(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一方の端子に、常閉のリレーを通じて車両のバッテリのバッテリ電圧が供給され、他方の端子に、オン位置、ドア連動位置、又はオフ位置に切り替えられる室内灯スイッチが接続される室内灯と、
前記室内灯スイッチの前記ドア連動位置に接続され、前記室内灯を制御する室内灯制御信号を供給し、該室内灯制御信号により、前記室内灯を、前記ドア連動位置で、前記車両の駆動源の停止時に点灯させ、その後、ドアがロックされたときに消灯させる室内灯制御装置と、
を備える車両用ランプ制御システムであって、
前記バッテリ電圧が供給される常開のリレーを通じて、前記室内灯制御装置に接続される前記車両の周辺照明用の補助灯と、
コネクタを介して、ドアがロックされたことを示すドアロック検出信号と、前記室内灯制御信号と、前記バッテリ電圧と、が供給されると共に、前記常開のリレーのコイルに接続され、前記補助灯を、前記車両の駆動源の停止時に点灯させ、その後、ドアがロックされたときから所定時間点灯を延長するように前記常開のリレーを駆動する補助灯制御装置と、
を備えることを特徴とする車両用ランプ制御システム。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明に係る車両用ランプ制御システムについて好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
[車両用ランプ制御システム10及び車両12の概略的な構成]
図1は、この実施形態に係る車両用ランプ制御システム10の概略構成図である。
【0021】
図2は、
図1に示した車両用ランプ制御システム10が組み込まれた車両12の概略外観図である。
【0022】
図2に示すように、車両12は、前照灯(主灯)14、車両12の周辺照明用の灯火器としてのフォグランプ(補助灯、この場合、補助前照灯)16、車室内の前席照明用(前席用)の室内灯(ルームランプ)18、後席照明用(後席用)の室内灯(ルームランプ)20、ドア22、該ドア22の開状態及び閉状態を検知するドアスイッチ(ドアSW)24、運転者等のユーザーが携帯して、ロックボタン26あるいはアンロックボタン28を押下することで、いわゆるキーレスエントリーシステムやスマートエントリーシステム等により車両12のドア22をロック状態あるいはアンロック状態にする携帯機30、及び携帯機30を備えたユーザが車両12外部から押下することによりドア22をロック状態にするドアロックボタン32等を備える。
【0023】
また、車両12の車室内、この実施形態では、ダッシュボード34に、車両12のエンジンあるいはモータ等の駆動源36を、携帯機30が車両12の車室内にあることを検知して(条件として)オン状態(能動状態)あるいはオフ状態(停止状態)に切り替えるパワースイッチ(パワーSW)38、及び前記フォグランプ16の点灯及び消灯を、ユーザーが手動で切り替えるフォグランプスイッチ(フォグランプSW)40が設けられている。
【0024】
さらに、車両12には、電源であるバッテリ電圧+B(電源+Bともいう。)を供給するバッテリ42が搭載されている。
【0025】
なお、車両12の室内灯18、20には、該室内灯18、20の点灯、消灯等をユーザーが手動で切り替えるための室内灯スイッチ(室内灯SW)100、110が併設されている。
【0026】
図1に示すように、車両用ランプ制御システム10は、基本的には、直流モータ等のドアロックアクチュエータ58や上記したパワーSW38及び室内灯18、20、及び該室内灯18、20の点灯等を制御する室内灯制御装置を兼ねる多機能制御装置(以下、理解の便宜のために、室内灯制御装置ともいう。)60を備える車両本体部57と、該車両本体部57にコネクタ201(端子201a、201b、201c、201d)を介して後付け可能なフォグランプアセンブリ61と、前記車両本体部57にコネクタ211(端子211a、211b、211c、211d、211e、211f)を介して後付け可能な補助灯制御装置としてのフォグランプ制御装置70と、から構成される。
【0027】
なお、この実施形態において、多機能制御装置60は、自動車工場での完成車両に組み付けられ、フォグランプアセンブリ61及びフォグランプ制御装置70は、それぞれコネクタ201、211を介して、ディーラーにて後付けされている。なお、フォグランプアセンブリ61は、車両標準装着であってもよい。
【0028】
[車両本体部57と多機能制御装置60の詳細な構成]
車両本体部57に配置されている多機能制御装置60は、室内灯制御部等として機能する多機能制御部(理解の便宜のため、室内灯制御部ともいう。)64を有している。
【0029】
多機能制御部64は、CPU、記憶装置(ROM及びRAM等)、及び計時器としてのタイマ62を備え、CPUがROMに記録されたプログラムを読み出して実行することで機能実現部として動作する。
【0030】
多機能制御部64は、高インピーダンスの入力ポートに供給される信号に基づきオープンドレイン型のNMOSトランジスタ等が接続された出力ポート75、78、80、82、84から信号を出力する。
【0031】
入力ポートに供給される信号として、パワーSW38からのパワーモード信号Spm、ドアロックボタン32からのドアロックボタン信号Sdlb、ドアSW24からのドア22の開閉状態を示すドア開閉信号Soc等の有線信号があり、また、携帯機30からのドアロック信号Spdlとドアアンロック信号Spdu(
図2参照)等の無線信号がある。
【0032】
多機能制御部64は、出力ポート75、78、80、82、84から、それぞれ、室内灯制御信号Srlc、フォグランプ駆動信号Sfogd、ドアロック駆動信号Sdld、ドアアンロック駆動信号Sduld、及び室内灯リレー非駆動信号Srlad信号を出力する。
【0033】
室内灯制御信号Srlcは、端子211fとドア連動位置102、112に供給されると共に、端子211fを通じて、フォグランプ制御装置70を構成するフォトダイオード136のカソード端子に供給される。
【0034】
ユーザーによるフォグランプSW40の手動操作によって発生するフォグランプ駆動信号Sfogdは、端子201bを通じて常開(コイル52cに電流が流れてないとき、接点52eが開状態)のフォグランプリレー52のコイル52cに供給される。
【0035】
ドアロック駆動信号Sdldは、ドアロックリレー74のコイル74cに供給される。
【0036】
ドアアンロック駆動信号Sduldは、ドアアンロックリレー76のコイル76cに供給される。
【0037】
室内灯リレー非駆動信号Srladは、常閉(コイル51cに電流が流れてないとき、接点51eが閉状態)の室内灯リレー51のコイル51cに供給される。
【0038】
なお、各出力ポート75、78、80、82、84には、オープンドレインのNMOSトランジスタが内蔵されており、NMOSトランジスタのオン時の低出力インピーダンスで電流の吸込みが可能なローレベルの各信号及びNMOSFETのオフ時の高出力インピーダンスのオープンドレインの各信号を出力する。
【0039】
パワーモード信号Spmは、基本的には、パワースイッチ38が押下される毎に駆動源36を停止状態にするオフ状態と、駆動源36を能動状態にするオン状態(ブレーキペダルが踏み込まれていることが条件)との間を遷移する。
【0040】
バッテリ42からの公称値+12[V]等のバッテリ電圧+Bは、端子211aを通じてフォグランプ制御装置70に供給される他、端子201aを通じて1回路1接点のフォグランプリレー52のコイル52c及び常開の接点52eに供給され、さらに、ドア22の1回路2接点のドアロックリレー74のコイル74c及びオン接点(位置)74onに供給され、さらにまた、ドア22の1回路2接点のドアアンロックリレー76のコイル76c及びオン接点(位置)76onに供給され、さらにまた、多機能制御部64並びに常閉の室内灯リレー51のコイル51c及び接点51eに供給される。
【0041】
多機能制御部64に供給されたバッテリ電圧+Bは、図示しないレギュレータにより降圧され定電圧の電源電圧として多機能制御部64を構成するCPU等に供給される。
【0042】
フォグランプリレー52のコイル52cは、端子201d及び端子211bを介してフォグランプ制御装置70のドライバ94(オープンドレイン型のNMOSトランジスタ)のドレイン端子に接続されると共に、端子201bを介して、多機能制御部64の出力ポート78に並列的に接続される。
【0043】
フォグランプリレー52の接点52eは、並列接続のフォグランプ16を通じ、端子201cを介して接地されている。
【0044】
ドアロックリレー74のコイル74cは、多機能制御部64の出力ポート80に接続されている。
【0045】
ドアアンロックリレー76のコイル76cは、多機能制御部64の出力ポート82に接続されている。
【0046】
ドアロックリレー74の共通接点74sとドアアンロックリレー76の共通接点76sとの間にドアロックアクチュエータ58が接続される。
【0047】
ドアロックリレー74の共通接点74sに接続された側のドアロックアクチュエータ58に発生するドアロック状態を表す信号(パルス信号)が、フォグランプ16の点灯延長信号として機能するドアロック検出信号Sdlfとして端子211cを通じてフォグランプ制御装置70に供給される。
【0048】
車両12の外部で、ユーザーにより携帯機30のロックボタン26(
図2)が押下され、多機能制御部64によってドアロック信号Spdlにより携帯機30の認証が確認されると、多機能制御部64の出力ポート80から一定時間オン状態になるパルス状のドアロック駆動信号Sdldがドアロックリレー74のコイル74cに供給され、ドアロックリレー74の共通接点74sが、オフ接点(位置)74offから一時的にオン接点74onに切り替えられる。
【0049】
このとき、モータ電流Imが図示の向きに流れて、ドア22がロック状態にされる。なお、このとき、ドアロック検出信号Sdlfは、一時的にハイレベルになる。
【0050】
つまり、端子211cに、接地電圧から一時的にバッテリ電圧+Bにされるパルス信号が発生するので、このパルス信号がドアロック検出信号Sdlfとしてフォグランプ制御装置70に供給される。
【0051】
また、車両12の外部からユーザーにより携帯機30のアンロックボタン28が押下され、多機能制御部64によってドアアンロック信号Spduにより携帯機30の認証が確認されると、多機能制御部64の出力ポート82からドアアンロック駆動信号Sduldがドアアンロックリレー76のコイル76cに供給されることで、ドアアンロックリレー76の共通接点76sが、オフ接点(位置)76offから一時的にオン接点76on側に切り替えられる。
【0052】
このとき、モータ電流Imが図示の向きと反対方向に流れて、ドア22がアンロック状態にされるが、ドアロック検出信号Sdlfは、端子211cが、共通接点74s、及びオフ接点74offを通じて接地電圧に保持されているので、変化しない。
【0053】
なお、車室内に設けられているフォグランプスイッチ40がユーザーの手動操作によりオン状態にされた場合には、多機能制御部64が出力ポート78からフォグランプ駆動信号Sfogdを出力することで、フォグランプリレー52のコイル52cに駆動電流が流れ、接点52eが閉状態とされ、バッテリ電圧+Bによりフォグランプ16が点灯する。この場合において、パワーSW38がオフ状態にされたことが多機能制御部64によりパワーモード信号Spmを通じて検知されたとき、出力ポート78が、オフ(消灯)状態にされ、フォグランプ駆動信号Sfogdにより点灯していたフォグランプ16は消灯する。
【0054】
室内灯18、20に接続されている常閉の室内灯リレー51の接点51eは、多機能制御部64により、パワーSW38がオン状態にされたことが検知されたとしても、常閉状態(コイル51cに電流が流れていないとき、接点51eが閉状態)が保持され、後述するように、パワーSW38がオフ状態で、携帯機30の操作又はドアロックボタン32の操作のいずれかによりドア22がロックされたときに、接点51eが開状態になる。
【0055】
車両12の室内灯18、20のそれぞれは、一方の端子に、1回路1接点の常閉の室内灯リレー51の接点51eを通じて車両12のバッテリ42のバッテリ電圧+Bが供給され、他方の端子に、それぞれ、オン位置101、111、ドア連動位置102、112又はオフ位置103、113に切り替えられる室内灯SW100、110が接続される。なお、室内灯18、20の各一方のバッテリ電圧+Bが供給される側の端子は、端子211eを通じてフォグランプ制御装置70に接続されている。
【0056】
多機能制御部64の室内灯制御信号Srlcを出力する出力ポート75は、室内灯SW100、110のドア連動位置102、112に接続されると共に、端子211eを通じてフォグランプ制御装置70に接続される。
【0057】
なお、多機能制御部64は、室内灯SW100、110の接点位置に拘わらず(つまり、室内灯SW100、110がオン位置101、111、オフ位置103、113あるいはドア連動位置102、112のどの位置にあっても)、車両12の駆動源36の停止時に室内灯18、20を点灯させ、その後、ドア22がロック状態にされたときに消灯させることが可能なように遷移する室内灯制御信号Srlcを、ドア連動位置102、112に供給すると共に、端子211fを通じてフォグランプ制御装置70に供給する点に留意する。
【0058】
[フォグランプ制御装置70の詳細な構成]
多機能制御装置60を備える車両本体部57に対して、コネクタ211を介して後付け可能なフォグランプ制御装置70は、フォグランプ制御部90を備える。
【0059】
フォグランプ制御部90は、CPU、記憶装置(ROM及びRAM等)、及び計時器としてのタイマ(延長タイマ)92を備え、CPUがROMに記録されたプログラムを読み出して実行することで、フォグランプ16を降車時の案内灯乃至誘導灯、この実施形態では、補助前照灯として機能させる。
【0060】
フォグランプ制御部90には、端子211aを通じて供給されたバッテリ電圧+Bが、定電圧レギュレータ(REG)96を介して降圧された定電圧の電源電圧Vddとして供給される。
【0061】
また、フォグランプ制御部90には、端子211cを通じ、レベル変換回路98を介して、点灯延長信号として機能するドアロック検出信号Sdlfが降圧されたドアロック検出信号Sdlf´として供給される。
【0062】
より具体的には、ドアロック検出信号Sdlfが、ハイレベル状態になっている期間に、レベル変換回路98で低圧(フォグランプ制御部90から見ると、定電圧ダイオード124の定電圧Vzであるハイレベル)に電圧変換(レベル変換)されたドアロック検出信号Sdlf´として供給され、ドアロック検出信号Sdlfがローレベル状態(接地電圧0[V])となっているとき、ダイオード120がオフ状態となるので、ドアロック検出信号Sdlf´は、抵抗分圧器122の接地側抵抗器を通じて、ローレベルの接地電圧として供給される。
【0063】
なお、レベル変換回路98は、公知であり、ダイオード120と、抵抗分圧器122と、定電圧ダイオード(ツェナーダイオード)124とから構成される。
【0064】
さらに、フォグランプ制御部90には、端子211dを通じ、レベル変換回路160を介して、パワーモード信号Spmが低圧に電圧変換(レベル変換)されたパワーモード信号Spm´が供給される。
【0065】
レベル変換回路160は、レベル変換回路98と同様に、ダイオード162と、抵抗分圧器164と、定電圧ダイオード166とから構成される。
【0066】
さらにまた、フォグランプ制御部90には、車両12の周辺の明るさを検知して、照度を表す明るさ信号Sbsを出力する照度センサ126が接続される。
【0067】
さらにまた、フォグランプ制御部90には、端子211eと端子211f間に発生する1次電圧V1に基づき、絶縁された2次電圧V2を発生する電気的絶縁回路130とレベル変換回路132の直列回路が接続されている。
【0068】
電気的絶縁回路130は、入力側のフォトダイオード136と出力側のフォトトランジスタ140とを備えるフォトカプラ134を含む。
【0069】
室内灯制御信号Srlcがローレベルの接地電圧にあって、室内灯リレー51の接点51eが閉状態にあるとき、抵抗器138とフォトダイオード136の直列回路の両端、換言すれば、端子211eと端子211f間には、1次電圧V1としてバッテリ電圧+Bが印加されることとなる。
【0070】
このとき、1次電圧V1からフォトダイオード136の順方向降下電圧Vdを差し引いた差電圧(V1−Vd=+B−Vd)を抵抗器138の抵抗値で除した電流値となる1次電流I1が矢印方向に流れる。
【0071】
フォトダイオード136は、この1次電流I1を、該1次電流I1の大きさ(値)に応じた強度を有する光信号に変換して、フォトトランジスタ140に照射する。このとき、フォトトランジスタ140は、光信号の強度に応じた、矢印方向に流れる2次電流I2を電源電圧Vddの定電圧レギュレータ96からフォトトランジスタ140のコレクタ端子に引き込み、エミッタ端子を通じて接地側に流す。
【0072】
レベル変換回路132は、バイアス抵抗器144と、PNP型のトランジスタ146と、出力抵抗器148と、抵抗器149と、ダイオード150と、雑音除去用のコンデンサ152と、該コンデンサ152に並列に接地に接続され、2次電流I2が流れてトランジスタ146がオン状態とされたときに、定電圧Vz(ハイレベル)を発生する定電圧ダイオード154とから構成される。
【0073】
2次電流I2が流れるとトランジスタ146がオン状態とされ、フォグランプ制御部90の入力ポートに印加される2次電圧V2が、ハイレベルの定電圧Vz(V2=Vz[V])にされる。2次電流I2がゼロ値又はトランジスタ146をオン状態にすることができない程小さな値である場合には、トランジスタ146がオフ状態になり、2次電圧V2は、ローレベルの接地電圧、すなわち0[V](V2=0[V])にされる。
【0074】
フォグランプ制御部90は、上記した点灯延長信号として機能するドアロック検出信号Sdlf´、明るさ信号Sbs、パワーモード信号Spm´、及び2次電圧V2の各入力信号の状態を参照して、対応するフォグランプ制御信号Sfogcを生成し、生成したフォグランプ制御信号Sfogcを、出力ポートからドライバ94を介し、端子211bを通じてフォグランプリレー52のコイル52cを駆動する駆動信号として出力する
【0075】
[車両用ランプ制御システム10の動作]
次に、基本的には以上のように構成されるこの実施形態に係る車両用ランプ制御システム10の動作について、車両12のユーザーの降車時に適用される、
図3に示すフローチャート及び
図4に示すタイムチャートを参照して、詳しく説明する。
【0076】
なお、フローチャートは、多機能制御部64及びフォグランプ制御部90が実行するプログラムを、理解の便宜のために、1つのフローチャートにまとめて説明している。
【0077】
また、フローチャートの制御開始時には、エンジン等の駆動源36が能動状態にあり、室内灯SW100、110は、共にドア連動位置102、112にあるものとして説明する。
【0078】
従って、制御開始時に、前後席の室内灯18、20は、いずれも消灯状態にある。
【0079】
ステップS1にて、多機能制御部64及びフォグランプ制御部90は、パワースイッチ38からパワーモード信号Spm、Spm´を取得し、パワースイッチ38が押下されて、パワーモード信号Spm、Spm´がハイレベルのオン位置からローレベルのオフ位置に遷移したか否かを監視することで車両12の駆動源36が停止されたか否かを監視する。
【0080】
多機能制御部64及びフォグランプ制御部90は、時点t1にて、パワーモード信号Spm、Spm´のオン位置からオフ位置への遷移を検知したとき、駆動源36の停止を検知する(ステップS1:YES)。
【0081】
駆動源36の停止を検知した多機能制御部64は、ステップS2にて、出力ポート75から、ハイレベル(消灯)からローレベル(点灯)に遷移する室内灯制御信号Srlcを出力する。これにより、バッテリ42から室内灯リレー51の接点51e、室内灯18、20、室内灯SW100、110、ドア連動位置102、112を通じて、出力ポート75に電流が流れ込み、時点t1にて、室内灯18、20が点灯を開始する。
【0082】
このとき、1次電圧V1が、バッテリ電圧+B(V1=+B)になるので、フォトダイオード136に矢印方向に1次電流I1が流れる(バッテリ電圧+B→接点51e→端子211e→抵抗器138→フォトダイオード136→端子211f→出力ポート75を通じて接地の順)。
【0083】
その結果、フォトトランジスタ140に矢印方向に2次電流I2が流れ、トランジスタ146がオフ状態からオン状態になって、2次電圧V2がローレベル(0[V])からハイレベルの定電圧Vzに遷移し、遷移したことがフォグランプ制御部90で検知される。なお、フォグランプ制御部90は、この検知と同時に、パワーモード信号Spm´により駆動源36の停止を検知している。
【0084】
このとき(時点t1)、フォグランプ制御部90は、ステップS3にて、フォグランプ制御信号Sfogcをローレベルからハイレベルに遷移させる。これによりドライバ94がオン状態にされてコイル52cに電流が流れ、フォグランプリレー52の接点52eが閉状態とされ、フォグランプ16が点灯を開始する(
図4参照)。
【0085】
一方、ステップS1にて、駆動源36の停止を検知した多機能制御部64は、ステップS3にて、方形パルス状のドアアンロック駆動信号Sduld(
図4参照)を発生し、出力ポート82を通じてドアアンロックリレー76に供給する。これにより、ドア22のロックは、ロック状態からアンロック状態に遷移する(
図4、時点t1参照)。
【0086】
次いで、時点t2にて、ユーザーが降車のために、ドア22を開けると、ドアSW24からのドア開閉信号Socがローレベル(閉状態)からハイレベル(開状態)に遷移し(
図4)、これが多機能制御部64により認識され(ステップS4:YES)、さらに、ユーザーが降車後、時点t3にて、ドア22を閉じると、ドアSW24からのドア開閉信号Socがハイレベル(開状態)からローレベル(閉状態)に遷移したことが多機能制御部64により認識される(ステップS5:YES、
図4)。
【0087】
次いで、降車後、ステップS6にて(時点t4にて)、携帯機30を携帯したユーザーにより、ドアロックボタン32が押下されてドアロックボタン信号Sdlbが発生する(ステップS6:YES)。
【0088】
ドアロックボタン信号Sdlbを検知した多機能制御部64は、携帯機30との認証が成立すると、出力ポート80を通じてパルス状のドアロック駆動信号Sdldを発生して、ドアロックリレー74のコイル74cに供給する。
【0089】
この場合、ステップS7にて、ドアロックリレー74の接点74sが接点74onに一定の短時間の間、接続されることで、方形パルス状のドアロック検出信号Sdlf(
図4の時点t4参照)が発生し、発生したドアロック検出信号Sdlfが、端子211cを通じ、レベル変換回路98を介してドアロック検出信号Sdlf´としてフォグランプ制御部90で取得される。
【0090】
一方、時点t4に対応するステップS6にて、多機能制御部64は、出力ポート80からドアロック駆動信号Sdldを出力すると同時に、ステップS8にて、出力ポート75をローレベルで低インピーダンスのオン状態からオフ状態(高インピーダンスのオープンドレイン状態)に遷移させる。
【0091】
この場合、室内灯制御信号Srlcのレベルは、接点51eにバッテリ電圧+Bが印加されていることから、室内灯18、20、室内灯SW100、110、ドア連動位置102、112を介してバッテリ電圧+B、すなわち、ハイレベルにプルアップされる。
【0092】
室内灯制御信号Srlcがハイレベル(バッテリ電圧+B)になることで、ステップS8にて、室内灯18、20の間に電圧差がなくなり、室内灯18、20が点灯状態から消灯状態に遷移する(時点t4)。
【0093】
このとき、1次電圧(電圧差)V1が0[V](端子211e及び端子211fが同電圧のバッテリ電圧+B)になり(I1=I2=0[A])、トランジスタ146がオフ状態になって、2次電圧V2が0[V]のローレベル(接地電圧)になる。
【0094】
そして、時点t1からのフォグランプ16の点灯中に、ユーザーにより携帯機30のロックボタン26の押下操作又はドアロックボタン32の押下操作がなされると、多機能制御部64の出力ポート80から出力されるドアロック駆動信号Sdldによりドアロックリレー74が駆動される。
【0095】
これにより、ドアロックアクチュエータ58が作動してドア22がアンロック状態からロック状態にされ、ドア22がアンロック状態からロック状態に遷移したことをドアロック検出信号Sdlf(Sdlf´)に基づき検出したフォグランプ制御部90は、時点t4から、延長タイマ92による延長点灯時間Tdの計時を開始する。
【0096】
なお、フォグランプ制御部90は、ドア22がアンロック状態からロック状態にされ、室内灯制御信号Srlcがローレベルからハイレベルになったことを原因として、2次電圧V2が定電圧Vzから0[V]になったことを検知し、時点t4から、延長タイマ92による延長点灯時間Tdの計時を開始するようにしてもよい。
【0097】
これにより、時点t4にて、ドア22のロック操作により室内灯18、20が消灯しても、パワーモード信号Spm、Spm´のオン状態からオフ状態への遷移時の時点t1から点灯しているフォグランプ16は、消灯することなく、時点t4以降も点灯が延長される(ステップS10:NO→ステップS9)。
【0098】
なお、延長点灯時間Tdは、デフォルトでは30秒に設定されているが、図示しないナビゲーション装置等を利用して設定時間をより短時間又はより長時間に変更することができる。
【0099】
ステップS10にて延長点灯時間Tdの計時が終了する(ステップS10:YES)と、フォグランプ制御部90は、ステップS11にて、フォグランプ制御信号Sfogcを点灯状態のハイレベル(ドライバ94がON状態)から消灯状態のローレベル(ドライバ94がオープンの高インピーダンス状態)に遷移させ、フォグランプ16を消灯させる。
【0100】
このようにして、フォグランプ16は、エンジン等の駆動源36が停止状態とされたときに室内灯18、20と同時に自動的に点灯を開始し、ユーザーが降車し、ドア22がロックされて室内灯18、20が消灯しても点灯を継続(延長)し、例えば、駐車場に駐車された車両12の位置からユーザーが、自宅の玄関先までの通路を歩く間、案内灯乃至誘導灯として点灯し前記通路を照射し、その後に、自動的に消灯する。
【0101】
結果として、ユーザーに付与される「安心感」及び「おもてなし感」等をより向上させることができる
【0102】
[まとめ、比較例及び変形例]
上述した実施形態に係る車両用ランプ制御システム10は、一方の端子に、常閉の室内灯リレー51を通じて車両12のバッテリのバッテリ電圧+Bが供給され、他方の端子に、オン位置101、111、ドア連動位置102、112、又はオフ位置103、113に切り替えられる室内灯SW100、110が接続される室内灯18、20を有する。
【0103】
また、車両用ランプ制御システム10は、室内灯SW100、110のドア連動位置102、112に接続され、室内灯18、20を制御する室内灯制御信号Srlcを供給し、該室内灯制御信号Srlcにより、室内灯18、20を、ドア連動位置102、112で、車両12の駆動源36の停止時に点灯させ、その後、ドア22がロックされたときに消灯させる室内灯制御装置としての多機能制御装置60と、を備える。
【0104】
そして、さらに、この実施形態に係る車両用ランプ制御システム10は、バッテリ電圧+Bが供給される常開のフォグランプリレー52を通じて、室内灯制御装置としての多機能制御装置60に接続される車両12の周辺照明用の補助灯としてのフォグランプ16を備える。
【0105】
車両用ランプ制御システム10は、さらに、コネクタ211を介して、ドア22がロックされたことを示すドアロック検出信号Sdlf(端子211c)と、室内灯制御信号Srlc(端子211f)と、バッテリ電圧+B(端子211a)と、が供給されると共に、フォグランプリレー52のコイル52cに接続され、補助灯としてのフォグランプ16を、車両12の駆動源36の停止時に点灯させ、その後、ドア22がロックされたとき(時点t4)から所定時間である延長点灯時間Tdの間、点灯を延長するように前記常開のフォグランプリレー52を駆動する補助灯制御装置としてのフォグランプ制御装置70を備える。
【0106】
上記の構成により、車両12の駆動源36の停止時に、該車両12の周辺照明用の補助灯としてのフォグランプ16の点灯を開始させ、室内灯制御信号Srlcが消灯レベル(
図4中、ハイレベル)側へ遷移すると、所定時間である延長点灯時間Tdの間、点灯を延長した後に(時点t5に)フォグランプ16が消灯するように点灯制御している。このため、車両12の周辺照明用のフォグランプ16を案内灯乃至誘導灯として好適に利用し得る。
【0107】
また、フォグランプ制御装置70は、コネクタ211を通じて室内灯制御装置としての多機能制御装置60側に接続されるように構成したので、車両12の周辺照明用のフォグランプ16を該車両12の駆動源36の停止時に点灯させたいと希望するユーザーに、後付け装置、いわゆるディーラーオプションとして提供することができる。
【0108】
この実施形態では、補助灯としてのフォグランプ16もコネクタ201を通じて多機能制御装置60側に接続されるように構成したので、車両12の周辺照明用のフォグランプ16も、後付装置、いわゆるディーラーオプションとして提供することができる。
【0109】
この場合、多機能制御装置60は、室内灯制御信号Srlcを、室内灯SW100、110のオン位置101、111、ドア連動位置102、112、又はオフ位置103、113に係わらず、生成している。このように、室内灯SW100、110の接点位置とは無関係に、車両12の駆動源36の停止時から、少なくとも所定時間である延長点灯時間Tdの間、フォグランプ16を点灯させることができる。
【0110】
なお、フォグランプ制御装置70は、供給された室内灯制御信号Srlcを、電気的絶縁回路としてのフォトカプラ134を介して信号変換し、絶縁信号とされた室内灯制御信号Srlcのローレベル及びハイレベルに基づき、フォグランプ16を制御している。
【0111】
このように、電気的絶縁回路としてのフォトカプラ134を介して、多機能制御装置60側からフォグランプ制御装置70側に室内灯制御信号Srlcを取り込むようにしたので、フォグランプ制御装置70側から多機能制御装置60側への電源の回り込みを防止することができる。なお、電気的絶縁回路としてフォトカプラ134を利用しているが、フォトカプラ134に限らず、1次電流I1を検出して磁気信号に変換する磁気センサを利用することもできる。
【0112】
[比較例]
図5は、比較例としての車両用ランプ制御システム10Aの構成を示している。この車両用ランプ制御システム10Aは、フォトカプラ134を使用することなく、バイアス抵抗器145を通じて多機能制御部64側とフォグランプ制御装置70Aとを電気的に接続するように構成されている。
【0113】
上述した
図4の時点t4以降、次にパワーSW38がオン状態になるまで、室内灯リレー51は、接点51eが開かれた開状態になっている。この場合、時点t4以降室内灯制御信号Srlcを発生する出力ポート75は、ハイレベルの高インピーダンス状態(オープン状態)になっている。
【0114】
そうすると、
図5に示すように、室内灯SW100、110のうち、一方がドア連動位置102に、他方がオン位置111に接続されている状態を考慮すると、バッテリ電圧+Bを定電圧レギュレータ96で定電圧にした電源電圧Vddから、矢印の経路に示すように、バイアス抵抗器144、バイアス抵抗器145、端子211f、ドア連動位置102、室内灯18、室内灯20、オン位置111を通じて接地に流れる回り込み電流が発生する。これにより、
図5に示した比較例の車両用ランプ制御システム10Aでは、バッテリ42の電力が無駄に消費される。
【0115】
なお、
図1に示した実施形態に係る車両用ランプ制御システム10では、
図5のような室内灯SW100、110の位置(一方が、ドア連動位置、他方がオン位置)であっても、回り込み経路がフォトカプラ134により遮断されるので、室内灯18、20を点灯させる回り込み電流が発生しない。
【0116】
[変形例]
フォグランプ制御装置70は、照度センサ126を有し、該照度センサ126の出力信号である明るさ信号Sbsが閾値Vth以下であるときに、フォグランプ16を点灯させるように構成することで、車両12の周辺が明るい場合には無意味になる車両12の周辺照明用のフォグランプ16の点灯を禁止できるので省エネに資する。
【解決手段】車両12の駆動源36の停止時に、該車両12のフォグランプ16の点灯を開始し、降車後のドア22のロックにより室内灯18、20が消灯しても、延長点灯時間Td間、点灯を延長した後に消灯するようにしたので、車両12のフォグランプ16を案内灯等として利用し得る。フォグランプ制御装置70は、コネクタ211を通じて車両本体部57側に接続できるようにしたので、ディーラーオプションとして提供可能である。