差、金属外皮6,7の断熱材8に対する貼り付け位置のズレ等によって、断熱パネル2同士の突合せ箇所に、屋外側に向けて開口する隙間が形成されやすく、突合せ箇所ごとに形成される目地の上下幅が互いに異なって外観が不均一となり、見栄えが悪くなりやすい。
【0050】
また、本実施形態のパネルユニット3では、複数の断熱パネル2の隣接する端部同士を突き合わせるだけで、突合せ箇所ごとに形成される目地の上下幅を互いに同じとすることができるため、各目地の上下幅を合わせるための施工を別途行う必要がなく、組み立てが容易である。
【0051】
また、本実施形態のパネルユニット3では、屋内側に向けて開口する隙間9が当て板13で塞がれるため、断熱パネル2同士の突合せ部分の断熱性の低下を抑えることができる。
【0052】
また、本実施形態のパネルユニット3では、当て板13が上下の断熱パネル2を連結するため、上側の断熱パネル2の第一下片部62と下側の断熱パネル2の第一上片部61との間に隙間が形成されない形態を維持しやすい。
【0053】
また、本実施形態のパネルユニット3は、複数の断熱パネル2の組み合わせで構成されるため、1枚の断熱パネル2の製造最大寸法よりも大きい寸法で製造可能であり、様々なサイズのカーテンウォール1に対応することができる。
【0054】
(カーテンウォール)
続いて、上述したパネルユニット3を備えたカーテンウォール1について詳しく説明する。
【0055】
図3及び
図4に示すように、カーテンウォール1は、パネルユニット3と、パネルユニット3の屋外側に位置する化粧パネル4と、パネルユニット3と化粧パネル4を保持する枠5とを備える。
【0056】
カーテンウォール1は、全体の形状が上下に長い略矩形板状の壁材である(
図5A,B参照)。カーテンウォール1の上下長さは、建物の階高(取付先の階の床面からその上の階の床面までの高さ)と略同じ長さである。化粧パネル4は、透明なガラス板である。枠5は、例えば、アルミニウム製である。
【0057】
枠5は、左右一対の縦枠部材(方立)52と、上下一対の横枠部材(無目)53を備える。左右一対の縦枠部材52と上下一対の横枠部材53とは、略矩形枠状をなすように一体に設けられている。
【0058】
枠5はさらに、各縦枠部材52に取り付けられる左右一対の縦ガイド枠54と、各横枠部材53に取り付けられる上下一対の横ガイド枠55を備える。
【0059】
各縦ガイド枠54は、パネルユニット3を保持する部分であり、各縦枠部材52の枠内側を向く面の屋内側の部分にねじ等の固定具で取り付けられる。各縦ガイド枠54は、上下方向に長い半角筒状(平断面コ字状)の部材である。各縦ガイド枠54は、縦枠部材52に固定される底壁540と、底壁540の屋外側の端部と屋内側の端部のそれぞれから略垂直に突出した支持壁541を有する。
【0060】
各横ガイド枠55は、パネルユニット3を保持する部分であり、各横枠部材53の枠内側を向く面の屋内側の部分に取り付けられる。各横ガイド枠55は、左右方向に長い半角筒状(平断面コ字状)の部材である。各横ガイド枠55は、横枠部材53に固定される底壁550と、底壁550の屋外側の端部と屋内側の端部のそれぞれから略垂直に突出した支持壁551を有する。
【0061】
化粧パネル4の周縁部は、ガスケット40を介して枠5の屋外側の部分に保持され、パネルユニット3の周縁部は、左右一対の縦ガイド枠54と上下一対の横ガイド枠55を介して枠5の屋内側の部分に保持される。パネルユニット3の左右の端部は、各縦ガイド枠54の底壁540との間に隙間が形成されるように、各縦ガイド枠54の一対の支持壁541によって挟まれて保持される。パネルユニット3の上下の端部は、各横ガイド枠55の底壁550との間に隙間が形成されるように、各横ガイド枠55の一対の支持壁551によって挟まれて保持される。これにより、パネルユニット3は、地震などにより層間変位が生じた場合に揺動可能であり、破損が生じにくい。
【0062】
続いて、カーテンウォール1の取付構造の一例について説明する。
【0063】
カーテンウォール1の左右一対の縦枠部材52のそれぞれの上端部には、ボルトなどの固定具で取付金具16が固定される。建物の躯体10(本実施形態では梁)には、ボルトなどの固定具で側面視L字状の取付金具17が固定される。カーテンウォール1に固定された取付金具16は、躯体10に固定された取付金具17に対して引っ掛けられた状態で、取付金具17に対してボルトなどの固定具18で固定される。これにより、カーテンウォール1は、躯体10に対して取り付けられる。取付金具16,17のそれぞれは、例えば、鋼製である。
【0064】
以上説明した本実施形態のカーテンウォール1は、化粧パネル4の屋内側に配されるパネルとして、金属製の外皮で芯材を挟んだサンドイッチパネルからなるパネルユニット3を用いている。そのため、本実施形態のカーテンウォール1では、屋内側のパネルを湿気が通過しにくく、化粧パネル4に、結露が生じにくい。
【0065】
また、本実施形態のカーテンウォール1は、化粧パネル4を通じて視えるパネルユニット3の外観が一様であるため、見栄えがよい。
【0066】
また、本実施形態のカーテンウォール1では、パネルユニット3を構成する複数の断熱パネル2同士の突合せ部分に形成される隙間9が当て板13で塞がれるため、この隙間9を通じて雨水等が断熱パネル2の内部に浸入することを防止することができる。
【0067】
続いて、
図5A,Bに示す本実施形態のカーテンウォール1を備えた建物100の一例について説明する。
【0068】
建物100は、本実施形態のカーテンウォール1の他に、ガラスカーテンウォール101を備える。ガラスカーテンウォール101は、カーテンウォール1と類似の構造であり、パネルユニット3の代わりにガラスパネルを備える。なお、カーテンウォール1とガラスカーテンウォール101のそれぞれは、
図5A,Bに示すように、上下方向の一部に換気口102を有してもよい。
【0069】
カーテンウォール1とガラスカーテンウォール101のそれぞれは、建物100の躯体10に対して、例えば、
図3,4に示す取付金具16,17を介して固定される。
【0070】
建物100では、複数のカーテンウォール1と複数のガラスカーテンウォール101とが、用途に合わせて縦横に並ぶように設置されている。各ガラスカーテンウォール101は、窓部分を構成する外壁として用いられ、各カーテンウォール1は、例えばトイレ室等の窓の不要な区画の外壁として用いられる。
【0071】
(変更例)
続いて、上述した実施形態1のパネルユニット3及びカーテンウォール1の変更例について説明する。
【0072】
パネルユニット3は、上下に並んだ2枚、または4枚以上の断熱パネル2を備えてもよい。
【0073】
パネルユニット3を構成する複数の断熱パネル2のうち、一番上の断熱パネル2では、第一上片部61と第二上片部71の上下位置が互いに同じであってもよいし、第二上片部71が第一上片部61よりも上方に位置してもよい。また、一番下の断熱パネル2では、第一下片部62と第二下片部72の上下位置が互いに同じであってもよいし、第二下片部72が第一下片部62よりも下方に位置してもよい。
【0074】
各断熱パネル2は、第一側片部63と第二側片部73の左右位置が、互いに異なってもよい。
【0075】
断熱材8は、ウレタンフォームやフェノールフォームなどの樹脂発泡材料で形成された板状の部材であってもよい。
【0076】
パネルユニット3は、当て板13を備えなくてもよく、その他の方法で、上側の断熱パネル2の第一下片部62と下側の断熱パネル2の第一上片部61とが当たる状態を維持してもよい。
【0077】
パネルユニット3は、複数の隙間9の全てが1つの当て板13によって覆われるように構成されてもよい。
【0078】
化粧パネル4は、半透明または不透明なガラス板であってもよいし、ガラス板に限らず、樹脂製のパネル、金属製のパネル、コンクリートパネル等であってもよい。化粧パネル4として用いるパネルの素材及び形状は、建物のデザイン等を基準に、適宜選択可能である。
【0079】
カーテンウォール1の上下長さは、階高よりも短くてもよい。
【0080】
パネルユニット3は、カーテンウォール1の屋内側部分を構成するパネルとしての利用に限らず、その他の断熱性を要するパネルとして利用してもよい。例えば、パネルユニット3は、内装用パネルとして利用してもよい。
【0081】
(効果)
本発明に係る第一の態様のパネルユニット3は、上述した実施形態1のパネルユニット3のように、下記の第一の構成を備えることを特徴とする。
【0082】
すなわち、第一の態様のパネルユニット3は、上下に並んだ複数の断熱パネル2を備える。
【0083】
複数の断熱パネル2のそれぞれは、第一金属外皮6と、第一金属外皮6よりも屋内側に位置する第二金属外皮7と、第一金属外皮6と第二金属外皮7の間に位置する断熱材8とを有するサンドイッチパネルである。
【0084】
第一金属外皮6は、断熱材8の屋外側の面に取り付けられる第一本体部60と、第一本体部60の上縁から屋内側に延びる第一上片部61と、第一本体部60の下縁から屋内側に延びる第一下片部62と、を有する。
【0085】
第二金属外皮7は、断熱材8の屋内側の面に取り付けられる第二本体部70と、第二本体部70の上縁から屋外側に延びる第二上片部71と、第二本体部70の下縁から屋外側に延びる第二下片部72とを有する。
【0086】
複数の断熱パネル2のうち、上下に隣接する2つの断熱パネル2は、上側の断熱パネル2の第一下片部62と、下側の断熱パネル2の第一上片部61とが当たった状態で、上側の断熱パネル2の第二下片部72と、下側の断熱パネル2の第二上片部71との間に隙間9が形成されるように構成されている。
【0087】
上記の第一の構成のように、第一の態様のパネルユニット3では、上下に並ぶ複数の断熱パネル2のそれぞれが、金属外皮6,7とその間に位置する断熱材8とを有するサンドイッチパネルである。そのため、第一の態様のパネルユニット3では、例えばカーテンウォール1の屋内側部分を構成するパネルとして用いたときに、湿気が通過しにくくて、カーテンウォール1の屋外側部分を構成するパネル(化粧パネル4)に結露が生じにくい。
【0088】
また、第一の態様のパネルユニット3では、複数の断熱パネル2の隣接する端部同士を突き合わせた状態で、いずれの突合せ箇所にも屋外側に向けて開口する隙間が形成されず、一様な外観に製造しやすい。
【0089】
また、本発明に係る第二の態様のパネルユニット3では、上述した実施形態1のパネルユニット3のように、上記の第一の構成に加えて、下記の第二の構成を備えることを特徴とする。
【0090】
すなわち、第二の態様のパネルユニット3では、上側の断熱パネル2の第二本体部70と、下側の断熱パネル2の第二本体部70とに亘るように取り付けられる当て板13をさらに備え、当て板13は、隙間9を塞ぐ。
【0091】
上記の第二の構成を備えることで、第二の態様のパネルユニット3では、上側の断熱パネル2の第二下片部72と下側の断熱パネル2の第二上片部71との間に形成される隙間9を、当て板13によって塞ぐことで、断熱性の低下を抑えることができる。
【0092】
また、本発明に係る第一の態様のカーテンウォール1は、上述した実施形態1のカーテンウォール1のように、下記の第三の構成を備えることを特徴とする。
【0093】
すなわち、第一の態様のカーテンウォール1は、第一または第二の態様のパネルユニット3と、パネルユニット3の屋外側に位置する化粧パネル4と、パネルユニット3と化粧パネル4を保持する枠5とを備える。
【0094】
上記の第三の構成を備えることで、第一の態様のカーテンウォール1では、カーテンウォール1の屋内側部分を構成するパネルユニット3を、湿気が通過しにくくて、カーテンウォール1の屋外側部分を構成する化粧パネル4に結露が生じにくい。
【0095】
また、第一の態様のカーテンウォール1では、化粧パネル4としてガラス板等の透明なパネルを用いた場合に、化粧パネル4を通じて視えるパネルユニット3の外観が一様であるため、見栄えがよい。
【0096】
以上、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。