【文献】
Investigative Ophthalmology & Visual Science, 2012, Vol.53, p.1548-1556
【文献】
Database dbSNP [online], rs4698775, 2004, [検索日:2017.03.21],URL,http://www.ncbi.nlm.nih.gov/projects/SNP/snp_ref.cgi?rs=4698775
【文献】
Database dbSNP [online], rs429608, 2003, [検索日:2017.03.21],URL,http://www.ncbi.nlm.nih.gov/projects/SNP/snp_ref.cgi?rs=429608
【文献】
Database dbSNP [online], rs1329428, 2004, [検索日:2017.03.21],URL,http://www.ncbi.nlm.nih.gov/projects/SNP/snp_ref.cgi?rs=1329428
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
CFHアレルは一塩基多型(SNP)rs10737680にAを又は一塩基多型(SNP)rs1329428にGを含み、C2アレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、CFBアレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含む、請求項2に記載の方法。
少なくとも一の多型が、走査型プローブ及びナノポアDNAシークエンシング、ピロシークエンシング、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(DGGE)、テンポラル温度勾配電気泳動法(TTGE)、Zn(II)−サイクレンポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ホモジニアス蛍光PCRベース一塩基多型解析、リン酸塩親和性ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ハイスループットSNPジェノタイピングプラットフォーム、分子指標、5’ヌクレアーゼ反応、Taqmanアッセイ、MassArray(マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析と組み合わせた一塩基伸長法)、トリチルマスタグ、ジェノタイピングプラットフォーム(Invader Assay(登録商標)等)、一塩基プライマー伸長(SBE)アッセイ、PCR増幅(例えば、磁気ナノ粒子(MNP)でのPCR増幅、PCR産物の制限酵素解析(RFLP法)、アレル特異的PCR、マルチプルプライマー伸長法(MPEX)、及び等温smart増幅法からなる群から選択される技法により検出される、請求項1〜8の何れか一項に記載の方法。
少なくとも一の多型が、少なくとも一の多型を含む標的領域を増幅させ、少なくとも一の多型にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする少なくとも一の配列特異的オリゴヌクレオチドと共にハイブリダイズさせ、ハイブリダイゼーションを検出することにより、検出される、請求項1〜8の何れか一項に記載の方法。
患者におけるSNP rs4698775、SNP rs17440077、SNP rs1329428、又はSNP rs429608におけるG遺伝子型の一又は二のアレル、あるいはSNP rs10737680におけるA遺伝子型の一又は二のアレルの存在が、疾患の進行速度の増加を示す、請求項2〜12の何れか一項に記載の方法。
遺伝子型が、表9に従って各アレルに対して配列番号:17−41から選択されるオリゴヌクレオチドセットを使用してPCRによって検出され、かつCFIアレルに対してのSNP rs4698775のリスクアレルGが、CFHアレルに対するSNP rs1329428か又はC2/CFBアレルに対するSNP rs429608の何れかの少なくとも一のリスクアレルGと共に存在するとき、患者が増加した進行速度を有している可能性が高いと同定される、請求項1〜15の何れか一項に記載の方法。
オリゴヌクレオチドセットが、表9に従って、配列番号17、18、25、26、34及び35からなる群から選択される順方向プライマー;配列番号19、20、27、28、36及び37からなる群から選択される逆方向プライマー及び配列番号21−24、29−33、及び38−41からなる群から選択される標識プローブを含む、請求項16に記載の方法。
rs4698775(CFI)における遺伝子型が、配列番号:19又は20の逆方向プライマー及び配列番号:21−24から選択される標識プローブと組み合わせて配列番号:17又は18の順方向プライマーを使用して検出され;rs429608(C2)における遺伝子型が、配列番号:27又は28の逆方向プライマー及び配列番号:29−33から選択される標識プローブと組み合わされて配列番号:25又は26の順方向プライマーを使用して検出され;かつrs1329428(CFH)における遺伝子型が、配列番号:36又は37の逆方向プライマー及び配列番号:38−41から選択される標識プローブと組み合わされて配列番号:34又は35の順方向プライマーを使用して検出される、請求項17に記載の方法。
CFHアレルは一塩基多型(SNP)rs10737680にAを又は一塩基多型(SNP)rs1329428にGを含み、C2アレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、CFBアレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含む、請求項20に記載の方法。
少なくとも一の多型が、走査型プローブ及びナノポアDNAシークエンシング、ピロシークエンシング、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(DGGE)、テンポラル温度勾配電気泳動法(TTGE)、Zn(II)−サイクレンポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ホモジニアス蛍光PCRベース一塩基多型解析、リン酸塩親和性ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ハイスループットSNPジェノタイピングプラットフォーム、分子指標、5’ヌクレアーゼ反応、Taqmanアッセイ、MassArray(マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析と組み合わせた一塩基伸長法)、トリチルマスタグ、ジェノタイピングプラットフォーム(Invader Assay(登録商標)等)、一塩基プライマー伸長(SBE)アッセイ、PCR増幅(例えば、磁気ナノ粒子(MNP)でのPCR増幅、PCR産物の制限酵素解析(RFLP法)、アレル特異的PCR、マルチプルプライマー伸長法(MPEX)、及び等温smart増幅法からなる群から選択される技法により検出される、請求項19〜26の何れか一項に記載の方法。
少なくとも一の多型が、少なくとも一の多型を含む標的領域を増幅させ、少なくとも一の多型にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする少なくとも一の配列特異的オリゴヌクレオチドと共にハイブリダイズさせ、ハイブリダイゼーションを検出することにより、検出される、請求項19〜26の何れか一項に記載の方法。
患者におけるSNP rs4698775、SNP rs17440077、SNP rs1329428、又はSNP rs429608におけるG遺伝子型の一又は二のアレル、あるいはSNP rs10737680におけるA遺伝子型の一又は二のアレルの存在が、抗D因子抗体での治療に対する応答の可能性の増加を示す、請求項19〜30の何れか一項に記載の方法。
抗D因子抗体、又はその抗原結合断片が、HVRH1、HVRH2、HVRH3、HVRL1、HVRL2、HVRL3、及びHVRL3を含み、各HVRが配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5及び配列番号:6のアミノ酸配列を有する、請求項19〜33の何れか一項に記載の方法。
遺伝子型が、表9に従って各アレルに対して配列番号:17−41から選択されるオリゴヌクレオチドセットを使用してPCRによって検出され、かつCFIアレルに対してのSNP rs4698775のリスクアレルGが、CFHアレルに対するSNP rs1329428か又はC2/CFBアレルに対するSNP rs429608の何れかの少なくとも一のリスクアレルGと共に存在するとき、患者が抗D因子抗体、又はその抗原結合断片を含む治療法に応答する可能性が高いと同定される、請求項19〜37の何れか一項に記載の方法。
オリゴヌクレオチドセットが、表9に従って、配列番号17、18、25、26、34及び35からなる群から選択される順方向プライマー;配列番号19、20、27、28、36及び37からなる群から選択される逆方向プライマー及び配列番号21−24、29−33、及び38−41からなる群から選択される標識プローブを含む、請求項39に記載の方法。
rs4698775における遺伝子型が、配列番号:19又は20の逆方向プライマー及び配列番号:21−24から選択される標識プローブと組み合わせて配列番号:17又は18の順方向プライマーを使用して検出され;rs429608(C2)における遺伝子型が、配列番号:27又は28の逆方向プライマー及び配列番号:29−33から選択される標識プローブと組み合わされて配列番号:25又は26の順方向プライマーを使用して検出され;かつrs1329428(CFH)における遺伝子型が、配列番号:36又は37の逆方向プライマー及び配列番号:38−41から選択される標識プローブと組み合わされて配列番号:34又は35の順方向プライマーを使用して検出される、請求項40に記載の方法。
請求項1〜37及び39〜44の何れか一項に記載の方法において使用される、生体試料中の少なくとも一の加齢黄斑変性関連多型の存在を判定するためのキットにおいて、少なくとも一の加齢黄斑変性関連多型の存在について生体試料において少なくともCFIアレルの一塩基多型(SNP)rs4698775又はrs17440077の遺伝子型を検出するための試薬及び指示書を含む、キット。
キットが、加齢黄斑変性患者が抗D因子抗体、又はその抗原結合断片に応答する可能性があるかどうかを判定するためのパッケージ挿入物を更に含む、請求項45〜49の何れか一項に記載のキット。
キットが、SNP rs4698775、SNP rs17440077、SNP rs1329428、又はSNP rs429608におけるG遺伝子型の一又は二のアレルあるいはSNP rs10737680におけるA遺伝子型の二のアレルの存在を検出するために使用される、請求項45〜50の何れか一項に記載のキット。
試薬が、CFI、C2、CFB、又はCFHアレルにおける多型を検出するために特異的なオリゴヌクレオチドセットを含む、請求項45〜51の何れか一項に記載のキット。
前記オリゴヌクレオチドセットが、SNP rs4698775、SNP rs17440077、SNP rs1329428、又はSNP rs429608におけるG遺伝子型あるいはSNP rs10737680におけるA遺伝子型からなる群から選択される、多型をそれぞれCFI、C2、CFB、又はCFHに含むCFI、C2、CFB、又はCFH遺伝子の領域を増幅させるために適した順方向プライマー及び逆方向プライマーを含む、請求項52に記載のキット。
試薬が、(i)配列番号:19又は20の逆方向プライマー及び配列番号:21−24から選択される標識プローブと組み合わされた配列番号:17又は18の順方向プライマー;(ii)配列番号:27又は28の逆方向プライマー及び配列番号:29−33から選択される標識プローブと組み合わされた配列番号:25又は26の順方向プライマー;又は(iii)配列番号:36又は37の逆方向プライマー及び配列番号:38−41から選択される標識プローブと組み合わされた配列番号:34又は35の順方向プライマーを含む、請求項55に記載のキット。
加齢黄斑変性を診断するための診断薬の製造のための、少なくとも一の加齢黄斑変性関連多型に特異的に結合する薬剤であって、ここで、多型が、少なくともCFIアレルの一塩基多型(SNP)rs4698775又はrs17440077でのリスクアレルを含む、薬剤の使用。
CFIアレルは一塩基多型(SNP)rs4698775又はrs17440077にGを含み、CFHアレルは一塩基多型(SNP)rs10737680にAを又は一塩基多型(SNP)rs1329428にGを含み、C2アレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、CFBアレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含む、請求項58又は59に記載の使用。
少なくとも一の多型が、走査型プローブ及びナノポアDNAシークエンシング、ピロシークエンシング、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(DGGE)、テンポラル温度勾配電気泳動法(TTGE)、Zn(II)−サイクレンポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ホモジニアス蛍光PCRベース一塩基多型解析、リン酸塩親和性ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ハイスループットSNPジェノタイピングプラットフォーム、分子指標、5’ヌクレアーゼ反応、Taqmanアッセイ、MassArray(マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析と組み合わせた一塩基伸長法)、トリチルマスタグ、ジェノタイピングプラットフォーム(Invader Assay(登録商標)等)、一塩基プライマー伸長(SBE)アッセイ、PCR増幅(例えば、磁気ナノ粒子(MNP)でのPCR増幅、PCR産物の制限酵素解析(RFLP法)、アレル特異的PCR、マルチプルプライマー伸長法(MPEX)、及び等温smart増幅法からなる群から選択される技法により検出される、請求項58〜60の何れか一項に記載の使用。
少なくとも一の多型が、少なくとも一の多型を含む標的領域を増幅させ、少なくとも一の多型にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする少なくとも一の配列特異的オリゴヌクレオチドと共にハイブリダイズさせ、ハイブリダイゼーションを検出することにより、検出される、請求項58〜60の何れか一項に記載の使用。
個体におけるSNP rs4698775、SNP rs17440077、SNP rs1329428、又はSNP rs429608におけるG遺伝子型の一又は二のアレル、あるいはSNP rs10737680におけるA遺伝子型の一又は二のアレルの存在が、加齢黄斑変性進行のリスクの増加を示す、請求項58〜62の何れか一項に記載の使用。
少なくとも一の加齢黄斑変性関連多型に結合する薬剤のインビトロでの使用であって、ここで、多型が、抗D因子抗体、又はその抗原結合断片を含む治療法に応答する見込みがある加齢黄斑変性の患者を同定するための、少なくともCFIアレルの一塩基多型(SNP)rs4698775又はrs17440077でのリスクアレルを含み、ここで、前記多型の存在が、患者が該療法により応答する可能性があると特定する、使用。
CFIアレルは一塩基多型(SNP)rs4698775又はrs17440077にGを含み、CFHアレルは一塩基多型(SNP)rs10737680にAを又は一塩基多型(SNP)rs1329428にGを含み、C2アレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、かつCFBアレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含む、請求項66又は67に記載の使用。
少なくとも一の多型が、走査型プローブ及びナノポアDNAシークエンシング、ピロシークエンシング、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(DGGE)、テンポラル温度勾配電気泳動法(TTGE)、Zn(II)−サイクレンポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ホモジニアス蛍光PCRベース一塩基多型解析、リン酸塩親和性ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ハイスループットSNPジェノタイピングプラットフォーム、分子指標、5’ヌクレアーゼ反応、Taqmanアッセイ、MassArray(マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析と組み合わせた一塩基伸長法)、トリチルマスタグ、ジェノタイピングプラットフォーム(Invader Assay(登録商標)等)、一塩基プライマー伸長(SBE)アッセイ、PCR増幅(例えば、磁気ナノ粒子(MNP)でのPCR増幅、PCR産物の制限酵素解析(RFLP法)、アレル特異的PCR、マルチプルプライマー伸長法(MPEX)、及び等温smart増幅法からなる群から選択される技法により検出される、請求項66〜68の何れか一項に記載の使用。
少なくとも一の多型が、少なくとも一の多型を含む標的領域を増幅させ、少なくとも一の多型にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする少なくとも一の配列特異的オリゴヌクレオチドと共にハイブリダイズさせ、ハイブリダイゼーションを検出することにより、検出される、請求項66〜68の何れか一項に記載の使用。
個体におけるSNP rs4698775、SNP rs17440077、SNP rs1329428、又はSNP rs429608におけるG遺伝子型の一又は二のアレル、あるいはSNP rs10737680におけるA遺伝子型の一又は二のアレルの存在が、加齢黄斑変性進行のリスクの増加を示す、請求項66〜70の何れか一項に記載の使用。
【発明を実施するための形態】
【0054】
(詳細な説明)
別段の定めがある場合を除き、ここで使用される技術的及び科学的用語は、この発明が属する分野の通常の技術者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。Singleton等, Dictionary of Microbiology and Molecular Biology 2版, J. Wiley & Sons (New York, N.Y. 1994)、及びMarch, Advanced Organic Chemistry Reactions, Mechanisms and Structure 4版, John Wiley & Sons (New York, N.Y. 1992)は、当業者に本出願において使用されている多くの用語に対する一般的なガイドを提供する。
【0055】
I.序
本発明は、とりわけ、抗D因子抗体又はその抗原結合断片でAMD(例えばGA、ウェット(血管新生/滲出)、早期AMD又は中期(intermediate)AMD)患者を治療する方法、及びそのような治療から恩恵を受ける見込みのある患者を同定する方法(例えば、患者の層別化)、及びAMD進行のリスクについて患者を診断する方法を提供する。
【0056】
II.定義
この明細書を解釈する目的には、次の定義が適用され、適切な場合には、単数で使用される用語は複数をまた含み、その逆もある。以下に記載される何れかの定義が、出典明示によりここに援用される何れかの文献と矛盾している場合には、以下に記載の定義が優先する。
【0057】
この明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明らかに他の定義を示していない限り、複数形を含む。よって、例えば「a protein」又は「an antibody」との記載は複数のタンパク質又は抗体を含み;「a cell」との記載は細胞の混合物を含む等々である。
【0058】
「補体関連疾患」なる用語は、最も広い意味で使用され、過剰な又は制御されない補体活性化に関連する疾患を含む。それらは、心肺バイパス手術中の補体活性化;急性心筋梗塞、動脈瘤、脳卒中、出血性ショック、圧挫損傷、多臓器障害、循環血液量減少性ショック、腸虚血又は虚血を生じる他の事象後の虚血再かん流による補体活性化を含む。補体活性化はまた炎症性病態、例えば、重度の熱傷、内毒素血、敗血性ショック、成人呼吸促迫症候群、血液透析;アナフィラキシーショック、重症喘息、血管浮腫、クローン病、鎌状赤血球貧血、連鎖球菌感染後糸球体腎炎及び膵炎に伴っていることが示されている。該疾患は薬の副作用、薬物アレルギー、IL−2誘発血管漏出症候群又はX線撮影造影剤アレルギーの結果でありうる。該疾患は、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症、関節リウマチ、アルツハイマー病及び多発性硬化症のような自己免疫疾患をまた含む。補体活性化はまた移植による拒絶反応に伴う。補体活性化はまた眼疾患、例えば加齢黄斑変性症、糖尿病性網膜症及び他の虚血関連網膜症、脈絡膜血管新生(CNV)、地図状萎縮(GA)、ブドウ膜炎、糖尿病性黄斑浮腫、病的近視、フォン・ヒッペル・リンドウ病、眼のヒストプラスマ症、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、角膜血管新生、及び網膜血管新生にも伴う。
【0059】
「補体関連眼疾患」なる用語は最も広い意味で使用され、古典的及び代替経路、特に補体の代替経路を含む病態が補体に関連する全ての眼の病態を含む。補体関連眼疾患には、限定するものではないが、黄斑変性疾患、例えばドライ及びウェット(非滲出性及び滲出性)型を含む加齢黄斑変性症(AMD)の全ての段階、脈絡膜血管新生(CNV)、地図状萎縮(GA)、ブドウ膜炎、糖尿病及び他の虚血関連網膜症、及び他の眼内血管新生疾患、例えば糖尿病性黄斑浮腫、病的近視、フォン・ヒッペル・リンドウ病、眼のヒストプラスマ症、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、角膜血管新生、及び網膜血管新生が含まれる。一例では、補体関連眼疾患は、非滲出(ドライ又は萎縮)及び滲出(ウェット)AMDを含む加齢黄斑変性(AMD)、脈絡膜血管新生(CNV)、糖尿病性網膜症(DR)、地図状萎縮(GA)及び眼内炎を含む。
【0060】
ここで使用される「AMD」ともここで称される「加齢黄斑変性」は、中心視野に関与している網膜部分である斑の細胞の変性によって引き起こされる眼の疾患である。AMDは、(1)最終的には視細胞を損傷する液又は血液の漏洩を生じる網膜の下の血管の異常増殖によって特徴付けられるウェット(滲出)又は(2)網膜と脈絡膜との間のドルーゼンと呼ばれる細胞残屑の蓄積によって特徴付けられるドライ(非滲出)の何れかでありうる。
【0061】
ここで使用される「GA」ともここで称される「地図状萎縮」は、視細胞の喪失を伴う網膜色素上皮(RPE)の変性に関与する疾患である。GAはドライAMDの進行期形態である。
【0062】
ここで使用される「GA面積」は、網膜解剖(例えば視細胞及び網膜色素上皮(RPE))の喪失を表す分散面積を意味する。GA面積は、眼底自発蛍光(FAF)及びデジタルカラー眼底写真(CFP)のような標準的な画像技術によって測定される。
【0063】
ここで使用される「早期AMD」は、複数の小さな(<63μm)又は≧1の中程度のドルーゼン(≧63μmで<125μm)により特徴付けられる疾患である。
【0064】
ここで使用される「中間期AMD」は、しばしば網膜色素上皮の色素沈着過剰又は色素沈着低下を伴う多くの中程度又は≧1の大きなドルーゼン(≧125μm)によって特徴付けられる疾患である。
【0065】
ここで使用される「進行期AMD」は、地図状萎縮(GA)又は血管新生(ウェット)AMDによって特徴付けられる疾患である。
【0066】
ここで使用される「予後バイオマーカー」は、未処置の個体における疾患の可能性のある過程を示すマーカーである。
【0067】
ここで使用される「予測バイオマーカー」は、与えられた治療に最も応答しそうな患者の亜集団を特定する。
【0068】
「親和性」とは、分子(例えば、抗体)の単一結合部位とその結合パートナー(例えば、抗原)との間の非共有結合相互作用の総和の強度を指す。ここで使用される場合、特に断らない限り、「結合親和性」は、結合対のメンバー(例えば、抗体及び抗原結合アーム)間の1:1の相互作用を反映している本質的な結合親和性を指す。そのパートナーYに対する分子Xの親和性は、一般的に解離定数(Kd)で表すことができる。親和性は、ここに記載されたものを含む、当該技術分野で知られている一般的な方法によって測定することができる。結合親和性を測定するための特定の例証的かつ例示的実施態様は、以下で説明される。
【0069】
「親和性成熟」抗体とは、そのような改変を有していない親抗体と比較し、抗原に対する抗体の親和性に改良を生じせしめる、一又は複数の高頻度可変領域(HVR)における一又は複数の変化を伴う抗体を意味する。
【0070】
「抗標的抗体」及び「標的に結合する抗体」なる用語は、抗体が、標的(例えばD因子)を標的とする際に診断及び/又は治療薬剤として有用であるように、十分な親和性で標的(例えばD因子)に結合することができる抗体を指す。一実施態様では、抗標的抗体の無関係な、非標的タンパク質への結合の程度は、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)又はビアコアアッセイによって測定した場合、抗体の標的への結合の約10%未満である。ある実施態様では、標的へ結合する抗体は、解離定数(Kd)が、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、又は≦0.001nM(例えば、10−8M以下、例えば、10−8Mから10−13M、例えば、10−9Mから10−13M)である。ある実施態様では、抗標的抗体は、異なる種の間で保存されている標的のエピトープに結合する。
【0071】
ここでの「抗体」なる用語は、最も広義に使用され、特にモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも二つのインタクト抗体から形成される多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及びそれらが所望の生物活性を示す限り、抗体断片を包含する。
【0072】
「抗体断片」は、好ましくはその抗原結合領域を含む、インタクトな抗体の一部分を含む。抗体断片の例は、Fab、Fab’、F(ab’)
2、及びFv断片;ダイアボディ;直鎖状抗体、単鎖抗体分子;及び抗体断片から形成される多重特異性抗体を含む。
【0073】
参照抗体と「同じエピトープに結合する抗体」とは、競合アッセイにおいて50%以上、参照抗体のその抗原への結合をブロックする抗体を指し、逆に参照抗体は競合アッセイにおいて50%以上、抗体のその抗原への結合をブロックする。一態様では、本発明の抗体は、例えばELISA、ウェスタンブロット法等のような既知の方法によって、その抗原結合活性について試験される。幾つかの実施態様では、競合アッセイが、D因子への結合について参照抗体と競合する抗体を同定するために使用されうる。ある実施態様では、そのような競合抗体は、ここで特定された参照抗D因子抗体が結合するものと同じエピトープ(例えば直線状又は立体構造エピトープ)に結合する。抗体が結合するエピトープのマッピングの詳細な例示的方法は、Morris (1996A) “Epitope Mapping Protocols,” in Methods in Molecular Biology vol. 66 (Humana Press, Totowa, NJ)に提供されている。例示的な競合アッセイにおいて、固定化D因子を、D因子に結合する第一の標識抗体(例えばラムパリズマブ)とD因子への結合について第一の抗体と競合するその能力が試験されている第二の未標識抗体とを含有する溶液中でインキュベートする。第二の抗体はハイブリドーマ上清中に存在しうる。対照として、固定化D因子を、第一の標識抗体(例えばラムパリズマブ)を含むが第二の未標識抗体を含まない溶液中でインキュベートさせる。D因子への第一の抗体の結合を許容する条件下でのインキュベーション後、過剰な未結合抗体が取り除かれ、固定化D因子に関連する標識の量が測定される。固定化D因子に関連する標識の量が、対照試料に対して試験試料において実質的に減少していれば、それは、第二の抗体がD因子への結合について第一の抗体(例えばラムパリズマブ)と競合していることを示す。Harlow及びLane (1988) Antibodies: A Laboratory Manual 14章(Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY)を参照のこと。
【0074】
ここでの目的のための「アクセプターヒトフレームワーク」は、以下に定義されるような、ヒト免疫グロブリンフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワークから由来する軽鎖可変ドメイン(VL)フレームワーク又は重鎖可変ドメイン(VH)フレームワークのアミノ酸配列を含むフレームワークである。ヒト免疫グロブリンフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワーク「から由来する」アクセプターヒトフレームワークは、その同じアミノ酸配列を含みうるか、又はアミノ酸配列変化を含んでいてもよい。幾つかの実施態様では、アミノ酸変化の数は、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、4以下、3以下、又は2以下である。幾つかの実施態様では、VLアクセプターヒトフレームワークは、VLヒト免疫グロブリンフレームワーク配列又はヒトコンセンサスフレームワーク配列と配列が同一である。
【0075】
ここでの目的に対して、「インタクトな抗体」は、重鎖及び軽鎖可変ドメイン並びにFc領域を含むものである。
【0076】
ここで使用される場合、「抗ヒトD因子抗体」は、補体活性化を阻害するか又は実質的に減少させるようにヒトD因子に特異的に結合する抗体を意味する。
【0077】
ここで使用される場合、「D因子」なる用語は、ここでは、天然配列及び変異体D因子ポリペプチドを意味するものとして使用される。
【0078】
「天然配列」D因子は、その調製態様にかかわらず、天然由来のD因子ポリペプチドと同じアミノ酸配列を有するポリペプチドである。よって、天然配列D因子は、自然から単離することもできるし、あるいは組換え及び/又は合成手段により生産することもできる。成熟ヒトD因子タンパク質(NM_001928)のような成熟D因子タンパク質に加えて、「天然配列D因子」なる用語は、D因子の天然に生じる前躯体形態(例えば、タンパク分解的に切断されて活性型を生じる不活性型プレタンパク質)、天然に生じる変異体形態(例えば、選択的スプライシング型)及びD因子の天然に生じるアレル変異体、並びに天然由来のD因子ポリペプチドと同じアミノ酸配列を有するD因子分子の立体構造変異体を特に包含する。高等霊長類及び非ヒト哺乳類を含む非ヒト動物のD因子ポリペプチドはこの定義に特に含まれる。
【0079】
「D因子変異体」は、例えば天然配列ヒトD因子ポリペプチド(NM_001928)のような天然配列D因子ポリペプチドと少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を有する以下に定義される活性なD因子ポリペプチドを意味する。通常は、D因子変異体は、成熟ヒトアミノ酸配列(NM_001928)と、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約98%のアミノ酸配列同一性、又は少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有するであろう。
【0080】
ここで使用される「D因子阻害剤」なる用語は、野生型又は変異D因子の生物学的機能を阻害する能力を有する分子を意味する。従って、「阻害剤」なる用語は、D因子の生物学的役割の文脈で定義される。一実施態様では、ここで言及されるD因子阻害剤は補体の代替経路を特に阻害する。D因子阻害剤は、D因子の活性を阻害することができる限り、任意の形態でありうる;阻害剤は抗体(例えば、ここで以下に定義され、米国特許第8067002号及び第8273352号に記載されたようなモノクローナル抗体)、小有機/無機分子、アンチセンスオリゴヌクレオチド、アプタマー、阻害性ペプチド/ポリペプチド、阻害性RNA(例えば小干渉RNA)、それらの組合せ等を含む。本発明のD因子アンタゴニスト又は阻害剤の文脈における「活性な」又は「活性」又は「生物学的活性」は、D因子の生物学的活性をアンタゴナイズする(部分的に又は完全に阻害する)能力である。D因子アンタゴニストの生物学的活性の一例は、D因子関連疾患又は病態、例えば補体関連眼疾患の状態、例えば症状の測定可能な改善を達成する能力である。活性は、関連した動物モデルを使用して、結合アッセイ、代替経路溶血アッセイを含むインビトロ又はインビボ試験において、あるいはヒト臨床試験において決定することができる。
【0081】
ここで使用される「バイオマーカー」なる用語は、哺乳動物組織もしくは細胞中又はその上での発現を標準的な方法(又はここに開示された方法)によって検出することができ、例えば補体の代替経路のような、補体の阻害に基づく治療レジメンに対する哺乳動物細胞又は組織の感受性を予測し、診断し及び/又は予後診断をする、一塩基多型(SNP)、タンパク質、糖鎖構造、又は糖脂質を含む分子を一般に指す。場合によっては、SNPバイオマーカーは、SNP(バイナリー体)が個体の群をレスポンダー及びノンレスポンダーに層化するとき決定される。例えば、AがリスクアレルであるGとAの2つのヌクレオチドを持つSNPが与えられる場合、Aアレルの保有者(例えばAA又はGAの個体)は治療に応答する一方、Aアレルを持たない個体(例えばGGの個体)は応答しない。
【0082】
ここで使用される「SNP」とも称される「一塩基多型」なる用語は、遺伝的変動に至るDNA配列内の一塩基置換を意味する。一つを越える配列が集団において可能であるゲノム中のヌクレオチド位置はここでは「多型部位」又は「多型」と称される。多型部位は、例えば、2以上のヌクレオチドのヌクレオチド配列、挿入されたヌクレオチド又はヌクレオチド配列、欠失されたヌクレオチド又はヌクレオチド配列、又はマイクロサテライトでありうる。2以上のヌクレオチド長である多型部位は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15以上、20以上、30以上、50以上、75以上、100以上、500以上、又は約1000のヌクレオチド長であり得、ここで、ヌクレオチド配列の全て又は幾つかは領域内で異なる。一塩基長である多型部位はここではSNPと称される。多型部位に2、3又は4の別のヌクレオチド配列がある場合、各ヌクレオチド配列は「多型変異体」又は「核酸変異体」と称される。DNA配列中のそれぞれの可能な変異体は「アレル」と称される。二つの多型変異体が存在する場合、集団由来の試料の大半において占められる多型変異体は「一般的(prevalent)アレル」又は「主要アレル」と称され、集団において一般的ではない多型変異体は「希なアレル」又は「マイナーアレル」と称される。2つの一般的アレル又は2つの希なアレルを保有する個体は、多型に関して「ホモ接合性」である。一つの一般的アレルと一つの希なアレルを保有する個体は、多型に関して「ヘテロ接合性」である。C/G又はA/T SNPでは、アレルは曖昧であり、ジェノタイピングプラットフォームからデータを抽出するために使用されるストランドに依存する。これらC/G又はA/T SNPでは、C又はGヌクレオチドあるいはA又はTヌクレオチドはそれぞれリスクアレルであり得、アレル頻度の相関によって決定される。疾患に対するリスク増加と相関するか又は>1のオッズ比又は相対リスクで関係しているアレルは、「リスクアレル」又は「効果アレル」と称される。「リスクアレル」又は「効果アレル」はマイナーアレル又は主要アレルでありうる。例えば、加齢黄斑変性疾患の個体の集団において、リスクアレルは、SNP rs4698775、rs17440077及びrs2230199に対してマイナーアレルであり、リスクアレルは、SNP rs10737680、rs1329428及びrs429608に対して主要アレルである(例えばアレルの主要及びマイナーアレル状態は加齢黄斑変性疾患の個体集団において決定される)。「リスク座」なる用語は、特定の疾患(例えばAMD)に関連したリスクアレルを内部に持っているゲノムの領域である。幾つかの態様では、リスク座とリスクアレルは、特定の疾患(例えばAMD)に関係している特定の遺伝子(例えば補体経路中の遺伝子)との関連で表される。例えば、ここでは互換的に使用される「CFHリスクアレル」又は「CFHアレル」は、CFHリスク座に関連したリスクアレルを意味し;ここでは互換的に使用される「CFIリスクアレル」又は「CFIアレル」は、CFIリスク座に関連したリスクアレルを意味し、ここでは互換的に使用される「C3リスクアレル」又は「C3アレル」は、C3リスク座に関連したリスクアレルを意味し;ここでは互換的に使用される「C2リスクアレル」又は「C2アレル」は、C2リスク座に関連したリスクアレルを意味し;ここでは互換的に使用される「CFBリスクアレル」又は「CFBアレル」は、CFBリスク座に関連したリスクアレルを意味し;ここでは互換的に使用される「C2/CFBリスクアレル」又は「C2/CFBアレル」は、C2/CFBリスク座に関連したリスクアレルを意味する。ここで使用される「等価アレル」又は「サロゲートアレル」は、刊行物発表されたリスクアレルと同様に挙動することが期待され、刊行物発表されたリスクアレル及び/又はここで定義される選択されたSNPと共にアレル頻度及び高r
2(≧0.6)及び/又は高D’(≧0.6)に基づいて選択されるアレルを意味する。一実施態様では、高r
2は≧0.6、0.7、0.8、0.9又は1.0である。一実施態様では、高D’は≧0.6、0.7、0.8、0.9又は1.0である。加齢黄斑変性に関連したSNPには、限定されないが、CFH、CFI、C3、C2、CFBリスク座を含む、補体カスケードの成分に対する遺伝子座におけるSNPが含まれる(Fritsche等 (Nature Genetics, 45(4): 435-441 (2013))。加齢黄斑変性に関連したそのようなSNPはここでは「AMD関連多型」と称される。「変性疾患関連多型」は、変性疾患に関連した多型又はSNPを意味し、加齢黄斑変性関連多型及び/又はSNPを含む。ここで使用される場合、「連鎖不平衡」又は「LD」は、ランダムには関連がない、つまりその頻度に比例して関連がない異なった遺伝子座におけるアレルを意味する。アレルが正の連鎖不平衡にあるならば、アレルは、統計的独立を仮定すると、予想されるよりも高頻度で一緒に発生する。逆に、アレルが負の連鎖不平衡にあるならば、アレルは、統計的独立を仮定すると、予想よりも低頻度で一緒に発生する。ここで使用される場合、「オッズ比」又は「OR」は、マーカー(アレル又は多型)を持たない個体における疾患のオッズに対する、マーカー(アレル又は多型)を持つ個体に対する疾患のオッズの比を意味する。ここで使用される場合、「ハプロタイプ」は、通常はユニットとして受け継がれるのに十分に関連した単染色体上のアレルの群を意味する。SNP rs4698775及びrs17440077はCFIリスク座に位置し、rs10737680及びrs1329428はCFHリスク座に位置し、rs429608はC2/CFBリスク座に位置し、rs2230199はC3リスク座に位置する(Genome Reference Consortium GRCh37; UCSC Genome H19 Assembly; February 2009)。SNP rs4698775はヒト4番染色体上の位置110590479に位置する(ゲノム・リファレンス・コンソーシアムGRCh37;UCSCゲノムHG19アセンブリ;2009年2月)。Gアレルはヌクレオチド配列をTからGに変化させる。SNP rs17440077はヒト4番染色体上の位置110537567に位置する(ゲノム・リファレンス・コンソーシアムGRCh37;UCSCゲノムHG19アセンブリ;2009年2月)。Gアレルはヌクレオチド配列をAからGに変化させる。SNP rs10737680はヒト1番染色体上の位置196679455に位置する(ゲノム・リファレンス・コンソーシアムGRCh37;UCSCゲノムHG19アセンブリ;2009年2月)。Aアレルはヌクレオチド配列をCからAに変化させる。SNP rs1329428はヒト1番染色体上の位置196702810に位置している(ゲノム・リファレンス・コンソーシアムGRCh37;UCSCゲノムHG19アセンブリ;2009年2月)。Gアレルはヌクレオチド配列をAからGに変化させる。SNP rs429608はヒト6番染色体上の位置31930462に位置する(ゲノム・リファレンス・コンソーシアムGRCh37;UCSCゲノムHG19アセンブリ;2009年2月)。Gアレルはヌクレオチド配列をAからGに変化させる。SNP rs2230199はヒト19番染色体上の位置6718387に位置している(ゲノム・リファレンス・コンソーシアムGRCh37;UCSCゲノムHG19アセンブリ;2009年2月)。Gアレルはヌクレオチド配列をCからGに、コード化アミノ酸をアルギニンからグリシンに変化させる。多型変異体は二本鎖核酸の何れか又は双方のストランド上に検出されうる。また、多型変異体は、遺伝子のイントロン又はエクソン内、又はプロモーター、5’非翻訳領域(UTR)、3’UTRのような調節領域の一部内、及びDNA(例えばゲノムDNA(gDNA)及び相補DNA(cDNA))、RNA(例えばmRNA、tRNA、及びRRNA)、又はポリペプチド内に位置しうる。多型多様性は、遺伝子発現、ポリペプチド構造又はポリペプチド機能に検出可能な差を生じさせる場合があり、又は生じさせない場合がある。
【0083】
ここで使用される場合、「選択されたSNP」なる用語は、rs4698775、rs17440077、rs10737680、rs1329428、rs429608、rs2230199からなる群から選択されるSNPを意味する。
【0084】
ここで使用される場合、「代替SNP」なる用語は、選択されたリスクアレルと同様に挙動することが期待され、同様のアレル頻度に基づいて選択され、選択されたSNPとr
2≧0.6及び/又はD’≧0.6によって測定される連鎖不平衡を有するSNPを意味する。代替SNPは、SNP rs1329428、SNP rs2230199、SNP rs17440077又はSNP rs429608を含むここに記載のSNPと連鎖不平衡(≧0.6のD’又はr
2)にある表4−7に列挙されたSNPを含む。代替SNPは、SNP rs2230199又はSNP rs4698775を含むここに記載のSNPと連鎖不平衡(≧0.6のD’又はr
2)にあるSNPを含む。表4−7で使用される用語は次の通りに定義される:(i)MAHALO_SNPは実施例1−4に記載された本抗D因子試験において使用されるSNPを意味する;(ii)LD_SNPは、MAHALO_SNPのLD中のSNP(rsID命名はNCBI dbSNPビルド137(2012年6月6日)から来るか又はゲノムビルドhg18(UCSC HG18ゲノムアセンブリ;2006年3月)からの染色体及び塩基対位置(最初の番号=染色体番号、ハイフン後の第二の番号=塩基対位置)を含む内部命名法による命名(例えばX−XXXXX))を意味する;(iii)CHRはLD_SNP(ゲノムビルドhg19;UCSC HG19ゲノムアセンブリ;2009年2月)の染色体位置を意味する;(iv)BPはLD_SNPのDNA塩基対の位置を意味する(ゲノムビルドhg19;UCSC HG19ゲノムアセンブリ;2009年2月)。R2はMAHALO_SNP及びLD_SNPのr二乗値を意味する;(v)D’はMAHALO_SNP及びLD_SNPのD’値を意味する;(vi)祖先又は「ANC」は、r2及びD’値を決定するために使用される集団の祖先を意味する;(vii)ソース又は「SRC」は、ヒトゲノム中の一般的なバリエーションを列挙するデータベースを意味する(内部データ又は「GID」は非公的データベースを意味し、1000GP又は「GP」は1000ゲノムプロジェクト公的データベース(1000 Genomes Project Consortium等, Nature, 467(7319): 1061-73 (2010))を意味し、Hapmap又は「HM」はHapMap公的データベース(International HapMap Consortium, Nature, 437(7063): 1299-320 (2005)を意味する)。集団の記述は、白人(CAU);米国南西のアフリカ系(ASW(A));CEPHコレクションからの北及び西ヨーロッパ系を含むユタ州居住者(CEU(C));中国北京の漢民族(CHB(H));コロラド州メトロポリタンデンバーの中国人(CHD(D));テキサス州ヒューストンのグジャラートインディアン(GIH(G));日本東京の日本人(JPT(J));ケニヤWebuyeのルイヤ族(LWK(L));カリフォルニア州ロサンゼルスのメキシコ系(MEX(M));ケニヤKinyawaのマサイ族(MKK(K));イタリアのトスカナ人(TSI(T));ナイジェリアのイバダンのYoruban人(YRI(Y))を含む。表4は、MAHALO_SNP rs17440077と連鎖不平衡(LD)にあるLD_SNPを示す。表5は、MAHALO_SNP rs2230199と連鎖不平衡(LD)にあるLD_SNPを示す。表6は、MAHALO_SNP rs429608と連鎖不平衡(LD)にあるLD_SNPを示す。表7は、MAHALO_SNP rs1329428と連鎖不平衡(LD)にあるLD_SNPを示す。
【0085】
本発明は、治療に対する応答を予測するための予測バイオマーカーとして及びAMDの進行を評価するための予後バイオマーカーとしてSNP又は他の遺伝ベース機構を使用する方法、治療方略を選択するためにSNP又は他の遺伝ベース機構を使用する方法、及び限定しないが臨床試験のための患者を選択すること又は臨床的治療決定をすることを含む患者の層化に対してSNP又は他の遺伝ベース機構を使用する方法を提供する。ここで使用されるとき、「患者の層化」は、治療に対する応答の可能性を決定するための個体のジェノタイピングを意味する。ジェノタイピングは個体がSNPを保有しているかどうかを特定するために実施される。特定のSNP遺伝子型の測定には多くの方法が存在する。一又は複数のSNPに変異を保有する個体は、限定されないが、SNPアレイ、Taqman、蛍光偏光法、Sequenom(又はここに記載のSNPの解析のための他の方法)を含む様々な技術によってDNAレベルで検出されうる。診断のための核酸は、患者の細胞、例えば、血液、尿、唾液、組織生検及び部検材料から得ることができる。
【0086】
ここで使用される「リスク増加」は、ゲノムの特定の位置における特定の塩基の個体のゲノム中における存在が、ゲノムのその位置にその塩基を持たない集団に相対して、AMDのより進行した形態を発症するその個体の蓋然性の増加と相関するとき、その個体はAMDのより進行した形態を発症する「リスク増加」状態にある、つまり増加した易罹患性を有すると言われることを意味する。本例の場合、そのような蓋然性の増加は、塩基が個体のアレルの一方又は他方又は両方に存在するとき、存在する。更に、蓋然性は、塩基が個体のアレルの一方よりむしろ個体の両方のアレルに存在するとき、増加する。
【0087】
ここで使用される「リスク減少」は、ゲノムの特定の位置における特定の塩基の個体のゲノム中における存在が、ゲノムのその位置にその塩基を持たない集団に相対して、AMDのより進行した形態を発症するその個体の蓋然性の減少と相関するとき、その個体はAMDのより進行した形態を発症する「リスク減少」状態にある、つまり減少した易罹患性を有すると言われることを意味する。そのようなアレルは「保護的」であると当該分野においてしばしば称される。リスク増加と同様に、リスク減少を、優性又は劣性として特徴付けることもまた可能である。
【0088】
「リスク変化」はリスク増加又は減少を意味する。
【0089】
ゲノムDNAを検出に直接使用してもよく、又はゲノムDNA又は転写物の解析前にPCRを使用して増幅させてもよい。例えば、個体からの断片化された一本鎖DNAを、何百から何千もの固定された独特のヌクレオチドプローブ配列を含むアレイにハイブリダイズさせる。ヌクレオチドプローブ配列を設計して標的DNA配列に結合させる(例えば、あるSNPに対して、アレル特異的プローブを使用して該SNPを同定し、その有無を分析する)。検出システムを使用して、固定化プローブと個体由来のDNAの間のハイブリダイゼーションシグナルを記録し解釈する(プローブかDNAの何れかが、検出され測定されるフルオロフォアで標識される)。特異的DNA配列の検出は、限定されないが、ハイブリダイゼーション、リボヌクレアーゼ保護、化学分解、直接的DNAシークエンシング又は制限酵素の使用、ゲノムDNAのサザンブロッティング、インサイツ分析、何百又は何千ものオリゴヌクレオチドプローブを含む高密度アレイへの試料及び対照核酸のハイブリダイゼーションを含む方法(Cronin等, Hum Mutat, 7(3): 244-55 (1996)(又はここに記載のSNP解析のための他の方法)によって達成されうる。例えば、ゲノム変異はマイクロアレイを使用して同定することができる(Shen等, Mutat Res,573(1-2): 70-82 (2005)))。これらの遺伝子検査は、抗D因子の治療に対して異なった応答性を有する亜集団に個体の集団を層別化するのに有用である。
【0090】
ここで使用される「ジェノタイピング」なる用語は、限定しないが、DNA挿入又は欠失、多型(SNP又は他のもの)、アレル(分析的又は生物学的アッセイ(又はここに記載のSNPの他の分析方法)を使用して個体のDNA配列を調べることによる、SNPの形態のマイナー又は主要又はリスクアレルを含む)の存在の検出を含む、個体の遺伝子構成(genetic make-up)(「遺伝子型」)における差を決定する方法を意味する。例えば、シークエンシング又は他の方法(例えばここに記載のSNPの他の分析方法)によって決定される個体のDNA配列を、他の個体の配列又は参照配列と比較することができる。ジェノタイピングの方法は、当該分野において一般に知られており(例えばここに記載のSNPの他の分析方法)、限定されないが、ゲノムDNAの制限断片長多型同定(RFLP)、ゲノムDNAのランダム増幅多型検出(RAPD)、増幅断片長多型検出(AFLPD)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、DNAシークエンシング、アレル特異的オリゴヌクレオチド(ASO)プローブ、及びDNAマイクロアレイ又はビーズへのハイブリダイゼーションを含む。同様に、これらの技術を、SNP又は他の遺伝因子をコードする転写物の分析に応用することができる。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)分析、アレイハイブリダイゼーションを使用して又はDNAマイクロアレイスナップショットを含む市販のDNA SNPチップマイクロアレイを使用して、SNPについて試料を簡便にアッセイすることができる。SNPが核酸試料中にあるかないかを決定するためにマイクロアレイを利用することができる。マイクロアレイはオリゴヌクレオチドを含み得、診断用途に適したオリゴヌクレオチドを作製し使用する方法は、米国特許第5492806号;同第5525464号;同第5589330号;同第5695940号;同第5849483号;同第6018041号;同第6045996号;同第6136541号;同第6152681号;同第6156501号;同第6197506号;同第6223127号;同第6225625号;同第6229911号;同第6239273;国際公開第00/52625号;国際公開第01/25485号;及び国際公開第01/29259号に開示されている。
【0091】
幾つかの実施態様では、ジェノタイピングは、適切な治療手順を、それを最も必要とする個体に指示するために臨床医によって使用されうる。例えば、試験における対象がジェノタイピングされ、(1)治療に有利に応答する集団及び(2)治療に有意には応答しない集団、及び(3)治療に不利に応答する集団に分類される。結果に基づき、対象は、対象が治療に有利に応答するか、有意には応答しないか又は不利に応答するかどうかを予測するためにジェノタイピングされる。治療の臨床試験への潜在的な参加者をスクリーニングして、治療に対して有利に応答する可能性が最も高い者を同定し、副作用を被る可能性がある者を排除することができる。よって、薬剤治療の効果を、薬剤にポジティブに応答する個体において測定することができる。よって、一実施態様は、治療の臨床試験に組み込むための個体を選択する方法において、(a)個体から核酸試料を取得し、(b)治療に対するポジティブな応答に関連する多型変異体又は治療に対するネガティブな応答に関連する多型変異体の存在を決定する工程を含む方法である。他の実施態様では、本発明は、治療のための個体を選択する方法において、(a)個体から核酸試料を取得し、(b)治療に対するポジティブな応答に関連する多型変異体の存在を決定し、(c)治療を施すことによって個体を治療する工程を含む方法を含む。
【0092】
「アレル特異的プライマー」又は「ASプライマー」なる用語は、標的配列の一を越える変異体にハイブリダイズするが、変異体の一つのみで、プライマーが適切な条件下で核酸ポリメラーゼによって効果的に伸長される点で、標的配列の変異体を識別できるプライマーを意味する。標的配列の他の変異体では、伸長は効率が悪いか効率的ではない。伸長が効率が悪いか効率的ではない場合、シグナルはかなり低い強度であるか、好ましくは検出限界を下回る。
【0093】
「アレル特異的プローブ」又は「ASプローブ」なる用語は、標的配列の一を越える変異体にハイブリダイズするが、変異体の一つのみで、検出可能なシグナルが生成される点で、標的配列の変異体を識別できるプローブを意味する。標的配列の他の変異体では、シグナルはかなり低い強度であるか、好ましくは検出限界を下回る。
【0094】
「一次配列」なる用語は、ポリヌクレオチド又はオリゴヌクレオチド中のヌクレオチドの配列を意味する。窒素性塩基修飾、糖修飾又は他の骨格修飾のようなヌクレオチド修飾は一次配列の一部ではない。オリゴヌクレオチドにコンジュゲートされる発色団のような標識もまた一次配列の一部ではない。よって、二つのオリゴヌクレオチドは同じ一次配列を共有しうるが、修飾及び標識に関しては異なる。
【0095】
「プライマー」なる用語は、標的核酸中の配列とハイブリダイズし、核酸の相補鎖に沿って合成の開始点としてそのような合成に適した条件下で作用することができるオリゴヌクレオチドを意味する。ここで使用される場合、「プローブ」なる用語は、標的核酸中の配列とハイブリダイズし、通常は検出可能に標識されるオリゴヌクレオチドを意味する。プローブは、修飾、例えばプローブを核酸ポリメラーゼにより非伸長可能にする3’末端修飾、及び一又は複数の発色団を有しうる。同じ配列を持つオリゴヌクレオチドが、一つのアッセイにおいてプライマーとして、異なるアッセイにおいてプローブとして機能しうる。
【0096】
「修飾ヌクレオチド」なる用語は、修飾塩基、糖又はリン酸基を含むか、又はその構造に非天然部分が導入されている核酸ポリマー中の単位を意味する。非天然ヌクレオチドの例は、修飾された窒素性塩基を持つヌクレオチド、例えばアルキル化あるいはワトソン・クリック対合に関与する一般的な窒素性塩基間には存在しない基での他の置換を有するヌクレオチドを含む。例を挙げると、限定ではないが、修飾ヌクレオチドは、メチル、エチル、ベンジル又はブチル−ベンジルで置換された塩基を持つものを含む。アレル特異的PCRでは、少なくとも一つのプライマーは、プライマー伸長が、配列の特異的変異体が存在するときのみ(又は優先的に)生じ、他の変異体が存在するとき生じない(又は効率が悪い形で、つまり相当なΔCtで生じる)ようにアレル特異的である。成功裏のアレル特異的プライマーのデザインは予測できない技術である。既知の配列に対してプライマーを設計することは常套的であるが、非常に類似した配列を区別することができるプライマーを設計するための処方は在しない。区別化は、一又は複数の多型性部位を標的とする一又は複数のアレル特異的プライマーが同じ反応混合物中に存在する場合、特にチャレンジングである。
【0097】
「相補的」又は「相補性」なる用語は、ワトソン・クリック型塩基対規則によって関係があるポリヌクレオチドの逆平行ストランドに関連して使用される。「完全に相補的」又は「100%相補的」なる用語は、逆平行ストランド間の全ての塩基のワトソン・クリック対合を有する、つまりポリヌクレオチド二本鎖の任意の二つの塩基間にミスマッチがない相補的配列を意味する。しかしながら、二本鎖は、完全な相補性がない場合でさえ、逆平行ストランド間に形成される。「部分的に相補的」又は「不完全に相補的」なる用語は、100%完全より少ない(例えば、ポリヌクレオチド二本鎖に少なくとも一のミスマッチ又非ミスマッチ塩基が存在する)逆平行ポリヌクレオチドストランド間の塩基の任意のアラインメントを意味する。部分的に相補的なストランド間の二本鎖は、完全に相補的なストランド間の二本鎖よりも一般的に安定性が少ない。
【0098】
「表現型」は、例えば中間期又は進行期AMDから生じた、例えば症状の有無のような、個体間で比較することができる形質である。
【0099】
核酸試料は、対象から得られる生体試料から単離される。「生体試料」は、限定されないが、血液、唾液、痰、尿、細胞擦過物及び生検組織を含む。核酸試料は、標準的な技法を使用して生体試料から単離されうる。核酸試料は、多型変異体の存在を決定するための方法において使用されうる。多型変異体の有無は、核酸試料中に提示された一方又は双方の染色体対を使用して決定されうる。核酸試料中に提示された双方の染色体対における多型変異体の有無を決定することは、多型変異体に対する個体の接合状態を決定するために有用である。
【0100】
ハイブリダイゼーション反応の「ストリンジェンシー」は、当業者によって容易に決定され、一般にはプローブ長、洗浄温度、及び塩濃度に依存する経験的な計算である。一般に、プローブが長くなると適切なアニーリングに必要な温度が高くなり、プローブが短くなるとそれに必要な温度は低くなる。ハイブリダイゼーションは、一般に、相補鎖がその融点より低い環境中に存在するとき、変性DNAのリアニール能力に依存する。プローブとハイブリダイズ可能な配列間の所望される相同性の程度が高くなればなるほど、用いることができる相対温度が高くなる。その結果、より高い相対温度は、反応条件をよりストリンジェントにすることになり、低い温度はストリンジェントを低下させることになる。ハイブリダイゼーション反応のストリンジェンシーの更なる詳細及び説明については、Ausubel等, Current Protocols in Molecular Biology, Wiley Interscience Publishers, (1995)を参照のこと。
【0101】
ここで定義される「ストリンジェント条件」又は「高度のストリンジェンシー条件」は、(1)洗浄に低イオン強度及び高温度、例えば、50℃で、0.015Mの塩化ナトリウム/0.0015Mのクエン酸ナトリウム/0.1%のドデシル硫酸ナトリウムを用いるもの;(2)ハイブリダイゼーション中にホルムアミド等の変性剤、例えば、42℃で、50%(v/v)ホルムアミドを、0.1%ウシ血清アルブミン/0.1%フィコール/0.1%のポリビニルピロリドン/50mMのpH6.5のリン酸ナトリウムバッファー、及び750mMの塩化ナトリウム、75mMクエン酸ナトリウムと共に用いるもの;又は(3)42℃で、50%ホルムアミド、5×SSC(0.75MのNaCl、0.075Mのクエン酸ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%のピロリン酸ナトリウム、5×デンハート液、超音波処理サケ精子DNA(50μg/ml)、0.1%SDS、及び10%の硫酸デキストランを用いた溶液中での終夜のハイブリダイゼーション、42℃で、0.2×SSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)中での10分間の洗浄、ついで55℃で、EDTAを含む0.1×SSCからなる10分間の高ストリンジェンシー洗浄を用いるものによって、特定される。
【0102】
「中程度のストリンジェント条件」は、Sambrook等, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, New York: Cold Spring Harbor Press, 1989に記載されているように特定され、上述のものより低いストリンジェントの洗浄溶液及びハイブリダイゼーション条件(例えば、温度、イオン強度及び%SDS)の使用を含む。中程度のストリンジェント条件の例は、20%ホルムアミド、5×SSC(150mMのNaCl、15mMのクエン酸三ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハート液、10%の硫酸デキストラン、及び20mg/mlの変性剪断サケ精子DNAを含む溶液中37℃での終夜のインキュベーション、ついで1×SSC中における約37−50℃でのフィルター洗浄である。プローブ長などの因子に適合させる必要に応じて、どのようにして温度、イオン強度等を調節するかは当業者であれば分かるであろう。
【0103】
ここで使用される「試料」又は「試験試料」なる用語は、例えば物理的、生化学的、化学的及び/又は生理学的特徴に基づいて、特徴付けられ、及び/又は同定される、細胞性及び/又は他の分子実体を含んでいる興味ある対象から得られるか又は対象由来の組成物を指す。一実施態様では、この定義には、血液及び生物起源の他の液体試料、及び生検試料などの組織試料又は組織培養物又はこれら由来の細胞が包含される。組織試料の供給源は、新鮮な、凍結された及び/又は保存されていた臓器や組織試料又は生検もしくは吸引による固形組織;血液又は任意の血液構成成分;体液;及び対象の妊娠期又は発生期の任意の時期の細胞ないし血漿であってもよい。「試料」、「生体試料」又は「試験試料」なる用語には、試薬による処理、可溶化又は所定の成分、例えばタンパク質又はポリヌクレオチドの濃縮、又は切片化のための半固形又は固形マトリックスへの包埋のような、調達後に何れかの方法で操作されている生物学的試料が含まれる。ここでの目的では、組織試料の「切片」は、組織試料の単一部分又は一片、例えば、組織の薄いスライス又は組織試料から切り取られた細胞を意味する。試料は、限定されるものではないが、全血、血液誘導細胞、血清、血漿、リンパ液、滑液、細胞抽出物、及びそれらの組み合わせを含む。一実施態様では、試料は臨床試料である。他の実施態様では、試料は診断アッセイにおいて使用される。
【0104】
一実施態様では、試料は、補体阻害剤での治療前に対象又は患者から得られる。他の実施態様では、試料は、補体阻害剤での少なくとも一回の治療後に対象又は患者から得られる。
【0105】
ここで使用される「基準試料」は、比較目的に使用される任意の試料、標準、又はレベルを意味する。一実施態様では、基準試料は、同じ対象又は患者の体の健康な及び/又は非罹患部(例えば組織又は細胞)から得られる。他の実施態様では、基準試料は、同じ対象又は患者の体の未治療組織及び/又は細胞から得られる。更に他の実施態様では、基準試料は、対象又は患者ではない個体の健康な及び/又は非罹患部(例えば組織又は細胞)から得られる。更に他の実施態様では、基準試料は、対象又は患者ではない個体の体の未治療組織及び/又は細胞部分から得られる。
【0106】
ある実施態様では、基準試料は、試験試料が得られるときとは異なる一又は複数の時点で得られる同じ対象又は患者からの単一試料又は組み合わせた複数の試料である。例えば、基準試料は、試験試料が得られるときよりも速い時点で同じ対象又は患者から得られる。ある実施態様では、基準試料は、対象又は患者ではない一又は複数の個体から得られる「試料」との用語の下で上で定義されたあらゆるタイプの生体試料を含む。ある実施態様では、基準試料は、対象又は患者ではない変性疾患(例えば加齢黄斑変性)の一又は複数の個体から得られる。
【0107】
ある実施態様では、基準試料は、対象又は患者ではない一又は複数の健康な個体からの組み合わせた複数の試料である。ある実施態様では、基準試料は、対象又は患者ではない疾患又は障害(例えば加齢黄斑変性などの変性疾患)に罹患している一又は複数の個体からの組み合わせられた複数の試料である。ある実施態様では、基準試料は、対象又は患者ではない一又は複数の個体からの正常組織又はプールされた血漿又は血清試料からのプールしたRNA試料である。
【0108】
「Fcレセプター」又は「FcR」という用語は、抗体のFc領域に結合するレセプターを記述するために使用される。好適なFcRは、天然配列ヒトFcRである。更に、好適なFcRは、IgG抗体(γレセプター)に結合し、FcγRI、FcγRII及びFcγRIIIサブクラスのレセプターを含むものであり、これらのレセプターのアレル変異体及び選択的スプライシング型を含む。FcγRIIレセプターは、FcγRIIA(「活性化レセプター」)及びFcγRIIB(「阻害レセプター」)を含み、これらは、主としてその細胞質ドメインにおいて異なる、類似のアミノ酸配列を持つ。活性化レセプターFcγRIIAは、その細胞質ドメインに免疫レセプターチロシンベース活性化モチーフ(ITAM)を有する。阻害レセプターFcγRIIBは、その細胞質ドメインに免疫レセプターチロシンベース阻害モチーフ(ITIM)を有する(Daeron, Annu. Rev. Immunol., 15:203-234(1997)を参照)。FcRsはRavetch及びKinet, Annu. Rev. Immunol 9:457-92 (1991);Capel等, Immunomethods 4:25-34 (1994);及びde Haas等, J. Lab. Clin. Med. 126:330-41 (1995)において概説されている。将来同定されるものも含む他のFcRsが、ここにおける「FcR」なる用語によって包含される。該用語は胎児への母性IgGの移動の原因である新生児レセプターFcRnもまた含む(Guyer等, J. Immumol. 117:587 (1976)及びKim等, J. Immunol. 24:249 (1994))。
【0109】
「天然抗体」は、通常は、2つの同一の軽(L)鎖と2つの同一の重(H)鎖からなる約150000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。各軽鎖は一つの共有ジスルフィド結合により重鎖に結合されており、ジスルフィド結合の数は、異なった免疫グロブリンアイソタイプの重鎖間で変化する。また各重鎖と軽鎖は、規則的に離間した鎖内ジスルフィド架橋を有している。各重鎖は、多くの定常ドメインが続く可変ドメイン(V
H)を一端に有する。各軽鎖は、一端に可変ドメイン(V
L)を、その他端に定常ドメインを有し;軽鎖の定常ドメインは重鎖の第一定常ドメインとアラインされ、軽鎖の可変ドメインは重鎖の可変ドメインとアラインされる。特定のアミノ酸残基が、軽鎖及び重鎖可変ドメイン間の界面を形成すると考えられる。
【0110】
「可変」という用語は、可変ドメインのある部位が、抗体間で配列が広範囲に異なっており、その特定の抗原に対する各特定の抗体の結合性及び特異性に使用されているという事実を意味する。しかしながら、可変性は抗体の可変ドメイン全体にわたって一様には分布していない。それは、軽鎖及び重鎖可変ドメインの両方の高頻度可変領域と呼ばれる3つのセグメントに集中している。可変ドメインのより高度に保存された部分はフレームワーク領域(FR)と呼ばれる。天然の重鎖及び軽鎖の可変ドメインは、βシート構造を連結するループを形成し、ある場合にはその一部を形成する、3つの高頻度可変領域により連結された、主にβシート構成を採る4つのFRをそれぞれ含んでいる。各鎖の高頻度可変領域は、FRによって近接して保持され、他の鎖の高頻度可変領域と共に、抗体の抗原結合部位の形成に寄与している(Kabat等, Sequence of Proteins of Immunological Interest, 5版. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD. (1991)を参照)。定常ドメインは、抗体の抗原への結合に直接には関与していないが、様々なエフェクター機能、例えばADCCへの抗体の関与を示す。
【0111】
抗体のパパイン消化は、「Fab」断片と呼ばれる2つの同一の抗体結合断片を生成し、その各々は単一の抗原結合部位を持ち、残りは容易に結晶化する能力を反映して「Fc」断片と命名される。ペプシン処理は2つの抗原結合部位を持つF(ab’)
2断片を生じ、尚も抗原と架橋結合することができる。
【0112】
「Fv」は、完全な抗原認識及び抗原結合部位を含む最小抗体断片である。この領域は、堅固な非共有結合をなした一つの重鎖及び一つの軽鎖可変ドメインの二量体からなる。各可変ドメインの3つの高頻度可変領域が相互に作用してV
H−V
L二量体表面に抗原結合部位を定めるのはこの配置においてである。集合的に、6つの高頻度可変領域が抗体に抗原結合特異性を付与する。しかしながら、単一の可変ドメイン(又は抗原に対して特異的な3つの高頻度可変領域のみを含むFvの半分)でさえ、全結合部位よりも親和性が低くなるが、抗原を認識して結合する能力を有している。
【0113】
Fab断片はまた軽鎖の定常ドメインと重鎖の第一定常領域(CH1)を有する。Fab’断片は、抗体ヒンジ領域からの一又は複数のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端に数個の残基が付加されている点でFab断片とは異なる。Fab’−SHは、定常ドメインのシステイン残基が少なくとも一つの遊離チオール基を有しているFab’に対するここでの命名である。F(ab’)
2抗体断片は、間にヒンジシステインを有するFab’断片の対として産生された。抗体断片の他の化学的カップリングもまた知られている。
【0114】
任意の脊椎動物種からの抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」には、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(κ)及びラムダ(λ)と呼ばれる2つの明確に区別されるタイプの一つを割り当てることができる。
【0115】
その重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、抗体には異なるクラスが割り当てられる。インタクトな抗体には5つの主なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG及びIgMがあり、更にこれらの幾つかは、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、及びIgA2等のサブクラス(アイソタイプ)に分かれる。抗体の異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれα、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。免疫グロブリンの異なるクラスのサブユニット構造及び三次元立体配置はよく知られている。
【0116】
「一本鎖Fv」又は「scFv」抗体断片は、抗体のV
H及びV
Lドメインを含み、これらのドメインは単一のポリペプチド鎖中に存在する。好ましくは、Fvポリペプチドは、scFvが抗原結合に対して望ましい構造を形成するのを可能にするポリペプチドリンカーをV
H及びV
Lドメイン間に更に含む。scFvの概説については、Pluckthun, The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, 113巻, Rosenburg及びMoore編, Springer-Verlag, New York, p269-315 (1994)を参照のこと。
【0117】
「ダイアボディ」なる用語は、二つの抗原結合部位を持つ小さい抗体断片を意味し、その断片は同一のポリペプチド鎖(V
H−V
L)内で軽鎖可変ドメイン(V
L)に重鎖可変ドメイン(V
H)が結合してなる。非常に短いために同一鎖上で二つのドメインの対形成が不可能なリンカーを使用して、ドメインを他の鎖の相補ドメインと強制的に対形成させ、二つの抗原結合部位を創製する。ダイアボディは、例えば、欧州特許出願公開第404097号;国際公開第93/11161号;及びHollinger等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6444-6448(1993)においてより詳細に記載されている。
【0118】
ここで使用される「モノクローナル抗体」なる用語は、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体を指す、すなわち、集団を構成する個々の抗体は、一般に少量で存在しうるモノクローナル抗体の生産中に生じうる可能な変異体を除いて、同一であり、及び/又は同じエピトープに結合する。異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を典型的には含むポリクローナル抗体調製物とは異なり、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対するものである。その特異性に加えて、モノクローナル抗体は、それらが他の免疫グロブリンによって汚染されていない点で有利である。「モノクローナル」との修飾詞は、実質的に均一な抗体集団から得られているという抗体の特徴を示し、抗体を何か特定の方法で生産しなければならないことを意味するものではない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、最初にKohler等, Nature 256, 495 (1975)により記載されたハイブリドーマ法によって作製することができ、あるいは例えば組換えDNA法によって作製することができる(例えば、米国特許第4816567号参照)。また「モノクローナル抗体」は、例えばClackson等, Nature 352:624-628(1991)及びMarks等, J. Mol. Biol. 222:581-597(1991)に記載された技術を使用してファージ抗体ライブラリーから単離することもできる。
【0119】
ここでのモノクローナル抗体は、特に、重鎖及び/又は軽鎖の一部が特定の種由来の又は特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体中の対応配列に一致するか又は類似するが、鎖の残りは、他の種由来の又は他の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応配列に一致するか又は類似する「キメラ」抗体(免疫グロブリン)、並びにそれらが所望の生物学的活性を示す限り、そのような抗体の断片を含む(米国特許第4816567号;及びMorrison等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:6851-6855 (1984))。ここで関心のあるキメラ抗体には、非ヒト霊長類(例えば、ヒヒ、アカゲザル又はカニクイザルなどの旧世界サル)由来の可変ドメイン抗原結合配列とヒト定常領域配列を含む「プリマタイズ」抗体を含む(米国特許第5693780号)。
【0120】
非ヒト(例えばマウス)抗体の「ヒト化」型は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含むキメラ抗体である。大部分において、ヒト化抗体は、レシピエントの高頻度可変領域の残基が、マウス、ラット、ウサギ又は所望の特異性、親和性及び能力を有する非ヒト霊長類のような非ヒト種(ドナー抗体)からの高頻度可変領域の残基によって置換されたヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。幾つかの例では、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)残基が、対応する非ヒト残基によって置換される。更に、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも、もしくはドナー抗体にも見出されない残基を含んでいてもよい。これらの修飾は抗体の特性を更に洗練するために行われる。一般に、ヒト化抗体は、全てあるいは実質的に全ての高頻度可変ループが非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、全てあるいは実質的に全てのFRが、上述のFR置換を除いて、ヒト免疫グロブリン配列のものである、少なくとも一の、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含むであろう。また、ヒト化抗体は、場合によっては免疫グロブリン定常領域、典型的にはヒト免疫グロブリンのものの少なくとも一部も含む。更なる詳細については、Jones等, Nature 321:522-525 (1986);Riechmann等, Nature 332:323-329 (1988);及びPresta, Curr. Op. Struct. Biol. 2:593-596 (1992)を参照のこと。
【0121】
「フレームワーク」又は「FR」は、高頻度可変領域(HVR)残基以外の可変ドメイン残基を意味する。可変ドメインのFRは、一般に、4つのFRドメイン、つまりFR1、FR2、FR3、及びFR4からなる。従って、HVR及びFR残基は一般にVH(又はVL)中の次の配列に現れる:FR1−H1(L1)−FR2−H2(L2)−FR3−H3(L3)−FR4。
【0122】
ここで使用される「高頻度可変領域」又は「HVR」なる用語は、配列において高頻度可変であり、及び/又は構造的に定まったループ(「高頻度可変ループ」)を形成する抗体可変ドメインの領域の各々を意味する。一般に、天然の4鎖抗体は、6つのHVRを含み;VHに3つ(H1、H2、H3)、VLに3つ(L1、L2、L3)である。HVRは一般に高頻度可変ループ由来、及び/又は「相補性決定領域」(CDR)由来のアミノ酸残基を含み、後者は最も高い配列多様性を有し、及び/又は抗原認識に関与する。ここで使用されるHVRは、位置24−36(L1に対して)、46−56(L2に対して)、89−97(L3に対して)、26−35B(H1に対して)、47−65(H2に対して)、及び93−102(H3に対して)内に位置する任意の数の残基を含む。従って、HVRは、以前に記載されている位置に残基を含む:
A)24−34(L1)、50−52(L2)、91−96(L3)、26−32(H1)、53−55(H2)、及び96−101(H3)(Chothia及びLesk, J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987);
B)L1の24−34、L2の50−56、L3の89−97、H1の31−35B、H2の50−65、及びH3の95−102(Kabat等., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991)。
C)30−36(L1)、46−55(L2)、89−96(L3)、30−35(H1)、47−58(H2)、93−100a−j(H3)(MacCallum等 J. Mol. Biol. 262:732-745 (1996)。
【0123】
別の記載がない限り、HVR残基及び可変ドメイン中の他の残基(例えばFR残基)はここでは上掲のKabat等に従って番号付けされる。可変ドメイン(およそ軽鎖の残基1−107及び重鎖の残基1−113)中の残基に言及するとき、カバットの番号付けシステムが一般に使用される(例えば、出典明示によりここに明示的に援用されるKabat等, Sequences of Immunological Interest. 5版 Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md. (1991))。免疫グロブリン重鎖定常領域中の残基に言及するとき、「EU番号付けシステム」又は「EUインデックス」が一般に使用される(例えば上掲のKabat等に報告されているEUインデックス;重鎖の定常ドメイン中のヒンジ領域はおよそ重鎖の残基216−230(EU番号付け)である)。「カバットにおけるEUインデックス」は、ヒトIgG1 EU抗体の残基番号付けを意味する。ここで別の定義を述べない限り、抗体の可変ドメイン内の残基番号に対する言及は、カバット番号付けシステムによる残基番号付けを意味する。ここで別の定義を述べない限り、抗体の定常ドメイン内の残基番号に対する言及は、EU番号付けシステムによって番号付けした残基を意味する(例えば、米国仮出願第60/640323号、EU番号付けのための図を参照)。
【0124】
「ネイキッド抗体」とは、例えば細胞傷害性部分又は放射標識のような異種分子にコンジュゲートしていない抗体(ここで定義される)である。
【0125】
「単離された」抗体とは、同定され、その自然環境の成分から分離され、及び/又は回収されたものである。その自然環境の汚染成分とは、抗体の診断又は治療的な使用を妨害するであろう物質であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質様又は非タンパク質様溶質が含まれうる。好ましい実施態様では、抗体は、(1)ローリー法で測定した場合95重量%を越える抗体、最も好ましくは99重量%を超えるまで、(2)スピニングカップシークエネーターを使用することにより、少なくとも15のN末端あるいは内部アミノ酸配列の残基を得るのに充分なほど、あるいは、(3)クーマシーブルーあるいは好ましくは銀染色を用いた非還元あるいは還元条件下でのSDS−PAGEにより均一になるまで、精製される。抗体の自然環境の少なくとも一の成分が存在しないため、単離された抗体には、組換え細胞内のインサイツ抗体が含まれる。しかしながら、通常は、単離された抗体は少なくとも一の精製工程により調製されるであろう。
【0126】
参照ポリペプチド配列に対する「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」は、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性を得るために必要ならば間隙を導入し、如何なる保存的置換も配列同一性の一部と考えないとした、参照ポリペプチド配列中のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセントとして定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメントは、例えば公に利用できるコンピュータソフトウェア、例えばBLAST、BLAST−2、ALIGN又はMegalign(DNASTAR)ソフトウェアを使用して、当業者の技量の範囲にある様々な方法で達成することができる。当業者であれば、比較される配列の全長に対して最大のアラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、配列をアラインメントするための適切なパラメータを決定することができる。しかしながら、ここでの目的のためには、パーセントアミノ酸配列同一性値は、配列比較コンピュータプログラムALIGN−2を使用して得られる。ALIGN−2配列比較コンピュータプログラムは、ジェネンテック社によって著作され、そのソースコードが米国著作権庁、ワシントンD.C.,20559に使用者用書類と共に提出され、米国著作権登録番号TXU510087の下で登録されている。ALIGN−2プログラムはジェネンテック社、サウスサンフランシスコ、カリフォルニアから公的に入手可能であり、又はソースコードからコンパイルすることができる。ALIGN−2プログラムは、デジタルUNIX V4.0Dを含むUNIXオペレーティングシステムで使用されるようにコンパイルされなければならない。全ての配列比較パラメータは、ALIGN−2プログラムによって設定され、変動しない。
【0127】
アミノ酸配列比較にALIGN−2が用いられる状況では、与えられたアミノ酸配列Aの、与えられたアミノ酸配列Bに対する、それとの、又はそれに対しての%アミノ酸配列同一性(あるいは、与えられたアミノ酸配列Bに対する、それとの、又はそれに対してのある程度の%アミノ酸配列同一性を持つか又は含む与えられたアミノ酸配列Aと言うこともできる)は次のように計算される:
分率X/Yの100倍
ここで、Xは配列アラインメントプログラムALIGN−2のA及びBのアラインメントによって同一であると一致したスコアのアミノ酸残基の数であり、YはBの全アミノ酸残基数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと等しくない場合、AのBに対する%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列同一性とは等しくないことは理解されるであろう。特に別の定義がなされない限り、ここで使用される全ての%アミノ酸配列同一性は、ALIGN−2コンピュータプログラムを使用して直ぐ前の段落に記載されたようにして得られる。
【0128】
ここで使用される場合、「最小二乗」なる用語は、各観測値とその推定値との間の差の二乗の和を最小にする最小二乗法の使用を意味する(Plackett, R.L. Biometricka, 59: 239-251 (1972))。ここで提示される最小二乗平均は、GA面積対ベースラインGA病巣サイズ(連続)、ベースラインGA病巣サイズカテゴリー(<4DA対≧4DA)、時間、治療、及び治療時間(time-by-treatment)の相互作用における変化の関係に適合させるために使用された、線形混合効果モデルに基づくGA面積におけるベースラインからの平均DDAF変化の推定値であった(Garret Fitzmaurice, Nan Laird, James Ware, Applied Longitudinal Analysis, 2版, Chapter 8, Publisher (John Wiley & Sons) (August 2011))。
図5及び6を参照のこと。
【0129】
「薬学的製剤」なる用語は、そこに含まれる活性成分の生物学的活性が効果的であるようにする形態であり、その製剤が投与されるであろう対象に許容できない程に毒性である更なる成分を含まない調製物を意味する。
【0130】
「薬学的に許容される担体」は、対象に非毒性であり、活性成分以外の薬学的製剤中の成分を指す。薬学的に許容される担体は、限定されないが、緩衝剤、賦形剤、安定剤、又は保存料を含む。
【0131】
「中和抗体」とは、それが結合する標的抗原のエフェクター機能を除くか又は有意に減じることができる抗体分子である。従って、「中和」抗D因子抗体、又はその抗原結合断片は、D因子のエフェクター機能、例えば代替補体活性を除くか又は有意に減じることができる。
【0132】
例示的なアッセイは、D因子の代替補体活性を中和する抗D因子抗体、又はその抗原結合断片の能力をモニターするものである。例えば、補体源としてC1q枯渇ヒト血清を使用してウサギの赤血球溶血を阻害する候補抗体の能力によって中和が測定されている、2008年5月8日に公開されたPCT/US2007/083172に記載されている溶血阻害アッセイを参照のこと。
【0133】
別法では、D因子による細胞応答の誘発を中和する抗D因子抗体の能力は、Wiesmann等, Nature, 444: 217-220 (2006)に記載されているように、C3液相転換酵素アッセイによって試験されうる。
【0134】
「有意な」減少とは、例えば代替補体活性のような、標的抗原(例えば、D因子)のエフェクター機能の少なくとも約60%、又は少なくとも約70%、好ましくは少なくとも約75%、更に好ましくは少なくとも約80%、なお更に好ましくは少なくとも約85%、より更に好ましくは少なくとも約90%、より更に好ましくは少なくとも約95%、最も好ましくは少なくとも約99%の減少を意味する。好ましくは、ここで定義されている「中和」抗体は、2008年5月8日に公開されたPCT/US2007/083172の溶血アッセイによって決定されているように、D因子の抗代替経路活性の少なくとも約60%、又は少なくとも約70%、好ましくは少なくとも約75%、更に好ましくは少なくとも約80%、なお更に好ましくは少なくとも約85%、より更に好ましくは少なくとも約90%、より更に好ましくは少なくとも約95%、最も好ましくは少なくとも約99%を中和することができる。
【0135】
ここでの「対象」又は「患者」はヒト対象又は患者である。一般に、そのような対象又は患者は、地図状萎縮の治療に対して適格である。一実施態様では、そのような適格の対象又は患者は、一又は複数の徴候、症状、又は地図状萎縮の他の指標を経験しているか又は経験したか、あるいは例えば新たに診断されたか過去に診断されたかにかかわらず、地図状萎縮と診断されているか、あるいは地図状萎縮を発症するリスクがある者である。他の実施態様では、治療される患者は、AMDと関連するSNPの存在を検出するアッセイを使用してスクリーニングすることができる。「安定」製剤は、保存時にその中のタンパク質が本質的にその物理的安定性及び/又は化学的安定性及び/又は生物学的活性を保持するものである。好ましくは、その製剤は、保存時に本質的にその物理的及び化学的安定性、並びにその生物学的活性を保持する。保存期間は一般にその製剤の意図された有効期間に基づき選択される。タンパク質の安定性を測定するための様々な分析技法が当該技術分野で利用でき、例えば、Peptide and Protein Drug Delivery, 247-301, Vincent Lee編, Marcel Dekker, Inc., New York, New York, Pubs. (1991)及びJones, A. Adv. Drug Delivery Rev. 10: 29-90 (1993)に概説されている。選択された温度で選択された期間、安定性を測定することができる。好ましくは、製剤は、約40℃で少なくとも約2−4週間安定であり、及び/又は約5℃及び/又は15℃で少なくとも3ヶ月間安定であり、及び/又は約−20℃で少なくとも3ヶ月間又は少なくとも1、2、3、又は4年間安定である。更に、製剤は、好ましくは製剤の凍結(例えば−70℃まで)及び解凍後、例えば1、2又は3サイクルの凍結解凍後、安定である。安定性は、(例えば、分子ふるいクロマトグラフィーの使用、濁度の測定、及び/又は視覚検査による)凝集体形成の評価;カチオン交換クロマトグラフィー又はキャピラリーゾーン電気泳動を使用する電荷不均一性の評価;アミノ末端又はカルボキシ末端配列解析;質量分光分析;還元抗体とインタクトな抗体を比較するSDS−PAGE分析;ペプチドマップ(例えばトリプシン又はLYS-C)解析;抗体の生物学的活性又は抗原結合機能の評価等々を含む様々な異なる方法で定性的及び/又は定量的に評価することができる。不安定性は、凝集、脱アミド(例えばAsn脱アミド)、酸化(例えばMet酸化)、異性化(例えばAsp異性化)、クリッピング/加水分解/断片化(例えば、ヒンジ領域断片化)、スクシンイミド形成、不対システイン、N末端伸長、C末端プロセシング、糖鎖付加の差等の何れか一又は複数に関与することがある。
【0136】
「ヒスチジンバッファー」はヒスチジンイオンを含有するバッファーである。ヒスチジンバッファーの例は、塩化ヒスチジン、酢酸ヒスチジン、リン酸ヒスチジン、硫酸ヒスチジンを含む。ここでの実施例で特定される好ましいヒスチジンバッファーは、塩化ヒスチジンバッファーであることが分かった。一実施態様では、塩化ヒスチジンバッファーは、L−ヒスチジン(遊離塩基、固形)を希塩酸(液体)で滴定することによって調製される。他の実施態様では、ヒスチジンバッファーは、所望のpHを達成するためにヒスチジンとヒスチジン塩酸塩の混合物により、調製される。好ましくは、ヒスチジン又は塩化ヒスチジンバッファーはpH5.0から6.0、好ましくはpH5.2から5.8である。
【0137】
ここでの「糖」は、単糖、二糖類、三糖類、多糖類、糖アルコール、還元糖、非還元糖等を含む一般組成(CH
2O)
n及びその誘導体を含む。ここでの糖の例は、グルコース、スクロース、トレハロース、ラクトース、フルクトース、マルトース、デキストラン、グリセリン、デキストラン、エリスリトール、グリセロール、アラビトール、シリトール(sylitol)、ソルビトール、マンニトール、メリビオース、メレジトース、ラフィノース、マンノトリオース、スタキオース、マルトース、ラクツロース、マルツロース、グルシトール、マルチトール、ラクチトール、イソ−マルツロース等を含む。
【0138】
ここで、「界面活性剤」は界面活性な薬剤、例えば非イオン性界面活性剤を意味する。ここでの界面活性剤の例は、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20及びポリソルベート80);ポロキサマー(例えばポロキサマー188);トリトン(Triton);ドデシル硫酸ナトリウム(SDS);ラウリル硫酸ナトリウム;ナトリウムオクチルグルコシド;ラウリル−、ミリスチル−、リノレイル−、又はステアリル−スルホベタイン;ラウリル−、ミリスチル−、リノレイル−又はステアリル−サルコシン;リノレイル−、ミリスチル−、又はセチル−ベタイン;ラウロアミドプロピル−、コカミドプロピル−、リノールアミドプロピル−、ミリスタミドプロピル−、パルミドプロピル−、又はイソステアラミドプロピル−ベタイン(例えばラウロアミドプロピル);ミリスタミドプロピル−、パルミドプロピル−、又はイソステアラミドプロピル−ジメチルアミン;ナトリウムメチルココイル−、又は二ナトリウムメチルオレイル−タウレート;及びMONAQUAT
TMシリーズ(Mona Industries, Inc., Paterson, New Jersey);ポリエチルグリコール、ポリプロピルグリコール、及びエチレン・プロピレングリコール共重合体(例えばプルロニックス(Pluronics)、PF68等)等々を含む。ここでの好ましい界面活性剤はポリソルベート20である。
【0139】
GAの診断は、臨床歴、臨床検査、及び樹立された画像診断法に基づいてなされうる。
【0140】
ここでの対象の「治療」は治療的処置と予防的又は防御的処置の双方を意味する。治療が必要な患者はGAを既に持つ者並びにGAが防止されるべき者を含む。よって、対象は、GAに罹患していると診断されていてもよく又はGAの素因があるかもしくは感受性であってもよい。
【0141】
GAの「症状」は、任意の病的な現象又は構造、機能ないしは感覚の正常からの逸脱であり、対象によって体感され、疾患を示す。
【0142】
「有効量」なる表現は、GAを予防し、寛解させ、又は治療するために効果的である抗体の量を意味する。
【0143】
「抗体曝露」とは、約1日から約5週間の期間にわたって投与される一又は複数回用量のここでの抗体への接触又は曝露を意味する。用量は、この曝露期間にわたって一回又は決まった時間ないしは不規則的な時間、例えば週1回服用を4週間、又は約13〜17日の期間あけて2回服用で、投与されうる。初めとその後の抗体曝露は、ここで詳述されるように互いに時間を隔てたものである。
【0144】
ここでの「D因子阻害剤」は、一般にはD因子に結合し、その活性を中和させることを通じてD因子の生物学的活性を、ある程度、阻害する薬剤である。ここで特に考えられるD因子阻害剤の例はラムパリズマブである。
【0145】
「パッケージ挿入物」は、適応、用法、用量、投与、禁忌、包装製品と組み合わされる他の治療用製品、及び/又はかかる治療用製品の使用に関する注意等についての情報を含む、治療用製品の市販パッケージに常套的に含められる指示を意味するために使用される。
【0146】
「最初の曝露から」又は任意の先の曝露からあるときまで投与又は与えられない曝露は、第二の又は後の曝露の時間が、もし一を越える用量がその曝露で投与されているならば、先の曝露からの用量の何れかが投与された時間から測定されることを意味する。例えば、2回の用量が最初の曝露で投与される場合、二回目の曝露は、その先の曝露内において最初又は二回目の用量が投与されたときから測定して少なくとも約16−54週まで与えられない。同様に、3回の用量が投与される場合、二回目の曝露は、先の曝露内における最初、二回目、又は三回目の用量のときから測定されうる。好ましくは、「最初の曝露から」は最初の用量のときから測定される。
【0147】
「医薬」は地図状萎縮又はその症状又は副作用を治療するための活性な薬剤である。
【0148】
ここで使用される「投与する」なる用語は、最も広い意味で使用され、とりわけ経腸、局所投与及び「非経口投与」を包含する。ここで使用される「非経口投与」及び「非経口的に投与される」は、経腸及び局所投与以外の、通常は注射による、投与の態様を意味し、限定されないが、静脈内、筋肉内、動脈内、クモ膜下腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢下、クモ膜下、脊髄内、硬膜外、胸骨内(intrasternal)注射、注入、点眼、眼球内、硝子体内、強膜近傍(juxtascleral)、テノン嚢下(subtenon)及び上脈絡膜(superchoroidal)を含む。ここで使用される「IVT又はITV」は、硝子体内を意味する。
【0149】
「AMDを評価する」なる用語は、本発明に係る方法が、個体が中間期又は進行期AMDの発症あるいは中間期又は進行期AMDの予後診断のリスクを有しているかどうかを評価するために、医師を含む医療専門家を補助することを示すために使用される。試料中のCFI、CFH、C3、C2又はCFBに対するリスクアレルの存在は、個体が中間期又は進行期AMDの発症あるいは中間期又は進行期AMDの予後診断のリスクを有していることを示している。
【0150】
予後検査からの結果は、より進行したAMDへの進行を診断する他の検査結果と組み合わせてもよい。幾つかの実施態様では、素因解析の結果を、性質が疫学的又は遺伝学的を問わず、より進行したAMDへの進行を示す他の検査結果と組み合わせてもよい。これらの実施態様では、予後検査の結果と他の検査結果の組合せがより進行したAMDへの進行の証拠となり得、組合せをAMD診断として利用することができる。
【0151】
ここで使用される「進行」なる用語は、疾患の経時的な悪化を意味する。疾患の「進行速度」又は「進行の速度」は、疾患と診断された患者において疾患が如何に速く又は遅く経時的に発達するかを指す。疾患はしばしば慢性的であり、期間枠は週、月又は年でありうる。疾患の進行速度は、疾患の特定の特徴の測定可能な経時的変化によって表すことができる。例えば、GAの患者の進行速度は、眼底自発蛍光(FAF)又はカラー眼底写真(CFP)のような標準的な画像検査法によって測定される、ベースラインから18月までのGA病巣面積の成長率によって表すことができる。特定の遺伝形質を保有している患者は、患者の疾患状態がそのような遺伝形質を持たない患者よりも速く進行するならば、「増加した進行速度」を有していると言われるか、又は有している可能性が高い。一方、治療に応答する患者は、患者の疾患進行が、治療前の患者の疾患状態又は治療をしていない他の患者と比較したとき、治療後に遅くなるならば、「減少した進行速度」を有していると言われるか、又は有している可能性が高い。
【0152】
ここで使用される「応答する可能性が高い」は、AMDの進行の遅延化又は防止を示す可能性が高い患者を指す。GAに関して、「応答する可能性が高い」とは、治療でFAP又はCFPによるGA面積喪失の減少を示す可能性が最も高い患者を指す。中間期AMDに関して、「応答する可能性が高い」とは、進行期AMDへの進行の遅延化を示す可能性が高い患者を指す。早期AMDに関して、「応答する可能性が高い」とは、中間期AMDへの進行の遅延化を示す可能性が高い患者を指す。本発明の文脈における「応答性」とは、ここに記載された疾患に罹患し、罹患していると疑われ、又は罹患しやすく、又は該疾患と診断されている患者が、抗D因子治療に対して応答を示すことを意味する。
【0153】
「個体」又は「対象」は哺乳動物である。哺乳動物は、限定されないが、家畜動物(例えば、ウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ、及びウマ)、霊長類(例えば、ヒト、サルなどの非ヒト霊長類)、ウサギ、げっ歯類(例えば、マウス及びラット)を含む。ある実施態様では、個体又は対象はヒトである。
【0154】
ここでの「患者」又は「対象」は、AMDの一又は複数の徴候、症状、又は他の指標を被っているか被った、治療に適格な任意の一人のヒト対象である。対象に含める意図があるのは、疾患の如何なる臨床徴候も示していない臨床研究治験に関与した任意の対象、疫学的研究に関与した対象、又は対照として一度使用された対象である。対象は、抗D因子抗体、又はその抗原結合断片あるいは他の薬剤で過去に治療されていてもよく、又は治療されていなくてもよい。対象は、ここでの治療が開始されるとき使用される更なる薬剤に対してナイーブでありうる。つまり、対象は、「ベースライン」において(つまり、ここでの治療法における抗D因子の最初の用量の投与前のセットポイント時点、例えば治療開始前の対象の選別の日)、例えば抗D因子以外の治療法で過去に治療されていない。そのような「ナイーブな」対象は、一般に、そのような更なる薬剤での治療に対する候補であると考えられる。
【0155】
ここで使用される「評価を提供する」なる語句は、患者におけるAMDを評価するために患者の試料中のリスクアレルの存在に関して生成された情報又はデータを使用することを指す。情報又はデータは、文書、口頭又は電子的など、任意の形態でありうる。幾つかの実施態様では、生成された情報又はデータの使用は、連絡、提示、報告、保管、発送、移送、供給、送信、分配、又はそれらの組合せを含む。幾つかの実施態様では、連絡、提示、報告、保管、発送、移送、供給、送信、分配、又はそれらの組合せは、コンピューター装置、アナライザーユニット又はその組合せによって実施される。幾つかの更なる実施態様では、連絡、提示、報告、保管、発送、移送、供給、送信、分配、又はそれらの組合せは、研究室又は医療専門家によって実施される。幾つかの実施態様では、情報又はデータは、リスクアレルが試料中に存在するか又は存在しないとの表示を含む。幾つかの実施態様では、情報又はデータは、患者が中間期又は進行期AMDと評価されているとの表示を含む。
【0156】
「試料」なる用語は、体液の試料、分離細胞の試料又は組織もしくは器官からの試料を指す。体液の試料はよく知られた技法によって得ることができ、血液、血漿、血清、尿、リンパ液、痰、腹水、気管支洗浄液又は任意の他の分泌液又はその派生物の試料を含む。組織又は器官試料は、例えば生検によって、任意の組織又は器官から得ることができる。分離細胞は、例えば遠心分離又は細胞選別などの分離技術によって体液又は組織もしくは器官から得ることができる。例えば、細胞、組織又は器官試料は、バイオマーカーを発現するか又は産生する細胞、組織又は器官から得ることができる。試料は凍結、新鮮、固定(例えばホルマリン固定)、遠心分離、及び/又は包埋(例えば、パラフィン包埋)等々の状態でありうる。細胞試料は、勿論、試料中のマーカーの量を評価する前に、様々なよく知られた収集後の調製及び保存技術(例えば、核酸及び/又はタンパク質抽出、固定、保存、凍結、限外濾過、濃縮、蒸発、遠心分離等々)に供することができる。同様に、生検をまた収集後の調製及び保存技術、例えば固定に供することができる。試料は治療前、治療中又は治療後に採取されうる。試料は、AMDに罹患していると疑われているか罹患していると診断されており、よって、治療の必要性が高い患者から、あるいは如何なる疾患も疑われていない正常な個体から採取することができる。
【0157】
ここで使用される「患者を選択する」又は「患者を同定する」なる語句は、抗D因子抗体を含む治療から恩恵を受ける可能性が高いとして患者を同定し又は選択するために患者の試料中におけるリスクアレルの存在に関して生成された情報又はデータを使用することを指す。使用され又は生成される情報又はデータは、文書、口頭又は電子的など、任意の形態でありうる。幾つかの実施態様では、生成された情報又はデータの使用は、連絡、提示、報告、保管、発送、移送、供給、送信、分配、又はそれらの組合せを含む。幾つかの実施態様では、連絡、提示、報告、保管、発送、移送、供給、送信、分配、又はそれらの組合せは、コンピューター装置、アナライザーユニット又はその組合せによって実施される。幾つかの更なる実施態様では、連絡、提示、報告、保管、発送、移送、供給、送信、分配、又はそれらの組合せは、研究室又は医療専門家によって実施される。幾つかの実施態様では、情報又はデータは、リスクアレルが試料中に存在するか又は存在しないとの表示を含む。幾つかの実施態様では、情報又はデータは、患者が抗D因子を含む治療法に応答する可能性が高いとの表示を含む。
【0158】
「治療法を選択する」なる語句は、患者に対する治療法を特定するか又は選択するために患者の試料中におけるリスクアレルの存在に関して生成された情報又はデータを使用することを指す。幾つかの実施態様では、治療法は抗D因子を含みうる。幾つかの実施態様では、「治療法を特定/選択する」なる語句は、投与されている抗D因子の有効量の適応化を必要とする患者の同定を含む。幾つかの実施態様では、治療の推奨は、投与されている抗D因子の量が適合化されることを推奨することを含む。ここで使用される「治療の推奨」なる語句は、また、抗D因子を含む治療法に応答する可能性が高いとして同定されもしくは選択される患者に対して抗D因子を含む治療法を提案し又は選択するために生成された情報又はデータを使用することを指す。幾つかの実施態様では、生成された情報又はデータの使用は、連絡、提示、報告、保管、発送、移送、供給、送信、分配、又はそれらの組合せを含む。幾つかの実施態様では、連絡、提示、報告、保管、発送、移送、供給、送信、分配、又はそれらの組合せは、コンピューター装置、アナライザーユニット又はその組合せによって実施される。幾つかの更なる実施態様では、連絡、提示、報告、保管、発送、移送、供給、送信、分配、又はそれらの組合せは、研究室又は医療専門家によって実施される。幾つかの実施態様では、情報又はデータは、リスクアレルが試料中に存在するか又は存在しないとの表示を含む。幾つかの実施態様では、情報又はデータは、抗D因子を含む治療法が患者に対して適しているとの表示を含む。
【0159】
III.方法
本発明は、補体阻害剤での治療に対する良い候補であろうAMD患者の治療、予後診断、診断及び又は患者集団の選択のための組成物及び方法を提供する。一実施態様では、本発明は、患者における変性疾患(例えばAMD(GA及びCNVを含む))の進行を予後診断する方法であって、患者におけるリスクアレルの存在を判定することを含む方法を提供する。一実施態様では、本発明は、患者における変性疾患(例えばAMD(GA及びCNVを含む))を治療する方法であって、D因子に結合する抗体の有効量を投与することを含み、ここで、患者がAMDに関連したリスクアレルを保有している方法を提供する。幾つかの実施態様では、本発明は、患者における変性疾患(例えばAMD(GA及びCNVを含む))を治療する方法であって、特定の投与計画に従ってD因子に結合するある種の抗体を投与することを含む方法を提供する。幾つかの実施態様では、本発明は、患者における変性疾患(例えばAMD(GA及びCNVを含む))を治療する方法であって、D因子に結合する抗体又はその抗原結合断片の有効量を投与することを含み、ここで、患者が、変性疾患(例えばAMD(GA及びCNVを含む))に関連するリスクアレルに対してヘテロ接合性又はホモ接合性である方法を提供する。幾つかの実施態様では、患者はCFH、CFI、C3、C2及びCFBの一つ、又は全て、又は組合せにリスクアレルを保有する。一実施態様では、抗体又はその抗原結合断片はラムパリズマブである。一実施態様では、本発明は、抗D因子抗体、又はその抗原結合断片での治療に対する変性疾患患者の応答を予測するための方法を提供する。一実施態様では、本発明は、抗D因子抗体、又はその抗原結合断片を用いた変性疾患の患者の治療の治療効果を最適化するための方法を提供する。
【0160】
本発明は、D因子阻害剤(例えば、抗D因子抗体又はその抗原結合断片)の効果と相関する、特定の遺伝子(例えば、補体因子I(CFI)、補体因子H(CFH)、補体成分2(C2)、補体成分3(C3)及び補体因子B(CFB)の一又は複数、及びその組合せ)又はバイオマーカー(例えば、補体因子I(CFI)、補体因子H(CFH)、補体成分2(C2)、補体成分3(C3)及び補体因子B(CFB)のSNP)の使用に部分的には基づいている。よって、開示された方法は、患者を治療するために適切な又は効果的な治療薬を評価する際に有用なデータ及び情報を取得するための簡便で効果的な、かつ潜在的に対費用効果の高い手段を提供する。例えば、試料をAMD患者から得ることができ、その試料を、様々なインビトロアッセイによって検査して、参照試料と比較して発現レベルの一又は複数のバイオマーカーが存在するかどうかを決定することができる。一実施態様では、患者がリスクアレルを保有しているならば、患者は、D因子阻害剤(例えば抗D因子抗体、又はその抗原結合断片、例えばラムパリズマブ)を含む治療法での治療から恩恵を受ける可能性がある。遺伝子又はバイオマーカー又はSNPの存在は、限定しないが、mRNA、cDNA、タンパク質、タンパク質断片及び/又は遺伝子コピー数を含む、当該分野で知られている任意の適切な基準に基づいて決定することができる。
【0161】
試料中のSNP解析は、多くの方法によって血液、組織又は他の体液において分析することができ、その多くは、限定しないが、DNAシークエンシング、RNAシークエンシング、DNAのポリメラーゼ連鎖反応解析、RNAのポリメラーゼ連鎖反応解析、オリゴヌクレオチドベースのハイブリダイゼーション、インサイツハイブリダイゼーション、オリゴヌクレオチドベースのプライマー伸長法、電気泳動法及びHPLCを含め、当該分野でよく知られており、当業者によって理解されている。SNPを検出するための更なる技術は、限定されないが、次の技術を含む:走査型プローブ及びナノポアDNAシークエンシング、ピロシークエンシング、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(DGGE)、テンポラル温度勾配電気泳動法(TTGE)、Zn(II)−サイクレンポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ホモジニアス蛍光PCRベース一塩基多型解析、リン酸塩親和性ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ハイスループットSNPジェノタイピングプラットフォーム、分子指標、5’ヌクレアーゼ反応、Taqmanアッセイ、MassArray(マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析と組み合わせた一塩基伸長法)、トリチルマスタグ、ジェノタイピングプラットフォーム(Invader Assay(登録商標)等)、一塩基プライマー伸長(SBE)アッセイ、PCR増幅(例えば、磁気ナノ粒子(MNP)でのPCR増幅、PCR産物の制限酵素解析(RFLP法)、アレル特異的PCR、マルチプルプライマー伸長法(MPEX)、及び等温smart増幅法、(Methods in Molecular Biology, Single Nucleotide Polymorphisms, 2版, Anton Komar編, Humana Press 2009; 7-28章)、単純配列長多型(SSLP)のPCR増幅、リガーゼ連鎖反応(LCR)、RNase A切断、ヘテロ二本鎖DNAの化学的切断、一本鎖高次構造多型(SSCP)分析(Warren等, Current Protocol in Human Genetics, Supp 15: 7.4.1-7.4.23 (2001)、ビーズチップマイクロアレイ(Lambert等, Current Protocol in Human Genetics, Supp 78: 2.9.1-2.9.3(2013))、一本鎖高次構造多型(SSCP)分析、プライマー一塩基プライマー伸長(SBE)(Deshpande等, Current Protocol in Human Genetics, Supp 34: 13.4.1-13.4.11 (2005))、プライマー伸長アッセイ(Kwok等, Current Protocol in Human Genetics, Supp 39: 2.11.1-2.11.10 (2003)。SNPの存在は、また、(例えば、タンパク質発現又は機能のレベルを調べるための)タンパク質分析ベースの技術、例えばイムノアッセイ(例えばELISA、ELIFA、免疫組織化学的及び/又はウェスタンブロット解析、免疫沈降、分子結合アッセイ、蛍光標識細胞分取(FACS)等、定量的血液ベースアッセイ(例えば血清ELISA等)インサイツハイブリダイゼーション、又は機能アッセイ、例えば生化学酵素活性アッセイ又は細胞ベース系、並びに遺伝子及び/又は組織アレイ解析によって実施されうる広範なアッセイの何れか一つから推測されうる。遺伝子及び遺伝子産物の状態を評価するための典型的なプロトコルは、例えば、Ausubel等編, 1995, Current Protocols In Molecular Biologyのユニット2(ノーザンブロット法)、4(サザンブロット法)、15(免疫ブロット法)、及び18(PCR解析)に見出される。Rules Based Medicineから入手可能なもののようなマルチプレックスイムノアッセイ、ビーズベースのイムノアッセイ、例えばLuminex、ELISA又はMeso Scale Discovery(MSD)をまた使用することができる。
【0162】
本発明のSNP解析に対して感受性があり受け入れられる一つの技術は、例えば米国特許第6627402号に記載されているアレル特異的PCR(AS−PCR)である。この技術は、配列の野生型変異体の存在下で核酸配列中の変異又は多型を検出する。成功裏のアレル特異的PCRでは、標的核酸の所望の変異体が増幅される一方、他の変異体は増幅されず、少なくとも検出可能なレベルでは増幅されない。
【0163】
アレル特異的PCRの識別の一尺度は、二つのアレルを含む増幅反応におけるCt値間の差(ΔCt)である。各増幅反応は、関数のグラフである核酸増幅アッセイの文脈において「増殖曲線」又は「増幅曲線」によって特徴付けられ、ここで、独立変数は、増幅サイクルの数であり、従属変数は、例えばフルオロフォアによって発せられた蛍光のような、各増幅サイクルにおいて測定される増幅に依存した測定可能なパラメーターである。典型的には、増幅に依存した測定可能なパラメーターは、ハイブリダイゼーション時又は核酸ポリメラーゼのヌクレアーゼ活性によるプローブの加水分解時にプローブによって発せされる蛍光の量であり、Holland等, (1991) Proc. Natl. Acad. Sci. 88:7276-7280及び米国特許第5210015号を参照のこと。増殖曲線は、予め定められた大きさの測定可能なパラメーターが達成される多くのサイクルである「閾値」(又はCt値)によって特徴付けられる。より低いCt値はより速い増幅を表す一方、より高いCt値はより遅い増幅を表す。アレル特異的反応の文脈において、二つの鋳型のCt値間の差は反応におけるアレルの差を表す。
【0164】
アレル特異的PCRでは、少なくとも一つのプライマーが、アレル特異的であり、その配列の特異的変異体が存在し、他の変異体が存在するとき生じない(又は悪い効率では生じる、つまり実質的なΔCt)場合のみ(又は優先的に)プライマー伸長が生じる。成功したアレル特異的プライマーの設計は予測不可能な技術である。既知の配列に対してプライマーを設計することは常套的であるが、非常に類似した配列を区別することができるプライマーを設計するための処方は在しない。区別化は、一又は複数の多型性部位を標的とする一又は複数のアレル特異的プライマーが同じ反応混合物中に存在する場合、特にチャレンジングである。
【0165】
典型的には、プライマー中の区別されるヌクレオチド、すなわち、標的配列の一つの変異体のみに一致するヌクレオチドは3’末端ヌクレオチドである。しかしながら、プライマーの3’末端は特異性の多くの決定基の一つに過ぎない。例えば、更なるミスマッチがまた区別化に影響を及ぼしうる。2009年10月20日に出願された米国特許出願第12/582068号(US20100099110として公開)を参照のこと。他のアプローチは、プライマーと標的配列間の塩基対形成を変える非天然又は修飾ヌクレオチドを含めるものである(出典明示によりここに全体が援用される米国特許第6001611号を参照)。伸長速度の減少、よってプライマーの特異性は、反応中に存在する他の核酸の及びミスマッチの配列状況全体を含む多くの要因によって影響を受ける。それぞれの更なるミスマッチに対するこれら外部要因の影響並びに単独であれ組合せであれそれぞれの更なる非天然ヌクレオチドの影響は予測することができない。本出願人は、プライマーの多くの変異体を試験し、驚くべきことに、密接に関連した標的配列を区別するその能力について、ある変異体が劇的に異なっていることを見出した。
【0166】
一実施態様では、本発明は、CFI、C2、CFB、C3又はCFHのそれぞれにおける多型を決定するための特異的なオリゴヌクレオチドを含む。一実施態様では、本発明は、CFI SNP rs4698775、CFH SNP rs1329428及びC2/CFB SNP rs429608のそれぞれにおけるリスクアレルを特異的に検出するための、配列番号:17−41(表9)から選択されるオリゴヌクレオチド並びに該オリゴヌクレオチドに対して少なくとも90%同一で、その3’末端ヌクレオチドを有する変異体を含む。表9において例証されるように、ミスマッチ及び非天然ヌクレオチドは、プライマーとして使用されたオリゴヌクレオチドの3’末端部分内、特に最後の前の5つのヌクレオチド内において生じる。しかしながら、与えられたオリゴヌクレオチドと90%の同一性を共有する幾つかのオリゴヌクレオチドは、また、オリゴヌクレオチドの他の箇所、例えばオリゴヌクレオチドの5’部分に一つ、二つ又は三つのミスマッチを有するものを含む。
【0167】
特定の実施態様では、多型の存在はプローブで検出される。プローブは、放射性、又は発色団(フルオロフォア)標識、例えば、FAM、JA270、CY5ファミリー染料、又はHEX染料を含む標識で標識化されうる。蛍光的に標識されたプローブを使用する検出の一例として、変異をリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(rt−PCR)によって検出することができ、ここで、プローブのハイブリダイゼーションがプローブの酵素消化と得られる蛍光の検出を生じさせる(TaqMan
TM probe method, Holland等(1991) P.N.A.S. USA 88:7276-7280)。表9は、CFI SNP rs4698775、CFH SNP rs1329428及びC2/CFB SNP rs429608のそれぞれにおけるリスクアレルを検出するための例示的なプローブを列挙するものである。別法では、増幅産物及び多型の存在は、例えばSambrook, J.及びRussell, D.W. (2001) Molecular Cloning, 3版 CSHL Press, 5及び9章に記載されているように、ゲル電気泳動と続く染色又はブロッティング及びハイブリダイゼーションによって検出することができる。
【0168】
「蛍光色素」又は「フルオロフォア」は、適切な波長の光によって励起されると光放射を発することができる、例えば核酸に結合した化合物又は部分である。典型的な蛍光色素は、ローダミン色素、シアニン色素、フルオレセイン色素及びBODIPY(登録商標)色素を含む。フルオロフォアは蛍光発色団である。「FRET」又は「蛍光共鳴エネルギー移動」又は「フェルスター共鳴エネルギー移動」」は少なくとも二つの発色団、ドナー発色団とアクセプター発色団 (クエンチャーと称される)との間のエネルギーの移動である。ドナーは、典型的には、ドナーが適切な波長の光放射によって励起されるとき、エネルギーをアクセプターに移動させる。アクセプターは「ダーク」クエンチャーである場合、移動されたエネルギーを光以外の形態で消散させる。一般的に使用されるダーククエンチャーは、BlackHoleクエンチャー
TM(BHQ),Biosearch Technologies社(Novato, Cal.)、Iowa Black
TM,Integrated DNA Tech社(Coralville, Iowa)、BlackBerry
TMクエンチャー650(BBQ−650),Berry & Assoc.,(Dexter, Mich.)である。一般に使用されるドナー−クエンチャー対は、FAM−BHQ対、CY5−BHQ対及びHEX−BHQ対を含む。
【0169】
バイオマーカー又はSNPを含む試料は当該分野でよく知られている方法によって得ることができる。定義を参照。また、治療の進捗は、SNPに対してそのような身体の試料を試験することによって容易にモニターすることができる。
【0170】
ジェノタイピングアレイを使用してDNA又はRNAを解析し、SNP又は他の遺伝的機構の存在を検出することができる。一つのそのような例は、>700Kの遺伝子座を含む市販のマイクロアレイであるイルミナベースのアレイ技術(Oliphant等, Biotechniques, Supp: 56-8, 60-1 (2002))であり、DNA及びRNA解析(例えば、核酸試料中のSNPの同定)に使用される一般的な方法である。イルミナマイクロアレイ技術は、光ファイバー束又は平面状シリカスライドの二つの基質の何れかでマイクロウェル中で自己集合する3ミクロンのシリカビーズを利用する。各ビーズは、捕捉配列として作用する何十万コピーもの特異的オリゴヌクレオチドで被覆される。
【0171】
組織又は細胞試料中における選択された遺伝子又はバイオマーカーの発現をまた機能的又は活性ベースのアッセイによって検査することができる。例えば、バイオマーカーが酵素である場合、当該分野で知られているアッセイを実施して、組織又は細胞試料中における与えられた酵素活性の存在を決定又は検出することができる。
【0172】
検査結果に基づく患者のSNP状態はレポートとして提供されうる。レポートは文書資料(例えば紙又はデジタル形態、又はインターネット上)又は口頭での説明(例えば人が直接(生)又は録音録画)の任意の形でありうる。レポートは、患者がD因子阻害剤での治療から恩恵を受けうるか又はそれに応答する可能性があることを医療専門家(例えば医師)に更に示していてもよい。
【0173】
本発明のキットは多くの実施態様を有する。ある実施態様では、キットは、容器と、該容器上のラベルと、該容器内に収容される組成物を含み;ここで、組成物は、SNPに対する自己抗体に対応する一又は複数の標的ポリペプチド配列に結合する一又は複数の一次抗体を含み、容器上のラベルは、少なくとも一つのタイプの哺乳動物細胞中における一又は複数の標的タンパク質の存在を評価するために組成物を使用することができることを示し、また少なくとも一つのタイプの哺乳動物細胞中における一又は複数の標的タンパク質の存在を評価するために抗体を使用するための指示書を含む。キットは、組織試料を調製し、抗体とプローブを組織試料の同じ切片に適用するための指示書と材料のセットを更に含みうる。キットは、一次及び二次双方の抗体を含み得、二次抗体は例えば酵素標識のような標識にコンジュゲートされる。
【0174】
一実施態様では、対象は、AMDを治療するための薬剤、例えば免疫抑制剤で過去に決して治療されておらず、及び/又はD因子に対する抗体又はその抗原結合断片で過去に決して治療されていない。他の実施態様では、対象は、変性疾患を治療するための薬剤で過去に治療されており、及び/又はそのような抗体で過去に治療されている。他の実施態様では、抗D因子抗体又はその抗原結合断片は、変性疾患を治療するために対象に投与された唯一の医薬である。他の実施態様では、抗D因子抗体又はその抗原結合断片はAMDを治療するために使用される医薬の一つである。
【0175】
抗体は、非経口、局所、皮下、腹腔内、肺内、鼻内、病変内及び/又は硝子体内投与を含む任意の適切な手段によって投与される。非経口注入は、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、又は皮下投与を含む。くも膜下腔内投与もまた考えられる。また、抗体は、例えば減少用量の抗体を用いて、パルス注入によって適切に投与されうる。好ましくは、投薬は、静脈内又は皮下的に、より好ましくは静脈内注入によって投与される。各曝露は、同じ又は異なった投与手段を使用してもたらされうる。一実施態様では、各曝露はIVT投与による。
【0176】
抗D因子抗体又はその抗原結合断片と共に第二の医薬、例えばVEGFアンタゴニスト又は抗体を投与してもよい。
【0177】
例えば、抗体は、抗VEGF薬、例えば(アバスチン(ベバシズマブ)又はルセンティス(ラニビズマブ))又は他のD因子アンタゴニスト/抗体又はその抗原結合断片と組み合わせてもよい。
【0178】
そのような第二の医薬のより特定の例は、抗D因子抗体又はその抗原結合断片が第一の医薬と呼ばれる場合、VEGFアンタゴニスト又は抗体を含む。
【0179】
これらの第二の医薬は、一般的に、上で使用されたものと同じ用量及び同じ投与経路で、又は上で用いられた用量の約1から99%で使用される。このような第二の医薬が仮に使用される場合、好ましくは、それらは、抗D因子抗体又はその抗原結合断片が、特に抗体の初回投与量を超えた続く投与量では存在しないならば、それにより引き起こされる副作用を除くか又は低減するため、より少ない量で使用される。
【0180】
第二の医薬が抗体曝露と共に有効量で投与される場合、それは任意の曝露によって、例えば一回の曝露だけで、又は一回を超える曝露で投与されてもよい。一実施態様では、第二の医薬は初期曝露と共に投与される。他の実施態様では、第二の医薬は初期曝露と第二曝露と共に投与される。より更なる実施態様では、第二の医薬は全ての曝露と共に投与される。
【0181】
併用投与には、異なる製剤又は単一の薬学的製剤を用いての共投与(同時投与)、及び何れかの順番での逐次的投与が含まれ、両方(又は全て)の活性薬剤が同時にそれらの生物活性を発揮する期間があることが好ましい。好ましい実施態様では、初期曝露後、特に薬剤が副腎皮質ステロイドである場合に、このような薬剤の量を減じるか除去して、プレドニゾン及びシクロホスファミドなどの副作用を有する薬剤への対象の曝露を減らす。他の実施態様では、第二の医薬の量は減じられないか又は取り除かれない。
【0182】
IV.D因子抗体又はその抗原結合断片の抗体
当該分野で知られている任意のD因子抗体又はその断片を、ここに記載の方法において使用することができる。例えば、一実施態様では、本発明において使用されうる抗D因子抗体は米国特許第8067002号又は同第8273352号に開示されたものの何れかであり、これら抗体のキメラ、ヒト化、又はヒト型(キメラ、ヒト化、又はヒト型がまだないのであれば)を更に含み得、その断片又は派生体を更に含みうる。
【0183】
幾つかの実施態様では、抗ヒトD因子モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、少なくともヒトD因子に結合し、その生物学的活性を中和する。ある実施態様では、ヒトD因子モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、問題のヒトD因子の生物学的活性を有意に減少させるか又は除去することができる。一実施態様では、ヒトD因子モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、対象のヒトD因子の生物学的活性の少なくとも60%、又は少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、更により好ましくは少なくとも85%、尚もより好ましくは少なくとも90%、尚もより好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%を中和させることができる。結合及び中和アッセイは当該分野でよく知られている。所望の結合及び中和特性を有する抗体のスクリーニングに有用なアッセイについては、例えば米国特許第7087726号を参照のこと。
【0184】
ある実施態様では、抗D因子抗体、又はその抗原結合断片は、D因子による代替経路溶血を、代替経路溶血アッセイによって決定して、少なくとも約60%、又は少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、更により好ましくは少なくとも85%、尚もより好ましくは少なくとも90%、尚もより好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%、減少させることができる。
【0185】
幾つかの実施態様では、抗D因子モノクローナル抗体は、次のHVR
(a)式ITSTDIDDDMN(配列番号:1)のL1;
(b)式GGNTLRP(配列番号:2)のL2;及び
(c)式LQSDSLPYT(配列番号:3)のL3;及び/又は
(d)式GYTFTNYGMN(配列番号:4)のH1;
(e)式WINTYTGETTYADDFKG(配列番号:5)のH2;及び
(f)式EGGVNN(配列番号:6)のH3
を含む。
ある実施態様では、抗ヒトD因子モノクローナル抗体は、その重鎖及び軽鎖可変ドメインにそれぞれ
EVQLVQSGPELKKPGASVKVSCKASGYTFTNYGMNWVRQAPGQGLEWMGWINTYTGETTYADDFKGRFVFSLDTSVSTAYLQISSLKAEDTAVYYCEREGGVNNWGQGTLVTVSS(配列番号:7)及び
DIQVTQSPSSLSASVGDRVTITCITSTDIDDDMNWYQQKPGKVPKLLISGGNTLRPGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDVATYYCLQSDSLPYTFGQGTKVEIK(配列番号:8)
のアミノ酸配列を含む。
【0186】
ある実施態様では、抗D因子抗体は、以下に示される配列番号:15及び配列番号:16の配列を含み、ここで、238−1は米国特許第8273352号に記載された特定のヒト化抗D因子Fabを指す:
ヒト化抗D因子Fabの重鎖配列(238−1):
EVQLVQSGPELKKPGASVKVSCKASGYTFTNYGMNWVRQAPGQGLEWMGWINTYTGETTYADDFKGRFVFSLDTSVSTAYLQISSLKAEDTAVYYCEREGGVNNWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHT(配列番号:15)
ヒト化抗D因子Fabの軽鎖配列(238−1):
DIQVTQSPSSLSASVGDRVTITCITSTDIDDDMNWYQQKPGKVPKLLISGGNTLRPGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDVATYYCLQSDSLPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号:16)
他の実施態様では、抗体は、配列番号:15及び配列番号:16の可変領域配列を含む。他の実施態様では、抗体は、配列番号:15及び配列番号:16のHVR配列を含む。他の実施態様では、抗体は、配列番号:15及び配列番号:16のHVR配列に対して95%以上同一であるHVR配列を含み、及び/又は配列番号:15及び配列番号:16のHVR配列に対して95%同一であるHVR配列を含む抗体を含む。
【0187】
上記実施態様の何れかにおいて、抗D因子抗体はヒト化型でもよい。一実施態様では、抗D因子抗体は、上記実施態様の何れかにおけるようなHVRを含み、アクセプターヒトフレームワーク、例えば、ヒト免疫グロブリンフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワークを更に含む。
【0188】
他の態様では、抗D因子抗体は、配列番号:15のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列を含む。ある実施態様では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の同一性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、又は欠失を含むが、その配列を含むD因子抗体はD因子に結合する能力を保持する。ある実施態様では、全体で1から10のアミノ酸が、配列番号:15において置換され、挿入され及び/又は欠失されている。ある実施態様では、置換、挿入、又は欠失はHVRの外側の領域内で(つまり、FR内で)生じる。場合によっては、抗D因子抗体は、その配列の翻訳後修飾を含み、配列番号:15のVH配列を含む。
【0189】
他の態様では、抗D因子抗体は、配列番号:16のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する軽鎖可変ドメイン(VL)配列を含む。ある実施態様では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の同一性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、又は欠失を含むが、その配列を含むD因子抗体はD因子に結合する能力を保持する。
ある実施態様では、全体で1から10のアミノ酸が、配列番号:16において置換され、挿入され及び/又は欠失されている。ある実施態様では、置換、挿入、又は欠失はHVRの外側の領域内で(つまり、FR内で)生じる。場合によっては、抗D因子抗体は、その配列の翻訳後修飾を含み、配列番号:16のVL配列を含む。
【0190】
他の態様では、D因子抗体が提供され、ここで、該抗体は上で提供された実施態様の何れかのVHと、上で提供された実施態様の何れかのVLとを含む。
【0191】
更なる態様では、本発明は他のD因子抗体と同じエピトープに結合する抗体を提供する。一実施態様では、本発明は、ここで提供されるD因子抗体と同じエピトープに結合する抗体を提供する。一実施態様では、抗D因子抗体は、アミノ酸配列ITSTDIDDDMN(配列番号:1)を含むHVR−L1、アミノ酸配列GGNTLRP(配列番号:2)を含むHVR−L2、及びアミノ酸配列LQSDSLPYT(配列番号:3)を含むHVR−L3を含む軽鎖;及び/又はアミノ酸配列GYTFTNYGMN(配列番号:4)を含むHVR−H1、アミノ酸配列WINTYTGETTYADDFKG(配列番号:5)を含むHVR−H2、及びアミノ酸配列EGGVNN(配列番号:6)を含むHVR−H3を含む重鎖を含む抗D因子抗体が結合するD因子上の同じエピトープに結合する。一実施態様では、抗D因子抗体は、配列番号:7のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性の重鎖可変領域配列;及び/又は配列番号:8のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性の軽鎖可変領域配列を含む抗体が結合するD因子上の同じエピトープに結合する。一実施態様では、抗D因子抗体は、配列番号:7のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;及び/又は配列番号:8のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む抗体が結合するD因子上の同じエピトープに結合する。一実施態様では、抗D因子抗体は、配列番号:15のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性の重鎖配列;及び/又は配列番号:16のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性の軽鎖配列を含む抗体が結合するD因子上の同じエピトープに結合する。一実施態様では、抗D因子抗体は、配列番号:15のアミノ酸配列を含む重鎖;及び/又は配列番号:16のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗体が結合するD因子上の同じエピトープに結合する。一実施態様では、抗D因子抗体は、CAS登録番号1278466−20−8を有するラムパリズマブが結合するD因子上の同じエピトープに結合する。
【0192】
更なる態様では、本発明は、抗D因子抗体のその各抗原エピトープへの結合を競合的に阻害する抗体を提供する。例えば、ある実施態様では、抗D因子抗体は、アミノ酸配列ITSTDIDDDMN(配列番号:1)を含むHVR−L1、アミノ酸配列GGNTLRP(配列番号:2)を含むHVR−L2、及びアミノ酸配列LQSDSLPYT(配列番号:3)を含むHVR−L3を含む軽鎖;及び/又はアミノ酸配列GYTFTNYGMN(配列番号:4)を含むHVR−H1、アミノ酸配列WINTYTGETTYADDFKG(配列番号:5)を含むHVR−H2、及びアミノ酸配列EGGVNN(配列番号:6)を含むHVR−H3を含む重鎖を含む抗D因子抗体のその各抗原エピトープへの結合を競合的に阻害する。一実施態様では、抗D因子抗体は、配列番号:7のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性の重鎖可変領域配列;及び/又は配列番号:8のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性の軽鎖可変領域配列を含む抗体のその各抗原エピトープへの結合を競合的に阻害する。一実施態様では、抗D因子抗体は、配列番号:7のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;及び/又は配列番号:8のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む抗体のその各抗原エピトープへの結合を競合的に阻害する。一実施態様では、抗D因子抗体は、配列番号:15のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性の重鎖配列;及び/又は配列番号:16のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性の軽鎖配列を含む抗体が結合するD因子上の同じエピトープに結合する。一実施態様では、抗D因子抗体は、配列番号:15のアミノ酸配列を含む重鎖;及び/又は配列番号:16のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗体が結合するD因子上の同じエピトープに結合する。一実施態様では、抗D因子抗体は、CAS登録番号1278466−20−8を有するラムパリズマブのその各抗原エピトープへの結合を競合的に阻害する。
【0193】
本発明の更なる態様では、上記実施態様の何れかに係るD因子抗体は、キメラ、ヒト化又はヒト抗体を含むモノクローナル抗体である。一実施態様では、D因子抗体は、抗体断片、例えばFv、Fab、Fab’、scFv、ダイアボディ、又はF(ab’)2断片である。他の実施態様では、抗体は完全長抗体、例えばインタクトなIgG1又はIgG4抗体あるいはここに定義された他の抗体クラス又はアイソタイプである。他の実施態様では、抗体は二重特異性抗体である。
【0194】
更なる態様では、上記実施態様の何れかに係るD因子抗体は、以下のセクションIV及びセクションVに記載されるような、特徴の何れかを単独で又は組み合わせて含めてもよい。
【0195】
幾つかの実施態様では、抗D因子モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、ラムパリズマブ(Lampalizumab)と命名されたUSAN Councilにより採用された非占有名を有する抗ヒトD因子モノクローナル抗体と同一であるアミノ酸配列を有する。他の実施態様では、抗ヒトD因子モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、ラムパリズマブに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有する。米国特許第8067002号又は同第8273352号を参照のこと。ある実施態様では、抗ヒトD因子モノクローナル抗体はラムパリズマブである。幾つかの実施態様では、抗ヒトD因子モノクローナル抗体は、CAS登録番号1278466−20−8で開示されたアミノ酸配列を有する。
【0196】
幾つかの実施態様では、抗ヒトD因子モノクローナル抗体は次の配列によってコードされるHVRを含む:
(a)式ATTACCAGCACTGATATTGATGATGATATGAAC(配列番号:9)のL1;
(b)式GGAGGCAATACTCTTCGTCCT(配列番号:10)のL2;
(c)式TTGCAAAGTGATTCTTTGCCGTACACG(配列番号:11)のL3;
(d)式GGATACACCTTCACTAACTATGGAATGAAC(配列番号:12)のH1;
(e)式TGGATTAACACCTACACTGGAGAGACAACATATGCTGACGACTTCAAGGGA(配列番号:13)のH2;及び
(f)式GAGGGGGGGGTTAATAAC(配列番号:14)のH3。
【0197】
V.抗体の産生
本発明の方法及び製造品では、D因子に結合する抗体を使用し、又は導入しうる。従って、そのような抗体を産生する方法がここに記載される。
【0198】
抗体の生産又はそのスクリーニングに使用されるD因子抗原は、例えば所望のエピトープを含むD因子の可溶型又はその一部でありうる。あるいは、又は加えて、その細胞表面にD因子を発現する細胞を、抗体を産生し、又はスクリーニングするために使用することができる。抗体を産生させるのに有用なD因子の他の形態は当業者には明らかであろう。
【0199】
本発明において使用される抗体の産生のための例示的な技術について以下に説明する。
【0200】
(i)ポリクローナル抗体
ポリクローナル抗体は、好ましくは、関連する抗原とアジュバントを複数回皮下(sc)又は腹腔内(ip)注射することにより動物において産生される。免疫化される種において免疫原性であるタンパク質、例えばキーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン、又は大豆トリプシンインヒビターに関連抗原を、二官能性又は誘導体形成剤、例えばマレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基による結合)、N−ヒドロキシスクシンイミド(リジン残基による)、グルタルアルデヒド、無水コハク酸、SOCl
2、又はRとR
1が異なったアルキル基であるR
1N=C=NRを使用して結合させることが有用でありうる。
【0201】
動物を、例えばタンパク質又はコンジュゲート100μg又は5μg(それぞれウサギ又はマウスの場合)を完全フロイントアジュバント3体積と併せ、該溶液を複数部位に皮内注射することによって、抗原、免疫原性コンジュゲート、又は誘導体に対して免疫化する。1ヶ月後、動物を、完全フロイントアジュバントに入れた元の量の1/5ないし1/10のペプチド又はコンジュゲートを用いて複数部位に皮下注射することにより、追加免疫する。7ないし14日後に動物を採血し、抗体価について血清を検定する。動物は、力価がプラトーに達するまで追加免疫する。好ましくは、動物は、同じ抗原のコンジュゲートであるが、異なったタンパク質にコンジュゲートさせた、及び/又は異なった架橋剤によってコンジュゲートさせたコンジュゲートで追加免疫する。コンジュゲートはまたタンパク融合体として組換え細胞培養中で作製することもできる。また、ミョウバンのような凝集化剤が、免疫反応の増強のために好適に使用される。
【0202】
(ii)モノクローナル抗体
モノクローナル抗体は、実質的に均一な抗体の集団から得られる、すなわち、その集団を構成する個々の抗体が、モノクローナル抗体の生産中に生じ、一般には少量で存在する可能な変異体を除いて、同一であり、及び/又は同じエピトープに結合する。よって、「モノクローナル」との修飾語は、離散した又はポリクローナル抗体の混合物ではないという抗体の性質を示す。
【0203】
例えば、モノクローナル抗体は、Kohler等, Nature, 256:495 (1975)により最初に記載されたハイブリドーマ法を用いて作製でき、又は組換えDNA法(米国特許第4816567号)によって作製することができる。
【0204】
ハイブリドーマ法においては、マウス又はその他の適当な宿主動物、例えばハムスターをここに記載されるようにして免疫し、免疫化に用いられるタンパク質と特異的に結合する抗体を産生するか又は産生することのできるリンパ球を導き出す。別法として、リンパ球をインビトロで免疫することもできる。次に、リンパ球を、ポリエチレングリコールのような適当な融剤を用いてミエローマ細胞と融合させ、ハイブリドーマ細胞を形成する(Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, p59-103(Academic Press, 1986))。
【0205】
このようにして調製されたハイブリドーマ細胞を、融合していない親のミエローマ細胞の増殖又は生存を阻害する一又は複数の物質を好ましくは含む適当な培地に蒔き、増殖させる。例えば、親のミエローマ細胞が酵素ヒポキサンチングアニジンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT又はHPRT)を欠くならば、ハイブリドーマのための培地は、典型的には、HGPRT欠損細胞の増殖を妨げる物質であるヒポキサンチン、アミノプテリン及びチミジンを含むであろう(HAT培地)。
【0206】
好ましいミエローマ細胞は、効率的に融合し、選択された抗体産生細胞による抗体の安定な高レベルの生産を支援し、HAT培地のような培地に対して感受性であるものである。これらの中でも、好ましいミエローマ株化細胞は、マウスミエローマ系、例えば、Salk Institute Cell Distribution Center,San Diego,California USAから入手し得るMOPC−21及びMPC−11マウス腫瘍、及びアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、Rockville,Maryland USAから入手し得るSP−2又はX63−Ag8−653細胞から誘導されたものである。ヒトミエローマ及びマウス−ヒトヘテロミエローマ細胞株もまたヒトモノクローナル抗体の産生のために開示されている(Kozbor, J.Immunol., 133:3001 (1984);Brodeur等, Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, p51-63(Marcel Dekker, Inc., New York, 1987))。
【0207】
ハイブリドーマ細胞が増殖している培地が、抗原に対するモノクローナル抗体の産生についてアッセイされる。好ましくは、ハイブリドーマ細胞により産生されるモノクローナル抗体の結合特異性が、免疫沈降又はインビトロ結合アッセイ、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)又は酵素結合免疫吸着検定(ELISA)によって測定される。
【0208】
モノクローナル抗体の結合親和性は、例えばMunson等, Anal. Biochem., 107:220 (1980)のスキャッチャード解析によって決定されうる。
【0209】
所望の特異性、親和性、及び/又は活性の抗体を産生するハイブリドーマ細胞が同定された後、該クローンを限界希釈法によりサブクローニングし、標準的な方法により増殖させることができる(Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, p59-103(Academic Press, 1986))。この目的に対して好適な培地には、例えば、D−MEM又はRPMI−1640培地が含まれる。加えて、該ハイブリドーマ細胞は、動物において腹水腫瘍としてインビボで増殖させることができる。
【0210】
サブクローンにより分泌されたモノクローナル抗体は、例えばプロテインA-セファロース
TM架橋アガロース、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、又はアフィニティクロマトグラフィーのような常套的な免疫グロブリン精製法により、培地、腹水、又は血清から好適に分離される。
【0211】
モノクローナル抗体をコードしているDNAは、常法を用いて(例えば、マウス抗体の重鎖及び軽鎖をコードしている遺伝子に特異的に結合できるオリゴヌクレオチドプローブを用いることにより)直ぐに分離され配列決定される。ハイブリドーマ細胞は、このようなDNAの供給源となる。ひとたび分離されたならば、DNAを発現ベクター中に入れ、ついでこれを、そうしないと免疫グロブリンタンパク質を産生しない大腸菌細胞、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、又はミエローマ細胞のような宿主細胞中にトランスフェクトし、組換え宿主細胞中でモノクローナル抗体の合成を達成することができる。抗体をコードするDNAの細菌中での組換え発現に関する概説文献は、Skerra等, Curr. Opinion in Immunol., 5:256-262 (1993)及びPluckthun, Immunol. Revs., 130:151-188 (1992)を含む。
【0212】
更なる実施態様では、抗体又は抗体断片は、McCafferty等, Nature, 348:552-554 (1990)に記載された技術を使用して作製される抗体ファージライブラリーから単離することができる。Clackson等, Nature, 352:624-628 (1991)及びMarks等, J. Mol. Biol., 222:581-597 (1991)は、ファージライブラリーを使用するマウス及びヒト抗体のそれぞれの単離を記述している。次の刊行物は、鎖シャッフリングによる高親和性(nM範囲)ヒト抗体の生産(Marks等, Bio/Technology, 10:779-783 (1992))、並びに非常に大きいファージライブラリーを構築するための組合せの感染及びインビボ組換え(Waterhouse等, Nuc. Acids. Res., 21:2265-2266 (1993))を記述している。よって、これらの技術はモノクローナル抗体の単離のための伝統的なモノクローナル抗体ハイブリドーマ技術の実行可能な代替法である。
【0213】
DNAは、また例えばヒト重鎖及び軽鎖定常ドメインのコード化配列を相同的マウス配列に代えて置換することにより(米国特許第4816567号;Morrison等, Proc. Nat. Acad. Sci., USA, 81:6851 (1984))、又は免疫グロブリンコード配列に非免疫グロブリンポリペプチドのコード配列の全部又は一部を共有結合させることによって、修飾できる。
【0214】
典型的には、このような非免疫グロブリンポリペプチドは、抗体の定常ドメインに置換され、又は抗体の一つの抗原結合部位の可変ドメインに置換されて、抗原に対する特異性を有する一つの抗原結合部位と異なる抗原に対する特異性を有するもう一つの抗原結合部位を含むキメラ二価抗体がつくり出される。
【0215】
(iii)ヒト化抗体
非ヒト抗体をヒト化する方法は当該分野において記載されている。好ましくは、ヒト化抗体には非ヒト由来の一又は複数のアミノ酸残基が導入されている。これら非ヒトアミノ酸残基は、しばしば、典型的には「移入」可変ドメインから取られる「移入」残基と呼ばれる。ヒト化は、本質的には高頻度可変領域配列をヒト抗体の該当する配列に置換することによりウィンターと共同研究者の方法(Jones等, Nature, 321:522-525 (1986);Riechmann等, Nature, 332:323-327 (1988);Verhoeyen等, Science, 239:1534-1536(1988))に従って実施することができる。従って、このような「ヒト化」抗体は、インタクトなヒト可変ドメインより実質的に少ない分が非ヒト種由来の対応する配列で置換されているキメラ抗体(米国特許第4816567号)である。実際には、ヒト化抗体は、典型的には幾らかの高頻度可変領域残基と場合によっては幾らかのFR残基が齧歯類抗体の類似部位からの残基によって置換されているヒト抗体である。
【0216】
抗原性を低減するには、ヒト化抗体を生成する際に使用されるヒトの軽重両方の可変ドメインの選択が非常に重要である。いわゆる「ベストフィット」法では、齧歯動物抗体の可変ドメインの配列を既知のヒト可変ドメイン配列のライブラリー全体に対してスクリーニングする。次に齧歯動物のものと最も近いヒト配列をヒト化抗体のヒトフレームワーク領域(FR)として受け入れる(Sims等, J. Immunol., 151:2296 (1993);Chothia等, J. Mol. Biol., 196:901(1987))。他の方法では、軽鎖又は重鎖の可変領域の特定のサブグループのヒト抗体全てのコンセンサス配列から誘導される特定のフレームワーク領域を使用する。同じフレームワークを幾つかの異なるヒト化抗体に使用できる(Carter等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:4285 (1992);Presta等, J. Immunol., 151:2623(1993))。
【0217】
更に、抗体を、抗原に対する高親和性や他の好ましい生物学的性質を保持してヒト化することが重要である。この目標を達成するべく、好ましい方法によれば、親及びヒト化配列の三次元モデルを使用して、親配列及び様々な概念的ヒト化産物の分析方法によってヒト化抗体を調製する。三次元免疫グロブリンモデルは一般的に入手可能であり、当業者にはよく知られている。選択された候補免疫グロブリン配列の推測三次元立体配座構造を図解し、表示するコンピュータプログラムが入手可能である。これら表示を調べることで、候補免疫グロブリン配列の機能における残基のありそうな役割の分析、すなわち候補免疫グログリンのその抗原との結合能力に影響を及ぼす残基の分析が可能になる。このようにして、例えば標的抗原に対する親和性が高まるといった、望ましい抗体特性が達成されるように、FR残基をレシピエント及び移入配列から選択し、組み合わせることができる。一般的に、高頻度可変領域残基は、直接的かつ最も実質的に抗原結合性に影響を及ぼしている。
【0218】
(iv)ヒト抗体
ヒト化のための別法として、ヒト抗体を生産することができる。例えば、内因性の免疫グロブリン産生がなくともヒト抗体の全レパートリーを免疫化時に産生することのできるトランスジェニック動物(例えば、マウス)を作製することが今は可能である。例えば、キメラ及び生殖系列突然変異体マウスにおける抗体重鎖結合領域(J
H)遺伝子の同型接合除去が内因性抗体産生の完全な阻害をもたらすことが記載されている。このような生殖系列突然変異体マウスにおけるヒト生殖系列免疫グロブリン遺伝子列の転移は、抗原投与時にヒト抗体の産生をもたらす。例えば、Jakobovits等, Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 90:2551 (1993);Jakobovits等, Nature 362:255-258 (1993);Bruggerman等, Year in Immuno., 7:33 (1993);及び米国特許第5591669号、同第5589369号及び同第5545807号を参照のこと。
【0219】
あるいは、ファージディスプレイ技術(McCafferty等, Nature 348:552-553(1990))を、非免疫化ドナーからの免疫グロブリン可変(V)ドメイン遺伝子レパートリーから、インビトロでヒト抗体及び抗体断片を産出させるために使用することができる。この技術によれば、抗体Vドメイン遺伝子は、糸状バクテリオファージ、例えばM13又はfdの大きい又は小さいコートタンパク質遺伝子の何れかにおいてインフレームでクローニングされ、ファージ粒子の表面に機能的抗体断片としてディスプレイされる。糸状粒子がファージゲノムの一本鎖DNAコピーを含んでいるので、抗体の機能特性に基づく選択により、その特性を示す抗体をコードする遺伝子の選択がまたなされる。よって、ファージはB細胞の特性の幾つかを模倣する。ファージディスプレイは多様な形式で実施されうる;その概説については、例えばJohnson, Kevin S. 及びChiswell, David J., Current Opinion in Structural Biology 3:564-571(1993)を参照のこと。V遺伝子セグメントの幾つかの供給源がファージディスプレイのために使用されうる。Clackson等, Nature, 352:624-628(1991)は、免疫化されたマウス脾臓から得られたV遺伝子の小さいランダム組合せライブラリーからの抗オキサゾロン抗体の多様な配列を単離した。非免疫化ヒトドナーからのV遺伝子のレパートリーを構築することができ、抗原(自己抗原を含む)の多様なアレイに対する抗体を、Marks等, J. Mol. Biol. 222:581-597(1991)、又はGriffith等, EMBO J. 12:725-734(1993)に記載の技術に本質的に従って、単離することができる。また米国特許第5565332号及び同第5573905号を参照のこと。
【0220】
ヒト抗体はまたインビトロ活性化B細胞によって産生させることもできる(米国特許第5567610号及び同第5229275号を参照)。
【0221】
(v)抗体断片
抗体断片を生産するために様々な技術が開発されている。伝統的には、これらの断片は、インタクトな抗体のタンパク分解性消化を介して誘導されていた(例えば、Morimoto等, Journal of Biochemical and Biophysical Methods 24:107-117 (1992)及びBrennan等, Science, 229:81(1985)を参照のこと)。しかし、これらの断片は現在は組換え宿主細胞により直接生産することができる。例えば、抗体断片は上で検討した抗体ファージライブラリーから単離することができる。別法として、Fab'-SH断片は大腸菌から直接回収することができ、化学的に結合させてF(ab’)
2断片を形成することができる(Carter等, Bio/Technology 10:163-167(1992))。抗体断片の生産のための他の技術は当業者には明らかであろう。他の実施態様では、選択抗体は単鎖Fv断片(scFV)である。国際公開第93/16185号;米国特許第5571894号;及び米国特許第5587458号を参照のこと。また、抗体断片は、例えば米国特許第5641870号に記載されているような「直鎖状抗体」であってもよい。このような直鎖状抗体断片は単一特異性又は二重特異性でありうる。
【0222】
(vi)二重特異性抗体
二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なるエピトープに対して結合特異性を有する抗体である。例示的な二重特異性抗体は、D因子抗原の2つの異なるエピトープに結合しうる。あるいは、抗D因子結合アームは、FcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)及びFcγRIII(CD16)等のIgG(FcγR)に対するFcレセプター、又はT細胞レセプター分子(例えばCD2又はCD3)等の白血球上のトリガー分子に結合するアームと組み合わされうる。また、二重特異性抗体は細胞傷害剤を局在化するためにも使用されうる。これらの抗体はD因子結合アーム及び細胞傷害剤(例えば、サポリン、ビンカアルカロイド、リシンA鎖、メトトレキセート又は放射性同位体ハプテン)と結合するアームを有する。二重特異性抗体は完全長抗体又は抗体断片(例えばF(ab’)
2二重特異性抗体)として調製することができる。
【0223】
二重特異性抗体を作製する方法は当該分野において知られている。完全長二重特異性抗体の伝統的な産生は二つの免疫グロブリン重鎖軽鎖対の同時発現に基づき、ここで二つの鎖は異なる特異性を持っている(Millstein等, Nature, 305:537-539(1983))。免疫グロブリン重鎖及び軽鎖が無作為に取り揃えられているため、これらのハイブリドーマ(四部雑種)は10個の異なる抗体分子の可能性ある混合物を産生し、そのうちただ一つが正しい二重特異性構造を有する。通常、アフィニティークロマトグラフィー工程により行われる正しい分子の精製は、かなり煩わしく、生成物収率は低い。同様の手順が国際公開第93/8829号及びTraunecker等、EMBO J. 10:3655-3659(1991)に開示されている。
【0224】
異なったアプローチ法によれば、所望の結合特異性を有する抗体可変ドメイン(抗体−抗原結合部位)が免疫グロブリン定常ドメイン配列に融合される。融合は、好ましくは、ヒンジ、CH2、及びCH3領域の少なくとも一部を含む免疫グロブリン重鎖定常ドメインとである。軽鎖結合に必要な部位を含む第一の重鎖定常領域(CH1)が融合体の少なくとも一つに存在するのが好ましい。免疫グロブリン重鎖融合体をコードするDNAと、所望されるならば、免疫グロブリン軽鎖が別個の発現ベクターに挿入され、適切な宿主生物中に同時形質移入される。これは、構築に使用される3つのポリペプチド鎖の不等の比が最適な収率をもたらす実施態様において3つのポリペプチド断片の相互の割合の調節に多大な柔軟性をもたらす。しかしながら、等しい比の少なくとも二つのポリペプチド鎖の発現が高収率となるとき、又は比が特に意義を持たない場合に二つ又は三つ全てのポリペプチド鎖のコード配列を一つの発現ベクターに挿入することができる。
【0225】
このアプローチ法の幾つかの実施態様では、二重特異性抗体は、第一の結合特異性を有する一方のアームのハイブリッド免疫グロブリン重鎖と他方のアームのハイブリッド免疫グロブリン重鎖-軽鎖対(第二の結合特異性を提供する)とからなる。二重特異性分子の半分にしか免疫グロブリン軽鎖がないと容易な分離法が提供されるため、この非対称的構造は、所望の二重特異性化合物を不要な免疫グロブリン鎖の組み合わせから分離することを容易にすることが分かった。このアプローチ法は、国際公開第94/04690号に開示されている。二重特異性抗体を産生する更なる詳細については、例えばSuresh等, Methods in Enzymology, 121:210 (1986)を参照のこと。
【0226】
米国特許第5731168号に記載された他のアプローチ法によれば、一対の抗体分子間の界面を操作して組換え細胞培養から回収されるヘテロ二量体のパーセントを最大にすることができる。好ましい界面は抗体定常ドメインのC
H3ドメインの少なくとも一部を含む。この方法では、第一抗体分子の界面からの一又は複数の小さいアミノ酸側鎖が、より大きな側鎖(例えばチロシン又はトリプトファン)と置き換えられる。大きな側鎖と同じ又は類似のサイズの相補的な「キャビティ」を、大きなアミノ酸側鎖を小さいもの(例えばアラニン又はスレオニン)と置き換えることにより第二の抗体分子の界面に作り出す。これにより、ホモ二量体のような不要の他の最終産物に対してヘテロ二量体の収量を増大させるメカニズムが提供される。
【0227】
二特異性抗体は、架橋又は「ヘテロコンジュゲート」抗体を含む。例えば、ヘテロコンジュゲートの一方の抗体がアビジンと結合され、他方がビオチンと結合されうる。このような抗体は、例えば、免疫系細胞を不要な細胞に対してターゲティングさせること(米国特許第4676980号)及びHIV感染の治療(国際公開第91/00360号、国際公開第92/200373号、及び欧州特許出願公開第03089号)等のために提案されている。ヘテロコンジュゲート抗体は任意の簡便な架橋方法を使用して作製されうる。適切な架橋剤は当該分野でよく知られており、多くの架橋技術と共に、例えば米国特許第4676980号に開示されている。
【0228】
抗体断片から二重特異性抗体を産生する技術もまた文献に記載されている。例えば、化学結合を使用して二重特異性抗体を調製することができる。Brennan等, Science, 229:81 (1985) はインタクトな抗体をタンパク分解性に切断してF(ab')
2断片を産生する手順を記述している。これらの断片は、ジチオール錯体形成剤の亜砒酸ナトリウムの存在下で還元して近接ジチオールを安定化させ、分子間ジスルヒド形成を防止する。産生されたFab'断片はついでチオニトロベンゾアート(TNB)誘導体に転換される。Fab'-TNB誘導体の一つをついでメルカプトエチルアミンでの還元によりFab'-チオールに再転換し、他のFab'-TNB誘導体の等モル量と混合して二重特異性抗体を形成する。産生された二重特異性抗体は、酵素の選択的固定化用の薬剤として使用することができる。
【0229】
組換え細胞培養から直接的に二重特異性抗体断片を作製し単離する様々な方法もまた記述されている。例えば、二重特異性抗体はロイシンジッパーを使用して生産されている。Kostelny等, J. Immunol., 148(5):1547-1553 (1992)。Fos及びJunタンパク質からのロイシンジッパーペプチドを遺伝子融合により二つの異なった抗体のFab'部分に結合させた。抗体ホモ二量体をヒンジ領域で還元して単量体を形成し、ついで再酸化して抗体ヘテロ二量体を形成する。この方法はまた抗体ホモ二量体の生産に対して利用することができる。Hollinger等, Proc.Natl.Acad.Sci. USA, 90:6444-6448 (1993)により記述された「ダイアボディ」技術は、二重特異性抗体断片を作製する別のメカニズムを提供した。断片は、同一鎖上の2つのドメイン間の対形成を可能にするのに十分に短いリンカーにより軽鎖可変ドメイン(V
L)に重鎖可変ドメイン(V
H)を結合してなる。従って、一つの断片のV
H及びV
Lドメインは他の断片の相補的V
L及びV
Hドメインと強制的に対形成させ、2つの抗原結合部位を形成する。単鎖Fv(sFv)二量体を使用する二重特異性抗体断片の他の製造方策もまた報告されている。Gruber等, J.Immunol., 152:5368 (1994)を参照のこと。
【0230】
二価より多い抗体も考えられる。例えば、三重特異性抗体を調製することができる。Tutt等 J.Immunol. 147:60(1991)。
【0231】
VI.抗体のコンジュゲート及び他の修飾
ここでの方法に用いられ又は製造品に含められる抗体は場合によっては細胞傷害剤にコンジュゲートされる。例えば、抗体は、国際公開第2004/032828号に記載されるように薬剤にコンジュゲートされうる。
【0232】
そのような抗体−細胞傷害剤コンジュゲートの生産に有用な化学療法剤は前述している。
【0233】
抗体と一又は複数の小分子毒素、例えばカリケアマイシン、メイタンシン(米国特許第5208020号)、トリコセン(trichothene)及びCC1065のコンジュゲートもまたここで考慮される。本発明の一実施態様では、抗体は、一又は複数のメイタンシン分子(例えば、抗体分子当たり約1から約10のメイタンシン分子)とコンジュゲートされる。メイタンシンは、例えばMay−SS−Meへ転換され、これがMay−SH3へ還元され、修飾抗体と反応させられて(Chari等,Cancer Research 52:127-131(1992))、メイタンシノイド−抗体コンジュゲートが生産される。
【0234】
あるいは、抗体は一又は複数のカリケアマイシン分子にコンジュゲートされる。抗生物質のカリケアマイシンファミリーは、サブピコモル濃度で、二本鎖DNAの破壊を作ることができる。使用されうるカリケアマイシンの構造アナログは、限定されるものではないが、γ
1I、α
2I、α
3I、N−アセチルγ
1I、PSAG及びθ
I1(Hinman等, Cancer Research 53:3336-3342(1993)及びLode等,Cancer Research 58:2925-2928(1998))を含む。
【0235】
使用可能な酵素的に活性な毒素及びその断片には、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合性活性断片、外毒素A鎖(シュードモナス・アエルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシン(modeccin)A鎖、アルファ−サルシン(sarcin)、アレウライツ・フォルディイ(Aleurites fordii)プロテイン、ジアンチンタンパク質、フィトラッカ・アメリカーナ(Phytolaca americana)プロテイン(PAPI、PAPII及びPAP−S)、モモルディカ・キャランティア(momordica charantia)インヒビター、クルシン(curcin)、クロチン、サパオナリア(sapaonaria)オフィシナリスインヒビター、ゲロニン、ミトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン、エノマイシン及びトリコテシン(tricothecenes)が含まれる。例えば、1993年10月28日に公開の国際公開第93/21232号を参照のこと。
【0236】
本発明は、核酸分解性活性を持つ化合物(例えば、リボムクレアーゼ又はDNAエンドヌクレアーゼ、例えばデオキシリボヌクレアーゼ;DNA分解酵素)とコンジュゲートされた抗体について更に考慮する。
【0237】
様々な放射性同位元素が放射性コンジュゲート抗体の生産に利用できる。例にはAt
211、I
131、I
125、Y
90、Re
186、Sm
153、Bi
212、P
32及びLuの放射線同位元素が含まれる。
【0238】
抗体と細胞傷害剤のコンジュゲートは、様々な二官能性タンパク質カップリング剤、例えばN−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオール)プロピオナート(SPDP)、スクシインミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート、イミノチオラン(IT)、イミドエステル類の二官能性誘導体(例えばジメチルアジピミダートHCL)、活性エステル類(例えば、スベリン酸ジスクシンイミジル)、アルデヒド類(例えば、グルタルアルデヒド)、ビス−アジド化合物(例えば、ビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビス−ジアゾニウム誘導体(例えば、ビス−(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミン)、ジイソシアネート(例えば、トリエン−2,6−ジイソシアネート)、及び二活性フッ素化合物(例えば、1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン)を使用して作製されうる。例えば、リシン免疫毒素は、Vitetta等, Science 238:1098(1987)に記載されているようにして調製することができる。炭素−14標識1−イソチオシアナトベンジル−3−メチルジエチレン−トリアミン五酢酸(MX−DTPA)が抗体に放射性ヌクレオチドをコンジュゲートするためのキレート剤の例である。国際公開94/11026号を参照のこと。リンカーは、細胞内で細胞傷害剤の放出を容易にする「切断可能なリンカー」でありうる。例えば、酸不安定性リンカー、ペプチダーゼ感受性リンカー、ジメチルリンカー又はジスルフィド含有リンカー(Chari 等 Cancer Research 52: 127-131 (1992))を用いることができる。
【0239】
あるいは、抗体及び細胞傷害剤を含んでなる融合タンパク質を、例えば組換え技術又はペプチド合成によって製造してもよい。
【0240】
更に他の実施態様では、腫瘍の事前ターゲティングに利用するために、「レセプター」(例えばストレプトアビジン)に抗体をコンジュゲートすることができ、ここで、抗体−レセプターコンジュゲートを対象に投与し、続いて清澄化剤を使用し、循環から未結合コンジュゲートを除去し、細胞傷害剤(例えば放射性ヌクレオチド)にコンジュゲートする「リガンド」(例えばアビジン)を投与する。
【0241】
また、本発明の抗体を、プロドラッグ(例えばペプチジル化学療法剤、国際公開第81/01145号を参照)を活性な抗癌剤に転化させるプロドラッグ活性化酵素にコンジュゲートさせてもよい。例えば国際公開第88/07378号及び米国特許第4975278号を参照のこと。
【0242】
そのようなコンジュゲートの酵素成分には、より活性な細胞毒形態にそれを転化するようにプロドラッグに作用し得る任意の酵素が含まれる。
【0243】
この発明の方法に有用な酵素には、限定されるものではないが、ホスファート含有プロドラッグを遊離の薬剤に転化するのに有用なアルカリ性ホスファターゼ;スルファート含有プロドラッグを遊離の薬剤に転化するのに有用なアリールスルファターゼ;非毒性5−フルオロシトシンを抗癌剤5−フルオロウラシルに転化するのに有用なシトシンデアミナーゼ;プロテアーゼ、例えばセラチアプロテアーゼ、サーモリシン、サブチリシン、カルボキシペプチダーゼ及びカテプシン(例えば、カテプシンB及びL)で、ペプチド含有プロドラッグを遊離の薬剤に転化するのに有用なもの;D−アミノ酸置換基を含むプロドラッグの転化に有用なD−アラニルカルボキシペプチダーゼ;炭水化物切断酵素、例えばグリコシル化プロドラッグを遊離の薬剤に転化するのに有用なノイラミニダーゼ及びβガラクトシダーゼ;βラクタムで誘導体化された薬剤を遊離の薬剤に転化させるのに有用なβラクタマーゼ;及びペニシリンアミダーゼ、例えばそれぞれフェノキシアセチル又はフェニルアセチル基で、それらのアミン性窒素において誘導体化された薬剤を遊離の薬剤に転化するのに有用なペニシリンVアミダーゼ又はペニシリンGアミダーゼが含まれる。あるいは、「アブザイム」としてもまた当該分野で知られている酵素活性を有する抗体を、遊離の活性薬剤に本発明のプロドラッグを転化させるために使用することもできる(例えば、Massey, Nature 328:457-458(1987)を参照)。抗体−アブザイムコンジュゲートを、ここで記載されているようにして、腫瘍細胞集団にアブザイムを送達するために調製することができる。
【0244】
この発明の酵素は、当該分野においてよく知られている技術、例えば上で検討したヘテロ二官能性架橋試薬を使用することにより、抗体に共有的に結合させることができる。あるいは、本発明の抗体の少なくとも抗原結合領域を本発明の酵素の少なくとも機能的に活性な部位に結合せしめてなる融合タンパク質を、当該分野においてよく知られている組換えDNA技術を使用して構築することができる(例えばNeuberger等, Nature 312:604-608(1984)参照)。
【0245】
抗体の他の修飾がここで検討される。例えば、抗体は、様々な非タンパク質性ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリオキシアルキレン類、又はポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの共重合体の一つに結合させることができる。一又は複数のPEG分子に結合させたFab'などの抗体断片は、本発明の特に好適な実施態様である。
【0246】
ここで開示される抗体はまたリポソームとして製剤化されうる。抗体を含むリポソームは、Epstein等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 82:3688 (1985);Hwang等, Proc. Natl Acad. Sci. USA, 77:4030 (1980);米国特許第4485045号及び同第4544545号;及び1997年10月23日に公開の国際公開第97/38731号に記載されているような当該分野において知られている方法によって調製される。長い循環時間のリポソームは、米国特許第5013556号に開示されている。
【0247】
特に有用なリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール及びPEG−誘導体化ホスファチジルエタノールアミン(PEG−PE)を含む脂質組成物を用いた逆相蒸発法によって生成することができる。所望の直径を有するリポソームを得るためにリポソームを規定の孔径のフィルターに通して押出す。本発明の抗体のFab’断片を、ジスルフィド交換反応を介してMartin等. J. Biol. Chem. 257: 286-288 (1982)に記載のようにリポソームにコンジュゲートさせることができる。場合によっては、化学療法剤をリポソーム内に含有せしめる。Gabizon等 J. National Cancer Inst.81(19)1484 (1989)を参照。
【0248】
ここに記載のタンパク質又はペプチド抗体のアミノ酸配列修飾が考慮される。例えば、抗体の結合親和性及び/又は他の生物学的特性を改善することが望ましい場合がある。抗体のアミノ酸配列変異体は、適当なヌクレオチド変化を抗体核酸に導入することにより、又はペプチド合成により調製される。そのような修飾は、例えば、抗体のアミノ酸配列内の残基の欠失、及び/又は挿入及び/又は置換を含む。欠失、挿入、及び置換の任意の組み合わせは、最終コンストラクトが所望の特徴を有する限り、最終コンストラクトに達するまでなされる。また、アミノ酸変化は、グリコシル化部位の数又は位置の変化など、抗体の翻訳後過程を変更しうる。
【0249】
突然変異誘発のための好ましい位置である抗体のある種の残基又は領域を同定するために有用な方法は、Cunningham及びWells , Science 244: 1081-1085 (1989)に記載されているように「アラニンスキャンニング突然変異誘発」と呼ばれる。ここで、標的残基の残基又は基が同定され(例えば、arg、asp、his、lys、及びglu等の荷電残基)、中性又は負荷電アミノ酸(最も好ましくはアラニン又はポリアラニン)に置換され、アミノ酸と抗原との相互作用に影響を及ぼす。ついで置換に対する機能的感受性を示すこれらのアミノ酸の位置は、置換部位において又はそれに対して更に又は他の置換を導入することにより精密にされる。よって、アミノ酸配列変異を導入する部位は予め決定されるが、変異自体の性質は予め決める必要はない。例えば、与えられた部位における変異の性能を分析するために、alaスキャンニング又はランダム突然変異誘発を標的コドン又は領域で実施し、発現された抗体変異体を所望の活性についてスクリーニングする。
【0250】
アミノ酸配列挿入は、1残基から100以上の残基を含むポリペプチドの長さの範囲のアミノ−及び/又はカルボキシル末端融合物、並びに一又は複数のアミノ酸残基の配列内挿入物を含む。末端挿入物の例は、N末端メチオニル残基を持つ抗体又は細胞傷害ポリペプチドに融合した抗体を含む。抗体分子の他の挿入変異体は、抗体の血清半減期を向上させる酵素又はポリペプチドの抗体のN又はC末端への融合物を含む。
【0251】
他の型の変異体はアミノ酸置換変異体である。これらの変異体は、抗体分子中における少なくとも一つのアミノ酸残基が異なる残基によって置き換えられている。抗体の置換突然変異誘発について最も関心ある部位は高頻度可変領域を含むが、FR改変もまた考慮される。保存的置換は、「好ましい置換」との項目で表1に示される。このような置換が生物学的活性の変化をもたらす場合、表1に「例示的置換」と名前を付けたより実質的な変化が導入され得、生成物がスクリーニングされる。
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【0252】
抗体の生物学的性質における実質的な修飾は、(a)置換領域のポリペプチド骨格の構造、例えばシート又は螺旋配置、(b)標的部位の分子の電荷又は疎水性、又は(c)側鎖の嵩の維持についてのその効果が有意に異なる置換を選択することにより達成される。アミノ酸は、その側鎖の特性の類似性に従ってグループ化することができる(A. L. Lehninger, in Biochemistry, 2版, p73-75, Worth Publishers, New York (1975)):
(1)無極性:Ala(A),Val(V),Leu(L),Ile(I),Pro(P),Phe(F),Trp(W),Met(M);
(2)無電荷極性:Gly(G),Ser(S),Thr(T),Cys(C),Tyr(Y),Asn(N),Gln(Q);
(3)酸性:Asp(D),Glu(E);
(4)塩基性:Lys(K),Arg(R),His(H)。
【0253】
別法では、天然に生じる残基は共通の側鎖特性に基づいて群に分けることができる:
(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
(2)中性の親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
(3)酸性:Asp、Glu;
(4)塩基性:His、Lys、Arg;
(5)鎖配向に影響する残基:Gly、Pro;
(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
【0254】
非保存的置換は、これらの分類の一つのメンバーを他の分類に交換することを必要とするであろう。
【0255】
抗体の適切な高次構造の維持に関与しない任意のシステイン残基も、一般的には、セリンと置換して、分子の酸化的安定性を改善して、異常な架橋を防ぐことができる。逆に、システイン結合を抗体に付加して、その安定性を改善してもよい(特に抗体がFv断片などの抗体断片である場合)。
【0256】
特に好ましい型の置換変異体は、親抗体の一又は複数の高頻度可変領域残基の置換を含む。一般に、更なる開発のために選択される得られた変異体は、それらが作製された親抗体と比較して向上した生物学的特性を有するであろう。そのような置換変異体を作製する簡便な方法は、ファージディスプレイを使用するアフィニティ成熟である。簡潔に言えば、幾つかの高頻度可変領域部位(例えば6−7部位)を突然変異させて各部位に全ての可能なアミノ酸置換を生成させる。このようにして生成された抗体変異体は、糸状ファージ粒子から、各粒子内に充填されたM13の遺伝子III産物への融合物としてディスプレイされる。ファージディスプレイ変異体は、ついで、ここに開示されるようなそれらの生物学的活性(例えば、結合親和性)についてスクリーニングされる。修飾のための候補となる高頻度可変領域部位を同定するために、アラニンスキャンニング突然変異誘発を実施し、抗原結合に有意に寄与する高頻度可変領域残基を同定することができる。別法として、又はそれに加えて、抗原−抗体複合体の結晶構造を分析して抗体と抗原の接点を特定するのが有利である場合もある。このような接触残基及び隣接残基は、ここに述べた技術に従う置換の候補である。そのような変異体がひとたび生成されると、変異体のパネルにここに記載するようなスクリーニングを施し、一又は複数の関連アッセイにおいて優れた特性を持つ抗体を更なる開発のために選択することができる。
【0257】
抗体のアミノ酸変異の他の型は、抗体の元のグリコシル化パターンを改変する。そのような改変とは、抗体に見い出される一又は複数の糖鎖部分の欠失、及び/又は抗体に存在しない一又は複数のグリコシル化部位の付加を含む。
【0258】
ポリペプチドのグリコシル化は、典型的には、N結合又はO結合の何れかである。N結合とは、アスパラギン残基の側鎖への炭水化物部分の結合を意味する。アスパラギン−X−セリン及びアスパラギン−X−スレオニン(ここでXはプロリンを除く任意のアミノ酸)のトリペプチド配列は、アスパラギン側鎖への糖鎖部分の酵素的結合のための認識配列である。従って、ポリペプチド中にこれらのトリペプチド配列の何れかが存在すると、潜在的なグリコシル化部位が作出される。O結合グリコシル化は、ヒドロキシアミノ酸、最も一般的にはセリン又はスレオニンに、糖類N−アセチルガラクトサミン、ガラクトース、又はキシロースの一つが結合することを意味するが、5−ヒドロキシプロリン又は5−ヒドロキシリジンもまた使用される。
【0259】
抗体へのグリコシル化部位の付加は、アミノ酸配列を、それが一又は複数の上述したトリペプチド配列(N結合グリコシル化部位のもの)を含むように変化させることによって簡便に達成される。該変化は、元の抗体の配列への一又は複数のセリン又はスレオニン残基の付加、又はこれによる置換によってもなされる(O−結合グリコシル化部位の場合)。
【0260】
抗体がFc領域を含む場合、それに接着する炭水化物を変更してもよい。例えば、抗体のFc領域に接着するフコースを欠損する成熟炭水化物構造の抗体は、米国特許出願公開第2003/0157108号(Presta, L.)に記載されている。米国特許出願公開第2004/0093621号(Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd.)も参照のこと。抗体のFc領域に結合した糖鎖内のN−アセチルグルコサミン(GlcNAc)を二分する抗体は、国際公開第03/011878号,Jean-Mairet等、及び米国特許第6602684号,Umana等が参照される。抗体のFc領域に結合するオリゴサッカライド内に少なくとも一のガラクトース残基を有する抗体は、国際公開第97/30087号,Patel等に報告されている;また、そのFc領域に結合した改変糖鎖を有する抗体については、国際公開第98/58964号(Raju, S.)及び国際公開第99/22764号(Raju, S.)も参照のこと。
【0261】
ここでの好ましいグリコシル化変異体はFc領域を含み、Fc領域に結合した糖鎖構造はフコースを欠いている。このような変異体は改善されたADCC機能を有する。場合によっては、Fc領域は、ADCCを更に改善する一又は複数のアミノ酸置換、例えばFc領域の位置298、333及び/又は334の置換(Eu残基番号付け)を更に含む。「脱フコシル化」または「フコース欠失」抗体に関する文献の例は以下のものを含む:米国特許出願公開第2003/0157108号;国際公開第2000/61739号;国際公開第2001/29246号;米国特許出願公開第2003/0115614号;米国特許出願公開第2002/0164328号;米国特許出願公開第2004/0093621号;米国特許出願公開第2004/0132140号;米国特許出願公開第2004/0110704号;米国特許出願公開第2004/0110282号;米国特許出願公開第2004/0109865号;国際公開第2003/085119号;国際公開第2003/084570号;国際公開第2005/035586号;国際公開第2005/035778号;Okazaki等 J. Mol. Biol. 336:1239-1249 (2004);及びYamane-Ohnuki等 Biotech. Bioeng.87: 614 (2004)。脱フコシル化抗体を産生する細胞株の例は、タンパク質フコシル化欠損Lec13 CHO細胞(Ripka 等 Arch. Biochem. Biophys. 249:533-545 (1986);米国特許出願公開第2003/0157108A1号,Presta, L;及び国際公開第2004/056312号,Adams等, 特に実施例11)、及びノックアウト細胞株、例えばα−1,6−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子,FUT8,ノックアウトCHO細胞(Yamane-Ohnuki等 Biotech. Bioeng. 87: 614 (2004))を含む。
【0262】
抗体のアミノ酸配列変異体をコードする核酸分子は、当該分野で知られた様々な方法によって調製される。これらの方法は、限定するものではないが、天然源からの単離(天然に生じるアミノ酸配列変異体の場合)又は先に調製された抗体の変異体又は非変異体のオリゴヌクレオチド媒介(又は部位特異的)突然変異誘発、PCR突然変異誘発、及びカセット突然変異誘発による調製を含む。
【0263】
エフェクター機能に関して、例えば抗体のADCC及び/又はCDCを向上させるように、本発明の抗体を修飾することが望ましい場合がある。これは、抗体のFc領域に一又は複数のアミノ酸修飾を導入することによって達成されうる。あるいは又は加えて、Fc領域にシステイン残基を導入することができ、それによってこの領域での鎖間ジスルフィド結合形成が起こりうる。このようにして生成されたホモ二量体抗体は改善された内部移行能及び/又は増強された補体媒介性細胞死滅化及びADCCを有しうる。Caron等, J. Exp Med. 176:1191-1195 (1992)及びShopes, B. J. Immunol. 148:2918-2922 (1992)を参照。抗腫瘍活性が亢進されたホモ二量体抗体もまた、Wolff等 Cancer Research 53:2560-2565 (1993)に記載されているヘテロ二官能性架橋剤を使用して調製されうる。あるいは、抗体を二重のFc領域を持つように操作し、それによって亢進された補体溶解及びADCC能を有しうる。Stevenson等 Anti-Cancer Drug Design 3:219-230 (1989)を参照のこと。
【0264】
国際公開第00/42072号(Presta, L.)は、ヒトエフェクター細胞の存在下で改善されたADCC機能を有する抗体を記述し、そこでは、抗体がそのFc領域にアミノ酸置換を含む。好ましくは、改善されたADCCを有する抗体は、Fc領域の位置298、333及び/又は334に置換を含む。好ましくは、改変されたFc領域は、これらの位置のうちの一つ、二つ又は三つに置換を含むか又はそれらからなるヒトIgG1 Fc領域である。
【0265】
改変されたC1q結合及び/又はCDCを有する抗体は、国際公開第99/51642号、米国特許第6194551号、同第6242195号、同第6528624号及び同第6538124号(Idusogie等)に記載されている。抗体は、そのFc領域のアミノ酸位置270、322、326、327、329、313、333及び/又は334の一又は複数にアミノ酸置換を含む。
【0266】
抗体の血清半減期を増加させるために、例えば米国特許第5739277号に記載されているように、抗体(特に抗体断片)中にサルベージレセプター結合エピトープを導入してもよい。ここで使用される場合、「サルベージレセプター結合エピトープ」なる用語は、IgG分子のインビボ血清半減期の延長に関与するIgG分子(例えば、IgG
1、IgG
2、IgG
3、又はIgG
4)のFc領域のエピトープを意味する。そのFc領域に置換を有し、血清半減期が延長された抗体がまた国際公開第00/42072号(Presta, L.)に記載されている。
【0267】
3又はそれ以上(好ましくは4)の機能的抗原結合部位を有する操作された抗体もまた考えられる(米国特許出願公開第2002/0004587A1号, Miller等)。
【0268】
VII.薬学的製剤
本発明に従って使用される抗体の治療用製剤は、所望の純度を有する抗体を任意成分の薬学的に許容可能な担体、賦形剤又は安定剤と混合することによって、凍結乾燥製剤又は水溶液の形態で、貯蔵のために調製される(Remington's Pharmaceutical Sciences 16版, Osol, A.編(1980))。許容可能な担体、賦形剤、又は安定化剤は、用いられる用量及び濃度でレシピエントに非毒性であり、リン酸塩、クエン酸塩、及び他の有機酸などのバッファー;
塩化ナトリウム、塩化カルシウム及び硫酸アンモニウム等の塩;アスコルビン酸及びメチオニンを含む抗酸化剤;保存料(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド;ヘキサメトニウムクロライド;ベンズアルコニウムクロライド;ベンゼトニウムクロライド;フェノール;ブチル又はベンジルアルコール;メチル又はプロピルパラベン等のアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;及びm−クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリン等のタンパク質;ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、又はリジン等のアミノ酸;グルコース、マンノース、又はデキストリンを含む単糖類、二糖類、及び他の炭水化物;EDTA等のキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロース又はソルビトールなどの糖;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn−タンパク質錯体)又はTWEEN
TM、PLURONICS
TM又はPEG等の非イオン性界面活性剤を含む。
【0269】
例示的抗D因子抗体又はその抗原結合断片製剤は、米国特許第8067002号、同第8193329号、同第8187604号、同第8372403号、同第8273352号、同第6954107号、同第7943135号、同第7439331号、同第7112327号、同第8124090号、及び同第8236317号に記載されている。
【0270】
皮下投与に適合させられた凍結乾燥製剤は、例えば米国特許第6267958号(Andya等)に記載されている。硝子体内投与に適合させられた凍結乾燥製剤は、例えば米国特許第7807164号、同第8481046号に記載されている。そのような凍結乾燥製剤は適当な希釈剤で高タンパク質濃度に再構成され得(例えば米国特許第8142776号に記載)、再構成された製剤はここで治療される哺乳動物に皮下的又は硝子体内に投与されうる。
【0271】
抗体の結晶化形態もまた考慮される。例えば米国特許出願公開第2002/0136719A1号(Shenoy等)を参照のこと。
【0272】
ここでの製剤は、治療されている特定の徴候のために必要に応じて一を越える活性化合物(第二の医薬)、好ましくは互いに悪影響を及ぼさない相補的活性を有するものをまた含みうる。例えば、VEGF阻害剤を製剤中に更に提供することが望ましい場合がある。そのような他の薬剤(ここでは第二の医薬と呼ばれ、第一の医薬は抗D因子抗体である)のタイプ及び有効量は、例えば製剤中に存在する抗体の量、治療されている変性疾患のタイプ、及び対象の臨床パラメータに依存する。
【0273】
活性成分は、例えばコアセルべーション技術又は界面重合により調製されたマイクロカプセル、例えば、それぞれコロイド状ドラッグデリバリーシステム(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフィア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子及びナノカプセル)又はマクロエマルジョンの、ヒドロキシメチルセルロース又はゼラチン−マイクロカプセル及びポリ(メチルメタクリレート)マイクロカプセル中に捕捉することもできる。このような技術は、Remington's Pharmaceutical Sciences 16版, Osol, A. Ed. (1980)に開示されている。
【0274】
徐放製剤を調製してもよい。徐放製剤の好適な例は、抗体を含む固形疎水性ポリマーの半透過性基質を含み、該基質は、成形品、例えばフィルム、又はマイクロカプセルの形である。徐放性基質の例は、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)、又はポリ(ビニルアルコール))、ポリ乳酸(米国特許第3773919号)、L−グルタミン酸及びγエチル−L−グルタメートの共重合体、非分解性エチレン−酢酸ビニル、分解性乳酸−グリコール酸共重合体、例えばLUPRON DEPOT
TM(乳酸−グリコール酸共重合体及び酢酸ロイプロリドからなる注射可能なミクロスフィア)、及びポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸を含む。
【0275】
インビボ投与に使用される製剤は無菌でなければならない。これは、滅菌濾過膜を通す濾過によって容易に達成される。
【0276】
VIII.製造品
様々な製造品が本発明の範囲内にあると考えられる。本発明の他の実施態様では、前述の変性疾患の治療に有用な材料を含む製造品が提供される。好ましくは、製造品は、(a)抗D因子抗体又はその抗原結合断片と薬学的に許容可能な担体又は希釈剤を含有する組成物を容器内に収容する容器;及び(b)対象の変性疾患を治療するための指示書を伴うパッケージ挿入物を含んでなり、該指示書は、約0.5から4グラムの初期抗体曝露の後に約0.5から4グラムの第二抗体曝露を提供するために有効な抗体量が対象に投与されることを示すものであり、その第二曝露は初期曝露から約16から54週後までは提供されず、それぞれの抗体曝露は抗体の単回用量としてないしは2又は3の複数回用量として対象に提供される。
【0277】
パッケージ挿入物は容器上にあるか又は容器に付属する。適切な容器には、例えばボトル、ガラス瓶、シリンジ等が含まれる。容器はガラス又はプラスチックのような様々な材料で形成されうる。容器はAMDの治療に有効な組成物を収容又は含んでおり、滅菌出入口を有している(例えば、容器は皮下注射針により貫通可能なストッパーを具備する静脈溶液バック又はバイアルでありうる)。組成物中の少なくとも一つの活性剤は抗体である。ラベル又はパッケージ挿入物には、提供される抗体と任意の他の薬剤の用量と間隔に関する特定のガイダンスと共に、組成物が治療に好適な対象の変性疾患を治療するために使用されることが示されている。製造品は、薬学的に許容可能な希釈用バッファー、例えば、注入のための静菌水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンガー液、及びデキストロース液を収容する第2の容器を更に含んでいてもよい。製造品は、第二の医薬を収容する第二又は第三の容器を更に具備していてもよく、ここで、抗D因子抗体又はその抗原結合断片が第一の医薬であり、製造品は第二の医薬を用いた対象の治療についてパッケージ挿入物上に指示書を更に含む。第二の医薬の例としては、化学療法剤、免疫抑制剤、抗マラリア剤、細胞傷害性薬剤、インテグリンアンタゴニスト、サイトカインアンタゴニスト、又はホルモンがある。幾つかの実施態様では、第二の医薬は、化学療法剤、抗マラリア剤又は免疫抑制剤で、例えばヒドロキシクロロキン、クロロキン、キナクリン、シクロホスファミド、プレドニゾン、ミコフェノール酸モフェチル、メトトレキセート、アザチオプリン又は6−メルカプトプリンを含むもの;副腎皮質ステロイド、例えばプレドニゾン(場合によっては、6−メルカプトプリンの有無にかかわらず、メトトレキセート、ヒドロキシクロロキン、クロロキン、キナクリン、MMF、又はアザチオプリンと共に);あるいは副腎皮質ステロイド、例えばプレドニゾン並びにMMF又はシクロホスファミドである。製造品は、他のバッファー、希釈剤、フィルター、針、及びシリンジを含む、市販及び使用者の観点から望ましい他の材料を更に含んでいてもよい。
【0278】
他の態様では、本発明は、抗D因子抗体又はその抗原結合断片の固定用量を患者に送達するIVT、又は長時間作用性送達装置を含む製造品であって、固定用量がマイクログラムからミリグラムの範囲の抗D因子抗体又はその抗原結合断片である製造品を提供する。幾つかの実施態様では、固定用量は毎月約10mg又は隔月に約10mgである。幾つかの実施態様では、装置中の抗体の濃度は約10mgである。他の態様では、本発明は、抗D因子抗体又はその抗原結合断片を約10mgの濃度で含む製造品を提供する。幾つかの実施態様では、抗D因子抗体は、アミノ酸配列ITSTDIDDDMN(配列番号:1)を含むHVR−L1、アミノ酸配列GGNTLRP(配列番号:2)を含むHVR−L2、及びアミノ酸配列LQSDSLPYT(配列番号:3)を含むHVR−L3を含む軽鎖;及び/又はアミノ酸配列GYTFTNYGMN(配列番号:4)を含むHVR−H1、アミノ酸配列WINTYTGETTYADDFKG(配列番号:5)を含むHVR−H2、及びアミノ酸配列EGGVNN(配列番号:6)を含むHVR−H3を含む重鎖を含む。幾つかの実施態様では、抗体は、配列番号:7のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性の重鎖可変領域配列;及び/又は配列番号:8のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性の軽鎖可変領域配列を含む。幾つかの実施態様では、抗体は、配列番号:7のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;及び/又は配列番号:8のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。幾つかの実施態様では、抗体はCAS登録番号1278466−20−8を有するラムパリズマブである。幾つかの実施態様では、抗D因子抗体は、モノクローナル抗体、抗体断片、キメラ抗体、ヒト化抗体、単鎖抗体又は抗D因子抗体のその各抗原エピトープへの結合を競合的に阻害する抗体でありうる。一実施態様では、抗D因子抗体は、アミノ酸配列ITSTDIDDDMN(配列番号:1)を含むHVR−L1、アミノ酸配列GGNTLRP(配列番号:2)を含むHVR−L2、及びアミノ酸配列LQSDSLPYT(配列番号:3)を含むHVR−L3を含む軽鎖;及び/又はアミノ酸配列GYTFTNYGMN(配列番号:4)を含むHVR−H1、アミノ酸配列WINTYTGETTYADDFKG(配列番号:5)を含むHVR−H2、及びアミノ酸配列EGGVNN(配列番号:6)を含むHVR−H3を含む重鎖を含む抗D因子抗体のその各抗原エピトープへの結合を競合的に阻害する。一実施態様では、抗D因子抗体は、配列番号:7のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性の重鎖可変領域配列;及び/又は配列番号:8のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性の軽鎖可変領域配列を含む抗体のその各抗原エピトープへの結合を競合的に阻害する。一実施態様では、抗D因子抗体は、配列番号:15のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性の重鎖配列;及び/又は配列番号:16のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性の軽鎖配列を含む抗体のその各抗原エピトープへの結合を競合的に阻害する。一実施態様では、抗D因子抗体は、配列番号:7のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;及び/又は配列番号:8のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む抗体のその各抗原エピトープへの結合を競合的に阻害する。一実施態様では、抗D因子抗体は、配列番号:15のアミノ酸配列を含む重鎖;及び/又は配列番号:16のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗体のその各抗原エピトープへの結合を競合的に阻害する。一実施態様では、抗D因子抗体は、CAS登録番号1278466−20−8を有するラムパリズマブのその各抗原エピトープへの結合を競合的に阻害する。幾つかの実施態様では、抗D因子抗体は、他のD因子抗体が結合するD因子の同じエピトープに結合する。一実施態様では、抗D因子抗体は、アミノ酸配列ITSTDIDDDMN(配列番号:1)を含むHVR−L1、アミノ酸配列GGNTLRP(配列番号:2)を含むHVR−L2、及びアミノ酸配列LQSDSLPYT(配列番号:3)を含むHVR−L3を含む軽鎖;及び/又はアミノ酸配列GYTFTNYGMN(配列番号:4)を含むHVR−H1、アミノ酸配列WINTYTGETTYADDFKG(配列番号:5)を含むHVR−H2、及びアミノ酸配列EGGVNN(配列番号:6)を含むHVR−H3を含む重鎖を含む抗D因子抗体が結合するD因子の同じエピトープに結合する。一実施態様では、抗D因子抗体は、配列番号:7のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性の重鎖可変領域配列;及び/又は配列番号:8のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性の軽鎖可変領域配列を含む抗体が結合するD因子の同じエピトープに結合する。一実施態様では、抗D因子抗体は、配列番号:15のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性の重鎖配列;及び/又は配列番号:16のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性の軽鎖配列を含む抗体が結合するD因子の同じエピトープに結合する。一実施態様では、抗D因子抗体は、配列番号:7のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;及び/又は配列番号:8のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む抗体が結合するD因子の同じエピトープに結合する。一実施態様では、抗D因子抗体は、配列番号:15のアミノ酸配列を含む重鎖;及び/又は配列番号:16のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗体が結合するD因子の同じエピトープに結合する。一実施態様では、抗D因子抗体は、CAS登録番号1278466−20−8を有するラムパリズマブが結合するD因子の同じエピトープに結合する。
[IX.例示的実施態様]
1. 変性疾患の患者を治療する方法において、
(a)患者からの試料において、少なくとも一の変性疾患関連多型の存在を、
(i)患者の核酸試料を提供し、
(ii)少なくとも一の変性疾患関連多型の存在についてジェノタイピングすることによって決定し、ここで、多型はCFIアレル、CFHアレル、C2アレル、CFBアレル、又はC3アレルからなる群から選択されるリスクアレルであり;
(b)CFIアレル、CFHアレル、C2アレル、CFBアレル、又はC3アレルからなる群から選択される少なくとも一のリスクアレルが存在するとき、患者を、抗D因子抗体又はその抗原結合断片を含む治療法に応答する可能性が高いとして同定し;
(c)CFIアレル、CFHアレル、C2アレル、C3Bアレル、又はC3アレルからなる群から選択される少なくとも一のリスクアレルが存在するとき、患者に抗D因子抗体又はその抗原結合断片を投与する
ことを含む、方法。
2. CFIアレルはその等価なアレルであり、CFHアレルはその等価なアレルであり、C2アレルはその等価なアレルであり、CFBアレルはその等価なアレルであり、又はC3アレルはその等価なアレルである、クレーム1に記載の方法。
3. CFIアレルは一塩基多型(SNP)rs4698775又はrs17440077にGを含み、CFHアレルは一塩基多型(SNP)rs10737680にAを又は一塩基多型(SNP)rs1329428にGを含み、C2アレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、CFBアレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、かつC3アレルは一塩基多型(SNP)rs2230199にGを含む、クレーム1に記載の方法。
4. 生体試料は、血液試料、唾液、口腔粘膜採取検体、組織試料又は体液試料である、クレーム1に記載の方法。
5. 核酸試料はDNAを含む、クレーム1に記載の方法。
6. 核酸試料はRNAを含む、クレーム1に記載の方法。
7. 核酸試料が増幅される、クレーム5又は6に記載の方法。
8. 核酸試料が、ポリメラーゼ連鎖反応により増幅される、クレーム5又は6に記載の方法。
9. 少なくとも一の多型がポリメラーゼ連鎖反応により検出される、クレーム5又は6に記載の方法。
10. 少なくとも一の多型がシークエンシングにより検出される、クレーム5又は6に記載の方法。
11. 少なくとも一の多型が、走査型プローブ及びナノポアDNAシークエンシング、ピロシークエンシング、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(DGGE)、テンポラル温度勾配電気泳動法(TTGE)、Zn(II)−サイクレンポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ホモジニアス蛍光PCRベース一塩基多型解析、リン酸塩親和性ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ハイスループットSNPジェノタイピングプラットフォーム、分子指標、5’ヌクレアーゼ反応、Taqmanアッセイ、MassArray(マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析と組み合わせた一塩基伸長法)、トリチルマスタグ、ジェノタイピングプラットフォーム(Invader Assay(登録商標)等)、一塩基プライマー伸長(SBE)アッセイ、PCR増幅(例えば、磁気ナノ粒子(MNP)でのPCR増幅、PCR産物の制限酵素解析(RFLP法)、アレル特異的PCR、マルチプルプライマー伸長法(MPEX)、及び等温smart増幅法からなる群から選択される技法により検出される、クレーム9又は10に記載の方法。
12. 少なくとも一の多型が、少なくとも一の多型を含む標的領域を増幅させ、少なくとも一の多型にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする少なくとも一の配列特異的オリゴヌクレオチドと共にハイブリダイズさせ、ハイブリダイゼーションを検出することにより、検出される、クレーム1に記載の方法。
13. 患者におけるSNP rs4698775、SNP rs17440077、SNP rs1329428、SNP rs429608又はSNP rs2230199におけるG遺伝子型の一又は二のアレル、あるいはSNP rs10737680におけるA遺伝子型の一又は二のアレルの存在が、抗D因子抗体での治療に対して増加した応答可能性を示す、クレーム1に記載の方法。
14. 一塩基多型(SNP)rs4698775、rs17440077、rs10737680、rs1329428、rs429608、及びrs2230199からなる群から選択される少なくとも一の一塩基多型と連鎖不平衡にある多型が検出される、クレーム3に記載の方法。
15. 変性疾患が加齢黄斑変性である、クレーム1に記載の方法。
16. 加齢黄斑変性が、早期、中間期又は進行期AMDである、クレーム15に記載の方法。
17. 進行期AMDが地図状萎縮である、クレーム16に記載の方法。
18. 抗D因子抗体、又はその抗原結合断片がラムパリズマブである、クレーム1に記載の方法。
19. 変性疾患の患者を、抗D因子抗体又はその抗原結合断片を含む治療法に応答する可能性が高いとして同定する方法において、
(a)患者からの試料において、少なくとも一の変性疾患関連多型の存在を、
(i)患者からの核酸試料を提供し、
(ii)少なくとも一の変性疾患関連多型の存在についてジェノタイピングすることによって決定し、ここで、多型はCFIアレル、CFHアレル、C2アレル、CFBアレル、又はC3アレルからなる群から選択されるリスクアレルであり;
(b)CFIアレル、CFHアレル、C2アレル、CFBアレル、又はC3アレルからなる群から選択される少なくとも一のリスクアレルが存在するとき、患者を、抗D因子抗体又はその抗原結合断片を含む治療法に応答する可能性が高いとして同定し;
(c)抗D因子抗体又はその抗原結合断片を含む治療法を選択する
ことを含む、方法。
20. CFIアレルはその等価なアレルであり、CFHアレルはその等価なアレルであり、C2アレルはその等価なアレルであり、CFBアレルはその等価なアレルであり、又はC3アレルはその等価なアレルである、クレーム19に記載の方法。
21. CFIアレルは一塩基多型(SNP)rs4698775又はrs17440077にGを含み、CFHアレルは一塩基多型(SNP)rs10737680にAを又は一塩基多型(SNP)rs1329428にGを含み、C2アレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、CFBアレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、かつC3アレルは一塩基多型(SNP)rs2230199にGを含む、クレーム19に記載の方法。
22. 生体試料は、血液試料、唾液、口腔粘膜採取検体、組織試料又は体液試料である、クレーム19に記載の方法。
23. 核酸試料はDNAを含む、クレーム19に記載の方法。
24. 核酸試料はRNAを含む、クレーム19に記載の方法。
25. 核酸試料が増幅される、クレーム19に記載の方法。
26. 核酸試料が、ポリメラーゼ連鎖反応により増幅される、クレーム19に記載の方法。
27. 少なくとも一の多型がポリメラーゼ連鎖反応により検出される、クレーム19に記載の方法。
28. 少なくとも一の多型がシークエンシングにより検出される、クレーム19に記載の方法。
29. 少なくとも一の多型が、走査型プローブ及びナノポアDNAシークエンシング、ピロシークエンシング、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(DGGE)、テンポラル温度勾配電気泳動法(TTGE)、Zn(II)−サイクレンポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ホモジニアス蛍光PCRベース一塩基多型解析、リン酸塩親和性ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ハイスループットSNPジェノタイピングプラットフォーム、分子指標、5’ヌクレアーゼ反応、Taqmanアッセイ、MassArray(マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析と組み合わせた一塩基伸長法)、トリチルマスタグ、ジェノタイピングプラットフォーム(Invader Assay(登録商標)等)、一塩基プライマー伸長(SBE)アッセイ、PCR増幅(例えば、磁気ナノ粒子(MNP)でのPCR増幅、PCR産物の制限酵素解析(RFLP法)、アレル特異的PCR、マルチプルプライマー伸長法(MPEX)、及び等温smart増幅法からなる群から選択される技法により検出される、クレーム19に記載の方法。
30. 少なくとも一の多型が、少なくとも一の多型を含む標的領域を増幅させ、少なくとも一の多型にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする少なくとも一の配列特異的オリゴヌクレオチドと共にハイブリダイズさせ、ハイブリダイゼーションを検出することにより、検出される、クレーム19に記載の方法。
31. 患者におけるSNP rs4698775、SNP rs17440077、SNP rs1329428、SNP rs429608又はSNP rs2230199におけるG遺伝子型の一又は二のアレル、あるいはSNP rs10737680におけるA遺伝子型の一又は二のアレルの存在が、抗D因子抗体での治療に対して増加した応答可能性を示す、クレーム19に記載の方法。(可能性の増加を定義)
32. 一塩基多型(SNP)rs4698775、rs17440077、rs10737680、rs1329428、rs429608、及びrs2230199からなる群から選択される少なくとも一の一塩基多型と連鎖不平衡にある多型が検出される、クレーム21に記載の方法。
33. 変性疾患が加齢黄斑変性である、クレーム19に記載の方法。
34. 加齢黄斑変性が、早期、中間期又は進行期AMDである、クレーム33に記載の方法。
35. 進行期AMDが地図状萎縮である、クレーム34に記載の方法。
36. 抗D因子抗体、又はその抗原結合断片がラムパリズマブである、クレーム19に記載の方法。
37. 抗D因子抗体又はその抗原結合断片での、変性疾患の患者の治療の治療効果を最適化する方法において、
(a)患者からの試料において、少なくとも一の変性疾患関連多型の存在を、
(i)患者からの核酸試料を提供し、
(ii)少なくとも一の変性疾患関連多型の存在についてジェノタイピングすることによって決定し、ここで、多型はCFIアレル、CFHアレル、C2アレル、CFBアレル、又はC3アレルからなる群から選択されるリスクアレルであり;
(b)CFIアレル、CFHアレル、C2アレル、CFBアレル、又はC3アレルからなる群から選択される少なくとも一のリスクアレルが存在するとき、患者を、抗D因子抗体又はその抗原結合断片を含む治療法に応答する可能性が高いとして同定し;
(c)抗D因子抗体又はその抗原結合断片を含む治療法を選択する
ことを含む、方法。
38. CFIアレルはその等価なアレルであり、CFHアレルはその等価なアレルであり、C2アレルはその等価なアレルであり、CFBアレルはその等価なアレルであり、又はC3アレルはその等価なアレルである、クレーム37に記載の方法。
39. CFIアレルは一塩基多型(SNP)rs4698775又はrs17440077にGを含み、CFHアレルは一塩基多型(SNP)rs10737680にAを又は一塩基多型(SNP)rs1329428にGを含み、C2アレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、CFBアレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、かつC3アレルは一塩基多型(SNP)rs2230199にGを含む、クレーム37に記載の方法。
40. 生体試料は、血液試料、唾液、口腔粘膜採取検体、組織試料又は体液試料である、クレーム37に記載の方法。
41. 核酸試料はDNAを含む、クレーム37に記載の方法。
42. 核酸試料はRNAを含む、クレーム37に記載の方法。
43. 核酸試料が増幅される、クレーム37に記載の方法。
44. 核酸試料が、ポリメラーゼ連鎖反応により増幅される、クレーム37に記載の方法。
45. 少なくとも一の多型がポリメラーゼ連鎖反応により検出される、クレーム37に記載の方法。
46. 少なくとも一の多型がシークエンシングにより検出される、クレーム37に記載の方法。
3b5b. 少なくとも一の多型が、走査型プローブ及びナノポアDNAシークエンシング、ピロシークエンシング、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(DGGE)、テンポラル温度勾配電気泳動法(TTGE)、Zn(II)−サイクレンポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ホモジニアス蛍光PCRベース一塩基多型解析、リン酸塩親和性ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ハイスループットSNPジェノタイピングプラットフォーム、分子指標、5’ヌクレアーゼ反応、Taqmanアッセイ、MassArray(マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析と組み合わせた一塩基伸長法)、トリチルマスタグ、ジェノタイピングプラットフォーム(Invader Assay(登録商標)等)、一塩基プライマー伸長(SBE)アッセイ、PCR増幅(例えば、磁気ナノ粒子(MNP)でのPCR増幅、PCR産物の制限酵素解析(RFLP法)、アレル特異的PCR、マルチプルプライマー伸長法(MPEX)、及び等温smart増幅法からなる群から選択される技法により検出される、クレーム37に記載の方法。
47. 少なくとも一の多型が、少なくとも一の多型を含む標的領域を増幅させ、少なくとも一の多型にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする少なくとも一の配列特異的オリゴヌクレオチドと共にハイブリダイズさせ、ハイブリダイゼーションを検出することにより、検出される、クレーム37に記載の方法。
48. 患者におけるSNP rs4698775、SNP rs17440077、SNP rs1329428、SNP rs429608又はSNP rs2230199におけるG遺伝子型の一又は二のアレル、あるいはSNP rs10737680におけるA遺伝子型の一又は二のアレルの存在が、抗D因子抗体での治療に対して増加した応答可能性を示す、クレーム37に記載の方法。
49. 一塩基多型(SNP)rs4698775、rs17440077、rs10737680、rs1329428、rs429608、及びrs2230199からなる群から選択される少なくとも一の一塩基多型と連鎖不平衡にある多型が検出される、クレーム39に記載の方法。
50. 変性疾患が加齢黄斑変性である、クレーム37に記載の方法。
51. 加齢黄斑変性が、早期、中間期又は進行期AMDである、クレーム50に記載の方法。
52. 進行期AMDが地図状萎縮である、クレーム37に記載の方法。
53. 抗D因子抗体、又はその抗原結合断片がラムパリズマブである、クレーム37に記載の方法。
54. 抗D因子抗体又はその抗原結合断片での治療に対する変性疾患患者の応答性を予測する方法において、
(a)患者からの試料において、少なくとも一の変性疾患関連多型の存在を、
(i)患者からの核酸試料を提供し、
(ii)少なくとも一の変性疾患関連多型の存在についてジェノタイピングすることによって決定し、ここで、多型はCFIアレル、CFHアレル、C2アレル、CFBアレル、又はC3アレルからなる群から選択されるリスクアレルであり;
(b)CFIアレル、CFHアレル、C2アレル、CFBアレル、又はC3アレルからなる群から選択される少なくとも一のリスクアレルが存在するとき、患者を、抗D因子抗体又はその抗原結合断片を含む治療法に応答する可能性が高いとして同定する
ことを含む、方法。
55. CFIアレルはその等価なアレルであり、CFHアレルはその等価なアレルであり、C2アレルはその等価なアレルであり、CFBアレルはその等価なアレルであり、又はC3アレルはその等価なアレルである、クレーム55に記載の方法。
56. CFIアレルは一塩基多型(SNP)rs4698775又はrs17440077にGを含み、CFHアレルは一塩基多型(SNP)rs10737680にAを又は一塩基多型(SNP)rs1329428にGを含み、C2アレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、CFBアレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、かつC3アレルは一塩基多型(SNP)rs2230199にGを含む、クレーム55に記載の方法。
57. 生体試料は、血液試料、唾液、口腔粘膜採取検体、組織試料又は体液試料である、クレーム55に記載の方法。
58. 核酸試料はDNAを含む、クレーム55に記載の方法。
59. 核酸試料はRNAを含む、クレーム55に記載の方法。
60. 核酸試料が増幅される、クレーム55に記載の方法。
61. 核酸試料が、ポリメラーゼ連鎖反応により増幅される、クレーム55に記載の方法。
62. 少なくとも一の多型がポリメラーゼ連鎖反応により検出される、クレーム55に記載の方法。
63. 少なくとも一の多型がシークエンシングにより検出される、クレーム55に記載の方法。
64. 少なくとも一の多型が、走査型プローブ及びナノポアDNAシークエンシング、ピロシークエンシング、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(DGGE)、テンポラル温度勾配電気泳動法(TTGE)、Zn(II)−サイクレンポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ホモジニアス蛍光PCRベース一塩基多型解析、リン酸塩親和性ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ハイスループットSNPジェノタイピングプラットフォーム、分子指標、5’ヌクレアーゼ反応、Taqmanアッセイ、MassArray(マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析と組み合わせた一塩基伸長法)、トリチルマスタグ、ジェノタイピングプラットフォーム(Invader Assay(登録商標)等)、一塩基プライマー伸長(SBE)アッセイ、PCR増幅(例えば、磁気ナノ粒子(MNP)でのPCR増幅、PCR産物の制限酵素解析(RFLP法)、アレル特異的PCR、マルチプルプライマー伸長法(MPEX)、及び等温smart増幅法からなる群から選択される技法により検出される、クレーム55に記載の方法。
65. 少なくとも一の多型が、少なくとも一の多型を含む標的領域を増幅させ、少なくとも一の多型にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする少なくとも一の配列特異的オリゴヌクレオチドと共にハイブリダイズさせ、ハイブリダイゼーションを検出することにより、検出される、クレーム55に記載の方法。
66. 患者におけるSNP rs4698775、SNP rs17440077、SNP rs1329428、SNP rs429608又はSNP rs2230199におけるG遺伝子型の一又は二のアレル、あるいはSNP rs10737680におけるA遺伝子型の一又は二のアレルの存在が、抗D因子抗体での治療に対して増加した応答可能性を示す、クレーム55に記載の方法。
4d1. 一塩基多型(SNP)rs4698775、rs17440077、rs10737680、rs1329428、rs429608、及びrs2230199からなる群から選択される少なくとも一の一塩基多型と連鎖不平衡にある多型が検出される、クレーム4a2に記載の方法。
67. 変性疾患が加齢黄斑変性である、クレーム56に記載の方法。
68. 加齢黄斑変性が、早期、中間期又は進行期AMDである、クレーム67に記載の方法。
69. 進行期AMDが地図状萎縮である、クレーム55に記載の方法。
70. 抗D因子抗体、又はその抗原結合断片がラムパリズマブである、クレーム55に記載の方法。
71. 変性疾患の患者が抗D因子抗体又はその抗原結合断片での治療から恩恵を受ける可能性を判定する方法において、
(a)患者からの試料において、少なくとも一の変性疾患関連多型の存在を、
(i)患者からの核酸試料を提供し、
(ii)少なくとも一の変性疾患関連多型の存在についてジェノタイピングすることによって決定し、ここで、多型はCFIアレル、CFHアレル、C2アレル、CFBアレル、又はC3アレルからなる群から選択されるリスクアレルであり;
(b)CFIアレル、CFHアレル、C2アレル、CFBアレル、又はC3アレルからなる群から選択される少なくとも一のリスクアレルが存在するとき、患者を、抗D因子抗体又はその抗原結合断片を含む治療法に応答する可能性が高いとして同定する
ことを含む、方法。
72. CFIアレルはその等価なアレルであり、CFHアレルはその等価なアレルであり、C2アレルはその等価なアレルであり、CFBアレルはその等価なアレルであり、又はC3アレルはその等価なアレルである、クレーム71に記載の方法。
73. CFIアレルは一塩基多型(SNP)rs4698775又はrs17440077にGを含み、CFHアレルは一塩基多型(SNP)rs10737680にAを又は一塩基多型(SNP)rs1329428にGを含み、C2アレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、CFBアレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、かつC3アレルは一塩基多型(SNP)rs2230199にGを含む、クレーム71に記載の方法。
74. 生体試料は、血液試料、唾液、口腔粘膜採取検体、組織試料又は体液試料である、クレーム71に記載の方法。
75. 核酸試料はDNAを含む、クレーム71に記載の方法。
76. 核酸試料はRNAを含む、クレーム71に記載の方法。
77. 核酸試料が増幅される、クレーム71に記載の方法。
78. 核酸試料が、ポリメラーゼ連鎖反応により増幅される、クレーム71に記載の方法。
79. 少なくとも一の多型がポリメラーゼ連鎖反応により検出される、クレーム71に記載の方法。
80. 少なくとも一の多型がシークエンシングにより検出される、クレーム71に記載の方法。
81. 少なくとも一の多型が、走査型プローブ及びナノポアDNAシークエンシング、ピロシークエンシング、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(DGGE)、テンポラル温度勾配電気泳動法(TTGE)、Zn(II)−サイクレンポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ホモジニアス蛍光PCRベース一塩基多型解析、リン酸塩親和性ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ハイスループットSNPジェノタイピングプラットフォーム、分子指標、5’ヌクレアーゼ反応、Taqmanアッセイ、MassArray(マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析と組み合わせた一塩基伸長法)、トリチルマスタグ、ジェノタイピングプラットフォーム(Invader Assay(登録商標)等)、一塩基プライマー伸長(SBE)アッセイ、PCR増幅(例えば、磁気ナノ粒子(MNP)でのPCR増幅、PCR産物の制限酵素解析(RFLP法)、アレル特異的PCR、マルチプルプライマー伸長法(MPEX)、及び等温smart増幅法からなる群から選択される技法により検出される、クレーム71に記載の方法。
82. 少なくとも一の多型が、少なくとも一の多型を含む標的領域を増幅させ、少なくとも一の多型にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする少なくとも一の配列特異的オリゴヌクレオチドと共にハイブリダイズさせ、ハイブリダイゼーションを検出することにより、検出される、クレーム71に記載の方法。
83. 患者におけるSNP rs4698775、SNP rs17440077、SNP rs1329428、SNP rs429608又はSNP rs2230199におけるG遺伝子型の一又は二のアレル、あるいはSNP rs10737680におけるA遺伝子型の一又は二のアレルの存在が、抗D因子抗体での治療に対して増加した応答可能性を示す、クレーム71に記載の方法。
84. 一塩基多型(SNP)rs4698775、rs17440077、rs10737680、rs1329428、rs429608、及びrs2230199からなる群から選択される少なくとも一の一塩基多型と連鎖不平衡にある多型が検出される、クレーム73に記載の方法。
85. 変性疾患が加齢黄斑変性である、クレーム71に記載の方法。
86. 加齢黄斑変性が、早期、中間期又は進行期AMDである、クレーム85に記載の方法。
87. 進行期AMDが地図状萎縮である、クレーム73に記載の方法。
88. 抗D因子抗体、又はその抗原結合断片がラムパリズマブである、クレーム3に記載の方法。
89. 個体における変性疾患を評価する方法において、
(a)患者からの試料において、少なくとも一の変性疾患関連多型の存在を、
(i)患者からの核酸試料を提供し、
(ii)少なくとも一の変性疾患関連多型の存在についてジェノタイピングすることによって決定し、ここで、多型はCFIアレル、CFHアレル、C2アレル、CFBアレル、又はC3アレルからなる群から選択されるリスクアレルであり;
(b)CFIアレル、CFHアレル、C2アレル、CFBアレル、又はC3アレルからなる群から選択される少なくとも一のリスクアレルが個体からの試料中に存在するとき、変性疾患の評価を提供する
ことを含む、方法。
90. CFIアレルはその等価なアレルであり、CFHアレルはその等価なアレルであり、C2アレルはその等価なアレルであり、CFBアレルはその等価なアレルであり、又はC3アレルはその等価なアレルである、クレーム89に記載の方法。
91. CFIアレルは一塩基多型(SNP)rs4698775又はrs17440077にGを含み、CFHアレルは一塩基多型(SNP)rs10737680にAを又は一塩基多型(SNP)rs1329428にGを含み、C2アレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、CFBアレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、かつC3アレルは一塩基多型(SNP)rs2230199にGを含む、クレーム89に記載の方法。
92. 生体試料は、血液試料、唾液、口腔粘膜採取検体、組織試料又は体液試料である、クレーム89に記載の方法。
93. 核酸試料はDNAを含む、クレーム6に記載の方法。
94. 核酸試料はRNAを含む、クレーム89に記載の方法。
95. 核酸試料が増幅される、クレーム89に記載の方法。
96. 核酸試料が、ポリメラーゼ連鎖反応により増幅される、クレーム89に記載の方法。
97. 少なくとも一の多型がポリメラーゼ連鎖反応により検出される、クレーム89に記載の方法。
98. 少なくとも一の多型がシークエンシングにより検出される、クレーム89に記載の方法。
99. 少なくとも一の多型が、走査型プローブ及びナノポアDNAシークエンシング、ピロシークエンシング、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(DGGE)、テンポラル温度勾配電気泳動法(TTGE)、Zn(II)−サイクレンポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ホモジニアス蛍光PCRベース一塩基多型解析、リン酸塩親和性ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ハイスループットSNPジェノタイピングプラットフォーム、分子指標、5’ヌクレアーゼ反応、Taqmanアッセイ、MassArray(マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析と組み合わせた一塩基伸長法)、トリチルマスタグ、ジェノタイピングプラットフォーム(Invader Assay(登録商標)等)、一塩基プライマー伸長(SBE)アッセイ、PCR増幅(例えば、磁気ナノ粒子(MNP)でのPCR増幅、PCR産物の制限酵素解析(RFLP法)、アレル特異的PCR、マルチプルプライマー伸長法(MPEX)、及び等温smart増幅法からなる群から選択される技法により検出される、クレーム89に記載の方法。
100. 少なくとも一の多型が、少なくとも一の多型を含む標的領域を増幅させ、少なくとも一の多型にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする少なくとも一の配列特異的オリゴヌクレオチドと共にハイブリダイズさせ、ハイブリダイゼーションを検出することにより、検出される、クレーム89に記載の方法。
101. SNP rs4698775、SNP rs17440077、SNP rs1329428、SNP rs429608又はSNP rs2230199におけるG遺伝子型の一又は二のアレル、あるいはSNP rs10737680におけるA遺伝子型の一又は二のアレルを有する患者が、抗D因子抗体での治療に対して応答する可能性がある、クレーム89に記載の方法。
102. 一塩基多型(SNP)rs4698775、rs17440077、rs10737680、rs1329428、rs429608、及びrs2230199からなる群から選択される少なくとも一の一塩基多型と連鎖不平衡にある多型が検出される、クレーム91に記載の方法。
103. 変性疾患が加齢黄斑変性である、クレーム689に記載の方法。
104. 加齢黄斑変性が、早期、中間期又は進行期AMDである、クレーム103に記載の方法。
105. 進行期AMDが地図状萎縮である、クレーム104に記載の方法。
106. 加齢黄斑変性のより進行した形態を発症するリスクが増加している個体を同定する方法において、
(a)個体からの試料において、少なくとも一の変性疾患関連多型の存在を、
(i)個体からの核酸試料を提供し、
(ii)少なくとも一の変性疾患関連多型の存在についてジェノタイピングすることによって決定し、ここで、多型はCFIアレル、CFHアレル、C2アレル、CFBアレル、又はC3アレルからなる群から選択されるリスクアレルであり;
(b)CFIアレル、CFHアレル、C2アレル、CFBアレル、又はC3アレルからなる群から選択される少なくとも一のリスクアレルが存在するとき、AMDのより進行した形態を発症する可能性が高いとして個体を同定する
ことを含む、方法。
107.(p11) CFIアレル、CFHアレル、C2アレル、CFBアレル、又はC3アレルからなる群から選択される少なくとも一のリスクアレルが存在するとき、個体が、抗D因子抗体、又はその抗原結合断片を含む治療法に応答する可能性が高く;抗D因子抗体、又はその抗原結合断片を含む治療法を選択することを更に含む、クレーム106に記載の方法。
108. CFIアレルはその等価なアレルであり、CFHアレルはその等価なアレルであり、C2アレルはその等価なアレルであり、CFBアレルはその等価なアレルであり、又はC3アレルはその等価なアレルである、クレーム106に記載の方法。
109. CFIアレルは一塩基多型(SNP)rs4698775又はrs17440077にGを含み、CFHアレルは一塩基多型(SNP)rs10737680にAを又は一塩基多型(SNP)rs1329428にGを含み、C2アレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、CFBアレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、かつC3アレルは一塩基多型(SNP)rs2230199にGを含む、クレーム106に記載の方法。
110. 生体試料は、血液試料、唾液、口腔粘膜採取検体、組織試料又は体液試料である、クレーム106に記載の方法。
111. 核酸試料はDNAを含む、クレーム106に記載の方法。
112. 核酸試料はRNAを含む、クレーム106に記載の方法。
113. 核酸試料が増幅される、クレーム106に記載の方法。
114. 核酸試料が、ポリメラーゼ連鎖反応により増幅される、クレーム106に記載の方法。
115. 少なくとも一の多型がポリメラーゼ連鎖反応により検出される、クレーム106に記載の方法。
116. 少なくとも一の多型がシークエンシングにより検出される、クレーム106に記載の方法。
117. 少なくとも一の多型が、走査型プローブ及びナノポアDNAシークエンシング、ピロシークエンシング、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(DGGE)、テンポラル温度勾配電気泳動法(TTGE)、Zn(II)−サイクレンポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ホモジニアス蛍光PCRベース一塩基多型解析、リン酸塩親和性ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ハイスループットSNPジェノタイピングプラットフォーム、分子指標、5’ヌクレアーゼ反応、Taqmanアッセイ、MassArray(マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析と組み合わせた一塩基伸長法)、トリチルマスタグ、ジェノタイピングプラットフォーム(Invader Assay(登録商標)等)、一塩基プライマー伸長(SBE)アッセイ、PCR増幅(例えば、磁気ナノ粒子(MNP)でのPCR増幅、PCR産物の制限酵素解析(RFLP法)、アレル特異的PCR、マルチプルプライマー伸長法(MPEX)、及び等温smart増幅法からなる群から選択される技法により検出される、クレーム106に記載の方法。
118. 少なくとも一の多型が、少なくとも一の多型を含む標的領域を増幅させ、少なくとも一の多型にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする少なくとも一の配列特異的オリゴヌクレオチドと共にハイブリダイズさせ、ハイブリダイゼーションを検出することにより、検出される、クレーム106に記載の方法。
119. SNP rs4698775、SNP rs17440077、SNP rs1329428、SNP rs429608又はSNP rs2230199におけるG遺伝子型の一又は二のアレル、あるいはSNP rs10737680におけるA遺伝子型の一又は二のアレルを有する患者が、抗D因子抗体での治療に対して応答する可能性がある、クレーム106に記載の方法。
120. 一塩基多型(SNP)rs4698775、rs17440077、rs10737680、rs1329428、rs429608、及びrs2230199からなる群から選択される少なくとも一の一塩基多型と連鎖不平衡にある多型が検出される、クレーム108に記載の方法。
121. 変性疾患が加齢黄斑変性である、クレーム106に記載の方法。
122. 加齢黄斑変性が、早期、中間期又は進行期AMDである、クレーム121に記載の方法。
123. 進行期AMDが地図状萎縮である、クレーム106に記載の方法。
124. 抗D因子抗体、又はその抗原結合断片はラムパリズマブである、クレーム106に記載の方法。
125. 個体におけるAMDの進行を予測する方法において、
(a)個体からの試料において、少なくとも一の変性疾患関連多型の存在を、
(i)個体からの核酸試料を提供し、
(ii)少なくとも一の変性疾患関連多型の存在についてジェノタイピングすることによって決定し、ここで、多型はCFIアレル、CFHアレル、C2アレル、CFBアレル、又はC3アレルからなる群から選択されるリスクアレルであり;
(b)CFIアレル、CFHアレル、C2アレル、CFBアレル、又はC3アレルからなる群から選択される少なくとも一のリスクアレルが存在するとき、AMDのより進行した形態を発症する可能性が高いとして個体を同定する
ことを含む、方法。
126. CFIアレル、CFHアレル、C2アレル、CFBアレル、又はC3アレルからなる群から選択される少なくとも一のリスクアレルが存在するとき、個体が、抗D因子抗体、又はその抗原結合断片を含む治療法に応答する可能性が高く;抗D因子抗体、又はその抗原結合断片を含む治療法を選択することを更に含む、クレーム7に記載の方法。
127. CFIアレルはその等価なアレルであり、CFHアレルはその等価なアレルであり、C2アレルはその等価なアレルであり、CFBアレルはその等価なアレルであり、又はC3アレルはその等価なアレルである、クレーム7に記載の方法。
128. CFIアレルは一塩基多型(SNP)rs4698775又はrs17440077にGを含み、CFHアレルは一塩基多型(SNP)rs10737680にAを又は一塩基多型(SNP)rs1329428にGを含み、C2アレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、CFBアレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、かつC3アレルは一塩基多型(SNP)rs2230199にGを含む、クレーム7に記載の方法。
129. 生体試料は、血液試料、唾液、口腔粘膜採取検体、組織試料又は体液試料である、クレーム7に記載の方法。
130. 核酸試料はDNAを含む、クレーム7に記載の方法。
131. 核酸試料はRNAを含む、クレーム7に記載の方法。
132. 核酸試料が増幅される、クレーム7に記載の方法。
133. 核酸試料が、ポリメラーゼ連鎖反応により増幅される、クレーム7に記載の方法。
134. 少なくとも一の多型がポリメラーゼ連鎖反応により検出される、クレーム7に記載の方法。
135. 少なくとも一の多型がシークエンシングにより検出される、クレーム7に記載の方法。
136. 少なくとも一の多型が、走査型プローブ及びナノポアDNAシークエンシング、ピロシークエンシング、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(DGGE)、テンポラル温度勾配電気泳動法(TTGE)、Zn(II)−サイクレンポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ホモジニアス蛍光PCRベース一塩基多型解析、リン酸塩親和性ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ハイスループットSNPジェノタイピングプラットフォーム、分子指標、5’ヌクレアーゼ反応、Taqmanアッセイ、MassArray(マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析と組み合わせた一塩基伸長法)、トリチルマスタグ、ジェノタイピングプラットフォーム(Invader Assay(登録商標)等)、一塩基プライマー伸長(SBE)アッセイ、PCR増幅(例えば、磁気ナノ粒子(MNP)でのPCR増幅、PCR産物の制限酵素解析(RFLP法)、アレル特異的PCR、マルチプルプライマー伸長法(MPEX)、及び等温smart増幅法からなる群から選択される技法により検出される、クレーム7に記載の方法。
137. 少なくとも一の多型が、少なくとも一の多型を含む標的領域を増幅させ、少なくとも一の多型にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする少なくとも一の配列特異的オリゴヌクレオチドと共にハイブリダイズさせ、ハイブリダイゼーションを検出することにより、検出される、クレーム7に記載の方法。
138. SNP rs4698775、SNP rs17440077、SNP rs1329428、SNP rs429608又はSNP rs2230199におけるG遺伝子型の一又は二のアレル、あるいはSNP rs10737680におけるA遺伝子型の一又は二のアレルを有する患者が、抗D因子抗体での治療に対して応答する可能性がある、クレーム7に記載の方法。
139. 一塩基多型(SNP)rs4698775、rs17440077、rs10737680、rs1329428、rs429608、及びrs2230199からなる群から選択される少なくとも一の一塩基多型と連鎖不平衡にある多型が検出される、クレーム7a2に記載の方法。
140. 変性疾患が加齢黄斑変性である、クレーム7に記載の方法。
141. 加齢黄斑変性が、早期、中間期又は進行期AMDである、クレーム7eに記載の方法。
142. 進行期AMDが地図状萎縮である、クレーム7に記載の方法。
143. 抗D因子抗体、又はその抗原結合断片はラムパリズマブである、クレーム7に記載の方法。
144. 変性疾患の進行に対しての変性疾患個体のリスクを判定する方法において、
(a)個体からの試料において、少なくとも一の変性疾患関連多型の存在を、
(i)個体からの核酸試料を提供し、
(ii)少なくとも一の変性疾患関連多型の存在についてジェノタイピングすることによって決定し、ここで、多型はCFIアレル、CFHアレル、C2アレル、CFBアレル、又はC3アレルからなる群から選択されるリスクアレルであり;
(b)リスクアレル多型が存在するとき、変性疾患の進行に対して増加したリスクを有しているとして個体を同定する
ことを含む、方法。
145. CFIアレルはその等価なアレルであり、CFHアレルはその等価なアレルであり、C2アレルはその等価なアレルであり、CFBアレルはその等価なアレルであり、又はC3アレルはその等価なアレルである、クレーム144に記載の方法。
146. CFIアレルは一塩基多型(SNP)rs4698775又はrs17440077にGを含み、CFHアレルは一塩基多型(SNP)rs10737680にAを又は一塩基多型(SNP)rs1329428にGを含み、C2アレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、CFBアレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、かつC3アレルは一塩基多型(SNP)rs2230199にGを含む、クレーム144に記載の方法。
147. 生体試料は、血液試料、唾液、口腔粘膜採取検体、組織試料又は体液試料である、クレーム144に記載の方法。
148. 核酸試料はDNAを含む、クレーム144に記載の方法。
149. 核酸試料はRNAを含む、クレーム144に記載の方法。
150. 核酸試料が増幅される、クレーム144に記載の方法。
151. 核酸試料が、ポリメラーゼ連鎖反応により増幅される、クレーム144に記載の方法。
152. 少なくとも一の多型がポリメラーゼ連鎖反応により検出される、クレーム144記載の方法。
153. 少なくとも一の多型がシークエンシングにより検出される、クレーム144に記載の方法。
154. 少なくとも一の多型が、走査型プローブ及びナノポアDNAシークエンシング、ピロシークエンシング、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(DGGE)、テンポラル温度勾配電気泳動法(TTGE)、Zn(II)−サイクレンポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ホモジニアス蛍光PCRベース一塩基多型解析、リン酸塩親和性ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ハイスループットSNPジェノタイピングプラットフォーム、分子指標、5’ヌクレアーゼ反応、Taqmanアッセイ、MassArray(マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析と組み合わせた一塩基伸長法)、トリチルマスタグ、ジェノタイピングプラットフォーム(Invader Assay(登録商標)等)、一塩基プライマー伸長(SBE)アッセイ、PCR増幅(例えば、磁気ナノ粒子(MNP)でのPCR増幅、PCR産物の制限酵素解析(RFLP法)、アレル特異的PCR、マルチプルプライマー伸長法(MPEX)、及び等温smart増幅法からなる群から選択される技法により検出される、クレーム144に記載の方法。
155. 少なくとも一の多型が、少なくとも一の多型を含む標的領域を増幅させ、少なくとも一の多型にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする少なくとも一の配列特異的オリゴヌクレオチドと共にハイブリダイズさせ、ハイブリダイゼーションを検出することにより、検出される、クレーム144に記載の方法。
156. 個体におけるSNP rs4698775、SNP rs17440077、SNP rs1329428、SNP rs429608又はSNP rs2230199におけるG遺伝子型の一又は二のアレル、あるいはSNP rs10737680におけるA遺伝子型の一又は二のアレルの存在が、変性疾患進行に対して増加したリスクを示す、クレーム144に記載の方法。
157. 一塩基多型(SNP)rs4698775、rs17440077、rs10737680、rs1329428、rs429608、及びrs2230199からなる群から選択される少なくとも一の一塩基多型と連鎖不平衡にある多型が検出される、クレーム146に記載の方法。
158. 変性疾患が加齢黄斑変性である、クレーム144に記載の方法。
150. 加齢黄斑変性が、早期、中間期又は進行期AMDである、クレーム158に記載の方法。
160. 進行期AMDが地図状萎縮である、クレーム144に記載の方法。
161. 変性疾患を治療する方法において、HVRH1、HVRH2、HVRH3、HVRL1、HVRL2、HVRL3、及びHVRL3を含み、各HVRが、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5及び配列番号:6のアミノ酸配列を有する抗D因子抗体、又はその抗原結合断片を、変性疾患に罹患している患者に、毎月10mgの用量で投与することを含む方法。
162. 加齢黄斑変性が、早期、中間期又は進行期AMDである、クレーム161に記載の方法。
163. 進行期AMDが地図状萎縮である、クレーム162に記載の方法。
164. 第二の医薬が投与される、クレーム161に記載の方法。
165. 第二の医薬がVEGF阻害剤である、クレーム164に記載の方法。
166. VEGF阻害剤がラニビズマブである、クレーム165に記載の方法。
167. 抗D因子抗体、又はその抗原結合断片が、配列番号:7を含むVHと配列番号:8を含むVLとを含む抗体又はその抗原結合断片である、クレーム161に記載の方法。
168. 治療が、ベースラインGA面積から20%以上減少のGA面積変化を生じる、クレーム161に記載の方法。
169. 治療が、ベースラインGA面積から15%以上減少のGA面積変化を生じる、クレーム161に記載の方法。
170. 治療が、ベースラインGA面積から10%以上減少のGA面積変化を生じる、クレーム161に記載の方法。
171. 治療が、ベースラインGA面積から5%以上減少のGA面積変化を生じる、クレーム161に記載の方法。
172. 患者が、AMDに続発する地図状萎縮に罹患している、クレーム161に記載の方法。
173. 患者の試験眼が20/25と20/400の間のBCVAを有している、クレーム161に記載の方法。
174. 患者の試験眼が20/25と20/100の間のBCVAを有している、クレーム161に記載の方法。
175. 患者の試験眼が20/25と20/400の間のBCVAを有している、クレーム161に記載の方法。
176. 患者の試験眼が20/25より良いか又は20/400より悪いBCVAを有している、クレーム161に記載の方法。
177. 患者が、試験眼において過去に硝子体内治療、網膜手術又は他の網膜治療術を何ら受けていない、クレーム161に記載の方法。
178. 変性疾患患者からの生体試料におけるジェノタイピング用キットにおいて、リスクアレルの検出のための、ポリメラーゼ連鎖反応又はシークエンシングのためのオリゴヌクレオチドを含む、キット。
179. 生体試料は、血液試料、唾液、口腔粘膜採取検体、組織試料又は体液試料である、クレーム178に記載の方法。
180. 生体試料は核酸試料である、クレーム178に記載のキット。
181. 核酸試料はDNAを含む、クレーム180に記載の方法。
182. 核酸試料はRNAを含む、クレーム1181に記載の方法。
183. 核酸試料が増幅される、クレーム180に記載の方法。
184. 変性疾患患者が抗D因子抗体、又はその抗原結合断片に応答する可能性があるかどうかを判定するためのパッケージ挿入物を更に含む、クレーム178に記載のキット。
185. CFIリスクアレル、CFHリスクアレル、C2リスクアレル、CFBリスクアレル又はC3リスクアレルの存在を検出するために使用される、クレーム178に記載のキット。
186. SNP rs4698775、SNP rs17440077、SNP rs1329428、SNP rs429608又はSNP rs2230199におけるG遺伝子型の一又は二のアレル、あるいはSNP rs10737680におけるA遺伝子型の二のアレルの存在を検出するために使用される、クレーム10に記載のキット。
187. 患者が抗D因子抗体又はその抗原結合断片での治療から恩恵を受ける増加した可能性があるかどうかを予測するキットにおいて、CFI、C2、CFB、C3又はCFHの多型に特異的な第一のオリゴヌクレオチド及び第二のオリゴヌクレオチドを含むキット。
188. 前記第一のオリゴヌクレオチド及び前記第二のオリゴヌクレオチドが、SNP rs4698775、SNP rs17440077、SNP rs1329428、SNP rs429608又はSNP rs2230199におけるG遺伝子型あるいはSNP rs10737680におけるA遺伝子型からなる群から選択される、多型をそれぞれCFI、C2、CFB、C3又はCFHに含むCFI、C2、CFB、C3又はCFH遺伝子の領域を増幅させるために使用されうる、クレーム187に記載のキット。
189. 抗D因子抗体、又はその抗原結合断片が、HVRH1、HVRH2、HVRH3、HVRL1、HVRL2、HVRL3、及びHVRL3を含み、各HVRが、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5及び配列番号:6のアミノ酸配列を有する、クレーム1−5及び7の何れか一に記載の方法。
190. 抗D因子抗体、又はその抗原結合断片が、配列番号:7の可変重鎖及び/又は配列番号:8の可変軽鎖を含む、クレーム1−160の何れか一に記載の方法。
191. 多型がCFI多型である、クレーム1−160の何れか一に記載の方法。
192. CFI多型が、CFH多型、C2多型、C3多型又はCFB多型からなる群から選択される一又は複数の更なる多型と組み合わされて存在する、クレーム191に記載の方法。
193. 変性疾患を診断するための診断薬の製造のための、少なくとも一の変性疾患関連多型に特異的に結合する薬剤の使用であって、多型がCFIリスクアレル、CFHリスクアレル、C2リスクアレル、CFBリスクアレル又はC3リスクアレルからなる群から選択されるリスクアレルである使用。
194. CFIアレルはその等価なアレルであり、CFHアレルはその等価なアレルであり、C2アレルはその等価なアレルであり、CFBアレルはその等価なアレルであり、又はC3アレルはその等価なアレルである、クレーム193に記載の使用。
195. CFIアレルは一塩基多型(SNP)rs4698775又はrs17440077にGを含み、CFHアレルは一塩基多型(SNP)rs10737680にAを又は一塩基多型(SNP)rs1329428にGを含み、C2アレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、CFBアレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、かつC3アレルは一塩基多型(SNP)rs2230199にGを含む、クレーム193に記載の使用。
196. 少なくとも一の多型が、走査型プローブ及びナノポアDNAシークエンシング、ピロシークエンシング、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(DGGE)、テンポラル温度勾配電気泳動法(TTGE)、Zn(II)−サイクレンポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ホモジニアス蛍光PCRベース一塩基多型解析、リン酸塩親和性ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ハイスループットSNPジェノタイピングプラットフォーム、分子指標、5’ヌクレアーゼ反応、Taqmanアッセイ、MassArray(マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析と組み合わせた一塩基伸長法)、トリチルマスタグ、ジェノタイピングプラットフォーム(Invader Assay(登録商標)等)、一塩基プライマー伸長(SBE)アッセイ、PCR増幅(例えば、磁気ナノ粒子(MNP)でのPCR増幅、PCR産物の制限酵素解析(RFLP法)、アレル特異的PCR、マルチプルプライマー伸長法(MPEX)、及び等温smart増幅法からなる群から選択される技法により検出される、クレーム193に記載の使用。
197. 少なくとも一の多型が、少なくとも一の多型を含む標的領域を増幅させ、少なくとも一の多型にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする少なくとも一の配列特異的オリゴヌクレオチドと共にハイブリダイズさせ、ハイブリダイゼーションを検出することにより、検出される、クレーム193に記載の方法。
198. 個体におけるSNP rs4698775、SNP rs17440077、SNP rs1329428、SNP rs429608又はSNP rs2230199におけるG遺伝子型の一又は二のアレル、あるいはSNP rs10737680におけるA遺伝子型の一又は二のアレルの存在が、変性疾患進行に対して増加したリスクを示す、クレーム193に記載の使用。
199. 一塩基多型(SNP)rs4698775、rs17440077、rs10737680、rs1329428、rs429608、及びrs2230199からなる群から選択される少なくとも一の一塩基多型と連鎖不平衡にある多型が検出される、クレーム195に記載の使用。
200. 変性疾患が加齢黄斑変性である、クレーム193に記載の使用。
201. 加齢黄斑変性が、早期、中間期又は進行期AMDである、クレーム200に記載の使用。
202. 進行期AMDが地図状萎縮である、クレーム201に記載の使用。
203. 抗D因子抗体、又はその抗原結合断片を含む治療法に応答する見込みがある変性疾患の患者を同定するための、少なくとも一の変性疾患関連多型であって、CFIリスクアレル、CFHリスクアレル、C2リスクアレル、CFBリスクアレル又はC3リスクアレルからなる群から選択されるリスクアレルである多型に結合する薬剤のインビトロでの使用であって、ここで、前記多型の存在が、患者が該療法により応答する可能性があると特定する、使用。
204. CFIアレルはその等価なアレルであり、CFHアレルはその等価なアレルであり、C2アレルはその等価なアレルであり、CFBアレルはその等価なアレルであり、又はC3アレルはその等価なアレルである、クレーム203に記載の使用。
205. CFIアレルは一塩基多型(SNP)rs4698775又はrs17440077にGを含み、CFHアレルは一塩基多型(SNP)rs10737680にAを又は一塩基多型(SNP)rs1329428にGを含み、C2アレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、CFBアレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、かつC3アレルは一塩基多型(SNP)rs2230199にGを含む、クレーム203に記載の方法。
206. 少なくとも一の多型が、走査型プローブ及びナノポアDNAシークエンシング、ピロシークエンシング、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(DGGE)、テンポラル温度勾配電気泳動法(TTGE)、Zn(II)−サイクレンポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ホモジニアス蛍光PCRベース一塩基多型解析、リン酸塩親和性ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ハイスループットSNPジェノタイピングプラットフォーム、分子指標、5’ヌクレアーゼ反応、Taqmanアッセイ、MassArray(マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析と組み合わせた一塩基伸長法)、トリチルマスタグ、ジェノタイピングプラットフォーム(Invader Assay(登録商標)等)、一塩基プライマー伸長(SBE)アッセイ、PCR増幅(例えば、磁気ナノ粒子(MNP)でのPCR増幅、PCR産物の制限酵素解析(RFLP法)、アレル特異的PCR、マルチプルプライマー伸長法(MPEX)、及び等温smart増幅法からなる群から選択される技法により検出される、クレーム203に記載の使用。
16b6. 少なくとも一の多型が、少なくとも一の多型を含む標的領域を増幅させ、少なくとも一の多型にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする少なくとも一の配列特異的オリゴヌクレオチドと共にハイブリダイズさせ、ハイブリダイゼーションを検出することにより、検出される、クレーム16に記載の方法。
207. 個体におけるSNP rs4698775、SNP rs17440077、SNP rs1329428、SNP rs429608又はSNP rs2230199におけるG遺伝子型の一又は二のアレル、あるいはSNP rs10737680におけるA遺伝子型の一又は二のアレルの存在が、変性疾患進行に対して増加したリスクを示す、クレーム203に記載の使用。
208. 一塩基多型(SNP)rs4698775、rs17440077、rs10737680、rs1329428、rs429608、及びrs2230199からなる群から選択される少なくとも一の一塩基多型と連鎖不平衡にある多型が検出される、クレーム204に記載の使用。
209. 変性疾患が加齢黄斑変性である、クレーム203に記載の使用。
210. 加齢黄斑変性が、早期、中間期又は進行期AMDである、クレーム203に記載の使用。
211. 進行期AMDが地図状萎縮である、クレーム210に記載の使用。
212. 抗D因子又はその抗原結合断片を含む治療法に対して応答する可能性があるとして、変性疾患に罹患している患者を選択するための変性疾患関連多型のインビトロでの使用であって、ここで、変性疾患関連多型が患者からの試料において検出されるときに、患者が該療法により応答する可能性が高いと特定する、使用。
213. 変性疾患関連多型がAMD関連多型である、クレーム212に記載の使用。
214. 多型が、変性疾患を診断するための診断薬の製造のための、CFIリスクアレル、CFHリスクアレル、C2リスクアレル、CFBリスクアレル又はC3リスクアレルからなる群から選択されるリスクアレルである、クレーム212に記載の使用。
215. CFIアレルはその等価なアレルであり、CFHアレルはその等価なアレルであり、C2アレルはその等価なアレルであり、CFBアレルはその等価なアレルであり、又はC3アレルはその等価なアレルである、クレーム214に記載の使用。
216. CFIアレルは一塩基多型(SNP)rs4698775又はrs17440077にGを含み、CFHアレルは一塩基多型(SNP)rs10737680にAを又は一塩基多型(SNP)rs1329428にGを含み、C2アレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、CFBアレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、かつC3アレルは一塩基多型(SNP)rs2230199にGを含む、クレーム214に記載の使用。
217. 抗D因子抗体又はその抗原結合断片を含む治療法に対する、変性疾患に罹患している患者の応答の可能性を評価するための診断薬の製造のための変性疾患関連多型の使用。
218. 変性疾患関連多型がAMD関連多型である、クレーム217に記載の使用。
219. 多型が、変性疾患を診断するための診断薬の製造のための、CFIリスクアレル、CFHリスクアレル、C2リスクアレル、CFBリスクアレル又はC3リスクアレルからなる群から選択されるリスクアレルである、クレーム217に記載の使用。
220. CFIアレルはその等価なアレルであり、CFHアレルはその等価なアレルであり、C2アレルはその等価なアレルであり、CFBアレルはその等価なアレルであり、又はC3アレルはその等価なアレルである、クレーム219に記載の使用。
221. CFIアレルは一塩基多型(SNP)rs4698775又はrs17440077にGを含み、CFHアレルは一塩基多型(SNP)rs10737680にAを又は一塩基多型(SNP)rs1329428にGを含み、C2アレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、CFBアレルは一塩基多型(SNP)rs429608にGを含み、かつC3アレルは一塩基多型(SNP)rs2230199にGを含む、クレーム219に記載の使用。
【0279】
ある実施態様では、検出、予防及び/又は治療レジメンは、ここに記載された方法によって評価されて、より進行したAMD(例えば中間期AMD又はCNV又は地図状萎縮)へのAMD進行のリスクに基づいてそれから最も恩恵を受けるであろう個体に特に処方され及び/又は投与される。よって、AMD進行のリスクがある患者を同定し、ついでAMD進行のリスクが増加していることが特定された個体に対して検出、治療又は予防レジメンを処方するための方法が提供される。ある実施態様は、対象におけるAMDの治療、対象におけるAMDの進行の低減、又は対象におけるAMDの進行の早期検出に関しており、これは、ヌクレオチド配列中のSNP(SNP rs4698775、rs17440077、rs10737680、rs1329428、rs429608、rs2230199を含む)においてAMD又はAMD進行に関連した多型変異体の有無を検出し(ゲノム・リファレンス・コンソーシアムGRCh37;UCSCゲノムHG19アセンブリ;2009年2月)、AMD又はAMD進行に関連した多型変異体の存在がヌクレオチド配列中の一又は複数のSNPにおいて検出される試料が由来した対象に、AMD治療レジメン、予防レジメン及び/又は検出レジメンを処方し又は施すことを含む。これらの方法では、遺伝的結果が、ここに記載されているように、AMD又はAMD進行を診断するための他の検査結果と組み合わせて利用されうる。
【0280】
他の実施態様では、AMD治療又は薬剤に対する応答を分析し予測するために薬理ゲノミクス法が使用されうる。薬理ゲノミクス解析が、個体が特定の薬剤(例えば抗D因子抗体、又はその抗原結合断片)でのAMD治療にポジティブに応答するであろう可能性を示しているならば、該薬剤が個体に投与されうる。解析が、個体が特定の薬剤での治療にネガティブに応答する可能性があることを示しているならば、代替の治療コースが処方されうる。ネガティブな応答は、効果的な応答がないか又は毒性の副作用が存在する場合と定義されうる。治療処置に対する応答は、次の集団に限定されるものではないが、次の集団の何れかにおける対象がジェノタイピングされるバックグラウンド研究において予測することができる:治療レジメンに好ましく応答する集団、治療レジメンに有意には応答しない集団、及び治療レジメンに不利に応答する集団(例えば一又は複数の副作用を示す)。個体は、個体がどの集団に入るかを予測するためにジェノタイピングされうる。
【0281】
ここに記載の方法はまた臨床薬治験に適用可能である。AMD治療薬剤に対する、あるいはAMD治療薬剤に対する副作用に対する応答を示す多型変異が、一又は複数のSNPにおいて同定されうる。その後、そのような薬剤の臨床試験における潜在的な参加者をスクリーニングして、薬剤に好ましく応答する可能性が最も高い個体を同定し、応答する可能性が少ないか副作用を被る者を除外しうる。従って、治療にポジティブに応答しそうにない個体を含める結果として測定を低下させることなく、薬剤にポジティブに応答する個体において治療の効果を測定することができる。よって、他の実施態様は、治療の臨床試験に含める個体を選択する方法であって、(a)個体の核酸試料を取得し、(b)治療に対するポジティブな応答と関係している多型変異体、又は治療に対するネガティブな応答と関係している多型変異体の同一性を決定し、(c)核酸試料が治療に対するポジティブな応答と関係している多型変異体を含んでいるならば臨床試験に個体を含める工程を含む方法である。工程(c)は、核酸試料が治療に対するポジティブな応答と関係している多型変異体を含んでいるならば、及び/又は核酸試料が治療に対するネガティブな応答と関係している多型変異体を欠いているならば、個体に治療を施すことをまた含みうる。
【0282】
本発明の更なる詳細を次の非限定的な実施例によって例証する。明細書における全ての引用文献の開示内容は出典明示によりここに明示的に援用される。
【実施例】
【0283】
実施例1
地図状萎縮の臨床試験
1.要約
地図状萎縮(GA)患者に18ヶ月の治療期間の間、毎月又は隔月に投与されるラムパリズマブ硝子体内(ITV)注射の安全性、許容度及び活性の証拠を評価するために、第1b/II相ランダム化単盲検シャム注射対照多施設試験を実施した。ランダム化試験の前に安全性挿入評価を先行させた。主要、副次的及び探索的評価を、18ヶ月の治療期間の終わりに評価した。3ヶ月の安全性追跡調査期間は、非盲検継続試験(OLE)の資格がないか該試験を続けないことを選択した試験患者に対する最後のITV又はシャム注射の投与後に始めた。安全性挿入評価では、10mgのラムパリズマブITVの複数の毎月の投与を、試験のランダム化相への登録開始前に実施した。安全性挿入評価における全患者が、10名の評価可能な患者から安全性データを得るために最小3回の毎月用量のラムパリズマブの投与を受けた。評価可能な患者は、少なくとも3回の試験薬の注射を受けた患者であった。
【0284】
4群のランダム化相では、インタラクティブ・ウェブ・レスポンスシステム(IWRS)を使用して、43名の患者がラムパリズマブ注射を毎月受け、21名の患者が全18回の注射に対してシャム注射を毎月受け、44名の患者がラムパリズマブ注射を隔月に受け、21名の患者が全9回の注射に対してシャム注射を隔月に受けるように、2:1:2:1のシャムに対する薬剤の割付け比で、患者をランダム化した。
【0285】
治験デザインのまとめを表2に示す。
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【0286】
この試験における患者集団は、57%の女性を含み、79の平均年齢であった。この試験における患者の大半は白人(>98%)であり、ヒスパニックでもラテン系でもなかった(>98%)。人口統計及びベースライン特性は一般に治療群にわたってバランスが保たれた。効果を評価可能な全患者の58%が、<4DA(1DA=2.54mm2)のベースライン地図状萎縮病巣面積を有しており、治療群にわたる分布は一般に同様であった。
【0287】
10mgのラムパリズマブITVでの複数の毎月投与の安全性及び許容度の挿入評価を、試験のランダム化相への登録開始前に実施した。安全性挿入評価における全患者が、10名の評価可能な患者から安全性データを得るために最小3回の毎月用量のラムパリズマブの投与を受けた(
図1)。評価可能な患者は、少なくとも3回の試験薬の注射を受けた患者である。安全性挿入評価における患者適格性及び登録は、BCVA組み入れ基準を例外として(以下を参照;3.1.1.b.1))、試験のランダム化相(以下を参照)に対して記載されたプロセスに従った。
【0288】
安全性挿入評価では、各患者は試験薬剤の注射を0日目に受け、各注射後、投薬裂孔の開始まで、1日目、7日目(±2)、及び30日目(±7)に評価した。10番目の評価可能な患者が三回目の試験薬剤投与後の90日目(±7)の来診を完了した後、およそ1週間の投薬において裂孔が後に続いた。裂孔中における、複数回の薬剤投与の安全性及び許容度。安全性挿入評価は、用量制限基準(DLC;以下を参照)に従って10mg用量のラムパリズマブに対して許容可能な安全性及び許容性を裏付け、ランダム化相を開始させた。裂孔及び10mg用量のラムパリズマブに対する許容可能な安全性及び許容性の決定後、安全性挿入評価に参加した患者は毎月10mgの試験薬剤投与を続けた。これらの患者は試験中に最大18回のラムパリズマブ治療を受けた。
【0289】
試験治療を早期に中止した患者は、その試験期間が完了するまで、予定が組まれた毎月の評価を受けることが奨励された。もし毎月の評価ができなかった場合には、患者は少なくとも3ヶ月毎に評価され、12月目及び18月目の来診を完了した。時期尚早に試験治療が中止された患者はOLE試験に参加することは許されなかった。
【0290】
完了前に試験から撤退した患者は、有害事象のモニター及び最終試験来診評価のためにその最後の試験治療後の30(±7)日目に早期終了評価のために戻るように依頼された。完了前に試験から撤退した患者はOLE試験に参加することは許されなかった。
【0291】
≧2の患者が安全性挿入評価中に同じ用量制限毒性(DLT)を経験した場合(例えばDLT基準を満たす≧2の硝子体炎の患者)、10mgの投薬コホートを中断し、このコホートにおける全患者について試験を中断し、早期終了評価プロセスに従うであろう。新規のコホートは5mg用量の10名の評価可能な患者が得られるように登録されるであろう;10mgコホートに対して概説されたものと同じ安全性挿入評価に対するプロセス及び規則が5mgコホートの患者に対して適用されるであろう。5mgでの用量削減計画が有効とされた場合、DLCに従ってのこのコホートの成功裏の完成がランダム化相の開始に必要とされるであろう(
図1)。
【0292】
個々のDLTは、安全性挿入評価期間中に生じ、試験薬剤に関連していると考えられた次の有害事象の何れかとして定義された:
1.硝子体炎又はブドウ膜炎で、試験薬注射後に標準的な評価尺度(前房フレア又は細胞及び硝子体細胞の評価に対する評価尺度)で2単位の変化として定義された。この定義に従って、試験排除基準は0のベースライングレードを樹立し、2+又はそれ以上への増加がDLTを構成した。グレード4+の前房又は硝子体細胞カウントは、更なる登録/治療が適切であったかを決定するために登録の中断及び内部の安全性審査委員会による更なる評価を必要とする主要な毒性であると考えられた。
2.眼内炎
3.≧30mmHgの眼内圧(IOP)の持続的上昇(3回の連続した予定通りの来診時に測定)
4.注射術又はGAの進行に起因しない試験薬注射後の≧15文字の視力(VA)の持続的喪失(3回の連続した予定通りの来診時に測定)
【0293】
安全性挿入患者を、1日目、7日目(±2)、及び30日目(±7)の来診時に各試験薬注射後にDLTについて評価した。このレジメンは、10番目の評価可能な患者が三回目の試験薬注射を受け、90日目(±7)の来診を完了するまで、続けた。
【0294】
安全性挿入評価において定められたDLCに従って許容可能な安全性及び許容性が実証された10mgの試験薬用量を、試験のランダム化相に対して使用した。AMDに続発するGAの129名の患者をランダム化相に登録した。試験は、14日までの(−14日目から−1日目)スクリーニング期間と、全ランダム化患者に対する18ヶ月の治療期間と、非盲検継続試験の資格がないか該試験を続けないことを選択した患者に対する最後の試験薬又はシャム投与後の3ヶ月の安全性追跡調査期間とから構成された。
【0295】
患者は、セントラルリーディングセンターによる全てのスクリーニング来診画像の受領を含む、全ての適格性基準をスクリーニング及び0日目の来診時の双方において満たすことが要求された。スクリーニングプロセスの一部として、セントラルリーディングセンターは、眼底自発蛍光(FAF)画像、デジタル眼底写真(FP)、及び蛍光眼底造影像(FA)を評価して、GAに関する患者適格性の客観的盲検評価を提供した。適格な患者を0日目に登録し、インタラクティブ・ウェブ・レスポンスシステム(IWRS)を使用して、43名の患者がラムパリズマブ注射を毎月受け、21名の患者が全18回の注射に対してシャム注射を毎月受け、44名の患者がラムパリズマブ注射を隔月に受け、21名の患者が全9回の注射に対してシャム注射を隔月に受けるように、2:1:2:1のシャムに対する薬剤の割付け比で、ランダム化した(
図1)。適格な患者をGA病巣サイズに基づいて層別化した。患者は治療が開始されるのと同じ日に登録された(0日目)。
【0296】
一つの眼だけが試験眼として選択された。両方の眼が適格である場合、視力の悪い(悪いVA及び/又は少ない機能)方の眼を試験治療のために選択した(試験眼)。治験責任医師及び他の現場スタッフメンバーには患者の治療割り当ては隠されなかった。患者だけには自身の治療割り当てが隠された。全患者に試験期間中の毎月の来診予定が決められた。登録された患者には0日目に治験責任医師によってラムパリズマブ又はシャムの最初のITV注射が施された。ランダム化相患者には、最初の注射後7(±2)日目に安全性及び眼の評価が実施された。次の来診時(毎月)、毎月の治療群の患者には、試験薬又はシャム注射を受ける前に治験責任医師によって安全性評価が実施された。隔月治療群の患者にもまた毎月、安全性評価が実施されたが、隔月来診時にのみ試験薬又はシャム投与がなされた。ランダム化相患者には、視力低下、眼痛、普通でない発赤、又は試験眼における任意の他の新しい眼の症状の報告を引き出すために各注射の7(±2)日後に現場人員が接触した。また患者には、注射後の抗菌剤が処方され、彼等が自己投与したことを立証するように求めた。OLE試験の資格があり該試験を続けることを選択した患者は、18月目の来診時に最終の安全性来診を行った。OLE試験の資格がなく該試験を続けないことを選択した患者は、19月目の来診時(隔月治療群)に、又は20月目の来診時(毎月治療群)に、最終の安全性来診を行った。逃された用量は補われなかった。
【0297】
時期尚早に試験治療が中止された患者は、その試験期間の完了まで、予定が組まれた毎月の評価を受けることが奨励された。もし毎月の評価が可能でなかった場合には、患者は少なくとも3ヶ月毎に評価され、12月目及び18月目の来診を完了した。時期尚早に試験治療が中止された患者はOLE試験に参加することは許されなかった。完了前に試験から撤退した患者は、有害事象のモニター及び最終試験来診評価のためにその最後の試験治療後の30(±7)日目に早期終了評価のために戻るように依頼された。完了前に試験から撤退した患者はOLE試験を継続することは許されなかった。
【0298】
2.評価項目
2.1 主要評価項目
第1b/II相試験における活性の証拠に対する主要効果の評価は、FAFによって測定されるベースラインから18月目までのGA病巣面積の発達率である解剖学的エンドポイントであった。解剖学的主要エンドポイントはGA進行のより感度の良い計量を提供し、視力喪失に対する代替となった。
【0299】
2.2 副次評価項目
副次効果評価項目は、デジタル化立体カラー眼底写真によって評価されるベースラインから18月目までのGA病巣面積の発達率及びETDRS VAチャートを使用するベースラインから18月目までのBCVAの平均変化であった。
【0300】
2.3 更なる評価項目
更なる探索的評価項目は次のものを含んでいた:a)スペクトラルドメイン光干渉断層撮影(SD−OCT)によって評価されるベースラインからのGA面積の発達率;b)SD−OCTによって評価されるドルーゼン量の変化;c)ラムパリズマブ対シャム対照で治療された試験眼におけるウェットAMDへの転換率;d)黄斑下手術治験(SST)リーディングスピードアセスメントでの毎分当たり読まれた語数のベースラインからの変化;(e)Minnesotaリーディングスピードアセスメント(MNRead)での両眼で毎分当たり読まれた語数のベースラインからの変化;(f)Pelli−Robsonチャートで正確に読まれた文字数によって測定されるコントラスト感度のベースラインからの変化;(g)国立眼病研究所視覚機能検査質問紙−25(NEI VFQ−25_コンポジットスコア及び12のサブスケールスコアにおけるベースラインからの変化;(h)ファンクショナル・リーディング・インディペンデンス・インデックス(FRII))におけるベースラインからの変化;(i)AMD関連遺伝子多型、疾患特性、及びラムパリズマブ投与に対する応答の間の関係を評価するための臨床ジェノタイピング。
【0301】
2.4 薬物動態及び薬力学評価項目
ラムパリズマブ投与後の血清中濃度−時間データからのPKプロファイルを決定した。誘導PKパラメータは次のものを含んでいた:(a)初回用量後(AUC)の暴露;(b)実測最高血清中濃度(Cmax);(c)実測定常状態トラフ濃度;(d)定常状態到達時間;及び(e)トラフ濃度に基づく蓄積率。前房(房水)穿刺試料を集めてPKとPDの関係を評価した。更なるPK及びPD解析を実施した。
2.5 探索的評価項目
a.スペクトラルドメイン光干渉断層撮影(SD−OCT)によって評価されるベースラインからのGA面積の発達率
b.SD−OCTによって評価されるドルーゼン量の変化
c.ラムパリズマブ対シャム対照で治療された試験眼におけるウェットAMDへの転換率
d.黄斑下手術治験(SST)リーディングスピードアセスメントでの毎分当たり読まれた語数のベースラインからの変化
e.Minnesotaリーディングスピードアセスメント(MNRead)での両眼で毎分当たり読まれた語数のベースラインからの変化
f.Pelli−Robsonチャートで正確に読まれた文字数によって測定されるコントラスト感度のベースラインからの変化
g.国立眼病研究所視覚機能検査質問紙−25(NEI VFQ−25)コンポジットスコア及び12のサブスケールスコアにおけるベースラインからの変化
h.ファンクショナル・リーディング・インディペンデンス・インデックス(FRII)におけるベースラインからの変化
i.AMD関連遺伝子多型、疾患特性、及びラムパリズマブ投与に対する応答の間の関係を評価するための臨床ジェノタイピング
【0302】
2.5 安全計画
ラムパリズマブの投与経路又は薬理作用に関連した潜在的な安全性問題は、BCVA低下;結膜出血;ブドウ膜炎又は硝子体炎(上述のブドウ膜炎及び硝子体炎の定義を参照;前房フレア又は細胞及び前房の硝子体細胞の評価に対する評価尺度及び硝子体炎症評価尺度);眼内感染症;IOPの一過性及び/又は持続性上昇;白内障発達又は進行;網膜又は硝子体内出血、黄斑浮腫;及び網膜破裂又は剥離を含んでいた。全ての有害事象(重篤及び非重篤)の発生率を、この研究の期間に対して電子ケースレポートフォーム(eCRF)に記録した。
【0303】
複数回のITV投与後のラムパリズマブの全身性レベルは低いことが予想された。にもかかわらず、ACP活性の全身性阻害の証拠、例えば、特に被包性細菌(すなわち、髄膜炎菌、肺炎連鎖球菌、及びインフルエンザ菌)に対する感染閾値低下について患者をモニターした。
【0304】
有害事象、重篤有害事象、及び検査所見異常の発生率及び特徴を評価した。安全性の不断の見直しを実施した。
【0305】
安全性挿入相: 試験薬治療後の安全性データの迅速な安全性モニタリング及びレビューを、DLCが満たされているかどうかを決定するために実施した。試験薬投与の前もって特定されたウィンドウ内で生じる全DLTを報告し、レポートをレビューした。
【0306】
0日目での試験薬注射後、全患者は、投薬裂孔が始まるまで各月の注射後、1日目、7(±2)日目、及び30(±7)日目に安全性評価のために戻った。以下のランダム化相患者に対して列挙されたような同一の安全性評価を、安全性挿入患者に対して実施した。
【0307】
ランダム化相: 初回注射後7(±2)日目に安全性評価のため全患者が戻った。次の注射のために、各注射後、試験眼における視力低下、眼痛、普通でない発赤、又は任意の他の新しい眼の症状のレポートを引き出すためにランダム化患者に7(±2)日目に試験現場人員が接触した。患者は、彼等が注射後に抗菌剤が処方され、自己投与したかどうかを尋ねられた。患者は、何らかの健康に関連する懸念があればいつでも治験責任医師に接触するように指示された。正当ならば、患者は、安全性評価来診のためできるだけ早くクリニックに戻るように求められた。
【0308】
医師による試験治療後、15分以内に各患者に対して指数え検査を実施した;必要な場合、手の動き又は光覚を検査した。試験治療後、患者は少なくとも60(±10)分の間クリニックに残った。治療前に両側的に、試験治療の60(±10)分後に試験眼だけに対して、眼内圧を測定した。60(±10)分のとき、安全性の懸念がなかった場合、患者をクリニックから帰らせた。60(±10)分のとき注射前測定からIOPが≧10mmHg増加している場合、注射後120(±10)分に試験眼を再び測定した。繰り返しの測定時に安全性の懸念がなかった場合、患者にクリニックから帰ることを許可した。IOPが注射前測定から≧10mmHg増加のままで、繰り返し測定後に治験責任医師の懸念があった場合、患者はクリニックに残り、患者の退院前に治験責任医師の臨床上の判断に従って治療した。有害事象eCRFページを完了させた。
【0309】
間接的眼底検査及び細隙灯検査を含む、詳細な眼の検査を試験の全体を通して実施した。常套的な血液検査、血液生化学検査、血液凝固、及び尿検査プロファイル、並びに血清中試験薬濃度のための血液試料、CH50及びAH50アッセイ、及びラムパリズマブに対する抗体を全患者から得た。房水穿刺試料をまた、該手順及び試料収集に同意した患者から得た。
【0310】
18月目の来診時にOLE試験に継続して入る患者を除いて、完了前に試験から退いた患者(隔月治療群では19月の来診及び毎月治療群では20月の来診)は、最後の試験治療の来診の30(±7)日後に早期終了の来診評価のために戻るように依頼された。来診は、全ての有害事象(重篤及び非重篤; 眼及び眼以外)の評価を含んでいた。
【0311】
3.材料及び方法
3.1 患者選択及び性別分布
あらゆる試験手順の開始前に書面によるインフォームドコンセントを得た。0日目(初回の試験治療の日)に先立つ14日以内の任意のときに、スクリーニング評価を実施した。患者選択基準は、眼組み入れ基準を除いて、安全性挿入相とランダム化相に対して同一であった;重篤性が少ない視力障害の患者はランダム化相に登録した。
【0312】
組み入れ基準が満たされている限り、男性と女性の双方の登録を許可した。しかしながら、妊娠又は授乳は除外基準として挙げられており、よって妊娠又は授乳している女性は治験から除外された。
【0313】
残りの組み入れ/除外基準は、男性及び女性患者双方に適用され、患者の健康度の問題及び安全性の問題に関する。
【0314】
ランダム化は性別に基づいてはなされていないので、患者の登録は試験下の疾患の人口統計を反映していることが期待された。
【0315】
3.1.1.b.1
3.1.1 組み入れ基準
患者は治験エントリーに適格であるためには次の基準を満たさなければならない:
a.一般的組み入れ基準
1.署名したインフォームドコンセントを提供しプロトコルに定められた試験手順を遵守する意向及び能力
2.年齢60−89歳
3.出産の可能性がある性的に活発な女性に対する、試験期間中の避妊(又は禁欲)の適切な形態の使用への同意。女性が閉経後であるか又は子宮摘出術及び/又は両側卵巣摘出術を受けている場合、女性は出産可能ではないと考えられた。性的に活発な男性には、成功裏の精管切除術(外科的男性避妊法)が実施されていない場合、女性パートナーの妊娠が避けられることを担保するために避妊法(コンドーム)を使用することが要求された。
4.全ての予定された来診及び評価を受ける能力及び意向
【0316】
b.試験眼に対する眼の組み入れ基準
一方の眼を試験眼として指定した。両眼が適格ならば、より悪いVA及び/又は少ない機能の眼を試験治療(試験眼)に選択した。
1.視力
(a)安全性挿入相に対して: ETDRSチャートを使用しての20/125から20/400(スネレン等価)までのBCVA
(b)ランダム化相に対して: ETDRSチャートを使用しての20/50から20/400(スネレン等価)までのBCVA
2.脈絡膜新生血管(CNV)の不在下におけるAMDに続発するGAの良好に境界が確定された面積
3.GAが≧1円面積(DA)(2.5mm
2)であった
4.GAが多巣性ならば、少なくとも一の限局病巣が≧0.5DA(1.25mm
2)であった
5.全病巣サイズが≦7DA(17.5mm
2)であり、FAF造影野内に完全に存在した
6.GAの領域に隣接する過剰自発蛍光の存在(例えば、バンドがあるか又は散在した接合部FAFパターン;Holz等, Am J Ophthalmol, 143:463-472 (2007))
7.十分にクリアな透光体、十分な瞳孔の拡張、及び品質の良い眼底造影を可能にするための固定
c.非試験眼に対する眼の組み入れ基準
1.CNVの不在下におけるAMDに続発するGA
【0317】
3.1.2 除外基準
次の基準の何れかを満たした患者を治験エントリーから除外した:
1.試験眼における硝子体茎切除術、黄斑下手術、又はAMDに対する他の外科的処置の病歴
2.試験眼における過去の中心窩下フォーカルレーザー光血液凝固
3.試験眼におけるレーザー光血液凝固(中心窩近傍又は中心窩外)
4.試験眼におけるビスダイン(登録商標)、体外照射療法、又は経瞳孔温熱療法での先の治療
5.フェンレチニドでの過去の治療又はフェンレチニド治験への参加
6.エクリズマブでの過去の治療又はエクリズマブ治験への参加
7.過去にラムパリズマブでITV治療された患者を除く、試験眼における過去のITV薬物送達(例えば、ITV副腎皮質ステロイド注射、抗血管新生薬、抗補体剤、又はデバイス移植)。スクリーニングから少なくとも3か月前の嚢胞様黄斑浮腫予防のための白内障手術における抗VEGF剤の手術中の単一投与は許容される。
a.GA特性
1.FAF造影野を越えて延びるか又は単一又は多巣性病巣基準を満たさない試験眼におけるGA
2.試験眼におけるGAに隣接した過剰自発蛍光がないか又は最小(例えば、フォーカルFAFパターン;Holz等 2007)
3.AMD以外の原因(例えば、シュタルガルト病、パターンジストロフィー、錐体杆体ジストロフィー、又はクロロキン/ヒドロキシクロロキン毒性)による何れかの眼におけるGA
b.同時の眼の状態
1.試験眼における黄斑を含むRPE裂孔
2.試験眼における網膜裂孔の病歴
3.治験責任医師の意見では、
(a)その状態から生じるかもしれない視力喪失を予防又は治療するために試験期間中に医薬又は外科的処置を必要とするか;又は
(b)治療しないで進行させることが許容されたならば、試験期間中に少なくとも2スネレン等価ラインの喪失の一因となりうる
試験眼における任意の同時の眼又は眼内状態(例えば、白内障又は網膜上膜)。
4.治験薬の使用を禁忌とするか又は試験結果の解釈に影響を及ぼしうるか又は患者に合併症治療の高いリスクを与えうる他の眼又は眼内状態の病歴
5.何れかの眼における活動性ブドウ膜炎及び/又は硝子体炎(グレードトレース以上)(ブドウ膜炎及び硝子体炎とブドウ膜炎及び硝子体炎グレード分類スケールに対する定義を参照)
6.試験眼における現在の硝子体出血
7.試験眼における網膜剥離又は黄斑円孔(ステージ3又は4)の病歴
8.試験眼における無水晶体症又は後嚢の欠如
(a)試験眼における後嚢の過去の破れもまた、それが前の後房レンズ移植との関連でイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)レーザー後嚢切開術の結果として生じたものでないならば、除外される
9.8ジオプターを越える近視を示している試験眼における等値球面度数の屈折異常
10.試験眼において前に屈折矯正又は白内障手術を受けた患者では、試験眼における術前屈折異常が8ジオプターの近視を越えていてはいけない
11.0日目に先立つ3ヶ月以内の試験眼における眼内手術(白内障手術を含む)
12.試験眼における抑制されていない緑内障(抗緑内障薬での治療にもかかわらずIOP≧30mmHgと定義)
13.試験眼における緑内障濾過手術の病歴
14.試験眼における角膜移植の病歴
15.何れかの眼における糖尿病性網膜症
16.何れかの眼における活動期ウェットAMD又はその病歴
17.何れかの眼における突発性又は自己免疫関連ブドウ膜炎の病歴
18.何れかの眼における活動性感染性結膜炎、角膜炎、強膜炎、又は眼内炎
19.何れかの眼における感染性又は炎症性眼疾患の病歴
c.同時の全身状態
1.血圧のコントロール不良(患者が座っている状態で、収縮期>180mmHg及び/又は拡張期>110mmHgとして定義)
(a)患者の最初の測定がこれらの値を超えた場合、2回目の読みを30分以上後でとることができる。患者の血圧が降圧薬によって制御されなければならないなら、その患者は、0日目の前に少なくとも30日間連続して医薬が服用されているなら、適格性がある。
2.出血に対する臨床的に有意なリスクを伴う場合がある医学的状態
3.治験薬の使用を禁忌とするか又は試験の結果の解釈に影響を及ぼすかもしれないか又は患者に合併症治療の高リスクを強いる疾患又は病態の合理的な疑いを与える、他の疾患の病歴、代謝機能不全、理学的検査所見、又は臨床検査室所見
4.活動性全身性感染症の治療
5.感染リスク増加の素因又は病歴
6.補体因子D又は第二補体経路活性の既知の欠乏
7.活動性悪性腫瘍又は過去5年以内の悪性腫瘍の病歴(完全に消失した 皮膚基底細胞癌を除く)
8.治療をできない、フルオレセインに対するアレルギーの病歴
9.セントラルリーディングセンターによって解析され等級分類されるのに十分な品質のFP、FAF、FA、SD−OCT、又はNI画像の取得不能
10.試験又は追跡調査手順の遵守不能
11.0日目に先立つ3ヶ月以内での治験薬の何らかの研究への過去の参加(ビタミン及びミネラルを除く)
12.「除外された治療法」セクション(セクション3.4.2を参照)に示された任意の医薬/治療の連続使用の必要性
【0318】
3.3 試験治療
3.3.1 治験薬
製剤
ラムパリズマブ製剤は、ITV投与が意図された6cc USP/Ph.Eur.タイプ1ガラスバイアル中の滅菌され、白色ないしはオフホワイト色の凍結乾燥粉末として提供された。各ガラスバイアルは、名目上40mgのラムパリズマブを含んでいた。注射用滅菌水(SWFI),USP/Ph.Eur.での製剤の再構成が必要であった。再構成後、製剤は40mMのL−ヒスチジン塩酸塩、20mMの塩化ナトリウム、180mMのスクロース、0.04%(w/v)のポリソルベート20(pH5.5)中の100mg/mLラムパリズマブとして処方された。製剤は保存料を含んでおらず、単回のみの使用に適していた。
【0319】
投薬量、投与及び貯蔵
安全性挿入期での投薬: 非盲検で10mg用量のラムパリズマブを全ての安全性挿入患者に毎月投与した。試験薬治療の来診は、10番目の評価可能な患者が3回目の試験薬治療後、90(±7)日目の来診を完了するまで(そのとき、およそ7日続く投薬裂孔が起こった)、初回注射の日(0日目)に対して30(±7)日毎に予定した。裂孔の間、複数回投薬の安全性をレビューした。安全性挿入評価でDLCで描出されたように(セクション3.1.2を参照)、ラムパリズマブでの許容可能な複数回用量の安全性及び許容度が示されたので、ランダム化相を開始した。
【0320】
裂孔後、安全性挿入患者は、18ヶ月治療期間の残りについて、ランダム化相の患者と同じ用量で、毎月の試験薬投与を継続し、ランダム化相毎月投薬群と同じ来診頻度と評価に従った。これらの患者は、試験中、最大18回のラムパリズマブ治療を受けた。投薬は過去の投薬後22日より早くには繰り返さなかった。欠損用量は補わなかった。
【0321】
ランダム化相での投薬:
安全性挿入評価において決定されたように、所定用量のラムパリズマブを試験薬群の患者に、毎月治療群においては全18回の注射、隔月治療群では9回の注射として、0日目の来診から開始して毎月又は隔月に投与した。
【0322】
シャム注射をシャム群の患者に、毎月治療群においては全18回の注射、隔月治療群では9回の注射として、0日目の来診から開始して毎月又は隔月に投与した。投薬は過去の投薬後22日より早くには繰り返さなかった。欠損治療は補わなかった。
【0323】
投与: ラムパリズマブを、その用量の注射用滅菌水SWFI調製物で再構成した。ラムパリズマブのバイアルは単回のみの使用用であった。一人の患者に使用されたバイアルは他の患者には使用しなかった。
【0324】
注射前に、患者には、彼等が自分の抗菌剤を毎日4回、3日間、自己投与したことを立証するように求め、注射後3日間、毎日4回、自分の抗菌剤を自己投与するよう指示した。18月目の来診の前に、継続してOLE試験に入ることを選択した患者に、OLE試験インフォームドコンセント用紙に署名し、指示されたようにプロトコルが特定された抗菌剤を服用するように指示した。これらの患者に対して、OLE試験への登録の適格性を、その18月目の来診時に決定した。OLE試験に継続して入る資格がないか又は入らないことを選択した患者は、安全性追跡調査のための試験を継続し、19月目の来診(隔月治療群)又は20月目の来診(毎月治療群)を、最終の安全性来診とした。
【0325】
貯蔵:
ラムパリズマブを受け取ったときに、バイアルを使用まで2℃−8℃(36
oF−46
oF)で冷蔵した。ラムパリズマブバイアルは、製造者が提供した有効期限を越えては使用しなかった。ラムパリズマブ製剤には保存料が使用されていなかったので、バイアルは単回だけの使用を意図したものであった。バイアルの内容物は凍結又は振盪せず、直射日光から保護した。用量調製(再構成)後2時間以内に、ラムパリズマブを投与した;調製用量は、投与前、室温で維持されてもよい。
【0326】
3.4 他の治療
3.4.1 併用治療法
併用医薬は、0日目から前の7日以内から患者の試験参加の決定又は早期の終了来診まで患者によって使用されるプロトコル特定手順の医薬以外の任意の処方薬又は市販薬(例えば、散瞳薬又はフルオレセイン色素)及び注射前及び注射後医薬(例えば、プロパラカイン又は抗菌剤)であった。
【0327】
他の維持療法を使用した患者はその使用を継続した。除外された医薬を使用することが必要な患者は試験における登録には適格ではなかった。全ての併用医薬は治験責任医師に報告され、適切なeCRFに記録された。
【0328】
患者の試験参加中の試験眼における緑内障の発症は、臨床的に指示されたように治療された。
【0329】
試験参加中に何れかの眼に軽度の非増殖性糖尿病性網膜症(例えば、偶然の出血又は毛細血管瘤)を発症した患者は、メディカルモニターでの診察後、試験治療を継続することを許された。
【0330】
患者の試験参加中の何れかの眼における白内障又は後嚢部混濁の発症は、臨床的に指示されたように治療された。白内障手術又はYAGレーザー治療では、線量保持基準が適用された。
【0331】
患者の試験参加中に何れかの眼に新しく発症したCNVのレーザー光血液凝固治療は、CNVが、リーディングセンターによって決定されたGA病巣から十分に遠く、単回のレーザー治療で消散する可能性があり、メディカルモニターによって承認されたときに、許可された。レーザー光血液凝固治療では、線量保持基準が適用された。
【0332】
3.4.2 除外される治療法
治験責任医師の裁量で、患者は、他の病態のために投与される医薬及び標準的治療を継続して受けることが許された。しかしながら、次の医薬/治療は、試験への患者の参加中、使用することを禁止された:
1.全身性抗VEGF剤
2.何れかの眼におけるITV抗VEGF剤
3.何れかの眼におけるITV、テノン嚢下、又は外用(点眼)副腎皮質ステロイド(白内障手術後の外用副腎皮質ステロイドの短期間の使用は認められる)
4.>10mg/日の用量での経口副腎皮質ステロイド(プレドニゾン又は等価物)
5.関節内又は筋肉内副腎皮質ステロイドはメディカルモニターとの相談後に限られた形で使用されてもよい
6.静脈内副腎皮質ステロイド
7.全身性又はIV免疫調節療法(例えば、アザチオプリン、メトトレキセート、ミコフェノール酸モフェチル、シクロスポリン、シクロホスファミド、抗TNF、エクリズマブ)
8.何れかの眼におけるビスダイン(登録商標)での治療
他の実験的治療法(ビタミン及びミネラルでのものを除く)
【0333】
3.5 試験評価
3.5.1 試験評価の定義
試験評価を以下に詳細に記載し、様々な試験来診時に行った。
【0334】
安全性挿入相に登録された患者はおよそ29回の来診を行い、ランダム化相に登録された患者は試験中22回までの試験来診(スクリーニング来診を除く)を行った。18月目にOLE試験に継続して入った患者を除いて、時期尚早に(隔月治療群では19月目の来診前、毎月治療群では20月目の来診前)D因子試験を中止した任意の患者は、その最後の試験治療の30日(±7)後に早期終了(ET)来診を完了した。
【0335】
試験治療の来診は、0日目の来診に対して30(±7)日毎に予定された。
【0336】
常套的な血液検査、血液生化学検査、血液凝固、尿検査、及び補体評価(CH50及びAH50)が中央検査室によって評価された。他の検体評価はジェネンテックで実施された(PK、抗ラムパリズマブ抗体、房水、及びジェノタイピング)。
【0337】
a.患者が報告するアウトカム
NEI VFQ−25質問紙を、現場人員(VA審査員以外)が、患者がその来診に対して何れか他の試験手順を完了する前に与えた
【0338】
FRII質問紙を、現場人員(VA審査員以外)が、患者がその来診に対する何れか他の試験手順を完了する前に(ランダム化相に登録され、英語を読む患者のために)与えた。
【0339】
b.眼の評価
4メートルの開始距離でETDRSチャートでのBCVA(散瞳前に実施)
【0340】
Pelli−Robsonチャートで正確に読まれた文字数によって測定されるコントラスト感度;散瞳前に実施
【0341】
SSTリーディングスピード評価;英語を読む患者に対して散瞳前に実施
【0342】
MNRead両眼リーディングスピード評価(ランダム化相に登録され、英語を読む患者のため;散瞳前に前注射を実施)
【0343】
IOP測定(散瞳前に実施;患者に対して使用される方法は試験を通じて一貫していた)
【0344】
スリットランプ検査(細胞のグレード分類スケールのため)
【0345】
拡大両眼高倍率眼底検査
【0346】
試験眼のみに対して注射後15分以内に医師によって実施される指数え検査、又は手の動き又は光覚の検査
【0347】
両眼に対して注射前と試験眼のみに対して注射後60(±10)分にIOP測定;IOPが注射前から≧10mmHg増加したならば、注射後120(±10)分に再び測定される;患者に対して使用される方法は試験を通じて一貫していた。
【0348】
c.眼の造影
セントラルリーディングセンターが、特定の試験眼画像のための試験マニュアル及び訓練資料を現場に提供した。何らかの試験画像が得られる前に、現場人員、検査画像、システム及びソフトウェア(該当する場合)が、試験マニュアルで特定されたようにリーディングセンターによって認証/検証された。全ての眼の画像は、試験現場の訓練された現場人員によって取得され、独立した解析及び/又は貯蔵のためセントラルリーディングセンターに提出された。
【0349】
得られた眼の画像は次のものを含んでいた:
・両眼の立体的デジタル化カラー眼底写真
・両眼の蛍光眼底造影(検査室試料が得られた後に実施)
・両眼のFAF、NI、及びSD−OCT画像
【0350】
これらの画像の取得に関する更なる詳細は、セントラルリーディングセンターマニュアル中に含まれていた。
【0351】
d.検査室評価
予定された来診時、検体が試験眼治療及びFA評価(該当する場合)の前に採取された。検体採取前に絶食は必要とされなかった。全ての検体は加工のために中央検査室に送られた。中央検査室は解析を実施するか又は解析のためにジェネンテックに送った。全ての検体を取得し、加工し、保存し、輸送するための説明は、検査室マニュアルに提供されていた。ラボ供給キットは中央検査室によって現場に提供された。
【0352】
次の評価が実施された:
1.血液学:ヘモグロビン、ヘマトクリット、定量的血小板数、赤血球(RBC)、白血球(WBC)、並びに好中球、バンド、リンパ球、好塩基球、好酸球、及び単球を含む分画(絶対値及びパーセント)
2.血液生化学検査:ナトリウム、カリウム、塩素イオン、炭酸水素、グルコース、血中尿素窒素(BUN)、クレアチニン、カルシウム、リン、総及び直接ビリルビン、総タンパク質量、アルブミン、AST、ALT、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)、アルカリホスファターゼ、及び尿酸
3.尿検査:比重、pH、血液、タンパク質、ケトン、グルコース、ビリルビン、ウロビリノーゲン、鏡検(グルコース及びケトン以外の前の尿検査値の何れかが異常な場合)
4.凝固:aPTT及びPT5。
5.血清妊娠検査(β−ヒト絨毛性ゴナドトロピン):卵管結紮を行った者を含む出産可能性のある女性に対して。陽性ならば、試験薬は投与されない。
6.補体評価:AH50及びCH50
7.PKアッセイ:
(a)血清試料を得て、ラムパリズマブ濃度を測定した
(b)血清試料を抗ラムパリズマブ抗体の測定のために得た
(c)前房(房水)穿刺試料を採取してPKとPDの関係を評価した
【0353】
e.臨床ジェノタイピング試料
単一の全血試料を、試験中、遺伝子マーカー解析のために患者から採取した。この試料の採取は、試験のランダム化相に登録され、規制によって禁止されているアラスカ及びオレゴンに位置する試験センターと、遺伝子マーカー解析のための試料採取を警察が禁止している場所にある試験センターを除いて、合衆国に在住する全患者に対して必要とされた。遺伝子マーカー試料を使用して、AMDに関連した遺伝子多型、ベースライン疾患特性、及びラムパリズマブ投与に対する応答の間の関係を評価した。
【0354】
f.アッセイ法
ELISA法を使用して血清中の薬剤濃度を決定した。ブリッジングELISAを使用して血清中の抗治療抗体(ATA)を検出した。
【0355】
3.5.2 安全性挿入期: 治療中の評価
セントラルリーディングセンターでの選択画像(スクリーニング来診時に得られたFAF、NI、FP、FA、及びSD−OCT)の受領及び評価を含む、スクリーニング及び0日目(最初の試験薬が投与される日)双方の来診時に患者が全ての適格性基準を満たした場合、IWRSが0日目に患者に識別番号(患者のスクリーニング番号とは異なる番号)及び薬剤キットが割り当てられた。患者の薬剤キットの割り当ては、治療前評価後で0日目の試験治療投与前になされた。
【0356】
a.0日目
0日目はラムパリズマブの初回注射の日であった。0日目に次の評価を実施した:
1.NEI VFQ−25質問紙を、現場人員(VA審査員以外)が、患者が何れか他の試験手順を完了する前に与えた
2.バイタルサイン(血圧、呼吸、脈拍、及び体温;前注射を実施)
3.眼の評価
(i)4メートルの開始距離でBCVA検査(散瞳前に前注射を実施)
(ii)Pelli−Robsonチャートで正確に読まれた文字数によって測定されるコントラスト感度(散瞳前に前注射を実施)
(iii)SSTリーディングスピード評価(散瞳前に前注射を実施)
(iv)IOP測定(散瞳前に両眼に前注射を受け入れる;患者に対して使用される方法は試験を通じて一貫していなければならない)
(v)スリットランプ検査(前注射を実施)
(vi)拡大両眼高倍率眼底検査(前注射を実施)
4.組み入れ及び除外基準のレビュー
5.治療開始前に患者の識別番号及び試験薬キット割り当てのためにIWRSに接触
6.試験薬の再構成 (Pharmacy Binderを参照)
7.試験眼におけるラムパリズマブ注射の投与
(a)注射前に、確実に患者が3日間、毎日4回、抗菌剤を自己投与するようにし、注射後に3日間、毎日4回、再び抗菌剤を自己投与するよう患者に指示する
8.注射後の眼の評価
(a)試験眼のみに対して注射後15分以内に医師によって実施される指数え検査と続く手の動き又は光覚の検査(必要な場合)
(b)試験眼のみに対して注射後60(±10)分でのIOP測定;患者に対して使用される方法は試験を通じて一貫していなければならない
9.臨床評価
(a)全ての有害事象のモニタリング及び記録
(b)0日目の前の7日以内に患者によって使用される併用医薬の記録
(c)同時の眼の手術の記録
【0357】
b.1日目及び7日目の安全性評価来診
安全性挿入患者は、裂孔の始まりまで各試験薬での治療後、1(±0)日目及び7(±2)日目に安全性評価のためクリニックで会われた。次の評価が実施された:
1.臨床評価
(a)バイタルサイン(血圧、呼吸、脈拍、及び体温)
(b)併用医薬の記録
(c)同時の眼の手術の記録
(d)全ての有害事象のモニタリング及び記録
2.眼の評価
(a)4メートルの開始検査距離でBCVA検査(散瞳前に実施)。注意:指数え検査と、必要ならば、続く手の動き及び光覚検査を実施
(b)IOP測定(両眼に対して得る;患者に対して使用される方法は試験を通じて一貫していなければならない)
(c)スリットランプ検査(前注射を実施)
(d)拡大両眼高倍率眼底検査(前注射を実施)
3.初回の試験薬治療だけの後の1日目及び7日目の来診時におけるラムパリズマブ濃度測定のための血清試料収集
4.初回の試験薬治療だけの後の1日目の来診時における遺伝子マーカー解析のための全血試料
【0358】
c.安全性X月目
安全性挿入患者は、裂孔の始まりまで、0日目に対して30(±7)日毎に予定された試験薬治療来診を行った。次の評価が実施された:
1.バイタルサイン(血圧、呼吸、脈拍、及び体温)
2.眼の評価
(a)4メートルの開始距離でBCVA検査(散瞳前に実施)
(b)IOP測定(拡大前に両眼に対して得る;患者に対して使用される方法は試験を通じて一貫していなければならない)
(c)スリットランプ検査拡大両眼高倍率眼底検査
3.眼の造影
(a)両眼に対するSD−OCT
4.治療開始前に試験薬キット割り当てのためにIWRSに接触
5.試験薬の再構成 (Pharmacy Binderを参照)
6.試験眼におけるラムパリズマブ注射の投与
(a)注射前に、確実に患者が3日間、毎日4回、抗菌剤を自己投与するようにし、注射後に3日間、毎日4回、再び抗菌剤を自己投与するよう患者に指示する
7.注射後の眼の評価
(a)試験眼のみに対して注射後15分以内に医師によって実施される指数え検査と続く手の動き又は光覚の検査(適用可能な場合)
(b)試験眼のみに対して注射後60(±10)分にIOP測定(患者に対して使用される方法は試験を通じて一貫していなければならない)
8.臨床評価
(a)全ての有害事象のモニタリング及び記録
(b)併用医薬の記録
(c)同時の眼の手術の記録
9.裂孔の始まりまで各試験治療来診時に収集される研究室試料収集:
(a)血清試料がラムパリズマブ濃度を測定するために得られる
(b)血清試料が抗ラムパリズマブ抗体の測定のために得られる
(c)補体AH50及びCH50
(d)血液検査
(e)血液生化学検査
(f)凝固:aPTT及びPT
(g)尿検査
【0359】
3.5.3 ランダム化相:治療中の評価
セントラルリーディングセンターでの選択画像(スクリーニング来診時に得られたFAF、NI、FP、FA、及びSD−OCT)の受領及び評価を含む、スクリーニング及び0日目(試験薬が投与される最初の日)双方の来診時に患者が全ての適格性基準を満たした場合、IWRSが0日目に患者に識別番号(患者のスクリーニング番号とは異なる番号)及び薬剤キットが割り当てられた。患者の薬剤キットの割り当ては、治療前評価後で0日目の試験治療投与前になされた。
【0360】
a.0日目
0日目は初回の試験治療注射の日であった。0日目に次の評価を実施した:
1.NEI VFQ−25質問紙を、現場人員(VA審査員以外)が、患者が何れか他の試験手順を完了する前に与えた。FRII質問紙を、現場人員(VA審査員以外)が、患者がその来診に対する何れか他の試験手順を完了する前に(ランダム化相に登録され、英語を読む患者のために)与えた。
2.バイタルサイン(血圧、呼吸、脈拍、及び体温;前注射を実施)
3.眼の評価
(a)4メートルの開始距離でBCVA検査(散瞳前に前注射を実施)
(b)Pelli−Robsonチャートで正確に読まれた文字数によって測定されるコントラスト感度(散瞳前に前注射を実施)
(c)SSTリーディングスピード評価(散瞳前に前注射を実施)
(d)MNRead両眼リーディングスピード評価(ランダム化相に登録され、英語を読む患者のために);散瞳前に前注射を実施)
(e)IOP測定(散瞳前に両眼に前注射を受け入れる;患者に対して使用される方法は試験を通じて一貫していなければならない)
(f)スリットランプ検査(前注射を実施)
(g)拡大両眼高倍率眼底検査(前注射を実施)
4.組み入れ及び除外基準のレビュー
5.治療開始前に患者のランダム化識別番号及び試験治療キット割り当てのためにIWRSに接触
6.該当する場合、試験薬の再構成
7.試験眼における試験治療注射の投与(ランダム化につき薬剤又はシャム)
(a)注射前に、患者が処方通りに抗菌剤を確実に自己投与し、注射後に3日間、毎日4回、再び抗菌剤を自己投与するよう患者に指示する
8.注射後の眼の評価
(a)試験眼のみに対して注射後15分以内に医師によって実施される指数え検査と続く手の動き又は光覚の検査(必要な場合)
(b)試験眼のみに対して注射後60(±10)分でIOP測定;患者に対して使用される方法は試験を通じて一貫していなければならない
9.臨床評価
(a)全ての有害事象のモニタリング及び記録
(b)0日目の前の7日以内に患者によって使用される併用医薬の記録
(c)同時の眼の手術の記録
b.7日目の来診
1.臨床評価
(a)バイタルサイン(血圧、体温、呼吸、及び脈拍)
(b)併用医薬の記録
(c)同時の眼の手術の記録
(d)同時の眼の手術のモニタリング
2.眼の評価
(a)4メートルの開始距離でETDRSでのBCVA(散瞳前に実施)
(b)IOP測定(散瞳前に実施;患者に対して使用される方法は試験を通じて一貫していなければならない)
(c)スリットランプ検査
(d)拡大両眼高倍率眼底検査
3.試料収集
(a)ラムパリズマブ濃度のための血清PK試料
【0361】
c.1月目から18月目の来診
18月目はOLE試験の資格があり該試験を継続するように選択された患者に対する最終の試験来診であった。18月目の来診前に、これらの患者はOLEインフォームドコンセント用紙に署名するように求められ、プロトコルが特定された抗菌剤をとるように指示された。OLE試験への登録の適格性が18月目の来診時に決定された。
1.6月目、12月目、及び18月目の来診時に、NEI VFQ−25質問紙を、現場人員(VA審査員以外)が、患者が何れか他の試験手順を完了する前に与えた。
2.6月目、12月目、及び18月目の来診時に、FRII質問紙を、現場人員(VA審査員以外)が、患者がその来診に対する何れか他の試験手順を完了する前に(ランダム化相に登録され、英語を読む患者のために)与えた。
3.バイタルサイン(血圧、呼吸、脈拍、及び体温;前注射を実施)
4.12月目及び18月目の来診時に理学的検査
5.眼の評価
(a)4メートルの開始距離でBCVA検査(散瞳前に前注射を実施)
(b)Pelli−Robsonチャートで正確に読まれた文字数によって測定される6月目、12月目、及び18月目の来診時におけるコントラスト感度(散瞳前に前注射を実施)
(c)6月目、12月目、及び18月目の来診時におけるSSTリーディングスピード評価(散瞳前に前注射を実施)
(d)6月目、12月目、及び18月目の来診時における(ランダム化相に登録され、英語を読む患者のための)MNRead両眼リーディングスピード評価;(散瞳前に前注射を実施)
(e)IOP測定(散瞳前に両眼に前注射を受け入れる;患者に対して使用される方法は試験を通じて一貫していなければならない)
(f)スリットランプ検査(前注射を実施)
(g)拡大両眼高倍率眼底検査(前注射を実施)
6.眼の造影(セントラルリーディングセンターへの画像の提出)
(a)6月目、12月目、及び18月目の来診時における両眼に対するFAF及びNI
(b)6月目、12月目、及び18月目の来診時における両眼の眼底写真
(c)1月目に始まり12月目の来診まで毎月続く両眼のSD−OCT画像;続いて、画像は15月目と18月目の来診時のみ撮られる
(d)6月目、12月目、及び18月目の来診時における蛍光眼底造影検査
7.試験治療投与:
(a)毎月治療群:1月目から17月目に来診
(b)隔月治療群:2、4、6、8、10、12、14、及び16月目に来診
(c)治療開始前に患者の試験治療キットの割り当てについてIWRSに接触(該当する場合)
(d)試験薬の再構成(詳細はPharmacy Binderを参照)
8.試験眼における試験治療注射(ランダム化につき薬剤又はシャム)の投与
(a)注射前に、患者が処方された通りに自身の抗菌剤を自己投与したことを確認し、注射後に3日間、毎日4回、再び抗菌剤を自己投与するよう患者に指示する。18月目の来診の前に、継続してOLE試験に入るように選択される患者に、OLE試験インフォームドコンセント用紙に署名し、指示されたようにプロトコルが特定された抗菌剤を服用するように求めた。
9.注射後の眼の評価
(a)試験眼のみに対して注射後15分以内に医師によって実施される指数え検査と、続く手の動き又は光覚の検査(必要に応じて)
(b)試験眼のみに対して注射後60(±10)分にIOP測定;患者に対して使用される方法は試験を通じて一貫していなければならない
10.臨床評価
(a)全ての有害事象のモニタリング及び記録
(b)併用医薬の記録
(c)同時の眼の手術の記録
11.中央検査室評価
(a)中央検査室評価はFA評価の前に実施されることになる;患者は検体採取前に絶食する必要はない。
(b)6月目、12月目、及び18月目の来診時における血液学、血液生化学検査、血液凝固:aPTT及びPT、血液生化学検査、尿検査
(c)12月目及び18月目の来診時における血清妊娠検査
(d)1、2、3、6、9、12、15、及び18月目の来診時における血清ラムパリズマブ濃度
(e)1、2、3、6、9、12、15、及び18月目の来診時における血清抗ラムパリズマブ抗体
(f)補体評価:3、6、9、12、15、及び18月目のAH50及びCH50
(g)1月目の来診時に遺伝子マーカーのために全血試料を採取
(h)PKとPDの関係を評価するために0月目、6月目、及び12月目の来診時に現場で前房(房水)穿刺試料を採取する
12.検査室検査の完全なリストについては、検査室マニュアルを参照。
13.初回の治療来診に引き続いて、試験薬又はシャムで治療された患者は、有害事象を求めるために各治療来診の7(±2)日後に電話を受けた。
【0362】
d.19月目及び20月目又は早期終了の来診
19月目(隔月治療群)及び20月目(毎月治療群)の安全性来診を、適格性がなかったか又はOLE試験に継続して入らないことを選択したD因子試験患者に対してのみ実施した。
【0363】
次の評価を、特に別段の記載がない場合には、19月目、20月目、及び早期終了の来診時に実施した:
1.早期終了の来診時にのみ、NEI VFQ−25質問紙を、現場人員(VA審査員以外)が、患者が何れか他の試験手順を完了する前に与えた。
2.早期終了の来診時にのみ、FRII質問紙を、現場人員(VA審査員以外)が、患者がその来診に対する何れか他の試験手順を完了する前に(ランダム化相に登録され、英語を読む患者のために)与えた。
3.臨床評価
(a)バイタルサイン(血圧、呼吸、脈拍、及び体温)
(b)理学的検査:早期終了の来診時にのみ実施
(c)全ての有害事象のモニタリング及び記録
(d)併用医薬の記録
(e)同時の眼の手術の記録
4.眼の評価
(a)4メートルの開始距離でBCVA検査
(b)早期終了来診時のみでのコントラスト感度;Pelli−Robsonチャートで正確に読まれた文字数によって測定される(散瞳前に前注射を実施)
(c)早期終了来診時のみでのSSTリーディングスピード評価(散瞳前に実施)
(d)早期終了来診時のみでのMNRead両眼リーディングスピード評価(ランダム化相に登録され、英語を読む患者に対して)(散瞳前に実施)
(e)IOP測定;患者に対して使用される方法は試験を通じて一貫していた)
(f)スリットランプ検査(フレア/細胞のグレード分類スケールのため)
(g)拡大両眼高倍率眼底検査
5.中央検査室の評価が早期終了来診時にのみ実施された
(a)中央検査室評価をFA評価の前に実施した;患者は検体採取前に絶食する必要があった。
(b)血液学
(c)血液生化学検査
(d)凝固:aPTT及びPT
(e)尿検査
(f)血清妊娠検査
(g)血清ラムパリズマブ濃度
(h)血清抗ラムパリズマブ抗体
(i)補体評価:AH50及びCH50
【0364】
3.5.4 試験完了/早期終了の来診
患者が試験眼において眼痛、視力低下、普通でない発赤、又は任意の他の新しい眼の症状を経験した場合、治験責任医師は、患者が安全性評価のためにクリニックに戻るべきかどうかを決定した。来診が必要とされた場合、評価が実施された。
【0365】
3.6 アッセイ法
ELISA法を使用して血清中の薬剤濃度を決定した。ブリッジングELISAを使用して血清中のATAが検出される。
【0366】
3.7 統計的方法
全患者が治療及び安全性追跡調査期間を完了し又は中止したとき、データベースをクリーンにし、ロックした。患者と患者の視力のスコア付けをしている試験人員のみが治療割り当てを隠された。試験中に二つの解析が計画された:1)ランダム化相の全患者が18ヶ月の治療期間を完了した後の主要解析;及び2)OLE試験に参加せず、D因子安全性追跡調査期間を完了した患者に対して20月目に実施された最終解析。
【0367】
効果の解析は、少なくとも一の用量の治療を受け、少なくとも一のベースライン後の主要効果測定がなされた全てのランダム化患者として定義された、修正intent−to−treat集団に基づいた。効果の解析では、患者を、ランダム化に割り当てられた治療に従ってグループ分けした。
【0368】
安全性の解析は、少なくとも一の用量の治療を受ける全患者に基づいた。患者は受けた治療に従ってグループ分けした。
【0369】
全統計的検定は、0.2の第一種過誤率を持つ両側検定であった。推定治療効果の臨床的有意さを理解し、フォーマル仮説検定の解釈に役立つように、両側80%信頼区間を提供した。
【0370】
記述要約は、平均、標準偏差、中央値、及び連続変数の範囲及びカウント及びカテゴリー変数に対するパーセントを含めた。全ての解析、要約、及びリスティングはSASソフトウェア(バージョン9.1又はそれ以上)を使用して実施した。詳細な統計的方法はデータ解析計画(DAP)において概説した。
【0371】
3.7.1 治療群の相互比較性の解析
人口統計及びベースライン特性−例えば、年齢、性別、人種、全病巣サイズ、及びベースラインVAスコア−を、記述統計学を使用して、治療群毎に全ランダム化患者に対してまとめた。
【0372】
3.7.2 効果解析
a.主要効果エンドポイント
主要効果エンドポイントは、FAFによって測定される18月でのベースラインからの平均GA面積発達率変化であった;主要効果エンドポイントは18月に分析した。層化ANOVAを、層化変数としてベースライン病巣サイズを用いて主要分析に使用した。治療効果サイズに対する信頼区間を、各治療群に対する記述要約統計量と共に、提供した。
【0373】
b.副次的効果エンドポイント
主要エンドポイントに対するものと同様の分析法を次の副次的エンドポイントに対して使用した:
1.デジタル化立体カラー眼底写真による18ヶ月でのベースラインからのGA面積のD平均発達率
2.ETDRSシステムを使用する18ヶ月でのBCVAのベースラインからの平均変化
【0374】
3.8 薬物動態及び薬力学分析
R個体及び平均血清中ラムパリズマブ濃度−時間データを表にし、用量レベルによってプロットした。ラムパリズマブの血清薬物動態を、用量間隔間の暴露(AUC)、最高実測血清中濃度(C
max)、及び定常状態到達時間及び蓄積率のパラメーター推定値によってまとめた。これらのパラメーターに対する推定値を表にして記述統計学によって概要をまとめた。前房(房水)穿刺試料を集めてPKとPDの関係を評価した。更なるPK、PD、及びバイオマーカー調査を実施した。
【0375】
3.9 欠測データの処理
欠測データを最小にするためにあらゆる努力をした。主要効果解析では、修正ITT集団の全患者を分析に含めた。18月での主要効果項目が欠けているならば、18月前の最後の観測値を使用してデータ補完した。適切と思われるならば、更なるインピュテーション法を応用して結果を更に特徴付けた。欠測データ処理法の詳細はDAPに記載した。
【0376】
実施例2:効果の分析
実施例1に記載されたような、ラムパリズマブのIVT投与対シャム注射を受けた患者からの18ヶ月での治療効果を、以下の
図3−7に記載する。
図3−7は、18月目におけるベースラインからのGA面積(mm2)の平均変化を測定することによる治療効果を示す。
【0377】
図3A及び3Bは、参加希望者全員の集団でのMAHALO第II相試験に対する一次データベースロック後の予備的な効果の結果を示す。試験は、眼底自発蛍光(FAF)によって測定される18ヶ月でのGA面積におけるベースラインからの平均変化のその主要エンドポイントを達成し、ラムパリズマブの毎月投与群においてカラー眼底写真(CFP)によって評価される18ヶ月でのGA面積におけるベースラインからの平均変化のその二次エンドポイントを達成した。GA面積発達の進行の遅延化におけるポジティブな治療効果が、6ヶ月で始まり18ヶ月まで延びる毎月投与群において観察された。LOCFデータでの未調整平均に基づいて、ラムパリズマブ毎月投与群は、統合シャム群に対して、GA面積発達の進行が23.1%減少した(
図3A)。層化分散分析(Henry Scheffe. 1.2章 “Mathematical Models” The Analysis of Variance, New York: John Wiley & Sons, Inc., 1999, p. 4-7)からの最小二乗平均に基づいて、LOCFデータを用いて<4DA対>4DAでベースラインの病巣サイズカテゴリーによって層化して、ラムパリズマブ毎月投与群が、統合シャム群に対して、GA面積発達の進行が20.4%減少した(
図3B)。該結果は、18ヶ月の試験治療期間にわたってのGA面積発達の低減に対する毎月投与のラムパリズマブの臨床的に意味があり統計的に有意な効果を証明している。「統合シャム」は、シャムを毎月又はシャムを隔月に受ける対照治療群を意味する。「afD1m」は、ラムパリズマブを毎月受ける治療群を意味する。「afD2m」は、ラムパリズマブを隔月に受ける治療群を意味する。LOCF法は、欠測データのインピュテーションに使用されるlast−observation−carried−forward法を意味する
【0378】
図7は、シャム及びラムパリズマブ毎月治療群において、CFIリスクアレルを持たないでCFH及びC2/CFBリスクアレルを保有する患者と比較して、CFH、C2/CFB及びCFIリスクアレルを保有する患者においてFAFによるGA面積のベースラインからのDDAF変化の最小二乗平均をまとめている。この図におけるデータは、連続変数及びベースラインにおける病巣カテゴリー(<4DAかつ>=4DA)としてベースラインにおいて病巣サイズについて調整される。治療効果と減少率は、主要効果時点である18月で計算される。18月における絶対的治療効果は、44%の減少率に相当する1.837mm2であった。対照的に、CFIリスクアレルを持たないラムパリズマブ治療患者において治療効果は観察されなかった。更に、CFIリスクアレルを有する患者は、シャム対照群対CFIリスクアレルを持たないシャム群においてより速い進行を示した。
【0379】
上記知見は、CFIバイオマーカーが、AMD進行に対する予後とラムパリズマブに対する治療応答の予測をするものであることを示唆している。
【0380】
実施例3:ジェノタイピング解析結果
抗D因子試験への参加者(n=93)を、Illumina Omni 2.5M SNPチップを使用してジェノタイピングした。ジェノタイピングでは、単一の全血試料を各患者から集めた。ゲノムDNAを各試料から抽出し、Illumina Omni 2.5M SNPチップ(Oliphant等, Biotechniques, Suppl: 56-8, 60-1 (2002))を使用して解析した。我々はゲノムワイドデータに対して次の品質制御方策を適用して、次のように、>5%欠損SNPの試料(n=44180)、>5%欠損SNPの試料(n=0)、マイナーアレル頻度<0.1、Hardy−Weinberg平衡<1e−8(n=1678)のSNP(n=831590)、重複/関連した試料(n=0)、適切な染色体にマッピングしていないSNP(n=3624)、rsアイデンティファイアーのないSNP(n=56333)を除去した。これは品質制御方策後、全部で1442450のSNPを残した。
【0381】
1442450のSNPのこのセットから、我々は、Fritsche等の原稿(Nature Genetics, 45(4): 435-441 (2013))からの4つのインデックスSNP(rs10737680(CFH);rs429608(C2/CFB);rs2230199(C3);rs4698775(CFI))(あるいは加齢黄斑変性のリスクに関連した5つの遺伝子(CFH、C2、CFB、C3及びCFI)に関連したサロゲートSNP(原稿において同定されたインデックスSNPが我々のデータベースになかったならば、r
2>0.8)を選択した。サロゲートSNPはrs1329428(CFH)及びrs17440077(CFI)であった。C2及びCFBは染色体上に互いに近接して位置し、よって双方ともrs429608SNPによってタグ付けされており、該リスク座はここではC2及びCFB遺伝子の双方を含む「C2/CFBリスク座」と称される。C2/CFB座位は、rs429608によってタグ付けされ、加齢黄斑変性のリスクと関連している。この試験におけるサンプルサイズは限られているので、我々は各SNPに対する個体を「リスクアレル保有者」(リスクアレルに対してヘテロ接合性又はホモ接合性)又は「非リスクアレル保有者」(非リスクアレルに対してホモ接合性)として分類した。全てのSNP(rs1329428、rs17440077、rs429608及びrs2230199)に対して、リスクアレルは我々のデータセットにおいてグアニン(G)であった。ここで使用される「インデックスSNP」は与えられた試験における特定の領域内に最も強いp値を持つSNPを意味する。例えば、CFH、CFI、C2/CFB又はC3に対するインデックスSNPは、それぞれCFH、CFI、C2/CFB又はC3リスク座に対してFritche Nature Genetics(Fritsche等, Nature Genetics, 45(4): 435-441 (2013))の研究中において最も強いp値を持つSNPである。
【0382】
我々は、観察されたデータセットを使用してベースラインから18ヶ月までのmm
2での病巣サイズのFAF測定値の差を比較した。
【0383】
抗D因子毎月とシャム(統合)の間の差を次のように計算した:平均DDAF統合シャム−抗D因子毎月におけるDDAF/統合シャムにおける平均DDAF。
【0384】
我々は、我々の試験における全ての個体(シャム群の2名を除く)がCFHリスクアレルを保有していたことを見出した(
図4)。全ての個体(シャム群の1名を除く)がC2/CFBリスクアレルを保有していた(
図4)。従って、我々は、これら二つの遺伝子に対するリスクアレルを保有していることが抗D因子の効果に何らかの影響を有していたかを決定することができなかった。我々はC3に対するリスクアレル保有者及び非リスクアレル保有者間に差異は見られなかった。CFIに対しては、我々は、CFIリスクアレルを有する治療群の患者(n=16)では、CFIリスクアレルを有するシャム群の患者(n=12)と比較して、病巣発達において18月で44%の減少があったことが分かった(
図6;データは最小二乗平均であった)。CFIリスクアレルを持たない治療群の患者(n=8)は、リスクアレルを持たないシャム群の患者(n=17)(
図5)と比較して、病巣発達において無視できる9%の進行しかなかった(
図5,下の列)。更に、我々は、CFIリスクアレルと20/50−20/100のベースラインBCVAを有する治療群の患者(n=9)では、CFIリスクアレルと20/50−20/100のベースラインBCVAを有するシャム群の患者(n=6)と比較して、病巣発達において18月で54%の減少があったことが分かった(
図8;データは最小二乗平均であった)。
【0385】
rs4698775SNP(CFI SNP)はIllumina Omni 2.5M SNPチップにはなかったので、我々はまた引き続いて、Taqmanアッセイを直接使用し、(Fritsche等の原稿において同定された(Fritsche等, Nature Genetics, 45(4): 435-441 (2013))rs4698775SNPに対する抗D因子試験からと同じ患者試料をジェノタイピングした。rs4698775を使用する結果は、SNP rs17440077を使用する結果と有意には異ならなかった。具体的には、SNP rs17440077とSNP rs4698775の間の連鎖不平衡パターンのため、双方のSNPが患者試料におけるほぼ同一の遺伝子型情報を提供した。更に、rs17440077 SNPで見られたもの(
図6)に匹敵する病巣発達に対する効果がまたrs4698775 SNPで観察された。
【0386】
このデータは、CFIリスクアレルを有する患者ではCFIリスクアレルを持たない患者と比較して病巣発達において大きな減少があったので、CFIリスクアレルがラムパリズマブに対する応答性の予測に有用である場合があることを示唆している。このデータはまた、CFIリスクアレルを有する患者がCFIリスクアレルを保有していない患者よりも悪い予後(例えばAMD進行)を有していたので、CFIリスクアレルがAMD進行の予後診断に有用である場合があることを示唆している。選択されたCFI SNP(rs4698775及び/又はrs17440077)を有するLDを伴う別のSNP(例えばrs17440077に対して表4−7に列挙されているもの)もまた患者のラムパリズマブに対する応答性の予測に有用である場合があり、AMD進行の予後診断に有用である場合がある。選択されたCFH SNP(rs10737680及び/又はrs1329428)、C2又はCFB SNP(rs429608)及び/又はC3 SNP(rs2230199)を有するLDを伴う別のSNPもまた患者のラムパリズマブに対する応答性の予測に有用である場合があり、AMD進行の予後診断に有用である場合がある。
【0387】
実施例4:有害事象
最も一般的な有害事象(AE)は結膜出血であった:シャム群において2.4%、ラムパリズマブ毎月群において48.8%、ラムパリズマブ隔月群において34.1%(表8を参照)。最も一般的な抗D因子関連有害事象(AE)は、ラムパリズマブ毎月群において1名の患者で(43名の患者の1名;毎月群の2.3%)、ラムパリズマブ隔月群において3名の患者で(44名の患者の3名,6.8%)生じる眼内圧上昇(IOP)であった(表8は、それが薬剤関連か又は薬剤関連でないかにかかわらず、全てのAEを示す;表8の注意を参照)。
【0388】
試験眼における眼の有害事象のために治療を中止した患者の割合は、抗D因子抗体を受けた患者(それぞれ毎月及び隔月)に対して7%及び2.3%であり、シャム注射治療患者に対して2.4%であった。有害事象のまとめを表3に示す。死亡はなく、試験薬によって引き起こされたと疑われる眼のSAEはなく、治療中止に至る試験眼における眼のSAEはなかった。この開発段階で、ラムパリズマブに対する安全性プロファイルは許容可能なままである。
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【0389】
実施例5:eQTL解析
SNP rs4698775は遺伝子CCDC109Bのイントロンに位置しているが、CFIは、遺伝的及び生物学的証拠に基づいて座位の間違いなく最も納得できる候補遺伝子である。我々は、このrs4698775SNPが、肝臓におけるCFI mRNAのレベルに影響を及ぼす発現量的形質遺伝子座(eQTL)でありうるかどうかを調べた。
【0390】
eQTL解析を実施するために、TCGA RNA配列データをUC Santa CruzのCancer Genomics Hub(Cancer Genome Atlas(TCGA)データベース)から得た(Cancer Genome Atlas Research Network, Nature, Comprehensive Genomic Characterization Defines Human Gioblasoma Genes and Core Pathways, 455(7216):1061-8 (Oct, 23 2008);Collins等, Sci Am, Mapping the Cancer Genome. Pinpointing the Genes Involved in Cancer Will Help Chart a New Course Across the Complex Landscape of Human Malignancies, 296(3): 50-7 (March 2007))。TCGAは、体の複数の組織由来の腫瘍及び正常試料に対するRNA配列及び遺伝子型データを含んでいる。この試験に対して、我々は正常な肝臓組織の34試料を使用した。これらに対するRNA配列データをHTSeqGenie(Pau, G.B.等, HTSeqGenie: a software package to analyse high-throughput sequencing experiments (2012))を使用し次のようにして解析した:先ず、低いヌクレオチド品質のリードを除去した(塩基の70%が<23の品質を有する)。ついで、通過したリードを、GSNAP(Genomic Short-read Nucleotide Alignment Program)(Wu, TD.等, Bioinformatics, Fast and SNP-tolerant detection of complex variants and splicing in short reads, 26(7):873-81 (4/1/2010)を使用して参照ゲノムGRCh37(Genome Research Consortium 37)にアラインさせた。「独特にマッピングしている」としてGSNAPによって報告されたリードのアラインメントを次の解析に使用した。ついで、各試料に対するCFI遺伝子発現レベルを、RPKM=CFI遺伝子にアラインするリード数/(試料に対して独特にマッピングされたリードの全数×CFI遺伝子長)によって定量化した。これらの試料に対する遺伝子型データは、遺伝子型及び表現型データベース(dbGaP;dbGaPは遺伝子型と表現型の間の相互作用を調査する研究の結果をアーカイブに保管し分布するNCBIによって主催されたサイトである)を通して得られ、Affymetrix6.0(1百万)SNPアレイに対する遺伝子型を含んでいた。興味あるSNPとして、rs4698775をこのアレイによって直接的にはアッセイせず、遺伝子型インピュテーションを、SHAPEIT(Delaneau, O., Nature Methods, Improved whole-chromosome phasing for disease and population genetic studies, 10: 5-6 (2013))を使用するプレフェージングとついでIMPUTE2(Howie, B.N.等, PLoS Genet, A Flexible and Accurate Genotype Imputation Method for the Next Generation of Genome-Wide Association Studies, 5(6):e1000529 (2009))及び1000ゲノムプロジェクト(1000 Genomes Project Consortium, Abecasis GR.等, Nature, A map of human genome variation from population-scale sequencing, 467(7319):1061-73 (2010))からの参照ハプロタイプを使用するインピュテーションを含むワークフローを使用して実施した。ついで、相加的にコードされたrs4698775遺伝子型上のlog(CFI RPKM)の線形回帰の実施を含む(つまり、「T」アレルの0、1、2コピー)関連解析を実施した。
【0391】
結果は、CFI発現が、CFIの合成部位である体の肝臓組織において最も高いことを示していた(
図9)。rs4698775に対する遺伝子型によって分類する場合、我々は正常なTCGA肝臓試料においてCFI mRNAレベルの有意な減少を見出した(p=0.02)。要するに、rs4698775遺伝子型は、正常なTCGA肝臓試料におけるCFI mRNAレベルと有意に関連していた(p=0.02)。リスクアレルホモ接合体(GG)は、ヘテロ接合体(GT)よりもCFI mRNAが少なく、後者は今度は非リスクアレルホモ接合体(TT)よりもCFI mRNAが少なかった(
図10)。これらの結果は、CFIが第二補体経路のネガティブな調節因子であり、リスクアレル保有者は第二補体経路を調節するために利用できるCFIが低レベルであるという我々の仮説と一致していた。これらの結果で、我々は、我々の第II相MAHALO分析において使用される共通のGWAS関連SNP(rs4689775)の可能な機能的効果を示した。
【0392】
実施例6:CFIレア変異体解析
最近のレポートは、対照(2.3%)と比較してのAMD患者(7.8%)のCFI遺伝子における有意に過剰な(p=1.7×10−8)レアミスセンス変異を示している(Seddon等 Nat Genet. 2013 45:1366-70)。CFI遺伝子内の一つの特定のレア変異体であるG119Rに主に焦点を当てた第二のレポートは、これらのタイプの変異体はAMDリスク(p=3.79×10−6;OR22.20)に大きな影響を有していることを示している(van de Ven等 Nat. Genet. 2013 45:813-7)。
【0393】
サンガージデオキシ配列決定法を使用して、利用可能なDNAを用いてMAHALO試験の全患者に対するCFI遺伝子中のエクソンを再配列決定した。プライマーと鋳型を除いて、PCRを介しての試料の増幅に必要な化学成分の全てを含むAmpliTaq Gold PCRマスターミックス(Applied Biosystems)と、蛍光標識されたDNA断片を分析するために使用される自動でハイスループットのキャピラリー電気泳動システムであるApplied Biosystems 3730./3730xl DNAアナライザーを使用する標準的なPCR技術を使用して、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅を実施した。最初にゲノムDNA鋳型の大部分を増幅させてブースト産物を生成させ、ついで鋳型としてブースト産物を使用して、シークエンシングに指標された小さい領域を増幅することを含む2段階「ブースト/ネスト」PCR方策を使用した。「ブースト/ネスト」方策を使用し、我々は、「ブースト」プライマーを用いて、MAHALO試験の患者由来のゲノムDNAからCFI遺伝子の大きな領域を増幅させ、二次ネステッド反応に鋳型として使用される産物を作製した。「ネスト」プライマーを二次ネステッドPCR反応において使用して小さい領域を増幅させた。ネステッド反応の産物を、標準的な配列決定技術を使用するシークエンシングの鋳型として使用した。
【0394】
我々は、利用できるDNAを持つ我々のMAHALO患者におけるCFIの全エクソンを再配列決定し、彼等の6(6.9%)がレアミスセンス変異体を保有していることを見出した(
図11)。対照と比較して、GAの患者からの我々のMAHALO治験試料にCFIレアミスセンス変異の有意な富化が見られた(p=0.015)。レアミスセンス変異を保有していたこれらの患者を、我々のシャム、隔月及び毎月群間に等しく分けた。シャム群では、レア変異体を持つ両個体(CFI遺伝子中の290E>D及び553P>S)は、rs17440077に対して非リスクアレル保有者であった(rs17440077に基づくCFI−)。我々は、MAHALO試験において使用されたrs17440077SNP(rs17440077に基づくCFI−)に対して非リスクアレル保有者であるこれらレア変異体陽性個体は、リスクアレル保有者(rs17440077に基づくCFI+)と同様の、ベースラインから18ヶ月までの病巣面積の発達差(例えばGA進行率)を有していることを知見した(
図12)。
【0395】
レア変異体を伴うこれら非リスクアレル保有者に対する発達率がリスクアレル保有者のものと同様であるので、これらのレアミスセンス変異体を保有するGA患者は、彼等がCFIにおける共通のrs17440077SNPに基づきリスクアレル保有者又は非リスクアレル保有者として分類されるかどうかにかかわらず、リスクアレル保有者と同様な速度で進行しうる。
【0396】
実施例7:抗D因子治療のための患者の選択
GAと診断された患者を、選択された補体因子をコードする遺伝子と関連している多型の存在についてジェノタイピングした。同定されたリスクアレルとその組み合わせの存在は、ラムパリズマブのような抗D因子での治療に応答する患者の可能性を意味している。
【0397】
具体的には、患者の遺伝子型をTaqManリアルタイムPCRによって検出した。各反応は、それぞれ0.4μMの順方向及び逆方向プライマー及び0.15−0.3μMの検出プローブ(表9)、ウラシル−N−グリコシラーゼ、0.04−0.32mMのdNTP(dUTPを含む)、DNAポリメラーゼ及び適切なDNAポリメラーゼバッファー(アプタマーを含む)を含んでいた。反応を、COBASR4800機器(Roche Molecular Diagnostics, Indianapolis, Ind.)で次の温度サイクルプロファイルに供した:50℃を5分、次に2サイクルの95℃(10秒)から62℃(30秒)、及び55サイクルの93℃(10秒)から62℃(30秒)、次に37℃(10秒)及び25℃(10分)。蛍光データを各62℃工程の開始時に集めた。
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【0398】
上述のTaqMan RT−PCRを使用してGA患者の遺伝子型をひとたび決定すれば、補体座CFI、C2/CFB及びCFHにおける特定のリスクアレルの存在についてそれを解析し、表10に記載されたCFIプロファイル状態を導き出した。抗D因子での治療に応答する可能性があるCFIプロファイル+患者を更に評価した。一つの選択方法を表10において例証する。「+」は、患者が「バイオマーカー陽性」であり、よって抗D因子治療法に応答する可能性が高いことを示す一方、「−」は、患者が「バイオマーカー陰性」であり、よって抗D因子治療法に応答する可能性が少ないことを示している。表10に示されるように、少なくとも一のC2/CFBアレル(G)又はCFHアレル(相補鎖上のC)と組み合わせて少なくとも一のCFIアレル(G)を有する患者は、抗D因子治療法に対する有力なレスポンダーである。他の例では、少なくとも一のCFIアレル(G)を有する患者が抗D因子治療法に対する有力なレスポンダーである。これらのSNP及び他の補体座におけるSNPに関与する他の同様な選択基準を開発することができる。
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【0399】
表4.MAHALO SNP rs17440077と連鎖不平衡(LD)にあるLD_SNP
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表5.MAHALO SNP rs2230199と連鎖不平衡(LD)にあるLD_SNP
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表6.MAHALO SNP rs429608と連鎖不平衡(LD)にあるLD_SNP
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表7.MAHALO SNP rs1329428と連鎖不平衡(LD)にあるLD_SNP
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