(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
調理エピソードの際に、前記調理調節システムにより提供される調理調整情報を表示させるように構成されたディスプレイユニットを、さらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の食品用意システム。
調理エピソードの際に、前記調理調節システムにより提供される調理調整情報に応じて、前記調節ノブを調整するための音声信号を受信するように構成された音声入力装置を、さらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の食品用意システム。
調理エピソードの際に、前記調理調節システムにより提供される調理調整情報を含む音声信号を出力するように構成された音声出力装置を、さらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の食品用意システム。
調節ノブの内部に隠された位置センサーであって、ユーザーによる前記調節ノブの手動調整時に、前記カバーの回転位置を感知して追跡するための位置センサーを、さらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の食品用意システム。
プリント回路基板アセンブリと電源をさらに備え、前記電源は前記調節ノブの内部に隠されており、前記調理調節システムの少なくとも一部の態様が実行されることを特徴とする請求項1に記載の食品用意システム。
前記カバーの回転位置を調整する情報を受信する無線通信モジュールをさらに備え、前記無線通信モジュールが前記調節ノブの内部に隠されていることを特徴とする請求項1に記載の食品用意システム。
調理用に生成された熱を操作し、別個の熱生成量に各々対応して複数の設定を有する調節装置を、一以上の設定された計算装置を用いて校正するステップであって、前記校正するステップには、熱量の生成なしに対応するオフ設定と、最大の熱生成量に対応する最大設定と、を含む複数の設定に関する情報を収集するステップが含まれるステップと;
前記一以上の設定された計算装置を用い、また前記校正するステップの少なくとも一部に基づいて、調理エピソードを制御するステップであって、前記調理エピソードは、前記調節装置を介して加熱される一以上の調理器具部で、食材を調理することを含んでおり、前記制御するステップには、前記一以上の調理器具部の一以上の温度を変化させる前記調節装置の自動操作を実行するステップが含まれるステップと、を備えたことを特徴とする方法。
前記調節装置がスマートノブであって、前記スマートノブは前記複数の設定に対応する複数の位置を有し、また前記複数の位置のうちどの位置に前記調節装置がいるのかを判断できる位置検知機構を有し、
また前記調節装置の前記校正するステップには、:
前記調節装置を前記オフ設定にさせる旨のプロンプトをユーザーに表示し、前記位置検知機構を用いることで、対応する前記調節装置のオフ位置を記録するステップと;
前記調節装置を前記最大設定にさせる別のプロンプトをユーザーに表示し、前記位置検知機構を用いることで、対応する前記調節装置の最大位置を記録するステップと、が含まれていることを特徴とする請求項11に記載の方法。
内部に組み込まれ、調理エピソードの際に食品の温度を示す温度情報を感知する少なくとも1つの温度センサー、を備える器具であって、前記器具から温度情報を送信する無線通信モジュールが備えられている器具と;
前記器具から温度情報を受信するように構成され、また調理エピソードの際、受信された前記温度情報の少なくとも一部に基づいて、前記調節ノブを調整するための調理調整情報を提供するように構成された調理調節システムと、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の食品用意システム。
前記調節ノブは、前記調理調節システムに通信可能に接続された位置センサーをさらに備え、手動調整がなされると、前記調節ノブの位置を示す通信データが伝達されることを特徴とする請求項14に記載の食品用意システム。
前記調節ノブは、前記駆動モータを介して制御可能に調整可能で、またユーザーが手動で調整できるように維持されていることを特徴とする請求項14に記載の食品用意システム。
【発明を実施するための形態】
【0006】
開示された種々の実施態様の十分な理解を提供するため、下記記載において特定の具体例がいくつか記載される。関連分野に技術を有する者であれば、これら特定の具体例がいくつか欠けていたとしても、実施態様の実施が可能である旨を理解するであろう。また、本実施態様の記載を不必要に不明確とすることを防止するために、調理器具および料理操作に関連する、周知の手法、構造、および装置を、詳細には図示または記載しない場合がある。
【0007】
文脈上他の意味に解すべき場合を除き、以下、本明細書および請求の範囲全体に渡って、「備える(comprise)」との用語とこれの変形例、例えば「備える(comprises)」や「備えている(comprising)」などは、開かれた、包括的な意味と解釈され、「〜を含むがこれに限定されるものではない(including, but not limited to)」との意味として解釈することとする。
【0008】
本明細書で「一実施態様(one embodiment)」または「実施態様(an embodiment)」とは、本実施態様に関連して記載されるた特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施態様に含まれていることを指す。本明細書の全体にみられる「一実施態様において(in one embodiment)」や「実施態様において(in an embodiment)」の文言は、すべて同一の実施態様を指しているとは限らない。さらに特定の特徴、構造、特性は、適当な方法により一以上の実施態様に組み込むことができる。
【0009】
本明細書および添付の請求項において、単数形「一(one)」、「ある(a)」、「ある(an)」、「この(the)」は、特に明確な断わりのない限り、複数形の指示対象物も含まれるものとして使用される。また、「または(or)」との用語は、特に明確な断わりのない限り、一般的に「および/または(and/or)」という意味を含むものとして使用される点にも注意されたい。
【0010】
本明細書に記載される実施態様は、調理操作を促進させることに特化したシステム、方法、手法、ならびに関連調理器具および関連調理部品に関するものである。
【0011】
特に、食品調理プロセスの少なくとも一部を自動調節することで、一以上の調理箇所(一以上の調理面、若しくは他の調理器具部など、例えば、ストーブトップ加熱部、オーブン、など)の操作および加熱(その他、温度の変更)の調節をする手法が、本明細書に記載されている。以下、本明細書の髄所で詳細に検討されるように、このような実施態様の少なくともいくつかにおいて、このような自動調節には、調理すること、或いは他の一以上の料理または料理品を用意することに関連する調理エピソードの一部として、一以上の調理器具部(加熱調理面上の平鍋など)の少なくともいくつかの態様(表面温度等)を自動的に調節するために使用される、所定の指示を含む自動調節レシピの使用が含まれる。以下、本明細書の各所でより詳細に検討されるように、この種の自動調節レシピを特定の調理エピソードに使用することとしては、例えば調理エピソードに参加している人間ユーザーの操作をコーディネートすることが含まれ、例えばユーザーに指示その他の情報を表示させるか、または提供することが含まれており、特定の調理器具部を特定の方法(特定の平鍋を特定の加熱調理面に置く、等)で操作し、これにより用意された食品が特定の方法で操作(指示された食材を平鍋に入れ、平鍋にすでにある食材をかき混ぜること、または裏返すこと、等)されるようになっている。記載された手法の少なくともいくつかは、少なくとも一部の実施態様において、コンピュータにより実現される自動調理調節(ACC)システムの自動操作から自動的に実施することが可能であって、以下詳細に記載されている通り、このシステムは選択的に、実行可能な複数のソフトウェアモジュールを実装可能である。
【0012】
特定の自動調節レシピを併用して、特定の料理その他食材の調理を自動調節することに加え、少なくとも一部の実施態様では、ACCシステムは、記載された他の種々の手法をさらに実行することができる。例えば、一部の実施態様において、ACCシステムの自動操作には、ユーザーが新たな自動調節レシピを作成(調理エピソードの際にユーザーがとった調理関連行動の少なくとも一部を記録する、等によって)することを補助し、および/または、作成された自動調節レシピを、他のユーザーの使用のために発信することが含まれる。加えて、種々の追加の調理関連機能が提供可能であって、そのようなものとして、ユーザーが(ACCシステムのGUI、つまりグラフィカルインターフェース等を介して)一以上の自動調節レシピの選択を補助すること、一以上の自動調節レシピを自動調整して特定の調理エピソードに利用し、これにより種々のファクターを反映すること、複数の自動調節レシピ、および/または、調理器具部、および/または、調理箇所を自動的にコーディネートし、かつこれらを共に組み込むこと、調理エピソードの途中またはその前に起こり得る種々の問題を自動的に監視し、検知時に然るべき対処(所定の安全手続きの実行等)をすること、等があげられる。以下、実行され得る種々の自動調理関連操作に関連する追加的な詳細事項が、本明細書の各所に含まれている。
【0013】
さらに、本ACCシステムは、調理が始まる前に種々の自動設定操作を行うことが可能であって、これにより、
(特に、家庭または他の調理環境等において、)特定のACCシステムコピーにより利用可能な特定の調理関連器具を特定すること、
特定の調理関連器具の機能を測定または判断すること、
調理に影響を与える可能性のある特定の環境条件(高度、外気温、湿度、等)を判断すること、
特定の調理関連器具部を、調理エピソードに関連付けすること(例えば、特定の調節ノブまたは温度調整するその他調理器具機構を、特定の調理箇所に関連付けること、例えばガス流、電流、あるいは気流を、特定の平鍋に関連付けるか、または調理エピソードの際に、その調理箇所にて使用される他の調理器具部に関連付けること)、等をすることができる。特定の調理関連器具を調節し、またはその機能を判断することとしては、例えば、下記一以上のものを含むことができる:
調節ノブまたは、可能性のある複数の位置もしくはその他設定事項を有する他の調節装置に対して、調節ノブの位置を決定するか、または一以上の指定位置もしくは指定設定に対応する調節装置の位置を決定すること、例えば「オフ」設定および/または「最大値」設定、および/または、一以上の所定の中間的な設定、など(例として、ユーザーに調節ノブまたは他の調節装置を特定の設定下に置くことを指示し、その設定のために調節ノブその他の調節装置に対応する位置もしくは配置を、検知もしくは記録すること;調節ノブその他の調節装置を操作して、これに対する変化を監視し、これにより加熱量が最も大きくなる位置を、最大設定として取扱い、そして加熱が生じない位置をオフ設定として取り扱うこと;等が挙げられる);関連する調節ノブの変化量および/または提供される熱量に応じて、調理器具部および/または調理箇所の一部に発生する、温度その他条件の変化量を判断すること;等
実行可能な各種の自動設定操作に関し、以下、付加的な詳細が本明細書の各所に含まれている。
【0014】
本ACCシステムはさらに、種々の自動分析操作を種々のタイミングで行うことが可能で、そのようなものとしては、一個以上の調理関連器具の機能を分析すること(類似する調理関連器具部分との比較などに基づいて、想定される振る舞いに対する調理関連器具部分の振る舞いにおける差異を判断すること;特定の燃料タンクまたは調理関連器具に用いられる他の燃料源が消耗されるまでに残された時間など、予想される未来のイベントを判断すること、等)、特定ユーザーの調理エピソードを分析すること(ユーザーに興味のある追加の自動調節レシピを提案すること;健康上の理由などから、代替料理または代替食材を提案すること;等)、一以上のユーザーにおける複数の調理エピソードを分析すること(最適ではない料理結果を改善するためになされる調整を判断することなど)、等が挙げられる。実行可能な自動設定操作の種類に関し、以下、本明細書の各所に追加的な詳細事項が含まれる。
【0015】
本ACCシステムは、種々の実施態様にて種々の調理関連器具を使用することができる。例えば、調理関連器具は、その他調理器具の調理関連操作に影響を与える、一個以上の調節器具を含むことが可能で、このようなものとして、(調理面その他の調理箇所への電流、ガス流、その他燃料流を変更すること、火器が使用される調理箇所への気流量を調整すること、等により)加熱器、グリル、オーブンの調理面または調理箇所の温度を調節するために作動可能な、モータその他の機構を備えるスマート調節ノブが挙げられる。したがって、例えば、N個のバーナーその他の加熱箇所を備える加熱器には、0からN個のスマート調節ノブが含まれ、各スマート調節ノブは関連付けられた調理箇所を調節する。実施態様および状況によっては、調節器具にスマート調理デバイスが含まれ、このようなものとしては、スマート調理デバイスの調理箇所の一部または全部を自動操作ができるように設計または構成された、スマートオーブンまたはスマート加熱器またはスマートグリルなどが挙げられる。本明細書でいう「スマート」装置とは、特に断りのない限り、一以上のACCシステムモジュールを、ここに述べられる方法で実行することに協力するために十分なハードウェア計算リソース(CPUサイクル、RAMその他の揮発性メモリ、ハードディスクまたはROMまたはフラッシュメモリまたは他の非揮発性メモリ、など)を有する装置のことを指し、例えば他の機器との交信が可能な通信機能を有し、ユーザーおよび/または他の装置と相互作用するために、種々のI/O(入力/出力)コンポーネントを付加的に含むことができるものと理解されよう。
【0016】
本ACCシステムに用いられる調理関連器具は、調節器具を用いて温度その他の操作が調節される調理器具、をさらに含むことが可能であって、このようなものとして、表面温度センサーおよび通信機能が一体化して設けられた平鍋または深鍋(関連スマート調節ノブによりその温度が調節される)、空気温度センサーが一体化して備えられたドーム蓋、グリル表面もしくはグリル内部、オーブン格子もしくはオーブン内部、等、が挙げられる。加えて、調理関連器具は調理環境の一以上の態様を測定する測定器具が具備可能であって、このようなものとして、調理箇所の温度、または調理器具部(表面、空気、内容物、等)の温度を測定する温度センサー(温度プローブ等)、重量を量る秤(独立型の装置として、または調理器具部もしくは調理器具部が置かれる表面、例えば加熱器格子もしくはオーブン格子などの表面に一体化された装置として)、またはその他態様を測定する他の種類のセンサー(容積、湿度、酸性度、色、または調理器具内容物に関するその他特性を測定するセンサー;ユーザーによる調理器具の物理的な動きを測定する加速度計;ユーザーが調理器具部に近接しているかなど、ユーザーが特定の位置にいるかどうか決定する、運動センサーまたはその他位置センサー;等)などが挙げられる。特定の調理関連器具部がこれら複数の機能を果たすことが可能であって、例えば調節器具として、および/または、調理器具として、および/または、測定器具として、機能できるものと理解されよう(温度調節器および温度センサーを備える電子オーブントースター、など)。各種の調理関連器具に関し、以下、本明細書の各所に追加的な詳細事項が含まれる。
【0017】
加えて、特定の調理環境で使用されるACCシステムコピー(特にACCシステムモジュールコピー)は、調理環境にある一以上の計算装置、および/または、調理環境にいない一以上の遠隔計算機器(調理環境に属する地理的位置とは異なる地理的位置に存在し、一以上の公的コンピューター・ネットワークまたはその他のネットワークに対して命令その他の電気通信を送信するもの)などにより、様々な方法で実行される。これらの機器は一以上のACCシステムモジュール(ACCシステムの全部を含む)を各々実行可能であって、例えば、調理環境にいるユーザーのスマートフォン、一以上のスマート調節ノブ、一以上のスマート温度検知プローブ(以下、スマート温度プローブと呼ばれることがある)、一以上のスマート調理デバイス(スマート加熱器、スマートオーブン、スマートグリル、等)、キッチンその他の調理環境にある別個の計算装置(タブレット、等)、調理環境を含む範囲を制御するホームオートメーションシステムに属する一以上の装置、一以上の中間コンピューター・ネットワーク(インターネット、等)、などを介して、調理環境(ユーザーの家庭、等)から離れた一以上の遠隔計算システム、等、などを含むことができる。加えて、一以上の特定ACCシステムモジュールは、状況および実施態様によっては、単一の機器で実行することが可能であるが、それとは別の状況および実施態様では、一以上の特定ACCシステムモジュールは、複数の機器で分散的に(イーサネット(登録商標)、I2C、SPI、ブルートゥース(登録商標)、XBee(登録商標)、等などの有線あるいは無線ネットワーク、などを介して)実行することができる。ACCシステムモジュールの実行に関し、以下、本明細書の各所にさらなる詳細事項が含まれる。
【0018】
一部の実施態様において、少なくとも一部のACCシステムコピーは、オンライン調理調節連携サービスにより頒布されるか、あるいはオンライン調理調節連携サービスとやりとりすることにより、追加的な機能の提供が可能となる。例えば、この種の調理調節連携サービスは、自動調節レシピをACCシステムコピーに頒布する役割を果たし、調理調節連携サービスにより予め定められた自動調節レシピは、調理調節連携サービス(有名シェフ、料理機関、等)と連携している機関その他の事業体から提供されるか、またはACCシステムコピーの他のユーザーから(任意の他ユーザー;調理調節連携サービスまたは一以上のその他ソーシャルネットワークサービスまたは通信サービスを介して特定された、特定の友人など;指定ユーザー;等、に対して)、ピアー・ツー・ピアー方式で提供されるようになっていて、このような実施態様および状況の一部において、調理調節連携サービス、および/または、その他自動調節レシピのソースは、このような自動調節レシピの少なくとも一部を頒布するために課金可能であるが、実施態様および状況によっては、この種の課金はなくても構わない。同様に、このような調理調節連携サービスは、自動調節レシピの代わりまたは自動調節レシピに加えて、別タイプの情報をACCシステムコピーに頒布してもよく、このようなものとして、教習動画像(例えば、調理エピソードの一部として、一以上の自動調節レシピの実行と共に、ユーザーに向けて再生される)、食品見本画像(例えば、調理エピソードの一部として、一以上の自動調節レシピの実行と共にユーザーに向けて表示される)、ACCシステムモジュールアップデート、等が挙げられる。本調理調節連携サービスは、他者とのやりとりをさらに促進することにより、料理専門家が有する能力を、特定のACCシステムコピーユーザーに提供し(特定の調理エピソードに関する問題を診断すること、実習の提供または質問への回答、等)、ACCシステムコピーのユーザー同士で情報交換、等をするようになっている。一部の実施態様では、ACCシステムモジュールの全部または一部を、一以上のACCシステムコピーユーザーの代わりに、調理調節連携サービスの計算装置で実行することが可能で、このようなものとして、自動調節レシピを実行して、一以上のネットワークから特定の調理関連器具を制御すること、が含まれる。加えて、ACCシステムコピーの一部または全部は、調理調節連携サービスに対して、調理関連操作に関する種々の情報を提供することが可能で、このようなものとして調理時間、測定温度、他の観測条件、等がある。さらに、調理調節連携サービスのユーザーは、実施態様によっては、レシピの印象もしくは意見に関するフィードバックを提供することが可能であって(点数評価システム、書評、画像、動画、等を使用するなどして)、この場合、調理調節連携サービスは、一部または他すべてのユーザーに対して、このフィードバックを取集、管理、集約、および発表することができる。調理調節連携サービスおよびこの機能に関して、以下、本明細書の各所にさらなる詳細事項が含まれる。
【0019】
さらに、一部の実施態様では、特定のマークアップ言語を用いて自動調節レシピが特定され、このようなものとして、そのマークアップ言語により特定された自動調節レシピの実行を制御することが含まれる。マークアップ言語は、例えば、タグその他の構成物を含み、これにより、スマート調節ノブその他のスマート調節器具の操作の変更のために実行される指示が特定され、ユーザーに対し表示その他提示される情報が特定され、測定器具、および/または、ユーザーからの測定結果を特定し、これが取得および使用される(例えば、条件付きロジック、測定値、および/または、ユーザー入力、および/または、時間量その他規定値に基づいて実行するまたは実行を遅らせる、ループ構造およびその他フロー制御文などが挙げられる)。マークアップ言語は、調理されるレシピにおける種々のユーザーの所望する態様(レア、ミディアム、ウェルダン、等の所望の焼き加減、など)、調理されている食材に関する情報(大きさ、形状、および/または、重量、など)、等の特定を可能にするメタデータパラメータをサポートすることもできる。この種のメタデータパラメータの値に関するユーザーの選択を、調理関連操作の調整に利用して、所望とされる効果を生じさせることができる(例えばユーザーがウェルダンを選択したとき、レアを選択した場合よりも、一以上の時限ステップが長く作動するように調整されるか、および/または、異なるステップに対する温度ターゲット、または温度駆動の調節判断を、変更することができる)。さらに、マークアップ言語により次のステップが開始可能となる条件(5分経過時、平鍋がある温度に到達した時、平鍋が所定の温度変化率となる時、等)を定めることが可能で、これにブール論理(AND、OR、NOT、等)その他の修飾子を、他の特定条件と同時に使用することが含まれる。マークアップ言語はさらにレシピのステップ(調理中に発生するステップか、調理開始前に発生するステップかに関係なく)に関する種々の情報をさらにサポート可能であって、このようなものとしては、レシピのうちどのステップを平行して行うか、ステップの長さはどのくらいと予想されるか、ステップが使用されるスペースの種類、および/または、量、可能となる原材料の代替、等などが挙げられ、例えば、調理が始まる前にステップが発生する場合には、調理が始まる直前にステップを行うべきか、または十分に前もってステップを行うことが可能であるか、を示すことは有益なことである。この自動調節レシピには各々、自動調節レシピの使用に対する追加の関連情報をさらに含み、有することが可能であって、これにより自動調節レシピに使用する特定の調理関連器具が示され、また特定の原材料および自動調節レシピに使用する他の調理関連材料(油等)、等が示されるようになっている。
【0020】
記載された手法を使用することによって、種々の場面で種々の効果を提供可能であって、このようなものとして、特定ユーザーの調理エピソードの結果が向上し(複数の関連調理エピソードに渡る一貫性の向上を含む)、これにより全体的なコストと食品廃棄物が削減されるようになること、無駄な時間とエネルギーを削減するか、あるいは料理をより手早く行うことによって、ユーザーが特定の料理を最も効率的な方法で料理することができるようになる能力、指定された条件(親スマートフォンの存在、等)が真である場合にのみ調理を開始、および/または、継続することなど、安全性の向上、実習その他のフィードバックによって特定ユーザーの調理技術を向上すること、特定のユーザーが(例えば、十分な知識および/または技術を有さないがために)これまで用意することのできなかった料理を用意する新たな能力、ユーザーがレシピおよび調理手法を共有し(状況によってはこれにより金銭的報酬を受けることが含まれる)、ならびに/または他者のレシピと調理手法を享受するための向上した能力、等が挙げられる。さらには、一部の実施態様および状況において、ACCシステムにより調理エピソードを完全に自動制御することもできるが、それ以外の実施態様では、調理エピソードには、一以上の人間ユーザーが、一以上のスマート調節ノブもしくは他のスマート調節器具を手動で操作する、少なくとも1つの手動部分と、ACCシステムが、一以上のスマート調節ノブもしくは他のスマート調節器具を自動操作する、少なくとも1つの自動部分が含まれている。限定されない一実施例として、ACCシステムは、(自動操作を停止すること、またはユーザーが手動制御をするという指示その他の示唆を、ACCシステムに対して明示的に与えること;一以上のスマート調節ノブもしくは他のスマート調節器具の手動操作の実行を開始すること、などにより)調理エピソードの最初の自動部分を行い、ユーザーは調理エピソードを引き継ぎ、さらに進んで、調理エピソードの手動部分を実行することが可能であって、この場合、ユーザーは、調理エピソードの残り最終部分の制御を、ACCシステムに選択的に返すことができる(ACCシステムに指示その他の示唆を明示的に与えるなどして、現在の状況または停止がはじまる前の状況から、自動操作を再開させる、などにより)。別の限定されない一実施形態として、ユーザーは調理エピソードの最初の手動部分を開始することができるが、ACCシステムに制御を渡すことで、調理エピソードの追加的な自動部分を実行することができる。調理エピソードの自動制御および手動制御をその他種々に組み合わせて実行することができ、この自動部分は、これまでに実行された校正操作の少なくとも一部分に基づいたものとすることができるものと理解されよう。
【0021】
説明のため、下記実施態様の一部は、特定の調理関連器具が用いられている特定の機能が、特定のユーザー活動に基づいて特定の方法で提供されている。これらの実施態様は説明の目的に提供されており、簡単のため単純化されていて、この発明手法は他の状況に幅広く使用可能であって、これら一部が以下に説明されているが、これらの手法は特定の種類の調理関連器具、調理手法、食品、自動調節レシピ、ユーザー、等に限られない。加えて、本明細書で「ユーザー」という用語は、本自動調理調節システムの少なくとも一部の態様を、特定の状況で使用している特定の人間を指す用語として使用されるが、記載された手法を別タイプのユーザー(共に活動する複数の人間からなるグループ、ビジネスその他の機関、など)に使用することも可能であって、特に断りのない限り、「ユーザー」との用語は、このようなすべての別なタイプのユーザーを含むものと理解されよう。
【0022】
図1は、自動調理調節(ACC)システムの実施態様を例示的な調理環境で用いることにより、調理環境に存在する種々の調理関連器具が関わっている調理エピソードを、管理することのできる例示的な環境を示したネットワーク図である。特に、例示的なユーザー調理環境には、一以上の調理面を含む加熱器が含まれ、またユーザー調理環境の外部に選択的に存在し(一以上のネットワーク、インターネット等、を介してユーザーの調理環境から隔てられている、等により)、ACCシステムの機能の一部に遠隔的に関与する、他の計算装置またはシステム110c〜110e、を備えたその他種々の調理関連器具を選択的に含むことができる。この例によるユーザーの調理環境には、例えば、キッチンが含まれ、場合によっては、ユーザーの家庭にある追加的な部分も含まれるが、別の実施態様では、他の形態をとることも可能である。別の実施態様では、調理環境に加熱器が全く含まれなくてもよく、および/または、別種類の調理器具が含まれてもよい。
【0023】
例示的な
図1の調理環境では、種々の調理関連器具120〜180が存在可能であって、これらは調理環境にいるユーザー(図示せず)の代わりに作動するACCシステム190のコピーに利用される。ACCシステム190のコピーは、他で詳細に議論されている通り、一以上の種々計算装置で実行することが可能であって、このようなものとして、ユーザーの手元にある一以上の携帯装置(スマートフォン、タブレット、等)、ユーザー家庭にある装置の一部を制御する自動化ホームオートメーションシステム110bに属する一以上の計算装置、ユーザー家庭にある一以上の加熱器に属する一以上のスマート調節ノブ120、その他一以上のスマート調理器具部140もしくは180(十分な計算リソースおよび通信リソースを備える加熱器またはオーブン)、等を挙げることができる。また別の実施態様または状況では、ACCシステムコピーは、調理環境の外部にいる一以上の計算装置の一部または全部にて実行することも可能でり、このようなものとしてユーザーの遠隔計算機器110c(ユーザー所有の業務コンピュータなど)、調理調節連携サービス110dの実施により提供される一以上の計算システム、等が挙げられる。図示されている実施態様において、通信機能を備える種々の計算装置とその他器具が、一以上のネットワークおよび/または直接の通信リンク100を介して互いに相互作用可能となっており、このようなものとしては、無線ローカルネットワーク(ワイファイを利用したもの、等)、直接のデバイス・ツー・デバイス通信(ブルートゥースを介したもの、等)、イーサネット、I2C、SPI、等(図示せず)など、ケーブルもしくは有線通信リンク、等を介したものを挙げることができる。加えて、調理環境の外部に存在する計算装置またはシステムは、実施態様によっては、一以上の外部ネットワーク(インターネット等)から、調理環境にいる少なくとも一部の装置および調理関連器具と、通信可能となっている。
【0024】
図1の例示的な環境において、調理関連器具には、一以上の加熱器に対応する一以上のスマート調節ノブ120、などの調節器具が含まれ、スマート調節加熱器140および/または他の非加熱スマート調節器具180(オーブン、グリル、マイクロ波、等に対する非加熱スマート調節ノブ;および/またはオーブン、グリル、マイクロ波、等の他の非加熱スマート調節調理器具部)を、選択的に含むこともできる。したがって、調理器具に、スマート器具180など、直接の連動(独自のワイヤインターフェースまたは、RS−232、USB、I2C、ブルートゥースなどの、規格化された有線もしくは無線のプロトコル)が可能な調節電子機器が含まれている場合、ACCシステム190のコピーがこの種の調理器具と直接通信することにより、指示が発行され、調理器具の現状に関するフィードバックが収集される。加えて、例示的な調理環境は、測定機能および通信機能が組み込まれているか、または付属している、一以上の調理器具部を含み、このようなものとして、加熱器上での使用のために調節される一以上の調理器具部130(深鍋、平鍋、やかん、鉄板、食卓用食器類、等)が含まれる。この種の調節調理器具類130は通信機能を具備可能であって、(例えば、一時的に特定の調理エピソードに対して一時的に)調理器具部がペアリングするか関連付けされる対応スマート調節ノブ120に対して、一以上の通信または相互作用135を行うことが可能であって、これは直接のデバイス・ツー・デバイス通信か、調理器具部とスマート調節ノブが属するネットワークなどを介して、行うことができる。一以上の追加スマート調節加熱器140が存在する場合、この調節調理器具類130も同様に、このスマート調節加熱器140に対して通信その他の相互作用135を行うことができる。図示されている実施態様では、調節調理器具類130による通信は、スマート調節ノブ120、および/または、スマート調節加熱器140に対して一方向性のものとなり、調理器具部130の温度その他の測定を提供することができる一方で、別の実施態様では、通信または相互作用は双方向性のもの(例えば、スマート調節ノブおよび/またはスマート調節加熱器が、調理器具類130に指示または情報を送信可能となっている、等)でも構わない。他の実施態様および状況では、調理器具部130がスマート調節ノブ120、および/または、スマート調節加熱器140と直接やりとりしなくても構わず、これら調理関連器具部のすべてが、別の場所で(携帯機器110a等で)実行しているACCシステムコピーと直接やりとりし、またACCシステムコピーが調理関連器具同士の相互作用の仲介手段として機能しても構わない。
【0025】
調理環境にいる調理関連器具はさらに、調理はせずに調節調理器具部130と併用して使用することのできる、他の測定器具150を選択的に含んでもよく、このようなものとして温度センサー、重量センサー、等が挙げられ、この種の測定器具150には、スマート調節ノブ120、および/または、スマート調節加熱器140、および/または、ACCシステム190に情報を送信するか、あるいは相互作用155を行うために使用される、通信機能を具備することも同様に可能である。加えて、例示的な調理環境にある調理関連器具は、さらに通信機能および計算機能のない調理器具部160をさらに選択的に含むことが可能で、本明細書では、このようなものを「ダム(dumb)」または「慣習的(traditional)」な調理器具部と呼ぶこととする。加えて、上述の通り、特定の調理環境にいる調理関連器具は、環境によっては、加熱関連調理器具120〜160の代わりに、または加熱関連調理器具120〜160に加えて、種々の非加熱器具180を含むことができる。
【0026】
ACCシステム190のコピーが作動すると、調理環境にいるローカルユーザー、および/または、一以上の遠隔ユーザー計算装置110cのユーザーなどに代表される、一以上のユーザー(図示せず)から、様々な指示を受信し、一以上の調理エピソードを開始もしくは参加するか、あるいは調理関連器具120〜180を種々の方法で操作することができる。一例として、ACCシステム190は、適当な調理関連器具を選択して特定の調理エピソードに使用することが可能で、また調理エピソードに対する自動調節レシピを選択して実行することが可能であって、このようなものとしては、調理関連器具120〜180を使用して、一以上の料理その他の食品の調理を制御するために、自動化された指示を特定の調節器具に送信すること、および/または、調理環境にいる一以上のローカルユーザーに、指示を送信すること、が含まれる。このような自動操作の実行の一部として、ACCシステムは調理関連器具に通信を伝達し、あるいは調理関連器具と相互作用195を行うことが可能であって、このようなものとして、一以上の加熱器に属する一以上のスマート調節ノブ120に、指示125をすること(関連加熱調理面の動作を起動、停止、または修正すること、など)が含まれ、またこの種のスマート調節ノブから情報125を同様に受信すること(検知した問題点、測定結果、スマート調節ノブもしくは関連する調節調理器具の状態情報、等を表示すること、など)ができる。同様に、ACCシステム190は、通信その他の相互作用145を介して、一以上のスマート調節加熱器(これが存在する場合)に情報を送信するか、または相互作用195を行うことが可能であって、また、この種のスマート調節加熱器から、相互作用145を介して情報を受信することも同様に可能である。加えて、他の選択的非加熱スマート調節器具180が存在する場合、ACCシステム190は、通信その他の相互作用185を介して、このような他の非加熱スマート調節器具に情報を送信するか、または相互作用195を行うことが可能であって、また通信その他の相互作用185を介して、非加熱スマート調節器具から状況その他の情報を同様に受け取ることもできる。
【0027】
図で示された実施態様において、ACCシステム190は、種々の理由から種々の方法によって、調理環境の外側にいる各計算システムとさらに相互作用することが可能であって、調理調節連携サービスの実施態様の一部である計算システム110dと相互作用することにより、自動調節レシピを取得あるいは提供可能であって、および/または、調理調節連携サービスを介して利用可能な機能へとアクセスできるようになっている。同様にして、いくつかの実施態様において、様々なタイプのサービスまたは情報を提供する別の計算システム110eが利用可能であって(付加的な自動調節レシピのソース、問題のある調理エピソードを検討および診断する専門家サービス、等)、この場合にも同様に、ACCシステム190に属する一以上のユーザーが指示する方法などにより、ACCシステム190のコピーがこの別な計算システム110eと適切に相互作用できるようになっている。他でより詳細に議論されるように、ACCシステム190は別タイプの種々の操作を行うことも可能であって、これには設定操作および情報分析操作が含まれる。
【0028】
図1の例示的な調理環境には、1つのACCシステム190のコピーのみが示されているが、別の実施態様では、異なる調理関連器具部を制御し、調理環境にいる別のローカルユーザーを補助する、などのために、2以上のACCシステム190のコピーを存在させて、これを作動させることが可能であって、またこのような実施態様では、(情報の共有、動作のコーディネート、等のために、)種々の方法で互いに相互作用できるものと理解されよう。例えば1つの構成要素からなる単一のインスタンスが存在してもよいが、別の構成要素からなる複数のインスタンスと通信してもよい。
【0029】
図2は、自動操作を実行して、記載される手法の少なくとも一部を提供する、ACCシステムの実施態様を実行するのに適する、例示的な計算装置を説明するブロック図である。特に、
図2は、自動調理調節システム240、ならびに一以上のその他追加サービス235の実施を実行するのに適した、計算装置200を説明している。この実施態様では、計算装置200は、一以上のネットワークまたは通信リンク290から、一以上のその他計算装置またはシステム280と、相互作用することができる。他でより詳細に議論されるように、種々の機器を計算装置200として機能させることが可能で、これによりACCシステム240の実施の一部または全部を実行させることが可能であって、このようなものとしては、ユーザーの携帯電話、一以上のスマート調節ノブ、一以上のスマート調理器具部、一以上のその他計算システム、等が挙げられる。
【0030】
図示の実施態様において、計算装置200は、一以上のCPUプロセッサ205、種々のI/O部品210、記憶装置220、および揮発性メモリ230を含む各種ハードウェアコンポーネントを備えており、また図示のI/O部品210には、ディスプレイ211、ネットワーク接続212、付加的なコンピュータ可読媒体ドライブ213(USBポートまたはこれに匹敵するその他ポート、等)、およびその他追加I/O装置215(スピーカー、マイク、一以上のユーザー入力面または入力デバイス、等)が含まれている。別の実施形態では、計算装置200は、図示された構成部品のいくつかに加えて、またはその代わりに、他のタイプの構成要素を有してもよい。その他、追加の計算装置280は、計算装置200のハードウェアコンポーネントと同様のハードウェアコンポーネントを有することができるが、簡単のため、本例では詳細な構成要素は示されていない。
【0031】
図2の例において、ACCシステム240の実施は計算装置200のメモリ230にて実行され、プロセッサ205および計算装置200が対応する自動操作を実行するように構成されたシステム240のソフトウェア指示を実行するようになっており、このようなものに
図1および
図3〜5およびその他に対して説明された手法の一部または全部を実行することが含まれる。図示の実施態様において、システム240にいくつかモジュールが含まれ、このようなものとして調理前配置モジュール241、調理調節モジュール243、調理関連分析モジュール245、および選択的に一以上の別途モジュール248が含まれる。加えて、作動中において、記憶装置220、および/または、一以上の外部記憶装置(図示せず)などのシステム240によって、種々の情報を記憶および利用することができる。このような情報としては、例えば、自動調節レシピ221;調理器具情報222と、調節器具情報223と、測定器具情報224などを含む調理関連器具に関する情報;特定のユーザー調理エピソードに関する情報225;一以上のユーザーに対するプロフィール情報226;システム240および/または調節される調理関連器具の操作の全部または一部へのアクセスを制御するために用いられる、セキリュティー情報227;および選択的に他の情報229が含まれる。
【0032】
調理前配置モジュール241は、種々の自動設定操作を実行することができ、種々の自動設定操作に関する、さらなる詳細が
図3を含む本明細書の各所に含まれている。この種の自動操作の一部として、モジュール241は調理関連器具に関する種々の情報222〜224を利用可能であって、これには記憶された情報を取り込むこと、および/または、新たな情報を記憶することが含まれる。
【0033】
調理調節モジュール243は、種々の調理関連操作の自動制御を実行することができ、種々の自動調理関連操作に関するさらなる詳細が、
図4A〜
図4Bを含む本明細書の各所に含まれている。この種の自動操作の一部として、モジュール243は自動調節レシピ221、調理関連器具情報222〜224、ユーザープロフィール情報226、およびセキリュティー情報227を含む、種々の情報を利用可能であって、これには記憶された情報を取り込むこと、および/または、新たな情報を記憶することが含まれる。モジュール243は、特定の調理エピソードに関する情報225をさらに記録および記憶し、またこの情報を別の計算装置280に提供することもできる。
【0034】
調理関連分析モジュール245は、種々のタイミングで種々の自動分析操作を行うことが可能であって、種々の自動分析操作に関する付加的な詳細事項が、
図5を含む本明細書の各所に含まれている。この種の自動操作の一部として、モジュール245は、自動調節レシピ221、調理関連器具情報222〜224、調理エピソード情報225およびその他情報229を含む種々の情報を利用可能であって、これに記憶された情報を取り込むこと、および/または、新たな情報を記憶することが含まれる。
【0035】
計算装置200および280は単に例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものではないことと理解されよう。例えば、計算装置200は図示されない別の装置へと接続可能であって、インターネットなどの一以上のネットワークから、または専用ネットワークを介して(移動通信ネットワーク、等、など)、またはワールド・ワイド・ウェブなどを介して接続することができる。より広く言えば、計算装置まその他計算システムは、プログラムされているか、または適当なソフトウェアと共に構成されているなどした場合、記載されたタイプの機能を実行して相互作用することのできるハードウェア、からなるあらゆる組み合わせから構成され、限定されるわけではないが、このようなものとして、デスクトップコンピューター、ラップトップコンピューター、タブレット、スレートコンピューター、またはその他のコンピュータ、スマートフォン計算装置あるいはその他の携帯電話、インターネット機器、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)その他の電子手帳、データベースサーバー、ネットワーク記憶装置およびその他のネットワーク機器、無線電話、ポケットベル、テレビベースのシステム(例えば、セットトップボックス、および/または、デジタル/パーソナルビデオレコーダー、および/または、ゲーム機、および/または、メディアサーバーなど)、専用コントローラ装置、および適切な通信能力を備える、その他種々の消費者製品などを挙げることができる。例えば、少なくとも一部の実施態様において、図示されているシステム240、および/または、このモジュールは、実行可能なソフトウェア指示、および/または、データ構造を有しており、これらが特定の計算システムまたは計算機器に搭載されるか、、および/または、実行された場合に、これらソフトウェア指示、および/または、データ構造を、これらのシステムまたは機器をプログラムするか、または構成するために利用することが可能で、これによりこれらシステムまたは機器のハードウェアプロセッサを構成することができる。あるいは、別の実施態様において、ソフトウェアモジュール、および/または、システムの全部または一部を、他の機器のメモリ内にて実行し、またコンピュータ間通信を介して、図示の計算システム/機器と通信することができる。加えて、種々の項目がメモリ内または記憶装置に種々のタイミング(使用中などに)で記憶されるものとして説明されているが、これらの項目またはその一部は、メモリと記憶装置の間で移動させることができるか、および/または、メモリ管理、および/または、データ整合性のために(例えば、異なる位置にいる)記憶装置同士で移動させることができる。加えて、図示のACCシステム240により提供される機能は、実施態様によっては、追加のモジュールに頒布させることができ、またより少ないモジュールに組み込むことができる。同様にして、実施態様によっては、ACCシステム240の機能の一部を提供しなくても構わず、および/または、別の追加機能を利用可能とすることができる。
【0036】
したがって、少なくとも一部の実施態様において、図示のモジュール、および/または、システムは、ソフトウェア指示を含むソフトウェアベースのモジュール/システムであって、CPU205その他のプロセッサ手段によりこれが実行されると、モジュール/システムに対して、記載された操作を自動的に実行するようにプロセッサ手段をプログラムする。さらに、実施態様によっては、本システム、および/または、モジュールの一部または全部を、別の方法で実行または提供することが可能であって、このようなものとして、少なくとも部分的に、または、完全に指定および設定された、ファームウェア手段、および/または、ソフトウェア手段が挙げられ、限定されるわけではないが、このようなものとして、一以上のアプリケーション専用集積回路(ASIC)、標準集積回路、コントローラ(例えば、適切な指示を実行し、マイクロコントローラ、および/または、組込コントローラを含む)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、結合プログラム可能論理回路(CPLD)、等が含まれる。本モジュール、システム、およびデータ構造の一部または全部を(例えば、ソフトウェア指示コンテンツまたは構造化データコンテンツとして)、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶させることも可能であって、このような媒体としてハードディスクもしくはフラッシュドライブもしくは他の不揮発性記憶装置、揮発性もしくは不揮発性メモリ(RAM、等)、ネットワーク記憶装置、または適当なドライブもしくは適当な接続を介して読み込まれる携帯型媒体物(DVDディスク、CDディスク、光ディスク、フラッシュメモリ装置などが含まれる)。本モジュール、システム、データ構造は(搬送波または他のアナログもしくはデジタル伝搬信号の一部として、符号化されること等により)、生成されたデータ信号として、無線ベースの媒体および有線/ケーブルベースの媒体、などを含む種々のコンピュータ可読伝送媒体に伝送させることが可能であって、またこれらは(単一化または多重化されたアナログ信号の一部として、または複数の離散デジタルパケットもしくはフレームとして)種々の形態をとることが可能である。このようなコンピュータプログラム生成物は、他の実施態様で別の形態をとることも可能である。したがって、本発明は、また別のコンピュータシステム構成を用いて実行することができる。
【0037】
図3は調理前設定ルーチン300の実施態様のフロー図である。本ルーチンは、
図2のACCシステム240におけるモジュール241の実施を行うことで、および/または、
図1に関して検討が行われたACCシステム190の一部として提供することが可能であって、これにより種々の自動操作を種々のタイミングで行うこと等ができる。本ルーチン300は種々の方法で開始することが可能であって、例えばACCシステムの実施が調理環境で最初に初期設定されたとき、調理エピソードの開始時、ユーザー指示に応じて、等に開始することができる。
【0038】
図示されるルーチン300の実施はブロック305から始まり、ここで指示、および/または情報が受信される。本ルーチンはその後、ブロック310に移って指示または情報の種類を決定し、先に進む。特に、ブロック305で受信した指示または情報が、特定の調理環境での使用に利用可能な調理関連器具を、ユーザー入力の少なくとも一部に基づいて決定すること(調理環境におけるACCシステムの新たな利用を反映させるため、または調理環境の変更を反映させるため、等)に関する場合、ブロック320のルーチンは、ACCシステムが利用することのできる調理関連器具の一部または全部に関する情報を、一以上のユーザーから受け取り、この情報を後の使用のために(
図2の調理関連情報222〜224などに)記憶する。
【0039】
代わりに、ブロック305で受信された指示または情報が、一以上の利用可能な調理関連器具部を、当該器具の写真その他の画像に基づいて決定することを指し示している場合には(例えば、その調理関連器具を用いたACCシステムの最初の使用を示すために)、ブロック330のルーチンは、一以上の器具部に関する一以上の写真または他の画像を受け取り、その写真の分析を行って(記憶されている種々の製品写真との比較に基づくなどして)対応する器具部に関する型、モデル、その他情報を認識しようと試み、このように認識された情報はすべて後の使用のために(
図2の調理関連情報222〜224などに)同様に記憶され、分析が成功しなかった場合には、ユーザーは種々の方法で通知を受けることができる。他の実施形態では、特定の調理器具部を別の方法で識別することが可能であって、このようなものとして、UPCコードまたはQRコード(登録商標)またはシリアル番号をスキャンする方法、ACCシステムと調理器具部との間で行われる無線または他の通信相互作用に基づく方法であって、前記調理器具部がこの種の相互作用をサポートする方法、等を挙げることができるものと理解されよう。
【0040】
代わりに、ブロック305で受信された指示または情報が、一個以上の調理関連器具の性能特性を決定することである場合には(例えば、その調理関連器具を用いたACCシステムの最初の使用を示すために)、ブロック340のルーチンは、自動操作を実行して器具類の性能特性を測定し、また校正して、この情報を後の使用のため(
図2の調理関連情報222〜224などに)に記憶する。例えば、調理器具部に調理台発熱体および対応する平鍋もしくは深鍋が含まれる場合には、ブロック340の操作には、加熱台表面にその深鍋もしくは平鍋を設置することを、ユーザーに指示することが含まれ、さらに対応するスマート調節ノブが加熱調節を調整し、深鍋もしくは平鍋の対応温度変化を監視するという自動変更を行うことも含まれる。この種の自動測定操作および自動校正操作には、ユーザーに追加動作を行わせることを指示することを含むことも可能であって、例えば所定量の水を校正された平鍋に添加し、調節システムが校正プロセスの一部として、時間と温度応答を測定できるようになっている。このようにして、スマート調節ノブの異なる設定により発生する熱量、スマート調節ノブの種々の設定に対応して、深鍋または平鍋がどれだけ早く加熱または冷却されるか、などの種々の情報を決定することができる。別の実施態様および状況では、温度以外の別タイプの特性も同様に測定され得ることが理解されるであろう。さらに、このように判断された性能特性情報は様々な方法で使用され、例えば、この調理関連器具を用いて自動調理レシピを調整するため、調理関連器具に起こり得る問題を認識するため、等に使用できる。
【0041】
代わりに、ブロック305にて受信された指示または情報が、特定の調節器具部および調理器具部のぺアリングや、その他の関連付けを決定するものであると判断された場合には、ブロック350のルーチンが自動操作を行い、調節器具部と調理器具部との間に、一時的または永久的なペアリングを決定し、後に使用するためにこの情報を(例えば、
図2の調理関連器具222〜224、および/または、その他情報229に)記憶する。特定の調節器具部および調理器具部のぺアリングや、その他の関連付けを、種々の方法で種々の実施態様にて行うことが可能であって、このようなものとして、ユーザーの手入力に基づいて行うもの、調節器具部と調理器具部の信号通信あるいはその他の通信によって、行うものなどがある(スマート調節ノブとブルートゥース送信機能を有する調節調理器具部とのブルートゥース信号を検知し、複数のスマート調節ノブ、および/または、通信機能を有する複数の調理器具部が、互いに近接しているとき、信号の強度を用いて、最も可能性のあるペアリングを行うこと;調節器具を起動させて、温度測定機能を有する対応調理器具部の温度変化を監視すること;プロンプトに反応したか、あるいは自らによるものに関わらず、ユーザーが特定の平鍋を持ち上げ、あるいはこれを動かしたことを示すデータを、調理関連器具に埋め込まれた加速度計、または重量もしくは運動センサーから、取得すること、等)。少なくとも一部の実施態様では、非調理測定器具部も、調節器具部、および/または、調理器具部とペアリングさせることができるものと理解されよう。
【0042】
ブロック305で受信された指示または情報が、別タイプのものであった場合には、代わりにルーチンがブロック390へと進み、必要に応じて、他の一以上の操作を適当に行う。この種の別操作は、例えば、調節器具、および/または、調理器具に対する、測定器具のペアリングや、その他の関連付けを(例えば、ブロック350で検討したものと同様な方法によって)決定すること、ユーザー固有の嗜好情報(特定の種類の食品の調理に対するもの、例えばステーキをミディアムウェルに嗜好すること、塩分を控えること、特定の種類食品を嗜好すること、等)を更新し、記憶することが含まれており、これにより、後の使用のために自動調節レシピをダウンロードまたはアクセスすることと、権限のあるユーザー、および/または関連する機器との相互作用に基づき、調理環境の全部または一部または1つにおけるACCシステムコピーに用いられる(調理環境にあるACCシステムの最初の使用の途中またはその後、などに)、一種以上のセキリュティー情報またはセキリュティー手続きを開始すること、等が行われる。この種のセキリュティー手続きとしては、例えば、特定の調理関連器具の操作のロックあるいは作動防止を、いつ/どのように/すべきかしないべきか、を設定することを含むことが可能であって(例えば、スマートフォンその他の携帯型計算装置と、特定位置または範囲にある一以上のスマート調理関連機器と、の間にある無線接続が欠如していること等に基づいて、調理エピソードの開始時、および/または、調理エピソードの任意時刻に、特定のスマートフォンまたは他の携帯型計算装置が、特定位置または範囲内にいない場合;特定のセキリュティー個人認証番号(PIN)またはその他のセキリュティー情報が、調理エピソードの開始時に提供されなかった場合、および/または、ACCシステムから要求された場合;権限のあるユーザーもしくは機器が調理環境にいて、選択的に遠隔操作を認めた場合などに、調理環境にある調理関連器具の全部または一部の遠隔操作を防止するか、または所定の条件に限ってこれを認めるため;特定のスマートフォンその他の機器が、所定の秘密鍵またはACCシステムが知る他の情報を提供しない場合、など)、この種の操作防止としては、例えば、スマート調節ノブのモータを用いて、「オフ」設定から動作を防止すること、および/または、スマート調節ノブを「オフ」設定に切り替えることが含まれ、あるいは、この種のスマート調節ノブの設定または位置を、(「オフ」でない最も低い設定等に)下げることを含むことができる。実施例によっては、ユーザーにより提供されるセキリュティー情報に口語情報を含むことが可能であって、後に提供された場合、この種の情報の認識に、音声認識、および/または、言語認識が用いられており、あるいは、セキリュティー情報に、指紋または網膜スキャン等の、ユーザー生体データを含むことも可能であって、これはユーザーの計算装置または他の位置にあるセンサーにより、実行される。
【0043】
ブロック320、ブロック330、ブロック340、ブロック350またはブロック390の後、ルーチンはブロック395へと進み、例えば終了するという明白な表示を受け取るまで、先に進むかどうかが判断される。続けると判断された場合、ルーチンはブロック305に戻り、それ以外の場合にはブロック399に進み、終了する。
【0044】
図4A〜
図4Bは調理調節ルーチン400の一実施態様を示すフロー図である。本ルーチンは、
図2のACCシステム240におけるモジュール243の態様の実施により、および/または、
図1のACCシステム190の一部として、提供することが可能であって、これにより、関連調理エピソードの一部として、調理関連器具の調節に関して、種々の自動操作を実行するようになっている。本ルーチン400は、種々の方法で開始することが可能であって、例えば、ACCシステムの実施が調理環境で最初に初期設定されたとき、調理エピソードの開始時、ユーザーの指示に応じて、等に開始することができる。
【0045】
図示されているルーチン400の実施はブロック405で開始され、ここで指示、および/または、情報を受信する。ルーチンはその後ブロック410に進み、ユーザー入力に基づいて、ブロック405で受信した指示または情報が、一以上の自動調節レシピの使用の決定を表示しているかどうか決定する。この場合、ルーチンはブロック415へと進んで利用可能な自動調節レシピに関する情報、ならびにユーザー固有の嗜好および調理環境に関連するあらゆる情報を取得し、このようなものとしては、調理環境で利用可能な調理関連器具と一致せず、またはユーザー固有の嗜好に一致しない想定自動調節レシピを、選択的に除外することが含まれており、除外されたこの種のレシピは、例えば、ユーザーに全く表示されないようにするか、あるいは、別の方法で表示させること(異なる色彩、記号、アイコン、フォント、または他の画像フォーマット、など)が可能であって、この場合、利用可能なレシピと対比させ、さらにこれを可能とするために、どのような追加器具または部品が必要であるかが選択的に表示される。ルーチンはさらにブロック415へと進んで、このような一以上の利用可能な自動調節レシピに関する情報と共に、ユーザーに表示されるか、あるいは別途提示される。利用可能な自動調節レシピに関する情報取得には、ACCシステムのコピーにローカルに記憶された情報を取り込むこと、および/または、一以上のネットワークその他の通信リンクから通信を行い、これにより一以上の外部ソースから、このような情報を少なくとも部分的に取り込むことを含むこと、ができる。ブロック420において、ルーチンはその後、一以上の自動調節レシピのユーザーによる一以上の選択事項と、選択的に関連する指示を、受信する(現在の調理エピソードの開始に使用するため、後の使用にお気に入りとして保存するため、など)。加えて、少なくとも一部の実施例において、ユーザーにはGUIが提供され、GUIによってユーザーは、特定の自動調節レシピを(時間、温度、分量、等の調整のために)一以上の方法で変更し、自動調節レシピに関するメタデータを選択し(レア、ミディアムレアなどの、所望とする焼き具合;調理される特定の食品インスタンスの、厚み、サイズ、重量、等)、および/または、複数の自動調節レシピを複数の方法で統合またはコーディネートすることを表示して、この場合、ルーチンは現在または後の利用のため、このようなユーザー指示を保存することができる。
【0046】
ブロック420の後、または、ブロック410においてブロック405で受信した指示または情報に、一以上の自動調節レシピを決定する表示が含まれていなかった場合、ルーチンはブロック425へと進んで、ブロック405で受信した指示または情報に、現在の調理エピソードに使用する一以上の自動調節レシピを自動調整する表示が含まれているかどうかを決定する。ここで現在の調理エピソードに使用する一以上の自動調節レシピとは、ブロック420で選択したばかりのレシピか、または、ブロック405で受信された情報に指定されている一以上のレシピなど、現在の調理エピソードのために使用されるものである。この場合、ルーチンはブロック430に進み、一以上の自動調節レシピを調整して、現在の状態に対する一以上の因子が反映される。このような調整には、一以上の理由により、自動調節レシピの、時間、温度、または他の態様を調整すること、が含まれ、ユーザーの嗜好、調理された食品の量/サイズ/形状、環境状態(高度、湿度、外気温、等)、などが反映されるようになっている。調整に用いられる因子は、種々の方法によりさらに決定することが可能であって、このようなものとして、ユーザーからの入力に基づくもの、および/または、ACCシステムの自動読み取りやその他の決定に基づくものが挙げられる。
【0047】
ブロック430の後、または、ブロック425において、ブロック405で受信された指示または情報に、一以上の自動調節レシピを自動的に調整することが含まれていないと判断された場合、ルーチンはブロック435へと進んで、ブロック405で受信された指示または情報に、複数の自動調節レシピをコーディネートすること、および/または、特定の調理エピソードに一緒に使用される複数の調理関連器具部をコーディネートすることが、含まれているか否かを決定し、もしそうである場合には、ブロック440に進む。複数の自動調節レシピは、ブロック420にて選択されたもの、および/または、ブロック430にて調整されたもの、とすることが可能であって、また場合によっては、ブロック405に対して受信された情報の一部として表示させることも、可能であると理解されよう。加えて、複数個の調理関連器具の使用をコーディネートすることに関して、これらの器具部は、現在選択されている一以上の自動調節レシピを利用して示されるか、または、ブロック405で受信した情報に対して示すことができる。複数の自動調節レシピがコーディネートされる場合、ブロック440で、これら自動調節レシピの指示を、一以上の方法でコーディネートする操作を実行し、これにより新たな統合レシピが生成され、これは使用中の調節器具、および/または、関連ユーザーに発行可能な、単一の時間順序の指示セットを提供する、時間ベースのものとすることができる。同様に、複数の調理器具部がコーディネートされる場合は、必要に応じて、一以上の自動調節レシピの指示を調整し、複数の調理器具部の利用可能性を反映させことが可能であって、これにより、一以上のユーザーに、調理器具部に食品を移動させる旨の指示を反映させるか、あるいは、複数の調理器具部の使用を一以上の方法にてコーディネートされるようになっている。新たに統合して得られた自動調節レシピは、現在のエピソードの一部として使用されるか、または後の使用のために保存される。加えて、少なくとも一部の実施態様において、提示された調理計画の概要、および/または、所要時間をユーザーに提示して承認を求めることが可能である。一部の実施態様において、ユーザーはさらに、すべての料理の用意ができるまでの所望時間を選択的に入力し、これにより、この目的を達成するために、いつ調理プロセスを開始すればよいか、ということに関する情報を取得することができる。
【0048】
ブロック440の後、または、ブロック435において、ブロック405で受信した指示または情報が、複数の自動調節レシピ、および/または、複数の調理器具部をコーディネートするものでないと判断された場合、ルーチンがブロック445に進んで、ブロック405で受信した指示または情報が調理エピソードを開始するものか否かが判断され、これはブロック420で選択された一以上の自動調節レシピ、および/または、ブロック430で調整された一以上の自動調節レシピ、および/または、ブロック440で新たに統合されたレシピとして生成された一以上の自動調節レシピ、もしくはブロック405で受信された情報に表示されて生成された一以上の自動調節レシピなど、に基づいて判断される。そうであれば、ルーチンは
図4Bのブロック450に進み、そうでなければブロック490に進み、他の適切な操作を適宜実行する。他の適切な操作としては、例えば、一以上の自動調節レシピを、外部調理調節連携サービスまたは他の外部ソースから取り込むこと、ユーザー嗜好情報を受信保存すること、情報(新たに生成された自動調節レシピ、ユーザー調理エピソードの結果が示された写真その他の表示、等)を一以上の別に指定されたユーザーまたは他の外部ソースと共有すること、一種以上のセキリュティー情報もしくはセキリュティー手順を指定すること、等を挙げることができる。
【0049】
ブロック445で調理エピソードを開始することが判断されると、ルーチンはブロック450に進み、指定された調理エピソードに権限が与えられているか否かが選択的に判断される。この判断は種々の因子に基づいたものとすることが可能であって、ユーザーにより予め指定された、またはACCシステムにより予め決定された設定が、反映されるようになっている。例えば、ACCシステムは、設定された機器が十分近くにいる場合に限り、調理関連器具の一部または全部の使用が許されるように構成可能であって、このような場合としては、(例えば、ACCシステムの少なくとも一部を実行する)ユーザーのスマートフォンが、調理関連器具と同じ部屋にあるか、または(例えば、信号強度に基づいて、または特定タイプの信号を用いて、機器と調理関連器具とが相互作用する機能に基づいて)所定距離内もしくは所定範囲内にあるか、または(GPSその他の位置情報に基づいて)特定の位置にいることを挙げることができる。加えて、ユーザーは、調理エピソードを開始するユーザーにより入力されるべきPINその他のセキリュティー情報を、少なくとも一部の種類の調理関連器具、および/または、調理エピソードに対して、指定することができ、この場合、ブロック450のルーチンがこのような情報を受信したかどうか確認することができる。さらに、計算装置と調節器具部との間に、所定の秘密情報またはその他の相互作用等の、所定のプロトコルが従う場合に限って、ローカルACCシステムコピー、および/または、ローカル調理器具部が、操作を開始するように構成することが可能で、この場合には、ブロック450において、この種のプロトコルが従うか否かをルーチンが判断することができる。他の実施態様および状況において、他の種々のタイプのセキュリティ方法または認証方法が使用され得ることが理解されるであろう。ブロック450の後、ルーチンはブロック455に進み、示された調理エピソードが認証されたものであるか否かを判断し、認証されたものでない場合には、所定のエラーメッセージを選択的に提供した後、ブロック495に進む。
【0050】
ブロック455で示された調理エピソードが認証されたものであると判断された場合、あるいはこの種の認証判断が行われなかった場合には、ルーチンがブロック460へと進んで、現在の調理エピソードに対応する調理モードの種類を決定し、これに基づいて先に進む。特に、示された調理エピソードに、ユーザーが調節器具の一部または全部の手動操作を行い、ユーザー行為に基づいて新たな自動調節レシピを記録できるようにすることが含まれる場合には、ルーチンはブロック468に進み、(ユーザーの指定に基づいて、または一個以上の調節器具の最初の操作を検知すること、などにより)ユーザーによる調節器具の使用開始を認識して、ユーザーによって行われた調節器具の使用行為の記録が、開始される。ユーザーは、特定の調理器具部と、食品と、使用される他の調理関連材料に関する情報をさらに指定することが可能で、またACCシステムはこの情報の少なくとも一部を自動的に判別することができる。また別の実施態様および状況では、ユーザーは、新規自動調節レシピを記録することなく、ユーザーの手動操作に基づいた調理エピソードを開始することが可能であって、このような実施態様および状況のいくつかにおいて、ACCシステムは、調節器具の自動調節を一切行なわなず、関連する指示動画像を表示させつつ、ユーザーに調理エピソードの調節を行わせるなどして、補助的な動作を行うことができる。例えば、調理エピソードの際にユーザーに温度グラフを示すこと、食材が平鍋に追加されたことが(急な温度降下等に基づいて)検知された際、タイマーをセットすること、等は、有用である場合がある。
【0051】
あるいは、ブロック460で判断された調理モードが、前もって定められた自動調節レシピを実行または再生するものである場合、ルーチンはブロック462へと進み、自動調節レシピとそれに関連する情報(調理エピソードの一部として、ユーザーに提示する指示動画像あるいは静止画像、など)を取得する。ブロック462の後、ルーチンはブロック464へと進み、調理エピソードの一部として使用される、一以上の調節器具部および調理器具部を決定して、一以上の関連ユーザーに対し、使用しようとする調理器具部およびそれに対応する食品およびその他の材料を用意するよう指示する。
【0052】
ブロック460において、示された調理モードが、ローカル調理環境の外部における一以上の計算装置による、ローカル調理環境における一個以上の調理関連器具の遠隔操作に基づくものであると判断された場合、ルーチンがブロック466に進んで、使用する調節器具および調理器具、ならびに必要とされる食材その他の調理関連材料の指示を受信し、ローカル調理環境にいる一以上のユーザーに、使用される調理器具部および食材およびその他の調理関連材料を用意することに関する指示を出す。
【0053】
ブロック464または466の後、ルーチンはブロック470に進み、一以上の遠隔計算システムからの遠隔操作によって、再生その他の指示がなされる、自動調節レシピに対する調節器具の使用が開始される。本明細書で詳細に検討されている通り、この調節器具の使用には、一以上の調理面またはその他の調理箇所に供給される、特定の熱量を作動させ設定すること、または別タイプの調節器具を使用すること、が含まれる。ブロック468または470の後、ブロック472に進んで調理エピソードの始動段階における問題を選択的に監視し、このようなものとして、ガスバーナーが正常に着火しなかったことを(スマート調節ノブその他のスマート調節装置にあるマイクを使用して、この種のバーナーを繰り返し着火させようとするクリック音を監視すること、等に基づいて)認識すること、調理器具部または測定器具部が正常な熱量を反映していないこと(例えば、加熱が全くなされなかったこと、部分的あるいはムラのある加熱、等に基づいて、調理面または調理箇所に正しく設置されていないこと等;または示された食材その他の調理関連材料が、調理器具の中に指示通り入っていないことなどにより、加熱しすぎること、等)、を挙げることができる。このような問題が検知された場合、対応策をとることが可能で、このようなものとして、関連調節器具を直ちに停止すること、調理エピソードに参加しているユーザーに追加の指示または警告を提供すること、問題が解決されなかったとき、追加策が講じられてからの時間(ユーザへの警告または指示の後、等)の流れを選択的に追跡すること、等を挙げることができる。
【0054】
ブロック472の後、ルーチンはブロック474に進み、
図3のブロック350および他の箇所で説明した方法などを用いて、使用されている調節器具および調理器具の、現在のペアリングを決定する。別の実施態様では、決定したブロック474のペアリング操作を、別のタイミングで行ってもよく、例えばブロック470または472の前、あるいは調理エピソード全体に渡って繰り返し行うことにより、調理エピソード全体に適切なペアリングまたはその他の関連付けを確実に継続させることができる。
【0055】
ブロック474の後、調理モードが新たな自動調節レシピを記録することである場合には、ルーチンがブロック478に進み、調節器具の使用と、それに対応して調理エピソードに関連するあらゆる測定器具からの測定値を記録し続け、また調理エピソードの際に発生するあらゆる問題をブロック480にて監視し、これが検知された場合には適切な策を講じ、ユーザーが記録を停止する意思を示すか、あるいは調理エピソード終了の意思が示されるまで(調節器具の全てを停止するなどの)、ブロック478および480が繰り返される。ブロック480で監視される問題は、ブロック472に対して検討された問題と同様のものとすることが可能であって、これに加えて、調理エピソードに対するセキリュティー権限の変更など、追加タイプの問題(スマートフォンその他の機器が、調理エピソード初期に調理関連器具の近傍にいたが、調理エピソードの際に、例えば最短時間あるいは最小距離だけ、調理関連器具から遠ざかったかどうか;調理器具部の液体がすべて沸きこぼれたこと、または調理器具部が正常な位置から外れたこと、等を反映して、特定の調理器具部または調理内容物の想定外の急加熱または急冷却を判断すること;など)を含むこともできる。問題が認識されると、調節器具の全部または一部の停止を開始すること、および/または、ユーザーに警告その他の通知を提供すること、などの、対応策が講じられる(例として、ユーザーのスマートフォン機器にメッセージを送信すること、使用中のスマート調節ノブその他のスマート調節装置からくる画像もしくは聴覚ディスプレイ、等、を介したものが挙げられる)。
【0056】
ブロック478および480に説明した方法と同様に、調理モードが自動調節レシピを再生するものであるか、または調理関連器具の遠隔操作を許可するものである場合には、ルーチンがブロック474からブロック476に進み、必要に応じて調理エピソードの至る所で、調節器具およびあらゆる関連ユーザーに指示を出し、自動調節レシピに対するあらゆる関連情報を、時限的なコーディネートに従って提示あるいは利用し、同時にブロック480では、調理の際に発生するあらゆる問題に対する監視を同様に行うことで、必要に応じて適切な対応策を講じることができる。ブロック476および480は、調理レシピ再生モードまたは遠隔操作調理モードに対して自動調節レシピが完了するまで、あるいは調理エピソードが完了したこともしくは遠隔操作セッションが終了したことを遠隔調節指示が示すまで、同様に繰り返される。
図4A〜
図4Bには図示されていないが、実施態様および状況によっては、本明細書の他の箇所で詳細に検討されているように、特定の調理エピソードに一以上の手動部分と一以上の自動部分からなる組み合わせが含まれていても構わず、ブロック460〜480をこのような実施態様および状況に合わせて変更することで、手動部分と自動部分を含めることができる、ということが理解されよう。
【0057】
ブロック480の後、ルーチンがブロック482に進み、調理エピソードの終了に関する操作が行われ、このようなものとしては、必要に応じて調節器具を停止すること、ユーザーに最終指示を与えること、等が挙げられる。ブロック482の後、調理モードが記録モードであった場合には、ルーチンがブロック486に進み、記録された調節使用動作に基づいて、新たな自動調節レシピが保存され、選択的には対応する測定、あるいはユーザーの指示等に従って利用可能となるその他の情報(調理エピソードの最終結果、および/または、中間ステップの画像など、調理エピソードの途中または終了時にユーザーから提供可能であるもの、等)も共に保存される。加えて、ブロック486のルーチンは、指示があった場合に、一以上の別ユーザーと、新たに生成された自動調節レシピを共有するのに、各動作を開始することができる。
【0058】
この実施例では説明されていないが、記録モードをまた別の方法で使用することも可能であって、例えば、ユーザーからの指示に従って、同一もしくは関連する料理に関する、複数の異なる調理エピソードを、それぞれの実施毎に一以上のバリエーション(様々な温度および/または時間、様々な調理器具の各部、等)を伴って、複数回記録することが可能であって、このような複数の関連調理エピソードによって、ユーザーが各々の関連調理エピソードの結果を評価できるようになり、これにより、保存する各調理エピソードを0または1つ、または一部選択することができる(使用する最も優れている自動調節レシピを1つ、異なる指定状況または指定状態で使用される2以上の自動調節レシピ、等)。この場合、複数の調理エピソードが完了して比較されるまでの間、現在の記録エピソードを一時的に保存することを、ブロック486に対する操作に含めることが可能であって、その後、1つの自動調節レシピまたは一部が選択される。また、一部の実施態様において、ユーザーは様々な調理エピソードの様々な部分を選択的に組み合わせることが可能であって、これにより、調理エピソードにおいて様々な段階もしくはステージを、全体で1つの新しい自動調節レシピの創作の一部として、反映させることができる。
【0059】
同様にして、示された調理モードが自動調節レシピを再生すること、または遠隔操作を使用することである場合は、ルーチンがブロック482からブロック488へと進んで、ユーザーから評価情報を選択的に取得するか、またはユーザーから調理エピソードの結果に関するフィードバック、および/または、(例えば、特定の指示が不明確である旨、あるいは自動調節レシピにその他問題がある旨、等を反映させる)自動調節レシピ自身に関するフィードバックを選択的に取得して、このようなフィードバック情報を、後の使用のために保存する。本ルーチンは、このようなユーザーフィードバックに基づいて、他の操作を追加で適切に行うことができる(例えば、同一のユーザー、および/または、別のユーザーなどからくる、他の調理エピソードに対する他のフィードバックを、現在のフィードバック情報と集約的な方法で組み合わせること、ならびに、十分なフィードバックを受信したときに、修正操作を開始し、自動調節レシピに一以上の問題を反映することが挙げられる。)本ルーチンは、調理エピソード中の測定、ならびにユーザー操作に対して記録および保存された情報に基づいて、自動調節レシピ再生モード、および/または、遠隔操作モードに対して、さらなる追加ステップをとることで、最適でない結果に対する問題点を反映することができる。例えば、他の箇所でより詳細に検討されるように、一部の実施態様において、本ルーチンは、検討のため、および予期される提案修正操作のために、記録された測定結果に関する情報とユーザー操作に関する情報を、一以上の外部専門家に送信して、これにより、今後の結果を改善させることが可能であって、これは例えばユーザーの要求時に、またはACCシステムが自動的に開始することが可能であって、また実施態様および状況によっては、このような機能に対してユーザーが支払った一以上の金銭的対価に対して実行することができる。加えて、本ACCシステムは、
図5に対してより詳細に説明されるように、実施態様および状況によっては、この種のフィードバックまたはその他の情報を用いて、複数の関連するユーザー調理エピソードに対して種々の分析を行うことができる。
【0060】
ブロック486、488若しくは490の後、または現在の操作がブロック455で認証されたものでないと判断されたとき、ルーチンがブロック495に進み、終了するという明白な指示を受け取るまで、先に進むかどうかが判断される。進むと判断された場合には、ルーチンがブロック405に戻り、それ以外の場合にはブロック499に進んで終了する。
【0061】
図5は調理関連分析ルーチン500の実施態様を示すフロー図である。本ルーチンは、例えば、
図2のACCシステム240に属する調理関連分析モジュール245の実施態様の実行により、および/または、
図1のACCシステム190の一部として提供することが可能であって、これにより種々の自動分析操作を種々のタイミングで行うことができる。ルーチン500の操作は、例えば、ACCシステムコピーのユーザー指示により、またはACCシステムの自動開始に基づいて、始動させることができる。
【0062】
図示されているルーチン500の実施態様はブロック505で開始し、ここで指示もしくはその他の情報を受信する。ルーチンがブロック510に進むと、指示もしくは情報の種類が判断され、これに従って先に進む。特に、ブロック505で受信された指示もしくは情報に、特定のユーザー調理エピソードに対する問題を認識する表示が含まれている場合、ルーチンがブロック520に進んで、ユーザー調理エピソードに関する情報、および一以上の示された問題(ユーザーからのフィードバック、またはこの問題に関する他の自動判断に基づくフィードバック、などに基づくもの)に関する情報を取得して、ユーザー調理エピソードの間に取り込まれたユーザー操作および測定結果に関する情報を、別の関連する成功した調理エピソードと比較し、これにより、示された問題が生じる可能性のある差異を決定するか、あるいは代わりにこの情報を一以上の検討者に提供して、当該検討者から適切な情報を取得することにより、ユーザーにより取得の可能性がある推奨修正操作を特定することができる。一以上の推奨修正操作が特定されると、これがユーザーに提供されるか、あるいは、現在の状況で提案修正操作が特定されなかった旨の情報がユーザーに示される。
【0063】
ブロック505で受信した指示または情報に、自動調節レシピになされる調整を特定し、複数のユーザーエピソードで繰り返し発生した問題を反映する、という示唆が含まれることが、ブロック510に対して判断された場合には、ルーチンがブロック530に進んで、これらの複数ユーザー調理エピソードおよびこれに対応する問題に関する情報を取得して、また同一または類似する自動調節レシピに対して成功した、別の複数ユーザー関連調理エピソードに関する情報を取得する。例えば、このようなレシピ調整は、特定の自動調節レシピに対して受信された二面的なフィードバック評価に基づいて開始を判断することができて、第一のユーザーグループに好結果を報告させ、また第二のユーザーグループに問題を報告させて、これにより第二グループのユーザーに関する情報を、第一グループのユーザーに関する情報に対し比較、分析させることができる。ブロック530のルーチンはさらに、成功したユーザー調理エピソードと失敗したユーザー調理エピソードとの差異を認識し、第二グループのユーザー操作の持続的な問題、および/または、第二グループのユーザーによって使用された調理器具に関する持続的な問題、を反映しているであろう差異を決定し、また、可能であれば自動調節レシピを調整して、後の使用のためにその差異を最小限に留めるか排除するように努める。この場合、調整された自動調節レシピが後の使用のために自動保存され、これまでの自動調節レシピが置き換えられるか、または使用前に手動的な承認を得るために送信させることができる。
【0064】
ブロック505で受信された指示または情報が、ブロック510において、特定の調理器具の調理機能を分析するものであると判断された場合には、ルーチンがブロック540に進んで、調理器具の調理機能に関する情報を取得し、その機能が分析され、例えば、その機能が、他の同様な調理器具部からくる機能情報と比較されることによって、起こりうる問題が反映された差異が認識され、必要に応じて対応策が講じられる。例えば、特定の目的調理面もしくは目的調理箇所に対し、その目的調理箇所が、目的調理器具部を、その調理箇所にて加熱する機能は、他の同様な調理面もしくは調理箇所、および、他の同様な調理器具部と比較され、その目的調理箇所が、少なくとも最小しきい値の分だけでも、他の同様な器具とは異なる機能を有しているかどうかを、見極められるようになっており、目的調理箇所、および/または目的調理器具に、起こり得る問題が見つかると、関連ユーザーは通知を受けることができる。その他の機能の例として、目的調理器具部は、調理器具の構成に関する不具合を反映して、または対応する調理箇所において、調理器具のユーザーの持続的な設置エラーを反映して、その調理器具部が不均一で非線形に加熱あるいは冷却しているのを示すことができる。また、起こり得る問題に関する情報をユーザーに報告することの他に、特定の状況下に伴う操作として、特定の調理関連器具部を、自動停止させること、もしくは、その使用を禁止すること、または自動調節レシピを調理関連器具に合わせて使用する(特定の加熱器具が、一貫してその器具に期待される性能を上回るあるいは下回る動作をした場合に、加熱時間を調整すること、等)ための情報を記憶することが含まれていてもよい。
【0065】
ブロック505で受信した指示もしくは情報が、一以上の影響因子に対して、グリルの使用を分析することにあると、ブロック510に対して判断された場合は、ルーチンがブロック550に進んで、そのグリル器具の使用情報および性能情報を取得および分析して、関連する一以上の種類の性能情報が決定される。例えば、特定グリルの加熱効率を測定し、これを他の類似グリルに対して比較することが可能であって、これに対応する情報をユーザーに提供して、ユーザーがグリルの不具合を解消できるように、または不具合のあるグリルをより効率的なモデルに交換するようになっている。加えて、一部の実施態様において、ブロック550での分析として、(例えば、所定容量の新規燃料タンクがグリルに使用されてから)一定期間内に消費された調理用燃料の使用量を推定すること、あるいは測定することにより、残された調理燃料の量または調理時間を推定することが可能であって、このようなものとして、これら調理エピソードの開始前に、示された一以上の調理エピソードプランに対して、燃料を十分に利用できるかどうかを、ユーザーに指し示すことが含まれてもよい。この分析により生じた情報は、ユーザーに提供され、記憶され、あるいは必要に応じて利用することが同様に可能であって、必要に応じて、ブロック540で説明された操作と同様の操作を行うこともできる。
【0066】
一以上の別タイプの指示もしくは情報がブロック505で受信されたことが、ブロック510で判断された場合には、ルーチンがブロック590へと進み、他に示された一以上の種類の操作が、必要に応じて行われる。他に示された操作としては、例えば、種々の目的に対するユーザーの食事パターンまたは食糧摂取量を分析して、自動調節レシピ、および/または関連する食品に対する提案を、ユーザーに提供し、これにより可能な摂食改善策、または考えられる代替食品を認識すること、等を含むことができる。このような食品関連情報および分析は、一部の実施態様において、別な方法で使用することが可能であって、例えば、選択的にユーザーの承認後、および/または、ユーザー固有識別情報を選択的に除去した後に(複数ユーザーに対する情報を集約するなどして)、調理調節連携サービスまたは他の外部計算システムなどに提供して、使用することができる。調理エピソードに関しては、別タイプの分析が、他の実施例で別の方法にて、実行および使用することができるものと理解されよう。
【0067】
ブロック520、530、540、550、または590の後、ルーチンがブロック595に進み、終了するという明白な指示を受け取るまで、先に進むかどうか判断される。進むということが判断された場合には、ルーチンがブロック505に進み、それ以外の場合にはブロック599に進んで終了する。
【0068】
実施態様によっては、説明された種々のシステムおよびモジュールは、一以上のルーチンにより表すことのできる機能を、各々実行し、これにより種々のステップもしくは操作を、既に議論したものを含め、種々の方法(同時にあるいは順序立てて、同期的あるいは非同期的に、特定の順序で、リアルタイムあるいは非リアルタイムで、等)で行うことができることを、当業者は理解するであろう。実施態様によっては、既に議論されたルーチンにより提供される機能は、また別の方法で提供することも可能であって、このようなものとして、より多くのルーチンに分割すること、異なる時間、および/または、異なる位置にて実行すること(調理環境での調理エピソードが完了後に、調理環境で局所的に、あるいは、調理調節連携サービスの遠隔実施によって、さらなる分析を実行すること、など)、等があることを当業者は理解するであろう。同様に、実施態様によっては、図示されているルーチンは、説明されたものよりより多くまたは少ない機能を提供することができる。さらに、すでに議論されたデータ構造は、異なる方法で構造化されていてもよく、例えば、1つのデータ構造を複数のデータ構造に分割させるか、または複数のデータ構造を1つのデータ構造に統合させることによって、構造化されてもよいことを、当業者は理解するであろう。同様に、実施態様によっては、データ構造に情報が欠けていた場合もしくは含まれていた場合に、または記憶される情報の種類もしくは情報量が変更された場合に、図示されているデータ構造は、すでに説明された情報とよりも多く、または少ない情報を、それぞれの場合に記憶することができる。
【0069】
図6は、上記の自動調理システム及び手法が使用できることに関連する、一実施態様における、食品用意システム600を示している。食品用意システム600は、調理台614を有する調理ユニット610を備えており、温度検知調理器具630が内部あるいは上部に受け入れられた、少なくとも1つの調理箇所620a〜620dもしくは調理面が設けられた調理環境612が、調理台614に形成されている。この実施態様では、4つの独立的に制御されたガスバーナー622a〜622dを備える調理台を有する加熱器として、調理ユニット610が図示されている。温度検知平鍋の形態をとる温度検知調理器具630が1つ、1つのガスバーナー622dの上部で支持されている。食品例632が、調理のために、温度検知調理器具630の一部分に入れられて、図示された別の実施態様では、調理ユニットは調理台を有し、前記調理台には、伝導式もしくは放射式の電気調理デバイスにより提供される、少なくとも1つの調理面が備えられ、また温度検知平鍋などの温度検知調理器具部が、前記調理面に接して、あるいは前記調理面の上部に設置できるようになっている。
【0070】
図6を引き続き参照すると、各々がノブまたはダイヤルの形状を有している、複数の調節器具640a〜640dが調理ユニット610に接続されており、これにより、各バーナー622a〜622dの一つ一つに対して、燃料流が独立的に調節され、調理エピソードの際、調理環境612にある各調理箇所620a〜620dに供給される熱量が、調整されるようになっている。別の実施態様によれば、調節ノブその他の調節器具を、伝導式もしくは放射式の電気調理システムと関連付けて提供可能であって、また調節ノブその他の調節器具は、調理エピソードの際に、伝導式もしくは放射式の電気調理システムの熱出力が調整されるように構成可能であって、このようなものに、例えば、熱出力を生み出す電源の、電圧、電流、周波数、などの調整がある。
【0071】
図6をまた参照すると、タブレットコンピュータの形状をしている計算装置650が、調理環境612の近傍、具体的には調理ユニット610の調理台614に隣接するカウンター652の上に図示されている。本明細書で説明するACCシステムのモジュール、および/または、態様は、計算装置650上で実行することにより、本明細書に記載される機能の少なくとも一部を、提供することができる。例えば、ACCシステムを計算装置650で実行することが可能であって、
図6に無線信号658と付されている通り、調理エピソードの際に調理器具630の一部分から無線で温度情報を受信するように構成できる。ACCシステムは、受信した温度情報の少なくとも一部に基づいて、調理エピソードの際に、複数の調節器具640a〜640dのうち一以上の調節器具640a〜640dを調整するための調理調整情報、を提供するように構成することもできる。例えば、一部の実施態様において、ACCシステムは調理エピソードの少なくとも一部分において、調理器具630の一部分から温度情報を受け取ることが可能であって、これにより調理器具630の一部分の温度プロファイルヒストリーを監視し、記録することができる。調理器具630の一部分の温度プロファイルヒストリーは、中に受け入れられた食品632の温度を直接的あるいは間接的に示すものとできる。ACCシステムはその後、調理エピソードの際に複数の調節器具640a〜640dのうち対応する1つの調節器具を調整するための調理調整情報を提供することが可能であって、これは望ましい温度に接近させ、到達させるため、および/または、例えば、一以上の調理操作に関連して選択された時間、所望の温度を維持するためである。このために種々の調整アルゴリズムを使用することが可能であり、例えば、調節装置640a〜640dを自動操作して、調理器具630の一部分を、特に着実で、正確で、一貫した方法で目的温度にさせることができる
【0072】
一部の実施態様によれば、使用される調整アルゴリズムにより調節装置640a〜640dを操作することが可能であって、この操作は、目的温度からのずれに応じたもの、目的温度からのずれの変化率に応じたもの、目的温度からのずれの履歴に応じたもの、および、調理器具630の実際の温度が目的温度よりも現在または過去に低かったときを、調理器具630の実際の温度が目的温度よりも現在または過去に高かったときと比較して差異が生じる、その他パラメータに応じたもの、とすることができる。
【0073】
一部の実施態様によれば、調整アルゴリズムに対する最適あるいは所望のパラメータを、センサーデータに基づいて予測または学習することが可能であって、これらセンサーデータは、調理ユニット610における複数の過去調理エピソードに集約され、また複数の調理環境における複数の計算装置650、複数の調理環境における複数の調節器具640a〜640d、あるいは調理環境の外部にあり、一以上の外部ネットワーク(インターネット、等)を介したその他の計算装置またはシステム、の非揮発性メモリに記憶される。一部の実施態様によれば、このデータには、複数のユーザーによって開始された調理エピソードから集積されたデータが含まれる。一部の実施態様によれば、これらのパラメータは、計算装置650と、調節器具640a〜640dと、あるいは調理環境の外部にあって、一以上の外部ネットワーク(インターネット、等)を介したその他の計算装置またはシステム、あるいは、これらの機器が協働して動作する機器からなる分散された組み合わせ、の上で実行するアルゴリズムから学習または予測される。
【0074】
一部の実施態様によれば、ACCシステムにより生成される調理情報には、計算装置650自体のディスプレイ、調理ユニット610に属する別個のディスプレイ611、および/または、調節器具640a〜640dに属するディスプレイ642a〜642dなどの、一以上のディスプレイユニットを介してユーザーに伝達される、可視化調理情報もしくは可視化調理指示が含まれてもよい。この調理情報または調理指示としては、例えば、現在の温度測定値、目標温度測定値、目的温度到達までの残り時間、目的温度からの経過時間、または調理操作を補助するその他情報、を指し示すものが含まれてよい。調理情報または調理指示としては、特定の食品または料理に特化した個別指示を有していてもよく、例えば、ステーキを所望の焼き加減に調理するための「裏返し時間」の指示、などがある。携帯計算装置に表示されるGUIのスクリーンショットの一例が、
図21に図示されていて、この例によるGUIによる他のスクリーンショット(図示せず)はまた、付加的なタイプの情報と機能を示しており、このようなものとして、ユーザーに調理情報と指示を表示することが挙げられる。
【0075】
特定の調理エピソードで有効とすることができる調理箇所620a〜620dの各々に対して、異なる調理情報、および/または調理指示を、一以上の調節器具640a〜640dに、同時に表示させることができる。このようにして、ユーザーは調理ユニット610にある複数のバーナー622a〜622dを同時に使用して、複数の料理または原材料の用意をコーディネートし、および/または、比較的複雑な料理または食品の用意を促進させることができる。
【0076】
この場合、各調節装置640a〜640dに各々設けられるディスプレイを中央部に配置させることが可能であって、また調節装置640a〜640dの周辺部に環状ダイヤル644a〜644dを提供することで、中央部646a〜646dに対して回転させることができる。環状ダイヤル644a〜644dは、調理ユニット610の熱源調整組立体における対応シャフト、例えば熱源調整組立体の「D型」シャフトなど、に連結させることができる。別の実施例では、調節器具640a〜640dは種々の異なる形態をとることが可能で、慣習的な加熱器その他の調理機器につけられる様々なダイヤル、および/またはノブに類似するもの、であって良い。
【0077】
一部の実施態様において、一以上の調節器具640a〜640dに、音声入力装置(図示せず)をさらに設けることが可能であって、前記音声入力装置は音声シグナルを受信するように構成されていて、調理エピソードの際、調理調節システムにより提供される調理調整情報に応じて、調節器具が調整されるようになっている。例えば、ACCシステムにより提供される調理情報によって、ユーザーが一以上の調理箇所の温度を調整できるようになり、またユーザーは、計算装置650、調節器具640a〜640d自身、または一以上の外部ネットワーク(インターネット、等)を介して調理環境の外部にいる計算装置もしくはシステム、などで行われる音声認識などを利用した音声命令(「右前バーナーを50%に設定」など)により、各調節装置に異なる位置に動かす旨を、指示または命令することができる。一部の実施態様では、一以上の調節器具640a〜640dに音声出力装置(図示せず)をさらに設けることが可能であって、前記音声出力装置は、調理エピソードの際に、ACCシステムにより提供される調理調整情報を含む音声信号(「右前バーナーの内容物をかき混ぜる時間」等)を、出力するように構成されている。一部の実施態様では、ACCシステムにより提供される調理調整情報は、計算装置650自体の音声出力装置により生成された音声信号によりユーザーへと伝達される。
【0078】
一部の実施態様によれば、ACCシステムにより生成された調理情報に、受信した温度情報の少なくとも一部に基づいて、調節器具640a〜640dを手動で操作する指示が含まれていてもよい。このような場合、調節器具640a〜640dの各々が個別に位置センサー(図示せず)を含むか、または位置センサーの近傍で作動することができる。この場合、各位置センサーはACCシステムと通信可能に接続されており、これにより、調節装置640a〜640dの手動調整の度に、位置フィードバックの目的で、各調節装置640a〜640dの位置を示すデータをACCシステムに伝達することができる。その後、この位置フィードバックを基に、補助的な調理指示をACCシステムに与えることが可能であって、各調節装置640a〜640dが所望の位置に到達するまで、ユーザーは手動で各調節装置640a〜640dの調節を続けることができる。場合によっては、一以上の調節器具640a〜640d、調理ユニット610の一部分、および/または、計算装置650にディスプレイを設けることが可能であって、これにより調理エピソードの際に位置フィードバック情報を表示し、ユーザーが手動で調節器具640a〜640dを所望の位置に調整するのを補助できる。
【0079】
一部の実施態様によれば、ACCシステムにより生成された調理情報に、受信した温度情報の少なくとも一部に基づいて、調節器具640a〜640dを自動操作するための指示が含まれる場合がある。この場合、調節器具640a〜640dの各々にモータ(ステッピング・モータなど)を設けることが可能であって、前記モータはACCシステムにより提供される調理調整情報に基づいて、調理ユニット610の熱源調整組立体のシャフトを回転させる構成を有している。より具体的には、調理ユニット610の熱源調整組立体の対応シャフトと連動するようにサイズ指定および形状指定された駆動シャフト連結器を、モータに具備することが可能であって、例えば、熱源調整組立体の「D型」シャフトなどがある。場合によっては、モータの駆動シャフト連結器は、慣習的な加熱器およびその他調理機器のD型シャフトノブにおける連結器と類似していても構わない。モータが設けられる場合、モータのベース部は、調理ユニット610に固定されるか、および/または、調節器具640a〜640dの一つに隣接する部分に固定され、これによりモータのベース部が固定されるが、同時に駆動シャフトが、熱源調整組立体の対応シャフトを回転自在に駆動できるようになっている。例えば、モータのベース部から、またはベース部が固定連結されている調節装置640a〜640dの別部分から、キーを延設することが可能であって、これにより調理ユニット610の面その他の部分と係合させることができる。別の場合には、安定バー、板、ブラケット、その他の構造体、を隣接する調節器具640a〜640dの間に延設し、これにより隣接する調節器具640a〜640dのモータのベース部を、効果的にロックして回転しないようにし、同時に各駆動シャフトは調理ユニット610の各調整組立体を選択的に駆動できるようにすることができる。別の場合には、モータのベース部を調節装置のベース組立体に固定し、接着体その他の接続器具、もしくは接続手法により、これをさらに調理ユニット610の面その他部分に、固定化して取付けることができる。
図12、
図14、
図15に、調節ノブ1240の形態をとる調節装置の一実施態様が図示されている。
図14および
図15を見てわかるように、図示の調節ノブ1240にはベース組立体1242が設けられ、前記ベース組立体1242には、幾つかある特徴の中でも特に、駆動モータ1250、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)1256、および電源1264が含まれている。調節ノブ1240は、調理ユニットに(例えば、無痕跡接着体などを介して)直接固定化して取付けられており、また駆動モータ1250のピニオン1252とかみ合う駆動ギア1254を介して、調節ノブ1240の内駆動軸1270を回転操作できるようになっている。内駆動軸1270は、一以上の連結器またはアダプタ1280を介して、各バーナーまたは調理箇所に関連付けられた、調理ユニットの制御シャフト(図示せず)に連結可能となっている。調節ノブカバー1244は、ベース組立体1242を覆って設けられおり、また、調節ノブ1240を選択的に手動で調整して、ユーザー操作可能な制御が提供される。特に、
図12、
図14および
図15に図示の実施態様によれば、内駆動軸1270を介してカバー1244がモータ1250に動作可能に接続されており、また前記内駆動軸1270にはキーが設けられているか、駆動ギア1254に合わせて、回転軸Aの周りに回転するように構成されている。
図15に示されているように、カバー1244には連結特徴部1245(キー溝配列、等)が設けられ、前記連結特徴部1245は、内駆動軸1270の末端1271に設けられた対応特徴部に係合するように形成されている。内駆動軸1270の他端1272には連結特徴部(キー溝配列、等)が設けられ、これにより、異なる種々の連結器もしくはアダプタ1280の一つに合わせて係合し、また回転する。この目的のため、連結器またはアダプタ1280の一端1281には、対応連結特徴部が設けられ、連結器またはアダプタ1280の他端1282には、別の連結特徴部(D型もしくはその他のキー溝、等)を設けて、各バーナーあるいは調理箇所に関連付けられる調理ユニット(図示せず)の制御シャフトを、係合させることができる。連結器もしくはアダプタ1280の外形は、駆動ギア1254に設けられた対応する開口部1255に係合するように、サイズ指定および形状指定することができる。例えば、
図15に図示されている通り、連結器もしくはアダプタ1280は、八角形の断面積を有しており、これは同様に形成された八角形の断面形状を有する駆動ギア1254に、開口部を係合させるために供される。
【0080】
図12からわかるように、種々の異なる連結器もしくはアダプタ1280を含み、各々の末端1282に異なる形状をした連結特徴部が設けられたキットを提供することが可能であって、これはユーザーが調節ノブ1240を、対応する連結特徴部を有する慣習的な調理機器の、種々のあらゆる制御シャフトに、選択的に取り付けることができるようにするためである。このように選択した連結特徴部の外形を
図12にいくつか示す。さらに、前記キットは異なる長さを持つ種々の駆動シャフト1270を有しており、これにより、種々の慣習的な調理機器の制御シャフト長さの変化に、適応させることができる。このようにして、ユーザーは連結器もしくはアダプタ1280の選択肢の1つを、駆動シャフト1270の選択肢の1つと組み合わせることにより、調節ノブ1240を、ユーザー特定の調理機器の制御シャフトへと確実に取り付けるように構成することができる。ユーザーは、彼/彼女の慣用機器に設けられた備え付けノブを取り外し、機器の露出制御シャフトに、調節ノブ1240を配置させ、連結器またはアダプタ1280に係合させると同時に、接着体1266を用いて調節ノブ1240を機器の表面に固定すれば、それで十分である。取り付け後には、本明細書に記載された調節システムおよび方法により、調節ノブ1240を調節して動かすことが可能であって、あるいは、取り換えた機器に備え付けられていたノブを調節する方法と同様の方法を用いて、調節ノブのカバー1244を操作することにより、ユーザーが手動で調整することができる。そのようなものとして、調節ノブ1240は、選択されたバーナーもしくは調理箇所を、コンパクトで能率的な形状因子で調節するための万能機器を提供する。
【0081】
調節ノブ1240を代替的に自動制御し、また手動制御するために、調節ノブ1240には、(磁気エンコーダー、光学式エンコーダー、抵抗式エンコーダー、その他のエンコーダー、などの)エンコーダー1257などが設けられた位置センサーを、さらに備えることができ、これによりベース組立体1242に対するユーザー操作可能なカバー1244の回転位置を検知して、例えばエンコーダーギア1260の検知などから、位置フィードバック情報を提供することができ、前記エンコーダーギア1260は、自動調整の際に駆動モータ1250により駆動され、また手動調整の際には、カバー1244および駆動ギア1254の手動回転によって駆動される。このようにして、調節ノブ1240の手動調整の後でも、システムが調節ノブ1240の操作可能な部分(カバー1244、等)の正確な位置を判断し、これに基づいて、以後の自動動作を行うことができる。本調節システムはユーザーによる物理的相互作用、例えば、ユーザーが調節ノブ1240の手動で調整しようとする際、モータ1250が抵抗の増減を感じると生成されるフィードバック信号、などを検知するように構成することもできる。場合によっては、本システムは、所定のしきい値を越えてモータ1250を進めたときのアンペア数に基づいて、ユーザーの手動動作を検知することが可能であって、場合によっては、これは調節ノブ1240の磁気エンコーダー値の変化を検知することに基づいている。この場合には、調節ノブ1240の自動動作が一時的に停止または動作不能となり、これに従ってモータを切り離し可能となる。
【0082】
図14および
図15を参照すると、調節ノブ1240はさらに無線通信機器1253(ブルートゥースモジュールなど)を含んでいて、例えば、
図6に示され以下詳細に検討される温度検知平鍋630、あるいは
図12および
図13に示され他でより詳細に検討される温度検知プローブ1220、などの温度検知調理器具部を用いて得られる温度データに基づいて、調節ノブ1240が、特に、調節情報および調節指示を受信することができるようになっている。
【0083】
図14および
図15を引き続き参照すると、ベース組立体1242には、複数のベース収容部1246,1248を設けることが可能であって、前記ベース収容部1246,1248は、スナップ、ファスナー、その他の締結器具を用いて互いが結合されるか、あるいはノブ1240に属する上記機能部品(電源1264、PCBA1256、駆動モータ1250、エンコーダー1257、無線通信モジュール1253、等)の一部または全部を、収容または支持するための手法を用いて、互いに結合される。
図14および
図15に図示されている通り、ベース収容部1246の1つには、電源(4つのうち2つの単四電池が図示されている)を収容する一以上の空洞部1247が含まれ、または形成されており、この電源は電気接点1249と接触するように内部に取り外し可能に収容されていて、調節ノブ1240の電子部品に電力を供給するため、前記電気接点1249がPCBA1256に電気的に接続されている。ベース収容部1246にはさらに、駆動シャフト1270を収容する中央空洞部1251と、駆動モータ1250用のモータ空洞部1259と、を設けることができる。また別のベース収容部1248に、ベースフランジ1261を設けてもよく、主調理機器に調節ノブ1240を取り付けるため、この上に接着体1266が設けられる。ベース収容部1246,1248を互いに入れ子状にすることで、駆動ギア1254を捉えて回転自在に支持し、また少なくとも部分的にPCBA1256を覆うことができる。
【0084】
図12を参照すると、多種多様の慣用的な調理機器に一以上の調節ノブ1240を選択的に固定するため、既に説明した通り、種々の駆動シャフト1270およびアダプタ1280と共に、一以上の調節ノブ1240をキット1200に設けることができる。場合によっては、キット1200に、一以上の調節ノブ1240に関連して用いられる一以上の温度プローブ1220と、一以上のプローブ取付具1230と、がさらに設けられ、前記一以上のプローブ取付具1230は、前記一以上の温度プローブ1220を、調理器具部または調理箇所から温度データを取得する他の構造体、に取付けるために供される。有益的には、キット1200が、一連の装置をコンパクトで強力な形状因子にて提供することによって、本明細書に記載される調理システムおよび調理方法の態様が促進され、このようなものに、加熱器またはその他の調理機器に属する一以上のバーナーを、自動調節することが含まれる。
【0085】
図6の例示的な食品用意システム600の温度検知調理器具630の代表例が、
図7および
図8に、より詳細に示されている。温度検知調理器具630は、平鍋630aの形態で設けられることがわかる。平鍋630aにはベース660と側壁662が設けられ、これらが共に、調理用の食品を受け入れる容器664を形成する。平鍋630aには、
図6の調理ユニット610に形成された調理環境612など、調理環境にある平鍋630aを操作するためのハンドル666を、さらに設けることができる。場合によっては、
図7および
図8の例示的な平鍋630aのように、ハンドル666は、ベース660および側壁662から離れる方向に、片持ちに延設することができる。場合によっては、一を超えるハンドル666が設けられていてもよい。一乃至複数のハンドル666が、種々の形態および形状を有することができる。
【0086】
図7および
図8を引き続き参照すると、平鍋630にはさらに、ベース660に組み込まれた温度センサー670(熱電対またはサーミスタ、等)を含むことが可能であって、これにより平鍋630aの温度を示す温度情報、および/または、調理箇所670にある平鍋630aの調理面668に入れられた食品の温度を示す温度情報、を感知することができる。
図7及び
図8の実施態様によれば、平鍋630aには、引出し端または温接点を有する熱電対の形態をとる単一温度センサー672が設けられ、調理箇所670の範囲内でかつ調理面668の下にあるベース660の中央部に配置される。しかしながら、複数の温度センサー672は、ベース660の範囲内に種々の配置にて分散させてもよく、またこの温度センサーは、調理操作の際に一以上の食品に供給または与えられる、熱量またはエネルギー量を示した温度データを、集約的にまとめるために使用することができることがわかる。例として、
図9に示された例示的な平鍋930のバリエーションとして、ベース960の範囲内に円形状に等間隔に配置された状態で分散され、引出し端または温接点を各々備えた熱電対の形態をとる、3つの温度センサー972が設けられている。温度センサー972からの読み取りは、温度情報を提供するために平均化されるか、あるいは相互に評価することができる。例えば、場合によっては、一以上の温度センサー972からの読み取りは、比較可能な一以上の読み基準値を提供することで、一以上のその他の温度センサー972の精度をチェックまたは確認するために、使用することができる。
【0087】
図7および
図8を再び参照すると、平鍋630aにさらに無線通信モジュール674を設けることができて、これはハンドル666に設けられるか、またはハンドル666に接続され、これにより平鍋630aから得られた温度情報がACCシステムに伝達され、これにより、調理環境、例えば、
図6に図示された調理ユニット610に形成された調理環境612、の機能の少なくとも1つを、調理エピソードの際、伝達された温度情報に少なくとも部分的に基づいて、調整することができるようになっている。無線通信モジュール674は、無線トランスミッタ676(RFトランスミッタ、等)と、前記無線トランスミッタ676、および/または、他の回路部品を駆動させるための、電源678(電源など)と、を備えることができる。無線通信モジュール674は、ハンドル674内部に隠すか、または完全に密閉させてもよく、また取り外し可能にまたは取り外し不可能に連結することができる。一部の実施態様において、無線通信モジュール674は、ハンドル674の末端675に配置可能であって、またベース660および側壁662により形成された容器664から隔絶させることもできる。ハンドル666の末端675に、開口部あるいは孔部677が設けられてもよく、ここを通して、平鍋630aを収納用に掛けることができる。
【0088】
一部の実施態様によれば、ヒートシンク(図示せず)を設け、無線通信モジュール674の電源678に接続することが可能で、一以上の調整エピソードの際、外部熱源から得られた熱を利用して、電源678を再充電するように構成することができる。
【0089】
図7および
図8を引き続き参照すると、平鍋630aのベース660に、ベース通路680を備えることが可能であって、前記ベース通路680は、調理面668の下にある第一位置681と、容器664の周辺またはその周辺近傍にある第二位置683と、の間に延設されている。ハンドル666はまた、ベース通路680に連通するハンドル通路684、を含むこともできる。温度センサー672は熱電対であってもよく、前記熱電対は、ベース通路680の一端にある第一位置681に位置する引出し端もしくは温接点と、ベース通路680およびハンドル通路684から、無線通信モジュール674へと延設されている中間部682と、無線通信モジュール674とその周辺近傍に位置する冷接点と、を有している。温度センサーはハンドル666の無線通信モジュール674と通信可能に接続可能であって、658と付された無線信号が示している通り、温度センサー672により感知された温度情報を、無線通信モジュール674により平鍋630aから送信することができる。この温度情報は、ベース660の範囲内にある温度センサー672の引出し端または温接点と、ハンドル666中の反対端または冷接点と、の間の示差温度に関連させることができる。
【0090】
一を超える温度センサー672を有する実施例において、一を超えるベース通路680を設けることができる。例えば、
図9に図示の平鍋930は3つの温度センサー972が設けられていて、前記温度センサー972はベース960の範囲内で円形状に等間隔に分散している引出し端または温接点を各々有する熱電対の形態をとっており、前記平鍋930は、各温度センサー972に対して、一以上の個別通路すなわち通路部980a〜980cを設けることができる。この一以上の個別通路すなわち通路部980a〜980cを、共通の通路部980dに組み入れてから、無線通信モジュール974へと通じるハンドル通路984に、連動させることができる。別の実施態様では、温度センサー972から複ハンドル調理器の個別ハンドル(図示せず)にかけて個別通路を延設し、センサー972を、二以上の無線通信モジュール974に接続させることができる。
【0091】
一部の実施態様では、
図7および
図8を参照して、平鍋630は、無線通信モジュール674と通信可能に接続する重量感知組立体(図示せず)、をさらに含んでおり、これにより平鍋630に入っている一乃至複数の食品の重量を感知し、またこの重量情報をACCシステムに伝達することができる。場合によっては、この重量感知組立体をハンドル674に設けることが可能であって、少なくとも1つのひずみゲージが重量感知組立体に備えられ、平鍋630が持ち上げられた形態でのハンドル674の変形に基づいて、一乃至複数の食品のおおよその重量が感知されるようになっている。重量感知組立体は、重量情報を取得する際、平鍋630aの動きを考慮に入れるか、または補償するための、加速度計またはその他の装置をさらに含むことができる。他の実施態様では、重量測定機器あるいは重量測定機器器具を、平鍋630aから離れて設け、これにより平鍋630aとは独立に重量データを取得してACCシステムに伝達することができる。例えば、本明細書に記載された食品用意システムの一部の実施態様として、データ通信機能を有する別個の秤を設けることができる。また、得られた重量情報を用いて、ACCシステムにより提供される調理情報または調理指示を変更または補完することができる。
【0092】
一部の実施態様によれば、平鍋630aに、無線通信モジュール674に通信可能に接続された補助センサー(図示せず)をさらに設けることが可能で、これにより、平鍋630aに入った一乃至複数の食品に関する非温度情報を感知して、この情報をACCシステムに伝達することができる。例えば、湿度センサーを平鍋630aに組み入れて、平鍋630aに入った一以上の食品の湿度特性を感知することができる。また別の例として、色彩センサーを平鍋630aに組み入れて、平鍋630aに入った一以上の食品の色彩または色彩プロフィールを感知することができる。また別の例として、化学センサーを平鍋630aに組み入れて、平鍋630aに入った一以上の食品の酸度、アルカリ度、または風味に関する他の特徴、を感知することができる。ACCシステムは、補助センサーから受信された非温度情報に基づいて、調理指示または調理情報を、変更または補充することができる。
【0093】
一部の実施態様によれば、平鍋630aは音声入力装置(図示せず)をさらに含むことが可能で、前記音声入力装置は無線通信モジュール674に通信可能に接続されている。音声入力装置は、例えば、バーナー着火イベントまたは他のイベントを示す音声信号を受信し、また平鍋630aよりこの種のイベント情報を無線でACCシステムに伝達するように構成することができる。ACCシステムはこのイベント情報を用いて、一以上の調理エピソードに関連付けられて提供される調理情報、および/または調理指示を、変更、および/または補充することができる。例えば、ACCシステムは調節器具640a〜640d(
図6)の1つを、着火位置に調節することが可能で、また成功した着火イベントの音声指示があるまで、調節装置を前記着火位置に維持させることも可能であって、このとき、調節装置を異なる位置に調節して、調理エピソードを継続させることができる。
【0094】
一部の実施態様において、平鍋630aは、一乃至複数の温度センサー672に通信可能に接続された音声出力装置(図示せず)を、さらに含むことが可能であて、前記一乃至複数の温度センサー672により感知された温度情報の少なくとも一部を基にして、音声信号を出力できるように構成されている。例えば、音声出力装置は、温度センサー672により感知された温度が、一以上のしきい値温度を越えた場合に、あるいは温度変化率が一以上のしきい値変化率を越えた場合に、単一あるいは一連の音声アラームを生成することができる。
【0095】
図6の食品用意システム600は、平鍋630aの形態をとる一個の温度検知調理器具630を含み、あるいはこれと連動させて作動するものとして図示、記載されているが、別の場合には、本食品用意システム600は、温度プローブの形態をとる温度検知調理具を含み、あるいはこれと連動させて作動してもよい。本明細書に記載されるシステムおよび方法の実施で操作することのできる温度プローブ1220の例を、
図12及び
図13に図示した。プローブ1220には、ハンドル1224が設けられ、また、前記ハンドルから延設し、隣接する調理面、例えば慣習的な深鍋または平鍋の調理面から温度データを取得するための、伸長プローブ部材1222も設けられている。例えば、調理エピソードの最中、スープが入った深鍋の中に温度プローブ1220を伸長させて配置し、これによりスープの温度を示す温度データを取得し、このデータを食品用意システム600の別部品へと伝達させることができる。
図12を参照すると、プローブ1220は、プローブ取付具1230を用いて慣習的な深鍋またはその他の調理器具部に取付け可能であって、前記プローブ取付具1230は、プローブ1220を深鍋またはその他の調理器具部に取外し可能に連結し、またハンドル1224と伸長プローブ部材1222の軸部分を、深鍋またはその他の調理器具部の側壁から間隔を空けて引き離すことにより、深鍋その他の調理器具部からプローブ1220へと伝わる熱伝導を削減あるいは最小限に抑えられるように構成されており、同時に、ハンドル1224が側壁と実質的に一直線になるようにして、深鍋その他の調理器具部の中にある具材から立ち上る熱や、深鍋またはその他の加熱器具部品の下で働く熱源から、側壁の外側を通って上がってくる熱に、ハンドル1224が晒されることが減少し、あるいは最小限に抑えられるように構成されている。このようにして、プローブ1220が熱にさらされることによる損傷から保護できるようになり、一方で、プローブの先端1221を、温度データの取得に望ましい位置に配置できるようにもなる。
【0096】
図12および
図13に図示される温度プローブ1220には、上記平鍋630aに代表される特徴と同様の特徴を含むことが可能であって、例えば、温度データを収集することを補助し、これから種々の調理操作の調節を補助することができる。例えば、
図13を参照すると、温度プローブ1220は温度センサー(熱電対アセンブリ1219、等)を具備可能であって、前記温度センサーは伸長プローブ部材1222に組み込まれ、これにより、プローブが着脱可能に取付けられた調理器具部、および/または、調理面に入っている食品の温度を示す温度情報を感知することができる。別実施例において、プローブ1220に無線通信モジュール1231をさらに設けることが可能であって、前記無線通信モジュール1231はハンドル1224内部に設けられるか、またはハンドルに接続することにより、伸長プローブ部材1222によって感知された温度情報をACCシステムに伝達し、例えば、
図6に図示された調理ユニット610によって形成された調理環境612などの調理環境に属する少なくとも1つの特性を、調理エピソードの際に伝達された温度情報の少なくとも一部に基づいて、調整することができる。無線通信モジュール1231は、(RFトランスミッタ、等の)無線トランスミッタを具備可能で、無線トランスミッタ、および/または、他の回路部品を駆動する電源1229(バッテリー、等)に連結させることができる。無線通信モジュール1231を、ハンドル1224内部に隠すか、または完全に密閉することが可能で、また無線通信モジュール1231を取外し可能に、もしくは、取外し不可能に連結させることもできる。
【0097】
例えば、
図13に図示されたプローブ1220の実施態様によれば、プローブ1220には、無線通信モジュール1231と、これと一体化した電力管理モジュールと、が設けられたプリント回路基板アセンブリ(PCBA)1227が備えられ、またさらに前記電源1229を取外し可能に受け入れて接続する電気接点をさらに含んでいる。PCBA1227は、向かい合う筐体部1226a,1226bの内部に封入可能であって、また、ハンドル1224の末端に取外しできるように連結可能な末端キャップ1225と、前記末端の反対側にあるハンドル1224の他端に取外しできるように接続可能な、プローブ部材1222の基端部に設けられる基端キャップ1223と、を用いて、ハンドル1224の空洞部の内部に密閉される。末端キャップ1225および基端キャップ1223は、PCBA1227をハンドル1224の内部に密閉し保護するための、対応シール部(Oリングシール、等)1228をさらに含んでいる。熱電対アセンブリ1219の形態をとる温度センサーは、プローブ部材1222から延設され、ハンドル内部のPCBA1227に電気的に接続可能であって、本明細書記載の調理システムおよび調理方法の一以上の態様を制御するために、プローブ1220から収集された温度情報を、無線で伝達することができる。
【0098】
上記の通り、調理箇所からくる温度データを取得するのに、プローブ1220を調理器具部(深鍋、等)またはその他の構造体に取り付けるためのプローブ取付具を設けることができる。プローブ取付具1230の一実施態様が、
図12、
図16、
図17に図示されている。本実施態様によるプローブ取付具1230には、長手方向に内部を延びる空洞部1233を含む本体1232を有しており、これによりプローブ部材1222が摩擦嵌めにより受け入れられ、プローブ取付具1230を、プローブ部材1222の長さに沿って選択的に調整できるようになる。プローブ取付具1230には対向腕部材1234がさらに含まれていて、前記対向腕部材1234は、
図17の部分断面図に示される(コイルばね、等の)付勢部材1238によって、
図16に図示された姿勢に付勢されている。付勢部材1238は本体1232の内に封入させることができる。本体1232には本体部が設けられ、これらが互いに連結することで、付勢部材1238を完全に、あるいは部分的に取り囲むことができる。加えて、本体部を互いに連結させることで、これらの間に腕部材1234を保持することが可能であって、さらに本体1232を通して延びている開口1233により定めた回転軸Rの周りに回転して配置されるように、前記本体部が腕部材1234の座面を提供できる。腕部材1234には、本体1232に対して相対的に構成された接触部1236が設けられ、前記本体1232と共に、プローブ取付具1230と、深鍋などの調理器具の主部品との間に、3つの点接触が設けられる。腕部材1234は、ユーザーが動かすことが可能であり、またプローブ取付具1230の配置は、本体1232と、腕部材1234の接触部1236と、の間に調理器具の主部品の側壁が配置され、本体部1232が、当該側壁の内側に位置し、腕部材1234の接触部1236が、当該側壁の外側に位置するようになっている。腕部材1234はその後、
図16に図示された配置まで解放して戻され、これにより本体1232が当該側壁の内側に接触し、また腕部材1234の接触部1236が当該側壁の外面に接触するようになっている。このように、付勢部材1238の力を受けて、プローブ取付具1230を側壁に留めることができる。実施態様では、2つの別個の腕部材1234を含めたものが図示されており、前記腕部材1234は、回転軸Rの周りに各々が回転自在であって、また別個の付勢部材1238により各々が回転して付勢されるが、他の実施態様では、一以上の腕部材を可撓性、弾力性のある部材として設けることが可能であって、前記部材は弾性変形し、調理器具の主部品に取付け可能であって、別個の付勢部材は省略できるものと理解されよう。
【0099】
例示的な温度プローブ1220が、
図12および
図13に伸長棒状のプローブ装置として図示されているが、本明細書に記載のシステムおよび方法に関連して、その他種々の形状因子のある温度プローブを、設けることができることが理解されよう。例えば、一部の実施態様では、上述の温度プローブ1220に追加して、あるいはその代わりに、浮遊式の温度センサーを設けてもよく、これにより、例えば、スープおよびソースなどの液状食品から、温度データを取得することができる。この浮遊式温度センサーは、球状、涙滴状、あるいはその他慣習的なブイと似た形状を通常有している。浮遊式温度センサーにバラストを設けてもよく、熱電対が下向きに突出して液状食品の中に浸った状態で温度センサーが浮遊する。浮遊式温度センサーの少なくとも下部を断熱することができて、熱損傷から保護することができる。浮遊式温度センサーの電子機器(電源、無線通信モジュール、等)は、筐体内部に密封できる。温度データの無線通信を促進するアンテナを、通常は突出した熱電対の反対側で、浮遊式温度センサーの上端に設けることができる。場合によっては、この種の浮遊式温度センサーを用いて、液状食品の上面近くの位置から温度データを取得することができ、また、これと異なる温度プロ―ブ、例えば上述の温度プローブ1220を用いて、液状食品が内部に受け入れている調理器具の下面もしくは下面近くの位置から温度データを取得することもできる。このようにして、本システムは異なる温度プローブ/センサーからくる温度読みの違いを、考慮することができる。
【0100】
さらなる特徴および機能性を、
図18を参照に説明する。
図18は、本明細書に記載の調理システムおよび方法の実施形態の態様の使用に適する調整システム1800を、概略的に示している。調節システム1800には、調節ノブに関連する第一調節部1802と、温度検知器具に関連する第二調節部1804を備えており、前記温度検知器具としては、温度センサー1836を内蔵する温度プローブもしくは調理器具部(温度検知深鍋または温度検知平鍋、など)などが挙げられる。図示の実施態様において、調節ノブに関連する第一調節部1802には一以上のマイクロプロセッサ1810が設けられており、前記マイクロプロセッサ1810は、無線通信モジュール(低エネルギーブルートゥースモジュール、など)を含むか、これと通信可能に接続される。図示されている通り、一以上のマイクロプロセッサ1810は、調節ノブの電子部品に電力供給等を行う電力管理モジュール1812と;調節システム1800の操作に関する種々の情報、および/または、プロセッサ実行命令、を記憶可能な一以上のメモリ1814と;視覚的な情報またはフィードバックを、ユーザーに提供などするディスプレイ1816と;手動調整の際に調節ノブの回転位置を追跡して、その後の自動調整を有効にすることのできる位置センサー1818と;第二調節部1804に関連する温度検知器具から受信した情報の、少なくとも一部に基づいて、主調理機器および主調理器具の制御シャフトの、制御された回転調整を提供するようになっている駆動モータ1820と;通信可能に接続されている。第一調節部1802に属する一以上のマイクロプロセッサ1810がさらに図示されており、ユーザーからの調整指示を受信するために使用できる音声入力装置1822と;ユーザーに調理指示または警告を伝達するために使用できる音声出力装置1824と、に通信可能に接続されている。図示されている通り、温度検知器具に関連付けられた第二調節部1802には、一以上のマイクロプロセッサ1830が設けられており、前記マイクロプロセッサは、無線通信モジュール(低エネルギーブルートゥースモジュール、など)を含むかこれと通信可能に接続されている。さらに図示されている通り、第二調節部1804の一以上のマイクロプロセッサ1830は、温度検知器具の電子部品に電力供給等を行う電力管理モジュール1832と;調節システム1800の操作に関する種々の情報、および/または、プロセッサ実行命令を記憶可能な、一以上のメモリ1834と;調節ノブを制御するために、温度データを収集して使用できる温度センサー1836と;非温度データを収集し、これを調節ノブの位置を改善するために使用できる補助センサー1838と;ひずみゲージ1842、および/または加速度計1844が設けられ、温度検知器具により保持される一乃至複数の食品の重量を感知するために使用できる重量感知組立体1840と;通信可能に接続されている。
図18の調節システム1800によれば、温度データおよび非温度データを収集するために、一以上の温度検知器具(温度検知平鍋、温度検知プローブ、等、など)を使用することが可能であって、この温度データおよび非温度データから制御信号を生成し、前記制御信号は調理エピソードの際、調理機器あるいは調理器具に接続された一以上の調節ノブの回転位置を自動制御するために使用され、要求あるいは必要に応じて、この自動制御に一以上の調節ノブの手動調整を追加することができる旨が、理解されよう。
【0101】
図6に戻って参照すると、食品用意システム600は、調理器具部630の内容物を監視し、この情報をACCシステムに伝達させるのに配置した、カメラ698またはその他の画像機器を、さらに含むことができる。場合によっては、このカメラ698は熱画像カメラでもよく、前記熱画像カメラは、調理器具部630の熱情報、またはこの中に受け入れられている食品632の熱情報を監視し、これをACCシステムに伝達するように設けられている。その後、ACCシステムから提供された調理調整情報は、この情報の少なくとも一部に基づいて変更、および/または補強され、調理エピソードの際に、さらなる機能を提供することができる。例えば、ユーザーは所定の食品に関する特定調理レベル(ミディアムレアのステーキ、等)に関する好みを選択することが可能であって、カメラ698からの情報を用いて、関連調節器具640dを調整可能に調節し、カメラ698で確認された食品が所望とされる水準に近づくにつれ、加熱を止めるか、あるいは加熱量を減らすことができる。カメラその他の画像機器は、調理器具部630に入っている内容物のプロフィールデータを取得するために利用することも可能であって、前記内容物のサイズまたは体積に基づいて、ACCシステムにより提供される調理指示または調理情報を調整または変更することができる(例えば、大きな熱容量を持つ比較的大きな食品に対して、調理時間を増加させることができる)。
【0102】
図7および
図8をさらに参照すると、平鍋630のベース660に多層構造を設けることが可能であって、これには、第1の材料からなる、少なくとも1つの層と、前記第1の材料とは異なる第2の材料からなる、少なくとも1つの層と、を含むことができる。例えば、一部の実施態様において、ベース660は、ステンレス外層661,663と、前記外層661,663に取り込まれ、挟みこまれ、あるいは被包されているアルミ内層665と、を含むことができる。
図7および
図8に示された平鍋630aに図示されている実施態様は、三重、つまり三層ベース構造を有するものとして示されているが、他の実施例では、平鍋630aのベース660はこれより多い層、または少ない層を含んでもよく、例えば4重、5重、6重、または2重の層を含むことができることと理解されよう。加えて、ベース660には、単一材料からなる構造体を含んでもよく、内部を通って延設されるベース通路680が設けられている。このベース通路680は、一以上の層あるいはベース660のなかに、穿孔、圧延、あるいは形成させることができる。場合によっては、一面または一つの層、例えば内層665に、流路または通路を設けることが可能であって、またこれを隣接する層、例えば外層661で覆うことにより、ベース通路680を形成することができる。一以上の層661,663,665に他の特徴を設けることにより、層661,663,665同士の接合、および/または、結合を促進させることができる。層661,663,665は、全体でネスト構造、あるいはサンドイッチ構造とすることができる。一部の実施態様によれば、ベース660を溶接、ろう付け、衝撃接着させることができ、またベース通路680はこれらの層のうち少なくとも1つの層の中に直接形成することができる。一部の実施態様において、ベース通路680は空洞部を含むことができて、前記空洞部は、多重構造からなる層の中に設けられた充填材を、接合前に除去することにより形成される。充填材は、ベース形成プロセス、例えばベース660の誘導溶接により、除去あるいは分解させることができる。
【0103】
図10を参照すると、温度検知調理器具部1030の変形例が図示されており、
図7および
図8に例示した平鍋630aが含まれ、これに加えて、平鍋630aに取外し可能に結合され、閉鎖的調理環境1012を形成できる蓋1040が、設けられている。この閉鎖的調理環境1012は、ダッチオーブンまたは逆さダッチオーブンと類似させることができて、浅いベース部とドーム状の蓋が設けられ、温度検知調理器具部1030は、ダッチオーブンと似た調理機能を提供することができる。他の実施例において、調理器具部はタジンと似た閉鎖的調理環境を有することができ、浅いベースと円錐状の蓋が設けられている。
【0104】
図10に図示された調理器具1030をまた参照すると、温度検知調理器具1030は、蓋1040に連結された少なくとも1つの補助温度センサー1072(熱電対あるいはサーミスタ、など)を含むことができ、これにより閉鎖的調理環境1012の内部温度が感知される。温度検知調理器具1030は、蓋1040に設けられるか、あるいは蓋1040と結合する、補助無線通信モジュール1074をさらに含み、これにより、少なくとも1つの補助温度センサー1072により感知される温度情報を、調理器具部1030から送信できるようになり、これは無線信号として1058と付されている。具体的に、この補助無線通信モジュール1074は、ハンドル1066に設けるか、または結合させることが可能であって、前記ハンドルは蓋1040に取り付けられるか、蓋1040と一体的に形成されており、また、この補助無線通信モジュール1074は、蓋1040を遠隔操作し、蓋1040を平鍋630aの上に選択的に配置させるために設けられる。補助無線通信モジュール1074には、無線トランスミッタ1076(RFトランスミッタ、等)と、無線トランスミッタ1076、および/または、その他の回路部品を駆動させる電源1078(電池、等)と、を具備することができる。補助無線通信モジュール1074は、蓋1040のハンドル1074の内部に隠すか、あるいは完全に封入させることができ、また、取外し可能に、あるいは取外し不能に連結させることもできる。
【0105】
図10に示された温度検知調理器具部1030の例に関連して、温度フィードバック情報は、平鍋630a、および/または蓋1040により提供され、これにより、本明細書に記載された本ACCシステムおよび方法に関連する付加的な機能を提供することができる。例えば、平鍋630aにある調理面の温度に基づき、調理エピソードの少なくとも一部に対して、熱源を制御可能に調整することが可能であって、また、調理環境1012の頂部またはその付近における温度に基づき、調理エピソードの少なくとも別部分に対して、熱源を制御可能に調整することも可能である。別の場合には、平鍋630aにある調理面の温度と、調理環境1012の頂部またはその付近における温度と、の両方の温度に基づいて、熱源を制御可能に調整することができる。
【0106】
蓋をしたあるいは蓋なしの平鍋630a,930,1030に関連する温度検知調理器具の特定の実施態様が、本明細書に記載されているが、幅広い深鍋および平鍋(フライパン、片手鍋、ソテーパン、など)が提供可能であって、また、小鍋、ロースター、鉄板、やかん、食卓用食器類など、他の調理器具も提供可能であることと理解されよう。さらに、温度検知機能が一体化された本明細書に記載された調理器具に加えて、あるいはその代わりに、温度プローブ1220(
図12および
図13)を使用することが可能であって、これにより追加温度情報を提供し、または、一体化された温度検知機能のない慣習的な調理器具あるいは調理面から温度情報を収集することができる。さらに、
図6の調理ユニット610の実施態様は、ガス調理台が設けられた加熱器として、図示および記載されているが、本明細書に記載されたシステムおよび手法と関連して、幅広い調理機器および調理器具が提供できるものと理解されて、このようなものとしては、例えば、電磁調理台(誘導式および放射式の調理台)、グリル、スモーカー、種々の燃料源を有する他の調理装置、などが挙げられる。
【0107】
図11を参照すると、食品用意システム1100の実施態様が、野外グリル1110の形態で図示されており、野外グリル1110には、グリル面1114と、グリルフード1115と、が備えられ、これらが共に調理環境1112を形成している。調理環境1112には複数の調理箇所1120a〜1120cが設けられており、この範囲内あるいは上部には、食品1132、および/または、場合によっては、温度検知調理器具(図示せず)が受け入れられていて、温度検知調理器具の例としては、本明細書に記載のACCシステムおよびその手法の態様に関連して温度情報を感知および送信する機能を有する温度検知ロースター皿、などを挙げることができる。
図11の食品用意システムの実施態様として、野外グリル1110が図示されており、複数の温度センサー1172がグリル1168に埋め込まれて設けられており、調理の際、この上に食品1132、および/または、調理器具を、設置することができる。
【0108】
図11を引き続き参照すると、それぞれがノブ状あるいはダイヤル状の形状を有する複数の調節器具1140a〜1140cが、野外グリル1110に連結されていて、これにより、グリル面1114下部に設けられたバーナー(図示せず)に対する燃料流を個別に調節し、調理エピソードの際、調理環境1112の範囲にある各調理箇所1120a〜1120cに供給される熱量が調整されるようになっている。
【0109】
調理環境1112の近傍、具体的にはグリル1168に隣接する棚1152の上に、タブレット型コンピュータの形状をした計算装置1150が図示されている。本明細書に記載されたACCシステムの態様、および/または、モジュールを、計算装置1150上で実行することで、本明細書に記載される機能の少なくとも一部を、提供することができる。例として、ACCシステムは計算装置1150で実行することが可能であって、調理器具部(図示せず)から無線で温度情報を取得するように構成されているか、または、グリル1168に埋め込まれているか、もしくはこれに接続されている、一以上の温度センサー1172と電気的に連通する通信モジュールまたは調節モジュール1174から、
図11に符号1158と付されている無線信号により表示されている通り、無線で温度情報を取得するように構成することができる。ACCシステムは、調理エピソードの際、受信した温度情報の少なくとも一部に基づいて、複数の調節器具1140a〜1140cのうち、一以上を調整する調理調整情報を提供するように構成することもできる。例えば、一部の実施態様において、ACCシステムは、調理エピソードの少なくとも一部分にわたって、調理器具部(図示せず)から、あるいは埋め込まれた温度センサー1172から、温度情報を受信することが可能であって、これから各調理箇所1120a〜1120cに対して、温度プロフィール履歴を監視および記録することができる。温度プロフィール履歴は、グリル1168に入っている各食品の温度を直接的または間接的に表すことができる。ACCシステムは、調理エピソードの際、例えば、複数の調節器具1140a〜1140dの対応する1つを、目的温度に接近および到達させるように調整させるための調理調整情報、および/または、一以上の調理操作に関連付けて選択された時間だけ、目的温度が維持されるように、調整させるための調理調整情報を提供することが可能である。
【0110】
一部の実施態様によれば、ACCシステムにより生成される調理情報には、一以上のディスプレイユニットからユーザーに伝達される可視調理情報または可視調理指示を含むことが可能であって、このようなディスプレイユニットとしては、計算装置1150自体のディスプレイ、野外グリル1110に属する別個の一乃至複数のディスプレイ1111、および/または調節器具1140a〜1140cに属するディスプレイ1142a〜1142c、などを挙げることができる。この調理情報または調理指示としては、例えば、現在の温度測定値、目的温度測定値、目的温度到達までの残り時間、目的温度での経過時間、または調理操作を補助するその他情報、を指し示すものを含むことができる。調理情報または調理指示には、特定の食品または料理に固有の個別指示、が含まれていもよく、例えば、バーガーを所望の焼き加減に調理するための「裏返し時間」指示、などがある。一部の実施態様において、特定の調理エピソードで有効とすることのできる調理箇所1120a〜1120cの各々に対して、異なる調理情報、および/または調理指示を、一以上の調節器具1140a〜1140cに同時に表示させることができる。このようにして、ユーザーは野外グリル1110にある複数のバーナーを同時に使用して、複数の料理または食品の用意をコーディネートし、および/または比較的複雑な料理または食品の用意を促進させることができる。この場合、各調節装置1140a〜1140cに各々設けられるディスプレイを中央部に配置させることが可能であって、また調節装置1140a〜1140cの周辺部に環状ダイヤル1144a〜1144cを提供することで、中央部に対して回転させることができる。環状ダイヤル1144a〜1144dは、野外グリル1100の熱源調整組立体における対応シャフト、例えば熱源調整組立体の「D型」シャフト、に連結させることができる。別の実施例では、調節器具1140a〜1140cは種々の異なる形態をとることが可能で、慣習的な加熱器および他の調理機器にある、種々のダイヤル、および/または、ノブに類似させることができる。
【0111】
一部の実施態様によれば、ACCシステムにより生成された調理情報に、受信した温度情報の少なくとも一部に基づいて、調節器具1140a〜1140dを自動操作するための命令が含まれる場合がある。この場合、調節器具1140a〜1140dの各々にモータ(ステッピング・モータなど)を具備することが可能であって、前記モータはACCシステムにより提供される調理調整情報に基づいて、野外グリル1110の熱源調整組立体のシャフトを回転させる構成を有している。より具体的には、野外グリル1110の熱源調整組立体の対応シャフトと連動するようにサイズ指定および形状指定された駆動シャフト連結器を、モータに具備することが可能であって、例えば、熱源調整組立体の「D型」シャフトなどがある。場合によっては、モータの駆動シャフト連結器は、慣習的な野外グリルのD型シャフトノブにおける連結器と類似していてもよい。モータが設けられる場合、モータのベース部は、野外グリル1110に固定されるか、および/または、調節器具1140a〜1140cの一つに近接する部分に固定され、これによりモータのベース部が固定されるが、同時に駆動シャフトが、熱源調整組立体の対応シャフトを回転自在に駆動できるようになっている。例えば、モータのベース部から、またはベース部が固定されている調節装置の別部分から、キーを延設することが可能であって、これにより野外グリル1110の表面その他の部分が、係合する。別の場合には、安定バー、板、ブラケット、その他の構造体を、隣接する調節器具1140a〜1140cの間に延設し、これにより隣接する調節器具1140a〜1140dのモータのベース部を、効果的にロックして回転しないようにし、同時に各駆動シャフトが、野外グリル1110の各調整組立体を選択的に駆動できるようになっている。
【0112】
一部の実施態様によれば、野外グリル1110にはセンサー1192がさらに含まれており、前記センサーは、ガスバーナー(図示せず)のガス燃料源1190の特性を感知するように構成されていて、また調節器具1140a〜1140cは、ガス燃料源1190の前記特性の少なくとも一部に基づいて、ガスバーナーへのガス流量を自動調整するように調節することができる。場合によっては、例えばセンサー1192を、ガス燃料源の圧力を感知するように構成された圧力センサーとすることが可能であって、また、圧力の読み取りの少なくとも一部に基づいて、ガス流量が自動調整されるように、調節器具1140a〜1140cを調節することができる(低下している圧力に基づいて流量を増加させる、等)。別の場合には、ガス燃料源の重量を感知するなどして、残存するガス燃料源の燃料レベルを感知するようにセンサーを構成することが可能で、これに従って、調節器具1140a〜1140cを自動的に調整することができる。
【0113】
食品用意システムの別の実施態様として、木炭、木材、木材ペレット、その他を熱源とする調理装置の形態をとる調理ユニット、を具備可能であって、調理装置には、例えば気流を調整可能に制限する装置またはファンなどの、少なくとも1つの気流調整装置が備えられている。このような実施態様では、調節装置を前記少なくとも1つの気流調整装置に連結させ、調理装置の内部あるいは調理装置に接して設けられる温度検知調理器具から得られる温度情報、あるいは調理装置自体に埋め込まれるか、別に設けられる温度センサーから得られる温度情報、に応じて気流を調節することにより、調理装置内部の調理環境の温度を調整することができる。
【0114】
食品用意システムのまた別の実施態様として、真空調理浸漬ユニットの形態をとる調理ユニットを含むことができる。この実施例では、少なくとも1つの調節可能な液体循環装置に、調節装置を連結させることによって、真空調理浸漬ユニットに埋め込まれるか、これに設けられる、一以上の温度センサーから得られる温度情報に応じて、真空調理浸漬ユニットに形成された調理環境内部の液体循環の調整ができるようになっている。
【0115】
食品用意システムの別の実施態様は、以下を含むものとして要約することができる:食品を受け入れる容器の少なくとも一部分を形成するベースと、調理器具部を操作するハンドルと、前記調理器具部のベースと一体化され、調理エピソードの際に、前記ベースもしくは食品の温度を示す温度情報を感知する、少なくとも1つの温度センサーと、前記ハンドルに連結され、前記調理器具部からの温度情報を送信する無線通信モジュールと、が設けられた調理器具部;調理エピソードの際に、前記調理器具部近傍の調理環境の特性を調整するために設けられた調節装置;および調理エピソードの際、前記調理器具部からの温度情報を受信し、受信した温度情報の少なくとも一部に基づいて、前記調節装置を調整する調理調整情報、を提供するように構成された調理調節システム。調理器具部の無線通信モジュールは、電源とRFトランスミッタを含むことが可能で、またハンドルの中に隠すこともできる。調節装置は、調理装置の熱源調整組立体のシャフトに連結可能であって、さらに調節装置は、調理調節システムにより提供される調理調整情報に応じて前記シャフトを選択的に回転させるモータを有している。本調節装置はディスプレイユニットを有することが可能で、これは調理エピソードの際に情報をユーザーに伝達し、調節装置の手動操作を促進させるために用いられる。食品用意システムはさらに位置センサーを設けることができ、前記位置センサーは調節装置の位置を感知するように配置され、また前記位置センサーは調理調節システムに通信可能に接続されており、調節装置の手動調整がなされると、前記調節装置の位置を示す通信データが調理調節システムに伝達されるようになっている。場合によっては、位置センサーを調節装置の中に組み込んでも構わない。調理装置は、少なくとも1つの加熱台調理箇所を有する加熱器とすることが可能で、また調理器具部は、前記少なくとも1つの加熱台調理箇所に配置可能な、深鍋あるいは平鍋とすることができる。食品用意システムは、情報を監視してこれを調理調節システムに伝達するために設けられたカメラをさらに有し、この調理調整情報はカメラを介して得られた前記情報のうち、少なくとも一部に基づいたものとすることができる。このカメラは熱画像カメラでもよく、前記熱カメラは、調理器具部またはこの中に受け入れられている食品からの熱情報を監視し、これを調理調節システムに伝達するために設けられる。前記食品用意システムはさらに重量感知装置を備えることが可能で、前記重量感知装置は、食品に関する重量情報を感知し、これを調理調節システムに伝達するように構成されており、またこの調理調整情報は、前記重量情報の少なくとも一部に、基づいたものとすることができる。前記食品用意システムはさらに、調理器具部に組み込まれた補助センサーを有することが可能で、食品に関連した補助的な非温度情報を感知し、前記補助的な非温度情報を、調理調節システムに伝達する。補助センサーに、以下のうち1つが備えられていてもよい:食品の湿度特性を感知する湿度センサー;食品の色彩を感知する色彩センサー;および食品の酸度、アルカリ度、および/または、香りに関わる他の性質、を感知する化学センサー。
【0116】
一実施例によれば、調理器具部のベースは多層構造を含むことが可能であって、前記多層構造には、第1の材料からなる少なくとも1つの層と、前記第1の材料とは異なる第2の材料からなる少なくとも1つの層と、を含むことが可能であって、少なくとも1つの温度センサーの引出し端と無線通信モジュールとの間に通路を形成するため、前記多層構造からなる層のうち少なくとも1つの層に、ベース通路が設けられる。別の実施態様では、調理器具部のベースは、単一材料からなる構造体が設けられ、ベース通路がこの単一構造体の内部を通って延設されており、少なくとも1つの温度センサーの引出し端と無線通信モジュールとの間に、通路が形成される。
【0117】
別の実施態様によれば、調理器具部は、調理エピソードの際に調理調節システムと協働し、調理調節システムの助けを借りて食品を用意するものであって、以下を含むものと要約できる:食品を受け入れる容器の少なくとも一部分を形成するベース;調理環境にある調理器具部を操作するハンドル;前記ベースと一体化され、調理エピソードの際に、前記ベースもしくは食品の温度を示す温度情報を感知する、少なくとも1つの温度センサー;調理器具部のハンドルに連結され、前記調理器具部から取得された温度情報を、調理調節システムに送信することで、調理の際、伝達された湿度情報の少なくとも一部に基づいて、調理環境の少なくとも1つの特性を調整することのできる無線通信モジュール。ベースにベース通路を設けることができて、ベース通路は、調理面の下にある第一位置と、容器の周辺またはその周辺近傍にある第二位置と、の間に延設されており、前記ハンドルに、ベースのベース通路と連通するハンドル通路、が設けられる場合があり、また前記少なくとも1つの温度センサーは熱電対でもよく、前記熱電対は、第一位置に設けられた引出し端と、ベース通路およびハンドル通路を通って無線通信モジュール近傍に設けられた冷接点へと延設されている中間部と、を有していて、温度センサーは無線通信モジュールに通信可能に接続可能であって、熱電対により感知された温度情報を、調理器具部から、無線通信モジュールを用いて送信することができる。場合によっては、無線通信モジュールは、電源とRFトランスミッタを含むことが可能で、またハンドルの中に隠されている。調理器具部は無線通信モジュールと通信可能に接続する重量感知組立体をさらに含むことが可能で、これにより食品の重量を感知し、また重量情報を調理調節システムに伝達することができる。この重量感知組立体をハンドルに設けることが可能であって、また重量感知組立体に少なくとも1つのひずみゲージを設けることで、調理器具部が持ち上げられた状態でのハンドルの変形に基づいて、食品のおおよその重量を感知することができる。食品用意システムはさらに、調理器具部に組み込まれた補助センサーを有することが可能で、これにより食品に関する補助的な非温度情報を感知し、前記補助的な非温度情報を、調理調節システムに伝達することができる。補助センサーに、以下のうち1つが備えられていてもよい:食品の湿度特性を感知する湿度センサー;食品の色彩を感知する色彩センサー;食品の酸度、アルカリ度、および/または、香りに関わる他の性質、を感知する化学センサー。
【0118】
調理エピソードの際に、調理調節システムと協働可能に食品を用意する調節ノブの別な実施例は、以下を含むものとして要約できる:調理装置の熱源調整組立体のシャフトと連動して構成される連結器部分;および前記連結器部分に連結され、調理エビソードの際に前記調理調節システムから提供される調理調整情報に応じて、前記熱源調整組立体のシャフトを選択的に回転させるモータ。調節ノブには、調理装置に固定可能なベース部をさらに含むことが可能で、また前記連結器部分は、モータを介してベース部に対して回転自在となっており、これにより、熱源調整組立体のシャフトを制御して回転させることができる。調節ノブはディスプレイユニットをさらに含むことが可能で、前記ディスプレイユニットは調理エピソードの際、調理調節システムにより提供される調理調整情報を表示するように構成されている。調節ノブは、調理エピソードの際に調理調節システムにより提供される調理調整情報に応じて、調節ノブを調整するための音声信号を、受信するように構成された音声入力装置と、および/または、調理エピソードの際に調理調節システムにより提供される調理調整情報を含んだ音声信号を、出力するように構成された音声出力装置と、をさらに含むことができる。
【0119】
調理エピソードの際、調理調節システムと協働して食品を用意することのできる、調節ノブの別実施例は、以下を含むものと要約できる:調理エピソードの際に前記調理調節システムにより提供される調理調整情報を表示するように構成されたディスプレイユニットを含むベース部;調理装置の熱源調整組立体のシャフトと連動するように構成することで、表示された調理調整情報に応じて、熱源を選択的に調節可能とする連結器部分。ベース部は調理装置に固定可能であって、また連結器部分がベース部に対して回転自在で、表示された調理調整情報に応じて、熱源調整組立体のシャフトを選択的に回転させることができる。この連結器部分は、調理エピソードの際に前記調理調節システムにより提供される調理調整情報に応じて、ユーザーが手動操作することができる。調節ノブは、連結器部分に連結されたモータをさらに含むことができ、これにより、調理エピソードの際に調理調節システムにより提供される調理調整情報に応じて、熱源調整組立体のシャフトを選択的に回転させることができる。連結器部分はまたユーザーが手動で調整することも可能であって、モータとは独立して連結器部分の調節をすることができる。
【0120】
調理器具部の実施態様は、以下を含むものと要約できる:
食品を受け入れて加熱する調理面により容器の少なくとも一部を形成し、前記調理面の下にある第一位置と、前記容器の周辺またはその周辺近傍にある第二位置と、の間に延設されるベース通路を含むベースと;前記第二位置またはその近傍にある前記ベースに連結され、また前記ベースのベース通路と連通するハンドル通路を備えたハンドルと;前記ハンドルに連結された無線通信モジュールと;前記第一位置に設けられ、前記ベース通路と前記ハンドルを通って延びる絶縁導線を介して無線通信モジュールへと通信可能に連結される温度センサーであって、前記少なくとも1つの温度センサーにより感知された温度情報が、前記無線通信モジュールにより前記調理器具部から伝達可能となっている、少なくとも1つの温度センサー。場合によっては、ベース調理器具部は多層構造を含むことが可能であって、前記多層構造には、第1の材料からなる少なくとも1つの層と、前記第1の材料とは異なる第2の材料からなる少なくとも1つの層と、を含むことが可能であって、前記多層構造からなる層のうち少なくとも1つの層に、ベース通路を設けてもよい。多層構造は溶接、ろう付け、衝撃接着させることができ、またベース通路をこれらの層のうち少なくとも1つの層の中に直接形成させることができる。少なくとも一部の実施態様において、ベース通路には、多重構造からなる層の中に設けられた充填材の除去により形成された空洞部を含むことができる。別の場合には、ベースには、内部を通って延設されるベース通路680が設けられ、単一材料からなる構造体を含むことができる。調理器具部にはヒートシンクをさらに設けることが可能であって、前記ヒートシンクは電源に連結され、一以上の調整エピソードの際、外部熱源から得られる熱を利用して、無線通信モジュールの電源を再充電するように構成されている。調理器具部は、無線通信モジュールと通信可能に接続する重量感知組立体をさらに含むことが可能で、これにより食品の重量を感知し、重量情報を調理調節システムに伝達することができる。重量感知組立体はハンドルに設けることが可能であって、重量感知組立体に少なくとも1つのひずみゲージを設けることで、調理器具部が持ち上げられた形態でのハンドルの変形に基づいて、食品のおおよその重量を感知することができる。調理器具部には、無線通信モジュールに通信可能に接続され、バーナー着火イベントまたは他のイベントを表す音声信号を受信し、調理器具部からイベント情報を無線通信するように構成される音声入力装置と、前記少なくとも1つの温度センサーに通信可能に接続され、前記温度センサーにより感知された温度情報の少なくとも一部に基づいた音声信号を出力するように構成されている音声出力装置と、をさらに含むことができる。前記調理器具部は、前記ベースに取外し可能に連結して閉鎖的調理環境を形成する蓋と;前記蓋と連結して前記閉鎖的調理環境内部の温度を感知する少なくとも1つの補助温度センサーと;前記蓋に連結され、前記少なくとも1つの補助温度センサーに感知された温度情報が、前記調理器具部から送信可能となる補助無線通信モジュールと、をさらに具備することができる。前記閉鎖的調理環境は、浅いベース部とドーム状の蓋が設けられたダッチオーブンまたは逆さダッチオーブンに類似させることができる。別の場合には、閉鎖的調理環境は、浅いベースと円錐状の蓋が設けられたタジンに類似させることができる。
【0121】
一以上の調理エピソードの際に、温度検知調理器具と協働して食品を用意する調理装置の実施態様は、以下を含むものとして要約できる:調理環境を形成し、少なくとも1つの調理箇所または調理面が設けられ、その範囲内あるいは上部に前記温度検知調理器具が受け入れられる調理ユニット;および、前記調理ユニットに連結された少なくとも1つの調節装置であって、前記少なくとも1つの調節装置にモータが備えられ、前記温度検知調理器具から取得された温度情報に応じて、前記少なくとも1つの調理箇所または調理面の近傍にある調理環境の、少なくとも1つの特徴を調整するように構成されていることを特徴とする、少なくとも1つの調節装置。調理ユニットは、例えば、複数の調節器具にそれぞれ対応して、複数のガスバーナーが設けられた調理台を含むことが可能であって、前記複数の調節器具の各々は、前記温度検知調理器具から取得された温度情報に応じて、各ガスバーナーに対するガス流量を、自動的に調整するように構成することができる。別の実施態様によれば、調理ユニットは、例えば、複数の調節器具にそれぞれ対応して、複数の伝導式もしくは放射式の電気調理箇所が設けられた調理台を含むことが可能であって、前記複数の調節器具の各々は、前記温度検知調理器具から取得された温度情報に応じて、伝導式もしくは放射式の電気調理箇所の調理箇所の各々の熱出力を、自動的に調整するように構成することができる。前記調理装置はさらに、調理ユニットに関連付けられたディスプレイをさらに備えることができて、温度検知調理器具から得られた温度情報の少なくとも一部に基づく情報を、表示するように構成されている。また別の実施態様によれば、調理ユニットにはグリルと、前記少なくとも1つの調節装置を介して操作可能な少なくとも1つのガスバーナーと、を具備可能であって、これにより前記グリルに少なくとも1つの調理箇所または調理面が形成される。調理ユニットはさらに、少なくとも1つのガスバーナーのガス燃料源の特性を感知するように構成されたセンサーを備え、また前記少なくとも1つの調節装置は、ガス燃料源の前記特性の少なくとも一部に基づいて、前記少なくとも1つのガスバーナーに対するガス流量を自動調整するように構成することができる。このセンサーは、ガス燃料源の圧力を感知するように構成可能である。このセンサーは、ガス燃料源の残存燃料レベルを感知するように構成可能である。別の実施態様によれば、前記調理ユニットは、少なくとも1つの気流調整装置が備えられた、木炭、木材、木材ペレット、その他を熱源とする調理ユニットを具備可能であり、また前記調節装置を前記少なくとも1つの気流調整装置に連結させることが可能であって、これにより前記温度検知調理器具から得られる温度情報に応じて、調理ユニットの調理環境の温度を調整できるようになっている。この気流調整装置は、気流を調整可能に制限する装置またはファンである。
【0122】
一以上の調理エピソードの際に、温度検知調理器具と協働可能に食品を用意する調理装置の別実施例は、以下を含むものとして要約できる:調理環境を形成し、少なくとも1つの調理箇所または調理面が設けられ、その内部あるいは上部に前記温度検知調理器具が受け入れられる調理ユニット;および前記調理ユニットに接続され、一体型ディスプレイユニットを備える少なくとも1つの調節ノブであって、前記少なくとも1つの調節ノブは、温度検知調理器具から得られる温度情報の少なくとも一部に基づいて情報を表示するように構成され、また前記少なくとも1つの調節ノブは、表示された情報に応じて、調理環境の少なくとも1つの特性を調整するため、ユーザーにより操作可能となっていることを特徴とする少なくとも1つの調節ノブ。調理ユニットは、例えば、複数の調節ノブにそれぞれ対応して、複数のガスバーナーが設けられた調理台を含むことが可能であって、前記複数の調節ノブの各々は、調節ノブ自体に表示された情報に応じて、各ガスバーナーに対するガス流量を調整するために、ユーザーが操作することができる。
【0123】
一以上の調理エピソードの際に食品を用意する調理装置の実施態様は、以下を含むものとして要約できる:調理環境を形成し、少なくとも1つの調理面が設けられ、調理エピソードの際にその上部に食品を受け入れる調理ユニットであって、前記少なくとも1つの調理面には、調理エピソードの際に食品の温度を示す温度情報を感知する、少なくとも1つの温度センサーが含まれていることを特徴とする調理ユニット;および、前記調理ユニットに連結され、モータが設けられている少なくとも1つの調節装置であって、前記少なくとも1つの温度センサーから取得された温度情報に応じて、前記少なくとも1つの調理箇所または調理面の近傍にある調理環境の、少なくとも1つの特徴を自動調整するように構成されていることを特徴とする少なくとも1つの調節装置。前記調理装置は、調理ユニットに関連付けられ、温度センサーから得られた温度情報の少なくとも一部に基づく情報を表示するように構成されているディスプレイ、をさらに備えることができる。調理ユニットは、例えば、前記少なくとも1つの調節装置を介して操作可能な、少なくとも1つのガスバーナーが設けられたグリルユニットを含むことが可能であって、前記調理面をグリルとしてもよく、また前記少なくとも1つの温度センサーを前記グリルの内部に設けることができる。別の実施例として、調理ユニットには調理台が設けられ、前記少なくとも1つの調理面は、伝導式もしくは放射式の電気調理デバイスによって提供され、また、前記調節装置は、前記少なくとも1つの温度センサーから得られた温度情報に応じて、前記伝導式もしくは放射式の電気調理デバイスの熱出力を調整するように構成することができる。また別の実施例として、前記調理ユニットは、少なくとも1つの気流調整装置が備えられた木炭、木材、木材ペレット、その他を熱源とする調理ユニットを具備可能であって、また、前記調節装置を前記少なくとも1つの気流調整装置に連結させることが可能であって、これにより前記少なくとも1つの温度センサーから得られる温度情報に応じて、調理ユニットの調理環境温度を調整できるようになっている。前記気流調整装置は、例えば、調整可能に気流を制限する装置またはファンとすることができる。
【0124】
図19は、例示的な調理エピソードの一部分での、例示的な温度変化と、調節装置の応答を示すグラフ1910である。特に、グラフ1910に図示された例では、グラフのX軸は時間に対応し、またグラフの左側は、この例の調理エピソードの開始時に対応している。Y軸は、制御されている調理器具部の内容物(この例においては深鍋あるいは平鍋に入っている水)の摂氏温度を示しており、このグラフの線1920は時間経過に対する温度変化を示している。右のY軸は、調節装置から供給される熱を示していて、調節装置はこの場合、スマート調節ノブ(またはダイヤル)装置であって、スマート調節ノブ(またはダイヤル)装置は、調理器具部の下部にあるガスバーナーに供給されているガスを操作し、グラフの線1930は、時間経過に対する調節ノブの設定もしくは位置を示している(この例において、調節ノブの「最大」の設定または位置における、完全または最大のガス流、に対する百分率として表現されており、0%は調節ノブが「オフ」である設定もしくは位置に対応している)。温度情報の一部または全部は、例えば、調理器具部の中(ハンドルの中、など)に含まれる無線トランスミッタを用いて、調理器具部から供給可能であって、調理器具部の中(ベースの中、等)に組み込まれた、一以上の温度センサーにより提供される測定値に基づいている。反対に、温度情報の一部または全部は、例えば、スマート温度プローブから供給することが可能であって、前記スマート温度プローブは、調理器具部に一時的に取付けられて、内容物の内部に延設されており、また前記スマート温度プローブの中に設けられた無線トランスミッタを用いて、前記温度情報の一部または全部を提供可能であって、これらはスマート温度プローブの中に設けられた一以上の温度センサーにより提供される測定値に基づいている。
【0125】
図19に図示した実施例の開始時では、調節ノブが、関連付けされたバーナーのガスを高(100%)に回し、調理器具部にある水を、できるだけ早く目的温度にさせる。水が目的温度である87℃に近づくと、正確な目的値に到達させるため、調節ノブがガス流のダイヤルを逆に戻し始める。その後冷水が平鍋に添加されると、水の温度が降下し、調節ノブが反応してガス流が再び100%まで上昇する。温度が再び目的レベルまで近づくと、調節ノブが再びバーナーへのガス流を減少させ、目的温度が達成される。
【0126】
図20は
図19の実施例を引き続き時間延長したものであって、この調理エピソードの追加部分で追加の監視が行われ、また調節装置が対応する。特に、
図20はグラフ2010を図示していて、グラフの左側約4分の3に、
図19のグラフ1910が含まれており、グラフの右側約4分の1は、調理エピソードに発生した追加時間を示している。グラフ2010に図示されたさらなる実施例では、温度が目的温度87℃に安定化すると、調節ノブが最大値の約15%に値する熱保持レベルに戻って、しばらくの間、安定した87℃の目的温度の温度が継続する。しかし、温度線の上昇2030が示す通り、この時間が経過した後は、調節ノブが対応して高くならないままに、温度が急に上昇し始める。この例では、調理器具部の水が急に沸きこぼれ、急な温度上昇を引き起こしている。自動調理調節システムは、温度の監視に基づいて水が沸きこぼれていそうかを判断すること等により、問題が起こったことを判断する。この例においては、自動調理調節システムは、調理エピソードのさらなる自動調節を行って、これにより判断された問題に対処し、このようなものとしては、調節ノブの自動操作などにより(例えば、調節ノブの中に設けられたモータの使用により)、この例の降下2020により図示されている通り、ガスを急に減少(オフに切る)させることが含まれる。
【0127】
図20には図示されていないが、自動化された加熱の減少に加えて、あるいはこの代わりに関わりなく、自動調理調節システムは判断された問題に対処するために、別の自動操作を行うことが可能であって、これにより(ユーザーの携帯機器、および/または調節ノブの表示機構、に表示されるGUI上の警告表示などを介して、)調理エピソードに参加するユーザーに警告を送るようになっている。
図20には図示されていないが、自動調理調節システムを監視することにより、予測される時間に温度(および/または、その他監視された状況)の変化がない場合、例えば、関連する調節ノブを自動的に変えて、供給される加熱量を変更しようと試みた場合(加熱の上昇あるいは減少とは関係なしに、温度変化がなく、例えば、電池故障もしくはその他調節ノブの作動不良、加熱に使用された対応燃料が枯渇していること、等が示唆される場合)、ユーザーが変化を伴う操作を行うように、指示された場合(残存する内容物の温度が上昇または下降することが予想されるような内容物を添加し、これにより添加された内容物と残存する内容物との間にある相対的な温度差が反映されるようになっており、温度変化の欠如が、ユーザーが正しい操作を誤ったか、あるいは、不正確な操作が行われたことを示すようになっている)、等、などに起こる問題がさらに検知され、これに対処することが可能になる。このようにして、自動調理調節システムは種々の問題を検知および判断し、またこれに対応して、本明細書に詳細に議論されているような、適当な自動修正操作を行う。
【0128】
図21は、携帯計算装置2110と、自動調理調節システムのユーザーインターフェースにおける例示的なスクリーンショット2120とを示している。この例において、スクリーンショットには、携帯機器に関連付けされた一以上の調理器具の、現在および過去における(現在の調理エピソードの期間中、など)温度を表示した情報が含まれている。図示された例示的なスクリーンショットには、調理エピソードの際に用意される食品(この例において、牛肉)に関する追加情報がさらに含まれ、ユーザーが選択可能な調節機能により、食品に対する様々な完成具合(この例では、「レア(Rare)」、「ミディアム(Medium)」、「ミディアムレア(Medium Rare)」、「ウェルダン(Well done)」)に対応して、ユーザーが温度を変更することができるようになっている。本明細書の他の箇所でより詳細に説明するように、他の実施形態および状況では、様々なタイプのユーザー指示およびその他の情報が、このようなGUIを介してさらに表示されてもよく、また実施態様および状況によっては、携帯機器を介さない方法で、一以上のユーザーに情報が表示されてもよい。
【0129】
図22は、スマート調節ノブ調節装置2210の頂部に組み込まれた表示機構の例を図示している。特に、
図22の例において、スマート調節ノブの頂部中心部を取り囲む円形部にディスプレイが設けられ、ここから情報が提示される。
図22の例では、表示された情報には、現在の温度および制御されている調理箇所(オーブン内部など)が目的温度に到達するまでの状態、が示された情報2220が含まれており、またユーザーに、現在の調理エピソードの一部となる操作を行わせるための指示を与える情報2230が含まれている。本明細書の他の箇所でより詳細に説明するように、他の実施形態および状況では、様々な別タイプのユーザー指示およびその他の情報が、このようなGUIを介してさらに表示されてもよく、このようなものとして、警告、関連する調理器具部の温度、等を挙げることができる。加えて、
図22には図示されないが、実施態様によっては、このようなスマート調節ノブに、タッチセンサー式のディスプレイ、および/またはユーザーが自動調理調節システムに情報を提供することを可能にする他の入力機構、を設けることが可能であって、例えば、パラメータを設定すること、ユーザーが指示された操作を完了した旨を示すこと、現在の調理エピソードまたはその他タイプの機能を介して、自動調理調節システムに指示を与えること、等ができるようになっている。なお、ここには図示されないが、実施態様および状況によっては、別タイプのスマート調理器具に、同様の態様で使用される表示機構が、同様に含まれていてもよく、例えばスマート温度プローブにこの種の表示機構が(例えば、熱測定されている調理器具の内容物とは反対側の側面、および/または端部に)設けられていてもよい。
【0130】
本明細書に記載された種々の実施形態は、料理活動を促進するのに特によく適合したシステム、方法、手法、ならびに、これに関連する調理機器および部品に関し、またアフターサービスの改良キットならびに組込型の調理機器および調理装置に応用可能な概念を含んでいる。実施形態には、幅広い調理器具、例えば、幅広い深鍋および平鍋などを含むことができる。
【0131】
本明細書に記載された装置および手法の限定されない実施態様を、下記の文節にてさらに説明する。
A.一以上の調理器具部の加熱を変更させる一以上の調節器具を手動操作する人間によって、調理エピソードの手動部分を調節するステップであって、前記調理エピソードには前記一以上の調理器具部を用いて食材を調理することが含まれ、また前記手動部分が前記調理エピソードの一部分であり、かつ前記手動部分に前記一以上の調理器具部の加熱を変化させるステップが含まれるステップと;
食材を調理する自動調節レシピに基づき、一以上の設定された計算装置を用いて、前記調理エピソードのうち前記手動部分とは異なる一以上の自動部分を制御するステップであって、前記一以上の自動部分に、前記一以上の調理器具部の加熱を他に変化させて食材の調理を進行させる、前記一以上の調節器具の自動操作を実行するステップが含まれるステップと、を備えたことを特徴とする方法。
B.前記一以上の自動部分のうち少なくとも1つの自動部分の後に、前記調理エピソードの前記手動部分を行い、前記手動部分には、前記少なくとも1つの自動部分のうち、食材の最初の調理部分の後に、一以上の人間が前記調理エピソードの管理を行うことを含んでおり、
また前記最初の調理部分には、前記一以上の調節器具の、一以上の設定された計算装置による、一以上の自動操作が含まれ、これにより前記一以上の調節器具のうち少なくとも1つの調節器具の温度が確立され、
また前記調理エピソードの前記手動部分には、前記少なくとも1つの調理器具部の温度を変化させる前記一以上の調節器具の、一以上の人間による、一以上の手動操作が含まれることを特徴とする文節A記載の方法。
C.前記手動部分の後に少なくとも1つの追加自動部分が実行され、前記少なくとも1つの追加自動部分には、前記一以上の設定された計算装置が、食材の調理を完成することを含んでおり、
また前記調理エピソードの前記少なくとも1つの追加自動部分には、前記一以上の調理器具部の一以上の温度をさらに変化させる前記一以上の調節器具の、前記一以上の設定された計算装置による、一以上の追加自動操作が含まれることを特徴とする文節B記載の方法。
D.前記調理エピソードの前記手動部分は、一以上の人間が食材を一部調理することを含み、かつ前記手動部分には、前記一以上の調節器具の、一以上の人間による、一以上の手動操作が含まれており、これにより前記一以上の調理器具部における一以上の温度が確立され、
また前記一以上の自動部分には、前記手動部分の後に実行される少なくとも1つの追加自動部分が含まれ、かつ前記一以上の自動部分には、前記一以上の設定された計算装置が食材の調理を完成させることが含まれており、
また前記調理エピソードの前記少なくとも1つの追加自動部分には、前記一以上の調理器具部の一以上の温度のうち少なくとも1つの温度を変化させる前記一以上の調節器具の、前記一以上の設定された計算装置による、一以上の追加自動操作が含まれることを特徴とする文節A記載の方法。
E.前記調理エピソードの前記手動部分は、前記一以上の調節器具の、一以上の人間による、一以上の手動操作から構成され、これにより前記一以上の調理器具部の加熱を行うために利用される熱源の運転を開始して、前記一以上の調理器具部の加熱が始まり、
また前記調理エピソードの前記一以上の自動部分には、前記一以上の設定された計算装置が、前記一以上の調理器具部の自動操作を実行することを含んでおり、食材の調理が完成するまでに前記熱源の運転を変更することで、前記一以上の調理器具部の加熱を全て他に変化させることを特徴とする文節Aに記載の方法。
F.一以上の設定された計算装置を用い、加熱を変更させる一以上の調節器具の操作に応じて、一以上の調理器具部に対する加熱性能を判断するステップと、
前記一以上の設定された計算装置を用い、また前記一以上の調理器具部に対して判断された加熱性能の少なくとも一部に基づいて、調理エピソードを制御するステップと、からなり、
調理エピソードは、前記一以上の調理器具部で一定時間にわたり食材を調理することを含み、
前記制御するステップには、食材の調理に自動調節レシピを使用することが含まれ、これにより前記一以上の調節器具における複数の自動操作を指示して、前記一定時間にわたり、前記一以上の調理器具部における一以上の温度を、前記一以上の調節器具により複数変化させることを特徴とする方法。
G.前記一以上の調理器具部に対する加熱性能を判断するステップには、前記一以上の調節器具に操作を行うステップと、前記操作から生じる前記一以上の調節器具に対する変化量に応じて、前記一以上の調理器具部の温度変化量を監視するステップと、が含まれることを特徴とする文節F記載の方法。
H.前記一以上の調理器具部に対する加熱性能を判断するステップには、前記一以上の調節器具に操作を行うステップと、前記操作から生じる前記一以上の調節器具に対する変化量に応じて、前記一以上の調理器具部を加熱するために用いられる熱源により生成された熱量の変化を監視する監視ステップと、が含まれることを特徴とする文節F記載の方法。
I.調理用に生成された熱を操作し、別個の熱生成量に各々対応して複数の設定を有する調節装置を、一以上の設定された計算装置を用いて校正するステップであって、前記校正するステップには、熱量の生成なしに対応するオフ設定と、最大の熱生成量に対応する最大設定と、を含む複数の設定に関する情報を収集するステップが含まれるステップと;
前記一以上の設定された計算装置を用い、また前記校正するステップの少なくとも一部に基づいて、調理エピソードを制御するステップであって、前記調理エピソードは、前記調節装置を介して加熱される一以上の調理器具部で、食材を調理することを含んでおり、前記制御するステップには、前記一以上の調理器具部の一以上の温度を変化させる前記調節装置の自動操作を実行するステップが含まれるステップと、を備えたことを特徴とする方法。
J.前記調節装置がスマートノブであって、前記スマートノブは前記複数の設定に対応する複数の位置を有し、また前記複数の位置のうちどの位置に前記調節装置がいるのかを判断できる位置検知機構を有し、
また前記調節装置の前記校正するステップには、:
前記調節装置を前記オフ設定にさせる旨のプロンプトをユーザーに表示し、前記位置検知機構を用いることで、対応する前記調節装置のオフ位置を記録するステップと;
前記調節装置を前記最大設定にさせる別のプロンプトをユーザーに表示し、前記位置検知機構を用いることで、対応する前記調節装置の最大位置を記録するステップと、が含まれていることを特徴とする文節I記載の方法。
K.前記スマートノブには、前記スマートノブを前記複数の位置にそれぞれ動かすことのできるモータがさらに設けられ、
また前記調節装置の校正するステップには、前記モータを用いて前記スマートノブを、前記複数の位置における複数の追加位置のそれぞれに動かすステップと、これに対応する応答を記録するステップと、がさらに含まれ、また前記対応する応答には、前記一以上の調理器具部で生成される熱量に対する変化、または前記一以上の調理器具部の一以上の温度に対する変化、のうち少なくとも1つの変化が含まれていることを特徴とする文節J記載の方法。
L.生成された熱を操作し、別個の熱生成量に各々対応して複数の設定を有する調節装置、を使用して加熱される調理器具部を、一以上の設定された計算装置を用いて校正するステップであって、前記校正するステップには、前記モータを用いて前記調節装置を、前記複数の位置にそれぞれ動かすステップと、これに対応する応答を記録するステップと、が含まれ、また前記対応する応答には、一以上の調理器具部で生成される熱量に対する変化、または一以上の調理器具部の一以上の温度に対する変化、のうち少なくとも1つの変化が含まれるステップと;
前記一以上の設定された計算装置を用い、また前記校正するステップの少なくとも一部に基づいて、調理エピソードを制御するステップであって、前記調理エピソードは、前記調節装置を用いた前記一以上の調理器具部の加熱に基づいて、食材を調理することを含んでおり、前記制御するステップには、前記調節装置の自動操作を実行するステップが含まれるステップと、を備えたことを特徴とする方法。
M.前記調節装置が、前記モータを備えたスマートノブであって、
前記調節装置の前記校正するステップには、一以上の調理器具部の一以上の温度の変化を監視して、これに対応する応答を判断するステップが含まれていることを特徴とする文節L記載の方法。
N.一以上の設定された計算装置により、一以上の調理器具部で一定時間にわたり食材を調理する調理エピソードを制御するステップであって、前記制御するステップには、食材の調理に自動調節レシピを使用することが含まれ、これにより前記一定時間にわたり、前記一以上の調理器具部の一以上の温度を複数変化させる一以上の調節器具において、その複数の自動操作が指示されるステップと;
前記一以上の設定された計算装置により、前記調理エピソードの監視に基づいて、食材の調理が完了する前の一定時間に起こる問題を判断するステップと;
前記判断するステップに応じて、食材の調理が完了する前に、前記一以上の設定された計算装置を用いて、判断された問題を解決する一以上の動作を実行するステップと、を備えたことを特徴とする方法。
O.前記調理エピソードの監視には、
前記一以上の調理器具部の温度を監視するステップと、
しきい値を超え、また前記一以上の前記調節器具の複数の自動操作のうち何れにも対応しない、前記一以上の調理器具部のうち少なくとも1つの調理器具部の温度の上昇を検知するステップと、が含まれることを特徴とする文節N記載の方法。
P.前記問題を判断するステップには、検知された温度の上昇が、前記少なくとも1つの調理器具部の中の水が沸きこぼれたことに起因するものであることを判断するステップが含まれていることを特徴とする文節O記載の方法。
Q.前記問題を判断するステップには、検知された温度の上昇が、任意ユーザーによる前記一以上の調節器具の何らかの手動操作に起因するものではないことを判断するステップが含まれていることを特徴とする文節P記載の方法。
R.前記判断された問題を解決する一以上の動作を実行するステップには、前記一以上の調節器具における一以上の追加自動操作を実行して、前記少なくとも1つの調理器具部の温度を下げるステップが含まれていることを特徴とする文節P記載の方法。
S.前記判断された問題を解決する一以上の動作を実行するステップには、前記一以上の調節器具における一以上の追加自動操作を実行して、前記少なくとも1つの調理器具部の熱源を断つステップが含まれていることを特徴とする文節P記載の方法。
T.前記判断された問題を解決する一以上の動作を実行するステップには、調理エピソードに参加する一以上のユーザーの所有する一以上の携帯機器に、一以上の電子通知を送信するステップが含まれていることを特徴とする文節P記載の方法。
U.前記調理エピソードの監視には、調理エピソードに参加するユーザーの所有する携帯機器と、前記一以上の調理器具部または前記一以上の調節器具のうち少なくとも何れか1つと、の間の無線接続を監視するステップと、前記無線接続が終了したことを検知するステップと、が含まれていることを特徴とする文節N記載の方法。
V.前記問題を判断するステップには、ユーザーの所有する携帯電話が、無線接続が維持できる範囲外に移動したことを判断するステップが含まれ、また前記判断された問題を解決する一以上の動作を実行するステップには、前記一以上の調節器具における一以上の追加自動操作を実行して、前記少なくとも1つの調理器具部の加熱を減らすステップが含まれていることを特徴とする文節U記載の方法。
W.前記調理エピソードを制御するステップには、指定時間に指定された食材を、少なくとも1個の調理器具に加える指示を、ユーザーに提供するステップが含まれ、
また前記調理エピソードの監視には、前記少なくとも1つの調理器具部の温度を監視するステップと、前記少なくとも1つの調理器具部に前記指定された食材が加えられたことに対応して、前記少なくとも1つの調理器具部の温度に期待される温度低下が欠如していることを検知するステップと、が含まれていることを特徴とする文節N記載の方法。
X.前記判断された問題を解決する一以上の動作を実行するステップには、前記一以上の調節器具における一以上の追加自動操作を実行して、前記少なくとも1つの調理器具部の温度を下げるステップが含まれていることを特徴とする文節N記載の方法。
Y.前記判断された問題を解決する一以上の動作を実行するステップには、前記一以上の調節器具における一以上の追加自動操作を実行して、前記少なくとも1つの調理器具部の熱源を断つステップが含まれていることを特徴とする文節N記載の方法。
Z.前記判断された問題を解決する一以上の動作を実行するステップには、調理エピソードに参加する一以上のユーザーの所有する一以上の携帯機器に、一以上の電子通知を送信するステップが含まれていることを特徴とする文節N記載の方法。
A1.前記調理エピソードの監視には、前記一以上の調理器具部の温度の監視が含まれ、また前記問題を判断するステップには、前記一以上の調理器具部うち少なくとも1つの調理器具部の、少なくとも1つの対応する温度変化を引き起こすと予想される、前記複数の自動操作のうち少なくとも1つの自動操作に応じて、前記少なくとも1つの対応する温度変化が、所定のしきい値時間内に起こらないことを検知するステップを含むことを特徴とする文節N記載の方法。
A2.前記一以上の調節器具のうち少なくとも1つの調節器具が、可燃性ガスを燃焼させるように設計された発熱体に供給される可燃性ガスの量を操作し、また前記調理エピソードの監視には、可燃性ガスが前記発熱体に供給されている一方で、供給された可燃性ガスが前記発熱体により燃焼されていないことを判断するステップが含まれ、また前記複数の自動操作には、前記発熱体への可燃性ガスの供給を停止するステップが含まれていることを特徴とする文節N記載の方法。
A3.ユーザーが調節装置の使用を開始することに関する情報が、一以上の設定された計算装置により受信されるステップであって、前記調節装置は一以上の箇所への加熱を変更して、調理エピソードの際に食材を調理するために、一以上の調理器具部が使用できるステップと;
前記一以上の設定された計算装置を用いて、ユーザーに前記調節装置を使用する権限がないことを示す問題を判断するステップと;
前記一以上の設定された計算装置を用い、前記判断するステップに基づいて、前記ユーザーによる前記調節装置の使用を妨げるステップと、を備えたことを特徴とする方法。
A4.前記情報を受信するステップの前に、権限のあるユーザーの所有する携帯機器と、前記一以上の調理器具部または前記調節装置のうち少なくとも1つと、の間に無線接続を開始するステップをさらに備え、
前記問題を判断するステップには、前記情報を受信した時間に無線接続が利用できないことを判断するステップが含まれていることを特徴とする文節A3記載の方法。
A5.前記情報を受信するステップの前に、前記調節装置を使用するためのセキリュティー情報を設定するステップをさらに備え、また前記問題を判断するステップには、前記情報を受信した時間に前記セキリュティー情報が提供されなかったことを判断するステップが含まれることを特徴とする文節A3記載の方法。
A6.情報を受信するステップの前に、ユーザーの所有する携帯機器を用いて無線接続を開始するステップをさらに含み、また前記情報を受信するステップには、ユーザーにより送信された指示を、無線接続を介して受信するステップが含まれることを特徴とする文節A5記載の方法。
A7.前記調節装置が第1の地理的位置に配置され、前記情報を受信するステップには、遠隔的な第2の地理的位置から一以上のコンピューター・ネットワークを介して、ユーザーにより送信された指示を受信するステップが含まれることを特徴とする文節A5記載の方法。
A8.前記調節装置がスマートノブであって、前記スマートノブには複数の位置が設けられ、前記スマートノブには前記調節装置が前記複数の位置のうちどの位置にあるのかを判断することのできる位置検出機構が設けられ、
また前記情報を受信するステップには、前記位置検出機構を用いてユーザーが前記調節装置を動かしたことを判断するステップが含まれることを特徴とする文節A3記載の方法。
A9.前記調節装置にはオフ位置を含む複数の位置が設けられ、また前記調節装置には前記調節装置を前記複数の位置の各々に動かすことのできるモータが設けられており、また前記調節装置の使用を妨げるステップには、前記モータを用いて、前記調節装置を前記オフ位置へと動かすか、あるいは前記調節装置が前記オフ位置から動かないようにするか、のうち少なくとも何れか一方を実行するステップが含まれることを特徴とする文節A3記載の方法。
A10.一以上の設定された計算装置により、食材の調理に自動調節レシピを用いて食材を調理することを行う調理エピソードを制御するステップであって、これにより調理器具部に供給される熱を操作するスマートノブ装置の、複数の自動操作が指示され、また前記スマートノブ装置には、前記スマートノブ装置を複数の位置にそれぞれ動かすことのできるモータが設けられ、また前記スマートノブ装置には、前記スマートノブ装置の一部として組み入れられた表示機構が設けられているステップと;
前記調理エピソードを制御する際に、前記一以上の設定された計算装置を用いて、前記調理エピソードに参加するユーザーに対して表示させるために、前記表示機構に前記調理エピソードに関する情報を提供するステップと、を含むことを特徴とする方法。
A11.前記情報を提供するステップには、前記調理器具部で行うユーザーへの一以上の相互作用に関連する指示を、ユーザーに対して前記表示機構に表示させるステップが含まれていることを特徴とする文節A10記載の方法。
A12.前記情報を提供するステップには、前記調理器具部の現在の温度に関する情報を、ユーザーに対して前記表示機構に表示させるステップが含まれていることを特徴とする文節A10記載の方法。
A13.前記情報を提供するステップには、調理エピソードにおける現在のステップを実行している状況に関して変化する情報を、ユーザーに対して前記表示機構に表示させるステップが含まれていることを特徴とする文節A10記載の方法。
A14.前記情報を提供するステップには、調理エピソードの際に検知された問題に関する警告を、ユーザーに対して前記表示機構に表示させるステップが含まれていることを特徴とする文節A10記載の方法。
A15.前記スマートノブ装置には無線送受信機がさらに設けられ、
前記情報を提供するステップには、調理エピソードに参加するユーザーが所有する携帯機器から前記無線送受信機に、無線で情報を送信するステップが含まれていることを特徴とする文節A10記載の方法。
A16.前記一以上の設定された計算装置にスマート調理ノブが設けられ、
前記スマート調理ノブは調理箇所に供給される熱を操作し、また前記スマート調理ノブには、前記スマート調理ノブを、異なる熱供給量に対応する複数の位置にそれぞれ動かすことのできるモータが設けられていることを特徴とする文節A〜Zまたは文節A1〜A15のいずれか1項に記載の方法。
A17.前記一以上の設定された計算装置にスマート調理ノブが設けられ、
前記スマート調理ノブは調理器具部に供給される熱を操作し、また前記スマート調理ノブには、前記スマート調理ノブを、異なる熱供給量に対応する複数の位置にそれぞれ動かすことのできるモータが設けられていることを特徴とする文節A〜Zまたは文節A1〜A15のいずれか1項に記載の方法。
A18.前記一以上の設定された計算装置には、少なくとも1つの調節装置と無線で相互作用する、ユーザー所有の携帯機器が含まれ、これにより調理箇所または調理器具部の少なくとも何れか一方に供給される熱が操作され、また前記少なくとも1つの調節装置には、前記少なくとも1つの調節装置を、異なる熱供給量に対応する複数の位置にそれぞれ動かすことのできるモータが設けられていることを特徴とする文節A〜Zまたは文節A1〜A15のいずれか1項に記載の方法。
A19.前記調理器具部には、温度センサーと、前記温度センサーから前記一以上の設定された計算装置に温度を送信する無線トランスミッタと、が備えられていることを特徴とする文節A〜Zまたは文節A1〜A15のいずれか1項に記載の方法。
A20.前記調理器具部が、平鍋または深鍋のうち少なくとも何れか一方であることを特徴とする文節A19記載の方法。
A21.前記調理器具部が、他の調理器具部に取付けるように設計されている温度プローブであることを特徴とする文節A19記載の方法。
A22.調理エピソードの際に、自動調節レシピを用いて前記調理器具部における複数の温度変化を指示するステップをさらに備えたことを特徴とする文節A〜Zまたは文節A1〜A15のいずれか1項に記載の方法。
A23.調理エピソードの際に、前記自動調節レシピにより指示されたユーザーとの複数の相互作用を、実行するステップをさらに備えたことを特徴とする文節A22記載の方法。
AA1.一以上のハードウェアプロセッサと、
ソフトウェア指示を含む一以上のメモリと、を含み、
前記ソフトウェア指示が実行されると、前記ソフトウェア指示は、前記一以上のハードウェアプロセッサのうち少なくとも1つのハードウェアプロセッサに、文節A〜Zまたは文節A1〜A23のいずれか1項に記載の方法の一部または全部を実行させ、ここで前記方法の一部または全部には、一以上の設定された計算装置による方法によって実行される方法の全動作が含まれることを特徴とする構成システム。
AA2.前記構成システムに前記一以上の設定された計算装置が含まれることを特徴とする文節AA1記載の構成システム。
AA3.前記一以上の設定された計算装置が一以上のスマート装置であることを特徴とする文節AA1記載の構成システム。
BB1.保存されたコンテンツを含む非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記コンテンツが実行されると、前記コンテンツは、少なくとも1つの計算装置に、文節A〜Zまたは文節A1〜A23のいずれか1項に記載の方法の一部または全部を実行させ、ここで前記方法の一部または全部には、一以上の設定された計算装置による方法によって実行される方法の全動作が含まれ、また前記少なくとも1つの計算装置が、前記一以上の設定された計算装置のうち少なくとも1つの設定された計算装置であることを特徴とする非一時的なコンピュータ可読媒体。
BB2.保存されたコンテンツを含む非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記コンテンツが実行されると、前記コンテンツは、1つのスマート装置に、文節A〜Zまたは文節A1〜A23のいずれか1項に記載の方法の一部または全部を実行させ、ここで前記方法の一部または全部には、一以上の設定された計算装置による方法によって実行される方法の全動作が含まれ、また前記設定されたスマート装置が、前記一以上の設定された計算装置のうち少なくとも1つの設定された計算装置であることを特徴とする非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0132】
特定の実施形態を説明のために本明細書に記載してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく様々な改変を行うことができることは前述から明らかであろう。したがって、本発明が、請求の範囲およびここに記載された要素以外のものによって限定されることはない。さらに、特定の実施態様を、プロセスとして、および/または、システムとして、および/または、場合によってはクレームの形式として提示することで検討を行ってきたが、発明者らは、あらゆる可能なクレーム形式に属する種々の、発明の態様を考えており、このようなものとして、方法、システム、等が含まれ、また、実行可能な指示もしくは方法を実行させるその他コンテンツを記憶し、および/または、このような方法の実行を可能にするための、一以上のデータ構造を記憶するコンピュータ可読媒体、等が含まれる。
【0133】
上記種々の実施態様を組み合わせることで、さらなる実施態様を提供することができる。さらに、2014年8月19日に出願された仮特許出願第62/039262号および2015年4月6日に出願された米国仮特許出願第62/143655号の教示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。必要であれば、本実施態様を変更して、本出願の態様または概念を使用することにより、また別の実施態様を提供することができる。