(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6463511
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】ロッキング・ギアセットのアクチュエータ・アセンブリの位置を感知するための装置
(51)【国際特許分類】
G01B 7/00 20060101AFI20190128BHJP
H02K 11/215 20160101ALI20190128BHJP
H02K 33/02 20060101ALI20190128BHJP
G01D 5/12 20060101ALI20190128BHJP
【FI】
G01B7/00 101H
H02K11/215
H02K33/02 A
G01D5/12 H
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-559050(P2017-559050)
(86)(22)【出願日】2016年5月26日
(65)【公表番号】特表2018-517134(P2018-517134A)
(43)【公表日】2018年6月28日
(86)【国際出願番号】US2016034309
(87)【国際公開番号】WO2016196187
(87)【国際公開日】20161208
【審査請求日】2018年1月9日
(31)【優先権主張番号】62/168,018
(32)【優先日】2015年5月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508151105
【氏名又は名称】デーナ、オータモウティヴ、システィムズ、グループ、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】クリーチ、マイケル、ズィー.
(72)【発明者】
【氏名】シュルテ、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ミッツェル、アン、エム.
【審査官】
眞岩 久恵
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−187476(JP,A)
【文献】
特開2006−029579(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0102256(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 7/00−7/34
G01D 5/12
H02K 11/215
H02K 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータ・アセンブリの位置を感知するための装置であって、
半径方向外側端と、半径方向内側端と、軸方向端とを有するアクチュエータ・ハウジングと、
前記アクチュエータ・ハウジングの内部に位置する電磁コイルと、
前記アクチュエータ・ハウジングの内部で、前記電磁コイルから半径方向内側に位置する電機子と、
前記電磁コイルから軸方向外側に位置する滑動リングと、
半径方向外側端と、半径方向内側端と、前記滑動リングから軸方向外側に位置するリムとを含むプレッシャプレートであり、
前記リムは、前記プレッシャプレートの前記半径方向外側端に位置する、プレッシャプレートと、
前記アクチュエータ・ハウジングの前記半径方向外側端に取り付けられ、従動部と、センサ・ハウジングと、センサとを含むセンサ・アセンブリであり、
前記従動部は、磁石と、前記プレッシャプレートの前記リムを受けるための凹部とを有し、
前記センサ・ハウジングは、前記従動部を受けるためのスロットを有し、
前記センサは、前記センサ・ハウジングと前記従動部との間で、前記センサ・ハウジング内部に固定される、センサ・アセンブリと
を備える、
装置。
【請求項2】
前記センサ・アセンブリは、バネを含み、前記バネは、前記センサ・ハウジングの内側で、前記センサ・ハウジングと前記従動部との間に円周方向に位置する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記バネは、半径方向延在部と、軸方向延在部とを有し、前記軸方向延在部は、前記半径方向延在部の一端から前記センサ・ハウジングを通って、前記アクチュエータ・ハウジングの中へと延在する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記滑動リングは、前記アクチュエータ・ハウジングの前記半径方向内側端と前記半径方向外側端との間で延在する、請求項1から3の何れか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記センサ・アセンブリは、前記従動部と前記センサとの間に、半径方向に延在する固定間隙を含む、請求項1から4の何れか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記センサは、円周方向において感知するよう方向付けられる、請求項1から5の何れか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記センサは、ホール効果センサである、請求項1から6の何れか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記リムは、前記プレッシャプレートの前記半径方向内側端から軸方向にずらされている、請求項1から7の何れか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記アクチュエータ・アセンブリは、ロッキング・ギアセットに連結される、請求項1から8の何れか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記ロッキング・ギアセットは、差動装置である、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記バネは、前記センサ・ハウジングの内側で、前記センサ・ハウジングと前記従動部との間に円周方向に位置し、前記従動部と前記センサとの間で半径方向に延在する固定間隙を保持する、請求項2に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]本出願は、2015年5月29日に出願された米国仮出願第62/168,018号の便益を主張し、これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、アクチュエータ・アセンブリの位置を感知するための装置に関する。より具体的には、本発明は、自動車におけるロッキング・ギアセットの位置を感知するために、アクチュエータ・アセンブリに取り付けられたセンサ・アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
ロッキング・ギアセットは、係合状態と係合解除状態との間を切り替え得る。そのようなギアセットの例は、限定されるものではないが、自動車において頻繁に見つけられるような動力取出ユニット、および車軸連結解除部、または差動装置を含み得る。
【0004】
ロッキング・ギアセットの係合は、アクチュエータにより達成され得る。動力取出ユニット、車軸連結解除部、または差動装置において、アクチュエータは、制御装置を通じて自動車により電力供給され、信号が送られる。当技術分野において知られているように、アクチュエータは、制御装置からの電流を機械力へと変換する。例えば、電流の流れは、アクチュエータのプレッシャプレートを動かす磁界を生成し、機械的構造を通じて、ギアセットを係合または係合解除する。
【0005】
センサが、アクチュエータの位置に関する情報を制御装置に送り返すために使用され得る。位置センサが、ロッキング・ギアセットの位置を示す信号を提供する。位置センサには、一般的に2種類あり、これらは、機械的または磁気的近接である。従来技術の機械的位置センサは、摩耗および実装の課題を有し得る。従来技術の磁気的近接センサは、移動部品の振れに基づく精度の問題を有し得、隣接する電磁アクチュエータから干渉磁界を受ける。多くの磁気的近接センサは、アクチュエータコイルで発生した干渉磁界により、軸方向および半径方向の両方に影響を受ける。
【0006】
それに応じて、外部磁界および移動部品からの振れの影響をより受けにくいセンサ・アセンブリをもつ、改良されたアクチュエータ・アセンブリを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
本発明では、アクチュエータ・ハウジング内の、電磁コイルをもつアクチュエータ・アセンブリ、電機子、滑動リング、一端にリムがあるプレッシャプレート、およびアクチュエータ・ハウジングに取り付けられたセンサ・アセンブリが対象とされる。滑動リングは、電磁コイルから軸方向外側に位置し、プレッシャプレートは、滑動リングの軸方向外側に位置する。電機子は、アクチュエータ・ハウジングの内部で、電磁コイルから半径方向内側に位置する。センサ・アセンブリは、磁石と、プレッシャプレートのリムを受けるための凹部とを有する従動部と、従動部を受けるためのスロットを有するセンサ・ハウジングと、センサ・ハウジングと従動部との間で、センサ・ハウジング内部に固定されたセンサとを含む。
【0008】
本発明にはまた、ロッキング・ギアセットの線形位置を感知するための方法が対象とされる。方法は、ロッキング・ギアセットに連結されたアクチュエータ・アセンブリに、アクチュエータ・ハウジング内の電磁コイルと、電機子と、プレッシャプレートと、アクチュエータ・ハウジングに取り付けられたセンサ・アセンブリとを提供する段階を含む。センサ・アセンブリは、磁石と、プレッシャプレートのリムを受けるための凹部とを有する従動部と、従動部を受けるためのスロットを有するセンサ・ハウジングと、センサ・ハウジングと従動部との間で、センサ・ハウジング内部に固定されたセンサとを含む。方法はまた、電流を供給することにより電磁コイルを駆動し、それにより、プレッシャプレートがロッキング・ギアセットを押して係合させるような、プレッシャプレートの軸方向移動を引き起こす段階と、プレッシャプレートの軸方向移動を磁石の軸方向移動へと変換する段階と、磁石の軸位置を感知し、それにより、ロッキング・ギアセットの線形位置についての情報を提供する段階とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の、上記の、および、他の利点は、添付図面と照らし合わせて考慮されるとき、以下の詳細な説明から、当業者に容易に明らかとなるであろう。
【0010】
【
図1A】本発明による、アクチュエータで発生した磁路およびその上に重畳する様々なセンサ方向を示すアクチュエータ・アセンブリの概略図である。
【0011】
【
図1B】本発明による、アクチュエータで発生した磁路およびその上に重畳する様々なセンサ方向を示すアクチュエータ・アセンブリの概略図である。
【0012】
【
図2】本発明の実施形態による、アクチュエータ・アセンブリおよびセンサ・アセンブリの上方位置の側断面図である。
【0013】
【
図3】本発明の実施形態による、センサ・ハウジングの斜視図である。
【0014】
【
図4】本発明の実施形態による、センサ・アセンブリの側面図である。
【0015】
【
図5】本発明の実施形態による、従動部およびそこに配置された磁石をもつ、センサ・アセンブリの側面図である。
【0016】
【
図6A】本発明の実施形態による、センサ・アセンブリの断面斜視図である。
【0017】
【
図6B】本発明の実施形態による、センサ・アセンブリの断面斜視図である。
【0018】
【
図6C】本発明の好ましい実施形態による、波状バネの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、そうでないと明確に特定されている場合を除いて、様々な代替的な方向性および段階の順番を取り得ることが理解されるべきである。また、添付図面に図示され、以下の明細書で説明されている特定のデバイスおよび処理は、本明細書で定義される発明概念の単なる例示的な実施形態であることが理解されるべきである。ゆえに、開示される実施形態に関する特定の寸法、方向、または他の物理的な特性は、そうでないと明確に述べられていない限り、限定的なものと考慮されるべきではない。
【0020】
図1Aおよび
図1Bで図示されているように、アクチュエータ・アセンブリ100が、アクチュエータ・ハウジング118内に、電機子110と、プレッシャプレート112と、銅ワイヤ116の電磁コイル114とを含む。電機子110は、アクチュエータ・ハウジング118の内部で、電磁コイル114から半径方向内側に位置する。一実施形態において、電機子110は、
図2で示されているようなL字型の断面を有する。
【0021】
プレッシャプレート112は、半径方向外側端112aと、半径方向内側端112bと、リム120とを含む。リム120は、
図1Aから
図1B、および
図2で示されているように、プレッシャプレート112の半径方向外側端112aに位置し、半径方向内側端112bから軸方向にずらされている。リム120は、センサ・アセンブリ・スロットに位置決めされるよう半径方向内側端112bから軸方向にずらされ、以下でより詳細に説明される。
【0022】
滑動リング122が、プレッシャプレート112と電磁コイル114との間で、電磁コイル114から軸方向外側に位置する。滑動リング122は、概矩形の断面領域を有する。一実施形態において、アクチュエータ・ハウジング118は、軸方向端118aと、半径方向外側端118bと、半径方向内側端118cとをあわせたU字型の断面領域を有し、切れ目のない、単一部品を形成する。軸方向端118aは、滑動リング122とは反対側で電磁コイル114に面している。滑動リング122は、ハウジング118の半径端118bと118cとの間で半径方向に延在して、ハウジング118の開口側を閉じる。ハウジング118は、電磁コイル114および電機子110を収容する。アクチュエータ・ハウジング118および電磁コイル114は、動かない。
【0023】
センサ・アセンブリ200が、
図2で示されているように、アクチュエータ・ハウジング118に対して、その半径方向外側端118bに取り付けられる。
図2は、アクチュエータ・アセンブリ100の上方部分およびセンサ・アセンブリ200を図示する。センサ・アセンブリ200は、
図2および
図4で示されているように、センサ・ハウジング214内部に、少なくとも1つのセンサ230と、従動部210と、従動部210内に配置された磁石212とを含む。センサ・アセンブリ200とアクチュエータ・ハウジング118との間の取り付けは、当技術分野において知られている、いかなるタイプの取り付けデバイスまたは方法であり得る。一実施形態において、センサは、限定されるものではないが、ホール素子であり得る。
【0024】
従動部210は、
図2で示されているように、半径方向外側端210aおよび半径方向内側端210bを有し、プレッシャプレート112のリム120が内部に配置される凹部216を含む。凹部216は、半径方向内側端210bに位置する。一実施形態において、凹部216は、U字型チャネルであり、凹幅218を有する。プレッシャプレート112のリム120は、リム幅120aを有する。凹幅218は、自動車の作動中にプレッシャプレート112が回転軸Aの周りを回転するにつれ、その振れ、または左右への軸方向移動を受け入れるよう、リム幅120aより大きい。従動部210は、プレッシャプレート112のリム120により軸方向に動かされる。
【0025】
プレッシャプレート112は、自動車の作動中に回転する。凹部216は、ライナ220と一列に並べることが好ましい。ライナ220は、摩擦および摩耗に耐えることに適した任意の材料から作られ得る。非限定的な例として、従動部210は、プラスチックまたはエポキシ材料で作られ得、ライナ220は、金属または他の適した材料で作られ得る。
【0026】
一実施形態において、従動部210は、磁石212を内部に嵌めるための開口部222を含む。開口部222は、
図2で示されているように、磁石212の表面212bが、センサ・ハウジング214およびセンサに対向する従動部前面210aと同一平面にあるように、従動部210の中央に位置する。一実施形態において、磁石212は、その電極に軸方向に配向する。
【0027】
図3で示されているように、センサ・アセンブリ200用のセンサ・ハウジング214は、互いに隣接する少なくとも2つのスロット224および226を含む。第1のスロット224は、
図4から
図6Cで示されているように、プリント回路基板(PCB)228を収容するために使用され得る。第2のスロット226は、従動部210を収容する。好ましい実施形態において、第1および第2のスロット224および226はそれぞれ、矩形の形状である。しかしながら、スロット224および226は、従動部210およびPCB228を収容するために必要とされる、いかなる形状であり得る。スロット224および226は、センサ・ハウジング214の内側で互いに平行である。スロット224および226の両方は、少なくとも1つの開口端を有する。開口端は、PCB228または磁石212をもつ従動部210の装着を可能にする。一実施形態において、従動部210を収容する第2のスロット226は、PCB228を収容する第1のスロット224より大きい。
【0028】
図4は、センサ・アセンブリ200のセンサ・ハウジング214内部に配置されたセンサ230の位置を図示する。一実施形態において、センサ230は、
図4から
図5で示されているように、PCB228へと組み込まれ得る。ワイヤ232が、PCB228からグロメット234を介してセンサ・アセンブリ200の外部へ延び得る。センサ230は、従動部210を受け入れる第2のスロット226に対向するように位置する。従動部210は、第2のスロット226内部に配置され、それにより、磁石212の面212bをセンサ230に隣接して装着する。センサ・ハウジング214は、センサ220を保護および収容するのに適した、当技術分野において知られている任意の材料で作られ得る。これは、エポキシ、樹脂、またはプラスチックを含むが、これらに限定されるものではない。
図5は、センサ・ハウジング214内のセンサ230およびPCB228、ならびに磁石212の位置を図示し、従動部210は、点線により示されている。
【0029】
図1Aで図示されているように、アクチュエータ・アセンブリ100は、銅ワイヤ116に垂直な平面における電磁コイル114に沿った地点で、電磁コイル114で発生した磁束経路300を有し得る。アクチュエータ・アセンブリ100が駆動するとき、電流が、電磁コイル114の銅ワイヤ116に供給され、電磁石コイル114は、銅ワイヤ116の平面に垂直な磁束経路300を生み出す。さらに示されるものは、磁路300上で重畳されたセンサ230の方向を感知する第1の平面310である。この構成において、センサ230は、円周方向で(すなわち、磁路300と同じ平面で)感知するよう方向付けられる。したがって、方向を感知する第1の平面310はまた、銅ワイヤ116に垂直な平面である。
【0030】
図1Bは、電磁コイル114および異なる方向に重畳された、センサの方向を感知する第2の平面312と、センサの方向を感知する第3の平面314とをもつ磁路300の斜視断面概略図を図示する。方向を感知する第2および第3の平面312、314は、円周以外の方向にあり、アクチュエータ・アセンブリ100で発生した磁路300に対する感度をもつセンサをもたらす。本発明の実施形態は、
図1Aで示されているような電磁コイル114の磁束経路300からの干渉を回避するよう、
図4から
図6Cで示されているように、センサ230を円周方向に方向付ける。
【0031】
図2で示されているように、アクチュエータ・アセンブリ100が駆動されるとき、電流が電磁コイル114に供給される。これは、電機子110を軸方向に移動させ滑動リング122と交わらせる磁界を発生し、それにより、滑動リング122を軸方向に移動させる。滑動リング122は次に、プレッシャプレート112に力を加え、これは、プレッシャプレート112が回転軸Aの周りを回転するときに、当該プレッシャプレート112を、アクチュエータ・アセンブリ100から離れて軸方向に直線的に移動させる。
【0032】
一実施形態において、アクチュエータ・アセンブリ100が駆動されるとき、プレッシャプレート112は、プレッシャプレート112に隣接するリング124を、
図2で部分的に図示される差動装置ギアセット126と係合する。アクチュエータ・アセンブリ100が駆動/停止するときに、プレッシャプレート112が軸方向に動くにつれ、従動部210は、プレッシャプレート112のリム120と接触することにより、プレッシャプレート112に沿って軸方向に押される、または引っぱられる。
【0033】
従動部210は、アクチュエータ・アセンブリ100が駆動するとき、
図6Aで示されているような、スロット226内での嵌め込まれた静止位置から、
図6Bで示されているような、スロット226から突出する駆動位置へ軸方向に動く。結果として、磁石212は、アクチュエータ・アセンブリ100が駆動/停止するとき、センサ230の前方で前後にスライドする。センサ230の位置に対する磁石212の位置が変わるにつれ、センサ230の周りの磁界が変わる。センサ230は、この位置の変化を検出して、当該変化をギアセットの駆動/停止と関連付ける。
【0034】
アクチュエータ・アセンブリ100が停止されるとき、電磁コイル114には電流が供給されず、プレッシャプレート112の軸方向移動を引き起こす磁界を生成しない。電磁コイル114に対して電流が止められ、アクチュエータ・アセンブリ100が停止されるとき、プレッシャプレート112またはロッキング・ギアセット(図示せず)と係合する下流機械的要素(図示せず)は、限定されるものではないが、バネ(図示せず)等の戻し機構(図示せず)を介して、係合解除状態に戻る。
【0035】
したがって、プレッシャプレート112の回転軸Aに沿う線形移動が、ロッキング・ギアセット(図示せず)の下流係合/係合解除を示し、本明細書で説明されるセンサ・アセンブリ200により感知する対象としての役割を果たし得る。代替的に、センサ・アセンブリ200は、ロッキング・ギアセットの係合/係合解除状態よりもむしろ、プレッシャプレート112の線形位置に関する情報を提供し得る。
【0036】
一実施形態において、センサ230は、近傍磁界における変化に応じて、その出力電圧を変え得る。ある実施形態において、変換器が、出力電圧を異なるタイプの出力へと変換してもよく、これは限定されるものではないが、距離に比例するパルス幅変調(PWM)信号または2つの電流レベル間を切り替えるスイッチ等であり得る。
【0037】
好ましい実施形態において、磁石212およびセンサ230は、
図5で示されているような予め定められたサイズの小さな間隙238により分離される。一実施形態において、間隙238は、0.5mmと5mmとの間、1mmと4.5mmとの間、2mmと4.5mmとの間、または好ましくは3mmと4mmとの間である。予め定められたサイズの間隙238の存在が、センサ230のキャリブレーションを可能にする。センサ230は、近傍磁界における変化に対する感度をもつので、センサ230と磁石212との間の距離を僅かでも変えることは、センサ230の出力に大きく影響し得る。そのため、間隙238は、センサ230をキャリブレートし、センサ230の精度を向上するよう、従動部210の位置に関係なく一定に保たれるべきである。プレッシャプレート112が回転するにつれての、その軸振れにかかわらず、一定の間隙238を保持することが好ましい。
【0038】
別の実施形態において、
図6Aで示されているように、従動部210は、少なくとも1つのバネ240により、センサ・ハウジング214に対して付勢される。一実施形態において、バネ240は、センサ・ハウジング214内部で、センサ・ハウジング214と従動部210との間に円周方向に位置する。一実施形態において、バネ240は、軸方向延在部242と、半径方向延在部244とを有する。軸方向延在部242は、半径方向延在部244の一端からセンサ・ハウジング214を通って、アクチュエータ・ハウジング118の中へと延在する。
【0039】
図6Cで示される実施形態において、少なくとも1つのバネ240は、波状バネである。
図6Aで示されているように、半径方向延在部244は、波形を有し、軸方向延在部242は、アクチュエータ・ハウジング118の穴128の中に配置される。少なくとも1つのバネ240は、従動部210をセンサ230のほうへ付勢し、円周方向における間隙238のサイズを保持する。
【0040】
例示的な実施形態は、ロッキング・ギアセットと共に使用されるセンサ・アセンブリ200について言及しているが、センサ・アセンブリ200は、他の類似するシステムと共に使用され得る。
【0041】
特許法の規定に従って、本発明は、その好ましい実施形態を表すと考慮されるものについて説明されてきた。しかしながら、本発明は、その主旨または範囲から逸脱することなく、具体的に図示され、説明されているものとは異なるように実施され得ることに留意すべきである。