(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記パターン形成領域の外周部に透光部と遮光部のいずれかのみが形成された外周領域をさらに含む請求項1乃至3のいずれか1項記載のプロキシミティ露光用フォトマスク。
パターン形成領域に遮光膜のパターンからなる遮光部と半透過膜のパターンからなる半透過部のいずれかのみが形成されたブラックマトリクス形成用のプロキシミティ露光用フォトマスクであって、
透明基板の表面に遮光膜が形成されたフォトマスクブランクスを準備する工程と、
前記遮光膜の表面にフォトレジスト膜を塗布してパターニング及びエッチングすることにより、遮光膜のパターンを形成すると共に前記透明基板の一部を露出させる工程と、
前記透明基板上に残置したフォトレジス膜を除去した後、前記露出させた透明基板の表面に半透過膜を形成する工程と、
を含み、
前記遮光膜のパターンは、露光後にラインパターンが形成されるパターン形状であり、
前記パターン形成領域における前記遮光部と前記半透過部の境界部には、露光光によって解像しない大きさの補助パターンを具備し、前記補助パターンは、
露光後に前記補助パターンを具備しない場合よりも前記境界部における露光時のコントラストを相対的に高めるためのパターン形状である
ことを特徴とするプロキシミティ露光用フォトマスクの形成方法。
パターン形成領域に遮光膜のパターンからなる遮光部と半透過膜のパターンからなる半透過部のいずれかのみが形成されたブラックマトリクス形成用のプロキシミティ露光用フォトマスクであって、
透明基板の表面に半透過膜とエッチングストッパー膜と遮光膜とがこの順に形成された部分を具備するフォトマスクブランクスを準備する工程と、
前記遮光膜の表面にフォトレジスト膜を塗布してパターニング及びエッチングすることにより、遮光膜のパターンを形成すると共に前記エッチングストッパー膜を露出させる工程と、
前記透明基板上に残置したフォトレジスト膜と前記エッチングストッパー膜とを除去する工程と、
を含み、
前記遮光膜のパターンは、露光後にラインパターンが形成されるパターン形状であり、
前記パターン形成領域における前記遮光部と前記半透過部の境界部には、露光光によって解像しない大きさの補助パターンを具備し、前記補助パターンは、露光後に前記補助パターンを具備しない場合よりも前記境界部における露光時のコントラストを相対的に高めるためのパターン形状である
ことを特徴とするプロキシミティ露光用フォトマスクの形成方法。
パターン形成領域に遮光膜のパターンからなる遮光部と半透過膜のパターンからなる半透過部のいずれかのみが形成されたブラックマトリクス形成用のプロキシミティ露光用フォトマスクであって、
透明基板の表面に半透過膜と遮光膜とがこの順に形成された部分を具備するフォトマスクブランクスを準備する工程と、
前記遮光膜の表面にフォトレジスト膜を塗布してパターニング及びエッチングすることにより、遮光膜のパターンを形成すると共に前記半透過膜を露出させる工程と、
前記透明基板上に残置したフォトレジスト膜を除去する工程と、
を含み、
前記遮光膜のパターンは、露光後にラインパターンが形成されるパターン形状であり、 前記パターン形成領域における前記遮光部と前記半透過部の境界部には、露光光によって解像しない大きさの補助パターンを具備し、前記補助パターンは、露光後に前記補助パターンを具備しない場合よりも前記境界部における露光時のコントラストを相対的に高めるためのパターン形状である
ことを特徴とするプロキシミティ露光用フォトマスクの形成方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は、いずれも本発明の要旨の認定において限定的な解釈を与えるものではない。また、同一又は同種の部材については同じ参照符号を付して、説明を省略することがある。
【0015】
(第1の実施形態)
図1(a)は、第1の実施形態のフォトマスクのパターン形状の例を示す図である。この図に示すように、透明基板上に遮光膜10が形成された遮光部中に、半透過膜11のみが形成された半透過部が形成された構成を具備する。このフォトマスクは、大型フラットパネルディスプレイの製造に用いられるブラックマトリクス用フォトマスクであり、プロキシミティ露光機に使用するためのマスクである。
【0016】
プロキシミティ露光でBMマスクを形成する場合には、ネガ型レジスト(露光光が照射された領域が硬化するフォトレジスト)が用いられることから、パターンが形成される部分のレジストを残置させる必要があり、パターン部に十分な露光光量の露光光を照射する一方、非パターン部は完全に遮光する必要がある。その場合は、遮光膜の光学濃度ODを3.0以上に設定すればよい。また、積層膜構造の場合には、遮光膜と(又は、光学膜)と半透過膜とを合算した光学濃度を3.0以上に設定すればよい。
【0017】
一方、パターンが小さくなると必要な露光強度が得られなくなるため、バイナリマスクの場合、必要な露光量を得るためにターゲット線幅よりも大きい線幅でパターン(透光部)を形成することが必要となる。例えば、マスクCD5.0μmのターゲット(レジスト現像後のパターン幅)に対して、マスクCDを5.5μm〜6.0μmとすることで、必要な露光強度が得られるが、このようにすると、光強度分布の広がりが発生し、パターン領域と隣接する遮光部にも光が照射されるためにコントラストが低下し、シャープなパターンを得られなくなる。これは、形成するパターンが小さくなると、パターン部と非パターン部の境界部は露光光の回折や干渉によって光強度分布の広がりが生じやすくなるためである。
【0018】
図2(a)は、
図1(a)に示す繰り返しパターンに対して露光光を照射した際の光強度分布を示している。比較のため、バイナリマスクで形成した光強度分布を示している。この図から明らかなように、半透過膜を用いることで光強度分布の広がりを抑えながら、コントラストを向上させることができる。さらに、光強度分布を抑えることは、露光機の露光光量を大きくできることにも役立つ。コントラストが向上する結果、高い露光光量で照射しても細い線幅を維持できるからである。
【0019】
光強度分布の広がりを抑える効果を発揮しうる半透過膜の透過率は、50%以上90%以下であると見積もられる。先ず、下限値については、ソフトウェアシミュレーション上では50%未満でも同様の結果が得られたが、その場合、露光量を大きくする必要があり現実的ではないことから、透過率の下限値を50%と見積もり、実験では透過率60%とした。一方、半透過膜の透過率が100%に近づくほど光強度分布の広がりが大きくなり、コントラストを向上させる十分な効果が得られないと考えられることから、上限値を90%と見積もった。但し、ここでの上限値及び下限値はシミュレーション結果及び種々の実験経験から得られた現実的に実施可能と考えられる透過率の範囲を定めたものにすぎない。また、パターン形成部に透明基板が露出する部位が存在しないため、半透過膜の位相差については特に考慮する必要がない。
【0020】
次に、
図1(a)に示す繰り返しパターンにおける補助パターンPについて説明する。
バイナリマスクの透光部の透過率を一定範囲に制限した半透過膜に置き換えた場合、マスクCDが小さいと、線幅の大きいパターンとマスクCDのパターンと露光条件が大きく相違する結果、露光時の余裕度(マージン)が小さくなり、従来の「ライン・アンド・スペース」のパターンにおける透光部を単に半透過膜で置き換えるだけでは露光強度が低下するために線幅が所望の線幅に形成されない。この意味において、線幅が不安定となりやすい。そこで、パターンエッジ部(すなわち、遮光部と半透過部の境界部)に、
図1(a)に示すような露光光によって解像しない大きさに設計された補助パターンPを設けることにより、線幅の安定性を向上させることができる。
【0021】
一般にプロキシミティ・ギャップは数十μm〜数百μmの間で設定されるが、例えば、露光光にg線、h線、i線の混合光を用いてプロキシミティ・ギャップを約100μmとした場合に許容される凹凸の大きさは、0.5〜2.0μmであり、露光光によって解像しない大きさに設計されている。
【0022】
なお、補助パターンPの形状は必ずしも図示されたような凹凸形状である必要はなく、例えば櫛刃状、矩形(正方形や長方形)など、平面視において一定の繰り返しパターン形状を持つパターンであれば同等の効果、すなわち、補助パターンPによって露光光の回折や干渉によって光強度分布が向上する効果があると考えられる。
【0023】
ところで、
図1(a)のように、遮光膜と半透過膜という二種類の膜を具備するフォトマスクには、その製造方法によって、半透過膜が遮光膜の上方に配置される「トップハーフ型」と、逆に、半透過膜が遮光膜の下方に配置される「ボトムハーフ型」とに大別される。
【0024】
図1(b)及び
図1(c)は、いずれも、平面視において
図1(a)のようなパターンを具備するフォトマスクがとりうる断面形状の典型例を示す図(
図1(a)のX−X線で切断した矢視図)である。
なお、本明細書では、
図1(b)のように遮光膜10aの上部に半透過膜11aが配置される構造をトップハーフ型フォトマスク、
図1(c)のように遮光膜10bの下部に半透過膜11b配置される構造をボトムハーフ型フォトマスクという場合がある。但し、後述するように、製造方法によっては半透過膜と遮光膜の間にエッチングストッパー膜などが介在する場合もありうる。
【0025】
図2(b)は、露光光にg線、h線、i線の混合光を用いてプロキシミティ・ギャップを約100μmとしてプロキシミティ露光を行った場合の、マスクCDに対する現像後の線幅(BM線幅)の関係を示す実験結果を示す図である。実験では、実際に種々のマスクCD(マスク最小寸法)で露光してBM線幅を確認している。図中の(i)は
図1(a)の半透過膜の補助パターンPを具備するフォトマスク(本願マスク)でパターニングして得られたラインパターン、(ii)はバイナリマスクでパターニングして得られたラインパターンの結果を示す。
【0026】
マスクCDの数値が、例えば、5.0μmの場合におけるBM幅は、バイナリマスクの場合4.6μm程度であったが
図1(a)のように半透過膜の補助パターンPを設けた場合3.7μm程度を得ることができた。
【0027】
BM線幅が約3.7μmでも良好な形状のラインパターンを形成できることが確認された。
【0028】
図3A(a)及び
図3B(a)は、それぞれ、
図1(a)のフォトマスクを用いて形成したレジストパターンの断面写真及び平面写真であり、
図3A(b)及び
図3B(b)は、それぞれ、バイナリマスクを用いて形成したレジストパターンを撮影した断面写真及び平面写真である。
【0029】
実験によれば、本実施形態のフォトマスクを用いて形成したBM線幅5.0μmのレジスト残膜率は97.9%以上であり、エッジ部の形状は極めて急峻であるのに対して、バイナリマスクを用いて形成した同条件のレジスト残膜率は83.6%であり、レジスト残膜率の点で、本実施形態を適用したフォトマスクの方が際だって優れた効果を奏することが確認された。
【0030】
次に、補助パターンPの凹凸形状の設計について
図4を用いて説明する。
図4は、
図1(a)における補助パターンPの拡大図である。
図4のY0線は凹凸比1:1で設計したパターンの例であるが、ソフトウェアシミュレーションでの実験結果からマスクCDの変動方向(
図4の+方向又は−方向)によってパネル上のCD値の安定性に影響を及ぼすことが分かっている。ソフトウェアシミュレーションによる実験結果では、
図4中のY0線からY−線に変化した場合にプロキシミティ・ギャップ(空隙)変動時のCD値が安定化する傾向が見られた。
【0031】
上述のとおり、バイナリマスクではBM幅4.5〜5.0μm程度が限界であったが、本実施形態を適用することにより、BM線幅4.0μm以下(実験では最小線幅3.7μmまで)を得ることができた。
【0032】
(第2の実施形態)
次に、第1の実施形態で説明したフォトマスクの製造方法について説明する。
図5(a)は、完成したフォトマスク基板50の平面図を示す概念図である。この図における一点鎖線で囲まれた領域はパターン形成領域Iを示しており、その外周部を外周領域IIとする。パターン形成領域Iには例えば
図1(a)に示すようなラインパターンが形成されるが、その膜構成についてはトップハーフ型とボトムハーフ型の2通りがありうる。また、外周領域IIにはアライメントマーク51が設けられる場合がある。
【0033】
図5(b)は、アライメントマーク51の拡大平面図を示している。アライメントマーク51は、遮光膜の一部に透明基板が露出した開口部が設けられている。なお、描画工程においてアライメントマークの視認性を高めるため、遮光膜の上に半透過膜やその他の膜が形成されていないこと、換言すれば遮光膜が直接露出していることが好ましい。もっとも、近年はアライメントマークの表面反射により位置検出を行う方式に代わり、画像認識によりアライメントマークの位置検出を行う方式が導入されてきている。このような方式の場合には遮光膜が直接露出している必要はなく、例えば表面に反射防止膜が形成されていてもよい。もっとも、反射防止膜のさらに上層に半透過膜が積層されると検出感度が悪くなることもある。
【0034】
<トップハーフ型フォトマスクの製造方法>
図6A(a)から
図6B(a)へ至る一連のフローと、
図6A(b)のフローは、いずれもトップハーフ型フォトマスクの製造工程を示す図である。両者はトップハーフ型フォトマスクの製造フローを示す図である点で共通するが、
図6A(b)のフローでは、外周領域IIにアライメントマークを形成する工程を簡素化するために、遮光膜のエッチングの際に同時にアライメントマークを形成することで、パターニング工程を1回削減している点が相違する。
【0035】
先ず、透明基板の表面全面に遮光膜が形成されたフォトマスクブランクスを準備する(ステップi)。フォトマスクブランクスは市販のものを用いてもよいし、透明基板上に公知の方法により遮光膜を成膜してもよい。
次に、遮光膜の表面にフォトレジスト膜を塗布し(ステップii)、パターニング及びエッチングすることにより(ステップiii,ステップiv)、遮光膜のパターンを形成すると共に前記透明基板の一部を露出させる。ステップiii及びステップivを実施する際には、
図6A(b)に示すように、パターン形成領域Iと外周領域IIの両方で、それぞれ必要な遮光膜のパターンすることが好ましい。この場合、例えば、前者は
図1(a)に示すような遮光膜のパターン(すなわち、ラインパターンの両側に平面視において露光光によって解像しない大きさの一定の繰り返しパターンからなる補助パターンP)、後者は
図5(b)に示すようなアライメントマークのパターン)を形成する。なお、アライメントマークのパターンをステップivの際に同時に形成しない場合は
図6Aのフローとなるため、引き続き
図6Bを実施することが必要となる。さらに、外周領域に形成されるパターン等の位置により半透過膜が成膜されないようにする範囲が異なっており、さらに、パターン形成位置によって成膜範囲を設定する。
【0036】
次に、ステップ(iii)の工程でパターニングを行った際に形成したフォトレジス膜を除去し(ステップv)、その後、前記フォトマスクブランクスの全面に半透過膜を形成する(ステップvi)。或いは、全面ではなく外周領域IIを除くパターン形成領域Iにのみ半透過膜を形成してもよい。このようにする理由の一つは、後工程において半透過膜を積層した場合に、外周領域に形成するアライメントマーク等を再度描画する必要があるため描画工数の削減に寄与する利点もあるためである。また、他の理由としては、アライメントマークの検出方式が表面反射率の変化を測定する方式の場合に外周領域IIにおいては、アライメントマークを形成した周囲の遮光膜の表面に半透過膜が形成されると表面の反射率が低下してアライメントマークの透光部とのコントラストが低下してアライメントマークの視認性が悪くなる場合があるためである。
【0037】
以上のように、
図6A(b)のフローによれば、
図1(a)及び
図1(b)に示すような、トップハーフ型のプロキシミティ露光用フォトマスク(
図6A(b)(ステップvi))が得られ、全ての製造工程が終了する。
【0038】
一方、
図6A(a)(ステップvi)では、まだ外周領域IIにアライメントマークが形成できていないため、
図6B(a)に示すように、ステップviの状態から、レジスト膜を全面に塗布し(ステップvii)、外周領域にアライメントマークをパターニングする(ステップviii)。その後、半透過膜及び遮光膜を一括エッチングし(ステップxi)、レジストを除去(ステップx)すれば完成である。
【0039】
図6A(a)から
図6B(a)へ至る一連のフローと
図6A(b)のフローとを比較すると、後者は遮光膜のパターニング(描画及び現像)工程を1回減らせる利点があるが、遮光膜形成の際に予めパターン形成領域Iと外周領域IIの両方に遮光膜のパターンを形成する工程(ステップiv)と、半透過膜の形成工程において外周領域を除いて半透過膜を形成するステップ(ステップvi)が必要となる。
【0040】
以上説明してきたトップハーフ型フォトマスクの製造方法では、下層の遮光膜をパターニングした時点で、パターン領域のパターン形状と、パターン領域外に形成されるかもしれない露光用アライメントマーク、並びに、描画用アライメントマーク形状、座標位置を確定できるため、それに合わせて半透過膜の成膜工程で、成膜を除く領域が確定でき、同時にパターン領域での半透過膜のパターンが確定できる利点がある。
【0041】
<ボトムハーフ型フォトマスクの製造方法(その1)>
図7A(a)から
図7B(a)へ至る一連のフローと、
図7A(b)のフローは、いずれもボトムハーフ型フォトマスクの製造工程を示す図である。両者はボトムハーフ型フォトマスクの製造フローを示す図である点で共通するが、
図7A(b)のフローでは、外周領域IIにアライメントマークを形成する工程を簡素化するために、予めパターン形成領域Iと外周領域IIとで膜構成が異なるフォトマスクブランクスを出発材料として用いる点が相違する。具体的には、
図7A(a)では、透明基板上の全面に半透過膜とエッチングストッパー膜と遮光膜がこの順に形成されたフォトマスクブランクスを準備する(ステップi)のに対して、
図7A(b)では、パターン形成領域Iにおいては
図7A(a)と同様の構成を具備するが、外周領域IIにおいては半透過膜及びエッチングストッパー膜(図中のES膜)が形成されず、透明基板の表面に遮光膜が直接形成された膜構成を具備する点が、相違する。
【0042】
最初に、
図7A(b)のフローについて説明し、次いで、
図7A(a)及び
図7B(a)のフローについて説明する。
【0043】
[
図7A(b)に示すフロー]
先ず、パターン形成領域Iにおいては透明基板上に半透過膜とエッチングストッパー膜(ES膜)と遮光膜がこの順に形成され、外周領域IIにおいては透明基板上に遮光膜がこの順に形成された膜構成を有するたフォトマスクブランクスを準備する(ステップi)。
【0044】
次いで、遮光膜の表面にフォトレジスト膜を塗布して(ステップii)、パターン形成領域Iにおいてパターニング及びエッチングすることにより(ステップiii,ステップiv)、パターン形成領域I及びパターン形成領域Iに必要な遮光膜のパターンを形成すると共にパターン形成領域Iにおいて前記エッチングストッパー膜を露出させる(ステップiv)。この時点で、パターン形成領域Iでは、半透過膜のパターン上にエッチングストッパー膜が露出し、外周領域IIでは、アライメントマークとなる部分において透明基板が露出した状態となっている。
次に、パターン形成領域Iにおけるエッチングストッパー膜を除去し、半透過膜を露出させる(ステップv)。
最後に、パターニングの際に形成したフォトレジスト膜を除去する工程(ステップvi)を実施することで、
図1(a)及び
図1(c)に示すような、ボトムハーフ型のプロキシミティ露光用フォトマスク(
図7A(b)(ステップvi))が得られる。
なお、パターン形成領域の断面を示す
図1(c)に示す断面図と比較すると、半透過膜と遮光膜の間にエッチングストッパー膜が形成されている点が異なる。
【0045】
[
図7A(a)から
図7B(a)へ至る一連のフロー]
図7A(a)に示すように、透明基板上の全面に半透過膜とエッチングストッパー膜(ES膜)と遮光膜がこの順に形成されたフォトマスクブランクスを準備する(ステップi)。
次に、遮光膜の表面にフォトレジスト膜を塗布して(ステップii)、パターン形成領域Iにおいてパターニング及びエッチングすることにより(ステップiii,ステップiv)、パターン形成領域Iに遮光膜のパターンを形成すると共に前記エッチングストッパー膜を露出させる(ステップiv)。
次に、パターニングの際に形成したフォトレジスト膜とエッチングストッパー膜を除去する工程(ステップv)を実施する(
図7A(a)(ステップv))。
【0046】
引き続き、
図7B(a)に示すように、半透過膜が透明基板上に露出すると共にその他の部分が遮光膜で覆われた基板全面に再度フォトレジスト膜を塗布し(ステップvi)、パターニング及びエッチングすることにより、外周領域IIにアライメントマークのパターンを形成する(ステップvii,ステップviii)。この状態で、半透過膜上のエッチングストッパー膜が露出している。この状態で、エッチングストッパー膜と半透過膜をエッチングし(ステップix,ステップx)、外周領域IIにおいてマークパターンを形成する。最後に、レジスト膜を除去すれば全ての製造工程が終了する(ステップxi)。
【0047】
なお、本明細書において説明されるエッチング工程は公知の技術を適用できることは言うまでも無い。例えば、クロム(Cr)系の金属であれば、エッチャントには公知の材料(例えばセリウム系の溶液を主成分とするエッチャント)を用いることができる。チタン(Ti)系或いはニッケル(Ni)系の金属についてもそれぞれの金属に対する公知のエッチャントを用いることができることはいうまでもない。
【0048】
<ボトムハーフ型フォトマスクの製造方法(その2)>
半透過膜と遮光膜のエッチング選択性を十分に確保できる場合は、エッチングストッパー膜を省略できる。
図8A(a)から
図8B(a)へ至る一連のフローと、
図8A(b)のフローは、いずれもボトムハーフ型フォトマスクの製造工程を示す図である。上述の各フローと異なるのは、エッチングストッパー膜を省略している点である。以下、順を追って説明する。
【0049】
[
図8A(b)に示すフロー]
先ず、パターン形成領域Iにおいては透明基板上に半透過膜と遮光膜がこの順に形成され、外周領域IIにおいては透明基板上に遮光膜がこの順に形成された膜構成を有するたフォトマスクブランクスを準備する(ステップi)。
【0050】
次いで、遮光膜の表面にフォトレジスト膜を塗布して(ステップii)、パターン形成領域Iにおいてパターニング及びエッチングすることにより(ステップiii,ステップiv)、パターン形成領域I及びパターン形成領域Iに必要な遮光膜のパターンを形成すると共にパターン形成領域Iにおいて前記半透過膜を露出させる(ステップiv)。この時点で、パターン形成領域Iでは、半透過膜のパターン上の半透過膜が露出し、外周領域IIでは、アライメントマークとなる部分において透明基板が露出した状態となっている。
最後に、パターニングの際に形成したフォトレジスト膜を除去する工程(ステップv)を実施することで、
図1(a)及び
図1(c)に示すような、ボトムハーフ型のプロキシミティ露光用フォトマスク(
図8A(b)(ステップv))が得られる。
得られた構造は、パターン形成領域の断面を示す
図1(c)に示す断面図と同一構造となっていることがわかる。
【0051】
[
図8A(a)から
図8B(a)に至る一連のフロー]
図8A(a)に示すように、透明基板上の全面に半透過膜と遮光膜がこの順に形成されたフォトマスクブランクスを準備する(ステップi)。
次に、遮光膜の表面にフォトレジスト膜を塗布して(ステップii)、パターン形成領域Iにおいてパターニング及びエッチングすることにより(ステップiii,ステップiv)、パターン形成領域Iに遮光膜のパターンを形成すると共に半透過膜を露出させる(ステップiv)。その後、フォトレジスト膜を除去する(ステップv)。
【0052】
引き続き、
図8B(a)に示すように、半透過膜が透明基板上に露出すると共にその他の部分が遮光膜で覆われた基板全面に再度フォトレジスト膜を塗布し(ステップvi)、パターニング及びエッチングすることにより、外周領域IIにアライメントマークのパターンを形成する(ステップvii,ステップviii)。この状態で、半透過膜が露出している。この状態で、半透過膜をエッチングし(ステップix,ステップx)、外周領域IIにおいてマークパターンを形成する。最後に、レジスト膜を除去すれば全ての製造工程が終了する(ステップxi)。
【解決手段】遮光膜10のパターンからなる遮光部と半透過膜11のパターンからなる半透過部のいずれかが形成されたパターン形成領域と、前記パターン形成領域の外周部に透光部と遮光部のいずれかのみが形成された外周領域と、を含むと共に、前記パターン形成領域における前記遮光部と前記半透過部の境界部には、露光光によって解像しない大きさの補助パターンPを具備することを特徴とするプロキシミティ露光用フォトマスク。