特許第6463595号(P6463595)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士通コンポーネント株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6463595-パルスモータ駆動回路 図000002
  • 特許6463595-パルスモータ駆動回路 図000003
  • 特許6463595-パルスモータ駆動回路 図000004
  • 特許6463595-パルスモータ駆動回路 図000005
  • 特許6463595-パルスモータ駆動回路 図000006
  • 特許6463595-パルスモータ駆動回路 図000007
  • 特許6463595-パルスモータ駆動回路 図000008
  • 特許6463595-パルスモータ駆動回路 図000009
  • 特許6463595-パルスモータ駆動回路 図000010
  • 特許6463595-パルスモータ駆動回路 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6463595
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】パルスモータ駆動回路
(51)【国際特許分類】
   H02P 8/00 20060101AFI20190128BHJP
【FI】
   H02P8/00
【請求項の数】2
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-87742(P2013-87742)
(22)【出願日】2013年4月18日
(65)【公開番号】特開2014-212629(P2014-212629A)
(43)【公開日】2014年11月13日
【審査請求日】2016年3月23日
【審判番号】不服2017-16317(P2017-16317/J1)
【審判請求日】2017年11月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】501398606
【氏名又は名称】富士通コンポーネント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】坂倉 太一
【合議体】
【審判長】 佐々木 芳枝
【審判官】 堀川 一郎
【審判官】 長馬 望
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−18999(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルスモータを駆動するパルスモータ駆動回路において、
電源の正極に、一方の端子が接続されているダイオードと、
前記電源の正極に、一方の端子が接続されている第1のトランジスタと、
前記電源の負極に、一方の端子が接続されている第2のトランジスタと、
前記ダイオードの他方の端子に、一方の端子が接続されている抵抗と、
前記ダイオードの他方の端子に、一方の端子が接続されている他のダイオードと、
前記抵抗の他方の端子及び前記他のダイオードの他方の端子に、一方の端子が接続されているコンデンサと、
を有し、
前記電源はバッテリであって、
前記ダイオードは、一方の端子より他方の端子に電流が流れるように接続されており、
前記コンデンサの他方の端子は、前記第1のトランジスタの他方の端子及び前記第2のトランジスタの他方の端子と接続されており、
前記他のダイオードは、前記他方の端子から前記一方の端子に向かって電流が流れるように接続されており、
前記ダイオードの他方の端子と前記電源の負極との間には、前記パルスモータを駆動するためのトランジスタが設けられ、
前記パルスモータの励磁相への通電開始期間においては、前記第1のトランジスタがオンとなるとともに前記第2のトランジスタがオフとなり、前記通電開始期間を除く期間においては、前記第1のトランジスタがオフとなるとともに前記第2のトランジスタがオンとなることを特徴とするパルスモータ駆動回路。
【請求項2】
パルスモータを駆動するパルスモータ駆動回路において、
電源の正極に、一方の端子が接続されているダイオードと、
前記電源の正極に、一方の端子が接続されている第1のトランジスタと、
前記電源の負極に、一方の端子が接続されている第2のトランジスタと、
前記ダイオードの他方の端子に、一方の端子が接続されている充放電用トランジスタと、
前記充放電用トランジスタの他方の端子に、一方の端子が接続されているコンデンサと、
を有し、
前記電源はバッテリであって、
前記ダイオードは、一方の端子より他方の端子に電流が流れるように接続されており、
前記コンデンサの他方の端子は、前記第1のトランジスタの他方の端子及び前記第2のトランジスタの他方の端子と接続されており、
前記ダイオードの他方の端子と前記電源の負極との間には、前記パルスモータを駆動するためのトランジスタが設けられ、
前記パルスモータの励磁相への通電開始期間においては、前記第1のトランジスタがオンとなるとともに前記第2のトランジスタがオフとなり、前記通電開始期間を除く期間においては、前記第1のトランジスタがオフとなるとともに前記第2のトランジスタがオンとなることを特徴とするパルスモータ駆動回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パルスモータ駆動回路及びパルスモータ駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリ駆動による携帯型の電子機器として、プリンタを内蔵した電子機器がある。このような電子機器においては、記録紙の搬送等を行うためにステッピングモータが用いられている。
【0003】
しかしながら、バッテリ駆動の場合には、電源となる電池の容量があまり大きくないため、急速に大電流を流す場合に電圧降下が生じ、立ち上がり特性がなまってしまい、モータの高速動作が困難となる。このため、高速動作を可能とする様々な方法が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭50−32420号公報
【特許文献2】特開昭63−237267号公報
【特許文献3】特開平6−90596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1から3に記載された方法では、十分とはいえず、より一層パルスモータを高速動作させることのできるパルスモータ駆動回路及びパルスモータ駆動方法が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施の形態の一観点によれば、パルスモータを駆動するパルスモータ駆動回路において、電源の正極に、一方の端子が接続される第1のスイッチと、前記電源の負極に、一方の端子が接続される第2のスイッチと、一方の端子は制限素子と接続されており、他方の端子は前記第1のスイッチの他方の端子及び前記第2のスイッチの他方の端子と接続されるコンデンサと、を有し、前記制限素子は、前記電源の正極の側と前記コンデンサとの間に設けられており、前記電源から前記コンデンサに流れる電流を制限するものであって、前記パルスモータの励磁相への通電開始期間においては、前記第1のスイッチがオンとなるとともに、前記第2のスイッチがオフとなり、前記通電開始期間を除く期間においては、前記第1のスイッチがオフとなるとともに、前記第2のスイッチがオンとなる。
【0007】
また、本実施の形態の他の一観点によれば、パルスモータを駆動するパルスモータ駆動回路において、電源の正極に、一方の端子が接続されている第1のスイッチと、前記電源の正極に、一方の端子が接続されている第2のスイッチと、前記電源の負極に、一方の端子が接続されている第3のスイッチと、前記第1のスイッチの他方の端子に、一方の端子が接続されている抵抗と、前記第1のスイッチの他方の端子に、一方の端子が接続されているダイオードと、前記抵抗の他方の端子及び前記ダイオードの他方の端子に、一方の端子が接続されているコンデンサと、を有し、前記コンデンサの他方の端子は、前記第2のスイッチの他方の端子及び前記第3のスイッチの他方の端子と接続されており、前記ダイオードは、前記他方の端子から前記一方の端子に向かって電流が流れるように接続されており、前記第1のスイッチの他方の端子と前記電源の負極との間には、前記パルスモータを駆動するためのトランジスタが設けられ、前記パルスモータの励磁相への通電開始期間においては、前記第1のスイッチおよび前記第3のスイッチがオフとなるとともに前記第2のスイッチがオンとなり、前記通電開始期間を除く期間においては、前記第1のスイッチおよび前記第3のスイッチがオンとなるとともに前記第2のスイッチがオフとなることを特徴とする。
【0008】
また、本実施の形態の他の一観点によれば、パルスモータを駆動するパルスモータ駆動回路において、電源の正極に、一方の端子が接続されている第1のスイッチと、前記電源の正極に、一方の端子が接続されている第2のスイッチと、前記電源の負極に、一方の端子が接続されている第3のスイッチと、前記第1のスイッチの他方の端子に、一方の端子が接続されている充放電用トランジスタと、前記充放電用トランジスタの他方の端子に、一方の端子が接続されているコンデンサと、を有し、前記コンデンサの他方の端子は、前記第2のスイッチの他方の端子及び前記第3のスイッチの他方の端子と接続されており、前記第1のスイッチの他方の端子と前記電源の負極との間には、前記パルスモータを駆動するためのトランジスタが設けられ、前記パルスモータの励磁相への通電開始期間においては、前記第1のスイッチおよび前記第3のスイッチがオフとなるとともに前記第2のスイッチがオンとなり、前記通電開始期間を除く期間においては、前記第1のスイッチおよび前記第3のスイッチがオンとなるとともに前記第2のスイッチがオフとなることを特徴とする。
【0009】
また、本実施の形態の他の一観点によれば、パルスモータを駆動するパルスモータ駆動回路において、電源の正極に、一方の端子が接続されているダイオードと、前記電源の正極に、一方の端子が接続されている第1のトランジスタと、前記電源の負極に、一方の端子が接続されている第2のトランジスタと、前記ダイオードの他方の端子に、一方の端子が接続されている抵抗と、前記ダイオードの他方の端子に、一方の端子が接続されている他のダイオードと、前記抵抗の他方の端子及び前記他のダイオードの他方の端子に、一方の端子が接続されているコンデンサと、を有し、前記電源はバッテリであって、前記ダイオードは、一方の端子より他方の端子に電流が流れるように接続されており、前記コンデンサの他方の端子は、前記第1のトランジスタの他方の端子及び前記第2のトランジスタの他方の端子と接続されており、前記他のダイオードは、前記他方の端子から前記一方の端子に向かって電流が流れるように接続されており、前記ダイオードの他方の端子と前記電源の負極との間には、前記パルスモータを駆動するためのトランジスタが設けられ、前記パルスモータの励磁相への通電開始期間においては、前記第1のトランジスタがオンとなるとともに前記第2のトランジスタがオフとなり、前記通電開始期間を除く期間においては、前記第1のトランジスタがオフとなるとともに前記第2のトランジスタがオンとなることを特徴とする。
【0010】
また、本実施の形態の他の一観点によれば、パルスモータを駆動するパルスモータ駆動回路において、電源の正極に、一方の端子が接続されているダイオードと、前記電源の正極に、一方の端子が接続されている第1のトランジスタと、前記電源の負極に、一方の端子が接続されている第2のトランジスタと、前記ダイオードの他方の端子に、一方の端子が接続されている充放電用トランジスタと、前記充放電用トランジスタの他方の端子に、一方の端子が接続されているコンデンサと、を有し、前記電源はバッテリであって、前記ダイオードは、一方の端子より他方の端子に電流が流れるように接続されており、前記コンデンサの他方の端子は、前記第1のトランジスタの他方の端子及び前記第2のトランジスタの他方の端子と接続されており、前記ダイオードの他方の端子と前記電源の負極との間には、前記パルスモータを駆動するためのトランジスタが設けられ、前記パルスモータの励磁相への通電開始期間においては、前記第1のトランジスタがオンとなるとともに前記第2のトランジスタがオフとなり、前記通電開始期間を除く期間においては、前記第1のトランジスタがオフとなるとともに前記第2のトランジスタがオンとなることを特徴とする。




【0011】
また、本実施の形態の他の一観点によれば、パルスモータにおける励磁相に電圧を供給することにより、前記パルスモータを駆動するパルスモータ駆動方法において、前記パルスモータにおける励磁相への通電開始期間においては、コンデンサに蓄えられていた電荷を放電することにより、電源電圧に重畳された電圧を前記パルスモータにおける励磁相に供給し、前記パルスモータにおける励磁相への通電期間であって、前記通電開始期間を除く期間においては、前記電源電圧を前記パルスモータにおける励磁相に供給するとともに、前記電源により前記コンデンサに充電を行い、前記パルスモータにおける励磁相への通電期間を除く期間においては、前記パルスモータにおける励磁相への電圧を供給することなく、前記コンデンサに充電を行う。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、パルスモータを高速動作させることのできるパルスモータ駆動回路及びパルスモータ駆動方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】パルスモータの1−2相励磁駆動における真理表
図2】パルスモータの1−2相励磁駆動におけるタイミングチャート
図3】第1の実施の形態におけるパルスモータ駆動回路の構成図
図4】第1の実施の形態におけるパルスモータ駆動方法のタイミングチャート
図5】第1の実施の形態における他のパルスモータ駆動回路の構成図
図6】第2の実施の形態におけるパルスモータ駆動回路の構成図
図7】第2の実施の形態におけるパルスモータ駆動方法のタイミングチャート
図8】第2の実施の形態における他のパルスモータ駆動回路の構成図
図9】第3の実施の形態におけるパルスモータ駆動回路の構成図
図10】第3の実施の形態におけるパルスモータ駆動方法のタイミングチャート
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0015】
〔第1の実施の形態〕
最初に、ステッピングモータにおける1−2相励磁駆動について説明する。図1及び図2は、1−2相励磁駆動の場合における真理表と流れる電流のタイミングチャートを示す。ステッピングモータを駆動する際には、コイルA、A、B、Bに流れる電流を図1及び図2に示される時間T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8の順に変化させることにより、ステッピングモータを回転させることができる。このようなステッピングモータにおいては、コイルA、A、B、Bに、電流を流し始める立ち上がりの際に、電圧降下が生じ、立ち上がり特性が悪くなり、高速回転させることができない。尚、図2におけるα、β、γ、δは、立ち上がりのステップであり、このステップにおいて電圧降下が生じる。また、本実施の形態においては、例えば、図2におけるA相(A、A)について、ステッピングモータのパルスモータ励磁相に電圧が印加されている期間、即ち、時間T1、T2、T3、T5、T6、T7を通電期間と記載する場合があり、このうち立ち上がりの期間となる時間T1、T5を通電開始期間と記載する場合がある。
【0016】
(パルスモータ駆動回路)
次に、第1の実施の形態におけるパルスモータ駆動回路について説明する。図3は、本実施の形態におけるパルスモータ駆動回路の構成を示すものである。尚、図3は、A相(A、A)のみを示しており、B相(B、B)については省略されている。よって、実際のパルスモータ駆動回路においては、B相(B、B)についても、A相(A、A)と同様の構成のパルスモータ駆動回路が設けられている。
【0017】
本実施の形態におけるパルスモータ駆動回路は、電源電圧を供給する電源10、コンデンサ21、抵抗22、ダイオード23、第1のスイッチ(S1)31、第2のスイッチ(S2)32、第3のスイッチ(S3)33等を有している。本実施の形態においては、第1のスイッチ(S1)31、第2のスイッチ(S2)32及び第3のスイッチ(S3)33において、オン(ON)とはスイッチが閉じていることを意味し、オフ(OFF)とはスイッチが開いていることを意味する。
【0018】
パルスモータのパルスモータ励磁相40におけるAには、低圧側との間においてダイオード51及びトランジスタ61が接続されており、このダイオード51とトランジスタ61は並列に接続されている。また、高圧側との間においてダイオード52及びトランジスタ62が接続されており、このダイオード52とトランジスタ62は並列に接続されている。
【0019】
具体的には、ダイオード51及びトランジスタ61における双方の一方の端子は電源10の負極と接続されており、双方の他方の端子はパルスモータ励磁相40におけるAと接続されている。また、ダイオード52及びトランジスタ62における双方の一方の端子はパルスモータ励磁相40におけるAと接続されており、双方の他方の端子は高圧側の配線と接続されている。従って、ダイオード51及びトランジスタ61における双方の他方の端子は、ダイオード52及びトランジスタ62における双方の一方の端子と接続されている。
【0020】
また、パルスモータのパルスモータ励磁相40におけるAには、低圧側との間においてダイオード53及びトランジスタ63が接続されており、このダイオード53とトランジスタ63は並列に接続されている。また、高圧側との間においてダイオード54及びトランジスタ64が接続されており、このダイオード54とトランジスタ64は並列に接続されている。
【0021】
具体的には、ダイオード53及びトランジスタ63における双方の一方の端子は電源10の負極と接続されており、双方の他方の端子はパルスモータ励磁相40におけるAと接続されている。また、ダイオード54及びトランジスタ64における双方の一方の端子はパルスモータ励磁相40におけるAと接続されており、双方の他方の端子は高圧側の配線と接続されている。従って、ダイオード53及びトランジスタ63における双方の他方の端子は、ダイオード54及びトランジスタ64における双方の一方の端子と接続されている。
【0022】
電源10の正極には、第1のスイッチ(S1)31の一方の端子、及び、第2のスイッチ(S2)32の一方の端子が接続されており、電源10の負極には、第3のスイッチ(S3)33の一方の端子が接続されている。
【0023】
抵抗22とダイオード23は並列に接続されており、第1のスイッチ(S1)31の他方の端子は、抵抗22及びダイオード23における双方の一方の端子と接続されており、更には、ダイオード52の他方の端子、トランジスタ62の他方の端子、ダイオード54の他方の端子及びトランジスタ64の他方の端子と接続されている。
【0024】
抵抗22及びダイオード23における双方の他方の端子は、コンデンサ21の一方の端子に接続されており、コンデンサ21の他方の端子は、第2のスイッチ(S2)32の他方の端子及び第3のスイッチ(S3)33の他方の端子と接続されている。
【0025】
本実施の形態においては、第1のスイッチ(S1)31と第3のスイッチ(S3)33は連動して動作し、第2のスイッチ(S2)32は、第1のスイッチ(S1)31及び第3のスイッチ(S3)33における動作と逆の動作となるように制御されている。
【0026】
(パルスモータ駆動方法)
次に、第1の実施の形態におけるパルスモータ駆動方法について説明する。図4は、本実施の形態におけるパルスモータ駆動方法におけるタイミングチャートである。本実施の形態において、ステッピングモータを駆動する際には、コイルA、A等に流れる電流を図4に示される時間T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8の順に変化させることにより、ステッピングモータを回転させることができる。
【0027】
具体的には、時間T1においては、パルスモータ励磁相40におけるAはLとし、AはHとし、第1のスイッチ(S1)31はオフとし、第2のスイッチ(S2)32はオンとし、第3のスイッチ(S3)33はオフとする。尚、トランジスタ61及び64はオンとなり、トランジスタ62及び63はオフとなる。これにより、図4(b)に示されるように、コンデンサ21に蓄積されていた電荷が電源10の電圧Vcに重畳されるため、AをHとする初期においては、電源10の電圧Vcの約2倍となる約2Vcの電圧がパルスモータ励磁相40に印加される。この後、印加される電圧は、コンデンサ21における放電に伴い徐々に低下する。この際、パルスモータ励磁相40に流れる電流は、コンデンサ21より、ダイオード23、トランジスタ64、パルスモータ励磁相40、トランジスタ61の順に流れる。
【0028】
次に、時間T2及びT3においては、パルスモータ励磁相40におけるAはL、AはHの状態のまま、第1のスイッチ(S1)31はオンとし、第2のスイッチ(S2)32はオフとし、第3のスイッチ(S3)33はオンとする。これにより、電源10における電圧Vcがパルスモータ励磁相40に印加されるとともに、コンデンサ21への充電が行われる。この際、パルスモータ励磁相40に流れる電流は、電源10より、第1のスイッチ(S1)31、トランジスタ64、パルスモータ励磁相40、トランジスタ61の順に流れ、電源10に戻る。また、コンデンサ21は、一方の端子が抵抗22及び第1のスイッチ(S1)31を介し、電源10の正極と接続され、他方の端子が第3のスイッチ(S3)33を介し、電源10の負極と接続される。よって、抵抗22による電流制限を受けつつ、電源10によりコンデンサ21への充電が行われる。尚、抵抗22が設けられていない場合には、図4(b)において、破線で示されるように、コンデンサ21に大電流が流れてしまうため、電圧降下が生じ、パルスモータの駆動に悪影響を与える。
【0029】
次に、時間T4においては、第1のスイッチ(S1)31はオン、第2のスイッチ(S2)32はオフ、第3のスイッチ(S3)33はオン、パルスモータ励磁相40におけるAはLの状態のまま、AはLとする。尚、トランジスタ61から64はオフとなっている。この状態においては、パルスモータ励磁相40には電圧が印加されていないため、パルスモータ励磁相40に電流が流れることはない。しかしながら、パルスモータ励磁相40への電力の供給が停止されるため、図4(b)に示すように、逆起電力が発生する。この状態においては、コンデンサ21は、一方の端子が抵抗22及び第1のスイッチ(S1)31を介し、電源10の正極と接続され、他方の端子が第3のスイッチ(S3)33を介し、電源10の負極と接続されている。よって、電源10によるコンデンサ21への充電が継続される。
【0030】
次に、時間T5においては、パルスモータ励磁相40におけるAはHとし、AはLのままで、第1のスイッチ(S1)31はオフとし、第2のスイッチ(S2)32はオンとし、第3のスイッチ(S3)33はオフとする。尚、トランジスタ62及び63はオンとなり、トランジスタ61及び64はオフとなっている。これにより、図4(b)に示されるように、コンデンサ21に蓄積されていた電荷が電源10の電圧Vcに重畳されるため、初期においては、電源10の電圧Vcの約2倍となる約2Vcの電圧がパルスモータ励磁相40に印加される。この後、印加される電圧は、コンデンサ21における放電に伴い徐々に低下する。この際、パルスモータ励磁相40に流れる電流は、コンデンサ21より、ダイオード23、トランジスタ62、パルスモータ励磁相40、トランジスタ63の順に流れる。
【0031】
次に、時間T6及びT7においては、パルスモータ励磁相40におけるAはH、AはLの状態のまま、第1のスイッチ(S1)31はオンとし、第2のスイッチ(S2)32はオフとし、第3のスイッチ(S3)33はオンとする。これにより、電源10における電圧Vcがパルスモータ励磁相40に印加されるとともに、コンデンサ21への充電が行われる。この際、パルスモータ励磁相40に流れる電流は、電源10より、第1のスイッチ(S1)31、トランジスタ62、パルスモータ励磁相40、トランジスタ63の順に流れ、電源10に戻る。また、コンデンサ21は、一方の端子が抵抗22及び第1のスイッチ(S1)31を介し、電源10の正極と接続され、他方の端子が第3のスイッチ(S3)33を介し、電源10の負極と接続される。よって、抵抗22による電流制限を受けつつ、電源10によりコンデンサ21への充電が行われる。尚、抵抗22が設けられていない場合には、図4(b)において、破線で示されるように、コンデンサ21に大電流が流れてしまうため、電圧降下が生じ、パルスモータの駆動に悪影響を与える。
【0032】
次に、時間T8においては、第1のスイッチ(S1)31はオン、第2のスイッチ(S2)32はオフ、第3のスイッチ(S3)33はオンの状態のまま、パルスモータ励磁相40におけるAはLとし、AはLのままである。尚、トランジスタ61から64はオフとなっている。この状態においては、パルスモータ励磁相40には電圧が印加されないため、パルスモータ励磁相40に電流が流れることはない。しかしながら、パルスモータ励磁相40への電力の供給が停止されるため、図4(b)に示すように、逆起電力が発生する。この状態においては、コンデンサ21は、一方の端子が抵抗22及び第1のスイッチ(S1)31を介し、電源10の正極と接続され、他方の端子が第3のスイッチ(S3)33を介し、電源10の負極と接続される。よって、電源10によるコンデンサ21への充電が継続される。
【0033】
本実施の形態におけるパルスモータ駆動方法では、時間T1及び時間T5において、初期に、電源10の電圧Vcの約2倍となる約2Vcの電圧がパルスモータ励磁相40に印加される。このため、電圧降下が生じることはなく、流れる電流の立ち上がり特性も良好にすることができ、パルスモータを高速回転させることが可能となる。
【0034】
また、本実施の形態におけるパルスモータ駆動回路は、図5に示されるように、第1のスイッチ(S1)31の位置に、第1のダイオード131を用いて、電源10に対し順方向となるように接続してもよい。また、第2のスイッチ(S2)32の位置に、第1のトランジスタ(TR1)142を用いてもよい。この際、第1のトランジスタ(TR1)142と並列に、電源10に対し逆方向に接続される第2のダイオード132を設けてもよい。また、第3のスイッチ(S3)33の位置に、第2のトランジスタ(TR2)143を用いてもよい。この際、第2のトランジスタ(TR2)143と並列に、電源10に対し逆方向に接続される第3のダイオード133を設けてもよい。尚、本実施の形態においては、トランジスタの一方の端子とは、ソースまたはドレインのうちのいずれか一方であって、トランジスタの他方の端子とは、ソースまたはドレインのうちの他方であるものとする。また、抵抗22を制限素子と記載する場合がある。
【0035】
〔第2の実施の形態〕
(パルスモータ駆動回路)
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態におけるパルスモータ駆動回路は、図6に示すように、充放電用トランジスタが設けられている構成のものである。
【0036】
また、本実施の形態におけるパルスモータ駆動回路は、図5に示す場合と同様に、
第1のダイオード131、第1のトランジスタ(TR1)142、第2のトランジスタ(TR2)143を用いている。この際、第1のトランジスタ(TR1)142に並列に第2のダイオード132を設けてもよく、第2のトランジスタ(TR2)143に並列に第3のダイオード133を設けてもよい。
【0037】
図6に示されるように、本実施の形態におけるパルスモータ駆動回路は、充放電用トランジスタ(TRC)150が設けられている。充放電用トランジスタ150の一方の端子は、第1のダイオード131の他方の端子、更には、ダイオード52の他方の端子、トランジスタ62の他方の端子、ダイオード54の他方の端子及びトランジスタ64の他方の端子と接続されている。また、充放電用トランジスタ150の他方の端子は、コンデンサ21の一方の端子と接続されている。本実施の形態においては、充放電用トランジスタ150を制限素子と記載する場合がある。
【0038】
(パルスモータ駆動方法)
次に、第2の実施の形態におけるパルスモータ駆動方法について説明する。図7は、本実施の形態におけるパルスモータ駆動方法におけるタイミングチャートである。本実施の形態において、ステッピングモータを駆動する際には、コイルA、A等に流れる電流を図7に示される時間T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8の順に変化させることにより、ステッピングモータを回転させることができる。
【0039】
具体的には、時間T1においては、パルスモータ励磁相40におけるAはLとし、AはHとし、第1のトランジスタ(TR1)142はオンとし、第2のトランジスタ(TR2)143はオフとし、充放電用トランジスタ(TRC)150はオンとする。これにより、図7(b)に示されるように、コンデンサ21に蓄積されていた電荷が電源10の電圧Vcに重畳されるため、初期においては、電源10の電圧Vcの約2倍となる約2Vcの電圧がパルスモータ励磁相40に印加される。この後、印加される電圧は、コンデンサ21における放電に伴い徐々に低下する。この際、パルスモータ励磁相40に流れる電流は、コンデンサ21より、充放電用トランジスタ(TRC)150、トランジスタ64、パルスモータ励磁相40、トランジスタ61の順に流れる。
【0040】
次に、時間T2及びT3においては、パルスモータ励磁相40におけるAはL、AはHの状態のまま、第1のトランジスタ(TR1)142はオフとし、第2のトランジスタ(TR2)143はオンとする。また、充放電用トランジスタ(TRC)150においてはチョッパ制御を行う。これにより、電源10における電圧Vcがパルスモータ励磁相40に印加されるとともに、コンデンサ21への充電が行われる。この際、パルスモータ励磁相40に流れる電流は、電源10より、第1のダイオード131、トランジスタ64、パルスモータ励磁相40、トランジスタ61の順に流れ、電源10に戻る。また、コンデンサ21は、一方の端子が充放電用トランジスタ(TRC)150及び第1のダイオード131を介し、電源10の正極と接続され、他方の端子が第2のトランジスタ(TR2)143を介し、電源10の負極と接続される。よって、充放電用トランジスタ(TRC)150においてチョッパ制御による電流制限を受けつつ、電源10によりコンデンサ21への充電が行われる。
【0041】
次に、時間T4においては、第1のトランジスタ(TR1)142はオフ、第2のトランジスタ(TR2)143はオンの状態のまま、パルスモータ励磁相40におけるAはLのまま、AはLとし、充放電用トランジスタ(TRC)150はオンとする。この状態においては、パルスモータ励磁相40には電圧が印加されていないため、パルスモータ励磁相40に電流が流れることはない。しかしながら、パルスモータ励磁相40への電力の供給が停止されるため、図7(b)に示すように、逆起電力が発生する。この状態においては、コンデンサ21は、一方の端子が充放電用トランジスタ(TRC)150及び第1のダイオード131を介し、電源10の正極と接続され、他方の端子が第2のトランジスタ(TR2)143を介し、電源10の負極と接続される。よって、電源10によるコンデンサ21への充電が継続される。
【0042】
次に、時間T5においては、パルスモータ励磁相40におけるAはHとし、AはLのまま、第1のトランジスタ(TR1)142はオンとし、第2のトランジスタ(TR2)143はオフとし、充放電用トランジスタ(TRC)150はオンとする。これにより、図7(b)に示されるように、コンデンサ21に蓄積されていた電荷が電源10の電圧Vcに重畳されるため、初期においては、電源10の電圧Vcの約2倍となる約2Vcの電圧がパルスモータ励磁相40に印加される。この後、印加される電圧は、コンデンサ21における放電に伴い徐々に低下する。この際、パルスモータ励磁相40に流れる電流は、コンデンサ21より、充放電用トランジスタ(TRC)150、トランジスタ62、パルスモータ励磁相40、トランジスタ63の順に流れる。
【0043】
次に、時間T6及びT7においては、パルスモータ励磁相40におけるAはH、AはLの状態のまま、第1のトランジスタ(TR1)142はオフとし、第2のトランジスタ(TR2)143はオンとする。また、充放電用トランジスタ(TRC)150においてはチョッパ制御を行う。これにより、電源10における電圧Vcがパルスモータ励磁相40に印加されるとともに、コンデンサ21への充電が行われる。この際、パルスモータ励磁相40に流れる電流は、電源10より、第1のダイオード131、トランジスタ62、パルスモータ励磁相40、トランジスタ63の順に流れ、電源10に戻る。また、コンデンサ21は、一方の端子が充放電用トランジスタ(TRC)150及び第1のダイオード131を介し、電源10の正極と接続され、他方の端子が第2のトランジスタ(TR2)143を介し、電源10の負極と接続される。よって、充放電用トランジスタ(TRC)150においてチョッパ制御による電流制限を受けつつ、電源10によりコンデンサ21への充電が行われる。
【0044】
次に、時間T8においては、第1のトランジスタ(TR1)142はオフ、第2のトランジスタ(TR2)143はオンの状態のまま、パルスモータ励磁相40におけるAはLとし、AはLのまま、充放電用トランジスタ(TRC)150はオンとする。この状態においては、パルスモータ励磁相40には電圧が印加されていないため、パルスモータ励磁相40に電流が流れることはない。しかしながら、パルスモータ励磁相40への電力の供給が停止されるため、図7(b)に示すように、逆起電力が発生する。この状態においては、コンデンサ21は、一方の端子が充放電用トランジスタ(TRC)150及び第1のダイオード131を介し、電源10の正極と接続され、他方の端子が第2のトランジスタ(TR2)143を介し、電源10の負極と接続される。よって、電源10によるコンデンサ21への充電が継続される。
【0045】
尚、本実施の形態におけるパルスモータ駆動回路は、図8に示されるように、第1の実施の形態における図3に示される場合と同様に、第1のダイオード131の位置に、第1のスイッチ(S1)31を設け、第1のトランジスタ(TR1)142の位置に、第2のスイッチ(S2)32を設け、第2のトランジスタ(TR2)143の位置に、第3のスイッチ(S3)33を設けた構造のものであってもよい。また、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0046】
〔第3の実施の形態〕
(パルスモータ駆動回路)
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態におけるパルスモータ駆動回路は、図9に示されるように、第2の実施の形態におけるパルスモータ駆動回路において、充放電用トランジスタが設けられていない構成のものである。具体的には、コンデンサ21における一方の端子は、ダイオード131の他方の端子、更には、ダイオード52の他方の端子、トランジスタ62の他方の端子、ダイオード54の他方の端子及びトランジスタ64の他方の端子と接続されている。
【0047】
本実施の形態においては、第2のトランジスタ(TR2)143におけるゲート電圧を制御することにより、コンデンサ21を充電する際に電源10より流れる電流量を制御することができる。
【0048】
(パルスモータ駆動方法)
次に、第3の実施の形態におけるパルスモータ駆動方法について説明する。図10は、本実施の形態におけるパルスモータ駆動方法におけるタイミングチャートである。本実施の形態において、ステッピングモータを駆動する際には、コイルA、A等に流れる電流を図10に示される時間T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8の順に変化させることにより、ステッピングモータを回転させることができる。尚、図10において、ゲート電圧TR1gは第1のトランジスタ(TR1)142におけるゲート電圧であり、ゲート電圧TR2gは第2のトランジスタ(TR2)143におけるゲート電圧である。
【0049】
具体的には、時間T1においては、パルスモータ励磁相40におけるAはLとし、AはHとし、第1のトランジスタ(TR1)142はオンとし、第2のトランジスタ(TR2)143はオフとする。この際、第1のトランジスタ(TR1)142におけるゲート電圧TR1gは、第1のトランジスタ(TR1)142がオンとなるゲート電圧であり、第2のトランジスタ(TR2)143におけるゲート電圧TR2gは、第2のトランジスタ(TR2)143がオフとなるゲート電圧、即ち、0Vである。これにより、図10(b)に示されるように、コンデンサ21に蓄積されていた電荷が電源10の電圧Vcに重畳されるため、初期においては、電源10の電圧Vcの約2倍となる約2Vcの電圧がパルスモータ励磁相40に印加される。この後、印加される電圧は、コンデンサ21における放電に伴い徐々に低下する。この際、パルスモータ励磁相40に流れる電流は、コンデンサ21より、トランジスタ64、パルスモータ励磁相40、トランジスタ61の順に流れる。
【0050】
次に、時間T2及びT3においては、パルスモータ励磁相40におけるAはL、AはHの状態のまま、第1のトランジスタ(TR1)142はオフとし、第2のトランジスタ(TR2)143にはオンする場合よりも低いゲート電圧を印加する。具体的には、第1のトランジスタ(TR1)142におけるゲート電圧TR1gは、第1のトランジスタ(TR1)142がオフとなるゲート電圧、即ち、0Vである。また、第2のトランジスタ(TR2)143におけるゲート電圧TR2gは、コンデンサ21を充電する際に所定の電流量を流すことのできるゲート電圧、即ち、第2のトランジスタ(TR2)143がオンとなるゲート電圧よりも低いゲート電圧である。これにより、電源10における電圧Vcがパルスモータ励磁相40に印加されるとともに、コンデンサ21への充電が行われる。この際、パルスモータ励磁相40に流れる電流は、電源10より、第1のダイオード131、トランジスタ64、パルスモータ励磁相40、トランジスタ61の順に流れ、電源10に戻る。また、コンデンサ21は、一方の端子が第1のダイオード131を介し、電源10の正極と接続され、他方の端子が第2のトランジスタ(TR2)143を介し、電源10の負極と接続される。よって、第2のトランジスタ(TR2)143による電流制限を受けつつ、電源10によりコンデンサ21への充電が行われる。
【0051】
次に、時間T4においては、第1のトランジスタ(TR1)142はオフの状態のまま、第2のトランジスタ(TR2)143はオンとし、パルスモータ励磁相40におけるAはLのまま、AはLとする。具体的には、第1のトランジスタ(TR1)142におけるゲート電圧TR1gは、第1のトランジスタ(TR1)142がオフとなるゲート電圧、即ち、0Vのままである。第2のトランジスタ(TR2)143におけるゲート電圧TR2gは、第2のトランジスタ(TR2)143がオンとなるゲート電圧である。この状態においては、パルスモータ励磁相40には電圧が印加されていないため、パルスモータ励磁相40に電流が流れることはない。しかしながら、パルスモータ励磁相40への電力の供給が停止されるため、図10(b)に示すように、逆起電力が発生する。この状態においては、コンデンサ21は、一方の端子が第1のダイオード131を介し、電源10の正極と接続され、他方の端子が第2のトランジスタ(TR2)143を介し、電源10の負極と接続される。よって、電源10によるコンデンサ21への充電が継続される。
【0052】
次に、時間T5においては、パルスモータ励磁相40におけるAはHとし、AはLのまま、第1のトランジスタ(TR1)142はオンとし、第2のトランジスタ(TR2)143はオフとする。この際、第1のトランジスタ(TR1)142におけるゲート電圧TR1gは、第1のトランジスタ(TR1)142がオンとなるゲート電圧である。第2のトランジスタ(TR2)143におけるゲート電圧TR2gは、第2のトランジスタ(TR2)143がオフとなるゲート電圧、即ち、0Vである。これにより、図10(b)に示されるように、コンデンサ21に蓄積されていた電荷が電源10の電圧Vcに重畳されるため、初期においては、電源10の電圧Vcの約2倍となる約2Vcの電圧がパルスモータ励磁相40に印加される。この後、印加される電圧は、コンデンサ21における放電に伴い徐々に低下する。この際、パルスモータ励磁相40に流れる電流は、コンデンサ21より、トランジスタ62、パルスモータ励磁相40、トランジスタ63の順に流れる。
【0053】
次に、時間T6及びT7においては、パルスモータ励磁相40におけるAはH、AはLの状態のまま、第1のトランジスタ(TR1)142はオフとし、第2のトランジスタ(TR2)143には低いゲート電圧が印加されている。具体的には、第1のトランジスタ(TR1)142におけるゲート電圧TR1gは、第1のトランジスタ(TR1)142がオフとなるゲート電圧、即ち、0Vである。また、第2のトランジスタ(TR2)143におけるゲート電圧TR2gは、コンデンサ21を充電する際に所定の電流量を流すことのできるゲート電圧、即ち、第2のトランジスタ(TR2)143をオンにするゲート電圧よりも低いゲート電圧である。これにより、電源10における電圧Vcがパルスモータ励磁相40に印加されるとともに、コンデンサ21への充電が行われる。この際、パルスモータ励磁相40に流れる電流は、電源10より、第1のダイオード131、トランジスタ62、パルスモータ励磁相40、トランジスタ63の順に流れ、電源10に戻る。また、コンデンサ21は、一方の端子が第1のダイオード131を介し、電源10の正極と接続され、他方の端子が第2のトランジスタ(TR2)143を介し、電源10の負極と接続される。よって、第2のトランジスタ(TR2)143による電流制限を受けつつ、電源10によりコンデンサ21への充電が行われる。
【0054】
次に、時間T8においては、第1のトランジスタ(TR1)142はオフの状態のまま、第2のトランジスタ(TR2)143はオンとし、パルスモータ励磁相40におけるAはLとし、AはLのままである。具体的には、第1のトランジスタ(TR1)142におけるゲート電圧TR1gは、第1のトランジスタ(TR1)142がオフとなるゲート電圧、即ち、0Vのままである。第2のトランジスタ(TR2)143におけるゲート電圧TR2gは、第2のトランジスタ(TR2)143がオンとなるゲート電圧である。この状態においては、パルスモータ励磁相40には電圧が印加されていないため、パルスモータ励磁相40に電流が流れることはない。しかしながら、パルスモータ励磁相40への電力の供給が停止されるため、図10(b)に示すように、逆起電力が発生する。この状態においては、コンデンサ21は、一方の端子が第1のダイオード131を介し、電源10の正極と接続され、他方の端子が第2のトランジスタ(TR2)143を介し、電源10の負極と接続される。よって、電源10によるコンデンサ21への充電が継続される。
【0055】
尚、上記以外の内容については、第1または第2の実施の形態と同様である。
【0056】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
【符号の説明】
【0057】
10 電源
21 コンデンサ
22 抵抗
23 ダイオード
31 第1のスイッチ
32 第2のスイッチ
33 第3のスイッチ
40 パルスモータ励磁相
51 ダイオード
52 ダイオード
53 ダイオード
54 ダイオード
61 トランジスタ
62 トランジスタ
63 トランジスタ
64 トランジスタ




図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10