特許第6463355号(P6463355)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6463355
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】LED照明装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20190121BHJP
   F21K 9/00 20160101ALI20190121BHJP
   F21K 9/232 20160101ALI20190121BHJP
   F21Y 113/13 20160101ALN20190121BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20190121BHJP
【FI】
   H05B37/02 L
   H05B37/02 G
   F21K9/00 100
   F21K9/232 100
   F21Y113:13
   F21Y115:10
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-524570(P2016-524570)
(86)(22)【出願日】2014年8月22日
(65)【公表番号】特表2017-510020(P2017-510020A)
(43)【公表日】2017年4月6日
(86)【国際出願番号】CN2014085050
(87)【国際公開番号】WO2016026153
(87)【国際公開日】20160225
【審査請求日】2016年7月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】516114020
【氏名又は名称】タオライト カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー ファーフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジェツァオ
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ インイン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥラランド ベルトラン
(72)【発明者】
【氏名】クートゥイ ブルーノ
(72)【発明者】
【氏名】ルロワ ジャン−ウード
(72)【発明者】
【氏名】ウー リーボー
【審査官】 田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−58394(JP,A)
【文献】 特開2007−299590(JP,A)
【文献】 特開2014−123465(JP,A)
【文献】 特開2014−120396(JP,A)
【文献】 特開2013−84564(JP,A)
【文献】 特開2013−84557(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
F21K 9/00
F21K 9/232
F21Y 113/13
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周辺領域及び中心領域を有するLED実装プラットフォームと、
前記LED実装プラットフォームに実装されたLEDであって、およそ2500Kの相関色温度を表すように動作可能な複数のウォームホワイトLED及びおよそ6500Kの相関色温度を表すように動作可能な複数のクールホワイトLED、並びに、前記LED実装プラットフォームの前記中心領域にクラスター構成で実装された複数のRGB LEDからなり、前記複数のウォームホワイトLED及び前記複数のクールホワイトLEDは、前記LED実装プラットフォームの前記周辺領域の周りに交互に実装されて、実質的に環状形状を形成しているLEDと、
前記複数のウォームホワイトLED、前記複数のクールホワイトLED及び前記複数のRGB LEDから放出される光が、少なくとも180度のビーム角を有する同質の混合された光放射として通過可能に構成された拡散カバーと
前記複数のウォームホワイトLED、前記複数のクールホワイトLED及び/又は前記複数のRGB LEDから放出される光の少なくとも1つの発光特性、複数の照明モードをもたらすようにリモートコントローラーを介して入力される無線制御信号に応じて変更るように構成されたマイクロコントローラーとを備え、
前記LED実装プラットフォームは、熱伝導経路を提供するように構成された熱伝導性基板を備え、前記LED実装プラットフォームの前記周辺領域の周囲に実装された前記複数のウォームホワイトLED及び前記複数のクールホワイトLEDが発生した熱は、前記熱伝導経路を介して照明装置の外部の周囲空気に伝導し、
前記マイクロコントローラーは、前記複数の照明モードの中から少なくとも第1の照明モードをもたらすために、前記複数のクールホワイトLEDから放出される光に対する前記複数のウォームホワイトLEDから放出される光の比が、およそ1:1から3:1の範囲となるように、前記少なくとも1つの発行特性を変更するように構成されており、
前記マイクロコントローラーは、前記第1の照明モードに関連付けて設定された相対的な最大光束から、前記第1の照明モードに関連付けて設定された相対的な最小光束までの範囲で、前記複数のウォームホワイトLED及び前記複数のクールホワイトLEDによって生成された光束を徐々に低下させるように構成されている、照明装置。
【請求項2】
前記LED実装プラットフォームは、メタルコアプリント回路基板(MCPCB)又はセラミック基板等の熱伝導性基板を備える、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記照明装置から熱エネルギーを放散するように構成されたヒートシンクを含む、請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記ヒートシンクは、前記LED実装プラットフォームに熱的に結合されている、請求項に記載の照明装置。
【請求項5】
選択的に変更される前記少なくとも1つの発光特性は、
(a)前記複数のクールホワイトLED、前記複数のウォームホワイトLED及び/又は前記複数のRGB LEDから放出される光の色彩特性と、
(b)前記複数のクールホワイトLED、前記複数のウォームホワイトLED及び/又は前記複数のRGB LEDから放出される光の相関色温度特性と、
(c)前記複数のクールホワイトLED、前記複数のウォームホワイトLED及び/又は前記複数のRGB LEDから放出される光の輝度特性と、
(d)前記複数のクールホワイトLED、前記複数のウォームホワイトLED及び/又は前記複数のRGB LEDから放出される光の色彩特性、相関温度特性及び/又は輝度特性の比率と、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記マイクロコントローラーは、前記複数の照明モードの間で第1の照明モードから第2の照明モードに切り替えるために、前記複数のクールホワイトLED、前記複数のウォームホワイトLED及び/又は前記複数のRGB LEDの前記少なくとも1つの発光特性を徐々に変更するように構成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記マイクロコントローラーは、およそ0.1秒〜5.0秒の範囲の期間にわたり、前記複数のクールホワイトLED、前記複数のウォームホワイトLED及び/又は前記複数のRGB LEDの前記少なくとも1つの発光特性を徐々に変更するように構成されている、請求項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ムード照明及び機能照明の用途等で使用される小型の集積型発光ダイオード(LED)照明装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LED照明システムは、ムード照明効果及び機能照明効果を提供する用途を含む多くの照明用途で使用される。これに関して、LEDランプが、鮮明なムード照明効果及び機能照明効果を提供するために必要な、広い相関色温度のスペクトル、輝度及び他の発光特性を調整可能に演出することができることが望ましい。
【0003】
上記要件に相当するムード照明及び機能照明の性能特性を示すようにLEDランプを費用効率よく改善すると同時に、装置の設計に関して適切かつ有効な熱放散能力を有する小型サイズのモジュールを提供しようとする際に、問題がある。例えば、相関色温度スペクトルは、白色光LEDとの混色をもたらすのに利用可能なRGB LEDの容量を増大させようとすることによって拡張することができるが、これによって、設計コスト及び複雑性が加わる結果にもなり、追加の電力及び熱放散能力が必要となり、それは、小型サイズのモジュールの設計の制約の範囲内で適切に利用可能ではない可能性がある。逆に、Philips Hue装置等幾つかのLED技術は、小型サイズのLEDランプモジュールの形態で実施されるが、それは比較的限られた範囲のRGB LEDを利用するため、演出することができる結果としての相関色温度スペクトル、光束及びビーム角は、比較的不十分であるように知覚される。
【0004】
既存のLED照明システムはまた、スイッチオンスイッチオフ手法を利用する傾向があり、それにより、1つの照明モードから別の照明モードに切り替えるとき、輝度及び色設定を調整するために、異なるLED出力チャネルにおけるLED駆動電流が瞬時の段階的変化で変更される。しかしながら、色及び輝度特性の瞬時の変更をもたらすことは、知覚されて使用者に対して不快をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した問題のうちの少なくとも1つを軽減しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、幾つかの広範な形態を含むことができる。本発明の実施形態は、本明細書に記載する異なる広範な形態のうちの1つ又は任意の組合せを含むことができる。
【0007】
第1の広範な形態において、本発明は、周辺領域及び相対的内側領域を有するLED実装プラットフォームと、LED実装プラットフォームの周辺領域に隣接して実装された少なくとも1つのウォームホワイト(暖色系:白色電球色)LED及び少なくとも1つのクールホワイト(寒色系白色:昼光色)LED並びにLED実装プラットフォームの相対的内側領域に隣接して実装された少なくとも1つのRGB LEDと、少なくとも1つのウォームホワイトLED、少なくとも1つのクールホワイトLED、及び少なくとも1つのRGB LEDから放出される光が通過可能に構成された拡散カバーと、を備え、少なくとも1つのウォームホワイトLED、少なくとも1つのクールホワイトLED及び/又は少なくとも1つのRGB LEDから放出される光の少なくとも1つの発光特性は、複数の照明モードをもたらすように入力制御信号に応じて選択的に変更されるように構成されている、照明装置を提供する。
【0008】
好ましくは、少なくとも1つのクールホワイトLEDは、およそ4500K〜7000Kの範囲の相関色温度を表すように動作可能とすることができる。
【0009】
好ましくは、少なくとも1つのウォームホワイトLEDは、およそ2200K〜3500Kの範囲の相関色温度を表すように動作可能とすることができる。
【0010】
好ましくは、少なくとも1つのRGB LEDは、実質的にLED実装プラットフォームの中心領域に隣接して実装することができる。
【0011】
好ましくは、複数のクールホワイトLED及び複数のウォームホワイトLEDが、LED実装プラットフォームの周辺領域に隣接して実装することができ、複数のRGB LEDが、LED実装プラットフォームの相対的内側領域に隣接して実装することができる。
【0012】
好ましくは、複数のクールホワイトLED及び複数のウォームホワイトLEDは、LED実装プラットフォームの周辺領域に実質的に環状形状で実装することができる。
【0013】
好ましくは、複数のクールホワイトLED及び複数のウォームホワイトLEDは、環状形状において交互の位置に実装することができる。
【0014】
好ましくは、LED実装プラットフォームは、例えば、メタルコアプリント回路基板(MCPCB)又はセラミック基板を含む熱伝導性基板を備えることができる。
【0015】
好ましくは、本発明は、照明装置から熱エネルギーを放散するように構成されたヒートシンクを備えることができる。
【0016】
好ましくは、ヒートシンクは、LED実装プラットフォームに熱的に結合することができる。
【0017】
好ましくは、選択的に変更される少なくとも1つの発光特性は、(a)少なくとも1つのクールホワイトLED、少なくとも1つのウォームホワイトLED及び/又は少なくとも1つのRGB LEDから放出される光の色彩特性と、(b)少なくとも1つのクールホワイトLED、少なくとも1つのウォームホワイトLED及び/又は少なくとも1つのRGB LEDから放出される光の相関色温度特性と、(c)少なくとも1つのクールホワイトLED、少なくとも1つのウォームホワイトLED及び/又は少なくとも1つのRGB LEDから放出される光の輝度特性と、(d)少なくとも1つのクールホワイトLED、少なくとも1つのウォームホワイトLED及び/又は少なくとも1つのRGB LEDから放出される光の色彩特性、相関温度特性及び/又は輝度特性の比率と、のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0018】
好ましくは、本発明は、少なくとも1つのウォームホワイトLED、少なくとも1つのクールホワイトLED及び/又は少なくとも1つのRGB LEDから放出される光の少なくとも1つの発光特性を変更するために使用される入力制御信号を生成するように構成されたマイクロコントローラーを備えることができる。
【0019】
好ましくは、マイクロコントローラーは、複数の照明モードの間で第1の照明モードから第2の照明モードに切り替えるために、少なくとも1つのクールホワイトLED、少なくとも1つのウォームホワイトLED及び/又は少なくとも1つのRGB LEDの少なくとも1つの発光特性を徐々に変更するように構成することができる。
【0020】
好ましくは、マイクロコントローラーは、およそ0.1秒〜5.0秒の範囲の期間にわたり、少なくとも1つのクールホワイトLED、少なくとも1つのウォームホワイトLED及び/又は少なくとも1つのRGB LEDの少なくとも1つの発光特性を徐々に変更するように構成することができる。
【0021】
第2の広範な形態において、本発明は、(i)LED実装プラットフォームの周辺領域に隣接して少なくとも1つのウォームホワイトLED及び少なくとも1つのクールホワイトLEDを実装するステップと、(ii)LED実装プラットフォームの相対的内側領域に隣接して少なくとも1つのRGB LEDを実装するステップと、(iii)少なくとも1つのウォームホワイトLED、少なくとも1つのクールホワイトLED及び/又は少なくとも1つのRGB LEDから放出される光が通過するように構成された拡散カバーを準備するステップと、(iv)複数の照明モードをもたらすように、少なくとも1つのウォームホワイトLED、少なくとも1つのクールホワイトLED、及び/又は少なくとも1つのRGB LEDから放出される光の少なくとも1つの発光特性を制御可能に変更するステップと、を含む、照明方法を提供する。
【0022】
好ましくは、少なくとも1つのクールホワイトLEDは、およそ4500K〜7000Kの範囲の相関色温度を表すように動作可能とすることができる。
【0023】
好ましくは、少なくとも1つのウォームホワイトLEDは、およそ2200K〜3500Kの範囲の相関色温度を表すように動作可能とすることができる。
【0024】
好ましくは、少なくとも1つのRGB LEDは、実質的にLED実装プラットフォームの中心領域に隣接して実装することができる。
【0025】
好ましくは、複数のクールホワイトLED及び複数のウォームホワイトLEDが、LED実装プラットフォームの周辺領域に隣接して実装することができ、複数のRGB LEDが、LED実装プラットフォームの相対的内側領域に隣接して実装することができる。
【0026】
好ましくは、複数のクールホワイトLED及び複数のウォームホワイトLEDは、LED実装プラットフォームの周辺領域に実質的に環状形状で実装することができる。
【0027】
好ましくは、複数のクールホワイトLED及び複数のウォームホワイトLEDは、環状形状において交互の位置に実装することができる。
【0028】
好ましくは、LED実装プラットフォームは、例えば、メタルコアプリント回路基板(MCPCB)又はセラミック基板を含む熱伝導性基板を含むことができる。
【0029】
好ましくは、本発明は、ヒートシンクを介して照明装置から熱エネルギーを放散させるステップを含むことができる。
【0030】
好ましくは、ヒートシンクは、LED実装プラットフォームに熱的に結合することができる。
【0031】
好ましくは、少なくとも1つの発光特性を制御可能に変更するステップは、(a)少なくとも1つのクールホワイトLED、少なくとも1つのウォームホワイトLED及び/又は少なくとも1つのRGB LEDから放出される光の色彩特性を変更すること、(b)少なくとも1つのクールホワイトLED、少なくとも1つのウォームホワイトLED及び/又は少なくとも1つのRGB LEDから放出される光の相関色温度特性を変更すること、(c)少なくとも1つのクールホワイトLED、少なくとも1つのウォームホワイトLED及び/又は少なくとも1つのRGB LEDから放出される光の輝度特性を変更すること、及び(d)少なくとも1つのクールホワイトLED、少なくとも1つのウォームホワイトLED、及び/又は少なくとも1つのRGB LEDから放出される光の色彩特性、相関色温度特性、及び/又は輝度特性の比率を変更すること、のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0032】
好ましくは、マイクロコントローラーは、少なくとも1つのウォームホワイトLED、少なくとも1つのクールホワイトLED及び/又は少なくとも1つのRGB LEDから放出される光の少なくとも1つの発光特性を変更するために使用される入力制御信号を生成するように構成することができる。
【0033】
好ましくは、マイクロコントローラーは、複数の照明モードの間で第1の照明モードから第2の照明モードに切り替えるために、少なくとも1つのクールホワイトLED、少なくとも1つのウォームホワイトLED及び/又は少なくとも1つのRGB LEDの少なくとも1つの発光特性を徐々に変更するように構成することができる。
【0034】
好ましくは、マイクロコントローラーは、およそ0.1秒〜5.0秒の範囲の期間にわたり、少なくとも1つのクールホワイトLED、少なくとも1つのウォームホワイトLED及び/又は少なくとも1つのRGB LEDの少なくとも1つの発光特性を徐々に変更するように構成することができる。
【0035】
第3の広範な形態において、本発明は、第1の発光特性を出力する少なくとも第1の照明モードと、第2の発光特性を出力する第2の照明モードとの間で切替え可能に動作するように構成された少なくとも1つのLEDを備え、LEDは、その出力を第1の発光特性から第2の発光特性に徐々に変更することにより、第1の照明モードと第2の照明モードとの間で動作を切り替えるように構成されている、照明装置を提供する。
【0036】
好ましくは、本発明は、第1の発光特性を出力する少なくとも第1の照明モードと、第2の発光特性を出力する第2の照明モードとの間で切替え可能に動作するように構成されている、少なくとも1つのRGB LED、少なくとも1つのウォームホワイトLED及び少なくとも1つのクールホワイトLEDを備え、少なくとも1つのRGB LED、少なくとも1つのウォームホワイトLED及び少なくとも1つのクールホワイトLEDは、それらの出力を第1の発光特性から第2の発光特性に徐々に変更することにより、第1の照明モードと第2の照明モードとの間で動作を切り替えるように構成することができる。
【0037】
好ましくは、少なくとも1つのLEDは、およそ0.1秒〜5.0秒の範囲の期間にわたって、その出力を第1の発光特性から第2の発光特性に徐々に変更するように構成することができる。
【0038】
好ましくは、少なくとも1つの発光特性は、色彩特性又は輝度特性を含むことができる。
【0039】
第4の広範な形態において、本発明は、少なくとも1つのLEDを有し、この少なくとも1つのLEDが、第1の発光特性を出力する少なくとも第1の照明モードと、第2の発光特性を出力する第2の照明モードとの間で切替え可能に動作するように構成される照明装置を使用して動作可能な方法であって、少なくとも1つのLEDの出力を第1の照明特性から第2の照明特性に徐々に変更することにより、第1の照明モードと第2の照明モードとの間で少なくとも1つのLEDの動作を切替えるステップを含む、方法を提供する。
【0040】
本発明は、添付図面に関連して記載する、好ましいが限定しない本発明の実施形態の以下の詳細な説明から、より十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明の一実施形態による例示的な小型LEDランプモジュールを示す図である。
図2】複数のウォームホワイトLED、クールホワイトLED、及びRGB LEDが新規のレイアウトで実装されている、本発明の一実施形態のメタルコアプリント回路基板(MCPCB)の第1の面を示す図である。
図3】配線レイアウトが示されている、図2のMCPCBの反対の面を示す図である。
図4】本発明の実施形態のLED図である。
図5】本発明の一実施形態の例示的な入力整流回路、入力フィルター回路、フライバック一次回路及びフライバック二次及びフィードバック回路を示す図である。
図6a】本発明の一実施形態のLED出力ピンレイアウトを示す図である。
図6b】本発明の一実施形態のマイクロコントローラー集積回路を示す図である。
図6c】本発明の一実施形態の赤外線受信機回路を示す図である。
図7】本発明の一実施形態におけるウォームホワイトLED及びクールホワイトLEDに対する定電流ドライバーを示す図である。
図8a】本発明の一実施形態のRGB LEDに対するドライバー回路を示す。
図8b】本発明の一実施形態のRGB LEDに対するドライバー回路を示す。
図8c】本発明の一実施形態のRGB LEDに対するドライバー回路を示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
ここで、本発明の好ましい実施形態について、図1図8を参照して説明する。こうした実施形態は、図1に示すような小型LEDランプモジュール1の形態で実施される。
【0043】
本発明の一実施形態によれば、LEDランプモジュール1は、実質的に円形状のメタルコアプリント回路基板(MCPCB)2を含み、その上に、複数のウォームホワイトLED3、複数のクールホワイトLED4及び複数のRGB LED5が実装されている。好ましい実施形態によるLEDランプモジュール1は、図5に示すような回路によって適切に整流され、フィルタリングされ、調整される主AC電源によって電力が供給される。図5に示すような回路は、入力整流回路6a、フライバック一次回路6b、及び、フライバック二次及びフィードバック回路6cを含む。ウォームホワイトLED3及びクールホワイトLED4は、図7に示す例示的なドライバー回路7a,7bによって駆動され、RGB LED5は、図8に示すようなドライバー回路8a,8b,8cによって駆動される。LEDランプモジュール1はまた、例えばN79E814集積回路チップを使用することによって実装されるような、図6bに示すようなマイクロコントローラーモジュール9も含み、それは、ウォームホワイトLED3、クールホワイトLED4及びRGB LED5の様々なグループを制御してそれらの出力発光特性を制御する制御信号を出力するようにプログラムされている。LEDに対する出力ピンを示す例示的な回路を図6aに示し、装置の赤外線受信機回路を図6cに示す。
【0044】
複数のウォームホワイトLED3は各々、およそ2200K〜3500Kの間の範囲の相関色温度を表すように動作可能であり、複数のクールホワイトLED4は各々、およそ4500K〜7000Kの間の範囲の相関色温度を表すように動作可能である。好ましい実施形態では、例として、ウォームホワイトLED3は、実質的に約2500Kの色温度で動作可能であり、クールホワイトLED4は、実質的に約6500Kの色温度で動作可能である。
【0045】
拡散カバー10が、MCPCB2に実装された様々なLED3,4,5を封入するように構成され、LED3,4,5の様々なグループから放出される光の実質的に同質の混色を、光がMCPCB2から放射されて拡散カバー10を通過する際に提供するのに役立つ。好ましい実施形態では、拡散カバーは、ガラス又はプラスチック材料から作製された艶消しブリスターカバーの形態で提供される。新規のLEDレイアウト(後述する)によって提供することができるLED出力容量により、幾つかの実施形態では180度を超えるビーム角が、こうしたビーム角を容易にするように適切な形状及び寸法の拡散カバーを採用することによって、小型LEDランプから放射されるのが可能になるのが有利である。
【0046】
より具体的には、好ましい実施形態では、8個のウォームホワイトLED3及び8個のクールホワイトLED4が、MCPCB2の周辺領域2aに交互に実装されて、環状形状を形成している。ウォームホワイトLED3をクールホワイトLED4と交互にすることが、使用時にLEDランプモジュール1から放射されるウォームホワイト光及びクールホワイト光の放出を比較的均一に分散させるのに役立つ。幾つかの実施形態では、ウォームホワイトLED3は、第1の環状形状で配置することができ、クールホワイトLED4は、第2の別個の環状形状で配置することができ、両環状形状は、実質的にMCPCB2の周辺領域2aに配置される。本発明の実施形態では、6個のRGB LED5が、MCPCB2の中心領域2bにクラスター構成で実装されている。
【0047】
MCPCB2におけるウォームホワイトLED3、クールホワイトLED4及びRGB LED5の新規かつ進歩性のある構成は、既存の技術に比較して以下を含む幾つかの更なる顕著な利益を提供する。
(i)ウォームホワイトLED3及びクールホワイトLED4が、LEDランプ1の拡散カバー10の表面に比較的近接しているMCPCB2の周辺領域に、環状形状で実装されていることによる、改善されたLEDランプ1からの光の分散及びビーム角、
(ii)ウォームホワイトLED3及びクールホワイトLED4(主な熱源である)からMCB2構造を介する周囲空気への熱伝導経路が実質的に最小化されることにより、小型LEDランプモジュール1の熱放散が改善される。このように熱放散機能が向上することにより、演出することができる相関色温度スペクトルを広げるようにLED照明能力もまた向上する、
(iii)ヒトの眼が知覚する、拡散カバー10を通して直接見えるRGB発光を軽減するように、RGB LED3が、拡散カバー10の表面から比較的離れて配置されているMCPCB2の中心領域2bに配置されていることにより、LEDランプモジュール1から放出される光の混色の全体的な品質もまた改善される。
【0048】
LEDランプ1の熱放散は、本発明の実施形態において、MCPCB2に図1に示すようなフィン付きヒートシンク11の構造を熱的に結合することによって更に促進され、ヒートシンク11の構造は、熱を周囲空気に放散するためにLEDランプ1の全体的な表面積の露出を増大させる。
【0049】
LEDランプマイクロコントローラーモジュール9は、ウォームホワイトLED3、クールホワイトLED4及びRGB LED5の様々なグループに制御信号を出力してそれらの発光特性を制御するようにプログラムされている。そして、マイクロコントローラー9は、マイクロコントローラー9と赤外線通信するリモートコントローラーによって動作可能であり、それにより、ユーザーが、リモートコントローラーのユーザーインターフェースを作動させることによって、実施される特定の照明モードを選択することができる。代替的に、リモートコントローラーのユーザーインターフェースは、スマートフォンにおいてダウンロード可能なソフトウェアアプリケーションの形態で動作可能とすることができる。
【0050】
例示的な実施形態では、広範囲の異なる照明モードをもたらすために、マイクロコントローラー9によって生成される予めプログラムされた制御信号に応じて、色彩特性、相関色温度特性、輝度特性とともに、ウォームホワイトLED3、クールホワイトLED4、及びRGB LED5のチャネル出力の様々なグループから放出される光の比率を、選択的に変更し混合することができる。有利には、好ましい実施形態では、クールホワイトLED3及びウォームホワイトLED4からの放出光の既存の青色光成分及び黄色光成分に、RGB LED5のグループからの赤色光を追加する改善された能力により、色温度の比較的広域のスペクトルにわたって演色が改善される。さらに、白色光LED3,4の寒色系色温度及び暖色系色温度を混合するとき、常にカラーマップの正確な位置を達成することができるとは限らない。しかしながら、RGB LED5からの幾分かの赤色光をウォームホワイトLED3及びクールホワイトLED4からの発光と混合することにより、SDCMを、ヒトの眼が知覚可能な許容可能な色の許容差レベルを提供する6ステップ以下のSDCMの範囲内にあるように「微調整」することが可能になる。ウォームホワイトLED3及びクールホワイトLED4からの発光に対してそれらを許容可能なSDCMの範囲内に微調整するために追加される必要がある赤色光の割合は、マイクロコントローラー9に好都合に予めプログラムすることができ、それにより、ウォームホワイトLED3及びクールホワイトLED4の所与の色範囲が与えられると、混合効果を予測された範囲内で制御することができる。
【0051】
例として、ウォームホワイトLED3のグループ(各々が2700Kで動作可能)からの光とRGB LED5のグループからの赤色光とが混合されて、照明装置から2200Kの結果としての相関色温度が出力される照明モードをもたらすように、マイクロコントローラー9は、LED3,4,5の様々なグループに制御信号を出力するように構成されている。本発明の実施形態によってもたらすことができる他の照明モードとしては以下が挙げられる。
【0052】
(a)ウォームホワイトLED3からの白色光に対するRGB LED5からの赤色光の比が、およそ1:10から1:1の範囲であり、光束がおよそ2lmから7lmの範囲である、「ナイトライト(常夜灯)」照明モード。この特定の照明モードは、「静かな夜」の雰囲気を想起させるように知覚される。
【0053】
(b)クールホワイトLED4のグループからの白色光に対するウォームホワイトLED3のグループからの白色光の比が、およそ1:1から3:1の範囲であり、光束が、最大輝度に対しておよそ250lmから820lmの範囲である、「スリーピングライト(睡眠灯)」照明モード。輝度は低速で低下し、最後に照明が消える。この照明モードは、より快適な睡眠を提供するのに役立つように知覚される。
【0054】
(c)クールホワイトLED4からの白色光に対するウォームホワイトLED3からの白色光の比が、およそ1:1から3:1の範囲であり、光束がおよそ345lmから1055lmの範囲である、「ワーキングライト(作業灯)」照明モード。
【0055】
(d)RGB LED5のグループから放出される赤色光と緑色光とウォームホワイトLED3のグループから放出される白色光との比が、およそ(10〜16):(5〜15):(30〜80)の範囲であり、光束がおよそ130lmから450lmの範囲である、「リラクゼーションライト(くつろぎ灯)」照明モード。この照明モードは、快適かつリラックスさせる照明環境をもたらすのに役立つように知覚される。
【0056】
(e)クールホワイトLED4のグループから放出される白色光に対するウォームホワイトLED3のグループから放出される白色光の比が、およそ1:2から3:2の範囲であり、光束が、最大輝度に対しておよそ280lm〜880lmの範囲である、「サンライズウェークアップ(目覚まし)」照明モード。輝度は、20分以内に最大に達する。この照明モードは、起床するときに心地よい体験を提供するように知覚される。
【0057】
(f)RGB LED5のグループから放出される赤色光、緑色光及び青色光が、クールホワイトLED4のグループから放出される比較的低輝度の光と組み合わせて混合され徐々に変化する、「パステルムード」照明モード。この照明モードは、穏やかな色変化の環境を提供するように知覚される。
【0058】
(g)RGB LED5のグループから放出される赤色光、緑色光及び青色光が急に変化する、「パーティ」照明モード。この照明モードは、色付き照明が律動的にランダムに変化するため、パーティ環境の情熱及び陽気を提供するように知覚される。
【0059】
(h)ウォームホワイトLED3のグループから放出される白色光に対するRGB LED5のグループから放出される赤色光及び緑色光の比が、およそ(30〜33):(8〜14):(2〜4)から(36〜40):(21〜27):0の範囲である、「トロピカルサンセット(熱帯の日没)」モード。この照明モードは、日没から夜までの夕暮れの薄明を表す静かな環境をもたらすのに役立つことができることが知覚される。
【0060】
(i)ウォームホワイトLED3のグループから放出される白色光に対するRGB LED5のグループから放出される赤色光、緑色光、及び青色光の比が、およそ(10〜20):(80〜132):(0.1〜1):(30〜42)であり、光束がおよそ56lmから190lmの範囲である、「フォレストハイキング(森のハイキング)」照明モード。ウォームホワイトLED3のグループから放出される白色光が波状に変化して、くつろぎのための森の環境の知覚をもたらす。
【0061】
(j)RGB LED5のグループから放出される青色光に対する緑色光の比が、およそ(10〜13):(2〜3)から、RGB LED5のグループから放出される100%青色光までの範囲であり、光束がおよそ45lmから150lmまでの範囲である、「ラッピングウォーター(打ち寄せる水)」照明モード。色が波状に変化して、波打つ海洋の環境の知覚をもたらす。
【0062】
(k)ウォームホワイトLED3のグループから放出される白色光に対するRGB LED5のグループから放出される赤色光及び緑色光の比が、およそ(10〜20):(5〜10):(3〜10)から(10〜20):(3〜8):(3〜10)までの範囲であり、光束がおよそ60lmから220lmまでの範囲である、「ファイヤープレース(暖炉)」照明モード。波状に変化するウォームホワイト光の効果は、燃焼する炎の効果として知覚されるように意図されている。
【0063】
(l)RGB LED5のグループから放出される青色光に対する赤色光の比が、(40〜40):(20〜28)から(65〜70):(10〜12)までの範囲であり、光束がおよそ68lmからおよそ80lmまでの範囲である「ロマンス」照明モード。これは、ロマンチックな環境をもたらす。
【0064】
本発明の実施形態はまた、1つの安定した照明モードから別の安定した照明モードに切り替わるときに、各LEDの色彩特性及び輝度特性等の発光特性の徐々の変化をもたらすようにも構成される。これは、既存の照明装置によって提供される段階的に変化する遷移と比較してヒトの眼に快適な、1つの安定した照明モードから別の安定した照明モードへの平滑な遷移を提供するのに役立つ。
【0065】
例として、RGB LED5のクラスターからの赤色発光チャネル、緑色発光チャネル、及び青色発光チャネル、クールホワイトLED3からのウォームホワイト発光チャネル、並びにウォームホワイトLED4からのクールホワイト発光チャネルに関して、LED出力の5つのチャネルが提供される好ましい実施形態では、各LED出力チャネルの駆動電流は、関連する照明モードによって定義されるそれぞれのチャネルに対して必要な出力発光特性に達するために、連続して平滑に徐々に増減するように構成可能である。
【0066】
これらの実施形態では、LED出力チャネルの平滑な連続した変化は、0.1秒から5.0秒の間の期間にわたって1つの安定した照明モードから別の安定した照明モードまでもたらされる。これらの実施形態では、各出力LEDチャネルは、同じ期間にわたって同時に徐々に変更されるが、異なる期間にわたって同時にではなく連続して各チャネル出力を徐々に変更することができることも可能である。結果としての効果が、ヒトの眼が知覚可能な瞬時の変化を最小限にする、より平滑な連続した全体的により快適なユーザー体験が提供される限り、切替え時間曲線は、線形モード又は他の任意の連続モードで構成することもできる。
【0067】
照明特性を1つの安定した照明から別の安定した照明に増減させるようにLED出力チャネルの駆動電流を徐々に変更するために、任意の数の適切な技法を採用することができる。例えば、これは、発光デバイスに印加される入力AC供給電圧の導通角を適切に変更することによって達成することができる。
【0068】
照明モードの間の連続した平滑な徐々の変化は、比較的低輝度の照明モードから比較的強輝度の照明モードに瞬時に切り替える結果として通常典型的に発生する可能性があるグレア効果を軽減するとともに、LED出力チャネルを瞬時に調光するときの暗化効果を軽減するのに役立つ。この特徴はまた、混色及び輝度調光の用途の間に連続した平滑な遷移を提供するように、比較的容易に、5つより多いか又は少ないLED出力チャネルを採用する代替実施形態にも適用することができる。
【0069】
本発明の実施形態において有利に、小型の集積型発光ダイオード(LED)照明装置に関して、マイクロコントローラーは、第1の照明モードの照明特性から第2の照明モードの照明特性に平滑かつ連続して変化させるように、複数のLEDチャネルの複数の照明特性(例えば、色彩特性、輝度等)を複数の方向に(すなわち、増大又は低減するように)同時に自動的にかつ徐々に変更するようにプログラムすることができる。対照的に、小型の集積型発光ダイオード(LED)照明装置に関して、こうした機能は、単一の照明素子のみに関して、任意の所与の時点で単一方向のみで(すなわち、明るくするか又は暗くする)、単一の照明特性(例えば、強度/輝度)のみの手動による変化に制限される傾向がある、既存の照明システムの照明調光器によっては提供されない。
【0070】
本発明の代替実施形態では、MCPCBの代りに、他の熱伝導性LED実装プラットフォームを使用することができる。例えば、代りにセラミック基板を利用することができる。
【0071】
当業者は、本明細書に記載した発明が、本発明の範囲から逸脱することなく、具体的に記載したもの以外の変形及び変更が可能であることを理解するであろう。当業者に明らかとなるこうした全ての変形及び変更は、広範に上述したように本発明の趣旨及び範囲内にあるものとみなされるべきである。本発明は、全てのこうした変形及び変更を含むように理解されるべきである。本発明はまた、本明細書において個々に又はまとめて言及するか又は示したステップ及び特徴の全てと、上記ステップ又は特徴のうちの任意の2つ以上のありとあらゆる組合せとを含む。
【0072】
本明細書におけるいかなる従来技術に対する言及も、その従来技術が共通の一般知識の一部を形成するということを認めるものでもなく、又はいかなる形態でも示唆するものでもなく、かつそのように解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図6c
図7
図8