【課題を解決するための手段】
【0009】
このゴールは、独立請求項に規定された発明により達成される。有利であるが、しかし任意的な複数の改善点は下位の請求項の主題に起因する。
【0010】
特に本発明は緩く保管される製品のための一つの容器であって、一つの容器本体、一つのカバーおよび容器本体とカバーを連結する一つのヒンジを含む容器を提供する。容器本体は一つの周囲体壁を含み、それは一つの内部周囲体溝を有する。カバーは一つのカバースカートを有し、内側周囲体溝に対抗して密封する一つの頂部を含む一つの外部対面密封部分を有し、カバーが一つの閉状態にあるとき、それによって一つの封着線型の一つのシールを形成する。一つの実施形態では、カバースカートのその頂部および内部周囲体溝は、カバーと容器本体の間に唯一のシールを提供し、および好適には唯一の固定要素であって、閉状態において容器本体上のカバーを保持する固定要素を提供する。
【0011】
一側面によれば、シール部分は一つの封着線であって、カバーが一つの閉状態にあるとき、内側周囲体溝を密封する封着線を形成し得る。一つの実施形態では、カバーのカバースカートの頂部と容器本体の内側周囲体溝の間のシールは、カバーを閉状態において容器本体上に保持する唯一のシールおよび固定要素を同時に提供する。より具体的には、固定要素は、カバーと容器本体の間に一つのインターロックを作り出す。閉状態においてカバーを保持するため、内部周囲体溝とこの周囲体溝と協働する頂部が開口に対して抵抗力を与え、その抵抗力は、一つの頂部の対向する一つの平面の通常の摩擦抵抗より大きなものである。それによりカバーの意図しない開口を防ぎ、そして制御された、所定の開口力を確立することが可能となる。
【0012】
封着線は、一つのシールであって、一つの薄く、または限定的な接触領域に集中する。この種のシールは表面シールに対抗されるものであり、その表面シールは一つのシールであって、接触領域を最大化することを目的とするものである。「封着線」または「ラインシール」は、明確な接触領域を提供することによって密封性の効率と品質を増加させ得る。さらに、一つのラインシールはシール境界面における複数の摩擦力を制限する、したがって、多数回の開閉動作を予定する一つの容器のためにはより適切である。「ラインシール」は、一つの薄い、好適には0.5mmまたはそれ未満、より好適には0.05から0.3mmまでの厚さを有する封着線として理解されるべきものである。「表面シール」は、「ラインシール」に比べより厚い厚さを有する。
【0013】
一つの側面によれば、容器は一つの周囲体壁を有する一つの容器本体を含み得るものであり、ここで、一つの周囲体溝が、その周囲体壁の一つの内側表面に規定されている。その容器は、さらに、一つのカバースカートを有する一つのカバーを含み得るものであり、ここで、一つの頂部が、そのカバースカートの一つの外側表面上に形成されており、カバーが閉状態にあるとき、その頂部は周囲体溝と協働して、カバーと容器本体の間に一つの封着線を形成し、且つ閉状態にあるカバーを容器本体の上に保持するようにする。その容器は、さらに容器本体とカバーを連結する一つのヒンジを含み得るものであり、そのヒンジは、カバーが容器本体に対して旋回することを可能にする。一つの実施形態では、容器は、容器本体とカバーの間にシールを含まず、また、周囲体溝と協働する頂部を除いて、閉状態においてカバーを容器本体上に保持するための固定要素を含まない。
【0014】
その頂部は、内側周囲体溝とのみ協働し得るものであり、且つ付加的な突起を有しない。頂部と内側周囲体溝の間のこの協働は、容器上にカバーを固定するために十分であり、そのため容器はさらなる固定要素を不要とし得る。この接続では、ヒンジは一つの固定要素として理解されるべきものではない。
【0015】
一つの具体的な構造であって、容器の改善された性能をもたらす構造は、一つの薄い表面におけるシールと固定要素の複合機能である。従来技術に比べ、容器の周囲全体に分散された一つのロックは、一つの限定的な部分、例えば、サムタブの後ろ、下に配置されているが、容器の周囲全体に渡るものでない部分に配置された一つのロックに比べ、より効果的である。従来技術との比較において、一つの封着線とロックがあるという事実は、さらなる複数のインターフェース面を作り出すような異なる複数のコンタクトとは異なり、製造におけるこれら複数の表面全ての寸法公差の如何なる変動にも影響されないより信頼性のある気密性を提供する。
【0016】
好適には、カバーは、一つの外側周囲カバー壁を含み得るものであり、それはカバースカートの外側に放射状に、且つ周囲体壁の外側に放射状に配置されている。外側周囲カバー壁は、カバーがヒッツの開状態にあるとき、カバースカートのシール部分の頂部を接触に抗して保護し得る。しかしながら、カバーは、また、カバースカートに加え、一つの外側周囲カバー壁に具備されないものとすることもできる。
【0017】
さらに好適には、カバーは一つの頂部壁を含み得るものであり、そこからカバースカートおよび外側周囲カバー壁が延伸し得る。シール部分の上部の垂直距離は、好適には、外側周囲カバー壁の垂直伸長に比べ小さくし得る。
【0018】
シール部分はカバースカートの一つの外側エッジに具備し得るものであり、およびシール部分の上部の垂直距離は外側周囲カバー壁の垂直伸長に比べ小さくし得るので、シール部分は、意図しない接触から外側周囲カバー壁によって保護され得る。たとえ容器が輸送され、または開状態で操作されているとしても、カバーのシール部分は損傷から保護され得る。これは、フェールセーフハンドリングにより、容器の気密性および全般的な信頼性を向上させ得る。
【0019】
シール部分の頂部または封着線は、カバースカートと外側周囲カバー壁との間に形成される間隙の中に配置し得る。この間隙は通常極めて狭いものであり得るのであって、シール部分の頂部がカバースカートにおいて接触され、または損傷されることはほとんど起こり得ない。
【0020】
一つの好適な実施形態では、シール部分の頂部の頂部壁からの垂直距離Aは、2.0−15.0mmとすることができ、好適には2.0−10.0mm、より好適には3.9mmであり、且つ外側周囲カバー壁の垂直伸長Bは2.1−15.1mmとすることができ、好適には2.1−10.1mm、より好適には4.2mmである。シール部分の頂部は、好適には0.3mmだけより高い一つの外側周囲カバー壁によって保護されることが可能である。
【0021】
好適には、周囲体壁は、頂上側から眺めるとき、丸みを帯び得るものであり、例えば楕円形状または円形状の、複数の面とし得る。丸みを帯びた複数の面は、尖った角がない面であり得る。さらに、容器本体は、一つの円筒形状を有し得る。円筒形状は円状の円筒形状だけでなく、一つの円状でないベースをもつ一つの円筒の形状でもある。容器は一般に如何なる形状も有することができる。
【0022】
好適には、容器本体は一つの障害物を含み、それは前述のカバーが閉じているとき、例えば、そのカバーを一つの障害物であって、一つの突起やその類の形状を有することができる障害物に対抗して隣接させることにより、そのカバーを止める。例えば、カバーが一つの外側周囲カバー壁を具備されているとき、その障害物は、容器本体の壁から外側に向かって伸びる一つのビードであり得る。外側周囲カバー壁がない場合、その障害物は、容器の周囲体壁の上部端部上の一つの止め具であり得るのであり、その止め具はカバーの頂部壁に干渉する。
【0023】
好適には、内側周囲体溝は、0.05mmと0.7mmの間の一つの深さ、より好適には0.1mmと0.5mmの間の一つの深さ、さらに好適には0.15mmと0.4mmの間の一つの深さを有し得る。
【0024】
特に、カバースカートのスカート外径(da)は、頂部の位置において、周囲体溝の位置における容器本体の周囲体壁内径(dg)に比べ大きいものであり得る。さらに、スカート外形(da)および周囲体壁内径(dg)は、方程式 da = dg + x を満足し得るものであり、ここでxは0.05mmから1.5mmまでであり、好適には0.1mmから1mmまでである。
【0025】
一つの好適な実施形態では、周囲体溝は、周囲体の断面内に一つの溝半径を規定することができ、またシール部分の頂部は、カバースカートの断面内に一つの頂部半径を規定し得るものであり、ここで溝半径は頂部半径より大きくし得る。
【0026】
さらなる一つの実施形態では、カバースカートの断面内に見るシール部分は、第1半径R1が与えられ得るものであり、それは先に触れた頂部半径であって、頂部を規定する。一つの実施形態では、第1半径R1は0.5−3.0mmであり得るのであり、好適には0.7−0.9mmおよびより好適には0.8mmである。
【0027】
シール部分が、一つの幾らか小さな半径を含むとき、容器本体の内側壁表面との明確に規定された接触線は、一方で改善された密封性を保証しつつ、他方でシール部分を損傷すること無く容器の開閉を可能にし得る結果をもたらし得る。
【0028】
さらなる一つの実施形態では、シール部分は、第1半径R1とカバースカートの端部表面の間に一つの第2半径R2を含み得るものであり、ここで第2半径R2は第1半径R1より小さなものであり得る。一つの実施形態では、第2半径R2は0.05−2.0mmとすることができ、好適には0.10−0.50mmおよびより好適には0.15mmである。
【0029】
この第2半径は、さらに容器本体の周囲体壁の内側壁表面が損傷される危険を除去し得るものであり、そしてそれによって容器の密封性を重ねて改善し得るものである。
【0030】
好適には、内側壁は、さらに一つの第3半径R3をカバースカートの一つの壁表面とシール部分との間に含み得る。一つの実施形態では、その第3半径は1.0−3.0mmとすることができ、好適には1.5mmである。この第3半径は生産を容易にし得るものであり、それはカバーをその金型から取り外す際に、シール部分表面を傷つける危険を防ぎ得るからである。
【0031】
さらに好適な一つの実施形態では、カバースカートの厚さTは0.4−1.2mmとすることができ、好適には約0.7mmである。カバースカートの厚さは、一方でシール部分が容器の周囲体壁の内側表面に及ぼす圧縮力を最適化するために選び得るものである。他方、それは、シール部分における材料の蓄積を防ぐために有益であることが見出されており、シール部分は―時間的に―射出成形において、充填される最後の部分であるからである。壁厚を小さくすることにより材料蓄積が防がれ得るのであり、且つそれに続いてひけマークのような材料欠陥が防がれ得る。シール部分に少ない材料を用いるほど、最終容器の最終形状および密封性が向上するということが見出された。
【0032】
好適には、カバースカートはさらに一つの面取りをシール部分の反対側に含み得る。内側壁のシール部分は、その外側に一つの頂部を形成する一つの半径を有し得るので、内側に一つの面取りを与えることができ、それは局所的にこの領域の壁厚が増加しないようにすることができる。その面取りは、したがって、さらに材料蓄積を防ぎ得るものであり、ひけマークのような材料欠陥を防ぎ得るものであり、そしてそれによって容器の密封性を向上させる。
【0033】
一つの実施形態では、容器本体およびカバーは一体として作られ得る。他の実施形態では、カバーは、容器本体と取り外し可能に連結され得る。
【0034】
前述のカバーは、前述の容器本体と独立して、且つ別個に作製され得る。このことは、そのカバーを、容器本体とは異なる材料で製作することを可能にし、そのことは、両部品の特別な材料選択に起因して容器の密封性をさらに向上させ得る。
【0035】
さらに、カバースカートは、カバーの一つの別個独立した部品であることが好ましい。そのような実施形態は、カバースカートの材料を調整することを可能にし得るものであって、特にシール部分の頂部を、シール部分の頂部が、シールおよび固定要素を与えることというその機能に対して特別に適しているものとなるように調整することを可能にする。同時に、カバーの残りの部品も、剛性、機械的強度、密封性、UV輻射に対する抵抗性などについて調整することが可能な材料を使用し得る。
【0036】
特に、ヒンジは、一つの回転軸の周りに容器本体に対するカバーの回転を許容し得るものであり、ここで、その回転軸の垂直位置は、容器の直立位置において、シール部分の頂部と周囲体壁の一つの上部端との間に存在し得る。好適には、ヒンジの回転軸は容器本体の半径方向外側に配置され得る。換言すれば、ヒンジの回転軸は容器本体の壁に対して垂直に、且つ外向きに配置され得る。そのような位置は、カバーの開閉動作中における、カバースカートのシール部分と容器本体の上部端との間の如何なる損傷的接触をも防ぎ、または少なくとも制限することを可能にする。シール部分は、こすったりすること無く開口部分に入る。ヒンジは、容器本体とカバーを直接に、または間接に連結し、且つ回転またはカバーの容器本体に対する旋回動作を可能とする任意の手段とすることができる。
【0037】
好適には、容器本体は一つの第1連結手段を含みことができ、そしてカバーはヒンジと一体となった一つの第2連結手段を含み得るものであり、ここで容器本体およびカバーは、第1連結手段を第2連結手段に連結することによって取り外し可能に連結され得る。ヒンジは、好適には一つの連結手段をカバーに取り付けるために用いることができる。
【0038】
好適には、第2連結手段は少なくとも1つのスナッピングフックが具備され得るのであり、そして第1連結手段には少なくとも一つの凹部であって、カバーを容器本体に連結するためのスナッピングフックを収容するための凹部が具備され得る。これはカバーと容器の一つのスナップ結合を提供し得るものであって、それは単に第2連結手段を第1連結手段の中に挿入することによって果たすことが可能である。
【0039】
さらに一つの好適な実施形態では、第1連結手段は容器本体に統合され得る。この場合、容器はただ二つの個別部品容器本体およびカバーから構成され得る。
【0040】
好適には、ヒンジは一つの箔ヒンジであり得る。箔ヒンジは極めて信頼的であり、且つカバーの容器本体に対する正確な回転軸を与え得る。このことは、閉動作中のカバーの極めて正確な位置合わせを促進し得るものであり、それはシール部分を伴うカバースカートが、カバーが閉動作中に損傷を受けないことを保証する。
【0041】
さらなる好適な実施形態では、容器は一つのインサートを含むことができ、それは本質的に容器本体の内側表面を覆い得るものであって、ここで、そのインサートは容器本体とは別の材料で作られ得る。容器本体の内部に一つのインサートを与えることによって、保管される製品と接触するその内部表面は一つの適切な材料で作られることが可能となり、その材料は容器本体の材料とは異なることが可能である。例として、一つの不活性物質のインサートを製作することは医学的利用にとって好ましいものとなり得る。
【0042】
さらなる利点、詳細および特性は従属請求項に由来する。
【0043】
以下では、本発明が、添付図を参照してより詳しく説明される。そこでは以下のものが示されている。