(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6463347
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】炭化水素坑井の掘削と操業のためのねじ接続を形成するアセンブリ、ねじ接続、およびそのねじ接続を形成するための方法
(51)【国際特許分類】
F16L 15/04 20060101AFI20190121BHJP
F16L 15/00 20060101ALI20190121BHJP
【FI】
F16L15/04 A
F16L15/00
【請求項の数】16
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-520428(P2016-520428)
(86)(22)【出願日】2014年6月17日
(65)【公表番号】特表2016-525188(P2016-525188A)
(43)【公表日】2016年8月22日
(86)【国際出願番号】EP2014062627
(87)【国際公開番号】WO2014202555
(87)【国際公開日】20141224
【審査請求日】2017年5月17日
(31)【優先権主張番号】1355760
(32)【優先日】2013年6月19日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】504255249
【氏名又は名称】ヴァルレック オイル アンド ガス フランス
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】新日鐵住金株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーティン,ピエール ベルナール
(72)【発明者】
【氏名】コリン,セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】メンカグリア,サビエル
(72)【発明者】
【氏名】ラフィン,キャリーヌ
【審査官】
大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第05676406(US,A)
【文献】
実開平02−105684(JP,U)
【文献】
特表2013−511672(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L15/00−15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素坑井の掘削と操業のためのねじ接続を形成するアセンブリであって、回転軸(10)を有する第1(UCS),第2(BCS),第3(PIN‐A),第4(PIN‐B)の管状コンポーネントを備えるアセンブリであり、
・ 前記第1の管状コンポーネント(UCS)の各末端の内周面に第1(T1)および第2(T2)のねじ領域が設けられ、
・ 前記第2の管状コンポーネント(BCS)の各末端の外周面に第3(T3)および第4(T4)のねじ領域が設けられ、
・ 前記第3の管状コンポーネント(PIN‐A)の末端の内の1つの内周面および外周面に第5(T5)および第6(T6)のねじ領域が夫々設けられ、
・ 前記第4の管状コンポーネント(PIN‐B)の末端の内の1つの内周面および外周面に第7(T7)および第8(T8)のねじ領域が夫々設けられ、
・ 組み立てた状態で、前記第1のねじ領域と前記第6のねじ領域、前記第3のねじ領域と前記第5のねじ領域、前記第2のねじ領域と前記第8のねじ領域、前記第4のねじ領域と前記第7のねじ領域が互いに協働することが可能であり、
・ 前記第1および第6のねじ領域のピッチが前記第4および第7のねじ領域のピッチに等しく、および/または
・ 前記第2および第8のねじ領域のピッチが前記第3および第5のねじ領域のピッチに等しく、および/または
・ 前記第1および第6のねじ領域のピッチが前記第3および第5のねじ領域のピッチに等しく、かつ、前記第2および第8のねじ領域のピッチが前記第4および第7のねじ領域のピッチに等しく、
前記第1および前記第6のねじ領域のピッチが前記第4および前記第7のねじ領域のピッチに等しく、前記第3の管状コンポーネント(PIN‐A)の前記第6のねじ領域(T6)が前記第4の管状コンポーネント(PIN‐B)の前記第7のねじ領域(T7)のテーパと同じテーパを有し、前記テーパが0.025〜0.125のピーク半角の接線に相当する5%〜25%にあり、好ましくは0.05〜0.09のピーク半角の接線に相当する10%〜18%のテーパであり、
前記第3の管状コンポーネント(PIN‐A)の外周面が、その末端に先行する非ねじ部を有し、前記第1の管状コンポーネント(UCS)に設けられた対応する第2の面(S2)と封止締まりばめ状態で協働することが可能な第1の封止面(S1)を設けた
ことを特徴とするアセンブリ。
【請求項2】
前記第2および前記第8のねじ領域のピッチが前記第3および前記第5のねじ領域のピッチに等しく、前記第3の管状コンポーネント(PIN‐A)の前記第5のねじ領域(T5)が前記第4の管状コンポーネント(PIN‐B)の前記第8のねじ領域(T8)のテーパと同じテーパを有し、前記テーパが0.025〜0.125のピーク半角の接線に相当する5%〜25%にあり、好ましくは0.05〜0.09のピーク半角の接線に相当する10%〜18%のテーパであることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記第3の管状コンポーネント(PIN‐A)が、前記回転軸(10)に対して実質的に垂直に延びる末端面を有し、前記末端面には、前記第1の管状コンポーネント(UCS)のショルダに設けられた対応する第2の面(C2)に隣接して協働することが可能な第1の隣接面(C1)が設けられ、前記末端面には、前記第2の管状コンポーネント(BCS)のショルダに設けられた対応する第4の面(C4)に隣接して協働することが可能な第3の隣接面(C3)が設けられることを特徴とする請求項1または2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記第4の管状コンポーネント(PIN‐B)が、前記回転軸(10)に対して実質的に垂直に延びる末端面を有し、前記末端面には、前記第1の管状コンポーネント(UCS)のショルダに設けられた対応する第6の面(C6)に隣接して協働することが可能な第5の隣接面(C5)が設けられ、前記末端面には、前記第2の管状コンポーネント(BCS)のショルダに設けられた対応する第8の面(C8)に隣接して協働することが可能な第7の隣接面(C7)が設けられることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記第3の管状コンポーネント(PIN‐A)の外周面は、前記第1の管状コンポーネント(UCS)のショルダに設けられた対応する第2の面(C2)に隣接して協働することが可能な第1の隣接面(C1)を設けたショルダを有し、前記第3の管状コンポーネント(PIN‐A)の内周面は、前記第2の管状コンポーネント(BCS)のショルダに設けられた対応する第4の面(C4)に隣接して協働することが可能な第3の隣接面(C3)を設けたショルダを有することを特徴とする請求項1または2に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記第4の管状コンポーネント(PIN‐B)の外周面は、前記第1の管状コンポーネント(UCS)のショルダに設けられた対応する第6の面(C6)に隣接して協働することが可能な第5の隣接面(C5)を設けたショルダを有し、前記第4の管状コンポーネント(PIN‐B)の内周面は、前記第2の管状コンポーネント(BCS)のショルダに設けられた対応する第8の面(C8)に隣接して協働することが可能な第7の隣接面(C7)が設けたショルダを有することを特徴とする請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記第3の管状コンポーネント(PIN‐A)の内周面が、その末端に先行する非ねじ部を有し、前記第2の管状コンポーネント(BCS)に設けられた対応する第4の面(S4)と封止締まりばめ状態で協働することが可能な第3の封止面(S3)を設けたことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記第4の管状コンポーネント(PIN‐B)の外周面が、その末端に先行する非ねじ部を有し、前記第1の管状コンポーネント(UCS)に設けられた対応する第6の面(S6)と封止締まりばめ状態で協働することが可能な第5の封止面(S5)を設けたことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記第4の管状コンポーネント(PIN‐B)の内周面が、その末端に先行する非ねじ部を有し、前記第2の管状コンポーネント(BCS)に設けられた対応する第8の面(S8)と封止締まりばめ状態で協働することが可能な第7の封止面(S7)を設けたことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記第3(PIN‐A)および前記第4(PIN‐B)の管状コンポーネントの夫々の前記第1および第3の封止面、並びに前記第5および第7の封止面を、夫々前記管状コンポーネント(PIN‐A,PIN‐B)の隣接面を有するショルダと前記管状コンポーネントの自由端の間に設けることを特徴とする請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記第1の封止面と前記第2の面、前記第3の封止面と前記第4の面、前記第5の封止面と前記第6の面、および前記第7の封止面と前記第8の面よりなる夫々の封止面の対のうちの一方の封止面がテーパ形の面であり、他方の対応する対向封止面が2.5〜60mmの半径Rの環状体よりなるトロイド面であることを特徴とする請求項9または10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記第1(UCS)および前記第2(BCS)の管状コンポーネントは一つのコンポーネントを構成するように一体的であり、前記第1および前記第6のねじ領域のピッチが前記第3および前記第5のねじ領域のピッチに等しく、かつ前記第2および前記第8のねじ領域のピッチが前記第4および前記第7のねじ領域のピッチに等しいことを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載のアセンブリ。
【請求項13】
請求項1〜12の何れか1つのアセンブリの組立によって生じるねじ接続。
【請求項14】
接続を形成する方法であって、
・ 請求項1のねじ接続を形成するアセンブリを設けるステップと、
・ 前記第3の管状コンポーネント(PIN‐A)と前記第2の管状コンポーネント(BCS)を組立によって接続するステップと、
・ 前記第4の管状コンポーネント(PIN‐B)と前記第1の管状コンポーネント(UCS)を組立によって接続するステップと、
・ 先行の2つのステップの結果として生じるものを組立によって接続するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
炭化水素坑井の掘削と操業のための接続を形成する方法であって、
・ 請求項2のねじ接続を形成するアセンブリを設けるステップと、
・ 前記第4の管状コンポーネント(PIN‐B)と前記第2の管状コンポーネント(BCS)を組立によって接続するステップと、
・ 前記第3の管状コンポーネント(PIN‐A)と前記第1の管状コンポーネント(UCS)を組立によって接続するステップと、
・ 先行の2つのステップの結果として生じるものを組立によって接続するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
炭化水素坑井の掘削と操業のための接続を形成する方法であって、
・ 請求項12のねじ接続を形成するアセンブリを設けるステップと、
・ 前記第1の管状コンポーネント(UCS)と前記第2の管状コンポーネント(BCS)を互いに固定することによって生じるコンポーネントと前記第3の管状コンポーネント(PIN‐A)を組立によって接続するステップと、
・ 前記第1の管状コンポーネント(UCS)と前記第2の管状コンポーネント(BCS)を互いに固定することによって生じるコンポーネントと第4の管状コンポーネント(PIN‐B)を組立によって接続するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化水素坑井の掘削と操業のためのねじ接続に関し、より正確には、その接続が圧縮/緊張時に機能するときの効率と密閉に関する接続全体の性能の最適化に関する。
【背景技術】
【0002】
「ねじ接続」という用語は、実質的に管状、金属製で、特に、炭化水素坑井を掘削するためのステム、メンテナンス用ライザー(改修ライザーとしても知られている)、またはそのような坑井の操業のためのライザー、例えば坑井を操業する際に使用されるライザーまたはケーシングまたはチュービングストリングの何れかを構成することを目的とする、組立により一緒に接続されることが可能な要素によって構成されたアセンブリを意味している。
【0003】
各管状要素は、類似の要素の対応する末端部とともに組み立てられる雄型ねじ領域または雌型ねじ領域を有する末端部を備えている。このようにして組み立てられるとき、これらの要素が接続として知られたものを組み立てる。
【0004】
接続のこのような管状ねじコンポーネントは、使用条件によって課せられる締まりばめおよび封止要件に対応するために、既定の荷重下で組み立てられる。また、このねじ管状コンポーネントは、特に稼働中に、数回の組立・分解サイクルを経なければならない可能性があることに留意すべきである。
【0005】
そのようなねじ管状コンポーネントが使用される条件は、ねじ領域、隣接領域または封止面等のコンポーネントの敏感な部分に作用する広範囲の機械的負荷を生じる。
【0006】
このため、接続の設計仕様は複雑であり、多数のパラメータを同時に考慮することを要する。したがって、接続の効率ならびに封止面を支持する管状コンポーネントの領域の厚さが維持されることと、その接続が圧縮/緊張時に機能するときに、封止接触点がずれる危険性を改善しなければならないことが推奨される。
【0007】
雄型末端のリップに設けられた第1の封止面と第2の封止面の2つのねじ領域を用いたVAM HTF(著作権)タイプの接続によって、一種の解決策が開発されている。その設計は、ねじ領域間に設けられた第1のシールの良好な安定性が得られるが、第2のシールは、そのシールの機能を脆弱にする非常に薄いリップ上に設けられることを意味している。加えて、その接続が圧縮/緊張時に機能するとき、交番荷重のために第2のシールは不安定である。そして、雄型末端のリップにおけるシールの存在が雌型末端の効率を低下させている。
【0008】
米国特許第4570982(A1)号明細書には、他の種類の解決策も開発されている。その種類の接続は、3つのスタガ状ねじ部を有し、3つのねじ領域のテーパが一致していないが、平行であることを意味している。ねじ領域の各々の間には封止面と隣接部がある。しかしながら、隣接部は、負荷の振幅が高い場合、特定の荷重がかかる領域であるため、封止面に隣接した隣接部の配置が前記封止面を弱くしている。それらのねじ領域は自動ロック式ではなく、ロードフランクおよび/またはスタビングフランクにおいてギャップを呈している。しかしながら、それらのギャップのため、接続が圧縮/緊張時に機能するとき、封止面の安定性が損なわれる。
【0009】
また、封止面がそれらの間にある2つの自動ロック式ねじ領域を採用したVAM Edge(著作権)タイプの接続を用いたある種の解決策も開発されている。VAM HTF(著作権)の場合と同様に、そのデザインは、ねじ領域の介在シールの良好な安定性をもたらすが、単一の封止面のフラッシュまたはセミフラッシュ接続の場合、内圧と外圧の両方に耐えるには不十分である。
【0010】
例えば、VAM 21 SC80(著作権)接続等の接続が開発されている。しかしながら、この種の接続はT&Cタイプの接続であり、すなわち大きな外径を有し、長さが短い雌型ねじ要素が設けられ、その各末端において、縮小された直径および長い雄型ねじ要素と結合される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このため、本発明の目的は、接続の効率を維持することと、封止面を支える管状コンポーネントの領域の厚さを最大化することと、接続が圧縮/緊張時に機能するときに、封止接触点のずれの危険性を回避することとから成る三つの目的に対応することである。
【0012】
具体的には、本発明は、ねじ接続を形成するアセンブリであって、回転軸を有する第1,第2,第3,第4の管状コンポーネントを備えるアセンブリであって、前記第1の管状コンポーネントの各末端の内周面に第1および第2のねじ領域が設けられ、前記第2の管状コンポーネントの各末端の外周面に第3および第4のねじ領域が設けられ、前記第3の管状コンポーネントの末端の内の1つの内周面および外周面に第5および第6のねじ領域が夫々設けられ、前記第4の管状コンポーネントの末端の内の1つの内周面および外周面に第7および第8のねじ領域が夫々設けられ、組み立てた状態で、前記第1のねじ領域と前記第6のねじ領域、前記第3のねじ領域と前記第5のねじ領域、前記第2のねじ領域と前記第8のねじ領域、前記第4のねじ領域と前記第7のねじ領域が互いに協働することが可能であり、前記第1および第6のねじ領域のピッチが前記第4および第7のねじ領域のピッチに等しく、および/または前記第2および第8のねじ領域のピッチが前記第3および第5のねじ領域のピッチに等しく、および/または前記第1および第6のねじ領域のピッチが前記第3および第5のねじ領域のピッチに等しく、および前記第2および第8のねじ領域のピッチが前記第4および第7のねじ領域のピッチに等しい。
【0013】
本発明の任意の補足的または代替的な特徴を以下に記載した。
【0014】
前記第1および前記第6のねじ領域のピッチが前記第4および前記第7のねじ領域のピッチに等しくてもよく、前記第3の管状コンポーネントの前記第6のねじ領域が前記第4の管状コンポーネントの前記第7のねじ領域のテーパと同じテーパを有してもよく、前記テーパは0.025〜0.125のピーク半角の接線に相当する5%〜25%であり、好ましくは0.05〜0.09のピーク半角の接線に相当する10%〜18%のテーパである。
【0015】
前記第2および前記第8のねじ領域のピッチが前記第3および前記第5のねじ領域のピッチに等しくてもよく、前記第3の管状コンポーネントの前記第5のねじ領域が前記第4の管状コンポーネントの前記第8のねじ領域のテーパと同じテーパを有してもよく、前記テーパは0.025〜0.125のピーク半角の接線に相当する5%〜25%にあり、好ましくは0.05〜0.09のピーク半角の接線に相当する10%〜18%のテーパである。
【0016】
前記第3の管状コンポーネントが前記回転軸に対して実質的に垂直に延びる末端面を有してもよく、前記末端面には、前記第1の管状コンポーネントのショルダに設けられた対応する第2の面に隣接して協働することが可能な第1の隣接面が設けられ、前記末端面には、前記第2の管状コンポーネントのショルダに設けられた対応する第4の面に隣接して協働することが可能な第3の隣接面が設けられる。
【0017】
前記第4の管状コンポーネントが前記回転軸に対して実質的に垂直に延びる末端面を有してもよく、前記末端面には、前記第1の管状コンポーネントのショルダに設けられた対応する第6の面に隣接して協働することが可能な第5の隣接面が設けられ、前記末端面には、前記第2の管状コンポーネントのショルダに設けられた対応する第8の面に隣接して協働することが可能な第7の隣接面が設けられる。
【0018】
前記第3の管状コンポーネントの外周面は、前記第1の管状コンポーネントのショルダに設けられた対応する第2の面に隣接して協働することが可能な第1の隣接面を設けたショルダを有してもよく、前記第3の管状コンポーネントの内周面は、前記第2の管状コンポーネントのショルダに設けられた対応する第4の面に隣接して協働することが可能な第3の隣接面を設けたショルダを有してもよい。
【0019】
前記第4の管状コンポーネントの外周面は、前記第1の管状コンポーネントのショルダに設けられた対応する第6の面に隣接して協働することが可能な第5の隣接面を設けたショルダを有してもよく、前記第4の管状コンポーネントの内周面は、前記第2の管状コンポーネントのショルダに設けられた対応する第8の面に隣接して協働することが可能な第7の隣接面を設けたショルダを有してもよい。
【0020】
前記第3の管状コンポーネントの外周面が、その末端に先行する非ねじ部を有し、前記第1の管状コンポーネントに設けられた対応する第2の面と封止締まりばめ状態で協働することが可能な第1の封止面を設けてもよい。
【0021】
前記第3の管状コンポーネントの内周面が、その末端に先行する非ねじ部を有し、前記第2の管状コンポーネントに設けられた対応する第4の面と封止締まりばめ状態で協働することが可能な第3の封止面を設けてもよい。
【0022】
前記第4の管状コンポーネントの外周面が、その末端に先行する非ねじ部を有し、前記第1の管状コンポーネントに設けられた対応する第6の面と封止締まりばめ状態で協働することが可能な第5の封止面を設けてもよい。
【0023】
前記第4の管状コンポーネントの内周面が、その末端に先行する非ねじ部を有し、前記第2の管状コンポーネントに設けられた対応する第8の面と封止締まりばめ状態で協働することが可能な第7の封止面を設けてもよい。
【0024】
前記第3および前記第4の管状コンポーネントの封止面を、夫々前記管状コンポーネントの隣接面を有するショルダと前記管状コンポーネントの自由端の間に設けてもよい。
【0025】
前記封止面の一方がテーパ形の面であってもよく、他方の対応する対向封止面が2.5〜60mmの半径Rの環状体
よりなるトロイド面であってもよい。
【0026】
前記第1および前記第2の管状コンポーネントは一つのコンポーネントを構成するように一体的であってもよく、前記第1および前記第6のねじ領域のピッチが前記第3および前記第5のねじ領域のピッチに等しく、かつ前記第2および前記第8のねじ領域のピッチが前記第4および前記第7のねじ領域のピッチに等しくてもよい。
【0027】
また、本発明は、上述したアセンブリの内の何れか1つのアセンブリの組立によって生じるねじ接続に関する。
【0028】
また、本発明は、接続を形成する第1の方法に関し、その方法は、
・ 本発明のねじ接続を形成するアセンブリを設け、第1および第6のねじ領域のピッチが第4および第7のねじ領域のピッチに等しく、第3の管状コンポーネントの第6のねじ領域が第4の管状コンポーネントの第7のねじ領域のテーパと同じテーパを有し、前記テーパが0.025〜0.125のピーク半角の接線に相当する5%〜25%であり、好ましくは0.05〜0.09のピーク半角の接線に相当する10%〜18%のテーパであるステップと、
・ 前記第3の管状コンポーネントと前記第2の管状コンポーネントを組立によって接続するステップと、
・ 前記第4の管状コンポーネントと前記第1の管状コンポーネントを組立によって接続するステップと、
・ 先行の2つのステップの結果として生じるものを組立によって接続するステップと、を含むことを特徴とする。
【0029】
有利には、前記第1および前記第6のねじ領域のピッチは、前記第3および前記第5のねじ領域のピッチに対して逆方向である。
【0030】
また、本発明は、接続を形成する第2の方法に関し、その方法は、
・ 本発明のねじ接続を形成するアセンブリを設け、第2および第8のねじ領域のピッチが第3および第5のねじ領域のピッチに等しく、第3の管状コンポーネントの第5のねじ領域が第4の管状コンポーネントの第8のねじ領域のテーパと同じテーパを有し、前記テーパが0.025〜0.125のピーク半角の接線に相当する5%〜25%であり、好ましくは0.05〜0.09のピーク半角の接線に相当する10%〜18%のテーパであるステップと、
・ 前記第4の管状コンポーネントと前記第2の管状コンポーネントを組立によって接続するステップと、
・ 前記第3の管状コンポーネントと前記第1の管状コンポーネントを組立によって接続するステップと、
・ 先行の2つのステップの結果として生じるものを組立によって接続するステップと、を含むことを特徴とする。
【0031】
有利には、前記第1および前記第6のねじ領域のピッチは、前記第3および前記第5のねじ領域のピッチに対して逆方向である。
【0032】
また、本発明は、接続を形成する第3の方法に関し、その方法は、
・ 本発明のねじ接続を形成するアセンブリを設け、第1および第2の管状コンポーネントが一つのコンポーネントを構成するように一体となり、第1および第6のねじ領域のピッチが第3および第5のねじ領域のピッチに等しく、第2および第8のねじ領域のピッチが第4および第7のねじ領域のピッチに等しいステップと、
・ 前記第1および前記第2の管状コンポーネントを互いに固定することによって生じるコンポーネントと第3の管状コンポーネントを組立によって接続するステップと、
・ 前記第1および前記第2の管状コンポーネントを互いに固定することによって生じるコンポーネントと第4の管状コンポーネントを組立によって接続するステップと、を含むことを特徴とする。
【0033】
本発明の特徴と利点が添付図面を参照して以下に詳述される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1は、本発明の一実施の形態のアセンブリを組立によって接続することによって生じる接続の、接続の軸を通る長手方向断面の概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施の形態のアセンブリの一部を示す、接続の軸を通る長手方向断面の概略図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態のアセンブリの他の一部を示す、接続の軸を通る長手方向断面の概略図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施の形態のアセンブリの細部を示す、接続の軸を通る長手方向断面の概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施の形態のアセンブリの他の細部を示す、接続の軸を通る長手方向断面の概略図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施の形態のアセンブリの他の細部を示す、接続の軸を通る長手方向断面の概略図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施の形態のアセンブリの他の細部を示す、接続の軸を通る長手方向断面の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、本発明の一実施の形態のねじ接続を形成するアセンブリを示している。この接続は回転軸10を備えている。また、この接続は、回転軸10を伴う、第1の管状コンポーネントUCS、第2の管状コンポーネントBCS、第3の管状コンポーネントPIN‐A、第4の管状コンポーネントPIN‐Bを備えている。
【0036】
第1の管状コンポーネントUCSの各末端の内周面には、第1および第2のねじ領域T1、T2が設けられている。第1の管状コンポーネントUCSは、比較的短い、すなわち100〜800mmのチューブである。「ねじ領域」という用語は管状コンポーネントの円周面に属する領域を意味し、ねじ切り部(threading)を備えている。ねじ切り部は、場合によって連続的、断続的、複合的、簡潔的、規則的、不規則的である。このねじ領域は、台形、自動ロック式、蟻継、または他のねじ式とすることができる。
【0037】
第2の管状コンポーネントBCSの各末端の外周面には、第3および第4のねじ領域T3、T4が設けられている。第2の管状コンポーネントBCSも、比較的短い、すなわち100〜800mmの長さのチューブである。
【0038】
第3の管状コンポーネントPIN‐Aの末端の内の1つには、そのコンポーネントの内周面と外周面に第5および第6のねじ領域T5、T6が夫々設けられている。第3の管状コンポーネントPIN‐Aは、長さが長い、すなわち1000〜13000mmのチューブである。
【0039】
第4の管状コンポーネントPIN‐Bの末端の内の1つには、そのコンポーネントの内周面と外周面に第7および第8のねじ領域T7、T8が夫々設けられている。第4の管状コンポーネントPIN‐Bも、長さが長い、すなわち1000〜13000mmのチューブである。
【0040】
本発明によれば、第1のねじ領域と第6のねじ領域、第3のねじ領域と第5のねじ領域、第2のねじ領域と第8のねじ領域、第4のねじ領域と第7のねじ領域は、組み立てたときに二つ一組で協働することが可能である。「組立てたときに二つ一組で協働する」という用語は、第1のねじ領域のねじ山が、形態、寸法、テーパ等に関して第6のねじ領域に適合しなければならないことを意味している。第3のねじ領域のねじ山、第5のねじ領域のねじ山に対しても同様である。
【0041】
このため、第1および第6のねじ領域のピッチは必然的に第4および第7のねじ領域のピッチに等しく、第2および第8のねじ領域のピッチは第3および第5のねじ領域のピッチに等しく、第1および第6のねじ領域のピッチは第3および第5のねじ領域のピッチに等しく、第2および第8のねじ領域のピッチは、第4および第7のねじ領域のピッチに等しくなければならない。
【0042】
有利には、組立の進捗を容易にするため、管状コンポーネントのねじ領域はテーパを有してもよく、このテーパは、番号11a、11b、11c、11dを付して
図1に示されている。この構成において、第3の管状コンポーネントの第6のねじ領域T6は、第4の管状コンポーネントPIN‐Bの第7のねじ領域T7のテーパ11bと同じテーパ11dを有する必要がある。または、第3の管状コンポーネントPIN‐Aの第5のねじ領域T5は、第4の管状コンポーネントPIN‐Bの第8のねじ領域T8のテーパ11cと同じテーパ11aを有している。
【0043】
有利には、そのテーパは、0.025〜0.125のピーク半角の接線に相当する5%〜25%であり、好ましくは10%〜18%のテーパであり、これは0.05〜0.09のピーク半角の接線に相当する。
【0044】
有利には、第3および/または第4の管状コンポーネントは、第1および/または第2の管状コンポーネントに隣接して協働してもよい。
【0045】
したがって、
図4,5から分かるように、第3の管状コンポーネントPIN‐Aは、回転軸10に対して実質的に垂直に延びる末端面を有している。その末端面は、第1の管状コンポーネントUCSのショルダに設けられた対応する第2の面C2に隣接して協働することが可能な第1の隣接面C1を備えている。
【0046】
同様に、前記末端面は、第2の管状コンポーネントBCSのショルダに設けられた対応する第4の面C4に隣接して協働することが可能な第3の隣接面C3を備えている。
【0047】
同様に、第4の管状コンポーネントPIN‐Bは、回転軸10に対して実質的に垂直に延びる末端面を有している。その末端面は、第1の管状コンポーネントUCSのショルダに設けられた対応する第6の面C6に隣接して協働することが可能な第5の隣接面C5を備えている。
【0048】
同様に、前記末端面は、第2の管状コンポーネントBCSのショルダに設けられた対応する第8の面C8に隣接して協働することが可能な第7の隣接面C7を備えている。
【0049】
変形例では、
図6,7から分かるように、第3の管状コンポーネントPIN‐Aの外周面は、第1の管状コンポーネントUCSのショルダに設けられた対応する第2の面C2に隣接して協働することが可能な第1の隣接面C1を備えるショルダを有している。
【0050】
同様に、第3の管状コンポーネントPIN‐Aの内周面は、第2の管状コンポーネントBCSのショルダに設けられた対応する第4の面C4に隣接して協働することが可能な第3の隣接面C3を備えるショルダを有している。
【0051】
同様に、第4の管状コンポーネントPIN‐Bの外周面は、第1の管状コンポーネントUCSのショルダに設けられた対応する第6の面C6に隣接して協働することが可能な第5の隣接面C5を備えるショルダを有している。
【0052】
同様に、第4の管状コンポーネントPIN‐Bの外周面は、第2の管状コンポーネントBCSのショルダに設けられた対応する第8の面C8に隣接して協働することが可能な第7の隣接面C7を備えるショルダを有している。
【0053】
有利には、第3および/または第4の管状コンポーネントは、第1および/または第2の管状コンポーネントに設けられた対応する封止面と封止締まりばめ状態で協働することが可能な封止面を備えていてもよい。
【0054】
したがって、
図4,5から分かるように、第3の管状コンポーネントPIN‐Aは、その末端に先行する非ねじ部を有し、その外周面に第1の封止面S1が設けられ、第1の管状コンポーネントUCSに設けられた対応する第2の面S2と封止締まりばめ状態で協働することが可能である。
【0055】
同様に、第3の管状コンポーネントPIN‐Aの内周面には第3の封止面S3が設けられ、第2の管状コンポーネントBCSに設けられた対応する第4の面S4と封止締まりばめ状態で協働することが可能である。
【0056】
同様に、第4の管状コンポーネントPIN‐Bの外周面には第5の封止面S5が設けられ、第1の管状コンポーネントUCSに設けられた対応する第6の面S6と封止締まりばめ状態で協働することが可能である。
【0057】
同様に、第4の管状コンポーネントPIN‐Bは、その末端に先行する非ねじ部を有し、その内周面に第7の封止面S7が設けられ、第2の管状コンポーネントBCSに設けられた対応する第8の面S8と封止締まりばめ状態で協働することが可能である。
【0058】
有利には、封止面の一方はテーパ状面であり、他方の同様の対向する封止面はトロイド面である。
【0059】
また、有利には、そのトロイド面がドーム形の管状凸状面であり、その半径Rが好ましくは2.5〜60mmである。トロイド面に対して半径が大き過ぎる場合、すなわち60mmを超える場合には、コーン・オン・コーン(cone−on−cone)接触の欠点と同じ欠点を生じる。ドーム状面の半径が小さ過ぎる場合、すなわち2.5mm未満の場合には、不十分な接触幅を生じる。
【0060】
トロイド封止面に対向して、テーパ状封止面は、その接続の軸10に対してある角度を形成するテーパ母線によって支持され、そのピーク半角の接線は0.025〜0.25であり、これは5%〜50%のテーパに相当する。
【0061】
また、本発明は、第一に、本発明のアセンブリを設けることから成り、第1および第6のねじ領域のピッチが第4および第7のねじ領域のピッチに等しく、第3の管状コンポーネントPIN‐Aの第6のねじ領域T6が、第4の管状コンポーネントPIN‐Bの第7のねじ領域T7のテーパと同じテーパを有する、ねじ接続を形成する方法に関する。次に、第3の管状コンポーネントPIN‐Aは組立によって第2の管状コンポーネントBCSと接続され、次いで、第4の管状コンポーネントPIN‐Bは組立によって第1の管状コンポーネントUCSと接続され、最後に、先行の2つのステップの結果として生じるものが組立によって接続される。
【0062】
本発明のアセンブリの他の変形例では、第一に、第2および第8のねじ領域のピッチが第3および第5のねじ領域のピッチに等しく、第3の管状コンポーネントPIN‐Aの第5のねじ領域T5が第4の管状コンポーネントPIN‐Bの第8のねじ領域T8のテーパと同じテーパを有している。次に、第4の管状コンポーネントPIN‐Bは組立によって第2の管状コンポーネントBCSと接続され、次いで、第3の管状コンポーネントPIN‐Aは組立によって第1の管状コンポーネントUCSと接続され、最後に、先行の2つのステップの結果として生じるものが組立によって接続される。
【0063】
本発明のアセンブリの他の変形例では、第1の管状コンポーネントUCSと第2の管状コンポーネントBCSが単一のコンポーネントを構成するように結合される。この結合は、溶接、ボルト締め、ねじ締め等によって実行できる。
【0064】
また、第1および第6のねじ領域のピッチは第3および第5のねじ領域のピッチに等しく、第2および第8のねじ領域のピッチは第4および第7のねじ領域のピッチに等しい。次に、第3の管状コンポーネントPIN‐Aは、組立によって第1の管状コンポーネントUCSと第2の管状コンポーネントBCSを結合することによって生じるコンポーネントと接続される。次いで、第4の管状コンポーネントPIN‐Bは、組立によって第1の管状コンポーネントUCSと第2の管状コンポーネントBCSを結合することによって生じるコンポーネントと接続される。
【0065】
有利には、第1の管状コンポーネントUCS,第2の管状コンポーネントBCS,第3の管状コンポーネントPIN‐A,第4の管状コンポーネントPIN‐Bは、逆のねじ切り方向を備えるねじ領域を有してもよい。その結果、第1,第6,第4,第7のねじ領域T1,T6,T4,T7は「反時計回りの」ねじピッチを有し、一方、第2,第8,第3,第5のねじ領域T2,T8,T3,T5は「時計回りの」ねじピッチを有してもよい。このことは、コンポーネントが所定の順に組み立てなければならないため、明らかにそのアセンブリの取付けに影響がある。
【0066】
同様に、第1,第6,第3,第5のねじ領域T1,T6,T3,T5は「反時計回りの」ねじピッチを有し、一方、第2,第8,第4,第7のねじ領域T2,T8,T4,T7は「時計回りの」ねじピッチを有してもよい。これは、第1の管状コンポーネントUCSと第2の管状コンポーネントBCSが最初に互いに結合される構成に採用される。
【0067】
これは、アセンブリを組み立てるときの組立トルクに容易に達することが可能であり、組み立てられた接続が稼働するときの想定外の分解を制限または不可能にすることを意味している。
【0068】
VAM SLIJ‐II接続と本発明の接続に関して比較シミュレーションを行った。VAM SLIJ‐II接続は、中間隣接部によって離間された2つのスタガ状ねじ領域と、一方が内側で、他方が外側の2つの封止面を備える一体型接続である。
【0069】
図8Aのグラフの曲線1は、外径が9 7/8”(すなわち250.83mm)、公称重量が62.8(すなわち厚さが15.88mm)および降伏強度がP110(すなわち758MPa)の炭素鋼製のVAM SLIJ‐IIの場合の接点における内側封止面の相対的ずれ(relative displacement)を示している。
【0070】
図8Aの曲線2は、外径が9 7/8”(すなわち250.83mm)、公称重量が62.8(すなわち厚さが15.88mm)および降伏強度がP110(すなわち758MPa)の本発明の炭素鋼製の接続の場合の接点における内側封止面の相対的ずれを示している。
【0071】
曲線2は、水平軸近傍を維持していることが図から明らかである。これは、本発明の接続が、内圧IPまたは外圧EP、引張応力T、圧縮荷重C、またはこれらの内の幾つかの組合せの変動に関係なく、印加荷重に対する感受性が低いことを意味している。
【0072】
対照的に、曲線1は、水平軸からかなり外れている部分を含んでいる。これは、VAM SLIJ‐II接続が、上述した荷重に対して感度がより高いことを意味している。
【0073】
図8Bのグラフでは、
図8AのVAM SLIJ‐II接続の接点における外側封止面の相対的ずれと、
図8Aの本発明の接続の接点における封止面の相対的ずれの比較結果が示されている。その結果は、
図8Aの結果と同じである。
【0074】
この種の接続は、特にフラッシュまたはセミフラッシュタイプの接続に適合していることに留意する必要がある。
【0075】
第1の管状コンポーネントUCS,第3の管状コンポーネントPIN‐A,第4の管状コンポーネントPIN‐Bの外径は異なっても、等しくてもよいことに留意する必要がある。好ましくは、第1の管状コンポーネントUCSの外径は、第3の管状コンポーネントPIN‐Aおよび第4の管状コンポーネントPIN‐Bの外径よりも大きいことに留意する必要がある。
【0076】
封止面に関して小さな相対的ずれを有することの利点は、複合的な軸方向のずれを発生したときに微小溝を形成する可能性があり、その結果として、引張および圧縮性の複合的荷重が掛かるときに封止を喪失する可能性がある封止面の過度の鈍化を防げることを意味している。
【0077】
この種の接続は、第1および第2の管状コンポーネントUCS,BCSの封止面の役割の最大化と、引張時および圧縮時の相対的ずれの限定に用いることができる。また、この種の接続は、良好な接続効率を先細りのねじ山で保持できることを意味している。