(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
タイミング調整部に外部入力される信号の有効性を判断する検出部を備え、前記検出部が入力される信号の有効性が有ると判断した場合にのみ、前記オフセット値を新たに計測することを特徴とする請求項1記載の同期信号変換装置。
自走用のクロックを生成する自走カウンタを備え、放送波同期信号取得部で放送波から同期信号を取得できたか否かを判定し、取得できなかった場合に、前記自走カウンタからの自走用のクロックを同期信号変換部に出力する自走判定部を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の同期信号変換装置。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
従来、CDMA(Code Division Multiple Access)方式や、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)方式の移動体通信システムでは、基地局間の同期信号として、外部クロックを利用している。
従来の基地局装置は、外部クロックとして、GPSシステムの衛星からの信号を受信して、同期信号を抽出したり、時間情報を抽出して同期信号として用いたり、また、接続しているネットワークの同期信号を利用する場合がある。
【0003】
[基地局装置:
図14]
従来の基地局装置の構成について、
図14,15を用いて説明する。
図14,15は、基地局装置の同期信号を取得する部分の概略構成図である。尚、
図14,15では、同期信号取得に関する部分以外は省略している。
図14に示すように、基地局装置1405は、GPS信号を受信するGPSアンテナ1450と、GPS信号を復調するGPS受信部1451と、GPS信号から同期信号を抽出するGPS同期信号抽出部1452とを備えている。
そして、GPSアンテナ1450でGPS信号を受信して、GPS受信部1451がベースバンド信号に変換して復調し、GPS同期信号抽出部1452で同期信号を抽出して、基準クロック信号として装置各部に供給している。
【0004】
[別の基地局装置:
図15]
また、
図15に示すように、別の基地局装置1506は、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)1588などに準拠するネットワークに接続するネットワークインタフェース1561と、ネットワーク信号から同期信号を抽出するネットワーク同期信号抽出部1562とを備えている。
そして、ネットワークインタフェース1561でIEEE1588などに準拠するネットワーク信号を入力し、ネットワーク同期信号抽出部1562で同期信号を抽出して、基準クロック信号として装置各部に供給している。
【0005】
[放送波信号]
一方、地上波デジタル放送では、高い精度での時刻同期が必要なため、放送局側の装置でGPS信号を用いることがあり、地上波デジタル放送は、GPSに準じた同期信号で運用されている。
また、衛星放送では放送衛星と地上局との同期が必要であるため、周波数精度の高いRb(ルビジウム)発振器やCs(セシウム)発振器を用いて、高い精度での放送伝送信号の同期を確立している。
そして、GPS信号が受信できない屋内や干渉を受ける環境、あるいはIEEE1588などに準拠するネットワークに接続できない環境においても、地上波デジタル放送や衛星放送の放送波信号は受信可能であることが多い。
【0006】
[関連技術]
尚、関連する先行技術として、特開平07−030963号公報「局間位相同期方式」(特許文献1)がある。
特許文献1には、移動通信において、基地局から移動局に対して送信すべきフレーム同期信号を、中央局から基地局に送信し、基地局が、放送電波を受信してパルス信号を抽出し、パルス信号に基づいてフレーム同期信号の送出タイミングを補償する局間位相同期方式が記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る放送波同期信号変換装置は、受信した放送波から同期信号を取得して、放送波の同期信号を元に、第1の同期信号である疑似的なGNSS(Global Navigation Satellite System(s))受信信号の同期信号あるいは、第2の同期信号であるネットワーク信号に準じた疑似的なネットワーク信号の同期信号に変換し、変換された同期信号を含む疑似的なネットワーク信号に変換し、基地局装置に出力するものであり、第1の同期信号、あるは第2の同期信号を取得できない環境下でも確実において、同期を確立させることができるものである。
放送波は放送局から各基地局装置の設置場所までに伝送路遅延が発生する為、コヒーレントな周波数同期を実施できたとしても位相差が発生する為、設置場所の異なる各基地局装置(設置局)ごとに位相補正を実施する必要がある。UTC(Coordinated Universal Time)もしくはGNSS時刻に対して、放送波に含まれる時刻情報の頭出し時刻位相差を測定し、一定期間平均化する。この値をオフセット値とし、固定局である各設置局は一度取得できれば不変値でよい為、メモリ部に記憶する。
GNSS不感地帯に設置する前に、設置個所の例えば数百メートル以内でUTC時刻に同期したPPS(Pulse Per Second)パルスを入力し、オフセット変換完了後にPPSパルスを取り外す。同期信号変換装置は、PPSパルス信号の自動検出、オフセット自動測定、自動記憶、自動通知により、設置ユーザのターミナル操作を不要にする効果があり、設置性が向上する。
【0020】
また、本発明の実施の形態に係る同期信号変換装置は、設置個所の例えば数百メートル以内でUTC時刻に同期したGNSS信号を入力し、オフセット変換完了後にGNSS入力を無効にする。同期信号変換装置は、GNSS信号の自動検出、オフセット自動測定、自動記憶、自動通知により、設置ユーザのターミナル操作を不要にする効果があり、設置性が向上する。
【0021】
また、本発明の実施の形態に係る同期信号変換装置は、設置個所の例えば数百メートル以内でUTC時刻に同期したJJY(登録商標、日本標準時を放送する日本の無線局)信号を入力し、オフセット変換完了後にJJY入力を無効にする。同期信号変換装置は、JJY信号の自動検出、オフセット自動測定、自動記憶、自動通知により、設置ユーザのターミナル操作を不要にする効果があり、設置性が向上する。
【0022】
また、本発明の実施の形態に係る同期信号変換装置は、設置個所の例えば数百メートル以内でUTC時刻に同期したネットワーク時刻同期のサーバから時刻信号を入力し、オフセット変換完了後にネットワーク信号の入力を無効にする。同期信号変換装置は、ネットワークから取得する時刻情報の自動検出、オフセット自動測定、自動記憶、自動通知により、設置ユーザのターミナル操作を不要にする効果があり、設置性が向上する。
【0023】
[基地局装置(1):
図10]
基地局装置の構成(1)について、
図10を用いて説明する。
図10は、基地局装置の同期信号を取得する部分の概略構成図である。尚、
図10では、同期信号取得に関する部分以外は省略している。
図10に示すように、基地局装置5は、GNSS信号を受信するGNSSアンテナ50と、GNSS信号を復調するGNSS受信部51と、GNSS信号から同期信号を抽出するGNSS同期信号抽出部52とを備えている。
そして、GNSSアンテナ50でGNSS信号を受信して、GNSS受信部51がベースバンド信号に変換して復調し、GNSS同期信号抽出部52で同期信号を抽出して、基準クロック信号として装置各部に供給している。
【0024】
[基地局装置(2):
図11]
基地局装置の構成(2)について、
図11を用いて説明する。
図11に示すように、基地局装置6は、IEEE1588などに準拠するネットワークに接続するネットワークインタフェース61と、ネットワーク信号から同期信号を抽出するネットワーク同期信号抽出部62とを備えている。
そして、ネットワークインタフェース61でIEEE1588などに準拠するネットワーク信号を入力し、ネットワーク同期信号抽出部62で同期信号を抽出して、基準クロック信号として装置各部に供給している。
【0025】
[基地局装置(3):
図12]
基地局装置の構成(3)について、
図12を用いて説明する。
図12に示すように、基地局装置7は、コヒーレントなクロックおよびタイミングパルスを入力するPPSインタフェース71と、同期に必要なPPS信号を生成するPPSタイミング生成部72とを備えている。PPSタイミング生成部72は基準クロック信号を出力している。
【0026】
[同期変換装置の第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態に係る同期信号変換装置について説明する。[第1の同期信号変換装置と基地局装置との接続:
図1]
本発明の第1の実施の形態に係る同期信号変換装置(第1の同期信号変換装置)を基地局装置に接続した状態について
図1を用いて説明する。
図1は、第1の同期信号変換装置を基地局装置に接続した状態を示す説明図である。
図1に示すように、第1の同期信号変換装置1は、基地局装置5に接続されるものであり、基地局装置5に疑似的なGNSS受信信号を供給するものである。
【0027】
基地局装置5は、GNSS受信部51が、第1の同期信号変換装置1に接続されている。
基地局装置5は、GNSS信号から同期信号を抽出して利用する構成であり、第1の同期信号変換装置1から出力される疑似GNSS信号を入力して、GNSS同期信号抽出部52で従来と同様に同期信号を抽出して利用するものである。
【0028】
そして、第1の同期信号変換装置1は、放送波を入力して、放送波の同期信号をGNSSの同期信号に変換し、当該同期信号を含む疑似的なGNSS受信信号(疑似GNSS信号)を生成して、基地局装置5に出力する。
疑似GNSS信号は、基地局装置5に入力された場合に、本来のGNSS受信信号と同等の信号として扱われる信号である。
【0029】
第1の同期信号変換装置1を接続することにより、屋内や干渉の大きい場所等、GNSS信号を正常に受信できない環境であっても、GNSS受信信号から同期信号を抽出して利用する基地局5を設置することができ、無線通信システム構築の自由度を増大させることができるものである。
【0030】
[第1の同期信号変換装置の概略構成:
図2]
第1の同期信号変換装置の概略構成について
図2を参照しながら説明する。
図2は、第1の同期信号変換装置の概略構成図である。
図2に示すように、第1の同期信号変換装置1は、放送波同期信号取得部110と、抽出した同期信号をGNSS用同期信号に変換する同期信号変換部120と、タイミング調整部140と、疑似GNSS信号送出部130とを備えている。
放送波同期信号取得部110は、放送波を受信して、放送波の同期信号を取得する。
同期信号変換部120は、放送波の同期信号を疑似的なGNSS受信信号の同期信号に変換して、当該同期信号を含む疑似GNSS信号を生成する。
疑似GNSS信号送出部130は、同期信号変換部120で生成された疑似GNSS信号を基地局5に送出する。
【0031】
ここで、第1の同期信号変換装置1が利用する放送波としては、地上波デジタル放送の放送波と、衛星放送の放送波とがあり、放送波同期信号取得部110は、地上波デジタル放送の受信手段と、衛星放送の受信手段のいずれか一方、または両方を備えている。両方備えている場合には、第1の同期信号変換装置1の設置環境に応じて、地上波デジタル放送又は衛星方法のいずれかを選択して受信するよう設定される。
そして、同期信号変換部120は、利用する放送波の種類に応じて、放送波の同期信号を疑似GNSS受信信号の同期信号に適切に変換する構成となっている。
【0032】
[第1の同期信号変換装置の変換動作概要:
図2,
図3]
次に、第1の同期信号変換装置の変換動作の概要について
図2及び
図3を用いて説明する。
図3は、第1の同期信号変換装置の変換動作の概要を示す説明図である。
第1の同期信号変換装置1では、
図2に示す放送波同期信号取得部110において、入力された放送波信号から放送波の同期信号が抽出される。
図3に示すように、第1の同期信号変換装置1では、放送波の同期信号(放送波同期信号)を、基準クロックとしている。
【0033】
そして、同期信号変換部120において、タイミング調整部140にて放送波の番組基準クロックと本来のGNSS受信信号の同期信号との差分に基づいて、基準クロックに対して予め測定した周波数オフセットの調整を行って、疑似的なGNSS受信信号のフレームタイミング信号を生成する。
これにより、放送波の同期信号が疑似的なGNSS受信信号の同期信号に変換されるものである。
そして、当該フレームタイミング信号(疑似的なGNSS受信信号の同期信号)を含む疑似GNSS信号が生成されて、疑似GNSS信号送出部130から基地局5に送出される。
このようにして、第1の同期信号変換装置1の動作が行われる。
【0034】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る同期信号変換装置(第2の同期信号変換装置)について説明する。[第2の同期信号変換装置と基地局装置との接続:
図4]
第2の同期信号変換装置を基地局装置に接続した状態について
図4を用いて説明する。
図4は、第2の同期信号変換装置を基地局装置に接続した状態を示す説明図である。
図4に示すように、第2の同期信号変換装置2は、基地局装置6に接続されるものであり、基地局装置6に疑似的なネットワーク信号を供給するものである。
【0035】
第2の同期信号変換装置2は、放送波を入力して、放送波同期信号をIEEE1588などのネットワーク信号に準じたネットワークの同期信号に変換して、当該変換された同期信号を含む疑似的なネットワーク信号(疑似ネットワーク信号)を生成して基地局6に出力する。
基地局装置6は、ネットワークインタフェース61と、ネットワーク同期信号抽出部62とを備え、第2の同期信号変換装置2から入力された疑似ネットワーク信号から同期信号を抽出して基準クロックとして利用する。
疑似ネットワーク信号は、基地局6に入力された場合には、IEEE1588などのネットワーク信号に準じたネットワーク信号と同等の信号として扱われるものである。
【0036】
そして、第2の同期信号変換装置2を接続することにより、IEEE1588などのネットワーク信号に準じたネットワーク信号を受信できない環境であっても、ネットワーク信号から同期信号を抽出して利用する基地局3を設置することができるものである。
【0037】
[第2の同期信号変換装置の概略構成:
図5]
第2の同期信号変換装置の概略構成について
図5を用いて説明する。
図5は、第2の同期信号変換装置の概略構成図である。
図5に示すように、第2の同期信号変換装置2は、放送波同期信号取得部210と、同期信号変換部220と、タイミング調整部240と、疑似ネットワーク信号送出部230とを備えている。
【0038】
放送波同期信号取得部210は、第1の同期信号変換装置1と同様に、放送波を受信して、放送波の同期信号を取得する。放送波としては地上波デジタル放送の放送波と、衛星放送の放送波のいずれか一方又は両方を受信する。放送波の同期信号は、基準クロックである。
同期信号変換部220は、放送波同期信号を、疑似的なネットワーク受信信号の同期信号に変換して、当該変換された同期信号を含む疑似的なネットワーク受信信号(疑似ネットワーク信号)を生成する。
疑似ネットワーク信号送出部230は、同期信号変換部220で生成された疑似ネットワーク信号を基地局6に送出する。
【0039】
[タイミング調整部の構成(1):
図2、
図6]
次に、
図2、
図6を用いてリファレンス信号について説明する。
リファレンス信号は、同期信号変換部120で同期信号の位相タイミングを調整するためのオフセット値である。
放送波受信アンテナ10で受信された放送波は、放送波同期信号取得部110で復調され、放送波同期信号が抽出される。
そして、抽出された放送波同期信号は同期信号変換部120で、時刻情報を元にシステム時刻カウントと平均化が行われ、タイミング調整部140から出力されたリファレンス信号が加算され、擬似GNSS信号送出部130で擬似GNSS信号が生成され、基地局装置5に送出される。
【0040】
図6において、タイミング調整部140は、GNSSアンテナ300と、GNSS受信部301と、アンテナ検出部302と、オフセット変換部141と、メモリ部142を備えている。メモリ部142はリファレンス信号を出力する。
GNSS受信部301は、GNSSアンテナ300で受信されたGNSS信号からタイミングパルスを生成する。リファレンス信号はオフセット変換部141でタイミングパルスを計測したオフセット値であり、メモリ部142に記憶される。
【0041】
また、アンテナ検出部302は有効なGNSS波の検出を行い、GNSS受信部301を有効にする。GNSS受信部301は有効/無効情報とともにタイミングパルスをオフセット変換部141に送出し、設置時のタイミングパルス計測時のみ有効とする。
【0042】
[同期信号変換部120]
同期信号変換部120は、VCXO(Voltage Controlled Crystal Oscillator;電圧制御水晶発振器)やTCXO(Temperature Compensated Crystal Oscillator;温度補償水晶発振器)等を備えた周波数生成回路であり、タイミングをカウントする自走信号(自走クロック)を生成する。
ここで、図示は省略しているが、内部カウンタは、放送波同期信号取得部110から出力される放送波同期信号を定期的に取得して同期を図り、当該放送波同期信号と同等の自走信号を生成する。
【0043】
[タイミング調整部の構成(2):
図7]
次に、他のリファレンス信号に関して具体的に
図7を用いて説明する。
図7において、タイミング調整部140は、JJYアンテナ400と、JJY受信部401と、アンテナ検出部402と、オフセット変換部141と、メモリ部142を備えている。メモリ部142はリファレンス信号を出力する。
JJY受信部401は、JJYアンテナ400で受信されたJJY信号からタイミングパルスを生成する。リファレンス信号はオフセット変換部141でタイミングパルスを計測したオフセット値であり、メモリ部142に記憶される。
【0044】
また、アンテナ検出部402は有効なJJY信号のアンテナ検出を行い、JJY受信部401を起動する。JJY受信部401は有効/無効情報とともにタイミングパルスをオフセット変換部141に送出し、設置時のタイミングパルス計測時のみ有効とする。
【0045】
[タイミング調整部の構成(3):
図8]
次に、他のリファレンス信号に関して具体的に
図8を用いて説明する。
タイミング調整部140は、PPS受信部501と、PPS検出部502と、オフセット変換部141と、メモリ部142を備えている。メモリ部142は不揮発メモリ等であり、リファレンス信号を出力する。
PPS受信部501は、図示していない外部装置よりUTCのタイミングに正確に同期したPPSを入力して、タイミングパルスを生成する。リファレンス信号はオフセット変換部141でPPS検出中にタイミングパルスを計測したオフセット値であり、メモリ部142に記憶される。
【0046】
また、PPS検出部502は有効なPPS信号の検出を行い、PPS受信部501を有効する。PPS受信部501は有効/無効情報とともにタイミングパルスをオフセット変換部141に送出し、設置時のタイミングパルス計測時のみ有効とする。
【0047】
[同期信号変換装置の概略構成(4):
図9]
次に、他のリファレンス信号に関して具体的に
図9を用いて説明する。
タイミング調整部140は、ネットワークインタフェース601と、リンク検出部602と、オフセット変換部141と、メモリ部142を備えている。メモリ部142はリファレンス信号を出力する。
ネットワークインタフェース601は、ネットワーク信号を入力してタイミングパルスを生成する。リファレンス信号はオフセット変換部141でタイミングパルスを計測したオフセット値であり、メモリ部142に記憶される。
【0048】
また、ネットワークのリンク検出部602で有効なIEEE1588などのネットワーク信号に準じたネットワーク信号の検出を行い、ネットワークインタフェース601を有効する。ネットワークインタフェース601は有効/無効情報とともにタイミングパルスをオフセット変換部141に送出し、設置時のタイミングパルス計測時のみ有効とする。
【0049】
[オフセット値の算出:
図13]
次に、本発明の一実施例であるオフセット値の算出について
図13を用いて説明する。
図13はオフセット値の算出例を説明するための図である。
図13に示すタイミング調整部140は、アンテナ検出部302で有効なGNSS波の検出を行い、GNSS受信部301を有効にする。GNSS受信部301は有効/無効情報とともにタイミングパルスをオフセット変換部141に送出し、設置時のオフセット計測時のみ有効とする。
【0050】
放送波同期信号取得部110は、受信した放送波から時刻情報を抽出し、同期信号変換部120に出力する。
同期信号変換部120は、時刻補正を行う内部カウンタ121と加算部122を有している。
内部カウンタ121は、時刻情報を元に内部のシステム時刻カウンタと平均化を行い、カウンタ値をオフセット変換部141に出力する。
また、オフセット変換部141は、頭出しのタイミングでカウンタ値を取得し、GNSS受信部301で生成されたタイミングパルスからオフセット値を計測し、メモリ部142に出力する。メモリ部142はオフセット値を記憶する。
【0051】
加算部122は、内部カウンタ121から出力された放送波の時刻情報にメモリ部142から出力されたオフセット値を加算し、擬似GNSS信号送出部130に出力する。
擬似GNSS信号送出部130は、擬似GNSS信号を生成し、基地局5に送出する。
【0052】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る同期信号変換装置(第3の同期信号変換装置)について説明する。[第3の同期信号変換装置の動作:
図16]
次に、第3の同期信号変換装置の動作について
図16を用いて説明する。
放送波受信アンテナ10で受信された放送波は、放送波受信部1611で復調され、放送波同期信号抽出部1612で放送波同期信号が抽出される。
そして、抽出された放送波同期信号は自走判定部1613に入力され、自走判定部1613で、放送波の状態から放送波を用いるか自走信号を用いるかが判定されて、受信状態が正常であれば放送波同期信号が選択出力され、正常でなければ自走信号が選択出力される。
【0053】
そして、放送波同期信号若しくは自走信号は、同期信号変換部3でタイミング調整され、当該同期信号を含む疑似GNSS信号が生成されて、疑似GNSS信号送出部130から基地局5に出力される。
このようにして第3の同期信号変換装置の動作が行われる。
【0054】
[自走判定部1613の構成:
図17]
次に、自走判定部1613の構成について
図17を用いて説明する。
図17は、自走判定部16の構成ブロック図である。
図17に示すように、自走判定部1613は、自走カウンタ1731と、選択部1732と、放送波受信判定部1733とを備えている。
放送局は、メンテナンス等のために放送を休止することがあるため、第3の同期信号変換装置3では、自走判定部1713を備えて、放送休止の間でも同期信号の精度を保持できるようにしている。
【0055】
自走カウンタ1731は、VCXO(Voltage Controlled Crystal Oscillator;電圧制御水晶発振器)やTCXO(Temperature Compensated Crystal Oscillator;温度補償水晶発振器)等を備えた周波数生成回路であり、タイミングをカウントする自走信号(自走クロック)を生成する。
ここで、図示は省略しているが、自走カウンタ1731は、放送波同期信号抽出部1612から出力される放送波同期信号を定期的に取得して同期を図り、当該放送波同期信号と同等の自走信号を生成する。
【0056】
選択部1732は、放送波同期信号抽出部1612からの放送波同期信号と、自走カウンタ1731からの自走信号とを入力し、放送波受信判定部1733からの指示に従って、放送波同期信号又は自走信号のいずれかを選択して同期信号変換部120に出力する。
【0057】
放送波受信判定部1733は、放送波の受信状態を監視して、選択部1732に放送波同期信号か、自走信号のいずれを選択するか指示を出力する。
例えば、放送波受信判定部1733は、入力された放送波同期信号の信号強度等の信号品質に基づいて、予め設定されたしきい値よりも信号強度が大きければ放送波同期信号を選択する指示を出力し、信号強度がしきい値未満であれば自走信号を選択する指示を出力する。
【0058】
あるいは、放送波受信判定部1733は、放送波の中に制御情報として含まれている特定の識別情報(放送波であることを示す情報)を利用して、当該識別情報を受信した場合には放送波を正常に受信したとして放送波同期信号を選択する指示を出力し、当該識別情報を受信しなかった場合には、自走信号を選択する指示を出力する。
【0059】
自走カウンタ1731の動作について簡単に説明する。
自走判定部1613では、自走カウンタ1731において、放送波同期信号抽出部1612からの放送波同期信号に準ずる自走信号を生成しており、放送波受信判定部1733で放送波の受信状態を判定し、選択部1732が、放送波受信判定部1733からの指示に従って、放送波を正常に受信した場合には、放送波同期信号を選択して同期信号変換部120に出力し、正常に受信しなかった場合には自走信号を選択して出力する。
これにより、第1の同期信号変換部1では、放送休止等により放送波を受信できない場合であっても、疑似GNSS信号の同期信号を精度よく保持することができるものである。
【0060】
[タイミング調整部140と同期信号変換部120の構成:
図18]
次に、タイミング調整部140と同期信号変換部120の構成について
図18を用いて説明する。
図18は、タイミング調整部140と同期信号変換部120の構成例を示すブロック図である。
図18に示すように、タイミング調整部140は、GNSS受信信号の同期信号と放送波同期信号とのタイミングの差分を補正するためのオフセット値(周波数オフセット値)をレジスタに記憶しており、同期信号変換部120に出力している。
オフセット値は、運用開始前に予め測定されて、外部からレジスタに書き込まれて設定される。
【0061】
また、同期信号変換部120は、加算部123と、疑似GNSS信号生成部124を備えている。
加算部123は、自走判定部1613から入力される放送波同期信号又は自走信号を、オフセット値に基づいて調整し、放送波同期信号のタイミングを本来のGNSS受信信号の同期信号のタイミングに合わせる。
疑似GNSS信号生成部124は、タイミング補正された同期信号を含む、疑似的なGNSS受信信号として疑似GNSS信号を生成し、疑似GNSS信号送出部130に出力する。
これにより、同期信号変換部120からは、本来のGNSS信号とタイミングが一致した同期信号を含む疑似GNSS信号が出力され、本来のGNSS信号を利用している他の基地局とのずれを防ぐことができるものである。
【0062】
本発明の実施形態である同期信号変換装置は、GNSS信号やネットワーク信号を受信できない環境でも基地局で基準クロックを再生できる。
【0063】
なお、各実施形態において、外部入力信号の状態により、タイミングの調整開始、終了、保持する機能を適宜設けてもよい。
また、放送波の受信状態を監視する機能を備え、放送波の信号レベルや信号品質に対する閾値を予め設けておき、放送波の信号レベルや信号品質が閾値より低下した場合に、自走カウンタを用いた自走モードへ移行するなどの機能を適宜設けてもよい。このような機能を設ければ、放送波の受信状態を監視することで、タイミングの許容範囲や自走時間の制御を状況に合わせて監視して制御することでより適正な運用が可能となる。
【0064】
以上本発明について詳細に説明したが、本発明は、ここに記載された同期信号変換装置に限定されるものではなく、上記以外の同期信号変換装置に広く適用することができることは言うまでもない。
【0065】
この出願は、2015年5月29日に出願された日本出願特願2015−109996を基礎として優先権の利益を主張するものであり、その開示の全てを引用によってここに取り込む。