(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
7以下のpHを示す、請求項1〜3のいずれか一項に記載のセリウム複合酸化物であって、pHは、25℃で、3重量%のこの複合物を含む水溶液中で測定される、セリウム複合酸化物。
工程(a)または工程(A)が、セリウム溶液であって、そのセリウムイオンの90モル%以上が四価であるセリウム溶液を供給する、請求項8または10に記載の方法。
空気の浄化のための方法であって、前記空気は、一酸化炭素、エチレン、アルデヒド、アミン、メルカプタン、オゾン、揮発性有機化合物、大気汚染物質、脂肪酸、炭化水素、芳香族炭化水素、窒素酸化物または悪臭化合物を含み、前記ガスを請求項13に記載の触媒システムと接触させる工程を含む、方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の他の特徴、詳細および利点は、以下に続く説明を読むとさらにより十分に明らかになる。
【0014】
特許請求の範囲を含めて、本説明の全体にわたって、用語「1つを含む」は、特に断りのない限り、用語「少なくとも1つを含む」と同じ意味であると理解されるべきであり、「の間の(between)」は、その限界点を含むと理解されるべきである。
【0015】
本説明の後の部分おいて、用語「比表面積」は、定期刊行の「The Journal of the American Chemical Society,60,309(1938)」に記載されたBrunauer−Emmett−Teller法から策定された標準ASTM D 3663−78に従って窒素吸着によって決定されるBET比表面積を意味すると理解される。
【0016】
本説明の残りの部分において、特に断りのない限り、限界点での価は、与えられている値の範囲に含まれることが明記される。
【0017】
別に示されない限り、含有率は、酸化物として示される。酸化セリウムは、酸化セリウム(ceric oxide)の形態(CeO
2)である。酸化ケイ素は、SiO
2および酸化チタンは、TiO
2である。
【0018】
本発明の複合酸化物は、7以下、より好ましくは6以下のpH、より好ましくは1〜6の間に含まれるpHを示してもよく;ここで、pHは、3重量%のこの複合物を含む水溶液中で測定され、25℃におけるpHは、特に以下のプロトコルに従って測定されてもよい:複合酸化物粉末を200℃で1時間乾燥させ、乾燥した酸化物粉末をデシケータ中に30分間維持する。そのようにして得た3.0gの酸化物を、次いで、撹拌下に100mlの脱イオン水中に添加する。撹拌1分後、そのスラリー中にpHメータ(HORIBA D−51)を入れる。pH値は、pHメータをその状態に置いて3分後に集める。
【0019】
好ましくは、前記酸化物複合物は、800℃で2時間の焼成後、70〜120m
2/gの間に含まれる;特に85〜110m
2/gの間に含まれる比表面積(SBET)を示す。
【0020】
前記酸化物複合物は、900℃で5時間焼成後、40〜85m
2/gの間に含まれる、特に50〜70m
2/gの間に含まれる比表面積(SBET)を示す。
【0021】
この比表面積は、以下のとおりに、空気下に供された温度で前もって焼成された200mgの試料を用いて、MOUNTECH Co.,LTD.Macsorb分析器を使用することによって得られてもよい。
【0022】
本発明のセリウム複合酸化物は、酸化セリウム以外の少なくとも1種の希土類元素酸化物を、特に酸化物の重量で1〜15%の間に含まれる割合、好ましくは酸化物の重量で1〜10%の間に含まれる割合で含んでもよい。酸化セリウム以外の、数種の希土類元素酸化物が、本発明のセリウム複合酸化物で使用されてもよい。
【0023】
希土類元素(REE)または希土類金属は、周期律表中の1組の17種の化学元素、具体的には15種のランタニドに加えてスカンジウムおよびイットリウム、の1種である。好ましくは、希土類元素酸化物は、酸化ランタニウム(La
2O
3)、酸化プラセオジム(Pr
6O
11)、酸化ネオジム(Nd
2O
3)および酸化イットリウム(Y
2O
3)からなる群において選択される。
【0024】
好ましくは、本発明のセリウム複合酸化物は、少なくとも:
− 好ましくは酸化物の重量で60〜95%の間に含まれる割合の、酸化セリウム;
− 酸化物の重量で1〜15%の間に含まれる割合、好ましくは酸化物の重量で5〜15%の間に含まれる割合の、酸化ケイ素;
− 酸化物の重量で1〜20%の間に含まれる割合、好ましくは酸化物の重量で5〜15%の間に含まれる割合の、酸化チタン;および
− 酸化物の重量で1〜15%の間に含まれる割合、好ましくは酸化物の重量で1〜10%の間に含まれる割合の、酸化セリウム以外の、希土類元素酸化物
を含む。
【0025】
酸化セリウムは、典型的には酸化物の重量で少なくとも50%を占める。好ましくは、酸化セリウムは、少なくとも60重量%である。酸化セリウムは、典型的には酸化物の合計重量の重量で98%を超えず、好ましくは、それは95重量%を超えない。
【0026】
方法
本発明の複合酸化物は、いくつかの可能な方法によって得られてもよい。
【0027】
通常、これらの方法は、セリウムの化合物および他の化合物を含む沈殿物の焼成にある。このような沈殿物は、一般に塩基性化合物の添加により得られる。特に、沈殿物を乾燥および焼成する前に水性媒体中の沈殿物を加熱することが可能である。ケイ素およびチタンの化合物は、特に、セリウム化合物の沈殿の前または後で添加されてもよい。
【0028】
本発明の組成物は、特に、:
(a)好ましくはそのセリウムイオンの少なくとも90モル%が4価である、セリウム溶液を供給する工程と、
(b)工程(a)から得られた前記セリウム溶液を最高60℃まで、および60℃以上で加熱および維持する工程と、
(c)前記加熱および維持によって得られたセリウム懸濁液に沈殿剤を添加して、沈殿物を得る工程と、
(d)前記沈殿物を焼成して、酸化セリウムを得る工程と、
(e)前記焼成によって得られた前記酸化セリウムに、酸化ケイ素前駆体および酸化チタン前駆体の溶液を含浸させる工程と、
(f)前記酸化ケイ素前駆体および酸化チタン前駆体の溶液を含浸させた前記酸化セリウムを焼成する工程と
を含む、組成物を製造する方法によって得られてもよい。
【0029】
工程(a)で使用されてもよい水溶性セリウム化合物は、たとえば、硝酸セリウム溶液または硝酸セリウムアンモニウムであってもよく、硝酸セリウム溶液が特に好ましい。
【0030】
工程(a)において、セリウム溶液の初期濃度は、通常、CeO
2の単位で、5〜100g/L、好ましくは5〜80g/L、より好ましくは10〜70g/Lのセリウムに調製されてもよい。
【0031】
工程(a)は、そのセリウムイオンの90モル%以上が四価であるセリウム溶液を供給する。
【0032】
通常、水が、セリウム溶液の濃度の調整のために使用され、脱イオン水が特に好ましい。初期濃度が高過ぎる場合、沈殿物の結晶化度は十分に高くなく、酸化ケイ素前駆体および酸化チタン前駆体の溶液による含浸のための十分な細孔を形成することができず、最終複合酸化物の不十分な耐熱性および還元性をもたらす。低過ぎる初期濃度は、生産性を低くし、工業的に有利でない。
【0033】
特に、工程(a)で、希土類元素化合物、例えば、硝酸塩、塩化物、酸化物、炭酸塩、ハロゲン化物、オキシハロゲン化物、オキシ硝酸塩および/または硫酸塩の形態の希土類元素を添加することが可能である。
【0034】
第1の方法において、工程(a)から得られたセリウム溶液を最高60℃まで、および60℃以上で加熱および維持する工程(b)は、セリウム溶液の反応を生じさせるように行なわれる。工程(b)で使用される反応器は、密封または開放型の容器のいずれであってもよい。オートクレーブ反応器が、好ましくは使用されてもよい。
【0035】
工程(b)において、セリウム溶液が加熱および維持される温度は、60℃以上、好ましくは60〜200℃、より好ましくは80〜180℃、最も好ましくは90〜160℃である。加熱および維持の期間は、通常10分〜48時間、好ましくは30分〜36時間、より好ましくは1時間〜24時間である。不十分な加熱および維持の場合、沈殿物の結晶化度は、十分に高くなく、酸化ケイ素前駆体および酸化チタン前駆体の溶液による含浸のための十分な容積の細孔を形成することができず、最終複合酸化物の不十分な耐熱性をもたらす。長すぎる加熱および維持の継続時間は、耐熱性にほとんど影響を及ぼさず、工業的に有利ではない。
【0036】
第1の方法はさらに、工程(b)における加熱および維持によって得られたセリウム懸濁液に沈殿剤を添加して、沈殿物を得る工程(c)を含む。
【0037】
工程(c)で使用される沈澱剤は、塩基、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、アンモニアガス、またはそれらの混合物であってもよく、アンモニア水が特に好ましい。
【0038】
沈殿剤は、例えば、適切な濃度で沈殿剤の水溶液を調製し、その溶液を工程(b)で得られたセリウム懸濁液に撹拌下に添加することによって、またはアンモニアガスの場合、反応器中撹拌下にアンモニアガスをセリウム懸濁液に泡立てることによって添加されてもよい。添加されるべき沈澱剤の量は、懸濁液のpH変化をモニターすることによって容易に決定され得る。通常、pH7〜9、好ましくはpH7〜8.5でセリウム懸濁液中に沈殿物を生成する量が、十分である。
【0039】
工程(c)は、工程(b)における加熱および維持によって得られたセリウム懸濁液が冷却された後に行なわれてもよい。このような冷却は通常、一般に公知の方法によって攪拌下に行われてもよい。冷却は、懸濁液をそのまま放置することによる自然冷却、または冷却管による強制冷却のいずれであってもよい。冷却は、通常40℃以下、好ましくは20〜30℃の室温まで行なわれてもよい。
【0040】
工程(c)での沈澱反応によって、成長した結晶の酸化セリウム水和物の沈澱物を含有するスラリーが得られる。沈澱物は、たとえば、ヌッチェ法、遠心分離、またはフィルタープレスによって分離されてもよい。沈澱物は、任意選択により、必要に応じて水で洗浄されてもよい。さらに、次の工程(d)で効率を向上させるために、沈澱物は、任意選択により、適切なレベルまで乾燥されてもよい。
【0041】
第1の方法は、沈殿物を焼成して、酸化セリウムを得る工程(d)を含む。焼成のための温度は、通常250〜500℃、好ましくは280〜450℃である。
【0042】
工程(d)での焼成によって得られた酸化セリウムは、酸化ケイ素前駆体および酸化チタン前駆体の溶液による含浸のために十分な容積の細孔を有する多孔質体の形態にある。これは、酸化ケイ素前駆体および酸化チタン前駆体の溶液による含浸を促進し、最終的な複合酸化物の耐熱性を向上される。
【0043】
焼成の期間は、通常30分〜36時間、好ましくは1時間〜24時間、より好ましくは3時間〜20時間である。
【0044】
第1の方法は、焼成によって得られた酸化セリウムに、酸化ケイ素前駆体および酸化チタン前駆体の溶液を含浸させる工程(e)を含む。
【0045】
工程(e)で使用される酸化ケイ素前駆体は、焼成酸化セリウム多孔質体に、溶媒に溶解させたその化合物を含浸させ得る限り、酸化処理、例えば、焼成によって酸化ケイ素に変換され得るいずれの化合物であってもよい。前駆体の例には、ケイ酸塩、例えば、ケイ酸ナトリウム、シラン化合物、例えば、テトラエチルオルトシリケート、シリル化合物、例えば、トリメチルシリルイソシアネート、ケイ酸四級アンモニウム、例えば、ケイ酸テトラメチルアンモニウム、およびコロイダルシリカが含まれてもよい。
【0046】
コロイダルシリカは、市販の製品、例えば、以下の特性:酸安定化型、%SiO
2=20、一次粒径=10〜15nmを有する、ADEKAにより提供されるAT−20Qなどである。
【0047】
工程(e)で使用される酸化チタン前駆体は、焼成酸化セリウム多孔質体に、溶媒に溶解させた化合物を含浸させ得る限り、酸化処理、例えば、焼成によって酸化チタンに変換され得るいずれの化合物であってもよい。前駆体の例には、硫酸チタン、オキシ硫酸チタン、四塩化チタン、オキシ塩化チタン、硝酸チタン、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトラブトキシド、チタンテトラアセチルアセトナート、チタン酸四級アンモニウムゾル、およびコロイダルチタニアが含まれてもよい。
【0048】
コロイダルチタニアは、市販の製品、例えば、以下の特性:酸安定化型、%TiO
2=33%、一次粒径=6nmを有する、TAYCAにより提供されるTKS202などである。
【0049】
酸化ケイ素前駆体および酸化チタン前駆体を溶解させるために使用される溶媒は、使用される前駆体の種類に依存して選択されてもよく、例えば、アルコール、キシレン、ヘキサン、またはトルエンのような、水または有機溶媒であってもよい。
【0050】
酸化ケイ素前駆体の溶液の濃度は、酸化セリウムにその溶液を含浸させ得る限り、特に限定されず、通常、作業性および効率性のために、SiO
2の単位で、1〜300g/L、好ましくは約10〜200g/Lの酸化ケイ素前駆体であってもよい。
【0051】
酸化チタン前駆体の溶液の濃度は、酸化セリウムに、その溶液を含浸させ得る限り、特に限定されず、通常、作業性および効率性のために、TiO
2を単位として1〜300g/L、好ましくは約10〜200g/Lの酸化ケイ素であってもよい。
【0052】
工程(e)において、酸化ケイ素前駆体の量は、通常、SiO
2を単位として酸化ケイ素前駆体、TiO
2を単位として酸化チタン前駆体およびCeO
2を単位として酸化セリウムの合計量に対して、SiO
2を単位として1〜15質量%、好ましくは5〜15質量%の酸化ケイ素前駆体である。
【0053】
工程(e)において、酸化チタン前駆体の量は、通常、SiO
2を単位として酸化ケイ素前駆体、TiO
2を単位として酸化チタン前駆体およびCeO
2を単位として酸化セリウムの合計量に対して、TiO
2を単位として1〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の酸化チタン前駆体である。
【0054】
工程(e)において、酸化ケイ素前駆体および酸化チタン前駆体の溶液による酸化セリウムの含浸は、例えば、細孔充填、吸着、または蒸発乾固によって行なわれてもよい。細孔充填は、予め酸化セリウムの総細孔容積を測定し、同じ容積の、酸化ケイ素前駆体および酸化チタン前駆体の溶液を添加することによって行なわれてもよく、その結果、酸化セリウムの表面は均一に湿潤される。
【0055】
特に、工程(e)において希土類元素化合物、例えば、硝酸塩、塩化物、酸化物、炭酸塩、ハロゲン化物、オキシハロゲン化物、オキシ硝酸塩および/または硫酸塩の形態の希土類元素を添加することが可能である。その場合、希土類元素化合物は、工程(a)および/または工程(e)で添加されてもよい。
【0056】
第1の方法は、そのようにして酸化ケイ素前駆体および酸化チタン前駆体の溶液を含浸させた酸化セリウムを焼成する工程(f)を含む。焼成の温度は、通常300〜900℃、好ましくは450℃〜750℃である。工程(f)における焼成の期間は、焼成温度を考慮して適切に決定されてもよく、通常は1〜10時間であってもよい。
【0057】
第1の方法において、工程(e)の後および工程(f)の前に、酸化ケイ素前駆体および酸化チタン前駆体の溶液を含浸させた酸化セリウムは、任意選択により約60〜200℃で乾燥されてもよい。このような乾燥工程によって、工程(f)の焼成の効率は改善され得る。
【0058】
第1の方法において、工程(f)の後に、酸化ケイ素前駆体および酸化チタン前駆体の溶液を含浸させた酸化セリウムは、任意選択により粉砕(milled)されてもよい。粉砕は、通常、ハンマーミリングまたはジェットミリングなどの一般に公知の方法で行なわれもよい。
【0059】
代わりに、本発明組成物は、
(A)好ましくはそのセリウムイオンの90モル%以上が四価である、セリウム溶液を供給する工程と、
(B)工程(A)から得られた前記セリウム溶液を最高で60℃までにおよび60℃以上で加熱および維持する工程と、
(C)前記加熱および維持によって得られたセリウム懸濁液に、酸化ケイ素前駆体および酸化チタン前駆体の溶液を添加する工程と、
(D)前記酸化ケイ素前駆体および酸化タチン前駆体を含有する前記セリウム懸濁液を、最高100℃まで、および100℃以上で加熱および維持する工程と、
(E)前記加熱および維持によって得られた前記酸化ケイ素前駆体および酸化チタン前駆体を含有する前記セリウム懸濁液に沈殿剤を添加して、沈殿物を得る工程と、
F)前記沈殿物を焼成する工程と
を含む方法によって調製されてもよい。
【0060】
本発明による第2の方法は、そのセリウムイオンの90モル%以上が四価であるセリウム溶液を供給する工程(A)を含む。
【0061】
工程(A)で使用されてもよい水溶性セリウム化合物は、例えば、硝酸セリウム溶液または硝酸セリウムアンモニウムであってもよく、硝酸セリウム溶液が特に好ましい。
【0062】
工程(A)において、そのセリウムイオンの90モル%以上が四価であるセリウム溶液の初期濃度は、通常、CeO
2を単位として、5〜100g/L、好ましくは5〜80g/L、より好ましくは10〜70g/Lのセリウムに調整されてもよい。通常、セリウム溶液の濃度の調整のために水が使用され、脱イオン水が特に好ましい。
【0063】
特に、工程(A)で希土類元素化合物、例えば、硝酸塩、塩化物、酸化物、炭酸塩、ハロゲン化物、オキシハロゲン化物、オキシ硝酸塩、および/または硫酸塩の形態の希土類元素を添加することが可能である。
【0064】
第2の方法において、工程(A)から得られたセリウム溶液を最高60℃まで、および60℃以上で加熱および維持する工程(B)が次に行なわれる。
【0065】
工程(B)で使用される反応器は、密封または開放型溶液のいずれであってもよく、オートクレーブ反応器が好ましく使用されてもよい。
【0066】
工程(B)において、セリウム溶液が加熱および維持される温度は、60℃以上、好ましくは60〜200℃、より好ましくは80〜180℃、最も好ましくは90〜160℃である。加熱および維持の期間は、通常10分〜48時間、好ましくは15分〜36時間、より好ましくは30分〜10時間である。
【0067】
第2の方法はさらに、工程(B)から得られたセリウム懸濁液に、酸化ケイ素前駆体および酸化チタン前駆体を添加する工程(C)を含む。
【0068】
工程(C)において、セリウム懸濁液に添加される酸化ケイ素前駆体は、酸化処理、例えば、焼成によって酸化ケイ素に変換され得るいずれの化合物であってもよく、例えば、コロイダルシリカ、ケイ酸塩、またはケイ酸四級アンモニウムゾルであってもよく、生産コストおよび環境負荷の軽減を考慮して、コロイダルシリカが特に好ましい。
【0069】
工程(C)において、セリウム懸濁液に添加される酸化チタン前駆体は、酸化処理、例えば、焼成によって酸化チタンに変換され得るいずれの化合物であってもよく、例えば、コロイダルチタニア、硫酸チタン、オキシ硫酸チタン、四塩化チタン、オキシ塩化チタン、硝酸チタン、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトラブトキシド、チタンテトラアセチルアセトナートまたはチタン酸四級アンモニウムゾルであってもよく、生産コストおよび環境負荷の軽減を考慮して、コロイダルチタニアが特に好ましい。
【0070】
工程(C)において、酸化ケイ素前駆体の量は、通常、SiO
2を単位として酸化ケイ素前駆体、TiO
2を単位として酸化チタン前駆体およびCeO
2を単位としてセリウムの合計量に対して、SiO
2を単位として、1〜15質量%、好ましくは5〜15質量%の酸化ケイ素前駆体である。
【0071】
工程(C)において、酸化チタン前駆体の量は、通常、SiO
2を単位として酸化ケイ素前駆体、TiO
2を単位として酸化チタン前駆体およびCeO
2を単位としてセリウムの合計量に対して、TiO
2を単位として、1〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の酸化チタン前駆体である。
【0072】
工程(C)において、酸化ケイ素前駆体および酸化チタン前駆体を添加する前に、セリウム懸濁液の塩濃度は、母液をセリウム懸濁液から除去することによって、または水を添加することによって調整されてもよい。母液の除去は、例えば、デカンテーション、ヌッチェ法、遠心分離、またはフィルタープレスによって行われてもよい。この場合に、わずかな量のセリウムが母液と共に除去され、したがって、次に添加される酸化ケイ素前駆体および酸化チタン前駆体ならびに水の量は、セリウムのこの除去された量を考慮して、調整されてもよい。
【0073】
工程(C)は、工程(B)における加熱および維持によって得られたセリウム懸濁液が冷却された後で行なわれてもよい。このような冷却は通常、一般に公知の方法によって攪拌下に行われてもよい。冷却は、懸濁液をそのまま放置することによる自然冷却、または冷却管による強制冷却のいずれであってもよい。冷却は、通常40℃以下、好ましくは20〜30℃の室温まで行なわれてもよい。
【0074】
特に、工程(C)で、希土類元素化合物、例えば、硝酸塩、塩化物、酸化物、炭酸塩、ハロゲン化物、オキシハロゲン化物、オキシ硝酸塩、および/または硫酸塩の形態の希土類元素を添加することが可能である。その場合、希土類元素化合物は、工程(A)および/または工程(C)で添加されてもよい。
【0075】
第2の方法は、酸化ケイ素前駆体および酸化チタン前駆体を含有するセリウム懸濁液を、最高100℃まで、および100℃以上で、好ましくは100〜200℃、より好ましくは100〜150℃で加熱および維持する工程(D)を含む。
【0076】
工程(D)において、加熱および維持の継続時間は、通常10分〜6時間、好ましくは20分〜5時間、より好ましくは30分〜4時間であってもよい。100℃未満での、加熱および維持の工程(D)では、沈澱物の結晶化度が、十分には高くなく、最終的な複合酸化物の不十分な耐熱性をもたらす。
【0077】
第2の方法は、加熱および維持によって得られた、酸化ケイ素前駆体および酸化チタン前駆体を含有するセリウム懸濁液に沈殿剤を添加して、沈殿物を得る工程(E)を含む。
【0078】
工程(E)で使用される沈澱剤は、塩基、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、アンモニアガス、またはそれらの混合物であってもよく、アンモニア水が特に好ましい。工程(E)で添加される沈殿剤の量は、酸化ケイ素前駆体および酸化チタン前駆体を含有するセリウム懸濁液のpH変化をモニターすることによって容易に決定され得る。通常、pH7〜9、好ましくはpH7〜8.5でセリウム懸濁液中に沈殿物を生成する量が十分である。
【0079】
工程(E)は、工程(D)での加熱および維持によって得られたセリウム懸濁液が冷却された後で行なわれてもよい。このような冷却は通常、一般に公知の方法によって攪拌下に行われてもよい。冷却は、懸濁液をそのまま放置することによる自然冷却、または冷却管による強制冷却のいずれであってもよい。冷却は、通常40℃以下、好ましくは20〜30℃の室温まで行われてもよい。
【0080】
沈澱物は、たとえば、ヌッチェ法、遠心分離、またはフィルタープレスによって分離されてもよい。沈澱物は、任意選択により、必要に応じて水で洗浄されてもよい。
【0081】
第2の方法は、そのようにして得られた沈殿物を焼成する工程(F)を含む。焼成のための温度は、通常300〜900℃、好ましくは450〜750℃である。焼成の継続時間は、通常1〜48時間、好ましくは1〜24時間、より好ましくは3〜20時間であってもよい。
【0082】
第2の方法において、工程(F)後に、セリウムベースの複合酸化物は、任意選択により粉砕されてもよい。粉砕は、通常、ハンマーミリングまたはジェットミリングなどの一般に公知の方法によって行なわれてもよい。
【0083】
上に記載されたとおりのまたは前に記載された調製方法によって得られたとおりの本発明の複合酸化物は、粉末の形態にあるが、それらは、任意選択により、可変寸法の顆粒、ペレット、発泡体、ビーズ、筒状体またはハニカムの形態にあるように形成することができる。
【0084】
これらの複合酸化物は、触媒作用の分野に一般に使用される任意の担体、すなわち特に熱的に不活性な担体に適用され得る。この担体は、アルミナ、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、シリカ、スピネル、ゼオライト、シリケート、結晶性シリコアルミニウムホスフェート、または結晶性リン酸アルミニウムから選択され得る。
【0085】
本発明はまた、本発明の上述の方法によって得られやすい複合酸化物に関する。
【0086】
用途
本発明の複合酸化物は、触媒システムに使用されてもよい。これらの触媒システムは、例えば、金属またはセラミックモノリスタイプの基材上に、これらの組成物をベースとする、および触媒特性を有する、コーティング(ウォッシュコート)を含み得る。このようなモノリスタイプは、例えば、炭化ケイ素、コーディエライトまたはチタン酸アルミニウムをベースとするフィルタータイプであり得る。コーティングはそれ自体また、上述のもののタイプの担体を含むことができる。このコーティングは、複合酸化物を担体と混合することによって得て、基材上にその後堆積され得る懸濁液を形成する。
【0087】
本発明のこれらの触媒システム、より詳細には複合酸化物は、非常に多くの用途を有し得る。したがって、それらは、様々な反応、例えば、炭化水素または他の有機化合物の脱水、ヒドロ硫化、水素化脱窒素、脱硫、水素化脱硫、脱ハロゲン化水素、改質、水蒸気改質、クラッキング、水素化分解、水素化、脱水素、異性化、不均化、オキシ塩素化、脱水素環化、酸化および/または還元反応、クラウス反応、内燃エンジンからの排ガスの処理、脱金属、メタン化、シフト転化、COの酸化、低温酸化(200℃未満、実にさらには100℃未満)による空気の浄化、リーンバーン(希薄混合気燃焼)条件下で運転しているディーゼルエンジンまたはガソリンエンジンなどの内燃エンジンにより排出される煤の触媒酸化などの、触媒作用に特によく適しており、したがって、それらの触媒作用に使用可能である。
【0088】
触媒作用におけるこれらの使用の場合、本発明の複合酸化物は、貴金属と組み合わせて用いることができる。これらの金属の性質およびこれらの組成物における後者の組込みのための技術は、当業者に周知である。例えば、金属は、白金、ロジウム、パラジウム、金またはイリジウムであり得、それらは、特に、含浸によって本組成物に組み込むことができる。
【0089】
述べられた使用の中で、内燃エンジンからの排ガスの処理(自動車アフターバーニング触媒作用)は、特に有利な用途である。したがって、本発明の組成物は、触媒作用のためにこの場合に使用され得る。触媒作用におけるこの使用の場合でなおより詳細には、本組成物は、リーンバーン混合物で作動するガソリンエンジンからの排ガスの処理用のためのNOx(窒素酸化物)トラップと組み合わせて、例えばそのようなトラップの触媒作用層において用いることができる。本発明の複合酸化物は、ディーゼルエンジン用の酸化触媒に組み込むことができる。
【0090】
この理由のために、本発明はまた、非常に特に、上に記載されたとおりの複合酸化物または触媒システムが、触媒として、使用されることを特徴とする、内燃エンジンからの排ガスの処理のための方法に関する。
【0091】
別の有利な使用は、200℃未満の、実にさらには100℃未満の温度での空気の浄化であり、この空気は、一酸化炭素、エチレン、アルデヒド、アミン、メルカプタンもしくはオゾンタイプの、一般には、脂肪酸、炭化水素、特に芳香族炭化水素、および窒素酸化物(NO
2を与えるためのNOの酸化のための)のタイプの、および悪臭化合物タイプの少なくとも1種の化合物を含む。
【0092】
そして、本発明はまた、空気の浄化のための方法であって、前記空気は、一酸化炭素、エチレン、アルデヒド、アミン、メルカプタン、オゾン、揮発性有機化合物、大気汚染物質、脂肪酸、炭化水素、芳香族炭化水素、窒素酸化物、または悪臭化合物を含み、前記ガスを本発明の触媒システムと接触させる工程を含む方法に関する。
【0093】
このタイプの化合物として、エタンチオール、吉草酸およびトリメチルアミンがより特に挙げられてもよい。この処理は、処理される空気を、上に記載されたとおりのまたは上に詳細に記載された方法によって得られる複合酸化物または触媒システムと接触させることによって行なわれる。
【0094】
具体的であるが、非限定的な実施例が、これから示される。
【実施例】
【0095】
実施例1
この実施例は、質量比で92.8:5.1:2.1の酸化セリウム、酸化ケイ素および酸化チタンの複合酸化物に関する。
【0096】
90モル%以上の四価セリウムイオンを含有する、CeO
2を単位として50gの硝酸セリウム溶液を量り分け、脱イオン水で1Lの合計量に調整する。得られた溶液を100℃に加熱し、この温度で30分間維持し、室温まで冷却させて、それにより、セリウム懸濁液を得た。そのように得られたセリウム懸濁液から母液を除去した(CeO
2を単位として、2.6gのセリウムを母液とともに除去した)後、12.9gのコロイダルシリカ(SiO
2を単位として2.6g)および3.2gのコロイダルチタニア(TiO
2を単位として1.1g)を添加し、合計容量を脱イオン水で1Lに調整した。
【0097】
次いで、酸化ケイ素および酸化チタンの前駆体を含有するセリウム懸濁液を、120℃で2時間維持し、冷却させ、アンモニア水でpH8.5に中和した。
【0098】
得られたスラリーを、ヌッチェフィルタを通して固−液分離に供して、濾過ケーキを得た。このケーキを空気中700℃で10時間焼成して、5.1質量%の酸化ケイ素および2.1質量%の酸化チタンと一緒の酸化セリウムから主としてなる複合酸化物粉末を得た。
【0099】
得られた複合酸化物粉末を、800℃で2時間および900℃で5時間焼成後、BET法により比表面積について測定した。さらに、3重量%のこの複合酸化物を含む水溶液のpHを測定した。
【0100】
結果を表1に示す。
【0101】
実施例2
この実施例は、質量比で90.0:5.0:5.0の酸化セリウム、酸化ケイ素および酸化チタンの複合酸化物に関する。
【0102】
5.0質量%の酸化ケイ素および5.0質量%の酸化チタンと一緒の酸化セリウムから主としてなる複合酸化物粉末を、コロイダルチタニアの量が8.0g(TiO
2単位として2.6g)であったことを除いて、実施例1と同様に調製した。
【0103】
そのようにして得た複合酸化物粉末の特性を、実施例1と同様に評価し、結果を表1に示す。
【0104】
実施例3
この実施例は、質量比で85.7:4.8:9.5の酸化セリウム、酸化ケイ素および酸化チタンの複合酸化物に関する。
【0105】
4.8質量%の酸化ケイ素および9.5質量%の酸化チタンと一緒の酸化セリウムから主としてなる複合酸化物粉末を、コロイダルチタニアの量が16.0g(TiO
2を単位として5.3g)であったことを除いて、実施例1におけるのと同様に調製した。
【0106】
このようにして得た複合酸化物粉末の特性を、実施例1におけるのと同様に評価し、結果を表1に示す。
【0107】
実施例4
この実施例は、質量比で85.0:10.0:5.0の酸化セリウム、酸化ケイ素および酸化チタンの複合酸化物に関する。
【0108】
10.0質量%の酸化ケイ素および5.0質量%の酸化チタンと一緒の酸化セリウムから主としてなる複合酸化物粉末を、コロイダルシリカの量が、27.8g(SiO
2を単位として5.6g)であり、およびコロイダルチタニアの量が8.1g(TiO
2を単位として2.8g)であったことを除いて、実施例1におけるのと同様に調製した。
【0109】
このようにして得た複合酸化物粉末の特性を、実施例1におけるのと同様に評価し、結果を表1に示す。
【0110】
実施例5
この実施例は、質量比で90.0:5.0:5.0の酸化セリウム、酸化ケイ素および酸化チタンの複合酸化物に関し、かつ実施例2と異なる方法で調製した複合酸化物に関する。
【0111】
酸化セリウム粉末は、特許公開国際公開第2003/022740号に開示された方法によって調製した。
【0112】
90モル%以上の四価セリウムイオンを含有する、CeO
2を単位として20gの硝酸セリウム溶液を量り分け、脱イオン水で合計量1Lに調整した。得られた溶液を100℃に加熱し、この温度で24時間維持し、室温まで冷却させた。次いで、アンモニア水を添加して、pH8に中和し、スラリーの形態で酸化セリウム水和物を得た。次いで、スラリーをヌッチェ法による固−液分離に供して、濾過ケーキを得た。このケーキを、空気中300℃で10時間焼成して、酸化セリウム粉末を得た。
【0113】
このようにして得た47.4gの酸化セリウム粉末(CeO
2を単位として45.0g)をビーカーに入れ、これに、8.39gのテトラエチルオルトシリケート(SiO
2を単位として2.5g)および8.90gのチタンn−プロポキシド(TiO
2を単位として2.5g)を28.5mLの合計量で添加して、酸化セリウムに細孔充填により酸化ケイ素前駆体および酸化チタン前駆体の溶液を含浸させた。
【0114】
次いで、酸化ケイ素前駆体および酸化チタン前駆体を含浸させた酸化セリウムを、120℃で10時間乾燥させ、空気中700℃で10時間焼成して、5.0質量%の酸化ケイ素および5.0質量%の酸化チタンと一緒の酸化セリウムから主としてなる複合酸化物粉末を得た。
【0115】
このようにして得た複合酸化物粉末の特性を、実施例1におけるのと同様に評価し、結果を表1に示す。
【0116】
実施例6
この実施例は、質量比で80.0:5.0:10.0:5.0の酸化セリウム、酸化ケイ素、酸化チタンおよび酸化ランタンの複合酸化物に関する。
【0117】
5.0質量%の酸化ケイ素、10.0質量%の酸化チタンおよび5.0質量%の酸化ランタンと一緒の酸化セリウムから主としてなる複合酸化物粉末を、コロイダルシリカの量が14.8g(SiO
2を単位として3.0g)であり、コロイダルチタニアの量が18.2g(TiO
2を単位として5.9g)であり、および18.0gの硝酸ランタン溶液(La
2O
3を単位として3.0g)を添加したことを除いては、実施例1におけるのと同様に調製した。
【0118】
比較例1
この比較例は、実施例4における酸化ケイ素前駆体および酸化チタン前駆体の溶液による含浸前に、700℃で10時間の焼成により得た、酸化ケイ素および酸化チタンのない酸化セリウムに関する。
【0119】
このようにして得た酸化物粉末の特性を、実施例1におけるのと同様に評価し、結果を表1に示す。
【0120】
比較例2
この比較例は、質量比で98.0:2.0の酸化セリウムおよび酸化チタンの複合酸化物に関する。
【0121】
2.0質量%の酸化チタンと一緒の酸化セリウムから主としてなる複合酸化物粉末を、コロイダルチタニアの量が2.9g(TiO
2を単位として1.0g)であり、コロイダルシリカを添加しなかったことを除いて、実施例1におけるのと同様に調製した。
【0122】
このようにして得た複合酸化物粉末の特性を、実施例1におけるのと同様に評価し、結果を表1に示す。
【0123】
比較例3
この比較例は、質量比で95.0:5.0の酸化セリウムおよび酸化チタンの複合酸化物に関する。
【0124】
5.0質量%の酸化チタンと一緒の酸化セリウムから主としてなる複合酸化物粉末を、コロイダルシリカの量が7.6g(TiO
2を単位として2.5g)であり、およびコロイダルシリカを添加しなかったことを除いて、実施例1におけるのと同様に調製した。
【0125】
このようにして得た複合酸化物粉末の特性を、実施例1におけるのと同様に評価し、結果を表1に示す。
【0126】
比較例4
この比較例は、質量比で90.0:10.0の酸化セリウムおよび酸化チタンの複合酸化物に関する。
【0127】
10.0質量%の酸化チタンと一緒の酸化セリウムから主としてなる複合酸化物粉末を、コロイダルチタニアの量が16.0g(TiO
2を単位として5.3g)であり、およびコロイダルシリカを添加しなかったことを除いて、実施例1におけるのと同様に調製した。
【0128】
このように得た複合酸化物の特性を、実施例1におけるのと同様に評価し、結果を表1に示す。
【0129】
比較例5
この比較例は、質量比で95.0:5.0の酸化セリウムおよび酸化ケイ素の複合酸化物に関する。
【0130】
5.0質量%の酸化ケイ素と一緒の酸化セリウムから主としてなる複合酸化物粉末を、コロイダルチタニアを添加しなかったことを除いて、実施例1におけるのと同様に調製した。
【0131】
このようにして得た複合酸化物粉末の特性を、実施例1におけるのと同様に評価し、結果を表1に示す。
【0132】
【0133】
分析方法の説明
SBET:比表面積は、以下の方法でBET法により測定する。空気下800℃で2時間または900℃で5時間前もって焼成した200mgの試料によって、MOUNTECH Co.,LTD.Macsorb分析計を使用する。
【0134】
水性懸濁液中pH:3重量%の酸化物粉末を含む水溶液中のpHを以下の方法で測定する。酸化物粉末を200℃で1時間乾燥させる。乾燥酸化物粉末をデシケータ中で30分間保持する。3.0gのこのようにして得た酸化物粉末を、撹拌下で100mlの脱イオン水中に添加する。撹拌1分後、pHメータ(HORIBA D−51)をスラリー中に入れる。pHメータを3分置いた後、pH値を集めた。
【0135】
好ましい実施形態を示しかつ説明してきたが、それに対して様々な変更および置換が本発明の趣旨および範囲から逸脱することなくなされてもよい。したがって、システムおよび方法を、単に例示として説明してきたのであり、本明細書で開示してきたとおりのこのような例示および実施形態は、特許請求の範囲に対して限定的と解釈されるべきでない。