【文献】
設備紹介,日本,三和鍍金工業株式会社,インターネットより入手(入手日:2018年6月25日)(URL:www.sanwa-3.co.jp/company/equipment/index.html)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記バレル用治具(9)は、被めっき材を収納するバレル(92)、前記バレル(92)を支持するバレル支持部材(91)、及び前記バレル支持部材(91)を前記めっき槽(31)の縁に取り付ける引掛部(93)を有し、前記めっき槽(31)に対して着脱可能である
ことを特徴とする請求項1に記載のめっき装置(3)。
前記バレル用治具(9)を前記めっき槽(31)に取り付けた場合、前記バレル支持部材(91)の上方が前記陰極部(33)とめっき槽(31)の間から突出し、下方が前記めっき槽(31)の対向する前記陽極部(34)間の中央に近づくように、前記バレル支持部材(91)は、前記引掛部(93)に傾斜して取り付けられる
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のめっき装置(3)。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づき本発明にかかる一実施形態のめっき装置3、めっきユニット1、及びめっきライン10を具体的に説明する。
【0022】
図1は、本発明にかかる一実施形態のめっき装置の第1実施例を示す。
【0023】
めっき装置3は、めっき液を貯留するめっき槽31と、めっき槽31の上方に設置され陰極部を構成する陰極バー33と、陰極バー33を揺動する揺動装置32と、めっき槽31内に配置される陽極部を構成する陽極板34と、めっき槽31内側に設置されめっき液を加熱するヒータ35と、めっき槽31内側に設置されめっき液の液面を検知する液面検知部36と、めっき槽31内側に設置されめっき液の温度を検知する温度検知部37と、を有する。
【0024】
めっき槽31は、上方が開放可能に設置された箱状の部材である。ここで、被めっき材の交換作業を行う作業スペースS側の面を正面311、作業スペースSからめっき槽31をへだてて奥側の面を背面312、正面311と背面312を結び後述するようにめっきユニット1を連設する方向の両側の面を側面313とする。めっき槽31には、めっき液が貯留される。めっき槽31の上方には、棒状の陰極バー33が正面311から背面312に渡って設置される。陰極バー33の一端は、揺動装置32に取り付けられる。揺動装
置32は、めっき槽31の背面312の外側に設置され、陰極バー33を揺動させる。陽極板34は、上方から見て陰極バー33を挟むようにめっき槽31の側面313の内側に対向して設置される。
【0025】
図2は、本発明にかかる一実施形態の第1実施例のめっき装置を静止めっき状態で使用する一例を示し、めっき装置3のめっき槽31の側面313に直交する断面から背面側を見た図である。
【0026】
図2に示す例では、めっき装置3は、静止めっき用治具8を使用する。静止めっき用治具8は、陰極バー33に吊り下げられる吊下部81と、吊下部81から枝分かれして広がり被めっき材Pを保持するハンガー部82と、を有する。
【0027】
なお、静止めっき用治具8は、この例に限らず、カゴ状の部分に被めっき材Pを載せる構成、釣り針状の先端に被めっき材Pを引っ掛ける構成、又は洗濯ばさみの様にバネによって被めっき材Pを挟む構成等でもよい。
【0028】
作動時、めっき装置3では、被めっき材Pを保持した静止めっき用治具8が陰極バー33に吊り下げられ、めっき槽31内のめっき液に浸される。そして、陽極板34と陰極バー33に電流を流すことで、被めっき材Pがめっきされる。
【0029】
図3は、本発明にかかる一実施形態の第1実施例のめっき装置をバレルめっき状態で使用する一例を示す。
図3(a)は、第1実施例のバレルめっき状態で使用するめっき装置のめっき槽の正面を透過して見た図、
図3(b)は、第1実施例のバレルめっき状態で使用するめっき装置のめっき槽の側面を透過して見た図である。
【0030】
図3に示す例では、めっき装置3は、バレルめっき用治具9を使用する。バレルめっき用治具9は、バレル支持部材91と、バレル支持部材91の下方側に支持されるバレル92と、バレル支持部材91の上方側に取り付けられる引掛部93と、を有する。
【0031】
バレル92は、表面にめっき液が通過する孔又はスリットが形成される筒状の部材であって、バレル支持部材91に対して回転可能に設置される。なお、バレル92の断面形状は、円形に限らず、多角形、特に五角形又は六角形でもよい。バレル92の内部には、被めっき材Pが収納される。引掛部93は、めっき槽31の正面311の縁に引っ掛けられ、バレル支持部材91及びバレル92を保持する。第1実施例では、
図3(a)に示すようにめっき装置3を正面311から見ても、
図3(b)に示すようにめっき装置3を側面313から見ても、バレル支持部材91が傾斜するように引掛部93によって引っ掛けられる。
【0032】
図3(a)に示すようにめっき装置3の正面311側から見ると、バレル支持部材91は、上方よりも下方が対向する陽極板34間のめっき槽31の中央に近づくように傾斜する。また、
図3(b)に示すようにめっき装置3の側面313側から見ると、バレル92は、引掛部93から離れるほど下方に傾斜するように、バレル支持部材91に取り付けられる。なお、バレル92は、バレル支持部材91に対して直角に取り付けられることが好ましい。すなわち、バレル支持部材91は、めっき装置3の側面313側から見ると、上方よりも下方がめっき槽31の正面311に近づくように傾斜する。
【0033】
このように、バレル支持部材91を傾斜させ、バレル92を対向する陽極板34間のめっき槽31の中央に近づけるので、めっき装置3は、被めっき材Pを的確にめっきすることが可能となる。また、バレル92をバレル支持部材91から離れた先端が下方に位置するように傾斜させることで、被めっき材Pが少量であっても下方に集まり、効率的に安定
して給電することが可能となる。
【0034】
作動時、めっき装置3では、まず、バレル部9をめっき槽31内に挿入する。この時、陰極バー33を避けるように斜めに挿入することが望ましい。そして、被めっき材Pを収納したバレル92がめっき槽31内のめっき液に浸される。バレル92内には、被めっき材Pと共に陰極リード線94が挿入される。この状態で、陽極板34と陰極リード線94に電流を流すことで、被めっき材Pがめっきされる。なお、
図3に示すバレルめっきの例では、揺動装置32と陰極バー33は、使用しない。
【0035】
このように、第1実施例のめっき装置3は、静止めっきとバレルめっきの両方に対応することができ、様々な製品に対応してめっきすることが可能となる。また、バレル用治具9をめっき槽31に取り付けた場合、バレル支持部材91の上方が陰極バー33とめっき槽31の間から突出し、下方がめっき槽31の中央に近づくように、バレル支持部材91は、引掛部93に傾斜して取り付けられるので、被めっき材をめっき槽31の中央で効率的にめっきすることが可能となる。
【0036】
図4は、本発明にかかる一実施形態の第2実施例のめっき装置をバレルめっき状態で使用する一例を示す。
図4(a)は、第2実施例のバレルめっき状態で使用するめっき装置のめっき槽の正面を透過して見た図、
図4(b)は、第2実施例のバレルめっき状態で使用するめっき装置のめっき槽の側面を透過して見た図である。
【0037】
図4に示す第2実施例では、めっき装置3の陰極バー33は、屈曲部331を有する。屈曲部331は、上方に折れた状態で留まることができる。
【0038】
第2実施例を静止めっきとして使用する場合、
図2に示した第1実施例と同様に、めっき装置3は、陰極バー33を折り曲げず、静止めっき用治具8を吊り下げてめっきする。
【0039】
第2実施例をバレルめっきとして使用する場合、
図4に示すように、バレルめっき用治具9を使用する。バレルめっき用治具9は、
図3に示した構造とほぼ同様であるが、陰極バー33が屈曲部331で折り曲げられるので、揺動装置32に対向する位置に引っ掛ければ、陰極バー33を避けるように傾斜させる必要はない。したがって、
図4(a)に示すように、めっき装置3を正面311側から見た場合には、バレル支持部材91は傾斜していない。その他のバレルめっき用治具9の構造は、
図3に示した実施例1と同様である。なお、屈曲部331は、アクチュエータ等によって屈曲させてもよい。
【0040】
このように、第2実施例のめっき装置3は、静止めっきとバレルめっきの両方に対応することができ、様々な製品に対応してめっきすることが可能となる。そして、めっき装置3を正面311側から見た場合には、バレル支持部材91を傾斜させる必要がないので、バレルめっき用治具9を簡単な構造とすることが可能となる。また、陰極バー33を移動させた空間からバレル92を容易に設置することが可能となる。さらに、バレル支持部材91から離れたバレル92の先端が下方に位置するようにバレル92を傾斜させることで、被めっき材Pが少量であっても下方に集まり、安定して給電することが可能となる。
【0041】
図5は、本発明にかかる一実施形態の第3実施例のめっき装置を静止めっき又はバレルめっき状態で使用する一例を示す。
図5(a)は、第3実施例の静止めっき状態で使用するめっき装置の斜視図、
図5(b)は、第3実施例のバレルめっき状態で使用するめっき装置の斜視図である。
【0042】
図5に示す第3実施例では、めっき装置3の揺動装置32及び陰極バー33は、めっき槽31の縁に沿ってスライドすることができる。
【0043】
図5(a)に示すように、第3実施例を静止めっきとして使用する場合、
図2に示した第1実施例と同様に、めっき装置3は、陰極バー33を対向する陽極板34間の中央付近に位置させ、静止めっき用治具8を吊り下げてめっきする。
【0044】
第3実施例をバレルめっきとして使用する場合、
図5(b)に示すように、バレルめっき用治具9を使用する。バレルめっき用治具9は、
図3に示した実施例1の構造とほぼ同様であるが、揺動装置32及び陰極バー33をスライド部材321によってスライドさせるので、陰極バー33を避けるように傾斜させる必要はない。スライド部材321は、図示しないガイドとスライダー等によって構成される。したがって、めっき装置3を正面311側から見た場合には、バレル支持部材91は傾斜していない。その他のバレルめっき用治具9の構造は、
図3に示した実施例1と同様である。なお、スライダーは、図示しないアクチュエータ等によって駆動してもよい。
【0045】
このように、第3実施例のめっき装置3は、静止めっきとバレルめっきの両方に対応することができ、様々な製品をめっきすることが可能となる。そして、めっき装置3を正面311側から見た場合には、バレル支持部材91を傾斜させる必要がないので、バレルめっき用治具9を簡単な構造とすることが可能となる。また、陰極バー33を移動させた空間からバレル92を容易に設置することが可能となる。さらに、バレル支持部材91から離れたバレル92の先端が下方に位置するようにバレル92を傾斜させることで、被めっき材Pが少量であっても下方に集まり、効率的に安定して給電することが可能となる。
【0046】
図6は、本発明にかかる一実施形態のめっきユニットを示す。
図6(a)はめっきユニットの正面図、
図6(b)はめっきユニットの側面図である。
【0047】
一般にめっきラインでは、大規模なめっき槽に一度に多くの製品が投入及び排出されてめっきされていた。このような大規模なめっき槽で少数のサンプル等をめっきする場合には、異なる構造の製品にサンプル等を混ぜて一緒にめっきしていた。しかしながら、製品と異なる構造のサンプル等を混ぜてめっきした場合、めっき後に製品とサンプル等を選別しなければならず、作業時間がかかっていた。
【0048】
また、サンプル等を製品よりも低価格のダミーに混ぜて一緒にめっきする方法もあった。しかしながら、一緒に混ぜたダミーにもめっきされるため、材料及びエネルギーが無駄になっていた。さらに、サンプル等とダミーがめっきされる期間、製品をめっきすることができず、生産性も低下していた。
【0049】
本実施形態のめっきユニット1は、一式を架台2に載せることが可能である。架台2は、下架台22と、下架台22に載せられて支持される上架台21を有する。下架台22の上面には、めっき装置3及び回収部4が載せられ、上架台21の内部空間から下架台22の内部空間にかけて排気部5が取り付けられる。また、上架台21の上面には、制御部6及び濾過部7が載せられる。
図6(a)に示すように、制御部6の操作ボタンや操作ダイヤルは、正面側に配置されている。
【0050】
このように、本実施形態のめっきユニット1は、上下方向を活用し、各部をコンパクトに配置することで、小型に形成される。そして、小型に形成されたことによって、めっきユニット1は、移動可能となり、スペースを有効利用することが可能となる。また、少数の被めっき材を効率的にめっきすることが可能となる。
【0051】
図7は、本発明にかかる一実施形態のめっきユニットを並べためっきラインの平面図を示す。なお、
図7では、4つのめっきユニット1a〜1dを並べているが、少なくとも2
つ以上であればよい。
【0052】
各めっきユニット1a〜1dは、それぞれ異なる処理をすることが可能である。例えば、めっきユニット1a〜1d毎に、前処理、酸活性処理、銅ストライクめっき、銅めっき、ニッケルめっき等、の処理をすることが可能である。
【0053】
本実施形態のめっきユニット1a〜1dは、各めっき装置3a〜3dの揺動装置32a〜32dをめっき槽31a〜31dの背面312a〜312dに配置している。そして、めっきライン10の各めっきユニット1a〜1dは、陰極バー33a〜33dが延びる方向に対して直交する方向に作業スペースSに沿って並べられる。
【0054】
すなわち、めっきライン10において、各めっき装置3a〜3dの揺動装置32a〜32dは、めっきユニット1a〜1dが並ぶ方向と平行に並ぶことになる。そして、めっき槽31a〜31dから突出する揺動装置32a〜32dをすべて背面312a〜312d側に配置することができる。したがって、隣り合うめっき槽31a〜31dと回収槽4a〜4dを隣接して配置することができ、スペースを有効利用することが可能となる。また、作業スペースSでの作業を楽に行うことが可能となる。
【0055】
図8は、本発明にかかる一実施形態のめっきユニットを並べためっきラインの正面図を示す。なお、
図8では、3つのめっきユニット1a〜1cを並べているが、少なくとも2つ以上であればよい。
【0056】
本実施形態のめっきライン10は、各めっきユニット1a〜1cの各架台2a〜2cの内部空間に各排気部5a〜5cの各排気フード51a〜51cを結合する排気ダクト50を有する。特に、各めっき槽31a〜31c及び各回収槽4a〜4cを載せた各下架台22a〜22cの内部空間に排気ダクト50を配置することが好ましい。各めっきユニット1a〜1cから排出される排気は、排気ダクト50から外部に排出される。
【0057】
本実施形態では、排気ダクト50を各架台2a〜2cの内部空間に配置することによって、スペースを有効利用することが可能となる。また、視界から排気ダクト50を隠すことができ、作業環境を良好にすることが可能となる。
【0058】
図9は、本発明にかかる一実施形態のめっきユニットを並べためっきラインの他の例を示す。
図9(a)はめっきラインの他の例の正面図、
図9(b)はめっきラインの他の例の側面図である。なお、
図9では、2つのめっきユニット1a〜1bを並べているが、少なくとも2つ以上であればよい。
【0059】
図9に示すめっきライン10は、各めっき槽31a〜31b及び各回収槽4a〜4bの背面側に各排気部5a〜5bの各排気フード51a〜51bを結合する排気ダクト50を配置する。特に、各めっき槽31a〜31b及び各回収槽4a〜4bを載せた各下架台22a〜22b上に排気ダクト50を載せることが好ましい。各めっきユニット1a〜1bから排出される排気は、排気ダクト50から外部に排出される。
【0060】
本実施形態では、排気ダクト50を各下架台22a〜22b上に載せることによって、スペースを有効利用することが可能となる。また、視界から排気ダクト50を隠すことができ、作業環境を良好にすることが可能となる。
【0061】
図10は、本発明にかかる一実施形態のめっきユニットを並べためっきラインの他の例を示す。なお、
図10では、4つのめっきユニット1a〜1dを並べているが、少なくとも2つ以上であればよい。
【0062】
図10に示すめっきライン10は、各めっき槽31a〜31d及び各回収槽4a〜4dの正面側の作業スペースSに水洗槽11を移動可能に配置してもよい。水洗槽11は、台車等に載せられて移動してもよいし、案内部を有するテーブル上をスライダー等に載せられて移動してもよい。また、スイッチ等による遠隔操作又は自動制御によって移動してもよい。さらに、水洗槽11は、給排水のホースや電気ケーブル等を連結してもよい。また、水洗槽11は、複数の槽に分割してもよい。
【0063】
このように、水洗槽11を各めっき槽31a〜31d及び各回収槽4a〜4dの正面側の作業スペースSに移動可能に配置することで、よりスペースを有効利用することが可能となる。また、水洗槽11を各めっき槽31a〜31d及び各回収槽4a〜4dの近くに移動できるので、効率的に作業することが可能となる。
【0064】
次に、小型に形成した本実施形態のめっきユニット1に小型のバレルを用いた場合の効果について説明する。
【0065】
図11は、本実施形態のめっきユニットに用いられる小型のバレルと参考例としての大型のバレルを示す。
図11(a)は小型のバレル、
図11(b)は大型のバレルである。
【0066】
一般に、バレル92を使用しためっき作業では、被めっき材は、
図11に斜線で示した領域921a,922aでのみめっきされる。すなわち、小型のバレル921はバレル内部全体の体積に対してめっきされる領域921aの割合が大きく、大型のバレル922はバレル内部全体の体積に対してめっきされる領域922aの割合が小さい。これらのバレルを撹拌して被めっき材を同じ時間めっきした場合、小型のバレル921のめっきされる領域921a内に被めっき材が存在する時間は、大型のバレル922のめっきされる領域922a内に被めっき材が存在する時間よりも多くなる。したがって、小型のバレル921の方が大型バレル922より短時間でめっきすることが可能となる。
【0067】
また、一般に亜鉛めっきでは、シアンめっき液を使用していたが、近年、シアンめっき液の強い毒性が問題となり、規制が厳しくなっている。そのため、ノンシアンめっき液を使用することが好ましいが、大型のバレル922でのめっきにノンシアンめっき液を使用した場合、めっきに時間がかかるので、亜鉛に対して銅が置換析出して密着不良となるおそれがある。本実施形態のめっきユニット1は、短時間でめっきすることができる小型のバレル921を使用するので、ノンシアンめっき液を使用することが可能となる。
【0068】
以上、本実施形態のめっき装置3によれば、上方が開放された箱状のめっき槽31と、めっき槽31内に配置される陽極板34と、めっき槽31の上方に配置される陰極バー33と、陰極バー33を揺動させる揺動装置32と、を備え、被めっき材を保持する静止めっき用治具8を陰極バー33に吊り下げる静止めっき状態と、被めっき材を収納するバレル用治具9をめっき槽31に取り付けるバレルめっき状態と、を切り替え可能なので、様々な製品に対応することが可能となる。
【0069】
また、本実施形態のめっき装置3によれば、揺動措置32は、めっき槽31の背面側に設置されるので、作業スペースSでの作業の邪魔にならず、楽に作業することが可能となる。
【0070】
また、本実施形態のめっき装置3によれば、バレル用治具9は、被めっき材を収納するバレル92、バレル92を支持するバレル支持部材91、及びバレル支持部材91をめっき槽31の縁に取り付ける引掛部93を有し、めっき槽31に対して着脱可能なので、めっき槽31に簡単に取り付けることが可能となる。
【0071】
本実施形態のめっき装置3によれば、バレル用治具9をめっき槽31に取り付けた場合、バレル92は、バレル支持部材92から離れるほど下方に傾斜するので、被めっき材Pが少量であっても下方に集まり、効率的に安定して給電することが可能となる。
【0072】
本実施形態のめっき装置3によれば、バレル用治具9をめっき槽31に取り付けた場合、バレル支持部材91の上方が陰極バー33とめっき槽31の間から突出し、下方がめっき槽31の中央に近づくように、バレル支持部材91は、引掛部93に傾斜して取り付けられるので、被めっき材をめっき槽31の中央で効率的にめっきすることが可能となる。
【0073】
本実施形態のめっき装置3によれば、陰極バー33を移動させる移動機構32a,33aを備えるので、陰極バー33を移動させた空間からバレル92を容易に設置することが可能となる。
【0074】
本実施形態のめっき装置3によれば、移動機構32aは、陰極バー33をめっき槽の縁に沿って移動させるスライド部材321なので、簡単な機構で陰極バー33を移動させることが可能となる。
【0075】
本実施形態のめっき装置3によれば、移動機構33aは、陰極バー33を屈曲させる屈曲部331なので、簡単な機構で陰極バー33を移動させることが可能となる。
【0076】
本実施形態のめっきユニット1によれば、上架台21及び上架台21を支持する下架台22を有する架台2と、下架台22に載せられるめっき装置3と、上架台21に載せられ、めっき装置3のめっき槽31内のめっき液を濾過する濾過器7と、を備えるので、上下方向を活用し、各部をコンパクトに配置することで、小型に形成される。そして、小型に形成されたことによって、めっきユニット1は、移動可能となり、スペースを有効利用することが可能となる。また、少数の被めっき材を効率的にめっきすることが可能となる。
【0077】
本実施形態のめっきライン10によれば、複数のめっきユニット1を、めっき槽31の側方に並べるので、めっき槽31から突出する揺動装置32をすべて背面312側に配置し、隣り合うめっき槽31を隣接して配置することができ、スペースを有効利用することが可能となる。
【0078】
本実施形態のめっきライン10によれば、めっき槽31の下方に、めっき槽31から排出される排気を送風する排気ダクト50を備えるので、スペースを有効利用することが可能となる。また、視界から排気ダクト50を隠すことができ、作業環境を良好にすることが可能となる。
【0079】
本実施形態のめっきライン10によれば、 めっき槽の背面側に、めっき槽から排出される排気を送風する排気ダクトを備えるので、スペースを有効利用することが可能となる。また、視界から排気ダクトを隠すことができ、作業環境を良好にすることが可能となる。
【0080】
本実施形態のめっきライン10によれば、 めっき槽31の前方に、被めっき材を水洗する水洗槽11を、めっき槽31が並ぶ方向へ移動可能に備えるので、水洗槽11を各めっき槽31の前方に移動可能に配置することで、よりスペースを有効利用することが可能となる。また、水洗槽11を各めっき槽31の近くに移動できるので、効率的に作業することが可能となる。
【0081】
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態のみに
限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。